JP2013076073A - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、上記含水ゲル状架橋重合体を乾燥して吸水性樹脂乾燥物を得る乾燥工程と、上記吸水性樹脂乾燥物を分級して吸水性樹脂粒子を得る分級工程と、上記分級工程の前及び/又は後に、吸水性樹脂粒子を表面架橋する表面架橋工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法であって、上記乾燥工程以降の1以上の工程において、各工程で使用される装置に対して、吸水性樹脂との接触面を水洗する、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法。
【選択図】なし
Description
(1−1)「吸水性樹脂」及び「吸水性樹脂粉末」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味する。「水膨潤性」とは、ERT441.2−02で規定されるCRC(無加圧下吸水倍率)が必須に5[g/g]以上であることをいい、好ましくは10〜100[g/g]、より好ましくは20〜80[g/g]である。また、「水不溶性」とは、ERT470.2−02で規定されるExt(水可溶分)が必須に50重量%以下(下限:0重量%)であることをいい、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
本発明の連続製造方法における「連続」とは、本発明に係る製造工程(例えば、重合工程、乾燥工程、分級工程、表面架橋工程)を、1日以上、連続して行い、吸水性樹脂を製造することを意味するが、すべての製造工程が連続である必要はなく、バッチを繰り返し行う場合(バッチ連続)や一部の製造工程のみを停止する場合も、本発明の「連続」に該当する。更に、バッチ期間中に休止期間(例えば、装置の冷却)等を設置してもよく、バッチの場合も含めて、全工程区間の50%以上が稼働していることが好ましい。
本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、任意にグラフト成分を含み、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。具体的には、架橋剤を除く単量体として、アクリル酸(塩)を必須に50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質100モル%含む重合体を意味する。重合体としての塩は、必須に水溶性塩を含み、好ましくは一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。なお、形状は特に問わないが、粒子状又は粉体状が好ましい。
「EDANA」は欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は欧州標準(ほぼ世界標準)である吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recommended Test Method)の略称である。なお、本発明においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(以下、「吸水倍率」と称することもある)を意味する。具体的には、不織布中の吸水性樹脂0.2gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して30分間の自由膨潤させた後、更に遠心分離機で水切りした後の吸水倍率(単位;[g/g])である。
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、0.9gの吸水性樹脂を、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、1時間、2.06kPa(0.3psi,21[g/cm2])の荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;[g/g])である。なお、ERT442.2−02では、Absorption Under Pressureと表記されているが、実質的にはAAPと同一内容である。また、本発明においては、荷重条件を4.83kPa(0.7psi,50[g/cm2])に変更して測定した。
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分(水可溶成分量)を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに、吸水性樹脂1.0gを添加して、500rpmで16時間攪拌した後、溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存するモノマー量を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに、吸水性樹脂1.0gを添加して、500rpmで1時間攪拌した後、溶解した残存モノマー量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した値(単位;ppm)である。
「PSD」は、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布とその幅(対数標準偏差σζ)は、欧州公告特許第1594556号「(1)Average Particle Diameter and Distribution of particle Diameter」に記載された方法により測定される。また、粒子状の含水ゲル状架橋重合体の粒子径を測定する場合には、特開2000−063527号公報に開示された方法に準じて測定する。
「pH」(ERT400.2−02);吸水性樹脂のpHを意味する。
本発明における「通液性」とは、荷重下又は無荷重下での膨潤ゲルの粒子間を通過する液の流れ性のことをいい、代表的な測定方法として、SFC(Saline Flow Conductivity/生理食塩水流れ誘導性)や、GBP(Gel Bed Permeability/ゲル床透過性)がある。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、重量の単位である「t(トン)」は、「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、特に注釈のない限り、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」、「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」を、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。さらに、物性等の測定に関しては、特に注釈のない限り、室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%で測定する。
(2−1)水洗
本発明は、アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、上記含水ゲル状架橋重合体を乾燥して吸水性樹脂乾燥物を得る乾燥工程と、上記吸水性樹脂乾燥物を分級して吸水性樹脂粒子を得る分級工程と、上記分級工程の前及び/又は後に、吸水性樹脂粒子を表面架橋する表面架橋工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法であって、上記乾燥工程以降の1以上の工程において、各工程で使用される装置に対して、吸水性樹脂との接触面を水洗する、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法を提供する。以下、本発明の水洗について、詳細に説明する。
一定期間毎に断続的に水洗を行う場合、水洗の周期としては、特に制限はなく、12時間毎、1日毎、10日毎、30日毎、40日毎、45日毎、60日毎、75日毎、120日毎、150日毎等、適宜選択することができる。また、上限としては、1年に1回行われる、製造装置の大掛かりなメンテナンスが該当するが、生産量や製造品番等によって、300日毎、200日毎等、適宜決定してもよい。
本発明の水洗で使用される水(以下、「洗浄水」と称する場合もある)としては、水単独(水100重量%)に限らず、洗浄効果を高めるため、少量の溶媒や添加剤を含有してもよく、水の含有率としては90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、99重量%以上が更に好ましく、99.9重量%以上が特に好ましく、実質100重量%が最も好ましい。なお、水は、工業用純水、水道水、地下水、蒸留水、イオン交換水、雨水等から適宜選択することができる。これらのうち、工業用純水、水道水が好ましく使用され、工業用純水がより好ましく使用される。
本発明の水洗で使用される洗浄水の形態としては、特に限定されず、気体または液体の水を使用することができるが、液体の水が特に好ましい。洗浄水の温度としては、凝固点を超えて沸点までの範囲内で適宜決定されるが、洗浄効果の観点から、温水が好ましい。具体的には、温水の温度は、室温(20〜25℃)を超えて沸点までが好ましく、30〜100℃がより好ましく、35〜100℃が更に好ましく、40〜95℃が特に好ましく、45〜90℃が最も好ましい。また、気体の水として水蒸気を使用する場合、その温度としては500℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、200℃以下の常圧加熱水蒸気が更に好ましい。上記洗浄水の温度が低い場合、洗浄効果が劣るため好ましくない。一方、洗浄水の温度が高い場合、エネルギーや沸点上昇の手段(加圧や添加剤の使用)に見合った効果が得られず、水洗時の作業性悪化や火傷等の危険性があるため好ましくない。
本発明の水洗は、常圧下でも加圧下でも減圧下でも行うことができ、特に限定されない。液体の水を使用する場合、圧力や上記添加剤によって、水の沸点(液体の水での最高温度)を100℃から上昇或いは下降させてもよいが、費用対効果の観点から、常圧或いはその前後±5%、更には±1%(日常の気圧変化の範囲内)の圧力下で行うことが好ましい。
本発明における吸水性樹脂の連続製造装置を水洗する方法は、特に限定されず、吸水性樹脂の製造を継続しながら水洗をしてもよいし、吸水性樹脂の製造を一時的又は周期的に停止して水洗をしてもよい。吸水性樹脂の製造を継続しながら水洗する方法としては、当該製造装置に水流を連続的に噴射する方法、連続的に乾燥しながら水流を噴射する方法等が挙げられる。また、吸水性樹脂の製造を一時的又は周期的に停止して水洗する方法としては、定期的に当該装置を停止して、装置の一部又は全部を水洗する方法等が挙げられる。また、水洗の方法としては、特に限定されず、製造装置に直接、水を噴射、シャワー、浸漬、水拭き、水ブラシ等が挙げられ、これらの方法を併用してもよいし、複数回繰り返してもよいが、乾燥工程以降の製造装置における吸水性樹脂との接触面を、水への浸漬或いは水の噴射による水洗を行うことが好ましい。
本発明において「浸漬」とは、大過剰の水(洗浄水)に、製造装置の全部又はその一部や分解物を浸して、デッドスペース等物理的な除去が困難な場所に付着した吸水性樹脂を膨潤させて除去し易くする方法を意味する。
本発明の水洗で用いられる洗浄水は加圧して用いてもよい(以下、「加圧水流」と称する)。その場合の加圧度としては、超高圧(ゲージ圧500[kg/cm2]以上)の加圧水流でもよいが、洗浄効果の観点から好ましくはゲージ圧1〜400[kg/cm2]、より好ましくはゲージ圧5〜200[kg/cm2]程度の加圧水流でもよい。従って、超高圧水流を得るための高価な設備を必要としない。上記ゲージ圧は、水洗対象の製造装置の構造に応じて適宜選択できる。例えば、水洗対象の製造装置が繊細なまたは強度の低い構造を有する装置(例えば、篩)である場合には、200[kg/cm2]以下のゲージ圧で水洗を行うことが好ましい。これにより、装置の変形、破損を防ぐことができる。一方、水洗対象の製造装置が強度の高い装置(例えば、パドルドライヤー、粉砕装置)である場合には、より高いゲージ圧(例えば、400[kg/cm2]以下)で水洗を行ってもよい。また、上記加圧水流を噴射する際に、平ノズル、回転ノズル又は押込式ノズルを利用することができる。
本発明における水洗は、乾燥工程以降の吸水性樹脂の製造装置、特に粉砕工程以降の製造装置に対して行われる。洗浄効果の観点から、好ましくは加熱して運転する製造装置、より好ましくは35〜150℃、更に好ましくは40〜100℃で運転する製造装置に対して水洗が行われる。上記温度範囲で運転する製造装置では、吸水性樹脂から0.数〜数重量%の水分が揮発して凝集し、この水分が吸水性樹脂粉末或いは吸水性樹脂微粉との凝集物をつくり、これが製造装置の内面やデッドスペースに付着する可能性が高い。一方、100℃、更には150℃を超える高温に加熱する製造装置の場合、水が蒸発し系外に放出されるため、かかる問題は少ない。また、35℃未満、更には40℃未満で運転する製造装置の場合、運転の安定性に欠けるため、好ましくない。
本発明の水洗は、乾燥工程の乾燥装置に対して行われることがある。つまり、乾燥工程における乾燥温度(運転温度)は、通常、上述した温度範囲より高温となるため、水を含んだ吸水性樹脂の凝集物が乾燥装置に付着する可能性は低いと考えられる。しかし、吸水性樹脂の乾燥には、通常、通気バンド型連続乾燥機等が使用され、当該乾燥装置に用いられる金属網やパンチングプレート等の開口部(0.数〜数10mm2の孔やスリット、好ましくは0.2〜10mm2)に吸水性樹脂の含水ゲル細粒化物が入り込み、そのまま乾燥されて恒久的に開口部を閉塞してしまい、乾燥装置の能力低下や局部的な乾燥ムラ、或いは未乾燥物(乾燥途上のゴム状物)の発生を招く場合がある。また、上記恒久的に閉塞を起こしていた含水ゲル細粒化物は、長時間加熱され続けるため、着色することが多い。この着色異物が何らかのきっかけにより脱離し、製品としての吸水性樹脂に混入すると、製造装置への影響は小さいものの着色異物として検出されるため、その製品は出荷できなくなる危険性がある。
本発明の水洗は、加熱処理工程または冷却工程(表面架橋工程)での加熱処理装置または冷却装置に対しても行われることがある。当該加熱処理工程は、得られた吸水性樹脂粒子の更なる架橋反応や改質するための加熱処理を行う工程であり、通常の乾燥機又は加熱炉を用いることができる。用いられる加熱処理装置または冷却装置としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、パドルドライヤー、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
本発明の水洗は、攪拌または振動する乾燥工程以降の製造装置、特に粉砕工程以降の製造装置に対して主に行われ、更には分級工程の分級装置、特に目開きが45〜2000μmの金属篩に対して行われる。以下、分級工程における分級装置について説明する。
本発明では、金属篩を使用して吸水性樹脂を分級する。本発明では金属篩が好適に水洗される。
本発明に用いられる分級装置は、篩網面を有するものであれば特に限定されず、例えば、バイブレーティングスクリーンやシフタに分類されるものが挙げられる。バイブレーティングスクリーンには、傾斜形、ローヘッド(Low−head)形、ハムマー(Hum−mer)、レーブン(Rhewum)、タイロック(Ty−Rock)、ジャイレックス(Gyrex)及び楕円振動(Eliptex)等があり、シフタにはレシプロ(Reciprocating)形、Exolon−grader、Traversator−sieb、Sauer−meyer、ジャイレトリーシフタ(Gyratory)、ジャイロシフタ及びローテックススクリーン(Ro−tex)等がある。これらは、網面の運動形状(円、楕円、直線、円弧、擬似楕円、スパイラル、螺旋状)、振動方式(自由振動、強制振動)、駆動方法(偏心軸、不平衡重錘、電磁石、インパクト)、網面の傾斜(水平式、傾斜式)、設置方法(床置式、吊り下げ式)等によって細分類されている。中でも、金属篩網がエキセントリック傾斜、ラジアル傾斜(中央から周辺に材料を分散させる篩網の傾斜)又はタンジェンシャル傾斜(網上の排出スピードをコントロールする篩網の傾斜)からなる3次元運動軌跡を描くものが好ましい。
本発明の水洗は、攪拌または振動する乾燥工程以降の製造装置、特に粉砕工程以降の製造装置に対して主に行われ、更には吸水性樹脂への水又は水溶液を混合する混合工程(好ましくは表面架橋工程またはそれ以降の工程)での混合装置に対して行われる。以下、混合工程における混合装置について説明する。なお、添加剤の混合については、(3−8)にも記載する。
本発明の水洗は、粉砕工程での粉砕装置に対しても行われることがある。当該粉砕工程は、吸水性樹脂粉砕物を得るための吸水性樹脂乾燥物や分級工程での金属篩を通過しない粗大な粒子等を粉砕する工程であり、上記混合工程や加熱処理工程で得られる凝集物を粉砕する工程も含む。
本発明の水洗は、輸送工程での輸送装置に対しても行われることがある。当該輸送工程は、乾燥後の吸水性樹脂乾燥物、粉砕後の吸水性樹脂粉砕物等、吸水性樹脂を輸送する工程である。
本発明の水洗は、貯蔵工程での貯蔵装置に対しても行われることがある。当該貯蔵工程は、乾燥後の吸水性樹脂乾燥物、粉砕後の吸水性樹脂粉砕物等、吸水性樹脂を貯蔵する工程である。即ち、当該貯蔵工程は、吸水性樹脂の各製造工程間に設置され、製造中又は製造後の吸水性樹脂を貯蔵する工程である。
(b)加熱処理工程または冷却工程(表面架橋工程)での加熱処理装置または冷却装置
(c)分級工程での分級装置
(d)混合工程(水、水溶液または水分散液の混合工程、特に表面架橋工程)での混合装置
(e)粉砕工程での粉砕装置
(水洗後の製造装置)
本発明において、水洗後の製造装置は水分を除去した後に、特に乾燥した後に使用することが好ましい。当該水分の除去方法としては、特に限定されないが、布等の吸水性素材で拭きとってもよいし、室温(20〜25℃)や天日下で放置して自然乾燥してもよいが、好ましくは熱風乾燥機や気流(例えば、高圧ガス)を用いて水分を除去して、装置を乾燥すればよい。
従来の吸水性樹脂の製造方法として、単量体の洗浄は周知であり、単量体の移送配管中や配管出口での重合による閉塞防止のために配管等を洗浄することは、下記特許文献27及びその図2、下記特許文献28及びその図1、下記特許文献29に開示されている。特許文献29はガス流での単量体の洗浄について開示されている。
吸水性樹脂の篩分級の方法については、例えば、特許文献24(国際公開第2010/032694号)やその他、下記の特許文献35〜40に開示されている。これら特許文献24、35〜40には、水洗や本発明の課題や効果をなんら示唆しない。また、上記特許文献1〜23においても、本発明の水洗を含む分級方法をなんら開示しない。また、一般的にはその除去には乾燥粉末や粉塵のバキュームでの吸引が多用されてきたが、上記特許文献25、26は、篩にタッピングボールやエアーブラシの使用を開示し、本発明者らは水洗によって通液性等を向上させることを見出した。
(特許文献28)米国特許第6667372号明細書
(特許文献29)特開2006−199862号公報
(特許文献30)米国特許出願公開第2009/0315204号明細書
(特許文献31)国際公開第2009/001954号パンフレット
(特許文献32)欧州特許出願公開第2066737号明細書
(特許文献33)特開平6−328044号公報
(特許文献34)特開平1−242602号公報
(特許文献35)米国特許第6164455号明細書
(特許文献36)米国特許出願公開第2008/0202987号明細書
(特許文献37)米国特許出願公開第2009/0261023号明細書
(特許文献38)米国特許出願公開第2009/0194462号明細書
(特許文献39)米国特許出願公開第2009/0266747号明細書
(特許文献40)米国特許出願公開第2010/0101982号明細書
〔3〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法
以下、〔3〕において、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法について、各製造工程での運転条件を中心に説明する。
本工程は、アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る工程である。
本発明に係る吸水性樹脂は、その原料(単量体)として、アクリル酸(塩)水溶液を使用する。当該水溶液は、上記(1−2)の使用範囲で、アクリル酸(塩)を主成分として含む。アクリル酸の部分中和塩としては、特に制限されないが、吸水性樹脂の吸水性能の観点から、アクリル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩から選ばれるアクリル酸の一価塩が好ましく、アクリル酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩から選ばれるアクリル酸塩が更に好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
本発明では、吸水特性の観点から架橋剤(以下「内部架橋剤」と称することもある)を使用することが特に好ましい。内部架橋剤の使用量は、物性面から、架橋剤を除く上記単量体に対して、0.001〜5モル%が好ましく、0.005〜2モル%がより好ましく、0.01〜1モル%が更に好ましく、0.03〜0.5モル%が特に好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示できる。重合開始剤の使用量は、前記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
本発明の実施形態に係る重合方法は、性能や重合制御の観点から、通常、噴霧重合、液滴重合、水溶液重合(静置または連続水溶液重合)または逆相懸濁重合で行われ、好ましくは水溶液重合で行われ、より好ましくは連続水溶液重合で行われる。従来、水溶液重合や連続水溶液重合で得られた吸水性樹脂は、その形状が不定形粒子となるため、通液性の向上が困難であったが、本発明においては、不定形粒子の場合にも通液性が優位に向上する。
本発明における水洗は、「高吸水速度(特にFSRが0.30[g/g/s]以上)の吸水性樹脂」または「球状またはその造粒物である吸水性樹脂」に対して、特に好ましく適用される。
上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)は、そのまま乾燥を行っても良いが、重合時または重合後、必要によりゲル解砕機(ニーダー、ミートチョッパー等)を用いてゲル解砕され粒子状にされる。即ち、連続ベルト重合または連続ニーダー重合による重合工程と乾燥工程との間に、含水ゲルの細粒化(以下、「ゲル解砕」とも称する)工程を更に含んでもよい。
上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体、またはゲル細粒化工程で得られた粒子状含水ゲルを、所望する樹脂固形分まで乾燥することができれば、その方法について特に制限されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水乾燥、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、種々の乾燥方法を採用することができる。これらの中でも、熱風乾燥が好ましく、露点温度が0〜100℃の気体による熱風乾燥がより好ましく、露点温度が20〜90℃の気体による熱風乾燥が更に好ましい。
上記乾燥工程で得られた吸水性樹脂乾燥物を粉砕することができれば、その方法について特に制限されないが、例えば、上記〔2〕の(粉砕工程での粉砕装置)に示した粉砕装置が使用され、これらの粉砕装置が本発明では、必要により上記〔2〕に記載した水洗が行われる。これらの中でも、粒度制御の観点から、ロールミルまたはロールグラニュレーターを多段で使用することが特に好ましい。
上記粉砕工程で得られた吸水性樹脂粉砕物を分級することができれば、その方法について特に制限されないが、例えば、上記〔2〕の(分級工程での分級装置)に示した分級装置が使用され、これら分級工程での装置が最も好ましく、本発明では上記〔2〕に記載した水洗が行われることが好ましい。
本発明による分級方法に適した篩分け装置は、何ら制限されることはないが、好ましくは、平面分級方法を使用するものが好ましく、特に好ましくはタンブル形篩分け装置である。この篩分け装置は、分級をサポートするために典型的には振動させる。振動は、好ましくは、分級すべき製品が篩い上にスパイラル状(螺旋状)に導かれる程度に行う。これらの強制的なバイブレーションは、典型的には0.7〜40mm、好ましくは1.5〜25mmの振れ幅で、かつ60〜6000rpm、好ましくは100〜600rpmの振動数を有する。
本発明で粒度は標準篩(JIS Z8801−1(2000))で規定されるが、該粉砕工程さらには分級工程で得られた吸水性樹脂粒子の重量平均粒子径(D50)は、200〜600μmが好ましく、200〜550μmがより好ましく、200〜500μmがさらに好ましく、250〜500μmが更により好ましく、350〜450μmが特に好ましい。また、粒子径が150μm未満の微粒子が少ないほどよく、粒子径が150μm未満の微粒子の含有量が、通常5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下が特に好ましい。この際、微粒子の含有量の下限は、特に制限されないが、過渡に分級操作に手間がかからないことなどを考慮すると、0.1重量%以上であることが好ましい。本発明の方法によると、装置への付着の原因となりうる粒子径が150μm未満の微粒子を含んでいても、安定的な運転を達成することができる。更に、850μmを超える粒子が少ないほどよく、850μmを超える粒子の含有量が、通常0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、0〜1重量%が特に好ましい。すなわち、表面架橋を行う前の吸水性樹脂粒子の、重量平均粒子径(D50)が200〜500μmであり、粒子径が150μm未満の微粒子を0.1重量%以上含むことが好ましい。
好適な分級方法は特許文献25、26に記載の方法であり、かかる条件はそのまま本発明の記載とする。
吸水性樹脂粉末の分級効率や得られる吸水性樹脂の物性の観点から、上記金属篩網の下部にタッピング材が使用される。タッピング材とは、ふるい装置の目詰まり防止のために使用される弾性材料をいい、タッピング材の形状は、球形、回転楕円体、多面体等転動する形状であればどのようなものでも利用できる。好ましくは、タッピングボール(球状)、タッピングブロック(球状)、タッピングブラシから選択される少なくとも1つが使用され、より好ましくは、タッピングボールまたはタッピングブロック、さらに好ましくは、タッピングボールが使用される。なお、該タッピング材を金属篩網の上で使用したり、該タッピング材を使用しなかったりする場合、吸水性樹脂の物性(例えば、通液性)の低下、特に経時的な低下や、微粉や粉塵の増加といった問題が生じるおそれがある。
本発明における「張り張力(テンション)」とは、分級工程で使用される金属篩の網を張る際にかかる荷重をいう。本発明の分級網(金属網)のテンションは、好ましくは35[N/cm]以上であり、より好ましくは40[N/cm]以上、さらに好ましくは45[N/cm]以上、特に好ましくは50[N/cm]以上である。また、テンションの上限は、100[N/cm]以下が好ましく、80[N/cm]以下がより好ましく、60[N/cm]以下がさらに好ましい。上記テンションが35[N/cm]以上であれば、吸水性樹脂粉末の分級効率の低下を防止でき、得られる吸水性樹脂の通液性が向上する。また、上記テンションが100[N/cm]以下であれば、金属網の耐久性を確保できるため連続運転が可能となる。なお、上記テンションの測定は、金属網を分級篩に張る際に、篩の中心部に対してテンションメーターで行う。その測定原理は、「Mechanical measuring of the fabric’s sagging under a constant force」である。上記テンションメーターは各種市販され、例えば、TEKOMAT社等から販売されており、本発明ではそれら市販品を使用することができる。
吸水性樹脂粉末の分級効率や得られる吸水性樹脂の物性の観点から、上記金属篩網の下部にエアーブラシ(エアーナイフ)が使用される。本発明においてエアーブラシとは圧縮した空気などの気体(エアー)を噴射する器具をいい、エアーナイフとも称される。
本発明では分級装置の篩が吸水性樹脂粉末のガイドを有することも好ましい。
かかる分級装置(使用する篩の温度)は40℃以上、さらには40〜80℃の温度範囲で用いるのが好ましい。より好ましくは45〜60℃の温度範囲である。温度が40℃以上であれば、物性の低下が防止され、一方、100℃さらには80℃未満の温度であれば、高温にすることによる経済的不利益を防止でき、分級効率への悪影響を防止できる。
本発明においては分級効率の観点から、減圧度の下限は0kPaを超えることが好ましく、0.01kPa以上がより好ましく、0.05kPa以上がさらに好ましい。また、系内での粉の吊り上りの抑制および排気装置に対するコスト抑制の観点から、減圧度の上限は10kPa以下が好ましく、8kPa以下がより好ましく、5kPa以下がさらに好ましく、2kPa以下が特に好ましい。減圧度の好ましい数値範囲は、上記下限値と上記上限値との間で任意に選択できる。
分級工程では、気流が吸水性樹脂粉末を通過することが好ましく、特に好ましくは、ガス流を、篩分け装置に装入する前に、典型的には40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは65℃以上、特に好ましくは70℃以上に加熱する。ガス流の温度は、通常は120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下、特に好ましくは80℃以下である。
分級工程を行う雰囲気(空気)露点や上記ガス流の露点は、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下、さらに好ましくは5℃以下、特に好ましくは0℃以下である。露点の下限値は特に制限されないが、コストパフォーマンスを考え、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上である。さらに、気体の温度は好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは10〜35℃である。
本発明の水洗は、粒子表面に凹凸の多い吸水性樹脂や、ほぼ球状の吸水性樹脂を分級する際に好ましく適用される。即ち、上記これらの吸水性樹脂の形状が、篩網の目詰まりを起こしやすいためである。
本工程は、上記工程(乾燥工程、粉砕工程または分級工程)で得られた吸水性樹脂粒子を表面架橋する工程である。本明細書において、「表面架橋」とは、吸水性樹脂粒子の表面または表面近傍を架橋することをいう。なお、「表面または表面近傍」とは、通常、厚み数10μm以下の表層部分、または全体の厚みの1/10以下の表層部分を意味するが、これらの厚みは目的に応じて適宜決定される。本発明の製造方法では、表面架橋により通液性や加圧下吸水倍率が向上する。
本発明で用いることのできる表面架橋剤としては、種々の有機または無機表面架橋剤を例示できるが、有機表面架橋剤が好ましく使用できる。該有機表面架橋剤として、例えば、モノ,ジ,トリまたはテトラ−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドール等のエポキシ化合物;多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物;(モノ、ジ、またはポリ)オキサゾリジノン化合物;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート化合物;オキセタン化合物;2−イミダゾリジノンのような環状尿素化合物等が挙げられる。これらの中でも、高温での反応が必要な、多価アルコール化合物、アルキレンカーボネート化合物、オキサゾリジノン化合物等の脱水エステル化反応性表面架橋剤の1種以上、更には複数併用が特に好ましく使用できる。上記有機表面架橋剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記表面架橋剤の使用時に、好ましくは水が使用される。該水の使用量としては、特に制限されないが、吸水性樹脂粒子100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
本工程において、上記表面架橋剤溶液を吸水性樹脂粒子へ混合する際、本発明の効果を妨げない範囲で、水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。用いられる水不溶性微粒子粉体や界面活性剤の種類やその使用量は、特に制限されず、国際公開第2005/075070号パンフレットに例示されている範囲を適用することができる。
上記表面架橋剤を吸水性樹脂粒子と混合した後、該混合物は、好ましくは加熱処理され、必要により、その後冷却処理される。上記加熱処理時の加熱温度は、表面架橋反応が進行する温度であれば、特に制限されないが、70〜300℃が好ましく、120〜250℃がより好ましく、150〜250℃が更に好ましい。また、加熱時間は、1分〜2時間の範囲内が好ましい。加熱処理後の吸水性樹脂は、表面架橋反応を停止するため、必要により冷却処理をすればよい。
本発明においては、表面架橋剤を使用せずに表面架橋を行うこともできる。例えば、ラジカル重合開始剤による表面架橋(例えば、米国特許第4783510号)、活性エネルギー線による表面架橋(欧州特許公開第1506788号)、表面での重合による表面架橋(例えば、米国特許第7201941号)等も本発明に適用できる。
本発明において、表面架橋工程後に、任意に、水や添加剤を添加する工程や、第2の表面架橋剤を添加する工程を設けてもよい(再加湿工程または添加工程)。
上記工程以外に、必要により、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、除鉄工程、輸送工程、微粉除去工程、微粉リサイクル工程、その他添加剤の添加工程等を設けてもよい。その他、添加剤としては消臭剤、抗菌剤、無機微粒子、キレート剤、還元剤、着色防止剤など、吸水性樹脂粉末に対して、0.001〜5重量部の範囲である。
本発明の製造方法では、特に吸水性樹脂の少なくとも3つ以上の物性が制御される場合に好適に適用される。各物性の制御は、好ましくは4つ以上、5つ以上、6つ以上、という多機能化および高物性化された吸水性樹脂の製造方法で好適にその効果が発揮される。制御される物性としては、下記に記載した、(a)加圧下吸水倍率(AAP)、(b)通液性(SFC)、(c)無加圧下吸水倍率(CRC)、(d)水可溶分量(Extractables)、(e)残存モノマー(Residual Monomers)、(f)初期着色、(g)含水率(Moisture Content)に加え、自由膨潤倍率(FSC)、(h)粒度分布(粒子径)(Particle Size Distribution)、pH、流下速度(Flow Rate)、嵩比重(Density)、Respirable Particles、Dust等であり、これらを高度に制御する製造方法で好適に適用できる。制御される物性やその測定方法は適宜決定されるが、上記のEDANA測定法等では下記に範囲の吸水性樹脂の製造に適用できる。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、紙オムツでのモレを防止するため、2.06kPaの加圧下、更には4.83kPaの加圧下での0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液に対する加圧下吸水倍率(AAP)が、好ましくは20[g/g]以上、より好ましくは22[g/g]以上、更に好ましくは23[g/g]以上に制御される。加圧下吸水倍率(AAP)の上限値は、特に制限されず高いほど好ましいが、他の物性やコストとのバランスから、AAPの上限は2.06kPaの加圧下では40[g/g]、4.83kPaの加圧下では30[g/g]、更には28[g/g]程度である。本明細書において、特に記載のない場合、AAPはERT442.2−02での4.83kPaの加圧下での値を示す。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、紙オムツでのモレを防止するため、加圧下での液の通液特性である0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)は1[×10−7・cm3・s・g−1]以上、好ましくは10[×10−7・cm3・s・g−1]以上、より好ましくは20[×10−7・cm3・s・g−1]以上、さらに好ましくは30[×10−7・cm3・s・g−1]以上、さらにより好ましくは50[×10−7・cm3・s・g−1]以上、更により好ましくは70[×10−7・cm3・s・g−1]以上、特に好ましくは100[×10−7・cm3・s・g−1]以上、最も好ましくは110)[×10−7・cm3・s・g−1]以上に制御される。SFCの上限は、高いほど好ましいため、特に限定されないが、一般的に、1000[×10−7・cm3・s・g−1]以下、より好ましくは500[×10−7・cm3・s・g−1]以下である。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、無加圧下吸水倍率(CRC)は好ましくは10[g/g]以上であり、より好ましくは20[g/g]以上、更に好ましくは25[g/g]以上、特に好ましくは27[g/g]以上に制御される。CRCは高いほど好ましく上限値は特に限定されないが、他の物性のバランスから、好ましくは50[g/g]以下、より好ましくは45[g/g]以下、更に好ましくは40[g/g]以下である。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、水可溶分(Ext)が好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、残存モノマー量が好ましくは0〜700ppm、より好ましくは0〜600ppm、特に好ましくは0〜500ppmである。
本発明の製造方法によると、吸水性樹脂中の褐色異物の発生を抑制・防止できる。ここで、吸水性樹脂中に褐色異物が発生する割合は、少ないほど好ましいが、本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂1000粒中、5粒以下(下限:0個)程度であれば十分である。また、本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、初期着色、経時着色に優れ、長期保存の促進試験(モデル)である高温高湿でも十分な白色度を示すことができる。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂の含水率は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。特に、表面架橋工程後に分級工程を行う場合、本発明の分級方法は、かかる低含水率の吸水性樹脂に対してより顕著に効果を発揮するので好ましい。含水率の下限は特に制限されないが、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上である。
本発明で粒度は標準篩(JIS Z8801−1(2000))で規定されるが、該粉砕工程さらには分級工程で得られた吸水性樹脂粒子の重量平均粒子径(D50)は、200〜600μmが好ましく、200〜550μmがより好ましく、200〜500μmがさらに好ましく、250〜500μmが特に好ましく、350〜450μmが最も好ましい。また、粒子径が150μm未満の微粒子が少ないほどよく、粒子径が150μm未満の微粒子の含有量が、通常5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下が特に好ましい。この際、微粒子の含有量の下限は、特に制限されないが、過渡に分級操作に手間がかからないことなどを考慮すると、0.1重量%以上であることが好ましい。本発明の方法によると、装置への付着の原因となりうる粒子径が150μm未満の微粒子を含んでいても、安定的な運転を達成することができる。更に、850μmを超える粒子が少ないほどよく、850μmを超える粒子の含有量が、通常0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、0〜1重量%が特に好ましい。すなわち、表面架橋を行う前の吸水性樹脂粒子の、重量平均粒子径(D50)が200〜500μmであり、粒子径が150μm未満の微粒子を0.1重量%以上含むことが好ましい。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂の吸水速度(FSR)は、紙オムツの吸水性能の観点から好ましくは0.2[g/g/s]以上、より好ましくは0.3[g/g/s]以上、さらに好ましくは0.35[g/g/s]以上、特に好ましくは0.4[g/g/s]以上である。
本発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記吸水速度(FSR)の向上に好ましく適用され、より好ましくは上記高SFCにも適用され、吸水速度(FSR)と通液性(SFC)を両立する製造方法である。好ましくは、FSR;0.35[g/g/s]以上で、かつ、SFC;20[×10−7・cm3・s・g−1]以上、更に好ましくは上記範囲の製造方法に適用される。
本発明の吸水性樹脂の用途は、特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品に使用され得る。特に、従来、吸水性樹脂の原料由来の臭気、着色等が問題になっていた高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)に使用された場合、特に前記吸収性物品中の吸収体上層部に使用された場合に、特に優れた性能が発揮される。
(a)樹脂固形分(固形分)
底面の直径が約50mmのアルミカップに、吸水性樹脂1.00gを量り取り、試料(吸水性樹脂およびアルミカップ)の総重量W1[g]を正確に秤量した。
本発明で得られる吸水性樹脂のSFC(生理食塩水流れ誘導性)は、米国特許第5669894号明細書の記載に従って測定した。
本発明で得られる吸水性樹脂のCRC(無加圧下吸水倍率;上記「CRC」の項参照:ERT441.2−02に記載の方法)、AAP(加圧下吸水倍率;上記「AAP」の項参照:ERT441.2−02に記載の方法において、荷重条件を4.83kPaに変更)、粒度分布(上記「PSD」の項参照:ERT420.2−02に記載の方法)、pH可溶分(水可溶分;上記「Ext」の項参照:ERT470.2−02に記載の方法)、残存アクリル酸量(残存モノマー)(上記「Residual Monomers」の項参照:ERT410.2−02に記載の方法)等の物性については、上述したEDANAのERT、または米国特許出願公開第2006/204755号明細書に準じて測定した。また、FSR(Free Swell Rate(吸水速度))は米国特許公開公報第2007/225422号(対応日本特許公開公報第2007−284675号)の「FSR」を参照して測定した。
[製造例1−1d]
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件1として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件1で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。
製造例1−30dで発生したSFC低下を解消するため、一時的に第1分級工程を停止し、揺動式円形分級装置のバキューム(吸引)洗浄を行った。当該バキューム(吸引)洗浄は、市販の吸引機を使用して、固形物等の異物が目視で確認できない程度まで行った。なお、第1分級工程以外の工程は停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
比較例1のバキューム(吸引)洗浄では物性の回復が認められなかったため、再度、第1分級工程を停止し、揺動式円形分級装置の水洗を行った。当該水洗は、まず、金属篩を分級装置から取り外して、60℃の温水槽に1時間浸漬した。すると、篩の開口部に入り込んでいた多数の吸水性樹脂が膨潤することで視認できるようになった。この現象は、目開き150μmの金属篩で特に顕著であった。つまり、比較例1のバキューム(吸引)洗浄では、吸水性樹脂の除去が不十分であったといえる。
上記実施例1に引き続いて、上述した製造条件1で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程について、連続運転30日前後毎に揺動式円形分級装置の水洗を繰り返し行った。
製造例1−120dで発生した黒褐色異物を取り除くため、一時的に表面架橋工程を停止し、加熱用パドルドライヤーの洗浄を行った。当該洗浄は、スパチュラを用いて黒褐色異物を目視で確認できない程度まで除去した(スパチュラ洗浄)。なお、当該表面架橋工程以外の工程は、停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
実施例2のスパチュラ洗浄では黒褐色異物の除去が不十分であったため、再度、表面架橋工程を停止し、加熱用パドルドライヤーの水洗を行った。当該水洗は、パドルドライヤーに60℃の温水(工業用純水)を投入し1時間程度浸漬させた後に、高圧洗浄装置で装置内部を工業用純水で洗浄することで行った。なお、温水の浸漬によって、デッドスペース等から吸水性樹脂が膨潤している様子が確認された。つまり、実施例2の洗浄では、褐色着色を完全に除去するには、吸水性樹脂の除去が不十分であったことが判明した。
上記実施例3に引き続いて、上述した製造条件1で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程について、連続運転30日前後毎に揺動式円形分級装置の水洗を繰り返し行った。また、表面架橋工程について、連続運転120日前後毎に加熱用パドルドライヤー(熱処理機)の水洗を行う必要がある。
製造例1−150dで発生した未乾燥物を取り除くため、連続通気バンド乾燥機及び3段ロールミルの洗浄を行った。当該洗浄は、ウエスを用いて未乾燥物を目視で確認できない程度まで除去した(ウエス洗浄)。なお、乾燥工程及び粉砕工程以外の工程は、停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
実施例4のウエス洗浄では未乾燥物の除去が不十分であったため、再度、乾燥工程及び粉砕工程を停止し、連続通気バンド乾燥機の多孔板及び3段ロールミルの水洗を行った。当該水洗は、(株)スギノマシン製高圧洗浄装置を用いて、60℃の温水(工業用純水)を吐出圧(ゲージ圧)400[kg/cm2]で噴出させて行い、未乾燥物をきれいに跡形もなく取り除いた。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件2として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件2で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程での揺動式円形分級装置、表面架橋工程での加熱用パドルドライヤー(熱処理機)及び乾燥工程・粉砕工程での乾燥機、3段ロールミルについては、それぞれ一定期間毎の水洗を予め工程管理した。
製造例2−45dで発生した不具合を解消するため、一時的に第2分級工程を停止し、揺動式円形分級装置(目開き850μmの金属篩)の洗浄を行った。当該洗浄は、人の手によって金属篩を叩き、目視で確認できない程度まで目詰まり物を除去した(手洗い)。なお、当該第2分級工程以外の工程は停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
実施例6の洗浄では物性の回復が十分認められなかったため、再度、第2分級工程を停止し、揺動式円形分級装置の水洗を行った。当該水洗は、まず、金属篩を分級装置から取り外して、60℃の温水(工業用純水)槽に1時間浸漬した。すると、篩の開口部に入り込んでいた多数の吸水性樹脂が膨潤することで視認できるようになった。つまり、実施例7の洗浄では、金属篩の目詰まりを完全に除去するには、吸水性樹脂の除去が不十分であったといえる。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件3として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件3で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程での揺動式円形分級装置、表面架橋工程での加熱用パドルドライヤー(熱処理機)及び乾燥工程・粉砕工程での乾燥機、3段ロールミルについては、それぞれ一定期間毎の水洗を予め工程管理した。
製造例3−75dで発生した硫酸アルミニウム処理液及び吸水性樹脂の塊状物を取り除くため、一時的に表面架橋工程を停止し、冷却用パドルドライヤーの洗浄を行った。当該洗浄は、スパチュラを用いて上記塊状物を目視で確認できない程度まで除去した(スパチュラ洗浄)。なお、当該表面架橋工程以外の工程は、停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
実施例8のスパチュラ洗浄では硫酸アルミニウム処理液及び吸水性樹脂の塊状物の除去が不十分であったため、再度、表面架橋工程を停止し、冷却用パドルドライヤーの水洗を行った。当該水洗は、パドルドライヤーに60℃の温水(工業用純水)を投入し1時間程度浸漬させた後に、高圧洗浄装置で装置内部を工業用純水で洗浄することで行った。なお、温水の浸漬によって、デッドスペース等から吸水性樹脂が膨潤している様子が確認された。つまり、実施例8の洗浄では、硫酸アルミニウム処理液及び吸水性樹脂の塊状物の除去が不十分であったことが判明した。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件4として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件4で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程での揺動式円形分級装置、表面架橋工程での加熱用パドルドライヤー(熱処理機)及び乾燥工程・粉砕工程での乾燥機、3段ロールミルについては、それぞれ一定期間毎の水洗を予め工程管理した。更に表面架橋工程においてアルミ処理を行う場合には、冷却用パドルドライヤーについても、一定期間毎の水洗を予め工程管理しておく必要がある。
製造例4−40dで発生した不具合を解消するため、一時的に第2分級工程を停止し、揺動式円形分級装置(目開き710μmの金属篩)の洗浄を行った。当該洗浄は、人の手によって金属篩を叩き、目視で確認できない程度まで目詰まり物を除去した(手洗い)。なお、当該第2分級工程以外の工程は停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
実施例10の洗浄では物性の回復があまり認められなかったため、再度、第2分級工程を停止し、揺動式円形分級装置の水洗を行った。当該水洗は、まず、金属篩を分級装置から取り外して、60℃の温水(工業用純水)槽に1時間浸漬した。すると、篩の開口部に入り込んでいた多数の吸水性樹脂が膨潤することで視認できるようになった。つまり、実施例10の洗浄では、吸水性樹脂の除去が若干不十分であったといえる。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件5として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件5で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。なお、第1分級工程での揺動式円形分級装置、表面架橋工程での加熱用パドルドライヤー(熱処理機)、冷却用パドルドライヤー及び乾燥工程・粉砕工程での乾燥機、3段ロールミルについては、それぞれ一定期間毎の水洗を予め工程管理した。
製造例5−20dにおいてプロシェアミキサーを停止して内部を確認したところ、回転パドルに強固な吸水性樹脂の付着が見られたため、スパチュラ洗浄を行った。上記洗浄後、運転を再開したが、プロシェアミキサーの電流値がすぐに洗浄前程度に戻り、AAP、SFCの値は低下していた。吸水性樹脂(12)として結果を表2に示す。
実施例12では洗浄が不十分であったため、再度プロシェアミキサーを停止して工業純水を吹きかけて付着した吸水性樹脂を膨潤させ、きれいに拭き取った。上記洗浄後、運転を再開するとAAP、SFCの値は回復した。吸水性樹脂(13)として結果を表2に示す。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件6として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件6で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。
製造例6−25dで発生したSFC低下を解消するため、一時的に第1分級工程を停止し、分級装置のバキューム(吸引)洗浄を行った。当該バキューム(吸引)洗浄は、市販の吸引機を使用して、固形物等の異物が目視で確認できない程度まで行った。なお、第1分級工程以外の工程は停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
比較例2のバキューム(吸引)洗浄では物性の回復が認められなかったため、再度、第1分級工程を停止し、分級装置の水洗を行った。当該水洗は、まず、JIS標準篩を分級装置から取り外して、60℃の温水槽に1時間浸漬した。すると、篩の開口部に入り込んでいた多数の吸水性樹脂が膨潤することで視認できるようになった。この現象は、目開き150μmの金属篩で特に顕著であった。つまり、比較例2のバキューム(吸引)洗浄では、吸水性樹脂の除去が不十分であったといえる。
本発明に係る吸水性樹脂の製造条件7として、以下に掲げる手法により、吸水性樹脂を連続的に生産した。
上述した製造条件7で吸水性樹脂の連続製造装置を停止させることなく運転し、吸水性樹脂の連続生産を継続した。
製造例7−20dで発生したAAP低下を解消するため、一時的に第1分級工程を停止し、分級装置のバキューム(吸引)洗浄を行った。当該バキューム(吸引)洗浄は、市販の吸引機を使用して、固形物等の異物が目視で確認できない程度まで行った。なお、第1分級工程以外の工程は停止することなく、稼働率を若干落とした状態で運転させた。
比較例3のバキューム(吸引)洗浄では物性の回復が認められなかったため、再度、第1分級工程を停止し、分級装置の水洗を行った。当該水洗は、まず、JIS標準篩を分級装置から取り外して、60℃の温水槽に1時間浸漬した。すると、篩の開口部に入り込んでいた多数の吸水性樹脂が膨潤することで視認できるようになった。この現象は、目開き150μmの金属篩で特に顕著であった。つまり、比較例3のバキューム(吸引)洗浄では、吸水性樹脂の除去が不十分であったといえる。
上記表1〜表3に示した通り、長期間の連続運転で物性低下、褐色異物混入、未乾燥物の発生等が見られるが、一定期間毎に水洗を行うことでかかる問題もなく、高物性の吸水性樹脂を安定的に連続生産できる。
Claims (37)
- アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、
上記含水ゲル状架橋重合体を乾燥して吸水性樹脂乾燥物を得る乾燥工程と、
上記吸水性樹脂乾燥物を分級して吸水性樹脂粒子を得る分級工程と、
上記分級工程の前及び/又は後に、吸水性樹脂粒子を表面架橋する表面架橋工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法であって、
上記乾燥工程以降の1以上の工程において、各工程で使用される装置に対して、吸水性樹脂との接触面を水洗することを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法。 - アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、
上記含水ゲル状架橋重合体を乾燥して吸水性樹脂乾燥物を得る乾燥工程と、
上記吸水性樹脂乾燥物を分級して吸水性樹脂粒子を得る分級工程と、
上記分級工程の前及び/又は後に、吸水性樹脂粒子を表面架橋する表面架橋工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法であって、
上記吸水性樹脂の吸水速度(FSR)が0.30[g/g/s]以上であり、
上記乾燥工程以降の1以上の工程において、各工程で使用される装置に対して、吸水性樹脂との接触面を水洗することを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法。 - アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程と、
上記含水ゲル状架橋重合体を乾燥して吸水性樹脂乾燥物を得る乾燥工程と、
上記吸水性樹脂乾燥物を分級して吸水性樹脂粒子を得る分級工程と、
上記分級工程の前及び/又は後に、吸水性樹脂粒子を表面架橋する表面架橋工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法であって、
上記吸水性樹脂が球状、またはその造粒物であり、
上記乾燥工程以降の1以上の工程において、各工程で使用される装置に対して、吸水性樹脂との接触面を水洗することを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の連続製造方法。 - 上記水洗が、上記分級工程または表面架橋工程で行われる、請求項1〜3の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が一定期間ごとに行われる、請求項1〜4の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が温水で行われる、請求項1〜5の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が加圧水流で行われる、請求項1〜6の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が水への浸漬、あるいは装置内部への水の注入で行われる、請求項1〜7の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記球状の吸水性樹脂が逆相懸濁重合で得られる、請求項3〜8の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記球状の吸水性樹脂が気相への噴霧重合または液滴重合で得られる、請求項3〜9の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記吸水性樹脂の吸水速度(FSR)が0.35[g/g/s]である、請求項1〜10の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記重合工程が発泡重合である、請求項1〜11の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記発泡重合が気体を分散した単量体水溶液の重合で行われる、請求項12に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が下記(a)〜(e)から選ばれる少なくとも1つの装置で行われる、請求項1〜13の何れか1項に記載の連続製造方法。
(a)乾燥工程での乾燥装置
(b)加熱処理工程または冷却工程(表面架橋工程)での加熱処理装置または冷却装置
(c)分級工程での分級装置
(d)混合工程(水、水溶液または水分散液の混合工程、特に表面架橋工程)での混合装置
(e)粉砕工程での粉砕装置 - 上記(a)〜(e)の複数の工程で水洗が行われる、請求項14に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が、金属篩網またはパンチングメタルに対して行われる、請求項1〜15の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記金属篩網が目開き50μm〜1mmの分級篩網である、請求項16に記載の連続製造方法。
- 上記パンチングメタルが、バンド乾燥機のパンチングメタルまたは流動層乾燥機のパンチングメタルである、請求項16に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が、吸水性樹脂に水、水溶液または水分散液を混合する混合装置の内面に対して行われる、請求項1〜18の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が、表面架橋工程における混合装置、加熱処理装置及び冷却装置の少なくとも1つの装置の内面に対して行われる、請求項1〜19の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 運転時の温度が40〜100℃である装置に対して、水洗が行われる、請求項1〜20の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記分級工程において、目開き45〜2000μmの金属篩網で構成される分級装置が使用される、請求項1〜21の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 粒度変化又は通液性変化によって、水洗の実施時期を決定する、請求項1〜22の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記表面架橋工程の前後に分級工程を行う、請求項1〜23の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 表面架橋を行う前の吸水性樹脂粒子の重量平均粒子径(D50)が200〜500μmであり、粒子径が150μm未満の微粒子を0.1重量%以上含む、請求項1〜24の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 吸水性樹脂の生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10[×10−7・cm3・s・g−1]以上である、請求項1〜25の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 吸水性樹脂の吸水倍率(CRC)が20[g/g]以上で、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が110[×10−7・cm3・s・g−1]以上である、請求項1〜26の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 吸水性樹脂の吸水速度(FSR)が0.35[g/g/s]以上で、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20[×10−7・cm3・s・g−1]以上である、請求項1〜26の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 乾燥工程後分級工程前に、1以上の粉砕工程を更に含む、請求項1〜28の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記水洗が、上記粉砕工程または乾燥工程で行われる、請求項29に記載の連続製造方法。
- 上記吸水性樹脂乾燥物の形状が連続ニーダー重合又は連続ベルト重合で得られる不定形破砕状である、請求項1〜30の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記表面架橋工程において、共有結合性表面架橋剤とイオン結合性表面架橋剤とを併用する、請求項1〜31の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記分級工程に導入される吸水性樹脂乾燥物が界面活性剤を含み、温度が40℃以上に加熱又は保温される、請求項1〜32の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記分級工程において、使用される金属篩網の下部にタッピング材を設置して分級する、請求項1〜33の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 上記タッピング材の温度が40〜100℃である、請求項34項に記載の連続製造方法。
- 上記分級工程で使用される金属篩網について、その張り張力(テンション)が35〜100[N/cm]である、請求項1〜35の何れか1項に記載の連続製造方法。
- 30日間以上の連続製造が行われる、請求項1〜36の何れか1項に記載の連続製造方法。
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