JP2006078899A - 光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法 - Google Patents

光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 赤外線吸収剤を結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー組成物中に最適分散させることができ、また、高い赤外線吸収能を有し光定着性、不可視画像読み取り性が良好で、かつ経済的にも安価な光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法を提供することである。
【解決手段】 あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し溶解性の赤外線吸収剤を20〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする光定着用カラートナーの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法に関する。
複写機、プリンタ、印刷機などで広く普及している電子写真方式では、一般的に画像形成は以下のように行われる。まず、感光体ドラムの光導電性絶縁体表面に正または負の均一な静電荷を与える帯電工程の後、光導電性絶縁体表面に例えばレーザ光を照射し、絶縁体表面上の静電荷を部分的に消去して画像情報に応じた静電潜像を形成する。次いで、例えば光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分にトナーと呼ばれる現像剤の微粉体を付着させ、潜像をトナー像に可視化する。このようにして得られたトナー像を印刷物となすため、一般的に、記録紙などの記録媒体に静電的に転写し、その後トナー像は記録媒体に定着される。
上記転写後のトナー像の定着には、加圧、加熱あるいはこれらを併用した方法によってトナーを溶融させた後に固化定着させる方法、もしくは光エネルギーを照射してトナーを溶融させた後に固化定着させる方法などがあるが、加圧や加熱による弊害のない光を利用した光定着法(フラッシュ定着法とも呼ばれる)が注目を集めている。
すなわち、光定着法では、トナーの定着に際してトナーを加圧する必要がないことから、定着ローラなどと接触(加圧)させる必要がなく、定着工程での画像解像度(再現性)の劣化が少ないといった利点がある。また、熱源などにより加熱する必要がないことから、電源を投入してから熱源(定着ローラなど)が所望の温度にまでプリヒートされるまで印字を行えないといったことはなく、電源投入直後から印字を行える。さらに、高温熱源を必要としないことから、装置内の温度上昇を適切に回避できるといった利点があり、またシステムダウンにより定着器内において記録紙詰まりが生じた場合などであっても、熱源からの熱によって記録紙が発火してしまうこともない。
しかし、光定着法は、それをカラートナーの定着に使用した場合には、カラートナーの低い光吸収効率のため、黒トナー(ブラックトナー)の定着に比べて定着性が低くなる。そこで、赤外線吸収剤をカラートナーに添加することで定着性向上を図ることが多数提案されている(例えば、特許文献1〜10参照)。これらの提案においては、赤外線領域の光を吸収する材料を赤外線吸収剤としてトナーに添加することで、トナー溶融性低下の課題を解消し、カラー化と光定着性とを両立しようとしている。
一方、赤外線吸収剤を含むトナーは、着色剤を添加しない場合、不可視トナーとして不可視画像の形成に利用できるが、この場合には、定着方式には特に制限はなくヒートロール方式、オーブン方式、光定着方式、赤外線照射定着方式など、公知の定着方式が利用できる。
前記不可視画像は、赤外線吸収パターンを記録媒体表面に形成したものであり、個人情報等の何らかの特定の情報を有する情報パターンや、検知マークのような非情報パターンを記録媒体に付与することができる。情報パターンとしては、コードパターンを挙げることができる。コードパターンとしては、バーコードを例示でき、バーコードは1次元のバーコード以外に2次元コード等がある。また、検知マークは、光学的検知方法を用いた複写機にて画像を形成する際に、光学的に検知されない透明シートの紙送りタイミング等の設定のために設けられるマークである。
これらの不可視画像の赤外線吸収パターンを識別するために用いられる検知機器において、光源としては、従来から知られている赤外LED(発光ダイオード)や赤外レーザー等の赤外線光源をそのまま用いることが可能である。また、赤外線吸収パターンの検出は、例えば、CCDセンサーを用いて行うこともできる。
ところでトナーの製造は、一般的に結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー組成物をヘンシェルミキサー等の粉体混合機で予備混合を行い、その後2軸押出機等の混練装置に連続フィードし、溶融混練することで、結着樹脂中に着色剤等の添加剤を分散させ、その混練物を粉砕、分級することで連続的に行われる。そして、結着樹脂中への着色剤等の添加剤の分散度合い及び濃度の均一性が、トナー物性に影響を及ぼす重要な要因となる。
特に、前記赤外線吸収剤を配合してなる光定着用カラートナー及び不可視トナーにおいて、トナー中の赤外線吸収剤の分散性及び濃度のばらつきは、トナーの定着性や画像の読み取り特性と直接結びつく要素であるため、要求される分散度合い及び濃度の均一性は非常に高いものとなる。
すなわち、前記赤外線吸収剤の分散不良、過多分散、濃度の不均一は、例えば光定着において定着性不良等の原因となるだけでなく、赤外線吸収剤が局在するとフラッシュ光を吸収し局部的に過剰発熱が生じ易くトナー画像部分にボイド(白抜け)を生じることがある。さらに、赤外線吸収性の問題のほか、赤外線吸収剤の化合物の構造及び官能基等の影響でトナーの帯電性への問題も生じるものである。
しかし、赤外線吸収剤は、結着樹脂、着色剤等に比べその添加量が少ないため、トナーを製造するに際して予備混合を充分行っても、トナー製造時に連続的に溶融混練され押し出されてくるトナー組成物中における微小部分ごとの赤外線吸収剤濃度を一定にすることは非常に困難である。さらにトナーの生産性も非常に重要なポイントとなるため、前記溶融混練時において2軸押出機等での溶融混練時間が限定され、赤外線吸収剤を均一分散するには充分な混練とは言えないことが多い。
このように、光定着用カラートナー及び不可視トナーについては、それらの製造に際して赤外線吸収剤を結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー組成物中に均一かつ微分散させる技術の開発が望まれている。
特開昭60−63545号公報 特開昭60−57858号公報 特開昭60−131544号公報 特開昭61−132959号公報 特開平7−191492号公報 特開平10−39535号公報 特開平11−38666号公報 特開平11−65167号公報 特開平11−125930号公報 特開2000−35689号公報
本発明は、上記従来技術における問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、赤外線吸収剤を結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー組成物中に最適分散させることのできる光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、高い赤外線吸収能を有し光定着性、不可視画像読み取り性が良好で、かつ経済的にも安価な光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、
あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し溶解性の赤外線吸収剤を20〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする光定着用カラートナーの製造方法である。
<2> 前記マスターバッチを作成する工程において、結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤と共に着色剤を含有させ、前記トナー組成物を作製する工程において、他のトナー成分を混合することを特徴とする<1>に記載の光定着用カラートナーの製造方法である。
<3> 少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、
あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し非溶解性の赤外線吸収剤を40〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする光定着用カラートナーの製造方法である。
<4> 前記マスターバッチを作成する工程において、結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤と共に着色剤を含有させ、前記トナー組成物を作製する工程において、他のトナー成分を混合することを特徴とする<3>に記載の光定着用カラートナーの製造方法である。
<5> 少なくとも結着樹脂及び赤外線吸収剤を含有する不可視トナーの製造方法において、
あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤を2〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする不可視トナーの製造方法である。
本発明によれば、赤外線吸収剤を結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等のトナー組成物中に最適分散させることができ、また、高い赤外線吸収能を有し光定着性、不可視画像読み取り性が良好で、かつ経済的にも安価な光定着用カラートナーの製造方法及び不可視トナーの製造方法を提供することができる。さらに、赤外線吸収剤を着色剤と同時にマスターバッチ化することで、色再現性をアップさせることができるとともにコスト低減を可能とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の光定着用カラートナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し溶解性の赤外線吸収剤を20〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の光定着用カラートナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し非溶解性の赤外線吸収剤を40〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の不可視トナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂及び赤外線吸収剤を含有する不可視トナーの製造方法において、あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤を2〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする。
ここで、前記不可視トナーとは、赤外線などの不可視光を用いて解読するためのトナーで、用紙等にトナー画像として定着した場合、トナーが若干着色しているため目視で認識できる場合でもよく、不可視光によって読み取りを行うことのできるトナーを指す。すなわち、バーコードのような赤外線吸収パターン等の不可視画像を形成するためのトナーをいう。着色剤は必要に応じて明らかに着色剤の存在を確認できないレベルの1%以下であれば添加しても不可視トナーと呼ぶことができる。したがって、不可視トナーの構成は基本的には着色剤を含まない以外は、基本的に光定着用カラートナーの構成と類似するものであるため、以下、本発明における光定着用カラートナー及び不可視トナー(以下、これらを併せて単に「トナー」という場合がある)を併せて説明する。
なお、本発明における不可視トナーには、光定着される不可視トナーも含まれる。
前述のように、赤外線吸収剤を含むトナーを前記混練粉砕法で製造する場合、トナー組成物中における微小部分ごとの赤外線吸収剤濃度を一定にすることは非常に困難であり、通常の溶融混練条件で連続的に製造すると前記赤外線吸収剤の分散不良、過多分散、濃度の不均一となってしまい、例えば光定着において定着性不良等の原因となる。また、溶融混練時に赤外線吸収剤の分散性を向上させようとすると、混錬に時間がかかったりして製造コストがアップする原因となってしまう。
本発明者等が前記諸目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤、あるいは少なくとも結着樹脂及び赤外線吸収剤、を含有するトナーの製造方法において、あらかじめ樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤を特定範囲の高濃度に含有させたマスターバッチを作製し、該マスターバッチを赤外線吸収剤以外の他のトナー成分と混合して(希釈して)所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物とし、これを用いて混練粉砕法によりトナーを製造すれば、トナー粒子中に均一に赤外線吸収剤が分散されたトナーを得ることができることを見出した。
具体的には、本発明の光定着用カラートナーの製造方法では、後述する溶解性の赤外線吸収剤を用いる場合には、全体中の赤外線吸収剤の濃度が20〜80質量%の範囲となるように前記マスターバッチを作製し(第1の光定着用カラートナーの製造方法)、また後述する非溶解性の赤外線吸収剤を用いる場合には、全体中の赤外線吸収剤の濃度が40〜80質量%の範囲となるように前記マスターバッチを作製する(第2の光定着用カラートナーの製造方法)。
そして、赤外線吸収剤が上記各濃度で存在しているマスターバッチを赤外線吸収剤以外の他のトナー成分と混合して所望の濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物とし、得られたトナー組成物を溶融混練し、冷却後、粉砕することにより、所望の濃度の赤外線吸収剤がトナー粒子中に均一に分散された光定着用カラートナーを得ることができる。
ここで、本発明における上記「トナー粒子中に均一に分散」とは、トナー粒子中に大きさが3μm以下、好ましくは0.5μm以下の赤外線吸収剤のドメインが偏在することなく分散していることをいう。この分散状態は、トナー粒子あるいは前記トナー組成物の薄片を顕微鏡観察することによって確認することができる。
本発明の第1の光定着用カラートナーの製造方法では、前記マスターバッチ全体中の溶解性の赤外線吸収剤の濃度が20〜80質量%の範囲であることが必要であり、30〜70質量%の範囲であることが好ましい。また、本発明の第2の光定着用カラートナーの製造方法では、前記マスターバッチ全体中の非溶解性の赤外線吸収剤の濃度が40〜80質量%の範囲であることが必要であり、50〜70質量%の範囲であることが好ましい。
前記マスターバッチ中の赤外線吸収剤の濃度が、本発明の第1の光定着用カラートナーの製造方法では20質量%、本発明の第2の光定着用カラートナーの製造方法では40質量%に満たない場合、光定着した際に光定着用カラートナーが赤外線を十分に吸収することができないため、定着不良が発生してしまう。また、赤外線吸収剤の濃度が本発明の第1、第2の光定着用カラートナーの製造方法ともに80質量%を超える場合にも、光定着性が低下するとともに赤外線吸収剤による着色効果が顕著になり色再現性が低下し、赤外線吸収剤に起因する色域シフトを打ち消すことも困難になる。
さらに、本発明の光定着用カラートナーの製造方法では、経済的コストメリットを加味すると、樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し、赤外線吸収剤とともに着色剤を同時に高濃度に含有させたマスターバッチを用い、該マスターバッチに他のトナー成分を配合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物とし、得られたトナー組成物を溶融混練し、冷却後粉砕することが、赤外線吸収剤と着色剤とを別々にマスターバッチ化するより低コスト化できる点及び色再現性をアップさせることができる点から有利である。
また、本発明の不可視トナーの製造方法では、赤外線吸収剤が溶解性、非溶解性であるかを問わず、全体中の赤外線吸収剤の濃度が2〜80質量%の範囲となるようにマスターバッチ作製し、該マスターバッチを赤外線吸収剤以外の他のトナー成分と配合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物とし、得られたトナー組成物を溶融混練し、冷却後、粉砕することにより、所望の濃度の赤外線吸収剤がトナー粒子中に均一に分散された不可視トナーを得ることができる。
このように、トナー粒子中に赤外線吸収剤が均一に分散されることにより、不可視トナーの着色が抑えられるとともに、赤外線吸収剤の濃度を削減や、不可視画像の確実な信号把握が可能となる。
なお、前記トナー粒子中の赤外線吸収剤の均一な分散の意味については、前記光定着用カラートナーの製造方法の場合と同様である。
本発明の不可視トナーの製造方法では、前記マスターバッチ全体中の溶解性の赤外線吸収剤の濃度が30〜80質量%の範囲であることが好ましい。
前記マスターバッチ中の赤外線吸収剤の濃度が2質量%に満たない場合、定着した不可視画像において赤外線を十分に吸収することができないため、信号情報を確実に読み取ることができない。また、赤外線吸収剤の濃度が80質量%を超えると、赤外線吸収剤による着色効果が顕著になり目視により認識できない不可視画像を得ることができない。
以下、本発明のトナーの製造方法について、より具体的に説明する。
本発明のトナーの製造方法には、公知の結着樹脂や各種の着色剤等を使用することができる。結着樹脂の主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンが好ましいが、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独または併用することができる。耐久性や透光性等の点から、ポリエステル系樹脂またはノルボルネンポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。
なお、トナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移点)は、好ましくは50〜70℃の範囲である。
また、本発明の光定着用カラートナーの製造方法には、着色剤として下記に示すものをトナーの色彩に対応させて適宜選択して用いることができる。
前記シアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などを用いることができる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3が有効である。
また、マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを用いることができる。
また、イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などを用いることができる。
また、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などを用いることができる。なお、本発明の光定着用のカラートナーには、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合したブラックトナーを含める。
本発明の光定着用カラートナーの製造方法における各着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製された最終的なトナー粒子100質量部中に1〜20質量部の範囲であることが好ましい。
一方、本発明の不可視トナーについては、上記のような着色剤を用いないようにする。ただし、後述する赤外線吸収剤の種類によっては、該赤外線吸収剤による着色を打ち消すために種々の顔料等を添加することができる。
本発明において、トナーに加える赤外線吸収剤とは、波長800〜2000nmの範囲の近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料を指し、有機物であっても無機物であっても使用可能である。
具体例としては、公知の赤外線吸収剤を用いることができ、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等を用いることができる。
本発明の光定着用カラートナーの製造方法においては、赤外線吸収剤の結着樹脂への溶解性により、前記マスターバッチに含有させる赤外線吸収剤の好ましい濃度を選択する。本発明においては、赤外線吸収剤を使用する結着樹脂に添加した場合の濁度が25%未満の場合を「溶解性の赤外線吸収剤」とし、濁度が25%以上の場合を「非溶解性の赤外線吸収剤」とした。
なお、本発明において前記濁度の値は、以下のようにして測定した。
まず、結着樹脂(相溶化剤を添加する場合にはこれを含む)100質量部に対し赤外線吸収剤0.1質量部を添加し、東洋精機製ラボプラストミル(60cc)を用い、120℃で10分間溶融混練した後、混練物をテフロン(登録商標)シートに挟みホットプレスで加圧し、赤外線吸収剤を含む樹脂を0.3mmの厚さのフィルムに成形し測定試料とした。次いで、このフィルムを用いて濁度計(カラーコンピューターSM−3(測定部:HGM−2K)、スガ試験機製)でJIS K7105に準拠(ヘーズ測定法)により測定し濁度を求めた。
本発明者等の検討結果からは、例えばポリエステル樹脂を用いた場合、濁度が25%未満の代表的な赤外線吸収剤として、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、可溶(変性)型フタロシアニンが挙げられる。また、濁度が25%以上の代表的な赤外線吸収剤は、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、イッテルビウム化合物である。
より具体的には、ポリエステル樹脂に対して溶解性の赤外線吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外線吸収剤(三井化学社製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製:BBDT−NI)、シアニン系赤外線吸収剤(富士写真フィルム社製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外線吸収剤(山本化成社製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外線吸収剤(長瀬ケムテック社製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬社製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬社製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬社製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)などが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂に対する非溶解性の赤外線吸収剤としては、ナフタロシアニン(山本化成社製:YKR5010、山陽色素社製:サンプル1)、無機材料系(信越化学社製:イッテルビウムUU−HP、住友金属社製:インジュームチンオキサイド)等をが挙げられる。
これらの赤外線吸収剤は2種類以上併用することができる。また、併用した方が、赤外線吸収領域が広がり、定着性がアップすることから有効である。本発明における赤外線吸収剤の添加量は、最終的に製造されたトナーに対し、前記溶解性のタイプで0.05〜5質量%の範囲、前記非溶解性のタイプで0.1〜70質量%の範囲が望ましい。添加量が各々5質量%、70質量%を超えると色が濁って使用できない場合がある。
また、本発明のトナーの製造方法には、必要に応じて帯電制御剤やワックスを用いることができる。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用できる。 その他、トナーには鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合し磁性トナーでも使用できる。特に、カラートナーの場合には白色の磁性粉(例えば日鉄鉱業社製)を用いることができる。
本発明におけるトナーに含有させるワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が最も好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本発明のトナーの製造方法に用いるワックスとしては、50〜90℃にDSC測定(示差走査型熱量測定)による吸熱ピークを示すワックス材料が好ましい。吸熱ピークが50℃より低いとトナーがブロッキングし、90℃より高いと定着に寄与しない場合がある。 前記DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。
これらのワックスは1種類または2種類以上併用して用いることができる。
本発明のトナーの製造方法は、基本的に、前記各種トナー成分を混合してトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含む混練粉砕法である。そして、この混練粉砕法に、前記マスターバッチを作製する工程を加えたものである。
通常、前記混練粉砕法では、結着樹脂、赤外線吸収剤、酸化防止剤、ワックス、帯電制御剤、着色剤としての顔料または染料、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料、磁性体等を分散または溶解せしめたトナー組成物を作製し、これを冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
本発明においては、前述のように、赤外線吸収剤の分散性を向上させるため、前記トナー組成物の作製に先立ってあらかじめ結着樹脂及び/またはワックス成分に対し赤外線吸収剤を高濃度に含有させたマスターバッチを作製し、該マスターバッチを赤外線吸収剤以外の他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を得る。
前記マスターバッチを用いて、光定着用カラートナーあるいは不可視トナーを製造すると、最終的なトナーに配合しようとする赤外線吸収剤の60倍以上(好ましくは60〜270倍)の濃度の赤外線吸収剤を含むマスターバッチを予め調製することになる。
本発明において、マスターバッチに用いることのできる樹脂としては、前記公知の結着樹脂の他に、前記ワックスも使用することができる。また、ワックス単独を用いてもよい。マスターバッチの作製は、ワックスを用いて行った方が、ワックスの定着時の染み出し効果が促進されるため有利である。
なお、結着樹脂とワックスとを混合して用いる場合には、混合比(結着樹脂/ワックス)は、100/0.01〜100/5の範囲とすることが好ましい。
マスターバッチの作製は、赤外線吸収剤と結着樹脂及び/またはワックスを含む成分とを、前記好ましい割合となるように配合し、種々の方法を採択して行い得る。以下にその態様をいくつか例示するが、本発明の趣旨に反しない限り、以下の記載される方法に限定されるものではない。
例えば、赤外線吸収剤と結着樹脂及び/またはワックスを含む成分とを、1〜2軸押出機、3本ロール、ニーダー、バンバリミキサーなど溶融混練機で溶融混練する方法、赤外線吸収剤を予め溶剤などに溶解し樹脂成分に添加して前記溶融混練機で溶融混練しながら溶剤を除去する方法、または赤外線吸収剤を予め溶剤にサンドミル、コロイドミル、ボールミルなどの湿式分散機で微分散した後、樹脂成分に添加して前記溶融混練機で溶融混練しながら溶剤を除去する方法等を挙げることができる。
また、マスターバッチは上記溶融混練による方法のみならず、重合法によって調製することも可能である。なお、重合性単量体、溶剤等の液状物への赤外線吸収剤の微分散方法は、例えば、ホモミキサー、バイオミキサー、エバラマイルダー等の高速剪断型分散機、コロイドミル、ホモミックラインミル等の摩砕型の分散機、ボールミル、サイドグラインドミル、パールミル、アトライター等のメディアミル等を用いる方法が例示できる。
さらに、結着樹脂等への分散方法は、例えば、ロールミル、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリミキサー、ラボプラストミル、1軸あるいは2軸の混練押出機等を用い、結着樹脂等と赤外線吸収剤とを溶融混練し、結着樹脂等の固形状物に赤外線吸収剤を微分散する方法が例示できる。
赤外線吸収剤の微分散処理の程度は、赤外線吸収剤を添加して分散処理を行う重合性単量体、溶剤、水系媒体、樹脂等の種類によっても左右されるが、例えば、マスターバッチ中で分散された赤外線吸収剤の粒径が0.5μm程度以下、より好ましくは0.01〜0.3μmの範囲程度とすることが望ましい。
この場合、上記一定以上の分散性を得るため、例えば前記溶融混練条件は、バンバリーミキサ、MS式加圧ニーダーなどでの加圧処理が好ましい。
本発明におけるマスターバッチは、前記のように、トナー中に配合される結着樹脂成分等をマトリックスとして、このマトリックス中に前記赤外線吸収剤が、溶解ないし微分散化されたものであるが、このマスターバッチ中には、最終的に製造しようとする光定着用カラートナー及び不可視トナー中に赤外線吸収剤と同様に微量配合されるその他の添加剤、例えば、ワックス成分、電荷制御剤、着色剤等を配合しておくことも可能である。
特に、前述のように着色剤も同時にマスターバッチ化すると色域アップとコスト削減効果が期待できる。この場合の着色剤の含有量は、マスターバッチ全体中の20〜60質量%の範囲とすることが好ましく、30〜50質量%の範囲とすることがより好ましい。
また、マスターバッチの形態としても、特に限定されるものではなく、塊状、粉末状、鱗片状、ペレット状等任意の形態を取り得るが、好ましくは粉末状、ペレット状などである。
次いで、作製したマスターバッチと、前述した各トナー成分とを混合して最終的な所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する。
なお、前記トナー組成物における各トナー成分の配合量は、前記マスターバッチがそのマトリックスとして結着樹脂成分等を有するものであるため、該結着樹脂成分等がトナー中に配合された場合にどのような機能を発揮するものであるかを考慮して調整すべきである。例えば、前記結着樹脂成分等が結着樹脂として機能する場合には、トナー組成物中における結着樹脂の総量は、当然にこのマスターバッチの結着樹脂成分量と、別途結着樹脂として添加される樹脂の量を合算したものとなる。
前記トナー組成物は、前記マスターバッチと他のトナー成分とを、例えば前記同様溶融混練して得られたものであってもよいし、次工程の溶融混練に用いるための粉末状のマスターバッチと他のトナー成分との混合物であってもよい。
本発明のトナーの製造方法において、トナー組成物を溶融混練する際に用いられる装置としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロールミル、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリミキサー、ラボプラストミル、1軸あるいは2軸の混練押出機等を用いることができる。また、このような溶融混練に先立ち、必要に応じてヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブルブレンダー等を用いて予備混合する工程を設けることも可能である。
溶融混練されたトナー組成物は、冷却後、粉砕することによりトナー粒子とする。粉砕方法は、特に限定されるものではなく、公知の手法を用いることができるが、例えば、溶融混練物の粗砕した後、マイクロナイザー、ウルマックス、JET−O−マイザー、KTM(クリプトン)、ターボミージェット等により行うことができる。更には、その後工程として、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を用いて、機械的外力を加えることで粉砕後のトナー形状を変化させることができる。また、熱風による球形化も挙げることができる。さらには、風力分級機等により分級処理を施してトナー粒度分布を調整しても良い。
以上のような本発明のトナーの製造方法においては、前記のように赤外線吸収剤を含むマスターバッチを使用するものであるために、比較的短時間の混練処理、ないしは連続的生産における混練処理によっても、混練されたトナー組成物中において赤外線吸収剤の均一な濃度分布ないし分散分布が達成される。
本発明のトナーの製造方法によって得られるトナーは、その体積平均粒径D50vが3〜15μmの範囲が好ましく、5〜15μmの範囲がより好ましく、5〜10μmの範囲内であることが特に好ましい。
トナーの体積平均粒子径が15μmを越えるものである場合、トナーの粒子径が大きく充分な解像度の画像が得られない。逆に3μm未満の場合には得られる画像の解像度は高いが、流動性が低いため画像が安定せず、カブリ、クリーニング不良の原因ともなる。
また、その個数平均粒径D50pに対する体積平均粒径Dvの比(D50v/D50p)が1.0〜1.25の範囲であることが好ましい。そして、このように小粒径で粒径の揃ったトナーを使用することにより、トナーの帯電性能のバラツキが抑制されて、形成される画像におけるカブリが低減されると共に、トナーの定着性を向上させることができる。また、形成される画像における細線再現性やドット再現性も向上させることができる。
また、本発明のトナーの平均円形度は0.955以上とすることが好ましく、0.960以上とすることがより好ましい。また、円形度の標準偏差を0.040以下とすることが好ましく、0.038以下にすることがより好ましい。このようにすることで、記録媒体上に各トナーを密な状態で重ね合わせることができるので、記録媒体上のトナーの層厚が薄くなり、定着性を向上させることができる。また、このようにトナーの形状を揃えることにより、形成される画像におけるカブリ、細線再現性及びドット再現性も向上する。
なお、上記トナー平均円形度は、フロー式粒子像解析装置(シメックス社製、FPIA2000)を用い、水分散系でトナー粒子の投影像の周囲長(周囲長)と、トナー粒子の投影面積に等しい円の円周長(円相当周囲長)とを求め、(円相当周囲長/周囲長)により計算される。
本発明におけるトナーは、流動性向上剤等のためトナー粒子に白色の無機微粒子を混合して用いることもできる。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100質量部に対し0.01〜5質量部の範囲であり、好ましくは0.01〜2.0質量部の範囲である。このような無機微粉末としては例えば、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ微粉末が特に好ましい。また、シリカ、チタン、樹脂微粉、アルミナ等の公知の材料を併用できる。さらにクリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の微粒子粉末を添加してもよい。
上記無機微粒子、さらに必要に応じ所望の添加剤を、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明におけるトナーを得ることができる。
さらに、トナーに赤外線吸収剤を加えるにあたっては、前記マスターバッチでトナー内部に添加すると同時に、赤外線吸収剤を光定着用カラートナーや不可視トナーの内部に分散させて添加させたり、赤外線吸収剤を光定着用カラートナーや不可視トナーの表面に付着または固着させることができる。
上記の表面固着にための表面改質装置としては、例えば、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンコスモシリーズ(川崎重工業社製),イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)等の高速気流中において衝撃を与えるようにした表面改質装置、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製),メカノミル(岡田精工社製)等の乾式のメカノケミカル法を応用した表面改質装置、ディスパーコート(日清エンジニアリング社製),コートマイザー(フロイント産業社製)の湿式のコーティング法を応用した表面改質装置等を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明のトナーの製造方法により製造されたトナーを含む電子写真用現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、前記トナーからなる1成分現像剤、あるいは、キャリアと前記トナーとからなる2成分現像剤のいずれであってもよい。
2成分現像剤として用いる際のキャリアとしては、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。上記芯材としては、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉を用いることができる。キャリアのコート剤としては、特に制限されないが、シリコーン樹脂系が特に望ましい。
画像の形成は、静電荷像担持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のように行うことができる。まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電荷像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、記録媒体に画像が形成される。
なお、前記電子写真感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体を用いることができるが、特に、長寿命であることからアモルファスシリコン感光体が好ましい。
また、前記定着器としては、光定着用カラートナーを用いる場合には、光定着器(フラッシュ定着器)が用いられるが、不可視トナーの場合には、光定着器、オーブン定着器、熱ロール定着器など限定されない。
上記光定着に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギを節約することができ最適である。フラッシュランプの発光エネルギーが1.0〜7.0J/cm2の範囲であることが好ましく、2〜5J/cm2の範囲であることがより好ましい。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(1)で表される。
S=((1/2)×C×V2)/(u×L) ×(n×f) ・・・ (1)
上記式(1)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm2)を表す。
本発明における光定着の方式は、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式である。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01〜100ms程度ずつ遅らせて発光を行い、同じ箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給できるため、定着条件をマイルドにすることができ耐ボイド性と定着性とを両立することができるものである。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本発明においては、フラッシュランプの本数は1〜20本の範囲であることが好ましく、2〜10本の範囲であることがより好ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1〜20msecの範囲であることが好ましく、1〜3msecの範囲であることがより好ましい。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1〜1J/cm2の範囲であることが好ましく、0.4〜0.8J/cm2の範囲であることより好ましい。
以下、本発明により得られる光定着用カラートナーが用いられる光定着器を備えた画像形成装置の一例について図面を用いて説明する。
図1は、上記画像形成装置の一例について示す概略模式図である。図1は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
図1中、1a〜1dは帯電手段、2a〜2dは露光手段、3a〜3dは静電荷像担持体(感光体)、4a〜4dは現像手段、10はロール媒体15から矢印方向に送り出される記録用紙(記録媒体)、20はシアン現像ユニット、30はマゼンタ現像ユニット、40はイエロー現像ユニット、50はブラック現像ユニット、70a〜70dは転写手段(転写ロ―ラ)、71、72はローラ、80は転写電圧供給手段、90は光定着手段を各々表す。
図1に示す画像形成装置は、帯電手段、露光手段、感光体、および現像手段を含む符号20、30、40、50で示される各色の現像ユニットと、記録用紙10に接して配置され、記録用紙10を搬送するロール71、72と、各現像ユニットの感光体を押圧するように記録用紙10を介してその反対側に接するように配置された転写ロール70a、70b、70c、70dと、これら3つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段80と、感光体と転写ロールとのニップ部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙10の感光体と接触する側に光を照射する光定着器90と、から構成されている。
なお、シアン現像ユニット20は、感光体3aの周囲には時計回りに帯電手段1a、露光手段2a、現像手段4aが配置された構成を有する。また、感光体3aの現像手段4aが配置された位置から時計回りに帯電手段1aが配置されているまでの間の感光体3a表面に接するように、記録用紙10を介して転写ロール70aが対向配置されている。このような構成は他の色の現像ユニットも同様である。なお、本発明の画像形成装置においては、シアン現像ユニット20の現像手段4a内に前記シアントナーを含む現像剤が収納され、他の現像ユニットの現像手段には、各々の色に対応した光定着用のトナーが収納される。
次に、この画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、ブラック現像ユニット50において、感光体3dを時計回り方向に回転させつつ、帯電手段1dにより感光体3dの表面を一様に帯電する。次に帯電された感光体3dの表面を露光手段2dにより露光することにより、複写しようとする元の画像のイエロー色成分の画像に対応した潜像が感光体3d表面に形成される。さらに、この潜像上に現像手段4d内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。このプロセスは、イエロー現像ユニット40、マゼンタ現像ユニット30、シアン現像ユニット20においても同様に行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール70a〜70dによる転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙10上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙10の表面に積層されて、最上層からシアン、マゼンタ及びイエローの順に積層されたフルカラーの積層トナー画像が形成される。
次に、この記録用紙10上の積層トナー画像が、光定着手段90のところまで搬送され、そこで光定着手段80から光の照射を受けて、溶融し、記録用紙10に光定着されフルカラー画像が形成される。
本発明により製造される光定着用カラートナーは、例えば、新聞、サービスビューロー、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、カールソン方式あるいはイオンフロー方式等のプリンター及びコピー等の各種の用途に好適に使用できるものであり、特にカラー化した実施形態においても安価にて良好なフラッシュ定着性を発揮する製品を提供できるために、これらの用途における画像のカラー化の要望に容易に対応できるものである。
また、本発明により製造される不可視トナーは、ヒートロールにて定着することが多いが、フラッシュ定着によって定着することもできる。主に、可視印刷とともに秘密情報を印刷するのに使用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下において、「%」及び「部」は特に断らない限り「質量%」及び「質量部」を意味する。
<光定着用カラートナーの製造>
(実施例1〜7、比較例1〜9)
−マスターバッチの作製−
表1に示した各組成に従い、総質量10kgのトナー成分をヘンシェルミキサーで充分混合した後、MS式加圧ニーダー(モリヤマ製)を用い150℃で20分間溶融混練した。次いで、混練物を冷却後、粗粉砕機で1mm以下に粉砕し、マスターバッチM−1〜M−15を得た。
このマスターバッチの薄片を顕微鏡にて観察したところ、各々外径が約0.5μmの大きさの赤外線吸収剤ドメインが確認された。
Figure 2006078899
−光定着用カラートナーの製造−
表2に示した各実施例、比較例の組成に従い、前記各マスターバッチと外添剤を除く他のトナー成分を含むトナー組成物、あるいはマスターバッチを含まないトナー成分のみからなる組成物各5kgを、ヘンシェルミキサーで充分混合した後、それらを各々2軸押出機(PCM−30、池貝社製)に連続フィードし溶融混練した。このトナー組成物の溶融混練物を冷却後、粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、体積平均粒子径が6.0〜6.5μmの範囲、平均円形度が0.955〜0.957の範囲の各トナー粒子を得た。これら各トナー粒子に対し疎水性シリカTG820F(キャボット製)0.5%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで均一混合し光定着用カラートナーT−0〜T−15を得た。
Figure 2006078899
<光定着用カラートナーの評価>
−現像剤の作製−
実施例1〜7、比較例1〜9で得られたトナーT−0〜T−15を用い2成分現像剤を作製した。上記の各トナーと混合させるキャリアとしては、シリコーン樹脂をコーティングした汎用の体積平均粒径が60μmキャリアを用いた。各トナー6部に対しキャリアを94部混合し、2時間、10Lのボールミルにて混合し、各現像剤7kgを作製した。この様にして得られたトナーに対し、以下のような方法によって定着性、色再現性に関して評価を行った。
(定着性評価)
−定着性−
上記各現像剤を用い、定着性を含めた画像評価を行った。評価装置としては、光定着器として700〜1500nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュランプを搭載した富士ゼロックス社製DocuPrint 1100CF改造機(概略構成は図1と同様)を用いた。また、フラッシュの発光の方法は単位面積当たりの発光を2回行うディレイ発光方式とした。ディレイ発光としては同じ光エネルギーを2回照射し、ディレイ時間を5msecとした。
記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を用い、前記画像形成装置により1inch四方(2.54cm×2.54cm)の画像を形成した。具体的には、表2に示すようなT−0〜T−14のシアントナー、及びマゼンタ、イエロー、ブラックの各光定着用カラートナーを各々用い、トナーの付着量(記録媒体上のトナー載り量)は単色で0.6mg/cm2、2次色で1.2mg/cm2、3次色で1.8mg/cm2となるように調整して画像出しを行った。
なお、上記マゼンタ、イエロー、ブラックトナーは、表2におけるT−0〜T−14の各々の配合において、シアン顔料のみを各々マゼンタ顔料(Pigment Violet19、商品名:Hostaperm Red E2B70(クラリアント社製))、イエロー顔料(Pigment Yellow185、商品名:パリオトールY−D1155(BASF社製))、カーボンブラック(商品名:Nipex35(デグサ社製))に変更した以外は同様にして作製したものであり、前記画像形成装置にはこれらを1セットとして用いたものである(以下の評価結果もこれらをT−0〜T−14と略す)。
得られた1inch四方の画像の定着率を以下のように評価した。まず、画像の光学濃度(OD1)を測定し、その後、この画像上に粘着テープ(スコッチメンディングテープ、住友3M社製)を貼り、しかる後、粘着テープを引き剥がし、剥離後の画像の光学濃度(OD2)を測定した。なお、光学濃度はX−rite社製の分光色度計、X−rite938を使用し、光源D50、2°(バッキング白)の条件で測定した。得られた光学濃度の値を用いて下式(2)より定着率を算出した。
定着率(%)=(OD2/OD1)×100 ・・・(2)
形成された画像を目視にて観察し、かぶりなどの背景部汚れが少ない良好な画質が得られていることが確認された。求められた上記定着率については、80%以上であれば良好、70%以上であれば何とか使用できるレベルであるが、定着率安定性を以下の判断基準で評価した。
◎:定着率が90%以上である。
○:定着率が80%以上90%未満である。
×:定着率が80%未満である。
なお、前記カラートナーの光学濃度はステータスA濃度を用いた。
(色再現性評価)
色再現性については、上記のフルカラー画像形成装置において、各トナーが十分に混色し画像の色再現性が良かった場合を○、多少混色が不十分であるが実用上問題のない場合を△、各トナーの混色が不十分で所望の色再現が行われておらず実用上問題がある場合を×として評価した。
結果を表3にまとめて示す。
Figure 2006078899
なお、図2は表3に示した定着率をマスターバッチ中の赤外線吸収剤濃度との関係で示したものであるが、図のように、非溶解性の赤外線吸収剤に比べ溶解性の赤外線吸収剤では、マスターバッチ中の濃度が低い場合でも早期に定着率の向上が見られ、より幅広い濃度で安定した定着性が得られることがわかる。
<不可視トナーの製造>
(実施例8〜13、比較例10〜11)
前記光定着用カラートナーの製造と同様にして、表4に示すような各マスターバッチS−1〜S−7を作製し、これらを用いて同様にして表5に示すような各実施例、比較例の組成に従い、体積平均粒子径が6.0〜6.5μmの範囲、平均円形度が0.955〜0.957の範囲の各トナー粒子を得た。これら各トナー粒子に対し疎水性シリカTG820F(キャボット製)0.5%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで均一混合し不可視トナーST−0〜ST−7を得た。
Figure 2006078899
Figure 2006078899
<不可視トナーの評価>
次に、得られたトナーと、記録媒体として 普通紙を用い、熱定着が可能な画像形成装置により不可視画像(バーコード)を形成した。なお、用いた画像形成装置は、熱定着器としてヒートローラを備えた画像形成装置(富士ゼロックス製、Docucentre402FS)である。 用紙のバーコードが形成された領域を目視により観察したところ、殆ど着色はみられず、ほぼ透明であった。
バーコードの読み取り性を、バーコードリーダーとして東研社製THLS−6000&TBR−6000(光源として780nmのレーザーを使用したもの)を、光源として赤外発光ダイオード(シャープ社製、GL480、ピーク発光波長950nm)、受光部としてフォトダイオード(シャープ社製、PD413PI、ピーク発光波長960nm)を用いて、バーコード読み取り性の判定を行った。
判定は、上記バーコードリーダーで読み取り試験を行い、以下の基準により行った。
◎:100回以上読み取り可能であった。
○:読み取り可能回数は10回以上100回未満であった。
×:読み取り可能回数は10回未満であった。
結果をまとめて表6に示す。
Figure 2006078899
表3の結果に示すように、一定範囲の量の赤外線吸収剤を含むマスターバッチを用いた本発明による光定着用カラートナーでは、このようなマスターバッチを用いなかったものに比べ、定着性と色再現性とが明らかに優れていることがわかった。また、表4の結果に示すように、一定範囲の量の赤外線吸収剤を含むマスターバッチを用いた本発明による不可視トナーでは、安定してバーコードが読み取れることがわかった。
本発明により得られたトナーを用いる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明により得られたトナーのマスターバッチ濃度(赤外線吸収剤)に対する定着率の関係を示した図である。
符号の説明
1a,1b,1c,1d 帯電手段
2a,2b,2c,2d 露光手段
3a,3b,3c,3d 感光体
4a,4b,4c,4d 現像手段
10 記録用紙(記録媒体)
20 シアン現像ユニット
30 マゼンタ現像ユニット
40 イエロー現像ユニット
50 ブラック現像ユニット
70a,70b,70c,70d 転写手段
71,72 ローラ
80 転写電圧供給手段
90 光定着手段(定着手段)

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、
    あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し溶解性の赤外線吸収剤を20〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする光定着用カラートナーの製造方法。
  2. 前記マスターバッチを作成する工程において、結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤と共に着色剤を含有させ、前記トナー組成物を作製する工程において、他のトナー成分を混合することを特徴とする請求項1に記載の光定着用カラートナーの製造方法。
  3. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び赤外線吸収剤を含有する光定着用カラートナーの製造方法において、
    あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し非溶解性の赤外線吸収剤を40〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする光定着用カラートナーの製造方法。
  4. 前記マスターバッチを作成する工程において、結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤と共に着色剤を含有させ、前記トナー組成物を作製する工程において、他のトナー成分を混合することを特徴とする請求項3に記載の光定着用カラートナーの製造方法。
  5. 少なくとも結着樹脂及び赤外線吸収剤を含有する不可視トナーの製造方法において、
    あらかじめ結着樹脂及び/またはワックスを含む成分に対し赤外線吸収剤を2〜80質量%の範囲の濃度となるように含有させたマスターバッチを作製する工程、該マスターバッチを他のトナー成分と混合して所望濃度の赤外線吸収剤を含有するトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含むことを特徴とする不可視トナーの製造方法。
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