JPH0689065B2 - 吸水性複合体の製造方法 - Google Patents

吸水性複合体の製造方法

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JPH0689065B2
JPH0689065B2 JP60193403A JP19340385A JPH0689065B2 JP H0689065 B2 JPH0689065 B2 JP H0689065B2 JP 60193403 A JP60193403 A JP 60193403A JP 19340385 A JP19340385 A JP 19340385A JP H0689065 B2 JPH0689065 B2 JP H0689065B2
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acid
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸水性複合体の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、成形した繊維質基体に、アクリル酸
及びアクリル酸塩を主体とする重合性単量体と水溶性ラ
ジカル重合開始剤を予め均一混合後、該混合液を霧状に
して施し、次いで重合せしめ、高吸水性ポリマーが成形
した繊維質基体に固定された吸水性複合体の製造方法に
関するものである。
本発明の製造方法で得られる吸水性複合体は、吸水性に
優れ、且つ吸水速度が大きく、又、吸水して膨潤したポ
リマーゲルの強度が高く、しかも高吸水性ポリマーが繊
維質基体に安定よく固定されているので、各種の吸水性
材料の製造に有利に使用することが出来る。
〔従来技術〕
従来、紙、パルプ、不織布、スポンジ状ウレタン樹脂等
は、保水剤として生理用ナプキン、紙オシメ等を始めと
する各種の衛生材料及び各種の農業用材料等として使用
されてきた。しかし、これらの材料はその吸水量が自重
の10〜50倍程度に過ぎないので、多量の水を吸収又は保
持せしめるためには、多量の材料が必要であり、著しく
嵩高になるばかりでなく、吸水した材料を加圧すると簡
単に水分を分離する等の欠点があった。
この種の吸水材料の上記欠点を改善するものとして、近
年、高吸水性の種々の高分子材料が提案されている。例
えば、澱粉のグラフト重合体(特公昭53−46199号公報
等)、セルロース変性体(特開昭50−80376号公報
等)、水溶性高分子の架橋物(特公昭43−23462号公報
等)、自己架橋型アクリル酸アルカリ金属塩ポリマー
(特公昭54−30710号公報等)等が提案された。
しかしながら、これらの高吸水性高分子材料は、その吸
水性能はかなりの高いレベルを有するものの、殆んどが
粉末状として得られるために、例えば生理用ナプキン、
紙オシメ等の衛生材料と使用するにはティッシュ、不織
布、綿等の基材上に均一状に分散せしめる必要がある。
しかしながら、該方法で分散せしめたポリマー粉末は基
材上に安定良く固定することが困難で、分散後一部局所
に集合化することが多く、また吸水後の膨潤ゲルも安定
良く基材上に固定されず、基材から容易に移動してしま
う。このために例えば紙オシメに使用したとき、放尿後
の吸収体は“ごわごわ”した状態となり、極めて着用感
の悪いものとなってしまう。また、上記の様な粉末状ポ
リマーを基材に分散せしめて吸収体を得る方法では、粉
体の取扱いに伴う煩雑さ、また均一な分散を効率良く行
う上でのプロセス上の問題等によりコスト的にも極めて
割高となっている。
〔発明が解決せんとする問題点〕
これらの問題を解決する1つの方法として最近、アクリ
ル酸系モノマー水溶液を成形した繊維質基体に予め決め
た模様状に施して複合体を製造し、これに電磁放射線又
は、微粒子性イオン化放射線で照射して、アクリル酸系
モノマーを高吸収性ポリマーに転換し、吸水性複合体を
製造する方法が報告されている。(特公昭57−500546号
公報)。該方法によれば、上記の粉体を取扱う上での均
一な分散化及び基材上への安定した固定化はかなり改良
されるものの、高吸水性ポリマーに転換するに当り、電
磁放射線又は微粒子性イオン化放射線を使用する為に、
極めて高吸水性ポリマーの自己架橋化反応が進み易く、
その結果吸収体としての性能、特に吸水能が著しく小さ
く、通常前記粉末状高吸水性ポリマーを使用した場合に
比し、半分以下となってしまう欠点がある。また、プロ
セス的にも上記の様な放射線発生装置取扱いに伴う安全
性、コスト面等に安価な方法とは云い難い。
また、最近特開昭60−149609号公報には、アクリル酸塩
系モノマー水溶液を予め吸水性有機材料に含浸させた
後、水溶性ラジカル重合開始剤又は水溶性ラジカル重合
開始剤と水溶性還元剤を霧状にして添加し、重合せしめ
る吸水性複合材料の製造法が提示されている。しかしな
がら、該方法では、アクリル酸系モノマーを吸水性有機
材料に含浸させた後、水溶性重合開始剤を添加するた
め、たとえ霧状にしても“重合むら”が起り完全に重合
せしめることは極めてむづかしく、その結果残存モノマ
ーが多量となり、安全上問題多く、又性能的に特に吸水
能において小さくなる等の欠点を有する。
〔問題点を解決するための手段〕
(発明の目的) 本発明は、前記特公昭57−500546号公報や特開昭60−14
9609号公報に記載された吸水性複合体の製造方法を改良
して、残存モノマーがなく吸水性能及び吸水速度の更に
優れた吸水性複合体の製造をする方法を提供せんとする
ものである。
(発明の構成) 本発明者等は、前記の問題点を解決する目的で種々研究
を重ねた結果、前記アクリル酸系モノマーを、水溶性ラ
ジカル重合開始剤と予め均一混合せしめ、しかる後に得
られた高吸水性ポリマーの粒子径が30μm〜500μmと
なる様に該混合液を成形した繊維質基体に噴霧し、重合
せしめることにより、残存モノマーがほとんどなく、吸
水性能及び吸水速度が特段に向上した吸水性複合体が得
られることを見い出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明の吸水性複合体の製造方法は、カルボキシ
ル基の20%以上がアルカリ金属塩又はアンモニウム塩に
中和されてなるアクリル酸及びアクリル酸塩を主成分と
する重合性単量体(以下アクリル酸系モノマーという)
の水溶液を、成形した繊維質基体に施し、次いで該アク
リル酸系モノマーを重合せしめて高吸水性ポリマーと成
形した繊維質基体とから成る吸水性複合体を製造する方
法であって、アクリル酸系モノマーの水に対する濃度を
中和後のモノマー量として25重量%以上〜飽和濃度とし
たものと、、過酸化水素又は過硫酸塩又はこれら水溶性
ラジカル開始剤と水溶性還元剤を均一混合後、その混合
液を霧状にして成形した繊維質基体に施し、次いで重合
せしめて粒子径が30〜500μmの自己架橋型の高吸水性
ポリマーを前記繊維質基体中に形成することを特徴とし
ている。
本発明の吸水性複合体の製造方法において、アクリル酸
系モノマーの水溶液と過酸化水素又は過硫酸塩又はこれ
ら水溶性ラジカル重合開始剤と水溶性還元剤を予め均一
に混合せしめ、しかる後に該混合液を得られる高吸水性
ポリマーの粒子径が30〜500μmとなる様に成形した繊
維質基体に噴霧して重合せしめること及び得られた高吸
水性ポリマーが適度の架橋分布をもつ自己架橋型樹脂で
あること、この2点において最大の特徴を有するもので
ある。そしてこのために本発明の製造方法では前記公報
に記載した方法よりも残存モノマー量がはるかに少な
く、吸水性能及び吸水速度が著しくすぐれ、安価で高性
能な吸水性複合体が得られるのである。
(発明の具体的説明) (1) モノマー 本発明に用いられるモノマーはアクリル酸を主成分とす
るが、その20%以上が好ましくは50%以上がアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩に中和されてなるものである。
その部分中和度が余り低過ぎるとポリマーの吸水性能が
著しく低下する。
また本発明では、上記アクリル酸及びアクリル酸塩以外
に、これらと共重合可能な単量体を共存せしめることに
より更に吸水性能の優れたポリマーが得られる。これら
の単量体としては2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、
2−アクリロイルプロパンスルホン酸、メタクリル酸及
びそれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1
種又は2種以上である。これら単量体の量はアクリル酸
系モノマーに対して20モル%以下、好ましくは10モル%
以下とすることにより好結果が得られる。この単量体の
量があまり多くなりすぎると可溶部が多くなり、ポリマ
ーの吸水性能が著しく低下してしまう。
上記酸モノマーの中和には、アルカリ金属の水酸化物や
重炭酸塩等が使用可能であるが、好ましいのはアルカリ
金属水酸化物であり、その具体例としては水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが挙げられ
る。工業的入手の容易さ、価格、及び安全性等の点か
ら、水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウムが好まし
い。
これらアクリル酸系モノマーの濃度は本発明において極
めて重要なポイントの1つであり、水中で25重量%以
上、好ましくは35重量%以上であり、高ければ高い程良
い。即ちモノマー濃度を高くすることにより、ポリマー
重合度が高くなり、残存モノマーが極めて少なくなりま
た自己架橋化が均一性良く起り吸水性の優れたものとな
る。また、成形した繊維質基体単位表面積当りの高吸水
性ポリマー充填量が多くなり、吸水性能の優れた複合体
を得ることが出来る。また、モノマー濃度を高くするこ
とにより、逆に言えば水濃度を小さく出来ることによ
り、乾燥時のエネルギーを削減することが出来、コスト
的にも有利となる。具体的には、使用温度でのほぼ飽和
溶解度付近が有利に用いられ、例えば、アクリル酸ナト
リウムの場合室温下で約45重量%である。
(2) 水溶性ラジカル重合開始剤 本発明の製造方法において用いられる重合開始剤は、過
酸化水素、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過
硫酸塩などの水溶性ラジカル重合開始剤である。これら
の水溶性ラジカル重合開始剤は、また例えば亜硫酸塩の
様な還元性物質やアミン類等を組合わせてレドックス型
の開始剤にして使用してもよい。過硫酸塩の場合の使用
量は、アクリル酸モノマーに対して0.01〜5重量%、好
ましくは0.1〜1重量%である。なお、ラジカル重合開
始剤として、他の水溶性のもの、例えばt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類;アゾイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス(アミジノプロパン)二塩酸等の
アゾ系開始剤を使用すると、生成ポリマーが水溶性のも
のとなり、吸水性の高いポリマーは得られない。
(3) 施用方法 本施用方法は本発明において極めて重要なポイントとな
るところである。即ち、25重量%以上の濃度に調整され
たアクリル酸系モノマーの水溶液は、予め、前記水溶性
ラジカル重合開始剤と均一に混合後、該混合液を霧状に
して成形された繊維質基体に小さな点状の周期的な模様
に施される。この場合重要なことは、成形された繊維質
基体に固定された高吸水性ポリマーの粒子径が30μm〜
500μmとなる様に上記混合液を噴霧することが必要で
ある。この様な範囲の微細な高吸水性ポリマーが小さな
点状の周期的な模様に成形された繊維質基体に施される
ことにより、質量に対するポリマー表面積の比を可能な
限り大きく出き、特に吸水速度が大きい吸水性複合体が
得られる。また、この小さな点状の周期的な模様は、本
発明の方法によって製造される吸水性複合体の中にいわ
ゆる“吸い上げ通路”を作り出すのに使用でき、これは
例えばおむつの吸収性パッドの部分の縁の回りに高吸水
性ポリマーからなる連続した点状があると、このおむつ
は縁周辺から漏れることが極めて小さくなる利点があ
る。
繊維質基体に小さな点状の周期的な模様に固定された高
吸水性ポリマーの粒子径があまり小さすぎる場合、即ち
30μm以下では、特に性能への向上効果が見られず、逆
に噴霧化に当り効率良く繊維質基体に施すことがむつか
しく、また実際上原料モノマー液のロス率が大きくなっ
て経済的でない。一方、粒子径があまり大きすぎると、
即ち500μm以上では質量に対するポリマー表面積の比
が極めて小さくなり、特に吸水速度の点で問題となる。
本発明においてアクリル酸系モノマー水溶液と水溶性ラ
ジカル開始剤との均一混合溶液を霧状に施す方法として
一例を挙げればスプレーノズルを通して噴霧化する方
法、或いは超音波振動子による超音波式装置や回転霧化
遠心噴霧装置を用いる方法がある。実用的見地からスプ
レーノズルを通して噴霧化する方法が本発明では特に好
ましい。繊維質基体へ施される前記混合液の含浸量は、
特に制限はなく用いられる吸水性複合体の製品用途によ
り広範囲に変化することが出来る。一般的にはポリマー
量として繊維質基体1重量部に対して0.1〜1000重量
部、通常0.5〜50重量部が採用される。
(4) 繊維質基体 本発明に使用される繊維質基体は、繊維をゆるく成形し
たパット、カーディングもしくはエア・レイイングした
ウェブ、ティッシュペーパー、本綿ガーゼの様な織布、
メリヤス地、又は不織布でよい。「成形した」繊維質基
体とは、その繊維質基体を用品の中に組み込むために、
切断、接合、造形等が必要になることはあるが、ウェブ
形成作業はさらに施す必要がないものを意味する。木材
パルプ、レーヨン、木綿その他のセルロース系繊維或い
はポリエステル系繊維の様な吸収性繊維を繊維質基体に
使用することが一般的に好ましい。しかし、他の種類の
繊維を成形した繊維質基体に含ませてもよい。
(5) 重合条件 前述の様に、アクリル酸系モノマーと水溶性ラジカル重
合開始剤の混合溶液を成形した繊維質基体に霧状に施
し、次いで重合せしめ、高吸水性ポリマーが成形した繊
維質基体に小さな点状の模様に固定された吸水性複合体
を製造するに当り、前記原料混合液は室温下或いは予め
所定の温度に昇温された状態として置く。そして所定の
重合温度に調節された反応槽内にて噴霧化して重合せし
める。反応槽及び反応方式は特に制限はなく、いかなる
形式のものでも良い。その一例を上げればオーブン形式
のボックス型反応槽にてバッチ式に行う方法、或いはエ
ンドレスベルト上にて連続的に行う方法が挙げられる。
反応槽内の温度、即ち重合温度としては、特に制限はな
く、用いるラジカル重合開始剤の種類、量等によって若
干変化するが、一般的には20〜150℃、好ましくは40〜1
00℃が採用される。
また、重合時間は、重合温度等により変わってくるが、
一般的には数秒〜2時間、好ましくは数秒〜10分程度が
良い。
重合終了後、必要ならば、水分を除く為に、例えば複合
体を一連の乾燥槽を通したり、強制通風炉を使用したり
して乾燥せしめる。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳述す
る。なお、これらの例に記載の生理塩水吸水能及び吸水
速度は、下記試験方法によって測定した数値を指す。
A. 生理塩水吸水能 300mlのビーカーに吸水性複合体を約0.5g及び濃度0.9重
量%の食塩水約200gをそれぞれ秤量して入れてから、約
4時間放置して食塩水によってポリマーを充分に膨潤さ
せた。次いで、100メッシュ篩で水切りをした後、その
過食塩水量を秤量し、下記式に従って生理塩水吸水能
を算出する。
B. 吸水速度 300mlのビーカーに濃度0.9重量%の食塩水約200gを秤量
して入れる。次に吸水性複合体を約0.5g秤量し、上記食
塩水中に入れる。5分後100メッシュ篩で水切りをした
後、その過食塩水量を秤量し、上記Aに示した式に基
づき生理塩水吸水能を求め、これを吸水速度とする。
実施例1 100ccのコニカルフラスコに、水酸化ナトリウム(純度9
5重量%)13.1g採り、これに氷冷下純水39gを加えて溶
解せしめた。これに氷冷下アクリル酸30gを徐々に加え
中和せしめた。中和度は約75%、水溶液中のモノマー濃
度として約45重量%となった。
これにラジカル重合開始剤として過硫酸カリウムを0.05
g採って、上記モノマー水溶液中に溶解せしめ、N2に脱
気した。
別にポリエステル不織布(2デニール)0.0916g採っ
て、これに上記ラジカル重合開始剤を溶解したモノマー
水溶液をスプレーノズルより噴霧した。塗布されたモノ
マー量は、不織布に対し7.8重量倍であった。
これを50℃にした恒温反応器内に入れ、更に約10分で90
℃迄昇温した。重合は直ちに起り、部分中和ポリアクリ
ル酸ソーダの自己架橋物から成る高吸水性ポリマーがポ
リエステル不織布に安定良く固定された吸水性複合体を
得た。
上記水性複合体中の吸水性ポリマーの粒子径は100μm
〜300μmであり、生理塩水吸水能は48.3、吸水速度は2
5.5であり、残存モノマーは、ほとんど認められなかっ
た。
実施例2 実施例1と同処方で得たモノマー水溶液82.1gを80℃と
した。一方、ラジカル開始剤として過硫酸カリウムを0.
2g、還元剤として亜硫酸水素ナトリウムを0.05gとり4g
の純水に溶かした。別にポリエステル不織布を0.4359g
採り、これを恒温槽中にて約70℃に保った。上記モノマ
ー水溶液中にラジカル重合開始剤及び還元剤を溶解した
水溶液を混合後、直ちにスプレーノズルより上記不織布
に噴霧した。重合は不織布内にて直ちに起り、部分中和
ポリアクリル酸ソーダの自己架橋物から成る高吸水性ポ
リマーがポリエステル不織布に安定良く固定された吸水
性複合体を得た。塗布されたモノマー量は不織布に対し
て12.7倍であり、高吸水性ポリマーの粒子径は80〜300
μmであった。また、吸水性複合体の生理塩水吸水能は
59.6、吸水速度は28.6であり、残存モノマーは認められ
なかった。
実施例3 レーヨン不織布を0.6651gとし、モノマー噴霧量を不織
布に対して5.3重量倍とした以外は実施例2と同処方、
同操作にて吸水性複合体を得た。該吸水性複合体中の高
吸水性ポリマーの粒子径は100〜250μmであり、残存モ
ノマーは、殆んど認められなかった。また、吸水性複合
体の生理塩水吸水能は52.5、吸水速度は24.9であった。
実施例4 実施例2におけるアクリル酸の代りに、アクリル酸30g
と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
5.2gとの混合物を使用し、その他は実施例2と同処方、
同操作にて吸水性複合体を得た。この吸水性複合体中の
高吸水性ポリマーの粒子径は100〜200μmであり、残存
モノマーは、殆んど認められなかった。また、吸水性複
合体の生理塩水吸水能は85.6、吸水速度は31.5であっ
た。
実施例5 実施例2におけるアクリル酸の代りに、アクリル酸30g
と2−ヒドロキシエチルメタアクリレート3.5gとの混合
物を使用し、その他は実施例2と同処方、同操作にて吸
水性複合体を得た。この吸水性複合体中の高吸水性ポリ
マーの粒子径は150〜300μmであり、残存モノマーは、
認められなかった。また、吸水性複合体の生理塩水吸水
能は65.5、吸水速度は28.5であった。
実施例6 100ccコニカルフラスコにアクリル酸30g採り、これに純
水9.3gを加えて混合した。これに氷冷下、水酸化カリウ
ム(85重量%)20.6gを徐々に加え、中和せしめ70℃に
保つ。中和度は約75%、水溶液中のモノマー濃度は約74
重量%となった。
別にラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを水
3.0gに溶解せしめた。
別にポリエステル不織布0.5321g採り、これを恒温槽内
にて約70℃に保った。上記モノマー水溶液中にラジカル
重合開始剤水溶液を混合後、直ちにスプレーノズルによ
り上記不織布に噴霧した。重合は不織布内にて直ちに起
り、部分中和ポリアクリル酸カリウムの自己架橋物から
成る高吸水性ポリマーがポリエステル不織布に安定良く
固定された吸水性複合体を得た。
塗布されたモノマー量は、不織布に対して10重量倍であ
り、高吸水性ポリマーの粒子径は100〜300μmであっ
た。また、吸水性複合体の生理塩水吸水能は65.3、吸水
速度32であり、残存モノマーは認められなかった。
実施例7 100ccコニカルフラスコに25%アンモニア水26.9gとり、
冷却下30gのアクリル酸を徐々に滴下し、中和せしめ70
℃に昇温した。中和度は95%、水溶液中のモノマー濃度
は約55重量%となった。
別にラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを水
3.0gに溶解せしめた。
別にポリエステル不織布を0.3581g採り、これを恒温槽
内にて約70℃に保った。上記モノマー水溶液中にラジカ
ル重合開始剤水溶液を混合後、直ちにスプレーノズルよ
り上記不織布に噴霧した。重合は不織布内にて直ちに起
り、部分中和ポリアクリル酸アンモニウムの自己架橋物
から成る高吸水性ポリマーがポリエステル不織布に安定
良く固定された吸水性複合体を得た。
塗布されたモノマー量は不織布に対して11重量倍であ
り、高吸水性ポリマーの粒子径は80〜200μmであっ
た。また、吸水性複合体の生理塩水吸水能は68.5、吸水
速度は29.5であり、残存モノマーは殆んど認められなか
った。
比較例1 実施例1に示したのと同操作により、中和度75%、水溶
液中のモノマー濃度として約45重量%含有する部分中和
アクリル酸ナトリウム水溶液を調合した。これをスプレ
ーノズルよりポリエステル不織布に噴霧して塗布含浸せ
しめた。含浸したモノマー量は不織布に対して13倍であ
った。この部分中和アクリル酸ナトリウム水溶液を含浸
した不織布上にダイナミトロン加速器を装備した電子線
装置より、10メガラドの線量で電子線を照射した。重合
は直ちに起り、部分中和ポリアクリル酸ナトリウムの自
己架橋体からなる高吸水性ポリマーがポリエステル不織
布に安定良く固定された吸水性複合体を得た。この吸水
性複合体の生理塩水吸水能を測定した結果25.0とからな
り小さく、吸水速度は18.0で、残存モノマーは、殆んど
認められなかった。
比較例2 実施例6に示したのと同操作により、中和度75%、水溶
液中のモノマー濃度として約74重量%含有する部分中和
アクリル酸カリウム水溶液を調合した。これをスプレー
ノズルよりポリエステル不織布に噴霧して塗布含浸せし
めた。含浸したモノマー量は不織布に対して約10重量倍
であった。この部分中和アクリル酸カリウムモノマー水
溶液を含浸した不織布上に、ダイナミトロン加速器を装
備した電子線装置より、10メガラドの線量で電子線を照
射した。重合は直ちに起り、部分中和ポリアクリル酸カ
リウムの自己架橋体からなる高吸水ポリマーがポリエス
テル不織布に安定良く固定された吸水性複合体を得た。
上記吸水性複合体の生理食塩水吸水能を測定した結果1
8.5とかなり小さいものであった。また、吸水速度は10.
5であり残存モノマーは、殆んど認められなかった。
比較例3 実施例1に示したと同操作により、中和度75%、水溶液
中のモノマー濃度として約45重量%含有する部分中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液を調合した。このモノマー水
溶液をポリエステル不織布に散布含浸せしめ70℃とし
た。含浸したモノマー量は不織布に対して11重量倍であ
った。これに4.5重量%過流酸カリウム水溶液をスプレ
ーノズルより噴霧すると、直ちに重合を開始した。しか
しながら、得られた吸水性複合体は不織布の上層部のみ
が重合し、モノマー臭の強いものがあった。(残モノマ
ー量として約10重量%であった。)そこで更に70℃で上
記開始剤溶液をスプレーノズルより噴霧し、約30分間保
持したが、重合は殆んど進行しなかった。そこで得られ
た吸水性複合体をさらに90℃にて減圧下乾燥せしめ生理
塩水吸水能を測定したところ18.5であり吸水速度は3.1
と極めて小さいものであった。
比較例4 実施例6に示したのと同操作により、中和度75%、水溶
液中のモノマー濃度として約74重量%含有する部分中和
アクリル酸カリウム水溶液を調合した。このモノマー水
溶液をポリエステル不織布に散布含浸せしめ70℃に保持
した。含浸したモノマー量は不織布に対して10重量倍で
あった。これに4.5重量%過硫酸カリウム水溶液をスプ
レーノズルより噴霧すると直ちに重合を開始した。
しかしながら、得られた吸水性複合体は比較例3と同様
不織布の上層部のみが重合し、モノマー臭の強いもので
あった。(残モノマー量として約8.5重量%であっ
た。)そこで90℃にて更に30分保持し、同温度にて減圧
下乾燥せしめた。この吸水性複合体の生理塩水吸水能は
15.6であり、吸水速度は3.8と極めて小さいものであっ
た。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によって得られる吸水性複合体は、上
記実施例及び比較例から明らかなように前記特公表57−
500546号公報及び特開昭60−149609号公報に示された方
法より吸水性能及び吸水速度が特段に大きく、且つ残存
モノマーが殆んどなく安定性の高いものである。更にそ
の形態がシート状である為に、従来使用されてきた粉体
状高吸水性樹脂に比し取扱いが容易で安価である為に、
生理用ナプキン、紙オシメ等各種の衛生材料の製造に有
利に使用できる。また、その優れた吸水性能、取扱い性
を利用して、最近注目されてきた土壌改良剤、保水剤等
を始めとする園芸用又は農業用の各種の材料の製造にも
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 14/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基の20%以上がアルカリ金属
    塩又はアンモニウム塩に中和されてなるアクリル酸及び
    アクリル酸塩を主成分とする重合性単量体(以下アクリ
    ル酸系モノマーという)の水溶液を、成形した繊維質基
    体に施し、次いで該アクリル酸系モノマーを重合せしめ
    て高吸水性ポリマーと成形した繊維質基体とから成る吸
    水性複合体を製造する方法において、アクリル酸系モノ
    マーの水に対する濃度を中和後のモノマー量として25重
    量%以上〜飽和濃度としたものと、、過酸化水素又は過
    硫酸塩又はこれら水溶性ラジカル開始剤と水溶性還元剤
    を均一混合後、その混合液を霧状にして成形した繊維質
    基体に施し、次いで重合せしめて粒子径が30〜500μm
    の自己架橋型の高吸水性ポリマーを前記繊維質基体中に
    形成することを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】アクリル酸系モノマー中に20モル%以下の
    2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
    2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリロイル
    プロパンスルホン酸、メタクリル酸及びそれらのアルカ
    リ金属塩又はアンモニウム塩、2−ヒドロキシエチル
    (メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
    タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
    タ)アクリレートからなる群から選ばれる1種又は2種
    以上の共重合性単量体が含まれることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。
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