JP2013050767A - 適応制御装置および適応制御方法ならびに射出成形機の制御装置および制御方法 - Google Patents

適応制御装置および適応制御方法ならびに射出成形機の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる適応制御装置および適応制御方法ならびに射出成形機の制御装置を提供する。
【解決手段】 制御対象2から出力される制御値yに並列フィードフォワード補償器4から出力される補償値yを加えた帰還値yと指令値rに基づいて操作値uを出力するようにしてフィードバック制御を行う適応制御装置であって、並列フィードフォワード補償器4は、制御対象2の周波数応答特性を逐次推定する同定機構6と、当該周波数応答特性に基づいて補償値yを調整する調整機構7とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、並列フィードフォワード補償器を用いた適応制御装置および適応制御方法に関し、特に当該適応制御方法が適用された射出成形機の制御装置および制御方法に関する。
一般的に、パラメータが未知である制御対象に対して、制御系を安定化しつつパラメータを推定する制御方法として適応制御が知られている。一般的な適応制御方式としては、モデル規範型適応制御やセルフチューニングレギュレータ等が知られている。これらの適応制御方式では、制御アルゴリズムが複雑で、設計すべき制御パラメータが多いため、それらの調整が難しいという問題があった。
このような問題を解決するための適応制御方式として、理想的な状態を実現するモデルを考え、実際の制御対象の出力が理想的な状態のモデルに一致するように制御パラメータを変化させる単純適応制御(SAC:Simple Adaptive Control)が知られている(例えば特許文献1参照)。制御対象を当該SACで制御することが可能となるためには、ASPR(Almost Strictly Positive Real)条件を満たす必要があり、これを満たすために、並列フィードフォワード補償器(PFC:Parallel Feed-forward Compensator)と呼ばれる補償器の出力を制御対象の出力に付加して制御することが知られている。
しかしながら、ある程度単純化された上記単純適応制御においても並列フィードフォワード補償器の設計には依然としてパラメータが多く、ある程度専門的な知識を必要とする。また、制御対象の変動や制御系のロバスト性を考慮すると、PFCによる補償値を大きくして安定寄りの設計をする必要があるが、そうすると応答性が悪化する。このような問題を解決するための方法として、制御対象プロセスのゲインを予め記憶しておき、当該ゲインから並列フィードフォワード補償演算に利用されるPFCゲインの修正値が自動的に調整される構成(例えば特許文献2参照)や、制御対象のモデルパラメータを逐次同定し、その同定結果に応じてPFCを逐次調整する構成(例えば特許文献3参照)が知られている。
特許第3098020号公報 特許第3350923号公報 特開2010−253490号公報
しかしながら、特許文献2のような構成においては、制御対象が変動して制御対象プロセスのゲインが変動した場合、当該ゲインを再度設定する必要があるため、制御対象の変動に対して自動調整(オンライン調整)を行うことができない。また、特許文献3のような構成においては、特定のモデルに対して同定を行い、制御パラメータを調整するため、不特定または未知の制御対象については逐次同定することができず、汎用性がない。さらに、制御パラメータに同定したモデルのパラメータを直接利用するため、モデル化誤差が大きいと制御パラメータが予期せぬ値を取ることがあり、適切な制御を行えなくなったり、応答性の悪化が大きくなったりし易い。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる適応制御装置および適応制御方法ならびに射出成形機の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明のある形態に係る適応制御装置は、制御対象に操作値を出力する制御器と、前記制御対象から出力される制御値の帰還値を補償するための補償値を前記操作値に基づいて出力する並列フィードフォワード補償器とを備え、前記制御器が前記制御対象から出力される制御値に並列フィードフォワード補償器から出力される補償値を加えた帰還値と指令値とに基づいて前記操作値を出力するようにしてフィードバック制御を行う適応制御装置であって、前記並列フィードフォワード補償器は、前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する同定機構と、当該周波数応答特性に基づいて前記補償値を調整する調整機構とを備えている。
上記構成によれば、逐次同定された制御対象の周波数応答特性に応じて並列フィードフォワード補償器が出力する補償値が自動調整されるため、制御対象の変動に応じて手動で補償値を再調整する必要がない。さらに、必要以上に補償値を大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。しかも、周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の構成に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記構成によれば、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
前記同定機構は、前記制御対象のモデルを逐次同定して前記制御対象の伝達関数を推定し、推定した伝達関数に基づいて前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定するように構成してもよい。これにより、既知の逐次同定手法を利用して、上記周波数応答特性を推定することができる。
前記同定機構は、線形ブラックボックスモデルを適用することとしてもよい。これにより、同定可能な制御対象が特定のモデルに限定されず、様々な制御対象に対して適用することができ、汎用性の高い適応制御装置を構成することができる。
前記同定機構は、前記制御対象の物理モデルを適用することとしてもよい。これにより、前記制御対象の物理構造が明らかな場合には、より高精度な適応制御装置を構成することができる。
前記同定機構は、前記線形ブラックボックスモデルの多項式表現における各係数や物理モデルの未知定数を、カルマンフィルタを用いて推定するよう構成されていてもよい。これにより、既知の構成を利用して、上記適応制御を容易に実現することができる。
前記調整機構は、前記周波数応答特性から前記制御対象の位相遅れが所定値以上となる周波数およびゲインに所定の係数を掛けることにより前記補償値を調整するよう構成されていてもよい。これにより、簡単な構成でかつ様々な制御対象に対して有効に並列フィードフォワード補償器から出力される補償値を調整することができる。
前記並列フィードフォワード補償器は、一次遅れ系の伝達関数を有していてもよい。
前記制御器は、所定の応答を与えるように設計された規範モデルに前記制御対象が出力する制御値が追従するように複数の適応ゲインが調整される単純適応制御機構を備え、前記複数の適応ゲインは、前記指令値に対する第1フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの状態量に対する第2フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの出力と前記帰還値との偏差に対するフィードバックゲインとを含むよう構成されていてもよい。これにより、単純適応制御において、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
また、本発明の他の形態に係る射出成形機の制御装置は、射出成形機の油圧シリンダ内の圧力を調整するモータに圧力操作値を出力する圧力制御器と、前記油圧シリンダ内の圧力に基づく帰還値を補償するための圧力補償値を前記圧力操作値に基づいて出力する並列フィードフォワード補償器とを備え、前記圧力制御器が前記油圧シリンダ内の圧力に前記並列フィードフォワード補償器から出力される圧力補償値を加えた帰還値と指令値とに基づいて前記圧力操作値を出力するようにしてフィードバック制御を行う射出成形機の制御装置であって、前記並列フィードフォワード補償器は、前記射出成形機の周波数応答特性を逐次推定する同定機構と、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整する調整機構とを備えている。
上記構成によれば、逐次同定された射出成形機の周波数応答特性に応じて並列フィードフォワード補償器が出力する圧力補償値が自動調整されるため、射出成形機で用いられる油圧シリンダの大きさや射出する材料等の変動に応じて手動で圧力補償値を再調整する必要がない。さらに、必要以上に圧力補償値を大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。しかも、周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の構成に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記構成によれば、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
前記調整機構は、前記同定機構により逐次推定された前記射出成形機の周波数応答特性、および、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性の何れかを選択し、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整するよう構成されていてもよい。これにより、圧力制御器による射出成形機の制御を開始した直後等の逐次同定による周波数応答特性の正しい推定が困難な場合には、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性を用いて圧力補償値を調整することにより、適応制御が不安定になるのを防止しつつ、その他の場合には、逐次同定された周波数応答特性を用いて射出成形機の制御を行うことにより、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を行うことができる。
前記制御装置は、前記油圧シリンダ内への作動油の流量を制御する流量制御器を備え、前記流量制御器を用いた流量制御の開始後、前記油圧シリンダ内の圧力、前記油圧シリンダ内を摺動するピストンのストローク、および、前記流量制御器を用いた流量制御が開始されてからの時間のうちの少なくとも1つを検出し、検出した値が予め設定された所定のしきい値を超えた場合に、前記流量制御器に代えて前記圧力制御器を用いた圧力制御を開始するよう構成されてもよい。これにより、流量制御と圧力制御とを射出成形機の状態に応じて切り換えることができるため、適切な制御を行うことができる。
また、本発明の他の形態に係る適応制御方法は、制御対象に並列フィードフォワード補償器を付加して構成される制御系を用いた適応制御方法であって、前記制御対象に操作値を出力する操作値出力ステップと、前記制御対象から出力される制御値の帰還値を補償するための補償値を前記操作値に基づいて出力する補償値出力ステップと、前記制御対象から出力される制御値に前記補償値を加えた前記帰還値と指令値とに基づいて前記操作値を出力するようにフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップと、を含み、前記補償値出力ステップは、前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する同定ステップと、当該周波数応答特性に基づいて前記補償値を調整する調整ステップとを含んでいる。
上記方法によれば、逐次同定された制御対象の周波数応答特性に応じて並列フィードフォワード補償器が出力する補償値が自動調整されるため、制御対象の変動に応じて手動で補償値を再調整する必要がない。さらに、必要以上に補償値を大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。しかも、周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の方法に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記方法によれば、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
前記同定ステップは、前記制御対象のモデルを逐次同定して前記制御対象の伝達関数を推定し、推定した伝達関数に基づいて前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定してもよい。これにより、既知の逐次同定手法を利用して、上記周波数応答特性を推定することができる。
前記同定ステップは、線形ブラックボックスモデルを適用してもよい。これにより、同定可能な制御対象が特定のモデルに限定されず、様々な制御対象に対して適用することができ、汎用性の高い適応制御手法とすることができる。
前記同定ステップは、前記制御対象の物理モデルを適用してもよい。これにより、前記制御対象の物理構造が明らかな場合には、より高精度な適応制御手法とすることができる。
前記同定ステップは、前記線形ブラックボックスモデルの多項式表現における各係数や前記物理モデルの未知定数を、カルマンフィルタを用いて推定することとしてもよい。これにより、既知の方法を利用して、上記適応制御を容易に実現することができる。
前記調整ステップは、前記周波数応答特性から前記制御対象の位相遅れが所定値以上となる周波数およびゲインに所定の係数を掛けることにより前記補償値を調整することとしてもよい。これにより、簡単な構成でかつ様々な制御対象に対して有効に並列フィードフォワード補償器から出力される補償値を調整することができる。
前記並列フィードフォワード補償器は、一次遅れ系の伝達関数を有していてもよい。
前記操作値出力ステップは、所定の応答を与えるように設計された規範モデルに前記制御対象が出力する制御値が追従するように複数の適応ゲインを調整するステップを含み、前記複数の適応ゲインは、前記指令値に対する第1フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの状態量に対する第2フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの出力と前記帰還値との偏差に対するフィードバックゲインとを含んでいてもよい。これにより、単純適応制御において、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
また、本発明の他の形態に係る射出成形機の制御方法は、射出成形機の油圧シリンダ内の圧力に並列フィードフォワード補償器を付加して構成される制御系を用いた射出成形機の制御方法であって、前記射出成形機の油圧シリンダの圧力を調整するモータに圧力操作値を出力する操作値出力ステップと、前記油圧シリンダ内の圧力に基づく帰還値を補償するための圧力補償値を前記圧力操作値に基づいて出力する補償値出力ステップと、前記油圧シリンダ内の圧力に前記圧力補償値を加えた前記帰還値と指令値とに基づいて前記圧力操作値を出力するようにフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップと、を含み、前記補償値出力ステップは、前記射出成形機の周波数応答特性を逐次推定する同定ステップと、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整する調整ステップとを含んでいる。
上記方法によれば、逐次同定された射出成形機の周波数応答特性に応じて並列フィードフォワード補償器が出力する圧力補償値が自動調整されるため、射出成形機で用いられる油圧シリンダの大きさや射出する材料等の変動に応じて手動で圧力補償値を再調整する必要がない。さらに、必要以上に圧力補償値を大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。しかも、周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の構成に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記方法によれば、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
前記調整ステップは、前記同定ステップにより逐次推定された前記射出成形機の周波数応答特性、および、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定ステップにより推定された周波数応答特性の何れかを選択し、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整することとしてもよい。これにより、圧力制御を開始した直後等の逐次同定による周波数応答特性の正しい推定が困難な場合には、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定ステップにより推定された周波数応答特性を用いて圧力補償値を調整することにより、適応制御が不安定になるのを防止しつつ、その他の場合には、逐次同定された周波数応答特性を用いて射出成形機の制御を行うことにより、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を行うことができる。
前記制御方法は、前記油圧シリンダ内への作動油の流量を制御する流量制御ステップを備え、前記流量制御ステップの開始後、前記油圧シリンダ内の圧力、前記油圧シリンダ内を摺動するピストンのストローク、および、前記流量制御ステップが開始されてからの時間のうちの少なくとも1つが予め設定された所定のしきい値を超えた場合に、前記流量制御ステップに代えて前記操作値出力ステップ、前記補償値出力ステップおよび前記フィードバック制御ステップを含む圧力制御ステップを開始することとしてもよい。これにより、流量制御と圧力制御とを射出成形機の状態に応じて切り換えることができるため、適切な制御を行うことができる。
本発明は以上に説明したように構成され、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができるという効果を奏する。
図1は本発明の一実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。 図2は図18に示す一般的なPFCを用いた制御装置におけるPFCの効果を説明するための、PFCを含む開ループ応答のグラフである。 図3は図1に示す適応制御装置におけるPFCの調整の流れを示すフローチャートである。 図4は図1に示す適応制御装置における制御器に単純適応制御を用いた場合の概略構成例を示すブロック図である。 図5は図4に示す適応制御装置に動的補償が付加された場合の概略構成例を示すブロック図である。 図6は図5に示す適応制御装置と等価な構成を示す等価ブロック図である。 図7は適応フィードバックゲインKと直達項を除いた適応フィードバックゲインK との関係を示すグラフである。 図8はある制御対象の周波数応答特性およびそれに応じて設計したPFCの周波数応答特性を示すグラフである。 図9は図8に示す制御対象およびPFCの周波数応答特性に基づく拡大制御系の周波数応答特性を示すグラフである。 図10は図8に示す制御対象の周波数応答特性に基づくPFCの好適な設計範囲を示すグラフである。 図11は図1に示す適応制御装置が適用された射出成形機の圧力制御に関する概略構成例を示す模式図である。 図12は図11に示す射出成形機の流量制御に関する概略構成例を示す模式図である。 図13は図11および図12に示す射出成形機において射出工程と保圧工程との切り替えシミュレーションを行った際の各出力を示すグラフである。 図14は本発明の他の実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。 図15は本発明の他の実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。 図16は本発明の一実施例における適応制御装置のシミュレーション結果を示すグラフである。 図17は比較例におけるSAC装置のシミュレーション結果を示すグラフである。 図18は一般的なPFCを用いた制御装置の概略構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
<全体構成>
図1は本発明の一実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の適応制御装置1は、制御対象2に操作値uを出力する制御器3と、制御対象2から出力される制御値yの帰還値yを補償するための補償値yを操作値uに基づいて出力する並列フィードフォワード補償器(以下、PFCとも略称する)4とを備えている。制御器3は、制御対象2から出力される制御値yにPFC4から出力される補償値yを加えた帰還値yと指令値rとに基づいて操作値uを出力するようにしてフィードバック制御を行うよう構成されている。制御器3およびPFC4は、例えば制御対象2の内部または外部に設けられるマイクロコントローラなどのコンピュータにおいて所定のデジタル演算を行うようにプログラミングされることにより構成されてもよいし、アナログまたはデジタル回路により構成されてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
PFC4は、制御器3から出力される操作値uに基づいて補償値yを演算するPFC演算部5と、制御対象2のモデルを逐次同定して制御対象2の伝達関数を推定する同定機構6と、この同定機構6で同定された伝達関数に基づいて制御対象2の周波数応答特性を推定し、当該周波数応答特性に基づいてPFC演算部5から出力される補償値yを調整する調整機構7とを備えている。
図2は図18に示す一般的なPFCを用いた制御装置におけるPFCの効果を説明するための、PFCを含む開ループ応答のグラフである。ただし、図18に示すように、PFC40は、同定機構6および調整機構7は備えていないものとする。図2に示すように、一般的に、制御対象2から出力される制御値yは、制御器3の操作値uに対して応答遅れを生じる。これに対して、PFC40により制御対象2の応答遅れを補うような擬似的な出力(補償値y)が発生する。これにより、制御対象2とPFC40とを組み合せた制御系(拡大制御系)の出力(帰還値y)においては応答遅れが生じないこととなる。応答遅れはフィードバック制御における不安定化の主な要因であるため、PFC40により応答遅れを補償することで基本的な安定性が確保され、制御器3の設計が非常に簡単になる効果がある。具体的なPFC40の例としては、以下に示されるような一次遅れ系の伝達関数G(s)を有したものがある。
Figure 2013050767
なお、制御値yにPFCの補償値yを付加したことによるオフセットを除去するために、PFC40は次のように低域遮断特性を持たせる場合もある。
Figure 2013050767
PFC40から出力される補償値yが大きければ、制御系は安定化しやすくなるが、補償値yを大きくしすぎると拡大制御系の出力が制御対象2から出力される制御値yと乖離するため、応答性が悪化する。
これに対し、上記構成によれば、逐次同定された制御対象2の周波数応答特性に応じてPFC4が出力する補償値yが自動調整されるため、必要以上に補償値yを大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。さらに、従来のPFCの自動調整手法と違い、制御対象2の変動に応じて手動で補償値yを再調整する必要がなく、また周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の構成に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記構成によれば、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
<PFCの調整方法>
以下、PFC4における補償値の調整方法について説明する。図3は本実施形態において図1に示す適応制御装置におけるPFCの調整の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、PFC4の同定機構6には、制御対象2の入力データである操作値uと制御対象2の出力データである制御値yとが入力される。入力された操作値uおよび制御値yは、ノイズ成分などの所定の周波数領域外の成分をバンドパスフィルタ(図示せず。ハイパスフィルタおよびローパスフィルタを含む)により除去し(ステップS1)、当該フィルタリング後の操作値dおよびフィルタリング後の制御値dに対してリサンプリングを行う(ステップS2)。
その後、同定機構6は、リサンプリングされた値を用いて逐次同定を行う(ステップS3:同定ステップ)。本実施形態において同定機構6は、制御対象2のモデルを逐次同定して制御対象2の伝達関数を求めることにより、制御対象2の周波数応答特性を推定する。この際、同定機構6は、線形ブラックボックスモデル(特にARXモデルと呼ばれるモデル)を適用して同定を行う。これにより、既知の逐次同定手法を利用して、上記周波数応答特性を推定することができる。また、同定可能な制御対象2が特定のモデルに限定されず、様々な制御対象2に対して適用することができ、汎用性の高い適応制御装置を構成することができる。具体的には、制御対象2のモデルを以下のように記述する。
Figure 2013050767
ここで、u(k)はリサンプリング後の時刻kにおける操作値(入力データ)を示し、y(k)はリサンプリング後の時刻kにおける制御値(出力データ)を示し、v(k)は外乱項を示し、kmはむだ時間を示し、zは1サンプル分の時間シフト演算子を示し、z[x(k)]=x(k+1)が成り立つ。
また、A(z−1)およびB(z−1)は以下のように表せる。
Figure 2013050767
ここで、a,a,…,anaおよびb,b,…,bnbは推定する分母パラメータおよび分子パラメータを示し、na,nbはそれぞれ同定モデルの分母および分子のパラメータ数を示す。
このとき、時刻k−1までの入出力データに基づく、時刻kにおける出力データy(k)の一段先の予測値y(k)は以下のように表せる。
Figure 2013050767
ここで、θはパラメータベクトルを示し、φ(k)は時刻kでのデータベクトルを示す。
このとき、パラメータベクトルθが確率変動することが制御対象2の変動を示すとすると、以下のように表わせる。
Figure 2013050767
ここで、Qはパラメータの分散(変動幅)を示し、Rは観測雑音の分散を示す。なお、パラメータの分散Qは定常状態(入出力に変化がない状態)では0とする。パラメータの分散Qおよび観測雑音の分散Rは、PFC4の設計パラメータとなる。
本実施形態において、同定機構6は、線形ブラックボックスモデルのパラメータ(多項式表現における各係数)をカルマンフィルタを用いて推定する。すなわち、同定機構6は、上記式(6)に基づいてカルマンフィルタを適用し、パラメータベクトルθを推定する。
以下に、カルマンフィルタによる推定手順を具体的に示す。まず、パラメータ推定値の初期値θ(k)と誤差共分散行列の初期値P(k)を与えることにより、同定機構6は、以下のように予測誤差ε(k)とカルマンゲインW(k)とを計算する。
Figure 2013050767
上記式(7)および式(8)より、以下のようにパラメータ推定値θ(k)および誤差共分散行列P(k)を修正する。
Figure 2013050767
さらに、時間ステップを更新して次のステップでのパラメータ推定値の初期値θ(k+1)および誤差共分散行列の初期値P(k+1)を計算する。
Figure 2013050767
ただし、定常状態においては、パラメータの分散Q=0であるため、誤差共分散行列の次のステップでの初期値P(k+1)は、P(k)のみとなる。
以上のようにして、パラメータベクトルθが順次推定される。
ここで、制御対象2の伝達関数G(z)は、以下のように表される。
Figure 2013050767
上記式(13)は、同定機構6で推定されたパラメータベクトルθによって表現可能となる。以上のように、線形ブラックボックスモデルにカルマンフィルタを適用することにより、既知の構成を利用して、制御対象2の周波数応答特性を推定することができる。
次に、調整機構7は、推定された制御対象2の伝達関数G(z)に基づいてPFCの設計を行う。本実施形態において、PFCは式(1)で表される一次遅れ系とし、調整機構7は、制御対象2の位相遅れが所定値以上となる周波数およびゲインにそれぞれ所定の係数を掛けることで一次遅れ系のPFCの折点周波数ω(以下、PFC周波数ωとも略称する)とゲインK(以下、PFCゲインKとも略称する)を設計する。具体的には、まず、調整調整7は、同定された制御対象2の伝達関数G(z)より制御対象2の位相遅れがφ以上となる周波数ωを数値探索により算出する(ステップS4)。また、調整機構7は、周波数がωであるときのゲインK=|G(z=exp(jω))|を算出する(ステップS5)。ここで、Tは、制御周期を示す。
そして、調整機構7は、求められた周波数ωおよびゲインKに平滑化フィルタを適用する(ステップS6,S7)。平滑化フィルタは、特に限定されないが例えば移動平均フィルタが適用される。移動平均フィルタを用いた場合、フィルタ後の周波数ωpfおよびフィルタ後のゲインKpfは、以下のように求められる。
Figure 2013050767
ここで、nsは移動平均をとるデータの数を示す。
このようにして求められるフィルタ後の周波数ωpfおよびフィルタ後のゲインKpfを用いて調整機構7は、同定された制御対象2の伝達関数G(z)から制御対象2の位相遅れが所定値φ以上となる周波数ωおよびゲインKに所定の係数(周波数係数αおよびゲイン係数α)を掛けることにより、PFC4の伝達関数G(z)のPFC周波数ωおよびPFCゲインKを以下のように設計する(ステップS8,S9)。
Figure 2013050767
ここで、周波数係数αおよびゲイン係数αは設計パラメータである。
以上より求められたPFC周波数ωおよびPFCゲインKよりPFC4(PFC演算部5)の伝達関数G(s)が求められる(ステップS10:調整ステップ)。求められたPFC4の伝達関数G(s)に基づいて補償値yが調整される。なお、本実施形態において、調整機構7は、ステップS8,S9で求められたPFC周波数ωおよびPFCゲインKの値が所定の上限値を超えているか否かを判定し、超えている場合は上限値を超えないようにリミッタを適用している(ステップS11,S12)。これにより、調整後のPFC4の伝達関数G(s)が調整範囲外となるのを有効に防止できる。
ところで、PFC4の伝達関数G(s)をPFC演算部5においてコンピュータ演算する際には、連続時間伝達関数G(s)を以下に示すように双一次変換した離散時間伝達関数G(z)が用いられる。
Figure 2013050767
なお、dはPFC4の離散時間伝達関数G(z)における直達項を示す。すなわち、離散時間伝達関数G (z)は直達項を除いたPFC4の伝達関数を意味する。このとき、補償値yは、以下のように計算される。
Figure 2013050767
ここで、y (k)は直達項を除いた補償値を意味する。なお、式(18)は以下のような表記で表すこともある。
Figure 2013050767
このように補償値yを調整することにより、簡単な構成でかつ様々な制御対象2に対して有効にPFC4から出力される補償値yを調整することができる。
<SAC機構>
次に、本実施形態における制御器3について説明する。図4は図1に示す適応制御装置における制御器に単純適応制御を用いた場合の概略構成例を示すブロック図である。図4に示すように、制御器3は、所定の(理想的な)応答を与えるように設計された規範モデルに制御対象2が出力する制御値yが追従するように複数の適応ゲインが調整される単純適応制御(SAC)機構を備えている。複数の適応ゲインは、指令値rに対する第1フィードフォワードゲインKと、規範モデルの状態量xに対する第2フィードフォワードゲインKと、規範モデルの出力(規範出力)yと帰還値yとの偏差に対するフィードバックゲインKとを含む。具体的には、SAC機構は、入力される指令値rに対して規範モデルを適用して制御対象2の出力が追従すべき規範出力yを出力する規範モデル適用部31と、指令値rに対して第1の適応ゲイン(第1のフィードフォワードゲイン)Kを乗算する第1乗算器32と、規範モデルの状態量x(後述)に対して第2の適応ゲイン(第2のフィードフォワードゲイン)Kを乗算する第2乗算器33と、規範出力yと制御値yにPFC4から出力される補償値yを加えた拡大制御系の出力(帰還値)yとの誤差を演算する第1減算器35と、第1減算器35の出力eに対して第3の適応ゲイン(フィードバックゲイン)Kを乗算する第3乗算器34と、第1乗算器32の出力と第2乗算器33の出力とを加算する第1加算器36と、第1加算器36の出力uと第3乗算器34の出力uとを加算して操作値uを出力する第2加算器37とを備えている。
規範モデルは、コンピュータによる演算が可能なように、以下に示すような離散時間状態方程式で表される。
Figure 2013050767
ここで、A,b,c,dは規範モデルのパラメータを示す。
一般的に、SAC機構が適正に動作するためには、制御対象2が概強正実(ASPR)条件を満たすことが必要である。しかしながら、一般的には制御対象2にはむだ時間などの応答遅れが生じるため、ASPR条件を満たさない場合が多い。したがって、本実施形態では、前述したように、制御対象2の出力にPFC4の出力を付加して拡大制御系を構成し、拡大制御系がASPR条件を満たすようにした上で、SAC機構を拡大制御系に適用する。
この場合、本来規範モデルに追従させたい制御対象2の出力ではなく、拡大制御系の出力が規範モデルに追従することとなる。すなわち、制御対象2の出力に対しては、定常偏差が残ってしまう。この定常偏差を除去するためには、規範モデル適用部31の出力yに対しても同じ構成のPFC4を付加する動的補償を行う。図5は図4に示す適応制御装置に動的補償が付加された場合の概略構成例を示すブロック図である。図5の例においては、SAC機構は、上記構成に加えて、第1加算器36の出力uが入力され、PFC演算部5と同様のPFC演算を行う動的補償器38と、動的補償器38の出力yと規範モデル適用部31の出力yとを加算する第3加算器39とを備えている。なお、第1減算器35は、第3加算器39の出力yと拡大制御系の出力(帰還値)yとの誤差が演算される。
図6は図5に示す適応制御装置と等価な構成を示す等価ブロック図である。図5に示す適応制御装置1の構成は、図6に示すように、PFC演算部5が第3乗算器35の出力uに基づいてPFC演算を行うよう構成されるとともに、第3加算器39の代わりに、第1減算器35の出力eとPFC演算部5の出力yとを加算する第4加算器41を備えていることと等価である。したがって、動的補償を行う場合、PFCの補償値yは、以下のように計算される。
Figure 2013050767
以下、図6の等価ブロック図に基づいてSAC動作を説明する。
まず、制御対象への入力(操作値)uは、以下のように表される。
Figure 2013050767
上記式(22)に示される適応ゲインK,K,Kは、以下のような比例および積分の適応調整則により求められる。
Figure 2013050767
ここで、γpe,γIe,γpx,γIx,γpu,γIuは調整則ゲインを示す。なお、K,γpx,γIxの上付きの添え字iは規範モデルのi番目の状態量x に対応するゲインであることを示している。
また、上記式(23)におけるN(k)は正規化信号であり、以下の式で与えられる。
Figure 2013050767
ここで、m,m,mymは正規化パラメータを示す。
さらに、上記式(23)におけるσ,σ,σは各適応ゲインの発散を防ぐためのσ修正ゲインであり、以下のように、制御偏差、指令値、規範出力、規範モデル状態量に応じて可変するようなゲインである。
Figure 2013050767
ここで、βe1〜βe3,βx1〜βx3,βu1〜βu3,Cx0,Cu0,Cem0は設計パラメータを示す。上付きの添え字iのあるゲインは規範モデルのi番目の状態量x に対応するゲインであることを示している。
上記式(22)における第3乗算器34の出力u(k)の算出において用いられる第1減算器35の出力e(k)は、図6に示すように、y(k)+y(k)−y(k)と表せる。したがって、第3乗算器34の出力u(k)は、式(21)を用いて以下のように表せる。
Figure 2013050767
上記式(28)により明らかなように、第3乗算器34の出力u(k)の計算にはu(k)が必要であり、上記式(22)は、このままでは計算できない。そこで、第1減算器35の出力e(k)のうち、直達項を除く観測可能な部分をe (k)とし、以下のように計算可能な式とする。
Figure 2013050767
以上より、SAC機構の制御入力(式(22))は以下のように置き換えられる。
Figure 2013050767
また、上記式(29)によるフィードバックゲインKの置き換えに対応して、式(23)の適応調整則も以下のように計算可能な式とする。
Figure 2013050767
このように、制御器3のSAC機構およびPFC4の調整機構6におけるコンピュータ演算において、適応フィードバックゲインKは、式(29)のK に置き換えられる。図7は適応フィードバックゲインKと直達項を除いた適応フィードバックゲインK との関係を示すグラフである。図7に示すように、Kの値域[−∞,0]に対して、K の値域が[−1/d,0]となることを示している。ここで、直達項dはPFC4の調整機構7により変化する可能性があるが、変化前の値d(k−1)とそのときのK の値によっては、d(k)への変化後、K が値域外の値となってしまう可能性がある。そこで、直達項dの変化に応じて適応ゲインK を以下のように再計算する。
Figure 2013050767
なお、PFC4の伝達関数G(z)の変化によってK が値域外の値となる可能性があるのは、d(k)>d(k−1)の場合に限られるため、以下に示すようにd(k)≦d(k−1)の場合には、K の調整を行わないこととしてもよい。
Figure 2013050767
あるいは、K は以下のように調整してもよい。この場合、直達項dの変化直後の応答が式(32)や式(33)で再計算した場合よりもよくなることがある。
Figure 2013050767
<PFCの調整方法における考え方>
ここで、上記PFC4の調整方法における考え方を説明する。図8はある制御対象の周波数応答特性およびそれに応じて設計したPFCの周波数応答特性を示すグラフである。図8においては、制御対象2として油圧機器を想定した周波数応答特性が示されている。図8に示されるように、この制御対象2においては、周波数が約13Hz以上で位相遅れが約180°以上生じる。フィードバック制御においては、位相遅れが180°以上となる周波数領域が存在すると、一定以上の大きさのゲインでフィードバックを行ったときに制御系が不安定になる可能性がある。
そこで、自身の位相遅れが90°未満であるPFC4の出力yを制御対象2の位相遅れが180°以上となる周波数領域において制御対象2の出力yより大きくなるように設計する。これにより、制御対象2の位相遅れが180°以上となる周波数領域においては、位相遅れ90°未満のPFC4の出力yが主に拡大制御系の出力を占めるため、拡大制御系としては応答遅れがないように見える。図8の例においては、制御対象2の位相遅れが所定値(しきい値)φ=180°となるときの周波数が約13Hz(ω=81.2[rad/s])であり、このときの制御対象2のゲインが約−49dB(K=0.0035)であるため、制御対象2の位相遅れが180°となるときのPFCゲインをK=0.005とし、PFC周波数をω=100[rad/s]となるように設計している。
図9は図8に示す制御対象およびPFCの周波数応答特性に基づく拡大制御系の周波数応答特性を示すグラフである。図9に示すように、上記のように設計したPFC4の出力yを制御対象2の出力yに付加したときの拡大制御系の出力(帰還値)yの周波数応答特性は、制御対象2単体の位相遅れが180°以上となる周波数領域において、約90°程度未満の位相遅れに止まっている。このように、PFCゲインKとPFC周波数ωは、制御対象2の周波数応答特性から好適に定めることができる。なお、図8および図9の例においては、位相遅れのしきい値φを180°に設定したが、より余裕をもって位相遅れのしきい値φを170°や150°に設定してもよい。位相遅れのしきい値φを小さくするほど、拡大制御系としては安定するが応答性は悪化する。また、しきい値φにおける制御対象2のゲインKおよび周波数ωに対してPFCゲインK、PFC周波数ωを大きくとるほど、拡大制御系としては安定動作するが、応答性は悪化する。
なお、しきい値φにおける制御対象2の周波数ωおよびゲインKは制御周期T内に数値探索法を用いて求められるが、詳細な精度は必要ない。すなわち、設計パラメータである周波数係数αやゲイン係数αをある程度大きくとっていれば、探索位相であるしきい値φに対して±5〜10°程度の範囲を許容誤差範囲として探索を打ち切ることも可能である。探索回数は、黄金分割探索法などの効率的な1次元探索手法を用いれば約5〜10回で上記許容誤差範囲に収束するため、制御周期Tが0.002〜0.005秒程度の一般的な短さであっても、制御周期T内の数値探索が可能である。
また、伝達関数G(z)の位相遅れのしきい値φを例えば150°〜180°とするとき、式(15)における設計パラメータである周波数係数αは1.0〜5.0程度に設定され、設計パラメータであるゲイン係数αは1.0〜2.0程度に設定される。図10は図8に示す制御対象の周波数応答特性に基づくPFCの好適な設計範囲を示すグラフである。図10に示すような設計範囲内にPFCの出力yが含まれるように設計することで、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を行うことができる。
<本実施形態の適用例>
以下、上記実施形態で説明した適応制御装置1を射出成形機に適用した例について説明する。図11は図1に示す適応制御装置が適用された射出成形機の圧力制御に関する概略構成例を示す模式図である。また、図12は図11に示す射出成形機の流量制御に関する概略構成例を示す模式図である。
図11および図12に示すように、本適用例における射出成形機10は、先端に成形材料を射出するノズル11を備え、射出材料を溶融させながら搬送する射出シリンダ12と、射出シリンダ12を介して成形材料を加熱するヒータ13と、射出シリンダ12内に成形材料を投入するホッパ14と、射出シリンダ12内を射出シリンダ12の軸線回りに回転しながら軸線方向に移動するスクリュー15と、スクリュー15を移動させるピストン16と、ピストン16が挿通され、ピストン16を油圧によって移動させる油圧シリンダ17と、油圧シリンダ17内に作動油を供給する油圧ポンプ18と、油圧ポンプ18の油量を設定するモータ(サーボモータ)19とを備えている。
そして、このような射出成形機10の制御装置は、射出成形機10の油圧シリンダ17内の圧力を調整するサーボモータ19のモータ駆動装置21に圧力操作値uを出力する圧力制御器20と、油圧シリンダ17内の圧力に基づく帰還値yを補償するための圧力補償値yを圧力操作値uに基づいて出力するPFC22とを備えている。圧力制御器20は、油圧シリンダ17内の圧力または油圧ポンプ18の作動油吐出圧などをセンサ(図示せず)により検出し、PFC22に入力することにより、油圧シリンダ17内の圧力にPFC22から出力される圧力補償値yを加えた帰還値yと圧力指令値rとに基づいて圧力操作値uを出力するようにしてフィードバック制御を行うよう構成されている。PFC22の構成は、上記実施形態と同様である。図11に示す圧力制御態様は、保圧工程や型締め工程などにおいて、油圧シリンダ17内の油圧を一定に制御する。
上記構成によれば、逐次同定された射出成形機10の周波数応答特性に応じてPFC22が出力する圧力補償値yが自動調整されるため、射出成形機10で用いられる油圧シリンダ17の大きさや射出する材料等の変動に応じて手動で圧力補償値yを再調整する必要がない。さらに、必要以上に圧力補償値yを大きくしなくてすみ、応答性の悪化を防止することができる。しかも、周波数応答特性から制御パラメータを調整するため、同定したパラメータを直接制御パラメータに利用する従来の構成に比べてモデル化誤差による許容度が大きい。すなわち、モデル化誤差が多少大きくても周波数応答特性の傾向さえつかめれば制御パラメータを適切に調整することができる。したがって、上記構成によれば、射出成形機において応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うことができる。
一方、本適用例の射出成形機10の制御装置は、射出工程など油圧シリンダ17の速度を一定に制御する流量制御態様を採用することも可能である。具体的には、モータ駆動装置21は、油圧シリンダ17内への作動油の流量を制御する流量制御器としても機能する。油圧シリンダ17への作動油の流量は、サーボモータ19の回転数を検出することにより把握する。
本適用例においては、上記のような流量制御態様と圧力制御態様とを場合に応じて切り替えて射出成形機10を駆動制御する。
より詳しくは、射出成形機10の制御装置は、流量制御器であるモータ駆動装置21を用いた流量制御の開始後、油圧シリンダ17内の圧力、油圧シリンダ17内を摺動するピストン16のストローク、および、流量制御器を用いた流量制御が開始されてからの時間のうちの少なくとも1つを検出し、それぞれに設定された所定のしきい値を超えた場合に、流量制御に代えて圧力制御器を用いた圧力制御を開始するよう構成される。流量制御から圧力制御への移行も同様にしきい値を設定して判定する。なお、圧力制御から流量制御へ移行する際のしきい値は、流量制御から圧力制御へ移行する際のしきい値と同じでもよいし、異なるしきい値を設定することとしてもよい。これにより、流量制御と圧力制御とを射出成形機10の状態に応じて切り換えることができるため、適切な制御を行うことができる。
さらに、流量制御工程と圧力制御工程とでは、制御対象(サーボモータ19)の特性(制御構造)が大きく変化する。このため、流量制御工程から圧力制御工程への移行の直後においては、PFC22の同定機構による周波数応答特性の正しい推定が行えない可能性がある。このような場合を想定して、PFC22の調整機構は、PFC22の同定機構により逐次推定された前記射出成形機の周波数応答特性、および、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性の何れかを選択し、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整するよう構成されていてもよい。
このような構成によれば、圧力制御器20による射出成形機10の制御を開始した直後等の逐次同定による周波数応答特性の正しい推定が困難な場合には、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性を用いて圧力補償値を調整することにより、適応制御が不安定になるのを防止しつつ、その他の場合には、逐次同定された周波数応答特性を用いて射出成形機10の制御を行うことにより、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を行うことができる。
逐次同定された周波数応答特性と予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性との何れを選択するかの切り替えにおいても、油圧シリンダ17内の圧力、油圧シリンダ17内を摺動するピストン16のストローク、および、流量制御器を用いた流量制御が開始されてからの時間のうちの少なくとも1つを検出し、検出した値が予め設定された所定のしきい値を超えた場合に、切り替えることとすればよい。
図13は図11および図12に示す射出成形機において射出工程と保圧工程との切り替えシミュレーションを行った際の各出力を示すグラフである。図13の例では、流量制御から圧力制御への切り替えは油圧シリンダ17内の油圧が所定のしきい値(約9MPa)に達することにより行っている。図13によれば、射出工程においては流量制御を行い、油圧シリンダ17内の油圧が所定のしきい値を超えることにより、圧力制御である保圧工程に移行している。保圧工程においては、圧力指令値rに応じて規範モデルの出力yが生成され、圧力制御値yも規範モデルの出力yによく追従できており良好な応答が得られていることが確認できる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施形態においては、同定機構6として、線形ブラックボックスモデルのパラメータを、カルマンフィルタを用いて推定する構成について説明したが、これに限られない。例えば、線形ブラックボックスモデルのパラメータを、遂次最小二乗法(RLS:Recursive Least Squares)を用いて推定してもよい。遂次最小二乗法におけるモデルパラメータの変動を考慮する際には、過去データに対して指数的に重みを小さくする忘却係数λを設定して以下のようにパラメータの推定を行う。
Figure 2013050767
ここで、θ(k)はモデルのパラメータベクトルを示し、φ(k)は時刻kにおけるデータベクトルを示し、εは予測誤差を示す。また、γは正の定数であり、Iは単位行列を示す。
また、制御対象2の物理構造が明らかな場合には、同定機構6として、制御対象2の物理モデルを適用することとしてもよい。これにより、より高精度な適応制御装置を構成することができる。この場合、同定機構6は、物理モデルの未知定数を、カルマンフィルタを用いて推定するよう構成されていてもよい。これにより、既知の構成を利用して、物理モデルによる適応制御を容易に実現することができる。例えば、油圧シリンダの圧力制御を行う場合、油圧シリンダの圧力変化モデルは以下で与えられる。
Figure 2013050767
ここで、pはシリンダの圧力[Pa]を示し、qはシリンダへの吐出流量[m3/s]を示し、Aはシリンダ断面積[m2]を示し、xはシリンダ変位[m]を示し、yはシリンダ速度[m/s]を示し、κは体積弾性係数を示す。ここで、シリンダへの吐出流量qが操作量であり、シリンダの圧力pが制御量となる。また、シリンダ断面積Aは既知、シリンダ変位xとシリンダ速度yとは計測可能(既知)であるが、体積弾性係数κは未知とする。
式(36)を離散化し、体積弾性係数κの変動を考慮して状態方程式に表すと以下のようになる。
Figure 2013050767
ここで、Qは体積弾性係数の分散(変動幅)を示し、Rは観測雑音の分散を示す。また、Tは制御周期[sec]である。なお、体積弾性係数の分散Qは定常状態(入出力に変化がない状態)では0とする。
上記式(37)に基づいてカルマンフィルタを適用し、物理モデルの未知定数である体積弾性係数κを推定する。ここで、推定手順を示す前に以下の記号を定義する。
Figure 2013050767
以下に、カルマンフィルタによる推定手順を具体的に示す。まず、パラメータ推定値の初期値θ(k)と誤差共分散行列の初期値P(k)を与えることにより、同定機構6は、以下のように予測誤差ε(k)とカルマンゲインW(k)とを計算する。
Figure 2013050767
上記式(39)および式(40)より、以下のようにパラメータ推定値θ(k)および誤差共分散行列P(k)を修正する。
Figure 2013050767
さらに、時間ステップを更新して次のステップでのパラメータ推定値の初期値θ(k+1)および誤差共分散行列の初期値P(k+1)を計算する。
Figure 2013050767
ただし、定常状態においては、パラメータの分散Q=0であるため、誤差共分散行列の次のステップでの初期値P(k+1)は、P(k)のみとなる。
以上のようにして、パラメータベクトルθを順次推定することで、体積弾性係数κが推定される。
ここで、油圧シリンダへ流入する流量q(k)から油圧シリンダの圧力p(k)までの伝達関数G(z)は、以下のように表される。
Figure 2013050767
上記式(45)は、計測可能なシリンダ変位x(k)と、既知のシリンダ断面積Aと、同定機構6で推定された体積弾性係数κ(k)とによって表現可能となる。以上のように、制御対象2の物理構造が明らかな場合には、既知の構成を利用して、制御対象2の周波数応答特性をより高精度に推定することができる。
この他、線形ブラックボックスモデルを用いずに制御対象2を同定することも可能である。例えば、HARF(HyperstableAdaptive Recursive Filter)やSHARF(Simplified HARF)などの適応デジタルフィルタを用いて、制御対象2を表すIIRフィルタを求めることとしてもよい。さらに、本発明においては最終的に制御対象2の周波数応答特性が推定できればよいため、必ずしも制御対象2のモデル同定を行う必要はない。すなわち、同定機構6において、周波数応答特性を直接推定することとしてもよい。周波数応答特性を直接推定する方法としては、例えば短時間フーリエ変換および連続ウェーブレット変換などの方法が考えられる。
また、上記実施形態においては、PFC4を適用する制御器3としてSAC機構を有する構成について説明したが、制御器3はこれに限られない。例えば、制御器は適応PID制御機構であってもよい。図14は本発明の他の実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。図14に示す例の適応制御装置1Bにおいては、制御対象2の出力(制御値)yにPFC4(PFC演算部5)の出力yを付加した拡大制御系の出力yと指令値rとの誤差e、当該誤差eの積分値wおよび微分値dに基づいて適応PID制御器3Bの適応比例ゲインK、適応微分ゲインK、適応積分ゲインKが調整される。なお、適応PID制御に同定機構6および調整機構7を備えていないPFC40を適用する構成自体のより詳しい説明は公知であるので省略する(例えば国際公開第2008/018496号や岩井善太他「単純適応制御SAC」2008(森北出版)などを参照)。
また、制御器はスライディングモード制御(Sliding Mode Control)機構であってもよい。図15は本発明の他の実施形態に係る適応制御装置の概略構成例を示すブロック図である。図15に示す例の適応制御装置1Cにおいては、拡大制御系の出力(制御値)yと指令値rとの誤差を切り替え関数σとしてスライディングモードコントローラ3Cにより、非線形の切り替え入力(操作値)uが計算される。通常のスライディングモード制御においては、切り換え超平面を制御対象の状態変数を用いて構成するが、本例のようにPFC4を用いることにより、制御対象2の出力のみから切り換え超平面を構成することができる。したがって、オブザーバなどの状態変数を推定する機構が不要となるため、比較的容易に制御系(スライディングモード制御系)を構築することができる。なお、スライディングモード制御系に同定機構6および調整機構7を備えていないPFC40を適用する構成自体のより詳しい説明は公知であるので省略する(例えば岩井善太他「単純適応制御SAC」2008(森北出版)などを参照)。
本発明の一実施例における適応制御装置とPFCの伝達関数が固定であるSAC装置(比較例)とのそれぞれについて制御対象の伝達関数が変化するモデルを用いて制御対象の出力yの規範モデルの出力ymに対する追従性をシミュレーションした。なお、本実施例および比較例におけるSACの各パラメータのうち、比較例のPFCの出力のゲイン(0.005)および周波数(30Hz)が固定値である他は(制御周期T、規範モデルのパラメータa,b,c,d、調整則ゲインγpe,γpx,γpu、σ修正ゲインβe1〜βe3,βx1〜βx3,βu1〜βu3等は)、本実施例および比較例ともに同じ値を用いている。また、本実施例において、位相遅れのしきい値φは180°、周波数係数α=1.5、ゲイン係数α=1としている。
制御対象のモデルとしては、伝達関数G(s)が以下のように時刻によって変化するモデルを採用した。
Figure 2013050767
上記式(46)においては、伝達関数G(s)が時刻によって切り替わるごとにゲインが10倍変化するモデルとなっている。いずれのゲインにおいても安定なPFCを設計する必要があるため、本比較例においては制御対象のゲインが大きい領域(0≦t<4,12≦t<20における伝達関数G(s)=1.5e−0.025s/(5s+1))においてPFCの補償値が最適となるように設計されている。
図16は本発明の一実施例における適応制御装置のシミュレーション結果を示すグラフである。また、図17は比較例におけるSAC装置のシミュレーション結果を示すグラフである。図16および図17に示すように、制御対象のゲインが大きい領域(0≦t<4,12≦t<20における伝達関数G(s)=1.5e−0.025s/(5s+1))では、本実施例および比較例のいずれにおいても制御対象の出力(制御値)yが規範モデルの出力(規範出力)yによく追従できていることが分かる。
しかしながら、制御対象のゲインが小さい領域(4≦t<12における伝達関数G(s)=0.15e−0.025s/(5S+1))では、比較例(図17)におけるPFCの補償値が非常に大きくなっている。これは、ゲインが小さい領域において比較例のPFCが約10倍の過剰補償をしている結果であると考察できる。このため、図17に示すように、比較例ではゲインが小さい領域において、制御対象の出力yが規範モデルの出力yに追従できていない。
一方、本実施例(図16)においては、制御対象のゲインが小さい領域であっても、PFCの補償値が過剰に大きくならず、制御対象の出力yが規範モデルの出力yによく追従できていることが分かる。このように、本実施例の適応制御装置によれば、制御対象の伝達関数(ゲイン)が変動してもPFCの補償値が適正化されるため、制御対象の変動によらず制御対象の出力yを規範モデルの出力yに安定的に追従させることができることが示された。
本発明の適応制御装置および制御方法ならびに射出成形機の制御装置は、応答性の悪化を防止しつつ最適な適応制御を自動的かつ簡単に行うために有用である。
1,1B,1C 適応制御装置
2 制御対象
3 制御器
3B 適応PID制御器
3C スライディングモードコントローラ
4,22 PFC
5 PFC演算部
6 同定機構
7 調整機構
10 射出成形機
11 ノズル
12 射出シリンダ
13 ヒータ
14 ホッパ
15 スクリュー
16 ピストン
17 油圧シリンダ
18 油圧ポンプ
19 サーボモータ(モータ)
20 圧力制御器
21 モータ駆動装置
31 規範モデル適用部
32 第1乗算器
33 第2乗算器
34 第3乗算器
35 第1減算器
36 第1加算器
37 第2加算器
38 動的補償器
39 第3加算器
41 第4加算器

Claims (24)

  1. 制御対象に操作値を出力する制御器と、前記制御対象から出力される制御値の帰還値を補償するための補償値を前記操作値に基づいて出力する並列フィードフォワード補償器とを備え、前記制御器が前記制御対象から出力される制御値に並列フィードフォワード補償器から出力される補償値を加えた帰還値と指令値とに基づいて前記操作値を出力するようにしてフィードバック制御を行う適応制御装置であって、
    前記並列フィードフォワード補償器は、前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する同定機構と、当該周波数応答特性に基づいて前記補償値を調整する調整機構とを備えている、適応制御装置。
  2. 前記同定機構は、前記制御対象のモデルを逐次同定して前記制御対象の伝達関数を推定し、推定した伝達関数に基づいて前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する、請求項1に記載の適応制御装置。
  3. 前記同定機構は、線形ブラックボックスモデルを適用する、請求項2に記載の適応制御装置。
  4. 前記同定機構は、前記線形ブラックボックスモデルの多項式表現における各係数を、カルマンフィルタを用いて推定するよう構成されている、請求項3に記載の適応制御装置。
  5. 前記同定機構は、前記制御対象の物理モデルを適用する、請求項2に記載の適応制御装置。
  6. 前記同定機構は、前記制御対象の前記物理モデルの未知定数を、カルマンフィルタを用いて推定するよう構成されている、請求項5に記載の適応制御装置。
  7. 前記調整機構は、前記周波数応答特性から前記制御対象の位相遅れが所定値以上となる周波数およびゲインに所定の係数を掛けることにより前記補償値を調整するよう構成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の適応制御装置。
  8. 前記並列フィードフォワード補償器は、一次遅れ系の伝達関数を有している、請求項1〜7のいずれかに記載の適応制御装置。
  9. 前記制御器は、所定の応答を与えるように設計された規範モデルに前記制御対象が出力する制御値が追従するように複数の適応ゲインが調整される単純適応制御機構を備え、前記複数の適応ゲインは、前記指令値に対する第1フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの状態量に対する第2フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの出力と前記帰還値との偏差に対するフィードバックゲインとを含むよう構成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の適応制御装置。
  10. 射出成形機の油圧シリンダ内の圧力を調整するモータに圧力操作値を出力する圧力制御器と、前記油圧シリンダ内の圧力に基づく帰還値を補償するための圧力補償値を前記圧力操作値に基づいて出力する並列フィードフォワード補償器とを備え、前記圧力制御器が前記油圧シリンダ内の圧力に前記並列フィードフォワード補償器から出力される圧力補償値を加えた帰還値と指令値とに基づいて前記圧力操作値を出力するようにしてフィードバック制御を行う射出成形機の制御装置であって、
    前記並列フィードフォワード補償器は、前記射出成形機の周波数応答特性を逐次推定する同定機構と、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整する調整機構とを備えている、射出成形機の制御装置。
  11. 前記調整機構は、前記同定機構により逐次推定された前記射出成形機の周波数応答特性、および、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定機構により推定された周波数応答特性の何れかを選択し、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整するよう構成されている、請求項10に記載の射出成形機の制御装置。
  12. 前記油圧シリンダ内への作動油の流量を制御する流量制御器を備え、
    前記流量制御器を用いた流量制御の開始後、前記油圧シリンダ内の圧力、前記油圧シリンダ内を摺動するピストンのストローク、および、前記流量制御器を用いた流量制御が開始されてからの時間のうちの少なくとも1つを検出し、検出した値が予め設定された所定のしきい値を超えた場合に、前記流量制御器に代えて前記圧力制御器を用いた圧力制御を開始する、請求項10または11に記載の射出成形機の制御装置。
  13. 制御対象に並列フィードフォワード補償器を付加して構成される制御系を用いた適応制御方法であって、
    前記制御対象に操作値を出力する操作値出力ステップと、
    前記制御対象から出力される制御値の帰還値を補償するための補償値を前記操作値に基づいて出力する補償値出力ステップと、
    前記制御対象から出力される制御値に前記補償値を加えた前記帰還値と指令値とに基づいて前記操作値を出力するようにフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップと、を含み、
    前記補償値出力ステップは、
    前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する同定ステップと、当該周波数応答特性に基づいて前記補償値を調整する調整ステップとを含んでいる、適応制御方法。
  14. 前記同定ステップは、前記制御対象のモデルを逐次同定して前記制御対象の伝達関数を推定し、推定した伝達関数に基づいて前記制御対象の周波数応答特性を逐次推定する、請求項13に記載の適応制御方法。
  15. 前記同定ステップは、線形ブラックボックスモデルを適用する、請求項14に記載の適応制御方法。
  16. 前記同定ステップは、前記線形ブラックボックスモデルの多項式表現における各係数を、カルマンフィルタを用いて推定する、請求項15に記載の適応制御方法。
  17. 前記同定ステップは、前記制御対象の物理モデルを適用する、請求項14に記載の適応制御方法。
  18. 前記同定ステップは、前記制御対象の前記物理モデルの未知定数を、カルマンフィルタを用いて推定する、請求項17に記載の適応制御方法。
  19. 前記調整ステップは、前記周波数応答特性から前記制御対象の位相遅れが所定値以上となる周波数およびゲインに所定の係数を掛けることにより前記補償値を調整する、請求項13〜18のいずれかに記載の適応制御方法。
  20. 前記並列フィードフォワード補償器は、一次遅れ系の伝達関数を有している、請求項13から19のいずれかに記載の適応制御方法。
  21. 前記操作値出力ステップは、所定の応答を与えるように設計された規範モデルに前記制御対象が出力する制御値が追従するように複数の適応ゲインを調整するステップを含み、前記複数の適応ゲインは、前記指令値に対する第1フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの状態量に対する第2フィードフォワードゲインと、前記規範モデルの出力と前記帰還値との偏差に対するフィードバックゲインとを含んでいる、請求項13〜20のいずれかに記載の適応制御方法。
  22. 射出成形機の油圧シリンダ内の圧力に並列フィードフォワード補償器を付加して構成される制御系を用いた射出成形機の制御方法であって、
    前記射出成形機の油圧シリンダの圧力を調整するモータに圧力操作値を出力する操作値出力ステップと、
    前記油圧シリンダ内の圧力に基づく帰還値を補償するための圧力補償値を前記圧力操作値に基づいて出力する補償値出力ステップと、
    前記油圧シリンダ内の圧力に前記圧力補償値を加えた前記帰還値と指令値とに基づいて前記圧力操作値を出力するようにフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップと、を含み、
    前記補償値出力ステップは、前記射出成形機の周波数応答特性を逐次推定する同定ステップと、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整する調整ステップとを含んでいる、射出成形機の制御方法。
  23. 前記調整ステップは、前記同定ステップにより逐次推定された前記射出成形機の周波数応答特性、および、予め定められた周波数応答特性または過去に前記同定ステップにより推定された周波数応答特性の何れかを選択し、当該周波数応答特性に基づいて前記圧力補償値を調整する、請求項22に記載の射出成形機の制御方法。
  24. 前記油圧シリンダ内への作動油の流量を制御する流量制御ステップを備え、
    前記流量制御ステップの開始後、前記油圧シリンダ内の圧力、前記油圧シリンダ内を摺動するピストンのストローク、および、前記流量制御ステップが開始されてからの時間のうちの少なくとも1つが予め設定された所定のしきい値を超えた場合に、前記流量制御ステップに代えて前記操作値出力ステップ、前記補償値出力ステップおよび前記フィードバック制御ステップを含む圧力制御ステップを開始する、請求項22または23に記載の射出成形機の制御方法。
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