JP2002234054A - 複数樹脂の一体成形方法および一体成形金型 - Google Patents

複数樹脂の一体成形方法および一体成形金型

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JP2002234054A
JP2002234054A JP2001035519A JP2001035519A JP2002234054A JP 2002234054 A JP2002234054 A JP 2002234054A JP 2001035519 A JP2001035519 A JP 2001035519A JP 2001035519 A JP2001035519 A JP 2001035519A JP 2002234054 A JP2002234054 A JP 2002234054A
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cavity
mold
primary resin
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Tomomi Hasegawa
智巳 長谷川
Haruhiko Ae
晴彦 阿江
Hiroshi Furukawa
泰士 古川
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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NGK Insulators Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1635Making multilayered or multicoloured articles using displaceable mould parts, e.g. retractable partition between adjacent mould cavities

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1次樹脂と2次樹脂との接合強度を向上させ
ることができ、かつ、見切り線も良好にできる複数樹脂
の一体成形方法および一体成形金型を提供する。 【解決手段】 キャビティ3の内部を可動ブロック6に
よって仕切る工程と、可動ブロック6によって仕切られ
た仕切空間4に1次樹脂J1を射出する工程、1次樹脂
J1の少なくとも可動ブロック近傍部の温度を、他の部
分より高温に保ちながら、1次樹脂J1を冷却する工程
と、可動ブロック6をキャビティ3内から退避させたの
ち、キャビティ内部に残る空間5に2次樹脂J2を射出
する工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数樹脂の一体成
形方法および一体成形金型に関する。詳しくは、自動車
部品、住宅設備部品、日用品、家電OA部品などの各分
野において、複数の樹脂を見切り線を境として一体成形
する複数樹脂の一体成形方法および一体成形金型に関す
る。
【0002】
【背景技術】複数の樹脂、たとえば、2種類の樹脂を見
切り線を境として一体成形すると、樹脂種が異なるた
め、どうしても接着強度が弱くなり、成形品の機械強度
などは材料物性よりかなり低い水準しか発現しない。そ
れ故、意匠性に優れるなどの良好性が認められても、機
械物性不足で用途が制限されるという問題があった。
【0003】この点を少しでも改善するため、特開平1
0−250519号公報が提案されている。この成形方
法は、キャビティの内部を先端が階段状となったスライ
ドコアによって区画し、その一方の区画空間内に軟質樹
脂(1次樹脂)を射出してエアバッグドア部を形成し、
その後、スライドコアをキャビティ内から退避させたの
ち、他方の区画空間内に硬化樹脂(2次樹脂)を射出し
て本体部を形成する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した方
法は、1次樹脂と2次樹脂との接合部の見切り線を良好
にできる利点があるものの、1次樹脂と2次樹脂との接
合部は単に階段状になっているため、接合強度について
は十分とは言えない。
【0005】本発明の目的は、このような従来の課題を
解消し、1次樹脂と2次樹脂との接合強度を向上させる
ことができる複数樹脂の一体成形方法、さらに、接合強
度の向上に加え、1次樹脂と2次樹脂との見切り線をよ
り良好にできる複数樹脂の一体成形方法および一体成形
金型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、次の4つの手法を採用している。第1
の手法は、少なくとも1次樹脂の可動ブロック近傍部の
温度を、他の部分より高温に保つことで、2次樹脂との
接合面における分子拡散を活発にし接合強度を向上させ
るようにしたものである。第2の手法は、可動ブロック
近傍の1次樹脂が完全に固化する前に、2次樹脂を射出
して、1次樹脂中に2次樹脂を潜り込ませることで、接
合強度を向上させるようにしたものである。第3の手法
は、1次樹脂と2次樹脂との接合部の接触面積を広くす
ることで、接合強度および見切り線を向上させるように
したものである。第4の手法は、1次樹脂と2次樹脂と
の接合部面積を広げるとともに、接合部を係合させるこ
とで、接合強度を著しく向上させるようにしたものであ
る。
【0007】(第1の手法)第1の手法を実現するため
の具体的な一体成形方法は、複数の樹脂を見切り線を境
として一体成形する複数樹脂の一体成形方法において、
キャビティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、
前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
脂を射出する工程と、少なくとも1次樹脂の前記可動ブ
ロック近傍部の温度を、他の部分より高温に保ちなが
ら、1次樹脂を冷却する工程と、前記可動ブロックをキ
ャビティ内から退避させたのち、前記キャビティ内部の
残る空間に2次樹脂を射出する工程と、を有することを
特徴とする。ここで用いる樹脂は、熱可塑性樹脂であれ
ば、いずれでも適用可能である。また、複数の樹脂と
は、色が異なる樹脂、樹脂種、性質の異なる2種以上の
樹脂などを指す。この場合の樹脂は、樹脂組成物を包含
する意味である。この点については、後述する第2〜第
4の手法についても同じである。
【0008】この一体成形方法によれば、少なくとも1
次樹脂の可動ブロック近傍部の温度を、他の部分より高
温に保ちながら、1次樹脂を冷却することで、2次樹脂
を射出して、その樹脂が1次樹脂の接合面に当たる際、
その近傍での分子拡散が活発になるため、1次樹脂と2
次樹脂の接合強度を向上させることができる。また、1
次樹脂の可動ブロック近傍の反意匠面を、可動ブロック
近傍の意匠面より高温に保ちつつ、可動ブロック近傍部
全体の温度を、他の部分より高温に保ちながら冷却する
と、1次樹脂の反意匠面にヒケが生じ、そのヒケに2次
樹脂が入り込むことで1次樹脂を反意匠面から意匠面へ
向かって押圧する結果、1次樹脂の意匠面とキャビティ
との隙間が塞がれるから、接合強度の向上に加え、見切
り線も向上させることができる。
【0009】第1の手法を実現するための具体的な一体
成形金型は、複数の樹脂を見切り線を境として一体成形
する複数樹脂の一体成形金型において、内部にキャビテ
ィを有する金型と、この金型内部のキャビティ内に進退
可能に設けられキャビティ内を仕切る可動ブロックと、
この可動ブロック近傍に設けられた熱供給手段とを備え
た金型が挙げられる。熱供給手段は、意匠面側、反意匠
面側のいずれに設けられたものでも構わないが、反意匠
面側のみに設けられても充分である。この場合は、可動
ブロック近傍において、その可動ブロックにより仕切ら
れた仕切空間(1次樹脂が射出される空間)の反意匠面
側金型に熱供給手段を有する金型が挙げられる。熱供給
手段は、熱水、水蒸気、熱油などの熱媒を通すパイプ式
ヒータや誘電加熱式ヒータなどが挙げられる。また、熱
供給手段の代わりに、可動ブロックにより仕切られた仕
切空間内部の反意匠面側金型に、断熱フィルムや断熱シ
ートなどの熱伝導率の低い材料を貼り付けるか、埋め込
む、あるいは、仕切空間内の反意匠面側金型にガス層を
形成するようにしてよい。
【0010】(第2の手法)第2の手法を実現するため
の具体的な一体成形方法は、複数の樹脂を見切り線を境
として一体成形する複数樹脂の一体成形方法において、
キャビティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、
前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
脂を射出する工程と、前記可動ブロック近傍において、
1次樹脂が固化し始めた直後から、遅くとも1次樹脂の
可動ブロック近傍が完全に固化する前に、前記可動ブロ
ックをキャビティ内から退避させたのち、前記キャビテ
ィ内部の残る空間に2次樹脂を射出して1次樹脂中に潜
り込ませる工程と、を有することを特徴とする。
【0011】この一体成形方法によれば、2次樹脂が1
次樹脂内に潜り込むため、一種のアンカー効果も期待で
きる。また、2次樹脂が1次樹脂内に潜り込むには、大
概の場合、第1の手法以上に1次樹脂の可動ブロック近
傍を高温に維持する必要があるため、接合面における分
子拡散はより活発になり接合強度をより向上させること
ができる。「1次樹脂の可動ブロック近傍が完全に固化
する」とは、内部まで固化することを意味する。第2の
手法に関しては、2次樹脂が1次樹脂内に潜り込めばよ
いのであるが、実際問題として、可動ブロック近傍の1
次樹脂が内部まで固化していると、たとえ、その他の部
分より高温で加圧により多少流動しやすい状態であると
しても、2次樹脂が潜り込むことは難しい。
【0012】ここで、2次樹脂を射出する条件は、1次
樹脂の意匠面側が固化し始め、かつ、1次樹脂の可動ブ
ロック側端が完全に固化する前であるが、好ましくは、
金型面と接する1次樹脂の表層部が固化し、内部が完全
に固化していない状態(溶融ないし半溶融状態)の1次
樹脂に2次樹脂を射出すると、接合強度も上がり、見切
り線の乱れも防げる。このような制御は、2次樹脂の射
出開始時期を適宜設定することで達成することができ
る。たとえば、「1次樹脂の射出完了直後〜同射出完了
直後から60秒」の範囲内の任意の時点で2次樹脂を射
出することが挙げられる。好ましくは、「1次樹脂の射
出完了直後〜同射出完了直後から40秒」、より好まし
くは、「1次樹脂の射出完了直後〜同射出完了直後から
20秒」の範囲内の任意の時点がよい。「1次樹脂の射
出完了後1秒〜同射出完了直後から60秒」の範囲内の
任意の時点で2次樹脂を射出すると、接合強度の向上に
加え、見切り線の乱れも防げる点で好ましい。特に、
「1次樹脂の射出完了後5秒〜同射出完了直後から60
秒」が好ましい。
【0013】本発明における、接合部で1次樹脂内に2
次樹脂を潜り込ませる手段は、前記例のみに限定されな
いことは勿論である。たとえば、成形品が長尺品の場
合、2次樹脂の射出ゲートから接合面迄の距離が、1次
樹脂の射出ゲートから接合面迄の距離よりかなり長い場
合、あるいは、2次樹脂の射出速度が1次樹脂の射出速
度より遅い場合などは、1次樹脂の射出完了前に2次樹
脂を射出する場合もあり得る。また、製品肉厚、金型温
度、射出時の樹脂温度などによっては、1次樹脂射出完
了後1分を超えてから2次樹脂を射出開始することもあ
り得る。要は、2次樹脂が接合面に到達した時点で、少
なくとも1次樹脂の内部が完全に固化していなければ、
どのような制御方法、2次樹脂の射出開始時期を取って
もよい。
【0014】この第2の手法は、接合強度が重要であ
り、意匠性を気にしなくてよい場合には適用しやすい成
形方法であるが、見切り線を向上させることは難しい。
製品厚みが厚い場合や1次樹脂の可動ブロック近傍が厚
肉部の場合は、1次樹脂の表面部を充分に固化させ、内
部のみが固化していない状況で2次樹脂を射出すること
で、見切り線の向上も可能である。また、1次樹脂の可
動ブロック近傍が厚肉部であると、充分な量の2次樹脂
を潜り込ませることが可能になり、より接着強度が高く
なる。
【0015】より、2次樹脂を潜り込ませやすくするた
めに、1次樹脂成形時に、1次樹脂の厚肉部にガスを注
入して中空部を作り、その後、可動ブロックをキャビテ
ィ内から退避させて、2次樹脂を射出する方法が挙げら
れる。この場合は、1次樹脂が完全に固化した後に2次
樹脂を射出しても、2次樹脂が接合面の薄い1次樹脂の
固化部を突き破り中空部内に流れ込む。中空部の大きさ
を一定に調整すれば、1次樹脂中に潜り込む2次樹脂量
は、より正確に調整できるため、得られる成形品の接合
強度が高いレベルで安定しやすい。さらに、1次樹脂が
完全に固化した後に射出してもよいため、見切り線を向
上できる。また、2次樹脂は中空部に流れ込みやすく、
1次樹脂とキャビティとの間の接合面に2次樹脂が浸入
し難くなり、中空部に入った2次樹脂が1次樹脂を意匠
面側金型に押し付ける力も加わる点でも、見切り線の向
上が期待できる。
【0016】第2の手法を実現するための具体的な一体
成形金型は、複数の樹脂を見切り線を境として一体成形
する公知の複数樹脂の一体成形金型でも、1次樹脂の冷
却条件や2次樹脂の射出タイミング、射出圧を調整する
ことで適用可能である。勿論、第1の手法で挙げた金型
を用いることもできる。また、複数の樹脂を見切り線を
境として一体成形する複数樹脂の一体成形金型におい
て、内部にキャビティを有する金型と、この金型内部に
進退可能に設けられキャビティ内を仕切る可動ブロック
とを備え、その可動ブロック近傍の形状が厚肉部であ
り、その厚肉部にガス注入口がある金型も適用できる。
より好ましくは、第1の手法で挙げた金型において、可
動ブロック近傍の形状が厚肉部であり、その厚肉部にガ
ス注入口がある金型がよい。
【0017】(第3の手法)第3の手法を実現するため
の具体的な一体成形金型は、複数の樹脂を見切り線を境
として一体成形する複数樹脂の一体成形金型において、
内部にキャビティを有する金型と、この金型内部に進退
可能に設けられキャビティ内部を仕切る可動ブロックと
を備え、前記可動ブロックは、1次樹脂と接する側端
が、意匠面から反意匠面に向かうに従って次第に肉薄に
なるように斜めに形成され、その斜めの面に凹凸が形成
されている、ことを特徴とする。この一体成形金型によ
れば、可動ブロックの1次樹脂と接する側端が、意匠面
から反意匠面に向かうに従って次第に肉薄になるように
斜めに形成されているから、2次樹脂を射出したとき、
反意匠面側金型と1次樹脂との間に入る2次樹脂が、1
次樹脂を意匠面側金型に押し付ける力が働き、意匠面側
の1次樹脂と意匠面側金型との間に樹脂が浸入し難くな
るため、見切り線を向上させることができる。しかも、
可動ブロックの1次樹脂と接する斜めの面に凹凸がある
ため、1次樹脂と2次樹脂との接合面の面積が増え、接
合強度を向上させることができる。ここで、可動ブロッ
クの先端が斜めとは、直線状にカットされていてもよ
く、階段状にカットされていても構わない。前記凹凸
は、梨地、格子状の凹凸、エンボス状、ピンストライプ
状の凹凸など、特に制限はない。
【0018】さらに、可動ブロックが少なくとも2つ以
上のブロック片からなり、これらブロック片は、キャビ
ティ内にあるときはキャビティ内を仕切り、2次樹脂を
射出する前にキャビティ内から退避させたときは、反意
匠面と平坦な面になるような金型を用いれば、2次樹脂
を射出完了後に冷却して取り出した成形品は、意匠面、
反意匠面ともフラットな形状になる。なお、複数のブロ
ック片は、各々キャビティ内に進退可能にしておいても
よく、後述する図7のような構成を持つブロック片にす
れば、1つの動力制御源(ばね、油圧シリンダなど)で
前記制御は可能である。
【0019】(第4の手法)第4の手法を実現するため
の具体的な一体成形方法の一つは、複数の樹脂を見切り
線を境として一体成形する複数樹脂の一体成形方法にお
いて、キャビティ内部を可動ブロックによって仕切り、
かつ、その仕切空間の可動ブロック近傍にキャビティの
厚み方向に垂直、かつ、見切り線に垂直な方向に対して
アンダーカット部を形成する工程と、前記可動ブロック
によって仕切られた仕切空間に1次樹脂を射出する工程
と、前記可動ブロックをキャビティ内部から退避させた
のち、前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出
する工程と、を有することを特徴とする。この一体成形
方法によれば、接合部で1次樹脂と2次樹脂とが係合す
るから、少なくとも厚み方向と垂直な方向に対しては接
着強度を著しく向上させることができる。また、1次樹
脂と2次樹脂との接合部の面積が増加することも接着強
度の向上に寄与する。さらに、アンダーカット部が反意
匠面側にある場合は、2次樹脂が1次樹脂の反意匠面側
に入るため、1次樹脂近傍部を意匠面側金型に押し付け
る力が働き、1次樹脂と意匠面側金型との隙間に2次樹
脂が浸入し難くなるため、見切り線も向上させることが
できる。
【0020】このような成形に適用できる金型として、
複数の樹脂を見切り線を境として一体成形する複数樹脂
の一体成形金型において、内部にキャビティを有する金
型と、この金型内部に進退可能に設けられキャビティ内
部を仕切る可動ブロックとを備え、前記可動ブロック
は、1次樹脂を射出する仕切空間の可動ブロック近傍
を、厚み方向に垂直、かつ、見切り線に垂直な方向に対
してアンダーカットになるように区画する、一体成形金
型が挙げられる。より具体的には、厚み方向から見た1
次樹脂の可動ブロック近傍の断面が、可動ブロック側末
端部が厚く、その末端部に隣接した近傍が薄い鉤状にな
るような可動ブロックを用いることが挙げられる。ここ
で、「鉤状」とは、文字どおり厚み方向から見た断面が
鉤状に近いことを意味するが、末端部が厚く、隣接した
近傍が薄い形状であれば、見方により通常の鉤状とは異
なるように思えても、可動ブロック近傍の1次樹脂は、
厚み方法に垂直、かつ、見切り線に垂直な方向に対して
アンダーカットになる。要は、1次樹脂と2次樹脂とが
接合部で係合する形状になればよい。
【0021】第4の手法を実現するための別の具体的な
一体成形方法は、複数の樹脂を見切り線を境として一体
成形する複数樹脂の一体成形方法において、可動ブロッ
ク近傍の1次樹脂が、その反意匠面側に凸部があり、そ
の凸部の周りに2次樹脂が入り込み、凸部の先端が2次
樹脂の反意匠面より突き出るように、キャビティ内部を
可動ブロックによって仕切る工程と、前記可動ブロック
によって仕切られた仕切空間に1次樹脂を射出する工程
と、前記可動ブロックをキャビティ内から退避させたの
ち、前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出す
る工程と、2次樹脂部の反意匠面より出ている1次樹脂
の凸部をリベット状に潰す工程と、を有することを特徴
とする。この一体成形方法によれば、可動ブロック近傍
の1次樹脂の反意匠面側に凸部があり、その凸部の周り
に2次樹脂が入り込み、凸部の先端が2次樹脂の反意匠
面側より突き出るようになれば、厚み方向と垂直な方向
には凸部が破壊されない限り、接合部は分離しない。凸
部の先端は、後述するようにリベット状に潰せれば、反
意匠面より突き出る量は特に制限されないが、成形品の
厚みの1割以下にすれば、外観も良好で、リベット状に
潰す工程サイクルが短くてすみ実用的である。さらに、
可動ブロックが2以上のブロック片からなり、2次樹脂
を射出する前にキャビティ内から退避したときは、反意
匠面と平坦な面になるブロックであれば、後述するリベ
ット状部の僅かな厚みが凸部としてある以外は、平坦な
成形品が得られる。
【0022】2次樹脂部の反意匠面より出ている1次樹
脂の凸部をリベット状に潰すことで、接合部の厚み方向
に対する接合強度も大きくなる。凸部をリベット状に潰
す方法としては、2次樹脂の射出完了後に、金型の反意
匠面側から、1次樹脂の軟化点以上に熱源で加熱された
ブロック片を、凸部の先端にあてて圧縮すればよい。ブ
ロック片は、キャビティ内を進退可能に設けられてお
り、必要に応じて振動も印加できるようになっている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。なお、以下の説明にあたっ
て、同一構成要件については、同一符号を付し、その説
明を省略もしくは簡略化する。
【0024】[第1実施形態(第1の手法)]図1
(A)(B)は第1実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、上下に分割されかつその分割
面にキャビティ3を有する金型1,2と、この金型1,
2内のキャビティ3の内部を空間4に仕切る可動ブロッ
ク6と、この可動ブロック6の近傍において、可動ブロ
ック6によって仕切られた仕切空間4内の反意匠面側金
型1Aに設けられた熱供給手段7とを備えている。な
お、5は、可動ブロック6がキャビティ3内から退避し
たときに、キャビティ3内に形成される残るキャビティ
空間である。熱供給手段7は、空間4内の反意匠面側金
型1Aに設けられ熱伝導率の高い材料からなる熱伝導ブ
ロック8と、この熱伝導ブロック8の内部に設けられた
流体管路9と、この流体管路9に温度制御された温調流
体10を流す温調流体供給手段(図示省略)とを備えて
いる。なお、温調流体10としては、油や温水などいず
れでもよい。
【0025】この一体成形金型を用いて、複数の樹脂を
見切り線を境として一体成形するには、次の工程によっ
て行う。 (1)キャビティ3の内部を可動ブロック6によって仕
切る。つまり、可動ブロック6をキャビティ3内に進出
させ、キャビティ3内部を空間4のみに仕切る。 (2)可動ブロック6によって仕切られた空間4に1次
樹脂J1を射出する(図1(A)参照)。 (3)可動ブロック6の近傍は、1次樹脂J1の他の部
分(図1(A)J1の左側など)より高温に保たれてお
り、さらに、可動ブロック6近傍の1次樹脂J1の反意
匠面側温度を同意匠面側温度より高く保ちながら、1次
樹脂J1を冷却する。つまり、熱供給手段7の流体管路
9内に温度調整された温調流体10を流し、1次樹脂J
1の反意匠面側金型温度を意匠面側金型温度および他の
部分の金型温度より高温に保ちつつ、1次樹脂J1を冷
却する。すると、1次樹脂J1の反意匠面側にヒケが生
じる。
【0026】(4)1次樹脂J1の可動ブロック6近傍
が完全に固化する前に、具体的には、1次樹脂J1の金
型に接する表層部が固化し、可動ブロック6近傍が他の
部分より高温である状態において、可動ブロック6をキ
ャビティ3内から退避させたのち、可動ブロック6によ
って生じた空間5に2次樹脂J2を射出する(図1
(B)参照)。すると、空間5に射出された2次樹脂J
2は、1次樹脂J1の反意匠面側に生じたヒケ部分に浸
入し、1次樹脂J1を反意匠面側から意匠面側へ押圧す
る結果、1次樹脂J1の意匠面とキャビティ3との隙間
が塞がれる。従って、見切り線が良好で、意匠性に優れ
た一体成形品が得られる。また、1次樹脂J1の2次樹
脂J2と接合する端部(1次樹脂J1の可動ブロック6
側端)は高温に保たれ、樹脂の分子拡散が促進されてい
るから、2次樹脂J2と強固に接合される。
【0027】第1実施形態によれば、上述した方法を採
用しているから、1次樹脂J1と2次樹脂J2との接合
強度に優れ、しかも、見切り線が良好で、意匠性に優れ
た一体成形品が得られる。なお、熱供給手段7は、上記
実施形態の構成に限らず、他の構成でもよい。たとえ
ば、熱伝導ブロック8内にヒータを埋め込んだ構造でも
よい。
【0028】[第2実施形態(第1の手法)]図2
(A)(B)は第2実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、第1実施形態の一体成形金型
に対して、熱供給手段7が省略され、これに代わって、
空間4内の反意匠面側金型1A(可動ブロック6の近傍
の金型1A)に断熱層11が設けられている。断熱層1
1は、ここでは、空間4内の反意匠面側金型1Aに貼り
付けられた断熱フィルム(あるいは、断熱シート)12
によって構成されている。なお、図2(A)(B)にお
いては、説明上、断熱層11の厚みを厚くしてある。実
施する場合には、そのようになっていても問題ないが、
断熱層11の厚みを成形品厚みより極めて薄くするか、
または、反意匠面側金型1Aに断熱層11を埋め込ん
で、反意匠面側金型1Aは実質フラットにすることが通
常である。
【0029】第2実施形態によれば、空間4内の反意匠
面側金型1Aに断熱層11が設けられているから、可動
ブロック6の近傍の1次樹脂J1は、1次樹脂J1の他
の部分より高温に保たれ、しかも、断熱層11が付いて
いる可動ブロック6近傍の反意匠面側の樹脂温度が可動
ブロック6近傍の意匠面側の樹脂温度より高いため、1
次樹脂J1の反意匠面側にヒケが生じる。従って、2次
樹脂J2が1次樹脂J1の反意匠面側に生じたヒケ部分
に浸入する結果、1次樹脂J1は反意匠面側から意匠面
側へ押圧され、キャビティ3との隙間が塞がれる。同時
に、1次樹脂の2次樹脂と接合する端部は高温に保た
れ、樹脂の分子拡散が促進されているから、2次樹脂と
強固に接合される結果、第1実施形態と同様な効果が期
待できる。とくに、断熱層11は、空間4内の反意匠面
側金型1Aに設けられた断熱シート、断熱フィルム12
などによって構成されているから、比較的安価で、か
つ、簡易に構成できる利点がある。なお、第2実施形態
では、断熱層11としては、断熱シート、断熱フィルム
12などを用いたが、これに限らず、熱伝導率の低い材
料や構造でもよい。
【0030】[第3実施形態(第2の手法)]図3
(A)(B)は第3実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、第1実施形態の一体成形金型
に対して、熱供給手段7が省略され、これに代わって、
空間4内の反意匠面側金型1A(可動ブロック6の近傍
の金型1A)に空間4に連続しかつ反意匠面側に突出す
る凹部1Bが形成されている。つまり、空間4は、可動
ブロック6の近傍に反意匠面側へ突出する厚肉成形部4
Aを有している。第3実施形態によれば、可動ブロック
6によって仕切られた空間4に1次樹脂J1を射出する
と、1次樹脂J1は空間4から厚肉成形部4Aに達す
る。すると、1次樹脂J1が金型と接する面から固化し
始め、厚肉成形部4Aの中心部では冷却が遅れるため、
未固化の状態にある。1次樹脂J1の可動ブロック6近
傍の厚肉部が完全に固化する前に、可動ブロック6をキ
ャビティ3内から退避させたのち、空間5に2次樹脂J
2を射出すると、2次樹脂J2は、厚肉成形部4Aの薄
い固化層を突き破り、厚肉成形部4Aに流れ込む。2次
樹脂J2は、流れやすい厚肉成形部4Aに入り込むた
め、1次樹脂J1の意匠面とキャビティ3との間に浸入
し難くなり、厚肉部に入り込んだ2次樹脂J2によって
可動ブロック6近傍の1次樹脂J1を金型意匠面に押し
付ける力が働くため、見切り線が良好で、意匠性に優れ
た一体成形品が得られると同時に、2次樹脂J2が1次
樹脂J1中に潜り込んだ状態で接合される。
【0031】[第4実施形態(第2の手法)]図4
(A)(B)は第4実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、第3の実施形態の一体成形金
型に対して、空間4内の反意匠面側金型1A(可動ブロ
ック6の近傍の金型1A)に、前記厚肉成形部4Aにガ
スを注入するガス注入口15が付加されている。第4実
施形態によれば、1次樹脂J1を射出すると、1次樹脂
J1の金型1,2および可動ブロック6と接する表面側
が固化し始める。1次樹脂J1の可動ブロック6近傍が
完全に固化する前に、ガス注入口15から厚肉成形部4
Aにガスを注入すると、厚肉成形部4A内に中空部16
が形成された状態となるから、この状態において、2次
樹脂J2を射出すると、2次樹脂J2が1次樹脂J1の
薄い固化層を突き破り中空部16内に潜り込んだ状態で
接合される。従って、前述の第3実施形態と同様な理由
で、1次樹脂J1の意匠面とキャビティ3との間から2
次樹脂が浸入するのを防止できるから、見切り線が良好
で、意匠性に優れた一体成形品が得られるとともに、1
次樹脂J1と2次樹脂J2との接合強度にも優れた成形
品を得ることができる。
【0032】[第5実施形態(第3の手法)]図5
(A)(B)は第5実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、可動ブロック6の先端が斜め
に、つまり、可動ブロック6によって仕切られた空間4
の可動ブロック6側端が意匠面から反意匠面へ向かうに
従って次第に肉薄になるように形成され、その斜めの面
に凹凸31が形成されている。第5実施形態によれば、
可動ブロック6によって仕切られた空間4に1次樹脂J
1を射出したのち、1次樹脂J1の可動ブロック6近傍
が固化した後に、可動ブロック6の退避によって生じた
空間5に2次樹脂J2を射出すると、2次樹脂J2が1
次樹脂J1の反意匠面側に流れ込み、1次樹脂J1を反
意匠面側から意匠面側へ向かって押圧する結果、キャビ
ティ3との隙間が塞がれる。同時に、1次樹脂J1と2
次樹脂J2と接合面には凹凸31が形成されているか
ら、接合強度を向上させることができる。従って、1次
樹脂J1の意匠面とキャビティ3との間から2次樹脂J
2が浸入するのを防止できるから、見切り線が良好で、
意匠性に優れた一体成形品が得られるとともに、1次樹
脂J1と2次樹脂J2との接合強度にも優れた成形品を
得ることができる。
【0033】なお、第5実施形態において、可動ブロッ
ク6の先端を直線状に斜めにカットする他に、図6に示
すように、階段状にカットしてもよい。また、図7に示
すように、可動ブロック6を2つの可動ブロック片6
1,62によって構成し、これらの可動ブロック片6
1,62を独立的にキャビティ3内に対して進退させる
ようにすれば、反意匠面が平坦な成形品を得ることがで
きる。
【0034】[第6実施形態(第4の手法)]図8
(A)(B)は第6実施形態の一体成型金型を示してい
る。この一体成型金型は、可動ブロック6近傍の1次樹
脂J1が厚み方向に垂直、かつ、見切り線に垂直な方向
に対してアンダーカット部40を持つように、突部6A
を有する可動ブロック6を備える。可動ブロック6の退
避後に2次樹脂J2を射出すると、可動ブロック6は反
意匠面に、1次樹脂J1のアンダーカット部がくるよう
な構造をしているため、2次樹脂J2が1次樹脂J1の
反意匠面側に入り、1次樹脂J1近傍部を意匠面側金型
2に押し付ける力が働き、1次樹脂J1と意匠面側金型
2との隙間に2次樹脂J2が浸入し難くなるため、見切
り線も向上する。
【0035】前述の効果に加え、さらに、成形品の外観
をよくする場合、図9および図10に示すように、1次
樹脂J1の接着面に開口部よりも内部が大きな蟻溝21
を成形し、2次樹脂J2側の接合面に蟻溝21に係合す
る突起22を一体成形するようにしてもよい。図9は、
1次樹脂J1と2次樹脂J2とが接合された状態の図
と、そのA-A断面図である。ただし、金型1,2は図示
していない。前述の説明と同様に、可動ブロック近傍
に、厚み方向と垂直、かつ、見切り線と垂直な方向にア
ンダーカット部があるため、接合部で1次樹脂J1と2
次樹脂J2とが係合して接着強度が著しく向上する。ま
た、成形品の外観は、1次樹脂J1と2次樹脂J2とが
1本の線L1で繋がったように見え、外観が良好にな
る。図10は、蟻溝21と蟻溝21に係合する突起22
とが意匠面に出ないようにしたものである。2次樹脂J
2の射出空間に相当する可動ブロックが、斜線(右側の
斜線)を引いた形状であれば、前述の説明と同様に、接
合部で1次樹脂J1と2次樹脂J2とが係合して接着強
度が著しく向上する。また、成形品の上下面および側面
とも、1次樹脂J1と2次樹脂J2が1本の線L2で繋
がったように見えるため、外観が良好になる。
【0036】更に、図11に示す構成の金型を用いて
も、接合強度を向上させることができる。この金型に用
いられる可動ブロック6は、空間4の可動ブロック6近
傍において、空間4に射出された1次樹脂J1がその反
意匠面側に凸部があり、その凸部の周りは1次樹脂部主
要部より薄肉であり、凸部先端が2次樹脂J2の反意匠
面より突き出る形状をなすように、可動ブロックが形成
されている。具体的には、3つの可動ブロック片63,
64,65によって構成されている。キャビティ3内を
区画する可動ブロック片63がキャビティ3内に進退可
能に設けられ、この可動ブロック片63に対して可動ブ
ロック片64がキャビティ3内に進退可能に設けられ、
この可動ブロック片65の中心に可動ブロック片65が
進退可能に設けられている。従って、図11(A)の状
態において、1次樹脂J1を空間4に射出する。つい
で、図11(B)のように、可動ブロック片63,64
がキャビティ3内から退避したのち、2次樹脂J2を空
間5内に充填する。ついで、図11(C)のように、可
動ブロック片64を更に後退させたのち、図11(D)
のように、可動ブロック片64,65を共に進出させ
る。すると、可動ブロック片65上にある1次樹脂J1
の凸部が圧縮成形されるから、1次樹脂J1と2次樹脂
J2がリベット状に加締められた状態で接合される。
【0037】
【実施例】(実施例1および比較例1)第1の手法を用
いて、次の条件で、2種の樹脂を一体成形した結果を表
1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】[樹脂種] ・1次樹脂:ブロックPP/タルク(重量比80/2
0)、顔料なし、メルトインデックスMI=30g/1
0分、結晶化温度129℃。 ・2次樹脂:ブロックPP/タルク(重量比80/2
0)、黒着色、メルトインデックスMI=30g/10
分、、結晶化温度129℃。 [成形条件] ・成形金型:比較例1および実施例1とも、図1に示す
構造の金型。 ・1次樹脂および2次樹脂の射出温度、設定射出圧、設
定射出速度 ;比較例1および実施例1とも同じ。 ・金型温度:比較例1では意匠側金型温度と反意匠側金
型温度とが同じ温度(40℃)。 実施例1では意匠側金型温度(40℃)に対して、反意
匠側金型温度は約2倍の80℃。 [結果]引張り強度は、比較例1で10.7MPa、実
施例1で12.0MPaであった。なお、引張り強度の
測定方法は、JISK6301に準拠して、ダンベル形
状の試験片を作成し、チャック間隔70mm、引張速度
10mm/分で測定した。
【0040】(実施例2および比較例2)第2の手法を
用いて、次の条件で、2種の樹脂を一体成形した結果を
表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】[樹脂種] ・1次樹脂および2次樹脂:実施例2および比較例2と
も、比較例1(実施例1)と同じ。 [成形条件] ・成形金型:実施例2および比較例2とも、図1に示す
構造の金型。 ・1次樹脂および2次樹脂の射出温度、設定射出圧、設
定射出速度、金型温度:実施例2および比較例2とも、
比較例1と同じ。 ・射出開始時期:1次樹脂射出開始時間〜2次樹脂開始
時間が、実施例2では7.5秒、比較例2では15.0
秒。ただし、1次樹脂の射出時間は3秒である。 [結果]接合部の断面を観察したところ、実施例2の方
は、2次樹脂が1次樹脂側に潜り込んでいた。
【0043】(実施例3および比較例3)第3の手法を
用いて、次の条件で、2種の樹脂を一体成形した結果
は、次の通りである。 [樹脂種] ・1次樹脂および2次樹脂:実施例3および比較例3と
も、比較例1(実施例1)と同じ。 [成形条件] ・成形金型:実施例3は図7に示す構造の金型。比較例
3は図7に示す金型から凹凸31が省略されている。 ・1次樹脂および2次樹脂の射出温度、設定射出圧、設
定射出速度、金型温度:実施例3および比較例3とも、
比較例1と同じ。 [結果]実施例3では、接合強度が12.5MPaで、
見切りもバリ発生が認められなかった。これに対し、比
較例3は、接合強度が10.7MPaであった。
【0044】
【発明の効果】以上の通り、本発明の複数樹脂の一体成
形方法および一体成形金型によれば、1次樹脂と2次樹
脂との接合部強度を向上させることができるとともに、
1次樹脂と2次樹脂との見切り線も良好にできる、とい
う効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の一体成形金型を示す図
である。
【図2】本発明の第2実施形態の一体成形金型を示す図
である。
【図3】本発明の第3実施形態の一体成形金型を示す図
である。
【図4】本発明の第4実施形態の一体成形金型を示す図
である。
【図5】本発明の第5実施形態の一体成形金型を示す図
である。
【図6】第5実施形態の変形例を示す図である。
【図7】第5実施形態の他の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第6実施形態示す図である。
【図9】第6実施形態の変形例を示す一体成形品を示す
図である。
【図10】第6実施形態の他の変形例を示す一体成形品
を示す図である。
【図11】本発明の更に他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 金型 1A 反意匠面側金型 3 キャビティ 4 空間 4A 厚肉成形部 5 空間 6 可動ブロック 7 熱供給手段 11 断熱層 15 ガス注入口 J1 1次樹脂 J2 2次樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 泰士 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA11 AB11 AG03 AH17 AH51 AH53 AJ13 AM34 CA11 CB28 CK06 CK12 CK17 CK23 CK42 CK54 4F206 AA11 AB11 AG03 AH17 AH51 AH53 AJ13 AM34 JA07 JB28 JL02 JM04 JM05 JN12 JN22 JN25 JQ81

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形方法において、 キャビティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
    脂を射出する工程と、 少なくとも1次樹脂の前記可動ブロック近傍部の温度
    を、他の部分より高温に保ちながら、1次樹脂を冷却す
    る工程と、 前記可動ブロックをキャビティ内から退避させたのち、
    前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出する工
    程と、 を有することを特徴とする複数樹脂の一体成形方法。
  2. 【請求項2】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形方法において、 キャビティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
    脂を射出する工程と、 前記可動ブロック近傍において、1次樹脂が固化し始め
    た直後から、遅くとも1次樹脂の可動ブロック近傍が完
    全に固化する前に、前記可動ブロックをキャビティ内か
    ら退避させたのち、前記キャビティ内部の残る空間に2
    次樹脂を射出して1次樹脂中に潜り込ませる工程と、 を有することを特徴とする複数樹脂の一体成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の複数樹脂の一体成形方
    法において、 前記2次樹脂が潜り込む1次樹脂の可動ブロック近傍
    が、厚肉部であることを特徴とする複数樹脂の一体成形
    方法。
  4. 【請求項4】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形方法において、 キャビティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、 前記可動ブロックによって仕切られ、かつ、可動ブロッ
    ク近傍が厚肉部に相当する空間を持つ仕切空間に1次樹
    脂を射出する工程と、 厚肉部の1次樹脂が固化し始めた直後から、遅くとも1
    次樹脂の可動ブロック近傍が完全に固化する前に、厚肉
    部にガスを注入して中空部を形成する工程と、 前記可動ブロックをキャビティ内から退避させたのち、
    前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出して1
    次樹脂中に潜り込ませる工程と、 を有することを特徴とする複数樹脂の一体成形方法。
  5. 【請求項5】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形金型において、 内部にキャビティを有する金型と、 この金型内部に進退可能に設けられキャビティ内部を仕
    切る可動ブロックとを備え、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間は、可動
    ブロック近傍に厚肉部を形成する空間を有し、その厚肉
    部を形成するキャビティ面にガス注入口を備える、 ことを特徴とする複数樹脂の一体成形金型。
  6. 【請求項6】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形金型において、 内部にキャビティを有する金型と、 この金型内部に進退可能に設けられキャビティ内部を仕
    切る可動ブロックとを備え、 前記可動ブロックは、1次樹脂と接する側端が、意匠面
    から反意匠面に向かうに従って次第に肉薄になるように
    斜めに形成され、その斜めの面に凹凸が形成されてい
    る、 ことを特徴とする複数樹脂の一体成形金型。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の複数樹脂の一体成形金
    型において、 前記可動ブロックが少なくとも2つ以上のブロック片か
    らなり、各ブロック片は、2次樹脂が射出される前にキ
    ャビティ内から退避した際に、反意匠面と平坦な面にな
    ることを特徴とする複数樹脂の一体成形金型。
  8. 【請求項8】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形方法において、 キャビティ内部を可動ブロックによって仕切り、かつ、
    その仕切空間の可動ブロック近傍にキャビティの厚み方
    向に垂直、かつ、見切り線に垂直な方向に対してアンダ
    ーカット部を形成する工程と、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
    脂を射出する工程と、 前記可動ブロックをキャビティ内部から退避させたの
    ち、前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出す
    る工程と、 を有することを特徴とする複数樹脂の一体成形方法。
  9. 【請求項9】 複数の樹脂を見切り線を境として一体成
    形する複数樹脂の一体成形金型において、 内部にキャビティを有する金型と、 この金型内部に進退可能に設けられキャビティ内部を仕
    切る可動ブロックとを備え、 前記可動ブロックは、1次樹脂を射出する仕切空間の可
    動ブロック近傍を、厚み方向に垂直、かつ、見切り線に
    垂直な方向に対してアンダーカットになるように区画す
    る形状に形成されている、 ことを特徴とする複数樹脂の一体成形金型。
  10. 【請求項10】 複数の樹脂を見切り線を境として一体
    成形する複数樹脂の一体成形方法において、 可動ブロック近傍の1次樹脂が、その反意匠面側に凸部
    があり、その凸部の周りに2次樹脂が入り込み、凸部の
    先端が2次樹脂の反意匠面より突き出るように、キャビ
    ティ内部を可動ブロックによって仕切る工程と、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間に1次樹
    脂を射出する工程と、 前記可動ブロックをキャビティ内から退避させたのち、
    前記キャビティ内部の残る空間に2次樹脂を射出する工
    程と、 2次樹脂部の反意匠面より出ている1次樹脂の凸部をリ
    ベット状に潰す工程と、 を有することを特徴とする複数樹脂の一体成形方法。
  11. 【請求項11】 複数の樹脂を見切り線を境として一体
    成形する複数樹脂の一体成形金型において、 内部にキャビティを有する金型と、 この金型内部に進退可能に設けられキャビティ内部を仕
    切る可動ブロックとを備え、 前記可動ブロックによって仕切られた仕切空間の可動ブ
    ロック近傍において、仕切空間に射出された1次樹脂が
    その反意匠面側に凸部があり、その凸部の周りは1次樹
    脂部主要部より薄肉であり、凸部先端が2次樹脂の反意
    匠面より突き出る形状をなすように、可動ブロックが形
    成され、 この可動ブロック内に進退可能に設けられ、凸部先端を
    圧縮するブロック片を有する、 ことを特徴とする複数樹脂の一体成形金型。
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