JP2000033635A - 自動車用部品の製造方法 - Google Patents

自動車用部品の製造方法

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JP2000033635A
JP2000033635A JP23761898A JP23761898A JP2000033635A JP 2000033635 A JP2000033635 A JP 2000033635A JP 23761898 A JP23761898 A JP 23761898A JP 23761898 A JP23761898 A JP 23761898A JP 2000033635 A JP2000033635 A JP 2000033635A
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Japan
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resin
molding
mold
cavity
mark
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JP23761898A
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English (en)
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Masaaki Isoi
政明 磯井
Masashi Shimouse
正史 下鵜瀬
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Japan Polychem Corp
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Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フローマーク、ウェルド、シルバーストリー
ク、艶むら、ヒケ、発泡成形時のスワルマーク等の発生
を抑えて製品外観大幅に改善し、表面硬度及び寸法安定
性を高め、さらに生産性をも向上させた自動車用部品の
製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂
を、射出成形用金型を用いて射出成形することにより自
動車用部品を製造する際に、その金型として、キャビテ
ィ型及び/又はコア型の内表面に断熱層と表面薄肉金属
層とを設けたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用部品の製
造方法に関する。詳しくは、本発明は、フローマーク、
ウェルドライン、シルバーストリーク、艶むら、ヒケ及
び発泡成形時のスワルマーク等の発生が大幅に改善され
良好な製品外観を有する自動車用部品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インスツルメントパネル、ドアトリム、
ピラー、コンソール等の自動車用内装部品や、バンパ
ー、フェンダー、ドアミラー等の自動車用外装部品など
の自動車用部品は、一般に熱可塑性樹脂の成形品からな
るが、質感や美感を出す等のため、その表面に従来から
ポリ塩化ビニル製の内張りが設けられることが多かっ
た。しかしながら、ポリ塩化ビニルは環境問題の高まり
から、その使用が規制されてきている。したがって、熱
可塑性樹脂の成形品自体の外観を自動車用部品に相応し
いものに改良し、そのまま使用できるようにすることが
試みられている。そこで、成形品の表面に光沢や微細な
凹凸模様等を付与して優れた外観を有する製品を製造す
ることが求められており、特に自動車用部品等の分野に
おいては、表面にシボ模様を有する製品や鏡面化した製
品の需要が高い。
【0003】通常、このような成形品の多くは熱可塑性
樹脂を射出成形することにより得られるが、その際に用
いられる金型は、一般に鋼材やアルミニウム合金等の金
属材料で形成されており、そのキャビティ内に溶融樹脂
を圧入して所定形状に賦形すると同時に、キャビティ表
面の光沢や微細な模様をその表面に転写することによっ
て所望の成形品を得ることができる。
【0004】特に、表面にシボ模様を有する成形品は、
一般に、樹脂が接する面にシボ模様を形成した金型内
に、溶融樹脂を圧入してキャビティ表面に圧接し、冷却
固化させた後に金型内より取り出して成形品表面に金型
のシボ模様を転写させる方法により得られる。
【0005】しかしながら、自動車用部品は、メーター
用開口部、補強・取付け用のリブやボス等が存在し形状
が複雑であるため、ウェルドやヒケ、艶むら等が発生し
やすく、さらに成形時に金型表面で急冷されることから
フローマークが発生しやすい。
【0006】また、特に結晶性ポリオレフィン系樹脂等
の結晶性樹脂を用いる場合、乾燥不足の材料を成形する
とシルバーストリークが発生しやすく、さらに、発泡成
形を行うと発泡が表面に出てスワルマークが発生しやす
いという傾向にあった。特に、表面にシボ模様を有する
成形品を得ようとする場合、金型表面の転写性が低く、
シボ模様を忠実に転写した成形品が容易に得られない。
また、成形品の表面硬度が低く傷つきやすいため耐久性
に劣る、寸法安定性も低く所望の精度が達成できない、
といった欠点もあった。
【0007】製品外観に関する上記問題は、従来の金型
が熱伝導性の良好な金属材料で構成されており、キャビ
ティ内に充填された溶融樹脂が金型表面と接すると同時
に急速に冷却して樹脂表面に固化層を形成しながら充填
が進行するために生じると考えられる。また、複雑な形
状の場合、樹脂の合流部において、流動する樹脂の先端
部が急速に固化し、合流しても相互に密着できず、ウェ
ルドラインが発生すると考えられる。
【0008】そこで、上記問題を解決する手段として、
樹脂材料を高流動化したり、成形温度や金型温度を高温
にするなどの方策が考えられたが、十分な効果は得られ
ていないのが現状であり、またこれらの手法は生産の立
場から成形サイクルが長くなるという欠点もあった。ウ
ェルドライン等を隠すために成形後にさらに表面に塗装
を施すことも行われていたが、生産性及び経済性の点で
劣るものであった。また、従来の金型では樹脂の冷却が
急速なため薄肉の成形品を成形することが困難であり、
成形できる製品の範囲を狭めていた。
【0009】よって、形状が複雑な場合が多い自動車用
部品において、製品外観、特にフローマーク、ウェル
ド、シルバーストリーク、艶むら、ヒケ、発泡成形時の
スワルマーク等を大幅に改善した製品を、工業的生産性
を損なうことなく製造する方法の開発が求められてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製品外観、
特にフローマーク、ウェルド、シルバーストリーク、艶
むら、ヒケ、発泡成形時のスワルマーク等を大幅に改善
し、表面硬度及び寸法安定性を高め、さらに生産性をも
向上させた自動車用部品の製造方法を提供することを課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、射出成形用金型のキャビティ型及び/コ
ア型の内表面に断熱層と表面薄肉金属層とを設け、その
金型を用いて成形を行うことにより、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂を、射
出成形用金型を用いて成形することによる自動車用部品
の製造方法において、前記射出成形用金型として、該金
型におけるキャビティ型及び/又はコア型の内表面に断
熱層と表面薄肉金属層とを設けたものを用いることを特
徴とする、自動車用部品の製造方法を提供する。
【0013】また、本発明は、前記熱可塑性樹脂がポリ
オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、及びABS樹脂からなる群
から選ばれるものであることを特徴とする、前記自動車
用部品の製造方法を提供する。
【0014】また、本発明は、前記表面薄肉金属層の表
面側にシボ模様及び/又は鏡面が形成されていることを
特徴とする、前記自動車用部品の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記自動車用部品が、インスツルメン
トパネル、ドアトリム、ピラー、コンソール、グローブ
ボックス、及びリアサイドトリムからなる群から選ばれ
る自動車用内装部品であることを特徴とする、前記自動
車用部品の製造方法を提供する。
【0015】また、本発明は、前記自動車用部品が、バ
ンパー、フェンダー、ドアミラー、灯体、カウルトップ
及びラジエーターグリルからなる群から選ばれる自動車
用外装部品であることを特徴とする、前記自動車用部品
の製造方法を提供する。また、本発明は、成形の方法
が、射出成形、射出圧縮成形、二層成形及びサンドイッ
チ成形からなる群から選ばれる、前記自動車用部品の製
造方法を提供する。
【0016】本発明では、このような構造を有する金型
を用いることにより、断熱層の影響でキャビティ内に充
填された溶融樹脂の表面が徐冷され固化層を形成し難く
するため、フローマークやシルバーストリーク、艶む
ら、ヒケ等が発生しない。また樹脂の合流時にも互いに
良好に密着してウェルドラインの発生が防止される。さ
らに、発泡成形時においても断熱効果により、成形品の
表面近傍でガスが発生しても樹脂に溶けるのでスワルマ
ークが発生しない。
【0017】また、成形品の表面硬度及び寸法安定性が
高く、耐久性及び精度が向上する。さらに、流動性の低
い材料でも、型内圧を上げたり樹脂温度を上げたりする
ことなく、低圧で容易に成形でき、薄肉の成形品でも容
易に製造することができ、しかも成形サイクルを長くす
る必要がないため、工業的生産性にも優れている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂を射出
成形用金型を用いて成形することによる。
【0019】(1)射出成形用金型 本発明で用いられる射出成形用金型は、通常の熱可塑性
樹脂の射出成形に用いられるものであり、成形後に型開
きできるように少なくともキャビティ型とコア型とから
形成され、これら両金型を合わせた際にキャビティが形
成されるようになっている。そして、このキャビティに
前記熱可塑性樹脂を射出充填することにより製品が成形
される。これらキャビティ型及びコア型は通常、鋼鉄或
いは鉄を主成分とするステンレス等の合金、アルミニウ
ム合金、ニッケル合金、亜鉛合金、銅合金等の金属材料
を主材質として形成されている。
【0020】本発明の射出成形用金型は、充填された熱
可塑性樹脂が接する該金型のキャビティ型及び/又はコ
ア型の内表面に、断熱層と表面薄肉金属層とを設けたこ
とを特徴とする。すなわち、金型のキャビティ内最表面
(最内層)に薄肉金属層が設けられ、その内側に断熱層
が設けられている。
【0021】[断熱層]断熱層を構成する材料は、断熱
効果を有する低熱伝導率のものであり、溶融樹脂の充填
によっても軟化しないものであれば如何なる素材で構成
されていてもよい。好ましくは、熱伝導率が1×10
−4〜30×10−4cal/cm・sec・℃、より
好ましくは1×10−4〜5×10−4cal/cm・
sec・℃のものが用いられる。熱伝導率が上記範囲内
であれば、フローマーク、ウェルド、シルバーストリー
ク、艶むら、ヒケ、発泡成形時のスワルマーク等の発生
がなく、良好な製品外観が得られ、また表面硬度も向上
する。
【0022】このような材質としては、耐熱プラスチッ
ク、プラスチック複合材、ジルコニア等のセラミック
材、ガラス、ホーロー等を挙げることができる。耐熱プ
ラスチックとしては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリ
ベンゾイミダゾール、ポリイミダゾピロロン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリカーボネート、ナイロンなどがあり、プラスチ
ック複合材としては、該耐熱プラスチックに強化材を配
合したものが挙げられる。
【0023】前記材料が熱可塑性樹脂の場合、その融点
又は軟化点は好ましくは150℃以上、より好ましくは
150〜260℃である。融点又は軟化点が上記範囲内
であれば高外観を達成することができる。
【0024】なお、断熱層は1層に限られず、異なる材
料の層を複数設けてもよい。断熱層全体の厚みは成形品
の大きさや要求精度、生産性等を勘案して適宜定めるこ
とができるが、具体的には5〜2000μmが好まし
く、特に好ましくは50〜1000μmである。厚みが
上記範囲未満では高外観が達成できない場合があり、ま
た上記範囲を超えると冷却に時間がかかりすぎて生産性
が低下する場合がある。
【0025】[表面薄肉金属層]表面薄肉金属層は表層
部表面の熱可塑性樹脂と接する側、すなわち断熱層の上
側に形成される。表面薄肉金属層の材料としては、鋼
材、クロム、ニッケル、銅等が挙げられる。
【0026】なお、表面薄肉金属層は1層に限られず、
異なる材料の層を複数設けてもよい。表面薄肉金属層全
体の厚みは、5〜2000μmが好ましく、特に好まし
くは50〜1000μmである。この範囲内であれば耐
久性、シボ加工性の点で好ましい。
【0027】このように表面に薄肉金属層を設けること
により、金型の耐久性が大幅に向上する。シボ模様を有
する製品を成形する場合は、通常この薄肉金属層の表面
にシボ模様が形成され、これが製品に転写される。
【0028】[その他の層]本発明の表層部には、上記
表面薄肉金属層及び断熱層の他に、必要に応じてさらに
種々の層が積層されていてもよい。
【0029】[金型の作製]本発明の射出成形用金型本
体への断熱層の形成は、例えば材質が樹脂の場合は、樹
脂を金型の内表面に溶射する、樹脂のフィルムを金型の
内表面に貼着するなどの方法により行うことができる。
【0030】上記断熱層の表面に薄肉金属層を設ける方
法としては、例えば電鋳法、機械加工、メッキ加工等を
挙げることができる。
【0031】(2)熱可塑性樹脂 本発明の射出成形用金型によって射出成形しうる熱可塑
性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、AB
S樹脂等が挙げられる。これらのうち、好ましくはポリ
オレフィン系樹脂であり、特に結晶性ポリオレフィン系
樹脂などの結晶性樹脂を用いた場合、本発明の射出成形
用金型で成形することによって成形品表面におけるポリ
マー分子の配向層(スキン層)の厚みが薄くなって表面
硬度が向上し、寸法安定性も向上するので、本発明の効
果を十分発揮することができる。
【0032】ポリオレフィン系樹脂としては、低圧法ポ
リエチレン、中圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、
或いはエチレン・プロピレン共重合体等のエチレン系樹
脂;立体規則性ポリプロピレン等のポリプロピレン単独
重合体、或いはプロピレン・エチレン共重合体等のプロ
ピレン系樹脂;立体規則性ポリ−1−ブテン、立体規則
性ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のその他のα−オ
レフィン系樹脂;等を挙げることができる。これらの中
でも、エチレン単独重合体又はエチレン・プロピレン共
重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体又は
プロピレン・エチレン共重合体等のプロピレン系樹脂を
用いることが好ましい。
【0033】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−
6、ナイロン−66等を挙げることができる。ポリエス
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等を挙げることができる。さら
に、本発明の熱可塑性樹脂としては、上述したポリオレ
フィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等の他に、これらの
任意の樹脂の組み合せやこれらと他の樹脂との組み合わ
せ等からなるアロイを挙げることができる。具体的に
は、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂−アロイ、ポリ
アミド樹脂/ABS樹脂−アロイ、アクリル樹脂/AB
S樹脂−アロイ、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル
樹脂−アロイ等が挙げられる。
【0034】本発明において用いる熱可塑性樹脂には、
無機充填剤やゴム成分が配合されていてもよい。具体的
には、無機充填剤としては、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、
クレー、マイカ、ゼオライト、繊維状チタン酸カリウ
ム、繊維状マグネシウムオキサルフェート、繊維状ホウ
酸アルミニウムなどのウィスカー類及び炭素繊維、ガラ
ス繊維等を挙げることができる。該無機充填剤の配合量
はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、一般に
1〜60重量部、好ましくは20〜60重量部である場
合に、本発明の効果を顕著に発揮することができる。
【0035】ゴム成分としては、エチレン・プロピレン
共重合ゴム(EPM)、エチレン・1−ブテン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、エ
チレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPD
M)、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・1−ブテン・非共役ジエン
共重合ゴム等のポリオレフィン系ゴム、スチレン・ブタ
ジエン共重合体等のスチレン系ゴム等を挙げることがで
きる。
【0036】これらゴム成分の中でも、エチレン・プロ
ピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・
非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)等のポリオレフィ
ン系ゴムを用いることが好ましい。これらゴム成分は、
100℃で測定したムーニー粘度(ML1+4)が、通
常10〜200、好ましくは30〜150の範囲のもの
が使用される。該ゴム成分の配合量はポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して一般に1〜40重量部、好ま
しくは10〜40重量部である場合に、本発明の効果を
顕著に発揮することができる。
【0037】その他の添加剤としては、通常着色するた
めの顔料及び顔料分散剤を用いる場合が多いが、更に性
能の向上を図るために、必要に応じて上記成分以外に酸
化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和
剤、金属腐食抑制剤、滑剤、難燃剤、核剤、分散剤、加
工性安定剤、流動性改良剤等を添加することもできる。
【0038】また、発泡成形を行う場合は、発泡剤を添
加する。発泡剤としては炭酸アンモニウム、重炭酸ソー
ダ等の無機化合物や、アゾ化合物、スルホヒドラジド化
合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機化合物を
例示することができる。
【0039】(3)自動車用部品の製造方法 本発明の自動車用部品の製造方法においては、上記熱可
塑性樹脂、好ましくは上記ポリオレフィン系樹脂を原材
料とし、これを上述した本発明の射出成形用金型により
成形する。
【0040】[原材料の調製]原材料の調製は、上記熱
可塑性樹脂に必要に応じて添加剤を添加し、十分に混合
することによって行われる。混合は、通常の混練機、例
えば一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、スー
パーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、
ニーダーなどを用いて混練することにより行うのが好ま
しく、より好ましくは押出機、特に二軸押出機を用いて
混練する。混練条件は、用いる樹脂に応じて適宜選択で
きるが、一般に、常圧下で180〜260℃、好ましく
は190〜230℃にて行われる。
【0041】[成形]上記射出成形用金型を用いた成形
方法としては、所望する製品によって、射出成形、射出
圧縮成形、二層成形、及びサンドイッチ成形などから適
宜選択することができる。
【0042】射出成形の場合は、射出成形機を用い、一
般に180〜250℃の樹脂温度、300〜1,300
kg/cmの射出圧力、20〜60℃の金型温度の条
件下にて行われるが、これらの条件は成形品の大きさ等
に応じて適宜調節することができる。
【0043】射出圧縮(射出プレス)成形は、金型開度
を所望の成形品厚さ以上に開き、溶融樹脂を射出した
後、金型を所望の成形品厚さに閉じ(型締め)て成形す
る方法である。型締め力は、一般に、5〜2000t程
度である。
【0044】二層成形は、特性の異なる熱可塑性樹脂を
2層に射出成形して複合化する方法であり、例えば最初
に芯材を構成する材料を1次側の射出ユニットから射出
して通常の射出成形法により芯材を成形した後、移動側
の金型を反転させるなどして二次側に移動させ、次いで
表皮を構成する材料を2次側の射出ユニットから射出し
て芯材の表面に表皮を射出成形する方法がある。これに
より複合体の製造工程が合理化され、迅速に複合体を成
形することができる。
【0045】サンドイッチ成形は、多色成形機など二つ
の射出ユニットを用いて同一スプルを通して最初に表層
を構成する材料を射出し、金型面での冷却により固化被
膜を形成させ、続いて内層を構成する材料を別のシリン
ダから射出し、内層が表層に挟まれたサンドイッチ構造
の成形品を得る方法である。これにより、例えば発泡成
形品を得ようとする場合、内層として発泡材料とし、表
層に光沢等を有する無発泡材料を用いることにより、表
面平滑性等が改良され外観の良好な発泡成形品が得られ
る。
【0046】表面にシボ模様を有する成形品を得ようと
する場合は、あらかじめ射出成形用金型のキャビティ型
及び/又はコア型の内表面に所望のシボ模様を形成す
る。シボ模様を形成するには、従来公知の方法を採用す
ることができ、たとえばブラスト法、エッチング法、又
はサンドペーパーや砥石等による表面研削法が挙げられ
る。
【0047】(4)自動車用部品 上記のようにして得られる本発明の自動車用部品のう
ち、自動車用内装部品としては、インスツルメントパネ
ル、ドアトリム、ピラー、コンソール、レバー、ノブ、
内張、グローブボックス、リアサイドトリムなどが挙げ
られ、このうち特に好ましいものは、インスツルメント
パネル、ドアトリム、ピラー、コンソール、グローブボ
ックス、及びリアサイドトリムからなる群から選ばれる
ものである。自動車用外装部品としては、バンパー、フ
ェンダー、ドアミラー、灯体、カウルトップ及びラジエ
ーターグリルなどが挙げられる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0049】
【実施例1〜5、比較例1〜5】ポリプロピレンブロッ
クコポリマー(プロピレンとエチレンとの共重合体、M
FR=30g/10分:PPと略す)に、場合によりゴ
ム成分(エチレン・プロピレン共重合体ゴム、後添加
用:ムーニー粘度(ML1+4)=60)、及び無機充
填剤(タルク)を配合し、これを原材料として各物性評
価用のテストピースを成形し、評価を行った。実施例1
〜5では成形用金型として断熱層を有する断熱型を用
い、比較例1〜5では断熱層を有しない従来型を用い
た。フローマーク、ウェルド、シルバーストリーク、及
びスワルマークの評価用テストピースは射出成形により
成形した。評価結果を表1に示す。
【0050】なお、本実施例で用いた成形機、金型、成
形条件、及び評価方法は以下の通りである。 (1)成形機 射出成形機:(株)東芝製IS170
【0051】(2)金型 (a)フローマーク評価型: ・350×100×2mm、表面薄肉金属層;クロムメ
ッキ処理 (b)ウェルド評価型: ・350×100×3mm、グレインC(深さ100μ
m)2点ゲート (c)シルバーストリーク評価型: ・350×100×3mm、グレインC(深さ100μ
m)2点ゲート (d)スワルマーク評価型:フローマーク評価型と同じ型 [金型の層構造] ・実施例1〜5で用いた金型:鋼材/エポキシ樹脂層
(厚み500μm)/ニッケル・クロム層/Feシボ層
(ニッケル・クロム層とFeシボ層の合計厚み300μ
m) ・比較例1〜5で用いた金型:鋼材
【0052】(3)成形条件 シリンダー温度:220℃ 金型温度:40℃ 射出時間:3〜5秒 冷却時間:20秒 射出圧力:600kg/cm 型締め力:170t(射出成形)
【0053】(4)評価方法 (a)フローマーク 上記フローマーク評価型でフローマーク評価用テストピ
ースを射出成形し、フローマークが発生する位置を、ピ
ース片端に位置するゲートからの距離として求め、これ
を基準とした。
【0054】(b)ウェルド 2点ゲートの上記ウェルド評価型を用いてウェルド評価
用テストピースを射出成形し、前記2点のゲート間に発
生したウェルドの深さ(ウェルド深さ:μm)及び幅
(ウェルド幅:μm)を測定し、これを基準とした。
【0055】(c)シルバーストリーク シルバーストリーク評価型(上記ウェルド評価型と同じ
金型)でシルバー発生状況を目視観察した。なお、この
とき射出成形に供した原材料樹脂は、未乾燥のものを使
用した。評価基準は以下の通りである。 ○:全く発生せず △:わずかに発生 ×:発生 ××:著しく発生
【0056】(d)スワルマーク フローマーク評価型でスワルマークを目視観察した。な
お、このとき射出成形に供した原材料樹脂には発泡剤
(重曹系)を2phr添加した。評価基準は以下の通り
である。 ○:全く発生せず △:わずかに発生 ×:全面に著しく発生
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、フローマークやシルバ
ーストリーク、艶むら、ヒケ等が発生せず、樹脂の合流
部のウェルドも発生せず、さらに、発泡成形時において
もスワルマークが発生せず、優れた製品外観を有する自
動車用部品を製造することができる。また、成形サイク
ルを長くしたり表面外観を良くするため成形後に表面塗
布を行ったりする必要がなく、高い生産性を保つことが
できる。また、特に結晶性のポリオレフィン系樹脂を用
いた場合、表面硬度及び寸法安定性に優れた製品が得ら
れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を、射出成形用金型を用い
    て成形することによる自動車用部品の製造方法におい
    て、前記射出成形用金型として、該金型におけるキャビ
    ティ型及び/又はコア型の内表面に断熱層と表面薄肉金
    属層とを設けたものを用いることを特徴とする、自動車
    用部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹
    脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
    ステル樹脂、及びABS樹脂からなる群から選ばれるも
    のであることを特徴とする、請求項1記載の自動車用部
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表面薄肉金属層の表面側にシボ模様
    及び/又は鏡面が形成されていることを特徴とする、請
    求項1又は2記載の自動車用部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記自動車用部品が、インスツルメント
    パネル、ドアトリム、ピラー、コンソール、グローブボ
    ックス、及びリアサイドトリムからなる群から選ばれる
    自動車用内装部品であることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載の自動車用部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記自動車用部品が、バンパー、フェン
    ダー、ドアミラー、灯体、カウルトップ及びラジエータ
    ーグリルからなる群から選ばれる自動車用外装部品であ
    ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の
    自動車用部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 成形の方法が、射出成形、射出圧縮成
    形、二層成形及びサンドイッチ成形からなる群から選ば
    れる、請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用部品の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002028612A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Jsr Corporation Procede de formage de polymere
US7077986B2 (en) 2000-09-29 2006-07-18 Jsr Corporation Method for formation of polymer

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