JP4097879B2 - 注型装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガス絶縁開閉装置等の電力機器に用いる絶縁スペーサ、ブッシング、樹脂モールドコイル、モールドバルブなどのエポキシ樹脂注型品を短時間で注型する場合に好適な注型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13に、この種の注型装置の従来例を示している。この注型装置は、熱板1を含む外郭壁によって囲まれた真空チャンバ2内に、樹脂成形用のキャビティ3を有する金型4を配置した構成となっている。熱板1は例えば金型4の両側面部を支持する1対の対向壁として構成され、それぞれ駆動装置である油圧式開閉装置5のシリンダ6によって開閉可能とされている。また、各熱板1内にはヒータ7が埋設され、金型4に設けた温度センサ8およびこれに接続された温度制御装置9によって、温度制御されるようになっている。
【0003】
真空チャンバ2は真空バルブ10を有する配管11を介して真空ポンプ12に接続されている。また、金型4の例えば下部に樹脂注入用の注型口13が設けられ、この注型口13には真空チャンバ2を経て外部に導出された樹脂導入用の配管14を介して樹脂混合タンク15が接続されている。樹脂混合タンク15には溶融状態の樹脂16が収容され、加圧装置17および加圧バルブ18の操作によって樹脂16を注型口13からキャビティ3に供給できるようになっている。
【0004】
そして注型時には、まず金型4に予め加熱乾燥した埋込金物19を設置し、この金型4を真空チャンバ2内に開閉装置5によって固定支持させて閉鎖し、真空ポンプ12と真空バルブ10の操作により真空チャンバ2を真空にする、この後、樹脂混合タンク15の真空を開放し、加圧バルブ18および加圧装置17の操作により樹脂混合タンク15内を加圧することにより、金型4の底部に設けられた注型口13からキャビティ3内へ樹脂16の注入を行う。キャビティ3中に樹脂16が充填された後は、熱板8内のヒータ7に通電することによって加熱し、硬化させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の注型装置においては、金型4が熱板1に直接的に支持された構成とされている。このような構成によると、一般に開閉装置5のシリンダ6の駆動距離が固定されていることから、それに合わせて金型4の肉厚が制限され、品種の異なる様々な寸法の注型品に対応する場合、必ずしも最適な肉厚を持った金型4を搭載することができない場合がある。
【0006】
また、真空チャンバ2内の金型4の温度制御については一般に、真空チャンバ2外に配置されている熱板1からの熱伝導により行なうため、金型4の温度分布の制御をきめ細かく行うことができない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、多品種の注型品を製造する際に最適な厚みを持った金型を搭載することができるとともに、金型温度の制御を詳細かつ厳密に行うことができ、これにより信頼性の高い注型品を製造することができる注型装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、熱板を含む外郭壁によって囲まれた真空チャンバ内に、樹脂成形用のキャビティを有する金型を配置し、前記熱板を駆動装置によって開閉可能とした注型装置において、前記金型を前記熱板に着脱可能な金型脚を介して固定支持させ、この金型脚による前記金型の支持位置を可変としたことを特徴とする注型装置を提供する。
【0009】
請求項2の発明では、金型内に、樹脂充填方向と直交する方向に沿う複数本の棒状ヒータを埋設したことを特徴とする請求項1記載の注型装置を提供する。
【0010】
請求項3の発明では、棒状ヒータの端部は金型の外面部に位置し、この棒状ヒータの端部外周に、その金型よりも線膨張係数が大きいポリテトラフルオロエチレン製等のシール用リングを配置し、前記棒状ヒータと前記金型との接合部をシールしたことを特徴とする請求項2記載の注型装置を提供する。
【0011】
請求項4の発明では、棒状ヒータの熱出力を金型内に注入される樹脂量に応じて独立に制御する温度制御装置を設けたことを特徴とする請求項2または3記載の注型装置を提供する。
【0012】
請求項5の発明では、熱板に別のヒータを設置したことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0013】
請求項6の発明では、棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位に設けたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0014】
請求項7の発明では、棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内面側の対キャビティ界面部位に設けたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0015】
請求項8の発明では、棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位と、金型内面側の対キャビティ界面部位とにそれぞれ設け、樹脂の注入硬化プロセスに応じた前記各温度センサの使い分けを可能としたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0016】
請求項9の発明では、金型のキャビティ内に埋込金物を配置し、この埋込金物に近接した部位の金型内部に棒状ヒータを配置したことを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0017】
請求項10の発明では、金型内面に、埋込金物を覆う配置で掘り込みを形成したことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0018】
請求項11の発明では、金型の埋込金物設置部近傍の肉厚を他の部分よりも大きくし、当該部の熱容量を大きくしたことを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0019】
請求項12の発明では、金型の注型口側の肉厚を最小とし、前記注型口から遠ざかるに従って次第に肉厚を大とする傾斜を、前記金型の外面に形成したことを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0020】
請求項13の発明では、注型口からキャビティに至る経路の金型の肉厚を、キャビティ周りよりも小さくしたことを特徴とする請求項1から12までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る注型装置の実施形態について図1〜図12を参照して説明する。なお、従来例と対応する部位には図13と同一の符号を使用する。
【0022】
図1は注型装置の全体を示す構成図である。この図1に示すように、本実施形態の注型装置は、熱板1を含む外郭壁によって囲まれた真空チャンバ2内に、樹脂成形用のキャビティ3を有する金型4を配置した構成となっている。熱板1は例えば金型4の両側面部を支持する1対の対向壁として構成され、それぞれ駆動装置である油圧式開閉装置5のシリンダ6によって開閉可能とされている。
【0023】
金型4内にはヒータ7および温度センサ8が設けられ、この温度センサ8に接続された温度制御装置9によってヒータ(棒状ヒータ)7による金型温度の制御が行なわれるようになっている。棒状ヒータ7の構成については、後に詳述する。
【0024】
真空チャンバ2は、真空バルブ10を有する配管11を介して真空ポンプ12に接続されている。また、金型4の例えば下部に樹脂注入用の注型口13が設けられ、この注型口13には真空チャンバ2を経て外部に導出された樹脂導入用の配管14を介して樹脂混合タンク15が接続されている。樹脂混合タンク15には溶融状態の樹脂16が収容され、加圧装置17および加圧バルブ18の操作によって樹脂16を注型口13からキャビティ3に供給できるようになっている。
【0025】
そして本実施形態においては、金型4が熱板1に着脱可能な複数の金属製の金型脚20を介して固定支持されている。これらの金型脚20は、例えば断面が凸形のものであり、それぞれ幅広い部分の端部がボルト等の締結具21によって熱板1に着脱可能に固定され、また凸形に突出する幅の狭い部分を金型4の側面に当接させることにより、その金型を両側から挟持する状態で固定支持している。
【0026】
このような構成の本実施形態においても、注型時には、例えば金型4に予め加熱乾燥した埋込金物19を設置し、金型4を真空チャンバ2内で開閉装置5によって閉鎖し、真空ポンプ12と真空バルブ10の操作により真空チャンバ2を真空にした後、樹脂混合タンク15の真空を開放し、加圧バルブ18と加圧装置17の操作により樹脂混合タンク15内を加圧することにより、金型4の底部に設けられた注型口13からキャビティ3内へ樹脂16の注入を行う。そして、キャビティ3中に樹脂16が充填された後、熱板8内のヒータ7に通電することによって加熱し、硬化させるものであるが、金型脚20による金型4の着脱可能な支持構造および後述するヒータ構造に基づき、下記の如く、従来例と異なる作用効果が奏される。
【0027】
すなわち、本実施形態では図1に示したように、金型4が、油圧開閉装置5によりシリンダ6で駆動する熱板1に、金属製の金型脚20を介して固定支持され、この金型脚20は熱板1にボルト等の締結具21で固定されているので、金型4および金型脚20は取り外し可能となっている。
【0028】
したがって、本実施の形態によると、シリンダ6の駆動距離および2枚の熱板1の間隔は固定されていたとしても、金型脚20を例えば厚さの異なるものと交換等することにより、金型の厚さを変えることができる。したがって、シリンダ6の駆動距離および2枚の熱板1の間隔は固定されていても、金型脚20の厚さを変えることにより、製品に応じた厚みの金型4を注型装置に搭載することができる。
【0029】
図2はヒータ構成を詳細に説明するための図1の要部拡大図であり、図3は図2のX−X線に沿う部分断面図である。
【0030】
これらの図に示すように、本実施形態の棒状ヒータ7は注型口13の樹脂注入方向(図の上下方向)に対して直交する方向(横方向)に複数本平行に配置され、これら複数本の棒状ヒータ7に通電することにより、樹脂を硬化させる。これらの棒状ヒータ7の熱出力は、温度センサ8および温度制御装置9によって個々に独立して制御される。
【0031】
このように、本実施形態においては、棒状のヒータ7の各々によって熱出力を調整することができるので、注型口13から反注型口22に向けて低温から高温となるよう温度勾配を設けることが可能になる。したがって、温度制御により反注型口22側から注型口13に向けて樹脂を順序良く硬化させ、高品質な注型品を製造することができる。
【0032】
すなわち、本実施形態では金型脚20が樹脂充填方向に対して直交する方向に設置されているので、金型脚20の熱伝導率が高いため、金型脚内の温度は樹脂充填方向に対して直交する方向に対して略一定とすることができる。
【0033】
本実施形態においては、樹脂充填方向に対して垂直に設置された棒状ヒータ7により、注型口13から反注型口22に向けて温度が高くなるように、つまり等高線を注型口13に対して垂直に分布するように制御することにより、その制御精度の向上が図れる。
【0034】
また本実施形態においては、図3に示すように、棒状ヒータ7が金型4を貫通しており、この棒状ヒータ7の端部は金型4の外面部に位置し、この棒状ヒータ7の端部外周に、その金型4よりも線膨張係数が大きいポリテトラフルオロエチレン製のシール用リング23を配置し、棒状ヒータ7と金型4との接合部をシールしてある。
【0035】
このような構成によると、ポリテトラフルオロエチレンが金型4の素材である金属よりも線膨張係数が大きいため、棒状ヒータ7の通電により金型4およびポリテトラフルオロエチレン製リング23が加熱されると、このリング23が金型4に比べて大幅に膨張する。したがって、膨張したリング23によってシール機能が高められるため、例えばシール不足によって棒状ヒータ7の発熱部が減圧状態となり絶縁破壊するような事態の発生を防止することができる。
【0036】
次に、図4〜図12によって本実施形態の各種変形例を説明する。
【0037】
図4は熱板加熱についてのものであり、熱板1内に別のヒータ7aを設けた例を示している。この例では、熱板1内に設けたヒータ7aに通電を行うことにより、熱板1も所定の温度まで加熱するようにしている。
【0038】
これにより、樹脂の注入過程および硬化中における真空チャンバ2内の温度の一定保持が図れる。また、離型時に開閉装置5の操作によりシリンダ6を駆動し、金型4を開放しても、ヒータ7aによって金型4の周りの温度を室温以上に保持できるため、金型4の温度低下を抑制することが可能となる。
【0039】
この図4に示したヒータ構成によれば、樹脂充填中および硬化中に真空チャンバ2内の温度を一定に保つことにより、注型装置周囲の雰囲気温度の差によって及ぼされる製品への影響を抑止することができる。また、離型後の金型4の温度低下が少ないため、再注型の際等における金型4の予熱に要する時間を短縮することができる。
【0040】
図5は、金型4の温度制御についての変形例を示している。
【0041】
この例では図5に示すように、棒状ヒータ7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4内の棒状ヒータ7に近接する部位に設けられている。この場合、温度センサ8と棒状ヒータ7との最短距離は、その温度センサ8を金型4に埋め込むための掘り込み加工が可能な5mmである。また、最大距離は下記の制約によって10mmが適当である。すなわち、樹脂注入時には、樹脂が金型4よりも低温であるため金型4の温度が下降し、温度制御装置9によって金型4内の棒状ヒータ7の熱出力が上昇する。金属製である金型4は熱伝導率が大きく、ヒータ熱出力を上昇しすぎると、温度上昇が過大になることがある。温度センサ8が樹脂温度の影響を受け難い距離が10mmである。
【0042】
このような図5の構成によれば、温度センサ8が棒状ヒータ7に近接して設置されているので、棒状ヒータ7による加熱の度合を敏感に感知することができる。また、樹脂注入時には樹脂に熱を供給することによる金型4の温度低下の影響を受け難くなるため、過度に棒状ヒータ7の熱出力が上昇することが抑制でき、より精密な温度制御が可能になる。したがって、金型温度の精密な制御が可能になることにより、高品質な注型品を製造することができる。
【0043】
図6は、金型4の温度制御についての他の変形例を示している。
【0044】
この例では図6に示すように、棒状ヒータ7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4の内面側のキャビティ3との界面部位に設けられている。このように、温度センサ8を金型4とキャビティ3との界面付近に設置することにより、キャビティ3内に充填された樹脂の発熱よる金型4の温度上昇を感知し易くなる。したがって、樹脂の発熱による金型4の温度上昇を素早く感知し、ヒータ熱出力の制御において早急にフィードバックできるので、金型4の温度管理の精度向上が図れる。
【0045】
なお、温度センサ8とキャビティ3との距離は、できるだけ小さい方が望ましいが、一定の限度がある。発明者の検討によると、温度センサ8を金型4に埋め込むための掘り込み加工が可能で、座屈が生じない程度の強度が得られる5mmが最小である。
【0046】
図7は、金型4の温度制御についての別の変形例を示している。
【0047】
この例では図7に示すように、棒状ヒータ7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4内の棒状ヒータ7に近接する部位(図7の左側に図示した部位)と、金型4内面側の対キャビティ3界面部位(図7の右側に図示した部位)とにそれぞれ設けられ、樹脂の注入硬化プロセスに応じた各温度センサ8の使い分けが可能とされている。
【0048】
例えば、樹脂注入時には棒状ヒータ7付近に設置した温度センサ(図7の左側に図示した温度センサ)8を用い、樹脂硬化時には金型4とキャビティ3との界面付近に設置した温度センサ(図7の右側に図示した温度センサ)8を用いるというように、樹脂の注入硬化プロセスに応じて使い分ける。
【0049】
このような構成によると、樹脂硬化時には金型4とキャビティ3との界面付近に設置した温度センサ8を用いることにより、樹脂の発熱による金型4の温度上昇を感知し易くなる。また、樹脂注入時には棒状ヒータ7付近の温度センサ8を用いることにより、樹脂に熱を供給することによる金型4の温度低下の影響を受け難くなるため、過度に棒状ヒータ7の熱出力が上昇するのを抑制することができ、より精密な温度制御が可能になる。したがって、本実施形態においては、金型4の温度管理の精度を向上することができる。
【0050】
図8は、棒状ヒータ7の配置構成についての変形例を示している。
【0051】
この例では図8に示すように、金型4のキャビティ3内に埋込金物19が配置され、この埋込金物19に近接した部位の金型4内部に棒状ヒータ7(7b)が内径側に寄った配置とされている。
【0052】
このような構成によると、注型時に埋込金物19の周りに注入される樹脂は、金型4に加えて埋込金物19からも熱が供給されるため、硬化が早く進む。したがって、埋込金物19の周りの樹脂は、埋込金物19を締めつける方向に収縮しつつ硬化するので、埋込金物19と樹脂との間に圧縮応力が働き、これらの界面での剥離を防止することができる。
【0053】
図9は、金型4のキャビティ形状についての変形例を示している。なお、この図9〜図12等においては棒状ヒータの図示を省略している。
【0054】
この例では図9に示すように、金型4の内面に、埋込金物19を例えば上下方向から覆う配置で、掘り込み23が形成されている。
【0055】
このような構成によると、掘り込み23内に充填された樹脂は、硬化する際に埋込金物19を包むように収縮し、また樹脂と埋込金物19との接触面積が増加する。したがって、本例によると、埋込金物19と樹脂との接着性向上が図れる。
【0056】
図10は、金型4の肉厚構成についての変形例を示している。
【0057】
この例では、金型4の埋込金物19の設置部近傍に、その肉厚が他の部分よりも大きい厚肉部24が形成されており、これにより当該部の熱容量が大きく設定されている。
【0058】
このような構成によると、金型4のうち埋込金物19付近の熱容量が大きいため、埋込金物19付近の樹脂は、それ以外の領域よりも多く熱を供給され、硬化が早く進む。したがって、本例によると、樹脂が埋込金物19の周りから硬化が始まり、埋込金物19を圧縮する方向に硬化収縮するので、これらの界面の接着性が向上する。
【0059】
図11は、金型4の肉厚構成についての別の変形例を示している。
【0060】
この例では図11に示すように、金型4の注型口13側の肉厚が最小とされ、この注型口13から遠ざかるに従って次第に肉厚を大とする傾斜面25が形成されている。
【0061】
このような構成によると、金型4の厚みに傾斜状に変化しているため、金型4よりも低温の樹脂を注型口13からキャビティ3内に充填した場合に、金型4内に温度勾配が生じ、注型口13側が低温となり、反注型口22側が高温となる。したがって本例によれば、金型4に生じる温度勾配によって、キャビティ3に充填される樹脂を、反注型口22側から注型口13に向かって順次に硬化させることができ、樹脂の充填が完了する前に樹脂によって注型口13が閉塞することなく、樹脂を反注型口側から順序良く硬化させることができる。なお、図11ではヒータ7cとして線状のものを示しているが、棒状ヒータを適用できることは勿論である。
【0062】
図12は、金型4の肉厚構成についてのさらに別の変形例を示している。
【0063】
この例では図12に示すように、注型口13からキャビティ3に至る経路の金型4の肉厚が、そのキャビティ3の周りに比して小さくなっている。
【0064】
このように、注型口13からキャビティ3に至る経路の金型4の厚みを、キャビティ3の周りよりも肉薄とした構成によると、注型口13からキャビティ3に至る経路の金型4の熱容量が小さくなるため、この経路内にある樹脂は熱量の供給を受けにくくなり、キャビティ3内の樹脂よりも硬化が遅れる。したがって、本例によっても、注型口13からキャビティ3に至る経路内で、充填完了前に樹脂が硬化し、注型口13が閉塞することを有効に防止することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明によれば、金型を熱板に金型脚を介して支持させることにより、多品種の注型品を製造する際に、その金型脚の厚さ設定等により、それぞれ最適な厚みを持った金型を搭載することができる。また、金型の温度が注型口側で低く、反注型口側で高くなるように金型に温度勾配を設けることにより、樹脂の充填が完了する前に樹脂によって注型口が閉塞することなく、樹脂を反注型口側から順序良く硬化させることができる。また、金型温度は金型内に具備した棒状ヒータと温度センサとを用いて精度よく、かつ再現性のよい制御を行うことができる。さらに熱板にもヒータを挿入する等により、金型温度が注型装置の周囲の温度に影響されないようにして、真空チャンバ内の金型温度の制御を詳細かつ厳密に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る注型装置の一実施形態を示す全体構成図。
【図2】 図1に示す注型装置の金型および温度制御装置を示す構成図。
【図3】 図1に示す金型の構成図。
【図4】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型と熱板、熱板内ヒータの構成図。
【図5】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温度制御装置の構成図。
【図6】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温度制御装置の構成図。
【図7】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温度制御装置の構成図。
【図8】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型と金型内ヒータの構成図。
【図9】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型形状の説明図。
【図10】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型形状の説明図。
【図11】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型形状の説明図。
【図12】 前記実施形態の変形例を示すもので、金型形状の説明図。
【図13】 従来の注型装置を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱板
2 真空チャンバ
3 キャビティ
4 金型
5 開閉装置
6 シリンダ
7 棒状ヒータ
8 温度センサ
9 温度制御装置
10 真空バルブ
11 配管
12 真空ポンプ
13 注型口
14 (樹脂注入用)配管
15 樹脂混合タンク
16 樹脂
17 加圧装置
18 加圧バルブ
19 埋込金物
20 金型脚
21 締結具
22 反注型口
23 リング
24 厚肉部
25 傾斜面

Claims (13)

  1. 熱板を含む外郭壁によって囲まれた真空チャンバ内に、樹脂成形用のキャビティを有する金型を配置し、前記熱板を駆動装置によって開閉可能とした注型装置において、前記金型を前記熱板に着脱可能な金型脚を介して固定支持させ、この金型脚による前記金型の支持位置を可変としたことを特徴とする注型装置。
  2. 金型内に、樹脂充填方向と直交する方向に沿う複数本の棒状ヒータを埋設したことを特徴とする請求項1記載の注型装置。
  3. 棒状ヒータの端部は金型の外面部に位置し、この棒状ヒータの端部外周に、その金型よりも線膨張係数が大きいポリテトラフルオロエチレン製等のシール用リングを配置し、前記棒状ヒータと前記金型との接合部をシールしたことを特徴とする請求項2記載の注型装置。
  4. 棒状ヒータの熱出力を金型内に注入される樹脂量に応じて独立に制御する温度制御装置を設けたことを特徴とする請求項2または3記載の注型装置。
  5. 熱板に別のヒータを設置したことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の注型装置。
  6. 棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位に設けたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置。
  7. 棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内面側の対キャビティ界面部位に設けたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置。
  8. 棒状ヒータの熱出力制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位と、金型内面側の対キャビティ界面部位とにそれぞれ設け、樹脂の注入硬化プロセスに応じた前記各温度センサの使い分けを可能としたことを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の注型装置。
  9. 金型のキャビティ内に埋込金物を配置し、この埋込金物に近接した部位の金型内部に棒状ヒータを配置したことを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の注型装置。
  10. 金型内面に、埋込金物を覆う配置で掘り込みを形成したことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の注型装置。
  11. 金型の埋込金物設置部近傍の肉厚を他の部分よりも大きくし、当該部の熱容量を大きくしたことを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載の注型装置。
  12. 金型の注型口側の肉厚を最小とし、前記注型口から遠ざかるに従って次第に肉厚を大とする傾斜を、前記金型の外面に形成したことを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の注型装置。
  13. 注型口からキャビティに至る経路の金型の肉厚を、キャビティ周りよりも小さくしたことを特徴とする請求項1から12までのいずれかに記載の注型装置。
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