JPH10217303A - 成形用金型の型締力制御装置および型締力制御方法 - Google Patents

成形用金型の型締力制御装置および型締力制御方法

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JPH10217303A
JPH10217303A JP2307097A JP2307097A JPH10217303A JP H10217303 A JPH10217303 A JP H10217303A JP 2307097 A JP2307097 A JP 2307097A JP 2307097 A JP2307097 A JP 2307097A JP H10217303 A JPH10217303 A JP H10217303A
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metal plate
plate member
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platen
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JP2307097A
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Yutaka Matsuo
裕 松尾
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用の射出成形機を用いた樹脂成形におい
て、可動側プラテンを作動して成形用金型を型閉めした
後の樹脂の成形工程時に型締力を変化させる。 【解決手段】 射出成形機の可動側プラテンと成形用金
型の可動側型板との間に金属板部材と断熱板とを介挿
し、成形用金型を型閉めした後のキャビティ内に樹脂が
充填される際に、前記金属板部材を昇温により熱膨脹さ
せて板厚を増加させ、成形用金型の型締力を増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機等の成
形工程において適用される成形用金型の型締力制御装置
および型締力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は射出成形機の全体構成の概略を示
し、図8はこの射出成形機の要部を断面にした説明図で
ある。
【0003】射出成形機60は、溶融した樹脂を先端の
ノズル61から射出する射出装置62と、射出された樹
脂を所定形状に成形する成形用金型(以下、金型とい
う)63を開閉する型締め装置64とが本体65上に配
設されて構成されている。この本体65の内部には、射
出装置62および型締め装置64の作動や金型63の温
度を制御する制御部66が設けられている。型締め装置
64は、図7の本体65の左側に取り付けられた駆動部
67と、駆動部67に取り付けられて本体65上を型締
め方向に往復移動する可動側プラテン68と、可動側プ
ラテン68と対向するように本体65上に固定された固
定側プラテン69とを備えている。
【0004】射出された樹脂を成形する金型63は、可
動側プラテン68および固定側プラテン69の各対向面
に取り付けられる。また固定側プラテン69には、射出
装置62のノズル61が貫通する逃げ孔70が形成され
ており、逃げ孔70を貫通して射出装置62のノズル6
1が金型63のスプルブッシュ63a(図8)に達する
ように本体65上を移動するようになっている。なお、
可動側プラテン68には、エジェクタロッドを駆動する
ためのエジェクタ駆動部71が取り付けられている。
【0005】図8に示すように、前記型締め装置64に
おける駆動部67は、型締めシリンダ72内で嵌合し摺
動する型締めラム73を往復移動するように、型締めシ
リンダ72の右方室74および左方室75にそれぞれ接
続された圧油管76a、bを介して、圧油の供給方向を
切り替える方向切替弁77およびポンプ78を有する。
よって、型締め時には方向切り替え弁77のソレノイ
ド77aが励磁され、ポンプ78の油量が型締めシリン
ダ72の図示左方室75に供給されて型締めラム73を
右方に移動し、金型63を制御部66で設定した設定圧
力で型締めする。 次に制御部66での制御により、射
出装置62が左方に前進して固定側プラテン69に取り
付けた金型63のスプルブッシュ63aに当接した後、
スクリューシリンダ80内部のスクリュー81が回転駆
動し、これにより予めスクリューシリンダ80内の中で
加熱溶融された樹脂がノズル61を経て金型63内のキ
ャビティ82に高圧力で射出される。
【0006】このとき射出成形機62においては、型締
力は前記設定圧力で常に一定である。そしてキャビティ
82内に射出された樹脂が硬化した時、ソレノイド77
aを介して方向切替弁77を切り替え、型締めシリンダ
72の右方室74に圧油を供給し、可動側プラテン68
を後退させて金型のPL面で型開き動作を行わせ、次い
で、硬化した樹脂成形品を金型63から、例えばロボッ
トで取り出すようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記構成の射出成形機
60にあっては、金型63を型締めした後、キャビティ
82内に溶融された樹脂を射出する際にはキャビティ8
2内に外気(大気)が入っており、且つ溶融された樹脂
がノズル61を介してキャビティ82内に流動する際に
も溶融状態の樹脂から発生するガスが樹脂流動に先立っ
てキャビティ82内に流入する。これらの大気やガスが
キャビティ82内に存在すると、この存在によって後か
ら流入した樹脂とキャビティ面との密着が阻害され、キ
ャビティ面の樹脂に対する転写性が妨げられ、良好な表
面形状の樹脂成形品が得られなくなる危惧が生ずる。
【0008】このため、溶融樹脂の射出に先立ってキャ
ビティ82内から大気やガスがPL面を介して飛散する
ように型締め装置64による型締力を弱く設定すると、
射出装置62による高圧力での樹脂射出ではPL面に溶
融樹脂が流入し、バリとなって表れるので、この場合に
も良好な表面形状の樹脂成形品が得られなくなる。
【0009】本発明は、上記不具合に鑑みてなされたも
のであり、型締力(型締め圧力)が一定である射出成形
機においても、常に良好な樹脂成形品を得ることができ
る成形用金型の型締力制御装置および型締力制御方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】成形機のプラテンに取り
付けられた成形用金型の型締力を樹脂の成形工程時に変
化せしめる型締力制御装置であって、前記成形機のプラ
テンと前記成形用金型の型板との間に介挿される金属板
部材と、この金属板部材の前記型板側に固定される断熱
部材と、前記金属板部材に配設された加熱手段により金
属板部材の温度を制御するヒートサイクル温調機とを有
し、金属板部材の加熱制御によってこの金属板部材の板
厚を変化させて成形用金型の型締力を変化させることを
特徴とする。
【0011】成形機のプラテンに取り付けられた成形用
金型の型締力を樹脂の成形工程時に変化せしめる型締力
制御方法であって、成形用金型の型締めをした後に、前
記成形機のプラテンと前記成形用金型の型板との間に介
挿した金属板部材を加温制御し、プラテンと型板との間
の寸法を増加させて前記プラテンに取り付けられた成形
用金型の型締力を変化させることを特徴とする。
【0012】なお、本発明における前記成形用金型の型
板は、樹脂成形品を成形するキャビティが形成される型
板部材を称している。
【0013】
【作用】成形機の固定プラテンに対して可動プラテンを
移動し、各プラテン間の距離を一定にして成形用金型を
型締めした後の成形工程において、成形機のプラテンと
成形用金型の型板との間に介挿される金属板部材を、ヒ
ートサイクル温調機を介して制御される加熱手段により
加温すると、金属板部材が加熱されて熱膨脹する。プラ
テン間の距離が一定であるから金属板部材の熱膨脹量に
応じて成形用金型が受ける圧縮力すなわち型締力が増加
する。
【0014】ヒートサイクル温調機の制御により金属板
部材の温度を変化させて成形用金型の型締力を変化する
ことができると、成形用金型の型締め時に弱い型締力で
型締めし、この状態でキャビティ内に溶融した樹脂を流
動すると、PL面からキャビティ内の大気やガスが排出
される。この排出の終了に合わせて金属板部材を熱膨脹
させると、プラテン間の距離が一定であるから、成形用
金型が受ける型締力が増加して高圧力の樹脂射出が行わ
れてもPL面に溶融樹脂の流れが無く、良好な樹脂成形
品となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1を示
し、射出成形機の可動側プラテンと固定側プラテンとの
間に射出成形用金型を配置する場合に、可動側プラテン
と射出成形用金型との間に実施の形態1に係る型締力制
御装置の金属板部材を介挿させた要部の正面図であり、
図2は射出成形用金型の一例の一部を断面にした正面図
である。図3は図1の金属板部材の平面図である。
【0016】図1において、射出成形機の可動側プラテ
ン1と固定側プラテン2との間に配置される射出成形用
金型(以下、金型という)3は、可動側プラテン1側で
は、温度制御可能な金属板部材4および、この金属板部
材4からの熱が右方の金型3に伝達しないように前記金
属板部材4に隣接させて配した断熱板5を介して取り付
けられている。具体的には、可動側プラテン1に金属板
部材4と断熱板5とが複数本(図1では4本)のボルト
6aを介して取り付けられ、この断熱板5に前記金型3
が複数本のボルト6bを介して取り付けられている。固
定側プラテン2側では、金型3は直接に取り付けられて
いる。
【0017】この金型3は、図2に示すように、パーテ
ィングライン面(PL面)7を分離面にして固定側金型
8と可動側金型9からなり、固定側金型8は固定側プラ
テン2に前記直接に取り付けられる固定側取付板10お
よび固定側型板11が一体的に結合構成してなり、また
可動側金型9は可動側プラテン2側の断熱板5に取り付
けられる可動側取付板12、スペーサブロック13、受
け板14、および可動側型板15を一体的に結合構成し
てなる。
【0018】前記固定側型板11と前記可動側型板15
との当接面はPL面7と一致し、それぞれの型板11、
15に植設したガイドブッシュ16とガイドピン17に
よって両者が位置決めされるとともに、各型板11、1
5のPL面7に対応させて樹脂成形品を成形するキャビ
ティ18が形成されている。キャビティ18は、図2に
おいて、固定側型板11に形設した凹部と可動側型板1
5に突設支持したコア19とで形成され、このキャビテ
ィ18に対して溶融樹脂が流動するようにスプル20、
ランナ21、ゲート22がそれぞれ設けられると共に、
キャビティ18の周囲には、キャビティ18内に射出さ
れた樹脂を硬化させるように温度制御された温調水を循
環させる温調穴23が設けられている。
【0019】前記可動側金型9において、可動側取付板
12と受け板14との間には、キャビティ18内で硬化
した樹脂成形品25を金型3の型開き時に突き出すため
の、突き出しピン26およびスプルロックピン27を支
持する一対の突出しプレート上28および突出しプレー
ト下29が配設されている。この突出しプレート上28
および突出しプレート下29は、さらに金型3の型閉じ
時に前記突出しピン26およびスプルロックピン27を
後退させるリターンピン30を支持するとともに、突出
しプレート上28および下29の移動を良好にするため
に前記受け板14に植設したガイドサポート31と係合
するガイドブッシュ32を有している。
【0020】前記可動側プラテン1と可動側金型9の可
動側取付板12との間に配設された金属板部材4の側面
(この側面は、成形品の取出しの障害にならないように
反操作側に対応している)には、図1および図3にて図
示するように、金属板部材4の他の側面に平行(紙面に
対して垂直な方向)に4個のヒーター用穴31が穿設さ
れ、各ヒーター用穴31には棒状のヒーター32が密に
装着されている。この各ヒーター用穴31の内側には各
穴31と平行に、冷却水を循環するための冷却用穴33
が2組形成されている。そのうちの1組を形成する冷却
用穴33は、それぞれ上下の各端で連通して供給端34
と排出端35が前記側面に一対で臨むように設けられて
おり、他の組も同様である。
【0021】前記各ヒーター32は図1に図示の制御装
置36を介して制御されるコントロール装置37によっ
て動作制御され、また一対の冷却用穴33内には供給ポ
ンプを備えた冷却水供給装置38によって冷却水がそれ
ぞれ供給される。前記冷却水供給装置38は、金型3の
温度調節用の液体供給装置とは別体に構成されているも
のである。
【0022】これらの制御装置36およびコントロール
装置37は、金属板部材4の温度を樹脂成形品の射出成
形する都度に制御するので、ヒートサイクル温調機とし
て機能している。
【0023】上記構成の型締力制御装置を備えた射出成
形機により、樹脂成形品を成形する方法について述べ
る。図1において、可動側金型9がPL面7にて固定側
金型8から分離している状態で、金属板部材4の各冷却
用穴33内に冷却水供給装置38を介して冷却水を供給
し、金属板部材4の温度を低めの温度の一定に保った状
態にして設定しておく。この冷却水は、金型3の温度調
節用の液体とは別系統で一定温度で常に流れている。
【0024】この状態で可動側金型9を型締めラム(図
8の73に相当)を介して移動し、可動側プラテン1と
固定側プラテン2との間を一定の距離とした状態で、金
型3を前記一定の距離での弱い型締力で型締めする。
【0025】この状態において、金型3のキャビティ1
8内に、射出装置(図7の62に相当)等を操作して溶
融した樹脂を射出するとともに、制御装置36を介して
コントロール装置37により金属板部材4内の各ヒータ
ー32を作動させ、金属板部材4の温度を所定の温度ま
で昇温させる。この昇温により前記樹脂が充填される前
に、金属板部材4の熱膨脹係数に応じて金属板部材4が
熱膨脹し、金属板部材4の板厚が、例えば0.1mm程度
増加することになる。この板厚の増加により、各プラテ
ン1、2間の距離が一定で弱い型締力に設定されている
状態から、距離が一定で且つ、金型3における型締力が
増加した高い型締力の状態となる。
【0026】従って、前記型締めラムを介して金型3を
一定の弱い型締力で型締めしたときには、金型3のPL
面7から溶融した樹脂の流入時にガス等の排出が行い得
るとともに、金属板部材4の温度制御によってキャビテ
ィ18内に樹脂が充填される前にPL面7には樹脂が流
入しないように型締力を高圧力(高い型締力)に制御で
きることになり、よって高圧力下での射出成形が可能に
なるから極めて良好な表面形状の成形品が成形される。
【0027】その後、コントロール装置37の制御によ
ってヒーター32による金属板部材4の加熱を停止する
と、冷却用穴33内に流れている冷却水によって金属板
部材4が冷却され、当初の板厚寸法に戻り、金型3の型
締力を初期の型締めシリンダーによる一定の弱い型締力
に復帰させる。
【0028】上記金属板部材4のヒーター32による加
熱の際、金型3と金属板部材4との間には断熱部材5が
挟み込まれているので、金属板部材4の温度変化が金型
3の温度制御に対して何ら影響を及ぼすことはない。
【0029】なお、金属板部材4の加熱時期、ヒーター
32による昇温速度、あるいは加熱温度や加熱停止時期
などは、コントロール装置37の設定を随時変更するこ
とによって制御可能であり、また金属板部材4の加熱温
度に対する熱膨脹量、即ち板厚変化に伴う型締力は、金
属板部材4の材質や板厚等の物性値から容易に演算可能
であるので、前記成形時における所望の時期に所望の型
締力を設定できるものである。
【0030】本実施の形態によれば、常に一定の型締力
を有する射出成形機において、容易に所望の時期に型締
力を変化することができ、表面形状の良好な射出成形品
を得ることができる。
【0031】(実施の形態2)図4は、本発明の実施の
形態2を示し、射出成形機の可動側プラテンと固定側プ
ラテンとの間に射出成形用金型を配置する場合に、可動
側金型の可動側取付板とスペーサブロックとの間に実施
の形態2に係る型締力制御装置の金属板部材を介挿させ
た要部の正面図である。
【0032】実施の形態1と異なる点は、金属板部材と
断熱板の介挿する位置である。なお実施の形態2では、
実施の形態1と同一の構成については同一の名称および
符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】図4において、射出成形機の可動側プラテ
ン1と固定側プラテン2との間に配置される射出成形用
金型(以下、金型という)3は、可動側プラテン1とス
ペーサブロック13との間に、温度制御可能な金属板部
材4および断熱板5を有する。断熱板5は、金属板部材
4からの熱が右方の受け板14および可動側型板15に
伝達しないようにするために配している。
【0034】金属板部材4の側面には、紙面に対して垂
直な方向に、4個のヒーター用穴31が穿設され、各ヒ
ーター用穴31には棒状のヒーター32が密に装着され
ている。この各ヒーター用穴31の内側には各穴31と
平行に、冷却水を循環するための冷却用穴33が2組穿
設されている。各冷却用穴33は、それぞれ上下の各端
で連通して供給端34と排出端35が前記側面に一対で
臨むように設けられており、それぞれホースを介して冷
却水供給装置38に接続されている。
【0035】前記各ヒーター32は制御装置36を介し
て制御されるコントロール装置37によって制御され、
各冷却用穴33内には供給ポンプを備えた冷却水供給装
置38によって一定温度の冷却水がそれぞれ供給される
ようになっている。前記冷却水供給装置38は、金型3
の温度調節用の液体供給装置とは別体に構成されている
ものである。
【0036】これらの制御装置36およびコントロール
装置37は、金属板部材4の温度を樹脂成形品の射出成
形する都度に制御するので、ヒートサイクル温調機とし
て機能している。
【0037】上記構成の型締力制御装置を備えた射出成
形機により、樹脂成形品を成形する方法について述べ
る。図4において、可動側金型9がPL面7で固定側金
型8から分離している状態で、金属板部材4の各冷却用
穴33内に冷却水供給装置38を介して冷却水を供給
し、金属板部材4の温度を低めの温度の一定に保った状
態にして設定しておく。 この状態で可動側金型9を型
締めラム(図8の73に相当)を介して移動し、可動側
プラテン1と固定側プラテン2との間を一定の距離とし
た状態で、金型3を前記一定の距離での弱い型締力で型
締めする。
【0038】この状態において、金型3のキャビティ1
8内に、射出装置(図7の62に相当)等を操作して溶
融した樹脂を射出するとともに、制御装置36を介して
コントロール装置37により金属板部材4内の各ヒータ
ー32を作動させ、金属板部材4の温度を所定の温度ま
で昇温させる。この昇温により、樹脂が充填する前に、
金属板部材4の熱膨脹係数に応じて金属板部材4が熱膨
脹し、金属板部材4の板厚が、例えば0.1mm程度増加
することになる。この板厚の増加により、各プラテン
1、2間の距離が一定で弱い型締力に設定されている状
態から、距離が一定で且つ、金型3における型締力が増
加した高い型締力の状態となる。
【0039】従って、前記型締めラムを介して金型3を
一定の弱い型締力で型締めしたときには、金型3のPL
面7から溶融した樹脂の流入時にガス等の排出が行い得
るとともに、金属板部材4の温度制御によってキャビテ
ィ18内に樹脂が充填される前にPL面7には樹脂が流
入しないように型締力を高圧力(高い型締力)に制御で
きることになり、よって高圧力下での射出成形が可能に
なるから極めて良好な表面形状の成形品が成形される。
【0040】その後、コントロール装置37の制御によ
ってヒーター32による金属板部材4の加熱を停止する
と、冷却用穴33内に流れている冷却水によって金属板
部材4が冷却されて当初の板厚寸法に戻り、金型3の型
締力が初期の型締めシリンダーによる一定の弱い型締力
に復帰される。
【0041】本実施の形態によれば、金型の大きさや成
形品の形状に対して、最適な温度制御の可能な金属板部
材や断熱板を用いることができるので、型締力を速やか
に変化させることができる。 (実施の形態3)図5は、本発明の実施の形態3を示
し、射出成形機の可動側プラテンと固定側プラテンとの
間に射出成形用金型を配置する場合に、可動側プラテン
と射出成形用金型との間に実施の形態3に係る型締力制
御装置の金属板部材を介挿させた要部の正面図である。
【0042】実施の形態1と異なる点は、金属板部材の
構成である。なお実施の形態3では、実施の形態1と同
一の構成については同一の名称および符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0043】図5において、射出成形機の可動側プラテ
ン1と固定側プラテン2との間に配置される射出成形用
金型(以下、金型という)3は、可動側プラテン1と可
動側取付板12との間に、温度制御可能な金属板部材4
4および断熱板5を有する。断熱板5は、金属板部材4
4からの熱が右方の可動側取付板12および可動側型板
15に伝達しないようにするために配している。
【0044】金属板部材44の側面には、紙面に対して
垂直な方向に、高温の温調水を循環するための温調用穴
45、46が2組穿設されている。各温調用穴45、4
6は、それぞれ上下の各穴が各端で連通して供給端47
と排出端48が前記側面に一対で臨むように設けられて
おり(図6)、それぞれホース49を介して温調機50
の温調水供給口50aに接続されている。また図6に示
すように、各温調用穴45、46の内側には各穴と平行
に、冷却水を循環するための冷却用穴51が2組穿設さ
れ、各冷却用穴51はそれぞれ上下の各端で連通してそ
の供給端52と排出端53が前記側面に一対で臨むよう
に設けられ、それぞれホース54を介して冷却水供給装
置55に接続されている。前記温調機50および温調水
供給口50aは、制御装置56に接続されて、それぞれ
温調水の高温制御、供給口50aの開閉制御が行われて
いる。
【0045】前記冷却水供給装置55は、金型3の温度
調節用の液体供給装置とは別体に構成されているもので
ある。これらの制御装置56、温調機50および冷却水
供給装置55は、金属板部材44の温度を樹脂成形品の
射出成形する都度に制御するので、ヒートサイクル温調
機として機能している。
【0046】上記構成の型締力制御装置を備えた射出成
形機により、樹脂成形品を成形する方法においても、前
記制御装置56により常時に冷却水供給装置55を介し
て冷却水を金属板部材44に循環供給しつつ、金型3を
弱い型締力で型締めし、射出装置等を操作して溶融した
樹脂を射出するとともに樹脂がキャビティに充填する前
に、制御装置56により温調水供給口50aを開き、温
調機50から高温制御された温調水を金属板部材44の
温調用穴45、46に循環供給して金属板部材44の温
度を所定の温度まで昇温させる。この昇温により金属板
部材44の板厚が増加し、型締力が高い状態にて樹脂の
充填が行われることになる。
【0047】よって、高圧力下での射出成形が行われる
から、前記実施の形態1と同様の作用効果を奏すること
ができる。本実施の形態3では、制御装置56により温
調水供給口50aの開閉の時期、温調機50による温調
水の加熱温度、金属板部材44の昇温速度をそれぞれ制
御することができるので、型締力を変化させるタイミン
グの設定が容易である。
【0048】なお、前記各実施の形態では、可動側の受
け板および可動側型板は別体にて例示したが、一体物に
て形成する事ができる。また前記各実施の形態では、金
属板部材を可動側金型の可動側型板よりも可動側プラテ
ン側に断熱板を介して介挿したが、これに限らず、固定
側金型の固定側型板と固定側取付板との間、或いは固定
側取付板と固定側プラテンとの間に、固定側型板に対し
て加温による影響を及ぼさない断熱部材としての断熱板
を介して前記加温制御する金属板部材を介挿してもよ
く、また、固定側或いは可動側の両方に断熱板とともに
前記金属板部材を介挿して更に型締力の変化を早める構
成にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明の成形用金型の型締力制御装置お
よび型締力制御方法によれば、キャビティに樹脂を供給
する際にキャビティ内の大気やガス等を排出し得る型締
力で成形用金型を閉じ、その後に金属板部材の加温制御
によって成形用金型の型締力を増加して高圧力下での樹
脂成形を行うので、型締力が弱いだけのときの樹脂成形
品の表面形状不良や型締力が高いだけのときの樹脂成形
品の表面形状不良の発生が無くなり、常に良好な樹脂成
形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る型締力制御装置の
要部の正面図である。
【図2】射出成形金型の一例の一部を断面にした正面図
である。
【図3】図1の金属板部材の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る型締力制御装置の
要部の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る型締力制御装置の
要部の正面図である。
【図6】図5の金属板部材の平面図である。
【図7】射出成形機の全体構成の概略図である。
【図8】図7の射出成形機の要部を断面にした説明図で
ある。
【符号の説明】
1 可動側プラテン 2 固定側プンテン 3 射出成形用金型 4 金属板部材 5 断熱板 7 PL面 8 固定側金型 9 可動側金型 10 固定側取付板 11 固定側型板 12 可動側取付板 13 スペーサブロック 14 受け板 15 可動側型板 18 キャビティ 32 ヒーター 36 制御装置 37 コントロール装置 38 冷却水供給装置 44 金属板部材 45 穴 50 温調機 51 冷却用穴 55 冷却水供給装置 56 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形機のプラテン間に取り付けられた成
    形用金型の型締力を樹脂の成形工程時に変化せしめる型
    締力制御装置であって、前記成形機のプラテンと前記成
    形用金型の型板との間に介挿される金属板部材と、この
    金属板部材の前記型板側に固定される断熱部材と、前記
    金属板部材に配設された加熱手段と、この加熱手段の制
    御により金属板部材の温度を制御するヒートサイクル温
    調機と、を有することを特徴とする成形用金型の型締力
    制御装置。
  2. 【請求項2】 成形機のプラテン間に取り付けられた成
    形用金型の型締力を樹脂の成形工程時に変化せしめる型
    締力制御方法であって、固定側プラテンに対して可動側
    プラテンを移動し、所定の圧力で成形用金型の型締めし
    た後に、前記成形機のプラテンと前記成形用金型の型板
    との間に介挿した金属板部材を加温制御し、プラテンと
    型板との間の寸法を増加させて前記プラテン間に取り付
    けられた成形用金型の型締力を変化させることを特徴と
    する成形用金型の型締力制御方法。
JP2307097A 1997-02-06 1997-02-06 成形用金型の型締力制御装置および型締力制御方法 Withdrawn JPH10217303A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008152971A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Konica Minolta Opto, Inc. 射出成形方法及び射出成形装置
JP2015123607A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 ファナック株式会社 射出成形機の制御装置

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