JP2013088482A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂及びマゼンタ着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、マゼンタ着色剤は、ジメチルキナクリドン(化合物A)、及びメチルキナクリドン(化合物B)、並びに、Pigment Red 150、Pigment Red 57:1、Pigment Red 238、及びPigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料Cを含有し、結着樹脂100質量部に対する化合物Aの含有量をYa質量部、化合物Bの含有量をYb質量部としたときに、Yb/(Ya+Yb)が0.10以上、0.90以下であり、Ybが0.50以上、10.00以下であることを特徴とするトナー。
【選択図】なし
Description
例えば、パーソナル・ユーザーを対象としたコンピューター機器の低価格化に伴い、フルカラーによる映像コミュニケーションが幅広く浸透してきている。その出力手段の一つであるプリンターや複写機のごとく画像形成装置においても、微細な部分に至るまで、忠実に再現することが要求されてきている。
それに伴い、色の鮮やかさについての要求も高まってきており、色再現範囲の拡張が求められている。
さらに昨今では、印刷分野への進出も著しく、電子写真方式の出力画像においても、印刷速度の向上と同時に、印刷の品質と同等以上の高精彩、高精細、粒状性等の画像品質が要求されるようになってきている。
同時にプリントスピードの向上や、ランニングコストの低減、使用環境に依らない画像品質の安定性なども求められ、これら多岐にわたる要求特性を満足するトナーが要望されている。
一般に電子写真方式は、感光体上に電気的な潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、紙などのメディアにトナー画像を転写した後、定着手段によって加熱および/または加圧によって定着し、カラー画像を得るものである。
フルカラー画像の場合、色材の3原色である、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色の有彩色トナー、又はそれにブラックトナーを加えた4色のトナーで色再現を行うものである。
マゼンタトナー用顔料としては、様々な提案がされているが、色の鮮明性や耐光性に優れる点で、キナクリドン系の顔料であるジメチルキナクリドンが多く用いられている。
ただし、ジメチルキナクリドンは着色力があまり高くないため、トナーの着色力を高めるためにトナーへ多量に添加する必要があった。
また、ジメチルキナクリドンは、トナー中で凝集して粗大化し易く、分散性の悪化によってさらに着色力が低下したり、色調が赤みに変化してしまうことがあり、特に2次色(色空間の中で原色を混ぜ合わせて作られた色)である青色の再現性が悪化する傾向にあった。
これらのことから、マゼンタトナーの着色力と青色再現性の両立が課題であり、キナクリドン系顔料と、他の顔料を併用する提案や、キナクリドン系顔料の改良による提案がなされてきた。
例えば、特許文献1では、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料を併用したトナーが提案されている。
また、特許文献2では、キナクリドン系顔料の改良として、ジメチルキナクリドンと非置換キナクリドンを併用したトナーが提案されている。さらに、特許文献3では、対称キナクリドンと非対称キナクリドンを併用したトナーが提案されている。
しかし、いずれのトナーも、印刷分野で求められる高速印刷の画像形成装置での使用では、定着手段におけるトナーの混色が難しくなり、マゼンタトナーの着色力や青色再現性が低下してしまうことがあった。
すなわち、本発明は、
結着樹脂及びマゼンタ着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該マゼンタ着色剤は、下記式(1)で示される化合物A、及び下記式(2)で示される化合物B、並びに、Pigment Red 150、Pigment Red 57:1、Pigment Red 238、及びPigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料Cを含有し、
該結着樹脂100質量部に対する該化合物Aの含有量をYa質量部、該化合物Bの含有量をYb質量部としたときに、Yb/(Ya+Yb)が0.10以上、0.90以下であり、Ybが0.50以上、10.00以下であることを特徴とするトナーに関する。
であって、
該マゼンタ着色剤は、下記式(1)で示される化合物A、及び下記式(2)で示される化合物B、並びに、Pigment Red 150、Pigment Red 57:1、Pigment Red 238、及びPigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料Cを含有し、
該結着樹脂100質量部に対する該化合物Aの含有量をYa質量部、該化合物Bの含有量をYb質量部としたときに、Yb/(Ya+Yb)が0.10以上、0.90以下であり、Ybが0.50以上、10.00以下であることを特徴とする。
本発明者らは、マゼンタ着色剤が、化合物A、化合物B、及び顔料Cを含んでなり、かつ化合物Bの含有量、並びに、化合物Aと化合物Bの合計含有量に対する化合物Bの含有比率がそれぞれ特定の範囲にあることで、着色力が高く、青色再現性に優れたマゼンタトナーとなることを見出した。
化合物A、化合物B、及び顔料Cを含んでなることにより、化合物Aと化合物Bとの相互作用、および化合物Bと顔料Cと相互作用が発現する。
本発明のマゼンタ着色剤は、これらの相互作用により、トナー中における化合物A、化合物B、及び顔料Cの分散性が向上し、かつ可視光の吸収スペクトルが変化することで、着色力が高く、青色再現性に優れるものと推定している。
まず化合物Bと化合物Aとの相互作用による効果について説明する。
一般にキナクリドン系化合物は、分子構造が単純で規則性が高く、分子が層状に重なった際に分子間で水素結合を形成するため、安定で強固な結晶が形成され易い。
中でも化合物Aは、置換基による立体障害の対称性も高いため、特に強固な結晶を形成し、結晶の成長や凝集によって粗大化してしまい、分散性が悪化し易かった。
そして化合物Aの分散性の悪化によって、トナーへの着色が低下する。さらには、凝集して粗大化した化合物Aの色調は赤みに変化し、トナーにおける青色再現性を悪化させていた。
それに対し本発明者らは、トナー中に化合物Aと共に、置換基による立体障害が左右で異なる化合物Bを含有せしめることで、トナー中における、化合物Aと化合物Bの分散性
が改善でき、着色力が高く、青色再現性に優れたトナーが得られることを見出した。
これは、化合物Aと化合物Bの混晶体(固溶体)が生成されることで、強固で凝集性が高い同一分子のみで形成される結晶(単独結晶)の形成が抑制され、かつそれらの成長や凝集による粗大化を抑制できたためと推定している。
本発明のマゼンタ着色剤が、化合物Bを含まないと、該混晶体形成による、化合物Aと化合物Bの分散性向上の効果が得られないため、トナーの着色力や青色再現性が不十分となるため好ましくない。
また、該混晶体の生成には、トナー粒子中における化合物Aと化合物Bの存在比率の制御が重要である。
本発明において、結着樹脂100質量部に対する化合物Aの含有量をYa質量部、化合物Bの含有量をYb質量部としたときに、Yb/(Ya+Yb)が0.10以上0.90以下である。さらに、Yb/(Ya+Yb)は0.20以上、0.80以下であることが好ましい。
Yb/(Ya+Yb)が0.10未満である場合、化合物Bの比率が低すぎるため、化合物Aと化合物Bの混晶体が形成され難くなり、化合物Aと化合物Bの分散性が悪化して、トナーの着色力が低下する。また化合物Aの単独結晶が粗大化してしまい、トナーの青色再現性が悪化する。
一方で、Yb/(Ya+Yb)が0.90を超える場合、化合物Bの比率が高すぎるため、化合物Aと化合物Bの混晶体が形成され難くなり、化合物Aと化合物Bの分散性が悪化してトナーの着色力が低下する。また化合物Bの単独結晶が粗大化して、トナーの青色再現性が悪化する。
本発明において、化合物Bと顔料Cとの相互作用とは、化合物Bが左右に持つ2つのフェニレン環のうち、メチル基で置換されていないフェニレン環(以下、非置換フェニレン環と記載する場合がある)と、顔料Cが有するナフタレン環によるπ−π相互作用を意味する。
一般にπ−π相互作用とは、有機化合物が有する芳香環の間に働く相互作用力であり、2つの芳香環がコインを積み重ねたような配置で安定化する。このときπ電子の軌道が疑似的に重なりあり、それぞれの芳香環には非局在化したπ電子が豊富に存在することになる。
本発明の着色剤は、該π−π相互作用の効果によって、化合物Bや顔料Cの芳香環が見掛け上過剰なπ電子を有している。
そのため化合物Bのフェニレン環や、顔料Cが有するナフタレン環が有するπ電子は、通常よりも低いエネルギーで遷移でき、吸収波長が長波長側へとシフトして、青色波長域の吸収が抑えられるため、優れた青色再現性が発現するものと推定している。
さらに、該π−π相互作用によって、トナー中における化合物Bや顔料Cの単独結晶の凝集や粗大化が抑えられ、分散性も高まることで、トナーの着色力も向上できる。
本発明のトナーは、結着樹脂100質量部に対する化合物Bの含有量をYb質量部としたときに、Ybが0.50以上、10.00以下である。好ましくは、Ybが0.75以上、7.50以下である。
Ybが0.50未満である場合、化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用が発現し難くなり、青色再現性の改善効果が得られない。また化合物Bや顔料Cの分散性が悪化して、着色力も低下してしまう。
一方で、Ybが10.00を超える場合、化合物Bの単独結晶の成長や凝集により、化合物Bの分散性が悪化して着色力が低下し、青色再現性も悪化してしまう。
顔料Cはこれらの顔料の1種類でもよく、2種類以上を含有してもよい。
顔料Cは、いずれも分子鎖骨格にナフタレン環を有しており、かつ該ナフタレン環の置換基による立体障害が少ないため、上述した化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用による効果が発現し、着色力が高く、青色再現性を得ることができる。
本発明のマゼンタ着色剤が顔料Cを含まないと、上述の化合物Bとのπ−π相互作用による効果が発現せず、青色再現性や着色力が不十分となる。
本発明のトナーは、該結着樹脂100質量部に対する顔料Cの含有量をYc質量部としたときに、Yc/(Ya+Yb+Yc)が0.20以上、0.80以下であることが好ましい。より好ましくは、Yc/(Ya+Yb+Yc)が0.25以上、0.75以下である。
Yc/(Ya+Yb+Yc)が0.20以上であることにより、化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用が促進され、印刷速度が速い画像形成装置で用いた場合でも、安定して高い着色力を発現させ、優れた青色再現性を発現させることができる。
また、Yc/(Ya+Yb+Yc)が0.80以下であることにより、顔料Cの単独結晶の成長や凝集がさらに抑えられ、印刷速度が速い画像形成装置で用いた場合でも、安定して高い着色力を発現させ、優れた青色再現性を発現させることができる。
これは、化合物A、化合物B、及び化合物Dの3成分系の混晶体が形成されることで、さらに着色剤の分散性が向上するためと推定される。
また、化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用に加えて、化合物Dと顔料Cとのπ−π相互作用も発現することで、着色剤の吸収波長がより長波長側へシフトし、さらに優れた青色再現性が発現するものと推定される。
該結着樹脂100質量部に対する化合物Dの含有量をYd質量部としたときに、Yd/(Ya+Yb+Yc+Yd)が0.01以上、0.05以下であることが好ましい。より好ましくは、Yd/(Ya+Yb+Yc+Yd)が0.02以上、0.04以下である。
化合物Dは化合物Aよりもさらに結晶性が高く凝集し易いキナクリドン系化合物であるが、Yd/(Ya+Yb+Yc+Yd)が0.05以下とすることで、トナー中における化合物Dの凝集を抑え易い。そのためさらに着色力が高く、青色再現性に優れたトナーとなる。
また一方で、Yd/(Ya+Yb+Yc+Yd)が0.01以上であることで、上述した化合物D添加による効果が発現し易くなり、さらに着色力や青色再現性に優れたトナーとなる。
(Ya+Yb+Yc+Yd)が5.00質量部以上であることで、トナーとしての着色力が高まるため好ましい。一方で、(Ya+Yb+Yc+Yd)が20.00質量部以下であることで、化合物A、化合物B、顔料C、及び化合物Dの分散性を高く維持でき、さらに青色再現性に優れたトナーとなるため好ましい。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
これらの中でも、上記マゼンタ着色剤との親和性が高く、化合物A、化合物B、顔料C、及び化合物Dの分散性をさらに良化させることができる点で、芳香環を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、「ポリエステルユニット」を結着樹脂鎖中に有している樹脂であり、該ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とが挙げられる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられるアルコールモノマー成分としては、芳香環を含むモノマー成分であり、ポリエステル樹脂を構成するアルコールモノマー成分において、芳香環を含むモノマー成分は、80モル%以上の割合で含有することが好ましい。
一方、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライ
ン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられる酸モノマー成分としては、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸である。
また、本発明において、結着樹脂がポリエステル樹脂であり、ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上、20mgKOH/g以下であると、着色剤の分散性がさらに優れ、さらに着色力が高く、青色再現性にも優れたトナーなるため好ましい。
なお、ポリエステル樹脂の酸価は、樹脂に用いるモノマーの種類や配合量を調整することにより、上記範囲とすることができる。具体的には、樹脂製造時のアルコールモノマー成分比/酸モノマー成分比、分子量を調整することにより制御できる。また、エステル縮重合後、末端アルコールを多価酸モノマー(例えば、トリメリット酸)で反応させることでも制御できる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性や摩擦帯電の安定性の観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上、20質量部以下であることが好ましい。また、トナーの保存性と高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上、200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上、110℃以下であることが好ましい。
有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上、10質量部以下が好ましい。
当該外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウムの如き無機微粒子が好ましい。該無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
用いられる外添剤の比表面積としては、10m2/g以上、200m2/g以下であることが、外添剤の埋め込み抑制の観点で好ましい。
また、該外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、5.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができるが、混合できればよく、特に装置は限定されるものではない。
磁性キャリアとしては、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、及び希土類の如き金属粒子、並びにそれらの合金粒子及び酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と該磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上、15質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは4質量%以上、13質量%以下である。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
本発明において、着色剤である化合物A、化合物B、化合物Dの製造方法は特に制限がなく、キナクリドン化合物の製造方法として従来から知られた手法で製造することができる。また、顔料Cの製造方法も特に制限されず、従来公知の手法で製造することができる。
キナクリドン系化合物である化合物A、化合物B、化合物Dは、それぞれ別々に合成しても、同一の反応釜中にて同時および/または逐次で合成してもよい。
化合物A、化合物B、及び化合物Dの混晶体形成を促進してトナー中における分散性を高めやすい点で、同一の反応釜中にて同時および/または逐次で合成することが好ましい。
一方、化合物A、化合物B、及び化合物Dの混晶体形成や、化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用を促進するために、これらの着色剤をトナーに添加する前に、あらかじめ着色剤と結着樹脂を含んでなる着色剤マスターバッチを製造することが好ましい。
着色剤マスターバッチは、一種類の着色剤が配合された着色剤マスターバッチであっても、複数種の着色剤が同一マスターバッチ内に配合された混合着色剤マスターバッチであってもよい。
さらに混晶体の形成や、π−π相互作用を促進するためには、化合物Bと、他の着色剤とを組み合わせて配合した、混合着色剤マスターバッチを製造することが好ましい。
混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。溶融混合物に加えるせん断力や、温度を制御し易く、かつ連続的生産できる点で、2軸押出機を用いることが好ましい。
用いられる2軸混練機としては、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
本発明のトナーは、化合物A、化合物B、及び化合物Dの混晶体形成や、化合物Bと顔料Cとのπ−π相互作用を促進させるために、該溶融混練工程を経て、せん断力によって混合されることが好ましい。
更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
<樹脂のピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、及び重量平均分子量(Mw)の測定方法>
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は
、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、
806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
樹脂の「酸価」の測定は、JIS−K0070に準ずる。
ここで、酸価は、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表され、具体的測定方法は以下の通りである。
(1)試薬
(a)溶剤エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬としてN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/10水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これをN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
つぎの式によって酸価を算出する。
A=(B×f×5.611)/S
A:酸価(KOHmg/g)
B:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックス約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度を、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度とする。
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明における無機微粒子のBET比表面積とする。
尚、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、無機微粒子に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と無機微粒子の窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、無機微粒子の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて該の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、該で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記の式に基づいて、無機微粒子のBET比表面積S(m2/g)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。)
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約0.1gの無機微粒子を入れる。
無機微粒子を入れた該試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。尚、真空脱気の際には、無機微粒子が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差から無機微粒子の正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内の無機微粒子が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、無機微粒子が入った該試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、該装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入して無機微粒子に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより該吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、上述したように無機微粒子のBET比表面積を算出する。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細
孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<結着樹脂の製造例1>
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
76.90質量部(0.167モル)、テレフタル酸24.10質量部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.40質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら徐々に昇温し、195℃の温度で攪拌しつつ、5時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸1.90質量部(0.010モル)を添加し、175℃で1時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂1を得た。
この結着樹脂1の酸価は8mgKOH/gであり、水酸基価は66mgKOH/gであった。またGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)8,000、数平均分子量(Mn)3,500、ピーク分子量(Mp)5,700、軟化点は90℃であった。
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン71.30質量部(0.155モル)、テレフタル酸24.10質量部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.50質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら徐々に昇温し、195℃の温度で攪拌しつつ、3時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸4.80質量部(0.025モル)を添加し、175℃で12時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂2を得た。
この結着樹脂2の酸価は8mgKOH/gであり、水酸基価は18mgKOH/gであった。またGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)210,000、数平均分子量(Mn)5,500、ピーク分子量(Mp)10,500、軟化点は133℃であった。
結着樹脂の製造例1において、得られる結着樹脂の酸価を調整するために、無水トリメリット酸の添加量を、結着樹脂3では1.15質量部、結着樹脂4では3.50質量部、結着樹脂5では0.20質量部、結着樹脂6では4.70質量部に、それぞれ変更した以外は、結着樹脂の製造例1と同様にして、結着樹脂3〜6を得た。結着樹脂3〜6の酸価を下記に示す。
・結着樹脂3 酸価 5mgKOH/g
・結着樹脂4 酸価 15mgKOH/g
・結着樹脂5 酸価 1mgKOH/g
・結着樹脂6 酸価 20mgKOH/g
なお、結着樹脂3〜6の酸価以外の物性(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピーク分子量(Mp)、軟化点)を表1に示す。
結着樹脂の製造例2において、得られる結着樹脂の酸価を調整するために、無水トリメリット酸の添加量を、結着樹脂7では4.00質量部、結着樹脂8では6.40質量部、
結着樹脂9では3.10質量部、結着樹脂10では7.60質量部に、それぞれ変更した以外は、結着樹脂の製造例2と同様にして、結着樹脂7〜10を得た。結着樹脂7〜10の酸価を下記に示す。
・結着樹脂7 酸価 5mgKOH/g
・結着樹脂8 酸価 15mgKOH/g
・結着樹脂9 酸価 1mgKOH/g
・結着樹脂10 酸価 20mgKOH/g
なお、結着樹脂7〜10の酸価以外の物性(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピーク分子量(Mp)、軟化点)を表2に示す。
・スチレン 80.00質量部
・アクリル酸−n−ブチル 20.00質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
0.80質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し130℃に昇温させた後、3時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、結着樹脂11を得た。得られた結着樹脂11の酸価は検出下限未満であった。またガラス転移温度(Tg)は56℃であり、GPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)50,000、数平均分子量(Mn)10,000、ピーク分子量(Mp)18,000、軟化点は108℃であった。
加圧反応器オートクレーブに、乾燥済みのジメチルスクシニロスクシナート(1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジ−カルボン酸メチルエステル)30.00質量部、アニリン7.00質量部、p−トルイジン22.00質量部、メタノール300.00質量部および塩酸(35質量%)1.00質量部を投入した。
オートクレーブを密封し、窒素ガスでフラッシュし、オートクレーブの内圧を0.1kg/cm2のゲージ圧に保った。混合物を攪拌しながら、オートクレーブ内の温度を昇温速度4.0℃/分で、25℃から85℃まで昇温させ、85℃にて混合物を5時間反応させた。
次いで、反応混合物を30℃以下まで冷却した時点で圧力を開放して大気圧とした。その後冷却を続け、オートクレーブ内の温度を25℃に保った。
オートクレーブに、水酸化ナトリウム水溶液(50質量%)40.00質量部と、m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム34.60質量部を入れ、密封した。
該混合物を10分間攪拌し、オートクレーブ内の温度を、昇温速度4.0℃/分で、25℃から85℃まで昇温し、該混合物を5時間反応させた。
そして再度30℃以下に冷却し、ろ過して、全ての固体を除去した。
残った溶液を、攪拌しながら、40℃に加熱し、塩酸(35質量%)18.00質量部を滴下し、混合物を30分間この温度で保持した。
その後、混合物をろ過し、得られたろ過ケーキを水/メタノール(体積比1/1)混合
物と冷水で洗浄し、次いで乾燥して生成物を得た。
該生成物は、HPLCにおける相対ピーク面積比から、化合物Aの中間体である式(4)の化合物、化合物Bの中間体である式(5)の化合物、および化合物Dの中間体である式(6)の化合物を、71.80:24.80:3.40の質量比で含んだものであった。
そして該中間体の混合物を45質量部加え、混合物を130℃で3時間加熱することで、閉環反応を行った。混合物を110℃に冷却し、水6質量部を10分間かけて徐々に加えた。
その後、混合物を50℃の水750質量部の中に注ぎ入れ、60℃で1.5時間攪拌した。固体をろ過により収集し、洗浄水が中性になるまで水洗した。
得られたプレスケーキ100質量部を、メタノール170質量部の中で再スラリー化し、スラリーを耐圧反応器中、90℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、pHを水酸化ナトリウム溶液(50質量%)で9.0〜9.5の範囲に調整した。
固体をろ過により収集し、水洗した。湿潤プレスケーキを80℃のオーブン中で乾燥して化合物A、化合物B、及び化合物Dが混合された混合着色剤1を得た。
混合着色剤1のHPLCでの相対ピーク面積比から、混合着色剤1は、式(7)で表される化合物A、式(8)で表される化合物B、および式(3)で表される化合物Dを67.80:28.25:3.95の質量比で含んだものであった。
・結着樹脂1 100.00質量部
・混合着色剤1 67.82質量部
・C.I.Pigment Red 238 32.18質量部
・蒸留水 100.00質量部
上記の原料をまずニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。最高温度(ペースト中の溶媒の沸点により必然的に決定される。この場合は90〜100℃程度)に達した時点で水相中の原料が溶融樹脂相に移行するのを確認した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、ペースト中の顔料を十分に移行させる。その後、一旦、ミキサーを停止させ、熱水を排出した後、さらに110℃まで昇温させ、約30分間加熱溶融混練を行い、顔料を分散させると供に水分を留去し、該工程を終了した後、冷却し、混練物を取り出し、冷却後にハンマーミルを用いて1〜2mm程度の粒径に粉砕することで着色剤マスターバッチ1を得た。
着色剤マスターバッチの製造例1において、表3のように処方を変更して、着色剤マスターバッチ2〜29を得た。
(トナーの混練、粉砕、分級工程)
・着色剤マスターバッチ1(着色剤の総含有量50質量%) 20.88質量部
・結着樹脂1 49.56質量部
・結着樹脂2 40.00質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク;78℃) 5.00質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸Al化合物 1.00質量部
上記の処方で十分にヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出機にてバレル温度を150℃に設定して溶融混練し、冷却後にハンマーミルを用いて1〜2mm程度の粒径に粗粉砕する。ついでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級し、粒度分布における重量平均径が6.3μmのマゼンタ着色剤を含有するトナー粒子1を得た。
(トナーの外添工程)
・トナー粒子1 100.00質量部
・酸化チタン微粒子 0.80質量部
・シリカ微粒子 0.60質量部
上記の処方でヘンシェルミキサーにて外添混合を施し、マゼンタトナー1を得た。
酸化チタン微粒子としては、平均一次粒径50nmの酸化チタン原体100質量部に対して、イソブチルトリメトキシシラン10質量部で表面処理を施したものを用いた。
シリカ微粒子としては、ヒュームド法で製造されたBET比表面積200m2/gのシ
リカ原体100質量部に対して、ヘキサメチルジシラザン7質量部で表面処理を施したものを用いた。
トナーの製造例1において、トナーの混練工程における処方を表4のように変更した以外は同様にして、表5に示すトナー2〜49を製造した。
トナーの製造例1において、着色剤マスターバッチの処方と、トナーの混練、粉砕、分級工程における処方を、それぞれ下記のように変更した以外は、トナーの製造例1と同様にして、シアントナー1を得た。
(シアントナー1の着色剤マスターバッチの処方)
・結着樹脂1 100.00質量部
・C.I.Pigment Blue 15:3 100.00質量部
・蒸留水 100.00質量部
(トナーの混練、粉砕、分級工程)
・シアンマスターバッチ1(着色剤の総含有量50質量%) 14.00質量部
・結着樹脂1 53.00質量部
・結着樹脂2 40.00質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク;78℃) 5.00質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸Al化合物 1.00質量部
工程1(秤量・混合工程):
・Fe2O3 60.2質量%
・MnCO3 33.9質量%
・Mg(OH)2 4.8質量%
・SrCO3 1.1質量%
上記構成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径10mmジルコニアのボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度1000℃で1.5時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りであった。
(MnO)0.387(MgO)0.108(SrO)0.010(Fe2O3)0.495
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.4mm程度に粉砕した後に、直径10mmステンレスのボールのボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで8時間粉砕した。
そのスラリーを、直径1.0mmジルコニアのビーズを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約35μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%以下)で、温度1400℃で2.5時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子1を得た。
・ストレートシリコーン樹脂(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
(20質量%トルエン溶液における動粘度 1.1×10−4m2/sec)
・γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
・トルエン 79.0質量%
上記材料を上記組成比になるように混合し、樹脂液1を得た。
100質量部の磁性コア粒子1に、樹脂液1を樹脂成分として1.2質量部になるようにナウターミキサーに投入した。減圧下で70℃に加熱し、1.7S−1(100rpm)で混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサーに移し、窒素雰囲気下、温度200℃で3時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の体積分布基準の50
%粒径(D50)は、36.8μmであった。
トナー1及び磁性キャリア1を、トナー濃度が8質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s−1、回転時間5minで混合し、二成分系現像剤1を得た。
また、組み合わせるトナーと磁性キャリアを表6のように変更して、二成分系現像剤2〜49、および二成分現像剤Cを得た。そして実施例1〜42、比較例1〜7の二成分系現像剤として評価を行った。結果を表7に示す。
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5051の改造機を用い、マゼンタステーションの現像器に二成分系現像剤1
を投入して、評価を行った。
印刷速度を通常の1.5倍(A4横送り76.5枚/分)となるようにした。
評価環境は、常温常湿環境下(23℃、50%RH)とし、評価紙は、コピー用紙CS−814(A4、坪量81.4g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
まず該評価環境において、紙上のトナー乗り量を変化させて、画像濃度と、紙上のトナー載り量との関係を調べた。
次いで、FFH画像(ベタ部)の画像濃度が1.55になるように調整し、画像濃度が1.55になる際の、トナー載り量を求めた。
FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする。
画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用して測定した。
該トナー載り量(mg/cm2)から、下記の基準でトナーの着色力を評価した。
(評価基準)
A:0.45未満 非常に優れている
B:0.45以上、0.55未満 良好である
C:0.55以上、0.65未満 本発明では問題ないレベルである
D:0.65以上 本発明では許容できない
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5051の改造機を用いて、マゼンタステーションの現像器に二成分現像剤1を投入し、シアンステーションの現像器に二成分現像剤Cを投入して、評価を行った。
印刷速度を通常の1.5倍(A4横送り76.5枚/分)となるようにした。
評価環境は、常温常湿環境下(23℃、50%RH)とし、評価紙は、コピー用紙CS−814(A4、坪量81.4g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
二成分現像剤1と、二成分現像剤Cを用いて、2次色である青色の画像形成を行った。このとき、00H(ベタ白)からFFH画像(ベタ部)までを、16階調で区切り画像を形成した。
2次色の画像形成において、二成分現像剤1のFFH画像(ベタ部)の載り量を、単色における画像濃度が1.55となる載り量とした。
また、二成分現像剤Cについては、FFH画像(ベタ部)の載り量を0.45mg/cm2となるように調整した。0.45mg/cm2という載り量は、二成分現像剤Cの単色における画像濃度が1.55となる載り量である。
得られた16階調の2次色(青色)画像について、SpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)(測定条件:D50 視野角2°)を用いて各階調の画像のL*、a*、b*を測定し、下記の式から各階調のC*を求めた。
C*={(a*)2+(b*)2}0.5
各階調のC*を比較し、最も大きいC*(C*max)を求め、青色再現性の評価の指標とした。C*maxが大きいほど青色再現性に優れており、下記の基準で評価を行った。
(評価基準)
A:55以上 非常に優れている
B:50以上、55未満 良好である
C:42以上、50未満 本発明では問題ないレベル
D:42未満 本発明では許容できない
Claims (5)
- 前記結着樹脂100質量部に対する前記顔料Cの含有量をYc質量部としたときに、Yc/(Ya+Yb+Yc)が0.20以上、0.80以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトナー。
- 前記結着樹脂100質量部に対する前記化合物Dの含有量をYd質量部としたときに、Yd/(Ya+Yb+Yc+Yd)が0.01以上、0.05以下であることを特徴とする、請求項3に記載のトナー。
- 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、該ポリエステル樹脂の酸価が1mgKOH/g以上、20mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
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