JP2013082202A - 媒体処理装置、及び、媒体処理装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】媒体処理装置1は、媒体の処理に係わる動作を実行する処理部202と、処理部201とは異なる媒体への処理に係わる動作を実行する処理部201と、処理部202から処理部201への切り替えを指示する切替コマンドに従って制御対象を処理部201に切り替え、処理部201が初期化されている場合は初期化を行わせない制御を行うCPU101とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、媒体を処理する装置において、媒体を処理する機構に対する初期化の回数を抑えることを目的とする。
また、本発明は、初期化の実行回数を抑えることにより、上記装置における待ち時間を減らすことを目的とする。
本発明によれば、切替コマンドに従って制御対象の処理部を切り替える際に、切替先となる処理部が初期化されている場合は初期化を行わないので、不要な初期化を省略して初期化の回数を抑えることができる。また、初期化の実行回数を抑えることにより処理部の切り替えに伴う待ち時間を短縮できる。
本発明によれば、切替コマンドを受信した際に切替先となる第2の処理部が初期化されていない場合は、第2の処理部に関するコマンドを受信したときに初期化を実行する。このため、例えば切替コマンドの受信後に第2の処理部が使用されないうちに別の処理部への切替コマンドを受信した場合など、不要な初期化を省略できる。これにより、初期化の処理に伴う待ち時間を減らすことができ、また、例えばインクジェット式印刷装置のようにクリーニングなど初期化に伴って消耗品を消費する構成においては、不要な初期化の実行回数を減らすことで消耗品を節約できるという利点がある。
本発明によれば、切替先となる第2の処理部に係る情報を参照することで、初期化を実行させるか否かを適切に判別することができる。
本発明によれば、切替先となる処理部に対する初期化を実行させた場合に履歴を記憶させるので、この履歴に基づいて初期化を行うか否かを適切に判別できる。
本発明によれば、初期化を行ってからの経過時間に基づいて、初期化を行うか否かを適切に判別できる。
本発明によれば、処理部においてエラーが発生した履歴に基づき、初期化を行うか否かを適切に判別することができる。
本発明によれば、機械的機構もしくは制御回路の初期化を必要な場合に行い、不要な初期化を省略することができ、初期化に伴う待ち時間を減らすことができる。ここで、機械的機構の初期化とは、例えば、インクジェットヘッドの場合のクリーニング、媒体の有無の検出、伝達機構のバックラッシュを解消するための媒体送り等を含む処理が挙げられ、制御回路の初期化とは、メモリー領域のクリア、設定値のメモリーへの書き込み、FPGA等のプログラマブルなロジック回路の回路データの読み出しまたは書き込み等を含む処理が挙げられる。
本発明によれば、切替コマンドに従って制御対象の処理部を切り替える際に、切替先となる処理部が初期化されていると判別した場合は初期化を行わないので、不要な初期化を省略して初期化の回数を抑えることができる。また、初期化の実行回数を抑えることにより処理部の切り替えに伴う待ち時間を短縮できる。
図1は、本実施の形態に係る媒体処理装置1の斜視図である。
図1に示すように、媒体処理装置1は、処理対象媒体であるシート状の小切手や帳票類に対し、この処理対象媒体に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象媒体の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象媒体への文字等の記録を行う装置である。また、媒体処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱式のロール紙3に画像を記録して切断することにより画像が記録された紙片を発行する機能を備えている。
小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシート(用紙)に金額、振出人、通し番号、サインなどが印字または記載された帳票である。金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aにあり、裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。
また、ロール紙3は、加熱により発色する感熱紙であり、媒体処理装置1は、サーマルプリンターユニット60によりロール紙3の記録面を加熱することで文字や画像を記録する。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成され、スリット18は媒体処理装置1の前面側に設けられたポケット19に達している。ストッカー15に貯留された小切手4は、後述するように1枚ずつ媒体処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を溜めることができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMSR(Magnetic Stripe Reader)ヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMSRヘッド22によって読み取る。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に押圧されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44(印刷手段)へ搬送される。
搬送路Wを挟んでインクジェットヘッド10の正面には、キャップ(図示略)が配置されている。このキャップは、キャップモーター81(図3)の動力によりインクジェットヘッド10側に進退可能に構成され、インクの乾燥防止等のため、小切手4を処理していない状態ではインクジェットヘッド10側に進出して、インクジェットヘッド10のノズル面を覆う。このキャップの内部にはインク吸引用の穴が設けられ、この穴は図示しない吸引ポンプに連通している。吸引ポンプは、ポンプモーター82(図3)により駆動され、インクジェットヘッド10のノズルの吐出不良を解消するクリーニング動作が実行される際に、キャップを介してインクジェットヘッド10のノズルからインクを吸い出す。吸引ポンプが吸い出したインクは廃液タンク(図示略)に貯留される。
また、インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4が排出されるポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに繋がる経路とサブポケット19bに繋がる経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、媒体処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、媒体処理装置1の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、ロール紙3を収容可能な空間であるロール紙収容部62が露出し、ロール紙3の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容されたロール紙3は、排紙口63を介して、排出される。
図3に示すように、媒体処理装置1は、媒体処理装置1全体を制御する制御デバイスとして、CPU101と、FPGA104とを備えている。CPU101は、フラッシュROM102に記憶したプログラムを読み出してRAM103に展開して実行することにより、FPGA104を含む媒体処理装置1の各部を制御する。FPGA104は、ROM105に格納されたプログラミングファイルにより設定された動作を実行し、後述する各部を制御するプログラマブルデバイスである。
また、FPGA104には、FPGA104のプログラミングファイル(コンフィギュレーションデータ(回路データ)を記憶したROM105が接続されている。
FPGA104は、電源部95からの電源供給が開始されると、コンフィギュレーションを実行する。
このコンフィギュレーションは、以下の手順を含んでおり、電源部95からFPGA104への電源供給がオフからオンに切り替わる毎に実行される。
・電源部95から供給される電源電圧を確認する。
・内蔵するメモリーをクリアするなどの初期化処理を行う。
・ROM105に記憶されたプログラミングファイルを検出する。
・検出したプログラミングファイルをROM105からロードする。
・ロードしたプログラミングファイルに従って回路データを書き込む。
また、FPGA104には、ASF用紙検出器31、用紙長検出器38及び中間検出器46の各検出器が接続されている。FPGA104は、これらASF用紙検出器31、用紙長検出器38及び中間検出器46に対して検出パルスを出力し、各検出器の出力値を所定時間周期で取得する。FPGA104は、各検出器から取得した出力値をA/D変換して、変換後のデジタルデータを、検出器毎に定められた所定のしきい値と比較することにより、ストッカー15における小切手4の有無、用紙長検出器38による小切手4の検出の有無、中間検出器46による小切手4の検出の有無を判別し、判別結果を内蔵するレジスター(図示略)に格納する。CPU101は、所定時間周期でFPGA104のレジスターに格納された各検出器の判別結果のデータを取得する。
さらに、CPU101には、サーマルヘッド65を駆動するヘッド駆動回路72が接続されている。ヘッド駆動回路72は、CPU101の制御に従って、サーマルヘッド65が備える各々の発熱素子への通電を制御し、サーマルヘッド65によってロール紙3に文字や画像を印刷させる。
CPU101には、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続されたインターフェース部76が接続されている。CPU101は、インターフェース部76を制御して、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。CPU101は、インターフェース部76によって所定時間周期でホストコンピューター5から送信されるコマンドの受信を試行させ、ホストコンピューター5からコマンドが送信された場合に速やかに受信できるようにする。
CPU101、小切手4の処理を指示するコマンドに従って、ASF用紙検出器31の出力値の判別結果に基づいて、ストッカー15における小切手4の有無を判別する。小切手4がセットされていると判別した場合、CPU101は、ホッパー位置検出器32の出力値をもとにホッパー25が待機位置にあることを確認し、FPGA104によりASFモーター27を動作させ、1枚の小切手4をピックアップして搬送路Wに取り込む。次いで、CPU101は、FPGA104を制御して搬送モーター42を動作させ、ASFローラー29、MICRローラー36、アシストローラー37、第1搬送ローラー40、第2搬送ローラー41、第1CISローラー50、第2CISローラー51、及び、排出ローラー56、57を動かして、小切手4を搬送する。さらに、CPU101はFPGA104を制御して切替板駆動モーター55を動作させて、切替板54を動かし、処理が完了した小切手4の排出先をメインポケット19aまたはサブポケット19bのいずれかに設定し、排出ローラー56、57により小切手4を排出させる。ここで、CPU101の制御により動作するロール紙搬送モーター83、ACモーター84及びこれらを駆動するモータードライバー93は、ロール紙3に関する搬送手段として機能する。また、FPGA104の制御によって動作するASFモーター27、搬送モーター42、及びこれらを駆動するモータードライバー91、92は、小切手4に関する搬送手段として機能する。
また、CPU101、小切手4への印刷を指示するコマンドに従って、このコマンドとともに送信された印刷データに基づいて、文字や画像を配置した印刷イメージを生成及び展開し、FPGA104を制御することにより、印刷イメージに基づく文字や画像をインクジェットヘッド10によって小切手4の表面4aまたは裏面4bに印刷する。
CPU101は、小切手4の光学読取を指示するコマンドに従って、FPGA104を制御し、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48によって小切手4の表面4aと裏面4bを読み取らせ、FPGA104から入力される読取画像データをそれぞれホストコンピューター5に送信する。
処理部201は、インクジェットヘッド10、モータードライバー91、92、これらに接続されるASFモーター27、キャップモーター81、搬送モーター42、ポンプモーター82、及び切替板駆動モーター55を含む。なお、処理部201には、小切手4を処理する機能部として、表面CISユニット47、裏面CISユニット48、及びMICRヘッド35を含めてもよい。また、ロール紙3を処理する処理部202は、ヘッド駆動回路72、サーマルヘッド65、モータードライバー93、ロール紙搬送モーター83、及びACモーター84を含む。
ホストコンピューター5は、媒体処理装置1が処理可能な処理対象媒体であるロール紙3及び小切手4のうち、処理する側を指定するコマンドを送信可能である。このコマンドは、処理対象媒体をロール紙3または小切手4にするよう指示するコマンドであり、媒体処理装置1は、このコマンドを、処理対象をロール紙3または小切手4に切り替えるよう指定する切替コマンドとして受信する。
媒体処理装置1は、初期状態(デフォルト)で処理部201、202のうちロール紙3を処理する処理部202が選択されるよう設定されている。例えば、媒体処理装置1の電源を投入した時、媒体処理装置1がリセットされた時、もしくは、媒体処理装置1がスリープ状態から復帰した場合には、処理対象媒体としてロール紙3が選択され、処理部としては処理部202が選択される。このように初期状態で自動的にロール紙3が選択された場合は、ホストコンピューター5が媒体処理装置1に送信する、リセットを指示するコマンドやスリープからの復帰を指示するコマンド等の制御コマンドが、切替コマンドに該当する。また、初期状態で自動的にロール紙3が選択された後にホストコンピューター5が媒体処理装置1に送信する制御コマンドも、切替コマンドに該当する。
また、切替コマンドは、切替先の処理部ごとに異なっていてもよいし、複数の異なるコマンドが切替コマンドとして機能する構成としてもよい。例えば、処理部202への切り替えを指示する切替コマンドは、ロール紙3を指定するコマンドに限らず、上記のようにリセットを指示するコマンド、もしくはスリープからの復帰を指示するコマンド等の制御コマンドも含まれる。また、処理部202から処理部201への切り替えを指示する切替コマンドとしては、小切手4を指定するコマンドに限らず、処理部201が備えるインクジェットヘッド10のクリーニングやフラッシングを指示するコマンド、ホストコンピューター5が媒体処理装置1に対して処理部201が備える各部の状態を通知するように要求するコマンド等が該当する。
切替コマンドに従って処理対象媒体を切り替える処理を行った際に、処理部201、202のうち切替先の処理部を初期化すべき場合がある。具体的には、切替先の処理部を電源投入後に最初に動作させる場合、切替先の処理部に対する初期化を前回行ってから所定時間が経過している場合、電源投入またはスリープ復帰から所定時間が経過している場合、または、切替先の処理部にエラーが発生したことがある場合が挙げられる。
また、CPU101は、処理部201、202のうち制御対象となっていない側でエラーが発生した場合に、RAM103(記憶部)にエラーの履歴を記憶する。CPU101は、ホストコンピューター5から受信したコマンドに基づいて処理部を切り替える際に、切替先の処理部についてエラーの履歴がRAM103に記憶されている場合は、切替先の処理部の初期化を行う。処理部201、202のうち制御対象となっている側でエラーが発生した場合には、このエラーは速やかに検出され、オフラインとなるが、RAM103にエラーの履歴を記憶することで、制御対象となっていない側でエラーが発生しても、制御対象を切り替える際にエラーに対処でき、ホストコンピューター5からの指示で動作させるべき処理部が確実に動作するか否かを速やかに確認できる。また、処理部201、202のうち制御対象となっていない側のエラーに起因して制御対象となっている側の動作が中断されることがないので、実行中の処理を確実に遂行できる。
CPU101は、ホストコンピューター5から、動作させる処理部の切り替えを指示する切替コマンドを受信し(ステップS1)、受信した切替コマンドに従って、処理部201、202の制御に関する切替処理を実行する(ステップS2)。この切替処理では、CPU101は、実行する制御プログラムを切替先の処理部に合わせたプログラムに変更する処理、及び、電源部95から給電するモータードライバーを切り替える処理すなわち切替先の処理部に含まれるモータードライバーを電源部95に接続する処理を行う。また、処理部202から処理部201に切り替える場合にはFPGA104のコンフィギュレーションを実行する。以下の説明では、制御対象を処理部202から処理部201に切り替える場合を例に挙げる。すなわち、以下の例では処理部202が第1の処理部に対応し、処理部201が第1の処理部に対応する。以下の例とは逆に、処理部201から処理部202に制御対象を切り替えることも勿論可能であり、その場合は処理部201が第1の処理部に対応し、処理部202が第1の処理部に対応する。
このステップS5で、CPU101は、例えば、RAM103に処理部201の初期化の履歴が記憶されている場合、既に処理部201が初期化されていれば初期化が必要ないと判別し、処理部201が初期化されていなければ初期化が必要と判別する。また、例えば、CPU101は、RAM103に処理部201の初期化を行った日時が記憶されている場合、初期化を行ってからの経過時間を求め、この経過時間が予め設定された時間以上である場合は初期化が必要であると判別する。あるいは、CPU101は、RAM103に、媒体処理装置1がスリープ状態から復帰した日時が記憶されている場合、このスリープ復帰日時から予め設定された時間が経過している場合は初期化が必要であると判別する。ここで、RAM103に、処理部201の初期化を行ってからの経過時間そのものを示す情報が記憶されてもよい。
また、CPU101は、切替コマンドを受信した後でさらに切替先の処理部に関するコマンドを受信してから初期化を実行し、切替コマンドを受信しただけでは初期化を行わないので、例えば切替コマンドの受信後に、処理部201が使用されないうちに処理部202への切替コマンドを受信した場合など、不要な初期化を省略できる。
これにより、初期化の処理に伴う待ち時間を減らすことができる。さらに、処理部201はインクジェットヘッド10を備え、初期化に伴ってクリーニングやフラッシングを行うことで消耗品を消費するが、不要な初期化を省略することで消耗品を節約できる。
また、CPU101は、上述したように、RAM103に記憶された情報に基づき、処理部201の初期化を前回行ってからの経過時間に基づき、初期化を行うか否かを判別することができる。処理部201は、インクジェットヘッド10の特性から、所定時間毎にクリーニングやフラッシングを行うことが望ましい。このように、初期化が済んでいるか否かだけでなく、初期化を行ってからの経過時間に対応して初期化の要否を判別することで、初期化の要否を適切に判別できる。
CPU101は、ホストコンピューター5から、動作させる処理部の切り替えを指示する切替コマンドを受信し(ステップS11)、切替コマンドに従って、処理部201、202の制御に関する切替処理を実行する(ステップS12)。この切替処理は図4のステップS2と同様である。
切替先の処理部201にエラーが発生していない場合(ステップS13;No)、CPU101は、RAM103に記憶されたエラーの履歴を参照して、処理部201にエラー発生の履歴があるか否かを判別する(ステップS15)。
ここで、エラーが発生した履歴がある場合には(ステップS15;Yes)、CPU101は処理部201の初期化を行い(ステップS16)、この初期化においてエラーが発生したか否かを判別する(ステップS17)。処理部201のエラーの履歴がRAM103に記憶されていれば、処理部202が制御対象となっている間に処理部201にエラーが発生したことを意味しているから、初期化によって回復しないエラーであるか否かが検出される。
ここで、切替コマンドの受信時点でエラー発生履歴を参照して初期化を行うのは、ホストコンピューター5から切替先の処理部201に関するコマンドを受信するよりも前に、ホストコンピューター5に対して切替先の処理部201のエラーの発生を通知できるためである。通知の具体的な態様は、例えば、媒体処理装置1をオフラインやBUSYにする、エラーのステータスをホストコンピューター5に返す等が挙げられる。これにより、ホストコンピューター5側において、制御対象の処理部201を切り替えた際に、切替先の処理部201のエラーに速やかに対処できるという効果もある。
なお、図4及び図5の動作は、制御対象を処理部201から処理部202に切り替える場合も同様に実行される。
また、CPU101は、切替コマンドを受信した際に切り替え先の処理部201が初期化されていない場合は、この処理部201に関するコマンドを受信したときに処理部201の初期化を実行させる。これにより、時間のかかる初期化の動作を、切替コマンドを受信した後でさらに切替先の処理部201、202に関するコマンドを受信してから実行開始する。このため、例えば、ホストコンピューター5がいったん処理部を切り替えさせる切替コマンドを送信し、CPU101が制御対象を処理部201、202の一方に切り替えた後で、その後に切替後の処理部201、202に関するコマンドをホストコンピューター5から受信せず、この処理部が使用されないまま、再びホストコンピューター5から切替コマンドが送信された場合は、使用されない処理部に対する初期化が行われてしまう。そのため、後の切替コマンドで指定された切替先の処理部に関するコマンドを受信しても、処理の実行に時間がかかってしまう。また、CPU101が切替コマンドに従って処理部を切り替えた後で媒体処理装置1の電源がオフされた場合も同様である。本実施形態の媒体処理装置1によれば、不要な初期化動作を省略できので、媒体処理装置1における初期化の処理に伴う待ち時間を減らすことができる。また、例えば処理部201を初期化する際、予め設定された頻度でクリーニングが行われ、インクジェットヘッド10やポンプモーター82を駆動することで消耗品のインクが消費されるが、不要な初期化の実行回数を減らすことでインクの消費量を節約できるという利点がある。処理部202を初期化する場合も同様に、ロール紙搬送モーター83を駆動することでロール紙3を消費するが、この消費量を抑えることができる。
これらの処理は、制御対象を処理部201から処理部202に切り替える切替コマンドを受信した場合には、処理部202に対して実行される。
また、CPU101は、処理部201、202の初期化を実行させた場合に、RAM103に処理部201、202が初期化を実行した履歴を記憶させるので、この履歴に基づいて初期化を行うか否かを適切に判別できる。
また、RAM103に記憶される処理部201に係わる情報は、処理部201エラーが発生した時に記憶されるエラーの履歴とすることもできる。この場合、CPU101は、RAM103に記憶されたエラーの履歴に基づいて処理部201の初期化を実行させるか否かを適切に判別できる。なお、媒体処理装置1の電源がオフにされた場合も記憶を保持できるように、RAM103を不揮発性の記憶装置を用いて構成してもよく、RAM103以外の不揮発性の記憶装置に、エラー履歴等を記憶してもよい。
また、複数の処理部201、202は、それぞれ異なる処理対象媒体に対して印刷を行うものであり、これらの不要な初期化を減らすことで、消耗品の不要な消費を避け、初期化に伴う待ち時間を減らすことができる。例えば、処理部201の初期化の際にインクジェットヘッド10のワイピングやフラッシング等の動作を実行する場合には特に待ち時間が長くなるが、不要な初期化を省くことで待ち時間を効果的に減らすことができる。
また、図3のブロック図に示した各機能部の少なくとも一部は機能的構成を示しており、全ての機能部を独立したハードウェアにより構成する必要はなく、ソフトウェアとハードウェアとの協働により、複数の機能部の機能を1つのハードウェアに集約して実現することも、一つの機能部を複数のハードウェアにより実現することも勿論可能である。また、上述の動作を行うCPU101が実行するプログラムはフラッシュROM102が記憶する構成に限らず、可搬型の記録媒体に記憶されている構成であってもよいし、或いは、通信回線を介して接続された他の装置にダウンロード可能に記憶され、これらの装置から媒体処理装置1が上記プログラムをダウンロードして実行してもよく、その他の構成についても任意に変更可能である。
Claims (8)
- 媒体の処理に係わる動作を実行する第1の処理部と、
前記媒体もしくは前記媒体と異なる媒体への処理に係わる動作を実行する第2の処理部と、
前記第1の処理部から前記第2の処理部への切り替えを指示する切替コマンドに従って制御対象を前記第2の処理部に切り替え、前記第2の処理部が初期化されている場合は初期化を行わせない制御を行う切替制御部と、
を備えることを特徴とする媒体処理装置。 - 前記切替制御部は、前記切替コマンドを受信した際に前記第2の処理部が初期化されていない場合は、前記第2の処理部に関するコマンドを受信したときに前記第2の処理部の初期化を実行させる、請求項1記載の媒体処理装置。
- 前記第2の処理部に係る情報を記憶する記憶部を備え、
前記切替制御部は、前記記憶部に記憶された前記第2の処理部に係わる情報を参照して、前記第2の処理部の初期化を実行させるか否かを判別する請求項1または2記載の媒体処理装置。 - 前記切替制御部は前記第2の処理部の初期化を実行させた場合に、前記記憶部に前記第2の処理部が初期化を実行した履歴を記憶させる請求項3記載の媒体処理装置。
- 前記記憶部に記憶される前記第2の処理部に係わる情報は、前記第2の処理部が初期化を実行した後の経過時間であり、
前記切替制御部は、前記記憶部に記憶された前記経過時間に基づき、前記第2の処理部の初期化を実行させるか否かを判別する請求項4記載の媒体処理装置。 - 前記記憶部に記憶される前記第2の処理部に係わる情報は、前記第2の処理部にエラーが発生した時に記憶されるエラーの履歴であり、
前記切替制御部は、前記記憶部に記憶された前記エラーの履歴に基づいて前記第2の処理部の初期化を実行させるか否かを判別する請求項3乃至5のいずれか1項に記載の媒体処理装置。 - 前記第2の処理部は、機械的機構もしくは制御回路を有し、
前記第2の処理部で実行する初期化は、前記機械的機構の初期化、もしくは前記制御回路の初期化である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の媒体処理装置。 - 媒体の処理に係わる動作を実行する第1の処理部から前記媒体もしくは前記媒体と異なる媒体の処理に係わる動作を実行する第2の処理部への切替コマンドを受信し、
受信した切替コマンドに基づいて前記第2の処理部へ切り替えたときに、前記第2の処理部が初期化をされているか否かを判別し、
前記第2の処理部が初期化を実行されていることを判別したときには、前記切替コマンドに基づく初期化を実行させないことを特徴とする媒体処理装置の制御方法。
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