JP4947079B2 - 光定着用トナーセット - Google Patents

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Description

本発明は、光定着用トナーセットに関する。
電子写真方式の画像形成方法および画像形成装置においては、画像定着方式として、例えばヒートロール方式が使用されている。この方式は、トナーにより画像形成された紙等の被印刷物を加熱ロール間に通して、トナーを被印刷物に熱圧着させるものである。
一方、非接触定着方式として、被転写体(用紙等)上に形成されたトナー像を構成するトナーを加熱・溶融させることで被転写体上に定着させる方法が使用されている。この定着に用いられる定着装置としては、例えば被転写体の搬送経路に対向してフラッシュランプを配し、このフラッシュランプを間欠点灯させることで、搬送される被転写体上のトナーを加熱溶融する技術がある。このフラッシュランプを用いた定着は、ヒートロール定着に比べて、用紙の汎用性や非接触であるための高速化の容易性などが特徴として上げられる。
さらに、近年の半導体レーザの低価格化と高出力化に伴い、フラッシュランプを高出力の半導体レーザに置き変えた定着系が試されており、フラッシュランプに代わる定着用光源として期待されている。
フラッシュ定着やレーザ定着等の光定着方式においては、定着に使用する光源の波長領域の光を効率よく吸収し、熱エネルギーへ変換するために、光源により発熱する物質が含有されたトナーを用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−248819号公報
本発明の課題は、黒色トナーとカラートナーとの、該カラートナーが赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長における光吸収率が同等レベル(即ちカラートナーの前記光吸収率が黒色トナーの前記光吸収率に対し98%を超える)になるよう調整されている場合に比べ、定着画像の色味の悪化を抑制しつつ良好な定着性を確保することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。即
請求項に係る発明は、
赤外領域の光を吸収する光定着用の黒色トナーと、
赤外線吸収剤を含有し、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下であり、下記式(1)で示される色差ΔEが20以下であり、赤外領域の光を吸収する光定着用のカラートナーと、
を含有する光定着用トナーセットである。
式(1) ΔE={(L−L+(a−a+(b−b1/2
(式(1)中、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表し、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーにおいて赤外線吸収剤を除いたカラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表す。)
請求項に係る発明によれば、黒色トナーとカラートナーとの、該カラートナーが赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長における光吸収率が同等レベル(即ちカラートナーの前記光吸収率が黒色トナーの前記光吸収率に対し98%を超える)になるよう調整されている場合に比べ、定着画像の色味の悪化を抑制しつつ良好な定着性が確保される光定着用トナーセットが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施例および比較例のトナーにおける反射スペクトルの測定結果を示すグラフである。 実施例および比較例のトナーにおけるクリース評価の結果を示すグラフである。 実施例1,実施例2,比較例1および比較例3のカラートナーにおける、「光吸収率」と「クリース評価の数値を40とするために必要な照射エネルギー」との関係、並びに「光吸収率」と「上記照射エネルギーを付与した際のΔE」との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態/光定着用トナーセット>
第1実施形態に係る光定着用トナーセット(以下光定着用トナーセットを単に「トナーセット」と称す)は、赤外領域の光を吸収する光定着用の黒色トナー(以下光定着用の黒色トナーを単に「黒色トナー」と称す)と、赤外線吸収剤を含有し、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下であり、下記式(1)で示される色差ΔEが20以下であり、赤外領域の光を吸収する光定着用のカラートナー(以下光定着用のカラートナーを単に「カラートナー」と称す)と、を含有することを特徴とする。
式(1) ΔE={(L−L+(a−a+(b−b1/2
(式(1)中、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表し、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーにおいて赤外線吸収剤を除いたカラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表す。)
尚、上記第1実施形態に係るトナーセットにおける黒色トナーおよびカラートナーは、画像形成方法および画像形成装置において静電潜像を現像してトナー像を形成するためのトナーとして用いられる。また、赤外領域の光が露光された際の光エネルギーを利用して溶融し被転写体表面に定着される(即ち光定着方式によって被転写体表面に定着される)トナーである。
従来、黒色トナーとカラートナーとを用いて複数色の画像を形成する光定着方式の画像形成方法および画像形成装置において、黒色トナーの定着に用いる光源とカラートナーの定着に用いる光源とを1種の光源のみで行う態様では、以下のような現象が起こっていた。
(1)カラートナーを定着させるのに十分な照射エネルギーを照射するよう光源を設定すると、黒色トナーに対しては照射エネルギーが大きくなり過ぎ、黒色トナーの過加熱によりボイド(画像の白抜け)が発生してしまう。
(2)黒色トナーの定着の際にボイドが発生しない照射エネルギーとなるよう光源を設定すると、カラートナーの定着性が悪化する。
(3)しかし、カラートナーの赤外領域における光吸収率を黒色トナー並みに向上させるために赤外線吸収剤の濃度を上げると、該赤外線吸収剤による可視域での光吸収も増加し、その結果カラートナーの色味が悪化してしまう。
従って、光定着方式に用いられるカラートナーにおいて、黒色トナーを良好に定着させる露光条件で良好な定着性を示すこと、および定着画像の色味が悪化しないことは二律背反の関係にあるものと考えられていた。
しかし、本発明者らの鋭意検討の結果、フラッシュ定着やレーザ定着等の光定着方式において、カラートナーにおける光吸収率とカラートナーの定着性との関係が明らかになった。具体的には、カラートナーの赤外領域における光吸収率を黒色トナー並みに向上させずとも、黒色トナーを良好に定着させる露光条件で、カラートナーを黒色トナー並みに良好に定着し得ることが判明した。また、カラートナーの赤外領域における光吸収率を黒色トナー並みに向上させる必要がないことから、カラートナー中に添加する赤外線吸収材の量が低減され、その結果カラートナーの色味の悪化が抑制されることが判明した。
尚、本明細書において「赤外領域」の光とは、波長が770nm以上1000nm以下の光を指す。
また、本明細書において「黒色トナー」とは、可視領域(波長が400nm以上700nm以下の領域)における最も弱い光吸収率が80%以上であるトナーを指す。
一方、「カラートナー」とは、上記黒色トナー以外のトナーであって、可視領域の任意の波長の光を反射するものを指す。
また、本明細書において「赤外線吸収剤」とは、赤外領域に最も強い光吸収ピークを有する添加剤を指す。従って、前記式(1)で示される色差ΔEの測定の際の比較対照である「前記光定着用カラートナーにおいて赤外線吸収剤を除いたカラートナー」とは、第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーから、赤外領域に最も強い光吸収ピークを有する添加剤を除いたトナーを表す。
更に、本明細書においてトナーセットの「セット」とは、一つの多色画像形成装置に併用して搭載されるトナーの組み合わせを意味し、本実施形態に係るトナーセットは、一つの多色画像形成装置に併用して搭載し利用することにより前述の目的を達成するものになる。従って、前記「セット」とは、必ずしも1種以上の黒色トナーと1種以上のカラートナーとを組合せにして製品として流通し販売されることを意味するものではない。
−カラートナーと黒色トナーとの光吸収率の比率−
第1実施形態に係るトナーセットは黒色トナーとカラートナーとを有し、該カラートナーは、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下(光吸収率比率)である。79%未満であると優れた定着性が得られず、一方98%を超える場合には色味の悪化が生じる。
尚、上記光吸収率比率は、さらに79%以上96%以下であることが好ましく、79%以上89%以下であることが特に好ましい。
ここで、カラートナーの赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率、および黒色トナーの該波長での光吸収率は、反射スペクトルを測定することにより算出される。尚、反射スペクトルは、日立製作所製の分光光度計U−4100により測定される。
但し、本明細書において「光吸収率」は、各トナーを被転写体表面に定着した後における光吸収率とする。つまり、黒色トナーであれば黒色、イエロートナーであればイエロー色、マゼンタトナーであればマゼンタ色、シアントナーであればシアン色を印刷した後に、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率である。
尚、カラートナーの赤外領域における光吸収率の調整は、赤外線吸収剤の種類や含有量等を調整することにより行われる。また、黒色トナーの赤外領域における光吸収率の調整は、カーボンブラック等に代表される黒色着色剤の種類の選択や含有量の調整により行われる。また、赤外領域に吸収を有しない着色剤が用いられた場合(プロセスブラック等)には、赤外吸収剤の種類や含有量等を調整することにより行われる。
−光吸収率−
また、第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーは、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率が75%以上93%以下であることが好ましい。75%以上であることにより優れた定着性が得られ、一方93%以下であることにより色味の悪化が抑制される。尚、上記光吸収率は、さらに75%以上90%以下であることが好ましく、75%以上85%以下であることが特に好ましい。
また、第1実施形態に係るトナーセットにおける黒色トナーは、前記波長(カラートナーが赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長)での光吸収率が79%以上98%以下であることが好ましい。
−色差ΔE−
また、第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーは、前記式(1)で示される色差ΔEが20以下である。20を超える場合には色味の悪化が生じる。
尚、上記色差ΔEは、さらに15以下であることが好ましく、10以下であることが特に好ましい。
ここで、色差ΔEは以下の方法により算出される。
まず、第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーの定着画像を得る。定着の際の条件は、COHERENT社製の商品名:HightLight ISL−2000L(露光波長:808nm)を装着した光定着装置を用い、定着画像を得る。この際の照射エネルギーは1.0J/cmである。
次いで、前記カラートナーから前記赤外線吸収剤を除いて得たトナーを用いて定着画像を得る。定着の際の条件は、トナーが転写された紙をテフロン(登録商標)シートで挟み、速度設定1、温度設定120℃の条件でパウチラミネータ(日本ジービーシー社製、GLM2500)を通し、定着画像を得る。
反射分光濃度計(エックスライト株式会社製、x−rite939)を用いて、赤外線吸収剤を含有するカラートナーの定着画像および赤外線吸収剤を含有しないカラートナーの定着画像の色評価を行い、前述の式(1)におけるL、a、b、L、aおよびbを測定し、色差ΔEが算出される。
ここでΔEとは、CIE1976L*a*b*表色系において色差と呼ばれるものであり、ΔEが大きいほど、比較する2色の見た目の色が異なることを表す。
尚、第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーの色差ΔEの調整は、赤外線吸収剤の種類や含有量等を調整することにより行われる。
(カラートナー)
次いで、前記第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーの好ましい組成成分について説明する。
−赤外線吸収剤−
前記カラートナーには、赤外領域(770nm以上1000nm以下)に極大吸収を有する公知の赤外吸収剤が使用される。該赤外線吸収剤としては、特にスクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アミニウム系色素等が好ましい。
赤外線吸収剤の添加量は、添加後のカラートナーの赤外吸収量が定められた範囲内になるように調整されるべきものであるが、総量でトナー100質量部に対し0.3質量部以上1.0質量部以下の範囲が望ましい。
−結着樹脂−
前記カラートナーには、公知の結着樹脂が使用される。結着樹脂の主成分としては、ポリエステル、ポリオレフィンが好ましいが、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、スチレンとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとの共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独または併用し得る。中でも、ポリエステル系樹脂またはノルボルネンポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。
なお、トナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移温度)は、好ましくは50℃以上70℃以下の範囲である。
−着色剤−
前記カラートナーには、公知の着色剤が使用される。着色剤としては、トナーの色彩に対応させて選択して用いられる。
前記シアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが用いられる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3が有効である。
また、マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが用いられる。
また、イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが用いられる。
各着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製されたトナー100質量部中に1質量部以上20質量部以下の範囲であることが好ましい。
−その他の添加剤−
また、前記カラートナーには、必要に応じて帯電制御剤やワックスを加えるようにしてもよい。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯体化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用される。その他、トナーには鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合し磁性トナーでも使用し得る。特に、カラートナーの場合には白色の磁性粉を用いてもよい。
ワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が最も好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
ワックスとしては50℃以上90℃以下にDSC測定(示差走査型熱量測定)による吸熱ピークを示すワックス材料が好ましい。前記DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。
−カラートナーの製造方法−
前記カラートナーを製造するにあたっては、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等が利用される。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法等が用いられる。
混練粉砕法で前記カラートナーを作製するには、結着樹脂、赤外線吸収剤、ワックス、帯電制御剤、着色剤としての顔料または染料、およびその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料、磁性体等を分散または溶解せしめ、冷却固化後粉砕および分級を行ってトナーが得られる。また、顔料や赤外線吸収剤の分散性を向上させるため、マスターバッチを行ってもよい。
さらに、トナーに赤外線吸収剤を加えるにあたっては、前記のように赤外線吸収剤をカラートナーの内部に分散させて添加させる以外に、赤外線吸収剤をトナー粒子の表面に付着または固着させてもよい。
−カラートナーの物性−
以上のようにして作製される前記カラートナーは、その体積平均粒径D50vが3μm以上10μm以下の範囲が好ましく、4μm以上8μm以下の範囲内であることがより好ましい。
また、その個数平均粒径D50pに対する体積平均粒径D50vの比(D50v/D50p)が1.0以上1.25以下の範囲であることが好ましい。
一方、前記湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、該トナー粒子の形状係数SF1は110以上135以下の範囲であることが好ましい。
上記トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ (2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
また、上記トナー粒子の体積粒度分布指標GSDvは1.25以下であることが好ましい。
トナー体積平均粒径、および粒径分布指標等は、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定した。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16vおよび個数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v(既述のトナーの体積平均粒径はこれを指す)および個数平均粒子径D50pと定義する。また、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84vおよび数平均粒子径D84p定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして算出される。
−外添剤−
前記カラートナーは、トナー粒子に白色の無機粒子を混合して用いてもよい。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下の範囲であり、好ましくは0.01質量部以上2.0質量部以下の範囲である。この無機粉末としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。また、シリカ、チタン、樹脂粉、アルミナ等の公知の材料が併用し得る。
さらにクリーニング活性剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子粉末を添加してもよい。
上記無機粒子やその他の添加剤は、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合して前記カラートナーが得られる。
(黒色トナー)
次いで、前記第1実施形態に係るトナーセットにおける黒色トナーの好ましい組成成分について説明する。
上記黒色トナーとしては、前述の(カラートナー)において説明したカラートナーにおける着色剤を黒色の着色剤に変更した以外は、前記カラートナーにおける組成をそのまま採用した黒色トナーが用いられる。
但し、赤外領域における光吸収率が充分である場合には、赤外線吸収剤を添加せずともよい。黒色トナーにおいて赤外線吸収剤を添加する場合には、赤外線吸収剤の添加量は、総量でトナー100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下の範囲が望ましい。
黒色トナーに用いる着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などが挙げられる。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合したブラックトナーを用いてもよい。
(キャリア)
第1実施形態に係るトナーセットにおけるカラートナーおよび黒色トナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として用いてもよい。該キャリアとしては、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。上記芯材としては、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉が用いられる。キャリアのコート剤としては、特に制限されないが、シリコーン樹脂系が特に望ましい。
<第2実施形態/画像形成方法、第3実施形態/画像形成装置>
第2実施形態に係る画像形成方法は、像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像を、光定着用の黒色トナーおよび光定着用のカラートナーによって現像し黒色トナー像およびカラートナー像を形成する現像工程と、前記現像工程で形成された前記黒色トナー像および前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写された前記黒色トナー像および前記カラートナー像を、赤外領域の光の露光によって定着させる光定着工程と、を有し、前記黒色トナーが、前記光定着工程における前記赤外領域の光の露光によって溶融する黒色トナーであり、前記カラートナーが、赤外線吸収剤を含有し、前記光定着工程において照射される前記赤外領域の光の波長域で照射強度が一番強い波長(ピーク波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下であり、かつ下記式(1)で示される色差ΔEが20以下であるカラートナーであることを特徴とする。
また、第3実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、該像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、前記静電荷像を、光定着用の黒色トナーおよび光定着用のカラートナーによって現像し黒色トナー像およびカラートナー像を形成する現像装置と、前記現像装置によって形成された前記黒色トナー像および前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写装置と、前記被転写体表面に転写された前記黒色トナー像および前記カラートナー像を、赤外領域の光の露光によって定着させる光定着装置と、を備え、前記黒色トナーが、前記光定着装置による前記赤外領域の光の露光によって溶融する黒色トナーであり、前記カラートナーが、赤外線吸収剤を含有し、前記光定着装置によって照射される前記赤外領域の光のピーク波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下であり、かつ下記式(1)で示される色差ΔEが20以下であるカラートナーであることを特徴とする。
式(1) ΔE={(L−L+(a−a+(b−b1/2
(式(1)中、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表し、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーにおいて赤外線吸収剤を除いたカラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表す。)
−カラートナーと黒色トナーとの光吸収率の比率−
第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置では、黒色トナーとカラートナーとを用いて画像が形成され、該カラートナーは、前記光定着装置によって照射される前記赤外領域の光のピーク波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下(光吸収率比率)である。79%未満であると優れた定着性が得られず、一方98%を超える場合には色味の悪化が生じる。
尚、上記光吸収率比率は、さらに79%以上96%以下であることが好ましく、79%以上89%以下であることが特に好ましい。
ここで、カラートナーの前記光定着装置によって照射される前記赤外領域の光のピーク波長での光吸収率、および黒色トナーの該波長での光吸収率は、反射スペクトルを測定することにより算出される。尚、反射スペクトルは、日立製作所製の分光光度計U−4100により測定され、画像形成方法または画像形成装置の光定着装置に用いられる光源(赤外領域の光を照射する光源)を適用して測定される。
−光吸収率−
また、第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置におけるカラートナーは、前記光定着装置によって照射される前記赤外領域の光のピーク波長での光吸収率が75%以上93%以下であることが好ましい。75%以上であることにより優れた定着性が得られ、一方93%以下であることにより色味の悪化が抑制される。尚、上記光吸収率は、さらに75%以上90%以下であることが好ましく、75%以上85%以下であることが特に好ましい。
また、第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置における黒色トナーは、前記波長(前記光定着装置によって照射される前記赤外領域の光のピーク波長)での光吸収率が79%以上98%以下であることが好ましい。
−色差ΔE−
また、第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置におけるカラートナーは、前記式(1)で示される色差ΔEが20以下である。20を超える場合には色味の悪化が生じる。
尚、上記色差ΔEは、さらに15以下であることが好ましく、10以下であることが特に好ましい。
第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置では、上記の要件を満たす黒色トナーおよびカラートナーとして、前述の第1実施形態に係るトナーセットにおける黒色トナーおよびカラートナーを用いることが、特に好ましい。
−光源−
第2実施形態に係る画像形成方法および第3実施形態に係る画像形成装置の光定着装置において用いられる光源(定着手段)としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等がある。中でも特に、光源の単色性や出力の観点から赤外線レーザが好ましい。赤外線レーザとしては、半導体レーザ、色素レーザ、チタンサファイアレーザ、OPOレーザ等が挙げられる。尚、光源の発光エネルギーは、0.1J/cm以上7.0J/cm以下の範囲であることが好ましく、更には0.5J/cm以上6.0J/cm以下の範囲であることがより好ましい。
以下、上記画像形成装置の一例について図面を参照しつつ説明する。図1は、第2実施形態に係る画像形成方法を適用した、第3実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置10は、ロール状に巻かれた記録媒体(被転写体)Pが紙送りローラ28によって送られる。こうして送られる記録媒体Pの片面側上に、この記録媒体Pの送り方向上流側から下流側に向けて、並列して4つの画像形成ユニット12(ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C))が設けられる。さらに、当該画像形成ユニット12の下流側に光定着方式の定着器(光定着装置)26が設けられている。
ブラック用画像形成ユニット12Kは、公知の電子写真方式の画像形成ユニットである。具体的には、感光体(像保持体)14Kの周辺に、帯電器16K、露光手段(静電潜像形成装置)18K、現像器(現像装置)20K、クリーナ22Kが設けられ、記録媒体Pを介して転写器(転写装置)24Kが設けられている。他のイエロー用、マゼンタ用、シアン用画像形成ユニット12Y,M,Cについても上記の通りである。
ここで、感光体14(K,Y,M,C)としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機系の光導電材料を使用した無機感光体、フタロシアニンなどの有機系の光導電材料を使用した有機感光体が用いられる。
図1に示す画像形成装置10では、ロール状態から引き出された記録媒体P上に、各画像形成ユニット12K,Y,M,Cにより公知の電子写真方式でトナー画像が順次転写され、そして、当該トナー画像に定着器26により光定着が施されて、画像が形成される。
なお、図1に示す現像装置12Y,12M,12C,12Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しない現像剤供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
−赤外線吸収剤Aの製造−
以下の方法により、下記に示す赤外線吸収剤A(スクアリリウム色素)を製造した。
1,8−ジアミノナフタレン4.843g(純度:98%、30mmol)、3,5−ジメチルシクロヘキサノン3.863g(純度:98%、30mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物10mg(0.05mmol)、およびトルエン45mlの混合液を窒素ガスの雰囲気中で攪拌しながら加熱し、110℃で10時間還流させた。反応中に生じた水を共沸蒸留により除去した。反応終了後、トルエンを留去して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製し、乾燥することで、中間体4.955g(収率62%)を得た。
上記の中間体4.955gに、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン913mg(8.0mmol)、n−ブタノール40ml、およびトルエン60mlの混合液を加え、窒素ガスの雰囲気中で攪拌しながら加熱し、105℃で3時間還流反応させた。反応中に生じた水を共沸蒸留により除去した。反応終了後、大部分の溶媒を窒素ガスの雰囲気中で留去し、得られた反応混合物を攪拌しながら、120mlのヘキサンを加えた。生成した黒茶色沈殿物を吸引濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥後黒青色固体を得た。この固体を順次にエタノール、アセトン、60質量%エタノール水溶液、エタノールおよびアセトンで洗浄し、下記式(I)で表される目的の赤外線吸収剤A(ペリミジン系スクアリリウム化合物(I))4.30g(収率88%)を得た。

−カラートナー(カラー現像剤)の作製−
上記赤外線吸収剤Aを0.5質量部、ポリエステル樹脂:ビスフェノール−プロピレンオキサイド付加物・フマール酸縮合物(花王社製)を95質量部、顔料:PigmentBlue15:3(大日精化製)を5質量部、帯電制御剤(CCA100、中央合成化学製)を1質量部、ワックス:NP105(三井化学)を0.5質量部、それぞれトナー成分として用意した。トナー成分の全量をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより溶融混練した。次いで、得られた混合物を冷却固化した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が8.5μmの青色着色粒子(トナー粒子)を得た。引き続いて、得られたトナー粒子に、疎水性シリカ粒子(商品名:H3004、クラリアントジャパン社製)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーで外添処理を行った。
さらにシリコーン樹脂コートキャリア(粒径50μm)と混合し、カラー現像剤を作製した。
−黒色トナー(黒色現像剤)の作製−
ポリエステル樹脂(前記カラートナーにおいて用いたもの)を95質量部、顔料:Nipex35を5質量部、帯電制御剤(CCA100、中央合成化学製)を1質量部、ワックス:NP105(三井化学)を0.5質量部、それぞれトナー成分として用意した。トナー成分の全量をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより溶融混練した。次いで、得られた混合物を冷却固化した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が8.5μmの黒色着色粒子(トナー粒子)を得た。引き続いて、得られたトナー粒子に、疎水性シリカ粒子(商品名:H3004、クラリアントジャパン社製)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーで外添処理を行った。
さらにシリコーン樹脂コートキャリア(粒径50μm)と混合し、黒色現像剤を作製した。
〔評価〕
(1)反射スペクトル測定
上記より得られたカラートナーについて、反射スペクトルを、日立製作所製の分光光度計U−4100により測定した。
まず、画像形成装置(富士ゼロックス社製、商品名:Docu Center Color 2220)を用い、光定着装置における光源としてCOHERENT社製、商品名:HightLight ISL−2000L(露光波長:808nm)を装着して、前記カラー現像剤を用いて用紙上に定着画像を得た。次いで、上記分光光度計により反射スペクトルを測定した。
また、前記黒色現像剤についても反射スペクトル測定を行った。結果を図2に示す。
(2)定着性評価(クリース評価)
また、トナーの定着性を下記に示すクリース評価によって行った。尚、クリース評価とは定着画像の折り曲げ性、画像の定着性評価指標の一つである。
まず、画像形成装置(富士ゼロックス社製、商品名:Docu Center Color 2220)を用い、光定着装置における光源としてCOHERENT社製、商品名:HightLight ISL−2000L(露光波長:808nm)を装着して、前記カラー現像剤を用いて用紙上に定着画像を得た。次いで、定着画像を形成した用紙を一度折り曲げ、開いて折れた画像部を綿で拭き、画像のはがれ具合を官能的に数値で表した。具体的には、カラートナーが一層となった20mm径の画像を一度折り、開いて折れた画像部を綿で軽く拭き、白く抜けた画像幅をμmの単位で表したものを指標とし、40μm以下を許容範囲とした。
尚、数値が低いほど定着性が良好である。また、前記黒色現像剤についてもクリース評価を行った。結果を図3に示す。
また、クリース評価の数値より、以下の判定基準に従って定着性を判定した。結果を表1に示す。
○:クリース値40以下
×:クリース値40を越える
(3)色差ΔE
まず、上記(2)に記載の方法において、照射エネルギーを1.0J/cmに設定し、用紙上にカラー現像剤による定着画像を形成した。
次いで、前記カラートナーから前記赤外線吸収剤を除いて得たトナーを用いて現像剤を作製し、上記(2)に記載の方法において、光定着装置で定着する代わりに、トナーが転写された紙をテフロン(登録商標)シートで挟み、パウチラミネータ(日本ジービーシー社製、GLM2500、速度設定1、温度設定120℃)を通し、定着画像を得た。
反射分光濃度計(エックスライト株式会社製、x−rite939)を用いて、赤外線吸収剤を含有するカラートナーの定着画像および赤外線吸収剤を含有しないカラートナーの定着画像の色評価を行い、前述の式(1)におけるL、a、b、L、aおよびbを測定し、色差ΔEを算出した。結果を表1に示す。
ここでΔEとは、CIE1976L*a*b*表色系において色差と呼ばれるものであり、ΔEが大きいほど、比較する2色の見た目の色が異なることを表す。
[比較例1]
実施例1のカラートナーの作製において、赤外線吸収剤Aの含有量を2.0質量%となるよう変更した以外は実施例1に記載の方法によりカラートナー、カラー現像剤を作製し、評価を行った。
[比較例2]
実施例1のカラートナーの作製において、赤外線吸収剤Aの含有量を0.1質量%となるよう変更した以外は実施例1に記載の方法によりカラートナー、カラー現像剤を作製し、評価を行った。
[比較例3]
実施例1のカラートナーの作製において、赤外線吸収剤Aの含有量を、0.2質量%、となるよう変更した以外は実施例1に記載の方法によりカラートナー、カラー現像剤を作製し、評価を行った。
[実施例2]
実施例1のカラートナーの作製において、赤外線吸収剤Aの含有量を、0.3質量%、となるよう変更した以外は実施例1に記載の方法によりカラートナー、カラー現像剤を作製し、評価を行った。
[比較例4]
実施例1のカラートナーの作製において、赤外線吸収剤Aをジイモニウム(ナガセケムテック社製、商品名:IM1)に変更し、且つその含有量を0.45質量%となるよう変更した以外は実施例1に記載の方法によりカラートナー、カラー現像剤を作製し、評価を行った。
図2および図3に示す通り、レーザ光波長(808nm)の吸収率が黒色トナー(吸収率:95%)並みである比較例1(赤外線吸収剤A2.0質量%添加トナー/吸収率:93%)は、黒色トナー並みの優れた定着性(クリース評価)が得られた。しかし、ΔEは非常に大きく良好な色味は得られていない。
また黒色トナーの吸収率よりも吸収率が小さい実施例1(赤外線吸収剤A0.49質量%添加トナー/吸収率:84%)、実施例2(赤外吸収剤A0.3質量%添加トナー/吸収率:77%)は、黒色トナー並みの優れた定着性(クリース評価)が得られた。また、表1に示す通りΔEも小さく、良好な色味が得られた。
一方、比較例2(赤外吸収剤A0.1質量%添加トナー/吸収率:59%)、比較例3(赤外吸収剤A0.2質量%添加トナー/吸収率:72%)では、ΔEは非常に小さく、良好な色味のトナーであることが分かるが、定着性は非常に悪かった。更に、比較例4(ジイモニウム0.45質量%添加トナー/吸収率:39%)では、黒色トナーにくらべ定着性は非常に悪かった。
また、実施例1,実施例2,比較例1および比較例3のカラートナーにおいて、クリース評価の数値を40とするために必要な照射エネルギーを測定し、且つその照射エネルギーを付与した際のΔEを測定した。「光吸収率」と「クリース評価の数値を40とするために必要な照射エネルギー」との関係、並びに「光吸収率」と「上記照射エネルギーを付与した際のΔE」との関係を図4に示す。
10 画像形成装置
12K,12Y,12M,12C 画像形成ユニット
14K,14Y,14M,14C 感光体
16K,16Y,16M,16C 帯電器
18K,18Y,18M,18C 露光手段
20K,20Y,20M,20C 現像器
22K,22Y,22M,22C クリーナ
24K,24Y,24M,24C 転写器
26 定着器
28 紙送りローラ
P 記録媒体

Claims (1)

  1. 赤外領域の光を吸収する光定着用の黒色トナーと、
    赤外線吸収剤を含有し、赤外領域において最も強い光吸収ピークを示す波長での光吸収率が前記黒色トナーの該波長での光吸収率に対し79%以上98%以下であり、下記式(1)で示される色差ΔEが20以下であり、赤外領域の光を吸収する光定着用のカラートナーと、
    を含有する光定着用トナーセット。
    式(1) ΔE={(L−L+(a−a+(b−b1/2
    (式(1)中、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表し、L、aおよびbは、前記光定着用カラートナーにおいて赤外線吸収剤を除いたカラートナーの定着画像におけるL値、a値およびb値を表す。)
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