JP5434321B2 - 光定着用カラートナー及びその製造方法、並びに、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、着色剤と、発色状態において可視域の光吸収ピークを有するロイコ色素と、顕色性物質と、下記一般式(1)で示されるエステル類であるヒステリシス温度制御剤と、赤外線吸収剤と、を含む、光定着用カラートナーである。
前記結着樹脂がポリエステル樹脂である、請求項1に記載の光定着用カラートナーである。
前記結着樹脂が、アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含むポリエステル樹脂である、請求項2に記載の光定着用カラートナーである。
前記結着樹脂、前記着色剤、前記ロイコ色素、前記顕色性物質、前記ヒステリシス温度制御剤、及び前記赤外線吸収剤を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を形成する混錬工程と、
前記混錬物を粉砕して粉砕物を形成する粉砕工程と、
前記混錬物又は前記粉砕物を、前記ロイコ色素が発色状態に転移する温度以下に冷却する冷却工程と、を有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーの製造方法である。
前記結着樹脂、前記ロイコ色素、前記顕色性物質、及び前記ヒステリシス温度制御剤を含む第1の粒子が分散された第1の分散液を調整する第1の分散液調整工程と、
前記着色剤を含む第2の粒子が分散された第2の分散液を調整する第2の分散液調整工程と、
前記第1の分散液と前記第2の分散液とを混合し、混合溶液を調整する混合溶液調整工程と、
前記混合溶液中に含まれる前記第1の粒子及び前記第2の粒子を凝集して凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を加熱して融合させてトナー粒子を形成する融合工程と、
前記トナー粒子を、前記ロイコ色素が発色状態に転移する温度以下に冷却する冷却工程と、を有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーの製造方法である。
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーを含む、静電荷像現像剤である。
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーを収容した、トナーカートリッジである。
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容した現像装置を備えた、プロセスカートリッジである。
請求項6に記載の静電荷像現像剤により記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像を光により記録媒体に定着させる定着手段と、を有する、画像形成装置である。
<光定着用カラートナー及びその製造方法>
本実施形態の光定着用カラートナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、結着樹脂と、着色剤と、定着助剤としてロイコ色素、顕色性物質、及びヒステリシス温度制御剤と、を含むことを特徴とする。なお、本実施形態では、前記ヒステリシス温度制御剤が下記一般式(1)で示されるエステル類であり、前記ロイコ色素が発色状態において可視域の光吸収ピークを有し、かつ、さらに赤外線吸収剤を有する光定着用カラートナーが適用される。
本実施形態のトナーが上記構成であることにより、光定着に用いる光波長の選択域が広くなる。その理由は、以下のように推測される。
またヒステリシス温度制御剤として下記一般式(1)で示されるエステル類を用いる場合、結着樹脂としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含むポリエステルを用いることがより好ましい。下記一般式(1)で示されるエステル類は、ビスフェノールAアルキレンオキサイドと構造が類似しているため、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含むポリエステルとの相溶性が良好である。そのため、上記組み合わせを用いると、ヒステリシス温度制御剤の結着樹脂への分散性が良好であり、トナー全体にわたって上記ヒステリシス特性が得られ、定着画像の色再現性がより良好になると考えられる。
また、発色状態におけるロイコ色素の色は黒色であることが好ましい。発色状態におけるロイコ色素の色が黒色であることにより、他の色である場合に比べて、吸収する光の波長領域が広いため、効率よく可視光を吸収し、定着性が良好となる。発色状態のおけるロイコ色素の色が黒色である形態としては、1種のロイコ色素における発色状態の色が黒色である形態や、ロイコ色素を複数種用い、それらの発色状態の色が混合されて黒色になる形態が挙げられる。発色状態の色が混合されて黒色になる形態としては、具体的には、例えば、発色状態がイエローのロイコ色素と、発色状態がマゼンタのロイコ色素と、発色状態がシアンのロイコ色素と、を用いることにより、全体として発色状態が黒色になる形態が挙げられる。
−ロイコ色素−
本実施形態におけるロイコ色素は、消色状態においては無色又は淡色であり、後述する顕色性物質と相互作用して発色状態となるものである。
ロイコ色素としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物などが挙げられる。
前記フタリド類の具体例は、米国再発行特許第23,024号明細書、米国特許第3,491,111号明細書、同第3,491,112号明細書、同第3,491,116号明細書および同第3,509,174号明細書、フルオラン類の具体例は、米国特許第3,624,107号明細書、同第3,627,787号明細書、同第3,641,011号明細書、同第3,462,828号明細書、同第3,681,390号明細書、同第3,920,510号明細書、同第3,959,571号明細書、スピロジピラン類の具体例は、米国特許第3,971,808号明細書、ピリジン系およびピラジン系化合物類の具体例は、米国特許第3,775,424号明細書、同第3,853,869号明細書、同第4,246,318号明細書、フルオレン系化合物の具体例は、特開昭63−94878号公報等に各々記載されている。
またジフェニルメタン系化合物としては、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
またスピロ系化合物としては3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
ロイコ色素の添加量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上20質量部以下が望ましく、2質量部以上10質量部以下がより望ましい。
本実施形態における顕色性物質としては、前記ロイコ色素を相互作用して発色させるものであれば特に制限されないが、例えばフェノール誘導体、含硫フェノール誘導体、有機のカルボン酸誘導体(例えば、サリチル酸、ステアリン酸、レゾルシン酸等)、及びそれらの金属塩等、スルホン酸誘導体、尿素もしくはチオ尿素誘導体等、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等が挙げられる。
顕色性物質の添加量としては、ロイコ色素1質量部に対し、0.4質量部以上5質量部以下が望ましく、0.5質量部以上4.0質量部以下がより好適であり、2.0質量部以上4.0質量部以下がさらに好適である。
ヒステリシス温度制御剤は、前記ロイコ色素と顕色性物質の呈色においてヒステリシス特性をもたらす物質である。この様なヒステリシス温度制御剤としては、例えば、炭素数10以上のアルコール類、炭素数10以上のエステル類、炭素数10以上のエーテル類、炭素数10以上のケトン類等が挙げられ、その中でも上記の通りエステル類が好ましい。
本実施形態における結着樹脂としては、具体的には、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独または併用したものが挙げられ、その中でも上記の通りポリエステル樹脂が好ましい。
上記一般式で表される化合物の具体例としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
またビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物は、上記式中xおよびyが1であり且つRのアルキレン基がエチレン基、またはプロピレン基である化合物であることが好ましい。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化チタン、ジブチル錫ジラウレート、酸化スズ等を使用してもよい。
着色剤としては、下記に示すものをトナーの色彩(定着されたトナー画像の色彩)に対応させて選択して用いられる。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが用いられる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3が有効である。
本実施形態の光定着用カラートナーには、前記ロイコ色素等のほかに、赤外線吸収剤を併用してもよい。ここで赤外線吸収剤とは、分光光度計等により測定した際に800nm以上1200nm以下の近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料を指し、有機物であっても無機物であってもよい。
帯電制御剤としては、例えば、カリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが挙げられる。またトナーには、鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合し磁性トナーとしてもよい。特に、カラートナーの場合には、磁性材料として白色の磁性粉(例えば日鉄鉱業社製)を用いてもよい。
本実施形態の光定着用カラートナーは、トナー粒子に外添剤が外添された形態であってもよい。外添剤としては、例えば、白色の無機粒子が挙げられる。トナー粒子に混合される外添剤の割合は、トナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下の範囲が好ましく、さらに好適には0.01質量部以上2.0質量部以下の範囲である。無機粒子としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。また、シリカ、チタン、樹脂微粉、アルミナ等の公知の材料を併用してもよい。さらに、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子粉末を添加してもよい。
上記本実施形態の光定着用カラートナーを製造するにあたっては、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等が利用される。ここで、湿式造粒法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法等が用いられる。
すなわち、上記混錬工程は、ロイコ色素の消色温度以上にトナー形成材料が加熱されるため、混錬工程がすべて完了した後に冷却工程を行う。そして冷却工程は、混錬工程の後であれば、粉砕工程の前に行っても後に行ってもよい。
すなわち、融合工程においては、ロイコ色素の消色温度以上に分散液が加熱されるため、冷却工程は融合工程の後に行う。
また、その個数平均粒径D50pに対する体積平均粒径Dvの比(D50v/D50p)が1.0以上1.25以下の範囲であることが好ましい。
なお、上記トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像解析装置(シメックス社製、FPIA2000)を用い、水分散系でトナー粒子の投影像の周囲長(周囲長)と、トナー粒子の投影面積に等しい円の円周長(円相当周囲長)とを求め、(円相当周囲長/周囲長)により計算される。
得られたトナー粒子に、必要に応じて外添剤を加え、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合することで、トナー粒子に外添剤が外添される。
本実施形態の光定着用カラートナーを含む静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、前記トナーからなる1成分現像剤、あるいは、キャリアと前記トナーとからなる2成分現像剤のいずれであってもよい。
2成分現像剤として用いる際のキャリアとしては、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。上記芯材としては、例えば、マグネタイト、フェライト、鉄粉が用いられる。キャリアのコート剤としては、特に制限されないが、シリコーン樹脂系が特に望ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、例えば、トナー:キャリア=1:100から30:100程度の範囲が挙げられ、3:100から20:100程度の範囲がより望ましい。
本実施形態の画像形成装置は、前述の光定着用カラートナーを含む現像剤を用いて、記録媒体上にカラートナーを含むトナーを用いてカラー画像が形成されるものであれば特に限定されない。画像形成装置としては、具体的には、例えば、記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段及びトナー像を記録媒体に光定着させる定着手段を有するもが挙げられる。
上記光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等が挙げられる。フラッシュランプの発光エネルギーは、1.0J/cm2以上7.0J/cm2以下の範囲であることが好ましく、2J/cm2以上5J/cm2以下の範囲であることがより好ましい。
S=((1/2)×C×V2)/(u×L)×(n×f) ・・・ 式
上記式中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm2)を表す。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm2以上1J/cm2以下の範囲であることが好ましく、0.4J/cm2以上0.8J/cm2以下の範囲であることより好ましい。
図1は、上記画像形成装置の一例について示す概略模式図である。図1は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
また、図1においては、現像手段4aから4dだけでなく現像ユニット20から50も前記プロセスカートリッジとなり得る。
・離型剤(ポリプロピレンワックス、商品名:550P、三洋化成製) 2質量部
・帯電制御剤(4級アンモニウム塩、商品名:PSY、クラリアント社製) 0.5質量部
上記材料及び下記表1に示す材料(ヒステリシス温度制御剤、ロイコ色素、顕色性物質、結着樹脂、赤外線吸収剤、及び着色剤)を混合し、エクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により135℃で溶融混練(混合)して、混錬物を作製した。次に、混錬物を液体窒素(−196℃)に5分間浸し、ロイコ色素を発色状態に転移させてから、ハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が4.6μmの各トナー粒子を得た。
・化合物1:ドデシルアルコール(炭素数10以上の飽和アルコール類)
・化合物2:ベヘン酸ベヘニル(炭素数10以上のエステル類)
・化合物3:2−ドデカノン(炭素数10以上の脂肪族ケトン類)
・化合物4:ジオクチルエーテル(炭素数10以上の脂肪族エーテル類)
・化合物5:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート
・ロイコ色素:フルオラン系ロイコ染料(商品名:S−205、山田化学工業(株)製、発色状態における吸収ピーク波長450〜590nm)
・顕色性物質:下記構造式1に示す構造の化合物(商品名:TG−SA、日本化薬社製)
・化合物6:ビスフェノールAアルキレンオキサイドを構成成分としたポリエステル樹脂(商品名:FP131、花王製)
・化合物7:ビスフェノールAアルキレンオキサイドを構成成分としないポリエステル樹脂(商品名:KN−100、花王製)
・化合物8:スチレンアクリル樹脂(商品名:UNI3000、三洋化成)
・赤外線吸収剤:ジイモニウム化合物:(商品名:IRG−023、日本化薬製)
・シアン顔料:Pigment Blue 15:3(商品名:ブルーNo.4、大日精化製)
・マゼンタ顔料:Pigment Red 122(商品名:ECR186Y、大日精化製)
・イエロー顔料:Pigment Yellow 185(商品名:パリオトールY−D1155(BASF))
ロイコ色素としてジビニルフタライド系ロイコ色素(商品名:NIRBLACK78、山田化学工業(株)製、発色状態における吸収ピーク波長890nm(赤外))を用いた以外は、CT−6と同様にしてトナーを作製した。
ロイコ色素としてフルオラン系ロイコ染料(商品名:S−205、山田化学工業(株)製、発色状態における吸収ピーク波長450〜590nm)1質量部及びジビニルフタライド系ロイコ色素(商品名:NIRBLACK78、山田化学工業(株)製、発色状態における吸収ピーク波長890nm(赤外))1質量部を用いた以外は、CT−6と同様にしてトナーを作製した。
ヒステリシス温度制御剤を用いない以外は、CT−7と同様にしてトナーを作製した。
−樹脂粒子分散液の調整−
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・1,2−プロパンジオール:10モル%
・テレフタル酸:30モル%
・アジピン酸:20モル%
なお、ビスフェノールAにおけるエチレンオキサイドの付加量は、1つのヒドロキシ基への付加量を示しており、化合物としては、全てのヒドロキシ基にそれぞれ付加されてなる。
・イソプロピルアルコール 45質量部
・ロイコ色素(フルオラン系ロイコ染料、商品名:S−205、山田化学工業(株)製、発色状態における吸収ピーク波長450−590nm) 2質量部
・顕色性物質(上記構造式1に示す構造の化合物、商品名:TG−SA、日本化薬社製) 4質量部
・4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート 4質量部
シアン顔料として、ピグメントブルー(PB15−3、大日精化工業(株)製)を20重量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC有効成分として)2重量部、及び、イオン交換水58重量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6,000rpmで5分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡し、続けて分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は25パス相当行った。固形分濃度25重量%にて、得られた着色剤粒子分散液における着色剤粒子の体積平均粒径を測定したところ、0.15μmであった。
カルナバワックス(融点:81℃)40重量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)2重量部、及び、イオン交換水58重量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6,000rpmで5分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡し、続けて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25重量%に調整した。得られた離型剤粒子分散液における離型剤粒子の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
・イオン交換水:360重量部
・樹脂粒子分散液:190重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、20重量%):2重量
部
得られたトナーを用い2成分現像剤を作製した。上記の各トナーと混合させるキャリアとしては、シリコーン樹脂(東レ−ダウコーニング社製:SR2411)を1%コーティングした汎用の体積平均粒径が40μmのフェライトキャリアを用いた。各トナー5質量部に対しキャリアを95質量部混合し、2時間、10Lのボールミルにて混合し、各現像剤100質量部を作製した。
作製したカラートナー及びそれらを含む現像剤について、下記のように、定着性及び色再現性の評価を行った。評価装置としては、光定着器としてキセノンフラッシュランプを搭載した富士ゼロックス社製Fuji Xerox 490/980 Continuous Feedプリンタの改造機(概略構成は図1に準ずる)を用いた。なお、フラッシュランプの発光エネルギーは3.5J/cm2とした。
記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を用い、前記画像形成装置により1inch四方(2.54cm×2.54cm)の画像を形成した。具体的には、表2に示す各光定着用カラートナーを用い、トナーの付着量(記録媒体上のトナー載り量)は単色で0.5mg/cm2となるように調整して画像出しを行った。
定着率(%)=(OD2/OD1)×100 ・・・ 式(2)
◎:定着率が90%以上である。
○:定着率が80%以上90%未満である。
△:定着率が70%以上80%未満である。
×:定着率が70%未満(使用することが難しいレベル)である。
前記各トナーを用いて、トナーの付着量を0.48から0.52mg/cm2とし、0から100%まで5%ごとにトナードット率を変化させた階調サンプルを形成し、定着後トナードット率80%の部分の色再現性測定値(L*、a*、b*)をそれぞれ評価した。なお、画像は定着後1分経過後のものを用い、上記L*、a*、b*の各数値は、分光計(938 Spectrodentitometer、X−Rite社)で測定した。これらの測定値とジャパンカラーの色再現性目標値との差異を色差ΔEにより評価した。ここで該ΔE(色差)は、{(L0 *−L1 *)2+(a0 *−a1 *)2+(b0 *−b1 *)2}1/2を意味する。また、L0 *、a0 *、b0 *はジャパンカラーの色再現性目標値、L1 *、a1 *、b1 *はトナー画像の測定値を示す。
また、前記測定方法は、「Graphic Tecnology (印刷技術)における標準化、(社)日本印刷産業機械工業会、ISO/TC130国内委員会、(社)日本印刷学会、2003年8月改定」を参考にし、前記各数値は当該文献p.7表4中の上質紙のL*、a*、b*値である。
◎:ΔE≦1
○:1<ΔE≦3
△:3<ΔE≦5
×:5<ΔE
以上の評価結果をまとめて表2に示す。
2a,2b,2c,2d 露光手段
3a,3b,3c,3d 感光体
4a,4b,4c,4d 現像手段
5a,5b,5c,5d クリーニング手段
10 記録用紙(記録媒体)
20 シアン現像ユニット
30 マゼンタ現像ユニット
40 イエロー現像ユニット
50 ブラック現像ユニット
70a,70b,70c,70d 転写ロール
71,72 ロール
80 転写電圧供給手段
90 光定着手段(定着手段)
Claims (9)
- 結着樹脂と、着色剤と、発色状態において可視域の光吸収ピークを有するロイコ色素と、顕色性物質と、下記一般式(1)で示されるエステル類であるヒステリシス温度制御剤と、赤外線吸収剤と、を含む、光定着用カラートナー。
(上記一般式(1)中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に、炭素数1以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を示す。) - 前記結着樹脂がポリエステル樹脂である、請求項1に記載の光定着用カラートナー。
- 前記結着樹脂が、アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物に由来する構造単位を含むポリエステル樹脂である、請求項2に記載の光定着用カラートナー。
- 前記結着樹脂、前記着色剤、前記ロイコ色素、前記顕色性物質、前記ヒステリシス温度制御剤、及び前記赤外線吸収剤を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を形成する混錬工程と、
前記混錬物を粉砕して粉砕物を形成する粉砕工程と、
前記混錬物又は前記粉砕物を、前記ロイコ色素が発色状態に転移する温度以下に冷却する冷却工程と、を有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーの製造方法。 - 前記結着樹脂、前記ロイコ色素、前記顕色性物質、及び前記ヒステリシス温度制御剤を含む第1の粒子が分散された第1の分散液を調整する第1の分散液調整工程と、
前記着色剤を含む第2の粒子が分散された第2の分散液を調整する第2の分散液調整工程と、
前記第1の分散液と前記第2の分散液とを混合し、混合溶液を調整する混合溶液調整工程と、
前記混合溶液中に含まれる前記第1の粒子及び前記第2の粒子を凝集して凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を加熱して融合させてトナー粒子を形成する融合工程と、
前記トナー粒子を、前記ロイコ色素が発色状態に転移する温度以下に冷却する冷却工程と、を有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーの製造方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーを含む、静電荷像現像剤。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光定着用カラートナーを収容した、トナーカートリッジ。
- 請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容した現像装置を備えた、プロセスカートリッジ。
- 請求項6に記載の静電荷像現像剤により記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像を光により記録媒体に定着させる定着手段と、を有する、画像形成装置。
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