JP2012008279A - 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012008279A
JP2012008279A JP2010143032A JP2010143032A JP2012008279A JP 2012008279 A JP2012008279 A JP 2012008279A JP 2010143032 A JP2010143032 A JP 2010143032A JP 2010143032 A JP2010143032 A JP 2010143032A JP 2012008279 A JP2012008279 A JP 2012008279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
fixing
developer
magenta
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010143032A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushige Nakamura
安成 中村
Shinichi Yaoi
真一 矢追
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2010143032A priority Critical patent/JP2012008279A/ja
Priority to US12/914,404 priority patent/US8435708B2/en
Priority to AU2010246332A priority patent/AU2010246332B2/en
Publication of JP2012008279A publication Critical patent/JP2012008279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/09Colouring agents for toner particles
    • G03G9/0906Organic dyes
    • G03G9/092Quinacridones
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/09Colouring agents for toner particles
    • G03G9/0906Organic dyes
    • G03G9/0922Formazane dyes; Nitro and Nitroso dyes; Quinone imides; Azomethine dyes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/09Colouring agents for toner particles
    • G03G9/0906Organic dyes
    • G03G9/0924Dyes characterised by specific substituents

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着性が向上した高速の画像形成が可能な光定着用マゼンタトナー、現像剤、現像剤カートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】結着樹脂と、赤外線吸収剤としてジイモニウム化合物及びアミニウム化合物から選択される少なくとも1種を含有し、着色剤としてモノメチルキナクリドン又はジメチル体、モノメチル体及び無置換の三種の化合物の固溶体を含有する光定着用マゼンタトナーを使用することにより高速の画像形成を可能とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンター、印刷機などの分野で広く普及している電子写真方式において、記録媒体に転写後のトナー像の定着には、加圧、加熱又はこれらを併用してトナーを溶融させた後に固化定着させる方法や、光エネルギーを照射しこの光エネルギーから変換された熱エネルギーによってトナーを溶融させた後に固化定着させる方法などがある。このなかでも光定着法が注目を集めている。光定着法には、キセノンランプを用いたフラッシュ定着法、発光ダイオードや高輝度レーザを用いたレーザ定着法が知られている。
前記光定着法用のカラートナーとしては、赤外線吸収剤を添加する方策が提案されている。更に、定着時に自らは消色して定着後には目的とする着色剤の呈色が可能な光消色型の赤外線吸収剤を用いた光定着用カラートナーが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この光消色型の赤外線吸収剤は、シアニン系又はアミニウム系の赤外線吸収剤に、有機ホウ素系の染料を添加したものである。
また、特許文献4及び特許文献5には、マゼンタの顔料として無置換のキナクリドン(ピグメントバイオレット19)を含むマゼンタトナーが開示されている。更に、特許文献6には、新規な顔料組成物として、モノメチルキナクリドンを含むものが開示されている。
特開2000−352835号公報 特開2004−170957号公報 特開平5−100472号公報 特開2003−270860号公報 特開2004−138727号公報 特表2007−500254号公報
本発明の課題は、定着性が向上した光定着用マゼンタトナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるアミニウム化合物から選択される少なくとも1種と、モノメチルキナクリドンと、を含有する光定着用マゼンタトナーである。
一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
請求項2に係る発明は、
前記モノメチルキナクリドンが、下記化合物である請求項1に記載の光定着用マゼンタトナーである。
請求項3に係る発明は、
前記モノメチルキナクリドンが、下記3種の化合物の固溶体として含有されてなる請求項1又は請求項2に記載の光定着用マゼンタトナーである。
請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光定着用マゼンタトナーを含有する静電荷像現像剤である。
請求項5に係る発明は、
記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、請求項4に記載の静電荷像現像剤を収納する現像剤カートリッジである。
請求項6に係る発明は、
潜像保持体と、
前記潜像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記潜像保持体の表面に形成された静電潜像を請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光定着用マゼンタトナーによりトナー像に現像する現像装置と、
前記潜像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記記録媒体に転写されたトナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
前記トナー像を転写する際の前記記録媒体の搬送速度が、1000mm/秒以上である請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、顔料としてモノメチルキナクリドンを含まない場合に比べて、定着性が向上した光定着用マゼンタトナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、顔料として上記特定の構造のモノメチルキナクリドンを含まない場合に比べて、定着性が向上した光定着用マゼンタトナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、顔料として上記特定の構造のモノメチルキナクリドン含有の固溶体を含まない場合に比べて、定着性が向上した光定着用マゼンタトナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、顔料としてモノメチルキナクリドンを含む光定着用マゼンタトナーを含有しない場合に比べて、定着性が向上した静電荷像現像剤が提供される。
請求項5に係る発明によれば、顔料としてモノメチルキナクリドンを含む光定着用マゼンタトナーを用いない場合に比べて、トナーの定着性が向上した現像剤カートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によれば、顔料としてモノメチルキナクリドンを含む光定着用マゼンタトナーを用いない場合に比べて、トナーの定着性が向上した画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、顔料としてモノメチルキナクリドンを含む光定着用マゼンタトナーを用いない場合に比べて、画像形成の処理能力を高めてもトナーの定着性が向上した画像形成装置が提供される。
一般式(1)で表されるジイモニウム化合物、並びに一般式(1)で表される化合物の一電子還元体および二電子還元体について、赤外付近での吸光度を表すグラフである。 本実施形態のカラー画像形成装置の一例を示す概略模式図である。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
<光定着用マゼンタトナー>
本実施の形態の光定着用マゼンタトナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、結着樹脂と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるアミニウム化合物から選択される少なくとも1種と、モノメチルキナクリドンと、を含む。
一般式(1)及び一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
ここで、下記一般式(2)で表されるアミニウム化合物は、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物の一電子還元体に相当する物質である。更に一般式(2)で表されるアミニウム化合物が還元されると、下記一般式(3)で表される二電子還元体となる。
赤外線吸収剤としての能力、すなわち近赤外領域における吸光度の高さは、図1に示す通り、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物が高く、次いで一般式(2)で表されるアミニウム化合物であり、一般式(3)で表される二電子還元体では殆ど赤外線吸収能を示さない。
一方で、優れた赤外線吸収能を示す一般式(1)で表されるジイモニウム化合物は、自身が濃紺色に着色し、一般式(2)で表されるアミニウム化合物は緑色である。二電子還元体は殆ど着色しておらず無色又は淡黄色である。よって、光定着される前までは、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物又は一般式(2)で表されるアミニウム化合物が赤外線吸収剤としての機能を発揮し、光定着後には無色又は淡黄色の一般式(3)で表される化合物にまで還元されて消色する。これにより添加された赤外線吸収剤は、定着後の画像の色調に影響を与えない。
このように本実施の形態のトナーでは、赤外線吸収剤として還元され易い化合物を用いるため、光定着される前までは赤外線吸収剤が還元されないように設計する。
ここで、イエロートナーやシアントナーは、トナーの赤外線吸収剤の添加量に応じてその光吸収能力が向上するが、マゼンタトナーでは、赤外線吸収剤である上記ジイモニウム化合物やアミニウム化合物がマゼンタ顔料と反応して還元されてしまい、結果として光吸収性能を十分に発揮できず、十分な定着が得られ難いことが明らかとなった。
そこで、本実施形態では、ジイモニウム化合物やアミニウム化合物に対する還元力の強いマゼンタ顔料を添加することを避け、モノメチルキナクリドンをマゼンタ顔料として用いる。このモノメチルキナクリドンは、上記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物または一般式(2)で表されるアミニウム化合物を還元させ難いことが明らかとなった。よって、赤外線吸収剤として上記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物または一般式(2)で表されるアミニウム化合物と、マゼンタ顔料としてモノメチルキナクリドンとを組み合わせて用いることにより、光定着性を低下させない光定着用マゼンタトナーが得られる。
以下、本実施形態の光定着用マゼンタトナーの詳細について説明する。
(赤外線吸収剤)
本実施の形態における赤外線吸収剤は、下記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるアミニウム化合物から選択される少なくとも1種である。
一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基は、各々独立に、炭素数1以上10以下のアルキル基であることが好適であり、炭素数2以上7以下のアルキル基であることがより好適であり、炭素数3以上4以下のアルキル基であることが更に好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基は、未置換アルキル基であることが望ましく、また、直鎖又は分岐のアルキル基であることが望ましい。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルケニル基は、各々独立に、炭素数2以上10以下のアルケニル基であることが好適であり、炭素数2以上7以下のアルケニル基であることがより好適であり、炭素数3以上4以下のアルケニル基であることが更に好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルケニル基は、未置換アルケニル基であることが望ましく、また、直鎖又は分岐のアルケニル基であることが望ましい。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアラルキル基は、各々独立に、炭素数7以上10以下のアラルキル基であることが好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアラルキル基は、未置換アラルキル基であることが望ましい。
これらのなかでも、R、R、R、R、R、R、R及びRは、水素原子、又は未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基であることが望ましく、水素原子、未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることがより望ましく、未置換の直鎖若又は分岐のアルキル基であることが更に望ましく、特に、n−ブチル基、iso−ブチル基、又はn−プロピル基が望ましい。
で表される陰イオンとしては、例えば過塩素酸イオン(ClO )、フッ化ホウ素酸イオン(BF )、トリクロル酢酸イオン(CClCOO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、ピクリン酸((NO)、ヘキサフルオロ砒素酸(AsF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )、ベンゼンスルホン酸イオン(CSO )、エタンスルホン酸イオン(CSO )、燐酸イオン(PO 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、塩素イオン(Cl)、ヨウ素イオン(I)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、トリフルオロメタンスルホン酸イミドイオン((CFSO)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、C(SOCF 、硝酸イオン(NO )等があげられる。
これらのなかでも、Xで表される陰イオンが、トリフルオロメタンスルホン酸イオン又はトリフルオロメタンスルホン酸イミドイオンであると、赤外線吸収能の低下が抑えられるという点で望ましい。
赤外線吸収剤としては、赤外域の吸収能の観点からは、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物であることが好適である。なお、赤外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を併用してもよく、一般式(2)で表される化合物を単独で用いることも可能である。
更に本実施形態の光定着用マゼンタトナーには、一般式(1)で表される赤外線吸収剤のほかに、公知の赤外線吸収剤を併用してもよい。ここで赤外線吸収剤とは、分光光度計等により測定した際に800nm以上1200nm以下の近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料を指し、有機物でも無機物でもよい。
その他の併用する赤外線吸収剤としては、具体的には例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物等が用いられる。
その他の赤外線吸収剤のなかでは、ナフタロシアニン系化合物又はクロコニウム化合物が好適である。
赤外線吸収剤の添加量は、光定着用マゼンタトナー中、0.05質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより望ましく、0.2質量%以上3質量%以下であることが更に望ましい。
(結着樹脂)
本実施形態における結着樹脂としては、公知のバインダ樹脂を使用してもよい。結着樹脂の主成分としては、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などが単独又は併用される。
耐久性や透光性等の点から、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂が好適であり、ポリエステル樹脂又はノルボルネンポリオレフィン樹脂を使用することがより好適である。
本実施形態に好適なポリエステル樹脂についてさらに説明すると、かかるポリエステル樹脂において用いる酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を包含し、好適にはテレフタル酸/イソフタル酸である。これらの酸成分は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、光定着時に臭いが問題にならない範囲で、他の酸成分を上記酸成分に組み合わせて使用してもよい。他の酸成分として、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更には、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル若しくはアルケニルコハク酸、又はこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸も挙げられる。また、ポリエステル樹脂に架橋を施すためには、三価以上のカルボン酸成分も他の酸成分として混合使用可能である。三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
また、前記ポリエステル樹脂は、通常、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物で構成され、望ましくは90モル%以上、さらに望ましくは95モル%以上であることが好ましい。
上記ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で結着樹脂として使用するポリエステル樹脂において、必要に応じて、他のアルコール成分を上記のアルコール成分に組み合わせて使用してもよい。他のアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールが挙げられる。
また、他のアルコール成分として、三価以上のアルコールも好適である。かかるアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールが挙げられる。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、チタン等が有利に使用される。チタン化合物は特に良好な色再現性が得られ、光定着には最適である。
なお、以上述べたトナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移温度)は、好適には50℃以上70℃以下の範囲である。
(着色剤)
着色剤としては、モノメチルキナクリドンを用いて、マゼンタトナーとする。
マゼンタトナーにおいて、モノメチルキナクリドンが、無置換のキナクリドンや、ジメチルキナクリドンに比べ性質が異なるのは、モノメチルキナクリドンが非対称分子のために結晶構造が異なるためであり、結晶系による反応性の違いと考えられる。
本実施の形態におけるモノメチルキナクリドンは、下記一般式(4)で表されるモノキナクリドンである。
一般式(4)中、R、R、R、R及びRのうちいずれか1つにおいてメチル基であり、それ以外は水素原子を表す。メチル基を1つ有することでキナクリドン化合物は非対称となり、結晶系による反応性の違いが現れる。望ましくはR、R、R及びRのいずれか1つがメチル基の場合であり、より望ましくは下記化合物のようにRがメチル基の場合である。
また、モノメチルキナクリドンと、無置換のキナクリドン及びジメチルキナクリドンとの混晶においてもモノメチルキナクリドンと同様の結晶構造が得られ、よってモノメチルキナクリドンを単独で用いたときと同様の効果が奏される。このようなモノメチルキナクリドンと、無置換のキナクリドンと、ジメチルキナクリドンとの混晶としては、下記3種の化合物の固溶体を用いることが望ましい。
モノメチルキナクリドンを無置換のキナクリドン及びジメチルキナクリドンとの固溶体として用いる場合には、固溶体中モノメチルキナクリドンの含有率は、4質量%以上であることが望ましく、25質量%以上であることがより望ましく、45質量%以上であることが更に望ましい。
固溶体は、2種以上の成分の固体で均質な混合物として定義され、化合物の双方の物理的な混合物とは異なる。得られた固溶体のX線回折パターンは、同じ成分の同じ割合の物理的混合物のパターンとは明確に区別することができる。そのような物理的混合物において、成分の各々のX線パターンは、識別することができ、これらの線の多くの消失が、固溶体の形成の基準の一つである。固溶体は、混晶とも称される。
モノメチルキナクリドンと、無置換のキナクリドンと、ジメチルキナクリドンとの固溶体は、後述の実施例に示す方法によって得られる。具体的には、原料として、ジメチルスクシニロスクシナート(1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジ−カルボン酸メチルエステル)とp−トルイジンとアニリンとを反応させることで得られる。ここで、固溶体中のモノメチルキナクリドンの含有率は、p−トルイジンとアニリンの配合比を変えることで調整される。
モノメチルキナクリドンと無置換のキナクリドンとジメチルキナクリドンとが単なる混合物ではなく固溶体となっているかは、上述の通り、X線回折パターンによって確認される。
モノメチルキナクリドンの添加量(モノメチルキナクリドンを上記固溶体で用いる場合には、固溶体の総量の添加量)は、着樹脂等との混合により作製された最終的なマゼンタトナー粒子中に2質量%以上15質量%以下の範囲であることが望ましく、3質量%以上7質量%以下の範囲であることがより望ましい。
更に、色域を調整するため、以下の着色剤を総着色剤中において2質量%以下で併用してもよい。例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
(その他の成分)
また、本実施の形態の光定着用マゼンタトナーには、必要に応じて帯電制御剤やワックスを用いてもよい。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用される。
その他、光定着用マゼンタトナーには鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合した磁性トナーとしてもよい。特に、公知の白色の磁性粉(例えば日鉄鉱業社製)を用いてもよい。
本実施形態の光定着用マゼンタトナーに含有させるワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が望ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
これらのワックスは1種類を単独で、又は2種類以上を併用してもよい。本実施形態におけるワックスの添加量は、最終的に製造されたトナー粒子中、0.1質量%以上10質量%以下の範囲であることが望ましく、1質量%以上4質量%以下の範囲であることがより望ましい。
(光定着用マゼンタトナーの製造方法)
上記本実施形態の光定着用マゼンタトナーを製造するにあたっては、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等が利用されてもよい。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法等が用いられる。
前記混練粉砕法で本実施形態の光定着用マゼンタトナーを作製するには、基本的に、前記一般式(1)及び一般式(2)から選択される少なくとも1種の赤外線吸収剤及びモノメチルキナクリドン等を混合してトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練(加熱工程)、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含む工程を経る。
通常、前記混練粉砕法では、結着樹脂、一般式(1)及び一般式(2)から選択される少なくとも1種の赤外線吸収剤、着色剤としてのモノメチルキナクリドン顔料、及びワックスや帯電制御剤などのその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめたトナー組成物を作製し、これを冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナー母粒子を得る。
(トナー粒子)
上記方法によって得られるトナー粒子は、その体積平均粒径D50vが3μm以上15μm以下の範囲が好適であり、3μm以上10μm以下の範囲がより好適である。
本実施形態の光定着用マゼンタトナーは、流動性向上剤等のためトナー粒子に白色の無機粒子を混合して用いてもよい。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下の範囲であり、好適には0.01質量部以上2.0質量部以下の範囲である。
このような無機粒子としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられ、シリカ粒子がより好適である。また、シリカ、チタン、樹脂、アルミナ等の公知の材料の粒子を併用してもよい。さらにクリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子を添加してもよい。
上記無機粒子、さらに必要に応じ所望の添加剤を、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本実施形態の光定着用マゼンタトナーを得る。
<静電荷像現像剤>
本実施形態の光定着用マゼンタトナーを含む静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と称する場合がある)は、前記トナー粒子で構成される一成分現像剤、或いはキャリアと前記トナーとを含む二成分現像剤のいずれであってもよい。
二成分現像剤のキャリアとしては、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。上記芯材としては、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉が用いられる。キャリアのコート剤としては、特に制限されないが、シリコーン樹脂系が特に望ましい。
キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10μm以上100μm以下が望ましく、20μm以上80μm以下がより望ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であり、3:100以上20:100以下程度の範囲がより望ましい。
<マゼンタカラー画像形成装置>
本実施形態のカラー画像形成装置は、少なくとも、前記光定着用マゼンタトナーを用いてカラーのトナー像を記録媒体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着手段と、を有する。光定着手段としては、フラッシュ光、レーザ、LEDがある。
(トナー像形成手段)
カラートナー像を記録媒体に形成するのに、静電潜像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のようにして行える。
まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、記録媒体に画像が形成される。
前記電子写真感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体が用いられ、特に長寿命であることからアモルファスシリコン感光体が好適である。
(光定着手段)
前記光定着手段としては、光により定着を行えればよく、本実施形態の光定着用マゼンタトナーを用いる場合には、光定着器(フラッシュ定着器)が用いられる。
上記光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギーが節約され最適である。フラッシュランプの発光エネルギーが1.0J/cm以上7.0J/cm以下の範囲であることが望ましく、2J/cm以上5J/cm以下の範囲であることがより望ましい。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(1)で表される。
S=((1/2)×C×V)/(u×L)×(n×f) ・・・ 式(1)
上記式(1)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm)を表す。
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが望ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms以上100ms以下程度ずつ遅らせて発光を行い、重複箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給するため定着条件が緩和され、耐ボイド性と定着性との両立が図れる。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本以上20本以下の範囲であることが望ましく、2本以上10本以下の範囲であることがより望ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec以上20msec以下の範囲であることが望ましく、1msec以上3msec以下の範囲であることがより望ましい。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm以上1J/cm以下の範囲であることが望ましく、0.4J/cm以上0.8J/cm以下の範囲であることより望ましい。
このように、本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記潜像保持体の表面に形成された静電潜像を上述の光定着用マゼンタトナーによりトナー像に現像する現像装置と、前記潜像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写されたトナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着装置と、を備える。
以下、本実施形態のカラー画像形成装置の一例について図面を用いて説明する。
図2は、本実施形態のカラー画像形成装置の一例を示す概略模式図である。図2は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
図2中、1a、1b、1c及び1dは帯電手段、2a、2b、2c及び2dは露光手段、3a、3b、3c及び3dは静電荷像保持体(感光体)、4a、4b、4c及び4dは現像手段、10はロール媒体15から矢印方向に送り出される記録用紙(記録媒体)、20はシアン現像ユニット、30はマゼンタ現像ユニット、40はイエロー現像ユニット、50はブラック現像ユニット、70a、70b、70c及び70dは転写手段(転写ロール)、71、72はロール、80は転写電圧供給手段、90は光定着手段を各々表す。
図2に示す画像形成装置は、帯電手段、露光手段、感光体、および現像手段を含む符号20、30、40、50で示される各色の現像ユニット(トナー像形成手段)と、記録用紙10に接して配置され、記録用紙10を搬送するロール71、72と、各現像ユニットの感光体を押圧するように記録用紙10を介してその反対側に接するように配置された転写ロール70a、70b、70c、70dと、これら3つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段80と、感光体と転写ロールとの圧接部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙10の感光体と接触する側に光を照射する光定着器90と、から構成されている。
なお、シアン現像ユニット20は、感光体3aの周囲には時計回りに帯電手段1a、露光手段2a、現像手段4aが配置された構成を有する。また、感光体3aにおける現像手段4aの配置位置から時計回りの帯電手段1aの配置位置間に感光体3a表面に接するように、記録用紙10を介して転写ロール70aが対向配置されている。
上記構成は他の色の現像ユニットについても同様である。なお、本実施形態の画像形成装置においては、シアン現像ユニット20の現像手段4a内に前記シアントナーを含む現像剤が収納され、他の現像ユニットの現像手段には、各々の色に対応した光定着用マゼンタトナーが収納される。
次に、この画像形成装置を用いた画像形成について説明する。
まず、ブラック現像ユニット50において、感光体3dを時計回り方向に回転させつつ、帯電手段1dにより感光体3dの表面を帯電する。次に帯電された感光体3dの表面を露光手段2dにより露光することにより、複写しようとする元の画像の黒色成分の画像に対応した潜像が感光体3d表面に形成される。さらに、この潜像上に現像手段4d内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。イエロー現像ユニット40、マゼンタ現像ユニット30、シアン現像ユニット20においてもこれに準じたプロセスが行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール70a、70b、70c及び70dによる転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙10上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙10の表面に積層されて、最上層からシアン、マゼンタ及びイエローの順に積層されたカラーの積層トナー画像が形成される。
なお、上記マゼンタトナーを用いてトナー像を転写する際、記録媒体の搬送速度が1000mm/秒以上であっても、トナーの定着性に優れる。
次に、この記録用紙10上の積層トナー画像が、光定着手段90のところまで搬送され、そこで光定着手段90から光の照射を受けて、溶融し、記録用紙10に光定着されカラー画像が形成される。
<現像剤カートリッジ>
本実施形態の現像剤カートリッジは、記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置本体に対して脱着自在であり、上記静電荷像現像剤を収納する。
現像剤カートリッジは、上記カラー画像形成装置における現像手段4a、4b、4c及び4dのいずれかを少なくとも含んで構成されていればよく、現像ユニット20、30、40及び50もそれぞれ現像剤カートリッジとなり得る。
本実施形態の光定着用マゼンタトナーは、例えば、新聞、サービスビューロー、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、カールソン方式あるいはイオンフロー方式等のプリンター及びコピー等の各種の用途に好適に使用され、特にカラー化した実施形態においても安価にて良好な光定着性を発揮する製品が提供される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」「%」は「質量部」「質量%」を意味する。
<マゼンタ顔料1の作製>
凝縮器と窒素導入管を備えたフラスコに、よく乾燥したジメチルスクシニロスクシナート(1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジ−カルボン酸メチルエステル)30部、p−トルイジン23.6部、エタノール300部および塩酸(35%)0.9部を入れ、窒素ガスでフラッシュした。混合物を激しく攪拌しながら、温度を15分かけて室温から78℃に上げ、混合物を2.5時間反応させた。反応混合物を40〜45℃に冷却し、アニリン7.08部を添加し、混合物を2.5時間以上還流した。反応混合物を30℃以下に冷却し、次いで、フラスコに水酸化カリウム水溶液(50%)72部とm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム34.6部を入れた。攪拌しながら、温度を15分かけて78℃に上げ、混合物を5時間反応させた。反応混合物を30℃以下に冷却し、ろ過して、全ての固体を除去した。残った溶液を、攪拌しながら、30〜40℃の温度に加熱した。塩酸(35%)23部を滴下し、混合物を30分間この温度で保持した。その後、混合物をろ過し、得られたろ過ケーキを水/メタノール(1/1)混合物と冷水で洗浄し、次いで乾燥して、下記式(1)、(2)及び(3)の化合物を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー、High Performance Liquid Chromatography)での相対ピーク面積により確立される85:4:11の比で含む生成物48部が得られた。
(85.0%)を含むポリリン酸250部を攪拌容器に量り入れた。次いで、上記得られた生成物45部を、攪拌しながら、90℃で加え、混合物を125℃で3時間加熱して、閉環反応させた。混合物を110℃に冷却し、水6部を徐々に10分間かけて加えた。その後、混合物を50℃の水750部の中に注ぎ入れ、60℃で1.5時間攪拌した。固体をろ過により収集し、洗浄水が中性になるまで水洗した。得られたプレスケーキ100部を、メタノール170部の中で再スラリー化し、スラリーを耐圧反応器中、約90℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、pHを水酸化ナトリウム溶液(50%)で9〜9.5に調整した。固体をろ過により収集し、水洗した。湿潤プレスケーキをオーブン中で乾燥し、そのまま使用した。80℃のオーブン中で乾燥すると、約19部の固溶体が、下記式(5)、(6)および(7)の化合物を、HPLCでの相対ピーク面積により確立される85:5:10の比で含んで収集された。
<マゼンタ顔料2の作製>
加圧反応器オートクレーブに、よく乾燥したジメチルスクシニロスクシナート(1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジ−カルボン酸メチルエステル)30部、アニリン5.6部、p−トルイジン23.6部、メタノール300部および塩酸(35%)0.9部を仕込んだ。オートクレーブを密封し、窒素ガスでフラッシュし、圧力を0kg/cmゲージ圧に設定した。混合物を激しく攪拌しながら、オートクレーブ内の温度を15分かけて室温から90℃に上げ、混合物を5時間反応させた。次いで、反応混合物を30℃以下に冷却し、圧力を大気圧に下げた。オートクレーブに、水酸化ナトリウム溶液(50%)40gとm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム34.6部を入れ、密封した。混合物を10分間攪拌し、オートクレーブ内の温度を、15分かけて、室温から90℃に上げた。次いで、混合物を5時間反応させ、30℃以下に冷却し、ろ過して、全ての固体を除去した。残った溶液を、攪拌しながら、30〜40℃の温度に加熱した。塩酸(35%)18部を滴下し、混合物を30分間この温度で保持した。その後、混合物をろ過し、得られたろ過ケーキを水/メタノール(1/1)混合物と冷水で洗浄し、次いで乾燥して、上記式(1)、(2)および(3)の化合物を、HPLCでの相対ピーク面積により確立される73:26:1の比で含む生成物48部が得られた。
(85.0%)を含むポリリン酸250部を攪拌容器に量り入れた。次いで、実施例1に従って得られた生成物45部を、攪拌しながら、90℃で加え、混合物を125℃で3時間加熱して、閉環反応させた。混合物を110℃に冷却し、水6部を徐々に10分間かけて加えた。その後、混合物を50℃の水750部の中に注ぎ入れ、60℃で1.5時間攪拌した。固体をろ過により収集し、洗浄水が中性になるまで水洗した。得られたプレスケーキ100部を、エタノール150部、水酸化ナトリウム溶液(50%)15部およびC−33界面活性剤(ココアルキル四級アンモニウム塩、33%溶液)の中で再スラリー化し、スラリーを耐圧反応器中、約120℃で5時間加熱した。混合物を冷却し、固体をろ過により収集し、水洗した。湿潤プレスケーキを80℃のオーブン中で乾燥した。約19部の固溶体が、上記式(5)、(6)および(7)の化合物を、HPLCでの相対ピーク面積により確立される70:29:1の比で含んで、収集された。
<マゼンタ顔料3の作製>
加圧反応器オートクレーブに、よく乾燥したジメチルスクシニロスクシナート(1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジ−カルボン酸メチルエステル)30部、アニリン20.0部、p−トルイジン15.3部、メタノール300部および塩酸(35%)0.9部を仕込んだ。オートクレーブを密封し、窒素ガスでフラッシュし、圧力を0kg/cmのゲージ圧に設定した。混合物を激しく攪拌しながら、オートクレーブ内の温度を15分かけて室温から90℃に上げ、混合物を5時間反応させた。次いで、反応混合物を30℃以下に冷却し、圧力を大気圧に下げた。オートクレーブに、水酸化ナトリウム溶液(50%)40gとm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム34.6部を入れ、密封した。混合物を10分間攪拌し、オートクレーブ内の温度を、15分かけて、室温から90℃に上げた。次いで、混合物を5時間反応させ、30℃以下に冷却し、ろ過して、全ての固体を除去した。残った溶液を、攪拌しながら、30〜40℃の温度に加熱した。塩酸(35%)18部を滴下し、混合物を30分間この温度で保持した。その後、混合物をろ過し、得られたろ過ケーキを水/メタノール(1/1)混合物と冷水で洗浄し、次いで乾燥して、上記式(1)、(2)および(3)の化合物を、HPLCでの相対ピーク面積により確立される20:45:35の比で含む生成物48部が得られた。
(85.0%)を含むポリリン酸250部を攪拌容器に量り入れた。次いで、実施例1に従って得られた生成物45部を、攪拌しながら、90℃で加え、混合物を125℃で3時間加熱して、閉環反応させた。混合物を110℃に冷却し、水6部を徐々に10分間かけて加えた。その後、混合物を50℃の水750部の中に注ぎ入れ、60℃で1.5時間攪拌した。固体をろ過により収集し、洗浄水が中性になるまで水洗した。得られたプレスケーキ100部を、エタノール150部、水酸化ナトリウム溶液(50%)15部およびC−33界面活性剤(ココアルキル四級アンモニウム塩、33%溶液)の中で再スラリー化し、スラリーを耐圧反応器中、約120℃で5時間加熱した。混合物を冷却し、固体をろ過により収集し、水洗した。湿潤プレスケーキを80℃のオーブン中で乾燥した。約19部の固溶体が、上記式(5)、(6)および(7)の化合物を、HPLCでの相対ピーク面積により確立される20:46:34の比で含んで、収集された。
<顔料4乃至14の調製>
顔料4乃至14は下表1に従い、顔料製造元より入手した。

・PRとは、C.I.Pigment Redの略称。
・PVとは、C.I.Pigment Violetの略称。
<顔料15乃至17の調製>
下記表2に示すように、顔料1乃至3におけるジメチルキナクドリン及び無置換のキナクリドンの組成比率に合わせ、市販のキナクリドン顔料を混合した。
顔料におけるキナクリドンの含有比率は、下記HPLCで測定したときの相対ピーク面積比とした。
<HPLC:高速液体クロマトグラフィーによる測定条件>
・機種:東ソー(株)社製、SC−8020
・カラム:FUJI SILYSIA Chomatorex ODS 100A−15mm、4.6×250mm、2本
・流速:0.5mL/min
・温度:40℃
・溶離液:アセトニトリル/水=7/3
・検出:UV(210nm)
<赤外線吸収剤1の作製>
DMF16.5部中に、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン3部を加え、60℃に加熱溶解した後、これにDMF1の6.5部に溶解した硝酸銀1.16部とビストリフルオロメタンスルフォン酸イミドカリウム塩2.19部とを加え、30分間加熱撹拌した。不溶解分を濾別した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥し、一般式(1)におけるR乃至Rがn−ブチルであり、XがN(CFSO)である赤外線吸収剤1(「IR剤1」と称する場合がある)を4.3部を得た。
<赤外線吸収剤2の作製>
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10部中に、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン1.8部を加え、60℃に加熱溶解した後、これにDMF10部中に溶解したトリフルオロメタンスルホン酸銀1.08部を加え、30分反応させた。冷却後析出した銀を濾別した。次いで、この反応液(濾液)に水20部をゆっくりと滴下し、滴下終了後15分撹拌した。生成した黒色結晶を濾過し、50部の水で洗浄し、得られたケーキを乾燥し、一般式(1)におけるR乃至Rがn−ブチルであり、XがCFSOである赤外線吸収剤2(「IR剤2」と称する場合がある)を2.3部得た。
<赤外線吸収剤3の作製>
DMF10部中に、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ(n−ブチル)アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン1.8部を加え、60℃に加熱溶解した後、これにDMF10部中に溶解した過塩素酸ナトリウム1.00部を加え、30分反応させた。冷却後析出した銀を濾別した。次いで、この反応液(濾液)に水20部をゆっくりと滴下し、滴下終了後15分撹拌した。生成した黒色結晶を濾過し、50部の水で洗浄し、得られたケーキを乾燥し、一般式(1)におけるR乃至Rがn−ブチルであり、Xが過塩素酸イオンである赤外線吸収剤3(「IR剤3」と称する場合がある)を2.3部得た。
作製した赤外線吸収剤1から3の構造を、下記表3にまとめる。
<トナーの製造>
[実施例1乃至5、比較例1乃至14]
実施例1乃至5、比較例1乃至14では、表4に示した配合に基づき、表4に記載の材料を混合した。ここで表中の数値は、配合した量(質量部)を示している。この混合物をエクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により120℃、200rpmにて溶融混練(混合)して、混練物を作製した。
次いでハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が4.6μmの各トナー粒子を得た。
これらの各トナー粒子98部に対し、疎水性シリカ粒子(TG820F、キャボット社製)1部をヘンシェルミキサーにより外添処理して、実施例1乃至5、比較例1乃至14に用いた光定着用マゼンタトナーを得た。
<現像剤の作製>
得られたトナーを用い二成分現像剤を作製した。上記の各トナーと混合させるキャリアとしては、シリコーン樹脂をコーティングした汎用の体積平均粒径が30μmのフェライトキャリアを用いた。各トナー5部に対しキャリアを95部混合し、2時間、10Lのボールミルにて混合し、各現像剤を作製した。
<評価>
評価装置としては、光定着器としてキセノンフラッシュランプを搭載した富士ゼロックス社製Fuji Xerox 490/980 Continuous Feedの改造機(概略構成は図2に順ずる)を用いた。なお、フラッシュランプの発光エネルギーは5J/cmとした。用紙搬送速度は1152mm/秒とした。
(定着性評価)
記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を用い、前記画像形成装置により1インチ四方(2.54cm×2.54cm)の画像を形成した。具体的には、表4に示す各光定着用マゼンタトナーを用い、トナーの付着量(記録媒体上のトナー載り量)は単色で0.5mg/cmとなるように調整して画像を作製した。
次に、得られた1インチ四方の画像の定着率について以下のように評価した。まず、画像の各色に対応するステータスA濃度(OD1)を測定し、その後、この画像上に粘着テープ(スコッチメンディングテープ、住友3M製)を貼り、その後、粘着テープを引き剥がし、剥離後の画像のステータスA濃度(OD2)を測定した。なお、光学濃度の測定には(X−rite938)を使用した。次に、得られた光学濃度の値を用いて下式(2)より定着率を算出した。
定着率(%)=(OD2/OD1)×100 ・・・ 式(2)
(トナー吸光度)
測定試料は、石英セル(大きさ内径 3.4×2.0×4.8cm)に、4.0cmの高さまでトナーを充填した。次に、この測定試料を分光光度計にセットし、測定波長域:380〜2000nm、スキャンスピード:300nm/minの測定条件にて測定し、この際の波長に対する光吸収強度を反射法により求めた。日本分光(株) 紫外可視分光光度計 V−570を用いた。
表4において記載した成分は、以下の通りである。
(バインダ樹脂)
・バインダ樹脂:ポリエステル樹脂(商品名 FP131 花王製)
(ワックス)
・ポリプロピレンワックス:商品名800P(三洋化成社製)
(定着助剤)
・エステルワックス:商品名WEP−3(日本油脂)
(外添剤)
・シリカ:商品名TG820F(キャボット社)
表4に示されるように、モノメチルキナクリドンを含有する実施例1から5のマゼンタトナーによる画像では、高い光定着性が得られ、且つ波長1100nmにおけるトナーの吸光度が高いことがわかる。一方、モノメチルキナクリドンを含有しない比較例1から14のマゼンタトナーでは、実施例のマゼンタトナーに比べて光定着性に劣り、またトナーの波長1100nm吸光度も低いことがわかる。比較例12から14のように、無置換のキナクリドンとジメチルキナクリドンとを混合し、その比率を調整しても、モノメチルキナクリドンを含まない場合には定着性に劣ることもわかる。以上の実施例における結果から、モノメチルキナクリドンを含有するマゼンタトナーでは、モノメチルキナクリドンを含有しないマゼンタトナーに比べて、著しく高い光定着性が得られることが分かる。
実施例1から3を比べると、顔料中のモノメチルキナクリドンの含有比率が5%である実施例1よりも含有比率が29%である実施例2の方が光定着性に優れ、更に含有比率が46%である実施例3が、実施例1から3のなかでも特に優れた定着性を示している。
また、実施例1から4と実施例5とを比べると、赤外線吸収剤として一般式(1)におけるXが、トリフルオロメタンスルホン酸イオン又はトリフルオロメタンスルホン酸イミドイオンの場合に、より優れた定着性を示すことがわかる。
1a,1b,1c,1d 帯電手段
2a,2b,2c,2d 露光手段
3a,3b,3c,3d 感光体
4a,4b,4c,4d 現像手段
10 記録用紙(記録媒体)
20 シアン現像ユニット
30 マゼンタ現像ユニット
40 イエロー現像ユニット
50 ブラック現像ユニット
70a,70b,70c,70d 転写手段
71,72 ローラ
80 転写電圧供給手段
90 光定着手段(定着手段)

Claims (7)

  1. 結着樹脂と、下記一般式(1)で表されるジイモニウム化合物及び下記一般式(2)で表されるアミニウム化合物から選択される少なくとも1種と、モノメチルキナクリドンと、を含有する光定着用マゼンタトナー。

    〔一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。〕
  2. 前記モノメチルキナクリドンが、下記化合物である請求項1に記載の光定着用マゼンタトナー。
  3. 前記モノメチルキナクリドンが、下記3種の化合物の固溶体として含有されてなる請求項1又は請求項2に記載の光定着用マゼンタトナー。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光定着用マゼンタトナーを含有する静電荷像現像剤。
  5. 記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、請求項4に記載の静電荷像現像剤を収納する現像剤カートリッジ。
  6. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    前記潜像保持体の表面に形成された静電潜像を請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光定着用マゼンタトナーによりトナー像に現像する現像装置と、
    前記潜像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    前記記録媒体に転写されたトナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着装置と、
    を備える画像形成装置。
  7. 前記トナー像を転写する際の前記記録媒体の搬送速度が、1000mm/秒以上である請求項6に記載の画像形成装置。
JP2010143032A 2010-06-23 2010-06-23 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置 Pending JP2012008279A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143032A JP2012008279A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置
US12/914,404 US8435708B2 (en) 2010-06-23 2010-10-28 Magenta toner for light fixing, developer for electrostatic image, developer cartridge, and image forming apparatus
AU2010246332A AU2010246332B2 (en) 2010-06-23 2010-11-19 Magenta toner for light fixing, developer for electrostatic image, developer cartridge, and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143032A JP2012008279A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012008279A true JP2012008279A (ja) 2012-01-12

Family

ID=45352873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010143032A Pending JP2012008279A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8435708B2 (ja)
JP (1) JP2012008279A (ja)
AU (1) AU2010246332B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013088482A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Canon Inc トナー

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8795937B2 (en) * 2011-07-26 2014-08-05 Lg Chem, Ltd. Magenta polymerized toner
EP3152265B1 (en) * 2014-06-09 2019-07-31 HP Indigo B.V. Electrostatic ink compositions
WO2019046218A1 (en) 2017-08-28 2019-03-07 Web Industries, Inc. MASTERLY SHEETS AND BANDS OF THERMOPLASTIC COMPOSITE AND PROCESS

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61132959A (ja) * 1984-12-03 1986-06-20 Fujitsu Ltd フラツシユ定着方法
JPH05100472A (ja) 1991-10-04 1993-04-23 Hitachi Metals Ltd 現像方法
JP2000352835A (ja) 1999-06-09 2000-12-19 Bando Chem Ind Ltd 光吸収性が改善されたフラッシュ定着用カラートナー
JP3818185B2 (ja) 2002-03-19 2006-09-06 富士ゼロックス株式会社 電子写真用カラートナー並びにそれを用いた電子写真用電子写真用カラートナーセット、電子写真用カラー現像剤、カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置
JP3894024B2 (ja) * 2002-03-29 2007-03-14 富士ゼロックス株式会社 画像形成方法
JP4066774B2 (ja) 2002-10-16 2008-03-26 富士ゼロックス株式会社 カラートナーおよびそのカラートナーを用いた画像形成装置
JP4175996B2 (ja) 2002-11-01 2008-11-05 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 非接触加熱定着用トナー
US7087353B2 (en) 2002-11-01 2006-08-08 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Non-contact heat fixing toner
BRPI0412754A (pt) * 2003-07-18 2006-09-26 Ciba Sc Holding Ag composições de pigmentos de quinacridona, que compreendem componentes substituìdos assimetricamente

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013088482A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Canon Inc トナー

Also Published As

Publication number Publication date
AU2010246332B2 (en) 2012-06-14
US20110318684A1 (en) 2011-12-29
US8435708B2 (en) 2013-05-07
AU2010246332A1 (en) 2012-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4830648B2 (ja) 電子写真用トナー及び画像形成装置
JP3740994B2 (ja) 電子写真用カラートナー、カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置
JP4947079B2 (ja) 光定着用トナーセット
JP2012008279A (ja) 光定着用マゼンタトナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及び画像形成装置
JP4449516B2 (ja) カラー画像形成用現像剤、画像形成方法および画像形成装置
US20030129516A1 (en) Image forming color toner, color image forming method and color image forming apparatus
JP4857995B2 (ja) カラートナー及び画像形成装置
JP5229045B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法およびトナーセット
JP2008039823A (ja) 光定着用カラートナー及び画像形成装置
JP7135566B2 (ja) 画像記録用組成物、静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP5418007B2 (ja) 光定着用カラートナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及びカラー画像形成装置
JP4784519B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2008001754A (ja) クロコニウム色素化合物、静電荷像現像用トナー
JP4492069B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法、及び静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5071180B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2008039824A (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成装置
JP4075520B2 (ja) 画像形成用カラートナー、カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置
JP2003066652A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2003248341A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5434351B2 (ja) 光定着用トナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2009128688A (ja) 光定着用静電荷像現像用黒トナー、静電荷像現像用現像剤、画像形成装置、現像剤カートリッジおよびプロセスカートリッジ
JP2006078899A (ja) 光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法
JP2008176205A (ja) 光定着用トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009151004A (ja) 静電荷像現像用黒トナー、静電荷像現像用現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2003066654A (ja) 静電荷像現像用トナー