JP2014026257A - トナー、該トナーの製造方法及び現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナー、並びに該トナーを含む現像剤を提供すること。
【解決手段】結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤と、が含まれてなるトナーであって、
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有するものであり、
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たすことを特徴とするトナー。
【選択図】なし
【解決手段】結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤と、が含まれてなるトナーであって、
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有するものであり、
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たすことを特徴とするトナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナーに関する。
近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化、及び、耐高温オフセット性、省エネルギー化のための低温定着性、並びに製造後の保管時や運搬時における高温高湿に耐えうる耐熱保存性が要求されている。
特に、定着時における消費電力は画像形成工程における消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要である。
また、環境負荷低減の観点からも省資源、省エネルギーなトナーの製造方法も要求される。
特に、定着時における消費電力は画像形成工程における消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要である。
また、環境負荷低減の観点からも省資源、省エネルギーなトナーの製造方法も要求される。
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の結着樹脂を着色剤などと共に溶融混練し微粉砕した、所謂混練粉砕型トナーが広く使用されてきた。
混練粉砕法では、トナーの小粒径化が困難であり、特に、6μm以下の小粒径トナーでは、粉砕効率が低下し、さらに分級によるロスが大きくなって、生産性が低くコストアップとなってしまう。加えて、作製されたトナー粒子の形状が不定形かつ粒径分布がブロードであることから出力画像の品質が十分ではないこと、定着エネルギーが高いことなどの問題点がある。
また、定着性向上のためにワックス(離型剤)を添加している場合、混練粉砕法で作製されたトナーは、粉砕の際に結着樹脂とワックスとの界面で割れるために、ワックスがトナー粒子表面に多く存在してしまう。そのため、離型効果がでる一方で、キャリア、感光体及びブレードへのトナーの付着(フィルミング)が起こりやすくなり、全体的な性能としては、満足のいくものではないという問題点があった。
そこで、混練粉砕法による上述の問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。重合法でのトナー製造は、小粒径化が容易であり、製造されたトナーの粒度分布も粉砕法で製造されたトナーの粒度分布に比べてシャープであり、さらに、離型剤の内包化も可能である。
重合法によるトナーの製造方法としては、低温定着性の改良及び耐高温オフセット性の改良を目的として、トナーバインダーとしてのウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物からトナーを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1の特開平11−133665号公報)。
また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性及び転写性に優れると共に、耐熱保存性、低温定着性及び耐高温オフセット性のいずれにも優れたトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献2の特開2002−287400号公報、特許文献3の特開2002−351143号公報)。
また、安定した分子量分布のトナーバインダーを製造し、低温定着性及び耐高温オフセット性を両立させるための、熟成工程を有するトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献4の特許第2579150号公報、特許文献5の特開2001−158819号公報)。
また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性及び転写性に優れると共に、耐熱保存性、低温定着性及び耐高温オフセット性のいずれにも優れたトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献2の特開2002−287400号公報、特許文献3の特開2002−351143号公報)。
また、安定した分子量分布のトナーバインダーを製造し、低温定着性及び耐高温オフセット性を両立させるための、熟成工程を有するトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献4の特許第2579150号公報、特許文献5の特開2001−158819号公報)。
また、省エネルギー化のため、低温で溶融するトナーを使用して、定着工程で発生するエネルギーを低減している。そのため、結着樹脂として非晶性樹脂のみならず、低温で溶融できる結晶性樹脂をトナーに用いることが提案されている(特許文献6〜10参照)。
しかし、これら提案の技術は、近年要求される高いレベルの低温定着性を満足するものではない。
しかし、これら提案の技術は、近年要求される高いレベルの低温定着性を満足するものではない。
そこで、高いレベルの低温定着性を得る目的で、特許文献11の特開2004−46095号公報には、結晶性ポリエステル樹脂を含む樹脂、及び離型剤を含有し、樹脂とワックスが互いに非相溶で海島状の相分離構造を有するトナーが提案されている。
また、特許文献12の特開2007−271789号公報には、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている。
また、特許文献13の特開2009−104193号公報には、トナー作製時に所定の速度で冷却することで、DSC曲線の第2の昇温過程に結着樹脂のガラス転移温度付近にかつ熱ピークを有する結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤を含むトナーが提案されている。 しかし、これらの結晶性ポリエステルを添加したトナーは、低温定着性には優れるものの、定着後のトナー画像のブロッキング性に劣り、トナー画像が印刷されてなる印刷物を高温下で保管した際に、画像の融着、剥離が生じやすいという問題点がある。
また、特許文献12の特開2007−271789号公報には、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている。
また、特許文献13の特開2009−104193号公報には、トナー作製時に所定の速度で冷却することで、DSC曲線の第2の昇温過程に結着樹脂のガラス転移温度付近にかつ熱ピークを有する結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤を含むトナーが提案されている。 しかし、これらの結晶性ポリエステルを添加したトナーは、低温定着性には優れるものの、定着後のトナー画像のブロッキング性に劣り、トナー画像が印刷されてなる印刷物を高温下で保管した際に、画像の融着、剥離が生じやすいという問題点がある。
また、特許文献14の特開2007−33773号公報には、結晶性ポリエステルの再結晶化を促進する無機微粒子を含有させることで、排紙直後の定着画像の融着を防止することが開示されている。しかし、このトナーは、結晶性ポリエステルの再結晶化を促進する無機微粒子が感光体や定着部材の表面に傷をつけることがある。
特許文献15の特許第4500239号公報には、再結晶化を促進する無機微粒子に代えて有機系結晶核剤を用いることが開示されているが、前記有機系結晶核剤のトナー粒子中での均一分散性が低く、十分再結晶化されず耐ブロッキング性が未だ充分ではない。
したがって、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナー、並びに該トナーを含む現像剤が求められる。
即ち、本発明は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナー、並びに該トナーを含む現像剤を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有する結着樹脂成分に、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有させることで、結晶性ポリエステル樹脂中に芳香族リン酸エステル金属塩を均一に分散でき、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化が促進されることで結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂との相溶が防止され、さらに結晶性ポリエステル樹脂部の結晶化温度が上昇し、かつ結晶化速度が速くなることを見出した。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記(1)によって解決される。
(1)「結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤と、が含まれてなるトナーであって、
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有するものであり、
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たすことを特徴とするトナー;
(1)「結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤と、が含まれてなるトナーであって、
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有するものであり、
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たすことを特徴とするトナー;
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナー、並びに該トナーを含む現像剤が提供される。
本発明のトナーについて詳細に説明する。以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから種々の技術的に好ましい限定が記載されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明のトナーは、結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤とを含み、前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有するものであり、
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たす。
150℃から0度に降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における、前記結晶性ポリエステルの最も低い発熱ピーク温度をTp〔℃〕、前記結晶性ポリエステルと前記芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の最も低い発熱ピーク温度をTm〔℃〕とするとき、TpとTmとの関係が、下記式(I)を満たす。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤とを含み、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明のトナーは、結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤とを含み、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<結着樹脂成分>
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有する。
前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有する。
<芳香族リン酸エステル金属塩>
トナー画像定着時には、結晶性ポリエステルがシャープメルト性を示し、非晶質ポリエステルを溶解する溶媒となって、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとが相溶するため低温定着性が向上する。しかし、定着後の画像は結晶性ポリエステルにより非晶質ポリエステルが可塑化され、トナーの定着後のトナー画像(印刷物)の耐ブロッキング性は悪化する。
トナー画像定着時には、結晶性ポリエステルがシャープメルト性を示し、非晶質ポリエステルを溶解する溶媒となって、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとが相溶するため低温定着性が向上する。しかし、定着後の画像は結晶性ポリエステルにより非晶質ポリエステルが可塑化され、トナーの定着後のトナー画像(印刷物)の耐ブロッキング性は悪化する。
本発明の芳香族リン酸エステル金属塩は、結晶性ポリエステルの結晶核となり、結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度を上昇させ、かつ結晶化速度を速める効果をもつものである。
芳香族リン酸エステル金属塩を用いることで、トナーの製造工程中で、非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶が防止され、トナーの耐熱保存性を向上させることが可能となる。さらに、定着時には、結晶性ポリエステルの再結晶化が促進され、トナー粒子中の結晶性ポリエステル部の結晶化温度が上昇し耐ブロッキング性が向上し、優れた低温定着性と定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を両立することができる。
なお、前記「発熱ピーク温度」とは、降温速度10℃/分で降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における発熱ピーク温度を意味し、以下においても特に断りがない限り同様とする。
なお、前記「発熱ピーク温度」とは、降温速度10℃/分で降温するときの示差走査熱量測定(DSC)における発熱ピーク温度を意味し、以下においても特に断りがない限り同様とする。
前記芳香族リン酸エステル金属塩は、結晶性ポリエステル中での均一分散性に優れ、結晶性ポリエステルより高い発熱ピーク温度を持ち、かつ、少なくとも非晶質ポリエステル樹脂及び芳香族リン酸エステル金属塩の融点未満の温度域で、非晶質ポリエステル樹脂と非相溶なものであることが好ましい。
前記芳香族リン酸エステル金属塩は、トナー粒子中において結晶性ポリエステルより高い温度で結晶化し、結晶性ポリエステルの結晶核となり、結晶性ポリエステルの再結晶化を促進させる。そのため、トナー製造時及び作像プロセスでの加熱により、融解した結晶性ポリエステルが再結晶化されやすく、微細な結晶が均一かつ急速に生成するため、トナーの耐熱保存性、定着後のトナー画像の耐ブロッキング性が向上し、トナー画像の着色性に悪影響を及ぼすことがない。
前記芳香族リン酸エステル金属塩は、トナー粒子中において結晶性ポリエステルより高い温度で結晶化し、結晶性ポリエステルの結晶核となり、結晶性ポリエステルの再結晶化を促進させる。そのため、トナー製造時及び作像プロセスでの加熱により、融解した結晶性ポリエステルが再結晶化されやすく、微細な結晶が均一かつ急速に生成するため、トナーの耐熱保存性、定着後のトナー画像の耐ブロッキング性が向上し、トナー画像の着色性に悪影響を及ぼすことがない。
前記芳香族リン酸エステルの金属塩は、融点が150℃以上であることが好ましい。芳香族リン酸エステルの金属塩の酸成分としては、芳香族リン酸モノ/ジエステル、が挙げられ、金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛などが挙げられる。
具体的にはリン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、ビス〔メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステル〕ヒドロキシアルミニウムなどが挙げられ、これらは一種または二種以上を混合して用いてもよい。
具体的にはリン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、ビス〔メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステル〕ヒドロキシアルミニウムなどが挙げられ、これらは一種または二種以上を混合して用いてもよい。
前記芳香族リン酸エステルの金属塩は、他の結晶核剤と併用してもよく、他の結晶核剤としては、脂肪酸アミド系化合物、脂肪族エステル化合物が挙げられる。
−脂肪酸アミド系化合物−
脂肪酸アミド系化合物は、融点が60℃以上150℃未満であることが好ましい。かかる脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、モノアミド化合物、モノアルコール付加アミド化合物、ビスアルコール付加アミド化合物などが挙げられる。
具体的には、例えば、パルミチン酸アミド、パルミトレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、アラキジン酸アミド、エイコセン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、リグノセリン酸アミド等の炭素数10〜30を有する飽和又は1価の不飽和の脂肪族をアミド化したモノアミド化合物、または、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ベヘニン酸モノエタノールアミド、リグノセリン酸モノエタノールアミド、エルカ酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノロパノールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、ベヘニン酸モノプロパノールアミド、リグノセリン酸モノプロパノールアミド、エルカ酸モノプロパノールアミド、パルミチン酸ビスエタノールアミド、ステアリン酸ビスエタノールアミド、ベヘニン酸ビスエタノールアミド、リグノセリン酸ビスエタノールアミド、エルカ酸ビスエタノールアミド、パルミチン酸ビスプロパノールアミド、ステアリン酸ビスプロパノールアミド、ベヘニン酸ビスプロパノールアミド、リグノセリン酸ビスプロパノールアミド、エルカ酸ビスプロパノールアミド、エタノールアミンジステアレート、エタノールアミンジベヘネート、エタノールアミンジリグノセレート、エタノールアミンジエルケート、プロパノールアミンジステアレート、プロパノールアミンジベヘネート、プロパノールアミンジリグノセレート、プロパノールアミンジエルケートといった脂肪酸アミドアルコール付加物が挙げられる。
脂肪酸アミド系化合物は、融点が60℃以上150℃未満であることが好ましい。かかる脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、モノアミド化合物、モノアルコール付加アミド化合物、ビスアルコール付加アミド化合物などが挙げられる。
具体的には、例えば、パルミチン酸アミド、パルミトレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、アラキジン酸アミド、エイコセン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、リグノセリン酸アミド等の炭素数10〜30を有する飽和又は1価の不飽和の脂肪族をアミド化したモノアミド化合物、または、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ベヘニン酸モノエタノールアミド、リグノセリン酸モノエタノールアミド、エルカ酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノロパノールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、ベヘニン酸モノプロパノールアミド、リグノセリン酸モノプロパノールアミド、エルカ酸モノプロパノールアミド、パルミチン酸ビスエタノールアミド、ステアリン酸ビスエタノールアミド、ベヘニン酸ビスエタノールアミド、リグノセリン酸ビスエタノールアミド、エルカ酸ビスエタノールアミド、パルミチン酸ビスプロパノールアミド、ステアリン酸ビスプロパノールアミド、ベヘニン酸ビスプロパノールアミド、リグノセリン酸ビスプロパノールアミド、エルカ酸ビスプロパノールアミド、エタノールアミンジステアレート、エタノールアミンジベヘネート、エタノールアミンジリグノセレート、エタノールアミンジエルケート、プロパノールアミンジステアレート、プロパノールアミンジベヘネート、プロパノールアミンジリグノセレート、プロパノールアミンジエルケートといった脂肪酸アミドアルコール付加物が挙げられる。
−脂肪族エステル化合物−
前記脂肪族エステル化合物としては、脂肪酸と脂肪族アルコールとをエステル化して得られる脂肪族エステル化合物が用いられ、該脂肪族エステル化合物の融点は、好ましくは60℃以上150℃未満であり、70℃以上120℃未満がより好ましい。
前記脂肪族エステル化合物としては、脂肪酸と脂肪族アルコールとをエステル化して得られる脂肪族エステル化合物が用いられ、該脂肪族エステル化合物の融点は、好ましくは60℃以上150℃未満であり、70℃以上120℃未満がより好ましい。
前記脂肪族アルコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜30が好ましい。
例えばラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の一価の脂肪族アルコール、又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等の二価の脂肪族アルコールを用いることができる。
例えばラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の一価の脂肪族アルコール、又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等の二価の脂肪族アルコールを用いることができる。
また、前記脂肪酸の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜30が好ましい。
例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、エイコサン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の一価のカルボン酸、又はフマル酸、アジピン酸、オクタンニ酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等の二価の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、エイコサン酸、リグノセリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の一価のカルボン酸、又はフマル酸、アジピン酸、オクタンニ酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等の二価の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
他の結晶核剤の含有量は、芳香族リン酸エステル金属塩対し50重量%未満である。
前記芳香族リン酸エステル金属塩は、結晶性ポリエステル100質量部に対して0.5質量部以上2.0質量部以下含有することが好ましい。0.5質量部未満では、結晶性ポリエステルの再結晶化促進が充分でない場合があり、2.0質量部を超えると定着下限温度が上昇することがあり、またトナーの着色性に悪影響を及ぼすことがある。
<結晶性ポリエステル樹脂>
前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激に粘度低下する熱溶融特性を示す。このような熱溶融特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂をトナーに用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激に粘度低下する熱溶融特性を示す。このような熱溶融特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂をトナーに用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。
−多価アルコール成分−
前記多価アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオールや3価以上のポリオールを使用できるが、得られる結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、直鎖型飽和脂肪族ジオールであることが好ましい。
前記多価アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオールや3価以上のポリオールを使用できるが、得られる結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、直鎖型飽和脂肪族ジオールであることが好ましい。
前記直鎖型飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、シャープメルト性が低下してしまうことがある。また、直鎖型飽和脂肪族ジオールの炭素数が4未満であると、ジカルボン酸と縮重合させた場合に、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、炭素数が30を超えると、得られる結晶性ポリエステル樹脂が軟らかくなりすぎることがあり、直鎖型飽和脂肪族ジオールは炭素数が4〜12であることが好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールと併用できる前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−多価カルボン酸成分−
前記多価カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記多価カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の直鎖型飽和脂肪族ジカルボン酸や、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられ、前記直鎖型飽和脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が4〜12であることが好ましい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸成分としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つメサコン酸等のジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、多価カルボン酸成分としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つメサコン酸等のジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、直鎖型飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、直鎖型飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
中でも、結晶性ポリエステル樹脂のピーク半値幅が小さく、結晶性が高い点で、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12ドデカンジオールのいずれか一種類のアルコール成分、及び、フマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸のいずれか一種類のジカルボン酸成分のみで構成されることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃未満であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂が低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、80℃以上であると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂の溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れる。また、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化する。
これらの観点から、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)は3,000〜30,000、数平均分子量(Mn)は1,000〜10,000、Mw/Mnは1.0〜10であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)は5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)は2,000〜10,000、Mw/Mnは1.0〜5.0であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)は5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)は2,000〜10,000、Mw/Mnは1.0〜5.0であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中において、2重量%〜20重量%が好ましく、5重量%〜15重量%がより好ましい。
前記含有量が、2重量%未満であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣ることがあり、20重量%を越えると、耐熱保存性が悪化すること、及び画像のかぶりが生じやすくなることがある。前記含有量が、5重量%〜15重量%であると、さらに高画質、高安定、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
前記含有量が、2重量%未満であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣ることがあり、20重量%を越えると、耐熱保存性が悪化すること、及び画像のかぶりが生じやすくなることがある。前記含有量が、5重量%〜15重量%であると、さらに高画質、高安定、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
本発明における芳香族リン酸エステル金属塩と結晶性ポリエステルとの混合物の発熱ピーク温度Tm〔℃〕と結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度Tp〔℃〕は、下記式(I)を満たすものである。
上記式(I)を満たさない場合、即ち、Tm≦Tp+1であると、芳香族リン酸エステル金属塩による結晶性ポリエステルの結晶化促進効果が不十分であり、トナーの耐熱保存性、定着後のトナー画像の耐ブロッキング性が悪化する。
また、Tp+13 ≦Tmであると結晶化度が高くなりすぎ、定着下限温度が上昇する。前記Tmは、芳香族リン酸エステル金属塩の含有量、及び、分散の程度により調節される。
また、Tp+13 ≦Tmであると結晶化度が高くなりすぎ、定着下限温度が上昇する。前記Tmは、芳香族リン酸エステル金属塩の含有量、及び、分散の程度により調節される。
<非晶質ポリエステル樹脂>
前記非晶質ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において非晶質ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記非晶質ポリエステル樹脂には属さない。
前記非晶質ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において非晶質ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記非晶質ポリエステル樹脂には属さない。
前記多価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸;トリメリット酸、ピロメリット酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非晶質ポリエステル樹脂と、後述するプレポリマー並びにこのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂とは、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これらが相溶していることにより、低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させることができる。このため、非晶質ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分と、後述するプレポリマーを構成する多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分とは、類似の組成であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。
これらのことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定において、重量平均分子量(Mw)は3,000〜15,000、数平均分子量(Mn)は1,000〜5,000、Mw/Mnは1.0〜4.0であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)は5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)は1,500〜5,000、Mw/Mnは1.0〜3.5であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)は5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)は1,500〜5,000、Mw/Mnは1.0〜3.5であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、さらには、紙への定着時に、紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。前記酸価が、50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Tgが低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、Tgが高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合があることから、20℃〜60℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中において50重量%〜95重量%が好ましく、60重量%〜90重量%がより好ましい。前記含有量が、50重量%未満であると、トナー中の顔料、離型剤の分散性が悪化し、画像のかぶり、乱れを生じやすくなることがあり、95重量%を越えると、結晶性ポリエステルの含有量が少なくなるため、低温定着性に劣ることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、高安定、低温定着性の全てに優れる点で有利である。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定の他、X線回折、GC/MS(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)、LC/MS(Liquid Chromatograph Mass Spectrometer)、IR(Infrared Spectroscopy)測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
<離型剤>
離型剤は、定着ローラとトナー像界面との間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても耐高温オフセット性を向上させることができる。
離型剤は、定着ローラとトナー像界面との間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても耐高温オフセット性を向上させることができる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックス、モンタン酸エステル離型剤、カスター離型剤の等の脂肪酸エステルを主成分とする離型剤類、脱酸カルナバ離型剤の等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾール等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;酸化ポリエチレン離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤の酸化物又はそれらのブロック共重合体などが挙げられる。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックス、モンタン酸エステル離型剤、カスター離型剤の等の脂肪酸エステルを主成分とする離型剤類、脱酸カルナバ離型剤の等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾール等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;酸化ポリエチレン離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤の酸化物又はそれらのブロック共重合体などが挙げられる。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トナー母体粒子にワックスが内包されている場合は60℃以上95℃未満が好ましい。前記離型剤の融点が60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が劣ることがある。前記離型剤の融点が95℃以上であると、定着時の加熱による離型剤の溶融が不十分で、充分なオフセット性が得られない場合がある。
また、トナー母体粒子表面に露出するワックスも存在する場合は、定着性と耐オフセット性のバランスを取るため70℃以上140℃以下であることが好ましく、70℃以上120℃以下であることがより好ましい。70℃未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると耐オフセット効果が発現し難くなることがある。
また、トナー母体粒子表面に露出するワックスも存在する場合は、定着性と耐オフセット性のバランスを取るため70℃以上140℃以下であることが好ましく、70℃以上120℃以下であることがより好ましい。70℃未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると耐オフセット効果が発現し難くなることがある。
本発明では、DSC(ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー)において測定される離型剤の吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもって離型剤の融点とする。
前記離型剤は、炭化水素系ワックスであることがより好ましい。炭化水素系ワックスは、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性がほとんどなく、互いに独立して機能することができるため、結晶性ポリエステル樹脂の軟化効果、離型剤のオフセット性を損なうことがないため、好ましい。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中において2重量%〜10重量%が好ましく、3重量%〜8重量%がより好ましい。
2重量%未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10重量%を越えると、耐熱保存性が悪化すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。含有量が、3重量%〜8重量%であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
2重量%未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10重量%を越えると、耐熱保存性が悪化すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。含有量が、3重量%〜8重量%であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。
前記着色剤は、他のトナー原材料と共にそのまま用いることもできるが、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
マスターバッチの製造時には、顔料の分散性を高めるために分散剤を用いてもよい。顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、従来公知のものを用いることができ、具体的な市販品としては、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)、などが挙げられる。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10[質量%]の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1[質量%]未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10[質量%]より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、5〜80質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、200質量部を超えると帯電性が低下することがある。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中において1重量%〜15重量%が好ましく、3重量%〜10重量%がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、活性水素基含有化合物、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、活性水素基含有化合物、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(プレポリマー)−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(「プレポリマー」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融時の高流動性及び透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(「プレポリマー」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融時の高流動性及び透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記プレポリマーが有する活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボンキシル基、−COClで示される官能基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に、定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構がない場合でも、良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合を生成することが可能なイソシアネート基等を有するポリエステル樹脂が好ましい。
−活性水素基含有化合物−
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体がイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂である場合には、該ポリエステル樹脂と伸長反応、架橋反応等により高分子量化できる点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、などが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、などが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、などが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、などが挙げられる。
前記三価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
−−イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂−−
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とを重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物、などが挙げられる。
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とを重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物、などが挙げられる。
−−−ポリオール−−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;などが挙げられる。なお、前記アルキレングリコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜12が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の脂肪族アルコール、三価以上のポリフェノール類、三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物、などが挙げられる。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの、などが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの、などが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
−−−ポリカルボン酸−−−
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二価のアルカン酸、二価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、などが挙げられる。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、などが挙げられる。
前記三価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の芳香族カルボン酸、などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と三価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、などが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、などが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合させる際の、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.02〜1.3が特に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
−−−ポリイソシアネート−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテル、などが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、前記ポリエステル樹脂の水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい。前記当量比が、1未満であると、耐オフセット性が低下することがあり、5を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4が特に好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐高温オフセット性が低下することがある。
前記トナーの全重量に対する、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5未満/95超〜25超/75未満が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。前記質量比が、5/95未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、25/75を超えると、低温定着性や画像の光沢性が低下することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中において0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.2重量%〜5重量%がより好ましい。前記含有量が、10重量%を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶媒に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
−外添剤−
外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機微粒子、重縮合系または熱硬化性樹脂の重合体微粒子を使用することができる。
外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機微粒子、重縮合系または熱硬化性樹脂の重合体微粒子を使用することができる。
無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが特に好ましい。
前記無機微粒子は、表面処理剤により、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが好適に挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル,メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
シリカ微粒子としては、例えばR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。
また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)、などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)、などが挙げられる。
また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)、などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)、などが挙げられる。
疎水化処理された無機微粒子の一次粒子の平均粒径は1nm〜2000nmが好ましく、5nm〜500nmであることがより好ましく、さらに5nm〜70nmが好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ一次粒子の平均粒径が30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ一次粒子の平均粒径が30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
前記重合体微粒子としては、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー母粒子(外添剤、あるいはさらに帯電制御剤が未添加のトナーであり、以下において同様に称する。)に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用することが特に好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用することが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体(いわゆる中間転写ベルト等)に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体(いわゆる中間転写ベルト等)に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金。(3)及びこれらの混合物、などが用いられ、磁性体は、着色剤としても使用することができるが、色調の点で白色のものが好ましい。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金。(3)及びこれらの混合物、などが用いられ、磁性体は、着色剤としても使用することができるが、色調の点で白色のものが好ましい。
前記磁性体の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。これらの磁性体の個数平均粒径としては、0.1〜2[μm]が好ましく、0.1〜0.5[μm]がより好ましい。前記個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
<トナー物性>
(酸価)
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g〜40mgKOH/gであることが好ましい。
前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
酸価は、JIS K−0070により測定できる。
(酸価)
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g〜40mgKOH/gであることが好ましい。
前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
酸価は、JIS K−0070により測定できる。
(ガラス転移温度(Tg))
前記トナーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、示差走査熱量測定(DSC)において昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上60℃未満であることが好ましく、30℃以上50℃以下であることがより好ましい。これにより、低温定着性、耐熱保存性及び高耐久性を得ることができる。前記Tg1stが、20℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、60℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
また、前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)において昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)は、10℃以上30℃未満であることが好ましい。前記Tg2ndが10℃未満であると、印刷物の画像ブロッキング性の悪化、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、30℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
なお、示差走査熱量測定における昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)及び昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)の詳細については後述する。
前記トナーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、示差走査熱量測定(DSC)において昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上60℃未満であることが好ましく、30℃以上50℃以下であることがより好ましい。これにより、低温定着性、耐熱保存性及び高耐久性を得ることができる。前記Tg1stが、20℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、60℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
また、前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)において昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)は、10℃以上30℃未満であることが好ましい。前記Tg2ndが10℃未満であると、印刷物の画像ブロッキング性の悪化、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、30℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
なお、示差走査熱量測定における昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)及び昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)の詳細については後述する。
(体積平均粒径)
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
<測定方法>
(酸価、水酸基価)
水酸基価は、JIS K0070−1966に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100±5℃の温浴中で1時間〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。さらに、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、以下の通りである。
(酸価、水酸基価)
水酸基価は、JIS K0070−1966に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100±5℃の温浴中で1時間〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。さらに、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、以下の通りである。
〔測定条件〕
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、上記した水酸基価の場合と同様である。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、上記した水酸基価の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、酸価[mgKOH/g]=滴定量[mL]×N×56.1[mg/mL]/試料重量[g](ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
(発熱ピーク温度、融点、及びガラス転移温度(Tg))
本発明におけるトナー、及び各材料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
また同じく『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の降温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の降温一回目における発熱ピーク温度を求めることができる。
本発明におけるトナー、及び各材料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
また同じく『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の降温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の降温一回目における発熱ピーク温度を求めることができる。
本発明では、対象試料としてトナーを用いた際の一回目昇温時におけるガラス転移温度をTg1st、同二回目昇温時におけるガラス転移温度をTg2ndとする。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
(結晶性ポリエステルと芳香族リン酸エステル金属塩との混合物の発熱ピーク温度(Tm〔℃〕)の測定方法)
本発明におけるTmは以下の方法で測定できる。
芳香族リン酸エステル金属塩10gと結晶性ポリエステル90gを150℃に加熱溶融させ、1時間撹拌する。攪拌後25℃で2時間冷却させ、結晶性ポリエステルと芳香族リン酸エステル金属塩混合物を得る。
得られた混合物を前述のDSC測定を行い、発熱ピーク温度を求めることで、Tmを求めることができる。
本発明におけるTmは以下の方法で測定できる。
芳香族リン酸エステル金属塩10gと結晶性ポリエステル90gを150℃に加熱溶融させ、1時間撹拌する。攪拌後25℃で2時間冷却させ、結晶性ポリエステルと芳香族リン酸エステル金属塩混合物を得る。
得られた混合物を前述のDSC測定を行い、発熱ピーク温度を求めることで、Tmを求めることができる。
(粒度分布の測定方法)
前記トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを測定装置として使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
前記トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを測定装置として使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
(芳香族リン酸エステル金属塩の有機溶媒に対する溶解度評価)
芳香族リン酸エステル金属塩の有機溶媒に対する溶解度は以下の方法で求められる。
先ず、芳香族リン酸エステル金属塩10gと有機溶媒90gを、溶解度を評価したい所定の温度下で、1時間攪拌する。
次いで、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、これを用いて攪拌した後の溶液を、溶解度を評価したい所定の温度下で、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と芳香族リン酸エステル金属塩とを分離する。
さらに、分離して得られた有機溶媒を有機溶媒の沸点+50℃の温度で1時間加熱して有機溶媒を蒸発させ、加熱前後の重量変化から、有機溶媒中に溶解していた芳香族リン酸エステル金属塩の溶解量を算出することができる。
芳香族リン酸エステル金属塩の有機溶媒に対する溶解度は以下の方法で求められる。
先ず、芳香族リン酸エステル金属塩10gと有機溶媒90gを、溶解度を評価したい所定の温度下で、1時間攪拌する。
次いで、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、これを用いて攪拌した後の溶液を、溶解度を評価したい所定の温度下で、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と芳香族リン酸エステル金属塩とを分離する。
さらに、分離して得られた有機溶媒を有機溶媒の沸点+50℃の温度で1時間加熱して有機溶媒を蒸発させ、加熱前後の重量変化から、有機溶媒中に溶解していた芳香族リン酸エステル金属塩の溶解量を算出することができる。
本発明では芳香族リン酸エステル金属塩が70℃の有機溶媒に対する溶解度が5重量%以上であることが好ましい。5重量%以下である場合、トナー製造工程で用いる有機溶媒中に芳香族リン酸エステル金属塩を微分散化させることが困難であり、トナー粒子中の結晶性ポリエステル部に均一分散されず、芳香族リン酸エステル金属塩による結晶性ポリエステルの結晶促進効果が得られないことがある。
また芳香族リン酸エステル金属塩が25℃の有機溶媒に対する溶解度が0.5%以下であることが好ましい。0.5重量%より大きいと、有機溶媒中で芳香族リン酸エステル金属塩が結晶化しづらく、結晶性ポリエステルの結晶促進効果が発揮できないことがある。
また芳香族リン酸エステル金属塩が25℃の有機溶媒に対する溶解度が0.5%以下であることが好ましい。0.5重量%より大きいと、有機溶媒中で芳香族リン酸エステル金属塩が結晶化しづらく、結晶性ポリエステルの結晶促進効果が発揮できないことがある。
<<トナーの製造方法>>
<溶解懸濁法>
前記トナーは、有機溶媒中に、少なくとも前記非晶質ポリエステル樹脂(結着樹脂成分)、前記結晶性ポリエステル樹脂(結着樹脂成分)、芳香族リン酸エステル金属塩、前記離型剤、及び前記着色剤等のトナー材料を含む、トナー材料液の油滴を水系媒体または気相中で形成し、前記油滴から有機溶媒を除去、または乾燥固化させることにより造粒することができる。
<溶解懸濁法>
前記トナーは、有機溶媒中に、少なくとも前記非晶質ポリエステル樹脂(結着樹脂成分)、前記結晶性ポリエステル樹脂(結着樹脂成分)、芳香族リン酸エステル金属塩、前記離型剤、及び前記着色剤等のトナー材料を含む、トナー材料液の油滴を水系媒体または気相中で形成し、前記油滴から有機溶媒を除去、または乾燥固化させることにより造粒することができる。
まず、トナー材料液の油滴を水系媒体中で形成する方法について説明する。
前記トナー組成物中には、耐熱保存性向上の観点から、活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体がさらに含有されてなることが好ましい。
前記トナー組成物中には、耐熱保存性向上の観点から、活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体がさらに含有されてなることが好ましい。
このような前記トナーの製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。
また、前記トナーの製造方法の他の一例として、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との伸長反応及び/又は架橋反応により生成するもの(以下、「接着性基材」と称することがある)を生成しながら、トナー母粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去等を行う。
また、前記トナーの製造方法の他の一例として、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との伸長反応及び/又は架橋反応により生成するもの(以下、「接着性基材」と称することがある)を生成しながら、トナー母粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去等を行う。
−水系媒体(水相)の調製−
前記水系媒体の調製は、例えば、従来において周知慣用の樹脂粒子を、水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記水系媒体の調製は、例えば、従来において周知慣用の樹脂粒子を、水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、などが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、などが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
−油相の調製−
トナー材料を含有する前記油相の調製は、有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記離型剤、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
トナー材料を含有する前記油相の調製は、有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記離型剤、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
−乳化乃至分散−
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる(工程1:分散液の作製)。
そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、接着性基材が生成する(工程2:架橋乃至伸張反応)。
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる(工程1:分散液の作製)。
そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、接着性基材が生成する(工程2:架橋乃至伸張反応)。
前記接着性基材は、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー等の活性水素基に対する反応性を有する重合体を含有する油相を、アミン類等の活性水素基を含有する化合物と共に、水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させることが好ましい。この他、トナー材料を含有する油相を、予め活性水素基を有する化合物を添加した水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させてもよく、トナー材料を含有する油相を水系媒体中で乳化又は分散させた後で、活性水素基を有する化合物を添加し、水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させてもよい。
なお、粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的にウレア変性ポリエステル樹脂が形成され、トナー中にウレア変性ポリエステル樹脂の濃度勾配を設けることもできる。
なお、粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的にウレア変性ポリエステル樹脂が形成され、トナー中にウレア変性ポリエステル樹脂の濃度勾配を設けることもできる。
前記接着性基材を生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との組み合わせに応じて、適宜選択することができる。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー等の活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を含有する分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体相中に、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などを用いることができる。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、などが挙げられる。
これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、などが挙げられる。
これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記接着性基材を生成させる際の伸長反応及び/又は架橋反応には、触媒を用いることができる。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、などが挙げられる。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、などが挙げられる。
−有機溶媒の除去(工程3)−
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母粒子が形成される。
トナー母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離、などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母粒子が形成される。
トナー母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離、などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
<気相法>
次に、トナー材料液の液滴を気相中で形成する方法について説明する。
上記溶解懸濁法や、乳化重合凝集法等の水系媒体を用いる所謂重合法では、分散剤を使用して水系媒体中でトナー材料の油滴を形成するため、分散剤がトナー粒子表面に残存してトナーの帯電特性を損なうことがあり、前記分散剤を除去するために非常に大量の洗浄水を必要とする。
したがって、分散剤を使用することによる不都合を避けたい場合には、トナー材料液の油滴を気相中で形成することが好ましい。
次に、トナー材料液の液滴を気相中で形成する方法について説明する。
上記溶解懸濁法や、乳化重合凝集法等の水系媒体を用いる所謂重合法では、分散剤を使用して水系媒体中でトナー材料の油滴を形成するため、分散剤がトナー粒子表面に残存してトナーの帯電特性を損なうことがあり、前記分散剤を除去するために非常に大量の洗浄水を必要とする。
したがって、分散剤を使用することによる不都合を避けたい場合には、トナー材料液の油滴を気相中で形成することが好ましい。
トナー材料液の液滴を気相中で形成する方法としては、特許文献2の特開2003262976号公報に、圧電パルスを利用して微小ノズルから微小液滴を形成し、更にこれを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている。また、特許文献3の特開2003−280236号公報には、ノズル内の熱膨張を利用し、微小液滴を形成し、これを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている。さらに、特許文献4の特開2003−262977号公報には、音響レンズを利用し、微小液滴を形成し、これを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、トナーの小粒径化が可能であるが、ノズルごとに吐出を制御する必要があり、また単位時間あたりの吐出液滴数が少なく生産性が低いという問題があると同時に、液滴同士の合一による粒度分布の広がりが避けられず、均一粒径のトナーが得られないばかりでなく、分級によるロスを伴う場合がある。
本発明のトナー材料液の液滴を気相中で形成しトナー母体粒子を造粒するトナーの製造手段の一例を以下、図1〜図9を用いて説明する。本発明のトナー製造手段は液滴吐出手段、液滴固化捕集手段に分けられる。
(液滴吐出手段)
本発明で用いる液滴吐出手段は、吐出する液滴の粒径分布を狭くでき、かつ生産性が高いものであれば、特に制限なく、公知のものを用いることができる。
液滴吐出手段としては、流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段等が挙げられ、前記膜振動タイプとしては例えば、特開2008−292976号公報、レイリー分裂タイプとしては特許第4647506号公報、液振動タイプとしては、特開2010−102195号公報に記載されている。
本発明で用いる液滴吐出手段は、吐出する液滴の粒径分布を狭くでき、かつ生産性が高いものであれば、特に制限なく、公知のものを用いることができる。
液滴吐出手段としては、流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段等が挙げられ、前記膜振動タイプとしては例えば、特開2008−292976号公報、レイリー分裂タイプとしては特許第4647506号公報、液振動タイプとしては、特開2010−102195号公報に記載されている。
液滴の粒径分布が狭く、トナーの生産性を確保するためには、複数の吐出口が形成された液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された吐出口から液体を吐出する液滴化液柱共鳴があり好ましく用いることができる。
(液柱共鳴吐出手段)
液柱の共鳴を利用して吐出する液柱共鳴タイプ吐出手段について説明する。
図1に液柱共鳴液滴吐出手段11を示す。液柱共鳴液滴吐出手段は液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。
液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口19と、該吐出口19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するための高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。
なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
液柱の共鳴を利用して吐出する液柱共鳴タイプ吐出手段について説明する。
図1に液柱共鳴液滴吐出手段11を示す。液柱共鳴液滴吐出手段は液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。
液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口19と、該吐出口19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するための高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。
なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
本発明で吐出手段より吐出される液体としては、トナー材料を溶解又は分散させたもの、または、吐出させる条件下で液体であれば溶媒を含まなくてもよく、トナー材料の全部または一部が溶融している状態であってもよい。
トナー材料を含有するトナー材料液14は、図示されない液循環ポンプにより液供給管を通って、図2に示す液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11の液柱共鳴液室18に供給される。
そして、トナー材料液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成され、液柱共鳴液室18内のトナー材料液14が均一性を保ったまま、定在波の圧力変動により、吐出口19から液滴21が吐出される。
そして、トナー材料液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成され、液柱共鳴液室18内のトナー材料液14が均一性を保ったまま、定在波の圧力変動により、吐出口19から液滴21が吐出される。
前記吐出口19から液滴21を吐出し、液柱共鳴液室18内のトナー材料液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給されるトナー材料液14の流量が増加し、液柱共鳴液室18内にトナー材料液14が補充される。
そして、液柱共鳴液室18内にトナー材料液14が補充されると、液共通供給路17を通過するトナー材料液14の流量が元に戻る。
なお、液共通供給路17を通過したトナー材料液14は、図示されない液戻り管を流れて原料収容器に戻される。
そして、液柱共鳴液室18内にトナー材料液14が補充されると、液共通供給路17を通過するトナー材料液14の流量が元に戻る。
なお、液共通供給路17を通過したトナー材料液14は、図示されない液戻り管を流れて原料収容器に戻される。
前記吐出口19は、定在波の振幅の大きな腹となる領域には吐出口19が配置される。前記定在波の腹となる領域とは、定在波の節以外の領域を意味する。
吐出口19は、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域に配置されることが好ましく、より好ましくは圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/4波長の範囲に配置されることが好ましい。
吐出口19は、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域に配置されることが好ましく、より好ましくは圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/4波長の範囲に配置されることが好ましい。
吐出口19は、定在波の腹となる領域であれば、複数開口していても、それぞれからほぼ均一な液滴を形成でき、効率的な液滴の吐出を行うことができ、さらには、吐出口の詰まりも生じ難くなる。
前記吐出口19の開口部の直径(Dp)は、1[μm]〜40[μm]の範囲であることが望ましい。1[μm]より小さいと、形成される液滴が非常に小さくなるためトナー粒子を得ることができない場合があり、またトナーの構成成分として顔料などの固形微粒子が含有された構成の場合吐出口19の閉塞が頻繁に発生して生産性が低下する恐れがある。
また、40[μm]より大きい場合、液滴の直径が大きく、これを乾燥し体積収縮を伴って固化させる際、トナー粒子径3〜6μmを得るためには、トナー材料を多量の有機溶媒で希釈することが必要になる場合があり、有機溶媒を揮発させるために多量の乾燥エネルギーが必要となってしまい、不都合となる。
また、40[μm]より大きい場合、液滴の直径が大きく、これを乾燥し体積収縮を伴って固化させる際、トナー粒子径3〜6μmを得るためには、トナー材料を多量の有機溶媒で希釈することが必要になる場合があり、有機溶媒を揮発させるために多量の乾燥エネルギーが必要となってしまい、不都合となる。
また、図2からわかるように、吐出口19を液柱共鳴液室18内の幅方向に設ける構成を採用することは、吐出口19の開口を多数設けることができ、生産効率が高くなるために好ましい。
また、吐出口19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが望ましい。
また、吐出口19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが望ましい。
吐出口19の断面形状は、図1においては開口部の径が徐々に小さくなるテーパー形状であるが、適宜断面形状を選択することができる。
図3に吐出口19の断面形状の例を示す。(a)は吐出口19の接液面から吐出口に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有しており、振動発生手段20による液にかかる圧力が、吐出口19の出口付近で最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
また、(b)に示すように、吐出口19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるような形状や、(c)に示すような形状であってもよく、前記角度は60〜90°であることが好ましい。
60°以下では液に圧力がかかりにくく、加えて吐出口の加工もし難くなり、90°以上では、吐出口19の出口に圧力が集中しなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
また、(d)に示すように、(a)と(b)を組み合わせ、段階的に形状を変更してもよい。
また、(b)に示すように、吐出口19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるような形状や、(c)に示すような形状であってもよく、前記角度は60〜90°であることが好ましい。
60°以下では液に圧力がかかりにくく、加えて吐出口の加工もし難くなり、90°以上では、吐出口19の出口に圧力が集中しなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
また、(d)に示すように、(a)と(b)を組み合わせ、段階的に形状を変更してもよい。
また、吐出口19は1つの液柱共鳴液室18に1つでも構わないが、複数個配置することが生産性の観点から好ましい。具体的には、2〜100個の間であることが好ましい。
100個を超えた場合、100個の吐出口19から所望の液滴を形成させようとすると、振動発生手段20に与える電圧を高く設定する必要が生じ、振動発生手段20としての圧電体の挙動が不安定となる。
また、複数の吐出口19を開孔する場合、吐出口間のピッチは20[μm]以上、液柱共鳴液室の長さ以下であることが好ましい。吐出口間のピッチが20[μm]より小さい場合、隣あう吐出口より放出された液滴同士が衝突して大きな滴となってしまう確率が高くなり、トナーの粒径分布悪化につながる。
100個を超えた場合、100個の吐出口19から所望の液滴を形成させようとすると、振動発生手段20に与える電圧を高く設定する必要が生じ、振動発生手段20としての圧電体の挙動が不安定となる。
また、複数の吐出口19を開孔する場合、吐出口間のピッチは20[μm]以上、液柱共鳴液室の長さ以下であることが好ましい。吐出口間のピッチが20[μm]より小さい場合、隣あう吐出口より放出された液滴同士が衝突して大きな滴となってしまう確率が高くなり、トナーの粒径分布悪化につながる。
液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室18は、駆動周波数において液体の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ金属やセラミックス、シリコンなどの材料により形成されるフレームがそれぞれ接合されて形成される。
また、図1に示すように、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLは、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定される。
また、図2に示す液柱共鳴液室18の幅Wは、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、液柱共鳴液室18の長さLの2分の1より小さいことが望ましい。
また、図2に示す液柱共鳴液室18の幅Wは、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、液柱共鳴液室18の長さLの2分の1より小さいことが望ましい。
さらに、液柱共鳴液室18は、生産性を飛躍的に向上させるために1つの液滴形成ユニット10に対して複数配置されていることが好ましい。その範囲に限定はないが、100〜2000個の液柱共鳴液室18が備えられた1つの液滴形成ユニットであれば操作性と生産性が両立でき、もっとも好ましい。そして、液柱共鳴液室毎に、液供給のための流路が液共通供給路17に連通接続される。
また、液柱共鳴液滴吐出手段11における振動発生手段20は、所定の周波数で駆動できるものであれば特に制限はないが、圧電体を、弾性板9に貼りあわせた形態が望ましい。弾性板は、圧電体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を構成している。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、変位量が小さいため積層して用いることが好ましい。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3等の単結晶などが挙げられる。
前記振動発生手段20は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されていることが望ましい。また、上記の1つの材質のブロック状の振動部材を液柱共鳴液室の配置にあわせて、一部切断し、弾性板を介してそれぞれの液柱共鳴液室を個別制御できるような構成が望ましい。
次に、液柱共鳴における液滴形成ユニットによる液滴形成のメカニズムについて説明する。
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、液柱共鳴液室内のトナー材料液に伝わる波の速度をcとし、振動発生手段20からトナー材料液に与えられた駆動周波数をfとするとき、トナー材料液が共鳴る波長λは下記式1で表される。
λ=c/f ・・・(式1)
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、液柱共鳴液室内のトナー材料液に伝わる波の速度をcとし、振動発生手段20からトナー材料液に与えられた駆動周波数をfとするとき、トナー材料液が共鳴る波長λは下記式1で表される。
λ=c/f ・・・(式1)
また、図1の液柱共鳴液室18において、固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さをLとし、さらに、液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(=約80[μm])は連通口の高さh2(=約40[μm])の約2倍あり、当該端部が閉じている固定端と等価であるとした両側固定端の場合には、長さLが波長λの4分の1の偶数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。
つまり、次の式2で表現される。
L=(N/4)λ ・・・(式2)
(但し、Nは偶数)
つまり、次の式2で表現される。
L=(N/4)λ ・・・(式2)
(但し、Nは偶数)
更に、両端が完全に開いている両側開放端の場合にも上記式2が成り立つ。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式2のNが奇数で表現される。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式2のNが奇数で表現される。
最も効率の高い駆動周波数fは、上記式1と上記式2より、
f=N×c/(4L) ・・・(式3)
と導かれる。
f=N×c/(4L) ・・・(式3)
と導かれる。
しかし、実際には、液体は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式4、式5に示すように、式3に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
図4にN=1、2、3の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示し、かつ図5にN=4、5の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示す。
なお、本来は疎密波(縦波)であるが、図4及び図5のように表記することが一般的である。
なお、本来は疎密波(縦波)であるが、図4及び図5のように表記することが一般的である。
図4、図5中、実線が速度定在波、点線が圧力定在波である。例えば、N=1の片側固定端の場合を示す図4の(a)からわかるように、速度分布の場合閉口端で速度分布の振幅がゼロとなり、開口端で振幅が最大となり、直感的にわかりやすい。液柱共鳴液室の長手方向の両端の間の長さをLとしたとき、液体が液柱共鳴する波長をλとし、整数Nが1〜5の場合に定在波が最も効率よく発生する。
また、両端の開閉状態によっても定在波パターンは異なるため、それらも併記した。後述するが、吐出口の開口や供給側の開口の状態によって、端部の条件が決まる。
なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。
なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。
理想的に完全に閉口、もしくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図4及び図5のような形態の共鳴定在波を生じるが、吐出口数、吐出口の開口位置によっても定在波パターンは変動し、上記式3より求めた位置からずれた位置に共鳴周波数が現れるが、適宜駆動周波数を調整することで安定吐出条件を作り出すことができる。
例えば、液体を伝わる波の速度cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と完全に等価のN=2の共鳴モードを用いた場合、上記式(2)より、最も効率の高い共鳴周波数は324kHzと導かれる。
他の例では、液体を伝わる波の速度cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]と、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、上記式(2)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構成の液柱共鳴液室においても、より高次の共鳴を利用することができる。
他の例では、液体を伝わる波の速度cが1,200[m/s]、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]と、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、上記式(2)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構成の液柱共鳴液室においても、より高次の共鳴を利用することができる。
図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室は、周波数を高めるために、両端が閉口端状態と等価であるか、または、吐出口の開口の影響で、音響的に軟らかい壁として説明できるような端部であることが好ましいが、それらに限らず開放端であってもよい。
ここでの吐出口の開口の影響とは、定常圧力からの波による液体の圧力変動に対する液体速度の比、つまり抵抗値が小さくなり、特にコンプライアンス成分(液柱共鳴液室の容積)が大きくなることを意味する。
ここでの吐出口の開口の影響とは、定常圧力からの波による液体の圧力変動に対する液体速度の比、つまり抵抗値が小さくなり、特にコンプライアンス成分(液柱共鳴液室の容積)が大きくなることを意味する。
よって、図4の(b)及び図5の(a)のような液柱共鳴液室の長手方向の両端に壁面を形成する構成は、両側固定端の共鳴モード、そして吐出口側が開口とみなす片側開放端の全ての共鳴モードが利用できるために、好ましい構成である。
また、吐出口の開口数、開口配置位置、吐出口の断面形状も駆動周波数を決定する因子となり、駆動周波数はこれに応じて適宜決定することができる。
例えば、吐出口19の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液供給路側に存在する吐出口の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出口の断面形状がラウンド形状となったりフレームの厚さによる吐出口の体積が変動したり、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生手段に電圧を与えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。
例えば、吐出口19の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液供給路側に存在する吐出口の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出口の断面形状がラウンド形状となったりフレームの厚さによる吐出口の体積が変動したり、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生手段に電圧を与えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。
また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記式4及び式5で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出口から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・(式4)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(式5)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(式5)
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
以上説明した液柱共鳴現象の原理を用いて、図1の液柱共鳴液室18において液柱共鳴圧力定在波が形成され、液柱共鳴液室18の一部に配置された吐出口19において連続的に液滴吐出が発生するのである。
なお、定在波の圧力が最も大きく変動する位置に吐出口19を配置すると、吐出効率が高くなり、低い電圧で駆動することができる点で好ましい。
なお、定在波の圧力が最も大きく変動する位置に吐出口19を配置すると、吐出効率が高くなり、低い電圧で駆動することができる点で好ましい。
次に、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴液室で生じる液柱共鳴現象の様子について当該様子を示す図6を用いて説明する。
なお、同図において、液柱共鳴液室内に記した実線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を+とし、その逆方向を−とする。
また、液柱共鳴液室内に記した点線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を+とし、負圧は−とする。
また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。
更に、同図において、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路17と液柱共鳴液室18とが連通する開口の高さ(図1に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図1に示す高さh1)が約2倍以上であるため、液柱共鳴液室18はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
なお、同図において、液柱共鳴液室内に記した実線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を+とし、その逆方向を−とする。
また、液柱共鳴液室内に記した点線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を+とし、負圧は−とする。
また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。
更に、同図において、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路17と液柱共鳴液室18とが連通する開口の高さ(図1に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図1に示す高さh1)が約2倍以上であるため、液柱共鳴液室18はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
図6の(a)は、液滴吐出時の液柱共鳴液室18内の圧力波形と速度波形を示している。
また、図6の(b)に示すように、液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの同図の(a),(b)に示すように、液柱共鳴液室18における吐出口19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6の(c)に示すように、吐出口19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
また、図6の(b)に示すように、液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの同図の(a),(b)に示すように、液柱共鳴液室18における吐出口19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6の(c)に示すように、吐出口19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
そして、図6の(d)に示すように、吐出口19付近の圧力は極小になる。このときから液柱共鳴液室18へのトナー材料液14の充填が始まる。その後、図6の(e)に示すように、吐出口19付近の負の圧力は小さくなり、正圧の方向へ移行する。この時点で、トナー材料液14の充填が終了する。そして、再び、図6の(a)に示すように、液柱共鳴液室18の液滴吐出領域の正の圧力が極大となって、吐出口19から液滴21が吐出される。
このように、液柱共鳴液室内には振動発生手段の高周波駆動によって液柱共鳴による定在波が発生し、また圧力が最も大きく変動する位置となる液柱共鳴による定在波の腹
に相当する液滴吐出領域に吐出口19が配置されていることから、当該高周波の周期に応じて液滴21が吐出口19から連続的に吐出される。
に相当する液滴吐出領域に吐出口19が配置されていることから、当該高周波の周期に応じて液滴21が吐出口19から連続的に吐出される。
次に、実際に液柱共鳴現象によって吐出された液滴について説明する。
図7は、図1において液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85[mm]、N=2の共鳴モードであり、図1に示す4つの吐出口をN=2モード圧力定在波の腹の位置に配置し、駆動周波数を340[kHz]のサイン波で行った吐出の様子をレーザーシャドウグラフィ法にて撮影したものである。
図7からわかるように、非常に径の揃った、速度もほぼ揃った液滴の吐出が実現していた。
また、駆動周波数が340[kHz]付近では、4つの吐出口からの吐出速度が均一となって、かつ最大吐出速度となっていた。
この結果から、液柱共鳴周波数の第二モードである340[kHz]において、液柱共鳴定在波の腹の位置で均一吐出が実現していることがわかる。また、第一モードである130[kHz]においての液滴吐出速度ピークと、第二モードである340[kHz]においての液滴吐出速度ピークとの間では液滴は吐出しないという、液柱共鳴の特徴的な液柱共鳴定在波の周波数特性が液柱共鳴液室内で発生していることがわかる。
図7は、図1において液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85[mm]、N=2の共鳴モードであり、図1に示す4つの吐出口をN=2モード圧力定在波の腹の位置に配置し、駆動周波数を340[kHz]のサイン波で行った吐出の様子をレーザーシャドウグラフィ法にて撮影したものである。
図7からわかるように、非常に径の揃った、速度もほぼ揃った液滴の吐出が実現していた。
また、駆動周波数が340[kHz]付近では、4つの吐出口からの吐出速度が均一となって、かつ最大吐出速度となっていた。
この結果から、液柱共鳴周波数の第二モードである340[kHz]において、液柱共鳴定在波の腹の位置で均一吐出が実現していることがわかる。また、第一モードである130[kHz]においての液滴吐出速度ピークと、第二モードである340[kHz]においての液滴吐出速度ピークとの間では液滴は吐出しないという、液柱共鳴の特徴的な液柱共鳴定在波の周波数特性が液柱共鳴液室内で発生していることがわかる。
(液滴固化)
このようにして液滴吐出手段から気相中に吐出させたトナー材料液の液滴を固化させ、捕集することで本発明のトナーを得ることができる。
このようにして液滴吐出手段から気相中に吐出させたトナー材料液の液滴を固化させ、捕集することで本発明のトナーを得ることができる。
前記液滴固化は、トナー材料液を固体状態にできればよく、どのような手段であってもかまわないが、例えばトナー材料液が、揮発可能な溶媒に固体状のトナー材料を溶解または分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中液滴を乾燥させる、すなわち溶媒を揮発させることで達成することができる。溶媒の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類等を適宜選定して乾燥状態を調整することができる。また、液滴が完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。前記例に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用で達成してもよい。
(固化粒子の捕集)
固化した粒子は公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集、バックフィルター等によって気中から回収することができる。
固化した粒子は公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集、バックフィルター等によって気中から回収することができる。
図8は、本発明のトナーの製造方法を実施する装置一例の断面図である。トナー製造装置1は、主に、液滴吐出手段2及び乾燥捕集ユニット60を含んで構成されている。
液滴吐出手段2には、トナー材料液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー材料液14を、液滴吐出手段2に供給する液供給管16が連結される。また、液滴吐出手段2のトナー材料液14を原料収容器13に戻す液戻り管22と、トナー材料液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結され、トナー材料液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。
液滴吐出手段2には、トナー材料液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー材料液14を、液滴吐出手段2に供給する液供給管16が連結される。また、液滴吐出手段2のトナー材料液14を原料収容器13に戻す液戻り管22と、トナー材料液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結され、トナー材料液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。
液供給管16にはP1、乾燥捕集ユニットにはP2の圧力測定器が設けられており、液滴吐出手段2への送液圧力および、乾燥捕集ユニット内の圧力は圧力計P1、P2によって管理される。
このときに、P1>P2の関係であると、トナー材料液1が孔12から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
このときに、P1>P2の関係であると、トナー材料液1が孔12から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
チャンバ61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力よってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、固化粒子捕集手段62によって捕集される。
吐出された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し一つの粒子になってしまう(以下この現象を合着と呼ぶ)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴どうしの距離を保つ必要がある。しかしながら、噴射された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、やがて失速する。
失速した粒子に後から吐出された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下をなくし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶ。
失速した粒子に後から吐出された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下をなくし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶ。
例えば、搬送気流101は図8に示されるように、その一部を、合着を防止する第一の気流として液滴吐出手段近傍に液滴吐出方向と同一方向に配置することで、液滴吐出直後の液滴速度低下を防ぎ、合着を防止することができる。
また、合着を防止する第一の気流は、図9に示すように吐出方向に対して横方向であってもよい。あるいは図示していないが角度を持っていてもよく、液滴吐出手段より液滴が離れるような角度を持っていることが望ましい。図9のように液滴吐出に対して横方向から合着防止気流を与える場合は吐出口から合着防止気流によって液滴が搬送された際に軌跡が重ならないような方向であることが望ましい。
また、合着を防止する第一の気流は、図9に示すように吐出方向に対して横方向であってもよい。あるいは図示していないが角度を持っていてもよく、液滴吐出手段より液滴が離れるような角度を持っていることが望ましい。図9のように液滴吐出に対して横方向から合着防止気流を与える場合は吐出口から合着防止気流によって液滴が搬送された際に軌跡が重ならないような方向であることが望ましい。
上記のように第一の気流によって合着を防いだ後に、トナー粒子を搬送する第二の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
前記第一の気流の速度は液滴噴射速度と同じかそれ以上であることが望ましい。液滴吐出速度より合着防止気流の速度が遅いと、合着防止気流本来の目的である液滴粒子を接触させないという機能を発揮させることが難しい。
第一の気流を形成する気体には、液滴同士が合着しないような条件を追加することができ、第二の気流と必ずしも同じでなくともよく、合着防止気流に粒子表面の固化を促進させるような化学物質や、微粒子等の物理的作用が期待できる物質を混入させてもよい。
搬送気流101は特に気流の状態として限定されることはなく層流や旋回流や乱流であっても構わない。搬送気流101を構成する気体の種類は特に限定は無く、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いてもよい。また、搬送気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動のないことが望ましい。
またチャンバー61内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は液滴21同士の合着を防止するだけでなく、チャンバ61に付着することを防止することに用いてもよい。
またチャンバー61内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は液滴21同士の合着を防止するだけでなく、チャンバ61に付着することを防止することに用いてもよい。
図8で示された乾燥捕集手段62によって捕集されたトナー母体粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合はこれを低減するために必要に応じて、二次乾燥が行われる。
二次乾燥としては流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。有機溶剤がトナー母体粒子中に残留すると耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、加熱による定着時において有機溶剤が揮発するため、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
二次乾燥としては流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。有機溶剤がトナー母体粒子中に残留すると耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、加熱による定着時において有機溶剤が揮発するため、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
トナー母体粒子を気相中で造粒する場合のトナー材料としては、従来からトナー材料として用いられているものを使用することができる。前記トナー材料は、有機溶媒に溶解又は分散させるか、または、一部または全てを溶融させ、吐出可能なように液体状態で用いられる。
トナー母体粒子を気相中で造粒する場合は、前記結晶性ポリエステル、非結晶性ポリエステルに加え、他の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、有機溶媒に溶解乃至分散することができれば特に制限はなく、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
また、トナー材料液中の結晶性ポリエステルの体積平均粒径が、吐出口の開口径に対して30%以下であることが好ましい。30%以上であると吐出口が詰り生産性が低下することがある。
前記トナー材料を溶解または分散させる有機溶剤としては、高温で結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解して均一溶液を形成し、その反面、低温に冷却すると結晶性ポリエステル樹脂と相分離し、不均一溶液を形成するものが好ましい。
換言すると高温では結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解した溶液となり、低温では結晶性ポリエステル樹脂の少なくとも一部が溶液から析出することで固液混合状態となる有機溶剤が好ましい。
換言すると高温では結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解した溶液となり、低温では結晶性ポリエステル樹脂の少なくとも一部が溶液から析出することで固液混合状態となる有機溶剤が好ましい。
具体的には、有機溶剤100質量部に対する20℃における前記結晶性ポリエステル樹脂の溶解度が3.0質量部未満であることが好ましい。3.0質量部以上の場合、有機溶剤中に溶解している結晶性ポリエステル樹脂が、非結晶性ポリエステル樹脂と相溶しやすくなり、耐熱保存性の悪化、現像器の汚染、画像の劣化を生じる恐れがある。
また、有機溶剤100質量部に対する70℃における結晶性ポリエステル樹脂の溶解度は10質量部以上であることが好ましい。10質量部未満の場合、有機溶剤と結晶性ポリエステル樹脂の親和性が乏しいため、有機溶剤中で結晶性ポリエステル樹脂をサブミクロンサイズまで分散させることが困難である。
また、有機溶剤100質量部に対する70℃における結晶性ポリエステル樹脂の溶解度は10質量部以上であることが好ましい。10質量部未満の場合、有機溶剤と結晶性ポリエステル樹脂の親和性が乏しいため、有機溶剤中で結晶性ポリエステル樹脂をサブミクロンサイズまで分散させることが困難である。
このような、有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを挙げることができ、これらは単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
前記水系媒体または気相中で造粒されたトナー母粒子は、前記外添剤、前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
<現像剤>
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料、などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料、などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜150μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
−樹脂層−
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリルモノマーの共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリルモノマーの共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、などが挙げられる。
前記ポリハロゲン化オレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などが挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、などが挙げられる。
前記ポリハロゲン化オレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などが挙げられる。
前記樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。前記導電粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、などが挙げられる。前記導電粉の平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、シリコーン樹脂等を溶媒に溶解させて塗布液を調製した後、塗布液を芯材の表面に公知の塗布方法を用いて塗布、乾燥した後、焼き付けを行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレー法、ハケ塗り法、などを用いることができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、などが挙げられる。
前記焼き付けは、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレー法、ハケ塗り法、などを用いることができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、などが挙げられる。
前記焼き付けは、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
前記キャリア中の樹脂層の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚いためにキャリア同士の融着が起こり、キャリアの均一性が低下することがある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(製造例1−1)
<結晶性ポリエステル樹脂Aの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸2,120g、1、10−デカンジオール1,800g、及びハイドロキノン3.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂A]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂A]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが16,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.2であった。
<結晶性ポリエステル樹脂Aの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸2,120g、1、10−デカンジオール1,800g、及びハイドロキノン3.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂A]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂A]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが16,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.2であった。
(製造例1−2)
<結晶性ポリエステル樹脂Bの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,8−オクタンジカルボン酸2,120g、1,8−オクタンジオール1,000g、1,4−ブタンジオール1,520g、及びハイドロキノン3.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂B]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂B]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.0であった。
<結晶性ポリエステル樹脂Bの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,8−オクタンジカルボン酸2,120g、1,8−オクタンジオール1,000g、1,4−ブタンジオール1,520g、及びハイドロキノン3.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂B]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂B]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.0であった。
(製造例1−3)
〜結晶性ポリエステル樹脂Cの合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカン二酸2320g、1,8−オクタンジオール1430g、ハイドロキノン4.9gを入れ、200℃で10時間反応させた後、230℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて4時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂C]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂C]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが16,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.2であった。
〜結晶性ポリエステル樹脂Cの合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカン二酸2320g、1,8−オクタンジオール1430g、ハイドロキノン4.9gを入れ、200℃で10時間反応させた後、230℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて4時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂C]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂C]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが16,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.2であった。
(製造例1−4)
〜結晶性ポリエステル樹脂Dの合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカン二酸2300g、1,8−オクタンジオール1430g、ハイドロキノン4.9gを入れ、190℃で4時間反応させた後、220℃に昇温して3時間反応させ、さらに7.8kPaにて1時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂D]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂D]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.0であった。
〜結晶性ポリエステル樹脂Dの合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカン二酸2300g、1,8−オクタンジオール1430g、ハイドロキノン4.9gを入れ、190℃で4時間反応させた後、220℃に昇温して3時間反応させ、さらに7.8kPaにて1時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂D]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂D]のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.0であった。
(製造例2−1)
<非晶質ポリエステル樹脂Aの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、イソフタル酸100部、テレフタル酸88部、アジピン酸66部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で10時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[非晶質ポリエステル樹脂A]を得た。
[非晶質ポリエステル樹脂A]は、重量平均分子量6,500、数平均分子量2,000、Tg45℃、酸価20mgKOH/gであった。
<非晶質ポリエステル樹脂Aの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、イソフタル酸100部、テレフタル酸88部、アジピン酸66部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で10時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[非晶質ポリエステル樹脂A]を得た。
[非晶質ポリエステル樹脂A]は、重量平均分子量6,500、数平均分子量2,000、Tg45℃、酸価20mgKOH/gであった。
(製造例2−2)
<非晶質ポリエステル樹脂Bの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物499部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物229部、イソフタル酸100部、テレフタル酸48部、アジピン酸108部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で10時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[非晶質ポリエステル樹脂B]を得た。
[非晶質ポリエステル樹脂B]は、重量平均分子量12,000、数平均分子量3,500、Tg42℃、酸価20mgKOH/gであった。
<非晶質ポリエステル樹脂Bの合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物499部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物229部、イソフタル酸100部、テレフタル酸48部、アジピン酸108部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で10時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[非晶質ポリエステル樹脂B]を得た。
[非晶質ポリエステル樹脂B]は、重量平均分子量12,000、数平均分子量3,500、Tg42℃、酸価20mgKOH/gであった。
(製造例2−3)
(非晶質ポリエステル樹脂Cの合成)
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.5モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.5モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、180℃で4時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して1時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、[非晶質ポリエステル樹脂C]を合成した。
[非晶質ポリエステル樹脂C]は、重量平均分子量75,000、数平均分子量3,500、Mw/Mnが27であった。
(非晶質ポリエステル樹脂Cの合成)
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.5モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.5モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、180℃で4時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して1時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、[非晶質ポリエステル樹脂C]を合成した。
[非晶質ポリエステル樹脂C]は、重量平均分子量75,000、数平均分子量3,500、Mw/Mnが27であった。
<水系媒体中での造粒>
[実施例1]
−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−
金属製2L容器に、[結晶性ポリエステル樹脂A]100質量部、結晶核剤A(リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム ADEKA社製 アデカスタブNA-11)1.0質量部、及び酢酸エチル200質量部を入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
[実施例1]
−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−
金属製2L容器に、[結晶性ポリエステル樹脂A]100質量部、結晶核剤A(リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム ADEKA社製 アデカスタブNA-11)1.0質量部、及び酢酸エチル200質量部を入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
−油相の調製−
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−−ケチミンの合成−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−−マスターバッチ(MB)の合成−−
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び[非晶質ポリエステル樹脂A]1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び[非晶質ポリエステル樹脂A]1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
−−顔料・WAX分散液の作製−−
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[非晶質ポリエステルA]378部、[離型剤1]としてパラフィンワックス50部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業社製)22部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行った。次いで、[非晶質ポリエステルA]の65%酢酸エチル溶液1,042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[非晶質ポリエステルA]378部、[離型剤1]としてパラフィンワックス50部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業社製)22部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行った。次いで、[非晶質ポリエステルA]の65%酢酸エチル溶液1,042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
−−油相の調製−−
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]80部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]150部、及び[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合し、[油相1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]80部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]150部、及び[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合し、[油相1]を得た。
−有機微粒子エマルション(微粒子分散液)の合成−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
−水相の調製−
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
−乳化・脱溶剤−
前記[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
前記[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄・乾燥−
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という前記(1)〜(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い実施例1のトナーを得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という前記(1)〜(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い実施例1のトナーを得た。
[実施例2]
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを結晶核剤B(リン酸ビス(4−tert−ブチルフェニル)ナトリウム ADEKA製 アデカスタブ NA−10)に代えた以外は同様にして実施例2のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを結晶核剤B(リン酸ビス(4−tert−ブチルフェニル)ナトリウム ADEKA製 アデカスタブ NA−10)に代えた以外は同様にして実施例2のトナーを得た。
[実施例3]
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aの質量部を0.5重量部へ代えた以外は同様にして実施例3のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aの質量部を0.5重量部へ代えた以外は同様にして実施例3のトナーを得た。
[実施例4]
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aの質量部を1.0質量部から2.0質量部へ代えた以外は同様にして実施例4のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aの質量部を1.0質量部から2.0質量部へ代えた以外は同様にして実施例4のトナーを得た。
[実施例5]
実施例2の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Bの質量部を1.0質量部から0.5質量部に代えた以外は同様にして実施例5のトナーを得た。
実施例2の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Bの質量部を1.0質量部から0.5質量部に代えた以外は同様にして実施例5のトナーを得た。
[実施例6]
実施例2の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Bの質量部を1.0質量部から2.0質量部に代えた以外は同様にして実施例6のトナーを得た。
実施例2の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Bの質量部を1.0質量部から2.0質量部に代えた以外は同様にして実施例6のトナーを得た。
[実施例7]
実施例1の『−−油相の調製−−』における[プレポリマー1]80部を0部に代え、非晶質ポリエステルAを非晶質ポリエステルBに代えた以外は同様にして実施例7のトナーを得た。
実施例1の『−−油相の調製−−』における[プレポリマー1]80部を0部に代え、非晶質ポリエステルAを非晶質ポリエステルBに代えた以外は同様にして実施例7のトナーを得た。
[実施例8]
実施例1の結晶性ポリエステルAを結晶性ポリエステルBに代えた以外は同様にして実施例8のトナーを得た。
実施例1の結晶性ポリエステルAを結晶性ポリエステルBに代えた以外は同様にして実施例8のトナーを得た。
(比較例1)
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを0.5質量部から0質量部に代えた以外は同様にして比較例1のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを0.5質量部から0質量部に代えた以外は同様にして比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを1.0質量部から0.2質量部に代えた以外は同様にして比較例2のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを1.0質量部から0.2質量部に代えた以外は同様にして比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを1.0質量部から2.5質量部に代えた以外は同様にして比較例3のトナーを得た。
実施例1の『−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−』において、結晶核剤Aを1.0質量部から2.5質量部に代えた以外は同様にして比較例3のトナーを得た。
実施例1〜8、比較例1〜3で得られたトナーの材料構成を下記表1に示す。
また各実施例、比較例での結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度(Tp〔℃〕)、結晶性ポリエステルと結晶核剤との混合物の発熱ピーク温度(Tm〔℃〕)、結晶性ポリエステルの融点(Mp〔℃〕)、結晶核剤の融点(Mc〔℃〕)、トナーのTg1st、Tg2ndを表2に示す。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア1]を作製した。
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア1]を作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、前記実施例1〜8のトナー、比較例1〜3のトナーをそれぞれ5部と前記[キャリア1]95部とを混合し、実施例1〜8の現像剤、比較例1〜3の現像剤を作製した。
ボールミルを用いて、前記実施例1〜8のトナー、比較例1〜3のトナーをそれぞれ5部と前記[キャリア1]95部とを混合し、実施例1〜8の現像剤、比較例1〜3の現像剤を作製した。
実施例1〜8の現像剤及び比較例1〜3の現像剤を下記の方法により評価した。評価結果を表3に示す。
以上より、本発明に係る実施例1〜8によれば、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性を有するトナー、並びに、該トナーを含有する現像剤が得られることがわかった。一方、比較例1〜3のいずれにおいても、所望の特性を全て満足し得るものではなかった。比較例1、2にて、耐熱保存性、画像ブロッキングが悪化した理由としては、芳香族リン酸エステル金属塩がない、または少なすぎたために、結晶性ポリエステルの低結晶性成分が多くかつ結晶化速度が遅いために、耐熱保存性・画像ブロッキング性ともに悪化する結果となったと考える。比較例3においては、芳香族リン酸エステル金属塩の添加量が多かったために、融点の高い芳香族リン酸エステル金属塩自体が定着下限に悪影響を及ぼしたと考える。
<気相中での造粒>
(結着樹脂の溶解度の確認)
[結晶性ポリエステル樹脂C]、[結晶性ポリエステル樹脂D]、及び[非晶質ポリエステル樹脂C]融点、溶解度を以下の方法で測定した。
[結晶性ポリエステル樹脂C]、[結晶性ポリエステル樹脂D]、及び[非晶質ポリエステル樹脂C]融点、溶解度を以下の方法で測定した。
樹脂の融点を、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めた。
試料樹脂20gと酢酸エチル80gを所定の温度下で、1時間攪拌する。
次いで、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、これを用いて攪拌した後の溶液を、所定の温度下で、アスピレーターで吸引ろ過し、酢酸エチルと試料樹脂とを分離する。
さらに、分離して得られた酢酸エチルを酢酸エチルの沸点+50℃の温度で1時間加熱して酢酸エチルを蒸発させ、加熱前後の重量変化から、酢酸エチル中に溶解していた試料樹脂の溶解量を算出した。評価結果を表4に示す。
次いで、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、これを用いて攪拌した後の溶液を、所定の温度下で、アスピレーターで吸引ろ過し、酢酸エチルと試料樹脂とを分離する。
さらに、分離して得られた酢酸エチルを酢酸エチルの沸点+50℃の温度で1時間加熱して酢酸エチルを蒸発させ、加熱前後の重量変化から、酢酸エチル中に溶解していた試料樹脂の溶解量を算出した。評価結果を表4に示す。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液作製)
―結晶性ポリエステル分散液1の作製―
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂C]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル分散液1]中の[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950、堀場製作所製)を用いて測定したところ、0.56μmであった。
―結晶性ポリエステル分散液1の作製―
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂C]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル分散液1]中の[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950、堀場製作所製)を用いて測定したところ、0.56μmであった。
―結晶性ポリエステル分散液2の作製―
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製と同様の方法で、[結晶性ポリエステル樹C]を[結晶性ポリエステル樹脂D]変更して、[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂D]の体積平均粒径は0.52μmであった。
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製と同様の方法で、[結晶性ポリエステル樹C]を[結晶性ポリエステル樹脂D]変更して、[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂D]の体積平均粒径は0.52μmであった。
―結晶性ポリエステル分散液3の作製―
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製方法において、粉砕時間を1.5時間として[結晶性ポリエステル分散液3]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径は1.97μmであった。
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製方法において、粉砕時間を1.5時間として[結晶性ポリエステル分散液3]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径は1.97μmであった。
―結晶性ポリエステル分散液4の作製―
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製方法において、粉砕時間を1時間として結晶性ポリエステル分散液4を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径は2.38μmであった。
[結晶性ポリエステル分散液1]の作製方法において、粉砕時間を1時間として結晶性ポリエステル分散液4を得た。[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]と同様な方法で測定した[結晶性ポリエステル樹脂C]の体積平均粒径は2.38μmであった。
(着色剤分散液の調製)
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。 該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。 該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
(離型剤分散液の調整)
次に離型剤分散液を調整した。
カルナバ離型剤10質量部、離型剤分散剤0.5質量部を、酢酸エチル24.5質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバ離型剤を溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるよう離型剤粒子を析出させた。
離型剤分散剤としては、ポリエチレン離型剤にスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。
得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調整した。
次に離型剤分散液を調整した。
カルナバ離型剤10質量部、離型剤分散剤0.5質量部を、酢酸エチル24.5質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバ離型剤を溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるよう離型剤粒子を析出させた。
離型剤分散剤としては、ポリエチレン離型剤にスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。
得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調整した。
(分散液の調製)
次に、トナー材料の固形分が、表5の組成になるように、上記結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂とその他の結着樹脂)、上記着色剤、結晶核剤及び上記離型剤のトナー材料を含む分散乃至溶解液を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させ、トナー材料液A〜Kを得た。
トナー材料液A〜Kは、溶媒希釈によるソルベントショックで結晶性ポリエステル、顔料、及び離型剤粒子が凝集することはなかった。
次に、トナー材料の固形分が、表5の組成になるように、上記結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂とその他の結着樹脂)、上記着色剤、結晶核剤及び上記離型剤のトナー材料を含む分散乃至溶解液を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させ、トナー材料液A〜Kを得た。
トナー材料液A〜Kは、溶媒希釈によるソルベントショックで結晶性ポリエステル、顔料、及び離型剤粒子が凝集することはなかった。
[実施例9]
トナー材料液Aを、図1〜3に示すトナー製造装置を用い、図3に示す液柱共鳴原理を用いた液滴吐出ヘッドにより以下に示す条件で液滴を吐出させた。その後、該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、更に35℃にて48時間2次乾燥させることにより、[トナー母体粒子A]を作製した。
[液柱共鳴条件]
共鳴モード :N=2
液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さ :L=1.8mm
液柱共鳴液室の液共通供給路側のフレームの端部の高さ :h1=80μm
液柱共鳴液室の連通口の高さ :h2=40μm
[トナー母体粒子作製条件]
分散液比重 :ρ=1.1g/cm3
吐出口の形状 :真円
吐出口直径 :7.5μm
吐出口の開口数 :液柱共鳴液室1つ当たり4個
隣接する吐出口の中心部間の最短間隔 :130μm(全て等間隔)
乾燥エアー温度 :40℃
印加電圧 :10.0V
駆動周波数 :395kHz
トナー材料液Aを、図1〜3に示すトナー製造装置を用い、図3に示す液柱共鳴原理を用いた液滴吐出ヘッドにより以下に示す条件で液滴を吐出させた。その後、該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、更に35℃にて48時間2次乾燥させることにより、[トナー母体粒子A]を作製した。
[液柱共鳴条件]
共鳴モード :N=2
液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さ :L=1.8mm
液柱共鳴液室の液共通供給路側のフレームの端部の高さ :h1=80μm
液柱共鳴液室の連通口の高さ :h2=40μm
[トナー母体粒子作製条件]
分散液比重 :ρ=1.1g/cm3
吐出口の形状 :真円
吐出口直径 :7.5μm
吐出口の開口数 :液柱共鳴液室1つ当たり4個
隣接する吐出口の中心部間の最短間隔 :130μm(全て等間隔)
乾燥エアー温度 :40℃
印加電圧 :10.0V
駆動周波数 :395kHz
この[トナー母体粒子A]100質量部に対して、流動性向上剤として疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン株式会社製)1.0質量部及び酸化チタン(SMT−150AI、テイカ株式会社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて外添処理を行い、実施例9のトナーを得た。
[実施例10]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液B]に変更して、[トナー母体粒子B]を作製し、実施例9と同様にして実施例10のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液B]に変更して、[トナー母体粒子B]を作製し、実施例9と同様にして実施例10のトナーを得た。
[実施例11]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液C]に変更して、[トナー母体粒子C]を作製し、実施例9と同様にして実施例11のトナーを得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表6にまとめた。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液C]に変更して、[トナー母体粒子C]を作製し、実施例9と同様にして実施例11のトナーを得た。トナー諸特性、噴射時のノズルのつまりを評価し、その結果を表6にまとめた。
[実施例12]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液D]に変更して、[トナー母体粒子D]を作製し、実施例9と同様にして実施例12のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液D]に変更して、[トナー母体粒子D]を作製し、実施例9と同様にして実施例12のトナーを得た。
[実施例13]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液E]に変更して、[トナー母体粒子E]を作製し、実施例9と同様にして実施例13のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液E]に変更して、[トナー母体粒子E]を作製し、実施例9と同様にして実施例13のトナーを得た。
[実施例14]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液F]に変更して、[トナー母体粒子F]を作製し、実施例9と同様にして実施例14のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液F]に変更して、[トナー母体粒子F]を作製し、実施例9と同様にして実施例14のトナーを得た。
[実施例15]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液G]に変更して、[トナー母体粒子G]を作製し、実施例9と同様にして実施例15のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液G]に変更して、[トナー母体粒子G]を作製し、実施例9と同様にして実施例15のトナーを得た。
[比較例4]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液H]に変更して、[トナー母体粒子H]を作製し、実施例9と同様にして比較例4のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液H]に変更して、[トナー母体粒子H]を作製し、実施例9と同様にして比較例4のトナーを得た。
[比較例5]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液I]に変更して、[トナー母体粒子I]を作製し、実施例9と同様にして比較例5のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液I]に変更して、[トナー母体粒子I]を作製し、実施例9と同様にして比較例5のトナーを得た。
[実施例16]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液J]に変更して、[トナー母体粒子J]を作製し、実施例9と同様にして実施例16のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液J]に変更して、[トナー母体粒子J]を作製し、実施例9と同様にして実施例16のトナーを得た。
[比較例6]
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液K]に変更して、[トナー母体粒子K]を作製し、実施例9と同様にして比較例6のトナーを得た。
実施例9の[トナー材料液A]を[トナー材料液K]に変更して、[トナー母体粒子K]を作製し、実施例9と同様にして比較例6のトナーを得た。
また、実施例9〜16、比較例4〜6での結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度(Tp〔℃〕)、結晶性ポリエステルと結晶核剤との混合物の発熱ピーク温度(Tm〔℃〕)、結晶性ポリエステルの融点(Mp〔℃〕)、結晶核剤の融点(Mc〔℃〕)を表6に示す。
(キャリアの作製)
下記組成をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて、粒径40μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして[磁性キャリア2]を得た。
[組成]
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100質量部
トルエン 100質量部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5質量部
カーボンブラック 10質量部
下記組成をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて、粒径40μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして[磁性キャリア2]を得た。
[組成]
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100質量部
トルエン 100質量部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5質量部
カーボンブラック 10質量部
(現像剤の作製)
実施例9〜16のトナー及び比較例4〜6のトナーをそれぞれ4質量部と[磁性キャリア2]96質量部をボールミルで混合し、実施例9〜16の現像剤、比較例4〜6の現像剤を作製した。
実施例9〜16のトナー及び比較例4〜6のトナーをそれぞれ4質量部と[磁性キャリア2]96質量部をボールミルで混合し、実施例9〜16の現像剤、比較例4〜6の現像剤を作製した。
実施例9〜16の現像剤及び比較例4〜6の現像剤を下記の方法により評価した。
評価結果を表7に示す。
評価結果を表7に示す。
また、実施例9〜15のトナーは、3時間の連続液滴化において、吐出口が詰まることなく、好適にトナーを液滴化することができた。トナー特性としても、低温定着性、ブロッキング性ともに優れるものであった。
一方、比較例4、5においては、低温定着性と吐出安定性に優れるものの、耐ブロッキング性が劣る結果となった。比較例6では、トナー液滴化時に一部の吐出口が詰り、トナー材料液の液滴化ができなくなった。
実施例16の詰まりの発生した吐出口を分析すると、[結晶性ポリエステル樹脂C]が主な成分であった。吐出口の開口径に対するトナー材料液中の[結晶性ポリエステル樹脂C]の分散径(体積平均粒径)の比が30%以下の範囲外であったことが原因である。
比較例6においては、耐ブロッキング性、吐出安定性に優れるものの、結晶性ポリエステルを含んでいないために、低温定着性に劣る結果となった。
一方、比較例4、5においては、低温定着性と吐出安定性に優れるものの、耐ブロッキング性が劣る結果となった。比較例6では、トナー液滴化時に一部の吐出口が詰り、トナー材料液の液滴化ができなくなった。
実施例16の詰まりの発生した吐出口を分析すると、[結晶性ポリエステル樹脂C]が主な成分であった。吐出口の開口径に対するトナー材料液中の[結晶性ポリエステル樹脂C]の分散径(体積平均粒径)の比が30%以下の範囲外であったことが原因である。
比較例6においては、耐ブロッキング性、吐出安定性に優れるものの、結晶性ポリエステルを含んでいないために、低温定着性に劣る結果となった。
なお、前記吐出口における結晶性ポリエステル樹脂の分析は、顕微レーザーラマン分光装置にて分析し、各トナー成分と比較して、同定を行った。
本発明のトナーの製造方法は、トナー材料液を吐出する際に、吐出口が詰まることなく長時間安定してトナー材料液を吐出できるため、トナーの生産性に優れ、狭粒度分布、小粒径、優れた低温定着性を有し、耐ブロッキング性に優れるトナーを得ることができる。
<<評価方法>>
(低温定着性、及び耐高温オフセット性)
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及び高温オフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120mm〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm2、ニップ幅を4.5mmとした。
(低温定着性、及び耐高温オフセット性)
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及び高温オフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120mm〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm2、ニップ幅を4.5mmとした。
(耐熱保存性)
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性の評価基準は以下の通りとした。
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性の評価基準は以下の通りとした。
◎:残存率が10%未満
○:残存率が10%以上20%未満
△:残存率が20%以上30%未満
×:残存率が30%以上
○:残存率が10%以上20%未満
△:残存率が20%以上30%未満
×:残存率が30%以上
(画像ブロッキング性)
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、低温定着性の評価の際に求めた定着下限温度+20℃に定着温度を設定し、紙送りの線速度を120mm〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。
得られた定着画像と白紙を重ね合わせ、金属板で挟み込み、10kPaの圧力がかかるよう荷重を加えて、50℃24時間保管した後、画像と白紙を引きはがしブロッキング性の判定を行った。
なお、画像ブロッキング性の評価基準は以下の通りとした。尚、◎及び○は実用上問題がなく、△及び×は実用上問題が生じる。
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、低温定着性の評価の際に求めた定着下限温度+20℃に定着温度を設定し、紙送りの線速度を120mm〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。
得られた定着画像と白紙を重ね合わせ、金属板で挟み込み、10kPaの圧力がかかるよう荷重を加えて、50℃24時間保管した後、画像と白紙を引きはがしブロッキング性の判定を行った。
なお、画像ブロッキング性の評価基準は以下の通りとした。尚、◎及び○は実用上問題がなく、△及び×は実用上問題が生じる。
◎:画像の剥離が全く見られず、剥離時に音が発生しない。
○:画像の剥離は見られないが、剥離時に『ペリッ』と音が発生する。
△:一部画像の剥離が見られるものの、大部分は残存している。
×:画像と白紙が接着しており、剥離すると画像が大きく欠損する。
○:画像の剥離は見られないが、剥離時に『ペリッ』と音が発生する。
△:一部画像の剥離が見られるものの、大部分は残存している。
×:画像と白紙が接着しており、剥離すると画像が大きく欠損する。
(粒度分布)
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的には、ガラス製ビーカー(100mL容)に10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスホン酸塩 ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加した。次いで、各トナーをそれぞれ0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた後、イオン交換水 80mLを添加した。次いで、超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。
この分散液について、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は、前記マルチサイザーIIIが示す濃度が8±2%になるように前記トナー分散液を滴下した。2.001μm以上20.1874μ以下の粒径を対象とした。
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的には、ガラス製ビーカー(100mL容)に10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスホン酸塩 ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加した。次いで、各トナーをそれぞれ0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた後、イオン交換水 80mLを添加した。次いで、超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。
この分散液について、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は、前記マルチサイザーIIIが示す濃度が8±2%になるように前記トナー分散液を滴下した。2.001μm以上20.1874μ以下の粒径を対象とした。
トナー粒子又はトナーの体積及び個数を測定後、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めた。粒度分布の指標としては、トナーの体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除したDv/Dnを用いた。完全に単分散であればDv/Dn=1となり、この数値が大きいほど分布が広いことを意味する。
(トナー材料液の噴射時の吐出口の詰まり評価)
トナー母体粒子の作製の際、液滴吐出ヘッドをCCDカメラにより観察し、吐出口から、吐出液滴が出ているかを確認し、吐出口のつまりを評価した。
[評価基準]
○ :3時間吐出口に詰まりが生じることなく連続滴化できた
× :1時間で5割以上の吐出口に詰まりが生じた
トナー母体粒子の作製の際、液滴吐出ヘッドをCCDカメラにより観察し、吐出口から、吐出液滴が出ているかを確認し、吐出口のつまりを評価した。
[評価基準]
○ :3時間吐出口に詰まりが生じることなく連続滴化できた
× :1時間で5割以上の吐出口に詰まりが生じた
1:トナー製造装置
2:液滴吐出手段
6:トナー材料液供給口
7:トナー材料液流路
8:トナー材料液排出口
9:弾性板
10:液柱共鳴液滴吐出ユニット
11:液柱共鳴液滴吐出手段
12:気流通路
13:原料収容器
14:トナー材料液
15:液循環ポンプ
16:液供給管
17:液共通供給路
18:液柱共鳴流路
19:吐出口
20:振動発生手段
21:液滴
22:液戻り管
23:合着液滴
24:ノズル角度
60:乾燥捕集手段
61:チャンバ
62:トナー捕集手段
63:トナー貯留部
64:搬送気流導入口
65:搬送気流排出口
P1:液圧力計
P2:チャンバ内圧力計
2:液滴吐出手段
6:トナー材料液供給口
7:トナー材料液流路
8:トナー材料液排出口
9:弾性板
10:液柱共鳴液滴吐出ユニット
11:液柱共鳴液滴吐出手段
12:気流通路
13:原料収容器
14:トナー材料液
15:液循環ポンプ
16:液供給管
17:液共通供給路
18:液柱共鳴流路
19:吐出口
20:振動発生手段
21:液滴
22:液戻り管
23:合着液滴
24:ノズル角度
60:乾燥捕集手段
61:チャンバ
62:トナー捕集手段
63:トナー貯留部
64:搬送気流導入口
65:搬送気流排出口
P1:液圧力計
P2:チャンバ内圧力計
Claims (10)
- 前記芳香族リン酸エステル金属塩と前記非晶質ポリエステルとが、非相溶であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記芳香族リン酸エステル金属塩を、結晶性ポリエステル100質量部に対して0.5質量部以上2.0質量部以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂は、飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)における昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上60℃未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)における昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)が10℃以上30℃未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定において、重量平均分子量(Mw)が3,000〜30,000、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000、及び前記Mwと前記Mnとの比(Mw/Mn)が1〜10であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
- 前記請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、トナー材料を含む油相の水系媒体分散液または乳化液からトナー粒子を造粒するトナーの製造方法であり、
結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂と、芳香族リン酸エステル金属塩と、離型剤と、着色剤と、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体とが有機溶媒中に溶解乃至分散されてなる油相を、水系媒体中で分散液または乳化液とする工程と、前記水系媒体中で、前記分散液または乳化液に含まれてなる前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体と、を架橋乃至伸張反応させる工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、吐出孔から吐出して液滴化する液滴吐出ユニットにトナー材料液を供給し、前記トナー材料液の液滴を気相中に吐出し、乾燥・固化させるものであり、前記トナー材料液は、結着樹脂成分と、離型剤と、着色剤とを含み、前記結着樹脂成分は、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂とを含有し、且つ、前記結晶性ポリエステルよりも高い融点を有する芳香族リン酸エステル金属塩を含有し、前記トナー材料液中の結晶性ポリエステル樹脂の体積平均粒径が、吐出口の開口径に対して30%以下であることを特徴とするトナー製造方法。
- 前記液滴供給ユニットが、少なくとも1つ以上の吐出口が形成された液室内のトナー材料液に振動を付与することで定在波を形成させ、前記定在波の腹となる領域に配置された前記吐出口から前記トナー材料液を吐出することを特徴とする請求項9に記載のトナーの製造方法。
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2013
- 2013-01-09 JP JP2013001573A patent/JP2014026257A/ja active Pending
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