JP6260090B2 - トナー、画像形成装置、及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー、画像形成装置、及びトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー、画像形成装置、及びトナーの製造方法に関する。
従来、電子写真記録方法に基づく複写機、プリンター、ファックス、及びそれらの複合機に使用される静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)の製造方法としては粉砕法のみであったが、近年では重合法と呼ばれる、水系媒体中でトナー粒子形成する工法が広く行なわれ、粉砕法を凌駕する勢いである。重合法により製造されたトナーは「重合トナー」、または国によっては「ケミカルトナー」と呼ばれている。
重合法はトナー粒子形成時、あるいはその過程においてトナー原材料の重合反応を伴うことから、このように称される。各種重合方法が実用化されており、例えば、懸濁重合、乳化凝集、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)、エステル伸長反応などが挙げられる。
重合法で得られたトナーは総じて、粉砕法で得られたトナーに比べ、小粒径が得易い、粒径分布が狭い、形状が球形に近いといった特徴によって、これを用いることで電子写真方式での画像は高画質を得やすい利点がある。しかしその反面、重合過程に長時間を必要とし、更に、固化終了後溶媒とトナー粒子を分離し、その後洗浄乾燥を繰り返す必要が有り、多くの時間と、多量の水、エネルギーを必要とするという欠点がある。
そのため、トナーの原材料成分を有機溶媒に溶解または分散した液体(以下「トナー成分液」と称する)を、様々なアトマイザを用いて微粒子化した後に乾燥させて粉体状のトナーを得る噴射造粒法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この方法によれば、水を用いる必要が無いため、洗浄や乾燥といった工程を大幅に削減することができ、重合法の欠点を回避することができる。
特許文献1〜3に記載されたトナーの製造方法においては、ノズルからノズル径に対応した液滴を放出するものである。この方法ではトナー成分液を噴霧した後において、形成された液滴が乾燥する前に液滴同士が合着し、その状態のまま溶媒が乾燥してトナーが得られるため、結果として得られるトナーの粒度分布の広がりが避けられず、粒径分布としては満足のいくものでなかった。
このような課題に対して、多量の洗浄液、溶媒と粒子の分離の繰り返しが不要で、非常に製造効率が高く、かつ省エネルギーで、粒径分布の狭いトナーを製造できる、噴射造粒によるトナー製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。更に、結晶性ポリエステルを溶解させた状態で導入することで、定着性や保存性に優れた粒度分布の狭いトナーが製造できることも示されている(例えば、特許文献5参照)。
一方、近年、市場では画像の高品質化のための小粒径化や、省エネルギーのための低温定着が要求され、特に、省エネルギーのために、画像形成装置を使用可能な状態にしてから画像形成が可能となるまでの待機時間(装置のウォームアップタイム)に要する電力量を可能な限り小さくするために、待機時間の短縮が強く要望されている。また、より高速に印刷画像を出力できる効率性も求められている。トナーはこのような短縮された待機時間や高速出力の中で、俊敏に帯電し、現像されて良好な画質を定常的に出力される必要がある。噴射造粒によって得られるトナーは粒度分布が狭く、良好な画質を提供することが可能であるものの、このようないわゆる「帯電の立ち上がり」を向上させ、更に、高速化に対応することが求められている。
かかる課題に対しては、フッ素系界面活性剤を帯電制御材料として含有するトナー液を吐出・乾燥させることで得られるトナーも開示されている(例えば、特許文献6参照)。
また、最表面に近い部位にフッ素原子を配置させることで帯電立ち上がりを向上させたトナーが開示されている(例えば、特許文献7参照)。最表面に近い部位にフッ素原子を配置させた前記トナーにおいて、フッ素系界面活性剤が少量で十分な効果を発揮するためには、トナー最表面にフッ素系界面活性剤の多くが存在する必要がある。そこで、水中で造粒したトナーにフッ素系界面活性剤を表面処理する方法が知られている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、従来の方法では、フッ素系界面活性剤がトナー最表面の比較的薄い領域に集中し易く、長期の攪拌によるトナー表面の変性に対して、必ずしも所望の帯電立ち上がり性能が担保されず、地汚れや、トナー飛散、転写不良が起こりやすくなるという問題がある。
このように、長期にわたって良好な帯電立ち上がり性と高画質を維持する上では未だ課題が多いのが現状である。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、狭粒度分布であり、ストレスに対しても安定な帯電能力と優れた低温定着性を示し、地汚れによるプリント画像品質の劣化及びトナー飛散による画像形成装置内の汚染が抑制されたトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有することを特徴とするトナーである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決でき、狭粒度分布であり、ストレスに対しても安定な帯電能力と優れた低温定着性を示し、地汚れによるプリント画像品質の劣化及びトナー飛散による画像形成装置内の汚染が抑制されたトナーを提供することができる。
図1は、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッドの一例を示す断面図である。 図2は、液柱共鳴液滴ユニットの構成を示す断面図である。 図3Aは、液柱共鳴液室の一例を示す概略断面図である。 図3Bは、液柱共鳴液室における吐出孔の一例であり、図3Aを拡大した概略断面図である。 図3Cは、液柱共鳴液室における吐出孔の一例であり、図3Aを拡大した概略断面図である。 図3Dは、液柱共鳴液室における吐出孔の一例であり、図3Aを拡大した概略断面図である。 図3Eは、液柱共鳴液室における吐出孔の一例であり、図3Aを拡大した概略断面図である。 図4Aは、N=1の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図4Bは、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図4Cは、N=2の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図4Dは、N=3の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図5Aは、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図5Bは、N=4の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図5Cは、N=5の場合の速度及び圧力変動の定在波の一例を示す概略図である。 図6Aは、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子の一例を示す概略図である。 図6Bは、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子の一例を示す概略図である。 図6Cは、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子の一例を示す概略図である。 図6Dは、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子の一例を示す概略図である。 図6Eは、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴流路で生じる液柱共鳴現象の様子の一例を示す概略図である。 図7Aは、液滴吐出の例を示す図である。 図7Bは、駆動周波数290kHz〜395kHzの同一振幅サイン波にて駆動した際の液滴速度周波数特性を示す特性図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係るトナーの製造方法を実施するためのトナー製造装置の全体を示す断面図の一例である。 図9は、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッドの別の一例を示す断面図である。 図10は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
(トナー)
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
本発明のトナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有する。
<ポリエステル樹脂>
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−非晶性ポリエステル樹脂−
前記非晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、例えば、変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
−変性ポリエステル樹脂−
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記変性ポリエステル樹脂は、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(以下、「プレポリマー」と称することがある)を活性水酸基含有化合物と反応して製造することができる。
前記プレポリマーが有する活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボンキシル基、−COClで示される官能基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に、定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構が無い場合でも、良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合を生成することが可能なイソシアネート基等を有するポリエステル樹脂が好ましい。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体がイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂である場合には、該ポリエステル樹脂と伸長反応、架橋反応等により高分子量化できる点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記三価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
−−イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂−−
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。
−−−ポリオール−−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。なお、前記アルキレングリコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜12が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の脂肪族アルコール、三価以上のポリフェノール類、三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
−−−ポリカルボン酸−−−
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二価のアルカン酸、二価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
前記三価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と三価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合させる際の、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.02〜1.3が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
−−−ポリイソシアネート−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、前記ポリエステル樹脂の水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜3がより好ましい。前記当量比が、1未満であると、耐オフセット性が低下することがあり、5を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4が更に好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐高温オフセット性が低下することがある。
前記多価アルコール成分中にビスフェノール類のプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含有し、特定の水酸基価と酸価を有するポリエステル樹脂に対する、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5未満/95超〜25超/75未満が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。前記質量比が、5以上95以下であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、25/75を超えると、低温定着性や画像の光沢性が低下することがある。
−−未変性ポリエステル樹脂−−
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0mgKOH/g〜45.0mgKOH/gがより好ましく、15.0mgKOH/g〜45.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g〜120mgKOH/gがより好ましく、20mgKOH/g〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
−結晶性ポリエステル樹脂−
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
前記多価アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数2〜12の脂肪族ジオール化合物が挙げられる。前記炭素数2〜12の脂肪族ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールが好ましく、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジカルボン酸、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
前記炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸としては、例えば、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アルコール成分と、前記酸成分とを、適当な触媒下で縮重合反応させる方法などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜130℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましい。前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、50℃未満であると、トナーの保存性が悪くなることがあり、130℃を超えると、低温で定着することができないことがある。
前記融点は、示差走査熱量測定(DSC)で測定することができる。
具体的には、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/分間で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却して10分間放置後、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分間で加熱してDSCの測定を行う。融点は、示差走査熱量測定装置の解析システムを用いて、前記結晶性ポリエステルの融解ピーク温度を求めることで融点とする。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記融点温度未満では、ある程度規則的に分子が並び結晶構造を持つものであり、融点温度以上になると、この結晶構造は崩れ、ランダムな構造をとり、溶融した状態となるため、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを指す。
前記ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0mgKOH/g〜70mgKOH/gが好ましく、1.0mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が70mgKOH/gを超えると、帯電の環境変動が大きくなることがある。
<フッ素化合物>
前記フッ素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
−フッ素系界面活性剤−
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン性フッ素系界面活性剤、アニオン性フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カチオン性フッ素系界面活性剤が、非晶性ポリエステル樹脂の酸基と相互作用を生じる点で好ましい。
−−カチオン性フッ素系界面活性剤−−
前記カチオン性フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤が好ましく、パーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤がより好ましい。
前記フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
また、市販品としては、例えば、サーフロン(登録商標)S−l21(旭硝子株式会社製)、フロラード(登録商標)FC−135(住友スリーエム株式会社製)、ユニダイン(登録商標)DS−202(ダイキンエ業株式会社製)、メガファック(登録商標)F−150、F−824(いずれも、DIC株式会社製)、エクトップEF−l32(三菱マテリアル電子化成株式会社製)、フタージェント(登録商標)F一300、FC135(いずれも、株式会社ネオス製)などが挙げられる。
また、下記一般式(1)で表される含フッ素4級アンモニウム塩化合物が、環境変動時における帯電量の変化が少なく、安定したトナー現像剤を得ることができる点で更に好ましい。具体的には、例えば、下記構造式(1)から(54)で表される化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記一般式(1)中、Xは−SO−及び−CO−のいずれかを表し、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、YはI及びBrのいずれかを表す。r及びsは、1〜20の整数を表す。
−フッ素系界面活性剤によるトナーの修飾方法−
前記フッ素系界面活性剤による前記トナーの修飾は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂と前記カチオン性フッ素系界面活性剤をあらかじめ混合した溶解液と、前記フッ素系界面活性剤を含まない結晶性乃至非晶性ポリエステル樹脂溶解液とをそれぞれ混合して、後記のトナー製造方法にて吐出することで得ることができる。フッ素系界面活性剤と事前に混合された非晶性ポリエステル樹脂は、その酸基と前記フッ素系界面活性剤のカチオン性基との相互作用で結合が促される。これにより、前記非晶性ポリエステル樹脂は吐出時の有機溶剤乾燥過程でトナー粒子の表面に配向されやすくなり、表面より内側深さ方向に向かってフッ素系界面活性剤で修飾、被覆されたトナーを形成することができる。
前記フッ素系界面活性剤由来となるフッ素原子の分布状態は、例えば、TEMによるトナー割断面の観察と、エネルギー分散形X線分光器(EDS)による元素分析によって知ることができる。このとき、フッ素元素マッピングで得られた画像の強度差を基に前記フッ素系界面活性剤による被覆層(以下、「フッ素含有層」とも称する)を同定する。その際、任意に30点サンプリングした前記フッ素含有層の深さの平均値をフッ素含有層の深さと定義する。本発明のトナーにおいては、前記フッ素含有層の深さは0.40μm〜1.00μmの範囲に分布している。前記フッ素含有層の深さが0.40μm未満だと帯電立ち上がりは良好であるが、装置内部のストレスに伴う帯電立ち上がり性能が損なわれやすくなる場合がある。前記フッ素含有層の深さが1.00μmより大きいと、トナー粒界の結着性が損なわれ、低温定着性が損なわれる場合がある。
前記カチオン性フッ素系界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー粒子固形分に対し0.01質量%〜1質量%が好ましい。前記含有量が0.01質量%未満では、トナーの十分な立ち上がり帯電性能が得られない場合があり、1質量%を超えるとトナーの十分な低温定着性能が得られない場合がある。
また、前記カチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合される非結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、前記カチオン性フッ素系界面活性剤と混合されないポリエステル樹脂の酸価以下であることが好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、前記ポリエステル樹脂の酸価より大きいと、前記カチオン性フッ素系界面活性剤をトナー表面近傍に集約させづらく、帯電立ち上がりが不十分になる場合がある。
前記カチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合される非結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、トナーを構成する樹脂中の3質量%〜20質量%であることが好ましい。前記含有量が3質量%未満では、フッ素系界面活性剤によるフッ素含有層厚みが十分に得られず、経時で帯電立ち上がりが損なわれる場合がある。また、前記含有量が20質量%よりも大きいと、トナー最表面におけるフッ素系界面活性剤の含有量が相対的に少なくなり、帯電立ち上がりが不十分になる場合がある。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類及びワックス類の離型剤などが挙げられる。
前記ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、前記離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックスなどが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上95℃未満が好ましい。
前記離型剤としては、例えば、融点が60℃以上95℃未満の炭化水素系ワックスなども挙げられる。このような離型剤は、定着ローラとトナー界面との間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても耐高温オフセット性を向上させることができる。
特に、炭化水素系ワックスは、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性がほとんど無く、互いに独立して機能することができるため、結晶性ポリエステル樹脂の結着樹脂としての軟化効果、離型剤のオフセット性を損なうことがない点で好ましい。
前記離型剤の融点が60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が劣ることがある。前記離型剤の融点が95℃以上であると、定着時の加熱による離型剤の溶融が不十分で、充分なオフセット性が得られない場合がある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜10質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10質量部を越えると、耐熱保存性が悪化すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
−外添剤−
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、例えばR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、疎水化処理されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものがより好ましい。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法としては、例えば、ポリエステル樹脂、着色剤、フッ素化合物及び離型剤を含有する組成物を有機溶剤に溶解又は分散させた混合液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程とからなる製造方法などが挙げられる。
前記製造方法の中でも、前記液滴形成工程において、前記混合液はあらかじめカチオン性フッ素系界面活性剤と混合された少なくとも1種類の非晶性ポリエステルの溶解液を含んで成り、前記非晶性ポリエステルの酸価はカチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合されないポリエステル樹脂の酸価以下である製造方法が好ましい。
また、前記カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である製造方法がより好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法の別の一例としては、ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を調製するトナー組成液調製工程と、少なくとも1つの吐出孔から前記トナー組成液を吐出して液滴化する液滴形成工程と、前記液滴化したトナー組成液中の前記有機溶剤を乾燥させて固化させる液滴固化工程とを含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる方法が挙げられる。当該方法においては、前記ポリエステル樹脂及び前記フッ素化合物は、液滴化する前の前記トナー組成液中に溶解している。
前記トナーの製造方法及び製造装置の一例を、以下において図1〜図8を用いて説明する。
前記製造手段は、液滴吐出手段、液滴固化捕集手段に分けられる。
−液滴吐出手段−
前記液滴吐出手段としては、吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段などが挙げられる。前記膜振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2008−292976号公報に記載の手段などが挙げられる。前記レイリー分裂タイプ吐出手段としては、例えば、特許第4647506号公報に記載の手段などが挙げられる。前記液振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2010−102195に記載の手段などが挙げられる。
液滴の粒径分布を狭く、且つ、トナーの生産性を確保するためには、複数の吐出口が形成された液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された吐出口から液体を吐出する液柱共鳴タイプ吐出手段を用いる液柱共鳴タイプ吐出方法が好ましい。
−−液柱共鳴タイプ吐出手段及び液柱共鳴タイプ吐出方法−−
図1に液柱共鳴タイプ吐出手段11を示す。液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口と、吐出口と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
前記吐出手段より吐出される液体としては、得ようとしている微粒子の成分が溶解又は分散させた分散された状態のもの(微粒子成分含有液)で、吐出させる条件下で液体であれば、溶媒を含まなくてもよい(以下、「トナー成分液」と称する)。トナー成分液14は図示されない液循環ポンプにより液供給管を通って、図2に示す液柱共鳴液滴形成ユニット10の液共通供給路17内に流入し、図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11の液柱共鳴液室18に供給される。そして、トナー成分液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。液柱共鳴定在波において振幅の大きな部分であって圧力変動が大きい、定在波の腹となる領域に配置されている吐出口から液滴21が吐出される。この液柱共鳴による定在波の腹となる領域とは、定在波の節以外の領域を意味するものである。好ましくは、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域であり、より好ましくは圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/4波長の範囲である。定在波の腹となる領域であれば、吐出口が複数で開口されていても、それぞれからほぼ均一な液滴を形成することができ、更には効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出口の詰まりも生じ難くなる。なお、液共通供給路17を通過したトナー成分液14は図示されない液戻り管を流れて原料収容器に戻される。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内のトナー成分液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給されるトナー成分液14の流量が増加し、液柱共鳴液室18内にトナー成分液14が補充される。そして、液柱共鳴液室18内にトナー成分液14が補充されると、液共通供給路17を通過するトナー成分液14の流量が元に戻る。
液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室18は、金属やセラミックス、シリコンなどの駆動周波数において液体の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ材質により形成されるフレームがそれぞれ接合されて形成されている。また、図1に示すように、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLは、後述するような液柱共鳴原理に基づいて決定される。また、図2に示す液柱共鳴液室18の幅Wは、液柱共鳴に余分な周波数を与えないように、液柱共鳴液室18の長さLの2分の1より小さいことが望ましい。更に、液柱共鳴液室18は、生産性を飛躍的に向上させるために1つの液滴形成ユニット10に対して複数配置されているほうが好ましい。その範囲に限定はないが、100個〜2,000個の液柱共鳴液室18が備えられた1つの液滴形成ユニットであれば操作性と生産性が両立でき、好ましい。また、液柱共鳴液室毎に、液供給のための流路が液共通供給路17から連通接続されており、液共通供給路17には複数の液柱共鳴液室18と連通している。
また、液柱共鳴液滴吐出手段11における振動発生手段20は所定の周波数で駆動できるものであれば特に制限はないが、圧電体を、弾性板9に貼りあわせた形態が好ましい。弾性板は、圧電体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を構成している。圧電体は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さいため積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶などが挙げられる。更に、振動発生手段20は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されていることが好ましい。また、上記の1つの材質のブロック状の振動部材を液柱共鳴液室の配置にあわせて、一部切断し、弾性板を介してそれぞれの液柱共鳴液室を個別制御できるような構成が好ましい。
更に、吐出口の開口部の直径(D)は、1μm〜40μmの範囲であることが好ましい。1μmより小さいと、形成される液滴が非常に小さくなるためトナーを得ることができない場合があり、またトナーの構成成分として顔料などの固形微粒子が含有された構成の場合、吐出口において閉塞を頻繁に発生して生産性が低下する恐れがある。また、40μmより大きいと、液滴の直径が大きく、これを乾燥固化させて、所望のトナー粒径3μm〜6μmを得る場合、有機溶媒でトナー組成を非常に希薄な液に希釈する必要がある場合がある。その結果、一定量のトナーを得るために乾燥エネルギーが大量に必要となってしまい、不都合となる。また、図2からわかるように、吐出口19を液柱共鳴液室18内の幅方向に設ける構成を採用することは、吐出口19の開口を多数設けることができ、生産効率が高くなるために好ましい。また、吐出口19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが好ましい。
吐出口19の断面形状は図1で開口部の径が小さくなるようなテーパー形状として記載されているが、適宜断面形状を選択することができる。
図3Aに液柱共鳴液室の一例を示す。図3B〜3Eに、吐出口19の取りうる断面形状を示す。図3Bは吐出口19の接液面から吐出口に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有しており、薄膜41が振動した際に吐出口19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
図3Cは吐出口19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるような形状を有しており、このノズル角度44は適宜変更することができる。図3Bと同様、このノズル角度によって薄膜41が振動したときの吐出口19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができる。ノズル角度44としては、60°〜90°が好ましい。前記ノズル角度44が60°未満であると、トナー成分液に圧力がかかりにくく、更に、薄膜41の加工もし難いため好ましくない。前記ノズル角度44が90°である場合は図3Dが相当するが出口に圧力がかかりにくくなる。前記ノズル角度44が90°より大きいと孔12の出口に圧力がかからなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
図3Eは図3Bと図3Cを組み合わせた形状である。このように段階的に形状を変更しても構わない。
次に、液柱共鳴における液滴形成ユニットによる液滴形成のメカニズムについて説明する。
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、液柱共鳴液室内のトナー成分液の音速をcとし、振動発生手段20から媒質であるトナー成分液に与えられた駆動周波数をfとした場合、液体の共鳴が発生する波長λは、下記数式1の関係にある。
λ=c/f ・・・(数式1)
また、図1の液柱共鳴液室18において固定端側のフレームの端部から液共通供給路17側の端部までの長さをLとし、更に液共通供給路17側のフレームの端部の高さh1(例えば、約80μm)は連通口の高さh2(例えば、約40μm)の約2倍あり当該端部が閉じている固定端と等価であるとした両側固定端の場合には、長さLが波長λの4分の1の偶数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、次の数式2で表現される。
L=(N/4)λ ・・・(数式2)
ただし、前記数式2においてNは偶数を表す。
更に、両端が完全に開いている両側開放端の場合にも前記数式2が成り立つ。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、前記数式2のNが奇数で表現される。
最も効率の高い駆動周波数fは、上記数式1と上記数式2より、下記数式3で導かれる。
f=N×c/(4L) ・・・(数式3)
しかし、実際には、液体は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する数式4、5に示すように、数式3に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
図4A〜図4DにN=1、2、3の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示し、かつ図5A〜図5CにN=4、5の場合の速度及び圧力変動の定在波の形状(共鳴モード)を示す。本来は疎密波(縦波)であるが、図4A〜図4D及び図5A〜図5Cのように表記することが一般的である。実線が速度定在波、点線が圧力定在波である。例えば、N=1の片側固定端の場合を示す図4Aからわかるように、速度分布の場合閉口端で速度分布の振幅がゼロとなり、開口端で振幅が最大となり、直感的にわかりやすい。液柱共鳴液室の長手方向の両端の間の長さをLとしたとき、液体が液柱共鳴する波長をλとし、整数Nが1〜5の場合に定在波が最も効率よく発生する。また、両端の開閉状態によっても定在波パターンは異なるため、それらも併記した。後述するが、吐出口の開口や供給側の開口の状態によって、端部の条件が決まる。なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。理想的に完全に閉口、もしくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図4A〜図4D及び図5A〜図5Cのような形態の共鳴定在波を生じるが、吐出口数、吐出口の開口位置によっても定在波パターンは変動する。上記数式3より求めた位置からずれた位置に共鳴周波数が現れるが、適宜駆動周波数を調整することで安定吐出条件を作り出すことができる。例えば、液体の音速cが1,200m/s、液柱共鳴液室の長さLが1.85mmを用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と完全に等価のN=2の共鳴モードを用いた場合、上記数式(2)より、最も効率の高い共鳴周波数は324kHzと導かれる。他の例では、液体の音速cが1,200m/s、液柱共鳴液室の長さLが1.85[mm]と、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、上記数式(2)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構成の液柱共鳴液室においても、より高次の共鳴を利用することができる。
図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室は、両端が閉口端状態と等価であるか、吐出口の開口の影響で、音響的に軟らかい壁として説明できるような端部であることが周波数を高めるためには好ましいが、それに限らず開放端であってもよい。ここでの吐出口の開口の影響とは、音響インピーダンスが小さくなり、特にコンプライアンス成分が大きくなることを意味する。よって、図4B及び図5Aのような液柱共鳴液室の長手方向の両端に壁面を形成する構成は、両側固定端の共鳴モード、そして吐出口側が開口とみなす片側開放端の全ての共鳴モードが利用できるために、好ましい構成である。
また、吐出口の開口数、開口配置位置、吐出口の断面形状も駆動周波数を決定する因子となり、駆動周波数はこれに応じて適宜決定することができる。例えば吐出口の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液供給路側に存在する吐出口の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出口の断面形状がラウンド形状となったりフレームの厚さによる吐出口の体積が変動したり、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生手段に電圧を与
えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。 また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記数式4及び数式5で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出口から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦N×c/(4Le) ・・・(数式4)
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(数式5)
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
以上説明した液柱共鳴現象の原理を用いて、図1の液柱共鳴液室18において液柱共鳴圧力定在波が形成され、液柱共鳴液室18の一部に配置された吐出口において連続的に液滴吐出が発生するのである。なお、定在波の圧力が最も大きく変動する位置に吐出口を配置すると、吐出効率が高くなり、低い電圧で駆動することができる点で好ましい。また、吐出口は1つの液柱共鳴液室18に1つでもよいが、複数個配置することが生産性の観点から好ましい。具体的には、2個〜100個の間であることが好ましい。100個を超えた場合、100個の吐出口から所望の液滴を形成させようとすると、振動発生手段20に与える電圧を高く設定する必要が生じ、振動発生手段20としての圧電体の挙動が不安定となる。また、複数の吐出口を開孔する場合、吐出口間のピッチは20μm以上、液柱共鳴液室の長さ以下であることが好ましい。吐出口間のピッチが20μmより小さい場合、隣り合う吐出口より放出された液滴同士が衝突して大きな滴となってしまう確率が高くなり、トナーの粒径分布悪化につながる。
次に、液滴形成ユニットにおける液滴吐出ヘッド内の液柱共鳴液室で生じる液柱共鳴現象の様子について当該様子を示す図6A〜図6Eを用いて説明する。なお、同図において、液柱共鳴液室内に記した実線は液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を+とし、その逆方向を−とする。また、液柱共鳴液室内に記した点線は液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を+とし、負圧は−とする。また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。更に、同図において、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路17と液柱共鳴液室18とが連通する開口の高さ(図1に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図1に示す高さh1)が約2倍以上であるため、液柱共鳴液室18はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
図6Aは液滴吐出時の液柱共鳴液室18内の圧力波形と速度波形を示している。
また、図6Bは液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの図6A、図6Bに示すように、液柱共鳴液室18における吐出口19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6Cに示すように、吐出口19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
そして、図6Dに示すように、吐出口19付近の圧力は極小になる。このときから液柱共鳴液室18へのトナー成分液14の充填が始まる。その後、図6Eに示すように、吐出口19付近の負の圧力は小さくなり、正圧の方向へ移行する。この時点で、トナー成分液14の充填が終了する。そして、再び、図6Aに示すように、液柱共鳴液室18の液滴吐出領域の正の圧力が極大となって、吐出口19から液滴21が吐出される。このように、液柱共鳴液室内には振動発生手段の高周波駆動によって液柱共鳴による定在波が発生し、また圧力が最も大きく変動する位置となる液柱共鳴による定在波の腹に相当する液滴吐出領域に吐出口19が配置されていることから、当該腹の周期に応じて液滴21が吐出口19から連続的に吐出される。
次に、実際に液柱共鳴現象によって液滴が吐出された構成の一例について説明する。この一例は、図1において液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85mm、N=2の共鳴モードであって、第1〜第4の吐出口がN=2モード圧力定在波の腹の位置に吐出口を配置し、駆動周波数を340kHzのサイン波で行った吐出をレーザーシャドウグラフィ法にて撮影した様子を図7Aに示す。同図からわかるように、非常に径の揃った、速度もほぼ揃った液滴の吐出が実現していた。また、図7Bは駆動周波数290kHz〜395kHzの同一振幅サイン波にて駆動した際の液滴速度周波数特性を示す特性図である。同図からわかるように、第1〜第4のノズルにおいて駆動周波数が340kHz付近では各ノズルからの吐出速度が均一となって、かつ最大吐出速度となっていた。この結果から、液柱共鳴周波数の第2モードである340kHzにおいて、液柱共鳴定在波の腹の位置で均一吐出が実現していることがわかる。また、図7Bの特性結果から、第1モードである130kHzにおいての液滴吐出速度ピークと、第2モードである340kHzにおいての液滴吐出速度ピークとの間では液滴は吐出しないという、液柱共鳴の特徴的な液柱共鳴定在波の周波数特性が液柱共鳴液室内で発生していることがわかる。
−液滴固化捕集手段−
先に説明した液滴吐出手段から気体中に吐出させたトナー成分液の液滴を液滴固化手段を用いて固化させた後に、固化粒子捕集手段を用いて捕集することで本発明のトナーを得ることができる。
−−液滴固化手段−−
前記液滴を固化させる手段としては、トナー成分液の性状によって適宜選択でき、トナー成分液を固体状態にできれば手段を問わない。
例えば、トナー成分液が固体原材料を揮発可能な溶媒に溶解又は分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中で液滴を乾燥させる。即ち、溶媒を揮発させることで達成することができる。溶媒の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類等を適宜選定して乾燥状態を調整することができる。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。前記例に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用で達成してもよい。
−−固化粒子捕集手段−−
固化した液滴粒子は、公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集手段、バックフィルターなどによって気中から回収することができる。
図8は、本発明のトナーの製造方法を実施する装置の一例の断面図である。トナー製造装置1は、主に、液滴吐出手段2及び乾燥捕集ユニット60を含んで構成されている。
液滴吐出手段2には、トナー成分液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー成分液14を液供給管16を通して液滴吐出手段2に供給し、更に液戻り管22を通って原料収容器13に戻すために液供給管16内のトナー成分液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結されており、トナー成分液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。液供給管16にはP1、乾燥捕集ユニットにはP2の圧力測定器が設けられており、液滴吐出手段2への送液圧力および、乾燥捕集ユニット内の圧力は圧力計P1、P2によって管理される。このときに、P1>P2の関係であると、トナー成分液1が孔12から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
チャンバー61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力よってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、固化粒子捕集手段62によって捕集される。
噴射された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し一つの粒子になってしまう(以下この現象を合着と呼ぶ)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴どうしの距離を保つ必要がある。しかしながら、噴射された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、やがて失速する。失速した粒子には後から噴射された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下を無くし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶ。
例えば、搬送気流101は図1に示されるように、その一部を第1の気流として液滴吐出手段近傍に液滴吐出方向と同一方向に配置することで、液滴吐出直後の液滴速度低下を防ぎ、合着を防止することができる。あるいは、図9に示すように吐出方向に対して横方向であってもよい。あるいは図示していないが角度を持っていてもよく、液滴吐出手段より液滴が離れるような角度を持っていることが望ましい。図9のように液滴吐出に対して横方向から合着防止気流を与える場合は、吐出口から合着防止気流によって液滴が搬送された際に軌跡が重ならないような方向であることが望ましい。
上記のように第1の気流によって合着を防いだ後に、第2の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
第1の気流の速度は液滴噴射速度と同じかそれ以上であることが望ましい。液滴噴射速度より合着防止気流の速度が遅いと、合着防止気流本来の目的である液滴粒子を接触させないという機能を発揮させることが難しい。
第1の気流の性状は、液滴同士が合着しないような条件を追加することができ、第2の気流と必ずしも同じでなくともよい。また、合着防止気流に粒子表面の固化を促進させるような化学物質を混入したり、物理的作用期待して付与してもよい。
搬送気流101は特に気流の状態として限定されることは無く層流や旋回流や乱流であっても構わない。搬送気流101を構成する気体の種類は特に限定は無く、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いてもよい。また、搬送気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動の無いことが望ましい。またチャンバー61内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は液滴21同士の合着を防止するだけでなく、チャンバー61に付着することを防止することに用いてもよい。
図8で示された乾燥捕集手段によって得られたトナー粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合はこれを低減するために、必要に応じて、二次乾燥が行われる。二次乾燥としては、流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。有機溶剤がトナー中に残留すると、耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく、加熱による定着時において有機溶剤が揮発する。そこで、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
<トナーの物性>
前記トナーは、体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有する狭粒度分布ものである。
前記トナーの粒径(粒度)分布は、フロー式粒子像解析装置(例えば、FPIA−3000、シスメックス株式会社製)により測定することができる。
前記トナーとしては、飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオン対するCFCFCFの相対イオン強度が0.02%〜0.40%であるものが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーと、キャリアとを少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト等のキャリア、樹脂コートキャリアなどを挙げることができる。
前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子と該キャリアコア粒子の表面を被覆(コート)する樹脂である樹脂被覆材とからなる。
−キャリアコア粒子−
前記キャリアコアの磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又はこれらの合金などが挙げられる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどが挙げられる。
これらの磁性材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの磁性材料の中でも、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが特に好ましい。
また、前記キャリアコア粒子として、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアを用いることもできる。
−樹脂被覆材−
前記被覆に使用する樹脂(樹脂被覆材)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆材として使用できる樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記樹脂被覆材としては、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、フッ素含有樹脂とスチレン系共重合体との混合物、シリコーン樹脂などが好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリ酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合(10:90〜90:10(共重合体質量比))とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
(10:90〜90:10(共重合体質量比))とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(20〜60:5〜30:10:50(共重合体質量比))との混合物などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、含窒素シリコーン樹脂及び含窒素シランカップリング剤と、シリコーン樹脂とが反応することにより生成された、変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
2種以上の混合物の前記樹脂被覆材で前記キャリアコア粒子(磁性材料)を被覆する使用例としては、(1)酸化チタン微粉体100質量部に対して、ジメチルジクロロシランとジメチルシリコーンオイル(1:5(質量比))の混合物12質量部で処理したもの、(2)シリカ微粉体100質量部に対して、ジメチルジクロロシランとジメチルシリコーンオイル(1:5(質量比))の混合物20質量部で処理したものなどが挙げられる。
前記樹脂コートキャリアにおいて、前記キャリアコア粒子の表面を少なくとも前記樹脂被覆剤で被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂を溶剤中に溶解又は懸濁せしめて塗布したキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法などが挙げられる。
前記樹脂コートキャリアに対する前記樹脂被覆材の使用割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂コートキャリア100質量部に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜1質量%がより好ましい。
前記キャリアの体積抵抗値としては、特に制限はなく、キャリアの表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量などに応じて適宜調整することにより設定することができるが、10Ω・cm〜1010Ω・cmが好ましい。
前記キャリアの平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましい。これらの中でも、前記樹脂コートキャリアの粒径としては、50%粒径が20μm〜70μmが特に好ましい。
前記現像剤における前記キャリアの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、キャリア100質量部に対して、本発明のトナーが、1質量部〜200質量部が好ましく、2質量部〜50質量部がより好ましい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を含有してなる。前記画像形成装置において使用する現像剤が、上述の本発明の現像剤である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
<帯電手段>
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
<露光手段>
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段>
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好ましい。前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記現像剤の一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該現像剤により現像されて該電子写真感光体の表面に該現像剤による可視像が形成される。
<転写手段>
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
−定着手段−
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
−除電手段−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが好適に挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータなどの機器が挙げられる。
[画像形成装置の実施形態]
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図10は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1aの周りに、帯電手段3a、露光手段5a、現像手段6a、転写手段10aなどが配置される。
まず、図10に示す帯電手段3aにより、電子写真感光体1aが平均的に帯電される。帯電手段3aとしては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、図10に示す露光手段5aにより、均一に帯電された電子写真感光体1上に静電潜像が形成される。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、図10に示す現像手段6aにより、電子写真感光体1a上に形成された静電潜像が可視化される。この現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法などが挙げられる。電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、図10に示す転写手段10aにより、電子写真感光体1上で可視化されたトナー像が記録媒体9a上に転写される。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。転写手段10aとしては、転写チャージャ、バイアスローラー等を用いる静電転写方式;粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式;磁気転写方式などが利用可能である。
更に必要に応じて、図10に示す記録媒体9aを電子写真感光体1aより分離する手段として分離チャージャ11a、分離爪12aを用いてもよい。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11aとしては、前記帯電手段が利用可能である。また、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ14a、クリーニングブレード15a等のクリーニング手段が用いられ、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13aを用いてもよい。その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。また、電子写真感光体1a上の潜像が取り除くために除電手段2aを用いてもよい。除電手段2aとしては、除電ランプ、除電チャージャなどが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
−トナー製造装置−
図8に示されるような構成のトナー製造装置を用いトナーの製造を行った。
各手段のサイズ・条件を以下に記載する。
−−液柱共鳴液滴吐出手段−−
液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85mm、N=2の共鳴モードであって、第1から第4の吐出孔がN=2モード圧力定在波の腹の位置に吐出孔を配置したものを用いた。駆動信号発生源はファンクションジェネレーターWF1973(株式会社エヌエフ回路ブロック製)を用い、ポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段に接続した。この時の駆動周波数は液共鳴周波数に合わせて340kHzとした。
−−トナー捕集部−−
チャンバー61の内径はφ400mm、高さは2000mmの円筒形で垂直に固定されており、上端部と下端部が絞られており、搬送気流導入口の径はφ50mm、搬送気流出口の径はφ50mmである。液滴吐出手段2はチャンバー61内上端より300mmの高さでチャンバー61の中央に配置されている。搬送気流は10.0m/s、40℃の窒素とした。
(調製例1)
<非結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物0.7モル及びビスフェノールAエチレンオキシド付加物0.3モル、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モル及び無水トリメリット酸0.07モル、エステル化触媒としてオクチル酸スズを、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、170℃で4時間縮重合反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、更に8kPaにて1時間反応させることにより、非結晶性ポリエステル樹脂1を合成した。得られた非結晶性ポリエステル樹脂1の重量平均分子量Mwは95,000、ガラス転移温度は60.3℃、酸価は5mgKOH/gであった。
(調製例2)
<非結晶性ポリエステル樹脂2の合成>
アルコール成分として、エチレングリコール44.6モル、ネオペンチルグリコール55.4モル、カルボン酸成分としてテレフタル酸85.8モル、イソフタル酸8モル、フタル酸3.2モル、アジピン酸3モルを用いたこと以外は、調製例1と同様にして非結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。得られた非結晶性ポリエステル樹脂2の重量平均分子量Mwは35,000、ガラス転移温度は59℃、酸価は16mgKOH/gであった。
(実施例1)
<トナー1の製造>
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400、Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(LMZ型、アシザワファインテック株式会社製、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
−ワックス分散液の調製−
次にワックス分散液を調製した。
カルナバワックス18質量部、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したワックス分散剤2質量部を、酢酸エチル80質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温し、カルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。得られた分散液を、更にビーズミル(LMZ型、アシザワファインテック株式会社製、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調製した。
−溶解乃至分散液の調製−
結着樹脂としての樹脂、上記着色剤分散液及び上記ワックス分散液を添加した下記組成からなるトナー成分液を調製した。
非結晶性ポリエステル樹脂1 10質量部を酢酸エチル90質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して溶解させた。次にカチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150(DIC株式会社製)を固形分で0.3質量部加えて50℃で30分間攪拌させて溶解液1を作製した。
更に、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を90質量部、前記着色剤分散液30質量部、前記ワックス分散液30質量部、酢酸エチル750質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に溶解、分散させた。ここに前記溶解液1を投入して均一に混合した。溶解、分散時のショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
−トナーの製造−
前述のトナー製造装置を用いて、作製したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー1を製造した。
(実施例2)
<トナー2の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤フタージェント310(株式会社ネオス製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を製造した。
(実施例3)
<トナー3の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤フロラードFC−135(住友3M株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー3を製造した。
(実施例4)
<トナー4の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー4を製造した。
(実施例5)
<トナー5の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を20質量部とし、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.5質量部とし、更に、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を80質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー5を製造した。
(実施例6)
<トナー6の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を10質量部とし、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.1質量部とし、更に、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を90質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー6を製造した。
(実施例7)
<トナー7の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で2質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を製造した。
(実施例8)
<トナー8の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を非結晶性ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を製造した。
(実施例9)
<トナー9の製造>
実施例1において、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を非結晶性ポリエステル樹脂2に替えた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を製造した。
(比較例1)
<トナー10の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を4質量部とし、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を96質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー10を製造した。
(比較例2)
<トナー11の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を25質量部とし、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を75質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー11を製造した。
(比較例3)
<トナー12の製造>
結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を100質量部と、前記着色剤分散液30質量部と、前記ワックス分散液30質量部と、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.3質量部とを、酢酸エチル840質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して50℃で30分間攪拌を行い、均一に溶解、分散させた。溶解、分散時のショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
前述のトナー製造装置を用いて、製造したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー12を製造した。
(比較例4)
<トナー13の製造>
結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を100質量部と、前記着色剤分散液30質量部と、前記ワックス分散液30質量部とを、酢酸エチル840質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
前述のトナー製造装置を用いて、製造したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集し、捕集したトナー粒子を、水100質量部に対し、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)を固形分で1質量部添加したものを入れた水槽に貯めた後、前記トナー粒子分散液を攪拌した。濾別し、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。得られたケーキを更に、蒸留水に固形分10質量%になる様に再分散した。そこへ攪拌下、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150の1質量%水溶液をトナー固形分に対しカチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150の固形分が0.3質量%となるように徐々に添加した。
その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー13を製造した。
<<粒径分布の測定>>
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナー(トナー1〜13)について、粒径分布を測定した。
各トナーの粒径分布をフロー式粒子像解析装置(FPIA−3000、シスメックス株式会社製)用いて測定した。これを3回繰り返して粒径を測定した。
最頻粒径、及び第2の最頻粒径を求めた。結果を表1に示す。
<<フッ素含有層深さの測定>>
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナーについて、フッ素系界面活性剤由来となるフッ素原子の分布状態を、TEMによるトナー割断面の観察と、エネルギー分散形X線分光器(EDS)による元素分析によって測定した。
各トナーのフッ素含有層深さを表1に示す。
<<CFCFCFの相対イオン強度の測定>>
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナーについて、CFCFCFの相対イオン強度を測定した。
結果を表1に示す。
得られた実施例1〜9、及び比較例1〜4の各トナーについて、以下の評価を行った。
<<帯電立ち上り性評価>>
温度20℃、湿度50%の試験室でキャリア100質量部と実施例1〜9、比較例1〜4のトナー各5質量部をステンレスのポットに仕込み、ボールミル架台上で一定回転数で回転混合させて現像剤を得た。
回転スタートから15秒間後に停止させ得られた前記現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
結果を表2に示す。
<<飽和帯電量>>
帯電立ち上り性評価と同様の条件で、回転スタートから10分間回転混合後の現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
結果を表2に示す。
<<地汚れ評価>>
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準で評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎ :画像背景部に地汚れの発生がない
○ :画像出力に伴い画像背景部に地汚れが発生するが実使用上問題ない
△ :画像出力に伴い画像背景部に地汚れが発生しており実使用上問題がある
× :画像出力初期より画像背景部に地汚れが発生しており、実使用上問題がある
<<トナー飛散性評価>>
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視にて、下記基準により4段階で評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎ :画像形成装置内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である
○ :画像出力に伴い画像形成装置内のトナー汚染がわずかに認められるが、良好な状態である
△ :画像出力に伴い画像形成装置内のトナー汚染が認められ、実使用不可能なレベルである
× :画像形成装置内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである
<<定着下限温度評価>>
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いた。
株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有することを特徴とするトナーである。
<2> フッ素化合物がカチオン性フッ素系界面活性剤である前記<1>に記載のトナーである。
<3> カチオン性フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤である前記<2>に記載のトナーである。
<4> パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物である前記<3>に記載のトナーである。
ただし、前記一般式(1)において、Xは−SO−及び−CO−のいずれかを表し、R〜Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基及びアリール基のいずれかを表し、YはI及びBrのいずれかを表す。r及びsは1〜20の整数を表す。
<5> 飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオンに対するCFCFCFの相対イオン強度が0.02%〜0.40%である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を有機溶媒に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程によって得られる前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 液滴形成工程において、混合液はあらかじめカチオン性フッ素系界面活性剤と混合された少なくとも1種類の非晶性ポリエステルの溶解液を含んで成り、前記非晶性ポリエステルの酸価はカチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合されないポリエステル樹脂の酸価以下である前記<6>に記載のトナーである。
<8> カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である前記<7>に記載のトナーである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤である。
<10> 電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、前記トナーが前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<11> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を調製するトナー組成液調製工程と、
少なくとも1つの吐出孔から前記トナー組成液を吐出して液滴化する液滴形成工程と、
前記液滴化したトナー組成液中の前記有機溶剤を乾燥させて固化させる液滴固化工程とを含み、
前記ポリエステル樹脂及び前記フッ素化合物が、液滴化する前の前記トナー組成液中に溶解していることを特徴とするトナーの製造方法である。
1 トナー製造装置
2 液滴吐出手段
6 トナー成分液供給口
7 トナー成分液流路
8 トナー成分液排出口
9 弾性板
10 液柱共鳴液滴吐出ユニット
11 液柱共鳴液滴吐出手段
12 気流通路
13 原料収容器
14 トナー成分液
15 液循環ポンプ
16 液供給管
17 液共通供給路
18 液柱共鳴流路
19 吐出口
20 振動発生手段
21 液滴
22 液戻り管
23 合着液滴
24 ノズル角度
60 乾燥捕集手段
61 チャンバー
62 トナー捕集手段
63 トナー貯留部
64 搬送気流導入口
65 搬送気流排出口
P1 液圧力計
P2 チャンバー内圧力計
1a 電子写真感光体
3a 帯電手段
5a 露光手段
6a 現像手段
10a 転写手段
特許第3786034号公報 特許第3786035号公報 特開昭57−201248号公報 特開2006−293320号公報 特開2012−093425号公報 特開2009−116049号公報 特開2007−108731号公報 特許第4030907号公報

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、
    前記フッ素化合物が、パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤であり、
    前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に前記体積基準粒度分布のうち2番目に大きなピークを与える粒径を有し、
    以下に規定する深さの平均値で定義されるフッ素含有層の深さが0.40μm〜1.00μmの深さの範囲内である前記フッ素含有層を有し、
    飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオンに対するCF CF CF の相対イオン強度が、0.02%〜0.40%であることを特徴とするトナー。
    ここで、エネルギー分散型X線分光器によるフッ素元素マッピングで得られた画像の強度差を基に同定したカチオン性フッ素系界面活性剤による被覆層(すなわちフッ素含有層)を同定し、任意に30点サンプリングしたフッ素含有層の深さの平均値をフッ素含有層の深さとする。
  2. パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載のトナー。
    ただし、前記一般式(1)において、Xは−SO −及び−CO−のいずれかを表し、R 〜R は互いに独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基及びアリール基のいずれかを表し、YはI及びBrのいずれかを表す。r及びsは1〜20の整数を表す。
  3. 飽和帯電量が、―55μC/gから―48μC/gである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、
    ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びカチオン性フッ素界面活性剤を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程によってトナーを得るトナーの製造方法。
  5. トナー組成液におけるポリエステル樹脂が、少なくとも2種類の非晶性ポリエステルを有し、
    液滴形成工程に供される前記トナー組成液が、カチオン性フッ素系界面活性剤と混合された少なくとも1種類の非晶性ポリエステルの溶解液と、前記カチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合されていなかった他の非晶性ポリエステル、着色剤、及び離型剤を有機溶剤に溶解又は分散させた液とを混合して得られ、
    前記少なくとも1種類の非晶質ポリエステルの酸価が、前記他の非晶質ポリエステルの酸価以下である請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、前記トナーが請求項1から3のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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