JP6598532B2 - 布帛 - Google Patents

布帛 Download PDF

Info

Publication number
JP6598532B2
JP6598532B2 JP2015131367A JP2015131367A JP6598532B2 JP 6598532 B2 JP6598532 B2 JP 6598532B2 JP 2015131367 A JP2015131367 A JP 2015131367A JP 2015131367 A JP2015131367 A JP 2015131367A JP 6598532 B2 JP6598532 B2 JP 6598532B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
fiber
continuous
fibers
impregnated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015131367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017014653A (ja
Inventor
定彦 山口
大賀 齋藤
雅弘 家永
和幸 小原
登起男 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2015131367A priority Critical patent/JP6598532B2/ja
Publication of JP2017014653A publication Critical patent/JP2017014653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6598532B2 publication Critical patent/JP6598532B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

本発明は布帛に関する。
各種機械や自動車等の構造部品や圧力容器及び管状の構造物等に使用される複合材料成型体の強化材としてプリフォームが用いられている。
複合材料成型体の中間材料の一つであるプリフォームとして、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が混繊された複合糸条を用いた布帛が挙げられる。複合糸条を、単独又は他の繊維とともに編織して編物や織物にしたり、ランダムに積層し、ウェッブ作成後、エンボスロールを用いた熱融着やニードルパンチを用いた交絡によって一体化された不織布にしたりすることで得られる布帛を、中間材料として用いる。得られた布帛状のプリフォームに圧縮加熱や内圧加熱を施して、布帛に含まれる複合糸条中の熱可塑性樹脂繊維を溶融させ、成形することによって複合材料成型体が得られる。また、得られたプリフォームに熱硬化性樹脂を含浸した後、加圧加熱することによって複合材料成型体を得ることもできる。
従来、複合材料の加工には、レーザーを用いた技術が知られている(特許文献1及び2を参照)。
特開2011−56583号公報 国際公開第2010/119995号
本発明が解決しようとする課題は、端面がほつれず、また、端面の加工が可能な布帛を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛を溶融固化させて、連続強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸させることによって、端面がほつれず、また、端面の加工が可能な布帛が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛であって、布帛の端面の少なくとも一辺において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている、布帛。
〔2〕
前記端面に切断面を有する、〔1〕に記載の布帛。
〔3〕
前記連続強化繊維がガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、及びセラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕又は〔2〕に記載の布帛。
〔4〕
前記連続熱可塑性樹脂繊維がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の布帛。
〔5〕
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛であって、布帛の端面の少なくとも一辺において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている、布帛を製造する方法であって、
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛の一部を、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸するまで熱溶融する工程、
含浸された部分を切断する工程、を含む、方法。
本発明によれば、端面がほつれず、また、端面の加工が可能な布帛を提供することができる。
本実施形態の布帛の模式図を示す。 本実施形態の布帛の一例を示す。矢印で示した箇所が、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている端面を示す。 本実施形態における、切断面を有する布帛の一例を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の布帛は、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛であって、布帛の端面の少なくとも一辺において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている。
本実施形態の布帛は、端面の少なくとも一辺において、布帛が溶融固化され、連続強化繊維が連続熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂に含浸されていることにより、端面がほつれず、また、端面の加工が可能である。
本実施形態において、目視により、連続強化繊維を確認することでも、連続熱可塑性樹脂繊維が溶融し、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されているか確認することができる。好ましくは、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されているかは、エネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて確認する。
端面において連続強化繊維を含浸している熱可塑性樹脂の結晶化度は、好ましくは1〜80%、より好ましくは5〜60%である。
本実施形態の布帛は、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている端面と、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されていない布帛部分、すなわち、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛部分と、を有する。
本実施形態の布帛においては、端面ではない部分において、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されていてもよい。
また、本実施形態の布帛は、切断したい部分を溶融固化した布帛であってもよく、溶融固化した部分を切断したことにより、切断面を端面として有する、すなわち、切断面が端面である布帛であってもよい。
本実施形態において、布帛の端面とは、一定形状の布帛において、布帛の端から所定の面積を有する部分を意味し、特に限定されるものではない。
端面の連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている幅は、好ましくは5〜50mm、より好ましくは5〜30mm、さらに好ましくは5〜10mmである。
図1においては、模式的に長方形形状の布帛において、端面は、四辺示されており、一辺において、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛を示している。
図2においては、端面は、二辺示されており、二辺ともにおいて、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛を示している。
切断に用いる道具に応じて、端面の幅等は適宜設定することができる。
切断には、特に限定されるものではないが、鋏、カッター等を用いることができる。
布帛の溶融固化においては、連続熱可塑性樹脂繊維を溶融することができれば特に限定されず、公知の装置を用いて溶融することができる。
溶融後、冷却固化させることにより、布帛の端面の少なくとも一辺において、連続熱可塑性樹脂繊維が溶融固化され、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛を得ることができる。
連続熱可塑性樹脂繊維は、溶融する前においては、連続繊維として、連続強化繊維と布帛を構成する。布帛を溶融固化することにより、連続熱可塑性樹脂繊維の連続繊維は溶融し、熱可塑性樹脂として固化し、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されることとなる。
本実施形態においては、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されていることにより、鋏、カッター等で切断することができると共に、切断面においてほつれ等がない。
本実施形態の布帛は、切断面を有していてもよい。
本実施形態において、切断面とは、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている部分において、鋏、カッター等を用いて、布帛を切断することにより得られる部分を意味する。
布帛が、切断面を有する場合、例えば、切断面における連続強化繊維の断面が切断面に対して揃った断面になっていることを確認することにより、布帛が切断面を有することを確認することができる。
本実施形態において、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている部分は、端面の少なくとも一辺に限られず、布帛を所望の形状に切断することができるように適宜設けることができる。
布帛が、多角形状である場合には、端面の少なくとも一辺は、各辺に相当する。各辺の一部又は全部において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されていれば、端面の少なくとも一辺が連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛であるといえる。
布帛が、一部縁辺として曲線で縁どられているような形状である場合、例えば、円形状等である場合には、端面の一部又は全部において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されていれば、端面の少なくとも一辺が連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛であるといえる。
布帛は、織物や編物として布帛化された際の形状を有しており、そのまま、端面の少なくとも一辺が連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛としてもよいし、連続強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸させる前に、所望の形状に調整してから、端面の少なくとも一辺が連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛としてもよい。
本実施形態の布帛においては、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている部分と熱履歴を受けていない部分とを有するため、従来のプリフォームとして、成型前にプレヒートにより軟化させる樹脂含浸板とは異なり、所望の成形品形状に布帛を成形金型等にセットすることができるため、成形品の形状自由度に優れるという利点をも有する。
本実施形態の布帛は、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維により構成されている。
本実施形態においては、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混じり合うことが可能であり、連続強化繊維を熱可塑性樹脂に均一に含浸させることが可能であることより、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の複合糸条を含むことが好ましい。
また、布帛に、複合糸条を用いることにより、布帛化する編織等の工程における取扱い性に優れ、得られた布帛は短時間成形でも、十分な力学特性を発揮する複合材料成型体となすことが可能である。
〔連続強化繊維〕
本実施形態に用いる連続強化繊維は、通常の繊維強化複合材料として使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。機械的物性、熱的物性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、価格の観点からガラス繊維がより好ましい。
連続強化繊維は、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている布帛の溶融固化された端面において均一に存在しており、連続熱可塑性樹脂繊維が溶融固化して熱可塑性樹脂として連続強化繊維を含浸していることにより、簡便に布帛を切断することができる。
連続強化繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜15,000本であることが好ましい。
〔連続熱可塑性樹脂繊維〕
本実施形態に用いられる連続熱可塑性樹脂繊維は通常、複合材料成型体用混繊糸に用いるものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られた連続繊維であることが好ましい。これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が、機械的物性、汎用性の観点からより好ましく、熱的物性の観点を加えるとポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂がさらに好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点からポリアミド系樹脂がよりさらに好ましく、ポリアミド66を好適に用いることができる。
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に−CO−O−(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリエステル系樹脂としては、ホモポリエステルであってもよく、また、共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合、ホモポリエステルに適宜第3成分を共重合させたものが好ましく、第3成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分等が挙げられる。また、バイオマス資源由来の原料を用いたポリエステル系樹脂を用いることもでき、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
<ポリアミド系樹脂>
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリアミドとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ラクタムとしては、特に制限されないが、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカンラクタムやドデカラクタムが挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、例えば、ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸が挙げられる。ラクタム又はω−アミノカルボン酸はそれぞれ2種以上の単量体を併用して縮合させてもよい。
ジアミン(単量体)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミンやペンタメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミンや2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−フェニレンジアミンやm−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミンやシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸(単量体)としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸やセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
単量体としてのジアミン及びジカルボン酸はそれぞれ1種単独又は2種以上の併用により縮合させてもよい。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドが挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物が挙げられる。
連続熱可塑性樹脂繊維の単糸数は、混繊工程における開繊性、及び取扱い性の観点から30〜20,000本であることが好ましい。
本実施形態において、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の総繊度は、両繊維の開繊性、均一混合性の観点、及び布帛を得る際の取扱い性の観点から、好ましくは100〜20,000dtex、より好ましくは200〜10,000dtex、さらに好ましくは300〜5,000dtex、よりさらに好ましくは300〜3,000dtexである。
連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維のそれぞれの含有率(連続強化繊維/連続熱可塑性樹脂繊維)は、好ましくは30〜85質量%/70〜15質量%、より好ましくは40〜70質量%/60〜30質量%である。
複合糸条に占める連続強化繊維の含有率が30質量%以上であれば、複合材料成型体の機械的強度が高く、充分な補強効果が発揮する。連続強化繊維の含有率が85質量%以下であれば、マトリックスが十分なので、複合材料成型体に空隙部が生じることを防止できる。
布帛の形態としては、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、編物や織物が例示される。布帛中の連続強化繊維の直線性を高くでき、布帛の見掛け密度を高くできることによって、優れた機械的特性の複合材料成型体が短時間成形で得られ易いため、経糸と緯糸から構成される織物が好ましい。
織物は経糸と緯糸から構成される。経糸を構成する繊維の50質量%以上に複合糸条を用いることが好ましい。複合糸条は好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%用いられる。強度、剛性等の機械的特性を高い水準で満足させる観点から、経糸を構成する繊維の50質量%以上が複合糸条であることが好ましい。
織物に用いられる経糸の種類としては、例えば、(イ)連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の複合糸条のみからなるストランド、(ロ)連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の複合糸条と複合糸条以外の繊維とを交撚又は引き揃えしたストランド、(ハ)連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の複合糸条以外の繊維からなるストランド、等が挙げられる。ストランドとは、複合糸条の束を無撚あるいは100回/m以下の軽い撚りをかけた糸条であり、繊維の直線性を高くする観点からストランドを用いることが好ましく、より好ましくは撚り回数が50回/m以下、特に好ましくは30回/m以下のストランドを用いることが望ましい。
(ロ)の場合には、1本のストランド中に連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維の複合糸条が50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含まれていることが望ましい。経糸は(イ)、(ロ)から選ばれた少なくとも一種、又は(イ)、(ロ)から選ばれた一種と(ハ)から選ばれた少なくとも一種から構成されていてもよい。いずれの場合も、複合糸条は、織物における全経糸中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%用いられる。複合糸条以外の繊維としては、全経糸中の割合が50質量%未満であれば特に制限はなく、用途及び目的に応じ、公知の繊維を用いることができ、例えば、後述する連続熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。特に複合糸条に用いられる連続熱可塑性樹脂繊維と同種の繊維が成形時に熱可塑性樹脂の劣化を抑制でき、好ましい。
織物の組織は特に限定されず、公知の組織を用いることができるが、織物中での経糸、緯糸の直線性及び製織効率の観点から、また、経緯糸方向の同等性が高いことから、平織物及び変化平織物が好ましい。
平織物とは、経糸と緯糸が1本ずつ交互に交錯する組織であり、表裏がなく経緯糸方向の同等性が高い組織である。変化平織物としては、平織物の交錯点の上下又は左右に交錯点を添加して表面に畝を現した畦織物、2本以上の経糸が共通連動し、2本以上の緯糸が同一杼口に入る斜子織物等が例示される。さらに、織物に厚みを増すために、上記の平織物や斜文織物を複数枚重ねた構造となるように連結糸を経糸あるいは緯糸に用いた構造としてもよく、作業効率を向上させるものである。
平織物においては、経糸及び緯糸を構成するそれぞれの繊維において好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは100質量%を複合糸条とすることにより、複合材料成型体の力学特性を経緯糸方向ともに向上させることができる。また、経緯糸方向の力学特性を同等にする観点から経糸密度/緯糸密度の比は、好ましくは0.5〜2.0、より好ましくは0.7〜1.5である。
〔複合糸条の製造方法〕
本実施形態における複合糸条を製造するために、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維とを混繊する方法は公知の方法を利用できる。例えば、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって開繊した後、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維を開繊したままの状態で合糸・引き揃える開繊合糸法、流体交絡(インターレース)法が挙げられる。連続強化繊維の損傷が抑制でき、開繊性に優れ、均一に混合可能な流体交絡法が好ましく、流体交絡(インターレース)法としては、空気、窒素ガス及び水蒸気等の流体による渦流乱流帯域を糸軸とほぼ平行に2個又はそれ以上作り、該帯域に繊維を導いてループや捲縮を生じない程度の張力下で非嵩高性の糸条とする方法や、連続強化繊維のみ開繊した後、又は連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維共に開繊した後に流体交絡させる方法(開繊後流体交絡法)等が挙げられる。特に、連続熱可塑性樹脂繊維に単独で熱加工を含む工程で仮撚加工を施した後、同一の装置で連続して、流体交絡法で混繊することが好ましい。
単独で熱加工を含む工程で加工した連続熱可塑性樹脂繊維を同一の装置で連続して、開繊又は開繊せずに、開繊した又は開繊していない連続強化繊維と合糸・引き揃えて流体交絡ノズルに供給することは、連続強化繊維のみに集中的に流体による渦流乱流が作用することなく、連続強化繊維の損傷が抑制でき、好ましい。さらに、連続強化繊維単独又は上記引き揃えた繊維を、好ましくは引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは、連続強化繊維に屈曲による伸長力及び圧縮力が過剰に作用することなく、連続強化繊維の損傷が抑制でき、好ましい。特に、脆性材料であるガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維を連続強化繊維として用いる場合に、引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは損傷抑制効果が顕著で好ましい。また、圧縮力によって座屈破壊が生じ易いアラミド繊維を連続強化繊維として用いる場合に、引き揃えた繊維を流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直に供給することは座屈破壊を抑制でき、好ましい。ここで、流体交絡ノズルの糸条導入穴面に実質的に垂直とは、目視によって糸道が垂直であると確認できる状態を意味する。
本実施形態において、複合糸条は連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維が連続して均一に混合され、連続強化繊維の間隙に連続熱可塑性樹脂繊維が連続して略均一に分散した状態であることが好ましい。
<布帛化>
布帛を得る方法は特に限定されず、用途、目的に応じて選定した適切な布帛を作製する公知の方法を用いることができる。例えば、織物は、シャトル織機、レピア織機、エアジェット織機、ウォータージェット織機等の製織機を用い、少なくとも一部に複合糸条を含んでいればよい。好ましくは、複合糸条を含む繊維を配列させた経糸に、緯糸を打ち込むことによって、得てもよい。編物は、丸編み機、横編み機、トリコット編み機、ラッシェル編み機等の編み機を用い、少なくとも一部に複合糸条を含む繊維を編成することによって得られる。
本実施形態の布帛の製造方法としては、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛の一部を、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸するまで熱溶融する工程と、含浸された部分を切断する工程と、を含む、方法である。
熱溶融する工程においては、熱可塑性樹脂の融点以上の温度で、所定の時間、熱履歴を付すことにより、連続強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸させる。
連続熱可塑性樹脂繊維を熱溶融することで、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸するので、連続強化繊維を含浸する熱可塑性樹脂は、連続熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂に由来する。
熱溶融する布帛の一部としては、布帛の端面の少なくとも一辺であってもよく、切断しようとする部分に対して、切断部分に沿った所望の一定面積部分であってもよい。
次いで、切断する工程においては、布帛を熱溶融し、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸している部分を切断する。
切断においては、鋏、カッター等で切断することができる。
布帛を熱溶融し、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸している部分を切断することにより、切断面が発生し、切断された布帛は、端面の少なくとも一辺において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている、布帛となる。
布帛の端面の少なくとも一辺を熱溶融した場合も、当該端面を切断することで、端面の少なくとも一辺において連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸されている、布帛が得られる。
本実施形態の製造方法により、端面がほつれず、また、端面の加工が可能な布帛を製造することができる。
布帛の端面の少なくとも一辺を、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸するまで熱溶融して本実施形態の布帛を製造してもよい。
また、連続強化繊維と連続熱可塑性樹脂繊維からなる布帛の一部を、連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸するまで熱溶融し、含浸された部分を切断することにより、本実施形態の布帛を製造してもよい。その場合、熱により連続強化繊維が熱可塑性樹脂に含浸された部分の幅は、好ましくは10〜100mm、より好ましくは10〜60mm、さらに好ましくは10〜20mmである。
以下、本発明の実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
ガラス繊維(繊度685dtex×単糸数400本、日本電気硝子(株)製))とポリアミド66繊維(繊度470dtex×単糸数144本、旭化成せんい(株)製レオナ(登録商標))を引き揃えた後、流体交絡ノズルに実質的に垂直に供給し、下記条件で流体交絡させて、複合糸条を得た。
・流体交絡ノズル 京セラ(株)製KC−AJI−L(1.5mm径、推進型)
・空気圧 2.5kg/cm2
・加工速度 100m/minまたは40m/min
該複合糸条を経糸、ポリアミド66繊維(繊度470dtex×単糸数144本、旭化成せんい(株)製レオナ(登録商標))を緯糸として用い、経糸密度が16本/2.54cm、緯糸密度が18本/2.54cm、幅1000mmの布帛を製織した。
次いで、布帛を装置(型式Fl−300−10、富士インパルス株式会社製)に下記表1に示す各条件にかけて、布帛の端面において、ガラス繊維をポリアミド66繊維に溶融含浸させた。含浸部分の幅は、約10mmであった。
その後鋏で、該端面の切断の可否、切断面の繊維ほつれの有無を確認した。
以下の基準に基づいて、切断の可否、切断面の評価を行った。
×:未溶融
△:若干溶融して繊維同士が微妙に接合しており鋏で切断可能だが切断面がほつれる
○:完全にポリアミド66繊維が溶融固化し鋏で切断でき切断面のほつれなし
表中、括弧内は装置仕様より算出したポリアミド66の融点(265℃)以上になった時間を示す。また、目盛は、装置の設定条件のダイヤル目盛数値を示し、プッシュ回数は、布帛にシーラーをプッシュする回数を示す。
本発明の布帛は、各種機械や自動車等の構造部品、圧力容器及び管状の構造物等、高レベルでの機械的物性が要求される樹脂複合材料成型体の材料として用いることができる。

Claims (4)

  1. 連続強化繊維と連続ポリアミド66繊維からなる布帛であって、布帛の端面の少なくとも一辺および切断しようとする部分に対して、切断部分に沿った所望の一定面積部分において連続強化繊維がポリアミド66に含浸されていて、端面のポリアミド66に含浸された部分の幅が5〜50mmであって、切断しようとする部分に対して、切断部分に沿った所望の一定面積部分のポリアミド66に含浸された部分の幅が10〜100mmである布帛。
  2. 前記端面に切断面を有する、請求項1に記載の布帛。
  3. 前記連続強化繊維がガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、及びセラミック繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の布帛。
  4. 連続強化繊維と連続ポリアミド66繊維からなる布帛であって、布帛の端面の少なくとも一辺および切断しようとする部分に対して、切断部分に沿った所望の一定面積部分において連続強化繊維がポリアミド66に含浸されていて、端面のポリアミド66に含浸された部分の幅が5〜50mmであって、切断しようとする部分に対して、切断部分に沿った所望の一定面積部分のポリアミド66に含浸された部分の幅が10〜100mmである布帛を製造する方法であって、
    連続強化繊維と連続ポリアミド66繊維からなる布帛の一部を、連続強化繊維がポリアミド66に含浸するまで熱溶融する工程、
    含浸された部分を切断する工程、を含む、方法。
JP2015131367A 2015-06-30 2015-06-30 布帛 Expired - Fee Related JP6598532B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131367A JP6598532B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131367A JP6598532B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 布帛

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014653A JP2017014653A (ja) 2017-01-19
JP6598532B2 true JP6598532B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=57830008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131367A Expired - Fee Related JP6598532B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6598532B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7228178B2 (ja) * 2018-10-16 2023-02-24 国立大学法人東海国立大学機構 材料および成形品の製造方法
JP7275962B2 (ja) * 2019-07-25 2023-05-18 三菱瓦斯化学株式会社 長尺平板状材料

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05261849A (ja) * 1992-03-16 1993-10-12 Toyobo Co Ltd コンポジット用成形材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017014653A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372996B2 (ja) 複合材料成型体の製造方法
EP3369566B1 (en) Composite molding and method for producing same
JP6646737B2 (ja) 成形用金型および圧縮成形方法
US10926488B2 (en) Composite material, method for manufacturing composite material, and method for manufacturing molded article
JP5994060B2 (ja) 熱可塑性樹脂補強シート材及びその製造方法
JP6297311B2 (ja) 布帛
JP5810549B2 (ja) 二方向性強化繊維織物の製造方法
JP6598532B2 (ja) 布帛
JP6175222B2 (ja) 複合糸条布帛
JP2002096413A (ja) 複合強化繊維基材およびプリフォーム
US10625441B2 (en) Method for manufacturing formed article
JPS63270834A (ja) 複合成形用シ−ト及びその製造法
JP6835560B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JP2006001035A (ja) ポリプロピレン系樹脂積層成形材及びその積層体
EP3837109A1 (en) Semi -finished composite materials containing natural fibers and production thereof
JP5796732B2 (ja) 繊維強化シート及びその製造方法、並びに繊維強化複合材料
JP2017160571A (ja) 強化繊維織物の製造方法およびその製造装置
JP3337089B2 (ja) 複合繊維布帛
JP2004036055A (ja) 繊維構造体及び複合材
JP6783882B2 (ja) 繊維強化樹脂成型体の製造方法
JP7523253B2 (ja) 成形体及びその製造方法
KR102389445B1 (ko) 섬유 제품의 열성형법
JP6783883B2 (ja) 繊維強化樹脂成型体を得るための素板
JP6915306B2 (ja) 強化繊維織物およびその強化繊維織物を用いたプリフォームの製造方法
JP6685647B2 (ja) 繊維強化樹脂成型体を得るための素版の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6598532

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees