JPH1193073A - ポリマーと繊維との複合体の製造法 - Google Patents

ポリマーと繊維との複合体の製造法

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JPH1193073A
JPH1193073A JP9252266A JP25226697A JPH1193073A JP H1193073 A JPH1193073 A JP H1193073A JP 9252266 A JP9252266 A JP 9252266A JP 25226697 A JP25226697 A JP 25226697A JP H1193073 A JPH1193073 A JP H1193073A
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fiber
polymer
composite
water
fibers
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JP9252266A
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Kazuo Matsuyama
一雄 松山
Chitoshi Shigeno
千年 重野
Jun Shida
純 志田
Naoki Katada
直樹 片田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマーが繊維に安定にかつ均一に固定化さ
れ、その上、ポリマーを繊維に対し高含量で固定しても
繊維の柔軟性が損なわれず均一な構造を有し得る、ポリ
マーと繊維との複合体の製造法を提供すること。 【解決手段】 重合性モノマー及び/又は該モノマーの
重合進行物を含有する液状物を非成形繊維に付着させ、
次いで該モノマー及び/又は該重合進行物を重合させる
ことを特徴とするポリマーと繊維との複合体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーが繊維に
均一に固定化された、ポリマーと繊維との複合体の製造
法に関し、特に、ポリマーとして吸水性ポリマーを用い
た場合に、各種衛生材料等に用いられる吸水材および農
業や土木等の分野で用いられる保水剤等への適用が有効
な、薄型で且つ柔軟性に富んだ、ポリマーと繊維との複
合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】粉末
状のポリマーを繊維に固定する技術としては、とりわけ
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等を初めとする各種の
衛生材料および各種の農業用材料等の分野における吸水
性ポリマー粒子の繊維への固定に関して様々な試みがな
されており、それらの技術に関して種々の問題が指摘さ
れている。例えば、吸水性ポリマー粒子を粉末として用
いる場合、取り扱いの煩雑さや均一に分散させる上での
プロセス上の問題等が指摘されている。さらに、吸収体
を薄型にする目的で、吸収体中の繊維の量を吸水性ポリ
マーの量に対して相対的に減らしていくと、吸水性ポリ
マーの一部局在化や脱落がますます生じやすくなり、吸
水性能の低下、着用感の悪化、脱落した吸水性ポリマー
の人体への影響等の問題が生じる。これらの問題を解決
するために、重合を利用した、吸水性ポリマーと繊維と
の複合化法が考えられてきた。
【0003】例えば、特公平7−74277号公報に
は、アクリル酸塩系モノマーと水溶性ラジカル重合開始
剤とを予め均一に混合した混合液を調製し、しかる後に
該混合液を、ウエブ、織布、不織布等の、成形した繊維
質基材に噴霧し、重合させることからなる吸水性複合体
の製造法が記載されている。この製造法によれば、上記
繊維質基材上で重合した吸水性ポリマーは、該繊維質基
材へ安定に固定化されるものの、該繊維質基材上で上記
混合液の液滴が重合前に合一したり、或いは繊維中に染
み込んでしまったりして、得られる吸水性複合体は不均
一で且つ柔軟性が損なわれやすくなり、吸水材料として
の性能が低下する。
【0004】特公平5−58030号公報には、少なく
とも一部が疎水性繊維で構成されている繊維状基材と、
基材に付着した吸水性ポリマーとからなり、吸水性ポリ
マーの少なくとも一部が基材を略球状に包み込み、かつ
不連続に付着していることを特徴とする吸水性物品が記
載されている。また、特開平9−67403号公報に
は、吸水性ポリマーを与える重合性モノマーの水溶液
を、レドックス系重合開始剤を用いて重合を開始させる
ことにより得られる重合進行中の反応混合物の液滴を、
ウエブ、織布、不織布等の成形した繊維質基材に担持さ
せ、該基材上で重合を完了させることからなる吸水性複
合体の製造法が記載されている。これらの公報に記載の
技術によると、基材上で重合した吸水性ポリマーは擬似
球形のまま且つ不連続に基材へ固定化されるため、粒子
の合一や繊維への含浸は低減されるものと解されるが、
繊維質基材として「成形した」ものを用いているため
に、繊維に対するポリマーの量を増加させようとする
と、該繊維質基材の表面に高密度でポリマーを担持させ
ざるを得ない。その結果、表面近傍のポリマー粒子が膜
状に合一しやすく、得られる複合体は不均一で柔軟性の
損なわれたものになることが懸念され、吸水材料には不
適である。
【0005】特開平9−137072号公報には、支持
体に固着されたカチオン性吸水性ポリマーとアニオン性
吸水性ポリマー粒子とからなる吸水性複合体が記載され
ている。該吸水性複合体の製造においては、2種類のポ
リマーを用いるため工程が煩雑になり、またカチオン性
吸水性ポリマーが固着されている支持体の内部にまで均
一にアニオン性吸水性ポリマー粒子を添加することが困
難であるため、該吸水性複合体の性能は不充分である。
【0006】本発明は、上記公報に記載されている従来
の技術の有する問題を解決するためになされたものであ
り、ポリマーが繊維に安定にかつ均一に固定化され、そ
の上、ポリマーを繊維に対し高含量で固定しても繊維の
柔軟性が損なわれず均一な構造を有し得る、ポリマーと
繊維との複合体の製造法を提供することを目的とする。
また、本発明は、特に、薄型で柔軟性のある、吸水性能
に優れた吸水性複合体として好適に使用されるポリマー
と繊維との複合体の製造法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、ポリマーを固定化する対象として、従来の技
術に用いられているような成形された繊維ではなく、非
成形繊維を用い、且つ該非成形繊維に重合性モノマー及
び/又はその重合進行物を含有する液状物を付着させて
重合することにより、上記目的が達成されることを知見
した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、重合性モノマー及び/又は該モノマーの重合進行物
を含有する液状物を非成形繊維に付着させ、次いで該モ
ノマー及び/又は該重合進行物を重合させることを特徴
とするポリマーと繊維との複合体の製造法を提供するこ
とにより上記目的を達成したものである。
【0009】また、本発明は、非成形繊維の表面に略球
状のポリマーが不連続に固定化されており且つ該非成形
繊維が堆積されてなるポリマーと繊維との複合体を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリマーと繊維と
の複合体の製造法を詳細に説明する。
【0011】<重合性モノマー>本発明の製造法におい
ては、重合性モノマーとして、付加重合性モノマー及び
重付加性モノマーが用いられる。付加重合性モノマーと
しては、好ましくはオレフィン系不飽和カルボン酸及び
その塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレ
フィン系不飽和スルホン酸及びその塩、オレフィン系不
飽和リン酸及びその塩、オレフィン系不飽和アミン、オ
レフィン系不飽和アンモニウム塩、オレフィン系不飽和
アミド、オレフィン系芳香族化合物等の重合性不飽和基
を有するモノマーが挙げられる。
【0012】前記オレフィン系不飽和カルボン酸又はそ
の塩としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、
マレイン酸、もしくはフマール酸又はこれらのアルカリ
塩等が挙げられる。前記オレフィン系不飽和カルボン酸
エステルとしては、例えば、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、並びに炭素数1〜22のアルキ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記オレフィ
ン系不飽和スルホン酸又はその塩としては、例えば、
(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ア
リルスルホン酸若しくはこれらのアルカリ塩が挙げられ
る。前記オレフィン系不飽和リン酸又はその塩として
は、例えば、(メタ)アクリロイル(ポリ)オキシエチ
レンリン酸エステル又はこれらのアルカリ塩等が挙げら
れる。前記オレフィン系不飽和アミンとしては、例え
ば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。前記オレフィン系不飽和アンモニウム塩とし
ては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチレント
リメチルアンモニウムハロゲン塩等が挙げられる。前記
オレフィン系不飽和アミドとしては、(メタ)アクリル
アミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メ
タ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド
等の(メタ)アクリルアミド誘導体やビニルメチルアセ
トアミド等が挙げられる。前記オレフィン系芳香族化合
物としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロ
ロスチレン、スチレンスルホン酸塩、ビニルナフタレン
等が挙げられる。これらの物質は単独でまたは2種以上
の混合物として用いることができる。また、前記アルカ
リ塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又
はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの付加重合性
モノマーのうち、本発明においては、特に、吸水性ポリ
マーを与え得るモノマーや吸油性ポリマーを与え得るモ
ノマーを好ましく用いることができ、特に吸水性ポリマ
ーを与え得るモノマーの一種であるオレフィン系不飽和
カルボン酸又はその塩や、吸油性ポリマーを与え得るモ
ノマーの一種であるオレフィン系不飽和カルボン酸エス
テルを好ましく用いることができる。
【0013】一方、重付加性モノマーとしては、好まし
くはジイソシアナート化合物とジアルコール化合物との
組み合わせ、ジイソシアナートとアミンやジアミンとの
組み合わせ等が挙げられる。
【0014】前記ジイソシアナート化合物としては、例
えば、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート等が
挙げられる。前記ジアルコール化合物としては、例え
ば、ブタンジオール、ヘキサメチレングルコール、ポリ
プロピレンオキシドグリコール等が挙げられる。前記ア
ミンやジアミンとしては、例えば、アニリン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
【0015】これらの重付加性モノマーのうち、本発明
においては、特にジイソシアナートとジアルコールとの
組み合わせを好ましく用いることができる。
【0016】<重合進行物>本明細書において「重合進
行物」とは、前記重合性モノマーの重合反応が一部進行
した状態で重合性モノマーを含有するものをいい、重合
開始直後の時点も含む。重合進行物における重合性モノ
マーの重合の程度は、重合率にして好ましくは80%以
下、更に好ましくは60%以下、一層好ましくは40%
以下である。重合進行物における重合率が80%を超え
ると、重合性モノマー及び/又は該重合進行物を含有す
る液状物が繊維に付着しにくくなり、重合後ポリマーが
脱落しやすい場合がある。尚、本明細書において、重合
率は、〔重合に消費されたモノマー量/重合開始時のモ
ノマー量〕で定義される。
【0017】前記重合進行物としては、重合性モノマー
を予め所定の重合率まで重合したものを用いてもよく、
或いは後述する実施例のように、前記液状物を前記非成
形繊維に付着させる際に、該液状物に含まれている重合
性モノマーを重合が進行中の状態で用いてもよい。ま
た、重合性モノマーと重合進行物を混合して用いてもよ
い。
【0018】重合性モノマーを重合進行物とするための
重合方法の詳細については、後述する、非成形繊維に付
着した前記液状物の重合方法と同様である。従って、こ
こでは、重合性モノマーを重合進行物とするための重合
方法については特に説明しないが、後述する、非成形繊
維に付着した前記液状物の重合方法に関する説明が適宜
適用される。
【0019】<液状物>本明細書において「液状物」と
は、20℃において液体状であるものをいう。該液状物
は、20℃における粘度が10,000mPa・s以下
であることが好ましい。これより高粘度であると、該液
状物の非成形繊維への付着が困難となり、得られる複合
体が不均一なものとなる場合がある。該液状物の20℃
における更に好ましい粘度は、0.2〜2000mPa
・sであり、一層好ましくは0.3〜1000mPa・
sである。斯かる粘度は、B型粘度計〔(株)トキメッ
ク製〕によって測定される。
【0020】前記液状物は、前記重合性モノマー及び/
又は前記重合進行物を含んでなるものである。該液状物
は、該重合性モノマー及び/又は該重合進行物が溶媒に
溶解されてなる溶液の状態で好適に用いられる。該溶媒
としては特に限定されないが、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等やこれらの混合物を使用すること
ができる。好ましく用いられる溶媒は、コスト等の点か
ら水である。
【0021】前記溶媒を用いる場合、前記重合性モノマ
ー及び前記重合進行物のトータルの濃度に特に制限は無
いが、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20
重量%以上である。濃度が10重量%未満では重合速度
が遅く、収率や経済性に劣る場合がある。濃度の上限値
は、前記重合性モノマー及び/又は前記重合進行物の溶
媒への飽和溶解度における濃度が好ましい。濃度が飽和
溶解度を超えると前記液状物中に固形分が析出してしま
い、前記重合性モノマー及び/又は前記重合進行物を含
有する液状物を非成形繊維に液滴の状態で均一に付着さ
せることが困難になる場合がある。
【0022】前記液状物に前記重合性モノマー及び前記
重合進行物の両者が含まれている場合、両者の配合比率
は、目的に応じて適宜設定される。この場合、前記重合
進行物の構成単位である重合性モノマーは、前記液状物
に含まれている前記重合性モノマーと同じであってもよ
く、或いは異なっていてもよい。
【0023】前記液状物には、重合反応の反応開始剤や
触媒等を添加することができる。これらの詳細について
は後述する。また、該液状物には、重合反応や得られる
ポリマーの特性を損なわない範囲において、種々の添加
剤を添加することもできる。そのような添加剤として
は、例えば、界面活性剤、増粘剤、発泡剤、色素等が挙
げられる。
【0024】<非成形繊維>本発明の製造法において
は、従来の技術とは異なり、非成形繊維を用いることが
特徴の一つである。本明細書において「非成形繊維」と
は、未だ所定の形状に成形されていない状態の繊維を意
味し、上述した従来の技術の項において述べた各公報に
記載されているようなパッド、ウェブ、織布、不織布等
の既に成形されて特定の形状を有する成形された繊維と
は明確に区別される。具体的には、繊維がランダムに集
合した繊維塊、カード機等の解繊機等によりほぐされた
繊維塊、一本一本の繊維等が含まれる。また、ウェブ形
成作業が行われる前の状態の繊維材料も本明細書にいう
非成形繊維に含まれる。該非成形繊維は、繊維同士が束
になっておらず繊維の一本一本が互いに離れた状態にあ
ることが好ましいが、すべての繊維が互いに離れている
必要はなく、例えば、解繊機等により解繊された状態で
あれば本発明の効果は十分に奏される。前記非成形繊維
が繊維塊である場合、その嵩密度は前記液状物の均一な
付着を行なう点から、100〜100,000g/
3 、特に500〜50,000g/m3 であることが
好ましい。
【0025】前記非成形繊維を構成する繊維の材質に特
に制限は無く、本発明の製造法により得られる複合体の
目的・用途等に応じて適宜選択して用いることができ
る。本発明において用いることができる繊維の例として
は、パルプ、レーヨン、木綿、その他のセルロース系繊
維のような天然繊維や準天然繊維、及びポリエステル系
繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ
スチレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等に代表される
一般的な合成繊維が挙げられる。これらの繊維は、一種
または二種以上を併用することができる。また、前記合
成繊維には、必要に応じて界面活性剤等を施用して親水
性や親油性を付与したり、該合成繊維として熱溶融性の
繊維や、芯鞘型あるいはサイド・バイ・サイド型等の複
合繊維を用いることもできる。
【0026】前記繊維は、本発明の製造法により得られ
る複合体の目的・用途等に応じて、短繊維ステープルフ
ァイバーの形態で用いてもよく、或いは長繊維連続フィ
ラメントの形態で用いてもよい。前記繊維の繊維径は、
やはり本発明の製造法により得られる複合体の目的・用
途等に応じて適宜選択することができるが、特に前記液
状物を均一に付着させる点から、0.1〜50デニール
であることが好ましい。
【0027】<液状物の繊維への付着方法>本発明にお
いては、前記非成形繊維を、ウェブ、織布、不織布等の
特定の形状に成形する(即ち、成形された繊維にする)
以前に、該非成形繊維に前記液状物を付着させることが
最も重要である。これにより、前記非成形繊維のあらゆ
る方向に対して均一にポリマーを固定化することができ
る。また、ポリマーが繊維間の間隙を埋めてしまうこと
も起きにくいので、繊維本来の柔軟性を損なうことなく
ポリマーを繊維に固定化することができる。
【0028】前記液状物を前記非成形繊維に付着させる
際には、該液状物を液滴の状態で付着させることが好ま
しい。こうすることで、重合が安定に行われ、また重合
後のポリマーはより均一に固定化され、さらに繊維から
の脱落も起きにくくなる。前記液状物を液滴化する方法
としては、公知の微粒化技術を用いることができる。そ
のような微粒化技術としては、例えば、滴下法、スプレ
ーノズルを用いた液滴化、回転盤形アトマイザーを用い
た液滴化、超音波法等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。液滴の粒径は、10〜1000μ
m、特に50〜800μmであることが好ましい。粒径
が10μmに満たないと液滴の前記非成形繊維への付着
が困難となる場合があり、1000μmを超えると液滴
の付着が不均一になる場合がある。
【0029】前記液状物を前記非成形繊維に均一に付着
させるためには、後述する実施例のように、該液状物と
該非成形繊維とを同時に供給しつつ、該液状物を該非成
形繊維に付着させることが有効である。該液状物および
該非成形繊維を交互に供給しても本発明の効果は奏され
るが、得られる複合体におけるポリマーの分布に偏りが
生じやすいことがある。
【0030】また、後述する実施例のように、前記液状
物および前記非成形繊維それぞれの一部または全部を気
相中で接触させることにより、該液状物を該非成形繊維
に付着させることも有効である。これにより、該非成形
繊維に付着した該液滴中の前記重合性モノマーあるいは
前記重合進行物の重合を気相中で直ちに行うことが可能
となるので、重合中に該液状物同士が合一しにくくな
り、ポリマーを一層均一に固定化させることができる。
【0031】更に、前記液状物を前記非成形繊維に付着
させつつ、該液状物が付着した該非成形繊維を堆積させ
ることも有効である。これにより、前記液状物の付着、
該液状物に含まれる前記重合性モノマー及び/又は前記
重合進行物の重合、並びに前記非成形繊維の成形を同時
に行うことができるので、プロセスを簡略化でき経済的
である。さらに、この方法で、繊維同士がポリマーを介
して結合した複合体を得ることもできるので、繊維同士
の接着工程が不要となり、プロセスを簡略化でき経済的
である。
【0032】本発明の製造法により得られる複合体の柔
軟性や均一性を高めるためには、ポリマーが繊維に略球
状にかつ不連続に固定化されていることが好適である。
そのためには、用いる繊維の種類によって、前記液状物
が付着したときの、該液状物に含まれている前記重合性
モノマー及び/又は前記重合進行物の重合率を適宜設定
すればよい。例えば、毛管力の強い繊維を用いる場合
は、重合前に前記液状物が前記非成形繊維に染み込むこ
とを防ぐために、ある程度重合が進行した状態の前記液
状物を前記非成形繊維に付着させることが好ましい。一
方、例えば、前記非成形繊維と前記液状物との親和性が
低い場合には、重合性モノマー又は重合のあまり進行し
ていない低粘度の状態の前記液状物を前記非成形繊維に
付着させて、該液状物が該非成形繊維を略球状にすっぽ
り包み込むようすることが好ましい。
【0033】前記液状物を前記非成形繊維に付着させる
何れの方法を用いる場合にも、該非成形繊維への該液状
物の付着量は、該非成形繊維100重量部に対して10
〜2000重量部が好ましく、更に好ましくは50〜1
500重量部である。また、得られる複合体中における
ポリマーの量は、該非成形繊維100重量部に対して1
0〜1000重量部が好ましく、更に好ましくは50〜
800重量部である。ポリマーの量が10重量部に満た
ないと複合化のメリットが得られにくく、1000重量
部を超えるとポリマーの固定化が不均一になりやすいこ
とがあり、またポリマーの繊維からの脱落も生じやすい
ことがある。
【0034】<重合方法>前記非成形繊維に付着した前
記液状物中の、前記重合性モノマー及び/又は前記重合
進行物を重合する方法には、例えば、重合開始剤を用い
る方法、放射線・電子線・紫外線を照射する方法があ
り、本発明においては、重合開始剤を用いる方法が好ま
しい。
【0035】付加重合性モノマーを用いる場合の重合開
始剤、即ち、付加重合開始剤としては、過酸化水素、ベ
ンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサ
イド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等のラ
ジカル発生剤や、これらと亜硫酸水素ナトリウム、L−
アスコルビン酸、第一鉄塩等の還元剤との組み合わせに
よるレドックス系開始剤が用いられる。
【0036】一方、重付加性モノマーを用いる場合の触
媒、即ち、重付加反応の触媒としては、3級アミンや錫
化合物等が好適に用いられる。
【0037】前記重合開始剤や前記触媒の添加量には、
反応性や経済性を考慮すれば、前記重合性モノマー及び
/又は前記重合進行物に対して0.01〜5モル%程度
であることが好ましい。
【0038】重合時の温度は、用いる触媒や重合開始剤
の種類により異なるが、反応性や経済性を考慮すれば、
20〜100℃程度が好ましい。また、重合後の未反応
物を減少させたり、或いは架橋反応を十分に進行させた
りする目的で、重合後に熱処理を行ったり、必要に応じ
て熱風乾燥処理を行うこともできる。その際の温度は8
0〜250℃程度であることが好ましい。
【0039】重合は、反応に不活性な気体の雰囲気下で
行うことが反応制御のしやすさの点で好ましい。そのよ
うな気体としては、例えば、空気、窒素、アルゴン等が
挙げられ、好ましくは経済性の点から空気が用いられ
る。
【0040】重合に際しては、公知の架橋剤を重合系に
添加してもよい。該架橋剤としては、例えば、N,N’
−ジアリル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、
ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレ
フタレート、トリアリルシアヌレート及びトリアリルフ
ォスフェート等のポリアリル化合物;ジビニルベンゼ
ン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート及びグリセリントリメタクリレート等のポリビ
ニル化合物;エチレングリコールグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリ
グリセリンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル
エーテル;エピクロルヒドリン及びα−メチルクロルヒ
ドリン等のハロエポキシ化合物;グルタールアルデヒド
及びグリオキザール等のポリアルデヒド;グリセリン等
のポリオール;エチレンジアミン等のポリアミン;2−
ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシビニル
化合物;並びにカルシウム、マグネシウム、亜鉛又はア
ルミニウム等の多価イオンを生じる無機塩又は有機金属
塩を挙げることができる。これらの架橋剤の添加量は、
前記重合性モノマー及び/又は前記重合進行物に対して
0.005〜10モル%程度であることが好ましい。
【0041】重合により前記非成形繊維に固定化される
代表的なポリマーとしては、本発明の製造法により得ら
れる複合物の用途等にもよるが、例えば、吸水性ポリマ
ーとして好適なオレフィン系不飽和カルボン酸又はその
塩のホモポリマー又はコポリマー、吸油性ポリマーとし
て好適なオレフィン系不飽和カルボン酸エステルのホモ
ポリマー又はコポリマー等が挙げられる。
【0042】本発明の製造法により得られるポリマーと
繊維との複合体は、非成形繊維の表面にポリマーが強固
に固定化されたものとなる。特に上述の通り前記重合性
モノマー及び/又は前記重合進行物の重合率を適切に制
御することによって、該非成形繊維の表面に略球状のポ
リマーが不連続に固定化された複合体が得られる。この
場合、個々のポリマー粒子の平均粒径は10〜1000
μm、特に50〜800μmであることが好ましい。こ
の平均粒径は顕微鏡観察により求められる体積平均径で
ある。また、該液状物を該非成形繊維に付着させつつ、
該液状物が付着した該非成形繊維を堆積させることによ
り、略球状のポリマーが不連続に固定化された該非成形
繊維が堆積されてなる複合体が得られる。更に、前記液
状物中の前記重合性モノマー及び/又はその重合進行物
の重合の程度を適切に制御することによって、前記非成
形繊維が堆積されてなる複合体において、非成形繊維同
士がポリマーを介して結合している、不織布状の複合体
が得られる。
【0043】このようにして得られた複合体は、そのま
ま所望の用途に用いてもよく、或いはその後の工程にお
いて織布や不織布、ウエブに加工したり、または別のシ
ート、紙、不織布、板等の基材と接合して用いることも
できる。
【0044】本発明の製造法により得られるポリマーと
繊維との複合体は種々の用途に用いることができる。例
えば、該ポリマーとして吸水性ポリマーが固定化される
場合には、各種衛生材料等に用いられる吸水材および農
業や土木等の分野で用いられる吸水性複合体(保水剤)
等として用いられ、また、該ポリマーとして吸油性ポリ
マーが固定化される場合には、油吸収材や皮脂吸収材等
として用いられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
すると共にその有効性を例証する。しかしながら、斯か
る実施例は、本発明の範囲を制限するものではない。
尚、以下の例中、特に断わらない限り「%」は「重量
%」を意味する。
【0046】〔実施例1〕80%アクリル酸水溶液12
5重量部および30%水酸化ナトリウム水溶液133重
量部を混合して、中和度72%、濃度47%の中和モノ
マー水溶液を得た。得られた中和モノマー水溶液に、架
橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.04重
量部と、開始剤2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)二塩酸塩0.3重量部とを、水13重量部に溶解
したものを加え、窒素にて脱気し、これをモノマー水溶
液とした。このモノマー水溶液の20℃における粘度は
10mPa・sであった。
【0047】図1に示す装置を用いて、前記モノマー水
溶液を非成形繊維としての熱融着性のポリエステル繊維
に付着させた。図1に示す複合体製造装置は、中空の本
体1の上部に空気の送風口2及び下部に排気口8を有
し、その内部に空気の流通が可能になされている。ま
た、本体1の側部には、繊維供給口3を介して解繊機4
が備えられている。解繊機4には、供給源(図示せず)
から前記ポリエステル繊維が所定の供給量で供給される
ようになされている。更に、本体1の上部には、一液型
スプレーノズル5が備えられており、該スプレーノズル
5にはモノマー供給管6を通じて供給源(図示せず)か
ら前記モノマー水溶液が所定の供給量で供給されるよう
になされている。そして、前記ポリエステル繊維が繊維
供給口3から本体1内に落下中に、前記スプレーノズル
5から前記モノマー水溶液が噴霧されて、該ポリエステ
ル繊維に付着するようになされている。該モノマー水溶
液は該ポリエステル繊維に付着しつつ、本体1の底部に
備えられたワイヤーメッシュ7上に堆積される。
【0048】図1に示す装置を用い前記モノマー水溶液
を一液型スプレーノズル5にて100〜200μmに微
粒化し20g/minで本体1内に供給すると共に、解
繊機4により解繊された熱融着性のポリエステル繊維
(2デニール×3mm)を3g/minで本体1内に供
給した。これと共に、25℃の空気を送風口2から送風
し排気口8から吸引して、前記ポリエステル繊維の堆積
を促進させた。
【0049】前記モノマー水溶液および前記ポリエステ
ル繊維をそれぞれ本体1内に供給することによって、ワ
イヤーメッシュ7上に、該モノマー水溶液が付着したポ
リエステル繊維からなる堆積物が得られた。この堆積物
における該モノマー水溶液の付着量は、該ポリエステル
繊維100重量部に対して650重量部であった。次
に、この堆積物を80℃のオーブンに入れて付着してい
るモノマー水溶液の重合を30分間行い、その後140
℃で熱風処理し、吸水性ポリマー粒子がポリエステル繊
維に固定化された吸水性複合体を得た。
【0050】得られた吸水性複合体においては、吸水性
ポリマー粒子がポリエステル繊維全体にわたって均一に
固定化され、かつポリマー粒子の合一はほとんど観察さ
れなかった。また、該吸水性複合体は、柔軟性に富んだ
不織布状のものであった。該吸水性複合体における吸水
性ポリマーとポリエステル繊維との重量比(前者/後
者)は3/1であり、吸水性ポリマー粒子の平均粒径は
138μmであった。
【0051】〔実施例2〕実施例1における中和モノマ
ー水溶液を2つに分け、架橋剤N,N’−メチレンビス
アクリルアミド0.07重量部をそれぞれに溶解し、片
方の水溶液に酸化剤として6.8%過酸化水素水7重量
部を添加する(20℃における粘度10mPa・s)と
共に、もう片方の水溶液に還元剤として7.0%L−ア
スコルビン酸水溶液7重量部を加えた(20℃における
粘度10mPa・s)二液をモノマー水溶液とした。
【0052】このモノマー水溶液の噴霧装置として二液
混合型スプレーノズルを用い、繊維として実施例1で用
いたポリエステル繊維70%及びレーヨン(1.5デニ
ール×5mm)30%を混合した繊維混合物を用いて、
実施例1と同様にモノマー水溶液の付着を行った。微粒
化されたモノマー水溶液は気相中で直ちに重合を開始
し、解繊された繊維混合物に重合進行中の状態で付着し
た。該モノマー水溶液の該繊維混合物への付着量は、該
繊維混合物100重量部に対して640重量部であっ
た。該繊維混合物に付着した、重合進行中のモノマー水
溶液は、更に重合が進むと共にワイヤーメッシュ7上に
堆積された。ワイヤーメッシュ7上に10分静置後、1
40℃で熱風処理し、吸水性ポリマー粒子がポリエステ
ル/レーヨン繊維に固定化された吸水性複合体を得た。
【0053】得られた吸水性複合体においては、吸水性
ポリマー粒子が繊維混合物全体にわたって均一に固定化
され、かつポリマー粒子の合一はほとんど観察されなか
った。また、該吸水性複合体は、柔軟性に富んだ不織布
状のものであった。該吸水性複合体における吸水性ポリ
マーと繊維混合物との重量比(前者/後者)は3/1で
あり、吸水性ポリマー粒子の平均粒径は145μmであ
った。
【0054】〔実施例3〕モノマー水溶液および繊維と
して実施例1と同様のものを用いた。また、装置として
図2に示すものを用いた。図2に示す装置は、繊維供給
口3付近に実施例1で用いた一液型スプレーノズル5を
設置した以外は図1に示す装置と同様の構成である。
【0055】本体1内に送風する空気の温度を80℃に
した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、
微粒化されたモノマー水溶液は、繊維供給口3付近にお
いて解繊されたポリエステル繊維に付着し且つ重合し
た。該モノマー水溶液の該ポリエステル繊維への付着量
は、該ポリエステル繊維100重量部に対して660重
量部であった。該モノマー水溶液が付着・重合したポリ
エステル繊維は、ワイヤーメッシュ7上に堆積した。ワ
イヤーメッシュ7上に10分間静置後、140℃で熱処
理し、吸水性ポリマー粒子がポリエステル繊維に固定化
された吸水性複合体を得た。
【0056】得られた吸水性複合体においては、吸水性
ポリマー粒子がポリエステル繊維全体にわたって均一に
固定化され、かつポリマー粒子の合一はほとんど観察さ
れなかった。また、該吸水性複合体は、柔軟性に富んだ
不織布状のものであった。該吸水性複合体における吸水
性ポリマーとポリエステル繊維との重量比(前者/後
者)は3/1であり、吸水性ポリマー粒子の平均粒径は
138μmであった。
【0057】〔実施例4〕モノマー水溶液および繊維と
して実施例2と同様のものを用いた。また、装置として
実施例3と同様のものを用い、スプレーノズルのみ実施
例2で用いた二液混合型スプレーノズルを用いた。
【0058】本体1内に送風する空気の温度を30℃に
した以外は実施例3と同様の操作を行った。その結果、
微粒化されたモノマー水溶液は、繊維供給口3付近にお
いて解繊された繊維混合物に付着し且つ重合した。該モ
ノマー水溶液の該繊維混合物への付着量は、該繊維混合
物100重量部に対して660重量部であった。
【0059】得られた吸水性複合体においては、吸水性
ポリマー粒子がポリエステル繊維全体にわたって均一に
固定化され、かつポリマー粒子の合一はほとんど観察さ
れなかった。また、該吸水性複合体は、柔軟性に富んだ
不織布状のものであった。該吸水性複合体における吸水
性ポリマーと繊維混合物との重量比(前者/後者)は3
/1であり、吸水性ポリマー粒子の平均粒径は145μ
mであった。
【0060】〔実施例5〕モノマー水溶液の供給量を2
8g/minにした以外は実施例2と同様にして吸水性
複合体を得た。該モノマー水溶液の該繊維混合物への付
着量は、該繊維混合物100重量部に対して910重量
部であった。
【0061】得られた吸水性複合体においては、吸水性
ポリマー粒子が繊維混合物全体にわたって均一に固定化
され、かつポリマー粒子の合一はほとんど観察されなか
った。また、該吸水性複合体は、柔軟性に富んだ不織布
状のものであった。該吸水性複合体における吸水性ポリ
マーと繊維混合物との重量比(前者/後者)は4.2/
1であり、吸水性ポリマー粒子の平均粒径は140μm
であった。
【0062】〔比較例1〕モノマー水溶液を付着させる
繊維材料として実施例1で用いたポリエステル繊維3g
を予めウェブ状に成形したものをワイヤーメッシュ上に
載置して用い、実施例1と同様の操作を行った。該モノ
マー水溶液の該ウエブへの付着量は、該ウエブ100重
量部に対して660重量部であった。熱処理後得られた
不織布状の複合体には吸水性ポリマー粒子が固着されて
いるものの、繊維の表面近傍に固定化されたものがほと
んどであり、ポリマー粒子同士の合一により表面が膜状
に固化しており、複合体の柔軟性が失われたものであっ
た。尚、該複合体における吸水性ポリマーとポリエステ
ル繊維との重量比(前者/後者)は3/1であった。
【0063】〔比較例2〕モノマー水溶液を付着させる
繊維材料として実施例2で用いた繊維混合物3gを予め
不織布に加工したものをワイヤーメッシュ上に載置して
用い、実施例2と同様の操作を行った。該モノマー水溶
液の該ウエブへの付着量は、該ウエブ100重量部に対
して660重量部であった。熱処理後得られた不織布状
の複合体には吸水性ポリマー粒子が固着されているもの
の、繊維の表面近傍に固着したものがほとんどであり、
ポリマー粒子同士の合一により表面が膜状に固化してお
り、複合体の柔軟性が失われたものであった。尚、該複
合体における吸水性ポリマーと繊維混合物との重量比
(前者/後者)は3/1であった。
【0064】〔実施例6〕実施例1〜5及び比較例1〜
2で得られた吸水性複合体について、剛軟性試験(JI
S−L−1096に基づく)による柔軟性評価、及び下
記に示す加圧吸水時間測定による吸水性能の評価を評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0065】<加圧吸水時間測定>水平なアクリル板上
に吸水性複合体(15cm×15cm)を置き、その中
心にアクリル筒(高さ12cm、外径8.4cm、内径
6.0cm)を載せる。人工尿40ccを注ぎ、それが
吸収されるまで(液だまりがなくなった状態)の時間を
測定する。吸収が完了して5分後にアクリル筒を外して
代わりに重りを載せて35g/cm2 の荷重を5分間加
える。次いで、重りを取り除き、再度アクリル筒を載せ
てその中に再度人工尿40ccを注ぎ、それが吸収され
るまでの時間を測定し、これを加圧吸水時間とする。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の製造法により得られた吸水性複合体は、繊維そのも
のの有する柔軟性が保持されており且つ吸収性能の高い
ものであることが判る。また、実施例1と比較例1で得
られた吸水性複合体の光学顕微鏡写真を添付図面として
図3及び図4にそれぞれ示す(図3及び図4中、スケー
ルは200μmを示す)。添付の図3及び図4では、両
者の差異は必ずしも明確でないかも知れないが、光学顕
微鏡写真そのものの比較では、図3(即ち、本発明の製
造法により得られた吸水性複合体)が、図4(即ち、比
較例の製造法により得られた吸水性複合体)に比して、
繊維表面に略球状のポリマー粒子が均一に且つ不連続に
固定化されていることが明確である。
【0068】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の製造法に
よれば、ポリマーが繊維に均一に固定化されたポリマー
と繊維との複合体を得ることができる。またポリマーが
繊維上に略球状に且つ不連続に固定化させることができ
るため、この繊維が堆積されてなる複合体は柔軟性に富
んだものとなる。また、本発明の製造法により得られた
ポリマーと繊維との複合体は、従来のものに比べて、ポ
リマー/繊維の重量比が大きい場合であってもポリマー
が均一に固定化されているので、薄型でポリマーの脱落
が少なく柔軟性があって且つ吸収性能の優れた吸収体と
して、特に紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料の分
野で好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法に好適に用いられる装置を示す
概略図である。
【図2】本発明の製造法に好適に用いられる別の装置を
示す概略図である。
【図3】本発明の製造法により得られる複合体の一例を
示す光学顕微鏡写真である。
【図4】従来の製造法により得られる複合体を示す光学
顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 本体 2 送風口 3 繊維供給口 4 解繊機 5 スプレーノズル 6 モノマー供給管 7 ワイヤーメッシュ 8 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 1/40 A01G 1/00 303Z // A01G 1/00 303 C08J 5/04 A61F 13/46 A61F 13/18 307A C08J 5/04 A41B 13/02 D (72)発明者 片田 直樹 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性モノマー及び/又は該モノマーの
    重合進行物を含有する液状物を非成形繊維に付着させ、
    次いで該モノマー及び/又は該重合進行物を重合させる
    ことを特徴とするポリマーと繊維との複合体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記液状物を液滴の状態で前記非成形繊
    維に付着させることを特徴とする請求項1に記載のポリ
    マーと繊維との複合体の製造法。
  3. 【請求項3】 前記液状物と前記非成形繊維とを同時に
    供給しつつ、該液状物を該非成形繊維に付着させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーと繊維と
    の複合体の製造法。
  4. 【請求項4】 前記液状物と前記非成形繊維を気相中で
    接触させることにより、該液状物を該非成形繊維に付着
    させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記
    載のポリマーと繊維との複合体の製造法。
  5. 【請求項5】 前記液状物を前記非成形繊維に付着させ
    つつ、該液状物が付着した該非成形繊維を堆積させるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のポリ
    マーと繊維との複合体の製造法。
  6. 【請求項6】 前記非成形繊維100重量部に対して前
    記液状物を10〜2000重量部付着させることを特徴
    とする請求項1〜5の何れか一項に記載のポリマーと繊
    維との複合体の製造法。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーが吸水性ポリマーである請
    求項1〜6の何れか一項に記載のポリマーと繊維との複
    合体の製造法。
  8. 【請求項8】 非成形繊維の表面に略球状のポリマーが
    不連続に固定化されており且つ該非成形繊維が堆積され
    てなるポリマーと繊維との複合体。
  9. 【請求項9】 前記非成形繊維同士が前記ポリマーを介
    して結合していることを特徴とする請求項8に記載のポ
    リマーと繊維との複合体。
  10. 【請求項10】 前記ポリマーが吸水性ポリマーである
    請求項8又は9に記載のポリマーと繊維との複合体。
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