JP2004216579A - 成形品とその射出成形方法 - Google Patents

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紀彦 古谷
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の平均分子量、樹脂組成の制限がなく、樹脂温度、金型温度を必要以上に高くすることなく、成形品にヒケが発生しにくく、シボ面の転写性が良好で光沢度が高い射出成形品を得ることを課題とする。
【解決手段】溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより得られるものであることを特徴とする成形品。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物による成形品とその射出成形方法に関する。
さらに詳しくは、熱可塑性樹脂組成物による成形品であって、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより得られるものであることを特徴とする成形品とその射出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して不活性である気体、液体などの流体を混合させた後、該混合物を金型キャビティへ充填する射出成形方法は、技術が確立しつつあり、既に、この射出成形方法により量産が開始された成形品も存在している。
この射出成形方法に用いられる熱可塑性樹脂に対して不活性な気体、液体などの流体は、窒素またはこれらの混合体から選択されることが多い。これらは、大気圧以上に圧力調整されていることが多い。また、超臨界状態になるように温度、圧力を調整した後、熱可塑性樹脂組成物に混合させる例も少なくない。
【0003】
熱可塑性樹脂組成物に対して不活性な気体、液体などの流体を超臨界状態に保ちながら熱可塑性樹脂に混合させた後、該混合物をキャビティへ充填することにより発泡成形品を得る射出成形方法は、特許第2625576号公報などにより公開されている。
しかし、熱可塑性樹脂組成物と超臨界状態にある窒素を熱可塑性樹脂組成物に混合させた後、金型キャビティへ充填する射出成形方法においては、得られた成形品の表面には発泡模様(以下、「スワール・マーク」と呼ぶ)が発生するため、得られた射出成形品の表面は光沢がなく、外観特性や金型転写性が良好ではないことが多い。
【0004】
このスワール・マークの発生は、該混合物が射出成形機からキャビティへ充填された際に該混合物の有する圧力が低下、開放されることにより発泡すると考えられ、この時発生した発泡跡が樹脂の冷却後も残存することにより、スワール・マークとなると想像される。また、このスワール・マークは、微細な凹凸形状であるため、破壊の起点となりやすい。
一方、従来から、熱可塑性樹脂に窒素を吸収させることにより、熱可塑性樹脂の可塑剤として働き、ガラス転移温度を低下させることが知られ、J.Appl.Polym.Sci.,Vol.30,2633(1985)など、多くの文献に示されている。しかし、現在まで、熱可塑性樹脂の成形加工に広く応用されるには至っていない。
【0005】
一方、特開平5−318541号公報には、窒素などのガスを熱可塑性樹脂中に含ませ、キャビティ内のガスを除去しながら該樹脂をキャビティに充填することで、熱可塑性樹脂の流動性を向上させた上で、熱可塑性樹脂成形品を得る方法が示されている。
しかし、この方法は、ガスに窒素を使用した場合、最大でも約0.18重量%と熱可塑性樹脂中に含まれるガスの量が少なく、十分な流動性向上の効果を得ることは難しいため、高い寸法精度と寸法安定性を有する射出成形品を得ることは難しいといえる。
【0006】
また、上記公報による射出成形方法は、大気圧下、40℃でガス体となる化合物を含有する熱可塑性樹脂を、大気に開放された状態、または、減圧された状態にある金型キャビティへ射出する方法である。上記化合物を含有する熱可塑性樹脂を、大気圧または減圧環境下にある金型キャビティへ射出すると、ガス体が発泡するため、得られた成形品の表面にはスワール・マークが発生する。
一方、複雑な形状である成形品、成形品重量が大きい成形品を得る場合、流動長(L)と製品厚さ(T)との比(L/T)が大きい成形品を得る場合、粘度の高い熱可塑性樹脂組成物による成形品を得る場合など、1点のゲートでは熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填することが困難である場合には、ゲート点数を多くすることにより解決することが一般的である。ゲート点数を多くすることにより、流動末端部分まで短時間で熱可塑性樹脂を充填できるほか、金型キャビティ内に充填された熱可塑性樹脂の圧力分布が均一になりやすい。
【0007】
しかし、ゲート点数の多い金型により射出成形された成形品は、少なからず樹脂の流動が合流するウェルド部分が発生する。このため、成形品表面にウェルド・ラインと呼ばれる線状の外観不良が発生するほか、機械的強度が低下するため好ましくない。
WO98/52734号公報には、熱可塑性樹脂の射出成形において、二酸化炭素を0.2重量%以上溶解して粘度を低下させた溶融樹脂を、あらかじめ溶融樹脂のフリーフロントで発泡が起きない圧力以上に窒素などのガスにより加圧状態に保った金型キャビティに充填する方法が示され、ウェルド・ラインが目立たなくなるほか、型表面の再現性、光沢度の向上、型表面のシャープエッジの再現性、微細な型表面の凹凸の再現性などに対して効果的であることが記載されている。
【0008】
しかし、二酸化炭素は熱可塑性樹脂に混合させた際の発泡力が窒素と比較して弱いため、肉厚成形品ではヒケの発生が懸念される。
ガラス繊維により強化された熱可塑性樹脂成形品の成形方法および成形品に関しては、特開2001−277278号公報により公開されている。これは、ガラス繊維強化された熱可塑性樹脂に窒素を混合させた後、二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填し、樹脂の充填後に金型容積を拡大する工程を有することにより発泡成形品を得る方法であり、金型拡大工程において金型キャビティへを加圧保持していた二酸化炭素を開放することを特徴とする。
【0009】
この方法では金型構造が複雑になるほか、窒素により金型キャビティ内を加圧保持する方法が明確でないほか、この窒素を開放する際に金型を破損する恐れがある。
超臨界状態の窒素などの物理的発泡剤を溶解させた溶融樹脂を加圧保持された金型キャビティに充填し、この加圧保持を開放することにより金型キャビティ内の樹脂を発泡する薄肉部分を有する成形品の成形方法が特開2001−277280号公報により公開されている。
【0010】
この方法においては、得られた成形品のうち、成形機の射出動作により得られた部分と、カウンタープレッシャーを開放し、樹脂が発泡することにより得られた部分の外観特性に違いがあるほか、境界部分に筋状の溝が形成される恐れがある。成形品の表面に筋状の溝があることは、外観特性の観点から好ましくないほか、ノッチ効果による強度低下を招くため好ましくないといえる。
一方、従来から、熱可塑性樹脂による射出成形品は、電気・電子機器、自動車、一般機械、精密機械、工業部品などの各分野において、機構部品、内外装部品として幅広く利用されている。最近の傾向としては、生産性に優れる、軽量である、錆びない、リサイクルが容易という理由から、その利用範囲は拡大している。
【0011】
さらに、各分野のハイテク化、高精度化、高機能化、小型化、製品デザインの複雑化、塗装の省略など、熱可塑性樹脂による射出成形品に対する寸法精度、外観特性への要求が高度化してきているほか、可能な限り肉厚の薄い成形品が望まれている。これらの要望に応えることが技術的な課題となっている。
一方、熱可塑性樹脂成分と無機系および/または有機系である充填剤により構成された熱可塑性樹脂組成物は数多く開発され、利用されてきた。
【0012】
これは、熱可塑性樹脂組成物に、無機系および/または有機系である充填剤を添加することにより、強度を付与すること、剛性を向上させること、寸法精度を確保すること、比重を調整することなどの目的を達成することが可能であるためである。
しかし、一部の添加剤を除くと、非晶性樹脂に添加された充填剤は、得られた射出成形品の表面に存在することが多く、表面には光沢がない、ザラつき感がある射出成形品であることが多い。このため、外観特性を重視する用途へ用いる際には、充填剤の種類と添加量は制限されることが多い。
【0013】
表面に充填剤が存在しない、外観特性に優れた射出成形品を得る方法は、特開平8−90623号公報、特開平8−309813号公報などにより公開されている。これらは、高周波誘導コイルを用いた成形装置、金型を用いる射出成形方法であり、成形サイクル中に、高周波誘導コイルによる加熱により、金型温度を一時的に上昇させ、この金型温度が下がる前に溶融状態の樹脂を金型キャビティに充填する射出成形方法である。
【0014】
これら、高周波誘導コイルを用いた射出成形方法は、高周波による金型キャビティの加熱に電力消費が多いこと、コイルによる加熱が可能である形状、面積に制限がある点などが問題となることがある。
一方、射出成形時の条件を工夫することによって、成形後に発生する反り、変形、歪みが少なく、高い寸法精度を維持する方法、また、肉厚の薄い成形品を得る方法が考えられる。
【0015】
例えば、樹脂温度を高く設定することにより、金型キャビティへ充填する際の溶融粘度を低下させる、また、金型温度を高く設定することにより、金型キャビティ内に充填された樹脂の粘度低下速度を鈍化させることが考えられる。
しかし、樹脂温度を高くする方法はその条件に、ある程度の範囲があり、限界がある。
例えば、樹脂温度が高すぎる場合には樹脂の分解を促すため、樹脂の劣化など、不具合の発生が心配される。また、射出成形品の表面にシルバー(または「銀条痕」)と呼ばれる外観不良が発生するほか、熱可塑性樹脂から発生した分解ガスにより金型の汚れが発生しやすくなる。これらは、作業環境の悪化、金型の分解掃除作業の発生など、作業性の低下を招くため好ましくない。
【0016】
また、樹脂温度を高くすることは、冷却、固化の過程において、樹脂自体の容積変化量が大きくなるため、ヒケ、ボイドなどの発生原因になりやすいほか、樹脂の冷却に時間を要するため、生産性の低下が懸念される。
一方、金型温度を高くした場合には、金型内に充填された樹脂の冷却時間が長くなるため、必然的に成形サイクル時間が長くなるほか、取り出し時の成形品寸法が小さくなるといった問題が発生しやすい。
【0017】
また、金型温度を高めた射出成形で、冷却時間が十分でなく、樹脂の冷却が不十分である場合には、取り出し時の射出成形品の温度が高い状態にある。このため、金型から射出成形品を取り出した後、この射出成形品自体の温度が雰囲気温度まで、徐々に温度が下がる間に、体積収縮や、自重による変形を発生する恐れがある。これは寸法精度を悪化させる原因となる。
肉厚をできるだけ均一にするなど、成形品の製品設計を工夫することによって、成形後の変形を抑え、収縮が均一になるよう配慮されることも一般的である。
【0018】
【特許文献1】
特許第2625576号公報
【特許文献2】
特開平8−90623号公報
【特許文献3】
特開平8−309813号公報
【特許文献4】
特開平5−318541号公報
【特許文献5】
WO98/52734号公報
【特許文献6】
特開2001−277278号公報
【特許文献7】
特開2001−277280号公報
【非特許文献1】
J.Appl.Polym.Sci.,Vol.30,2633(1985)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物による成形品設計の自由度を損なわず、熱可塑性樹脂の平均分子量、樹脂組成を制限することなく、樹脂温度、金型温度を必要以上に高くすることなく、射出成形を実施することを課題とする。
具体的には、本発明は、熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填することが容易であり、冷却工程において樹脂の体積収縮に伴うヒケが発生しにくく、シボ面においてはその転写性が良好であり、また、シボのない表面においては光沢度が高い射出成形品を得ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、熱可塑性樹脂組成物による成形品設計の自由度を損なわず、熱可塑性樹脂の平均分子量、樹脂組成を制限することなく、樹脂温度、金型温度を必要以上に高くすることなく、熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填することが容易であり、冷却工程において樹脂の体積収縮に伴うヒケが発生しにくく、シボ面においてはその転写性が良好であり、また、シボのない表面においては光沢度が高い射出成形品を得ることを可能とすべく、検討した。
【0021】
その結果、熱可塑性樹脂組成物による成形品であって、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより得られるものであることを特徴とする成形品が、熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填することが容易であり、ウェルド・ラインが目立たず、冷却工程において樹脂の体積収縮に伴うヒケが発生しにくく、成形品の軽量化が可能であり、シボ面においてはその転写性が良好であり、また、シボのない平滑面においては光沢度が高い射出成形品を得ることを可能とすることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0022】
即ち、本発明は、
1. 熱可塑性樹脂組成物による成形品であって、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより得られるものであることを特徴とする成形品、
2. 熱可塑性樹脂組成物が、非晶性樹脂組成物であることを特徴とする上記1に記載の成形品、
3. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくとも非晶性樹脂成分、無機系充填剤および/または有機系充填剤により構成されていることを特徴とする上記1または2に記載の成形品、
【0023】
4. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリフェニレンエーテル樹脂成分を含むポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の成形品、
5. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリフェニレンエーテル樹脂成分と少なくとも1種類の他の樹脂成分とをブレンド、またはグラフト重合させることにより変性させてなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする上記1から4のいずれかに記載の成形品、
6. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート樹脂成分を含むポリカーボネート系樹脂であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の成形品、
【0024】
7. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体成分を含むABS系樹脂であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物による成形品、
8. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、筐体部品であることを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の成形品、
9. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、OA機器の筐体部品であることを特徴とする上記1から7のいずれかに記載の成形品、
10. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、該成形品内部に発泡部分を有することを特徴とする上記1から9のいずれかに記載の成形品、
【0025】
11. 溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得ることを特徴とする上記1に記載の射出成形方法、
12. 成形機の加熱筒内において、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得ることを特徴とする上記11に記載の射出成形方法、
【0026】
13. 熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得る射出成形方法であって、該混合物を該金型キャビティに充填した後、任意に設定した圧力、任意に設定した時間、該混合物を加圧保持する工程を有することを特徴とする上記11または12に記載の射出成形方法、
14. 熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得る射出成形方法であって、該混合物の充填開始以前に大気圧以上に調節された二酸化炭素を金型キャビティに導入することにより金型キャビティを加圧保持し、該混合物の充填開始以後、金型を開くまでの間に金型キャビティ内を加圧保持していた二酸化炭素を開放することを特徴とする上記11から13のいずれかに記載の射出成形方法、に関する。
【0027】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物とは、加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化する特徴を有する熱可塑性樹脂を主成分とした樹脂組成物を指すものである。
具体的には、ポリスチレン(以下PSと略す)系樹脂、ポリフェニレンエーテル(以下PPEと略す)系樹脂、PPE系樹脂を他の樹脂とブレンド、または、グラフト重合させて変性させた変性PPE(以下mPPEと略す)系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(以下ABS系樹脂と略す)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(以下AS系樹脂と略す)、ポリカーボネート(以下PCと略す)系樹脂、ポリアセタールまたはポリオキシメチレン(以下POMと略す)系樹脂、ポリアミド(以下PAと略す)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)系樹脂、ポリイミド(以下PIと略す)系樹脂、ポリアミドイミド(以下PAIと略す)系樹脂、ポリエーテルイミド(以下PEIと略す)系樹脂、ポリアリレート(以下PARと略す)系樹脂、ポリスルフォン(以下PSFと略す)系樹脂ポリエーテルスルフォン(以下PES)系樹脂である。
【0028】
また、高密度ポリエチレン(以下HDPEと略す)系樹脂、低密度ポリエチレン(以下LDPEと略す)系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略す)系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(以下PEEKと略す)系樹脂、ポリプロピレン(以下PPと略す)系樹脂、ポリメチルメタクリルレート(以下PMMAと略す)系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)系樹脂、液晶ポリマー(以下LCPと略す)などを挙げることができる。
【0029】
本発明において、熱可塑性樹脂組成物は、結晶性樹脂、非晶性樹脂の区別なく実施が可能であるが、成形収縮率が小さいこと、寸法安定性に優れていること、湿度や温度による寸法変化が小さいこと、非ハロゲン系難燃剤による難燃化が容易であること、広い樹脂温度範囲で射出成形時することができることを考慮すると、非晶性樹脂を主成分とした熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。
本発明において、非晶性樹脂組成物とは、熱可塑性樹脂を主成分とした樹脂組成物のうち、結晶状態をとりえないか、結晶化しても結晶化度が極めて低い熱可塑性樹脂成分を含む樹脂組成物を指すものである。
【0030】
さらに詳しくは、アモルファス、アモルファス・ポリマーとも呼ばれており、原子または分子が三次元的に規則正しい空間格子をとらずに、それらが全く不規則に集合した固体状態で、無定形とも呼ばれる。無定形状態には、ガラス状態とゴム状態があり、ガラス転移点(Tg)以下では硬いガラス状を示すが、Tg以上では軟らかいゴム状を示す特徴を有する。
具体的には、PS、PPE、mPPE、ABS、AS、PC、PMMAなどの樹脂成分を主成分とした非晶性樹脂組成物などを挙げることができる。
【0031】
また、本発明における熱可塑性樹脂組成物は、上記主成分となる熱可塑性樹脂と、特性の異なった2種類以上の熱可塑性樹脂が物理的、化学的に混合された複合樹脂材料であるポリマー・アロイであってもよい。
上記主成分となる熱可塑性樹脂と混合して用いることのできる特性の異なった樹脂は、該主成分となる熱可塑性樹脂と同一の分子構造をもつ樹脂成分であって、分子量、分子量分布が異なる樹脂成分であってもよいし、分子構造が異なる他の樹脂成分でもよい。
【0032】
上記主成分となる熱可塑性樹脂と混合して用いることのできる特性の異なった樹脂成分は、該主成分となる熱可塑性樹脂と相溶可能であれば特に制限はなく、例えば、POM、PP、PA、PET、PBT、PEEK、PE、PS、ABS樹脂、PC、PPE、mPPE、PPS、PI、PAI、PEI、PAR、PSF、PES、LCP、PTFE、熱可塑性エラストマー、ポリ四フッ化エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0033】
また、ポリマー・アロイの例としては、PA系樹脂とPPE系樹脂のポリマー・アロイ(以下PA/PPE系ポリマー・アロイと略す)、PP系樹脂とPPE系樹脂のポリマー・アロイ(以下PP/PPE系ポリマー・アロイと略す)、PPS系樹脂とPPE系樹脂のポリマー・アロイ(以下PPS/PPE系ポリマー・アロイと略す)、PC系樹脂とABS系樹脂によるポリマー・アロイ(以下PC/ABS系ポリマー・アロイと略す)などを挙げることができる。
【0034】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物には、比重を調整すること、強度を付与すること、寸法精度を確保すること、特長のある成形品外観を得ることなどを目的とした改質剤として、無機系または有機系の充填剤を添加することができる。
これら無機系または有機系の充填剤の形状は限定されるものではなく、繊維状、板状、鱗片状、球状などが任意に選択できる。
【0035】
上記に示した、無機系または有機系の充填剤としては、硫酸バリウム、ベンガラ、タングステン粉など、無機系である塩、酸化物、金属などのほか、ガラス、炭素、アラミド、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウオラストナイト、スラグ繊維、フェライト、ケイ素、カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、石膏、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス、アルミナなどが挙げられる。
【0036】
また、上記の無機系または有機系の充填剤は、2種類以上を併用することも可能であるほか、必要に応じて、シラン系、チタン系などのカップリング剤で、予備処理して使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される無機系または有機系の充填剤の添加量は限定されるものではないが、該熱可塑性樹脂組成物の比重を調整する、剛性を向上させる、寸法精度を確保する、反りなどの変形を抑制するなど、添加剤を添加することによる効果を十分に得るためには、5重量%以上の添加量が好ましく、10重量%以上の添加量であることがさらに好ましい。
【0037】
ここで、無機系または有機系充填剤の添加量とは、添加される無機系または有機系充填剤が1種類の場合にはその添加量を指し、2種類以上の場合にはそれらの総加量を指す。また、無機系または有機系充填剤の添加量は、樹脂成分、無機系または有機系充填剤、その他の添加剤の総量を100重量%としたときの割合を指すものである。
本発明における熱可塑性樹脂組成物には、通常使用する添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃化剤、離型剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、防錆剤、充填剤、着色剤、抗菌剤、防カビ剤などを必要に応じて、1種類以上添加することができる。
【0038】
また、その他の添加剤として、炭素繊維、金属繊維、黒鉛のうちの1種類以上を選択することにより熱可塑性樹脂組成物の電気抵抗値を下げることができる。これは、埃などの小さな粉体が、熱可塑性樹脂組成物による成形品に静電気によって付着することを防止できるため、好適である。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物による成形品とは、該熱可塑性樹脂組成物により構成されている最小単位の成形品、部品、製品であり、その形状、用途、機能は限定されるものではない。
【0039】
例えば、自動車、OA機器、電気機器、OA機器、電子機器、容器、日用雑貨、一般機械、配管部品、精密機械、工具、工業部品、輸送機器、住宅分野などの各分野において用いられる熱可塑性樹脂組成物による最小単位の成形品、部品、製品を指すほか、シート、板、丸棒など、2次加工を必要とする成形品、製品を含む。また、これらは複数の機能を有する成形品であってもよい。
さらに詳しくは、電気・電子機器分野においては、筐体、ケース類などの外部部品、内部骨格を構成するフレーム類、直線運動または回転運動することによりその機能を発生する機構部品などの内部部品を挙げることができる。
【0040】
また、自動車分野においては、ドア・パネル、フード、フェンダー、ドア・ミラー周辺部品、バンパー、ルーフ、各種エアロ・パーツなどの外装品、ドア周辺部品、ピラー、ハンドル、スイッチ、レバー類、カバー類、コンソール類など内装品のほか、直線運動または回転運動することによりその機能を発生する機構部品などを挙げることができる。
更には、一般工業部品分野においては、自動販売機などの外装部品、内部部品、住宅関連部品としては、ドア、外壁、内壁材、床材などを挙げることができる。
【0041】
特に、非晶性樹脂組成物による成形品は非ハロゲン系難燃剤などによる難燃化が容易であるので、内部にモーター、変圧器、整流器、電気接点、リレー、ヒーターなどの熱源、発火源となるような部品を有する製品の筐体には好適に用いることができる。
筐体の例としては、テレビ、モニター、AV機器、オーディオ機器、カメラ、OHP機、シュレッダー、など、各種家庭用電化製品、電気機器、電子機器、OA機器などの外装部品を挙げることができる。
【0042】
一方、OA機器とは、複写機、ファックス、プリンター、スキャナーなどと、これらの複合機のほか、パソコン、レコーダー、プロジェクター、各種記憶媒体とその読み取り機などを指し、据え置き型、携帯型の区別なく応用することができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物による成形品は、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素を混合させた後、該混合物を金型キャビティへ充填することを特徴とするが、窒素を大気圧以上に圧力調整することにより、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物は、該窒素を効率良く分散させ、吸収させることができる。
【0043】
本発明における熱可塑性樹脂組成物による成形品は、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整された窒素との混合物を金型キャビティへ充填することを特徴とするが、これは、該熱可塑性樹脂組成物に窒素を混合させることにより、通常の射出成形における熱可塑性樹脂組成物と比較して、該熱可塑性樹脂組成物の粘度が低下する可塑剤効果を有すること、また、物理的発泡剤として作用するため、発泡成形品を得ることができるためである。
【0044】
溶融状態の熱可塑性樹脂組成物に大気圧以上に圧力調整した窒素が、可塑剤効果を有することによって、流動性を向上させることを目的に、樹脂温度、金型温度を高くする必要がなくなる。このため、熱可塑性樹脂組成物の熱分解による劣化、成形サイクルが長くなるといった不具合が発生しにくい。
また、従来の技術では射出成形することが困難であるような、耐熱温度の高い熱可塑性樹脂組成物、無機系または有機系の充填剤の充填量が多い熱可塑性樹脂組成物、平均分子量が大きい熱可塑性樹脂組成物による射出成形品を容易に得ることが可能となる。
【0045】
一方、熱可塑性樹脂組成物の粘度が低下することにより、必要以上に樹脂温度を高くせずに、流動距離を大きくすることができるので、低い充填圧で金型キャビティへ熱可塑性樹脂組成物を充填することができる。従って、得られた成形品には残留歪みが残りにくいため、成形後に発生する反りなどが低減される傾向にある。
また、未充填部分が残りにくいため、連続成形時における不良の発生率が低く、生産性が向上するといった効果も期待できる。
【0046】
また、従来の射出成形方法では、熱可塑性樹脂組成物を充填することが困難であったために成形品の肉厚は一定値より小さくできなかった形状である射出成形品において、熱可塑性樹脂組成物に窒素を混合させることによって粘度を低下させることによって、流動距離を大きくできることを利用して、より薄肉である成形品を得ることが可能となる。また、ゲート点数を低減できる可能性、成形機の型締め力を小さくできる可能性がある。
【0047】
一方、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物に大気圧以上に圧力調整した窒素が物理的発泡剤として作用するため、発泡成形品を得ることができる。この発泡により、金型キャビティへ充填された後、冷却されることによる熱可塑性樹脂組成物の体積収縮分を成形品の内部から補うことができる。このことにより、通常の射出成形時には成形品の表面に発生しやすいヒケを抑えることができる。
また、この発泡の度合いを「発泡率」と呼ぶが、この発泡率は、熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を金型キャビティへ充填した後、任意に設定した圧力、任意に設定した時間、該混合物を加圧保持する工程により、調節することが可能である。
【0048】
この加圧保持する工程を「保圧工程」、このときの圧力を「保圧力」、時間を「保圧時間」というが、保圧力を高くする、保圧時間を長くすることで、発泡率は低くなる方向にある。
この保圧工程を省略することによって、成形品の表層部分に形成される非発泡層が薄く、任意の断面において発泡部分部分の占める割合の高い、高発泡成形品を得ることができる。
【0049】
一方、保圧力が高いほど、また、保圧時間が長いほど、成形品表層部分に形成される非発泡層は厚くなる傾向にあり、任意の断面において発泡部分部分の占める割合は小さくなり、得られる成形品は低発泡成形品となる。
しかし、保圧力が高すぎる場合、保圧時間が長すぎる場合には、金型キャビティ内で熱可塑性樹脂組成物が冷却、固化する際に、該熱可塑性樹脂組成物中に溶解している窒素が、成形品内部に発泡部分を形成しにくく、成形品表面にヒケを生じる恐れがある。
【0050】
本発明における熱可塑性樹脂組成物による成形品には、内部、特に周辺の肉厚と比較して厚肉である部分に発泡部分を有することが好ましい。該発泡部分は、金型キャビティ内で熱可塑性樹脂組成物が冷却、固化し、体積収縮を起こす際に、熱可塑性樹脂組成物中に溶解または吸収している窒素が、適度に発泡することにより形成されると想像される。
該発泡部分が成形品の比較的厚肉である部分の内部に形成されることにより、該熱可塑性樹脂組成物の体積収縮分が成形品の内部から補われ、該成形品の表面にヒケなど、成形後に発生する不具合の発生が抑制される。このことにより、部分的に厚肉部を有する成形品への応用が可能となり、製品デザインの自由度が増すことが期待できる。また、該発泡部分は、熱可塑性樹脂組成物に発泡剤を添加することにより得られるものとは異なるものである。
【0051】
また、保圧時間は限定されるものではないが、極端に保圧時間が短い場合には、金型キャビティへ充填する以前に熱可塑性樹脂組成物に混合させた窒素が膨張することにより、成形品に膨れ現象が発生する恐れがあるため好ましくない。
ここで発泡部分とは、熱可塑性樹脂組成物による薄肉成形品の任意断面を光学顕微鏡などにより10〜200倍に拡大、観察した際に、発泡によるボイドまたは、白化現象が確認される部分を指し、非発泡層とは発泡によるボイドまたは、白化現象が確認されない部分を指す。
【0052】
本発明において、熱可塑性樹脂組成物による薄肉成形品のみかけ比重は限定されるものではないが、該熱可塑性樹脂組成物による薄肉成形品の見かけ比重が、該熱可塑性樹脂組成物の有する比重の99.5%以下であることが好ましい。
本発明における成形品は、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素との混合物を金型キャビティへ充填することにより得られることを特徴とするが、その方法としては、射出成形機の加熱筒内で溶融状態の該熱可塑性樹脂組成物に混合させる方法、成形機のノズル部から溶融状態の該熱可塑性樹脂組成物に混合させる方法、金型と成形機のノズルの間に窒素の供給のための設備を設け溶融状態の該熱可塑性樹脂組成物に混合させる方法、予め溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物に窒素を混合した状態で樹脂ペレットを造粒したものを用いて射出成形する方法などが考えられる。
【0053】
窒素が熱可塑性樹脂組成物に均一かつ短時間で分散しやすいこと、混合量の調整が容易であること、成形前の段取りが煩雑でないことを考慮すると、射出成形機の加熱筒内、成形機のノズル部、成形機のノズル部と金型の間のいずれかの位置に、窒素を供給するための設備を設けることにより、溶融状態の該熱可塑性樹脂組成物に窒素を混合させる方法が好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物と窒素を混合させることによって、窒素は該熱可塑性樹脂組成物に溶解または吸収されるが、その溶解量または吸収量は限定されるものではない。
【0054】
熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填する際の流動性を向上させ、充填圧の上昇を抑えることが可能となるために必要な窒素の溶解量または吸収量は0.1重量%以上であり、0.2重量%以上であることがさらに好ましい。
また溶解量または吸収量の測定は、以下の方法により行うものとする。
(1)成形直後に成形品の重量を測定する(これをM1とする)。
(2)上記成形品は、室温を超え、好ましくは60℃以上であって、用いられる熱可塑性樹脂組成物の熱変形温度を超えない範囲の、任意の温度に保温された熱風乾燥機中に48時間以上放置し、窒素を放散させた後、熱風乾燥機から取り出し、再度、重量を測定する(これをM2とする)。
(3)窒素の溶解量または吸収量(重量%)を、(M1−M2)÷M2×100から算出する。
【0055】
ここで、熱可塑性樹脂組成物の熱変形温度とは、ASTM規格「D648」に従い、荷重1.82MPaにおける荷重たわみ温度を指す。
通常、金型キャビティ面は、充填される熱可塑性樹脂組成物の固化温度より低い温度に保たれている。金型キャビティに充填された溶融状態の熱可塑性樹脂により、瞬間的に固化温度を超える温度を超える可能性はあるが、成形サイクル全体としては、熱可塑性樹脂の固化温度より低い温度に保たれる。
【0056】
熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素の混合物を金型キャビティへ充填した場合、該混合物が発泡性を有することにより、該混合物は金型キャビティ内、特に流動の先端部分においては、発泡しやすい環境にある。
従って、通常用いられる金型キャビティへ熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素の混合物を充填した場合、その充填初期段階において、該混合物は、金型キャビティ内において発泡しつつ、固化し始める。充填の進行と共に、該混合物が金型キャビティ面に圧接されることにより、発泡は潰される形で充填が完了する。このため、得られた成形品表面には「スワール・マーク」と呼ばれる発泡ガス跡が残りやすい。
【0057】
本発明において、熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素の混合物を金型キャビティへ充填する際、該金型キャビティは大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持されていることを特徴とするが、このことにより、発泡性を有する混合物の充填初期段階から充填完了までの間、該混合物の流動先端部における発泡を抑制できる。このため、得られた成形品の表層部分には、発泡部分のない非発泡層が形成される。
【0058】
本発明において、金型キャビティは大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持されていることを特徴とするが、成形サイクル中、金型が閉じた状態で、かつ、可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素の混合物の充填開始以前に金型キャビティ内が加圧保持されていることが好ましい。
本発明においては、金型キャビティを加圧保持するためには大気圧以上に調節された二酸化炭素を用いることを特徴とするが、これは、二酸化炭素を用いることによって、熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物の金型転写性が向上するためである。
【0059】
これは、金型キャビティに充填された熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を金型キャビティに充填する際、該混合物の流動先端部分から二酸化炭素が吸収されることにより、固化温度が低下するためと考えられる。熱可塑性樹脂組成物に二酸化炭素を混合させることにより、元の熱可塑性樹脂組成物のガラス転移点が低下することは一般的に知られているが、このことにより、固化温度が低下すると考えられる。
【0060】
また、この金型キャビティが加圧保持されている状態は、該混合物の充填開始以降であって、金型を開く以前に二酸化炭素を金型キャビティから開放することが好ましい。さらに好ましくは、充填開始以降であって、冷却工程開始までの間であることであり、最も好ましくは、充填開始以降であって、保圧工程開始までの間であることである。
これは、金型キャビティへ該混合物を充填する際に該金型キャビティ内が加圧保持されている二酸化炭素が、金型キャビティに充填された該混合物により圧縮され、該混合物の流動を妨げる原因になるためである。従って、該混合物を金型キャビティへ充填しつつ、該混合物の流動先端で発泡が起きない程度に、該金型キャビティを加圧保持している二酸化炭素を開放することが好ましい。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
射出成形に使用した熱可塑性樹脂組成物は、PC系樹脂(帝人化成(株)社製「パンライト(登録商標) L−1225Y」)、mPPE系樹脂(旭化成(株)社製「ザイロン(登録商標) G703H、X341Z」)であり、いずれも成形前はペレット状である。
射出成形機は、(株)ソディック プラステック社製「TUPARL TR50S2」を使用した。
【0062】
【実施例1〜4】
図1に示した、リブ付きである平板形状成形品を射出成形できる金型を用意した。
成形品の肉厚は均一であり、2.0(mm)である。金型に設けられたゲートは図1に示した通り、サイド・ゲートであり、寸法は2(mm)×3.5(mm)である。
成形機の加熱筒の温度は320(℃)に設定し、また、媒体温度を80(℃)とすることによって金型の温度調節を行った。
射出成形に用いる熱可塑性樹脂組成物はPC系樹脂である「パンライト L−1225Y」とした。
【0063】
窒素は、窒素ボンベから取り出し減圧弁を通すことにより圧力を3.5(MPa)、または、4.5(MPa)に減圧し、成形機の加熱筒中央部に設けられたガス供給部から、加熱筒内部の溶融状態にあるPC系樹脂に供給することにより混合させた後、5.0(MPa)、または、6.0(MPa)に調整された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより、図1に示したリブ付き平板形状成形品を得た。
このとき、保圧力は20から59(MPa)の範囲で任意に決定し、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
10回連続で射出成形を実施することにより、射出成形機のモニターに表示される最高充填圧値を記録し、この平均値を充填圧とした。
【0064】
また、スワール・マーク(発泡模様)の有無を目視にて観察した。
表面粗さ形状測定機((株)東京精密社製「サーフコム 570A」)を用いて、図1に示したヒケ量測定位置、測定距離10(mm)におけるRmax値(μm)を5サンプルについて各々測定し、その平均値を成形品のヒケ量とした。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、成形品のヒケ量を測定した結果を表1に示す。
【0065】
【比較例1および2】
二酸化炭素による金型キャビティの加圧保持を行わない点以外は、実施例1〜4と同様の方法により図1に示したリブ付きである平板形状成形品を得た。このとき、成形機の加熱筒へ供給した窒素の圧力は3.5(MPa)または4.5(MPa)であり、保圧力は59(MPa)、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
実施例1〜4と同様に、射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の観察、成形品のヒケ量を測定した結果を表1に示す。
【0066】
【比較例3】
成形機の加熱筒から窒素の供給を行わない通常の射出成形法により、図1に示したリブ付きである平板形状成形品を得た。また、保圧力は59(MPa)、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
実施例1〜4と同様に、射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、成形品のヒケ量を測定した結果を表1に示す。
【0067】
【実施例5〜8】
図2に示した形状である平板形状成形品を射出成形できる金型を用意した。固定側のキャビティ面は、鏡面仕上げとなっている。
成形品の平板部分の肉厚は均一であり、2.0(mm)である。金型に設けられたゲートは図2に示した通りサイド・ゲートであり、寸法は2(mm)×3.5(mm)である。
成形機の加熱筒の温度は300(℃)に設定し、また、媒体温度を80(℃)とすることによって金型の温度調節を行った。
射出成形に用いる熱可塑性樹脂組成物はmPPE系樹脂である「ザイロン G703H」とした。
【0068】
窒素は、窒素ボンベから取り出した後、減圧弁を通すことにより圧力を2.4(MPa)、または、4.2(MPa)に減圧し、成形機の加熱筒中央部に設けられたガス供給部から、加熱筒内部の溶融状態にあるmPPE系樹脂に供給することにより混合させた後、2.5(MPa)から5.5(MPa)の範囲に調整された二酸化炭素によって加圧保持された金型キャビティへ充填することにより図2に示した平板形状成形品を得た。
このとき、保圧力は108(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
10回連続で射出成形を実施し、射出成形機のモニターに表示される最高充填圧値を記録した。この平均値を充填圧とした。
【0069】
また、スワール・マーク(発泡模様)の有無を目視にて観察した。
一方、光沢度の測定は、「プラスチックの光学的特性試験方法(JIS K7105−1981)」に従って実施した。光沢度の種類は標準的な「60度鏡面光沢度」とし、入射角と受光角はそれぞれ60(°)である。
実際の測定は、スガ試験機(株)社製「デジタル変角光沢計」で測定した光沢度を、同社製「多光源分光測色計」により数値化された値を読み取ったものであり、サンプル5個について、鏡面仕上げ側の各2ヶ所を測定し、これらの平均値を光沢度とした。
【0070】
光沢度はその値が100(%)に近いほど表面が滑らかであることを意味し、反射率が高く、鏡面に近いことを意味する。逆に、その値が低くなるにつれて、表面の凹凸が大きくなること、もしくは、微細な凹凸が増えることにより、反射率が低く、乱反射が激しくなることを意味する。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、光沢度を測定した結果を表2に示す。
【0071】
【比較例4】
圧力調整された二酸化炭素によって金型キャビティ内を加圧保持することを行わないこと以外は実施例5〜8と同様の方法により図2に示した平板形状成形品を得た。
このとき、成形機の加熱筒から加熱筒内のmPPE系樹脂へ供給する窒素の圧力は、2.4MPaとした。保圧力は108(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
実施例5〜8と同様の方法により、充填圧、スワール・マーク(発泡模様)の有無の確認、光沢度の測定を行った。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、光沢度を測定した結果を表2に示す。
【0072】
【比較例5】
圧力3.5(MPa)に調整された窒素によって金型キャビティ内を加圧保持することを行ったこと以外は実施例5〜8と同様の方法により図2に示した平板形状成形品を得た。
このとき、成形機の加熱筒から加熱筒内のmPPE系樹脂へ供給する窒素の圧力は、2.4(MPa)とした。保圧力は108(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
実施例5〜8と同様の方法により、充填圧、スワール・マーク(発泡模様)の有無の確認、光沢度の測定を行った。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、光沢度を測定した結果を表2に示す。
【0073】
【比較例6】
実施例5〜8に用いた金型を用いて、射出成形機の加熱筒から加熱筒内のmPPE系樹脂へ窒素の供給を行わない通常の射出成形方法によって、図2に示した平板形状成形品を得た。
実施例5〜8、比較例4、5と同様の方法により、充填圧、スワール・マーク(発泡模様)の有無の確認、光沢度の測定を行った。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、光沢度を測定した結果を表2に示す。
【0074】
【実施例9〜12】
図2に示した形状である平板形状成形品を射出成形できる金型を用意した。固定側のキャビティ面はシボ仕上げとなっている。
成形品の平板部分の肉厚は均一であり、2.0(mm)である。金型に設けられたゲートは図2に示した通りサイド・ゲートであり、寸法は2(mm)×3.5(mm)である。
成形機の加熱筒の温度は300(℃)に設定し、また、媒体温度を60(℃)とすることによって金型の温度調節を行った。
射出成形に用いる熱可塑性樹脂組成物はmPPE系樹脂である「ザイロン X341Z」とした。
【0075】
窒素は、窒素ボンベから取り出した後、減圧弁を通すことにより圧力を2.0(MPa)、から5.5(MPa)範囲内で、任意の圧力に減圧し、成形機の加熱筒中央部に設けられたガス供給部から、加熱筒内部の溶融状態にあるmPPE樹脂に供給することにより混合させた後、3.0(MPa)から6.5(MPa)の範囲に調整された二酸化炭素によって加圧保持された金型キャビティへ充填することにより図2に示した平板形状成形品を得た。
このとき、保圧力は78(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
10回連続で射出成形を実施し、射出成形機のモニターに表示される最高充填圧値を記録した。この平均値を充填圧とした。
【0076】
また、スワール・マーク(発泡模様)の有無を目視にて観察した。
実施例5〜8、比較例4〜6と同様の方法により光沢度の測定を行った。実施例9〜12においては、シボ面の光沢度を測定したため、光沢度が低い値を示す方が金型転写性に優れているといえる。
射出成形時の充填圧の測定結果、目視によるスワール・マークの有無の判断、光沢度を測定した結果を表2に示す。
【0077】
【比較例7】
圧力2.5(MPa)に調整された窒素によって金型キャビティ内を加圧保持することを行ったこと以外は、実施例9〜12と同様に射出成形を行った。なお、窒素は圧力2.0(MPa)に調節した後、成形機の加熱筒中央部に設けられたガス供給部から、加熱筒内部の溶融状態にあるmPPE樹脂に供給することとした。
このとき、保圧力は78(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
射出条件を決定した後、10回連続で射出成形を実施し、ゲート部から、流動先端までの流動長を測定し、平均値を算出するとともに、目視によりスワール・マークの有無を確認した。結果をそれぞれ表3に示す。
【0078】
【比較例8】
金型キャビティ内を加圧保持することを行わない以外は、実施例9〜12と同様に射出成形を行った。なお、窒素は圧力2.0(MPa)に調節した後、成形機の加熱筒中央部に設けられたガス供給部から、加熱筒内部の溶融状態にあるmPPE樹脂に供給することとした。
このとき、保圧力は89(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
射出条件を決定した後、10回連続で射出成形を実施し、ゲート部から、流動先端までの流動長を測定し、平均値を算出するとともに、目視によりスワール・マークの有無を確認した。結果をそれぞれ表3に示す。
【0079】
【比較例9】
実施例9〜12に用いた金型を用いて、射出成形機の加熱筒から加熱筒内のmPPE樹脂へ窒素の供給を行わない通常の射出成形方法によって、図2に示した平板形状成形品を得た。
このとき、保圧力は98(MPa)とし、保圧時間は7(秒)、冷却時間は20(秒)とした。
射出条件を決定した後、10回連続で射出成形を実施し、ゲート部から、流動先端までの流動長を測定し、平均値を算出するとともに、目視によりスワール・マークの有無を確認した。結果をそれぞれ表3に示す。
【0080】
【表1】
Figure 2004216579
【0081】
【表2】
Figure 2004216579
【0082】
【表3】
Figure 2004216579
【0083】
【発明の効果】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物による成形品設計の自由度を損なわず、熱可塑性樹脂の平均分子量、樹脂組成を制限することなく、樹脂温度、金型温度を必要以上に高くすることなく、熱可塑性樹脂組成物を金型キャビティへ充填することが容易であり、冷却工程において樹脂の体積収縮に伴うヒケが発生しにくく、シボ面においてはその転写性が良好であり、また、シボのない表面においては光沢度が高い射出成形品を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】リブ付き平板形状成形品
【図2】平板形状成形品
【符号の説明】
1 リブ付き平板形状成形品
2 リブ部
3 ゲート部
4 ヒケ量測定位置ウェルド部
5 平板形状成形品

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂組成物による成形品であって、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより得られるものであることを特徴とする成形品。
  2. 熱可塑性樹脂組成物が、非晶性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の成形品。
  3. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくとも非晶性樹脂成分、無機系充填剤および/または有機系充填剤により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の成形品。
  4. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリフェニレンエーテル樹脂成分を含むポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成形品。
  5. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリフェニレンエーテル樹脂成分と少なくとも1種類の他の樹脂成分とをブレンド、またはグラフト重合させることにより変性させてなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の成形品。
  6. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート樹脂成分を含むポリカーボネート系樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成形品。
  7. 熱可塑性樹脂組成物が、少なくともアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体成分を含むABS系樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物による成形品。
  8. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、筐体部品であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の成形品。
  9. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、OA機器の筐体部品であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の成形品。
  10. 熱可塑性樹脂組成物による成形品が、該成形品内部に発泡部分を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の成形品。
  11. 溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に加圧された窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得ることを特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
  12. 成形機の加熱筒内において、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物と大気圧以上に圧力調整した窒素を混合させた後、大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得ることを特徴とする請求項11に記載の射出成形方法。
  13. 熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得る射出成形方法であって、該混合物を該金型キャビティに充填した後、任意に設定した圧力、任意に設定した時間、該混合物を加圧保持する工程を有することを特徴とする請求項11または12に記載の射出成形方法。
  14. 熱可塑性樹脂組成物と窒素の混合物を大気圧以上に調節された二酸化炭素により加圧保持された金型キャビティへ充填することにより成形品を得る射出成形方法であって、該混合物の充填開始以前に大気圧以上に調節された二酸化炭素を金型キャビティに導入することにより金型キャビティを加圧保持し、該混合物の充填開始以後、金型を開くまでの間に金型キャビティ内を加圧保持していた二酸化炭素を開放することを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の射出成形方法。
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