JP2010030117A - 射出成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融樹脂の焼けの発生を防止し、生産効率よく樹脂成形品を製造することのできる射出成形用金型を提供する。
【解決手段】射出成形用金型において、ゲート7近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管1を行い、金型内に樹脂を充填する際にはゲート7を冷却して樹脂焼けを防止し、脱型時にはゲート7を加熱することを特徴とする射出成形用金型。この射出成形用金型は、特に限定されるものではないが、軒樋用部品、家庭用雑貨品、園芸用品等、薄肉ものと呼ばれる分野で好ましく用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】射出成形用金型において、ゲート7近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管1を行い、金型内に樹脂を充填する際にはゲート7を冷却して樹脂焼けを防止し、脱型時にはゲート7を加熱することを特徴とする射出成形用金型。この射出成形用金型は、特に限定されるものではないが、軒樋用部品、家庭用雑貨品、園芸用品等、薄肉ものと呼ばれる分野で好ましく用いられる。
【選択図】図1
Description
本願発明は射出成形用金型に関し、さらに詳しくは、固定金型と可動金型とからなる射出成形用金型の空隙部であるキャビティに溶融樹脂を注入して射出成形する際に用いられる金型の構造に関するものである。
射出成形装置は、通常、射出ユニットと型締め機構部とからなっており、射出ユニットは、原料樹脂のホッパーから樹脂類をシリンダ内に投入し、更に添加剤等を加えて、樹脂の融点以上の温度で加熱混和して可塑化し、プランジャー等によりノズルから高圧で射出する構成となっている。上記樹脂としてはポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂がよく用いられる。
型締め機構部は、大略、固定金型と可動金型と型締めラムとからなり、型締めラムにより可動金型を固定金型の側に前進させて隙間を開けて臨ませ、上記固定金型と可動金型との接合部分等に溶融樹脂を射出成形する空隙部であるキャビティを形成し、また可動金型を後退させ、引き離してキャビティ内に形成された成形品を取り出す構成となっている。
本願図2は、従来公知の射出成形装置の要部を示す断面図である。図2において、プランジャーによって加圧され、ノズルから高圧で射出された溶融樹脂は、溶融樹脂入り口Aから固定金型2と可動金型3の分離面に形成したランナー4を、そして金型分離面から可動金型3内に潜ったトンネルランナー6を通り、キャビティ5の可動金型3内部分に開口するゲート7からキャビティ5内に射出成形される構成となっている。
そして、上記ゲート7部分およびゲート7に接続するトンネルランナー6の奥部はヒーター9の先端部91によって形成されるとともに、ヒーター9の先端部91は熱伝導性の高い銅から形成されている。ヒーターの本体部分92は一般的には鋼鉄製であり、可動金型3に固定されている。
上記した構成により、脱型時には、可動金型3を後退させるとともに、エジェクタピン8a、8bを突出させることにより、ランナー4内で固化した樹脂とキャビティ5内の成形品とはゲート7部分で容易に切り離され、製品として金型から取り出される。ところで、ゲート7部分および該ゲート7に接続するトンネルランナー6の奥部は、溶融状態の射出樹脂を速く冷却するために、冷却手段等によって全般的に冷却される可動金型3に囲まれている細い部分であるにもかかわらず、ヒーターの先端部91によって局部的に加熱されるとともに、脱型時には冷却され、キャビティ5内の成形品とトンネルランナー6内の樹脂とはゲート7部分で切り離して脱型される。このとき、トンネルランナー6奥部に残った樹脂の切れ屑が、次の射出時にゲート7を詰まらせキャビティ5内への樹脂の射出注入を不完全とし、成形品の表面に痕跡を生じさせるという問題がある。あるいは、製品にバリを発生させるという問題も生じる。
実開平5−82520号公報にはサブマリンゲートのゲート部分およびゲートに接続するトンネルランナーの奥部を形成するヒーターを装着した射出成形用金型であって、ヒーターによってサブマリンゲートのゲート部分およびトンネルランナーの奥部の射出樹脂を離型時に所定温度に保持した射出成形用金型が提案されている。そして、ゲート近辺のトンネルランナー内に射出樹脂の切れ屑を残すことなく容易に離型することができると、その効果が記載されている。
実開平5−82520号公報
一方、射出成形装置の生産効率を向上させるためには、通常、プランジャーの加圧圧力を大きくしてノズルからの溶融樹脂の射出速度を上げ、キャビティへの充填速度を高めることが行われている。しかしながら、高圧で、高い射出速度で溶融樹脂を射出すると、摩擦熱により樹脂温度が上昇し、樹脂が着色する「焼け」と呼ばれる現象が発生し、成形品の外観を悪くするという問題が生じる。本願発明は、このような状況に鑑みてなしたものであり、その目的は、溶融樹脂の焼けの発生を防止し、生産効率よく樹脂成形品を製造することのできる射出成形用金型を提供することである。
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載の発明に係る射出成形用金型は、射出成形用金型において、ゲート近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管を行い、金型内に樹脂を充填する際にはゲートを冷却して樹脂焼けを防止し、脱型時にはゲートを加熱することを特徴としている。この射出成形用金型は、特に限定されるものではないが、軒樋用部品、家庭用雑貨品、園芸用品等、薄肉ものと呼ばれる分野で好ましく用いられる。
本願請求項1記載の発明に係る射出成形用金型においては、射出成形用金型において、ゲート近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管が設けられているため、金型内に溶融樹脂を充填する際には上記配管に付設された切り換え弁からゲート近傍の配管に冷水を送ってゲートを冷却し、成形品の表面が過度に加熱されることによって着色する樹脂焼けを防止し、外観的に問題点のない成形品を得ることができる。
また、脱型時には切り換え弁からゲート近傍の配管に温水を送り、ゲートを加熱することによって、生産効率を高めるためにゲートの径を太くして溶融樹脂の充填速度を上げたときでも、ゲートにおいて封じられる樹脂を適当な軟化温度に保持することが可能となり、成形品と溶融樹脂との切り離しを容易に行うことができる。その結果、バリのない、見映えのよい製品を得ることができる。
以下、本願発明に係る射出成形用金型の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、上記射出成形用金型の要部を拡大して示す説明図である。図1に示すように、射出成形用金型を構成する可動金型3は射出成形する空隙であるキャビティ5を介して成形品、例えば雨樋部品の形をしたコアと呼ばれる固定金型2に後退自在に取り付けられている。また、可動金型3と固定金型2との分離面にはランナー4が形成され、図外混和機で加熱下に溶融され可塑化された樹脂は、ランナー4を経て添加剤等と共に可動金型3内に潜ったトンネルランナー6を通り、キャビティ5の可動金型3内部分に開口するゲート7からキャビティ5内に射出成形される。
ここで、加熱溶融された樹脂はゲート7から高圧で射出されるため、溶融樹脂はせん断発熱により更に加熱され、また、このようにして高温となった樹脂はゲート7を再加熱し、このようにしてキャビティ5に射出され、充填された樹脂は過度の加熱により劣化して「焼け」という現象が生じて成形品の外観を低下させる。
そこで、本実施形態においては、可動金型3のゲート7近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管1が設けられている。すなわち、上記溶融樹脂の充填時には、冷水、温水切り換え弁11を冷水側に開となるように操作して上記配管1に冷水を通し、ゲート7を溶融樹脂が流動性を保つ程度の温度まで冷却する。このようにすることにより、溶融樹脂は過度に加熱されることなく、キャビティ5内に射出されて樹脂焼けを防止することができる。
一方、上記溶融樹脂の充填が終了した後、可動金型3は冷却され、後退するとともに、エジェクタピン8a、8bを突出させることにより、成形品は脱型され、金型から取り出される。このとき、キャビティ5内の成形品とトンネルランナー6内の樹脂とはゲート7で切り離して脱型されるが、ゲート7の径が太い場合は、冷却が進み過ぎると固化して切り離しが困難となり、バリが発生することがある。
そこで、本実施形態においては、上記脱型時に冷水、温水切り換え弁11を温水側に開となるように切り換え操作して上記配管1に温水を通し、ゲート7を加熱する。このように加熱することにより、上記ゲート7で樹脂が適当な軟化温度に保持され、ゲート7における成形品と溶融樹脂との切り離しを容易に行うことができる。そして、バリのない、見映えのよい成形品を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、冷水、温水として通常の水道水等を用いる例について述べたが、成形される流熱可塑性樹脂が軟加する温度に応じて適当な冷媒、熱媒を用いてもよい。このように本願発明に係る射出成形用金型は設計変更自在であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、いずれの場合も本願発明の技術的範囲に属する。
1 配管
11 冷水、温水切り換え弁
2 固定金型
3 可動金型
4 ランナー
5 キャビティ
6 トンネルランナー
7 ゲート
8a エジェクタピン
8b エジェクタピン
9 ヒーター
91 先端部
92 本体部分
A 溶融樹脂入り口
11 冷水、温水切り換え弁
2 固定金型
3 可動金型
4 ランナー
5 キャビティ
6 トンネルランナー
7 ゲート
8a エジェクタピン
8b エジェクタピン
9 ヒーター
91 先端部
92 本体部分
A 溶融樹脂入り口
Claims (1)
- 射出成形用金型において、ゲート近傍に冷水、温水の切り換え可能な配管を行い、金型内に樹脂を充填する際にはゲートを冷却して樹脂焼けを防止し、脱型時にはゲートを加熱することを特徴とする射出成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008193739A JP2010030117A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 射出成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008193739A JP2010030117A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 射出成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010030117A true JP2010030117A (ja) | 2010-02-12 |
Family
ID=41735212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008193739A Pending JP2010030117A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 射出成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010030117A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010098291A1 (ja) | 2009-02-26 | 2010-09-02 | 日東電工株式会社 | 表面保護フィルム用粘着剤組成物とその利用 |
CN108773026A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-11-09 | 常州星宇车灯股份有限公司 | 一种防止注塑制品浇口在模具内易断裂的结构 |
-
2008
- 2008-07-28 JP JP2008193739A patent/JP2010030117A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010098291A1 (ja) | 2009-02-26 | 2010-09-02 | 日東電工株式会社 | 表面保護フィルム用粘着剤組成物とその利用 |
CN108773026A (zh) * | 2018-07-24 | 2018-11-09 | 常州星宇车灯股份有限公司 | 一种防止注塑制品浇口在模具内易断裂的结构 |
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