JP5418007B2 - 光定着用カラートナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及びカラー画像形成装置 - Google Patents

光定着用カラートナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及びカラー画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光定着用カラートナー、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、及びカラー画像形成装置に関する。
複写機、プリンター、印刷機などの分野で広く普及している電子写真方式では、画像形成は一般に以下のようにして行われる。まず、感光体ドラムの光導電体表面に正又は負の静電荷を与える帯電工程の後、光導電体表面に例えばレーザ光を照射し、絶縁体表面上の静電荷を部分的に消去して画像情報に応じた静電潜像を形成する。次いで、例えば光導電体上の静電荷の残った潜像部分にトナーを含有する現像剤の微粉体を付着させ、潜像をトナー像に可視化する。このようにして得られたトナー像を印刷物となすため、一般には記録紙などの記録媒体に静電的に転写し、その後トナー像は記録媒体に定着される。
上記転写後のトナー像の定着には、加圧、加熱又はこれらを併用してトナーを溶融させた後に固化定着させる方法や、光エネルギーを照射しこの光エネルギーから変換された熱エネルギーによってトナーを溶融させた後に固化定着させる方法などがある。このなかでも下記利点を有する光定着法が注目を集めている。光定着法には、キセノンランプを用いたフラッシュ定着法、発光ダイオードや高輝度レーザを用いたレーザ定着法が知られている。
光定着用カラートナーとして、赤外線吸収剤を添加する方策が提案されている(例えば、特許文献1〜9参照)。
具体的な赤外線吸収剤としては、例えば、特許文献1ではメルカプトフェノール系金属錯体、特許文献2ではベンゼンジチオール系金属錯体、特許文献3〜5ではアミニウム塩系化合物、特許文献6では金属酸化物系物質が用いられている。
また、赤外線吸収剤として、ロイコ系染料に属するアミノフェニル化合物と酸化剤とを併用する光定着用トナーが提案されている(例えば、特許文献10参照)。
更に、定着時に自らは消色して定着後には目的とする着色剤の呈色が可能な光定着用カラートナーが提案されている(例えば、特許文献11〜13参照)。このような光消色型の赤外線吸収剤は、シアニン系又はアミニウム系の赤外線吸収剤に、有機ホウ素系の染料を添加したものである。
また、消色可能な定着助剤として、着色剤の発色に対して補色の関係にあるフォトクロミック化合物を添加した光定着用カラートナーが開示されている(例えば、特許文献14参照)。更に、光の照射により着色、退色又は変色する偽造防止用画像の形成に用いるトナーとして、フォトクロミズムを示す材料を含有したものが開示されている(例えば、特許文献15参照)。
特開昭60−63545号公報 特開昭60−57858号公報 特開昭60−131544号公報 特開昭61−132959号公報 特開平7−191492号公報 特開平10−39535号公報 特開平11−38666号公報 特開平11−65167号公報 特開平11−125930号公報 特開2000−35689号公報 特開2000−352835号公報 特開2004−170957号公報 特開平5−100472号公報 特開2008−39823号公報 特開2004−61813号公報
本発明の課題は、還元剤を含有しない光定着用カラートナーに比べて、色再現性の広い画像が形成される光定着用カラートナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される少なくとも1つの赤外線吸収剤と、還元剤としてL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコビル、ステアリン酸アスコビル、テトラヘキシルデカン酸アスコビル、及びアスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸から選択される少なくとも1つと、を含む光定着用カラートナーである。
Figure 0005418007
一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
請求項に係る発明は、
請求項1に記載の光定着用カラートナーを含有する静電荷像現像剤である。
請求項に係る発明は、
記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、請求項に記載の静電荷像現像剤を収納する現像剤カートリッジである。
請求項に係る発明は、
請求項1に記載の光定着用カラートナーを用いて、カラーのトナー像を記録媒体に形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着手段と、
を有するカラー画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
前記トナー像を形成する際の前記記録媒体の搬送速度が、1000mm/秒以上である請求項に記載のカラー画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、還元剤としてL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコビル、ステラリン酸アスコビル、テトラヘキシルデカン酸アスコビル、又はアスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸を含まない光定着用カラートナーに比べて、光定着性を維持しつつ色再現性の広い画像が形成される光定着用カラートナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、還元剤を含有しない場合に比べて、色再現性の広い画像が形成される静電荷像現像剤が提供される。
請求項に係る発明によれば、還元剤を含有しないトナーを用いた場合に比べて、色再現性の広い画像が形成される現像剤カートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、還元剤を含有しないトナーを用いた場合に比べて、色再現性の広い画像が形成されるカラー画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、還元剤を含有しないトナーを用いた場合に比べて、画像形成の処理能力を高めても色再現性の広い画像が形成されるカラー画像形成装置が提供される。
一般式(1)及び(2)で表される化合物、並びに一般式(1)で表される化合物の二電子還元体について、赤外付近での吸光度を表すグラフである。 本実施形態のカラー画像形成装置の一例を示す概略模式図である。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
<光定着用カラートナー>
本実施形態の光定着用カラートナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される赤外線吸収剤と、還元剤としてL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコビル、ステアリン酸アスコビル、テトラヘキシルデカン酸アスコビル、及びアスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸から選択される少なくとも1つと、を含む。なお、本発明において「カラー」とは、黒色以外の色を意味する。
Figure 0005418007
一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
一般式(1)で表されるジイモニウム化合物や、一般式(2)で表されるアミニウム化合物は、図1のグラフに示すように、最大吸収波長が1000nm付近の近赤外領域にあるため、これを含有したトナーは近赤外領域の光エネルギーを効果的に吸収する。よって、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物又は一般式(2)で表されるアミニウム化合物を含有したトナーは、光の照射によって良好に定着が行なわれる。
ここで、一般式(2)で表されるアミニウム化合物は、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物の一電子還元体に相当する物質である。更に一般式(2)で表されるアミニウム化合物が還元されると、下記二電子還元体となる。
Figure 0005418007
赤外線吸収剤としての能力、すなわち近赤外領域における吸光度の高さは、図1に示す通り、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物が高く、次いで一般式(2)で表されるアミニウム化合物であり、二電子還元体では殆ど赤外線吸収能を示さない。
一方で、優れた赤外線吸収能を示す一般式(1)で表されるジイモニウム化合物は、自身が濃紺色に着色しているため、カラートナーの色調に影響を与える。一電子還元体である一般式(2)で表されるアミニウム化合物は緑色であり、二電子還元体は殆ど着色しておらず無色又は淡黄色である。
そこで、本実施形態では、光定着される前までは、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物又は一般式(2)で表されるアミニウム化合物が赤外線吸収剤としての機能を発揮し、光定着後には消色するよう、トナー中に還元剤を含有させる。光定着時に光が照射されると光エネルギーから変換した熱エネルギーによって、トナー中の還元剤は上記還元反応を進行させ、最終的には一般式(1)で表されるジイモニウム化合物及び一般式(2)で表されるアミニウム化合物を二電子還元体に還元する。二電子還元体は無色又は淡黄色であるため、トナーの色調に影響を与えない。
このように、本実施形態の光定着用カラートナーは、含有する還元剤が光照射されることで、一般式(1)又は(2)で表される赤外線吸収剤の有する色調が消色し、目的の色調のトナー画像が得られる。また、副次的な効果として、光定着時に赤外線吸収剤が還元されて安定な二電子還元体に変換してしまうため、定着後における画像の色調変動が抑えられる。
以下、本実施形態の光定着用カラートナーの詳細について説明する。
(赤外線吸収剤)
本実施形態における赤外線吸収剤は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物である。
Figure 0005418007
一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基は、各々独立に、炭素数1以上10以下のアルキル基であることが好適であり、炭素数2以上7以下のアルキル基であることがより好適であり、炭素数3以上4以下のアルキル基であることが更に好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルキル基は、未置換アルキル基であることが望ましく、また、直鎖又は分岐のアルキル基であることが望ましい。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルケニル基は、各々独立に、炭素数2以上10以下のアルケニル基であることが好適であり、炭素数2以上7以下のアルケニル基であることがより好適であり、炭素数3以上4以下のアルケニル基であることが更に好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアルケニル基は、未置換アルケニル基であることが望ましく、また、直鎖又は分岐のアルケニル基であることが望ましい。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアラルキル基は、各々独立に、炭素数7以上10以下のアラルキル基であることが好適である。
、R、R、R、R、R、R及びRで表されるアラルキル基は、未置換アラルキル基であることが望ましい。
これらのなかでも、R、R、R、R、R、R、R及びRは、水素原子、又は未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基であることが望ましく、水素原子、未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基であることがより望ましく、未置換の直鎖若又は分岐のアルキル基であることが更に望ましく、特に、n−ブチル基、iso−ブチル基、又はn−プロピル基が望ましい。
で表される陰イオンとしては、例えば過塩素酸イオン(ClO )、フッ化ホウ素酸イオン(BF )、トリクロル酢酸イオン(CClCOO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、ピクリン酸((NO)、ベンゼンスルホン酸イオン(CSO )、エタンスルホン酸イオン(CSO )、燐酸イオン(PO 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、トリフルオロスルホン酸イオン(CFSO )、トリフルオロスルホン酸ビスイミドイオン((CFSO)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、C(SOCF 、硝酸イオン(NO )等があげられる。
これらのなかでも、後述の還元剤による消色安定性から、トリフルオロスルホン酸イオン、トリクロル酢酸イオン(CClCOO)、ピクリン酸((NO)、燐酸イオン(PO 2−)、硝酸イオン(NO )が好適であり、トリフルオロスルホン酸イオンがより好適である。
赤外線吸収剤としては、赤外域の吸収能の観点からは、一般式(1)で表されるジイモニウム化合物であることが好適である。
なお、赤外線吸収剤として、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を併用してもよい。
更に本実施形態の光定着用カラートナーには、一般式(1)及び(2)で表される赤外線吸収剤のほかに、公知の赤外線吸収剤を併用してもよい。ここで赤外線吸収剤とは、分光光度計等により測定した際に800nm以上1200nm以下の近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料を指し、有機物でも無機物でもよい。
その他の赤外線吸収剤としては、具体的には例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物等が用いられる。
その他の赤外線吸収剤のなかでは、ナフタロシアニン系化合物又はクロコニウム化合物が好適である。
赤外線吸収剤の添加量は、光定着用カラートナー中、0.05質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより望ましく、0.2質量%以上3質量%以下であることが更に望ましい。
(還元剤)
本実施形態における還元剤は、上記一般式(1)で表される化合物や一般式(2)で表される化合物を還元する能力を有する化合物である。
具体的な還元剤としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコビル、ステラリン酸アスコビル、テトラヘキシルデカン酸アスコビル、又はアスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸であり、イソアスコルビン酸ナトリウムがより好適である。
還元剤は、上記赤外線吸収剤や後述の結着樹脂等とともに光定着用カラートナーに内添してもよいし、内添させずにトナー粒子を作成した後に外添してもよい。目的の色調のトナー画像を得つつ、より高い光定着性が要求される使用形態では、還元剤は外添することが望ましい。
還元剤の添加量は、赤外線吸収剤の機能を阻害せず且つ光定着後には赤外線吸収剤を消色させる観点から、光定着用カラートナー中、0.05質量%以上20質量%以下であることが望ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより望ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることが更に望ましい。
(結着樹脂)
本実施形態における結着樹脂としては、公知のバインダー樹脂を使用してもよい。結着樹脂の主成分としては、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などが単独又は併用される。
耐久性や透光性等の点から、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂が好適であり、ポリエステル樹脂又はノルボルネンポリオレフィン樹脂を使用することがより好適である。
本実施形態に好適なポリエステル樹脂についてさらに説明すると、かかるポリエステル樹脂において用いる酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を包含し、好適にはテレフタル酸/イソフタル酸である。これらの酸成分は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、光定着時に臭いが問題にならない範囲で、他の酸成分を上記酸成分に組み合わせて使用してもよい。他の酸成分として、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更には、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル若しくはアルケニルコハク酸、又はこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸も挙げられる。また、ポリエステル樹脂に架橋を施すためには、三価以上のカルボン酸成分も他の酸成分として混合使用可能である。三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
また、前記ポリエステル樹脂は、通常、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物で構成され、望ましくは90モル%以上、さらに望ましくは95モル%以上であることが好ましい。
上記ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で結着樹脂として使用するポリエステル樹脂において、必要に応じて、他のアルコール成分を上記のアルコール成分に組み合わせて使用してもよい。他のアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールが挙げられる。
また、他のアルコール成分として、三価以上のアルコールも好適である。かかるアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールが挙げられる。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、チタン等が有利に使用される。チタン化合物は特に良好な色再現性が得られ、光定着には最適である。
なお、以上述べたトナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移温度)は、好適には50℃以上70℃以下の範囲である。
(着色剤)
着色剤としては、下記に示すものをトナーの色彩に対応させて選択する。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが挙げられる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3がより望ましい。
また、マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
また、イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが挙げられる。
光定着用カラートナーにおける各着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製された最終的なトナー粒子100質量部中に2質量部以上15質量部以下の範囲であることが望ましく、3質量部以上7質量部以下の範囲であることがより望ましい。
(その他の成分)
また、本実施形態の光定着用カラートナーには、必要に応じて帯電制御剤やワックスを用いてもよい。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用される。
その他、トナーには鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合した磁性トナーとしてもよい。特に、カラートナーの場合には公知の白色の磁性粉(例えば日鉄鉱業社製)を用いてもよい。
本実施形態の光定着用カラートナーに含有させるワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が望ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
これらのワックスは1種類を単独で、又は2種類以上を併用してもよい。本実施形態におけるワックスの添加量は、最終的に製造されたトナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下の範囲であることが望ましく、1質量部以上4質量部以下の範囲であることがより望ましい。
(光定着用カラートナーの製造方法)
上記本実施形態の光定着用カラートナーを製造するにあたっては、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等が利用されてもよい。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法等が用いられる。
前記混練粉砕法で本実施形態の光定着用カラートナーを作製するには、基本的に、赤外線吸収剤及び還元剤成分等を混合してトナー組成物を作製する工程、及び該トナー組成物を溶融混練(加熱工程)、冷却後、粉砕してトナー粒子とする混練粉砕工程を含む工程を経る。
還元剤を外添する場合には、還元剤以外のトナー組成物を溶融混練してトナー粒子を作製し、このトナー粒子に還元剤を外添することができる。
通常、前記混練粉砕法では、結着樹脂、一般式(1)又は(2)で表される赤外線吸収剤、還元剤、着色剤としての顔料または染料、及びワックスや帯電制御剤などのその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、還元剤、顔料、染料、磁性体等を分散または溶解せしめたトナー組成物を作製し、これを冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得る。
(トナー粒子)
上記方法によって得られるトナー粒子は、その体積平均粒径D50vが3μm以上15μm以下の範囲が好適であり、3μm以上10μm以下の範囲がより好適である。
本実施形態の光定着用カラートナーは、流動性向上剤等のためトナー粒子に白色の無機粒子を混合して用いてもよい。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下の範囲であり、好適には0.01質量部以上2.0質量部以下の範囲である。
このような無機粒子としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられ、シリカ粒子がより好適である。また、シリカ、チタン、樹脂、アルミナ等の公知の材料の粒子を併用してもよい。さらにクリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子を添加してもよい。
上記無機粒子、さらに必要に応じ所望の添加剤を、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本実施形態の光定着用カラートナーを得る。
<静電荷像現像剤>
本実施形態の光定着用カラートナーを含む静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と称する場合がある)は、前記トナー粒子で構成される一成分現像剤、或いはキャリアと前記トナーとを含む二成分現像剤のいずれであってもよい。
二成分現像剤のキャリアとしては、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。上記芯材としては、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉が用いられる。キャリアのコート剤としては、特に制限されないが、シリコーン樹脂系が特に望ましい。
キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10μm以上100μm以下が望ましく、20μm以上80μm以下がより望ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であり、3:100以上20:100以下程度の範囲がより望ましい。
<カラー画像形成装置>
本実施形態のカラー画像形成装置は、少なくとも、前記光定着用カラートナーを用いてカラーのトナー像を記録媒体に形成するトナー像形成手段と、前記トナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着手段と、を有する。
(トナー像形成手段)
カラートナー像を記録媒体に形成するのに、静電潜像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のようにして行える。
まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、記録媒体に画像が形成される。
前記電子写真感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体が用いられ、特に長寿命であることからアモルファスシリコン感光体が好適である。
(光定着手段)
前記光定着手段としては、光により定着を行えればよく、本実施形態の光定着用カラートナーを用いる場合には、光定着器(フラッシュ定着器)が用いられる。
上記光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギーが節約され最適である。フラッシュランプの発光エネルギーが1.0J/cm2以上7.0J/cm2以下の範囲であることが望ましく、2J/cm2以上5J/cm2以下の範囲であることがより望ましい。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(1)で表される。
S=((1/2)×C×V)/(u×L)×(n×f) ・・・ 式(1)
上記式(1)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm2)を表す。
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが望ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms以上100ms以下程度ずつ遅らせて発光を行い、重複箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給するため定着条件が緩和され、耐ボイド性と定着性との両立が図れる。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本以上20本以下の範囲であることが望ましく、2本以上10本以下の範囲であることがより望ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec以上20msec以下の範囲であることが望ましく、1msec以上3msec以下の範囲であることがより望ましい。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm以上1J/cm以下の範囲であることが望ましく、0.4J/cm以上0.8J/cm以下の範囲であることより望ましい。
以下、本実施形態のカラー画像形成装置の一例について図面を用いて説明する。
図2は、本実施形態のカラー画像形成装置の一例を示す概略模式図である。図2は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
図2中、1a、1b、1c及び1dは帯電手段、2a、2b、2c及び2dは露光手段、3a、3b、3c及び3dは静電荷像保持体(感光体)、4a、4b、4c及び4dは現像手段、10はロール媒体15から矢印方向に送り出される記録用紙(記録媒体)、20はシアン現像ユニット、30はマゼンタ現像ユニット、40はイエロー現像ユニット、50はブラック現像ユニット、70a、70b、70c及び70dは転写手段(転写ロール)、71、72はロール、80は転写電圧供給手段、90は光定着手段を各々表す。
図2に示す画像形成装置は、帯電手段、露光手段、感光体、および現像手段を含む符号20、30、40、50で示される各色の現像ユニット(トナー像形成手段)と、記録用紙10に接して配置され、記録用紙10を搬送するロール71、72と、各現像ユニットの感光体を押圧するように記録用紙10を介してその反対側に接するように配置された転写ロール70a、70b、70c、70dと、これら3つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段80と、感光体と転写ロールとの圧接部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙10の感光体と接触する側に光を照射する光定着器90と、から構成されている。
なお、シアン現像ユニット20は、感光体3aの周囲には時計回りに帯電手段1a、露光手段2a、現像手段4aが配置された構成を有する。また、感光体3aにおける現像手段4aの配置位置から時計回りの帯電手段1aの配置位置間に感光体3a表面に接するように、記録用紙10を介して転写ロール70aが対向配置されている。
上記構成は他の色の現像ユニットについても同様である。なお、本実施形態の画像形成装置においては、シアン現像ユニット20の現像手段4a内に前記シアントナーを含む現像剤が収納され、他の現像ユニットの現像手段には、各々の色に対応した光定着用カラートナーが収納される。
次に、この画像形成装置を用いた画像形成について説明する。
まず、ブラック現像ユニット50において、感光体3dを時計回り方向に回転させつつ、帯電手段1dにより感光体3dの表面を帯電する。次に帯電された感光体3dの表面を露光手段2dにより露光することにより、複写しようとする元の画像の黒色成分の画像に対応した潜像が感光体3d表面に形成される。さらに、この潜像上に現像手段4d内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。イエロー現像ユニット40、マゼンタ現像ユニット30、シアン現像ユニット20においてもこれに準じたプロセスが行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール70a、70b、70c及び70dによる転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙10上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙10の表面に積層されて、最上層からシアン、マゼンタ及びイエローの順に積層されたカラーの積層トナー画像が形成される。
次に、この記録用紙10上の積層トナー画像が、光定着手段90のところまで搬送され、そこで光定着手段90から光の照射を受けて、溶融し、記録用紙10に光定着されカラー画像が形成される。
<現像剤カートリッジ>
本実施形態の現像剤カートリッジは、記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置本体に対して脱着され、上記静電荷像現像剤を収納する。
現像剤カートリッジは、上記カラー画像形成装置における現像手段4a、4b、4c及び4dのいずれかを少なくとも含んで構成されていればよく、現像ユニット20、30、40及び50もそれぞれ現像剤カートリッジとなり得る。
本実施形態の光定着用カラートナーは、例えば、新聞、サービスビューロー、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、カールソン方式あるいはイオンフロー方式等のプリンター及びコピー等の各種の用途に好適に使用され、特にカラー化した実施形態においても安価にて良好な光定着性を発揮する製品が提供される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<トナーの製造>
[実施例1〜17、19〜22、29,30]
実施例1〜17、19〜22,29及び30では、表1及び2に示した配合に基づき、表に記載の材料を混合した。ここで表中の「部」は「質量部」を意味する。
この混合物をエクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により120℃、200rpmにて溶融混練(混合)して、混練物を作製した。
次いでハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が4.6μmの各トナー粒子を得た。
これらの各トナー粒子98質量部に対し、疎水性シリカ粒子(TG820F、キャボット社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーにより外添処理して、実施例1〜22,29及び30に用いた光定着用カラートナーを得た。
(現像剤の作製)
得られたトナーを用い二成分現像剤を作製した。上記の各トナーと混合させるキャリアとしては、シリコーン樹脂をコーティングした汎用の体積平均粒径が40μmのフェライトキャリアを用いた。各トナー5部に対しキャリアを95部混合し、2時間、10Lのボールミルにて混合し、各現像剤3.5kgを作製した。
[実施例23〜27
実施例23〜27では、表2に示した配合に基づき外添剤以外の材料を混合して、実施例1等と同様の方法でトナー粒子を得た。
このトナー粒子98質量部に対し疎水性シリカ粒子(TG820F、キャボット社製)1.0質量部、表2に示した配合量の還元剤をヘンシェルミキサーにより外添処理して、実施例23〜27に用いた光定着用カラートナーを得た。
[比較例1]
比較例1では、表2に示した配合に基づき、還元剤を添加しない以外は実施例1等と同様の方法で光定着用カラートナー(CT−1)を得た。
[比較例2]
比較例2では、一般式(1)で表される化合物の代わりに陽イオン青色染料(IRT、昭和電工社製)を、この青色染料の消色剤として白色のホウ素化合物(BP3B、昭和電工社製)を用いた以外は表2に示した配合に基づき、実施例1等と同様の方法で光定着用カラートナー(CT−30)を得た。
<評価>
表1及び表2に示すトナーを含む上記各現像剤を用い、定着性を含めた画像評価を行った。評価装置としては、光定着器としてキセノンフラッシュランプを搭載した富士ゼロックス社製Fuji Xerox 490/980 Continuous Feedの改造機(概略構成は図2に順ずる)を用いた。なお、フラッシュランプの発光エネルギーは5J/cmとした。
(定着性評価)
記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を用い、前記画像形成装置により1inch四方(2.54cm×2.54cm)の画像を形成した。具体的には、表1及び表2に示す各光定着用カラートナーを用い、トナーの付着量(記録媒体上のトナー載り量)は単色で0.5mg/cmとなるように調整して画像出しを行った。
次に、得られた1inch四方の画像の定着率について以下のように評価した。まず、画像の各色に対応するステータスA濃度(OD1)を測定し、その後、この画像上に粘着テープ(スコッチメンディングテープ、住友3M製)を貼り、その後、粘着テープを引き剥がし、剥離後の画像のステータスA濃度(OD2)を測定した。なお、光学濃度の測定には(X−rite938)を使用した。次に、得られた光学濃度の値を用いて下式(2)より定着率を算出した。
定着率(%)=(OD2/OD1)×100 ・・・ 式(2)
定着性の評価は、上式(2)から算出される定着率において以下の判断基準により評価した。結果を表3に示す。
◎:定着率が90%以上である。
○:定着率が80%以上90%未満である。
△:定着率が70%以上80%未満である。
×:定着率が70%未満(使用することが難しいレベル)である。
(色差ΔEの評価)
前記各トナーを用いて、トナーの付着量を0.48mg/cm以上0.52mg/cm以下の範囲とし、Cin100%サンプルを形成し色再現性測定値(L、a、b)をそれぞれ評価した。なお、画像は定着後1分経過後のものを用い、上記L、a、bの各数値は、分光計(938 Spectrodentitometer、X-Rite社)で測定した。これらの測定値とジャパンカラーの色再現性目標値との差異を色差ΔEにより評価した。
ここで該ΔE(色差)は、{(L −L +(a −a +(b −b 1/2を意味する。また、L 、a 、b はジャパンカラーの色再現性目標値、L 、a 、b はトナー画像の測定値を示す。
なお、上記ジャパンカラーの色再現性目標値は、シアントナーの場合(L:59、a:−24、b:−41)、マゼンタトナーの場合(L:54、a:55、b:−1)、イエロートナーの場合(L:89、a:−7、b:71)である。
また、前記測定方法は、「Graphic Tecnology (印刷技術)における標準化、(社)日本印刷産業機械工業会、ISO/TC130国内委員会、(社)日本印刷学会、2003年8月改定」を参考にし、前記各数値は当該文献7頁、表4中の上質紙のL、a、b値である。
これらより、以下の判断基準により色差ΔEを評価した。結果を表3に示す。
◎:ΔE≦3
○:3<ΔE≦5
△:5<ΔE≦15
×:15<ΔE
Figure 0005418007

Figure 0005418007
表1及び表2において記載した成分は、以下の通りである。
(顔料)
・シアン顔料:Pigment Blue 15:3(商品名:ブルーNo.4、大日精化)
・マゼンタ顔料:Pigment Red 122(商品名:ECR186Y、大日精化)
・イエロー顔料:Pigment Yellow 185(商品名:パリオトールY-D1155、BASF)
(ワックス)
・ポリプロピレンワックス:商品名550P(三洋化成社製)
(定着助剤)
・エステルワックス:商品名WEP-9(日本油脂)
(バインダ樹脂)
・バインダ樹脂:ポリエステル樹脂(商品名 FP131 花王製)
(赤外線吸収剤)
・赤外線吸収剤1:ジイモニウム化合物:アニオンCFSO (商品名:IRG-024TF、日本化薬)
・赤外線吸収剤2:アミニウム化合物:アニオンとして過塩素酸(商品名:AM1、ナガセケムテック)
・赤外線吸収剤3:ジイモニウム化合物:アニオンとして過塩素酸(商品名:IRG-023、日本化薬)
(外添剤)
・シリカ:商品名TG820F(キャボット社)
(還元剤)
・還元剤1:イソアスコルビン酸ナトリウム(エルビットN、扶桑化学工業株式会社)
・還元剤2:L−アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社)
・還元剤3:エリソルビン酸(和光純薬工業株式会社
還元剤6:テトライソパルミチン酸アスコビル(和光純薬工業株式会社)
・還元剤7:ステラリン酸アスコビル(和光純薬工業株式会社)
・還元剤8:テトラヘキシルデカン酸アスコビル(和光純薬工業株式会社)
・還元剤9:アスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸(和光純薬工業株式会社)
(帯電制御剤)
4級アンモニウム塩:商品名 PSY(クラリアント社)
(青色染料)
比較例2の陽イオン染料:青色、商品名:IRT、昭和電工(株)製
(消色剤)
比較例2の消色剤:白色、商品名:BP3B、昭和電工(株)製
Figure 0005418007
表3に示すように、還元剤を含有させた実施例のトナーによる画像では、高い光定着性が得られ、且つ目的の色調に近い画像が得られることがわかる。一方、還元剤を含有しない比較例のトナーの場合は、実施例のトナーの場合に比べて色差が大きいことがわかる。
1a,1b,1c,1d 帯電手段
2a,2b,2c,2d 露光手段
3a,3b,3c,3d 感光体
4a,4b,4c,4d 現像手段
10 記録用紙(記録媒体)
20 シアン現像ユニット
30 マゼンタ現像ユニット
40 イエロー現像ユニット
50 ブラック現像ユニット
70a,70b,70c,70d 転写手段
71,72 ローラ
80 転写電圧供給手段
90 光定着手段(定着手段)

Claims (5)

  1. 結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される少なくとも1つの赤外線吸収剤と、還元剤としてL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコビル、ステアリン酸アスコビル、テトラヘキシルデカン酸アスコビル、及びアスコルビン酸−2リン酸−6パルミチン酸から選択される少なくとも1つと、を含む光定着用カラートナー。
    Figure 0005418007


    〔一般式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、未置換若しくは置換の直鎖、分岐若しくは環状アルケニル基、又は未置換若しくは置換のアラルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。〕
  2. 請求項1に記載の光定着用カラートナーを含有する静電荷像現像剤。
  3. 記録媒体表面のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に対して脱着され、請求項に記載の静電荷像現像剤を収納する現像剤カートリッジ。
  4. 請求項1に記載の光定着用カラートナーを用いて、カラーのトナー像を記録媒体に形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像に光を照射して前記記録媒体に定着させる光定着手段と、
    を有するカラー画像形成装置。
  5. 前記トナー像を形成する際の前記記録媒体の搬送速度が、1000mm/秒以上である請求項に記載のカラー画像形成装置。
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