JP2023111522A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

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大賀 齋藤
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Abstract

【課題】本発明は、劣化が抑制され、強度に優れる繊維強化熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む連続繊維強化樹脂を含み、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有することを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法に関する。
強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む繊維強化樹脂材は、軽量で強度に優れることから、自動車部品、航空機部品、鉄道部品等、各種産業用途に幅広く使用されている。
上記部品等として、繊維強化樹脂材を曲げ加工した成形体や、繊維強化樹脂材に更に他の樹脂材又は繊維強化樹脂材を接合させた成形体等が製造されている。
例えば、特許文献1には、基材部と突起部とを有する成形体が記載され、当該成形体用の金型において、連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる部材Aを基材部側に、非連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる部材Bを突起部側に配し、一体成形することにより成形体を製造したことが記載されている。
特許第6567255号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の成形体は、成形体全体の劣化や強度の点で改良の余地がある。
そこで、本発明は、劣化が抑制され、強度に優れる繊維強化熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体とすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記に示すとおりである。
[1]
連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む連続繊維強化樹脂を含み、前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有することを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[2]
折曲部と非折曲部とを有し、
前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、前記折曲部と前記非折曲部とである、[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[3]
前記連続繊維強化樹脂を含む第一部材と、前記第一部材に接合し、熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を含む第二部材とを有し、
前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、前記第一部材における前記第二部材との接合部と、前記第一部材における前記接合部以外の部分とである、[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[4]
前記折曲部の数平均分子量Mn1の、前記非折曲部の数平均分子量Mn2に対する割合(Mn1/Mn2)が0.7~0.9である、[2]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[5]
前記第一部材における前記接合部の数平均分子量Mn3の、前記第一部材における前記接合部以外の部分の数平均分子量Mn4に対する割合(Mn3/Mn4)が
0.7~0.9である、[3]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[6]
前記連続強化繊維がガラス繊維である、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[7]
前記連続強化繊維及び前記不連続強化繊維がガラス繊維である、[3]又は[5]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[8]
前記連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、[1]~[7]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[9]
前記連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂及び前記不連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、[3]又は[5]又は[7]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
[10]
熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含む連続繊維強化樹脂複合体の一部のみを加熱して溶融させることを含むことを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
[11]
前記一部のみを加熱して溶融させることは、前記一部以外を遮蔽し、前記一部のみを加熱して溶融させることを含み、
前記一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、型締めすることにより、前記一部を折曲させることを含む、[10]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
[12]
前記連続繊維強化樹脂複合体が第一部材であり、
前記一部のみを加熱して溶融させることは、前記一部以外を遮蔽し、前記一部のみを加熱して溶融させることを含み、
前記一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、加熱した熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を前記一部に接合させて、第二部材を成形することを含む、[10]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
[13]
前記一部の加熱される面積が、前記第一部材と前記第二部材との接合面の面積の90~110%である、[12]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
本発明によれば、劣化が抑制され、強度に優れる繊維強化熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の一例を示す斜視図である。 本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の一例を示す斜視図である。 赤外線遮断プレートで遮蔽された実施例1の連続繊維強化樹脂複合体を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<繊維強化熱可塑性樹脂成形体>
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体(以下、単に「成形体」ともいう。)は、連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む連続繊維強化樹脂を含み、前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有することを特徴とする。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、オイルパン、シートパン、ポンプ、シリンダーヘッドカバー、ギヤボックス、ケース部品等の自動車部品、航空機部品、鉄道部品、住宅建材部品、ロボット部品等に好適に用いることができる。
本実施形態の成形体の大きさ及び形状は、上記部品等の所望される大きさ及び形状に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。
《連続繊維強化樹脂》
本実施形態の成形体に含まれる連続繊維強化樹脂は、連続強化繊維を含有させることにより強度を高めた熱可塑性樹脂である。
使用する連続強化繊維の種類、配合量、太さ、及び方向性等、並びに熱可塑性樹脂の種類及び配合量等を目的に応じて選択することにより、連続繊維強化樹脂の強度及び耐衝撃性等を調整することができる。
[連続強化繊維]
本実施形態の連続繊維強化樹脂に含まれる連続強化繊維は、通常の繊維強化複合材料として使用されるものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール系繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリケトン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等が挙げられる。機械的特性、熱的特性、汎用性の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましく、経済性の面からは、ガラス繊維が好ましい。
上記連続強化繊維は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
連続強化繊維としてガラス繊維を選択した場合、集束剤を用いてもよく、集束剤としては、シランカップリング剤、潤滑剤、及び結束剤を含むことが好ましい。
ガラス繊維及びガラス繊維に用いる集束剤の種類については、特に制限はなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、特開2015-101794号公報に記載のものを用いることができる。
また、連続強化繊維として炭素繊維を選択した場合も同様に、集束剤を用いてもよく、集東剤としては、潤滑剤及び結束剤を含むことが好ましい。
炭素繊維及び炭素繊維に用いる集束剤の種類については、特に制限はなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、特開2015-101794号公報に記載のものを用いることができる。
その他の連続強化繊維を用いる場合においても、連続強化繊維の特性に応じて、ガラス繊維、炭素繊維に用いることが可能な集束剤の種類、付与量を適宜選択して用いることができ、炭素繊維に用いる集束剤に準じた集束剤の種類、付与量とすることが好ましい。
上記連続強化繊維は、単糸又は撚糸であってもよいし、2種以上の強化繊維からなる複合糸であってもよい。
上記強化繊維の平均繊維長は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の長さとすることができるが、成形体の最長辺の長さよりも長いことが好ましい。
上記強化繊維の単糸数は、取扱い性の観点から、30~15,000本であることが好ましい。
また、上記強化繊維の繊度は、取扱い性の観点から、100~50,000dtexであることが好ましい。
上記強化繊維の断面形状は、特に限定されず、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状等)、及び中空状等のいずれであってもよい。
上記強化繊維の平均断面径は、長期特性の観点から、3~25μmであることが好ましい。
なお、強化繊維の平均断面径は、光学顕微鏡、デジタルマイクロスコープや走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定することができる。
連続強化繊維の形態としては、特に限定されないが、例えば、織物、編物、一方向材、多軸織物等が挙げられる。これらは単層でも積層して用いてもよく、それぞれを組み合わせて使用してもよい。連続強化繊維の配向は、成形体に必要とされる強度に応じて任意に選ぶことができ、例えば、0度のみの一軸配向、0度と90度の二軸配向、0度と±30度の三軸配向、0度と±45度と90度の四軸配向等が挙げられる。面内の物性の均一性の観点から複数軸が好ましく、取り扱い性の観点から二軸又は四軸がより好ましい。複数軸の場合、それぞれの軸に配向している繊維量が同一でもよいし、特定の方向の強度が必要な場合はその方向に配向する連続強化繊維の量を増やしてもよい。
連続繊維強化樹脂における連続強化繊維の含有量は、30~80量%であることが好ましく、35~75質量%であることがより好ましい。
[熱可塑性樹脂]
本実施形態の連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;熱可塑性ポリエーテルイミド;テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体等の熱可塑性フッ素系樹脂、及びこれらを変性させた変性熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、結晶性樹脂が好ましく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリエーテルイミド、及び熱可塑性フッ素系樹脂が好ましく、機械的物性、汎用性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂がより好ましく、熱的物性の観点を加えると、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が更に好ましい。また、繰り返し荷重負荷に対する耐久性の観点から、ポリアミド系樹脂が特に好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
--ポリアミド系樹脂--
ポリアミド系樹脂とは、主鎖に-CO-NH-(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、ω-アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その他の上記のラクタム、ジアミン(単量体)、ジカルボン酸(単量体)の詳細に関しては、適宜特開2015-101794号公報に記載のものを用いることができる。
ポリアミドの具体例としては、例えば、ポリアミド4(ポリα-ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、及びポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミド等が挙げられる。
共重合ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、並びにヘキサメチレンテレフタルアミド及び2-メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
-ポリエステル系樹脂-
ポリエステル系樹脂とは、主鎖に-CO-O-(エステル)結合を有する高分子化合物を意味する。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ-1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、適宜特開2015-101794号公報に記載のものを用いることができる。
ポリエステル系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
成形体における連続繊維強化樹脂の含有量は、20~90質量%であることが好ましく、30~80質量%であることがより好ましく、40~70質量%であることが更に好ましい。
[添加剤]
本実施形態の連続繊維強化樹脂には、必要に応じて添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、老化防止剤、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防菌・防黴剤、防臭剤、導電性付与剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、難燃剤、制振剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤等が挙げられる。
添加剤の含有量は、連続繊維強化樹脂100質量%に対して、1質量%以下であることが好ましい。
《連続繊維強化樹脂の製造方法》
連続繊維強化樹脂は、例えば、フィルム状の熱可塑性樹脂とシート状(織物、編物、一方向配列シート、多軸織物等)の強化繊維との積層体を加熱・加圧処理する方法、繊維状の熱可塑性樹脂(樹脂繊維)と強化繊維とからなるシート(織物、編物、一方向配列シート、多軸織物等)を加熱・加圧処理する方法等により、製造することができる。樹脂繊維と強化繊維とからなるシートは、樹脂繊維と強化繊維との混繊糸、コーティング糸、又は含浸糸等を用いて作製してもよい。
上記の加熱・加圧処理としては、例えば、材料を金型に設置し、金型を加熱して金型温度を樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上としたのち、型締め力1~100MPaで型締めして圧縮成形を行う。成形時間は、樹脂の融点又はガラス転移温度に達してから1~30分とし、金型を樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス200℃~樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス10℃まで冷却したのち開放して、連続繊維強化樹脂を得る。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有する。熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分は、例えば、成形体の成形時に、連続繊維強化樹脂を加熱溶融させる部分と加熱溶融させない部分とを生じさせることにより作製することができ、加熱溶融させると、熱可塑性樹脂の数平均分子量は低下する。
熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分の種類は、特に制限されず、例えば、成形体が、数平均分子量が異なる2種類の部分(数平均分子量がaである部分が1カ所以上と、bである部分が1カ所以上の計2種類)からなる場合、数平均分子量が異なる3種類の部分(数平均分子量がaである部分が1カ所以上、bである部分が1カ所以上、cである部分が1カ所以上の計3種類)からなる場合等が挙げられる。成形体の強度の観点からは、2~4種類であることが好ましく、2~3種類であることがより好ましく、2種類であることが更に好ましい。
熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分は、上記のように複数種類ある中から任意の2種類を選択して比較したときに、数平均分子量が低い方の熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnlの、数平均分子量が高い方の熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnhに対する割合(Mnl/Mnh)が、0.7~0.9であることが好ましく、より好ましくは0.75~0.9であり、更に好ましくは0.8~0.9である。Mnl/Mnhが上記範囲であると、成形体全体の劣化が少なく、強度に優れ、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
熱可塑性樹脂の数平均分子量が最も高い部分は、その数平均分子量が、21000~28000であることが好ましく、より好ましくは22000~28000であり、更に好ましくは23000~28000である。
なお、熱可塑性樹脂の数平均分子量は、表面から厚み方向に200μmまでの深さの領域をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定する。具体的には後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分について、成形体の強度の観点から、数平均分子量が最も低い部分の体積の合計の割合が、成形体全体を100体積%として、10~60体積%であることが好ましく、10~40体積%であることがより好ましく、10~20体積%であることが更に好ましい。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、折曲部と非折曲部とを有し、上述の熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、折曲部と非折曲部とであってもよい。
なお、本開示で、折曲部とは、平板状部分とそれに隣接する別の平板状部分との間の境界を成す領域であって、所定の曲率半径を有する部分(角R)の終点位置から両端5mmの範囲を指し、非折曲部とは、折曲部以外の平板状部分を指すものとする。
折曲部と非折曲部とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体の形状としては、例えば、L字型やコの字型等が挙げられる。
図1は、折曲部と非折曲部とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体の一例を示す斜視図であり、繊維強化熱可塑性樹脂成形体1は、折曲部2と非折曲部3とを有し、L字型形状である。
折曲部の数は、特に限定されないが、成形体の強度、成形容易性の観点から、1~4個であることが好ましく、1~3個であることがより好ましく、1~2個であることが更に好ましい。
また、折曲部の体積の合計は、成形体の強度の観点から、成形体全体を100体積%として、10~60体積%であることが好ましく、10~40体積%であることがより好ましく、10~20体積%であることが更に好ましい。
なお、折曲部の体積は、角Rの終点位置から両端5mmの部分を切り取って質量を測定し、密度で除することで算出する。
非折曲部の数、大きさ、及び形状は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の数、大きさ、及び形状とすることができる。
折曲部と非折曲部とは、熱可塑性樹脂の数平均分子量が異なることが好ましい。
折曲部と非折曲部とは、折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn1の、非折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn2に対する割合(Mn1/Mn2)が0.7~0.9であることが好ましく、より好ましくは0.75~0.9であり、更に好ましくは0.8~0.9である。Mn1/Mn2が上記範囲であると、成形体全体の劣化が少なく、強度に優れ、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
Mn1/Mn2を上記範囲に制御する方法としては、例えば、折曲部を形成する際の、連続繊維強化樹脂の加熱時間を調整する方法が挙げられ、加熱時間が長いほど、折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn1は低下する。
なお、上記数平均分子量Mn1及びMn2は、上述のように、表面から厚み方向に200μmまでの深さの領域で測定するものとし、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn1は、折曲部が複数ある場合は、それら複数の折曲部の数平均分子量の平均値とする。同様にして、非折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn2は、非折曲部が複数ある場合は、それら複数の非折曲部の数平均分子量の平均値とする。
折曲部の曲げ強度σ1は、500~700MPaであることが好ましく、600~700MPaであることがより好ましい。曲げ強度σ1は、折曲部の熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn1が高いほど高くなる傾向にある。
また、非折曲部の曲げ強度σ2は、700~900MPaであることが好ましく、800~900MPaであることがより好ましい。曲げ強度σ2は、非折曲部の熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn2が高いほど高くなる傾向にある。
また、折曲部における曲げ強度σ1の、非折曲部における曲げ強度σ2に対する割合(σ1/σ2)が、0.7~0.9であることが好ましく、より好ましくは0.8~0.9である。σ1/σ2が上記範囲であると、折曲部の強度にも優れ、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
なお、上記曲げ強度は、ISO178に準拠して測定される値であり、折曲部の場合は角Rの終点位置から両端5mmの範囲の平面状部分を測定する。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、上述の連続繊維強化樹脂を含む第一部材と、第一部材に接合し、熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂、を含む第二部材とを有し、上述の熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、第一部材における第二部材との接合部と、第一部材における接合部以外の部分とであってもよい。
図2は、第一部材と第二部材とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体の一例を示す斜視図であり、繊維強化熱可塑性樹脂成形体4は、第一部材5と第二部材6とを有する。
〈第一部材〉
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を構成する第一部材は、上述の連続繊維強化樹脂を含み、その表面上で第二部材と接合している。第一部材は、上述の連続繊維強化樹脂のみからなるものであってもよい。
第一部材の大きさ及び形状は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。
本実施形態の第一部材は、第二部材との接合部と、第一部材における接合部以外の部分とで、熱可塑性樹脂の数平均分子量が異なる。
第一部材における接合部の数平均分子量Mn3の、第一部材における接合部以外の部分の数平均分子量Mn4に対する割合(Mn3/Mn4)は、0.7~0.9であることが好ましく、より好ましくは0.75~0.9であり、更に好ましくは0.8~0.9である。Mn3/Mn4が上記範囲であると、成形体全体の劣化が少なく、強度に優れ、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
Mn3/Mn4を上記範囲に制御する方法としては、例えば、第一部材と第二部材とを接合する際の、第一部材の加熱時間を調整する方法が挙げられ、加熱時間が長いほど、折曲部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn3は低下する。
なお、上記数平均分子量Mn3及びMn4は、上述のように、表面(接合部の場合は、第二部材との接合面)から厚み方向に200μmまでの深さの領域で測定するものとし、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
第一部材の接合部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn3は、接合部が複数ある場合は、それら複数の接合部の数平均分子量の平均値とする。同様にして、第一部材における接合部以外の部分の数平均分子量Mn4は、接合部以外の部分が複数ある場合は、それら複数の接合部以外の部分の数平均分子量の平均値とする。
本実施形態の第一部材は、第二部材との接合部における曲げ強度σ3が、500~700MPaであることが好ましく、600~700MPaであることがより好ましい。曲げ強度σ3は、第一部材の接合部における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn3が高いほど高くなる傾向にある。
また、本実施形態の第一部材は、接合部以外の部分における曲げ強度σ4が、700~900MPaであることが好ましく、800~900MPaであることがより好ましい。曲げ強度σ4は、第一部材の接合部以外の部分における熱可塑性樹脂の数平均分子量Mn3が高いほど高くなる傾向にある。
また、本実施形態の第一部材は、接合部における曲げ強度σ3の、接合部以外の部分における曲げ強度σ4に対する割合(σ3/σ4)が、0.7~0.9であることが好ましく、より好ましくは0.8~0.9である。σ3/σ4が上記範囲であると、接合部の強度にも優れ、成形体を外部からの衝撃を受けやすい車両部品等に用いた場合にも、衝撃に耐え得る十分な強度を有するものとなる。
なお、上記曲げ強度は、ISO178に準拠して測定される値であり、第二部材との接合部の場合は、当該接合部を切り取り、第一部材を切り出して測定する。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
〈第二部材〉
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を構成する第二部材は、熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を含み、第一部材の表面上で第一部材と接合している。第二部材は、不連続繊維強化樹脂のみからなるものであってもよい。
第二部材は、第一部材の任意の表面の全体と接合しているのではなく、第一部材の任意の表面上に断続的に配置されて接合しているものとする。
第二部材の大きさ及び形状は、特に限定されず、所望される成形体の大きさ及び形状等に依存して種々の大きさ及び形状とすることができる。例えば、形状は、リブ(格子状、放射状、円状、波状等)又はボス(筒状、柱状、錐状等)等であってもよい。
《熱可塑性樹脂単体》
熱可塑性樹脂単体における熱可塑性樹脂の種類としては、上述の連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同様のものが挙げられ、連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同じであっても異なっていてもよく、SP値が近いもの同士が好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
《不連続繊維強化樹脂》
本実施形態の第二部材に含まれる不連続繊維強化樹脂は、不連続強化繊維を含有させることにより強度を高めた熱可塑性樹脂である。
使用する不連続強化繊維の種類、配合量、太さ、及び方向性等、並びに熱可塑性樹脂の種類及び配合量等を目的に応じて選択することにより、不連続繊維強化樹脂の強度及び耐衝撃性等を調整することができる。
不連続繊維強化樹脂は、連続繊維強化樹脂とは異なり、溶融時に樹脂中の強化繊維も流動するため、成形体の成形時に金型の複雑な形状の細部まで流れ込むことができ、成形体の複雑な形状の部分を構成することができる。
[不連続強化繊維]
本実施形態の不連続繊維強化樹脂に含まれる不連続強化繊維は、樹脂中にランダムに分散されていてもよいし、ランダムに配向された不連続繊維を有するランダム配向材(不織布等)として構成されていてもよい。
不連続強化繊維は、短繊維、長繊維、ランダム繊維のいずれであってもよい。
不連続強化繊維の平均繊維長は、0.05~20mmであることが好ましく、より好ましくは0.10~15mm、更に好ましくは0.15~10mmである。
特に、不連続繊維強化樹脂を射出成形することにより第二部材を成形する場合は、不連続強化繊維の平均繊維長は、3mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.01~2.5mm、更に好ましくは0.05~2.0mm、更により好ましくは0.10~1.5mmである。不連続強化繊維の平均繊維長が3mm未満であると、射出成形時に不連続繊維強化樹脂の流動性が良好となり、金型の複雑な形状の細部へと樹脂だけでなく不連続強化繊維も流動するため、複雑な形状でありながら強度の高い成形体を製造することができる。
また、特に、不連続繊維強化樹脂をプレス成形することにより第二部材を成形する場合は、不連続強化繊維の平均繊維長は、3mm以上であることが好ましく、より好ましくは5~60mm、更に好ましくは10~45mm、更により好ましくは15~40mmである。不連続強化繊維の平均繊維長が3mm以上であると、強度の高い成形体を製造することができる。
なお、不連続強化繊維の平均繊維長は、成形体を焼却したのちに残存する不連続強化繊維の長さの平均値である。
上記不連続強化繊維の種類としては、上述の連続強化繊維と同様のものが挙げられ、連続強化繊維と同じであっても異なっていてもよい。
上記不連続強化繊維は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
不連続繊維強化樹脂における不連続強化繊維の含有量は、30~80質量%であることが好ましく、35~75質量%であることがより好ましい。
[熱可塑性樹脂]
不連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂の種類としては、上述の連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同様のものが挙げられ、連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂と同じであっても異なっていてもよく、SP値が近いもの同士が好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
[添加剤]
本実施形態の不連続繊維強化樹脂には、必要に応じて添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、老化防止剤、酸化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防菌・防黴剤、防臭剤、導電性付与剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、難燃剤、制振剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤等が挙げられる。
添加剤の含有量は、不連続繊維強化樹脂100質量%に対して、1質量%以下であることが好ましい。
成形体における不連続繊維強化樹脂の含有量は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが更に好ましい。
《不連続繊維強化樹脂の製造方法》
不連続繊維強化樹脂は、例えば、樹脂に強化繊維を混錬して分散させる方法、フィルム状の樹脂とシート状(不織布等)の強化繊維との積層体を加熱・加圧処理する方法等により、製造することができる。
上記の加熱・加圧処理としては、例えば、材料を金型に設置し、金型を加熱して金型温度を樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上としたのち、型締め力1~100MPaで型締めして圧縮成形を行う。成形時間は、樹脂の融点又はガラス転移温度に達してから1~30分とし、金型を樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス200℃~樹脂の融点又はガラス転移温度マイナス10℃まで冷却したのち開放して、不連続繊維強化樹脂を得る。
<繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法>
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含む連続繊維強化樹脂複合体の一部のみを加熱して溶融させることを含む。
連続繊維強化樹脂複合体の一部のみを加熱するため、この加熱された一部以外の部分では熱可塑性樹脂の分子量の低下及び劣化が抑制され、強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得ることができる。
〈連続繊維強化樹脂複合体〉
連続繊維強化樹脂複合体(以下、単に「複合体」ともいう。)は、熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含み、それぞれ上述の熱可塑性樹脂及び連続強化繊維を用いることができる。
連続繊維強化樹脂複合体の製造方法は、特に限定されないが、プレス成形であることが好ましく、熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含む連続繊維強化樹脂を複合体用金型内に設置し、型締めすることにより製造することができる。
複合体を製造する際、連続繊維強化樹脂は、複合体用金型に設置する前に加熱してもよい。加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、複合体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
複合体用金型の温度は、連続繊維強化樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。複合体成形時の型締め力は、好ましくは0.01~20MPa、より好ましくは0.1~15MPaである。
型締め後、複合体用金型の温度を連続繊維強化樹脂のガラス転移温度以下に降下させて複合体を冷却固化させた後、複合体用金型を開放し、複合体を離型する。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法において、連続繊維強化樹脂複合体の一部のみを加熱して溶融させることは、当該一部以外を遮蔽し、当該一部のみを加熱して溶融させることを含んでいてもよい。
連続繊維強化樹脂複合体の加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、レーザ、温風(加熱蒸気)、バーナー等を用いる方法が挙げられる。加熱温度は、複合体を構成する熱可塑性樹脂の融点以上又はガラス転移温度以上、熱分解温度以下とすることが好ましい。
複合体の一部以外を遮蔽し、当該一部のみを加熱する手法としては、例えば、当該一部以外を赤外線遮蔽プレートで覆い、IRヒーターで加熱する方法、当該一部以外を断熱板で覆い、IRヒーター、レーザ、温風などで加熱する方法等が挙げられる。
本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、型締めすることにより、前記一部を折曲させることを含んでいてもよい。この場合、連続繊維強化樹脂複合体は、金型内での折曲が容易になることから、平板状であることが好ましい。
上記方法によれば、上述の折曲部と非折曲部とを有し、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が折曲部と非折曲部とである繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造することができる。即ち、加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体の一部を折曲させることにより、折曲部を形成することができ、それ以外の部分を非折曲部とすることができる。また、折曲させた上記一部は、加熱溶融されるため、加熱溶融されていない部分に比べて熱可塑性樹脂の数平均分子量が低下する。そのため、折曲部と非折曲部とは、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分となる。
連続繊維強化樹脂複合体を加熱して折曲させる際に加熱される面積が、各折曲部の90~110%であることが好ましく、より好ましくは95~110%、更に好ましくは100~110%である。各折曲部の加熱される面積が上記範囲であると、加熱された面以外の部分において熱可塑性樹脂の分子量の低下及び劣化が抑制されるとともに、強度の高い成形体を得ることができる。
連続繊維強化樹脂複合体を金型に設置後、1~180分間保持することにより、折曲部を形成する。その際の金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミドである場合は、ガラス転移温度+10~80℃とすることが好ましく、中でもポリアミド66の場合は、ガラス転移温度+40~80℃であることが好ましい。また、このときの型締め力は、好ましくは0.01~20MPa、より好ましくは0.1~15MPaである。
また、本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法において、連続繊維強化樹脂複合体が第一部材であり、一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、加熱した熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を前記一部に接合させて、第二部材を成形することを含んでいてもよい。
この方法により、上述の連続繊維強化樹脂を含む第一部材と、第一部材に接合し、熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を含む第二部材とを有し、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、第一部材における第二部材との接合部と、第一部材における接合部以外の部分とである繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造することができる。第一部材の一部(第二部材との接合部となる部分)は、加熱溶融されるため、熱可塑性樹脂の数平均分子量が低下する。そのため、成形体の第一部材において、接合部と接合部以外の部分とは、熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分となる。接合部の数平均分子量が低下していると、分子運動性が高くなり、第一部材と第二部材とで樹脂の分子の絡み合いができ、接合強度が高まるため好ましい。
第一部材の一部を加熱して溶融させる際に、第二部材を接合させる表面のみを加熱して溶融させてもよく、第一部材の加熱される面積が、第一部材と前記第二部材との接合面の面積の90~110%であることが好ましく、より好ましくは95~110%、更に好ましくは100~110%である。第一部材の加熱される面積が上記範囲であると、加熱された面以外の部分において熱可塑性樹脂の分子量の低下及び劣化が抑制されるとともに、第一部材と第二部材との接着性に優れ、強度の高い成形体を得ることができる。
上記製造方法において、不連続繊維強化樹脂を用いて第二部材を成形する方法は、射出成形又はプレス成形のいずれであってもよい。第二部材の形状が複雑な場合は、金型の複雑な形状の細部まで不連続繊維強化樹脂をより良好に流れ込ませることができることから、射出成形が好ましい。また、第二部材の強度を高める観点からは、より繊維長の長い不連続強化繊維を含む不連続繊維強化樹脂を用いることができることから、プレス成形が好ましい。
第二部材を射出成形する場合の、不連続繊維強化樹脂の射出充填のタイミングは、連続繊維強化樹脂の型締めから30秒以内であることが好ましい。
射出条件としては、射出ユニットのシリンダー温度を270~320℃、充填圧力を1~150MPa、射出速度を5~150mm/秒、保持圧力を3~200MPaに設定することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の射出充填後、1~180分間保持することにより、第一部材と第二部材とを接合する。その際の金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミドである場合は、ガラス転移温度+10~80℃とすることが好ましく、中でもポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+40~80℃とすることが好ましい。また、このときの型締め力は、好ましくは0.01~20MPa、より好ましくは0.1~15MPaである。
第二部材をプレス成形する場合は、第一部材の一部を加熱してから30秒以内に加熱した不連続繊維強化樹脂を設置することが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の加熱方法は、特に限定されず、IRヒーター、加熱炉、予熱ロール等を用いる方法、成形体用金型とは別の金型内で加熱する方法等が挙げられる。不連続繊維強化樹脂の加熱温度は、樹脂の分解温度以下とすることが好ましい。
不連続繊維強化樹脂の設置後、0.1~3分間保持することにより、第一部材と第二部材とを接合する。その際の成形体用金型の温度は、繊維強化樹脂のガラス転移温度以上、融点以下に設定し、常に一定温度に温調しておくことが好ましい。特に、繊維強化樹脂の樹脂がポリアミド66である場合は、ガラス転移温度+10~80℃とすることが好ましい。また、型締め力は、好ましくは0.01~20MPa、より好ましくは0.1~15MPaである。
なお、本実施形態の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法に用いる金型は、凹部のテーパー角度が0.5~15°であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
実施例及び比較例において使用した測定方法は、以下のとおりである。
(1)熱可塑性樹脂の数平均分子量
実施例及び比較例で得られた繊維強化熱可塑性樹脂成形体について、折曲部及び非折曲部、又は、第一部材の接合部及び接合部以外の部分における熱可塑性樹脂の数平均分子量を、以下のようにして測定した。
成形体の各部分について、ミクロトームを用い、表面から厚み方向に200μmの位置に深さを指定して当該深さまでを削り取ることにより、サンプルを得た。折曲部の場合は、角Rの頂点部から両端200μmの位置までを削り取った。
得られたサンプルについて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC-8020;東ソー株式会社)により、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒、ポリメチルメタクリレート分子量換算用標準サンプル(ポリマーラボラトリー社)を用いて数平均分子量を測定した。なお、GPCカラムはTSK-GEL社、GMHHR-M社、及びG1000HHR社製のものを使用した。
(2)曲げ強度
実施例及び比較例で得られた繊維強化熱可塑性樹脂成形体について、折曲部及び非折曲部、又は、第一部材の接合部及び接合部以外の部分における曲げ強度を測定した。
成形体の各部分から、80mm×5mm×2mmの試験片を切り出し、試験片幅が5mmである以外はISO178に準拠して、23℃にて曲げ強度(MPa)を測定した。
なお、折曲部については、角Rの終点位置から両端5mmの範囲の平面状部分を測定した。また、第一部材の接合部については、接合部を切り取り、第一部材を切り出して測定した。
<材料>
実施例及び比較例において使用した材料は以下のとおりである。
[連続繊維強化樹脂]
・連続繊維強化樹脂X:以下のようにして、連続繊維強化樹脂Xを製造した。
(連続強化繊維)
ガラス繊維(「ER1200T-423」日本電気硝子株式会社製)
(熱可塑性樹脂)
ポリアミド樹脂A:ポリアミド66(「レオナ1402S」旭化成株式会社製)とカーボンブラックマスターバッチ(「LC050M-33943-M」旭化成株式会社製)とを4:1の質量比でドライブレンドしたもの
〈ガラスクロスの製造〉
レピア織機(織幅2m)を用い、上記ガラス繊維を経糸及び緯糸として用いて製織することにより、ガラスクロスを製造した。得られたガラスクロスの織形態は2/2綾織、織密度は6.5本/25mm、目付は600g/mであった。
〈ポリアミド樹脂フィルムの製造〉
上記ポリアミド樹脂AをTダイ押出成形機(株式会社創研製)を用いて成形することにより、厚さ200μmのフィルムを得た。
〈連続繊維強化樹脂Xの製造〉
成形機(最大型締め力50トンの油圧成形機、株式会社ショージ製)及びインロー構造の平板(縦250mm×横390mm×厚み2mm)用金型を準備した。
上記で得られたガラスクロス6枚とポリアミド樹脂Aのフィルム7枚とを金型形状に合わせて切断し、ポリアミド樹脂Aのフィルムが表面となるようにガラスクロスとポリアミド樹脂Aのフィルムとを交互に重ね(A/G/A/G/A/G/A/G/A/G/A/G/Aの順、Aはポリアミド樹脂Aのフィルム、Gはガラスクロス)、金型内に設置した。なお、ガラスクロスは、全ての繊維配向(タテ糸方向及びヨコ糸方向)が金型の縦方向及び横方向と一致するようにした。
成形機内熱板温度が330℃となるように加熱し、次いで型締め力5MPaで型締めして、圧縮成形を行った。成形時間は、ポリアミド66の融点である265℃に達してから1分とし、金型を100℃まで急却したのちに開放して、連続繊維強化樹脂X(縦250mm×横390mm×厚み2mm)を得た。
[不連続繊維強化樹脂]
・不連続繊維強化樹脂Y:ガラス短繊維強化ポリアミド66(「レオナ14G33」旭化成株式会社製、ガラス繊維:33質量%、平均繊維長0.5mm)
[実施例1]
連続繊維強化樹脂X1枚を複合体用プレス金型の所定の位置に配置し、5Paの型締め力でプレスすることにより、平板状の連続繊維強化樹脂複合体(縦140mm×横390mm×厚み2mm)を製造した。成形時間は3分とし、金型を150℃まで急却後、開放して連続繊維強化樹脂複合体を離型した。
次に、図3に示すように、連続繊維強化樹脂複合体7の両主面うち、加熱する一部の表面(縦140mm×横15mm)以外の部分を赤外線遮断プレート8で覆った後、IRヒーターで両主面の表面温度が300℃になるまで加熱して、上記一部のみを溶融させた。
続いて、連続繊維強化樹脂複合体を成形体用プレス金型(140℃)に設置し、10MPaで30秒間型締めすることにより、上記で加熱溶融させた一部を折曲させた。金型を開放して離型し、図1に示すようなL字型の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例2]
表面温度が320℃になるまでIRヒーターで加熱した以外は実施例1と同様にして、折曲部と非折曲部とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例1]
連続繊維強化樹脂複合体を赤外線遮断プレートで覆わず、複合体の両主面全体を加熱して溶融させた以外は実施例1と同様にして、折曲部と非折曲部とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[比較例2]
連続繊維強化樹脂複合体を加熱しないこと以外は実施例1と同様にして、折曲部と非折曲部とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表1に示す。
[実施例3]
連続繊維強化樹脂X1枚を複合体用プレス金型の所定の位置に配置し、5Paの型締め力でプレスすることにより、平板状の連続繊維強化樹脂複合体(縦210mm×横210mm×厚み2mm)を製造した。成形時間は3分とし、金型を150℃まで急却後、開放して連続繊維強化樹脂複合体を離型した。
次に、図3に示すように、連続繊維強化樹脂複合体7の両主面うち、加熱する一部の表面(縦210mm×横3mm)以外の部分を赤外線遮断プレート8で覆った後、IRヒーターで両主面の表面温度が320℃になるまで加熱して、上記一部のみを溶融させた。
続いて、連続繊維強化樹脂複合体を第一部材として成形体用プレス金型(140℃)に設置して15MPaで型締めし、成形体用プレス金型のキャビティ内に射出ユニットから不連続繊維強化樹脂Yをシリンダー設定温度290℃、射出圧力150MPa、射出速度100mm/sec、保持圧力100MPaで射出充填して、第二部材を成形した。
3分間保持することにより、第一部材と第二部材とを接合させた。成形体用プレス金型を140℃まで冷却して冷却固化を行い、金型を開放して離型し、図2に示すような形状の繊維強化熱可塑性樹脂成形体(第一部材:縦210mm×横210mm×厚み2mm、第二部材:縦210mm×横3mm×高さ30mm)を得た。
なお、成形体用プレス金型の凹部側面のテーパー角度は3°とした。また、第一部材の繊維配向(タテ糸方向又はヨコ糸方向)は、第二部材の縦方向(長手方向)と一致するようにした。
得られた成形体の各物性を表2に示す。
[実施例4]
表面温度が340℃になるまでIRヒーターで加熱した以外は実施例3と同様にして、第一部材と第二部材とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表2に示す。
[実施例5]
第一部材の一方の主面(第二部材を接合させる側の面)の一部のみを加熱して溶融させた以外は実施例3と同様にして、第一部材と第二部材とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表2に示す。
[比較例3]
第一部材を赤外線遮断プレートで覆わず、第一部材の両主面全体を加熱して溶融させた以外は実施例3と同様にして、第一部材と第二部材とを有する繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得た。
得られた成形体の各物性を表2に示す。
Figure 2023111522000001
Figure 2023111522000002
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、成形体全体の劣化が抑制され、強度に優れるため、特に、オイルパン、シートパン、ポンプ、シリンダーヘッドカバー、ギヤボックス、ケース部品等の自動車部品、航空機部品、鉄道部品、住宅建材部品、ロボット部品等への適用に好適である。
1、4:繊維強化熱可塑性樹脂成形体
2:折曲部
3:非折曲部
5:第一部材
6:第二部材
7:連続繊維強化樹脂複合体
8:赤外線遮断プレート

Claims (13)

  1. 連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む連続繊維強化樹脂を含み、前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分を有することを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  2. 折曲部と非折曲部とを有し、
    前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、前記折曲部と前記非折曲部とである、請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  3. 前記連続繊維強化樹脂を含む第一部材と、前記第一部材に接合し、熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を含む第二部材とを有し、
    前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が互いに異なる部分が、前記第一部材における前記第二部材との接合部と、前記第一部材における前記接合部以外の部分とである、請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  4. 前記折曲部の数平均分子量Mn1の、前記非折曲部の数平均分子量Mn2に対する割合(Mn1/Mn2)が0.7~0.9である、請求項2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  5. 前記第一部材における前記接合部の数平均分子量Mn3の、前記第一部材における前記接合部以外の部分の数平均分子量Mn4に対する割合(Mn3/Mn4)が0.7~0.9である、請求項3に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  6. 前記連続強化繊維がガラス繊維である、請求項1~5のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  7. 前記連続強化繊維及び前記不連続強化繊維がガラス繊維である、請求項3又は5に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  8. 前記連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項1~7のいずれか一項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  9. 前記連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂及び前記不連続繊維強化樹脂に含まれる熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項3又は5又は7に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体。
  10. 熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含む連続繊維強化樹脂複合体の一部のみを加熱して溶融させることを含むことを特徴とする、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  11. 前記一部のみを加熱して溶融させることは、前記一部以外を遮蔽し、前記一部のみを加熱して溶融させることを含み、
    前記一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、型締めすることにより、前記一部を折曲させることを含む、請求項10に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  12. 前記連続繊維強化樹脂複合体が第一部材であり、
    前記一部のみを加熱して溶融させることは、前記一部以外を遮蔽し、前記一部のみを加熱して溶融させることを含み、
    前記一部のみを加熱して溶融させた連続繊維強化樹脂複合体を成形体用金型内に設置し、加熱した熱可塑性樹脂単体及び/又は不連続強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む不連続繊維強化樹脂を前記一部に接合させて、第二部材を成形することを含む、請求項10に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  13. 前記一部の加熱される面積が、前記第一部材と前記第二部材との接合面の面積の90~110%である、請求項12に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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