JP2001341142A - 注型装置 - Google Patents

注型装置

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JP2001341142A
JP2001341142A JP2000163777A JP2000163777A JP2001341142A JP 2001341142 A JP2001341142 A JP 2001341142A JP 2000163777 A JP2000163777 A JP 2000163777A JP 2000163777 A JP2000163777 A JP 2000163777A JP 2001341142 A JP2001341142 A JP 2001341142A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多品種の注型品を製造する際に最適な厚みを持
った金型を搭載することができるとともに、金型温度の
制御を詳細かつ厳密に行うことができ、これにより信頼
性の高い注型品を製造できるようにする。 【解決手段】熱板1を含む外郭壁によって囲まれた真空
チャンバ2内に、樹脂成形用のキャビティ3を有する金
型4を配置し、熱板1を駆動装置5によって開閉可能と
する。金型4を熱板1に着脱可能な金型脚20を介して
固定支持させる。金型4内に、樹脂充填方向と直交する
方向に沿う複数本の棒状ヒータを埋め込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガス絶縁開
閉装置等の電力機器に用いる絶縁スペーサ、ブッシン
グ、樹脂モールドコイル、モールドバルブなどのエポキ
シ樹脂注型品を短時間で注型する場合に好適な注型装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図13に、この種の注型装置の従来例を
示している。この注型装置は、熱板1を含む外郭壁によ
って囲まれた真空チャンバ2内に、樹脂成形用のキャビ
ティ3を有する金型4を配置した構成となっている。熱
板1は例えば金型4の両側面部を支持する1対の対向壁
として構成され、それぞれ駆動装置である油圧式開閉装
置5のシリンダ6によって開閉可能とされている。ま
た、各熱板1内にはヒータ7が埋設され、金型4に設け
た温度センサ8およびこれに接続された温度制御装置9
によって、温度制御されるようになっている。
【0003】真空チャンバ2は真空バルブ10を有する
配管11を介して真空ポンプ12に接続されている。ま
た、金型4の例えば下部に樹脂注入用の注型口13が設
けられ、この注型口13には真空チャンバ2を経て外部
に導出された樹脂導入用の配管14を介して樹脂混合タ
ンク15が接続されている。樹脂混合タンク15には溶
融状態の樹脂16が収容され、加圧装置17および加圧
バルブ18の操作によって樹脂16を注型口13からキ
ャビティ3に供給できるようになっている。
【0004】そして注型時には、まず金型4に予め加熱
乾燥した埋込金物19を設置し、この金型4を真空チャ
ンバ2内に開閉装置5によって固定支持させて閉鎖し、
真空ポンプ12と真空バルブ10の操作により真空チャ
ンバ2を真空にする、この後、樹脂混合タンク15の真
空を開放し、加圧バルブ18および加圧装置17の操作
により樹脂混合タンク15内を加圧することにより、金
型4の底部に設けられた注型口13からキャビティ3内
へ樹脂16の注入を行う。キャビティ3中に樹脂16が
充填された後は、熱板8内のヒータ7に通電することに
よって加熱し、硬化させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の注型装置においては、金型4が熱板1に直接的に支
持された構成とされている。このような構成によると、
一般に開閉装置5のシリンダ6の駆動距離が固定されて
いることから、それに合わせて金型4の肉厚が制限さ
れ、品種の異なる様々な寸法の注型品に対応する場合、
必ずしも最適な肉厚を持った金型4を搭載することがで
きない場合がある。
【0006】また、真空チャンバ2内の金型4の温度制
御については一般に、真空チャンバ2外に配置されてい
る熱板1からの熱伝導により行なうため、金型4の温度
分布の制御をきめ細かく行うことができない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、多品種の注型品を製造する際に最適な厚みを持
った金型を搭載することができるとともに、金型温度の
制御を詳細かつ厳密に行うことができ、これにより信頼
性の高い注型品を製造することができる注型装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、熱板を含む外郭壁によって囲
まれた真空チャンバ内に、樹脂成形用のキャビティを有
する金型を配置し、前記熱板を駆動装置によって開閉可
能とした注型装置において、前記金型を前記熱板に着脱
可能な金型脚を介して固定支持させ、この金型脚による
前記金型の支持位置を可変としたことを特徴とする注型
装置を提供する。
【0009】請求項2の発明では、金型内に、樹脂充填
方向と直交する方向に沿う複数本の棒状ヒータを埋設し
たことを特徴とする請求項1記載の注型装置を提供す
る。
【0010】請求項3の発明では、棒状ヒータの端部は
金型の外面部に位置し、この棒状ヒータの端部外周に、
その金型よりも線膨張係数が大きいポリテトラフルオロ
エチレン製等のシール用リングを配置し、前記棒状ヒー
タと前記金型との接合部をシールしたことを特徴とする
請求項2記載の注型装置を提供する。
【0011】請求項4の発明では、棒状ヒータの熱出力
を金型内に注入される樹脂量に応じて独立に制御する温
度制御装置を設けたことを特徴とする請求項2または3
記載の注型装置を提供する。
【0012】請求項5の発明では、熱板に別のヒータを
設置したことを特徴とする請求項1から4までのいずれ
かに記載の注型装置を提供する。
【0013】請求項6の発明では、棒状ヒータの熱出力
制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接
する部位に設けたことを特徴とする請求項2から5まで
のいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0014】請求項7の発明では、棒状ヒータの熱出力
制御のための温度センサを、金型内面側の対キャビティ
界面部位に設けたことを特徴とする請求項2から5まで
のいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0015】請求項8の発明では、棒状ヒータの熱出力
制御のための温度センサを、金型内の棒状ヒータに近接
する部位と、金型内面側の対キャビティ界面部位とにそ
れぞれ設け、樹脂の注入硬化プロセスに応じた前記各温
度センサの使い分けを可能としたことを特徴とする請求
項2から5までのいずれかに記載の注型装置を提供す
る。
【0016】請求項9の発明では、金型のキャビティ内
に埋込金型を配置し、この埋込金物に近接した部位の金
型内部に棒状ヒータを配置したことを特徴とする請求項
2から8までのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0017】請求項10の発明では、金型内面に、埋込
金物を覆う配置で掘り込みを形成したことを特徴とする
請求項1から9までのいずれかに記載の注型装置を提供
する。
【0018】請求項11の発明では、金型の埋込金物設
置部近傍の肉厚を他の部分よりも大きくし、当該部の熱
容量を大きくしたことを特徴とする請求項1から10ま
でのいずれかに記載の注型装置を提供する。
【0019】請求項12の発明では、金型の注型口側の
肉厚を最小とし、前記注型口から遠ざかるに従って次第
に肉厚を大とする傾斜を、前記金型の外面に形成したこ
とを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載
の注型装置を提供する。
【0020】請求項13の発明では、注型口からキャビ
ティに至る経路の金型の肉厚を、キャビティ周りよりも
小さくしたことを特徴とする請求項1から12までのい
ずれかに記載の注型装置を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る注型装置の実
施形態について図1〜図12を参照して説明する。な
お、従来例と対応する部位には図13と同一の符号を使
用する。
【0022】図1は注型装置の全体を示す構成図であ
る。この図1に示すように、本実施形態の注型装置は、
熱板1を含む外郭壁によって囲まれた真空チャンバ2内
に、樹脂成形用のキャビティ3を有する金型4を配置し
た構成となっている。熱板1は例えば金型4の両側面部
を支持する1対の対向壁として構成され、それぞれ駆動
装置である油圧式開閉装置5のシリンダ6によって開閉
可能とされている。
【0023】金型4内にはヒータ7および温度センサ8
が設けられ、この温度センサ8に接続された温度制御装
置9によってヒータ(棒状ヒータ)7による金型温度の
制御が行なわれるようになっている。棒状ヒータ7の構
成については、後に詳述する。
【0024】真空チャンバ2は、真空バルブ10を有す
る配管11を介して真空ポンプ12に接続されている。
また、金型4の例えば下部に樹脂注入用の注型口13が
設けられ、この注型口13には真空チャンバ2を経て外
部に導出された樹脂導入用の配管14を介して樹脂混合
タンク15が接続されている。樹脂混合タンク15には
溶融状態の樹脂16が収容され、加圧装置17および加
圧バルブ18の操作によって樹脂16を注型口13から
キャビティ3に供給できるようになっている。
【0025】そして本実施形態においては、金型4が熱
板1に着脱可能な複数の金属製の金型脚20を介して固
定支持されている。これらの金型脚20は、例えば断面
が凸形のものであり、それぞれ幅広い部分の端部がボル
ト等の締結具21によって熱板1に着脱可能に固定さ
れ、また凸形に突出する幅の狭い部分を金型4の側面に
当接させることにより、その金型を両側から挟持する状
態で固定支持している。
【0026】このような構成の本実施形態においても、
注型時には、例えば金型4に予め加熱乾燥した埋込金物
19を設置し、金型4を真空チャンバ2内で開閉装置5
によって閉鎖し、真空ポンプ12と真空バルブ10の操
作により真空チャンバ2を真空にした後、樹脂混合タン
ク15の真空を開放し、加圧バルブ18と加圧装置17
の操作により樹脂混合タンク15内を加圧することによ
り、金型4の底部に設けられた注型口13からキャビテ
ィ3内へ樹脂16の注入を行う。そして、キャビティ3
中に樹脂16が充填された後、熱板8内のヒータ7に通
電することによって加熱し、硬化させるものであるが、
金型脚20による金型4の着脱可能な支持構造および後
述するヒータ構造に基づき、下記の如く、従来例と異な
る作用効果が奏される。
【0027】すなわち、本実施形態では図1に示したよ
うに、金型4が、油圧開閉装置5によりシリンダ6で駆
動する熱板1に、金属製の金型脚20を介して固定支持
され、この金型脚20は熱板1にボルト等の締結具21
で固定されているので、金型4および金型脚20は取り
外し可能となっている。
【0028】したがって、本実施の形態によると、シリ
ンダ6の駆動距離および2枚の熱板1の間隔は固定され
ていたとしても、金型脚20を例えば厚さの異なるもの
と交換等することにより、金型の厚さを変えることがで
きる。したがって、シリンダ6の駆動距離および2枚の
熱板1の間隔は固定されていても、金型脚20の厚さを
変えることにより、製品に応じた厚みの金型4を注型装
置に搭載することができる。
【0029】図2はヒータ構成を詳細に説明するための
図1の要部拡大図であり、図3は図2のX−X線に沿う
部分断面図である。
【0030】これらの図に示すように、本実施形態の棒
状ヒータ7は注型口13の樹脂注入方向(図の上下方
向)に対して直交する方向(横方向)に複数本平行に配
置され、これら複数本の棒状ヒータ7に通電することに
より、樹脂を硬化させる。これらの棒状ヒータ7の熱出
力は、温度センサ8および温度制御装置9によって個々
に独立して制御される。
【0031】このように、本実施形態においては、棒状
のヒータ7の各々によって熱出力を調整することができ
るので、注型口13から反注型口22に向けて低温から
高温となるよう温度勾配を設けることが可能になる。し
たがって、温度制御により反注型口22側から注型口1
3に向けて樹脂を順序良く硬化させ、高品質な注型品を
製造することができる。
【0032】すなわち、本実施形態では金型脚20が樹
脂充填方向に対して直交する方向に設置されているの
で、金型脚20の熱伝導率が高いため、金型脚内の温度
は樹脂充填方向に対して直交する方向に対して略一定と
することができる。
【0033】本実施形態においては、樹脂充填方向に対
して垂直に設置された棒状ヒータ7により、注型口13
から反注型口22に向けて温度が高くなるように、つま
り等高線を注型口13に対して垂直に分布するように制
御することにより、その制御精度の向上が図れる。
【0034】また本実施形態においては、図3に示すよ
うに、棒状ヒータ7が金型4を貫通しており、この棒状
ヒータ7の端部は金型4の外面部に位置し、この棒状ヒ
ータ7の端部外周に、その金型4よりも線膨張係数が大
きいポリテトラフルオロエチレン製のシール用リング2
3を配置し、棒状ヒータ7と金型4との接合部をシール
してある。
【0035】このような構成によると、ポリテトラフル
オロエチレンが金型4の素材である金属よりも線膨張係
数が大きいため、棒状ヒータ7の通電により金型4およ
びポリテトラフルオロエチレン製リング23が加熱され
ると、このリング23が金型4に比べて大幅に膨張す
る。したがって、膨張したリング23によってシール機
能が高められるため、例えばシール不足によって棒状ヒ
ータ7の発熱部が減圧状態となり絶縁破壊するような事
態の発生を防止することができる。
【0036】次に、図4〜図12によって本実施形態の
各種変形例を説明する。
【0037】図4は熱板加熱についてのものであり、熱
板1内に別のヒータ7aを設けた例を示している。この
例では、熱板1内に設けたヒータ7aに通電を行うこと
により、熱板1も所定の温度まで加熱するようにしてい
る。
【0038】これにより、樹脂の注入過程および硬化中
における真空チャンバ2内の温度の一定保持が図れる。
また、離型時に開閉装置5の操作によりシリンダ6を駆
動し、金型4を開放しても、ヒータ7aによって金型4
の周りの温度を室温以上に保持できるため、金型4の温
度低下を抑制することが可能となる。
【0039】この図4に示したヒータ構成によれば、樹
脂充填中および硬化中に真空チャンバ2内の温度を一定
に保つことにより、注型装置周囲の雰囲気温度の差によ
って及ぼされる製品への影響を抑止することができる。
また、離型後の金型4の温度低下が少ないため、再注型
の際等における金型4の予熱に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0040】図5は、金型4の温度制御についての変形
例を示している。
【0041】この例では図5に示すように、棒状ヒータ
7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4内の棒
状ヒータ7に近接する部位に設けられている。この場
合、温度センサ8と棒状ヒータ7との最短距離は、その
温度センサ8を金型4に埋め込むための掘り込み加工が
可能な5mmである。また、最大距離は下記の制約によ
って10mmが適当である。すなわち、樹脂注入時に
は、樹脂が金型4よりも低温であるため金型4の温度が
下降し、温度制御装置9によって金型4内の棒状ヒータ
7の熱出力が上昇する。金属製である金型4は熱伝導率
が大きく、ヒータ熱出力を上昇しすぎると、温度上昇が
過大になることがある。温度センサ8が樹脂温度の影響
を受け難い距離が10mmである。
【0042】このような図5の構成によれば、温度セン
サ8が棒状ヒータ7に近接して設置されているので、棒
状ヒータ7による加熱の度合を敏感に感知することがで
きる。また、樹脂注入時には樹脂に熱を供給することに
よる金型4の温度低下の影響を受け難くなるため、過度
に棒状ヒータ7の熱出力が上昇することが抑制でき、よ
り精密な温度制御が可能になる。したがって、金型温度
の精密な制御が可能になることにより、高品質な注型品
を製造することができる。
【0043】図6は、金型4の温度制御についての他の
変形例を示している。
【0044】この例では図6に示すように、棒状ヒータ
7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4の内面
側のキャビティ3との界面部位に設けられている。この
ように、温度センサ8を金型4とキャビティ3との界面
付近に設置することにより、キャビティ3内に充填され
た樹脂の発熱よる金型4の温度上昇を感知し易くなる。
したがって、樹脂の発熱による金型4の温度上昇を素早
く感知し、ヒータ熱出力の制御において早急にフィード
バックできるので、金型4の温度管理の精度向上が図れ
る。
【0045】なお、温度センサ8とキャビティ3との距
離は、できるだけ小さい方が望ましいが、一定の限度が
ある。発明者の検討によると、温度センサ8を金型4に
埋め込むための掘り込み加工が可能で、座屈が生じない
程度の強度が得られる5mmが最小である。
【0046】図7は、金型4の温度制御についての別の
変形例を示している。
【0047】この例では図7に示すように、棒状ヒータ
7の熱出力制御のための温度センサ8が、金型4内の棒
状ヒータ7に近接する部位(図7の左側に図示した部
位)と、金型4内面側の対キャビティ3界面部位(図7
の右側に図示した部位)とにそれぞれ設けられ、樹脂の
注入硬化プロセスに応じた各温度センサ8の使い分けが
可能とされている。
【0048】例えば、樹脂注入時には棒状ヒータ7付近
に設置した温度センサ(図7の左側に図示した温度セン
サ)8を用い、樹脂硬化時には金型4とキャビティ3と
の界面付近に設置した温度センサ(図7の右側に図示し
た温度センサ)8を用いるというように、樹脂の注入硬
化プロセスに応じて使い分ける。
【0049】このような構成によると、樹脂硬化時には
金型4とキャビティ3との界面付近に設置した温度セン
サ8を用いることにより、樹脂の発熱による金型4の温
度上昇を感知し易くなる。また、樹脂注入時には棒状ヒ
ータ7付近の温度センサ8を用いることにより、樹脂に
熱を供給することによる金型4の温度低下の影響を受け
難くなるため、過度に棒状ヒータ7の熱出力が上昇する
のを抑制することができ、より精密な温度制御が可能に
なる。したがって、本実施形態においては、金型4の温
度管理の精度を向上することができる。
【0050】図8は、棒状ヒータ7の配置構成について
の変形例を示している。
【0051】この例では図8に示すように、金型4のキ
ャビティ3内に埋込金型19が配置され、この埋込金物
19に近接した部位の金型4内部に棒状ヒータ7(7
b)が内径側に寄った配置とされている。
【0052】このような構成によると、注型時に埋込金
物19の周りに注入される樹脂は、金型4に加えて埋込
金物19からも熱が供給されるため、硬化が早く進む。
したがって、埋込金物19の周りの樹脂は、埋込金物1
9を締めつける方向に収縮しつつ硬化するので、埋込金
物19と樹脂との間に圧縮応力が働き、これらの界面で
の剥離を防止することができる。
【0053】図9は、金型4のキャビティ形状について
の変形例を示している。なお、この図9〜図12等にお
いては棒状ヒータの図示を省略している。
【0054】この例では図9に示すように、金型4の内
面に、埋込金物19を例えば上下方向から覆う配置で、
掘り込み23が形成されている。
【0055】このような構成によると、掘り込み23内
に充填された樹脂は、硬化する際に埋込金物19を包む
ように収縮し、また樹脂と埋込金物19との接触面積が
増加する。したがって、本例によると、埋込金物19と
樹脂との接着性向上が図れる。
【0056】図10は、金型4の肉厚構成についての変
形例を示している。
【0057】この例では、金型4の埋込金物19の設置
部近傍に、その肉厚が他の部分よりも大きい厚肉部24
が形成されており、これにより当該部の熱容量が大きく
設定されている。
【0058】このような構成によると、金型4のうち埋
込金物19付近の熱容量が大きいため、埋込金物19付
近の樹脂は、それ以外の領域よりも多く熱を供給され、
硬化が早く進む。したがって、本例によると、樹脂が埋
込金物19の周りから硬化が始まり、埋込金物19を圧
縮する方向に硬化収縮するので、これらの界面の接着性
が向上する。
【0059】図11は、金型4の肉厚構成についての別
の変形例を示している。
【0060】この例では図11に示すように、金型4の
注型口13側の肉厚が最小とされ、この注型口13から
遠ざかるに従って次第に肉厚を大とする傾斜面25が形
成されている。
【0061】このような構成によると、金型4の厚みに
傾斜状に変化しているため、金型4よりも低温の樹脂を
注型口13からキャビティ3内に充填した場合に、金型
4内に温度勾配が生じ、注型口13側が低温となり、反
注型口22側が高温となる。したがって本例によれば、
金型4に生じる温度勾配によって、キャビティ3に充填
される樹脂を、反注型口22側から注型口13に向かっ
て順次に硬化させることができ、樹脂の充填が完了する
前に樹脂によって注型口13が閉塞することなく、樹脂
を反注型口側から順序良く硬化させることができる。な
お、図11ではヒータ7cとして線状のものを示してい
るが、棒状ヒータを適用できることは勿論である。
【0062】図12は、金型4の肉厚構成についてのさ
らに別の変形例を示している。
【0063】この例では図12に示すように、注型口1
3からキャビティ3に至る経路の金型4の肉厚が、その
キャビティ3の周りに比して小さくなっている。
【0064】このように、注型口13からキャビティ3
に至る経路の金型4の厚みを、キャビティ3の周りより
も肉薄とした構成によると、注型口13からキャビティ
3に至る経路の金型4の熱容量が小さくなるため、この
経路内にある樹脂は熱量の供給を受けにくくなり、キャ
ビティ3内の樹脂よりも硬化が遅れる。したがって、本
例によっても、注型口13からキャビティ3に至る経路
内で、充填完了前に樹脂が硬化し、注型口13が閉塞す
ることを有効に防止することができる。
【0065】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、金型を熱板に金型脚を介して支持させることによ
り、多品種の注型品を製造する際に、その金型脚の厚さ
設定等により、それぞれ最適な厚みを持った金型を搭載
することができる。また、金型の温度が注型口側で低
く、反注型口側で高くなるように金型に温度勾配を設け
ることにより、樹脂の充填が完了する前に樹脂によって
注型口が閉塞することなく、樹脂を反注型口側から順序
良く硬化させることができる。また、金型温度は金型内
に具備した棒状ヒータと温度センサとを用いて精度よ
く、かつ再現性のよい制御を行うことができる。さらに
熱板にもヒータを挿入する等により、金型温度が注型装
置の周囲の温度に影響されないようにして、真空チャン
バ内の金型温度の制御を詳細かつ厳密に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注型装置の一実施形態を示す全体
構成図。
【図2】図1に示す注型装置の金型および温度制御装置
を示す構成図。
【図3】図1に示す金型の構成図。
【図4】前記実施形態の変形例を示すもので、金型と熱
板、熱板内ヒータの構成図。
【図5】前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温
度制御装置の構成図。
【図6】前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温
度制御装置の構成図。
【図7】前記実施形態の変形例を示すもので、金型と温
度制御装置の構成図。
【図8】前記実施形態の変形例を示すもので、金型と金
型内ヒータの構成図。
【図9】前記実施形態の変形例を示すもので、金型形状
の説明図。
【図10】前記実施形態の変形例を示すもので、金型形
状の説明図。
【図11】前記実施形態の変形例を示すもので、金型形
状の説明図。
【図12】前記実施形態の変形例を示すもので、金型形
状の説明図。
【図13】従来の注型装置を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱板 2 真空チャンバ 3 キャビティ 4 金型 5 開閉装置 6 シリンダ 7 棒状ヒータ 8 温度センサ 9 温度制御装置 10 真空バルブ 11 配管 12 真空ポンプ 13 注型口 14 (樹脂注入用)配管 15 樹脂混合タンク 16 樹脂 17 加圧装置 18 加圧バルブ 19 埋込金具 20 金型脚 21 締結具 22 反注型口 23 リング 24 厚肉部 25 傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AK09 AM03 AM19 AM28 AP05 AR06 AR12 CA01 CB01 CB12 CK43 CK52 CL01 CN01 CN18 CN22 4F204 AK09 AM03 AM19 AM28 AP05 AR06 AR12 EA03 EB01 EB12 EE07 EF27 EK07 EK13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱板を含む外郭壁によって囲まれた真空
    チャンバ内に、樹脂成形用のキャビティを有する金型を
    配置し、前記熱板を駆動装置によって開閉可能とした注
    型装置において、前記金型を前記熱板に着脱可能な金型
    脚を介して固定支持させ、この金型脚による前記金型の
    支持位置を可変としたことを特徴とする注型装置。
  2. 【請求項2】 金型内に、樹脂充填方向と直交する方向
    に沿う複数本の棒状ヒータを埋設したことを特徴とする
    請求項1記載の注型装置。
  3. 【請求項3】 棒状ヒータの端部は金型の外面部に位置
    し、この棒状ヒータの端部外周に、その金型よりも線膨
    張係数が大きいポリテトラフルオロエチレン製等のシー
    ル用リングを配置し、前記棒状ヒータと前記金型との接
    合部をシールしたことを特徴とする請求項2記載の注型
    装置。
  4. 【請求項4】 棒状ヒータの熱出力を金型内に注入され
    る樹脂量に応じて独立に制御する温度制御装置を設けた
    ことを特徴とする請求項2または3記載の注型装置。
  5. 【請求項5】 熱板に別のヒータを設置したことを特徴
    とする請求項1から4までのいずれかに記載の注型装
    置。
  6. 【請求項6】 棒状ヒータの熱出力制御のための温度セ
    ンサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位に設けたこ
    とを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の
    注型装置。
  7. 【請求項7】 棒状ヒータの熱出力制御のための温度セ
    ンサを、金型内面側の対キャビティ界面部位に設けたこ
    とを特徴とする請求項2から5までのいずれかに記載の
    注型装置。
  8. 【請求項8】 棒状ヒータの熱出力制御のための温度セ
    ンサを、金型内の棒状ヒータに近接する部位と、金型内
    面側の対キャビティ界面部位とにそれぞれ設け、樹脂の
    注入硬化プロセスに応じた前記各温度センサの使い分け
    を可能としたことを特徴とする請求項2から5までのい
    ずれかに記載の注型装置。
  9. 【請求項9】 金型のキャビティ内に埋込金型を配置
    し、この埋込金物に近接した部位の金型内部に棒状ヒー
    タを配置したことを特徴とする請求項2から8までのい
    ずれかに記載の注型装置。
  10. 【請求項10】 金型内面に、埋込金物を覆う配置で掘
    り込みを形成したことを特徴とする請求項1から9まで
    のいずれかに記載の注型装置。
  11. 【請求項11】 金型の埋込金物設置部近傍の肉厚を他
    の部分よりも大きくし、当該部の熱容量を大きくしたこ
    とを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載
    の注型装置。
  12. 【請求項12】金型の注型口側の肉厚を最小とし、前記
    注型口から遠ざかるに従って次第に肉厚を大とする傾斜
    を、前記金型の外面に形成したことを特徴とする請求項
    1から11までのいずれかに記載の注型装置。
  13. 【請求項13】 注型口からキャビティに至る経路の金
    型の肉厚を、キャビティ周りよりも小さくしたことを特
    徴とする請求項1から12までのいずれかに記載の注型
    装置。
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