JP2018112688A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
メディア等速に対応していくために、トナーには低温から高温まで幅広い定着温度範囲で適正に定着を完了することが求められるようになってきている。
幅広い定着可能温度で適正にトナーを定着させるために、シャープメルト性を有する結晶性樹脂をトナーへ添加し、低温定着性能を向上させ、トナー中にワックスを含有させ、トナーに離型性を持たせる方法がある。この場合、トナー中の結晶性樹脂及びワックスの分散状態は、トナーの性質に重大な影響を及ぼすため、微細かつ均一であることが望まれる。
トナー中のワックスの分散状態を制御するために、トナー中にワックス分散剤を含有させる技術が提案されている(特許文献1)。
また、低温定着性と耐オフセット性向上のために、トナーとワックスの溶融粘度と、ワックスとワックス分散剤の配合比を調整する技術が提案されている(特許文献2)。
しかし、トナー中のワックスの分散状態を制御しても、トナーを高温高湿下に放置した場合や、熱球形化処理などの後処理を行うと、ワックスがトナー表面近傍に移行溶出してくるため、トナーの流動性が悪化し、帯電性に劣る場合があった。
また、高速機においては、依然として低温での定着性が不足しており、高温高湿環境下に長期間放置されるとブロッキングを起こすことがあった。特に、結晶性樹脂とともに溶融混練した溶融混練粉砕トナーは、混練時の粘度が低くなるため、混練時に十分な混練負荷をかけることが難しい。そのため、ワックスなどトナー中の各種材料が十分に分散せず、帯電性等に劣る場合があった。
以上のように、トナー中のワックスの分散状態を制御し、帯電性と低温定着性、耐ブロッキング性(保存性)を満足させるためには、依然として検討の余地がある。
すなわち、本発明は、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、ワックス、及びワックス分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記ワックス分散剤が、飽和脂環式化合物由来のユニットを有するスチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位と、を有する重合体であり、
前記ワックスが、下記式(1)で示されるエステル化合物である
ことを特徴とするトナーに関する。
R1−CO−O−R2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数18以上24以下のアルキル基を示す。)
前記ワックス分散剤が飽和脂環式化合物由来のユニットを有するスチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体であり、
前記ワックスが、下記式(1)で示されるエステル化合物であることを特徴とする。
R1−CO−O−R2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数18以上24以下のアルキル基を示す。)
70≦Mp(p)≦90 (2)
B≧1.5×W (3)
本発明において、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を含有し、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
本発明のトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが必要である。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作成する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
本発明において、低温定着性を向上させるという観点から、トナー粒子はエステルワックスを含有する。該エステルワックスとしては、以下のようなものが挙げられる。
カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
本発明のワックス分散剤は、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体であって、該スチレンアクリル系ポリマーが、飽和脂環式化合物由来のユニットを含有する。
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。また、長期にわたり安定した画像が得られるという点でも好ましい。
次に、本発明においてトナーを製造する手順について説明する。
エステル化合物のアルコール遊離率は、核磁気共鳴分析装置「JNM−ECA FT−NMR」(JOEL社製)を用いて以下の条件にて測定を行い、算出した。
溶媒:CDCl3 8mg/ml、測定:1H、13C、HMQC、HMBC
アルコール遊離率:
(OH末端由来3.6ppm積分値)/(OHエステル結合由来4.1ppm積分値+OH末端由来3.6ppm積分値)
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
本発明におけるトナー等の最大吸熱ピークのピーク温度(Tp)は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
結晶性樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
分離カラム:Shodex (TSK GMHHR−H HT20)×2
カラム温度:135℃
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
移動相流速:1.0ml/min.
試料濃度 :約0.3%
注入量 :300μl
検出器 :示差屈折率検出器 Shodex RI−71
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
窒素導入管、冷却管、撹拌機及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコを窒素で置換した後、表1に示した原料モノマー及びオクチル酸錫(II)を投入し、180℃で昇温後、10時間反応させた。さらに15mmHgで5時間反応させた後、第二の反応工程として、表1に従い無水トリメリット酸を加え、180℃で3時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。樹脂物性を表1に示した。
非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例において、表1に示した原材料を用い、第二の反応工程において、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す所望の温度に到達したのを確認して、反応を停止した以外は樹脂Aの製造例とほぼ同様にして、樹脂Bを合成した。樹脂物性を表1に示した。
窒素雰囲気下で、滴下ロート、リービッヒ冷却管及び撹拌機を備えた耐圧反応機に1,6−ヘキサンジオール118g、ドデカン二酸230g、スチレン36.2g、アクリル酸2.5g、ジクミルパーオキサイド3.0gを加えて、170℃まで昇温し、10時間反応させた。このときの圧力は8.3kPaであった。
結晶性ポリエステル樹脂1の製造例において、酸成分、アルコール成分が表2となるように変更した以外は、結晶性ポリエステル樹脂1の製造例と同様の操作を行い、結晶性ポリエステル樹脂2乃至結晶性ポリエステル樹脂3を得た。
加熱乾燥した10リットルオートクレーブにn−ヘプタン4000mlを入れ、脱気した後、水素0.2MPaを導入し、さらに、プロピレンを導入し、重合温度90℃、全圧0.8MPaまで昇温、昇圧した。トリイソブチルアルミニウム 5ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート 5マイクロモル、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド 1マイクロモルを加え、50分間重合した。重合反応終了後、反応物を減圧下、乾燥することにより、プロピレン系重合体としてポリプロピレン1を得た。ポリプロピレン1の物性を表3に示した。
触媒量、重合温度、反応時間を調整し、所定の物性となるよう制御した以外は、ポリプロピレン1の製造例と同様してポリプロピレン2乃至5を製造した。
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン300質量部、ポリプロピレン1を10質量部入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン42.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシル40.0質量部、ブチルアクリレート8.0質量部、及びキシレン250質量部の混合溶液を180℃で3時間滴下し重合する。さらにこの温度で30分間保持し、脱溶剤を行い、ワックス分散剤1を得た。得られたワックス分散剤1の組成を表4に示す。
ワックス分散剤1の製造例において、ポレオレフィンの種類と部数、スチレンアクリル系ポリマーの組成と部数が表4となるように適宜条件を変更した以外は、ワックス分散剤1の製造例と同様の操作を行い、ワックス分散剤2乃至7を得た。得られたワックス分散剤の組成を表4に示す。
ジムロート還流器、Dean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコ反応装置にベンゼン1740質量部、長鎖アルキルカルボン酸成分1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分1200質量部、さらにp−トルエンスルホン酸120質量部を加え十分撹拌し溶解後、5時間還流せしめた後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥しベンゼンを留去した。得られた生成物を再結晶後、洗浄し精製してエステルワックスを得た。各エステルワックスは、長鎖アルキルカルボン酸の種類及び量と、長鎖アルキルアルコールの種類及び量とを変更することにより調製した。得られたエステル化合物の組成を表5に示す。
・非晶性ポリエステル樹脂A 70質量部
・非晶性ポリエステル樹脂B 30質量部
・結晶性ポリエステル樹脂1 7.5質量部
・ワックス分散剤1 8質量部
・ワックス(エステル化合物1) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE101 オリエント化学工業社製) 0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度150℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。
トナー1の製造例において、得られたトナー粒子1を熱処理しなかった以外はトナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー2を得た。
トナー2の製造例において、結晶性ポリエステル樹脂の種類と含有量、ワックスの種類と含有量、ワックス分散剤の種類と含有量が表6となるように適宜条件を変更した以外はトナー2の製造例と同様の操作を行い、トナー3乃至トナー20を得た。なお、トナー20において用いたフィッシャートロプシュワックスは、最大吸熱ピークのピーク温度が78℃であった。
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1乃至20を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1乃至20を得た。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、プロセススピードを自由に設定できるように変更した。画像出力評価時、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーは、FFh画像(ベタ画像)のトナーの紙上への載り量が0.35mg/cm2となるように調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm2
評価画像:上記A4用紙の中心に10cm2の画像を配置
定着試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
A:濃度低下率1.0%未満(非常に優れている)
B:濃度低下率1.0%以上5.0%未満(良好である)
C:濃度低下率5.0%以上10.0%未満(本発明では問題ないレベル)
D:濃度低下率10.0%以上(本発明では許容できないレベル)
静電潜像担持体上のトナーを金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引捕集することにより、トナーの摩擦帯電量及びトナー載り量を算出した。具体的には、静電潜像担持体上のトナーの摩擦帯電量及びトナー載り量は、ファラデー・ケージ(Faraday−Cage)によって測定した。
トナーの載り量(mg/cm2)=M/S
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M
A:維持率が80%以上 (非常に優れている)
B:維持率が70%以上80%未満(良好である)
C:維持率が60%以上70%未満(本発明において許容レベル)
D:維持率が60%未満 (本発明では許容できないレベル)
100ccのポリカップにトナー5gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(55℃、41%)に48時間放置し、放置後にトナーの凝集性を評価した。凝集性は、ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−Xにて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。
A:残存率2.0%未満(非常に優れている)
B:残存率2.0%以上10.0%未満(良好である)
C:残存率10.0%以上15.0%未満(本発明では問題ないレベル)
D:残存率15.0%以上(本発明では許容できないレベル)
トナー製造例の分級工程にて分級されたトナー粒子と、トナー粒子と分別され回収された微粒子側粒子を用い、トナー中のワックスDSC吸熱量(ΔH)の測定を行った。
A:F/Mが1.00以上1.10未満(非常に優れている)
B:F/Mが1.10以上1.20未満(良好である)
C:F/Mが1.20以上1.30未満(本発明では問題ないレベル)
D:F/Mが1.30以上(本発明では許容できないレベル)
二成分系現像剤2乃至20を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
Claims (6)
- 非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、ワックス、及びワックス分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記ワックス分散剤が、飽和脂環式化合物由来のユニットを有するスチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体であり、
前記ワックスが、下記式(1)で示されるエステル化合物である
ことを特徴とするトナー。
R1−CO−O−R2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数18以上24以下のアルキル基を示す。) - 前記飽和脂環式化合物由来のユニットが、シクロヘキシルアクリレート由来のユニット又はシクロヘキシルメタクリレート由来のユニットである請求項1に記載のトナー。
- 前記エステル化合物中における未反応のアルコール成分の割合が、1.5%以下である請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記ポリオレフィン部位が、ポリプロピレンを含有し、
前記ポリプロピレンの融点Mp(p)が、下記式(2)を満たす
請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
70≦Mp(p)≦90 (2) - 前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸化合物と、の縮重合物であり、
前記トナー粒子中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、前記トナー粒子中の前記非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対し、3質量部以上15質量部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記ワックス分散剤の含有量B(質量部)と前記ワックスの含有量W(質量部)が、下記式(3)を満たす請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
B≧1.5×W (3)
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