JP7020988B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形品の製造方法に関する。
各種機械や自動車等の構造部品、圧力容器、及び管状の構造物等の機械的物性が要求される分野において、ガラス繊維等の強化材を含む複合材料を含む複合成形体が使用されている。このような複合成形体としては、例えば、連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む複合材料と、熱可塑性樹脂組成物とを接合した複合成形体が知られている(特許文献1)。
国際公開第2017/073696号
特許文献1に記載の複合成形体は、接合強度に優れた複合成形体である。そして、特許文献1には、複合成形体の製造方法として、金型を閉じた後に熱可塑性樹脂を射出充填し、金型全体を温めて圧縮成形して複合材料と熱可塑性樹脂組成物とを接合する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、金型を閉じた状態で熱可塑性樹脂を射出充填するため、圧力損失が大きく、射出圧力や射出速度を上げた場合射出充填時に複合材料がずれてしまうことがあった。さらに、接合時に金型全体を昇温し、その後冷却するため金型全体に加熱ヒーターと冷却機構を設置する必要があり、ホットランナー、エジェクトピン等を金型内に設置することが困難で金型の設計自由度が低く、生産効率をさらに向上させる工夫が求められていた。
従って、本発明の目的は、射出充填時に複合材料の連続強化繊維配向がずれにくく、外観に優れた成形品を効率よく生産することができる成形品の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aとを含む樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bが積層された成形品の製造方法であって、
上記熱可塑性樹脂Aの融点以下の金型のキャビティ内に上記樹脂複合材料を配置する配置工程、
上記金型を寸開した状態で、上記樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bを射出充填する射出充填工程、
上記金型を閉じ、上記金型の一部を上記熱可塑性樹脂Aの融点以上まで加熱し、上記樹脂複合材料と上記熱可塑性樹脂Bとを圧縮成形して上記樹脂複合材料と上記熱可塑性樹脂Bとを接合する接合工程、
を含むこと特徴とする成形品の製造方法。
本発明の成形品の製造方法は、上記構成を有するため、射出充填時に複合材料の連続強化繊維配向がずれにくく、外観に優れた成形品を効率よく生産することができる成形品の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の成形品の製造方法の一例を示す概略図である。 図2は、界面強度の評価における曲げ試験の概略図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について、詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の成形品の製造方法は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aとを含む樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bが積層された成形品の製造方法であって、上記熱可塑性樹脂Aの融点以下の金型のキャビティ内に上記樹脂複合材料を配置する配置工程、上記金型を寸開した状態で、上記樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bを射出充填する射出充填工程、上記金型を閉じ、上記金型の一部を上記熱可塑性樹脂Aの融点以上まで加熱し、上記樹脂複合材料と上記熱可塑性樹脂Bとを圧縮成形して上記樹脂複合材料と上記熱可塑性樹脂Bとを接合する接合工程、を含む、ハイブリッドオーバーモールド成形方法である。
なお、本明細書において、熱可塑性樹脂Aの融点を「TmA」、熱可塑性樹脂Bの融点を「TmB」と称する場合がある。
図1は、本実施形態の成形品の製造方法の一例を示す概略図である。
上記配置工程では、上金型3及び下金型4の温度が熱可塑性樹脂Aの融点以下である、上金型3と下金型4とに挟まれた空洞であるキャビティ5内に、樹脂複合材料1を配置する(図1(a))。この例では、加熱機構とホットランナー41が設けられた下金型4と、加熱機構及び冷却機構を備えた上金型3とからなる金型を用いている。
上記射出充填工程では、金型を寸開した状態まで閉じて(図1(b))、樹脂複合材料1の表面上に熱可塑性樹脂B2を射出充填する(図1(c))。この例において、寸開した状態では、上金型3と下金型4とのパーティングラインに沿って連通する隙間6が存在している。また、熱可塑性樹脂B2は、ホットランナー41を介して、樹脂複合材料1の下金型側の表面上に射出充填される。
上記接合工程では、金型を閉じ(図1(d))、上金型3を熱可塑性樹脂Aの融点以上まで加熱し(図1(e))、樹脂複合材料1と熱可塑性樹脂B2とを圧縮成形して接合する。なお、図1(e)における上金型3は、加熱している様子を模式的に示している。
その後、加熱した上金型を冷却し(図1(f))、金型を開いて成形品を得ることができる。
以下詳細に説明する。
[配置工程]
(樹脂複合材料)
上記樹脂複合材料は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aとを少なくとも含む。
-連続強化繊維-
上記連続強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維が好ましい。中でも、機械的特性、熱的特性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、経済性の面からは、ガラス繊維が好ましい。上記連続強化繊維は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記連続強化繊維として、ガラス繊維を選択した場合、集束剤を用いてもよい。上記集束剤としては、シランカップリング剤、潤滑剤、及び結束剤を含む集束剤が好ましく、シランカップリング剤、潤滑剤、結束剤、及び乳化剤を含む集束剤がより好ましい。
--シランカップリング剤--
上記シランカップリング剤は、通常、ガラス繊維の表面処理剤として用いられ、界面接着強度向上に寄与することが好ましい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類;等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
--潤滑剤--
上記潤滑剤は、ガラス繊維の開繊性向上に寄与することが好ましい。
上記潤滑剤としては、目的に応じて、通常の液体又は固体の任意の潤滑材料等が使用可能であり、例えば、カルナウバワックス、ラノリンワックス等の動植物系又は鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族系エステル、芳香族系エーテル等の界面活性剤;等が挙げられる。上記潤滑剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
--結束剤--
上記結束剤は、ガラス繊維の集束性向上及び界面接着強度向上に寄与することが好ましい。
上記結束剤としては、目的に応じて、ポリマー、熱可塑性樹脂等が使用可能である。上記結束剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記結束剤のポリマーとしては、例えば、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び/又は第3級アミンとの塩等が挙げられる。また、例えば、m-キシリレンジイソシアナート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、イソホロンジイソシアナート等のイソシアネートと、ポリエステル系、ポリエーテル系のジオールとから合成されるポリウレタン系樹脂も好適に使用される。
アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーを構成する共重合性モノマーとしては、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びメサコン酸よりなる群から選択される1種以上が挙げられる。共重合性モノマーとして、エステル系モノマーを1種以上含むことが好ましい。
上記アクリル酸のホモポリマー、コポリマーの重量平均分子量は、1,000~90,000であることが好ましく、より好ましくは1,000~25,000である。本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、テトラヒドロフランを溶媒として、標準単分散ポリスチレンを用いて測定される値をいう。
第1級、第2級、第3級アミンとの塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、グリシン塩等が挙げられる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤等)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20~90%とすることが好ましく、40~60%とすることがより好ましい。なお、上記中和度とは、JIS K2501に準拠した方法により測定される値をいう。
塩を形成するアクリル酸のポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、3,000~50,000の範囲であることが好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上であることが好ましく、成形品とした際の特性向上の観点から50,000以下が好ましい。
上記結束剤の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。
上記結束剤の熱可塑性樹脂は、上記連続強化繊維の周囲を被覆する樹脂(例えば、熱可塑性樹脂A及び/又は熱可塑性樹脂B)と同種の熱可塑性樹脂及び/又は変性熱可塑性樹脂であると、成形品となった後、ガラス繊維等の連続強化繊維と熱可塑性樹脂の接着性が向上し、好ましい。
上記結束剤の熱可塑性樹脂としては、連続強化繊維とそれを被覆する熱可塑性樹脂との接着性を一層向上させ、集束剤を水分散体としてガラス繊維に付着させる場合において、乳化剤成分の比率を低減、あるいは乳化剤不要とできる等の観点から、変性熱可塑性樹脂が好ましい。
ここで、変性熱可塑性樹脂とは、熱可塑性樹脂の主鎖を形成し得るモノマー成分以外に、その熱可塑性樹脂の性状を変化させる目的で、異なるモノマー成分を共重合させ、親水性、結晶性、熱力学特性等を改質したものを意味する。
上記結束剤の変性熱可塑性樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、変性ポリアミド系樹脂、変性ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
上記結束剤の変性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸等のオレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられ、公知の方法で製造できる。オレフィン系モノマーと不飽和カルボン酸とを共重合させたランダム共重合体でもよいし、オレフィンに不飽和カルボン酸をグラフトしたグラフト共重合体でもよい。
上記変性ポリオレフィン系樹脂の上記オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン等が挙げられる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレフィン系モノマーと共重合可能な上記モノマーとしては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられ、これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレフィン系モノマーと、当該オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合比率としては、共重合に用いるモノマー成分の合計質量を100質量%として、オレフィン系モノマー60~95質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー5~40質量%であることが好ましく、オレフィン系モノマー70~85質量%、オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマー15~30質量%であることがより好ましい。
オレフィン系モノマーが60質量%以上であれば、マトリックスとの親和性が良好であり、また、オレフィン系モノマーの質量%が95質量%以下であれば、変性ポリオレフィン系樹脂の水分散性が良好で、連続強化繊維への均一付与が行いやすい。
上記結束剤の変性ポリオレフィン系樹脂は、共重合により導入したカルボキシル基等の変性基が、塩基性化合物で中和されていてもよい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類;アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;等が挙げられる。
上記結束剤の上記変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000~200,000が好ましく、50,000~150,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から5,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から200,000以下が好ましい。
上記結束剤の上記変性ポリアミド系樹脂としては、分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖や3級アミン成分等の親水基を導入した変性ポリアミド化合物等が挙げられ、公知の方法で製造できる。
分子鎖中にポリアルキレンオキサイド鎖を導入する方法としては、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の一部又は全部をジアミン又はジカルボン酸に変性したものを共重合する方法等が挙げられる。3級アミン成分を導入する方法としては、例えば、アミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、α-ジメチルアミノε-カプロラクタム等を共重合する方法等が挙げられる。
上記結束剤の上記変性ポリエステル系樹脂としては、ポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合体で、かつ末端を含む分子骨格中に親水基を有する樹脂等が挙げられ、公知の方法で製造できる。上記親水基としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド基、スルホン酸塩、カルボキシル基、これらの中和塩等が挙げられる。
ポリカルボン酸又はその無水物としては、芳香族ジカルボン酸、スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のポリカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸等が挙げられる。
スルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸としては、例えば、スルホテレフタル酸塩、5-スルホイソフタル酸塩、5-スルホオルトフタル酸塩等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
3官能以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
これらの中で、変性ポリエステル系樹脂の耐熱性を向上させる観点から、全ポリカルボン酸成分の40~99モル%が芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。また、変性ポリエステル系樹脂を水分散液とする場合の乳化安定性の観点から、全ポリカルボン酸成分の1~10モル%がスルホン酸塩含有芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
変性ポリエステル系樹脂を構成する上記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3官能以上のポリオール等が挙げられる。
上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
変性ポリエステル系樹脂を構成するポリカルボン酸又はその無水物とポリオールとの共重合比率としては、共重合に用いるモノマー成分の合計質量を100質量%として、ポリカルボン酸又はその無水物40~60質量%、ポリオール40~60質量%であることが好ましく、ポリカルボン酸又はその無水物45~55質量%、ポリオール45~55質量%がより好ましい。
変性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量としては、3,000~100,000であることが好ましく、10,000~30,000がより好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から3,000以上が好ましく、水分散性とする場合の乳化安定性の観点から100,000以下が好ましい。
上記結束剤として用いる、上記ポリマー、上記熱可塑性樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
結束剤の全量を100質量%として、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び/又は第3級アミンとの塩より選択された1種以上のポリマーを50質量%以上用いることが好ましく、60質量%以上用いることがより好ましい。
--ガラス繊維用の集束剤の組成--
連続強化繊維にガラス繊維を用いる場合、当該ガラス繊維の集束剤は、シランカップリング剤を0.1~2質量%、潤滑剤を0.01~1質量%、結束剤を1~25質量%含有することが好ましく、これらの成分を水で希釈し、全質量を100質量%に調整することが好ましい。
ガラス繊維用の集束剤における上記シランカップリング剤の配合量は、ガラス繊維の集束性向上及び界面接着強度向上と成形品の機械的強度向上との観点から、0.1~2質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1~1質量%、さらに好ましくは0.2~0.5質量%である。
ガラス繊維用の集束剤における上記潤滑剤の配合量は、充分な潤滑性を与えるという観点、及びエアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強度向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、界面接着強度向上と成形品の機械的強度向上の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
ガラス繊維用の集束剤における上記結束剤の配合量は、ガラス繊維の集束性制御及び界面接着強度向上と成形品の機械的強度向上との観点から、好ましくは1~25質量%、より好ましくは3~15質量%、更に好ましくは3~10質量%である。
--ガラス繊維用の集束剤の使用態様--
ガラス繊維用の集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョンの形態、乳化剤を用いたエマルジョンの形態等、いずれの形態に調整してもよいが、集束剤の分散安定性向上、耐熱性向上の観点から、水溶液の形態とすることが好ましい。
本実施形態の方法における樹脂複合材料を構成する連続強化繊維としてのガラス繊維は、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、上述した集束剤をガラス繊維に付与して製造したガラス繊維を乾燥することによって連続的に得られる。
集束剤中のシランカップリング剤、潤滑剤及び結束剤の合計質量は、ガラス繊維100質量%に対して、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.2~2質量%、さらに好ましくは0.2~1質量%である。ガラス繊維の集束性制御と界面接着強度向上の観点から、上記合計質量が0.1質量%以上であることが好ましい。また、エアスプライサーによる繋ぎ糸の引張り破断強力向上と混繊工程における開繊性向上の観点から、3質量%以下であることが好ましい。
上記連続強化繊維として、炭素繊維を選択した場合には、集束剤は、潤滑剤、結束剤を含むことが好ましく、潤滑剤、結束剤のみからなることがより好ましい。集束剤、潤滑剤、結束剤の種類については、特に制限はなく公知の物が使用できる。具体的材料としては、特開2015-101794号公報に記載されている材料を使用できる。
その他の連続強化繊維を用いる場合、連続強化繊維の特性に応じ、ガラス繊維、炭素繊維に用いる集束剤の種類、付与量を適宜選択すればよく、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることが好ましい。
--連続強化繊維の単糸数--
連続強化繊維の単糸数は、混繊時の開繊性、及び取扱い性の観点から、30~15,000本であることが好ましい。
-熱可塑性樹脂A-
上記樹脂複合材料に含まれる上記熱可塑性樹脂Aは、連続強化繊維を含む成形品に通常用いられるものを使用することができる。熱可塑性樹脂Aは、繊維状に加工できる観点から、結晶性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂Aとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂;、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂;から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂が好ましく、該熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維であることがより好ましい。
中でも、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、機械的物性、汎用性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂がより好ましく、熱的物性の観点を加えると、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂がさらに好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点から、ポリアミド系樹脂がよりさらに好ましく、ポリアミド66を好適に用いることができる。
上記熱可塑性樹脂Aは、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
--ポリエステル系樹脂--
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に-CO-O-(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ-1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられる。ポリエステル系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ポリエステル系樹脂は、ホモポリエステルであってもよく、また、共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合、ホモポリエステルに適宜第3成分を共重合させたものが好ましく、第3成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分等が挙げられる。また、バイオマス資源由来の原料を用いたポリエステル系樹脂を用いることもでき、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
--ポリアミド系樹脂--
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に-CO-NH-(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω-アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられる。ポリアミド系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ラクタムとしては、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカンラクタムやドデカラクタムが挙げられる。
ω-アミノカルボン酸としては、例えば、ラクタムの水による開環化合物であるω-アミノ脂肪酸が挙げられる。
ラクタム又はω-アミノカルボン酸は、それぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
ジアミン(単量体)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2-メチルペンタンジアミン、2-エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミン、シクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミン;等が挙げられる。
ジカルボン酸(単量体)としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;等が挙げられる。
単量体としてのジアミン及びジカルボン酸はそれぞれ1種単独又は2種以上の併用により縮合させてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミド4(ポリα-ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、及びこれらを構成成分として含む共重合ポリアミド等が挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2-メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物等が挙げられる。
熱可塑性樹脂Aは、繊維であってもよく、例えば、上記樹脂複合材料は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aの繊維とを混繊した混繊糸からなっていてもよい。例えば、連続ガラス繊維とポリアミド繊維との混繊糸では、加熱プレス後にポリアミド等の熱可塑性樹脂が溶融して樹脂複合材料のマトリックス材料となる。熱可塑性樹脂Aの繊維としては、例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
-樹脂複合材料の素材の形態-
上記樹脂複合材料の素材の形態は、特に限定されず、連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aの繊維の混繊糸、複合糸等を含む布帛状、熱可塑性樹脂Aが連続強化繊維に含浸したプリプレグ状、シート状、フィルム状、紛体状、粒状、ペレット状等が挙げられ、金型内での形状追従性、操作性、形状柔軟性の観点から、布帛状であることが好ましい。
布帛の形態としては、例えば、織物、編物、不織布等が挙げられる。布帛を得る方法としては特に限定されず、用途、目的に応じて選定した適切な布帛を作製するための公知の方法を用いることができる。
例えば、織物は、シャトル織機、レピア織機、エアジェット織機、ウォータージェット織機等の製織機を用い、少なくとも一部に複合糸条を含んでいればよい。中でも、複合糸条を含む繊維を配列させた経糸に、緯糸を打ち込むことによって得ることが好ましい。
編物は、丸編み機、横編み機、トリコット編み機、ラッシェル編み機等の編み機を用い、少なくとも一部に複合糸条を含む繊維を編成することによって得られる。
不織布は、少なくとも一部に複合糸条を含む繊維をウェブと呼ばれるシート状の繊維集合体とした後、ニードルパンチ機、ステッチボンド機、柱状流機等の物理作用やエンボスロール等による熱作用や接着剤によって繊維同士を結合させることによって得られる。
その他の布帛の形態等については、適宜特開2015-101794に記載の方法を用いることができる。
上記樹脂複合材料の素材として布帛状の形態のものを用いると、板状のものに対して布帛状のものは、表面に凹凸を有しているため、射出充填された熱可塑性樹脂Bとの接合面に凹凸が生じ、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとの接合面積が大きくなり、かつ樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとのアンカー効果が発現することによって、より高い接合強度が得られる傾向にある。
布帛状の樹脂複合材料の素材としては、混繊糸を用いた布帛が好ましいが、連続強化繊維(例えば、ガラス繊維やカーボン繊維)に熱可塑性樹脂Aの紛体を付着させた糸を用いた布帛、布帛状の連続強化繊維に熱可塑性樹脂Aの粉体を分散させたものや付着させたもの、フィルム状の熱可塑性樹脂Aと布帛状等の連続強化繊維とを重ね合わせたもの等でもよい。
連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aの繊維との混繊糸の製造方法としては、公知の方法を利用でき、例えば、連続強化繊維及び/又は熱可塑性樹脂Aの繊維を、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって開繊した後、開繊したままの状態で合糸・引き揃える開繊合糸法;流体交絡(インターレース)法等が挙げられる。中でも、連続強化繊維の損傷が抑制でき、開繊性に優れ、均一に混合可能であるという観点から、流体交絡法(インターレース)法が好ましい。流体交絡(インターレース)法としては、空気、窒素ガス及び水蒸気等の流体による渦流乱流帯域を糸軸とほぼ平行に2個又はそれ以上作り、該帯域に繊維を導いてループや捲縮を生じない程度の張力下で非嵩高性の糸条とする方法や、連続強化繊維のみ又は連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aの繊維とを共に開繊した後に、流体交絡させる方法(開繊後流体交絡法)等が挙げられる。特に、熱可塑性樹脂Aの繊維に単独で熱加工を含む工程で仮撚加工を施した後、同一の装置で連続して、流体交絡法により混繊することが好ましい。
その他、混繊法の詳細については、適宜特開2015-101794号公報に記載された方法を用いることができる。
樹脂複合材料は、賦型させた材料を用いてもよい。賦型の方法としては、例えば、上記連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aとを少なくとも含む材料を、金型にセットし、金型を閉じて圧縮し、賦型する方法等が挙げられる。樹脂複合材料にかかる圧力としては、好ましくは1MPa以上、より好ましくは3MPa以上である。また、賦型の際、ガス抜き等をしてもよい。
上記樹脂複合材料の厚さとしては、接合強度に優れた成形品が得られる観点から、0.1~10mmであることが好ましく、より好ましくは0.5~5mmである。
(熱可塑性樹脂B)
上記熱可塑性樹脂Bとしては、一般に射出成形で用いる樹脂を使用できる。
熱可塑性樹脂Bとしては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ミデイアムインパクトポリスチレンのようなゴム補強スチレン系樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル-ブチルアクリレートゴム-スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピルゴム-スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル-塩化ポリエチレン-スチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-アルファメチルスチレン共重合体、アクリロニトリル-メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)等のスチレン系樹脂:ポリメチールメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂:低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂:ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂:エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂:ポリエチレンテレフタレート(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PBT)、全芳香族ポリエステル等のポリエステル系樹脂:ポリカーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹脂:ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂:ポリオキシメチレンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール(POM)樹脂:その他のエンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等);セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等のセルロース誘導体:液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル等の液晶系ポリマー(LCP):熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエンエラストマー(SBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマー:ポリアリレート;ポリフェニレンエーテル;変性ポリフェニレンエーテル;ポリルスホン;等が挙げられる。熱可塑性樹脂Bは、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記熱可塑性樹脂Bとしては、上記樹脂複合材料との接合強度に一層優れる観点から、熱可塑性樹脂Aと類似のものが好ましく、同種の熱可塑性樹脂がより好ましい。熱可塑性樹脂Bの融点(TmB)は、熱可塑性樹脂Aの融点(TmA)よりも高くても低くてもよいが、熱可塑性樹脂Aの融点(TmA)よりも低いことが好ましい。
また、上記樹脂複合材料との接合強度に一層優れる観点から、熱可塑性樹脂Aの融点(TmA)と熱可塑性樹脂Bの融点(TmB)とが近いことが好ましく、TmAとTmBとの差が100℃以内であることがより好ましく、45℃以内であることがさらに好ましい。
具体的には、上記熱可塑性樹脂Aがポリアミド66である場合、上記熱可塑性樹脂Bは、ポリアミド系樹脂であることが好ましく、ポリアミド66であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂Bは、各種充填剤と混合して用いてもよい。
各種充填剤としては、連続強化繊維と同種の材料の不連続強化材料である短繊維、長繊維材料等が挙げられる。ガラス短繊維、長繊維を用いる場合には、上記集束剤を用いてもよく、集束剤としては上記シランカップリング剤、上記潤滑剤及び上記結束剤を含むことが好ましい。
(金型)
上記金型としては、例えば、上金型と下金型との2つの型からなる金型、3つ以上型からなる金型等が挙げられる。中でも、金型間のパーティングラインの数が減り、金型キャビティ内の温度や圧力変化が少なくなる観点から、上金型と下金型との2つの型からなる金型が好ましい。
金型には、他の構成部品、温度調節機構、温度計、圧力計、ベント機能等が備えられていてもよい。
上記金型の上金型の昇温・冷却を繰り返すキャビティ部分については熱伝導率が50W/m・K以上の鋼材が好ましく、さらに好ましくは熱伝導率が100W/m・K以上の鋼材である。上記鋼材としては、例えば、炭素鋼、銅合金、アルミ合金等が挙げられる。
なお、本明細書において、熱伝導率とは、JIS H7801により測定される値をいう。
上記金型を閉じた際にできる内部空間である金型のキャビティの形状としては、特に限定されず、製造する成形品によって適宜選択することができる。
金型のキャビティ面は、平面、凹凸面、波形面、これらの組み合わせ、等の形状であってもよい。
上記金型を構成する型(例えば、上金型や下金型等)の少なくとも1つの型には、加熱機構及び/又は冷却機構等の温度調節機構が設けられていることが好ましい。上記加熱機構としては、金型内の熱媒体用流路に熱媒体等を流す機構、金型内にヒーターを内蔵する機構、等が挙げられる。上記冷却機構としては、金型内の冷媒体用流路に冷媒体等を流す機構、金型内に冷却装置を内蔵する機構、等が挙げられる。
上記配置工程において、金型のキャビティ内に配置する樹脂複合材料の数は特に限定されず、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、金型キャビティの一部に配置してもよいし、金型キャビティの全体に配置してもよい。
金型キャビティ内には、樹脂複合材料のみを配置してもよいし、他の部材と共に配置してもよい。上記樹脂複合材料は、射出充填される熱可塑性樹脂Bと接合をさせる観点から、熱可塑性樹脂Bが金型キャビティ内に射出される位置に少なくとも接していることが好ましい。例えば、下金型から熱可塑性樹脂Bが射出される図1の例において、上記樹脂複合材料は、少なくとも下金型のキャビティ面に接するように配置されることが好ましい。
上記配置工程において、金型の温度としては、熱可塑性樹脂Aの融点(TmA)以下であり、TmA-15℃以下が好ましい。
また、配置工程の金型の温度は、成形サイクルが早くなり、生産効率が一層向上する観点から、TmA-80℃以上であることが好ましい。
[射出充填工程]
本実施形態の製造方法では、樹脂複合材料を配置した後、金型を寸開した状態とする。
寸開した状態としては、外部と金型キャビティ内とをつなぐわずかな隙間がある状態をいい、金型の外部とキャビティ内とを連通する隙間が存在する状態が好ましく、パーティングラインに沿って連通する隙間が存在することがより好ましい。外部と金型キャビティ内とをつなぐわずかな上記隙間としては、例えば、金型を構成する型間のパーティングラインの少なくとも一部が接着していない状態、外部とキャビティ内とを連通し、蒸気、二酸化炭素等をキャビティ内に供給する管がある状態等であってよい。なお、隙間を介してキャビティ内部から外部へ圧力が逃げない状態となっている場合は、金型が寸開した状態に含まれないものとする。
金型を閉じた状態で射出成形をすると、圧力損失が大きく、連続複合材料中の連続強化繊維の繊維方向がずれることがある。寸開した状態で射出成形をすることにより、圧力損失が小さく、連続強化繊維のずれが小さく、射出する熱可塑性樹脂Bの異方性が低い外観の優れた成形品を得ることができる。
上記寸開した状態としては、寸開の大きさ(金型に投入した樹脂複合材料の投影面と金型成形面の間に生じる隙間の体積)が熱可塑性樹脂Bの射出体積の2倍以上であることが好ましい。
隙間は1つであってもよいし、複数個であってもよい。
射出充填工程中に、寸開の大きさを変化させてもよく、例えば、寸開の隙間を徐々に小さくしてもよい。
射出充填工程において、熱可塑性樹脂Bは、破棄する材料が減ることによるコストの低減、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとの接合性が向上する観点、竪型締め成形機において樹脂複合材料の一部の片面に熱可塑性樹脂Bを積層させやすい観点、そして熱可塑性樹脂Aが固化するまでキャビティ内に射出保圧をかけられる観点から、ホットランナーを介して射出充填することが好ましい。
射出充填工程において、充填する熱可塑性樹脂Bの温度としては、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとの接合性の観点から、TmB+10~TmB+60℃であることが好ましく、より好ましくはTmB+25~TmB+50℃である。
射出充填工程において、熱可塑性樹脂Bは、樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に射出充填し、樹脂複合材料の一方の表面上の少なくとも一部に射出充填することが好ましく、樹脂複合材料の一方の全表面上に射出充填することがより好ましい。
また、樹脂複合材料の表面上の複数か所に射出充填をしてもよい。
[接合工程]
本実施形態の成形品の製造方法において、熱可塑性樹脂Bの射出充填の終了後、金型を閉じる。
射出充填の終了と同時に金型を閉じてもよいし、間隔(例えば、5秒以内の間隔)をあけて金型を閉じてもよい。中でも、接着強度に一層優れた成形品が得られる観点から、射出充填の終了と同時に金型を閉じることが好ましく、金型を閉じ、金型の一部を加熱し、圧縮成形する工程を連続して行うことがより好ましい。
金型を閉じるとは、キャビティ内から外部に圧力が逃げない状態にすることをいい、例えば、金型を締める、外部とキャビティ内とを連通する管を閉める、外部とキャビティ内とを連通する管に蒸気、二酸化炭素等の媒体で圧力をかける、等の方法が挙げられる。
上記接合工程は、金型を閉じた状態で行われることが好ましい。
上記接合工程では、金型全体の温度を上げるのではなく、金型の一部の温度を上げる。
金型の一部としては、熱可塑性樹脂Bが射出充填される表面と反対の上記樹脂複合材料の表面側の型であることが好ましい。また、該型は加熱機構及び冷却機構が設けられていることが好ましい。
熱可塑性樹脂Bが射出充填される表面側の型は、冷却機構が設けられていないことが好ましく、ホットランナー、エジェクタピン等が設けられていることが好ましい。
例えば、図1にように上金型と下金型とからなる金型において、下金型内のホットランナーを介して熱可塑性樹脂Bが射出充填される場合、上記金型の一部は、上金型であることが好ましい。
通常、生産効率の観点から、射出成形の金型には、金型を加熱及び冷却するためのヒーターや冷却器が内蔵されている。特に、温度の上げ下げは生産効率に大きくかかわるため、型全体にヒーターや冷却器が内蔵されている。そのため、ホットランナーやエジェクトピン等を型に設けることができず、製品や金型の設計自由度に制限があった。本発明の成形品の製造方法では、金型の一部を加熱するため、加熱する部分以外に冷却器を設けなくてもよいため、製品や金型を自由に設計できる。
上記接合工程において、金型の上記一部は、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとの接合性の観点から、熱可塑性樹脂Aの融点以上まで加熱することが好ましく、より好ましくはTmA+10℃以上、更に好ましくはTmA+30℃以上である。
また。樹脂の劣化を抑える観点から、TmA+50℃以下であることが好ましい。
上記接合工程では、金型の一部を加熱した後に、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとを圧縮成形することで、樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとを接合することができる。
本発明の成形品の製造方法において、樹脂複合材料側の金型を加熱することにより(図1(e))、樹脂複合材料中の熱可塑性樹脂Aが溶融して、熱可塑性樹脂Bと接着することで、接合強度に優れる成形品を得ることができる。
上記圧縮成形時に樹脂複合材料にかかる圧力としては、成形品の形状等により適宜選択され、例えば、1~30MPaであってよい。
ホットランナー、外部とキャビティ内とを連通する孔等の孔がキャビティ面にある場合、熱可塑性樹脂の射出充填後に、ホットランナー等の孔に圧力(例えば、蒸気圧縮成形時のプレス圧力と同等の射出保圧力)をかけることが好ましい。また、孔を蓋等により塞いでもよい。
ここで、プレス圧力の方が射出保圧力よりも大きい場合、樹脂複合材料中の熱可塑性樹脂Aが流出し、強化繊維が全く入っていない非強化樹脂部分が形成されてしまうため、その部分が脆弱となる傾向にある。一方、射出保圧力の方がプレス圧力よりも大きい場合、射出保圧力に負けて連続強化繊維の配向が崩れる、成形品の外観が乱れる等の傾向にある。
なお、圧力が同等とは、必ずしも同一である必要はなく、±10MPa、好ましくは±5MPaの圧力差がある場合も含まれる。なお、ここで射出保圧力とは射出成形時の保持圧力のことである。
上記接合工程の後に、金型を冷却し、成形品を取り出すことで、本実施形態の成形品を得ることができる。加熱した一部の型のみを冷却することで、エネルギーコストを低減することができる。
本実施形態の方法により得られる成形品は、航空機、車両、建設材料等の構造材料用途に好適に使用できる。車両用途としては、例えば、シャーシ/フレーム、足回り、駆動系部品、内装部品、外装部品、機能部品、その他部品に使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
「樹脂複合材料の作製方法」
繊度685dtexで単糸数400本のガラス繊維を連続強化繊維として用いた。
熱可塑性樹脂Aとして、交絡処理を施していない繊度144dtexで単糸数144本のポリアミド66繊維を用いた。熱可塑性樹脂Aの融点は、265℃であった。
上記のガラス繊維2束と、上記のPA66繊維2束を合糸・引き揃えた後、流体交絡ノズルに実質的に垂直に供給し、流体交絡させて、複合糸条を得た。
得られた複合糸条を経糸、緯糸として用い、織物(布帛:樹脂複合材の素材)を製織した。
次に、上記織物を用いて、平板の成形品(縦250mm、横250mm、肉厚2.0mm)、を、下記の手順に従って製造した。成形品は、樹脂複合材料からなる圧縮成形部分(1.4mm)と、熱可塑性樹脂Bからなる射出成形部分(0.6mm)とから構成されており、片側の1.4mmは樹脂複合材料で構成されている。図1(a)~(f)に、射出充填、接合及び圧縮成形工程を含む、成形品の製造工程を示す。
成形機は、竪型射出圧縮成形機(東芝機械製S100V-8A)を用いた。また、金型は、加熱機構と冷却機構とを備えた上金型、及び加熱機構とホットランナーとエジェクタピンとを備えた下金型からなる金型を使用した。
「布帛裁断工程」:上述のようにして作製した織物(布帛)を、幅250mm、長さ250mmに裁断した。
「配置工程」:200℃に加熱した金型を開き、上記布帛を5枚、金型内の所定の位置にセットし(図1(a))、次いで布帛の天面から上金型の成形面まで5mm空いた状態(寸開状態)まで、上金型を下金型に近づけた(図1(b))。上金型と下金型とのPL面(パーティングライン面)が5mm離れた状態とし、外部とキャビティ内とを連通する隙間の断面積は、313cm2であった。
「接合工程」:上記寸開後、短繊維GF33%含有のポリアミド66樹脂[商品名:レオナ(登録商標)14G33]の樹脂組成物を、シリンダー設定温度290℃、射出圧力20MPa、射出速度50mm/secで、温度290℃に設定されたホットランナーを介して射出充填し(図1(c))、射出充填が終了する直前に型締め力65tで型締めし(図1(d))、ホットランナーを介して射出保圧力10MPaをかけた。次いで上金型の温度を熱可塑性樹脂(A)の融点以上である300℃まで昇温後(図1(e))、3分間保持することにより、圧縮成形を行った。
「冷却工程」:次いで、上金型を200℃に冷却し、冷却固化を行った(図1(f))。熱可塑性樹脂(A)の固化温度以下である200℃まで射出保圧力を10MPaに保持した。
「離型工程」:上記金型を開放し、エジェクタピンを用いて平板の成形品を取り出した。
観察の結果、連続強化繊維の蛇行や目開きが生じていない外観が綺麗なサンプルが得られた。曲げ試験の結果、最も伸びが大きい部分である曲げ圧子と試験片が接触している裏側のみが破壊して試験が終了した。
(実施例2)
実施例2では実施例1で使用した金型を使用したが、ホットランナーが無い金型と想定し、ホットランナーの温度を、ホットランナーが組み込まれている下金型と同じ200℃に設定した。
「布帛裁断工程」:上述のようにして作製した織物(布帛)を、幅250mm、長さ250mmに裁断した。
「配置工程」:上下の金型を200℃に加熱した状態で開き、上記布帛を5枚、金型内の所定の位置にセットし、次いで上金型と下金型とのPL面(パーティングライン面)から5mm離れた位置まで上金型を下金型に近づけた。外部とキャビティ内とを連通する隙間の断面積は、313cm2であった。
「接合工程」:上記寸開後、短繊維GF33%含有のポリアミド66樹脂[商品名:レオナ(登録商標)14G33]の樹脂組成物を、シリンダー設定温度290℃、射出圧力20MPa、射出速度50mm/secで射出充填し、温度200℃に設定されたホットランナーを介して射出充填し、射出充填が終了する直前に型締め力65tで型締めし、射出保圧力10MPaを10秒間かけた。
そのまま射出成形機のノズルを金型タッチしたまま、次いで金型の温度を熱可塑性樹脂Aの融点以上である300℃まで昇温後、3分間保持することにより、圧縮成形を行った。
「冷却工程」:次いで、金型を200℃に冷却し、冷却固化を行った。
「離型工程」:上記金型を開放し、エジェクタピンを用いて平板の成形品を取り出した。
観察の結果、連続強化繊維の蛇行や目開きが生じていない外観が綺麗なサンプルが得られた。また曲げ試験の結果、試験片は最も伸びる部分が破壊して試験が終了し、試験終了後に界面を確認すると界面の極一部のみが破壊していた。
(比較例1)
比較例1では、織物(布帛)の配置工程において、上金型と下金型とのパーティング面を接着させて、離型工程まで型締め力65tで型締めを行った。また、金型が完全に閉じた状態で射出を行うと圧力損失が大きいため、樹脂組成物は、射出圧力50MPa、射出速度50mm/secで射出充填した。それ以外は実施例1と同様の条件で成形を行った。
観察の結果、射出樹脂の射出圧力によって布帛の連続強化繊維が大きく蛇行し、さらに目開きもした外観が良くないサンプルを得た。また曲げ試験の結果、界面から破断して試験が終了した。
(比較例2)
比較例2では金型の両面が加熱可能ではあるが、金型全体に埋めたヒーターと冷却水管によってエジェクトピン・ホットランナーのレイアウトが出来なかった金型を使用した。
「布帛裁断工程」:上述のようにして作製した織物(布帛)を、幅250mm、高さ250mmに裁断した。
「配置工程」:上下の金型を200℃に加熱した状態で開き、上記布帛を5枚、金型内の所定の位置にセットし、型締め力100tで型締めした。
「接合工程」:型締め後、短繊維GF33%含有のポリアミド66樹脂[商品名:レオナ(登録商標)14G33]の樹脂組成物を、シリンダー設定温度290℃、射出圧力50MPa、射出速度100mm/secで樹脂複合材料の下側に射出充填し、射出保圧力10MPaを10秒間かけた。そのまま射出成形機のノズルを金型タッチしたまま、次いで上下両方の金型の温度を熱可塑性樹脂Aの融点以上である300℃まで昇温後、3分間保持することにより、圧縮成形を行った。
「冷却工程」:次いで、金型を200℃に冷却し、冷却固化を行った。
「離型工程」:上記金型を開放し、手動で平板の複合成形品を取り出した。
観察の結果、射出樹脂の射出圧力によって布帛の連続強化繊維が大きく蛇行し、さらに目開きもした外観が良くないサンプルを得た。また曲げ試験の結果、界面が完全に破断して試験が終了した。
[評価]
実施例及び比較例で得られた成形品について、下記の測定を行った。
(樹脂複合材料のずれ)
樹脂複合材料のずれは下記2点の有無を確認した。
1.連続強化繊維の蛇行
2.連続強化繊維の目開き
上記2点のいずれかが成形品に発生した場合「×」(不良)と評価し、いずれも発生していない場合「○」(良好)と評価した。
(生産効率)
生産効率は、金型にエジェクタピンとホットランナーを組み込めるかで判断した。エジェクタピンが組み込めれば離型速度が向上し、生産効率の向上につながる。またホットランナーが組み込めればランナーレスとなり、成形品のランナーをカットする工程がなくなり、生産効率の向上につながる。
いずれか一方の金型でエジェクタピンとホットランナーの両方を使用した場合を「◎」(最良)、エジェクタピンもしくはホットランナーのいずれかを使用した場合を「○」(良好)、どちらも使用しなかった場合を「×」(不良)と評価した。
(界面強度)
界面強度は、試験片の形状以外は、ISO178に準じ以下の条件にて評価した。
成形品からの長さ100mm、幅10mmで長方形状に切断し、下記条件にて曲げ試験を実施した。
・試験環境:23℃50RH%
・試験速度:1mm/min
・スパン間:32mm
・使用機器:インストロン50kN(インストロン社製)
図2に、この曲げ強度の試験の概略を示す。図2中、7で示すのが上述の試験片である。試験片7の熱可塑性樹脂材料B側から、曲げ圧子8を介して矢印方向に荷重を加え、曲げ試験を行った。
曲げ試験は与えている荷重が20%低下したところを試験終了とし、試験終了後の樹脂複合材料と熱可塑性樹脂Bとで形成されている界面をマイクロスコープ(商品名「VHX1000」)で観察することで評価した。
なお、表中の「◎」(優れる)は試験終了時に界面において全く破壊がなかったものを、「○」(良好)は一部界面での破壊があったものを、「×」(不良)は界面が完全に破壊しているものを示している。
Figure 0007020988000001
1 樹脂複合材料
2 熱可塑性樹脂B
3 上金型
4 下金型
41 ホットランナー
5 キャビティ
6 隙間
7 試験片
8 曲げ圧子
9 支持棒

Claims (1)

  1. 連続強化繊維と熱可塑性樹脂Aとを含む樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bが積層された成形品の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂Aの融点以下の金型のキャビティ内に前記樹脂複合材料を配置する配置工程、
    前記金型を寸開した状態で、前記樹脂複合材料の少なくとも一部の表面上に熱可塑性樹脂Bを射出充填する射出充填工程、
    前記金型を閉じ、前記金型の一部を前記熱可塑性樹脂Aの融点以上まで加熱し、前記樹脂複合材料と前記熱可塑性樹脂Bとを圧縮成形して前記樹脂複合材料と前記熱可塑性樹脂Bとを接合する接合工程、
    を含むこと特徴とする成形品の製造方法。
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