JP3942945B2 - 射出圧縮成形装置、射出圧縮成形方法およびその方法による射出圧縮成形品 - Google Patents

射出圧縮成形装置、射出圧縮成形方法およびその方法による射出圧縮成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めして成形品とする射出圧縮成形装置、射出圧縮成形方法およびその方法による射出圧縮成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の射出成形機は、金型ベースと、金型ベースの両端部に立設された支持盤と、両支持盤間に水平配置されたガイド部材と、ガイド部材に摺動自在に設けられた移動金型と、移動金型に対向するように一方の支持盤に固設された固定金型と、移動金型を進退移動させるように他方の支持盤に固設された金型開閉シリンダとを有している。そして、通常、射出成形を行う場合には、ガイド部材に沿って移動金型を固定金型に移動して充分な型締め力で型締めし、金型内に溶融樹脂を射出して冷却固化することにより成形品としている。
【0003】
ところが、通常の射出成形方法では、成形品中に大きな残留応力が残るため、精密機器部品や光学機器部品等の特殊な用途に使用される成形品にとっては歪や屈折率が許容範囲を超える等の不具合が生じ易いものとなる。そこで、このような特殊な用途の成形品を製造する場合には、先ず、金型が僅かに開いた中間型締め状態に設定しておいたり、射出圧力で金型が開く程度の型締め力に設定しておき、この後、このような金型内に溶融樹脂を射出した時点で金型を最終型締め状態まで再型締めすることによって、成形品に残留応力を残さないようにする射出圧縮成形方法が採用されている(特開2000−6213号公報、特許第2865924号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の射出成形機は、金型を充分に型締めした最終型締め状態で溶融樹脂を射出する通常の射出成形方法での使用を前提として設計されているため、不十分な型締め状態で溶融樹脂を射出したときの移動金型と固定金型との平行度に関しては全く考慮されていない。従って、上述の射出圧縮成形方法により成形品を製造した場合でも、図9に示すように、射出成形機の構造上の問題、即ち、金型91・92間の平行度が例えばガイド部材93の撓み等で不十分になるという問題によって、成形品の品質が低下することがある。さらに、金型91・92間の平行度が不十分な状態で再型締めされると、金型91・92同士の齧りにより金型91・92が破損し易いという問題も起こる。そして、このような問題は、射出成形機が繰り返して作動されることによって、ガイド部材93の磨耗や支持盤94・95の傾斜等のように射出成形機の機械的な消耗が進行したときに、一層顕著なものになる。
【0005】
従って、本発明は、高品質な成形品を長期間に亘って製造することを可能にする射出圧縮成形装置および射出圧縮成形方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構とを有し、前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、且つ、最大進出量で進出している状態の前記位置決めシリンダの前記シリンダロッドと当接することで全ての平行度矯正機構を同一の所定長に設定可能な当接機構とを有することを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、中間型締め状態の金型間を平行度矯正機構で高い平行度に矯正することによって、金型内に溶融樹脂を略均等に充填することができる。従って、中間型締め状態から再型締めして最終型締め状態としたときに、金型内の溶融樹脂を均等に圧縮することができるため、溶融樹脂を冷却して形成された成形品中の残留応力を充分に小さなものにして高品質の成形品とすることができる。また、中間型締め状態から再型締めするときに、金型間に高い平行度が出現しているため、金型同士の齧りや破損等の不具合を確実に防止することができる。この結果、装置内の各部品要素が使用により消耗した場合でも、中間型締め状態の金型間の平行度については、平行度矯正機構で常に高い平行度に維持されるため、高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0010】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構とを有し、前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、前記位置決めシリンダとで平行度矯正機構を所定長に設定可能な当接機構とを有し、前記当接機構の先端部がマイクロメータ機構で進退移動可能にされていることを特徴としている。上記の構成によれば、当接機構とシリンダロッドとの部品点数の少ない簡単な構成で平行度矯正機構を得ることができる。
【0011】
記の構成によれば、当接機構の先端部をマイクロメータ機構により所望の位置に高精度に位置決めすることができる。
【0012】
請求項の発明は、請求項またはに記載の射出圧縮成形装置であって、前記各平行度矯正機構の位置決めシリンダに対してシリンダロッドを進退移動させると共に任意の保持圧力で保持させるように作動油を給排出可能な油圧設定部と、前記中間型締め位置の金型内に射出された溶融樹脂により偏荷重が生じたときに、該偏荷重による再型締め時の平行度の影響を最小限に抑制するように前記油圧設定部における保持圧力および作動油の排出速度の少なくとも一方を個別に設定する制御装置とを有することを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、溶融樹脂の偏荷重を加味して平行度矯正機構の保持圧力を設定するため、金型間の高い平行度を再型締め中においても確実に維持することができる。この結果、成形品を一層高品質にすることができると共に、金型の齧り等の不具合の発生を一層確実に防止することができる。
【0014】
請求項の発明は、請求項ないしの何れか1項に記載の射出圧縮成形装置であって、前記型締め機構は、共通プレートを着脱可能に備えており、前記共通プレートの取付け面には、前記金型および平行度矯正機構が設けられていることを特徴としている。上記の構成によれば、共通プレートを装着するという簡単な作業を行うだけで、既存の射出成形装置を射出圧縮成形装置に改造することができる。
【0015】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形方法であって、前記中間型締め状態に金型を型締めしたときに、該金型間を高い平行度に矯正し、前記最終型締め状態は、可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態であることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、中間型締め状態の金型間を高い平行度に矯正することによって、金型内に溶融樹脂を略均等に充填することができる。従って、中間型締め状態から再型締めして最終型締め状態としたときに、金型内の溶融樹脂を均等に圧縮することができるため、溶融樹脂を冷却して形成された成形品中の残留応力を充分に小さなものにして高品質の成形品とすることができる。また、中間型締め状態から再型締めするときに、金型間に高い平行度が出現しているため、金型同士の齧りや破損等の不具合を確実に防止することができる。この結果、装置内の各部品要素が消耗した場合でも、中間型締め状態の金型間が高い平行度に設定されるため、高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0017】
請求項の発明は、請求項の射出圧縮成形方法であって、前記矯正は、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構における各金型の取り付け面に対し、矯正力を付与することにより行うことを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、金型間の高い平行度を比較的小さな力で効率よく矯正することができる。かかる高い平行度は金型同士の齧りや破損などを確実に防止し、高品質の樹脂製品を長期間に亘って製造することができ、実用上問題なく安定して製品を提供することができる。更にかかる高い平行度は最終型締め状態が可動側金型のパーティング面と固定側金型のパーティング面とが互いに接触しない状態にあっても、厚みの偏差のない所定の成形品の成形を可能とする。かかるパーティング面が互いに接触しない最終型締め状態は、金型内の樹脂へのより均等な圧縮を可能とし、更に高品質の樹脂製品を達成する。
【0019】
請求項の発明は、請求項またはに記載の射出圧縮成形方法であって、前記溶融樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有するものであることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、従来成形加工性を確保するため、耐衝撃性や耐薬品性などの特性を犠牲にしがちであった非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有する樹脂においても、これらの特性に優れた高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0023】
請求項の発明は、請求項に記載の射出圧縮成形方法により形成された射出圧縮成形品であることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば高品質な成形品が長期間に渡って製造され、実用上問題なく安定して高品質な射出圧縮成形品が提供される。
【0025】
請求項の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は車両用透明部材であることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、従来ガラスよりなる透明部材を樹脂に代替することを可能とする。殊にグレージング材においては良好な耐衝撃性を有し、軽量であり、かつ曲率が極めて小さいかまたはエッジを有することのできる意匠性に富んだ3次元的な面構成を備えた新規なグレージング材を、少ない歪みおよび高い厚みの精度をもって、実用上問題なく提供することができる。
【0027】
請求項1の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は車両用外板であることを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、従来以上に大型の車両用外板の成形を可能とする。したがって上記の構成は、従来の成形品を多数個取りすること、および更に一体部分を拡大した成形品とすることを可能とし、その結果生産効率の向上によりコストダウンされた樹脂製車両用外板を実用上問題なく提供することができる。
【0029】
請求項1の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は板状光学機能成形品であることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、極めて精度の高い転写性および低歪みが要求されるフレネルレンズなどの板状光学機能成形品を実用上問題なく提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図9に基づいて以下に説明する。
【0034】
本実施の形態に係る射出圧縮成形装置は、透明レンズやCD、FDに代表される光学機器部品や精密機器部品の成形品の製造に好適に使用される。更に本発明の射出圧縮成形装置は、車両用透明部材(グレージング材(例えば、フロントドアウインドウ、リアドアウインドウ、クォーターウインドウ、バックウインドウ、およびバックドアウインドウ、並びにサンルーフおよびルーフパネルなど)、ヘッドランプレンズ、ソーラーセルカバー、風防、および情報表示型インストルメンタルパネルなど)、車両用外板(自動車外板パネル、カウル、およびハードトップなど)、車両用内装材(インストルメンタルパネルなど)、並びに板状光学機能成形品(フレネルレンズ、光拡散シート、レンチキュラーレンズシード、プリズムシートおよびレンズアレイなど)などにより好適に使用される。
【0035】
射出圧縮成形装置は、図1に示すように、溶融樹脂を冷却固化して成形品とする成形ユニット1と、成形ユニット1に対してPC(ポリカーボネート)樹脂やPMMA(ポリメチルメタクリレート)樹脂等の溶融樹脂を射出する射出ユニット2とを有している。成形ユニット1は、型締ベース3を備えている。型締ベース3の両端部には、支持盤4・5が設けられている。両支持盤4・5間には、棒状のガイド部材6が各コーナー部に横設されている。また、図中左側に位置する一方の支持盤4には、金型開閉シリンダ7がシリンダロッド7aを他方側の支持盤5に対して進退移動させるように設けられている。
【0036】
上記のシリンダロッド7aの先端部には、ガイド係合部材8が設けられている。ガイド係合部材8の各コーナー部には、上述のガイド部材6が摺動自在に貫挿されている。そして、ガイド係合部材8は、ガイド部材6に沿って移動することによって、金型開閉シリンダ7のシリンダロッド7aによる進退方向を規制している。
【0037】
上記のガイド係合部材8には、平板状の移動側共通プレート9が着脱可能に設けられている。また、他方側の支持盤5には、平板状の固定側共通プレート13が移動側共通プレート9に対向して着脱可能に設けられている。共通プレート9・13同士が対向する取付け面の中心部には、移動金型10および固定金型11がそれぞれ設けられている。そして、移動金型10と固定金型11とは、移動金型10が金型開閉シリンダ7により固定金型11に対して型締めされることによって、成形品の外形に対応したキャビティ12を内部に形成するようになっている。また、固定金型11の内部には、溶融樹脂を流動させるゲート11aが形成されている。ゲート11aは、固定金型11の外壁面に沿って形成されており、一方端が固定金型11の裏面側(射出ユニット2側)に開口されている一方、他方端がキャビティ12の側面に開口されている。
【0038】
また、図2に示すように、金型10・11の周囲には、金型10・11の平行度を調整する複数の平行度矯正機構20が設けられている。平行度矯正機構20は、移動側共通プレート9の取付け面に設けられた当接機構21と、固定側共通プレート13の取付け面に設けられた位置決めシリンダ22とを備えている。位置決めシリンダ22は、当接機構21に対してシリンダロッド22aを進退移動可能な油圧シリンダからなっている。また、当接機構21は、移動金型10に平行配置されたロッド部材23と、ロッド部材23の先端部に進退移動可能に設けられたヘッド部材24とを備えている。
【0039】
上記のロッド部材23とヘッド部材24とは、図3(a)に示すように、ロッド部材23の先端部に形成された雄ネジ部23aに、ヘッド部材24内に形成された雌ネジ部24bを螺合したマイクロメータ機構により連結されている。雄ネジ部23aおよび雌ネジ部24bは、2mm等の所定ピッチに設定されており、ヘッド部材24は、1回転する毎に、ロッド部材23の先端部に対して2mm等の所定ピッチで進退移動可能にされている。また、図3(b)に示すように、ヘッド部材24の周縁部には、ヘッド部材24の回転量(進退移動量)をオペレータに認識させるように目盛り24aが形成されている。そして、このように構成された平行度矯正機構20は、ヘッド部材24を回転させてロッド部材23に対して所定位置に位置決めした後、位置決めシリンダ22のシリンダロッド22aを最大進出量で進出させてヘッド部材24に当接させることによって、移動側共通プレート9(移動金型10)および固定側共通プレート13(固定金型11)間の平行度を調整可能にしている。
【0040】
上記の各位置決めシリンダ22は、油圧回路で動作が制御されている。油圧回路は、図5に示すように、各平行度矯正機構20の位置決めシリンダ22に対してシリンダロッド22aを進退移動させると共に任意の保持圧力で保持させるように作動油を給排出可能な油圧設定部30と、シリンダロッド22aを進退移動させるように位置決めシリンダ22に対して作動油の供給方向を切り替える進退移動部31と、位置決めシリンダ22に対して作動油を供給する油供給部32とを有している。油供給部32は、作動油を貯留するオイルパン33と、オイルパン33に貯留された作動油の油面を検出する油面計34と、オイルパン33に貯留された作動油を送給する可変ポンプ35と、アンロード用のアンロード切替弁36とを備えている。
【0041】
上記の可変ポンプ35の送給側には、チェック弁37を介して進退移動部31を構成する主切替弁38が接続されている。主切替弁38は、4ポート3位置形式の電磁パイロット切替弁からなっており、一方の出力ポート38aが進出用配管39を介して油圧設定部30に接続されている。また、切替弁38の他方の出力ポート38bは、後退用配管40を介して位置決めシリンダ22の引き込みポート22bに接続されている。そして、主切替弁38は、弁体を中立位置にすることにより位置決めシリンダ22に対する作動油の供給を停止してシリンダロッド22aを固定された状態にする機能と、油供給部32を一方の出力ポート38aに連通させることにより作動油を油圧設定部30に供給して位置決めシリンダ22に対してシリンダロッド22aを進出させる機能と、油供給部32を他方の出力ポート38bに連通させることにより作動油を引き込みポート22bに供給して位置決めシリンダ22に対してシリンダロッド22aを後退させる機能とを有している。
【0042】
上記の進退移動部31に接続された後退用配管40には、位置決めシリンダ22におけるシリンダロッド22aの後退速度を制限するように、第1可変絞り弁42が設けられている。また、進出用配管39に接続された油圧設定部30は、所定圧力に設定された減圧弁44と、減圧弁44に直列接続され、シリンダロッド22aの進出速度を制限する第2可変絞り弁45と、減圧弁44および第2可変絞り弁45間の圧力を検出する圧力計46、圧力表示器47およびロードセルアンプからなる圧力検出器48と、減圧弁44および第2可変絞り弁45間に接続された比例電磁式圧力制御弁49と、比例電磁式圧力制御弁49の設定圧力を変更する圧力変更アンプ50とを有している。尚、比例電磁式圧力制御弁49の設定圧力は、減圧弁44の所定圧力よりも0.7Pa以上高くなるように設定されている。
【0043】
上記の比例電磁式圧力制御弁49は、押し戻し戻し用配管51に接続されている。押し戻し戻し用配管51は、作動油中の異物を除去するフィルタ52と、作動油を冷却する熱交換機53とを介してオイルパン33に接続されている。そして、比例電磁式圧力制御弁49を備えた油圧設定部30は、油供給部32から作動油が供給されたときに、減圧弁44の所定圧力および第2可変絞り弁45の進出速度でシリンダロッド22aを進出させるように機能すると共に、シリンダロッド22aを後退方向に押圧する押圧力が比例電磁式圧力制御弁49の設定圧力(シリンダロッド22aの保持圧力)を超えたときに、作動油を比例電磁式圧力制御弁49から押し戻し戻し用配管51に排出してシリンダロッド22aを後退させるように機能する。
【0044】
上記のように構成された油圧回路は、図4に示すように、制御装置60により動作が制御されている。制御装置60は、各種の信号を送受信可能に配線されたベース70を備えている。ベース70には、通電状態の有無を検出して入力信号とする入力ユニット61と、パルス信号を計数してカウンタ値とする高速カウンタユニット62と、電圧信号や電流信号からなるアナログ信号を取り込んでデジタル信号に変換するA/D変換ユニット63と、制御装置60の電力を供給する電源ユニット64と、デジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換ユニット65と、直流電流を出力するDC出力ユニット66と、制御装置60内のデータをRS232C規格等の通信規格に応じたプロトコールで送受信可能にする回線計算機リンクユニット67と、各ユニット61〜67の動作を制御および監視するCPUユニット68とが設けられていると共に、CPUユニット68に対してオペレータが各種の動作を設定可能にするタッチパネル69が接続されている。
【0045】
上記の入力ユニット61には、非常停止スイッチ55や複数のリミットスイッチ56が接続されている。非常停止スイッチ55は、射出圧縮成形装置が異常動作を起こしたときに、オペレータの判断で動作を緊急停止する際に使用される。リミットスイッチ56は、図1の金型開閉シリンダ7や位置決めシリンダ22等に設けられており、例えばこれらのシリンダ7・22の進出量を設定している。また、高速カウンタユニット62には、パルスエンコーダ57が接続されている。パルスエンコーダ57は、図1の平行度矯正機構20に設けられており、ヘッド部材24の回転に伴ってパルス信号を出力する。
【0046】
また、A/D変換ユニット63には、増幅器58を介してロードセル59が接続されている。一方、D/A変換ユニット65は、増幅器58を介して比例電磁式圧力制御弁49のコイル部49aに接続されている。ロードセル59は、図5に示すように、油圧設定部30に設けられており、比例電磁式圧力制御弁49に付与される油圧を検出する。DC出力ユニット66には、複数のリレー71が接続されており、これらのリレー71は、油圧回路内における減圧弁44等の開閉を制御可能にしている。計算機リンクユニット67には、通信線72を介してパーソナルコンピュータ等の情報処理装置73が接続されている。そして、情報処理装置73は、制御装置60との間でデータを送受信することによって、射出圧縮成形装置の動作状況や生産状況を管理する。
【0047】
上記の構成において、射出圧縮成形装置の動作について説明する。
【0048】
[組み立て作業]
型締め方向が水平方向である横型方式の既存の射出成形装置を射出圧縮成形装置として使用する場合には、図2に示すように、移動側共通プレート9および固定側共通プレート13が用意される。そして、移動側共通プレート9の取付け面に移動金型10と当接機構21とが取り付けられる一方、固定側共通プレート13の取付け面に固定金型11と位置決めシリンダ22とが取り付けられる。
【0049】
この後、図1に示すように、移動側共通プレート9および固定側共通プレート13が既存の射出成形機に運搬され、この成形機内のガイド係合部材8および支持盤5の対向面にそれぞれ取り付けられる。これにより、既存の射出成形装置は、金型10・11の周囲に4本の平行度矯正機構20が配置された射出圧縮成形装置に改造される。そして、このような改造作業は、共通プレート9・13の装着作業だけで行うことができるため、金型10・11および平行度矯正機構20を射出成形装置に直接取り付ける場合と比較して短時間で完了する。尚、射出圧縮成形装置を元の射出成形装置に戻す作業も、共通プレート9・13の取り外し作業により短時間で完了する。尚、共通プレート9・13は、図1に示すような複数の機器を一つの共通プレートに取り付けた一体形プレートに加え、機器毎に分けて取り付けた分割形プレート(図示しない)とすることも可能である。
【0050】
[平行度準備作業]
上記のようにして射出圧縮成形装置として改造されると、ヘッド部材24が回転されて移動側共通プレート9側に移動される。この後、移動金型10が金型開閉シリンダ7により固定金型11方向に前進され、成形品に要求される所定の圧縮量に相当する中間型締め位置まで前進したときに停止されることによって、完全に型締めされた型締め位置(または最終型締め状態)から所定間隔Lを僅かに開いた中間型締め状態に設定される。
【0051】
次に、位置決めシリンダ22のシリンダロッド22aが進出される。シリンダロッド22aが最大進出量まで進出して停止されると、この停止状態が維持されながら、ヘッド部材24が回転されることにより固定側共通プレート13(位置決めシリンダ22)方向に移動される。そして、ヘッド部材24の先端面がシリンダロッド22aに当接した位置が"0"位置とされ、この位置からさらにヘッド部材24の回転が継続されることによって、全てのヘッド部材24の先端面が移動側共通プレート9から所定距離に位置するように設定される。尚、この設定作業は、ヘッド部材24の周縁部に形成された目盛りをオペレータが目視することにより行われる。
【0052】
この結果、最大進出量の位置決めシリンダ22と所定距離に位置決めされたヘッド部材24とが当接されることによって、これら両部材22・24を備えた全ての平行度矯正機構20が同一長を有することになる。これにより、4箇所に配置された各平行度矯正機構20で共通プレート9・13の取付け面間が同一距離に設定されることによって、中間型締め状態の金型10・11間に高い平行度が出現することになる。この後、移動金型10が後退されることによって、平行度準備作業が完了する。
【0053】
[成形運転]
上記のようにして平行度準備作業が完了すると、成形運転が開始される。先ず、図5に示すように、進退移動部31の主切替弁38が中立状態から切り替えられることによって、作動油が油圧設定部30に送給される。油圧設定部30に作動油が供給されると、第2可変絞り弁45で流量が制限されながら位置決めシリンダ22内に流入することによって、シリンダロッド22aが位置決めシリンダ22から緩やかに進出される。そして、図1に示すように、シリンダロッド22aが最大進出量まで進出したときに停止される。
【0054】
次に、金型開閉シリンダ7により移動側共通プレート9が固定側共通プレート13方向に移動され、移動側共通プレート9に設けられた移動金型10および当接機構21が固定側共通プレート13方向に前進される。そして、この前進は、移動金型10が成形品に要求される所定の圧縮量に相当する中間型締め状態になるまで継続される。
【0055】
また、移動金型10と共に当接機構21が前進されると、ヘッド部材24の先端面が位置決めシリンダ22のシリンダロッド22aに当接する。この際、例えば移動金型10(移動側共通プレート9)が固定金型11(固定側共通プレート13)に対して傾斜していた場合には、先ず、両共通プレート9・13間の狭い側の部分に設けられた当接機構21のヘッド部材24が位置決めシリンダ22のシリンダロッド22aに当接する。そして、この状態で移動側共通プレート9の前進が継続されると、当接機構21と位置決めシリンダ22とが当接した所定長の平行度矯正機構20を支点として共通プレート9・13間の傾斜が減少され、最終的には、所定長の全平行度矯正機構20により共通プレート9・13間が同一距離に設定されることによって、中間型締め状態の金型10・11間が高い平行度に矯正される。
【0056】
次に、射出ユニット2から溶融樹脂が射出される。図6に示すように、溶融樹脂は、固定金型11のゲート11aを流動し、キャビティ12の一方の側面からキャビティ12内に流入することによって、一方の側面側から他方の側面側にかけて押し込まれながらキャビティ12内に充填される。この結果、キャビティ12内全体に溶融樹脂が充填されると、金型10・11間には、一方の側面側から他方の側面側にかけて樹脂圧力P(反発力)を減少させた分布状態である偏荷重が発生することになる。
【0057】
そこで、図4の制御装置は、金型10・11を中間型締め状態から再型締めするときに、偏荷重の影響で金型10・11間の平行度が低下しないように、各平行度矯正機構20の保持圧力(比例電磁式圧力制御弁49の設定圧力)を調整している。即ち、図5に示すように、小さな偏荷重が作用する部位に配置された油圧設定部30の比例電磁式圧力制御弁49に対しては大きな設定圧力が設定される一方、大きな偏荷重が作用する部位に配置された油圧設定部30の比例電磁式圧力制御弁49に対しては小さな設定圧力が設定されることによって、各比例電磁式圧力制御弁49の設定圧力と偏荷重との合計差が縮小されるように調整される。
【0058】
また、この調整時においては、図6に示すように、再型締めを可能にするため、全平行度矯正機構20の保持圧力PYと樹脂圧力Pとの合計値(PY+P)が再型締め力Wよりも小さな値に設定される。尚、樹脂圧力Pは、図4の制御装置60に事前に登録された予測値が用いられても良いし、図示しない圧力センサにより計測された実測値が用いられても良い。
【0059】
そして、このようにして平行度矯正機構20の保持圧力が設定されると、樹脂圧力P(反発力)に大きな偏荷重が発生していた場合でも、平行度矯正機構20の保持圧力が偏荷重の影響を最小限に抑制するため、中間型締め状態における平行度矯正機構20による高い平行度を再型締め中においても維持することができる。この結果、金型10・11間の平行度が低下することによる成形品の品質の低下や金型10・11同士の齧り、破損等の不具合を確実に防止することができる。また、射出圧縮成形が繰り返して行われることによって、例えばガイド部材6の磨耗や支持盤4・5の傾斜等のように射出圧縮成形装置の機械的な消耗が進行した場合でも、中間型締め状態および再型締め時における高い平行度を平行度矯正機構20により維持することができる。
【0060】
以上のように、本実施形態の射出圧縮成形装置は、金型10・11同士を中間型締め状態に型締めし、金型10・11内への溶融樹脂の射出後に最終型締め状態まで再型締めして成形品とするものであり、中間型締め状態に型締めされた金型10・11間を高い平行度に矯正する平行度矯正手段を有した構成にされている。具体的には、金型10・11同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、移動金型10を固定金型11に対して進退移動させる型締め機構(金型開閉シリンダ7、ガイド係合部材8、支持盤4・5等)と、型締め機構における各金型10・11の取付け面に対して矯正力を付与することによって、中間型締め状態に型締めされた金型10・11間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構20とを有した構成にされている。
【0061】
上記の構成によれば、中間型締め状態の金型10・11間を平行度矯正手段である平行度矯正機構20で高い平行度に矯正することによって、金型10・11内に溶融樹脂を略均等に充填することができる。従って、中間型締め状態から再型締めして最終型締め状態としたときに、金型10・11内の溶融樹脂を均等に圧縮することができるため、溶融樹脂を冷却して形成された成形品中の残留応力を充分に小さなものにして高品質の成形品とすることができる。また、中間型締め状態から再型締めするときに、金型10・11間に高い平行度が出現しているため、金型10・11同士の齧りや破損等の不具合を確実に防止することができる。この結果、装置内の各部品要素が消耗した場合でも、中間型締め状態の金型10・11間の平行度については、平行度矯正機構20で常に高い平行度に維持されるため、高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0062】
尚、本実施形態においては、型締め機構の取付け面に対して型締め方向の矯正力を付与する平行度矯正機構20により平行度矯正手段を構成しているが、これに限定されるものではなく、平行度矯正手段は、例えば金型10・11の側面に型締め方向に対して直交方向の矯正力をジャッキ機構等で付与することによって、中間型締め状態の金型10・11間を高い平行度に矯正するように構成されていても良い。また、本実施形態においては、移動金型10を固定金型11に対して進退移動させる場合について説明しているが、金型10・11の少なくとも一方が進退移動可能にされていれば良い。また、本実施形態においては、金型10・11内への溶融樹脂の射出後に最終型締め状態まで再型締めする場合について説明しているが、射出中に最終型締め状態まで再型締めするものであっても良い。また、本実施形態の射出圧縮成形装置は、型締め方向が鉛直方向である縦型方式および型締め方向が水平方向である横型方式の何れの方式にも適用できる。より好適には横型方式である。横型方式ではより低い力で金型の平行度の調整を可能とし、その効率に優れる。
【0063】
さらに、本実施形態における射出圧縮成形装置は、上記の構成に加えて、各平行度矯正機構20の位置決めシリンダ22に対してシリンダロッド22aを進退移動させると共に任意の保持圧力で保持させるように作動油を給排出可能な油圧設定部30と、中間型締め位置の金型10・11内に射出された溶融樹脂により偏荷重が生じたときに、偏荷重による再型締め時の平行度の影響を最小限に抑制するように油圧設定部30における保持圧力を個別に設定する制御装置60とを有した構成にされている。
【0064】
これにより、溶融樹脂の偏荷重を加味して平行度矯正機構20の保持圧力を設定するため、金型10・11間の高い平行度を再型締め中においても確実に維持することができる。この結果、成形品を一層高品質にすることができると共に、金型10・11の齧り等の不具合の発生を一層確実に防止することができる。尚、本実施形態においては、油圧設定部30の保持圧力を個別に設定するようになっているが、これに限定されるものではなく、油圧設定部30の作動油の排出速度を個別に設定するようになっていても良いし、或いは、保持圧力と作動油の排出速度との両方を個別に設定するようになっていても良い。
【0065】
また、本実施形態における平行度矯正機構20は、型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、金型10・11の型締め方向にシリンダロッド22aを進退移動可能にされた位置決めシリンダ22と、金型10・11の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、位置決めシリンダ22とで平行度矯正機構20を所定長に設定可能な当接機構21とを有した構成にされている。これにより、当接機構21とシリンダロッド22aとの部品点数の少ない簡単な構成で平行度矯正機構20を得ることが可能になっている。
【0066】
尚、本実施形態においては、当接機構21および位置決めシリンダ22が移動側共通プレート9および固定側共通プレート13の各取付け面にそれぞれ取り付けられているが、これに限定されるものではなく、当接機構21と位置決めシリンダ22を直列状態に一体化した平行度矯正機構20が共通プレート9・13の取付け面の何れか一方に取り付けられていても良い。例えば固定側共通プレート13の取付け面に当接機構21と同等の機能を備えた微小位置調整機構を設け、この微小位置調整機構に位置決めシリンダ22を連結して平行度矯正機構20を構成しても良い。
【0067】
また、本実施形態における平行度矯正機構20は、当接機構21の先端部がマイクロメータ機構で進退移動可能にされている。これにより、当接機構21の先端部を部品点数の少ない簡単な構成のマイクロメータ機構により所望の位置に高精度に位置決めすることが可能になっている。尚、当接機構21の先端部の進退移動は、マイクロメータ機構に限定されるものではなく、微小位置制御可能なジャッキやボールネジとサーボモータとを組み合わせた機構で行われていても良い。
【0068】
本発明は上記射出圧縮成形装置を用いた射出圧縮成形方法を提供する。該成形方法の成形条件は、目的とする成形品に応じて適宜設定できるが、より好ましい成形条件などについて以下に説明する。
【0069】
本発明の射出圧縮成形方法において、その中間型締め状態における金型容量の拡大倍率は、目的とする成形品容量の1.2倍以上が好ましく、1.3倍以上がより好ましく、1.4倍以上が更に好ましく、1.5倍以上が特に好ましい。本発明の効果は、かかる倍率が高いほどより有効となるが、倍率があまりに高い場合には成形効率の低下と共に、ジェッティングなどの成形不良が生ずる場合もあるため、上限としては3倍以下が適切であり、2倍以下がより適切である。
【0070】
本発明の射出圧縮成形方法において、その最終型締め状態は、可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態であることが好ましい。本発明の射出圧縮成形方法においては接触した状態の成形も可能であるが、かかるパーティング面が互いに接触しない成形方法では、金型内の樹脂へのより均等な圧縮を可能とし、より低い圧縮力(型締め力)を用いてより低歪みの射出圧縮成形品である成形品の提供を可能とする。またパーティング面が接触した場合、所定の圧力が樹脂に付加されなくなることから成形品にヒケなどが生じて所定の寸法精度が達成されない場合もある。更に本発明の射出圧縮成形方法においては、金型間の高い平行度が達成されている。したがって、パーティング面が互いに接触しなくとも所定の成形品を厚みの偏差を生ずることなく成形することができ、本発明の射出圧縮成形方法は、最終型締め状態において可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態とすることにより、極めて高品質の成形品の提供を可能とする。また最終型締め状態における可動側金型と固定側金型とのパーティング面間の距離は0.05〜1mmの範囲が好ましい。
【0071】
本発明の射出圧縮成形方法において、金型内の樹脂を圧縮する際に樹脂に与える圧力は、10〜80MPaの範囲が好ましく、12〜50MPaの範囲がより好ましく、13〜35MPaの範囲が更に好ましい。かかる範囲の圧力を樹脂に与えることによって、低い型締め力を用いてより低歪みでかつ高い厚み精度を有する射出圧縮成形品が提供される。
【0072】
本発明の射出圧縮成形方法において、中間型締め状態から最終型締め状態までの金型の移動量(以下、圧縮ストロークと称する場合がある)は、1〜4mmの範囲が好ましく、1〜3mmの範囲がより好ましい。かかる範囲の後退量は、射出圧縮成形方法の利点である低い型締め力と、良好な成形効率および成形品外観とを両立する。また成形品の厚みは特に制限されないものの0.5〜10mmの範囲が好ましく、1〜7mmの範囲がより好ましい。
【0073】
本発明の射出圧縮成形方法において、その成形品は成形品側面部分にゲートを有するものがより好ましい。成形品側面部分にゲートを有する成形品は大型になるほど金型内に樹脂が充填した際の金型の傾きによる厚みの偏差が大きくなりやすく、その厚みの偏差の解消は大きな課題であった。本発明の射出圧縮成形方法は金型間の高い平行度を達成しかかる課題の解決を可能とする。したがって成形品側面部分にゲートを有する成形品は本発明において殊に好適な成形品形状であるといえる。
【0074】
本発明の射出圧縮成形方法において、その成形品は最大投影面積が1000cm2以上であることが好ましく、より好ましくは2000cm2以上の成形品である。一方、上限としては50,000cm2以下が適切であり、40,000cm2以下が好ましく、30,000cm2以下がより好ましい。更にその流動長としては30cm以上である成形品が本発明の効果を発揮する上で好適であり、35cm以上がより好ましい。一方、流動長の上限としては200cm以下が適切であり、180cm以下がより適切である。
【0075】
本発明の射出圧縮成形方法に用いられる熱可塑性樹脂は特に制限されないものの、より好適には大型成形品の射出成形において流動性が不足しがちな、溶融粘度の高い樹脂において特に好適である。かかる樹脂としては非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができる。したがって本発明の射出圧縮成形方法に用いられる熱可塑性樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有する樹脂が好適である。殊にそのガラス転移温度(Tg)が100℃以上の非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有する樹脂を好適に挙げることができる。非晶性熱可塑性樹脂はその流動性を確保するために、耐衝撃性や耐薬品性などの他の特性を犠牲にすることが多かった。本発明の射出圧縮成形方法においてはかかる特性を犠牲にすることなく大型成形品の提供を可能とする。成形に使用する樹脂中の非晶性熱可塑性樹脂の割合は25重量%以上がより好ましく、30重量%以上が更に好ましい。尚、本発明におけるガラス転移温度はJIS K7121に規定される方法にて測定されたものである。
【0076】
非晶性熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、およびAES樹脂など)、アクリル系樹脂(PMMA樹脂など)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリアミノビスマレイミド樹脂、などを挙げることができる。更に好ましくは、これらの中でも成形加工性に優れ、より広範な分野に適用が可能なポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂を挙げることができる。中でも機械的強度に特に優れるポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0077】
より好適には、本発明における熱可塑性樹脂としては粘度平均分子量が粘度平均分子量が12,000〜100,000、より好ましくは14,000〜35,000のポリカーボネート樹脂を主体する樹脂を挙げることができる。
【0078】
本発明の熱可塑性樹脂には、上記以外の熱可塑性樹脂、衝撃改質材、熱硬化性樹脂、強化フィラー、溶融弾性改質材、難燃剤、難燃助剤、チャー形成化合物、核剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、帯電防止剤、発泡剤、流動改質剤、抗菌剤、光触媒系防汚剤、滑剤、着色剤、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤、光拡散剤、およびメタリック剤などを配合することができる。
【0079】
本発明は低い型締め力を用いて、低歪みかつ高い厚み精度を有する高品質の大型の射出成形品を実用上問題なく安定して提供でき、殊に耐熱性の高い非晶性熱可塑性樹脂からなる該成形品を提供できる。かかる成形品としては車両用透明部材を代表的に挙げることができ、殊に車両用のグレージング材が好適である。したがって本発明によれば、良好な車両用透明部材を製造できる射出圧縮成形方法が提供され、またかかる車両用透明部材が提供される。該車両用透明部材は、その表面にハードコートなどの層を設けたものを使用することができる。一方成形品自体も多層とすることは可能であるが、単層からなる車両用透明部材が提供され、該成形品にハードコートなどの表面処理を施したものが好ましい。
【0080】
また同様に不透明であっても高外観かつ低歪み性の求められる大型成形品である車両用外板成形品などが好適に提供される。更に例えばグレージング材と車両用外板成形品が一体化した成形品などを提供できる。車両用外板としては例えば、バックパネル、フェンダー、ドアパネル、ルーフパネル、およびトランクリッドなどを挙げることができる。これらの外板とフロント、サイド、リア、およびルーフなどの各窓(ウインドウ)とを一体化した製品もまた本発明の射出圧縮成形方法において提供可能であり、本発明はかかる成形品の射出圧縮成形方法を提供可能とするものである。
【0081】
更に本発明の射出圧縮成形方法によれば、極めて精度高い転写性および低歪みが要求されるフレネルレンズなどの板状光学機能成形品を実用上問題なく提供することができる。
【0082】
上記のごとく本発明によれば、厚み偏差が50μm以内であって全投影面積が2000cm2以上である成形品側面部分にゲートを有する熱可塑性樹脂成形品が提供される。大型かつ成形品側面部分にゲートのある成形品は、射出圧縮成形において金型内に溶融樹脂を充填する際、金型の傾きが生ずるため、厚みの精度が高い高品質な成形品を実用上問題なく成形することが困難であった。また射出圧縮成形を用いない場合には、成形加工性の確保のため何らかの特性を犠牲にすることが多かった。本発明によればこれらの問題を解決した成形品が提供される。
【0083】
本発明の射出圧縮成形品である成形品は、更に各種のコーティング(ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、耐摩耗コート、および耐チッピングコートなど。尚、これらのコーティングは必要に応じて施されるプライマーコートを含む)、塗装、印刷、並びにメタライジング(メッキ、および蒸着など)などの各種の表面処理を行うことができる。そして本発明の成形品は大型成形品においてもこれら表面処理を良好に行うことができる。
【0084】
また本発明の射出圧縮成形方法は、公知の他の成形方法と組み合わせて使用することもできる。例えば特公平5−19443号公報に開示された成形方法と組み合わせることも可能である。更には本発明の成形方法は、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、急速加熱冷却金型成形、断熱金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などと併用することができる。
【0085】
【実施例】
以下に実施例、比較例を用いて本発明及びその効果を更に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
【0086】
(評価項目)
(1)外観
成形品における(i)フローマークの有無、および(ii)ヒケの有無を目視観察により判断した。結果を表2に示す。
○: 不良無し
×: 不良有り
【0087】
(2)残留歪み
図7に示す成形品を30ショット成形した後、その全ての成形品に対して残留歪みを観察した。ここで、図7は、実施例1において成形した射出圧縮成形品を示すものであり、(a)は正面図である。この正面図は、成形時のプラテン面に投影した図である。従って、かかる面積が最大投影面積となる。尚、ゲートは成形品の下側に位置する。また、(b)は中心線111であるA−A線における断面図、(c)はB−B線における断面図である。
【0088】
上記の成形品を具体的に説明すると、図7(a)〜(c)に示すように、成形品は、正面視長方形状の成形品本体101と、成形品本体101における底面112の一辺から突設されたゲート103とを有している。成形品本体101は、底面112の長尺方向の長さが55cm、短尺方向の長さが38cmに設定されていると共に、高さが12cmに設定されている。また、成形品本体101は、縦断面が台形樋形状に形成されており、底面側周縁線112より構成される面から上面113にかけて面積を減少させるように傾斜された側周面107を有している。側周面107の四隅の稜線102は、湾曲した状態にされており、側周面107と上面113との稜線105は、曲折した状態にされている。また、ゲート103の中心線110上には、直径3mmのホットランナのノズル部104が形成されている。
【0089】
そして、このように構成された成形品は、成形品本体101の上面113における中心線111上に流動末端側の厚み測定ポイント110が設定され、ゲート103における中心線111上にゲート側の厚み測定ポイント109が設定されている。尚、流動末端側の厚み測定ポイント110は、稜線105から2cmの位置である。また、ゲート側の厚み測定ポイント109は、ホットランナーのノズル部104の中心から5cmの位置である。
【0090】
観察は、2枚の偏光板を上下方向に平行にかつ偏光面が直交するように配置し、かかる2枚の偏光板の間に成形品を置くことにより行った。また観察のための光源は下部偏光板の下側に配置された光源を使用した。観察は上部偏光板の上側から目視観察により行った。評価は縞模様の色変化や疎密の不均一さの他、不均一な陰影部分の有無により判断した。結果を表2に示す。
【0091】
○: 大きな歪みは認められず、不均一な陰影部分もない
△: 大きな歪みは認められないが、不均一な陰影部分が認められるものがある
×: 大きな歪みが認められる
縞模様の色変化が少なく、疎であれば光学的歪みが少ないことを示す。
【0092】
(3)厚みの偏差
成形品のゲート側と流動末端側の特定の箇所において成形品の厚みをマイクロメータを用いて測定し、成形品の厚みの偏差を求めた。測定は成形品30個について行いそれぞれの箇所においてその平均値を求めた。尚、いずれの場合も厚みのバラツキが平均値より20μm以上大きくなることはなかった。厚みの偏差は金型寸法および厚み方向の成形収縮率から本来の成形品の厚みを算出し、そこからの差として求めた。結果を表2に示す。尚、表2中における+の符号は成形品厚みが所定の寸法より厚いことを示し、−の符号は所定寸法より薄いことを示す。
【0093】
(4)連続成形性
以下に示す実施例2の成形を連続2000ショットを目標に行い、その連続成形性を評価した。安定した連続成形が可能であった場合は○、連続成形が困難であった場合は×とした。結果を表2に示す。平行度矯正機構を使用しない場合には、金型から100ショット程度で金型から異音が発生し、金型の破損が予測されたため連続成形することができなかった。
【0094】
(ポリカーボネート樹脂の製造)
PC−1:粘度平均分子量22,500のポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製パンライトL−1225WP)99.87重量部、Sandstab P−EPQ(サンド(Sandoz)社製)0.03重量部、およびペンタエリスリトールテトラステアレート0.1重量部からなる混合物を、同方向回転ベント付き2軸押出機((株)日本製鋼所製TEX−α、スクリュー径30mm)にてスクリュー回転数150rpm、シリンダ温度280℃、ベント吸引度3kPaで押出し、ペレットを得た(ペレットにおける粘度平均分子量は22,400であった)。
【0095】
PC−2: 芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトL−1250WP)30重量部、PBT樹脂(長春人造樹脂廠股ふん有限公司製1100211S)30重量部、相溶化剤((株)クラレ製TKS−7300)10重量部、タルク(IMI Fabi S.p.A製 Hitalc Ultra5c)25重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製SEPTON2005)5重量部、およびホスフエート系熱安定剤(旭電化工業(株)製アデカスタブPEP−8)0.2重量部をタンブラーで均一に混合した後、ベント吸引度を30kPaにした以外は、実施例1とほぼ同様の方法および条件で押出を行いペレットを得た。
【0096】
(実施例1)
上記のポリカーボネート樹脂ペレットPC−1を120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥した後、成形機としてシリンダー径110mmφ、型締め力12700kNの日本製鋼所製J1300E−C5射出成形機(型圧縮可能なように油圧回路および制御システムを変更した仕様)を使用して成形を行った。更に図1に示す要領で金型取り付け板の四隅に平行度矯正機構20を設置した。ヘッド部材24はマイクロメーター式のものとした。所定の中間型締め状態において平行度準備作業を行い、型締めの際の平行度を確保した。シリンダー温度300℃、ホットランナー温度310℃、金型温度100℃、充填時間6.5秒にて図7に示す車両用グレージング材を約1/2スケールとした成形品(製品部投影面積約2100cm2、厚み約4.2mm)を射出圧縮成形した。
【0097】
更にその他の成形条件は、射出速度:20mm/sec、金型の中間型締め状態から最終型締め状態までの期間:2秒、樹脂の供給と型締めとが同時に行われている期間:0.5秒、金型内の樹脂に加える圧力(最大圧力):25MPa、該圧力での保持時間:40秒、金型の中間型締め状態から最終型締め状態までの移動距離(前進のストローク):2mm、冷却時間:50秒である。平行度の矯正は、予め成形時の型締め位置とその金型の傾き量から必要な平行度矯正機構の保持圧力を設定し、それを表1に示す内容で時間制御することにより行った。
【0098】
表1の第1列は、当接機構21(ヘッド部材24)と位置決めシリンダ22(シリンダロッド22a)とが1つの平行度矯正機構において接触してからの時間(秒)を示す。射出開始は、かかる接触の後3秒後より行われる。
【0099】
金型内の樹脂に加える圧力は可動側金型キャビティ面の中央部に配置された圧力センサーの値から読み取った。かかる値は型締め圧力の設定値とほぼ同じであった。可動側金型パーティング面は最終の前進位置において固定側金型パーティング面から0.3mm離れた状態として型面タッチがないものとした。また、ランナーはモールドマスターズ社製のバルブゲート型のホットランナー(直径3mmφ)を用い、充填完了後直ちにバルブゲートを閉じて型圧縮により溶融樹脂がゲートからシリンダーへ逆流しない条件とした。成形サイクルは約120秒(人力で成形品を取り出すため数秒のバラツキあり)であり、得られた成形品は、残留歪みが小さく外観が良好なものであった。評価結果を表2に示す。
【0100】
(比較例1)
平行度矯正機構を作動させず、平行度の矯正をしなかったこと以外は実施例1と同様の条件で射出圧縮成形を行った。評価結果を表2に示す。
【0101】
(比較例2)
射出圧縮成形をすることなく通常の射出成形を行ったこと以外は実施例1と同様の条件で成形を行った。評価結果を表2に示す。
【0102】
(実施例2)
上記のポリカーボネートアロイ樹脂ペレットPC−2を120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥した後、実施例1と同じ装置を使用して(平行度矯正機構を作動させた状態で)、図8に示す自動車のリアドアを約1/2スケールとした成形品(製品部投影面積約2100cm2、厚み約3mm)を成形した。ここで、図8は、実施例2において成形した上記の成形品を示すものであり、(a)は正面図である。正面図は、成形時のプラテン面に投影した図である。従って、かかる面積が最大投影面積となる。尚、ゲートは成形品の下側に位置する。また、(b)は中心線131であるC−C線における断面図、(c)はD−D線における断面図である。
【0103】
上記の成形品を具体的に説明すると、図8(a)〜(c)に示すように、成形品は、正面視長方形状の成形品本体121と、成形品本体121における底面側周縁線132の一辺から突設されたゲート123とを有している。成形品本体121は、底面側周縁線132の長尺方向の長さが55cm、短尺方向の長さが38cmに設定されていると共に、高さが12cmに設定されている。また、成形品本体121の底面側周縁線132により構成される面は、凸湾曲形状に形成されている。一方、成形品本体121の上面133は、上述のゲート123が形成された一辺に対向する底面側周縁線132の他辺から上方に面積を減少させながら凸湾曲形状に形成されている。そして、この上面133の頂部と底面側周縁線132とは、平面状の傾斜面127を介して接続されている。傾斜面127の角隅部の稜線122は、湾曲した状態にされており、傾斜面127と上面133との稜線125は、曲折した状態にされている。また、ゲート123の中心線131上には、直径3mmのホットランナのノズル部124が形成されている。
【0104】
そして、このように構成された成形品は、成形品本体121の上面133における中心線131上に流動末端側の厚み測定ポイント130が設定され、ゲート123における中心線131上にゲート側の厚み測定ポイント129が設定されている。尚、流動末端側の厚み測定ポイント130は、底面側周縁線132から6.5cmの位置である。また、ゲート側の厚み測定ポイント129は、ホットランナーのノズル部124の中心から5cmの位置である。
【0105】
上記の成形品は成形品側面部分にゲートを有するものであった。シリンダー温度270℃、ホットランナー温度290℃、金型温度120℃、および充填時間5.5秒にて射出圧縮成形した。更にその他の成形条件は、射出速度:20mm/sec、金型の中間型締め状態から最終型締め状態までの期間:2秒、樹脂の供給と型締めとが同時に行われている期間:0.5秒、金型内の樹脂に加える圧力(最大圧力):30MPa、該圧力での保持時間:40秒、金型の中間型締め状態から最終型締め状態までの移動距離(前進のストローク):2mm、冷却時間:45秒である。更に平行度の矯正は表1に示す内容で行った。型面タッチの条件およびホットランナー装置は実施例1と同様とした。成形サイクルは約110秒(人力で成形品を取り出すため数秒のバラツキあり)であり、得られた成形品は、外観が良好なものであった。評価結果を表2に示す。
【0106】
(比較例3)
平行度矯正機構を作動させず、平行度の矯正をしなかったこと以外は実施例2と同様の条件で射出圧縮成形を行った。評価結果を表2に示す。
【0107】
(実施例3)
上記のポリカーボネート樹脂ペレットPC−1を120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥した後、実施例1と同じ装置を使用して(平行度矯正機構を作動させた状態で)、凸部の高さ約25μmのフレネルレンズ(製品部投影面積約1100cm2、厚み0.7mm)を成形した。成形条件はシリンダー温度310℃、およびホットランナー温度320℃とした。更に金型温度はベース温度を100℃とする一方で次のような方式の急速加熱冷却金型成形を行った。すなわち、金型内のキャビティ部を加熱ヒーター方式により最高到達温度を200℃となるように急速に加熱した条件下において樹脂の充填を終え、その後冷却過程においてチラーユニットを使用して約10℃の冷媒を通して急速に金型の冷却を行った。また充填時間は2.5秒とした。その他の条件は実施例2とほぼ同様とした。得られた成形品は、残留歪みが小さく良好な輝度を有するものであった。
【0108】
【表1】
Figure 0003942945
【0109】
【表2】
Figure 0003942945
【0112】
【発明の効果】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構とを有し、前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、且つ、最大進出量で進出している状態の前記位置決めシリンダの前記シリンダロッドと当接することで全ての平行度矯正機構を同一の所定長に設定可能な当接機構とを有する構成である。
【0113】
上記の構成によれば、中間型締め状態の金型間を平行度矯正機構で高い平行度に矯正することによって、金型内に溶融樹脂を略均等に充填することができる。従って、中間型締め状態から再型締めして最終型締め状態としたときに、金型内の溶融樹脂を均等に圧縮することができるため、溶融樹脂を冷却して形成された成形品中の残留応力を充分に小さなものにして高品質の成形品とすることができる。また、中間型締め状態から再型締めするときに、金型間に高い平行度が出現しているため、金型同士の齧りや破損等の不具合を確実に防止することができる。この結果、装置内の各部品要素が使用により消耗した場合でも、中間型締め状態の金型間の平行度については、平行度矯正機構で常に高い平行度に維持されるため、高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0114】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構とを有し、前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、前記位置決めシリンダとで平行度矯正機構を所定長に設定可能な当接機構とを有し、前記当接機構の先端部がマイクロメータ機構で進退移動可能にされている構成である。上記の構成によれば、当接機構とシリンダロッドとの部品点数の少ない簡単な構成で平行度矯正機構を得ることができる。
【0115】
記の構成によれば、当接機構の先端部をマイクロメータ機構により所望の位置に高精度に位置決めすることができる。
【0116】
請求項の発明は、請求項またはに記載の射出圧縮成形装置であって、前記各平行度矯正機構の位置決めシリンダに対してシリンダロッドを進退移動させると共に任意の保持圧力で保持させるように作動油を給排出可能な油圧設定部と、前記中間型締め位置の金型内に射出された溶融樹脂により偏荷重が生じたときに、該偏荷重による再型締め時の平行度の影響を最小限に抑制するように前記油圧設定部における保持圧力および作動油の排出速度の少なくとも一方を個別に設定する制御装置とを有する構成である。
【0117】
上記の構成によれば、溶融樹脂の偏荷重を加味して平行度矯正機構の保持圧力を設定するため、金型間の高い平行度を再型締め中においても確実に維持することができる。この結果、成形品を一層高品質にすることができると共に、金型の齧り等の不具合の発生を一層確実に防止することができる。
【0118】
請求項の発明は、請求項ないしの何れか1項に記載の射出圧縮成形装置であって、前記型締め機構は、共通プレートを着脱可能に備えており、前記共通プレートの取付け面には、前記金型および平行度矯正機構が設けられている構成である。上記の構成によれば、共通プレートを装着するという簡単な作業を行うだけで、既存の射出成形装置を射出圧縮成形装置に改造することができる。
【0119】
請求項の発明は、金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形方法であって、前記中間型締め状態に金型を型締めしたときに、該金型間を高い平行度に矯正し、前記最終型締め状態は、可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態である構成である。
【0120】
上記の構成によれば、中間型締め状態の金型間を高い平行度に矯正することによって、金型内に溶融樹脂を略均等に充填することができる。従って、中間型締め状態から再型締めして最終型締め状態としたときに、金型内の溶融樹脂を均等に圧縮することができるため、溶融樹脂を冷却して形成された成形品中の残留応力を充分に小さなものにして高品質の成形品とすることができる。また、中間型締め状態から再型締めするときに、金型間に高い平行度が出現しているため、金型同士の齧りや破損等の不具合を確実に防止することができる。この結果、装置内の各部品要素が消耗した場合でも、中間型締め状態の金型間が高い平行度に設定されるため、高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0121】
請求項の発明は、請求項の射出圧縮成形方法であって、前記矯正は、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構における各金型の取り付け面に対し、矯正力を付与することにより行う構成である。
【0122】
上記構成によれば、金型間の高い平行度を比較的小さな力で効率よく達成することができる。かかる高い平行度は金型同士の齧りや破損などを確実に防止し、高品質の樹脂製品を長期間に亘って製造することができ、実用上問題なく安定して製品を提供することができる。更にかかる高い平行度は最終型締め状態が可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態にあっても、厚みの偏差のない所定の成形品の成形を可能とする。かかるパーティング面が互いに接触しない最終型締め状態は、金型内の樹脂へのより均等な圧縮を可能とし、更に高品質の樹脂製品を達成する。
【0123】
請求項の発明は、請求項またはに記載の射出圧縮成形方法であって、前記溶融樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有する構成である。
【0124】
上記の構成によれば、従来成形加工性を確保するため、耐衝撃性や耐薬品性などの特性を犠牲にしがちであった非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有する樹脂においても、これらの特性に優れた高品質な成形品を長期間に亘って製造することができる。
【0127】
請求項の発明は、請求項に記載の射出圧縮成形方法により形成された射出圧縮成形品である。
【0128】
上記の構成によれば高品質な成形品が長期間に渡って製造され、実用上問題なく安定して高品質な射出圧縮成形品が提供される。
【0129】
請求項の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は車両用グレージング材である。
【0130】
上記の構成によれば、従来ガラスよりなる透明部材を樹脂に代替することを可能とする。殊にグレージング材においては良好な耐衝撃性、軽量、かつ曲率が極めて小さいかまたはエッジのある新規なグレージング材を、少ない歪みおよび高い厚みの精度をもって、実用上問題なく提供することができる。
【0131】
請求項1の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は車両用外板である。
【0132】
上記の構成によれば、従来以上に大型の車両用外板の成形を可能とする。したがって上記の構成は、従来の成形品を多数個取りすること、および更に一体部分を拡大した成形品とすることを可能とし、その結果生産効率の向上によるコストダウンがされた樹脂製車両用外板を実用上問題なく提供することができる。
【0133】
請求項1の発明は、請求項の発明であって、前記射出圧縮成形品は板状光学機能成形品である。
【0134】
上記の構成によれば、極めて精度高い転写性および低歪みが要求されるフレネルレンズなどの板状光学機能成形品を実用上問題なく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出圧縮成形装置の概略構成図である。
【図2】平行度矯正機構の配置状態を示す説明図である。
【図3】ヘッド部材の説明図であり、(a)は縦断面の説明図、(b)は先端面の説明図である。
【図4】制御装置のブロック図である。
【図5】平行度矯正機構に対する油圧系の回路図である。
【図6】金型内に溶融樹脂が射出される状態を示す説明図である。
【図7】実施例1において成形した成形品を示すものであり、(a)は正面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図である。
【図8】実施例2において成形した成形品を示すものであり、(a)は正面図、(b)はC−C線断面図、(c)はD−D線断面図である。
【図9】従来の射出圧縮成形の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 成形ユニット
2 射出ユニット
3 型締ベース
4 支持盤
5 支持盤
6 ガイド部材
7 金型開閉シリンダ
8 ガイド係合部材
9 移動側共通プレート
10 移動金型
11 固定金型
12 キャビティ
13 固定側共通プレート
20 平行度矯正機構
21 当接機構
22 位置決めシリンダ
23 ロッド部材
24a 目盛り
24 ヘッド部材
30 油圧設定部
31 進退移動部
32 油供給部
49 比例電磁式圧力制御弁
60 制御装置
101 成形品本体
102 稜線
103 ゲート
104 ノズル部
105 稜線
107 側周面
109 厚み測定ポイント
110 厚み測定ポイント
112 底面側周縁線
113 上面
121 成形品本体
122 稜線
123 ゲート
124 ノズル部
125 稜線
127 傾斜面
128 稜線
129 厚み測定ポイント
130 厚み測定ポイント
132 底面側周縁線
133 上面

Claims (11)

  1. 金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、
    前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、
    前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構と
    を有し、
    前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、
    前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、
    前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、且つ、最大進出量で進出している状態の前記位置決めシリンダの前記シリンダロッドと当接することで全ての平行度矯正機構を同一の所定長に設定可能な当接機構と
    を有することを特徴とする射出圧縮成形装置。
  2. 金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形装置であって、
    前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構と、
    前記型締め機構における各金型の取付け面に対して矯正力を付与することによって、前記中間型締め状態に型締めされた金型間を高い平行度に矯正する平行度矯正機構と
    を有し、
    前記平行度矯正機構は、前記型締め機構の取付け面間の複数箇所に設けられており、
    前記金型の型締め方向にシリンダロッドを進退移動可能にされた位置決めシリンダと、
    前記金型の型締め方向に先端部を進退移動して任意の位置で固定可能にされ、前記位置決めシリンダとで平行度矯正機構を所定長に設定可能な当接機構と
    を有し、
    前記当接機構の先端部がマイクロメータ機構で進退移動可能にされていることを特徴とする射出圧縮成形装置。
  3. 前記各平行度矯正機構の位置決めシリンダに対してシリンダロッドを進退移動させると共に任意の保持圧力で保持させるように作動油を給排出可能な油圧設定部と、
    前記中間型締め位置の金型内に射出された溶融樹脂により偏荷重が生じたときに、該偏荷重による再型締め時の平行度の影響を最小限に抑制するように前記油圧設定部における保持圧力および作動油の排出速度の少なくとも一方を個別に設定する制御装置と
    を有することを特徴とする請求項またはに記載の射出圧縮成形装置。
  4. 前記型締め機構は、共通プレートを着脱可能に備えており、
    前記共通プレートの取付け面には、前記金型および平行度矯正機構が設けられていることを特徴とする請求項ないしの何れか1項に記載の射出圧縮成形装置。
  5. 金型同士を中間型締め状態に型締めし、該金型内への溶融樹脂の射出後または射出中に最終型締め状態まで再型締めして成形品とする射出圧縮成形方法であって、
    前記中間型締め状態に金型を型締めしたときに、該金型間を高い平行度に矯正し、
    前記最終型締め状態は、可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態であることを特徴とする射出圧縮成形方法。
  6. 前記矯正は、前記金型同士を中間型締め状態と最終型締め状態とに型締めするように、少なくとも一方の金型を進退移動させる型締め機構における各金型の取り付け面に対し、矯正力を付与することにより行うことを特徴とする請求項に記載の射出圧縮成形方法。
  7. 前記溶融樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂を20重量%以上含有するものであることを特徴とする請求項またはに記載の射出圧縮成形方法。
  8. 前記請求項に記載の射出圧縮成形方法により形成されたことを特徴とする射出圧縮成形品。
  9. 前記射出圧縮成形品は、車両用グレージング材であることを特徴とする請求項に記載の射出圧縮成形品。
  10. 前記射出圧縮成形品は、車両用外板であることを特徴とする請求項に記載の射出圧縮成形品。
  11. 前記射出圧縮成形品は、板状光学機能成形品であることを特徴とする請求項に記載の射出圧縮成形品。
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