JP2013077435A - 導電性転写シートおよび導電性積層体 - Google Patents

導電性転写シートおよび導電性積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】導電層を損傷させることなく転写できる導電性転写シートと、該導電性転写シートを用いて転写された導電層を有する導電性積層体の提供。
【解決手段】剥離性表面を有する剥離性基材18の前記剥離性表面上に、転写層15が形成された転写シート1であって、転写層15が、ポリチオフェン系導電剤または銀ナノワイヤ系導電剤を有し、剥離性表面に接するように位置する導電層12と、該導電層12上に形成された中間層13と、該中間層13上に形成された接着層14とからなり、中間層13は、接着層14よりも、破断伸度が小さく、破断強度が大きくなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばタッチパネルなどに好適に使用される導電性積層体、該導電性積層体の製造に用いられる導電性転写シートに関する。
タッチパネルは、位置入力装置として機能する電子部品であり、液晶パネルのような表示装置と組み合わされ、携帯電話や携帯ゲーム機等において幅広く利用されている。タッチパネルは、操作者が画面表示に基づき、手や入力ペンでタッチパネルの特定位置を指し示すと、装置がその特定位置の情報を感知することで、操作者が望む適切な動作を行なわせることができるインターフェースである。
タッチパネルにおいて、指し示す位置の検出方法には、例えば抵抗膜式、静電容量方式があるが、静電容量方式は、携帯電話などのモバイル機器を中心として急速に拡大してきた。静電容量方式の代表的な検出方式としては、アナログ検出の表面型と、パターニングされた電極を用いた積算検出方式による投影型の2つが挙げられる。さらに投影型の構成は、方式やメーカー毎に多数の提案がなされているが、最近急増した投影型としては、導電層に挟まれる絶縁層や表面の保護板としてガラスや樹脂板を用いることで、耐久性を付与したものが多い。
タッチパネルの要となる導電層としては、スパッタや蒸着などの乾式法により形成されるITO(酸化錫をドープした酸化インジウム)層の他、例えば特許文献1に記載されているように、ポリチオフェン系導電剤のような有機系導電剤を用いた導電層も検討されている。また、例えば特許文献2に記載されているように、銀などの金属ナノワイヤ系導電剤の使用も検討されている。
有機系導電剤や金属ナノワイヤ系導電剤を用いた導電層の形成方法としては、これらの導電剤を含む塗布液を調製し、この塗布液をポリエステルフィルムなどからなる絶縁層上にフィルムコータで塗布し、乾燥する方法がある。
ところが、このようにフィルムコータを用いて塗布液を絶縁層上に塗布し、導電層を形成する方法は、絶縁層が可撓性のあるフィルムなどからなる場合には適用できるが、絶縁層が可撓性のない樹脂板やガラス板を具備する場合には、適用できなかった。また、伸びや断裂が生じやすい薄いフィルムや延伸フィルム、耐熱性の低いフィルムなどからなる絶縁層の場合にも、フィルムコータを用いてその上に導電層を形成することは困難であった。
これに対して、例えば特許文献3には、ベースフィルムと有機系導電剤を用いた導電層と接着層とが積層された転写材が記載されている。この転写材を用いて、導電層を絶縁層に転写する方法によれば、絶縁層が可撓性のない樹脂板やガラス板、薄いフィルムや延伸フィルム、耐熱性の低いフィルムなどであっても、その上に導電層を設けられると考えられる。
特開2006−28439号公報 特開2011−149092号公報 特許第4097234号公報
しかしながら、特許文献3に記載のように、ベースフィルムと導電層と接着層とからなる転写材を用いて、導電層を絶縁層上に転写する方法では、転写時に接着層の伸びが導電層に伝達し、その結果、導電層が損傷してしまい、導電層の導電性が低下することがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、導電層を損傷させることなく転写できる導電性転写シートと、該導電性転写シートを用いて転写された導電層を有する導電性積層体の提供を課題とする。
本発明の導電性転写シートは、剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面上に、転写層が形成された転写シートであって、前記転写層が、ポリチオフェン系導電剤または銀ナノワイヤ系導電剤を有し、前記剥離性表面に接するように位置する導電層と、該導電層上に形成された中間層と、該中間層上に形成された接着層とからなり、前記中間層は、前記接着層よりも、破断伸度が小さく、破断強度が大きいことを特徴とする。
前記接着層は、感圧接着層または活性エネルギー線硬化型接着層であることが好ましい。
前記剥離性基材は、長鎖脂肪族基が(メタ)アクリル酸エステルのエステル基側鎖にウレタン結合を介して結合したウレタン(メタ)アクリレートを樹脂成分の主成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化して形成された剥離層を有し、該剥離層により前記剥離性表面が形成されていることが好ましい。
本発明の導電性積層体は、被転写体上に、本発明の導電性転写シートから転写された前記転写層を有することを特徴とする。
本発明によれば、導電層を損傷させることなく転写できる導電性転写シートと、該導電性転写シートを用いて転写された導電層を有する導電性積層体とを提供できる。
本発明の導電性転写シートの一例を示す断面図である。 図1の導電性転写シートを用いて、被転写体である絶縁層上に、転写層が形成された導電性シート(導電性積層体)を示すものであって、(a)絶縁層の片面に転写層が形成された形態の導電性シートの断面図、(b)絶縁層の両面に転写層が形成された形態の導電性シートの断面図である。 本発明の導電性転写シートの他の例を示す断面図である。
本発明の導電性転写シートは、導電層を含む転写層を有し、被転写体上に転写層を転写して、被転写体の表面に導電層を設けるためのものである。
図1は、本発明の導電性転写シート1の一例を示す断面図であって、この例の導電性転写シート1は、剥離層17を表面に備えたシート状の剥離性基材18の剥離層17上に、転写層15が形成された構成を有する。この例の転写層15は3層構成であり、剥離層17に接するように位置する導電層12と、導電層12上に形成された中間層13と、中間層13上に形成された接着層14とを備えている。
図2は、図1の導電性転写シート1を用いて、被転写体である絶縁層11上に、転写層15が形成された導電性シート(導電性積層体)10,10’を示すものであって、(a)絶縁層11の片面に転写層15が形成された導電性シート10の断面図、(b)絶縁層11の両面に転写層15が形成された導電性シート10’の断面図である。
なお、本願の図面に記載の各断面図は、主に層構成を示すものであり、寸法や厚さは適宜強調している箇所があり、正確に示されたものではない。
以下、本発明の導電性転写シートおよび導電性積層体について、順次詳細に説明する。
[1]導電性転写シート
<剥離性基材>
この例の導電性転写シート1は、シート状基材16上に剥離層17が設けられ、該剥離層17により剥離性表面が形成された剥離性基材18を有する。剥離性基材18は、導電性転写シート1において、剥離性表面上の転写層15を支持するものである。
なお、剥離性基材としては、この例のように、剥離層が設けられることによって、剥離性表面が形成されているものを用いることが好ましいが、剥離層を具備していなくても剥離性を備えている剥離性基材も使用できる。
[シート状基材]
シート状基材16の材質としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体(積層体)などを例示することができる。
なかでも好ましいものは、耐溶剤性がある点、剥離性を不安定にする可塑剤や不純物成分などの低分子量成分量が少ない点から、ポリエステル系樹脂シート(二軸延伸PETシート、無延伸PETシートなど。)、ポリオフィン樹脂シート(二軸延伸ポリオレフィンシート、無延伸ポリオレフィンシートなど。)、ポリアミド系樹脂シート(二軸延伸ポリアミドシート、無延伸ポリアミドシートなど。)、ウレタン系樹脂シート(ウレタンエラストマーシートなど。)、ウレタンエラストマーシートとポリオレフィンシートの積層体などである。さらに好ましくは、被転写体への転写性(転写形状追従性)に優れ、コスト面でも有利なことから、二軸延伸ポリオレフィンシートおよび無延伸ポリオレフィンシートなどのポリプロピレン系シートである。
シート状基材16の厚みは、材質にもよるが、転写性などの点から、20〜200μmが好ましい。
[剥離層]
剥離層17は、シート状基材16からの転写層15の剥離性を適度な強度に安定させるために付与するものである。剥離層17は、転写時には、シート状基材16とともに転写層15から剥離する。
剥離層17の材質としては、転写シートなどにおいて従来用いられている公知の材質を選択できるが、表面平滑性に優れた剥離層17を容易に形成できるため、硬化型のウレタン(メタ)アクリレートを樹脂成分とする硬化型樹脂組成物から形成された硬化物が好ましい。硬化型のウレタン(メタ)アクリレートを樹脂成分とする硬化型樹脂組成物を硬化してなる剥離層17は、ウレタン構造によりシート状基材16と優れた密着性を発現する。また、その適度な柔軟性によって、良好な転写を実現することができる。
なお、本明細書では、アクリレートとメタクリレートの総称として「(メタ)アクリレート」と表現する。
また、硬化型樹脂組成物は、樹脂成分を少なくとも含有し、通常、溶剤と各種添加物などをさらに含有する。
ウレタン(メタ)アクリレートを樹脂成分とする硬化型樹脂組成物としては、一液ポリマー型、二液熱硬化型、活性エネルギー線硬化型がある。これらのうち、一液ポリマー型は、架橋構造を持たないために高温での剥離安定性が不充分となる場合や、耐溶剤性が低いために転写層15の形成時に剥離層17と転写層15との界面が荒れる場合がある。また、二液熱硬化型は、例えば120〜160℃の高温での硬化が必要となるため、使用可能なシート状基材16の材質が耐熱性のある例えばPETなどに限定され、転写性に優れる熱的柔軟性の高いシート状基材16などは、熱皺やカールが発生して使用困難となるという問題があった。
これに対して、活性エネルギー線硬化型であれば、これらの問題を解決できる点で、好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとは、イソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させたウレタン結合を有するものであって、剥離層17に要求される物性によっては、イソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレートに加えて、ポリオール化合物、さらには1分子あたり1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物を原料に加えて反応させたものでもよい。
イソシアネート化合物としては、単官能または多官能のイソシアネート化合物を1種以上用いることができる。
多官能イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物が例示できる。さらには、上記の各種ジイソシアネート化合物と水とを反応させて得られるビュレット型ポリイソシアネート化合物、または上記の各種ジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等の多価アルコールとを反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物、または上記の各種ジイソシアネート化合物をイソシアヌレート化せしめて得られる多量体等も例示でき、1種以上を使用できる。
水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等公知慣用のものが挙げられ、1種以上を使用できる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールをエステル化反応させて得られるものである。多価カルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等公知慣用のものが挙げられ、1種以上を使用できる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等公知慣用のものが挙げられ、1種以上を使用できる。
ポリエステルポリオールとしては、40℃で非結晶であるものが好ましく、常温で非結晶であるものがより望ましい。40℃で結晶性があるポリエステルポリオールを用いると、得られるウレタン(メタ)アクリレートが結晶化しやすく、塗料安定性、作業性が低下して、形成される剥離層17の塗膜物性が低下する可能性がある。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜3500であることが好ましく、1000〜3000であるのがより望ましい。数平均分子量が500未満では、剥離層17が脆くなり、3500を超えると硬化性及び剥離層17の強度が不充分となり、剥離層17が脆くなる可能性がある。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール,ビスフェノールAのエチレンオキサイド,もしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン,トリメチロールプロパン、トリメチロールメタンペンタエリスリトール等公知慣用の多価アルコールのε−カプロラクトン付加物等が挙げられ、1種以上を使用できる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオールなどを用いることができ、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランをカチオン重合して造られる公知慣用のものが挙げられ、1種以上を使用できる。
1分子当り1個以上のアリルエーテル基及び1個以上の水酸基を有する化合物としては、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等公知慣用のものが挙げられ、1種以上を使用できる。
1分子当り1個以上のアリルエーテル基及び1個以上の水酸基を有する化合物は、剥離層17の黄変等の着色を抑えたい場合に添加することが好ましい。その場合の添加量は、樹脂成分の1〜20質量%、好ましくは5〜10質量%の割合とすることが好適である。添加量が少ないと着色抑制効果が小さく、添加量が多いと剥離層17としての柔軟性が低下したり、高価になったりする傾向がある。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としては、このようなウレタン(メタ)アクリレートのうち、特に、長鎖脂肪族基が(メタ)アクリル酸エステルのエステル基側鎖にウレタン結合を介して結合したウレタン(メタ)アクリレート(以下、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートという場合がある。)を樹脂成分の主成分とする組成物が好ましい。
ここで主成分とは、樹脂成分が、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートとそれ以外の1種の樹脂からなる場合には、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートが50質量%以上含まれることをいい、樹脂成分が、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートとそれ以外の2種以上の樹脂からなる場合には、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートの質量割合が最も大きく、それ以外の樹脂はこの質量割合を超えないことをいう。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートが樹脂成分の主成分であると、硬化して形成された剥離層17は、長鎖脂肪族ペンダント構造によって良好な剥離性を実現することができる。また、ウレタン(メタ)アクリレートに由来して、表面平滑性に優れた剥離層17を形成でき、シート状基材16との優れた密着性を発現でき、また、適度な柔軟性によって良好な転写を実現することができる。
本明細書で言う長鎖脂肪族ペンダント構造とは、以下の(A)または(B)の手段により形成された構造を意味する。
(A)(メタ)アクリル酸と反応してエステルを形成するアルコールとして、長鎖脂肪族アルコールを用いる。長鎖脂肪族アルコールは、炭素数5以上、好ましくは12以上、30以下であり、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。
(B)(メタ)アクリル酸と反応するアルコールとしてジオールを用い、残っているアルコール末端に長鎖脂肪族基を有するイソシアネートと反応させる。この場合、該アルコール末端に、多官能イソシアネートとポリオールを結合し、その末端のアルコールに長鎖脂肪族基を有するイソシアネートを結合するなどの方法を用いても良い。いずれにしろ、アクリル酸エステルの側鎖に、ウレタン結合を介して、長鎖脂肪族基が結合している。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有する(メタ)ウレタンアクリレートを主成分とする樹脂成分の具体例としては、上記(A)の手段を用いた場合、最も代表的には、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートである下記式(1)の化合物を主成分とし、さらに下記式(2)の(メタ)アクリレートを含有する混合物が示される。
CH=C(R)COOR−O−CO−NHR ・・・式(1)
CH=C(R)COOR ・・・式(2)
上記式(1)、(2)において、R2は水素またはメチル基、R3、R4は夫々独立に任意の炭化水素基、R1は長鎖脂肪族基である。
上記(B)の手段を用いた場合、最も代表的には、長鎖脂肪族ペンダント構造を有する(メタ)ウレタンアクリレートとして、下記式(3)のものが例示される。
CH2=C(R2)COOR3−O−CO−NHR1 ・・・式(3)
上記式(3)において、R1、R2、R3は前記と同様である。
更に、上記(B)の手段を用いた場合のより好ましい例として、多官能イソシアネート化合物、下記式(4)で示される長鎖脂肪族イソシアネート化合物、水酸基を含有するアクリレート及びポリオール化合物を原料として合成された、下記式(5)または式(6)に示す長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。式(4)で示される長鎖脂肪族イソシアネート化合物を用いると、適度な剥離性を安定に発揮する剥離層17を形成できる、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートが得られる。
−NCO(R:長鎖脂肪族基)・・・式(4)
なお、R1は長鎖脂肪族基であり、炭素数5以上のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数12以上である。炭素数の上限は特に制限がないが、炭素数が大きくなると溶剤への溶解性が悪く、融点が高く、結晶化しやすくなる傾向にあるため、30以下が好ましい。具体例としては、アミルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ミリスチルイソシアネート、パルミチルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、ベヘニルイソシアネート、テトラコシルイソシアネート、オクタコシルイソシアネートなどが好ましく例示できる。
CH=C(R)COO−I−P−CO−NH−R ・・・・・式(5)
CH=C(R)COO−I−P−I−CO−NH−R ・・・・・式(6)
(I:多官能イソシアネート由来残基、P:ポリオール由来残基、R、Rは前記と同様である。)
この構成では、ポリオールおよび多官能イソシアネート由来残基によって柔軟性や密着性などの剥離層17の機能性を制御することが可能となる。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂の具体的な合成法には特に制限はなく、公知の各種方法を採用できる。また、1分子当たり少なくとも1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物をウレタン(メタ)アクリレートの合成原料として反応する方法としても、多官能イソシアネート化合物およびポリオール化合物成分を反応させて末端イソシアネートオリゴマーとし、1分子当たり少なくとも1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート成分を反応させる方法;多官能イソシアネート化合物と、ポリオール化合物及び1分子当たり少なくとも1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物成分を反応させて末端イソシアネートオリゴマーとし、水酸基含有(メタ)アクリレート成分と反応させる方法;1分子当たり少なくとも1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物成分をポリオール化合物成分の原材料として組み込み、ポリオールとして合成する方法;などがあげられる。
なお、多官能イソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させて末端イソシアネートオリゴマーを得る際に、必要に応じて2価のポリオール、もしくは2価のポリアミンを鎖伸長剤として使用してもよい。
2価のポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等公知慣用のものが挙げられる。2価のポリアミンとしてはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、水添トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン水添ジフェニルメタンジアミン、トリジンアミン、ナフタリンジアミン、イソホロンジアミン、キシレンジアミン、水添キシレンジアミン等公知慣用のものが挙げられる。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートとして、前記式(3)、式(5)、式(6)などの化合物を使用する場合、さらに安定した剥離性を得るため、樹脂成分には、必要に応じて、前記式(2)で示される長鎖脂肪族基を有する(メタ)アクリレート成分を含有できる。式(2)の成分は、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートの合成反応の際に添加されてもよいし、合成反応の後に添加されてもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物が、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するためには、式(1)の長鎖脂肪族イソシアネートと、1分子当たり少なくとも1個以上のアリルエーテル基および1個以上の水酸基を有する化合物を反応させ、活性エネルギー線硬化反応に寄与する末端にアリル基を有する長鎖脂肪族構造を有するオリゴマーとして、活性エネルギー線硬化型樹脂に含有することが好ましい。
また、長鎖脂肪族成分は結晶化することがあり、結晶化によって、活性エネルギー硬化型樹脂組成物に沈殿物や浮遊物が発生し、その結果、形成される剥離層17の外観や平滑性を大きく損ねる場合がある。結晶化を抑制するために、剥離性を損なわない範囲で、式(7)で示されるエーテル基およびエポキシ基を含有した脂肪族基を有する(メタ)アクリレート成分を含有させることができる。
CH=C(R)COOR ・・・式(7)
(R:水素またはメチル基、R:エーテル基およびエポキシ基を含有した脂肪族基である。)
式(7)の化合物としては、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、エチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ノニルフェノールポリエチレンオキサイドアクリレートなどが例示できる。
エーテル基およびエポキシ基を含有した脂肪族基を有する(メタ)アクリレート成分は、長鎖脂肪族基を有するウレタン(メタ)アクリレートの合成反応の際に添加してもよいし、合成反応の後に添加してもよい。
長鎖脂肪族基を有するウレタン(メタ)アクリレートの合成反応は、溶剤中での溶液重合により行える。溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチル、ジブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの芳香族類および炭化水素類など公知慣用の有機溶剤が挙げられる。
合成反応時の溶剤の量は、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートと溶剤の質量比として、80:20〜10:90が好ましく、70:30〜20:80がより好ましい。溶剤の量がこの範囲未満では、均一な反応が行えない、粘度が高く取り扱い作業性が劣るなどの傾向があり、この範囲を超えるとコスト高となる。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートを得る反応は、反応性希釈剤中で行うこともできる。
反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の公知慣用のものが挙げられる。
溶剤が反応性希釈剤である場合、長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートと反応性希釈剤との質量比は、90:10〜50:50が好ましく、80:20〜60:40がより好ましい。反応性希釈剤の量が、この範囲未満では、得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高く塗工しにくくなり、またこの範囲より多いと高価になるとともに、形成される剥離層17の物性が低下する。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上述した樹脂成分、樹脂成分を合成する際に使用された溶剤に加え、各種添加剤などの他の成分を含有していてもよい。
各種添加剤としては、例えば、マット剤、耐候性改善剤、着色剤などが挙げられる。
マット剤としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ポリエチレンワックス、ガラスビーズなどの公知の充填材が使用できる。マット剤の粒径は1〜10μm程度が好ましく、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中の配合量は1〜20質量%程度が好ましい。耐候性改善剤としては紫外線吸収剤、光安定剤のどちらか一方、または両方を添加することができ、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中、紫外線吸収剤、光安定剤とも0.5〜10質量%程度配合することが好ましい。一般的には紫外線吸収剤と光安定剤を併用するのが好ましく、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系等の有機系紫外線吸収剤のほか、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。光安定剤としては、ビス(2,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル補足剤を用いることができる。
また、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、スリップ剤、防汚剤、顔料などの公知慣用の添加剤を添加することができる。
また、活性エネルギー線として、紫外線を採用する場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
光重合開始剤としては、ビニル系モノマーを光重合させるために用いられている周知の光重合開始剤を用いることができ、α−ヒドロキシイソブチルフェノンベンゾイン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物等が挙げられ、光照射装置の吸収特性を考慮した開始剤の選択がなされるが、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが好ましい。
光重合開始剤の添加量は、樹脂成分と光重合開始剤との合計量を100質量%とした場合、0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜10質量%であることが好ましい。
なお、剥離層17の内部硬化性が不充分な場合、未反応成分が時間の経過とともに剥離層17の表面に移行してベタつく場合がある。そこで、内部硬化性を向上させるために、上記開始剤の少なくとも1種を主開始剤とし、かつ、400nm以上の長波長領域に吸収を有する開始剤、例えばビスアシルフォスフィンオキサイド、モノアシルフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤を併用することができる。このように併用すると、剥離層17の厚みが例えば0.3mm以上とする場合の内部硬化性を向上できる場合がある。
また、必要に応じて、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、重合禁止剤を含有させることもできる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノールなどの公知慣用のものが挙げられる。
長鎖脂肪族ペンダント構造を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば特許第4171154号、特開2004−307783号公報などに記載されたものを採用できる。
[剥離性基材の製造方法]
この例のように剥離層17を有する形態の剥離性基材18は、シート状基材16上に、剥離層17を形成するための組成物を塗布または印刷し、その後、熱もしくは活性エネルギー線を照射することにより、製造できる。
塗布、印刷方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が挙げられる。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線、γ線等の電離性放射線などがあり、これらの中では紫外線を用いることが好ましい。
紫外線を照射する場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプなどがあり、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。ArFエキシマーレーザー、KrFエキシマーレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。また、電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、硬化反応を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に光重合開始剤が含まれる場合、その感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長が、発生効率が高くなるためより好ましい。
これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。光重合開始剤によるが、価格やランニングコストの面で、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを使用することが好ましい。
紫外線のエネルギー照射強度は、硬化型樹脂成分の種類や、光重合開始剤が含まれる場合にはその種類によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、生産性を高めることができ、その照射強度(ランプ出力)は30W/cm以上が好ましく、80W/cm以上がより好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm)は、十分な硬化性を有する硬化物を安定かつ連続的に製造する上では、1mJ/cm〜2J/cmの範囲が好ましく、さらには10mJ/cm〜1J/cmが好ましい。
また、剥離層17表面の硬化が酸素阻害により十分に進行せず、未反応のアクリロイル基やアリル基が表面に残り、そのために剥離性が低下することがある。その場合には、照射部を窒素雰囲気にするなどして酸素濃度を低下させることが好ましい。酸素濃度の値は、樹脂成分や光重合開始剤の種類などにもよるが、好ましくは10000ppm以下、より好ましくは5000ppm以下、さらに好ましく2000ppm以下である。
形成された剥離層17は、安定した剥離性を得るために、ぬれ張力試験用混合溶液(和光純薬工業株式会社製)で測定した表面エネルギーが、30mN/m以下であることが好ましく、25.4mN/m以下であることがより好ましい。
また、剥離層17の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。0.1μm未満では、十分な剥離性が得られない場合があり、10μmを超えると経済的に不利になる。
<転写層>
[導電層]
転写層15を構成する導電層12は、剥離性表面(剥離層17)に接して設けられる層であって、導電剤としてポリチオフェン系導電剤および銀ナノワイヤ系導電剤の少なくとも一方を含有して形成され、通常はさらにバインダー成分を含有する。
(導電剤)
(1)ポリチオフェン系導電剤
ポリチオフェン系導電剤は、二重結合と単結合が交互に並んだ主鎖により導電性を発現するπ共役系の有機導電性高分子であり、特に可視光領域に吸収が少ないことから、高い透明性が達成できる。
ポリチオフェン系導電剤としては、3−ヘキシルチオフェン(以下、3HTと略す場合がある。)の重合体(以下、P3HTと略す場合がある。)、その誘導体、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと略す場合がある。)の重合体(以下、PEDOTと略す場合がある。)、その誘導体からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。誘導体としては、主鎖にスルホン酸基を有する自己ドープ型ポリチオフェンや、ポリエチレングリコールなどのフレキシブルなポリマーと共重合した有機溶媒分散型PEDOTなどの誘導体を用いることもでき、得られる導電体の用途などに応じて、適宜選択される。
ポリチオフェン系導電剤を含有する導電層12の形成方法としては、剥離性表面(剥離層17)上に、導電層形成用の塗布液を塗工したり、導電層形成用のインキを印刷したりする方法などが採用される場合が多い。このような方法が採用される場合には、ポリチオフェン系導電剤として、導電性を高めるドーパントの役割だけでなく、重合により水中で微粒子状となるPEDOTの分散剤としても機能するポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと略す場合あり)の存在下で、EDOTを重合して得られる水分散体(以下、PEDOT−PSSと略す場合あり)や、PSSの代わりにポリビニルスルホン酸(以下、PVSと略す場合あり)を用いたPEDOT−PVSなどを用い、導電層形成用の塗布液やインキを調製することが好ましい。
前述のPEDOTもしくはその誘導体などを用いる場合には、導電層形成用の塗布液やインキに、導電性向上効果が確認されている高沸点溶媒を2次ドーパントとして加え、それにより、形成された導電層12に2次ドーパントが存在するようにしてもよい。このような2次ドーパントとしては、ポリエチレングリコール、メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの高沸点溶媒が挙げられる。その場合、導電層形成用の塗布液またはインキにおける高沸点溶媒の添加量は、ポリチオフェン系導電剤100質量部に対して、10〜500質量部が好ましく、100〜300質量部が好ましい。高沸点溶媒の添加量が少なすぎると、2次ドーパントとしての効果が充分に得られず、高沸点溶媒の添加量が多すぎると、乾燥塗膜への高沸点溶媒の残留量が多くなり、ブリード(溶出)する懸念がある。
PEDOTに代表されるポリチオフェン系導電剤は、次に述べる銀ナノワイヤ系導電剤と、導電性能の点ではほぼ同等であるが、製造の安定性の点で優れている。
(2)銀ナノワイヤ系導電剤
銀ナノワイヤ系導電剤は、銀単体のみで作られた金属銀ナノワイヤである。平均的な大きさは、直径が2〜20nm、長さ2万〜20万nm程度である。
(3)その他の導電剤および導電剤の含有量等
導電層12には、導電性物質として必須成分であるポリチオフェン系導電剤または銀ナノワイヤ系導電剤の性能を損なわない範囲で、さらに他の導電剤が含まれてもよい。このような導電剤は、導電層形成用の塗布液やインキに添加された場合に、塗布や印刷を妨げない範囲で用いられることが好ましい。このような導電剤の一例としては、銀や銅などの金属化合物(微粒子、ワイヤー、ペーストもしくは可溶化塩)、ITO、ATOなどの金属酸化物微粒子、ポリアニリンなどの有機導電性高分子、導電性カーボンナノチューブなどが挙げられ、1種以上を使用できる。
導電層12における導電剤の含有量(ポリチオフェン系導電剤、銀ナノワイヤ系導電剤と必要に応じて使用される他の導電剤の合計量。)は、高いほど好ましいが、成膜性やその他品質との兼ね合いから、10〜90質量%、より好ましくは30〜70質量%である。また、全導電剤中、ポリチオフェン系導電剤の割合を好ましくは50質量%以上とすると、屈曲性に優れ、転写時の導電層12の損傷がより抑制される導電層12を形成しやすい点で好ましい。
(バインダー成分)
バインダー成分は、導電層12の成膜性向上のために使用されるものであって、樹脂成分と、カップリング剤成分とを少なくとも含有する。
樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、これらの変性樹脂、これらの共重合樹脂などの樹脂が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
また、樹脂成分としては、このように重合が済んだ樹脂に限定されず、重合して重合体となるモノマーもしくはオリゴマーと、これらを光や熱で活性化する重合開始剤や架橋剤などの成膜用成分との混合物などの重合性組成物も用いることができる。
モノマーやオリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種以上使用できる。具体的には、ラジカル重合系としては、単官能のエチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドンや、2官能のヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールポリエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3官能以上のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなど、カチオン重合系としては、グリシジルエーテル化合物や脂環式エポキシ化合物などのエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などが例示できるが、これらに限定するものではない。
重合開始剤としては、公知のものを使用できる。
架橋剤としては、導電層12に耐溶剤性を付与できるものとして、上記モノマー、オリゴマーのうち、3官能以上のモノマーおよびオリゴマー;エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系などの公知の架橋剤;などを使用できる。ただし、メラミン系架橋剤は、導電層12の透明性低下を招きやすく、その使用には注意を要する。
樹脂成分の種類は、導電剤の種類、性状や、導電層12が設けられる剥離性基材18の剥離性表面の表面性などによって適宜選択されるが、吸湿性が少なく、耐酸性が高く、塗工適性にも優れることから、ポリエステル系樹脂が好ましい。
また、導電層12における樹脂成分の量は、導電剤による導電性の観点からは、少ない方が好ましいが、少なすぎると導電層12の成膜性が低下する。これらの観点から、樹脂成分の量は、導電剤100質量部に対して、500質量部以下が好ましく、さらに好ましくは300質量部以下である。
なお、導電層12にパターニングが必要な場合には、光硬化性のある感光性バインダーを使用して、フォトマスクによりパターニングができるようにしてもよい。また、導電層12のパターニングを印刷で行う場合には、各種印刷方式に適したインキ粘度に調整するために、使用する樹脂成分の量や、粘度に大きく影響する分子量を適宜調整してもよい。
なお、パターニングは、導電性転写シート1の導電層12に対して行ってもよいし、転写後に得られる導電性シート(導電性積層体)10,10’の導電層12に対して行ってもよい。
さらに、剥離層17に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を使用する場合、剥離層17への活性エネルギー線照射をパターニングすることにより、剥離層17の剥離強度をパターン化するとともに、導電層12のパターニングも同時になされるようにしてもよい。
カップリング剤成分は、導電層12自体の成膜性、硬度などの向上や、導電層12と該導電層12に積層される中間層13との密着性向上などを目的として、バインダー成分のうちの一成分として、前述した樹脂成分とともに導電層12中に含まれる。
このようなカップリング剤成分としては、分子中に有機官能基とアルコキシル基とを有する有機ケイ素化合物であるシランカップリング剤やその反応物がある。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤や、含窒素官能基を有するシランカップリング剤の他、ビニル系、スチリル系、(メタ)アクリル系、メルカプト系、スルフィド系などの各種シランカップリング剤が挙げられる。
(その他の成分)
導電層12には、ポリチオフェン系導電剤および銀ナノワイヤ系導電剤の少なくとも一方;カップリング剤成分を含むバインダー成分;の他に、導電性能を大きく損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、金属腐食防止剤、pH調整剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤等の添加剤や、濡れ剤、消泡剤などの塗工助剤が適宜含まれていてもよい。
濡れ剤や消泡剤は導電層12の欠陥防止に効果的であり、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの界面活性剤が利用されるが、フッ素系界面活性剤を用いると、中間層13の材質によっては、導電層12と中間層13との密着耐久性が低下する可能性がある。その場合には、シリコーン系、長鎖アルキル系を用いることが好ましい。
また、これらの界面活性成分は、添加剤として混合する他、共重合などにより樹脂成分に一体化してもよい。これら成分の配合により、導電層12の接触角を50度以上100度以下、より好ましくは60度以上90度以下に調整すると、導電層12と絶縁層11が隣接する場合、これらの間の密着耐久性を保ちつつ、欠陥のない導電層12が得られやすい。
[導電層の形態、物性等]
導電層12は、例えばアナログ方式の抵抗膜式タッチパネルなどに用いられる、実質的に均一な厚さで形成された均一層でもよいし、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルなどに用いられる、位置検知のために形成された規則的なパターンを有する導電層12であってもよい。パターニングは、各種印刷方式などにより、剥離性基材18の剥離性表面上に予め部分的に導電層12を設ける方法で実施されたものであってもよいし、または、導電層形成用の塗布液を剥離性基材18の剥離性表面上に均一塗布後、エッチング液を用いた湿式エッチングやレーザー光線を用いた乾式エッチングなどにより、その一部を除去して実施されたものであってもよい。なお、均一層の場合でも、タッチパネルの構成などに応じて、引き出し電極等形成のため、導電層12の一部がパターン化されていてもよい。
なお、パターニングは、被転写体上に転写された後の導電層12に対して行ってもよい。
湿式エッチングを行う場合、各種活性エネルギー線を用いたフォトリソ法やスクリーン印刷法により導電層12の一部をマスキングしてからエッチング処理を行ってもよく、この処理には、特開2008−091487号公報や特開2008−115310号公報等に記載されている有機導電性高分子用のエッチング液が好適に利用できる。また、独メルク社製のisishape HigperEtch製品のようなエッチングペーストを導電層12の除去部分に直接印刷することで、マスキングなしでエッチング処理を実施してもよい。
また、引き出し電極は、導電層12の表面や導電層12に結線可能な形態で、使用状況に応じて、例えば導電性の高い銀ペーストや、アルミニウム、モリブテンなどの金属材料により形成してもよい。その形成方法は、ペーストなどの印刷やスパッタなどの公知の手法が適宜利用できる。
引き出し電極の形成も、被転写体に転写された後の導電層12に対して行ってもよい。
導電層12は、タッチパネル等に利用する目的においては、高透明であることが好ましいが、ポリチオフェン系導電剤や銀ナノワイヤ系導電剤は着色物質であるため、導電層12の透明性は、導電剤の含有量の大きく影響を受ける。導電層12の透明性は、転写して得られた導電性シート10の全光線透過率(JIS K7105)として、70%以上となるように構成されることが好ましく、より好ましくは88%以上である。また、意図的に光拡散性を要する場合を除けば、導電性シート10のヘイズ(JIS K7105)は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下である。
導電層12の厚さは、転写層15を転写して得られる導電性シート10,10’の用途や導電剤の組成、性質などによって最適値が大きく異なるため、一概に規定することは出来ないが、乾燥膜厚として、0.01〜1μm、より好ましくは0.02〜0.8μmである。乾燥膜厚が上記範囲の下限値以上であると、導電性の均一性を確保しやすく、上限値以下であると、効率低下、コストアップの問題もない。
導電層12の導電性は、タッチパネル用の電極板とするためには、表面抵抗を10Ω/sq以下としたものが好ましく、10Ω/sq以下の表面抵抗としたものがより好ましい。表面抵抗は、導電層形成用の塗布液またはインクにおける導電剤の組成、塗工量などにより調整できる。
[導電層の形成方法]
導電層12は、剥離性基材18の剥離性表面上に形成される。ここで、必要に応じて、導電層12のパターニングや引き出し電極の形成を実施できる。
ポリチオフェン系導電剤を含む導電層12の形成には、前述のとおり、導電層形成用の塗布液を塗工する方法や導電層形成用のインキを印刷する方法などの公知の方法を採用できる。また、銀ナノワイヤ系導電剤を含む導電層12についても、銀ナノワイヤを含む塗布液を塗布したり、インキを印刷したりする方法で形成できる。
塗工の方式としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いた方法が挙げられ、比較的塗工量が少なめである導電層12の形成には、マイクログラビアコーターを用いることが好ましい。
印刷方式としては、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
導電層12を形成する際の乾燥には、例えば加熱送風乾燥機や真空乾燥機などを用いる。
また、導電層12に用いる樹脂成分が熱硬化性である場合には、導電層形成時には、加熱炉や赤外線ランプ等を用い、塗膜乾燥時もしくはムロなどにより加熱処理を施すことができる。樹脂成分が活性エネルギー線硬化性である場合には、活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線が挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。
紫外線照射には、先に例示した各種紫外線ランプを使用できる。また、電子線としては、先に例示した各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
活性エネルギー線の照射による硬化は、大気中の酸素による硬化阻害を回避するため、窒素などの不活性ガス存在下で行うことが好ましく、コストの観点から窒素ガスが好適に利用できる。また、活性エネルギー線を照射する工程は、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
なお、導電層形成用の塗布液およびインキは、塗装適性、印刷適性を向上するなどの目的で、有効成分の他に希釈用の溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコールなど。)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノンなど。)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソロブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど。)、トルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、1種以上を使用できる。
塗工ムラを軽減するためには、蒸発速度の異なる溶剤を使用することが好ましい。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのなかから複数の溶剤を適宜選択し、これらを混合して使用することが好ましい。
また、導電層形成用の塗布液やインキのpHは、1〜6に調整することが好ましい。pHが高いと、塗布液やインキが含窒素シランカップリング剤を含む場合、塗布液やインキがゲル化する場合がある。pHが高い場合には、塗布液およびインキに、例えば硫酸、塩酸などの酸性溶液を添加すればよい。
[接着層および中間層]
接着層14は、転写後において、転写層15を被転写体上に保持するための層として設けられるものであって、転写により、被転写体である絶縁層11に接するように位置する。
一方、中間層13は、転写時の導電層12の損傷を抑える緩衝層として、導電層12と接着層14との間に設けられるものである。中間層13は、このように緩衝層として作用するために、接着層14よりも破断伸度が小さく、かつ、破断強度が大きい必要がある。
中間層13と接着層14との破断伸度および破断強度の比較は、中間層13と接着層14の単層サンプルをそれぞれ形成し、これらの単層サンプルについて測定した破断伸度および破断強度の値の比較により行う。破断伸度および破断強度は、JIS K7127に規定された方法で測定される。
なお、中間層13と接着層14の単層サンプルは、離型性を有する基材(例えばセパレータフィルムや、特に易接着処理を施していないポリエチレンテレフタレートフィルムなど。)に、各層を塗工して形成した後、端部より各層を剥がし取る方法により得ることができる。
このように接着層14よりも破断伸度が小さく、かつ、破断強度が大きい中間層13が、導電層12と接着層14との間に設けられていると、転写時の導電層12の損傷を抑えることができる。
ここで仮に、中間層13が導電層12と接着層14との間に介在しておらず、導電層12と接着層14とが直に接していると、転写時における接着層14の伸びがそのまま導電層12に伝達され、その結果、導電層12が破断するなどして損傷する可能性が高まる。
これに対して、接着層14よりも破断伸度が小さく、破断強度が大きい中間層13が介在していると、中間層13は、転写時に接着層14が伸びても、それ自身が破断することなく接着層14の伸びを吸収する。そのため、接着層14の伸びがそのまま導電層12に伝達されることによる導電層12の破断が抑制される。中間層13の破断伸度が接着層14よりも大きい場合には、接着層14の伸びを吸収することが困難となる。また、中間層13の破断強度が接着層14よりも小さい場合には、中間層13が接着層14の伸びによって破断しやすくなり、やはり接着層14の伸びを吸収することが困難となる。
中間層13や接着層14の好ましい破断伸度(%)や破断強度(MPa)は、各層の組成および各層の組み合わせ、ならびに、転写される被転写体の表面形状などによっても大きく異なるため、一概に規定することは難しいが、中間層13は破断伸度が0.5〜30%で破断強度が3〜30MPa、接着層14は破断伸度が200〜1500%で破断強度が0.1〜10MPaであることが好ましい。
破断伸度は、中間層13や接着層14の厚みが大きくなると低下し、破断強度は、中間層13や接着層14の厚みが大きくなると向上する。よって、これらの厚みを調整することにより、破断伸度や破断強度をコントロールできる。
中間層13および接着層14の材質および厚みは、少なくとも中間層13と接着層14の破断伸度および破断強度の関係が、前述の関係となるように各々が選択されればよいが、好ましくは、被転写体上に転写層15を良好に保持できる観点、導電層12の特性に影響を及ぼしにくい観点などから接着層14の材質および厚みをまず決定し、その後、決定された接着層14の破断強度および破断伸度に応じて、中間層13の材質および厚みを決定することが好適である。また、中間層13および接着層14は、透明性に優れていることが好ましい。
接着層14としては、感圧接着層、活性エネルギー線硬化型接着層、ホットメルト接着層などが挙げられるが、ホットメルト接着層は、該接着層を形成する際の熱により導電層12の寸法安定性が低下するなど、導電層12の特性に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、導電層12が、規則的なパターンを有する導電層12である場合には、熱による寸法変化は好ましくない。そのため、接着層14には、感圧接着層または活性エネルギー線硬化型接着層を採用することが好ましい。
感圧接着層としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、スチレン系、シリコーン系などのポリマーを主成分とし、熱架橋剤などの硬化成分等を含む公知の粘・接着剤を利用することができ、被転写体との密着性などを考慮して決定される。中でも、透明性の観点から、アクリル系、ウレタン系などが好適である。
活性エネルギー線硬化型接着層としては、感圧接着剤の主成分として先に例示した各種ポリマーもしくはオリゴマーやモノマー成分に、光架橋増感剤、光活性架橋剤などの添加剤を混合した活性エネルギー線硬化型接着剤から形成される層を採用でき、被転写体との密着性などを考慮して決定される。
これら接着層14の形成方法としては、上記の成分を含有する塗布液またはインクを用いて、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により、中間層13上に未硬化層を形成し、その後、すでに例示した活性エネルギー線を照射したり加熱したりして、これを硬化させるなどの方法が挙げられる。
接着層14の厚みは、必要とされる接着力や、被転写体表面の凹凸の状態などの観点から適宜決定でき、通常、10〜300μmの範囲である。
また、これらの接着層において、主成分となるポリマーに剛直な骨格を有する成分を用いたり、架橋密度を上げたりすることによって、接着層14の破断伸度は小さくなり、破断強度は大きくなる。しかしながら、同時に、接着力も連動して変化する。よって、接着層の設計は、要求される接着力にあわせて調整する。
一方、中間層13は、導電層12の損傷を抑制する役割を担うため、剛直な層を形成することが望ましい。具体的には、架橋構造を導入したポリマー層や、後述するハードコート層が好適に採用される。
中間層13の形成方法としては、前述の接着層14において説明した方法などのなかから適宜採用できる。また、中間層13の厚みは、大きすぎると、導電性転写シート1が剛直化し、割れ易くなる。よって、中間層13の厚みは1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
中間層13の破断伸度が接着層14よりも小さく、中間層13の破断強度が接着層14よりも大きくなるような中間層13と接着層14との組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせが挙げられる。
(1)アクリル系紫外線硬化型中間層(厚さは例えば3μmなどの1〜10μmの範囲)と、アクリル系感圧接着層(厚さは例えば25μmなどの10〜100μmの範囲)
(2)アクリル系紫外線硬化型中間層(厚さは例えば5μmなどの1〜20μmの範囲)と、ウレタン系紫外線硬化型接着層(厚さは例えば20μmなどの10〜300μmの範囲)
(3)アクリル系紫外線硬化型中間層(厚さは例えば5μmなどの1〜10μmの範囲)と、アクリル系紫外線硬化型接着層(厚さは例えば50μmなどの10〜100μmの範囲)
<任意の剥離性被覆シート>
図3は、本発明の導電性転写シートの他の一例を示すものであって、この例の導電性転写シート1’は、接着層14上(接着層14における中間層13が設けられていない側の面上)に、剥離性被覆シート19が設けられている点で、図1の例の導電性転写シート1と異なる。この剥離性被覆シート19は、転写に際しては、接着層14を露出させるために剥離されるものである。
剥離性被覆シート19は、接着層14の材質などに応じて、必要に応じて設けられる。導電性転写シート1’の構成をこのように剥離性被覆シート19を備えたものとすることにより、例えば、接着層14を中間層13上に形成するのではなく、剥離性被覆シート19の片面に形成することができる。すなわち、剥離性被覆シート19と接着層14との積層体Aと、剥離性基材18と導電層12と中間層13との積層体Bとをそれぞれ製造し、これらを重ねることにより、図3の例の導電性転写シート1’を製造することができる。
図1の構成の導電性転写シート1の場合には、接着層14は中間層13の表面に形成される。すなわち、中間層13を介して導電層12上に設けることとなる。この場合、接着層14を形成するために要した熱もしくは活性エネルギー線が中間層13のみならず、中間層13を介して導電層12にまで到達し、導電層12の樹脂成分に過剰な負荷がかかる可能性がある。これに対して、上述のように、積層体Aと積層体Bを別々に製造する方法では、そのような可能性が排除される。
剥離性被覆シート19の材質、構成は、接着層14の種類に応じて選択でき、例えば絶縁性基材として下記に示す各種樹脂などのシート状基材と公知の材質の剥離層(例えば、縮合型もしくは付加型シリコーンや長鎖アルキル基含有ポリマー系、フッ素系の成分を含む剥離層。)とからなるシートが使用できる。
[2]導電性積層体
本発明の導電性積層体は、被転写体上に、上述した導電性転写シート1,1’から転写された転写層15を有するものである。導電性積層体としては、図2に示すように、被転写体である絶縁層11の片面に転写層15が形成された形態の導電性シート(図2(a))、絶縁層11の両面に転写層15が形成された形態の導電性シート(図2(b))が挙げられる。
なお、被転写体は絶縁層11に限定されず、絶縁性の立体成形体であってもよい。
<絶縁層>
絶縁層11は、可撓性のない樹脂板、ガラス板などの板状の絶縁性基材を備えて構成されることができる。絶縁層11は、このような絶縁性基材のみから構成されていてもよいし、絶縁性基材と、その表面に必要に応じて設けられた他の層とから構成されていてもよい。また、絶縁層11として、例えば液晶モジュールに使われる偏光板などを使用してもよいし、可撓性のある樹脂フィルム等を採用してもよい。ただし、導電性転写シート1,1’を使用して、導電層12を含む転写層15を転写により形成する方法によれば、絶縁性基材が可撓性を有さず、フィルムコータなどにより導電層12をその上に直接形成することが困難な絶縁層11に対しても、良好に、かつ生産性よく、導電層12を設けることができる。
[絶縁性基材]
絶縁性基材を構成する樹脂板あるいは樹脂フィルムの樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリアミド、(メタ)アクリル樹脂、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが挙げられ、これらの混合物でもよい。
絶縁性基材としては、透明性、耐候性、耐溶剤性、剛度、コストなどの観点からは、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム、ガラス基板、シクロオレフィンポリマーまたは透明性が良好なポリカーボネートなどのシートが好適に利用できる。
特に屈曲性が要求される場合には、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム、シクロオレフィンポリマーまたは透明性が良好なポリカーボネートなどのシートが好ましい。また、屈曲性の点からは、これらの絶縁性基材の厚みが10〜200μmであることが好ましい。
絶縁性基材には各種添加剤が含まれてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、カップリング剤等が挙げられる。これら添加剤は必要に応じて使用されるが、導電性シート10をタッチパネルに使用する際には、導電性シート10の透明性を阻害しない添加物を選択することが好ましい。
絶縁性基材の表面には、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面酸化処理が施されていてもよい。
[絶縁層を構成する他の層]
必要に応じて絶縁性基材の表面に設けられる層としては、例えば、干渉縞対策層、各種拡散剤を添加した拡散調製層などの光学調整層、接着層14との密着性を高めるため、イソシアネートなどの反応性物質を添加したアンカー層などが挙げられる。また、転写により絶縁層11上に導電層12が設けられた後に、この導電層12をパターニングする場合には、絶縁性基材上には、活性エネルギー線が照射された箇所のみ剥離可能な発泡剥離層17が設けられてもよい。
また、絶縁性基材の表面が露出する場合や、工程中、絶縁性基材に生じる表面傷を抑制する目的などのために、その表面に、樹脂成分を主成分とし、硬質成分を含有するハードコート層を設けてもよい。
ハードコート層の主成分である樹脂成分としては、重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーの重合体であるアクリル系重合体が好ましい。
重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量400)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種以上を使用できる。
ハードコート層の鉛筆硬度を3H以上にするためには、4官能以上の(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーは、熱硬化性でも活性エネルギー線硬化性でもよい。
硬質成分としては、反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子が使用される。反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子を用いると、防汚性、指紋付着防止性、帯電防止性などを付与できる。
反応性無機酸化物粒子は、カップリング剤により処理した無機酸化物粒子であり、反応性有機粒子は、カップリング剤により処理した有機粒子である。無機酸化物粒子または有機粒子をカップリング剤により処理することにより、樹脂成分であるアクリル系重合体との間の結合力を高めることができる。その結果、表面硬度や耐擦傷性を向上させることができ、さらに無機酸化物粒子および有機粒子の分散性を向上させることができる。
無機酸化物粒子としては、硬度が高いものが好ましく、例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などを用いることができる。
有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアミドなどの樹脂粒子などを用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム等が挙げられ、1種以上を使用できる。
カップリング剤の処理量は、無機酸化物粒子および/または有機粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
ハードコート層には柔軟性成分が含まれてもよい。柔軟性成分が含まれていると、導電性シート10,10’を打ち抜き加工する際のクラックの発生をより防止できる。
ここで柔軟性成分は、分子内に1個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート類である。前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリシクロデカンメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
これらの(メタ)アクリレート類は、1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<導電性積層体の製造方法>
図2(a)および(b)に示すような導電性シート10,10’は、被転写体である絶縁層11の少なくとも片面上に、導電性転写シート1の接着層14が接触するように導電性転写シート1を配置し、その後、剥離性基材18を剥離する転写法により製造できる。図3に示す導電性転写シート1’を用いる場合には、剥離性被覆シート19を剥離してから使用する。
転写法としては、ロール転写法、プレス転写法、メンブランプレス転写法などの公知慣用の加圧および加熱もしくは活性エネルギー線照射の組み合わせにより転写する方法を用いることができる。
ロール転写法は、被転写体に導電性転写シート1の接着層14が被着するように導電性転写シート1を配置した後、導電性転写シート1に常温もしくは加熱した加圧ローラーを接触させ、ローラー回転により、加熱・加圧接着する方法である。
プレス転写法は、被転写体に導電性転写シート1の接着層14が被着するように導電性転写シート1を配置した後、導電性転写シート1に常温もしくは加熱した加圧プレス板を接触させ、プレスにより加熱・加圧接着する方法である。
メンブランプレス転写法では、吸着盤上に被転写体をセットし、その上に導電性転写シート1を同様に配置した後、吸着盤により導電性転写シート1と被転写体の間の空気を減圧し、導電性転写シート1とを被転写体とを馴染ませる。その後、シリコンラバーを有するバルーン型加熱プレス盤が降下してシリコンラバーが導電性転写シート1と被転写体に馴染むように、高熱圧縮エアーを注入し、シリコンラバーを形状に馴染ませ、かつ転写に必要な熱と圧力を供給し、加熱・加圧接着する。
なお、接着層14に活性エネルギー線硬化材料を用いた場合には、上記の手法により擬似接着をし、さらに活性エネルギー線照射を組み合わせて接着する。
これらのいずれの方法でも、加熱・加圧接着後、剥離性基材18を剥離する。
なお、被転写体が絶縁性の立体成形体であって、導電性積層体が、立体成形体(被転写体)上に転写層15が形成されたものである場合には、射出成形による成形同時転写法も採用できる。
この方法では、可動型と固定型とからなる成形用金型内に、導電性転写シート1を接着層14を内側にして固定型に接するように送り込み、成形用金型を閉じる。その後、可動型に設けたゲートより、被転写体を構成する溶融樹脂を金型内に射出充満させ、被転写体である立体成形体を形成するのと同時に、その表面に導電性転写シート1を加熱・加圧接着させる。ついで、導電性積層体を冷却した後、成形用金型を開いてこれを取り出す。そして、剥離性基材18を剥離する。
このように転写法によれば、被転写体が立体的な形状を有し、フィルムコータなどによる導電層12の直接形成が困難な場合にも対応できる。被転写体が立体的な形状である例としては、表面に微細な凹凸が賦与されているシートや、曲面形状に設計されたディスプレイなどが挙げられる。
転写法については特開2003−72295号公報などに記載されており、適宜選択して採用することができる。
[3]タッチパネル
図2(b)の導電性シート10’を用いることにより、例えば投影型静電容量方式であるタッチパネルを製造できる。
その場合、転写層15中の各導電層12は、それぞれ、絶縁層11の両面側で上部電極及び下部電極として作用する。これら導電層12は、それぞれが一軸方向に規則性を有するパターンに加工され、且つ、互いのパターンは位置検知のため直交するように配置されている。
上部電極側となる導電層には、図示略の粘着層を介してガラスやフィルムなどの透明素材からなるカバー部材(透明シート)が貼合される。下部電極側となる導電層には、例えば液晶モジュールの偏光板面と貼合されるため、図示略の粘着層が積層される。
なお、各導電層には、引き出し電極層が備えられ、引き出し電極層とFPC(フレキシブル配線板)コネクタとが接続され、更にFPCコネクタはFPCなどにより静電容量検出回路に接続され、タッチパネルが構成される。
なお、タッチパネルの構成は、製造メーカーや機種毎に多様であるため、これに限定されるものではない。
このように例えば図2(b)の導電性シート10’を用いることにより、容易に、液晶モジュールに用いるような投影型静電容量方式のタッチパネルを製造することができる。
なお、タッチパネルにおける粘着層には、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが使用できる。また、溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。また、粘着層は各種コーターなどを用いて形成できる。
以上説明したように、図示例の導電性転写シート1,1’の転写層15は、ポリチオフェン系導電剤または銀ナノワイヤ系導電剤を有する導電層12と接着層14との間に、接着層14よりも破断伸度が小さく、破断強度が大きい中間層13を備えている。この中間層13は、転写時には、中間層13が導電層12の転写による損傷を抑える緩衝層として作用する。よって、このような導電性転写シート1,1’を用いることによって、導電層12を損傷させることなく、被転写体に転写することができる。そして、優れた導電性を備えた導電性シート(導電性積層体)10,10’やタッチパネルを製造することができる。
また、このような転写法によれば、フィルムコータなどにより導電層12をその上に直接形成することが困難な被転写体、例えば可撓性を有しない樹脂板やガラス板などの他、伸びや断裂が生じやすい薄いフィルムや延伸フィルム、耐熱性の低いフィルムなどに対しても、良好に、かつ生産性よく、導電層12を設けることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお、例中の「%」「部」は、特に断わらない限り質量%もしくは質量部を示す。なお、各種測定は特に指定が無ければ23℃50%RH環境下で実施した。
[実施例1]
(剥離性基材)
厚さ50μmの光学用PETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)をそのまま剥離性基材として使用した。
(導電性転写シートの作製)
(1)導電層の形成
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)をポリスチレンスルホン酸の存在下で重合させた導電性物質(PEDOT−PSS)を含む水分散液と、バインダー成分となるポリステル系樹脂(東洋紡株式会社製、バイロナールMD1200)、界面活性剤(信越化学工業株式会社製、レベリング剤KP−110)を、固形分として1:1:1の質量比で混合し、メタノールで希釈して、固形分濃度1%の混合液Aとした。この混合液Aと、エポキシ系シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、KBM403)を水/メタノール=50/50混合液で希釈して1%溶液としたものとを、100:30の質量比で混合し、導電層形成用の塗布液を調製した。
この塗布液を、剥離性基材として用いる厚さ50μmの光学用PETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)の表面(剥離性表面)に、乾燥厚みで約0.2μmとなるようにバーコーターで塗工後、乾燥して表面抵抗272Ω/sq(JIS K7194準拠)を有する導電層12を得た。
(2)中間層(アクリル系紫外線硬化型中間層(厚さ3μm))の形成
次に、導電層の表面に、紫外線硬化型アクリル系塗料として、6官能アクリレート(商品名DPHA、ダイセル・サイテック株式会社製)64部とジエチレングリコールアクリレート(商品名SR230、サートマー社製)を27部、光重合開始剤(商品名イルガキュア184、BASF社製)4部、光安定化剤(商品名チヌビン152、BASF社製)4部、希釈溶剤としてMIBKを51部、シクロヘキサノンを51部調合した塗布液(塗剤)をバー塗工し、80℃3分加熱後、高圧水銀ランプ紫外線照射機(アイグラフィックス株式会社製)にて、80w/cm、ベルトスピード30m/分で紫外線照射し、厚さ3μmの中間層13を形成した。
なお、別途、厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:38RL07(2)、王子特殊紙株式会社製)の剥離加工面に、上述と同様にして中間層を直接形成した。そして、中間層をPET剥離フィルムから剥離して、中間層の単層サンプルを得た。この単層サンプルのMD方向の破断強度及び破断伸度を、JIS K7127に基づき、試験片形状2型(幅10mm)、掴み間隔100mm、標線間隔50mm、引張速度200mm/分で測定したところ、破断強度は5.1MPa、破断伸度は3%であった。
(3)接着層(アクリル系感圧接着層(厚さ25μm))の形成
攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチルを添加した。次いで、反応装置内に、アクリル単量体であるブチルアクリレート65質量部、メチルアクリレート35質量部、アクリル酸2部と、重合開始剤である2,2’−アゾイソブチロニトリル0.1質量部を添加し、攪拌しながら窒素ガス気流中、溶媒の還流温度で8時間重合した。反応終了後、トルエンを添加してアクリル重合体溶液を得た。このアクリル重合体固形分100質量部に、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(品名:TINUVIN144、BASF社製)2.0質量部、さらに酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物(商品名:IRGANOX 1520L、BASF社製)0.08質量部を添加して接着剤主剤とした。
次いで、該接着剤主剤固形分100質量部に対して、架橋剤であるトリレンジイソシアネート(品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)1部、波長353nmに極大吸収波長を有するベンゾトリアゾール系液状紫外線吸収剤(品名:TINUVIN109、BASF社製)4.0質量部を混合して接着層形成用の塗布液を得た。本塗布液をアプリケーターバーにより中間層の表面に塗工し、100℃で5分間乾燥させ、厚み25μmの接着層を形成した。
次いで、該接着層の表面に、PET剥離フィルム(品名:38RL07(5)、王子特殊紙株式会社製)を貼合して剥離性被覆シートを設けた後、室温で1週間放置し、剥離性基材/導電層/中間層/接着層/剥離性被覆シートの構成を有する導電性転写シートを作製した。
なお、別途、厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:38RL07(2)、王子特殊紙株式会社製)の剥離加工面に、上述と同様にして接着層を直接形成した。そして、接着層をPET剥離フィルムから剥離して、接着層の単層サンプルを得た。この単層サンプルのMD方向の破断強度及び破断伸度を、JIS K7127に基づき、試験片形状2型(幅10mm)、掴み間隔100mm、標線間隔50mm、引張速度200mm/分で測定したところ、破断強度は0.7MPa、破断伸度は700%であった。
(導電性積層体の作製)
得られた導電性転写シートより剥離性被覆シートを剥がし、常温ロール転写法にて接着層側を厚さ0.5mmの光学用ガラス板に転写した後、剥離性基材を剥離し、透明導電性積層体を得た。
(導電層のパターニング)
続けて、導電層にフォトレジスト用ドライフィルムを貼合せ、石英マスクを重ね合わせて、前述の紫外線照射装置にてランプ高さ13cm、160w/cm、ベルトスピード8m/分で紫外線を照射する処理を施した。石英マスクのパターンは、導電層が幅0.5mm、長さ110mmのライン状に、間隔10mmで並行に10本並ぶテストパターンとした。続けて有機ポリマー型導電層用エッチング液を用いて導電層の一部を未硬化部のレジストと一緒に除去後、残りのレジストフィルムも剥離して、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を得た。
(導電層の評価)
導電層の導電性確認用に、各ラインに両端部の間隔が100mmとなるよう銀ペースト(藤倉化成株式会社製、ドータイトFA―401CA)にて5mm角の引き出し電極を作製し、10本のラインにつき、個々の抵抗値を測定した。測定結果は、断線によりレンジオーバーとなったラインの結果を除き、平均値を算出し、断線ラインの本数と併せて表1に示す。
[実施例2]
導電層のパターニングを、転写後の導電性積層体に対してではなく、剥離性基材に導電層を形成した直後に実施したこと以外は、実施例1と同様にして導電性転写シートを得て、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
(剥離性基材の作製)
シート状基材16として、厚さ50μmの易接着ポリプロピレンフィルム(商品名KMP−122#50、王子特殊紙株式会社製)を用い、コロナ処理面のシート状基材16上に、長鎖脂肪族ペンダント構造を有する紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂系剥離剤(商品名TA37−227E、日立化成ポリマー株式会社製)をバー塗工し、80℃60秒加熱後、前述の高圧水銀ランプ紫外線照射機を用いて、ランプ高さ13cm、160w/cm、ベルトスピード15m/分、窒素雰囲気下にて紫外線照射を2回行い、厚さ1μmの剥離層17を硬化形成し、剥離性基材18を作製した。この剥離性基材18を用いた事以外は、実施例1と同様にして導電性転写シート1’を得た。
なお、得られた導電性転写シート1’の導電層12の表面抵抗は275Ω/sqであった。
続けて、得られた導電性転写シート1’より剥離性被覆シート19を剥がし、常温ロール転写法にて厚さ0.5mmの光学用ガラス板に転写した後、剥離性基材18の側から前述の紫外線照射装置にて、160w/cm、ベルトスピード8m/分、2回照射を実施して紫外線硬化型の剥離層17の剥離力を安定化した後、剥離性基材18を剥離し、透明導電性積層体を得た事以外は、実施例1と同様にして、導電層12のパターニングを実施し、パターニングされた転写導電層12を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
(剥離性基材の作製)
剥離層17の形成時に実施する紫外線照射を1回に減らした事以外は、実施例3と同様にして導電性転写シート1’を得た。
なお、得られた導電性転写シート1’の導電層12の表面抵抗は279Ω/sqであった。
続けて、得られた導電性転写シート1’より剥離性被覆シート19を剥がし、常温ロール転写法にて厚さ0.5mmの光学用ガラス板に転写した後、剥離性基材18に前述の石英マスクを重ね合わせて、その表面にランプ高さ13cm、160w/cm、ベルトスピード8m/分で3回照射することにより、紫外線硬化型の剥離層17の剥離力を部分的に高めた後、剥離性基材18を剥離し、パターニングされた転写導電層12を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
中間層の構成と接着層の構成とを変更した以外は、実施例1と同様にして、導電性転写シートを作製し、これを用いた転写により透明導電性積層体を製造し、ついで導電層のパターニングをし、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を得た。そして同様に評価した。結果を表1に示す。
なお、中間層、接着層は次のようにして形成した。
導電層の表面に、メチルエチルケトンにて固形分濃度50質量%に希釈したアクリル系紫外線硬化型フィルムコート剤(DIC株式会社製、ユニディックRC29−117)をバー塗工後、80℃3分間乾燥してから、前述の高圧水銀ランプ紫外線照射機にて、80w/cm、ベルトスピード10m/分で紫外線照射し、厚さ5μmの中間層13を形成した。
ついで、中間層の表面に、無溶剤型アクリル系紫外線硬化型接着剤(DIC株式会社製、ユニディックV−9510)をアプリケーターバーにより中間層の表面に塗工し、窒素雰囲気下で前述の高圧水銀ランプ紫外線照射機にて、80w/cm、ベルトスピード10m/分で紫外線照射し、厚さ50μmの接着層を形成した。
なお、実施例1と同様にして得られた中間層の単層サンプルと接着層の単層サンプルについて、実施例1と同様にしてMD方向の破断強度及び破断伸度を測定したところ、中間層は破断強度4.1MPa、破断伸度8%で、接着層は破断強度0.6MPa、破断伸度500%であった。
[比較例1]
接着層14に使用される成分のうち、架橋剤であるトリレンジイソシアネートの添加量を1部から5部に増量した点、中間層13を形成するための塗布液として紫外線硬化型アクリル樹脂(商品名ユピマーHH0200、三菱化学株式会社製)を単独で用い、厚さ1μmの中間層13とした点以外は、実施例1と同様にして導電性転写シートを得て、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
なお、得られた導電性転写シートの導電層12の表面抵抗は276Ω/sq、単層サンプルにて測定した中間層の破断強度は1.1MPa、破断伸度は45%、接着層の破断強度は1.3MPa、破断伸度は330%であった。
[比較例2]
中間層を形成しなかったこと以外は比較例1と同様にして、導電性転写シートを得て、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
なお、得られた導電性転写シートの表面抵抗は281Ω/sqであった。
[比較例3]
中間層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性転写シートを得て、パターニングされた転写導電層を有する導電性積層体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
なお、得られた導電性転写シートの導電層12の表面抵抗は278Ω/sqであった。
Figure 2013077435
表1に示すように、転写により形成された実施例1〜5の導電性積層体のパターニングされた転写導電層は、ライン抵抗が低く、良好な導電性能が維持されていることが確認された。一方、比較例1〜3の場合、導電性転写シートの導電層の表面抵抗は、実施例1〜5とほぼ同等であるにも拘わらず、転写後の導電層は、ライン抵抗が高いものや断線したラインが見られ、転写工程により、導電層が損傷を受けた事が確認された。
1,1’ 導電性転写シート
10,10’ 導電性シート(導電性積層体)
11 絶縁層
12 導電層
13 中間層
14 接着層
15 転写層
17 剥離層
18 剥離性基材

Claims (4)

  1. 剥離性表面を有する剥離性基材の前記剥離性表面上に、転写層が形成された転写シートであって、
    前記転写層が、ポリチオフェン系導電剤または銀ナノワイヤ系導電剤を有し、前記剥離性表面に接するように位置する導電層と、該導電層上に形成された中間層と、該中間層上に形成された接着層とからなり、
    前記中間層は、前記接着層よりも、破断伸度が小さく、破断強度が大きいことを特徴とする導電性転写シート。
  2. 前記接着層は、感圧接着層または活性エネルギー線硬化型接着層であることを特徴とする請求項1に記載の導電性転写シート。
  3. 前記剥離性基材は、長鎖脂肪族基が(メタ)アクリル酸エステルのエステル基側鎖にウレタン結合を介して結合したウレタン(メタ)アクリレートを樹脂成分の主成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、硬化して形成された剥離層を有し、該剥離層により前記剥離性表面が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性転写シート。
  4. 被転写体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載された導電性転写シートから転写された前記転写層を有することを特徴とする導電性積層体。
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