JP2015108958A - タッチパネルセンサを含む転写箔および転写箔の製造方法、並びに、タッチパネルセンサを備えたタッチ位置検出機能付き表示装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法 - Google Patents

タッチパネルセンサを含む転写箔および転写箔の製造方法、並びに、タッチパネルセンサを備えたタッチ位置検出機能付き表示装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法 Download PDF

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【課題】様々な対象物に対して容易にタッチパネルセンサを取り付けることができる転写箔を提供する。【解決手段】転写箔20は、基材フィルム22と、基材フィルムの一方の側に設けられたタッチパネルセンサ30と、タッチパネルセンサの一方の側に設けられた接着層26と、を備えている。基材フィルムの厚みは、19〜150μmの範囲内になっている。タッチパネルセンサは、基材フィルムの一方の側に設けられた下地層32と、下地層上に設けられた複数の導電パターン41、46と、複数の導電パターンを覆うよう下地層上に設けられた絶縁層34、36と、を有している。下地層および絶縁層はいずれも、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、タッチパネルセンサを含む転写箔およびその製造方法に関する。また本発明は、タッチパネルセンサを備えたタッチ位置検出機能付き表示装置およびその製造方法に関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基板)を含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対面する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成するようになる。
タッチパネルセンサの製造方法として、はじめにガラス基材を準備し、次にガラス基材上に、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が接触(接近)したことを検知するための複数の導電パターンを設ける方法が知られている。ガラス基材は例えば、導電パターンを形成するために実施される成膜工程やエッチング工程に耐えるための耐熱性を確保するために選択されたものである。しかしながら、ガラス基板は、PETなどの合成樹脂からなる基材フィルムに比べて厚い。このため、ガラス基材が用いられる場合、タッチパネルセンサが組み込まれた表示装置の厚みが大きくなってしまう。
このような課題を考慮し、特許文献1においては、ガラス基材上に導電パターンを形成した後、プラスチック製のカバー上に導電パターンを転写することが提案されている。特許文献1に記載の製造方法によれば、タッチパネルセンサにガラス基材が含まれないので、タッチパネルセンサの厚み、およびタッチパネルセンサが組み込まれた表示装置の厚みを低減することができる。
特開2011−198207号公報
ガラス基板は、PETなどの合成樹脂からなる基材フィルムに比べて、その厚みが大きいだけでなく、その剛性も高い。このため、タッチパネルセンサがガラス基材を含む場合、タッチパネルセンサの応用分野が限定されてしまうことが考えられる。例えば、湾曲面などの立体的な形状を有する表示装置に対して、ガラス基材を含むタッチパネルセンサを取り付けることは困難である。なお上述の特許文献1においては、転写工程の際に導電パターンがガラス基材上に保持されている。このため、特許文献1に記載の製造方法によっては、湾曲面などの立体的な形状を有する表示装置に対してタッチパネルセンサを転写することはできないと考えられる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、様々な対象物に対して容易にタッチパネルセンサを取り付けることができる転写箔および転写箔の製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、タッチパネルセンサを備えたタッチ位置検出機能付き表示装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムから剥離可能に、前記基材フィルムの一方の側に設けられたタッチパネルセンサと、前記タッチパネルセンサの一方の側に設けられた接着層と、を備え、前記基材フィルムの厚みは、19〜150μmの範囲内になっており、前記タッチパネルセンサは、前記基材フィルムの一方の側に設けられた下地層と、前記下地層上に設けられた複数の導電パターンと、前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層上に設けられた絶縁層と、を有し、前記下地層および前記絶縁層はいずれも、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている、転写箔である。
前記下地層および前記絶縁層が硬化性樹脂を含むことにより、前記絶縁層に耐薬品性や強度を付与することができる。さらに前記保護層は、強度をより良くする観点からは、電子線照射または紫外線照射によって硬化する硬化性樹脂を含むことが好ましく、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂を含むことがさらに好ましい。電子線照射によって硬化する硬化性樹脂が用いられる場合、前記下地層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっており、前記絶縁層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっていてもよい。
本発明による転写箔において、前記下地層および前記絶縁層はいずれも、アクリル系樹脂またはウレタン樹脂を少なくとも含んでいてもよい。
本発明による転写箔において、前記絶縁層は、前記下地層上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられた第2絶縁層と、を有し、前記導電パターンは、前記下地層上に設けられ、第1方向に沿って延び、前記第1絶縁層によって覆われた第1センサ電極を含む複数の第1導電パターンと、前記第1絶縁層上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延び、前記第2絶縁層によって覆われた第2センサ電極を含む複数の第2導電パターンと、を有していてもよい。
本発明による転写箔において、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されており、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の厚みはいずれも、3〜10μmの範囲内になっていてもよい。
本発明による転写箔において、前記基材フィルムと前記タッチパネルセンサとの間に、離型剤を含む離型層が設けられていてもよい。
本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に接着層を介して配置されたタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、下地層と、前記下地層の前記表示装置側の面上に設けられた複数の導電パターンと、前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層の前記表示装置側の面上に設けられた絶縁層と、を有し、前記下地層および前記絶縁層はいずれも、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている、タッチ位置検出機能付き表示装置である。
本発明によるタッチ位置検出機能付き表示装置において、前記下地層および前記絶縁層はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されており、前記下地層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっており、前記絶縁層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっていてもよい。
本発明によるタッチ位置検出機能付き表示装置において、前記表示装置は、湾曲面が形成された表示パネルを有し、前記タッチパネルセンサは、前記表示パネルの前記湾曲面上に前記接着層を介して配置されていてもよい。
本発明は、基材フィルムを準備する工程と、前記基材フィルムの一方の側に、前記基材フィルムから剥離可能であるようタッチパネルセンサを形成する工程と、前記タッチパネルセンサの一方の側に接着層を設ける工程と、を備え、前記タッチパネルセンサを形成する工程は、前記基材フィルムの一方の側に下地層を形成する下地層形成工程と、前記下地層上に複数の導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層上に接着層を設ける接着層形成工程と、を有し、前記絶縁層形成工程は、硬化性樹脂に電子線または紫外線を照射することにより、または硬化性樹脂を加熱することにより、硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を含む、転写箔の製造方法である。
本発明は、表示装置を準備する工程と、上記記載の転写箔を準備する工程と、前記転写箔の前記タッチパネルセンサを前記表示装置上に転写する転写工程と、を備え、前記転写工程は、前記転写箔の前記接着層を前記表示装置に密着させる工程と、前記接着層を介して前記表示装置に密着している前記タッチパネルセンサから、前記転写箔の前記基材を剥離する工程と、を含む、タッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法である。
本発明によるタッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法において、前記表示装置は、湾曲面が形成された表示パネルを有し、前記転写工程において、前記転写箔の前記タッチパネルセンサは、前記表示装置の前記表示パネルの前記湾曲面上に転写されてもよい。
本発明によれば、転写箔の一部にタッチパネルセンサを組み込むことにより、様々な対象物に対して容易にタッチパネルセンサを取り付けることが可能になる。例えば、湾曲面などの立体的な形状を有する表示装置に対して、タッチパネルセンサを容易に取り付けることができる。このことにより、タッチパネルセンサを取り付けるために必要になるコストを削減することができる。また、タッチパネルセンサの応用分野を拡大することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネルセンサを示す平面図。 図3は、図2のタッチパネルセンサを備える転写箔を図2のIII線に沿って切断した場合を示す断面図。 図4(a)〜(e)は、タッチパネルセンサが組み込まれた転写箔を製造する方法の一例を示す図。 図5(a)〜(c)は、タッチパネルセンサが組み込まれた転写箔を用いて、表示装置にタッチパネルセンサを取り付ける方法の一例を示す図。 図6(a)(b)は、タッチパネルセンサが組み込まれた転写箔を用いて、表示装置にタッチパネルセンサを取り付ける方法のその他の例を示す図。 図7は、湾曲面が形成された表示パネルを有する表示装置に取り付けられたタッチパネルセンサを示す図。
以下、図1乃至図5(a)〜(c)を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
タッチ位置検出機能付き表示装置
はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
本実施の形態において、タッチパネルセンサ30は、タッチパネルセンサ30が組み込まれた後述する転写箔20を利用することによって、表示装置15の表示パネル16の表示面16a上に取り付けられる。以下、図2および図3を参照して、転写箔20およびタッチパネルセンサ30について説明する。図2は、転写箔20に組み込まれたタッチパネルセンサ30を示す平面図である。図3は、図2のタッチパネルセンサ30を備える転写箔20を図2のIII線に沿って切断した場合を示す断面図である。なお図2においては、説明の便宜上、タッチパネルセンサ30の後述する下地層32、第1絶縁層34、第2絶縁層36などが省略されている。
転写箔
はじめに図3を参照して、転写箔20について説明する。図3に示すように、転写箔20は、基材フィルム22と、基材フィルムの一方の側に設けられたタッチパネルセンサ30と、タッチパネルセンサ30の一方の側に設けられた接着層26と、を備えている。
(基材フィルム)
基材フィルム22は、転写箔20においてタッチパネルセンサ30を支持するためのものである。基材フィルム22としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やシクロオレフィンポリマー(COP)など、十分な柔軟性を有する合成樹脂材料が用いられる。なお後述する転写工程が、ヒートシールによってタッチパネルセンサ30を表示装置15などに取り付ける工程を含む場合、基材フィルム22には、接着層26を溶融させるための熱が加えられる。例えば基材フィルム22は、数秒間にわたって100〜200℃程度に加熱される。従って、転写工程がヒートシールによって実施される場合、基材フィルム22を構成する材料としては、数秒間にわたって100〜200℃程度に加熱された場合であっても溶融しない程度の耐熱性を有する材料が用いられる。
基材フィルム22の厚みは、タッチパネルセンサ30が取り付けられる対象物の形状に沿って基材フィルム22が変形することができるよう設定される。例えば基材フィルム22の厚みは、19〜150μmの範囲内になっている。例えば、基材フィルム22としてPETが用いられる場合、基材フィルム22の厚みは19μm程度になっている。
(接着層)
接着層26は、タッチパネルセンサ30を表示装置15などの対象物に接着させるための層である。透光性を有するとともに所定の接着性を有する限りにおいて、接着層26を構成する材料が特に限られることはない。例えば接着層26を、ホットメルト接着剤を主成分として構成することができる。ホットメルト接着剤とは、加熱することで流動性を示し、冷却により固化する際に接着力を発現する熱可塑性材料からなる加熱溶融型の接着剤のことである。
ホットメルト接着剤として、例えばエチレン−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ナイロン系、ポリエステル系、ゴム系、ウレタン系、セルロース系、反応型ホットメルト系等の樹脂を使用することができ、必要に応じて2種類以上の樹脂の混合物を使用することもできる。これらの樹脂は、被着体に応じて選択することが好ましい。具体的には、被着体との接着性を向上する観点から、被着体を構成する樹脂と同系統の材料を用いることが好ましい。接着層26の厚みは、例えば1〜3μmの範囲内になっている。
(タッチパネルセンサ)
タッチパネルセンサ30は、後述する転写工程の際に基材フィルム22から剥離可能であるよう、基材フィルム22の一方の側に設けられている。ここで「剥離可能」とは、基材フィルム22とタッチパネルセンサ30との間の密着力が、その他の構成要素間の密着力よりも小さくなっていることを意味している。例えば、基材フィルム22とタッチパネルセンサ30との間の密着力が、表示装置15などの、タッチパネルセンサ30が取り付けられる対象物と、接着層26との間の密着力、および、タッチパネルセンサ30と接着層26との間の密着力よりも小さくなっていることを意味している。
転写工程の際にタッチパネルセンサ30が基材フィルム22から剥離可能である限り、基材フィルム22とタッチパネルセンサ30との間の構成が特に限られることはない。例えば、基材フィルム22とタッチパネルセンサ30との間の密着力が十分に小さい場合、基材フィルム22の一方の側の面上に直接的にタッチパネルセンサ30が設けられていてもよい。また図3に示すように、基材フィルム22とタッチパネルセンサ30との間に、離型剤を含む離型層24が設けられていてもよい。以下、離型層24について説明する。
離型層24は、タッチパネルセンサ30が基材フィルム22からより容易に剥離され得るようにするために設けられる層である。この離型層24は、離型層24とタッチパネルセンサ30との間の密着力が、タッチパネルセンサ30が取り付けられる対象物と、接着層26との間の密着力、および、タッチパネルセンサ30と接着層26との間の密着力よりも小さくなるよう構成されている。離型層24に含まれる離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、アクリル樹脂系離型剤、およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層24の厚みは、例えば1μm以下になっている。
以下、タッチパネルセンサ30の構成について、図2および図3を参照してさらに説明する。ここでは、タッチパネルセンサ30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネルセンサとして構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネルセンサは、導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネルセンサに接近することにより、外部の導体とタッチパネルセンサの導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネルセンサ上において外部導体が接近している位置(タッチ位置)の位置座標が特定される。
図3に示すように、タッチパネルセンサ30は、基材フィルム22の一方の側において離型層24の面上に設けられた下地層32と、下地層32上に設けられた複数の導電パターン41,46と、複数の導電パターン41,46を覆うよう下地層32上に設けられた絶縁層34,36と、を有している。このうち絶縁層34,36は、下地層32上に設けられた第1絶縁層34と、第1絶縁層34上に設けられた第2絶縁層36と、有している。また導電パターン41,46は、下地層32上に設けられた複数の第1導電パターン41と、第1絶縁層34上に設けられた複数の第2導電パターン46と、を有している。
〔導電パターン〕
図2に示すように、各第1導電パターン41は、アクティブエリアAa1内に配置され、第1方向D1に沿って延びる第1センサ電極42と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2内に配置され、第1センサ電極42に電気的に接続された第1額縁配線43と、を有している。また各第2導電パターン46は、アクティブエリアAa1内に配置され、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って延びる第2センサ電極47と、非アクティブエリアAa2内に配置され、第2センサ電極47に電気的に接続された第2額縁配線48と、を有している。第2方向D2は例えば、第1方向D1に直交する方向となっている。
図3に示すように、第1導電パターン41の第1センサ電極42は、第1絶縁層34によって覆われている。また第2導電パターン46の第2センサ電極47は、第2絶縁層36によって覆われている。
なお図示はしないが、第1導電パターン41の第1額縁配線43も第1絶縁層34によって覆われていてもよい。また第2導電パターン46の第2額縁配線48も、第2絶縁層36によって覆われていてもよい。この際、導電パターン41,46からの信号を外部に取り出せるようにするため、額縁配線43,48はそれぞれ少なくとも部分的に絶縁層34,36から露出していてもよい。また図示はしないが、導電パターン41,46からの信号を外部に容易に取り出せるようにするため、額縁配線43,48には、額縁配線43,48よりも広い幅を有する端子部が接続されていてもよい。
タッチ位置を検出する上で必要になる導電性を導電パターン41,46が有し、かつ、表示装置15からの映像光がタッチパネルセンサ30のアクティブエリアAa1を十分な透過率で透過することができる限りにおいて、導電パターン41,46を構成する材料が特に限られることはない。例えば導電パターン41,46が、透光性および導電性を有する金属酸化物からなる金属酸化物層によって構成されていてもよく、若しくは、金属材料からなる金属層によって構成されていてもよい。金属酸化物としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの材料を挙げることができる。また金属材料としては、銀、銀合金、銅、銅合金などの材料を挙げることができる。なお導電パターン41,46が金属層によって構成される場合、金属層は、光を透過させることができる程度に薄く構成される。例えば金属層の厚みは、30〜100nmの範囲内になっている。本実施の形態においては、導電パターン41,46が、銀ナノインク、銅ナノインク、カーボンナノチューブや銀ナノワイヤーを含んだ導電性インクを下地層32および第1絶縁層34上に塗布することによって形成される金属層から構成される場合について説明する。
〔下地層〕
次に下地層32について説明する。下地層32は、下地層32に耐薬品性や強度を付与するために、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいる。熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物としては、透光性を有するものが用いられる。熱硬化性樹脂組成物とは、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱されることにより硬化する樹脂組成物である。電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味する。電離放射線としては、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
下地層32は、はじめに、硬化前の熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含む塗膜を離型層24上に設け、その後、塗膜を硬化させることによって形成される。
この場合、塗膜を設ける際には塗膜の硬度がさほど高くないため、薄い塗膜を離型層24上に容易に設けることができる。このため、小さな厚みを有する下地層32を得ることができる。従って、転写箔20全体の厚みを小さくすることができる。これによって、転写箔20の柔軟性を確保することができ、このことにより、タッチパネルセンサ30が取り付けられる対象物の形状に沿って転写箔20が変形することが可能になる。
一方、塗膜を下地層32上に設けた後に、電子線照射、紫外線照射または加熱によって塗膜を硬化させることができるので、所定の硬度を有する下地層32を得ることができる。このため、転写箔20の箔切れ性を十分に確保することができる。
上述の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じてイソシアネート系硬化剤等の硬化剤が添加される。
上述の電離放射線硬化性樹脂組成物の電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。なお、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、他の類する記載も同様である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
下地層32の厚みは、絶縁層34,36を支持することができ、かつ転写箔20の柔軟性を十分に確保することができるよう設定される。例えば下地層32の厚みは、3〜10μmの範囲内になっている。
〔絶縁層〕
次に絶縁層34,36について説明する。絶縁層34,36は、下地層32と同様に、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている。第1絶縁層34は、下地層32と同様に、はじめに、硬化前の硬化性樹脂を含む塗膜を下地層32上に設け、その後、塗膜を硬化させることによって形成される。同様に第2絶縁層36は、はじめに、硬化前の硬化性樹脂を含む塗膜を第1絶縁層34上に設け、その後、塗膜を硬化させることによって形成される。このため、下地層32の場合と同様に、小さな厚みを有し、かつ所定の硬度を有する絶縁層34,36を得ることができる。従って、転写箔20の柔軟性および箔切れ性を十分に確保することができる。
絶縁層34,36を構成する材料としては、下地層32を構成する材料と同様の材料を用いることができる。例えば絶縁層34,36を構成する材料として、アクリル系樹脂を用いることができる。
第1絶縁層34の厚みは、第1導電パターン41を保護することができ、かつ転写箔20の柔軟性を十分に確保することができるよう設定される。また第2絶縁層36の厚みは、第2導電パターン46を保護することができ、かつ転写箔20の柔軟性を十分に確保することができるよう設定される。例えば第1絶縁層34の厚みおよび第2絶縁層36の厚みはそれぞれ、3〜10μmの範囲内になっている。また、第1絶縁層34および第2絶縁層36を含む絶縁層全体の厚みは、例えば6〜20μmの範囲内になっている。
好ましくは、上述の下地層32および絶縁層34,36はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されている。この場合、硬化性樹脂を含む塗膜に照射する電子線のエネルギーを調整することにより、塗膜が硬化することに要する時間、すなわちキュアリング時間を任意に調整することができる。例えば、キュアリング時間を1秒以下にすることが可能である。また、広域にわたって電子線を照射することも可能である。このため、塗膜を硬化させる硬化工程に要する時間を短くすることができる。このことにより、タッチパネルセンサ30を備えた転写箔20を効率的に製造することができる。
またキュアリング時間を短くすることができるため、硬化工程の際に塗膜の温度が上昇することを抑制することができる。このため、塗膜の厚みが小さい場合であっても、硬化工程の際に、熱によるしわ、歪み、変形などが生じることを抑制することができる。従って、厚みの小さい塗膜を採用することが可能となり、この結果、下地層32および絶縁層34,36の厚みを小さくすることができる。
また電子線照射によって硬化する硬化性樹脂を採用することにより、光重合開始剤などの添加物が不要になる。このため、硬化性樹脂を構成する材料の調達に要するコストを削減することができる。
本実施の形態によれば、上述の下地層32、絶縁層34,36を用いて転写箔20を構成することにより、転写箔20全体の厚みを小さくすることができる。例えば、基材フィルム22を除く転写箔20の厚みを、10〜33μmの範囲内にすることができる。
また本実施の形態によれば、第1絶縁層34の厚みを小さくすることにより、第1導電パターン41の第1センサ電極42と第2導電パターン46の第2センサ電極47との間の距離を小さくすることができる。このことは、以下に説明するように、特にタッチパネルセンサ30が相互容量方式のタッチパネルセンサである場合に有利に作用する。
相互容量方式の場合、センサ電極42,47の一方が、外部の制御回路から伝達される駆動電圧が印加される駆動電極となり、センサ電極42,47の他方が、センサ電極42,47の一方を通った駆動電圧を制御回路へ戻す検出回路になる。例えば、第1センサ電極42が駆動電極であり、第2センサ電極47が検出電極である場合について考える。この場合、駆動電圧は、第1センサ電極42と第2センサ電極47との間の容量結合によって、第1センサ電極42から第2センサ電極47へ伝達される。
ここで本実施の形態において、第2センサ電極47は、第1センサ電極42を覆う第1絶縁層34上に設けられている。また、硬化性樹脂、例えば電子線照射によって硬化する硬化性樹脂を用いて第1絶縁層34を構成することにより、第1絶縁層34の厚みを小さくすることができる。このため、従来のように誘電体の一方の側の面に駆動電極が設けられ誘電体の他方の側の面に検出電極が設けられる場合に比べて、駆動電極(第1センサ電極42)と検出電極(第2センサ電極47)との間の距離を小さくすることができる。これによって、駆動電極と検出電極との間の静電容量を大きくすることができ、このことにより、タッチ位置の検出感度を高めることができる。この結果、駆動電圧として必要な振幅を従来よりも低減させることができるので、タッチパネルセンサ30の消費電力を低減することが可能である。また、駆動電極と検出電極との間における電圧降下の程度が小さくなるので、駆動電圧の電圧が従来と同等である場合、タッチパネルセンサ30を大型化することが可能である。
転写箔の製造方法
次に、以上のような構成からなる転写箔20を製造する方法について、図4(a)〜(e)を参照して説明する。なお図4(a)〜(e)は、各製造工程において基材フィルム22を図2のIII線に沿って切断した場合を示す断面図である。
はじめに基材フィルム22を準備する。次に図4(a)に示すように、基材フィルム22の一方の側の面上に離型層24を設け、また、離型層24の一方の側の面上に下地層32を設ける。下地層32を設ける下地層形成工程においては、例えば、はじめに、アクリル系樹脂などの硬化性樹脂を含む塗膜を離型層24上に設ける。次に、塗膜に電子線を照射することにより、硬化性樹脂を含む塗膜を硬化させる硬化工程を実施する。このようにして、所定の硬度を有し、かつ厚みの小さな下地層32を離型層24上に形成することができる。
次に図4(b)に示すように、下地層32上に複数の第1導電パターン41を形成する第1導電パターン形成工程を実施する。例えば、銀粒子を含む銀ペーストを、所定のパターンで下地層32上に塗布する。銀ナノインクを塗布する方法としては、例えばインクジェット法を用いることができる。インクジェット法によれば、nmのオーダーの厚みで銀ナノインクを下地層32上に塗布することが可能である。このため、光を透過させることができる程度に薄い銀の層からなる第1導電パターン41を得ることができる。
その後、図4(c)に示すように、複数の第1導電パターン41を覆うよう下地層32上に第1絶縁層34を形成する第1絶縁層形成工程を実施する。第1絶縁層形成工程においては、上述の下地層形成工程と同様に、例えば、はじめに、アクリル系樹脂などの硬化性樹脂を含む塗膜を下地層32上に設ける。次に、塗膜に電子線を照射することにより、硬化性樹脂を含む塗膜を硬化させる硬化工程を実施する。このようにして、第1導電パターン41を覆い、所定の硬度を有し、かつ厚みの小さな第1絶縁層34を下地層32上に形成することができる。
その後、図4(d)に示すように、第1絶縁層34上に複数の第2導電パターン46を形成する第2導電パターン形成工程と、複数の第2導電パターン46を覆うよう第1絶縁層34上に第2絶縁層36を形成する第2絶縁層形成工程と、を実施する。第2導電パターン形成工程および第2絶縁層形成工程は、上述の第1導電パターン形成工程および第1絶縁層形成工程と同様であるので、詳細な説明を省略する。
これらの工程により、基材フィルム22から剥離可能なタッチパネルセンサ30が基材フィルム22の一方の側に形成される。
次に図4(e)に示すように、タッチパネルセンサ30の一方の側に、具体的にはタッチパネルセンサ30の第2絶縁層36上に接着層26を設ける接着層形成工程を実施する。このようにして、タッチパネルセンサ30を備えた転写箔20を得ることができる。なお図示はしないが、接着層26の粘着力を維持するためのカバーシートを接着層26上に設けてもよい。
タッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法
次に、得られた転写箔20を用いて、タッチ位置検出機能付き表示装置10を製造する方法について、図5(a)〜(c)を参照して説明する。
はじめに図5(a)に示すように、タッチパネルセンサ30が取り付けられる対象物、例えば表示装置15を準備する。また、上述の転写箔20を準備する。
次に、転写箔20のタッチパネルセンサ30を表示装置15の表示パネル16上に転写する転写工程を実施する。まず、転写箔20の接着層26を表示装置15の表示パネル16に密着させる。次に、例えば図5(b)に示すように、ローラー50を用いて、転写箔20を表示装置15に対して基材フィルム22側から押圧する。ローラー50の内部にはヒータが設けられている。このため、接着層26が加熱されて溶融し、接着層26がタッチパネルセンサ30および表示パネル16の両方に強固に密着する。すなわち、ヒートシールによって転写箔20が表示パネル16に取り付けられる。この際、ローラー50が転写箔20に対して移動してもよく、若しくは、固定の位置で回転しているローラー50に対して転写箔20が移動してもよい。その後、図5(c)に示すように、接着層26を介して表示パネル16に密着しているタッチパネルセンサ30から、転写箔20の基材フィルム22および離型層24を剥離する。これによって、図5(c)に示すように、表示装置15と、表示装置15の表示パネル16上に配置されたタッチパネルセンサ30と、を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10を得ることができる。
本実施の形態によれば、転写箔20の一部にタッチパネルセンサ30を組み込むことにより、様々な対象物に対して容易にタッチパネルセンサ30を取り付けることが可能になる。このことにより、対象物にタッチパネルセンサ30を取り付けるために必要になるコストを削減することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(転写工程の変形例)
上述の本実施の形態においては、ヒータが内蔵されたローラー50を利用して、表示装置15上にタッチパネルセンサ30を転写する例を示した。しかしながら、表示装置15などの対象物上にタッチパネルセンサ30を適切に転写することができる限りにおいて、具体的な転写方法が特に限られることはない。以下、型51を用いて転写工程を実施する例について、図6(a)(b)を参照して説明する。なお本変形例においては、図6(a)に示すように、タッチパネルセンサ30が、表示装置15のその他の部分に対して突出した突出面18が形成された表示パネル16上に転写されるものとする。
本変形例において用いられる型51には、図6(a)に示すように凹部52が形成されている。凹部52は、表示装置15の表示パネル16の突出面18に対応した形状を有している。また型51の内部にはヒータが設けられている。このような型51を用いることにより、表示パネル16の突出面18の形状に沿って転写箔20を表示パネル16に対して押圧し、そして突出面18に接する転写箔20の接着層26を溶融させることができる。その後、型51を表示装置15から遠ざける。これによって、図6(b)に示すように、表示パネル16の突出面18上にタッチパネルセンサ30を転写することができる。なお図6(b)においては、転写工程において、接着層26およびタッチパネルセンサ30に加えて基材フィルム22も突出面18の外形に沿って切断される様子が示されている。しかしながら、これに限られることはなく、接着層26およびタッチパネルセンサ30は突出面18の外形に沿って切断されるが、基材フィルム22は切断されることなく残っていてもよい。
本変形例によれば、凹部52が形成された型51を用いて転写箔20を押圧することにより、様々な形状の対象物に対してタッチパネルセンサ30を転写することが可能になる。これによって、タッチパネルセンサ30の応用分野を拡大することができる。
なお図6(a)(b)に示す例においては、タッチパネルセンサ30が転写される突出面18が平坦面である例を示したが、これに限られることはない。例えば図7に示すように、湾曲面19が形成された表示パネル16上にタッチパネルセンサ30を転写することも可能である。この場合、用いられる型51の凹部52も、湾曲面19に対応した湾曲形状を有している。
このように本変形例によれば、型51の形状を適宜設定することにより、湾曲面などの立体的な形状を有する対象物に対してタッチパネルセンサ30を容易に転写することができる。例えば車のダッシュボードに、ダッシュボードの湾曲面に沿ったタッチパネルセンサ30を取り付けることが可能になる。
(その他の変形例)
上述の本実施の形態においては、インクジェット法によって導電パターン41,46が形成される例を示した。しかしながら、絶縁層34,36によって覆われ得る程度の厚みを導電パターン41,46が有する限りにおいて、導電パターン41,46を形成する方法が特に限られることはない。例えば、はじめに下地層32上や第1絶縁層34上の全域に金属酸化物層や金属層を設け、次に、フォトリソグラフィー法によって金属酸化物層上や金属層上に感光層を所定のパターンで形成し、その後、感光層をマスクとして金属酸化物層や金属層をエッチングすることによって、導電パターン41,46を形成してもよい。
また上述の本実施の形態においては、導電パターン41,46がいわゆるダイヤモンドパターンで形成されている例を示した。しかしながら、導電パターン41,46の具体的なパターンが特に限られることはない。また導電パターン41,46として、網目状に配置された金属細線からなる、いわゆるメッシュタイプのパターンが採用されてもよい。
また図6(a)(b)および図7に示す変形例においては、表示装置15のその他の部分に対して突出した突出面18が形成された表示パネル16上にタッチパネルセンサ30が転写される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、表示装置15のその他の部分に対して凹んだ陥没面が形成された表示パネル16上にタッチパネルセンサ30が転写されてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
20 転写箔
22 基材
24 離型層
26 接着層
30 タッチパネルセンサ
32 下地層
34 第1絶縁層
36 第2絶縁層
41 第1導電パターン
46 第2導電パターン
50 ローラー
51 型

Claims (12)

  1. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムから剥離可能に、前記基材フィルムの一方の側に設けられたタッチパネルセンサと、
    前記タッチパネルセンサの一方の側に設けられた接着層と、を備え、
    前記基材フィルムの厚みは、19〜150μmの範囲内になっており、
    前記タッチパネルセンサは、
    前記基材フィルムの一方の側に設けられた下地層と、
    前記下地層上に設けられた複数の導電パターンと、
    前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層上に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記下地層および前記絶縁層はいずれも、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている、転写箔。
  2. 前記下地層および前記絶縁層はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されており、
    前記下地層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっており、
    前記絶縁層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっている、請求項1に記載の転写箔。
  3. 前記下地層および前記絶縁層はいずれも、アクリル系樹脂またはウレタン樹脂を少なくとも含む、請求項1または2に記載の転写箔。
  4. 前記絶縁層は、前記下地層上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられた第2絶縁層と、を有し、
    前記導電パターンは、前記下地層上に設けられ、第1方向に沿って延び、前記第1絶縁層によって覆われた第1センサ電極を含む複数の第1導電パターンと、前記第1絶縁層上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延び、前記第2絶縁層によって覆われた第2センサ電極を含む複数の第2導電パターンと、を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転写箔。
  5. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されており、
    前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の厚みはいずれも、3〜10μmの範囲内になっている、請求項4に記載の転写箔。
  6. 前記基材フィルムと前記タッチパネルセンサとの間に、離型剤を含む離型層が設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の転写箔。
  7. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面上に接着層を介して配置されたタッチパネルセンサと、を備え、
    前記タッチパネルセンサは、
    下地層と、
    前記下地層の前記表示装置側の面上に設けられた複数の導電パターンと、
    前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層の前記表示装置側の面上に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記下地層および前記絶縁層はいずれも、透光性を有し、かつ電子線照射、紫外線照射または加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成されている、タッチ位置検出機能付き表示装置。
  8. 前記下地層および前記絶縁層はいずれも、電子線照射によって硬化する硬化性樹脂から構成されており、
    前記下地層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっており、
    前記絶縁層の厚みは、3〜10μmの範囲内になっている、請求項7に記載のタッチ位置検出機能付き表示装置。
  9. 前記表示装置は、湾曲面が形成された表示パネルを有し、
    前記タッチパネルセンサは、前記表示パネルの前記湾曲面上に前記接着層を介して配置されている、請求項7または8に記載のタッチ位置検出機能付き表示装置。
  10. 基材フィルムを準備する工程と、
    前記基材フィルムの一方の側に、前記基材フィルムから剥離可能であるようタッチパネルセンサを形成する工程と、
    前記タッチパネルセンサの一方の側に接着層を設ける工程と、を備え、
    前記タッチパネルセンサを形成する工程は、
    前記基材フィルムの一方の側に下地層を形成する下地層形成工程と、
    前記下地層上に複数の導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、
    前記複数の導電パターンを覆うよう前記下地層上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上に接着層を設ける接着層形成工程と、を有し、
    前記絶縁層形成工程は、硬化性樹脂に電子線または紫外線を照射することにより、または硬化性樹脂を加熱することにより、硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を含む、転写箔の製造方法。
  11. 表示装置を準備する工程と、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の転写箔を準備する工程と、
    前記転写箔の前記タッチパネルセンサを前記表示装置上に転写する転写工程と、を備え、
    前記転写工程は、
    前記転写箔の前記接着層を前記表示装置に密着させる工程と、
    前記接着層を介して前記表示装置に密着している前記タッチパネルセンサから、前記転写箔の前記基材を剥離する工程と、を含む、タッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法。
  12. 前記表示装置は、湾曲面が形成された表示パネルを有し、
    前記転写工程において、前記転写箔の前記タッチパネルセンサは、前記表示装置の前記表示パネルの前記湾曲面上に転写される、請求項11に記載のタッチ位置検出機能付き表示装置の製造方法。
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