JP4673690B2 - 加圧ゲル化用注入装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、SF6ガスを用いるガス絶縁開閉装置に使用される絶縁スペーサなどのエポキシ樹脂注形品の製造に使用する加圧ゲル化用注入装置に関するものである。
エポキシ樹脂注形品は、固体絶縁物としての電気絶縁性や機械的特性に優れていることから、例えば、ガス絶縁開閉装置のような高電圧の電力変電機器の絶縁物として多く利用されている。ガス絶縁開閉装置では、接地された金属容器内に高電圧導体を絶縁支持するために、エポキシ樹脂を注形して作られた絶縁スペーサが数多く使用されている。
図4は、従来の絶縁スペーサの構造の一例を示す断面図である。この図4に示すように、高電圧導体1a,1bは、絶縁スペーサ2によって金属容器3に絶縁支持されている。この絶縁スペーサ2には、隣接する高電圧導体1a,1bを接合するための通電部材4が一体に注形されている。一方、金属容器3には隣接する容器相互を連結するための連結フランジ5が設けられている。
そして、絶縁スペーサ2の外縁部には、金属容器3に形成された連結フランジ5に挟持され、取付けボルト6により金属容器3に絶縁スペーサ4を固定するための金属フランジ7が一体に注形されている。また、絶縁スペーサ2には導電性リング8が一体に注形されている。この導電性リング8は、常時接地され、金属容器3と絶縁スペーサ2との結合部の電界を緩和し、絶縁性能の向上を図っている。このように構成された絶縁スペーサ2がOリング9を介して金属容器3の連結フランジ5に取付け固定されている。
ガス絶縁開閉装置は、高電圧の常時通電状態で長時間使用されるため、絶縁スペーサには、電気絶縁性能・機械的強度などの特性において、長期に亘る信頼性が要求される。このような特性に対する要求を満たすために、絶縁スペーサの材料としては、室温で固形のエポキシ樹脂に酸無水物系の硬化剤と充填材として例えばアルミナやシリカのような無機材料を配合した樹脂が広く使用されている。
また、絶縁スペーサの内部に外部からの空気を巻き込んだ気泡が介在すると、電気絶縁性能を著しく低下させることになる。このため、従来から絶縁スペーサの製造法としては、真空チャンバ内に設置された金型に、減圧下で樹脂を注入する真空注形法が古くから行われてきた。
しかし、真空注形法では、金型内に樹脂を注入してから硬化した樹脂を金型から離型し取り出すまでに数時間から十数時間と長い時間を要する。このように樹脂が硬化するまでの金型を占有する時間が長いため、生産効率が非常に悪い。生産効率を上げるためには、高価な金型を数多く保有する必要が出てくるなどの欠点がある。真空注形法では、室温で固形のエポキシを使用するため、他の材料と混合して金型に注形するためには液状状態にする必要があり、常時100℃以上の高温を保つために、専用の溶解炉などの付帯設備も必要となってくる。このように、固形のエポキシ樹脂は、粘度が高く扱いづらいため、注形前の樹脂の予熱作業や注形後の装置内の洗浄など作業性が非常に悪い上、金型・設備の維持費用が多くかかるという欠点がある。
このため、近年の絶縁スペーサの製造においては、生産性向上・コスト低減・自動化のため、短時間で樹脂を硬化させる加圧ゲル化法が広く適用されるようになってきた。加圧ゲル化法は、従来の真空注形法より高温で硬化を行い、数十分で硬化した樹脂を金型から離型可能な、生産効率の高い製造方法である。また、室温で液状のエポキシ樹脂を使用するため、作業性が容易で、オートメーション化が進んだ方法である。
図5は、従来の加圧ゲル化用注入装置の一例を示す概略構成図である。この図5に示す加圧ゲル化用注入装置は、真空チャンバ21とその内部に設置された金型22内を真空ポンプ23で減圧した状態で、金型22内に樹脂を加圧ゲル化法で注入するために、真空攪拌脱泡機24、貯蔵容器25、ドージングポンプ26、スタティックミキサ27、注入配管28等を備えている。
加圧ゲル化法では、通常、2液性の樹脂が使用される。2液性の樹脂は、例えば、室温で液状のエポキシ樹脂に充填材を配合したA液樹脂と、硬化剤に充填材を配合したB液樹脂である。このような2液性の樹脂を使用することから、スタティックミキサ27で混合するまでの上流系統は、A液、B液用の2系統とされており、A液、B液用の個別の真空攪拌脱泡機24、貯蔵容器25が、それぞれ設けられている。
このような加圧ゲル化用注入装置において、A液、B液の各樹脂はまず、約60℃にセットされた真空攪拌脱泡機24内で、真空度1Torrで攪拌され、脱泡される。図6は、従来の真空攪拌脱泡機24の一例を示す概略構成図である。この図6に示すように、真空攪拌脱泡機24は、攪拌容器241と、回転して樹脂100を攪拌する攪拌羽根242、攪拌羽根242を回転させるモータ243、攪拌容器241内の真空度を調整する真空ポンプ244等を備えている。
この図6に示すような真空攪拌脱泡機24による脱泡作業は、バッチ式で行われるため、完全に樹脂中の泡が抜け切るには、樹脂の粘度にもよるが、一般的に1時間から3時間を要する。完全に脱泡が終わったA液とB液は、貯蔵容器25に貯蔵された後、スタティックミキサ27で混合される。スタティックミキサ27で混合された樹脂は、ドージングポンプ26により圧送され、注入配管28を通じて真空チャンバ21内に設置された金型22に注入される。
図7は、従来の注入配管28の一例を示す概略構成図である。この図7に示すように、注入配管28は、フレキシブルホース281から構成されており、金型22への注入口となるバルブ282、バルブ282を開閉させる油圧シリンダ283、等を備えている。
また、樹脂を注入する際の金型22の温度は130℃とされており、金型22内に注入された樹脂は、金型の熱を吸収して反応が進み、時間とともにゲル化する。通常、樹脂はゲル化に伴い体積収縮をするため、完全に樹脂のゲル化が終わるまでは、ドージングポンプ26により樹脂を圧送し、収縮した分の樹脂が補充される。
なお、加圧ゲル化法に使用する真空チャンバ21や金型22の具体的な構成は、例えば、特許文献1等に記載されている。
特開2001−341142
しかしながら、上記のような従来の加圧ゲル化用注入装置の場合、脱泡作業をバッチ式で行うことから、樹脂の脱泡を行うのに数時間という長い時間がかかるため、1日の製造ショット数および処理できる樹脂量が限定され、生産効率の向上に限界があった。また、特に、樹脂量30L以上使用するような、製品サイズの大きい絶縁スペーサ、例えば、550kVクラスのような高電圧クラスの絶縁スペーサの製造が困難であるという課題もあった。さらに、従来の注入配管は、大気中に露出したフレキシブルホースから構成されているため、繰り返し注入動作を行うと、ホースに亀裂が発生して外部の空気を巻き込む原因となり、その結果、絶縁スペーサの品質が不安定となる問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、樹脂の脱泡を行う時間を短縮することにより、脱泡性能に優れ、生産効率が高く、大型製品の製造にも好適な加圧ゲル化用注入装置を提供することである。
本発明は、上記のような目的を達成するために、攪拌部材の回転による遠心力を利用して熱硬化性樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行うとともに、注入配管を真空状態に保持可能な2重構造とすることにより、樹脂の脱泡を行う時間を短縮して生産効率を向上するとともに、電気絶縁性能・機械的強度などに優れた安定品質のエポキシ樹脂注形品を製造できるようにしたものである。
本発明の加圧ゲル化用注入装置は、熱硬化性樹脂を真空脱泡する真空脱泡手段と、真空脱泡後の熱硬化性樹脂を真空チャンバ内に設置された金型内に注入する注入手段を備えた加圧ゲル化用注入装置において、次のような特徴を有するものである。すなわち、真空脱泡手段は、攪拌部材の回転による遠心力を利用して熱硬化性樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行うように構成された攪拌脱泡機である。また、熱硬化性樹脂を真空チャンバ内に設置された金型内に注入する注入配管は、内部を真空状態に保持可能な固定化された配管と、当該配管内に設置されたフレキシブルホースからなる2重構造とされる。
本発明によれば、樹脂の脱泡を行う時間を短縮することができるため、脱泡性能に優れ、生産効率が高く、大型製品の製造にも好適な加圧ゲル化用注入装置を提供することができる。
[加圧ゲル化用注入装置の構成]
図1は、本発明に係る加圧ゲル化用注入装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。この図1に示す加圧ゲル化用注入装置は、図5に示した従来の装置における真空攪拌脱泡機24に代えて、材料を混合・攪拌する高速攪拌機31と、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32を使用するとともに、従来の注入配管28に代えて、2重構造の注入配管33を使用したものであり、他の部分の構成は、図5に示した従来の装置と同様である。
高速攪拌機31は、円筒状の攪拌容器311内で、この攪拌容器311の中心軸と略同心状に設置されたスクリューシャフト312を、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32より高速で回転させることにより、A液、B液を構成する構成材料を混合・攪拌する装置である。
薄膜処理式真空攪拌脱泡機32は、円筒状の攪拌容器321内で、この攪拌容器321の中心軸と略同心状に設置された回転シャフト322とその周囲に等配で取り付けられた攪拌羽根323を回転させることにより、回転による遠心力を利用して樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行う装置である。
図2は、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の構成を2つの断面方向からそれぞれ示す概略構成図である。この図2に示すように、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32において、攪拌羽根323は、回転シャフト322の周囲に4等配で取り付けられた略長方形状の4つの攪拌羽根であり、各攪拌羽根323における攪拌容器321内壁側の先端部には、先端に凹凸を有する櫛形状羽根324が取り付けられている。薄膜処理式真空攪拌脱泡機32はまた、従来の攪拌脱泡機24と同様に、回転シャフト322および攪拌羽根323を回転させるモータ325、攪拌容器241内の真空度を調整する真空ポンプ326等を備えている。
図3は、2重構造の注入配管33の構成を示す概略構成図である。この図3に示すように、2重構造の注入配管33は、スタティックミキサ27から真空チャンバ21内に設置された金型22までの樹脂の注入通路を構成するために、内部を真空状態に保持可能な固定化配管331と、固定化配管331内に設置されたフレキシブルホース332から構成されており、図1に示した真空ポンプ23により減圧下に保持されている。この2重構造の注入配管33はまた、金型22への注入口となるバルブ333、バルブ333を開閉させる油圧シリンダ334、等を備えている。
[絶縁スペーサ製造時の特徴的な処理]
以下には、上記のような加圧ゲル化用注入装置により、2液性の熱硬化性樹脂を使用して絶縁スペーサを製造する場合の特徴的な処理について、具体的に説明する。
[混合・攪拌処理]
高速攪拌機31による混合・攪拌処理においては、各々所定の量だけ計量された材料が、高速攪拌機31の円筒状の攪拌容器311内に投入され、スクリューシャフト312の回転により、大気圧中で高速攪拌される。これにより、例えば、室温で液状のエポキシ樹脂と充填材とが混合・攪拌されてA液樹脂が生成されるとともに、硬化剤と充填材とが混合・攪拌されてB液樹脂が生成される。
この場合、スクリューシャフト31は、例えば、200回転/分で高速回転させるものとし、少量の材料を連続して処理する。これにより、攪拌効率を高めることができ、短時間での混合が可能となり、樹脂のぬれ性が向上する。
この材料混合・攪拌処理は、脱泡ではなく、単に材料の混合・攪拌を目的としているので、できるだけ高速で回転させるために、円筒状の攪拌容器311の直径は、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の攪拌容器321よりも小さくされる。例えば、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の攪拌容器321の直径が、150mm〜250mm程度である場合、円筒状の攪拌容器311の直径は、100mm程度と、一回り小さくされる。混合・攪拌されたA液樹脂とB液樹脂は、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32に移送され、真空脱泡処理が施される。
[真空脱泡処理]
薄膜処理式真空攪拌脱泡機32による真空脱泡処理においては、高速攪拌機31で混合・攪拌された樹脂が、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の円筒状の攪拌容器321内に投入され、真空ポンプ326による減圧下で、モータ325により回転シャフト322および攪拌羽根323を高速回転させることにより、樹脂が円筒状の攪拌容器321の内壁に押し付けられて薄膜状態となり、連続的な真空脱泡処理が行われる。
すなわち、回転シャフト322および攪拌羽根323の回転により、攪拌羽根323の先端の櫛形状羽根324が、円筒状の攪拌容器321の中を回転することで、この回転による遠心力が樹脂に作用する結果、樹脂が円筒状の攪拌容器321の内壁に押し付けられて薄膜状態となり、減圧下に曝される樹脂の表面積が大きくなり、瞬時に脱泡される。このような薄膜化による表面積拡大と瞬時の脱泡が連続的に繰り返されることにより、樹脂の連続的な真空脱泡処理が効率よく行われる。
なお、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の円筒状の攪拌容器321内に投入された樹脂が、攪拌羽根323で攪拌・脱泡されながら攪拌容器321内を通過して出口に到達するまでの所要時間は、加圧ゲル化法で使用される通常の樹脂粘度であれば、5〜15分である。
この場合、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32の回転シャフト322および攪拌羽根323は、樹脂を薄膜化できればよく、高速攪拌機31よりは低速で十分であるため、例えば、100回転/分で高速回転させる。また、円筒状の攪拌容器321の寸法は、処理対象となる樹脂の粘度特性や処理量に応じて選択されるが、例えば、直径150mm〜250mm程度、長さ300mm〜1500mm程度の範囲内で選択される。
[効果]
以上のような本実施形態による加圧ゲル化用注入装置、およびその特徴的な処理によれば、次のような効果が得られる。
[真空脱泡処理による脱泡効率向上、電気絶縁性能・機械的強度向上]
薄膜処理式真空攪拌脱泡機32による真空脱泡処理によれば、櫛形状羽根324の回転による遠心力によって、減圧下に曝される樹脂の薄膜化による表面積拡大と瞬時の脱泡が連続的に繰り返されることにより、樹脂の連続的な真空脱泡処理が効率よく行われる。すなわち、従来の真空脱泡処理は大きいバッチで攪拌脱泡していたため、一度脱泡された樹脂が、泡を含んだ樹脂に再度混ざることから、樹脂中の泡を完全に取り除くのに長時間を要していたが、本実施形態の薄膜処理式真空攪拌脱泡機32においては、少量を連続的に攪拌脱泡することにより、脱泡時間を格段に短縮することができる。
特に、先端に凹凸を有する櫛形状羽根324を使用することにより、減圧下に曝される樹脂の表面積をできる限り大きくし、脱泡効率をより向上し、脱泡時間をより短縮することができる。また、このように脱泡効率を向上し、脱泡時間を短縮できることから、従来に比べてより高い粘度の樹脂も短時間で脱泡することが可能となる。
そして、以上のように、脱泡効率を向上でき、樹脂の脱泡時間を従来に比べて格段に短縮できることから、生産効率を従来に比べて格段に向上できるため、加圧ゲル化法では従来製造が困難であったところの、樹脂量30L以上使用するような、製品サイズの大きい絶縁スペーサ、例えば、550kVクラスのような高電圧クラスの絶縁スペーサの製造が可能となる。
また、攪拌効率も向上するため、樹脂のぬれ性(エポキシ樹脂と充填材の親和性)も向上する。このように脱泡効率・攪拌効率を高めることで、樹脂の脱泡とぬれ性が改善され、電気絶縁性能・機械的強度に優れた絶縁スペーサを得ることができる。
[混合・攪拌処理による機械的強度向上]
高速攪拌機31による混合・攪拌処理によれば、攪拌羽根312を高速回転させ、少量の材料を連続して処理することにより、攪拌効率を高めることができ、短時間での混合が可能となり、樹脂のぬれ性が向上するため、結果として、より機械的強度に優れた絶縁スペーサを得ることができる。
[実施例]
上記のような本実施形態の真空脱泡処理による脱泡効率向上、電気絶縁性能・機械的強度向上、および混合・攪拌処理による機械的強度向上の効果をより具体的に示すために、本実施形態の加圧ゲル化用注入装置と、従来の加圧ゲル化用注入装置により、絶縁スペーサをそれぞれ製造した。
本実施形態の薄膜処理式真空攪拌脱泡機32における円筒状の攪拌容器321の内壁と櫛形状羽根324先端の隙間は、0.1mm程度とし、回転数は100回転/分とした。また、円筒状の攪拌容器321の大きさは、直径180mmとし、長さ1500mmとした。また、高速攪拌機31における円筒状の攪拌容器321の直径は、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32より一回り小さい100mm程度とし、回転数は200回転/分とした。
使用する樹脂としては、樹脂の粘度が25℃で100P(ポイズ)、60℃で50P(ポイズ)であるA液樹脂と、25℃で60P、60℃で40PであるB液樹脂を構成する配合の構成材料を使用して、高速攪拌機31の円筒状の攪拌容器321に構成材料を投入し、混合・攪拌処理を行った後、各樹脂を60℃に予熱した。次に、60℃に予熱した各樹脂を、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32における60℃の攪拌容器321内へ投入し、真空脱泡処理を行った。真空ポンプ326には、250m3/hの容量のポンプを使用し、攪拌容器321内の真空度を0.5Torrとした。
以上のように、高速攪拌機31による混合・攪拌処理、および薄膜処理式真空攪拌脱泡機32による真空脱泡処理を行った樹脂を、真空チャンバ21内の金型22に注入して、実施例の絶縁スペーサを製造した。
また、同じA液樹脂とB液樹脂を使用して、図5に示すような、従来の真空攪拌脱泡機24による真空脱泡処理を行い、真空脱泡処理を行った樹脂を、真空チャンバ21内の金型22に注入して、比較例の絶縁スペーサを製造した。
表1は、実施例の樹脂粘度と脱泡時間との関係および比較例の樹脂粘度と脱泡時間との関係を示している。高い粘度の樹脂の脱泡効率を比較する観点から、薄膜処理式真空攪拌脱泡機32による真空脱泡処理を25℃で行った場合の値も示している。この表1から明らかなように、比較例(従来の真空攪拌脱泡機による真空脱泡処理)では脱泡に1時間から3時間かかっていたのに対し、実施例では、樹脂の粘度にもよるが、3〜15分で脱泡が完了しており、脱泡効率は格段に向上している。そして、より高い粘度の樹脂まで短時間で脱泡できることが分かる。
Figure 0004673690
表2は、実施例と比較例の特性比較を示している。実施例は比較例に比べ、機械的強度(耐圧破壊強度)と電気絶縁性能に優れていることが分かる。
Figure 0004673690
[2重構造の注入配管による空気流入防止、品質安定化]
本実施形態において、スタティックミキサ27から真空チャンバ21内の金型22に樹脂を注入するための注入配管は、内部を真空状態に保持可能な固定化配管331と、固定化配管331内に設置されたフレキシブルホース332から構成されており、真空ポンプ23により減圧下に保持されている。したがって、図7に示すように、大気中に露出したフレキシブルホース281単独で構成した従来の注入配管28とは異なり、万が一、フレキシブルホース332に亀裂が生じた場合でも、外部からの空気の巻き込みを防止でき、品質の安定した絶縁スペーサを得ることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。まず、本発明で使用する真空攪拌脱泡機や高速攪拌機、注入配管の具体的な構成や各部の寸法形状、熱硬化性樹脂の具体的な組成等は適宜選択可能である。例えば、高速攪拌機による混合・攪拌処理を行わずに、真空攪拌脱泡機で樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行うだけでも、本発明の効果は得られるものである。また、真空脱泡処理時における具体的な真空度は、使用する熱硬化性樹脂の粘度や製造するエポキシ樹脂注形品に応じて適宜選択可能である。
また、前記実施形態においては、絶縁スペーサを製造する場合について説明したが、本発明は、絶縁スペーサ以外のエポキシ樹脂注形品にも同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
また、本発明の樹脂を薄膜化する真空脱泡処理により製造された絶縁スペーサなどのガス絶縁機器用エポキシ樹脂注形品は、本発明の一つの態様であるが、本発明の真空脱泡処理により製造されたガス絶縁スペーサなどのエポキシ樹脂注形品を備えたガス絶縁機器もまた、本発明の一つの態様である。
さらに、本発明は、絶縁スペーサなどのガス絶縁機器用エポキシ樹脂注形品の製造に好適であるが、これに限らず、内部に気泡がなく優れた電気絶縁性能・機械的強度が要求される多様な分野の各種のエポキシ樹脂注形品の製造に同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
すなわち、本発明は、加圧ゲル化法により真空脱泡後の熱硬化性樹脂を真空チャンバ内に設置された金型内に注入する際に、攪拌部材の回転による遠心力を利用して熱硬化性樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行うとともに、注入配管を真空状態に保持可能な2重構造とするものである限り、その具体的な実施形態は自由に選択可能である。
本発明に係る加圧ゲル化用注入装置の一つの実施形態を示す概略構成図。 図1に示す薄膜処理式真空攪拌脱泡機の構成を2つの断面方向からそれぞれ示す概略構成図。 図1に示す2重構造の注入配管の構成を示す概略構成図。 従来の絶縁スペーサの構造の一例を示す断面図。 従来の加圧ゲル化用注入装置の一例を示す概略構成図。 従来の真空攪拌脱泡機の一例を示す概略構成図。 従来の注入配管の一例を示す概略構成図。
符号の説明
21…真空チャンバ
22…金型
23…真空ポンプ
24…真空攪拌脱泡機
25…貯蔵容器
26…ドージングポンプ
27…スタティックミキサ
28…注入配管
31…高速攪拌機
311…攪拌容器
312…スクリューシャフト
32…薄膜処理式真空攪拌脱泡機
321…攪拌容器
322…回転シャフト
323…攪拌羽根
324…櫛形状羽根
325…モータ
326…真空ポンプ
33…2重構造の注入配管
331…固定化配管
332…フレキシブルホース
333…バルブ
334…油圧シリンダ

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂を真空脱泡する真空脱泡手段と、真空脱泡後の熱硬化性樹脂を真空チャンバ内に設置された金型内に注入する注入手段を備えた加圧ゲル化用注入装置において、
    前記真空脱泡手段は、攪拌部材の回転による遠心力を利用して前記熱硬化性樹脂を薄膜状態とし、連続的に真空脱泡処理を行うように構成された真空攪拌脱泡機であり、
    前記熱硬化性樹脂を前記真空チャンバ内に設置された金型内に注入する注入配管は、内部を真空状態に保持可能な固定化された配管と、当該配管内に設置されたフレキシブルホースからなる2重構造とされる
    ことを特徴とする加圧ゲル化用注入装置。
  2. 前記真空攪拌脱泡機により脱泡する前の前記熱硬化性樹脂の構成材料を、スクリューシャフトを高速回転させて混合・攪拌する高速攪拌手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の加圧ゲル化用注入装置。
  3. 前記真空攪拌脱泡機は、円筒状容器と、当該円筒状容器の中心軸と略同心状に設置された攪拌羽根付の回転シャフトを備え、回転シャフトおよび攪拌羽根を高速回転させることにより、円筒状容器の内壁に前記熱硬化性樹脂を押し広げて薄膜状態とするように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧ゲル化用注入装置。
  4. 前記攪拌羽根は略長方形状とされ、かつ、当該攪拌羽根における前記円筒状容器内壁側の先端部は、凹凸を有する櫛形状とされている
    ことを特徴とする請求項3に記載の加圧ゲル化用注入装置。
  5. 前記攪拌羽根は、その長手方向が前記回転シャフトの軸方向となるように設置された複数の攪拌羽根であり、当該複数の攪拌羽根は当該回転シャフトの円周方向に対して等配に設置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の加圧ゲル化用注入装置。
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