JP6260090B2 - トナー、画像形成装置、及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
重合法はトナー粒子形成時、あるいはその過程においてトナー原材料の重合反応を伴うことから、このように称される。各種重合方法が実用化されており、例えば、懸濁重合、乳化凝集、ポリマー懸濁(ポリマー凝集)、エステル伸長反応などが挙げられる。
そのため、トナーの原材料成分を有機溶媒に溶解または分散した液体(以下「トナー成分液」と称する)を、様々なアトマイザを用いて微粒子化した後に乾燥させて粉体状のトナーを得る噴射造粒法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この方法によれば、水を用いる必要が無いため、洗浄や乾燥といった工程を大幅に削減することができ、重合法の欠点を回避することができる。
また、最表面に近い部位にフッ素原子を配置させることで帯電立ち上がりを向上させたトナーが開示されている(例えば、特許文献7参照)。最表面に近い部位にフッ素原子を配置させた前記トナーにおいて、フッ素系界面活性剤が少量で十分な効果を発揮するためには、トナー最表面にフッ素系界面活性剤の多くが存在する必要がある。そこで、水中で造粒したトナーにフッ素系界面活性剤を表面処理する方法が知られている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、従来の方法では、フッ素系界面活性剤がトナー最表面の比較的薄い領域に集中し易く、長期の攪拌によるトナー表面の変性に対して、必ずしも所望の帯電立ち上がり性能が担保されず、地汚れや、トナー飛散、転写不良が起こりやすくなるという問題がある。
このように、長期にわたって良好な帯電立ち上がり性と高画質を維持する上では未だ課題が多いのが現状である。
ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有することを特徴とするトナーである。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
本発明のトナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有する。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記非晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、例えば、変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記変性ポリエステル樹脂は、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(以下、「プレポリマー」と称することがある)を活性水酸基含有化合物と反応して製造することができる。
前記プレポリマーが有する活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボンキシル基、−COClで示される官能基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g〜120mgKOH/gがより好ましく、20mgKOH/g〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
前記炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸としては、例えば、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸などが挙げられる。
前記融点は、示差走査熱量測定(DSC)で測定することができる。
具体的には、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/分間で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却して10分間放置後、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分間で加熱してDSCの測定を行う。融点は、示差走査熱量測定装置の解析システムを用いて、前記結晶性ポリエステルの融解ピーク温度を求めることで融点とする。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記融点温度未満では、ある程度規則的に分子が並び結晶構造を持つものであり、融点温度以上になると、この結晶構造は崩れ、ランダムな構造をとり、溶融した状態となるため、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを指す。
前記フッ素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン性フッ素系界面活性剤、アニオン性フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カチオン性フッ素系界面活性剤が、非晶性ポリエステル樹脂の酸基と相互作用を生じる点で好ましい。
前記カチオン性フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤が好ましく、パーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤がより好ましい。
前記フルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基を有するカチオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
また、市販品としては、例えば、サーフロン(登録商標)S−l21(旭硝子株式会社製)、フロラード(登録商標)FC−135(住友スリーエム株式会社製)、ユニダイン(登録商標)DS−202(ダイキンエ業株式会社製)、メガファック(登録商標)F−150、F−824(いずれも、DIC株式会社製)、エクトップEF−l32(三菱マテリアル電子化成株式会社製)、フタージェント(登録商標)F一300、FC135(いずれも、株式会社ネオス製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤による前記トナーの修飾は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂と前記カチオン性フッ素系界面活性剤をあらかじめ混合した溶解液と、前記フッ素系界面活性剤を含まない結晶性乃至非晶性ポリエステル樹脂溶解液とをそれぞれ混合して、後記のトナー製造方法にて吐出することで得ることができる。フッ素系界面活性剤と事前に混合された非晶性ポリエステル樹脂は、その酸基と前記フッ素系界面活性剤のカチオン性基との相互作用で結合が促される。これにより、前記非晶性ポリエステル樹脂は吐出時の有機溶剤乾燥過程でトナー粒子の表面に配向されやすくなり、表面より内側深さ方向に向かってフッ素系界面活性剤で修飾、被覆されたトナーを形成することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類及びワックス類の離型剤などが挙げられる。
前記ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、前記離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックスなどが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
特に、炭化水素系ワックスは、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性がほとんど無く、互いに独立して機能することができるため、結晶性ポリエステル樹脂の結着樹脂としての軟化効果、離型剤のオフセット性を損なうことがない点で好ましい。
前記離型剤の融点が60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が劣ることがある。前記離型剤の融点が95℃以上であると、定着時の加熱による離型剤の溶融が不十分で、充分なオフセット性が得られない場合がある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、例えばR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものがより好ましい。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーの製造方法としては、例えば、ポリエステル樹脂、着色剤、フッ素化合物及び離型剤を含有する組成物を有機溶剤に溶解又は分散させた混合液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程とからなる製造方法などが挙げられる。
また、前記カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である製造方法がより好ましい。
前記製造手段は、液滴吐出手段、液滴固化捕集手段に分けられる。
前記液滴吐出手段としては、吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段などが挙げられる。前記膜振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2008−292976号公報に記載の手段などが挙げられる。前記レイリー分裂タイプ吐出手段としては、例えば、特許第4647506号公報に記載の手段などが挙げられる。前記液振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2010−102195に記載の手段などが挙げられる。
図1に液柱共鳴タイプ吐出手段11を示す。液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口と、吐出口と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
吐出口19の断面形状は図1で開口部の径が小さくなるようなテーパー形状として記載されているが、適宜断面形状を選択することができる。
図3Aに液柱共鳴液室の一例を示す。図3B〜3Eに、吐出口19の取りうる断面形状を示す。図3Bは吐出口19の接液面から吐出口に向かってラウンド形状を持ちながら開口径が狭くなるような形状を有しており、薄膜41が振動した際に吐出口19の出口付近で液にかかる圧力が最大となるため、吐出の安定化に際しては最も好ましい形状である。
図3Cは吐出口19の接液面から吐出口に向かって一定の角度を持って開口径が狭くなるような形状を有しており、このノズル角度44は適宜変更することができる。図3Bと同様、このノズル角度によって薄膜41が振動したときの吐出口19の出口付近で液にかかる圧力を高めることができる。ノズル角度44としては、60°〜90°が好ましい。前記ノズル角度44が60°未満であると、トナー成分液に圧力がかかりにくく、更に、薄膜41の加工もし難いため好ましくない。前記ノズル角度44が90°である場合は図3Dが相当するが出口に圧力がかかりにくくなる。前記ノズル角度44が90°より大きいと孔12の出口に圧力がかからなくなるため、液滴吐出が非常に不安定化する。
図3Eは図3Bと図3Cを組み合わせた形状である。このように段階的に形状を変更しても構わない。
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明すると、液柱共鳴液室内のトナー成分液の音速をcとし、振動発生手段20から媒質であるトナー成分液に与えられた駆動周波数をfとした場合、液体の共鳴が発生する波長λは、下記数式1の関係にある。
ただし、前記数式2においてNは偶数を表す。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、前記数式2のNが奇数で表現される。
えたとき、振動発生手段が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。 また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記数式4及び数式5で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生手段を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出口から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(数式5)
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
また、図6Bは液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの図6A、図6Bに示すように、液柱共鳴液室18における吐出口19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6Cに示すように、吐出口19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
先に説明した液滴吐出手段から気体中に吐出させたトナー成分液の液滴を液滴固化手段を用いて固化させた後に、固化粒子捕集手段を用いて捕集することで本発明のトナーを得ることができる。
前記液滴を固化させる手段としては、トナー成分液の性状によって適宜選択でき、トナー成分液を固体状態にできれば手段を問わない。
例えば、トナー成分液が固体原材料を揮発可能な溶媒に溶解又は分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中で液滴を乾燥させる。即ち、溶媒を揮発させることで達成することができる。溶媒の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類等を適宜選定して乾燥状態を調整することができる。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。前記例に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用で達成してもよい。
固化した液滴粒子は、公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集手段、バックフィルターなどによって気中から回収することができる。
液滴吐出手段2には、トナー成分液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー成分液14を液供給管16を通して液滴吐出手段2に供給し、更に液戻り管22を通って原料収容器13に戻すために液供給管16内のトナー成分液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結されており、トナー成分液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。液供給管16にはP1、乾燥捕集ユニットにはP2の圧力測定器が設けられており、液滴吐出手段2への送液圧力および、乾燥捕集ユニット内の圧力は圧力計P1、P2によって管理される。このときに、P1>P2の関係であると、トナー成分液1が孔12から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
チャンバー61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力よってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、固化粒子捕集手段62によって捕集される。
例えば、搬送気流101は図1に示されるように、その一部を第1の気流として液滴吐出手段近傍に液滴吐出方向と同一方向に配置することで、液滴吐出直後の液滴速度低下を防ぎ、合着を防止することができる。あるいは、図9に示すように吐出方向に対して横方向であってもよい。あるいは図示していないが角度を持っていてもよく、液滴吐出手段より液滴が離れるような角度を持っていることが望ましい。図9のように液滴吐出に対して横方向から合着防止気流を与える場合は、吐出口から合着防止気流によって液滴が搬送された際に軌跡が重ならないような方向であることが望ましい。
上記のように第1の気流によって合着を防いだ後に、第2の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
第1の気流の速度は液滴噴射速度と同じかそれ以上であることが望ましい。液滴噴射速度より合着防止気流の速度が遅いと、合着防止気流本来の目的である液滴粒子を接触させないという機能を発揮させることが難しい。
第1の気流の性状は、液滴同士が合着しないような条件を追加することができ、第2の気流と必ずしも同じでなくともよい。また、合着防止気流に粒子表面の固化を促進させるような化学物質を混入したり、物理的作用期待して付与してもよい。
搬送気流101は特に気流の状態として限定されることは無く層流や旋回流や乱流であっても構わない。搬送気流101を構成する気体の種類は特に限定は無く、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いてもよい。また、搬送気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動の無いことが望ましい。またチャンバー61内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は液滴21同士の合着を防止するだけでなく、チャンバー61に付着することを防止することに用いてもよい。
前記トナーは、体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有する狭粒度分布ものである。
前記トナーの粒径(粒度)分布は、フロー式粒子像解析装置(例えば、FPIA−3000、シスメックス株式会社製)により測定することができる。
前記トナーとしては、飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオン対するCF2CF2CF3の相対イオン強度が0.02%〜0.40%であるものが好ましい。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーと、キャリアとを少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト等のキャリア、樹脂コートキャリアなどを挙げることができる。
前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子と該キャリアコア粒子の表面を被覆(コート)する樹脂である樹脂被覆材とからなる。
前記キャリアコアの磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又はこれらの合金などが挙げられる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどが挙げられる。
これらの磁性材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの磁性材料の中でも、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが特に好ましい。
また、前記キャリアコア粒子として、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアを用いることもできる。
前記被覆に使用する樹脂(樹脂被覆材)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆材として使用できる樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記樹脂被覆材としては、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、フッ素含有樹脂とスチレン系共重合体との混合物、シリコーン樹脂などが好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。
(10:90〜90:10(共重合体質量比))とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(20〜60:5〜30:10:50(共重合体質量比))との混合物などが挙げられる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を含有してなる。前記画像形成装置において使用する現像剤が、上述の本発明の現像剤である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好ましい。前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記現像剤の一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該現像剤により現像されて該電子写真感光体の表面に該現像剤による可視像が形成される。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータなどの機器が挙げられる。
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図10は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1aの周りに、帯電手段3a、露光手段5a、現像手段6a、転写手段10aなどが配置される。
図8に示されるような構成のトナー製造装置を用いトナーの製造を行った。
各手段のサイズ・条件を以下に記載する。
液柱共鳴液室18の長手方向の両端間の長さLが1.85mm、N=2の共鳴モードであって、第1から第4の吐出孔がN=2モード圧力定在波の腹の位置に吐出孔を配置したものを用いた。駆動信号発生源はファンクションジェネレーターWF1973(株式会社エヌエフ回路ブロック製)を用い、ポリエチレン被覆のリード線で振動発生手段に接続した。この時の駆動周波数は液共鳴周波数に合わせて340kHzとした。
チャンバー61の内径はφ400mm、高さは2000mmの円筒形で垂直に固定されており、上端部と下端部が絞られており、搬送気流導入口の径はφ50mm、搬送気流出口の径はφ50mmである。液滴吐出手段2はチャンバー61内上端より300mmの高さでチャンバー61の中央に配置されている。搬送気流は10.0m/s、40℃の窒素とした。
<非結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物0.7モル及びビスフェノールAエチレンオキシド付加物0.3モル、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モル及び無水トリメリット酸0.07モル、エステル化触媒としてオクチル酸スズを、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、170℃で4時間縮重合反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、更に8kPaにて1時間反応させることにより、非結晶性ポリエステル樹脂1を合成した。得られた非結晶性ポリエステル樹脂1の重量平均分子量Mwは95,000、ガラス転移温度は60.3℃、酸価は5mgKOH/gであった。
<非結晶性ポリエステル樹脂2の合成>
アルコール成分として、エチレングリコール44.6モル、ネオペンチルグリコール55.4モル、カルボン酸成分としてテレフタル酸85.8モル、イソフタル酸8モル、フタル酸3.2モル、アジピン酸3モルを用いたこと以外は、調製例1と同様にして非結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。得られた非結晶性ポリエステル樹脂2の重量平均分子量Mwは35,000、ガラス転移温度は59℃、酸価は16mgKOH/gであった。
<トナー1の製造>
−着色剤分散液の調製−
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400、Cabot社製)17質量部、顔料分散剤3質量部を、酢酸エチル80質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)を使用した。得られた一次分散液を、ビーズミル(LMZ型、アシザワファインテック株式会社製、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。
次にワックス分散液を調製した。
カルナバワックス18質量部、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したワックス分散剤2質量部を、酢酸エチル80質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。この一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温し、カルナバワックスを溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるようワックス粒子を析出させた。得られた分散液を、更にビーズミル(LMZ型、アシザワファインテック株式会社製、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調製した。
結着樹脂としての樹脂、上記着色剤分散液及び上記ワックス分散液を添加した下記組成からなるトナー成分液を調製した。
非結晶性ポリエステル樹脂1 10質量部を酢酸エチル90質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して溶解させた。次にカチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150(DIC株式会社製)を固形分で0.3質量部加えて50℃で30分間攪拌させて溶解液1を作製した。
前述のトナー製造装置を用いて、作製したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー1を製造した。
<トナー2の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤フタージェント310(株式会社ネオス製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を製造した。
<トナー3の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤フロラードFC−135(住友3M株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー3を製造した。
<トナー4の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150に替えてカチオン性フッ素系界面活性剤ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー4を製造した。
<トナー5の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を20質量部とし、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.5質量部とし、更に、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を80質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー5を製造した。
<トナー6の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を10質量部とし、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.1質量部とし、更に、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を90質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー6を製造した。
<トナー7の製造>
実施例1において、下記表1に示す通り、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で2質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を製造した。
<トナー8の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を非結晶性ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を製造した。
<トナー9の製造>
実施例1において、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を非結晶性ポリエステル樹脂2に替えた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を製造した。
<トナー10の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を4質量部とし、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を96質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー10を製造した。
<トナー11の製造>
実施例1において、溶解液1の非結晶性ポリエステル1を25質量部とし、結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を75質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、トナー11を製造した。
<トナー12の製造>
結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を100質量部と、前記着色剤分散液30質量部と、前記ワックス分散液30質量部と、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150を固形分で0.3質量部とを、酢酸エチル840質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して50℃で30分間攪拌を行い、均一に溶解、分散させた。溶解、分散時のショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
前述のトナー製造装置を用いて、製造したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー12を製造した。
<トナー13の製造>
結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂1を100質量部と、前記着色剤分散液30質量部と、前記ワックス分散液30質量部とを、酢酸エチル840質量部に添加し、攪拌羽を有するミキサーを使用して10分間攪拌を行い、均一に分散させた。溶媒希釈によるショックで顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
前述のトナー製造装置を用いて、製造したトナー成分液を吐出させ、チャンバー内で乾燥固化したトナー粒子をサイクロン捕集機で捕集し、捕集したトナー粒子を、水100質量部に対し、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)を固形分で1質量部添加したものを入れた水槽に貯めた後、前記トナー粒子分散液を攪拌した。濾別し、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。得られたケーキを更に、蒸留水に固形分10質量%になる様に再分散した。そこへ攪拌下、カチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150の1質量%水溶液をトナー固形分に対しカチオン性フッ素系界面活性剤メガファックF−150の固形分が0.3質量%となるように徐々に添加した。
その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥しトナーを得た。乾燥したトナー100質量部に対して、体積平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、体積平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、体積平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー13を製造した。
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナー(トナー1〜13)について、粒径分布を測定した。
各トナーの粒径分布をフロー式粒子像解析装置(FPIA−3000、シスメックス株式会社製)用いて測定した。これを3回繰り返して粒径を測定した。
最頻粒径、及び第2の最頻粒径を求めた。結果を表1に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナーについて、フッ素系界面活性剤由来となるフッ素原子の分布状態を、TEMによるトナー割断面の観察と、エネルギー分散形X線分光器(EDS)による元素分析によって測定した。
各トナーのフッ素含有層深さを表1に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜4の各トナーについて、CF2CF2CF3の相対イオン強度を測定した。
結果を表1に示す。
温度20℃、湿度50%の試験室でキャリア100質量部と実施例1〜9、比較例1〜4のトナー各5質量部をステンレスのポットに仕込み、ボールミル架台上で一定回転数で回転混合させて現像剤を得た。
回転スタートから15秒間後に停止させ得られた前記現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
結果を表2に示す。
帯電立ち上り性評価と同様の条件で、回転スタートから10分間回転混合後の現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
結果を表2に示す。
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準で評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎ :画像背景部に地汚れの発生がない
○ :画像出力に伴い画像背景部に地汚れが発生するが実使用上問題ない
△ :画像出力に伴い画像背景部に地汚れが発生しており実使用上問題がある
× :画像出力初期より画像背景部に地汚れが発生しており、実使用上問題がある
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視にて、下記基準により4段階で評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎ :画像形成装置内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である
○ :画像出力に伴い画像形成装置内のトナー汚染がわずかに認められるが、良好な状態である
△ :画像出力に伴い画像形成装置内のトナー汚染が認められ、実使用不可能なレベルである
× :画像形成装置内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである
帯電立ち上り性評価と同様の操作で得られた各現像剤を用いた。
株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
<1> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に第2の最頻粒径を有し、最表面からトナー内部に向かって0.40μm〜1.00μmの深さ範囲にフッ素含有層を有することを特徴とするトナーである。
<2> フッ素化合物がカチオン性フッ素系界面活性剤である前記<1>に記載のトナーである。
<3> カチオン性フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤である前記<2>に記載のトナーである。
<4> パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物である前記<3>に記載のトナーである。
<5> 飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオンに対するCF2CF2CF3の相対イオン強度が0.02%〜0.40%である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を有機溶媒に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程によって得られる前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 液滴形成工程において、混合液はあらかじめカチオン性フッ素系界面活性剤と混合された少なくとも1種類の非晶性ポリエステルの溶解液を含んで成り、前記非晶性ポリエステルの酸価はカチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合されないポリエステル樹脂の酸価以下である前記<6>に記載のトナーである。
<8> カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である前記<7>に記載のトナーである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤である。
<10> 電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、前記トナーが前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<11> ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を調製するトナー組成液調製工程と、
少なくとも1つの吐出孔から前記トナー組成液を吐出して液滴化する液滴形成工程と、
前記液滴化したトナー組成液中の前記有機溶剤を乾燥させて固化させる液滴固化工程とを含み、
前記ポリエステル樹脂及び前記フッ素化合物が、液滴化する前の前記トナー組成液中に溶解していることを特徴とするトナーの製造方法である。
2 液滴吐出手段
6 トナー成分液供給口
7 トナー成分液流路
8 トナー成分液排出口
9 弾性板
10 液柱共鳴液滴吐出ユニット
11 液柱共鳴液滴吐出手段
12 気流通路
13 原料収容器
14 トナー成分液
15 液循環ポンプ
16 液供給管
17 液共通供給路
18 液柱共鳴流路
19 吐出口
20 振動発生手段
21 液滴
22 液戻り管
23 合着液滴
24 ノズル角度
60 乾燥捕集手段
61 チャンバー
62 トナー捕集手段
63 トナー貯留部
64 搬送気流導入口
65 搬送気流排出口
P1 液圧力計
P2 チャンバー内圧力計
1a 電子写真感光体
3a 帯電手段
5a 露光手段
6a 現像手段
10a 転写手段
Claims (7)
- ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びフッ素化合物を含有するトナーであって、
前記フッ素化合物が、パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤であり、
前記トナーは体積基準粒度分布において、最頻粒径の1.21倍〜1.31倍の粒径に前記体積基準粒度分布のうち2番目に大きなピークを与える粒径を有し、
以下に規定する深さの平均値で定義されるフッ素含有層の深さが0.40μm〜1.00μmの深さの範囲内である前記フッ素含有層を有し、
飛行時間型質量分析計で測定した全検出イオンに対するCF 2 CF 2 CF 3 の相対イオン強度が、0.02%〜0.40%であることを特徴とするトナー。
ここで、エネルギー分散型X線分光器によるフッ素元素マッピングで得られた画像の強度差を基に同定したカチオン性フッ素系界面活性剤による被覆層(すなわちフッ素含有層)を同定し、任意に30点サンプリングしたフッ素含有層の深さの平均値をフッ素含有層の深さとする。 - パーフルオロアルキル基を含有するカチオン性フッ素系界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載のトナー。
- 飽和帯電量が、―55μC/gから―48μC/gである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、
ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤及びカチオン性フッ素界面活性剤を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化して微粒子を形成する液滴固化工程によってトナーを得るトナーの製造方法。 - トナー組成液におけるポリエステル樹脂が、少なくとも2種類の非晶性ポリエステルを有し、
液滴形成工程に供される前記トナー組成液が、カチオン性フッ素系界面活性剤と混合された少なくとも1種類の非晶性ポリエステルの溶解液と、前記カチオン性フッ素系界面活性剤とあらかじめ混合されていなかった他の非晶性ポリエステル、着色剤、及び離型剤を有機溶剤に溶解又は分散させた液とを混合して得られ、
前記少なくとも1種類の非晶質ポリエステルの酸価が、前記他の非晶質ポリエステルの酸価以下である請求項4に記載のトナーの製造方法。 - カチオン性フッ素系界面活性剤と混合される非晶性ポリエステルの酸価が5mgKOH/g〜15mgKOH/gの範囲である請求項5に記載のトナーの製造方法。
- 電子写真感光体、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、前記トナーが請求項1から3のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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