JP2021186992A - 成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Taiga Saito
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Abstract

【課題】本発明は、連続繊維強化樹脂を含む部材と、該部材の表面に接合し、不連続繊維強化樹脂を含む部材とを有し、強度及び外観に優れた成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を含む第1部材と、第1部材の表面に接合し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を含む第2部材とを有し、第1部材と第2部材との接合部において、第1部材が第2部材に食い込んでいるか、又は第2部材が第1部材に食い込んでおり、接合部以外の部分における第1部材の厚みtに対する、接合部における連続強化繊維の高さt1の割合(t1/t)が、0.50〜2.00であることを特徴とする、成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、連続繊維強化樹脂を含む部材と、該部材の表面に接合し、不連続繊維強化樹脂を含む部材とを有する成形体及びその製造方法に関する。
強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む繊維強化樹脂材は、軽量で強度に優れることから、自動車部品、航空機部品、鉄道部品等、各種産業用途に幅広く使用されている。
上記部品等として、繊維強化樹脂材に更に他の樹脂材又は繊維強化樹脂材を接合させた成形体が製造されており、その製造方法として、加熱した成形型内に繊維強化樹脂材(第1の樹脂材)を載置した後、溶融させた樹脂材又は繊維強化樹脂材(第2の樹脂材)を成形型のキャビティ内に充填し、溶融樹脂の硬化により第1の樹脂材と第2の樹脂材とを接合させて成形体を得る方法が知られている。
更に、上記方法において、上記樹脂材間の接合強度を向上させるため、例えば、特許文献1には、成形型の下型と上型とで温度差を設け、下型の温度を連続繊維補強材(第1の樹脂材)の樹脂の融点未満の温度に調整し、上型の温度を該融点以上の温度に調整した上で別の樹脂材(第2の樹脂材)を充填する方法が記載されている。
また、特許文献2には、繊維強化樹脂材(第1の樹脂材)の表面を、その樹脂の融点以上又はガラス転移点以上に加熱することにより、該表面を凹凸状に加工する又は該表面において強化繊維を露出させる加工を行う表面加工工程を行った後、該加工した表面上に別の樹脂材(第2の樹脂材)を射出成形する方法が記載されている。
特許第5712857号公報 特開2016−210080号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の成形方法では、特に第2の樹脂材を充填するキャビティが断続的である場合には、第1の樹脂材として連続繊維強化樹脂材を用いると、連続繊維強化樹脂材に掛かる圧力により連続強化繊維が上記キャビティ内に食い込み(入り込み)、第1の樹脂材と第2の樹脂材との接合部分において連続強化繊維にヨレが生じるという問題がある。このようなヨレが生じると、接合部分において十分な強度が得られず、接合部分に衝撃が加わった際に該ヨレを起点にして成形体が破壊する場合がある。
また、繊維強化樹脂材は、成形後にその表面を加熱すると、表面の平滑性が失われ、外観が損なわれるという問題がある。
そこで、本発明は、連続繊維強化樹脂を含む部材と、該部材の表面に接合し、不連続繊維強化樹脂を含む部材とを有し、強度及び外観に優れた成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、連続繊維強化樹脂を含む第1部材と、第1部材の表面に接合し、不連続繊維強化樹脂を含む第2部材とを有する成形体において、第1部材と第2部材との接合部以外の部分における第1部材の厚みに対する、接合部における第1部材の厚みの割合を特定範囲とすることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記に示すとおりである。
[1]
連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を含む第1部材と、前記第1部材の表面に接合し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を含む第2部材とを有し、
前記第1部材と前記第2部材との接合部において、前記第1部材が前記第2部材に食い込んでいるか、又は前記第2部材が前記第1部材に食い込んでおり、
前記接合部以外の部分における前記第1部材の厚みtに対する、前記接合部における前記連続強化繊維の高さt1の割合(t1/t)が、0.50〜2.00である
ことを特徴とする、成形体。
[2]
前記接合部における前記第2部材の幅Wに対する、前記厚みt1から前記厚みtを引いた差t1−tの割合((t1−t)/W)が、−0.50〜10.00である、[1]に記載の成形体。
[3]
前記不連続強化繊維の繊維長が3mm未満である、[1]又は[2]に記載の成形体。
[4]
前記不連続強化繊維の繊維長が3mm以上である、[1]又は[2]に記載の成形体。
[5]
前記第1部材の表面に沿う方向の前記第1部材の引張強度について、前記接合部以外の部分における前記引張強度σ1に対する、前記接合部における前記引張強度σ1’の割合(σ1’/σ1)が、0.65以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の成形体。
[6]
前記接合部における前記引張強度σ1’に対する、前記接合部における前記第1部材と前記第2部材との接着強度σの割合(σ/σ1’)が、0.45以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の成形体。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であり、
連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
前記成形体用金型内で、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
ことを特徴とする、成形体の製造方法。
[8]
[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であり、
連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
前記成形体用金型内で、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱した後、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
ことを特徴とする、成形体の製造方法。
[9]
[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であり、
連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に第1部材用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
前記第1部材を前記第1部材用金型から取り出し、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱し、
加熱した前記第1部材を成形体用金型に設置し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
ことを特徴とする、成形体の製造方法。
[10]
[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であり、
加熱した連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂と、加熱した不連続繊維強化樹脂とを、成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材と第2部材とを成形することを含む
ことを特徴とする、成形体の製造方法。
[11]
[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法であり、
連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、前記連続繊維強化樹脂に対して掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるような型締め力で型締めして第1部材を成形した後、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
ことを特徴とする、成形体の製造方法。
[12]
前記第2部材を成形する際に、前記第1部材の厚みと、前記成形体用金型における前記第1部材の形状に相当するキャビティの高さとを略等しくする、[7]〜[11]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[13]
前記第2部材を成形する際に、前記第1部材を、前記第1部材の表面に平行な少なくとも2方向に引張する、[7]〜[11]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
本発明によれば、連続繊維強化樹脂を含む部材と、該部材の表面に接合し、不連続繊維強化樹脂を含む部材とを有し、強度及び外観に優れた成形体及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る成形体の一実施形態を示す写真である。 本発明に係る成形体の一実施形態の接合部を示す断面写真である。 本発明に係る成形体の一実施形態の接合部を示す断面写真である。 実施例及び比較例において、引張強度の測定に用いた試験片を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<成形体>
本実施形態の成形体は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を含む第1部材と、前記第1部材の表面に接合し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を含む第2部材とを有し、前記第1部材と前記第2部材との接合部において、前記第1部材が前記第2部材に食い込んでいるか、又は前記第2部材が前記第1部材に食い込んでおり、前記接合部以外の部分における前記第1部材の厚みtに対する、前記接合部における前記連続強化繊維の高さt1の割合(t1/t)が、0.50〜2.00であることを特徴とする。
図1は、本実施形態の成形体の一例を示す写真である。第1部材1の表面に、リブとしての第2部材2が接合した成形体である。
本実施形態の成形体は、第1部材と第2部材との接合部において、第1部材が第2部材に食い込んでいるか、又は第2部材が第1部材に食い込んでいる。接合部とは、第1部材と第2部材が熱融着により接合している部分(界面)を指す。
接合部において第1部材が第2部材に食い込んでいる状態とは、第1部材に含まれる連続繊維強化樹脂が、接合部において第2部材の不連続繊維強化樹脂中に入り込み、連続繊維強化樹脂の樹脂に沿って連続強化繊維も不連続繊維強化樹脂中に入り込んでいる状態のことである。そのため、接合部における連続強化繊維の高さt1は、接合部以外の部分における第1部材の厚みtよりも大きい値(高い状態)となっている。
また、接合部において第2部材が第1部材に食い込んでいる状態とは、第2部材に含まれる不連続繊維強化樹脂が、接合部において第1部材の連続繊維強化樹脂中に入り込んでいる状態のことである。そのため、接合部における連続強化繊維の高さt1は、接合部以外の部分における第1部材の厚みtよりも小さい値(低い状態)となっている。なお、不連続繊維強化樹脂の樹脂と共に不連続強化繊維も連続繊維強化樹脂中に入り込んでいるとしてよい。
図2及び3は、本実施形態の成形体の一例における接合部を示す厚み方向断面写真である。図2の成形体では、第1部材1が第2部材2に食い込んでおり、図3の成形体では、第2部材2が第1部材1に食い込んでいる。接合部3は、第1部材1と第2部材2との境界線として観察される。
なお、接合部における連続強化繊維の高さt1とは、接合部における第1部材中の連続強化繊維の繊維方向に沿った厚み方向断面(例えば、図2及び図3参照)において、第1部材の第2部材が接合する面と反対側の面からの連続強化繊維の厚み方向高さのうち、接合部において第1部材が第2部材に食い込んでいる状態の場合(例えば、図2参照)は最大値(連続強化繊維の高さが最も高い部分の高さ)を、接合部において第2部材が第1部材に食い込んでいる状態の場合(例えば、図3参照)は最小値(連続強化繊維の高さが最も低い部分の高さ)を表す。
本実施形態の成形体は、オイルパン、シートパン、ポンプ、シリンダーヘッドカバー、ギヤボックス、ケース部品等の自動車部品、航空機部品、鉄道部品、住宅建材部品、ロボット部品等に好適に用いることができる。
本実施形態の成形体の大きさ及び形状は、所望される上記部品等の大きさ及び形状に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。
〈第1部材〉
本実施形態の成形体を構成する第1部材は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を含み、その表面上で第2部材と接合している。第1部材は、連続繊維強化樹脂のみからなるものであってもよい。
第1部材の大きさ及び形状は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。
連続強化繊維の形態としては、特に限定されないが、例えば、織物、編物、一方向材、多軸織物等が挙げられる。これらは単層でも積層して用いてもよく、それぞれを組み合わせて使用してもよい。連続強化繊維の配向は、成形体に必要とされる強度に応じて任意に選ぶことができ、例えば、0度のみの一軸配向、0度と90度の二軸配向、0度と±30度の三軸配向、0度と±45度と90度の四軸配向等が挙げられる。面内の物性の均一性の観点から複数軸が好ましく、取り扱い性の観点から二軸又は四軸がより好ましい。複数軸の場合、それぞれの軸に配向している繊維量が同一でもよいし、特定の方向の強度が必要な場合はその方向に配向する連続強化繊維の量を増やしてもよい。
本実施形態の第1部材において、第2部材と接合する表面を有する部分のうち、第2部材との接合部以外の部分における厚みtは、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の厚みとすることができ、一定でなくてもよい。成形性や強度剛性や軽量化の観点からは、好ましくは0.10〜10.00mm、より好ましくは1.00〜5.00mmである。
また、本実施形態の第1部材は、第2部材と接合する表面を有する部分について、第2部材との接合部以外の部分における厚みtに対する、接合部における連続強化繊維の高さt1の割合(t1/t)が0.50〜2.00以下であり、好ましくは0.70〜1.50、より好ましくは0.90〜1.00である。上記割合(t1/t)が0.50〜2.00であると、第1部材中の連続強化繊維の第2部材への食い込み、又は第2部材中の不連続強化繊維樹脂の第1部材への食い込みが小さく、連続強化繊維のヨレが小さいため、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、接合部が衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
割合(t1/t)を上記範囲に制御する方法としては、例えば、第1部材全体ではなく第1部材の被接合面のみを加熱して第2部材を成形(接合)すること、第1部材にかかる圧力を低減すること、加熱状態を調整して流動性を低下させること等により、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内に第1部材の連続強化繊維が食い込むのを低減させ、接合部における連続強化繊維の高さt1を小さくする方法が挙げられる。後述する第1部材及び第2部材の接合部における接着強度σとのバランスを高める観点から、第1部材全体ではなく第1部材の被接合面のみを加熱して第2部材を成形(接合)する方法が好ましい。
なお、第1部材の接合部以外の部分における厚みtは、マイクロメーターを用いて測定される値であり、少なくとも5箇所の厚みを測定して得られた値の平均値とする。第1部材の接合部以外の部分における厚みが一定ではない場合は、接合部付近の少なくとも5箇所で測定した値の平均値を厚みtとする。
また、接合部における第1部材中の連続強化繊維の高さt1は、接合部の連続強化繊維の繊維方向に沿った厚み方向断面写真より、画像解析を用いて測定される値である。なお、断面は、第1部材表面に対する第2部材の高さが最大になるように作製する。繊維が複数の方向に配向している場合は、それぞれの繊維方向に沿って5箇所の断面を作製し、画像測定を行って平均値を算出する。接合部において第1部材が第2部材に食い込んでいる状態の場合は、上記平均値が一番大きい値となる繊維方向における高さの最大値をt1とし、第2部材が第1部材に食い込んでいる状態の場合は、上記平均値が一番小さい値となる繊維方向における高さの最小値をt1とする。
本実施形態の第1部材は、第1部材の表面に沿う方向の引張強度について、接合部以外の部分における該引張強度σ1が、強度剛性の観点から200〜700MPaであることが好ましく、300〜600MPaであることがより好ましい。
また、本実施形態の第1部材は、第1部材の表面に沿う方向の引張強度について、接合部における該引張強度σ1’が、強度剛性の観点から150MPa超650MPa以下であることが好ましく、200〜600MPaであることがより好ましい。引張強度σ1’は、第2部材への第1部材の食い込みが小さいほど高くなる。
また、本実施形態の第1部材は、上記引張強度σ1に対する上記引張強度σ1’の割合(σ1’/σ1)が、0.65以上であることが好ましく、より好ましくは0.75〜1.50、更に好ましくは0.80〜1.20、最も好ましくは0.90〜1.10である。上記割合(σ1’/σ1)が0.65以上であると、接合による第1部材の強度の低下が少なく、成形体が、外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
なお、本開示で、上記「第1部材の表面に沿う方向」とは、第1部材中の連続強化繊維の繊維配向方向を意味する。第1部材中の連続強化繊維が複数の方向に配向している場合は、それぞれの方向で引張強度を測定し、引張強度が最大値となる繊維配向方向を意味するものとする。
引張強度σ1及びσ1’は、JIS K7165に準拠して、試験速度5mm/minで測定される値であり、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
《連続繊維強化樹脂》
本実施形態の成形体に含まれる連続繊維強化樹脂は、連続強化繊維を含有させることにより強度を高めた樹脂である。
使用する連続強化繊維の種類、配合量、太さ、及び方向性等、並びに樹脂の種類及び配合量等を目的に応じて選択することにより、連続繊維強化樹脂の強度及び耐衝撃性等を調整することができる。
[連続強化繊維]
本実施形態の連続繊維強化樹脂に含まれる連続強化繊維は、通常の繊維強化複合材料として使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等が挙げられる。機械的特性、熱的特性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、経済性の面からは、ガラス繊維が好ましい。
上記連続強化繊維は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
連続強化繊維としてガラス繊維を選択した場合、集束剤を用いてもよく、集束剤としては、シランカップリング剤、潤滑剤、及び結束剤を含むことが好ましい。
ガラス繊維及びガラス繊維に用いる集束剤の種類については、特に制限はなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、特開2015−101794号公報に記載のものを用いることができる。
また、連続強化繊維として炭素繊維を選択した場合も同様に、集束剤を用いてもよく、集東剤としては、潤滑剤及び結束剤を含むことが好ましい。
炭素繊維に用いる集束剤の種類については、特に制限はなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、特開2015−101794号公報に記載のものを用いることができる。
その他の連続強化繊維を用いる場合においても、連続強化繊維の特性に応じて、ガラス繊維、炭素繊維に用いることが可能な集束剤の種類、付与量を適宜選択して用いることができ、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることが好ましい。
上記連続強化繊維は、単糸又は撚糸であってもよいし、2種以上の強化繊維からなる複合糸であってもよい。
また、上記強化繊維は、糸のままであってもよいし、紐状、組紐状、シート状(織物、編物、一方向配列シート、多軸織物等)等にしたものであってもよい。
上記強化繊維の平均繊維長は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の長さとすることができるが、成形体の最長辺の長さよりも長いことが好ましい。
上記強化繊維の単糸数は、取扱い性の観点から、30〜15,000本であることが好ましい。
また、上記強化繊維の繊度は、取扱い性の観点から、100〜50,000dtexであることが好ましい。
上記強化繊維の断面形状は、特に限定されず、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状等)、及び中空状等のいずれであってもよい。
上記強化繊維の平均断面径は、長期特性の観点から、3〜25μmであることが好ましい。
なお、強化繊維の平均断面径は、光学顕微鏡、デジタルマイクロスコープや走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定することができる。
連続繊維強化樹脂における連続強化繊維の含有量は、30〜80量%であることが好ましく、35〜75質量%であることがより好ましい。
[樹脂]
本実施形態の連続繊維強化樹脂に含まれる樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、熱可塑性樹脂であることがより好ましい。
−熱可塑性樹脂−
連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、結晶性樹脂が好ましく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、機械的物性、汎用性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂がより好ましく、熱的物性の観点を加えると、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が更に好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点から、ポリアミド系樹脂がより更に好ましく、ポリアミド66を好適に用いることができる。
上記熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
−−ポリアミド系樹脂−−
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミドとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
その他の上記のラクタム、ジアミン(単量体)、ジカルボン酸(単量体)の詳細に関しては、適宜特開2015−101794号公報に記載のものを用いることができる。
ポリアミドの具体例としては、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミド等が挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物等が挙げられる。
−ポリエステル系樹脂−
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に−CO−O−(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その他のポリエステル系樹脂の詳細に関しては、適宜特開2015−101794号公報に記載のものを用いることができる。
本実施形態の連続繊維強化樹脂に含まれる連続強化繊維及び熱可塑性樹脂は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含む混繊糸、連続強化繊維に熱可塑性樹脂をコーティングしたコーティング糸、又は連続強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた含浸糸等の複合糸の形態を採ることができる。
熱可塑性樹脂繊維の単糸数は、取扱い性の観点から、30〜20,000本であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂繊維の繊度は、取扱い性の観点から、100〜50,000dtexであることが好ましい。
−熱硬化性樹脂−
熱硬化性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂、その他工業的に供されている樹脂、及びこれらの樹脂の2種以上を混合して得られる樹脂等が挙げられる。
成形体における連続繊維強化樹脂の含有量は、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることが更に好ましい。
《連続繊維強化樹脂の製造方法》
連続繊維強化樹脂は、例えば、フィルム状の樹脂とシート状(織物、編物、一方向配列シート、多軸織物等)の強化繊維との積層体を加熱・加圧処理する方法、繊維状の樹脂(樹脂繊維)と強化繊維とからなるシート(織物、編物、一方向配列シート、多軸織物等)を加熱・加圧処理する方法等により、製造することができる。樹脂繊維と強化繊維とからなるシートは、樹脂繊維と強化繊維との混繊糸、コーティング糸、又は含浸糸等を用いて作製してもよい。
上記の加熱・加圧処理としては、例えば、材料を金型に設置し、金型を加熱して金型温度を樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上としたのち、型締め力1〜100MPaで型締めして圧縮成形を行う。成形時間は、樹脂の融点又はガラス転移温度に達してから1〜30分とし、金型を樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス200℃〜樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス10℃まで冷却したのち開放して、連続繊維強化樹脂を得る。
〈第2部材〉
本実施形態の成形体を構成する第2部材は、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を含み、第1部材の表面上で第1部材と接合している。第2部材は、不連続繊維強化樹脂のみからなるものであってもよい。
第2部材は、第1部材の任意の表面の全体と接合しているのではなく、第1部材の任意の表面上に断続的に配置されて接合しているものとする。
第2部材の大きさ及び形状は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。例えば、リブ(格子状、放射状、円状、波状等)又はボス(筒状、柱状、錐状等)等の形状であってもよい。
本実施形態の第2部材において、第1部材との接合部における高さHは、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の高さとすることができ、一定でなくてもよい。成形品の補強効果の観点からは、好ましくは5〜300mm、より好ましくは10〜200mmである。
なお、第2部材の高さHは、マイクロメーターを用いて測定される値である。
本実施形態の第2部材において、第1部材との接合部における幅Wは、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の幅とすることができ、一定でなくてもよい。接合強度の観点からは、好ましくは3〜50mm、より好ましくは5〜40mmである。
また、本実施形態の第2部材は、接合部における第2部材の幅Wに対する、接合部における第1部材中の連続強化繊維の高さt1から、接合部以外の部分における第1部材の厚みtを引いた差t1−tの割合((t1−t)/W)が−0.50〜10.00であることが好ましく、幅Wが一定でない場合は、幅Wが最小の部分と最大の部分との両方において算出した割合((t1−t)/W)が、いずれも−0.50〜10.00であることが好ましい。上記割合は、より好ましくは1.00〜9.00、更に好ましくは2.00〜8.00である。上記割合((t1−t)/W)が、−0.50〜10.00であると、第1部材中の連続強化繊維の第2部材への食い込み、又は第2部材中の不連続強化繊維樹脂の第1部材への食い込みが小さく、連続強化繊維のヨレが小さいため、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、接合部が衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
割合((t1−t)/W)を上記範囲に制御する方法としては、例えば、第1部材全体ではなく第1部材の被接合面のみを加熱して第2部材を成形(接合)すること、第1部材にかかる圧力を低減すること等により、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内に第1部材の連続強化繊維が食い込むのを低減させ、接合部における第1部材中の連続強化繊維の高さt1を小さくする(即ち、t1−tを小さくする)方法が挙げられる。
なお、第2部材の幅Wは、マイクロメーターを用いて測定される値である。
本実施形態の第2部材は、第2部材の表面に沿う方向の接合部以外の部分における引張強度σ2が、強度剛性の観点から50〜300MPaであることが好ましく、80〜280MPaであることがより好ましい。
なお、本開示で、「第2部材の表面に沿う方向」とは、第2部材の側面上の点を通る方向(該側面が曲面である場合は、該側面上の点の接線方向)のうち、第2部材の長手方向に垂直な方向(複数ある場合はいずれか1つを選択する)を意味する。第2部材の長手方向は、第2部材が第1部材の第2部材と接合している表面上の少なくとも1方向に沿って延伸している形状である場合は、延伸の一端の幅中心と他端の幅中心とを結ぶ方向とする。第2部材の該延伸方向を定めるのが困難な場合(第2部材が柱状、錐状である場合等)は、第1部材と第2部材との交線(即ち、接合部の輪郭線)上の任意の2点のうち、距離が最大となるような2点を結ぶ方向(複数ある場合はいずれか1つを選択すればよいが、第1部材中の連続強化繊維の方向に垂直な方向がある場合は、該方向を選択することが好ましい)を第2部材の長手方向とする。
引張強度σ2は、JIS K7165に準拠して、試験速度5mm/minで測定される値であり、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態の第1部材及び第2部材は、接合部における接着強度σが、強度剛性の観点から5〜200MPaであることが好ましく、10〜150MPaであることがより好ましい。
また、本実施形態の成形体は、上記接合部における引張強度σ1’に対する上記接着強度σの割合(σ/σ1’)が、0.45以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.40、更に好ましくは0.02〜0.35、より更に好ましくは、0.02〜0.20である。上記割合(σ/σ1’)が0.45以下であると、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、接合部が衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
なお、接着強度σは、試験速度5mm/minで測定される値であり、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
《不連続繊維強化樹脂》
本実施形態の成形体に含まれる不連続繊維強化樹脂は、不連続強化繊維を含有させることにより強度を高めた樹脂である。
使用する不連続強化繊維の種類、配合量、太さ、及び方向性等、並びに樹脂の種類及び配合量等を目的に応じて選択することにより、不連続繊維強化樹脂の強度及び耐衝撃性等を調整することができる。
不連続繊維強化樹脂は、連続繊維強化樹脂とは異なり、溶融時に樹脂中の強化繊維も流動するため、成形体の成形時に金型の複雑な形状の細部まで流れ込むことができ、成形体の複雑な形状の部分を構成することができる。
また、本実施形態の成形体において、不連続繊維強化樹脂が、金属の少なくとも一部及び連続繊維強化樹脂の少なくとも一部の両方に接合した構成であると、金属と連続繊維強化樹脂との接合性が強化された、強度の高い成形体となる。
[不連続強化繊維]
本実施形態の不連続繊維強化樹脂に含まれる不連続強化繊維は、樹脂中にランダムに分散されていてもよいし、ランダムに配向された不連続繊維を有するランダム配向材(不織布等)として構成されていてもよい。
不連続強化繊維は、短繊維、長繊維、ランダム繊維のいずれであってもよい。
不連続強化繊維の平均繊維長は、0.05〜20mmであることが好ましく、より好ましくは0.10〜15mm、更に好ましくは0.15〜10mmである。
特に、不連続繊維強化樹脂を射出成形することにより第2部材を成形する場合は、不連続強化繊維の平均繊維長は、3mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2.5mm、更に好ましくは0.05〜2.0mm、更により好ましくは0.10〜1.5mmである。不連続強化繊維の平均繊維長が3mm未満であると、射出成形時に不連続繊維強化樹脂の流動性が良好となり、金型の複雑な形状の細部へと樹脂だけでなく不連続強化繊維も流動するため、複雑な形状でありながら強度の高い成形体を製造することができる。
また、特に、不連続繊維強化樹脂をプレス成形することにより第2部材を成形する場合は、不連続強化繊維の平均繊維長は、3mm以上であることが好ましく、より好ましくは5〜60mm、更に好ましくは10〜45mm、更により好ましくは15〜40mmである。不連続強化繊維の平均繊維長が3mm以上であると、強度の高い成形体を製造することができる。
なお、不連続強化繊維の平均繊維長は、成形体を焼却したのちに残存する不連続強化繊維の長さの平均値である。
上記不連続強化繊維の種類としては、上述の連続強化繊維と同様のものが挙げられ、連続強化繊維と同じであっても異なっていてもよい。
上記不連続強化繊維は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
不連続繊維強化樹脂における不連続強化繊維の含有量は、30〜80量%であることが好ましく、35〜75質量%であることがより好ましい。
[樹脂]
本実施形態の不連続繊維強化樹脂に含まれる樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、熱可塑性樹脂であることがより好ましい。
−熱可塑性樹脂−
不連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂の種類としては、上述の連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同様のものが挙げられ、連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同じであっても異なっていてもよい。
上記熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
−熱硬化性樹脂−
不連続繊維強化樹脂に含まれる熱硬化性樹脂の種類としては、上述の連続繊維強化樹脂に含まれる熱硬化性樹脂と同様のものが挙げられ、連続繊維強化樹脂に含まれる熱硬化性樹脂と同じであっても異なっていてもよい。
上記熱硬化性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
成形体における不連続繊維強化樹脂の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
《不連続繊維強化樹脂の製造方法》
不連続繊維強化樹脂は、例えば、樹脂に強化繊維を混錬して分散させる方法、フィルム状の樹脂とシート状(不織布等)の強化繊維との積層体を加熱・加圧処理する方法等により、製造することができる。
上記の加熱・加圧処理としては、例えば、材料を金型に設置し、金型を加熱して金型温度を樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上としたのち、型締め力1〜100MPaで型締めして圧縮成形を行う。成形時間は、樹脂の融点又はガラス転移温度に達してから1〜30分とし、金型を樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス200℃〜樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス10℃まで冷却したのち開放して、不連続繊維強化樹脂を得る。
[添加剤]
本実施形態の成形体には、必要に応じて添加剤を含有させてもよい。本実施形態の成形体は、例えば、老化防止剤、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防菌・防黴剤、防臭剤、導電性付与剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、難燃剤、制振剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤等の添加剤を含有してもよい。
添加剤の含有量は、成形体100質量%に対して、10質量%以下としてよい。
<成形体の製造方法>
本実施形態の成形体の製造方法の一態様は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、前記成形体用金型内で、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含むことを特徴とする。
上記製造方法では、連続繊維強化樹脂を加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形する。
連続繊維強化樹脂を成形体用金型設置前に加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。第1部材成形時の型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
上記製造方法では、第1部材を成形した後に第2部材を成形するため、第1部材の成形時に十分な圧力を掛けることができ、第1部材の形状が複雑な場合にも細部まで良好に成形することができる。また、成形した第1部材を、成形体用金型から取り出さないことにより、成形時のサイクル短縮を図ることができる。
上記製造方法において、不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形する方法は、射出成形が好ましい。射出成形によれば、第2部材の形状が複雑な場合であっても、金型の複雑な形状の細部まで不連続繊維強化樹脂をより良好に流れ込ませることができる。
第2部材を射出成形する場合の、不連続繊維強化樹脂の射出充填のタイミングは、連続繊維強化樹脂の型締めから30秒以内であることが好ましい。
射出条件としては、射出ユニットのシリンダー温度を270〜320℃、充填圧力を1〜150MPa、射出速度を5〜150mm/秒、保持圧力を3〜200MPaに設定することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の射出充填後、1〜180分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+10〜80℃とすることが好ましい。また、このときの型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
本実施形態の成形体の製造方法の別の態様は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、前記成形体用金型内で、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱した後、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含むことを特徴とする。
上記製造方法では、連続繊維強化樹脂を加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形する。
連続繊維強化樹脂を成形体用金型設置前に加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。第1部材成形時の型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
型締め後、成形体用金型の温度を連続繊維強化樹脂のガラス転移温度以下に降下させて第1部材を冷却固化させた後、成形体用金型を開放する。
上記製造方法では、第1部材を成形した後に第2部材を成形するため、第1部材の成形時に十分な圧力を掛けることができ、第1部材の形状が複雑な場合にも細部まで良好に成形することができる。また、成形した第1部材を、成形体用金型から取り出さずにそのまま成形体用金型内で加熱することにより、成形時のサイクル短縮を図ることができる。
また、上記製造方法では、第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面(接合部となる部分)又は当該接合側表面(接合部となる部分)を含む第1部材の接合側表面全体を加熱することにより、第2部材(不連続繊維強化樹脂)が接合する第1部材の表面が溶融した状態となり、第1部材と第2部材との接着性を高めることができる。このとき、第1部材全体ではなく表面のみを加熱することにより、第1部材に対して型締め方向に高い圧力を掛けても、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内(特に、断続的に設けられたキャビティ内)に第1部材の連続強化繊維が入り込むのを低減することができるため、上述の割合(t1/t)及び((t1−t)/W)をそれぞれ上記特定範囲に制御することができる。また、第1部材の被接合面以外は加熱しないため、外観に優れた成形体となる。
成形体用金型内で第1部材を加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、レーザ、温風(加熱蒸気)、バーナー等を用いる方法が挙げられる。
上記製造方法において、不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形する方法は、射出成形が好ましい。射出成形によれば、第2部材の形状が複雑な場合であっても、金型の複雑な形状の細部まで不連続繊維強化樹脂をより良好に流れ込ませることができる。
第2部材を射出成形する場合の、不連続繊維強化樹脂の射出充填のタイミングは、第1部材の表面を加熱して成形体用金型を閉じてから30秒以内であることが好ましい。
射出条件としては、射出ユニットのシリンダー温度を270〜320℃、充填圧力を1〜150MPa、射出速度を5〜150mm/秒、保持圧力を3〜200MPaに設定することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の射出充填後、1〜180分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+10〜80℃とすることが好ましい。また、このときの型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
本実施形態の成形体の製造方法の別の態様は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に第1部材用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、前記第1部材を前記第1部材用金型から取り出し、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱し、加熱した前記第1部材を成形体用金型に設置し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含むことを特徴とする。
上記製造方法では、連続繊維強化樹脂を加熱した後に第1部材用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形する。
連続繊維強化樹脂を第1部材用金型設置前に加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、第1部材用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
第1部材用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。第1部材成形時の型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
型締め後、第1部材用金型の温度を連続繊維強化樹脂のガラス転移温度以下に降下させて第1部材を冷却固化させた後、第1部材用金型を開放し、第1部材を離型する。
上記製造方法においても、第1部材を成形した後に第2部材を成形するため、第1部材の成形時に十分な圧力を掛けることができ、第1部材の形状が複雑な場合にも細部まで良好に成形することができる。特に、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティが存在しない第1部材用金型で成形することにより、第1部材の各表面の平滑性、厚みの正確性がより高いものとなる。また、第1部材を冷却固化させて離型することにより、第1部材の形状が固定されるため、第1部材の成形体用金型への搬送や成形体用金型内に設置する際の位置決めが容易になる。
また、上記製造方法においても、第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面(接合部となる部分)又は当該接合側表面(接合部となる部分)を含む第1部材の接合側表面全体を加熱することにより、第2部材(不連続繊維強化樹脂)が接合する第1部材の表面が溶融した状態となり、第1部材と第2部材との接着性を高めることができる。このとき、第1部材全体ではなく表面のみを加熱することにより、第1部材に対して型締め方向に高い圧力を掛けても、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内(特に、断続的に設けられたキャビティ内)に第1部材の連続強化繊維が入り込むのを低減することができるため、上述の割合(t1/t)及び((t1−t)/W)をそれぞれ上記特定範囲に制御することができる。また、第1部材の被接合面以外は加熱しないため、外観に優れた成形体となる。
成形体用金型内で第1部材を加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、レーザ、温風(加熱蒸気)、バーナー等を用いる方法が挙げられる。
上記製造方法において、不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形する方法は、射出成形又はプレス成形のいずれであってもよい。第2部材の形状が複雑な場合は、金型の複雑な形状の細部まで不連続繊維強化樹脂をより良好に流れ込ませることができることから、射出成形が好ましい。また、第2部材の強度を高める観点からは、より繊維長の長い不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いることができることから、プレス成形が好ましい。
第2部材を射出成形する際の方法及び条件は、上述の方法及び条件と同様としてよい。
第2部材をプレス成形する場合は、第1部材の表面を加熱してから30秒以内に加熱した不連続繊維強化樹脂を設置することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。不連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の設置後、0.1〜3分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+10〜80℃とすることが好ましい。また、型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
本実施形態の成形体の製造方法の別の態様は、加熱した連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂と、加熱した不連続繊維強化樹脂を、成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材と第2部材を成形することを含むことを特徴とする。
上記製造方法では、加熱した不連続繊維強化樹脂と加熱した連続繊維強化樹脂とを同時に金型に設置してプレス成形するため、繊維長の長い不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて形状が複雑な第2部材を形成する場合であっても、細部まで良好に成形することができる。また、加熱した不連続繊維強化樹脂と加熱した連続繊維強化樹脂とを同時にプレス成形することにより、第1部材と第2部材との接着性を高めることができるとともに、成形時のサイクル短縮を図ることができる。
連続繊維強化樹脂及び不連続繊維強化樹脂の加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂及び不連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
連続繊維強化樹脂及び不連続繊維強化樹脂の設置後、0.1〜3分間保持することにより、連続繊維強化樹脂(第1部材)と不連続繊維強化樹脂(第2部材)とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+10〜80℃とすることが好ましい。また、型締め力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
本実施形態の成形体の製造方法の更に別の態様は、連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、前記連続繊維強化樹脂に対して掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるような型締め力で型締めして第1部材を成形した後、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含むことを特徴とする。
上記製造方法では、連続繊維強化樹脂を加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形する。
連続繊維強化樹脂を成形体用金型設置前に加熱する方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
成形体用金型の型締め力は、連続繊維強化樹脂に掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるように設定する。連続繊維強化樹脂に掛かる型締め方向の圧力が高いと、第2部材(不連続繊維強化樹脂)との接合の際に連続強化繊維が不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内に入り込みやすくなるが、上記圧力が10MPa以下であると、上記連続強化繊維の入り込みを低減することができる。そのため、上述の割合(t1/t)及び((t1−t)/W)をそれぞれ上記特定範囲に制御することができる。
上記製造方法において、不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形する方法は、射出成形又はプレス成形のいずれであってもよい。第2部材の形状が複雑な場合は、金型の複雑な形状の細部まで不連続繊維強化樹脂をより良好に流れ込ませることができることから、射出成形が好ましい。また、第2部材の強度を高める観点からは、より繊維長の長い不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いることができることから、プレス成形が好ましい。
第2部材を射出成形する場合の、不連続繊維強化樹脂の射出充填のタイミングは、連続繊維強化樹脂の型締めから30秒以内であることが好ましい。
射出条件としては、射出ユニットのシリンダー温度を270〜320℃、充填圧力を1〜150MPa、射出速度を5〜150mm/秒、保持圧力を5〜200MPaに設定することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の射出充填後、0.1〜3分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。また、このときの型締め力は、第1部材に掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるように設定し、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
第2部材をプレス成形する場合は、連続繊維強化樹脂の型締めから30秒以内に加熱した不連続繊維強化樹脂を設置することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の設置後、0.1〜3分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。また、このときの型締め力は、第1部材に掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるように設定し、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.1〜15MPaである。
本実施形態の成形体の製造方法は、上記いずれの態様においても、第1部材の厚みと、成形体用金型における第1部材の形状に相当するキャビティの高さとを略等しくしてもよい。このように、成形体用金型における第1部材の形状に相当するキャビティの高さ(キャビティの隙間(クリアランス))を、第2部材を成形(接合)する前の第1部材の厚みと略等しくすることにより、第1部材にかかる圧力を低減し、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内に第1部材の連続強化繊維が食い込むのを低減させ、第1部材の接合部における連続強化繊維の高さt1を小さくすることができる。
なお、「第1部材の厚みと、成形体用金型における第1部材の形状に相当するキャビティの高さとが略等しい」とは、成形体用金型における第1部材の形状に相当するキャビティの高さが、第2部材を成形(接合)する前の第1部材の厚み±25%である状態としてよい。
また、本実施形態の成形体の製造方法は、上記いずれの態様においても、第1部材を成形する際及び/又は第2部材を成形する際に、第1部材を第1部材の接合側表面に平行な少なくとも2方向に引張してもよい。このように引張することにより、第1部材の接合側表面に皺ができるのを防ぐと共に、不連続繊維強化樹脂を充填するキャビティ内(特に、断続的に設けられたキャビティ内)に第1部材の連続強化繊維が入り込むのを更に低減することができる。
上記引張の際に付加する引張力は、好ましくは0.1〜10MPaである。
また、上記第1部材の接合側表面に平行な少なくとも2方向には、第1部材中の連続強化繊維の方向に平行な方向及び垂直な方向が含まれることが好ましい。
本実施形態の成形体の製造方法に用いる金型は、上記いずれの態様においても、凹部のテーパー角度が0.5〜15°であることが好ましい。
また、成形体の設計の観点から、上記いずれの態様の製造方法においても、第1部材の成形前と後とでの厚みの差(原料である連続繊維強化樹脂の厚みと成形後の第1部材の厚みとの差)が小さい、即ち、厚みの変化が小さいことが好ましい。より具体的には、成形前の第1部材の厚み(連続繊維強化樹脂の厚み)を100%として、成形後の第1部材の厚みが、80〜120%であることが好ましく、95〜105%であることがより好ましく、99〜101%であることが更に好ましい。
第1部材の成形前後での厚みの差を小さくする(厚みの変化を小さくする)方法としては、例えば、成形時のIR加熱炉での加熱で材料を片面のみ加熱する方法や、加熱温度を低くして材料全体を加熱溶融させない方法や、加熱温度を高くして材料全体を加熱溶融させてプレス圧力により材料を成形前の厚さまで戻す方法や、プレスの圧力を高くする方法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
実施例及び比較例で実施例及び比較例において使用した測定方法は、以下のとおりである。
(1)第1部材の厚み、第2部材の幅及び高さ
実施例及び比較例で得られた成形体の第1部材について、マイクロメーター(ミツトヨ社製MDC−25SX)を用いて接合部以外の部分における厚みt(mm)を測定した。また、接合部の連続強化繊維の繊維方向に沿った厚み方向断面写真(キーエンス社製VHX−5000を使用して撮影)を画像解析することにより、接合部における第1部材中の連続強化繊維の高さt1(mm)を求めた。
tは、5箇所で測定して得られた値の平均値とした。接合部以外の部分における厚みが一定ではない場合は、接合部付近の少なくとも5箇所で測定した値の平均値を厚みtとした。
また、t1は、接合部において連続強化繊維の繊維方向に沿った厚み方向の断面を作製して、断面写真より画像解析を用いて測定した。なお、断面は第1部材表面に対する第2部材の高さが最大になるように作製した。繊維が複数の方向に配向している場合は、それぞれの繊維に沿って5箇所の断面を作製し、断面写真より画像解析を用いて測定した平均値を算出した。接合部において第1部材が第2部材に食い込んでいる状態の場合は、上記平均値が一番大きい値となる繊維方向における高さの最大値をt1とし、第2部材が第1部材に食い込んでいる状態の場合は、上記平均値が一番小さい値となる繊維方向における高さの最小値をt1とした。
また、実施例及び比較例で得られた成形体の第2部材について、マイクロメーター(ミツトヨ社製MDC−25SX)を用いて接合部における幅W(mm)及び高さH(mm)を求めた。
(2)第1部材及び第2部材の引張強度
実施例及び比較例で得られた成形体の第1部材について、第1部材の表面に沿う方向(図4の黒矢印方向)の、接合部以外の部分における引張強度σ1(MPa)と、接合部における引張強度σ1’(MPa)とを測定した。成形体の第1部材から、引張強度σ1及びσ1’の測定用に、第2部材(接合部)を含まない縦100mm×横10mmの試験片、及び第2部材(接合部)を横方向中心に有する縦100mm×横100mmの試験片(図4)をそれぞれ切り出して用いた。
また、実施例及び比較例で得られた成形体の第2部材について、第2部材の表面に沿う方向(図4の白抜き矢印方向)の、接合部以外の部分における引張強度σ2(MPa)を測定した。成形体の第2部材から、引張強度σ2の測定用に、接合部を含まない高さ20mm×長さ20mmの試験片を切り出して用いた。
各引張強度の測定は、インストロン社製万能試験機を用いて、JIS K7165に準拠し、試験速度5mm/minで行った。
(3)接合部の接着強度
実施例及び比較例で得られた成形体について、第2部材の表面に沿う方向(図4の白抜き矢印方向)の接合部の接着強度σ(MPa)を、インストロン社製万能試験機を用いて、試験速度5mm/minで測定した。測定には、成形体の第1部材から、第2部材(接合部)を横方向中心に有する縦100mm×横100mmの試験片を切り出して用いた。
<材料>
実施例及び比較例において使用した材料は以下のとおりである。
[連続繊維強化樹脂]
・連続繊維強化樹脂X:以下のようにして、連続繊維強化樹脂Xを製造した。
(連続強化繊維)
ガラス繊維(「ER1200T−423」日本電気硝子株式会社製)
(熱可塑性樹脂)
ポリアミド樹脂A:ポリアミド66(「レオナ1502S」旭化成株式会社製)とカーボンブラックマスターバッチ(「LC050M−33943−M」旭化成株式会社製)とを4:1の質量比でドライブレンドしたもの
〈ガラスクロスの製造〉
レピア織機(織幅2m)を用い、上記ガラス繊維を経糸及び緯糸として用いて製織することにより、ガラスクロスを製造した。得られたガラスクロスの織形態は綾織、織密度は6.5本/25mm、目付は600g/mであった。
〈ポリアミド樹脂フィルムの製造〉
上記ポリアミド樹脂AをTダイ押出成形機(株式会社創研製)を用いて成形することにより、厚さ200μmのフィルムを得た。
〈連続繊維強化樹脂Xの製造〉
成形機(最大型締め力50トンの油圧成形機、株式会社ショージ製)及びインロー構造の平板(縦250mm×横390mm×厚み2mm)用金型を準備した。
上記で得られたガラスクロス6枚とポリアミド樹脂Aのフィルム7枚とを金型形状に合わせて切断し、ポリアミド樹脂Aのフィルムが表面となるようにガラスクロスとポリアミド樹脂Aのフィルムとを交互に重ね(A/G/A/G/A/G/A/G/A/G/A/G/Aの順、Aはポリアミド樹脂Aのフィルム、Gはガラスクロス)、金型内に設置した。なお、ガラスクロスは、全ての繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)が金型の縦方向及び横方向と一致するようにした。
成形機内熱板温度が330℃となるように加熱し、次いで型締め力5MPaで型締めして、圧縮成形を行った。成形時間は、ポリアミド66の融点である265℃に達してから1分とし、金型を100℃まで急却したのちに開放して、連続繊維強化樹脂X(縦250mm×横390mm×厚み約2mm)を得た。
[不連続繊維強化樹脂]
・不連続繊維強化樹脂Y:ガラス短繊維強化ポリアミド66(「レオナ14G50」旭化成株式会社製、ガラス繊維:50質量%、平均繊維長0.5mm)
・不連続繊維強化樹脂Z:ガラス長維強化ポリアミド6(「TEPEX flowcore102」LANXESS社製、ガラス繊維:55質量%、平均繊維長40mm)
[実施例1]
両面IR加熱炉で両面を300℃に加熱した連続繊維強化樹脂Xを、第1部材の形状に相当するキャビティの高さが2mmで120℃の成形体用プレス金型の所定の位置に配置し、5MPaの型締め力でプレスすることにより、第1部材(厚み2.35mm)を成形した。その後、すぐに前記成形体用プレス金型の第2部材の形状に相当するキャビティ内に射出ユニットから不連続繊維強化樹脂Yをシリンダー設定温度290℃、射出圧力150MPa、射出速度100mm/sec、保持圧力100MPaで射出充填して、第2部材を成形した。
1分間保持することにより、第1部材と第2部材とを冷却固化させ、金型を開放して離型し、図1に示す形状の成形体(第1部材:縦250mm×横390mm×厚みt2.35mm、第2部材:幅W3.5mm×高さH17mm)を得た。成形体用プレス金型の凹部側面のテーパー角度は3°とした。第1部材の繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)は、第2部材の各長手方向と一致するようにした。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例2]
片面(第2部材を接合させる接合側表面)のみをIR加熱炉で300℃に加熱した連続繊維強化樹脂X1枚を用い、10MPaの型締め力でプレスすることにより、第1部材を成形した以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例3]
片面(第2部材を接合させる接合側表面)のみをIR加熱炉で300℃に加熱した連続繊維強化樹脂Xを、第1部材の形状に相当するキャビティの高さが2mmで120℃の成形体用プレス金型の所定の位置に配置し、10MPaの型締め力でプレスすることにより、第1部材(厚み2.10mm)を成形した。成形時間は3分とし、120℃の金型内で連続繊維強化樹脂Xを150℃まで冷却した。次に、上記成形体用プレス金型内に第1部材を設置したまま、第1部材の、第2部材(不連続繊維強化樹脂Y)を接合させる片面(第2部材を接合させる接合側表面)部分の接合側表面全体をIRヒーターにより加熱し、表面の樹脂を溶融させた。続いて、上記成形体用プレス金型を10MPaで型締めし、成形体用プレス金型の第2部材の形状に相当するキャビティ内に射出ユニットから不連続繊維強化樹脂Yをシリンダー設定温度290℃、射出圧力150MPa、射出速度100mm/sec、保持圧力100MPaで射出充填して、第2部材を成形した。
3分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合させた。成形体用プレス金型を100℃まで冷却して冷却固化を行い、金型を開放して離型し、図1に示す形状の成形体(第1部材:縦250mm×横390mm×厚みt2.08mm、第2部材:幅W3.5mm×高さH17mm)を得た。成形体用プレス金型の凹部側面のテーパー角度は3°とした。第1部材の繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)は、第2部材の各長手方向と一致するようにした。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例4]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも15MPaとした以外は、実施例3と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例5]
両面をIR加熱炉で300℃に加熱した連続繊維強化樹脂X1枚を第1部材用プレス金型(第1部材の形状に相当するキャビティの高さを2mm)の所定の位置に配置し、5Paの型締め力でプレスすることにより、第1部材(厚み2.10mm)を成形した。成形時間は3分とし、金型を150℃まで急却後、開放して第1部材を離型した。次に、第1部材の、第2部材(不連続繊維強化樹脂Y)を接合させる片面(第2部材を接合させる接合側表面)部分の接合側表面全体をIRヒーターにより加熱し、表面の樹脂を溶融させた。続いて、加熱した第1部材を成形体用プレス金型に設置し、成形体用プレス金型の第1部材の形状に相当するキャビティの高さを2mmとして15MPaで型締めし、成形体用プレス金型のキャビティ内に射出ユニットから不連続繊維強化樹脂Yをシリンダー設定温度290℃、射出圧力150MPa、射出速度100mm/sec、保持圧力100MPaで射出充填して、第2部材を成形した。
3分間保持することにより、第1部材と第2部材とを接合させた。成形体用プレス金型で120℃まで冷却して冷却固化を行い、金型を開放して離型し、図1に示す形状の成形体(第1部材:縦250mm×横390mm×厚みt2.06mm、第2部材:幅W3.5mm×高さH17mm)を得た。成形体用プレス金型の凹部側面のテーパー角度は3°とした。第1部材の繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)は、第2部材の各長手方向と一致するようにした。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例6]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも10MPaとし、第2部材の接合部の幅Wを20.5mmとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例7]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも10MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例8]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも10MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例9]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも10MPaとし、両面IR加熱炉による加熱温度を340℃とした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例10]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも2MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例11]
片面(第2部材を接合させる接合側表面)のみをIR加熱炉で300℃に加熱した連続繊維強化樹脂Xと、両面をIR加熱炉で300℃に加熱した不連続繊維強化樹脂Zを第1部材の形状に相当するキャビティの高さが2mmで120℃の成形体用プレス金型の所定の位置に配置し、10MPaの型締め力でプレスすることにより、第1部材(厚み2.10mm)と第2部材を成形した。成形時間は3分とし、120℃の金型内で連続繊維強化樹脂Xと不連続繊維強化樹脂Zを150℃まで冷却して冷却固化を行い、金型を開放して離型し、成形体(第1部材:縦250mm×横390mm×厚みt2.02mm、第2部材:幅W3.5mm×高さH17mm)を得た。成形体用プレス金型の凹部側面のテーパー角度は3°とした。第1部材の繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)は、第2部材の各長手方向と一致するようにした。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例12]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも10MPaとし、両面IR加熱炉による加熱温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例1]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも30MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例2]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも20MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例3]
第1部材成形時及び第2部材成形時の型締め力をいずれも0.2MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例4]
両面IR加熱炉による加熱温度を350℃、第1部材成形前の連続繊維強化樹脂Xの厚みを4.00mmとした以外は、実施例7と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例5]
連続繊維強化樹脂Xを両面加熱とした以外は、実施例4と同様にして成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
Figure 2021186992
本発明の成形体は、強度及び外観に優れるため、特に、オイルパン、シートパン、ポンプ、シリンダーヘッドカバー、ギヤボックス、ケース部品等の自動車部品、航空機部品、鉄道部品、住宅建材部品、ロボット部品等への適用に好適である。
1:第1部材
2:第2部材
3:接合部
t1:接合部における第1部材中の連続強化繊維の高さ

Claims (13)

  1. 連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を含む第1部材と、前記第1部材の表面に接合し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を含む第2部材とを有し、
    前記第1部材と前記第2部材との接合部において、前記第1部材が前記第2部材に食い込んでいるか、又は前記第2部材が前記第1部材に食い込んでおり、
    前記接合部以外の部分における前記第1部材の厚みtに対する、前記接合部における前記連続強化繊維の高さt1の割合(t1/t)が、0.50〜2.00である
    ことを特徴とする、成形体。
  2. 前記接合部における前記第2部材の幅Wに対する、前記厚みt1から前記厚みtを引いた差t1−tの割合((t1−t)/W)が、−0.50〜10.00である、請求項1に記載の成形体。
  3. 前記不連続強化繊維の繊維長が3mm未満である、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 前記不連続強化繊維の繊維長が3mm以上である、請求項1又は2に記載の成形体。
  5. 前記第1部材の表面に沿う方向の前記第1部材の引張強度について、前記接合部以外の部分における前記引張強度σ1に対する、前記接合部における前記引張強度σ1’の割合(σ1’/σ1)が、0.65以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形体。
  6. 前記接合部における前記引張強度σ1’に対する、前記接合部における前記第1部材と前記第2部材との接着強度σの割合(σ/σ1’)が、0.45以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であり、
    連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
    前記成形体用金型内で、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
    ことを特徴とする、成形体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であり、
    連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
    前記成形体用金型内で、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱した後、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
    ことを特徴とする、成形体の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であり、
    連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に第1部材用金型内に設置し、型締めして第1部材を成形し、
    前記第1部材を前記第1部材用金型から取り出し、前記第1部材の、第2部材を接合させる部分の接合側表面又は当該接合側表面を含む接合側表面全体を加熱し、
    加熱した前記第1部材を成形体用金型に設置し、不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
    ことを特徴とする、成形体の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であり、
    加熱した連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂と、加熱した不連続繊維強化樹脂とを、成形体用金型内に設置し、型締めして第1部材と第2部材とを成形することを含む
    ことを特徴とする、成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であり、
    連続強化繊維を含む連続繊維強化樹脂を、加熱した後に成形体用金型内に設置し、前記連続繊維強化樹脂に対して掛かる型締め方向の圧力が10MPa以下となるような型締め力で型締めして第1部材を成形した後、加熱した不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いて第2部材を成形することを含む
    ことを特徴とする、成形体の製造方法。
  12. 前記第2部材を成形する際に、前記第1部材の厚みと、前記成形体用金型における前記第1部材の形状に相当するキャビティの高さとを略等しくする、請求項7〜11のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
  13. 前記第2部材を成形する際に、前記第1部材を、前記第1部材の表面に平行な少なくとも2方向に引張する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
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