JPH09255704A - ポリマーの製造方法及び噴霧重合用ノズル - Google Patents

ポリマーの製造方法及び噴霧重合用ノズル

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JPH09255704A
JPH09255704A JP9761796A JP9761796A JPH09255704A JP H09255704 A JPH09255704 A JP H09255704A JP 9761796 A JP9761796 A JP 9761796A JP 9761796 A JP9761796 A JP 9761796A JP H09255704 A JPH09255704 A JP H09255704A
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polymerization
monomer component
redox
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JP9761796A
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Masakazu Nakao
雅一 中尾
Kazuo Matsuyama
一雄 松山
Yoshifumi Shimokawa
慶史 下川
Jun Shida
純 志田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】モノマー成分とレドックス系重合開始剤と
の混合物をノズルを用いて噴霧し、気相中で重合反応を
行わせるポリマーの製造方法において、少なくとも2つ
以上の原料供給口、混合部、および噴霧ガス供給部を備
えたノズルを用いて、レドックス系重合開始剤を構成す
る還元剤と酸化剤をそれぞれ別の供給口から供給し、モ
ノマー成分とレドックス系重合開始剤との混合を該ノズ
ル内の混合部で行って噴霧し、気相中で重合反応を行う
ことを特徴とするポリマーの製造方法、及び上記製造方
法に好適に用いられる噴霧重合用ノズル。 【効果】本発明の製造方法によれば、ノズル内で重合が
起こることなく、かつ充分に各原料成分を混合させるこ
とができるため、連続的にしかも品質が均一なポリマー
を得ることができる。また本発明のノズルはかかる製造
方法に好適に用いることができるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノマー溶液をレ
ドックス系重合開始剤を使用して噴霧重合するポリマー
の製造方法、特に高吸水性樹脂の製造方法に関するもの
である。さらに本発明は噴霧重合用ノズルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】有機不飽和カルボン酸又はその塩を主成
分とするモノマーから高吸水性樹脂を製造する方法とし
ては逆相懸濁法が主流であり、一部で溶液重合法も用い
られている。これらの方法では乾燥等の後工程を必要と
し、また逆相懸濁法では粒径100μm以下の微粒子も
生成するので製品の均質化及び取扱い上の問題もある。
【0003】特公昭32−10196号公報には、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の水溶性塩からな
るモノマーの水溶液を過硫酸アルカリ金属塩又は過硫酸
アンモニウム触媒の存在下300〜900F(149〜
482℃)に加熱したガス媒質中に噴霧させる重合法が
記載されている。噴霧方法としてはスプレーガンや回転
円盤等が例示され、予めモノマーの水溶液と触媒を混合
してから回転円盤に供給する方法、又はモノマー水溶液
と開始剤溶液を直前に混合して回転円盤に供給する方法
についても述べている。
【0004】特開昭49−105889号公報には、有
機不飽和カルボン酸又はその塩を、有機ハイドロパーオ
キサイドと還元剤からなるレドックス系重合開始剤を使
用して水への不溶解分の生成を伴わない噴霧重合法が記
載され、噴霧機としては回転円盤型、圧力ノズル型、二
流体ノズル型等があるが、長時間運転を行う上からは単
量体と重合開始剤溶液は別個の導管から供給する方が好
ましく、回転円盤型のように複数の導管から供給される
液が円盤内で短時間に混合されるものが望ましいと述べ
ている。
【0005】特開平2−64106号公報には水溶性エ
チレン性不飽和モノマーを主成分とする溶液を水蒸気又
は水蒸気と少なくとも一種の重合に実質的に不活性を示
す気体を混合してなる気相中に供給し該気相中で重合さ
せる吸水性樹脂の製造法が、また特開平2−13830
6号公報には前記方法においてモノマー濃度が少なくと
も20重量%の溶液を気相に供給し、しかも気相の相対
湿度30%以上の条件下で重合させる吸水性樹脂の製造
法が開示され、予めラジカル重合開始剤を混合したモノ
マーを、アトマイザー、スプレーノズル(圧力ノズル)
を用いて40〜180℃の気相中に噴霧することにより
平均粒径100〜400μm程度の粒子状高吸水性樹脂
を得ている。
【0006】また、特開平5−132503号公報に開
示されるレドックス系重合開始剤を含むモノマー溶液を
ノズルの出口以降で混合する方法は、ノズルの外部で混
合するため十分な混合が行われず、均一の組成が得られ
ない危険性がある。
【0007】噴霧の前に重合性モノマーと重合開始剤を
混合するケースでは原理的にノズルの内部で重合が開始
される危険性を持っている。特に長時間運転を行う場合
には必ず滞留時間分布ができ、ノズル内での重合反応が
進行する危険性が高く問題である。さらに、重合反応は
発熱反応であるので僅かでも反応が起き始めれば、暴走
的に進行してノズルの閉塞を引き起こす。また、特開昭
49−105889号公報に開示されるモノマーと重合
開始剤溶液を別個の導管から回転円盤に供給する方法
は、モノマーと重合開始剤が円盤上で混合されるため、
滞留時間分布が生じ、重合反応が円盤上で開始される危
険性があり、長時間運転は難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、モノマー溶液をレドックス系重合開始剤を使用し
て噴霧重合によりポリマーを製造する方法において、噴
霧機における重合を防止し、長時間の連続運転、品質の
均一化を可能にするポリマーの製造方法、及び噴霧重合
用ノズルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を行ったところ、ポリマーの重合に
要する時間を考慮しつつ、ノズル内に原料成分の混合を
行う混合部を設けることにより、ノズル内での重合を防
止しつつ、連続的に品質の良好なポリマーを製造できる
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 モノマ
ー成分とレドックス系重合開始剤との混合物をノズルを
用いて噴霧し、気相中で重合反応を行わせるポリマーの
製造方法において、少なくとも2つ以上の原料供給口、
混合部、および噴霧ガス供給部を備えたノズルを用い
て、レドックス系重合開始剤を構成する還元剤と酸化剤
をそれぞれ別の供給口から供給し、モノマー成分とレド
ックス系重合開始剤との混合を該ノズル内の混合部で行
って噴霧し、気相中で重合反応を行うことを特徴とする
ポリマーの製造方法、〔2〕 モノマー成分をレドッ
クス系重合開始剤を構成する還元剤と混合して供給し、
及び/又はモノマー成分を該開始剤を構成する酸化剤と
混合して供給する、前記〔1〕記載の製造方法、〔3〕
モノマー成分をレドックス系重合開始剤を構成する
還元剤、酸化剤と混合させることなく他の供給口から供
給する、前記〔1〕記載の製造方法、〔4〕 モノマ
ー成分が水溶性重合性モノマーである前記〔1〕〜
〔3〕いずれか記載の製造方法、〔5〕 水溶性重合
性モノマーが、オレフィン系不飽和カルボン酸又はその
塩、オレフィン系不飽和リン酸又はその塩、オレフィン
系不飽和カルボン酸エステル、オレフィン系不飽和スル
ホン酸又はその塩、オレフィン系不飽和アミン、オレフ
ィン系不飽和アンモニウム塩、オレフィン系不飽和アミ
ド、及び重合性不飽和基を有するビニルモノマーからな
る群より選ばれる1種以上である前記〔4〕記載の製造
方法、〔6〕 少なくとも2つ以上の原料供給口、混
合部、および噴霧ガス供給部を備えたノズルであって、
該混合部の形状が該混合部の入口から出口まで同一の断
面積を有するものか、あるいは出口に向かって拡大する
ものであり、該混合部で混合された重合反応用成分を噴
霧させて、気相中での重合反応を可能としたことを特徴
とする噴霧重合用ノズル、〔7〕 前記〔6〕記載の
ノズルを用いる前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の製造
方法、に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリマーの製造方法は、
モノマー成分とレドックス系重合開始剤との混合物をノ
ズルを用いて噴霧し、気相中で重合反応を行わせるポリ
マーの製造方法において、少なくとも2つ以上の原料供
給口、混合部、および噴霧ガス供給部を備えたノズルを
用いて、レドックス系重合開始剤を構成する還元剤と酸
化剤をそれぞれ別の供給口から供給し、モノマー成分と
レドックス系重合開始剤との混合を該ノズル内の混合部
で行って噴霧し、気相中で重合反応を行うことを特徴と
するものである。
【0012】本発明において用いられるモノマー成分と
しては特に限定されるものではなく、水溶性重合性モノ
マー、油溶性重合性モノマー等が挙げられる。これらの
うち、水溶性重合性モノマーが好適に用いられる。ま
た、モノマー成分は一種類のみを用いても良く、二種類
以上を用いても良い。即ち、本発明の製造方法はホモポ
リマー、コポリマーいずれの製造にも適用できる。水溶
性重合性モノマーとしては、例えばオレフィン系不飽和
カルボン酸又はその塩、オレフィン系不飽和リン酸又は
その塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレ
フィン系不飽和スルホン酸又はその塩、オレフィン系不
飽和アミン、オレフィン系不飽和アンモニウム塩、オレ
フィン系不飽和アミド、及び重合性不飽和基を有するビ
ニルモノマー等が挙げられる。
【0013】オレフィン系不飽和カルボン酸又はその塩
としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレ
イン酸、もしくはフマール酸、又はこれらの塩等が挙げ
られる。オレフィン系不飽和リン酸又はその塩として
は、例えば、(メタ)アクリロイル(ポリ)オキシエチ
レンリン酸エステル又はこれらの塩等が挙げられる。オ
レフィン系不飽和カルボン酸エステルとしては、例え
ば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。オレフィン系不飽和スルホン酸又はその塩
としては、例えば、(メタ)アクリルアミドメチルプロ
パンスルホン酸、アリルスルホン酸、もしくはこれらの
塩が挙げられる。オレフィン系不飽和アミンとしては、
例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。オレフィン系不飽和アンモニウム塩とし
ては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチレント
リメチルアンモニウムハロゲン塩等が挙げられる。オレ
フィン系不飽和アミドとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)ア
クリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド誘導体やビニルメチルアセトア
ミド等が挙げられる。これらの物質は単独でまたは2種
以上の混合物として用いることができる。また、上記の
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び
アンモニウム塩等が挙げられる。
【0014】本発明に用いられる重合開始剤としては、
重合反応時間が短いことからレドックス系を用いる。レ
ドックス系重合開始剤を構成する酸化剤及び還元剤の組
み合わせは通常よく知られているものが使用できる。例
えばH2 2 とL−アスコルビン酸またはアミン類との
組み合わせが挙げられる。
【0015】また、本発明においては、重合前、重合
時、重合後のいずれかの時点にて公知の架橋剤を重合系
に添加してもよい。前記架橋剤としては、例えば、N,
N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミ
ン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリル
テレフタレート、トリアリルシアヌレート、及びトリア
リルフォスフェート等のポリアリル化合物;ジビニルベ
ンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、及びグリセリントリメタクリレート等の
ポリビニル化合物;エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、及びポリグリセリンポリグリシジルエーテル等のポ
リグリシジルエーテル;エピクロルヒドリン、及びα−
メチルクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;グルタ
ールアルデヒド、及びグリオキザール等のポリアルデヒ
ド;グリセリン等のポリオール;エチレンジアミン等の
ポリアミン;2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の
ヒドロキシビニル化合物;並びにカルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛、又はアルミニウム等の多価イオンを生じる
無機塩、又は有機金属塩を挙げることができる。
【0016】本発明の製造方法においては、少なくとも
2つ以上の原料供給口、混合部、および噴霧ガス供給部
を備えたノズルが用いられる。かかる構造を備えること
により、ノズル内で重合が開始されることを防ぎ、得ら
れるポリマーの品質の均一化を図ることができる。以
下、本発明の製造方法について、原料を供給する工程、
原料の各成分を混合する工程、及び噴霧する工程に分け
て説明する。
【0017】1)原料供給工程 本発明に用いられるノズルは、少なくとも2つ以上の原
料供給口を備えてなるものである。原料の各成分は原料
供給口を通してノズル内に設けられた混合部に供給され
る。供給中に重合が起こらないようにするために、少な
くともレドックス系重合開始剤を構成する還元剤と酸化
剤をそれぞれ別の供給口から供給すれば良い。原料各成
分を供給する態様としては特に限定されるものではな
く、次のような態様が例示される。 (a)i)モノマー成分を、レドックス系重合開始剤を
構成する還元剤と混合して供給し、上記開始剤を構成す
る酸化剤はモノマー成分と混合しないで他の供給口から
供給する態様、 ii)モノマー成分を、上記開始剤を構成する酸化剤と混
合して供給し、上記開始剤を構成する還元剤はモノマー
成分と混合しないで他の供給口から供給する態様、 iii )モノマー成分を、上記開始剤を構成する酸化剤及
び還元剤のいずれにも混合してそれぞれ別の供給口から
供給する態様、即ち、モノマー成分をレドックス系重合
開始剤を構成する還元剤と混合して供給し、及び/又は
モノマー成分を上記開始剤を構成する酸化剤と混合して
供給する態様、 (b)モノマー成分をレドックス系重合開始剤を構成す
る還元剤、酸化剤と混合させることなく他の供給口から
供給する態様、が例示できる。
【0018】また、モノマー成分の供給時のモノマーの
濃度は特に限定されないが、好ましくは10〜90重量
%、さらに好ましくは20〜70重量%である。生産効
率の観点から10重量%以上が好ましく、生成ポリマー
を析出させることなく均一系で重合させる観点から90
重量%以下が好ましい。
【0019】原料供給口の数は、上記の酸化剤及び還元
剤を混合しない状態で供給するため、少なくとも2つ以
上あれば良い。上記の態様(b)では、3成分が個別的
に供給されるので、原料供給口の数は3以上となる。ま
た、その他の添加剤をさらに別の原料供給口から供給し
ても良く、その場合はさらに原料供給口の数は増加す
る。しかしながら、ノズルの製作及び操作簡便性の点か
らは、原料供給口の数は2〜6が好ましい。より好まし
くは、原料供給口の数は2〜4である。
【0020】2)混合工程 本工程では、ノズルの内部に設けられた混合部で、モノ
マー成分、レドックス系重合開始剤を構成する還元剤、
及び酸化剤を混合させて重合反応用成分を得る工程であ
る。混合部をノズル内に設けることにより、気相中で原
料各成分を混合するよりもより安定かつ確実に原料各成
分を混合することができるため、得られるポリマーの品
質のバラツキが抑えられ、均一の組成のものが得られ
る。
【0021】混合部において重合反応が進行した場合、
ノズルが詰まり連続的に製造できなくなるおそれがある
ため、混合部内での滞留時間、モノマー成分の重合に要
する時間(誘導期+反応時間)、混合部の形状、混合部
の温度等に配慮して混合部内での重合反応を抑制するこ
とが重要である。混合部内での滞留時間とモノマー成分
の重合に要する時間との関係については、 (滞留時間)<(重合に要する時間) となれば好ましい。滞留時間は、原料供給速度、混合部
の容量等を適宜調整することにより設定することができ
る。また、重合に要する時間は、モノマー成分、重合開
始剤の種類及び濃度、供給時の温度等を適宜調整するこ
とにより設定することができる。本発明において用いら
れるモノマー成分の重合に要する時間は約0.5〜60
秒であるので、混合部内での滞留時間は数秒以下、好ま
しくは1秒以下、さらに好ましくは0.01〜0.5秒
である。
【0022】また、混合部の形状としては、モノマー成
分、酸化剤、還元剤等の重合反応用成分が長く滞留しな
い形状であればより好ましい。かかる形状としては、混
合部の入口から出口まで同一の断面積の形状、出口に向
かって断面積が拡大する形状等が挙げられる。
【0023】3)噴霧工程 本工程は、混合部で混合された原料混合液(重合反応用
成分)を噴霧する工程である。噴霧された原料混合液は
気相中で重合反応が行われ、ポリマーが生成する。原料
混合液の噴霧は、ノズルに設けられた噴霧ガス供給部か
ら供給される噴霧ガスによって原料混合液が微粒子化
(液滴化)されることにより達成される。噴霧ガスとし
て用いられるガスは特に限定されるものではなく、重合
に不活性なものが好ましい。例えば、窒素、ヘリウム、
炭酸ガス、空気等が挙げられる。また、水蒸気のみの場
合を含め、ガス中の湿度には特に制限はない。ガスの温
度条件については、レドックス系重合開始剤の分解を抑
制するため100℃以下が好ましく、5〜50℃がより
好ましい。また、微粒子化された原料混合液の液滴の粒
径の制御、即ち生成ポリマーの粒径の制御は、原料の供
給量と噴霧ガスの供給量の流量比(原料供給量/噴霧ガ
ス供給量)を適宜調整することによって達成される。こ
の場合、流量比が小さいほど平均粒径の小さいポリマー
を得ることができる。
【0024】気相の重合反応場におけるガスとしては窒
素、ヘリウム、炭酸ガス等の重合に不活性なものが好ま
しいが、空気でも良い。また、水蒸気のみの場合を含
め、ガス中の湿度には特に制限はない。ガスの温度条件
は下限としてはモノマーが流動可能な温度以上であれば
良く、特に制限はない。好ましくは0〜200℃であ
り、より好ましくは5〜50℃である。ガスの流れ方向
は向流、並流のどちらでも良いが、滞留時間を長くする
必要がある場合は向流(反重力方向)の方が良い。
【0025】気相に放出後、液滴の落下するまでにほぼ
重合反応を終了させるのが好ましいが、この場合、液滴
の落下時間、重合時間等を考慮して重合開始剤の種類、
量、気相温度等を定めればよい。例えば10m程度の落
下距離では数秒〜数十秒であるので重合に要する時間を
数十秒程度にすべく、重合開始剤の種類、量、気相温度
等を定めればよい。
【0026】したがって、少なくとも2つ以上の原料供
給口、混合部、および噴霧ガス供給部を備えたノズルで
あって、該混合部の形状が該混合部の入口から出口まで
同一の断面積を有するものか、あるいは出口に向かって
拡大するものであり、該混合部で混合された重合反応用
成分を噴霧させて、気相中での重合反応を可能としたこ
とを特徴とする噴霧重合用ノズルは、本発明の製造方法
において好適に用いられる。
【0027】本発明に用いられるノズルの一例は、図1
に示すように、混合部3への原料供給口1、2があり、
混合部出口4の近傍には微粒子化用の噴霧ガス供給部5
を持つノズルである。原料供給口の一方からはレドック
ス系重合開始剤を構成する酸化剤を含有する液が供給さ
れ、もう一方からは上記開始剤を構成する還元剤を含有
する液が供給される。モノマー成分は酸化剤を含有する
液に混合されていても良く、還元剤を含有する液に混合
されていても良く、両方の液に含有されていても良い。
これらの液は混合部3で混合され、混合部出口4の近傍
にある噴霧ガス供給部5からのガスにより微粒子化され
る。原料供給口の数としては2つに限定されるものでは
なく、それ以上でも問題はない。2つ以上の原料供給口
を持つ場合、モノマー、酸化剤、還元剤、その他添加剤
等を各種別々のノズルより供給することができる。
【0028】混合部3の形状としては、図1に示される
ノズルのように混合部入口から出口にかけて液が長く滞
留しない形状、つまり断面積が変化しない態様のもの
や、入口から出口への断面積の変化が正である形状であ
れば良い。例えば、図2に示されるノズルは、混合部の
形状が混合部の出口に向かって拡大する、即ち入口から
出口への断面積の変化が正である態様のものである。ま
た、図3に示されるノズルのように混合部の途中から拡
大する態様や、図4に示されるノズルのように混合部の
途中で断面積が一定となる態様も、本発明のノズルの範
囲である。また、混合部出口近傍にある噴霧ガス供給部
5の形状は特に限定されるものではなく、図5に示され
るように同心円上にスリット状に配置されても良く、ま
た中心部に向かい螺旋状又は直線状のガス方向となるよ
うに複数配置されても良い。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 モノマー溶液調製例 80重量%のアクリル酸水溶液90.09重量部に、3
0重量%の水酸化ナトリウム水溶液96.00重量部と
架橋剤(N,N−メチレンビスアクリルアミド)0.1
232重量部とさらに酸化剤として35重量%の過酸化
水素水3.9957重量部、濃度調整用の10.03重
量部のイオン交換水を加えてモノマー溶液Aを調製し
た。溶液Aのモノマー濃度は44重量%、中和度は72
モル%であった。これとは別に80重量%のアクリル酸
水溶液90.09重量部に、30重量%の水酸化ナトリ
ウム水溶液96.00重量部と架橋剤(N,N−メチレ
ンビスアクリルアミド)0.1232重量部とさらに還
元剤としてL−アスコルビン酸0.704重量部、濃度
調整用の12.63重量部のイオン交換水を加えてモノ
マー溶液Bを調製した。モノマー溶液Bのモノマー濃
度、中和度は溶液Aと同等であった。実施例においては
これらのモノマー溶液を20℃で使用した。20℃にて
モノマー溶液A、Bを混合したときの誘導期及び反応時
間はそれぞれ0.5秒、3秒であった。
【0030】実施例1 図6に示したノズル(原料供給口3mmφ、混合部のサ
イズ4.5mmφ×27mm)を使用し、A、Bのモノ
マー溶液を各々250cc/minで別々のノズル入口
から供給し、同時に混合部出口の噴霧ガス供給部よりN
2 を120L/minの流量で流し、このガスにより
A、Bの混合物を液滴に分散させながら温度20℃湿度
75%の大気中で噴霧重合した。混合部の計算上の滞留
時間は0.05秒以下であった。ノズルの位置は、ポリ
マー捕集位置から垂直方向に8m上方に設置した。気相
部での滞留時間は約4秒であった。噴霧重合を1時間継
続して行ったが、ノズルの閉塞等の問題もなく連続運転
が可能であった。乾燥後のポリマーの平均粒径は255
μmであり、純水の吸水量は自重の307倍であった。
【0031】実施例2 微粒子化用のガス量を200L/minに変更した以
外、実施例1と同一条件で実施した。噴霧重合を1時間
継続して行ったが、ノズルの閉塞等の問題もなく連続運
転が可能であった。乾燥後のポリマーの平均粒径は45
5μmであり、純水の吸水量は自重の307倍であっ
た。
【0032】実施例3 図7に示したノズル(原料供給口3mmφ、混合部のサ
イズ4mmφ/5mmφ、27mm)を使用した以外、
実施例1と同一条件で実施した。噴霧重合を1時間継続
して行ったが、ノズルの閉塞等の問題もなく連続運転が
可能であった。混合部の計算上の滞留時間は0.05秒
であった。乾燥後のポリマーの平均粒径は285μmで
あり、純水の吸水量は自重の308倍であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ノズル内で
重合が起こることなく、かつ充分に各原料成分を混合さ
せることができるため、連続的にしかも品質が均一なポ
リマーを得ることができる。また本発明のノズルはかか
る製造方法に好適に用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のノズルの一例の断面を模式的
に示す図である。
【図2】図2は、本発明のノズルの一例の断面を模式的
に示す図である。
【図3】図3は、本発明のノズルの一例の断面を模式的
に示す図である。
【図4】図4は、本発明のノズルの一例の断面を模式的
に示す図である。
【図5】図5は、本発明のノズルの一例を上からみた模
式図である。
【図6】図6は、実施例1及び実施例2で用いたノズル
の断面図である。
【図7】図7は、実施例3で用いたノズルの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 原料供給口 2 原料供給口 3 混合部 4 混合部出口 5 噴霧ガス供給部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/34 MMQ 7824−4J C08F 20/34 MMQ 20/56 7824−4J 20/56 28/02 MNR 28/02 MNR 30/02 MNS 30/02 MNS (72)発明者 志田 純 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー成分とレドックス系重合開始剤
    との混合物をノズルを用いて噴霧し、気相中で重合反応
    を行わせるポリマーの製造方法において、少なくとも2
    つ以上の原料供給口、混合部、および噴霧ガス供給部を
    備えたノズルを用いて、レドックス系重合開始剤を構成
    する還元剤と酸化剤をそれぞれ別の供給口から供給し、
    モノマー成分とレドックス系重合開始剤との混合を該ノ
    ズル内の混合部で行って噴霧し、気相中で重合反応を行
    うことを特徴とするポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 モノマー成分をレドックス系重合開始剤
    を構成する還元剤と混合して供給し、及び/又はモノマ
    ー成分を該開始剤を構成する酸化剤と混合して供給す
    る、請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 モノマー成分をレドックス系重合開始剤
    を構成する還元剤、酸化剤と混合させることなく他の供
    給口から供給する、請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノマー成分が水溶性重合性モノマーで
    ある請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性重合性モノマーが、オレフィン系
    不飽和カルボン酸又はその塩、オレフィン系不飽和リン
    酸又はその塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステ
    ル、オレフィン系不飽和スルホン酸又はその塩、オレフ
    ィン系不飽和アミン、オレフィン系不飽和アンモニウム
    塩、オレフィン系不飽和アミド、及び重合性不飽和基を
    有するビニルモノマーからなる群より選ばれる1種以上
    である請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも2つ以上の原料供給口、混合
    部、および噴霧ガス供給部を備えたノズルであって、該
    混合部の形状が該混合部の入口から出口まで同一の断面
    積を有するものか、あるいは出口に向かって拡大するも
    のであり、該混合部で混合された重合反応用成分を噴霧
    させて、気相中での重合反応を可能としたことを特徴と
    する噴霧重合用ノズル。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のノズルを用いる請求項1
    〜5いずれか記載の製造方法。
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