JP2015121607A - トナー及び二成分系現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂とワックスを含むトナーであって、該結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を含み、該結着樹脂中における該非晶性ポリエステル樹脂の含有量が50質量%以上であり、該トナーが下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするトナー。TgAは、該トナーのTg(℃)を表す。TgBは、該トナーを150℃に加熱し、加熱終了後5秒以内に液体窒素で冷却し、液体窒素から取り出した後、1分以内に示差走査熱量測定を行うことにより得られるTg(℃)を表す。TgCは、該トナーを150℃に加熱し、加熱終了後5秒以内に液体窒素で冷却し、その後50℃で20分間保持した後に、示差走査熱量測定を行うことによって得られるTg(℃)を表す。
(1)TgA-TgB≧10.0(℃)、(2)TgC-TgB≧5.0(℃)、(3)TgA≧45.0(℃)、(4)TgC≧40.0(℃)。
【選択図】なし
Description
TgC−TgB≧ 5.0 (℃) ・・・(2)
TgA ≧ 45.0 (℃) ・・・(3)
TgC ≧ 40.0 (℃) ・・・(4)。
TgC−TgB≧5.0 (℃) ・・・(2)
TgA≧45.0 (℃) ・・・(3)
TgC≧40.0 (℃) ・・・(4)。
数式(1)は、定着前と定着時のトナーのガラス転移点の差を示している。
数式(2)は、定着時と定着後(排紙後)のトナーのガラス転移点の差を示している。本発明者等は、鋭意検討の結果、排紙接着が、主に排紙後の数分〜数十分の時間で発生していることから、トナーの定着後に結晶性ポリエステル樹脂を素早く結晶化させて、定着画像上のトナーのTgを十分に上げれば、排紙時に画像同士がくっつく現象は発生しないことを見出した。すなわち、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の結晶化速度が大きいことが必要であり、その結果、定着画像上のトナー結晶化が素早く進み、その結果、画像上のトナーのTgが高くなり画像同士がくっつくことがないことが分かった。具体的には、「TgC−TgB」の値は5.0℃以上であることが必要であり、好ましくは7.0℃以上、より好ましくは10.0℃以上である。
Tw−Tc<10.0 (℃) ・・・(8)。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を高める観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジオールが好ましい。これらの中でも、トナーの定着性及び耐熱保存性の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。上記脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80.0〜100.0モル%含有されることが好ましい。
さらに、結晶性ポリエステル樹脂が結晶核剤部位を有することが、結晶性ポリエステル樹脂の相溶化速度と結晶化速度の両方を向上できるため、より好ましい。結晶核剤部位を形成する原料としては、結晶核剤部位が導入される前の結晶性ポリエステル樹脂(以下「樹脂P」という。)よりも結晶化速度が大きい化合物であれば特に制限されない。しかし、結晶核剤部位を形成する原料は、結晶化速度が大きいという観点から、主鎖が直鎖の炭化水素系部位を含み、前記「樹脂P」の分子鎖末端と反応しうる1価以上の官能基を有する化合物であることが好ましい。
本発明に用いることができる非晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂とのSP値が前記数式(5)を満たすことが好ましい。
本発明のトナーは、結晶性ポリエステルの結晶化速度とトナーの離型性を高めるために、ワックスを用いることが必要である。トナーの結晶化速度を速めるために、ワックス種類としては、炭化水素ワックスが好ましく、ワックスの融点Twとしては100.0℃未満が好ましい。ワックスの融点は、トナーの耐熱保存性の観点から、60℃以上であることが好ましい。さらに、ワックスの融点が、結晶性ポリエステル樹脂の融点より高く、かつ、その差が、20℃以下であれば、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化をより促進することができる。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、公知の着色剤を使用することができる。具体的には以下のものが挙げられる。なお、着色剤は、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
本発明のトナーには、無機微粉体等の流動性向上剤を使用することができる。流動性向上剤としては、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカである。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。磁性キャリアとしては、フェライトキャリアや、結着樹脂中に磁性体を分散させた磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、公知のものを使用できる。トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、現像剤中のトナー濃度が2質量%以上、15質量%以下であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、より低温定着性に優れたトナーとなる点から、粉砕法が好ましい。粉砕法では、溶融混練工程において、せん断を加えて材料を混合することで、結晶性ポリエステル樹脂の分子鎖が非晶性ポリエステル樹脂の相中へ入り込み易くなり好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂及びトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例等においてもこれらの方法に基づいて物性値を測定している。
樹脂サンプルを2mg精秤し、クロロホルム2mlを加えて溶解させてサンプル溶液を作製する。樹脂サンプルとしては結晶性ポリエステル樹脂を用いるが、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーをサンプルとして代用することも可能である。次に、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mgを精秤し、クロロホルム1mlを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製する。また、トリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1ml添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製する。
トナーのガラス転移温度TgA,TgB,TgCは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。これらのガラス転移温度は、具体的には、以下のようにして測定される。
トナー2.0±0.1mgを精秤し、これをDSC用のアルミニウム製のパンの中に入れる。次いで、上記方法にてTgを測定する。得られたTgを、TgAとする。
トナー2.0±0.1mgを精秤し、これをDSC用のアルミニウム製のパンの中に入れる。このトナーを150℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱する。その後、5秒以内にポリカップ等の容器に入れた100ml以上の量の液体窒素液中につけ、1分間以上冷却した後、液体窒素から取り出し、1分以内に上記方法にてTgを測定する。得られたTgを、TgBとする。
トナー2.0±0.1mgを精秤し、これをDSC用のアルミニウム製のパンの中に入れる。このトナーを150℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱する。その後、5秒以内にポリカップ等の容器に入れた100ml以上の量の液体窒素液中につけ、1分間以上冷却した後、液体窒素から取り出し、1分以内にDSCの装置にセットし、50℃で20分間、加熱する。次いで、上記方法にてTgを測定する。得られたTgを、TgCとする。
結晶性ポリエステル樹脂及びワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
非晶性ポリエステル樹脂のTgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正、試料の使用量、及び、昇温条件は前記の「融点及び融解熱量の測定」の場合と同じである。2度目の昇温過程での温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgとする。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流量で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せ。
非晶性ポリエステル樹脂及びトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ内に充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法。
昇温速度:4℃/min。
開始温度:50℃。
到達温度:200℃。
ピストン断面積:1.000cm2。
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)。
予熱時間:300秒。
ダイの穴の直径:1.0mm。
ダイの長さ:1.0mm。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mlの丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mlの平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調製する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<製造例1>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽内に、アルコールモノマーとして1,10−デカンジオール、及びカルボン酸モノマーとして1,10デカン二酸を表1に示す量(モル%)で投入した。そして、モノマー総量100質量部に対して、触媒としてジオクチル酸錫を1質量部添加し、反応槽内を窒素雰囲気下で140℃に加熱して、常圧下で反応槽内から水を留去しながら6時間反応させた。次いで、反応槽内の温度を200℃まで10℃/時間の昇温速度で昇温しつつ、モノマーを反応させ、反応槽内の温度が200℃に到達してから、更に2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して200℃で3時間反応させた。
モノマー、結晶核剤及び使用量を表1に記載の様に変更し、それ以外は、製造例1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂No.2乃至No.8を得た。これらの各樹脂について、製造例1と同様にしてMALDI−TOFMSのマススペクトルを得たところ、各樹脂の分子末端に結晶核剤が結合した構造のピークが確認され、各樹脂の分子末端と結晶核剤とが結合していることが確認された。また、製造例1と同様にして各樹脂の諸物性を測定した。評価結果を表2に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す使用量のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステル樹脂No.11を得た。その際、得られるポリエステル樹脂11の軟化点が表4の値となるように重合時間を調整した。該樹脂の物性を表4に示す。
モノマー及び使用量を表3に記載の様に変更し、それ以外は、製造例11と同様にして非晶性ポリエステル樹脂No.12乃至No.18を得た。これらの樹脂の物性を表4に示す。
下記表5に示す材料をヘンシェルミキサー(「FM−75型」、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度140℃に設定した二軸混練機(「PCM−30型」、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
(1)高速現像における低温定着性
評価機として市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用いた。上記評価機から定着器を取り外し、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした外部定着器を取り付けた。記録媒体としては、カラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を使用した。そして、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1を150g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションには、それぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックのカートリッジを挿入した。
A(非常に良い):定着可能な最高プロセススピードが500mm/sec以上である。
B(良い):定着可能な最高プロセススピードが400mm/sec以上、500mm/sec未満である。
C(普通):定着可能な最高プロセススピードが300mm/sec以上、400mm/sec未満である。
D(悪い):定着可能な最高プロセススピードが300mm/sec未満である。
トナーの長期保存安定性の評価方法としては、評価用のトナー10gの入った袋(サンジップD−4袋 シーアイ化成社製)の上に、1kgの荷重を掛け、温度45℃、相対湿度5%の環境下で1カ月放置した。1カ月経過後、評価用のトナーを温度23℃、相対湿度60%の環境下に移し1晩放置した。測定法としては、セットした200メッシュふるい上に評価用のトナーをのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の量から長期保存安定性を評価した。評価結果を表8に示す。評価結果は以下の基準でA〜Dにランク付けしたが、本発明ではランクCまでが許容できるレベルである。
A(非常に良い):メッシュ上のトナー残量が0.2g以下である。
B(良い):メッシュ上のトナー残量が0.2gを超え、0.5g以下である。
C(普通):メッシュ上のトナー残量が0.5gを超え、1.0g以下である。
D(悪い):メッシュ上のトナー残量が1.0gを超えている。
評価機として市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用意した。この評価機の定着プロセススピード、現像プロセススピード、通紙間隔を変更し、60枚/分の速度で印刷できるように改造した。記録媒体としては、高白色用紙GF−C081(キヤノンマーケティングジャパン製、81.4g/m2)を使用した。市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1を150g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションには、それぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックのカートリッジを挿入した。
A:接着した画像がなく、良好な画質を維持している。
B:接着した画像はあるが、容易に分離し、良好な画質を維持している。
C:接着した画像があり、分離後に画像欠陥がある画像は3枚以下である。
D:接着した画像があり、分離後に画像欠陥がある画像は4枚以上である。
材料の処方を表6に記載の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー2乃至20を得た。ただし、トナー18は、粗砕物を得た後に、得られ粗砕物をバケットに入れ開口した状態のまま、恒温高湿槽を用いて、50℃で1日放置し、アニーリング処理を行った。トナー1乃至20の物性を表7に示す。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表7に示す。
Claims (4)
- 結着樹脂とワックスを含むトナーであって、
該結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を含み、
該結着樹脂中における該非晶性ポリエステル樹脂の含有量が50質量%以上であり、
該トナーが下記数式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするトナー:
TgA−TgB≧10.0 (℃) ・・・(1)
TgC−TgB≧5.0 (℃) ・・・(2)
TgA≧45.0 (℃) ・・・(3)
TgC≧40.0 (℃) ・・・(4)
[上記数式(1)〜(4)において、
TgAは、該トナーのガラス転移温度(℃)を表す。
TgBは、該トナーを150℃に加熱し、加熱終了後5秒以内に液体窒素で冷却し、液体窒素から取り出した後、1分以内に示差走査熱量測定を行うことにより得られるガラス転移温度(℃)を表す。
TgCは、該トナーを150℃に加熱し、加熱終了後5秒以内に液体窒素で冷却し、その後50℃で20分間保持した後に、示差走査熱量測定を行うことによって得られるガラス転移温度(℃)を表す。]。 - 前記ワックスが炭化水素ワックスであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ワックスの融点Twと前記結晶性ポリエステル樹脂の融点Tcが、下記数式(5)及び(6)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
Tc<Tw<100.0 (℃) ・・・(5)
Tw−Tc<20.0 (℃) ・・・(6)。 - 請求項1乃至3のいずれかの一項に記載のトナー及び磁性キャリアを含む二成分系現像剤。
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