JP3599838B2 - 多層品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層品の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、外観が非常に良好な圧縮成形品の効率的な成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車内装における表層材と樹脂基材との積層成形品は、ポリプロピレン基材を用いる場合は、先ず射出成形により基材を成形した後、塩化ビニルレザー等の表層材、または、表層材とプラスチックフォームの積層材を該基材に接着剤により、真空成形と同時に貼り合わせる方法により製造されている。
しかしながらこの方式では、接着剤を使用しなければならず、作業環境が悪化する問題が発生すると同時に、作業工程が複雑となってしまう。これらの点を改善した方法として近年、表層材またはこれとプラスチックフォームの積層材を金型内に設置し、基材としての樹脂を溶融供給後圧縮成形する方法が実施されている。この方法においては、作業環境の問題は改善されるものの、成形時に熱と圧力により表層材にダメージが加えられ、しぼ流れ、表層材の凹凸、あばた等の外観上の問題が起きる。また使用される表層材の余剰部分をトリミングし、成形後表層材を基材の裏側に折り返す工程が必要となるなどの後処理工程の複雑さと共に、トリミング端材が多量に発生し、コスト上不利でありまたリサイクルの問題も発生する。
他方、2種類の異なった樹脂を積層させる成形法として、射出成形により2組の金型を用いて成形する、いわゆる2色成形法がある。しかし、この場合、1つの型締め装置に対し、2組の金型を用いることから、金型の回転機構等を含め、装置が複雑になり、コストの上昇を招くことにもなる。また、大型の成形品には対応できていないのが現状である。
また、特開平4−4147号公報には、特定のポリプロピレン系複合樹脂と特定の熱可塑性エラストマーとからなる積層成形体及びその製造方法が示されているが、必ずしも外観が非常に優れた製品を得ることができない場合がある。
特開平3−26517号公報には、多層品の製造方法及び装置が開示されているが、使用する樹脂についてはほとんど記載されていない。これらの方法によって成形を実施した場合、成形品意匠面のチャージマーク、成形品端部の基材樹脂露出、形状の複雑な部分での表層材と基材の混じり合い等の外観不良が起こり、良好な外観の成形品を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低コストで且つ従来このような圧縮成形法では不可能であった、外観が良好でかつリサイクル可能な多層品の効率的な圧縮成形方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、表層材が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが5〜200g/10分である熱可塑性エラストマーであり、基材が熱可塑性樹脂であり、該基材を溶融状態でシート状に金型内に部分的に供給し、賦形した後、表層材及び基材を溶融状態で多層シート状に共押し出しし、該金型内に供給した基材と該共押し出しした基材とが接するように積層し、その後金型を閉じ加圧冷却する多層品の製造方法によって解決できることを見出した。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
(A)表層材
本発明の表層材は温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが5〜200g/10分である熱可塑性エラストマーからなり、該熱可塑性エラストマーとは加熱すれば流動して通常の熱可塑性プラスチックと同様の成形加工ができ、常温ではゴム弾性を示す材料をいう。中でもオレフィン系エラストマーであるプロピレン系エラストマー(TPO)やスチレン部分が30重量%以下であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物が、特に製品外観や表層材としての物性を満足し、かつ内層材との溶融接着性も良好であるのでさらに好適である。スチレン部分が30重量%を越えるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物の場合は、ゴム弾性が小さく従って成形品の表面硬度が高くなり、クッション感が得られない。また同時に基材に、使用される熱可塑性樹脂、特にオレフィン系樹脂に対する密着性が失われる。
また、本発明の熱可塑性エラストマーには必要に応じて、一般に使われている安定剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料のごとき添加剤や各種充填剤を添加してもよいことはもちろんである。
表層材の熱可塑性エラストマーの温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、MFRと略す)は、5〜200g/10分が好ましく更には10〜150g/10分が好適である。5g/10分未満では、表層材としての流動性が不十分となり、厚みの制御が困難になってしまうとともに、フローマークによる外観不良が発生する。200g/10分を越えるとダイリップへの付着等の成形上の問題が起き、また耐熱性、耐傷付き性等表層材としての必要物性が不良となってしまう。
また熱可塑性エラストマーの結晶化温度は、降温速度20℃/分において80〜100℃であり且つ103℃における等温結晶化開始時間が5〜60秒であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーの結晶化温度は、示差熱測定装置により、降温速度20℃/分にて測定できる。また103℃における等温結晶化開始時間は、同じ測定装置により230℃から80℃/分にて降温させ、103℃に達した時点で温度を保った場合の、103℃に到達した時点から結晶化が始まるまでの時間とした。
結晶化温度が100℃を越えると成形の際、早い段階で流動が停止してしまい基材を万遍なく被うことができない。80℃に満たないものでは早い冷却サイクルに対応できず、成形品取り出しの際に傷が付いたりといった機械的損傷を受けることとなる。また103℃における等温結晶化開始時間が5秒未満では、成形の冷却に対し、金型のタッチに応じ敏感に結晶化が進展するため、成形品の表面に金型タッチ時間の差による光沢むらや転写不良が発生する。また60秒を越えるといつまでも軟化状態が続くため冷却サイクルが長くなってしまい実用的でない。
【0006】
(B)基材
本発明の基材は熱可塑性樹脂からなり、中でもオレフィン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂が成形性や製品物性が良好であるのでさらに好適である。プロピレン系樹脂としてはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体及びそれらの混合物、さらには前記プロピレン系樹脂を含む他の樹脂、例えばポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体エラストマー及びその誘導体等との混合物も含まれる。
本発明の熱可塑性樹脂は一種類でも二種類以上でも用いることができ、タルク、ガラスファイバー、木粉等の充填材が混合されたものも熱可塑性樹脂として用いることができる。また必要に応じて、一般に使われている安定剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料のごとき添加剤を添加してもよいことはもちろんである。
基材の熱可塑性樹脂の温度230℃、荷重2.16kgにおけるMFRは、3〜40g/10分が好ましく更には5〜30g/10分が好適である。3g/10分未満では内層材としての流動性が不十分であり、成形品がショートショットとなる。40g/10分を越えると機械的特性特に耐衝撃性が劣る。
しかしながらこのMFRの値はあくまでも目安であり、重要なことは、500sec−1の剪断速度において、210℃での粘度が7×10 〜4×10 ポイズのものが好ましく、更に好ましくは8×10 〜3×10 ポイズ、更に好適には1×10 〜2.5×10 のものを用いると、良好な成形品が得られる。
熱可塑性樹脂の粘度はJIS−K7199熱可塑性プラスチックのキャピラリーレオメータによる流れ特性試験方法に準じ、キャピログラフ(東洋精機製)により、剪断速度、温度及び粘度の関係を測定できる。この範囲の粘度は共押出シートのチャージにおける最適粘度であり、7×10 ポイズに満たない場合にはシートの供給の際に重なりが生じその結果圧縮成形の際に表層エラストマーと基材樹脂の混じりあいが起こり、まだら模様となってしまう。逆に4×10 ポイズを越えるような樹脂を用いると溶融時の樹脂のドローダウンが小さく、製品形状に応じ所望のシート形状に供給できなくなる。この場合には加圧の際に流動させるに必要な距離が長くなることから、成形品端部に表層材の欠損を生じる。いずれも外観不良となってしまう。
【0007】
(C)多層品
本発明における多層品は表層材と基材とからなり、表層材は多層品の表面片側に位置して基材を覆う一層または二層以上の材料であり、基材は表層材に覆われる一層または二層以上の材料である。表層材または基材が一層の場合には、表層材である熱可塑性エラストマー及びまたは基材である熱可塑性樹脂を発泡させ、クッション性を付与することにより更に高級感を持たせ意匠性を高めたり、軽量化することができる。表層材または基材が二層以上の場合には、基材に接する側の表層材である熱可塑性エラストマーまたは表層材に接する側の基材である熱可塑性樹脂の一層を発泡させることもできる。
発泡体は圧縮成形の工程において、押出機による溶融過程から型締め後に固化する過程までの間に得ることができる。具体的には発泡させたい層の熱可塑性エラストマー及びまたは熱可塑性樹脂を、予め発泡剤を混練して発泡能力を持たせたペレットとし、押出機より金型上に発泡剤に適合した温度にて溶融供給し発泡させ、後型締めを行い金型のクリアランス、開閉のタイミング、型締力等を適切にコントロールすることにより得ることができる。
また表層材と基材の接着力が不足する場合には、表層材または基材の一方を二層とし、接着性の高い熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂を介在させ全体として三層とすることにより、各種樹脂の積層に対応することができる。本発明の多層品において表層材及び基材の厚みの関係は、基材の厚みが表層材の厚みよりも大きいほうが製品の機械的特性が改善されるので好ましいが、その他の目的に応じ適宜選択できることはもちろんである。基材の厚みが表層材の厚みよりも大きい場合には、表層材のMFRは基材のMFRよりも大きいことが好ましい。表層材のMFRが基材のMFRと同じかまたは小さい場合、表層材が基材をまんべんなく覆うことができず、基材が製品表面に露出してしまい外観を損なうこととなる。本発明の多層品の表層材には各種しぼ模様を付けることが可能であり、本発明の表層材を用いることにより成形金型との均一な接触が図られ、しぼ模様をきれいに転写した、非常に外観の良好な成形品が得られる。また他の成形法との併用による表面への加飾、絵柄の転写や、他のフィルム、シート、表皮材などのインサート成形も可能であり更に意匠性を向上させることができる。
【0008】
(D)成形方法
本発明の多層品は、圧縮成形機に取り付けられた金型内に、第一段階として先ず基材を溶融状態で部分的に供給した後、最終成形品の形状を満たさないように部分的に固化、賦形を行う。具体的には最終成形品の表層材表面からみて厚肉である部分例えば、ボスやリブのような部分とその周辺部分において行う。この場合、形状の残り部分の空間は、最終成形品の表面から厚み方向に10mm以下であることがひけの防止効果が大きいので好ましい。次に第二段階として、表層材及び基材を溶融状態で多層シート状に、好ましくは表層材及び基材の厚みが10mm以下となるように共押し出しし、金型内に供給した基材と共押し出しした基材とが接するように積層し、その後型閉めを行い、最終成形品の形状に圧縮成形する。その後金型を開放することにより成形品が得られる。
本発明の方法は、多層品の表層材面に対して垂直方向の最大厚みが10mm、好ましくは20mmを超える部分を有する多層品の成形に好適である。該部分としては上述のボスやリブのような部分が挙げられる。
本発明のように第一段階としてボスやリブ等の厚肉の三次元的な形状部分に予め樹脂を充填、賦形することにより、局部的な厚肉部を持つ形状品においてもひけや樹脂の欠損を無くし、外観の良好な成形品を得ることが可能となる。
上記のように樹脂を供給する方法としては、第一段階での押出機と第二段階での押出機を別々のものとしても良いし、共用としてもよい。前者の場合には、第一段階での溶融樹脂の供給は、Tダイスからのシート状に限らず、丸棒やパイプ状でも良い。またノズルから金型のランナー及びゲートを通しての射出方式でもよい。また第二段階では、複数の押出機を用いて溶融状態の表層材及び基材を多層Tダイスより共押し出しする方法が好ましい。
本発明で用いる圧縮成形機は各種の装置を用いることができ、圧縮する時の圧力は成形品によって適宜設定することができる。
【0009】
本発明の多層品は、特定の表層材及び基材からなるため、該多層品成形の際に表層材が基材を均一に覆うことができ端材が発生しない。これは基材の熱可塑性樹脂の粘度が適切にコントロールされ金型上への平坦な樹脂供給が行えるためである。且つ二段階で成形することにより局部的な厚肉形状品でもひけ、欠損のない外観良好な製品が得られる。また表層材の固化速度が適度に遅いため、表層材は金型面と均一に接触することができ金型の形状をそのまま転写し、外観が良好な多層品となる。さらに表層材にオレフィン系エラストマーやスチレン部分が30重量%以下であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物を用い、基材にオレフィン系樹脂を選択することによりリサイクルも可能となる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
表層材としてMFRが10g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を63重量%含むプロピレン系エラストマー(以下、TPOと略す)を用い、基材としてMFRが20g/10分であり、プロピレン含量が50重量%であるエチレン−プロピレン共重合物20重量%とプロピレン80重量%からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体80重量%に対し、タルク20重量%を含むブレンド物を用いた。
図1に示すように、先ず第一段階として基材を2層Tダイスを有するホットフロー成形機の一方の押出機で185℃にて溶融させ、単層にてTダイスより押し出し下型上に供給した。ここで上金型と下金型を閉じ、5秒間型締めを行った後、下金型に成形品を残し金型を開いた。この時の成形品は表層材面に対して垂直方向に30mmの厚みのボスを持つものであった。
次に表層材及び基材を、2層Tダイスを有するホットフロー成形機より温度185℃にて2層共押し出しすることにより該中途形状の基材上に供給した。図2に示すように、再度上金型と下金型とを圧縮、型締めし、冷却した後、金型を開放して成形品を取り出した。その結果を表1に示したが、得られた成形品は図3に示すような形状の、表層材の厚み1.0mm、基材の厚み2.5mmの多層品であり、上金型のしぼ模様が鮮明に転写されたものであり、表層材及び基材の端材が発生することなく成形できた。なおこの実施例における成形条件は以下のように設定した。上金型の温度:60℃、下金型の温度:40℃、加圧圧力:50kg/cm2 、冷却時間:25秒。
【0011】
(実施例2)
表層材としてMFRが40g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を70重量%含むTPOを用い、基材としてMFRが10g/10分であり、プロピレン単独重合体90重量%とプロピレン含量が40重量%であるエチレン−プロピレン共重合体10重量%の混合物85重量%に対し、タルク15重量%を含むブレンド物を用い、200℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は40秒とした。その結果を表1に示した。
【0012】
(実施例3)
表層材としてMFRが80g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を55重量%含むTPOを用いた以外は実施例2と同様に行った。冷却時間は30秒とした。その結果を表1に示した。
【0013】
(実施例4)
表層材としてMFRが160g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を67重量%含むTPOを用い、基材としてMFRが8g/10分であり、プロピレン含量が50重量%であるエチレン−プロピレン共重合物15重量%とプロピレン85重量%からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体を用い、210℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は35秒とした。その結果を表1に示した。
【0014】
(実施例5)
表層材としてMFRが20g/10分であり、スチレン含量が18重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物を用い、基材としてMFRが5g/10分であり、エチレン含量が3重量%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体を用い、230℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は45秒とした。その結果を表1に示した。
【0015】
(実施例6)
表層材としてMFRが30g/10分であり、スチレン含量が25重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物を用い、基材としてMFRが25g/10分であり、プロピレン含量が50重量%であるエチレン−プロピレン共重合物22重量%とプロピレン78重量%からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体を用い、185℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は45秒とした。その結果を表1に示した。
【0016】
(実施例7)
表層材として実施例4と同様のTPOを用い、基材としてMFRが30g/10分であるプロピレン単独重合体を用い、210℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は35秒とした。その結果を表1に示した。
【0017】
(実施例8)
第一段階として、基材を別の丸棒形状ダイスを有する押出機で200℃にて溶融させ押し出し、下型上に供給した以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は25秒とした。その結果を表1に示した。
【0018】
(比較例1)
表層材としてMFRが3g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を72重量%含むTPOを用い、基材としてMFRが30g/10分であるプロピレン単独重合体を用いた以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は75秒とした。その結果を表2に示した。
【0019】
(比較例2)
基材としてMFRが80g/10分であり、プロピレン単独重合体85重量%とプロピレン含量が40重量%であるエチレン−プロピレン共重合体15重量%の混合物87重量%に対し、タルク13重量%を含むブレンド物を用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果を表2に示した。
【0020】
(比較例3)
表層材としてMFRが220g/10分であり、プロピレン含量が70重量%であるエチレン−プロピレン共重合物を45重量%含むTPOを用い、基材としてMFRが8g/10分であり、プロピレン含量が50重量%であるエチレン−プロピレン共重合物12重量%とプロピレン88重量%からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体を用い、210℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は25秒とした。その結果を表2に示した。
【0021】
(比較例4)
表層材及び基材を、2層Tダイスを有するホットフロー成形機より下金型上に供給し、二段階での成形品を行わなかった以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は30秒とした。その結果を表2に示した。
【0022】
(比較例5)
表層材としてMFRが10g/10分であり、スチレン含量が40重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物を用いた以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は85秒とした。その結果を表2に示した。
【0023】
(比較例6)
基材としてMFRが1g/10分であり、プロピレン含量が50重量%であるエチレン−プロピレン共重合物10重量%とプロピレン90重量%からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体を用い、260℃にて押し出しした以外は実施例1と同様に行った。冷却時間は25秒とした。その結果を表2に示した。
【0024】
【表1】
Figure 0003599838
【0025】
【表2】
Figure 0003599838
【0026】
【発明の効果】
本発明により、下記のごとき効果を発揮することができる。
(1)金型からの直接転写により、鮮明なしぼ模様を有する外観の非常に良好な多層品が得られ、またボス、リブ等部分的に厚肉部を有する製品でも、ひけや欠損の無い成形品が得られる。
(2)表層材と基材との密着性が良好な多層品が得られる。
(3)従来の表皮貼り成形に比べて、表層材の端材ロスが無く、併せて表層材の巻き込み処理が不要であり、省人化、コストダウンを達成できる。
(4)表層材及び基材がオレフィン系の場合、リサイクルが可能である。
(5)従来の圧縮成形機を使用することができ、装置コストの負担が軽い。また多色射出成形に比べ、装置及び金型がシンプルとなる。
(6)本発明の多層品は多方面に利用することができる。中でも自動車内装分野の材料として好適であり、代表的な用途として、ドアトリム、ピラー、コンソールボックス、シートバックパネルなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層品の製造方法の一例を示す工程図。
【図2】本発明に係る多層品の成形において表層材及び基材を上下金型で圧縮した状態の一例を示す立面図。
【図3】本発明の多層品の一例である自動車内装材のドアトリムの平面図。
【符号の説明】
1 上金型
2 下金型
3 ホットフロー成形機ダイス
4 基材
5 表層材
6 ボス

Claims (4)

  1. 表層材が、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが5〜200g/10分である熱可塑性エラストマーであり、基材が熱可塑性樹脂であり、該基材を溶融状態でシート状に金型内に部分的に供給し、賦形した後、表層材及び基材を溶融状態で多層シート状に共押し出しし、該金型内に供給した基材と該共押し出しした基材とが接するように積層し、その後金型を閉じ、加圧冷却する多層品の製造方法。
  2. 共押し出しした表層材及び基材の厚みが10mm以下となるように表層材及び基材を共押し出しし、且つ多層品の表層材面に対して垂直方向の最大厚みが10mmを超える部分を有することを特徴とする請求項1に記載の多層品の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂が、500sec-1の剪断速度において、210℃での粘度が7×102 〜4×103 ポイズであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の多層品の製造方法。
  4. 熱可塑性エラストマーがオレフィン系エラストマー及びまたはスチレン部分が30重量%以下であるスチレン−ブタジエン共重合体エラストマーの水素添加物であり、熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の多層品の製造方法。
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