JPH10133703A - 適応的ロバスト制御装置 - Google Patents

適応的ロバスト制御装置

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JPH10133703A
JPH10133703A JP8288930A JP28893096A JPH10133703A JP H10133703 A JPH10133703 A JP H10133703A JP 8288930 A JP8288930 A JP 8288930A JP 28893096 A JP28893096 A JP 28893096A JP H10133703 A JPH10133703 A JP H10133703A
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Japan
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adaptive
robust
trajectory
input
equation
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JP8288930A
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Junji Kaneko
純司 金児
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B5/00Anti-hunting arrangements
    • G05B5/01Anti-hunting arrangements electric
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/04Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators
    • G05B13/042Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators in which a parameter or coefficient is automatically adjusted to optimise the performance

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動特性を特徴づける物理パラメータが未知で
あり、かつランダムな外乱が加わるような悪い条件にお
いても、システムに目標軌道を追従させるための制御装
置を提供する。 【解決手段】 システムの物理パラメータを推定する手
段1と、手段1の推定結果に基づいて、システムに対し
て適応的線形補償を行うための部分入力を生成する手段
2と、手段2により線形化されたシステムのロバスト性
を向上させるための部分入力を生成する手段3とを備
え、物理パラメータの推定が不充分な時点においてもシ
ステムのロバスト性を改善可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシステムの制御装
置、特にロボットマニピュレータに目標軌道を追従させ
るための制御装置に係り、更に詳しくは動特性を特徴づ
ける物理パラメータが未知の場合や、センサ雑音などの
ランダムな外乱が加わっている場合にも、良好な軌道追
従性能を保証できる適応的ロバスト制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】nリンク構造のロボットマニピュレータ
の軌道追従制御において、次の文献1:吉川 恒夫,
「ロボット制御基礎論」,コロナ社,1988による
と、ロボットマニピュレータの動特性は次式の数学モデ
ルによって記述される。
【0003】
【数1】
【0004】ただし、qはn次元の関節変数であり、
外2 (以下、qドットと表記する
【0005】
【外2】
【0006】(他の記号についても同じ))はqの時間
微分(d/dt)qとする。モデルとしての(1)式に
おいて、M(q)はn×nの慣性行列を表す。また、C
(q,qドット)qドットはn次元ベクトルでありCori
olis力と求心力の影響を記述している。さらに、G
(q)は重力の影響を表すn次元ベクトルであり、τは
アクチュエータから印加される入力トルクを表すn次元
ベクトルである。軌道追従制御の目的は、ロボットマニ
ピュレータのとる軌道q(t)を所定の目標軌道qd(t)
に追従させるような制御トルクτを発生させることで
ある。
【0007】ロボットの軌道追従制御に関する代表的な
従来技術として次のようなものがある。その第1は線形
フィードバック制御装置である。この制御装置は、前述
の文献1に述べられている。この装置では、各関節毎に
独立な位置と速度のフィードバックループが構成され、
その参照入力として各関節の目標軌道が与えられて制御
が行われる。
【0008】ロボットの機構としてアクチュエータとア
ームの間に減速比の大きな減速器を持ち、比較的低速で
運動するようなロボットに対しては有効であるが、高速
かつ高精度が要求される場合や、FA以外の分野を中心
に適用範囲が広がっているダイレクトドライブ機構のロ
ボットには、この制御装置を適用することは困難であ
る。
【0009】従来技術の第2のものが計算トルク制御装
置である。この制御装置も文献1に記述されている。こ
の装置は線形化とサーボ補償の部分からなり、入力トル
クは次式のように構成される。
【0010】
【数2】
【0011】ただしq,M(q),C(q,qドッ
ト),G(q)は(1)式におけるベクトルや行列であ
り、qd は目標軌道を表す。また、Kp ,Kv はサーボ
補償ゲインを規定する定数行列である。(2)式におい
て、右辺第1項と第2項は線形化のための入力部分であ
り、残りの部分によりサーボ補償がなされる。制御トル
クを表す(2)式を(1)式で表されるロボットシステ
ムに入力することにより、軌道追従誤差e=q−qd
以下の線形方程式に従うことになる。
【0012】
【数3】
【0013】従って、行列Kp ,Kv を適切に選べば、
所望のサーボ補償特性を得ることができる。計算トルク
制御装置では、(1)式の係数行列M(q),C(q,
qドット)G(q)におけるパラメータが完全に既知で
あることを前提としているが、ロボットは多くの部材か
らなる構造物であるため、これらのパラメータを正確に
同定するのは面倒なことが多い。このような場合でも、
漸近的に安定に目標軌道へ追従させることを目的として
考案されたのが次に述べる適応制御装置である。
【0014】第3の従来技術としての適応制御装置につ
いては次の文献2がある。J.E.Slotine and W.Li, Appl
ied Nonlinear Control, Prentice-Hall, 1991一般に、
マニピュレータの動特性モデルとしての(1)式は
【0015】
【数4】
【0016】とも表現でき、(4)式における行列S
(q,qドット)は
【0017】
【数5】
【0018】を満たす。ただし、ST (q,qドット)
はS(q,qドット)の転置を表す。また(1)式に示
されるように、動特性モデルは、関節角度に関するもの
であるという見方をすれば非線形方程式であるが、物理
的パラメータ(アームの質量、慣性中心など)を適当に
結合させた形のパラメータ(これらをまとめたベクトル
をσ∈Rm とする)に関するものと見れば線形方程式と
なっていることが知られている。
【0019】以上のような動特性モデルの性質を用い漸
近安定性を保証できる制御入力を構成するために、追従
速度の誤差に関して次のような変数を導入する。
【0020】
【数6】
【0021】ただし、qd は(2)式と同様に目標軌道
とし、Λは任意の正定なn×n行列とする。そこで、軌
道追従制御系のLyapunov汎関数の候補として次を採用す
る。
【0022】
【数7】
【0023】ただし、Γは任意の正定なm×m行列と
し、 外3 (以下、σチルダと表記す
【0024】
【外3】
【0025】る(他の記号についても同じ))はシステ
ムパラメータσの推定誤差
【0026】
【数8】
【0027】を表す。ただし、 外4 (以下、σハッ
トと表記する(他の記号についても同
【0028】
【外4】
【0029】じ))はσの推定値とする。漸近安定性を
保証するためには、Vドット(t)<0となるように制
御入力を構成しなければならないが、(4),(5)式
の関係および、システムパラメータに関する動特性モデ
ルの線形性を考慮することにより、適応制御装置では以
下のような入力を生成する。
【0030】
【数9】
【0031】ただし、qr は(6)式で定義されている
変数とする。(9)式右辺第1項は推定値によるフィー
ドフォワード成分を表しており、(1)式における係数
行列M(q),C(q,qドット),G(q)の推定値
をMハット(q),Cハット(q,qドット),Gハッ
ト(q)と書くことにすれば、(9)式右辺第1項は
【0032】
【数10】
【0033】と記述できる。行列Mハット(q),Cハ
ット(q,qドット),Gハット(q)は、システムパ
ラメータの推定値σハットにより構成されるが、推定値
は適応則
【0034】
【数11】
【0035】により更新する。また、右辺第2項におけ
るKD は任意の正定なn×n行列とする。ここで従来の
適応制御装置の構成ブロック図を図25に示す。
【0036】同図において適応制御装置は、ロボット5
0の実際の軌道と目標軌道とに基づいて軌道誤差を求め
る軌道誤差演算部51、パラメータ調整則としての(1
1)式に従って、システムパラメータの推定値を調整す
るパラメータ調整部52、システムの適応的線形化のた
めの部分入力として、(10)式の部分入力を生成する
適応的線形化入力生成部53、(9)式の右辺第2項の
部分入力を生成するためのフィードバックゲイン乗算部
54、適応的線形化入力生成部53の出力からフィード
バックゲイン乗算部54の出力を減算して、その減算結
果をロボット50に入力として与える減算器55から構
成されている。
【0037】(9)〜(11)式に示されるように、適
応制御装置では、システムパラメータの不正確な場合に
対応するために、システムパラメータに関する適応則が
組み込まれており、これにより得られる推定値をもと
に、非線形補償を行い、同時に誤差PDフィードバック
を行う。このため、適応制御装置により、システムパラ
メータが正確に同定できていない場合でも、漸近安定な
軌道追従を行うことができる。
【0038】ところで、(9)式において、
【0039】
【数12】
【0040】と選べば、制御入力は、
【0041】
【数13】
【0042】となり、計算トルク制御装置による入力と
極めて似通った形となる。しかし、Mハット(q)の正
定性は保証されているわけではないので、(12)式の
ようにKD を選び漸近安定性を保証するためには、推定
対象のシステムパラメータを
【0043】
【数14】
【0044】の関係より抽出し、それらに関する適応則
【0045】
【数15】
【0046】と修正する必要がある。このとき、生成さ
れる入力は(13)式のようになっているが、簡単に
【0047】
【数16】
【0048】と表すこともできる。(13)式に示した
ように、適応制御装置でも計算トルク制御装置と類似し
た形の入力を生成できるが、計算トルク制御装置のよう
に自由に所望のサーボ補償特性を与えることができない
こと、さらに、環境から受ける不規則外力や雑音などの
ランダムな外乱の影響を受ける場合に対処できない、な
どの課題を残している。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】ロボットは、多くの物
材からなる構造物であり、その動特性モデルとしての
(1)式における係数行列M(q),C(q,qドッ
ト),G(q)を正確に同定するのは面倒なことが多
い。またその特性は雑音などのランダムな外乱の影響を
受け、望ましい性能が得られないことも多い。
【0050】これに対して従来技術の多くにおいては動
特性モデルの係数行列が正確に同定されていることを前
提としている。またモデル化の誤差を考慮してパラメー
タ適応則を組み入れたものや、大きさが確定している外
部入力の影響を考慮した従来技術が考案されてはいる
が、モデル化誤差と雑音のようなランダムな外乱の影響
等を共に考慮したロバストな制御装置は数少なく、発明
者による次の文献3があるに過ぎないという問題点があ
った。 文献3:J.Kaneko A robust motion control of manipu
lators with parametricuncertainties and random dis
turbances. In Proc. of 34th IEEE Conf. Decision an
d Control, pages 1609-1611,1995. 本発明においては、計算トルク制御装置が持つパラメー
タの不確実さに対する弱点、適応制御装置が持つ外乱の
影響に関する問題点などを解消し、これらの技術では解
決できないロバストな特性を持つ制御装置を提案する。
すなわち本発明の目的は、その動特性を特徴づける物理
パラメータが未知であり、センサ雑音などのランダムな
外乱が加わるような悪い条件の下で動作するロボットに
目標軌道を追従させるための、適応的ロバスト制御装置
を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
ブロック図である。同図は、動特性を特徴づけるシステ
ムの物理パラメータが未知であって、かつランダムな外
乱がシステムに加えられるような条件において、システ
ムに目標軌道を追従させるための適応的ロバスト制御装
置の原理構成ブロック図である。
【0052】図1において、パラメータ推定手段1はシ
ステムの物理パラメータの推定を行うものであり、例え
ばサンプリング周期毎にシステムの物理パラメータの推
定値の更新を行うパラメータ推定値更新部である。
【0053】適応的線形化入力生成手段2はパラメータ
推定手段1の推定結果に基づいて、システムに対して適
応的線形化補償を行うための部分入力を生成するもので
あり、例えばサンプリング周期毎にパラメータ推定値更
新部によって更新されるパラメータ推定値とシステムの
軌道誤差とに基づいて、システムを線形化するための部
分入力を生成する適応的線形化入力生成部である。
【0054】ロバスト化部分入力生成手段3は、適応的
線形化入力生成手段2によって線形化されたシステムの
ロバスト性を向上させるための部分入力を生成するもの
であり、例えば制御仕様に応じて設計されるロバスト化
補償器の出力と、前述のパラメータ推定値更新部の出力
としてのパラメータ推定値などに基づいて、部分入力を
生成するロバスト化部分入力生成部である。
【0055】適応的線形化入力生成手段2によって生成
される適応的線形化補償のための部分入力と、ロバスト
化部分入力生成手段3によって生成されるシステムのロ
バスト性向上のための部分入力とは、加算器によって加
算され、システム、例えばロボットのアクチュエータに
対する入力電圧として与えられ、ロボットの制御が行わ
れる。これによって物理パラメータの推定が不充分な時
点においても、システムのロバスト性を改善することが
可能となる。
【0056】本発明では、システムの動特性を特徴づけ
る物理パラメータが未知であるという前提条件と、セン
サ雑音などのランダムな外乱がシステムに加わることを
考慮するという前提条件とを想定した制御が行われる。
【0057】物理パラメータが未知であるという第1の
前提条件は、ロボットが多くの要素からなる運動機械で
あって、複雑な仕組みと構造を持っていることにその原
因がある。考えられる最も単純なロボットとしての2自
由度ロボットの例からも、このことが明らかである。そ
もそもロボットを含むモデリングの対象の多くは、物理
学に基づく単純な記述を越えた複雑なものであり、正確
に把握できない不確定要素が内包されている。すなわち
ロボットは絶えず環境との間で物質やエネルギーをやり
取りすることによって機能を果たしており、その結果経
年変化や予測できない外界の変化の影響を受けることに
なる。従って工学的知見が充分に豊富であったとして
も、機器としてのロボットの特性とその変動を完全に把
握することは困難である。
【0058】第2の前提条件としてのランダムな外乱が
加わる理由としては、ロボットが使用される環境によっ
ては制御装置からロボットのアクチュエータに制御信号
が送られる途中で望ましくない雑音が混入したり、セン
サからの情報をフィードバックする際に充分な精度で数
値的な処理を行うのが困難であるため、制御装置に雑音
が混入したのと類似した現象が生じることがあげられ
る。
【0059】本発明では、前述の2つの前提条件の下で
良好な軌道追従性を達成するために、パラメータ推定機
構を含む適応的な制御装置が用いられる。但し従来技術
の範囲では、パラメータ推定が良好に達成できていない
時点での制御系のロバスト性の問題や、前述の第2の前
提条件としてのランダムな外乱の問題への対処が不可能
であった。
【0060】そこでこれらの問題点を解決するために、
本発明における制御装置は、パラメータ推定機能を有す
るパラメータ推定手段1、パラメータ推定結果に応じて
システムを適応的に線形化補償する機能を有する適応的
線形化入力生成手段2、および線形化されたシステムに
対してロバスト化補償を行う機能を有するロバスト化部
分入力生成手段3を、原理的な構成要素として持つもの
である。
【0061】パラメータ推定手段1と適応的線形化入力
生成手段2の作用の結果として得られる線形化システム
のパラメータ推定が良好に達成できていない時点では、
モデル化誤差を外乱として含み、更に第2の前提条件と
してのランダムな外乱を含んでいると考えられる。そこ
でこのような外乱に対して、線形化された系をロバスト
化する第3の手段として、ロバスト化部分入力生成手段
が導入されている。
【0062】本発明においてはシステムのロバスト性の
仕様として、システムのモデル化誤差の影響の低減(軌
道追従性の改善)と、ランダムな外乱の影響の最小化が
一般的な仕様とされ、このロバスト性の仕様を実現する
ためにH2 /H*∞混合制御理論に基づいて設計される
ロバスト化補償器が用いられる。
【0063】これに対してロバスト性の仕様がシステム
のモデル化誤差の影響の低減に限定される場合には、H
*∞制御理論に基づいて設計されるロバスト化補償器が
用いられ、またランダムな外乱の影響の最小化に限定さ
れる場合にはH2 制御理論に基づいて設計されるロバス
ト化補償器が用いられる。
【0064】以上のように本発明によれば、システムの
物理パラメータの推定が良好に行われていない時点にお
いても、システムのロバスト性を改善することが可能と
なる。
【0065】
【発明の実施の形態】本発明においては、ロボットに対
する制御入力の一部分としての部分入力によって本発明
の目的が達成されるので、具体的な実施例を説明する前
に、この部分入力の生成方法について説明する。
【0066】本発明においてまず、制御入力は以下のよ
うに与えるものとする。
【0067】
【数17】
【0068】入力としての(17)式は、適応制御装置
により生成される入力としての(13)式に部分入力u
(t)の項が付加された形となっているが、この部分入
力により軌道追従性の改善とランダムな外乱排除を行う
ものとする。
【0069】(17)式の入力が印加されることによ
り、軌道追従誤差eは次のような状態方程式により記述
される。
【0070】
【数18】
【0071】ただし、e(t)=q(t)−qd (t)
とし、w0 (t)はシステムパラメータの推定誤差によ
る外乱を表す有界で確定的な項、w1 (t)は雑音など
のランダムな外乱を表す確率的な項とする。また、 外
5 (以下、Bバー0 と表記す
【0072】
【外5】
【0073】る(他の記号についても同じ)),Bバー
1 はそれぞれの種類の外乱の特性を表す適当なサイズの
行列とする。このとき、追従誤差の動特性を示す(1
8)式は次のような標準形式に変換できる。
【0074】
【数19】
【0075】ただし、(19)式における行列やベクト
ルの定義は次の通りとする。
【0076】
【数20】
【0077】問題の焦点は(17)式における部分入力
uを如何に発生させるかという点にある。制御性能を捉
えるためには、何らかの特徴量z(t)に注目する必要
があるが、この量は、一般的には次のように表される。
【0078】
【数21】
【0079】ただし、z(t),C1 ,D12は適切な次
元の行列やベクトルを表す。(22)式中のz(t),
1 ,D12の例として、
【0080】
【数22】
【0081】を与える(Q0,R>0)と、これらは
最適レギュレータのための制御規範
【0082】
【数23】
【0083】に対応づけできる。また、制御入力を構成
するとき、システムの状態に関する情報をセンサなどか
ら採取し、それを用いるが、このような観測量は次のよ
うに表される。
【0084】
【数24】
【0085】ここで右辺第1項の定数C2 はセンサの特
性を表す定数であり、第2項はシステムパラメータの推
定誤差による外乱による雑音を、また第3項はランダム
な外乱による雑音の項を表す。
【0086】前述のように、部分入力u(t)を導入す
る目的は、軌道追従性の改善とランダムな外乱の排除で
ある。前者の目的を実現するためには、システムパラメ
ータの推定誤差が軌道追従誤差に及ぼす影響を低減する
ことが必要であり、また後者の目的を実現するために
は、システムに加えられるランダムな外乱が軌道追従誤
差に及ぼす影響を最小とする必要がある。
【0087】そこで、軌道追従性の改善に関しては、H
*∞制御理論に基づき、次の規範
【0088】
【数25】
【0089】を満たすような部分入力u(t)を発生さ
せることにする。ただし、(24)式におけるT
zw0 は、システムパラメータの推定誤差w0 から、軌道
追従誤差を含む特徴量z(t)への閉ループ伝達関数を
表し、γは伝達関数の大きさを規定する定数とする。
【0090】一方、ランダムな外乱の排除に関しては、
2 制御理論に基づき、次の規範を満たすような部分入
力u(t)を発生させることにする。
【0091】
【数26】
【0092】ただし、
【0093】
【数27】
【0094】とし、Tzw1 は、ランダム外乱w1 から軌
道追従誤差を含む特徴量z(t)への閉ループ伝達関数
を表す。さらに、軌道追従性の改善とランダム外乱の排
除を同時に行う必要があるときには、H2 /H*∞混合
制御理論に基づき、(26),(24)式を同時に満足
するように部分入力u(t)を発生させることにする。
【0095】なお、前述のH2 制御理論とH*∞制御理
論については次の文献4、H2 /H*∞混合制御理論に
ついては、次の文献5がある。 文献4:美多勉 「H*∞制御」、昭晃堂,1994. 文献5:J.Doyle, K.Zhou, K.Glover, and B. Bondenhe
imer. Mixed H2 and H*∞ Performance Objectives I
I:Optimal Control. IEEE Trans. Automatic Control,
39:1575-1587, 1994. 続いて本発明の実施例を制御装置の構成から詳細に説明
する。図2は適応的ロバスト制御装置の構成ブロック図
である。同図において、ロボット10に対する適応的ロ
バスト制御装置はロバスト化補償器11、および適応的
線形化補償器12によって構成される。また適応的線形
化補償器12とロボット10とは、1つの線形化された
システム13を構成する。
【0096】ロバスト化補償器11は、例えばユーザに
よって指定される目標軌道とロボットの実際の軌道との
入力に対応して、ロボットシステムのロバスト化のため
の補償成分を生成するものである。
【0097】ここで目標軌道は例えばユーザによるロボ
ットの目標軌道の関数形と、その初期値の指定によって
与えられる。関数形qd (t)が指定されれば、その時
間微分qドットd(t)(速度)、および 外6 (以
下、qツードットd(t)と
【0098】
【外6】
【0099】表記する(他の記号につていも同じ))
(加速度)も同時に指定されることになる。この指定に
よって時々刻々の値として生成される目標軌道は、ロバ
スト化補償器11と後述する軌道誤差演算部15に与え
られる。
【0100】ロバスト化補償器11は、この目標軌道と
実際のロボット10の軌道q(t)、およびその時間微
分qドット(t)に基づいて、後述する適応的線形化入
力生成部17による部分入力の働きによって作られる、
パラメータ推定誤差による外乱と雑音などのランダム外
乱を含む線形系をロバスト化するための補償成分を生成
するものである。
【0101】本発明においては、ロバスト化はモデル化
誤差の影響を低減させること、およびランダム外乱の影
響を最小化することを意味するが、これらを実現するこ
とによって軌道追従性、およびパラメータ推定の精度/
収束速度の改善が期待できる。この場合ロバスト化補償
器11はH2 /H*∞混合制御理論に基づいて設計され
るH2 /H*∞混合補償器となる。
【0102】但しロバスト化の仕様をモデル化誤差の影
響を低減させることのみに絞る場合には、ロバスト化補
償器11はH*∞制御理論に基づくH*∞補償器として
設計され、またランダム外乱の影響を最小化することの
みに絞る場合には、ロバスト化補償器11はH2 制御理
論に基づいてH2 補償器として設計される。
【0103】適応的線形化補償器12は、ロボットの軌
道誤差を求める軌道誤差演算部15、システムパラメー
タの値をサンプリング時刻毎に更新するパラメータ推定
値更新部16、ロボットの動特性を線形化するための部
分入力を生成する適応的線形化入力生成部17、ロボッ
トの特性のロバスト化のための部分入力を生成するロバ
スト化部分入力生成部18、および適応的線形化入力生
成部17とロバスト化部分入力生成部18との出力を加
算してロボット10に対する入力電圧を与える加算器1
9から構成されている。
【0104】軌道誤差演算部15は、目標軌道とロボッ
ト10の実際の軌道との差を算出するものである。その
出力はパラメータ推定値更新部16と適応的線形化入力
生成部17に与えられるものであり、(6)式によって
定義される量である。ここに表れる正定行列Λは、適応
的線形化入力生成部17の働きによって適応的に線形化
される系の安定度を規定するものであり、ユーザによっ
て指定される。
【0105】パラメータ推定値更新部16は、軌道誤差
演算部15の出力に応じて、サンプリングタイム毎にシ
ステムパラメータσの推定値をパラメータ調整則に基づ
いて更新していくものである。パラメータ調整の収束性
は正定行列Γによって規定されるが、この行列はユーザ
が指定することができる。
【0106】適応的線形化入力生成部17は、軌道誤差
演算部15の出力、ロボット10の実際の軌道、および
パラメータ推定値更新部16の出力としてのパラメータ
推定値の入力に応じて、(14)式に基づいて適応的線
形化のための部分入力を生成する。この部分入力の働き
によって本来非線形であるロボット10の動特性が線形
化される。この線形化は、パラメータ推定誤差による外
乱と雑音などのランダム外乱を含む線形系に系が変換さ
れることを意味する。
【0107】ロバスト化部分入力生成部18は、ロバス
ト化補償器11の出力、ロボット10の実際の軌道、お
よび適応的ゲインMハット(q)を用いて、ロバスト化
のための部分入力を生成するものである。適応的ゲイン
としての慣性行列の推定値は、サンプリングタイム毎に
得られるロボットの実際の軌道とパラメータの推定値を
用いて更新される。このロバスト化部分入力生成部18
の出力は、適応的線形化入力生成部17の出力と加算器
19によって加算され、ロボット10のアクチュエータ
への入力電圧として与えられる。
【0108】図3は適応的ロバスト制御装置における制
御アルゴリズムのフローチャートである。このフローチ
ャートは、ユーザからの指令を受けた制御装置によって
実行される処理の流れを示す。全体の処理はオフライン
処理21と、オンライン処理22とに分かれる。
【0109】オフライン処理21では、ユーザ20はロ
ボットの目標軌道を指定し、その指定に従って目標軌道
生成処理25が行われる。またユーザ20の指定に従っ
て制御仕様の決定処理26として、ランダム外乱排除と
軌道追従性改善の両方を行うのか、ランダム外乱排除の
みを行うのか、あるいは軌道追従性改善のみを行うかが
決定され、その決定に従ってロバスト化補償器の設計処
理27において、H2/H*∞混合型補償器、またはH
2 補償器、あるいはH*∞補償器のいずれかが設計され
る。
【0110】オンライン処理22においては、適応的ロ
バスト制御装置によって発生された入力電圧がロボット
に加えられ、その結果としてのロボットの軌道をサンプ
リングタイム毎にフィードバックすることによって制御
が行われる。この時ロボットへの入力電圧は適応的線形
化入力とロバスト化部分入力とによって構成される。
【0111】適応的線形化入力生成処理33を行うため
には、パラメータ推定処理30と、ロボットの実際の軌
道をフィードバックするための軌道出力処理36が必要
となる。ここでパラメータ推定処理30においては、サ
ンプリングタイム毎に、ロボットの実際の軌道と目標軌
道のデータの入力に対して処理が行われる。すなわち、
図2において、軌道誤差演算部15とパラメータ推定値
更新部16との処理がパラメータ推定処理30に含まれ
る。
【0112】ロバスト化部分入力生成処理34のために
は、パラメータ推定処理30の結果に基づく適応的ゲイ
ン更新処理32と、ロバスト化補償処理31の結果が必
要となる。ロバスト化補償処理31のためには、ロバス
ト化補償器の設計処理27の結果と、目標軌道と、ロボ
ットの実際の軌道とが必要となる。そして適応的線形化
入力生成処理33とロバスト化部分入力生成処理34の
結果は加算されて、ロボットに対する入力電圧生成処理
35が行われる。
【0113】図4は適応的ロバスト制御装置の処理にお
けるデータの流れの説明図である。同図において図3と
同じ部分には同じ符号を付けてある。まず指定仕様入力
処理40においては、図3におけるオフライン処理21
の処理結果がメモリに格納される。すなわちユーザが制
御装置にロボットの目標軌道をあらかじめ指定すること
によって、決められた制御仕様を達成できるようにロバ
スト化補償器を設計した設計結果が入力端末からメモリ
に格納される。
【0114】まず第1のメモリ41には、指定された仕
様を満たすロバスト化補償器の設計結果が格納される。
すなわち図3のロバスト化補償器の設計処理27の結果
として設計されたH2 /H*∞混合補償器、またはH2
補償器、或いはH*∞補償器の設計結果が格納される。
第2のメモリ42には、目標軌道の関数形と軌道の初期
値とが格納され、第3のメモリ43には適応的線形化入
力生成部17の働きによって適応的に線形化される系の
安定度を規定する正定行列Λが格納され、第4のメモリ
44にはシステムパラメータ調整の収束性を指定する正
定行列Γが格納される。
【0115】目標軌道生成処理25では、第2のメモリ
42に格納されたデータを基にして目標軌道とその時間
微分qd ,qドットd ,qツードットd を生成する。ロ
バスト化補償処理31においては、第1のメモリ41に
格納されているロバスト化補償器の設計結果、目標軌道
生成処理25の結果としての目標軌道、第3のメモリ4
3に格納されている正定行列Λ、およびセンサによる軌
道出力処理36の結果としてのロボットの実際の軌道と
を用いて、適応的線形化入力生成処理33の結果によっ
てパラメータ推定誤差による外乱と雑音などのランダム
外乱を含んだ線形系に変換されたロボットの特性をロバ
スト化するための補償入力uが生成される。
【0116】パラメータ推定処理30においては、目標
軌道生成処理25の処理結果、第3のメモリ43に格納
されている正定行列Λ、第4のメモリ44に格納されて
いる行列Γ、およびセンサによる軌道出力処理36の結
果としてのロボットの実際の軌道を用いて、ロボットの
システムパラメータの推定値の更新処理が行われる。こ
の処理の結果は第5のメモリ45に格納される。
【0117】適応的ゲイン更新処理32においては、第
5のメモリ45に格納されているシステムパラメータの
推定値、およびセンサによる軌道出力処理36の結果と
してのロボットの実際の軌道とを用いて、適応的ゲイン
の更新が行われる。
【0118】ロバスト化部分入力生成処理34において
は、ロバスト化補償処理31の処理結果、適応的ゲイン
更新処理32の処理結果を受けて、軌道追従性、および
パラメータ推定の精度/収束速度の改善を目的としたロ
バスト化部分入力の生成が行われる。
【0119】適応的線形化入力生成処理33において
は、目標軌道生成処理25の処理結果、第3のメモリ4
3に格納されている正定行列Λ、第5のメモリ45に格
納されているパラメータ推定値、およびロボットの実際
の軌道を用いて、本来非線形であるロボットの動特性を
線形化するための部分入力が生成される。この部分入力
によって得られる線形系はパラメータ推定誤差による外
乱と雑音などのランダム外乱を含むものであるが、これ
らの影響はロバスト化部分入力生成処理34の結果とし
て生成される部分入力によって排除される。
【0120】入力電圧生成処理35においては、適応的
線形化入力生成処理33およびロバスト化部分入力生成
処理34の処理結果を加算して、ロボットアクチュエー
タ10bへの入力電圧を生成し、アクチュエータ10b
はロボット本体10aに対する制御トルクを発生する。
またセンサによる軌道出力処理36においては、関節角
度はエンコーダ、関節角速度はタコメータなどを用いて
検出される。
【0121】次に本発明の具体的な実施例を、2本のリ
ンクを持つ2自由度ロボットを例として説明する。図5
は2自由度ロボットの概念図である。このような2自由
度ロボットの動特性は、(1)式に対応して次式によっ
て与えられる。
【0122】
【数28】
【0123】ただし、行列の各要素は以下のようになっ
ている。
【0124】
【数29】
【0125】ここで、qi (i=1,2)は関節iの回
転角度、mi (i=1,2)はリンクiの質量、l
i (i=1,2)はリンクiの長さ、ai (i=1,
2)は関節iからリンクiの質量中心までの長さ、Ii
(i=1,2)はリンクiの質量中心を通りZ軸に平行
な軸まわりの慣性モーメント、Ji (i=1,2)は第
iアクチュエータの質量中心を通りZ軸に平行な軸まわ
りの慣性モーメント、gは重力加速度、τi =k
i τi ′(i=1,2)は関節iに置かれたアクチュエ
ータから加えられるトルク、さらに、ki ,τi ′は関
節iに置かれたアクチュエータのトルク定数、入力電圧
を表す。
【0126】(27),(28)式において、物理パラ
メータを組み合わせて構成される以下のパラメータを導
入する。
【0127】
【数30】
【0128】しかしながら、現実にはai やki (i=
1,2)などが未知であることから、σi (i=1〜
9)の正確な値は未知であり、軌道制御を行う場合に
は、これらのパラメータの推定値σハットi (i=1〜
9)を使わざるを得ない。そこで、パラメータの推定値
σハットi (i=1〜9)と書き、これらを用いて(2
7)式の左辺を記述すれば次のようになる。
【0129】
【数31】
【0130】ただし、(30)式においてはC1 =cos
1,C12=cos(q1 +q2),C2 =cos q2 ,S2 =si
n q2 とする。また、
【0131】
【数32】
【0132】とし、qdi(i=1,2)は関節iの目標
軌道、λi (i=1,2)は正の定数、とする。(3
0)式を(29)式のパラメータの推定値ベクトルσハ
ットでまとめれば、パラメータに関する線形方程式(1
4)の係数行列Ym (q,qドット,qドットr ,qツ
ードットr )は次のように得られる。
【0133】
【数33】
【0134】ただし、(32)式において
【0135】
【数34】
【0136】とする。また、パラメータ推定値σハット
の更新則は(15)式により与えられているので、
【0137】
【数35】
【0138】とすればよい。ただし、Γ1 〜Γ9 は正の
定数とする。以上により、本発明による制御装置が発生
すべき入力(17)は、次のようになる。
【0139】
【数36】
【0140】ここで、ui (i=1,2)は第i関節ア
クチュエータから加える部分入力であり、これらにより
軌道追従性の改善、ランダム外乱排除を実現していく。
(35)式で与えられる入力を各関節アクチュエータか
ら加えることにより、軌道追従誤差は(19)式におい
て、以下のように置いた方程式で記述されることにな
る。
【0141】
【数37】
【0142】ただし、(36)式において、w01, 02
は推定誤差の影響を表す関数で有界ではあるが未知なス
カラ関数であり、w11, 12, 13, 14はランダム外
乱の影響を表す確率的なスカラ関数とする。また、bバ
01, bバー02は推定誤差の重みを表す正定数であり、
bバー11, bバー12は、ランダム外乱の大きさを表す正
定数とする。
【0143】一方、(22)式に対する前述のz
(t),C1 ,D12の例に従えば、z(t)に関する係
数行列は次のように設定できる。
【0144】
【数38】
【0145】(37)式において、qバーi (i=1〜
4),rバーj (j=1,2)はそれぞれ状態量と部分
入力の重みを与える定数である。さらに、(23)式に
おける出力(観測量)y(t)に関する係数行列は、角
度センサのみを用いるものとすれば、次のように設定で
きる。
【0146】
【数39】
【0147】(38)式において、d201,202 は観測
量における推定誤差の重みを表す正定数であり、v1
2 は観測雑音の大きさを表す正定数とする。以上の
(36),(37),(38)式により、軌道追従性の
改善、ランダム外乱排除を目的とした線形系を示す(1
9)式の係数行列はすべて与えられたことになる。
【0148】なお、ここで前述の(22)式に対するz
(t),C1 ,D12の例を再度次に示す。
【0149】
【数40】
【0150】これらは最適レギュレータのための制御規
【0151】
【数41】
【0152】に対応づけられる(Q0,R>0)。こ
こでRは正値となる正定行列、Qは負値にならない半正
定行列であり、(39),(40)式のような定式化は
最適レギュレータにおける常とう的な手法である。その
意味は入力の自乗に比例する制御エネルギーをできるだ
け抑え、状態を0近くに保とうとすることである。本実
施例では(37)式によって与えられるQ、(37)式
のD12と(39)式のD12との比較により明らかとなる
Rを用いたが、これは簡単な例を示すためである。
【0153】ここで、ロバスト性の仕様として軌道追従
性の改善のみを目的とする場合は、H*∞制御理論を適
用すればよい。H*∞制御理論においては、次のように
記述されるシステムを扱う。
【0154】
【数42】
【0155】(41)式は(推定誤差w0 ,制御入力u
(t))から(特徴量z(t),観測量y(t))への
伝達関数を表している。ただし、伝達関数について次の
ような記法を用いた(以下も同様)
【0156】
【数43】
【0157】H*∞制御理論に基づき、部分入力をu=
K*∞yと与えることにすると、K*∞は以下のような
伝達関数形で構成される。
【0158】
【数44】
【0159】ただし、(43)式において、N*∞は任
意な安定プロパー有理行列であり、M (11)*∞,M(12)
*∞,M(21)*∞,M(22)*∞は次の通りとする。
【0160】
【数45】
【0161】また、(44)式における各行列は以下の
通りとする。
【0162】
【数46】
【0163】ただし、D+ 12 =(DT 1212-1T
12,D+ 20=DT 20(D20T 20-1とする。さらに、
X*∞,Y*∞はそれぞれ次のHamilton行列に対応する
Riccati 行列方程式の解とする。
【0164】
【数47】
【0165】ただし、(46),(47)式におけるRi
c(・)は次を意味している(以下も同様)
【0166】
【数48】
【0167】次にロバスト性の仕様としてランダム外乱
排除のみを目的とする場合はH2 制御理論を適用する。
2 制御理論においては、次のように記述されるシステ
ムを扱う。
【0168】
【数49】
【0169】(48)式は(ランダム外乱w1 ,制御入
力u(t))から(特徴量z(t),観測量y(t))
への伝達関数を表している。H2 制御理論に基づき、部
分入力をu=K2 yと与えることにすると、K2 は以下
のような伝達関数形で構成される。
【0170】
【数50】
【0171】ただし、(49)式においてN2 は任意な
安定プロパー有理行列であり、M(11) 2,(12) 2,(21)
2,(22) 2 は次のとおりとする。
【0172】
【数51】
【0173】また、(50)式における各行列は以下の
通りとする。
【0174】
【数52】
【0175】ただし、D+ 21=DT 21(D21T 21-1
とし、X2 ,Y2 はそれぞれ次のHamilton行列に対応す
るRiccati 行列方程式の解とする。
【0176】
【数53】
【0177】ここで、(48)式における(ランダム外
乱w1 、部分入力u)から(特徴量z、観測量y)への
伝達関数の例として、
【0178】
【数54】
【0179】を与えると、通常のLQG問題が記述でき
る。このとき‖Tzw1 2 を最小化する入力u=K2
は(49)式においてN2 =0と選ぶことにより、Kalm
anフィルタ出力で構成されるフィードバック入力とな
る。すなわち、次のような補償器K2 が導かれる。
【0180】
【数55】
【0181】ただし、
【0182】
【数56】
【0183】であり、(57),(58)式における、
2 ,Y2 は以下のHamilton行列に対応するRiccati 方
程式の解とする。
【0184】
【数57】
【0185】以上のような、H*∞理論、またはH2
論をそれぞれ単独で適用する場合には、既に種々のソフ
トウェアパッケージが開発されており、(36)〜(3
8)式によって与えられる係数行列をそれらのソフトウ
ェアパッケージに入力するだけで簡単に部分入力u1
2 を計算することができる。
【0186】しかしながら、軌道追従性の改善とランダ
ム外乱排除とを同時に目的とする場合には、H2 /H*
∞混合制御理論に基づいて部分入力u1 ,u2 を生成す
る必要がある。
【0187】H2 /H*∞混合制御理論においては、次
のように記述されるシステムを扱う。
【0188】
【数58】
【0189】(61)式は(外乱w0 ,w1 ,制御入力
u(t))から(特徴量z(t),観測量y(t))へ
の伝達関数を表している。H2 /H*∞混合制御理論に
基づき、部分入力をu=Km yと与えることにすると、
m は以下のような伝達関数形で構成される。
【0190】
【数59】
【0191】ただし、(62)式において
【0192】
【数60】
【0193】とし、X*∞はH*∞制御理論で現れるRi
ccati 方程式(46)の解とする。また、(62),
(63)式におけるLm,m,m は以下の連立方程式の
解により与えられる。
【0194】
【数61】
【0195】ここで、γ→∞とすると、Lm →L2 ,F
m →F2 ,X*∞→X2 ,Ym →Y 2 となるので、この
場合(62)式により形成される入力は、H2 制御理論
による入力を示す(49)式においてN2 =0とした場
合と一致する。
【0196】このように軌道追従性の改善とランダム外
乱排除との両方を目的とする場合には、上述の(65)
〜(67)の3式を連立行列方程式として解く必要があ
る。これらの方程式をLm ,Ym ,Pm に関して厳密に
解くことは困難であるが、数値的な計算において各計算
ステップ毎に3つの変数のうちのいずれかを順に固定し
て計算を行っていくことによって、近似的に解くことが
できる。
【0197】図6はこの計算処理のフローチャートであ
る。同図において処理が開始されると、まずステップS
1でH*∞制御装置のゲインが計算される。このステッ
プでは(36)〜(38)式によって設定される係数行
列を基にして、(43)〜(47)式を用いてH*∞制
御装置のゲインが求められる。パラメータγの値は(4
6)および(47)式が存在するように選ばれる。
【0198】続いてステップS2でH2 制御装置のゲイ
ンが計算される。このステップでは(36)〜(38)
式によって設定される係数行列を基にして、(49)〜
(53)式を用いてH2 制御装置のゲインが計算され
る。そしてステップS3でnの値が1とされ、ステップ
S4でステップS2で計算されたL2 の値がL0 m の値
として代入された後に、ステップS5〜S9の処理が収
束条件が満足されるまで繰り返される。
【0199】ステップS5ではLm の値がLn-1 m に固
定され、(66)式がPm について解かれ、その結果が
n m とされる。ステップS6ではLm =Ln-1 m ,P
m =Pn m に固定され、(67)式がYm について解か
れ、その結果がYn m とされる。ステップS7ではPm
=Pn m ,Ym =Yn m に固定され、(65)式がL m
について解かれ、この結果がLn m とされる。
【0200】ステップS8では、Lm について計算が収
束したか否かの収束条件の判定が行われる。この収束条
件としては次式が用いられる。 |Ln m −Ln-1 m |<ε,ただし、εは収束判定指数 この収束条件が満足されていない時にはステップS9で
nの値が歩進され、ステップS5以降の処理が繰り返さ
れる。収束条件が満足されていれば、ステップS10で
(62)〜(64)式によってH2 /H*∞混合補償器
が生成すべき入力が計算されて処理を終了する。
【0201】最後に本発明の適応的ロバスト制御装置に
おける制御シミュレーションについて説明する。図7は
このシミュレーションの対象としてのSCARA型ロボ
ットの概念図であり、図8はこのロボットにおける物理
パラメータを示す。このようなSCARA型ロボットは
関節変位の方向が重力の方向と無関係であり、図5のよ
うな形を持つロボットに比べて重力の影響を受けにくい
という特徴があり、高速化、高精度を実現しやすいもの
であって、組立て用などを中心に広く実用化されてい
る。
【0202】このようなSCARA型ロボットを扱う場
合には、(27)式の左辺第3項としての重力項は無視
することができ、(29)式のパラメータのうちでσ1
〜σ 6 だけを考えればよいことになる。すなわち(3
0)式の第3項が(27)式の重力項に対応している。
この数値シミュレーションにおいて用いた条件を以下に
示す。サンプリング周期 Δt=2 -60.0156目標軌道1d(t) =1.5cost+0.5, q1d(0) =2.0 q2d(t) = cost+1.0, q2d(0) =2.0目標軌道への追従性を規定する正定行列Λ ((6),
(17)式参照)
【0203】
【数62】
【0204】パラメータ推定値の更新則(15)式にお
ける正定行列Γ Γ=diag{20,100,100,50,50,50 }ランダム外乱項w1(t) (ロボットへの外乱および観測雑
音を規定)
【0205】
【数63】
【0206】γ11, γ12:平均0、分散0.01の正規乱数
系列であり、互いに独立とする γ13, γ14:平均0、分散1の正規乱数系列であり、互
いに独立とするその他のパラメータの設定
【0207】
【数64】
【0208】以上のように各パラメータを設定すること
により、ここで提案された制御装置が生成する入力
((17)式を参照)を計算することができる。特に、
軌道追従性の改善とランダム外乱の排除を同時に実現す
るための部分入力は、H2 /H*∞混合制御理論により
生成しなければならないが、そのためには、3本の連立
行列方程式(65),(66),(67)式をLm ,Y
m ,Pm に関し、図6の手順により数値的に解かなけれ
ばならない。
【0209】まず、ステップS1において、H*∞制御
装置のゲインを計算しなければならないが、この計算は
行列計算用ソフトウェアパッケージMATLAB上でRo
bustControl toolboxのhinfopt ルーチンを用いれば容
易に実施できる。結果は、γ((24)式参照)の最適
な値として、 γopt =11.688 が得られ、この条件のもとで、H*∞制御ゲインおよび
(46)式におけるRiccati 方程式の解
【0210】
【数65】
【0211】が計算できた。この結果を用いれば、(6
2)式により、補償器を構成するのに必要なFm =−
(DT 121 +BT 2 X*∞)を以下のように計算する
ことができる。
【0212】
【数66】
【0213】次にステップS2において、H2 制御装置
のゲインを計算しなければならないが、この計算もソフ
トウェアパッケージMATLAB上でRobust Control t
oolboxのh2lqg ルーチンを用いれば容易である。このス
テップS2では、ステップS4以下で必要なH2 制御理
論におけるL2 ((51)式参照)を以下のように得
た。
【0214】
【数67】
【0215】以下、ステップS4からS9までの手順に
より、(65),(66),(67)式をLm ,Ym
m に関し、解いていく。このとき、ステップS8の収
束判定指数εをε=0.01と置けば、10回の繰り返しによ
り、H2 /H*∞混合制御理論による部分入力ゲイン算
出に必要なLm は、以下の値に収束した。
【0216】
【数68】
【0217】(62)式により、部分入力u=Km yを
構成するには、時々刻々得られる観測量yを入力とする
次のようなフィルタを考えれば良い。
【0218】
【数69】
【0219】このフィルタの出力を用いれば、軌道追従
性の改善とランダム外乱の排除を同時に実現するための
部分入力uは、 u=−Fm xハット のように構成できる。これを(17)式に採り入れるこ
とにより、適応的ロバスト制御装置が発生する制御トル
クτを計算できる。
【0220】数値シミュレーションの結果を図9〜図2
4に示す。図9〜図12は、軌道追従性の改善とランダ
ム外乱の排除とを同時に実現する場合、すなわちH2
H*∞混合制御理論を用いた場合のシミュレーション結
果を示す。図9は各関節アクチュエータに入力される入
力電圧、図10は図9の入力電圧が与えられたことによ
って得られる関節角度の変化を示す。但し参考のために
目標軌道が点線で示されている。図11は各関節角度の
誤差を示し、図12はパラメータの推定結果を示してい
る。図12における点線はパラメータの真値を示す。
【0221】図13〜図16は、適応制御装置の従来
例、すなわち(4)〜(16)式で説明された従来例に
対するシミュレーション結果を示す。図9〜図12と比
較することにより、本発明の適応的ロバスト制御装置に
よる軌道追従性、およびパラメータ推定性能の改善は明
らかである。
【0222】図17〜図20は、ランダム外乱排除のみ
を目的としてH2 制御理論を適用した場合のシミュレー
ション結果を示し、また図21〜図24は軌道追従性改
善のみを目的としてH*∞制御理論を適用した場合のシ
ミュレーション結果を示す。これらと比較しても、ラン
ダム外乱排除と軌道追従性改善との両方を目的とする図
9〜図12の結果の方が、良好な軌道追従性とパラメー
タ推定の良好性を示している。但しこのようにH2 制御
理論、またはH*∞制御理論をそれぞれ単独で用いる場
合には、行列の計算に関するルーチンが集められたソフ
トウェア、MATLAB上でのロバストコントロールツ
ールボックスを利用することによって得られる補償器を
使用することができる。
【0223】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば動特性モデルにおける係数行列を正確に同定するこ
とが困難であり、しかも雑音のようなランダムな外乱の
影響を受けることが多いロボットに対しても、本発明の
適応的ロバスト制御装置を用いることによってロボット
を適応的に、かつロバストに軌道追従させることが可能
となり、ロボットの実用性の向上に寄与するところが大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成ブロック図である。
【図2】本発明の適応的ロバスト制御装置の構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明における制御アルゴリズムのフローチャ
ートである。
【図4】制御フローチャートにおけるデータの流れを説
明する図である。
【図5】2自由度ロボットの概念の説明図である。
【図6】連立行列方程式求解処理のフローチャートであ
る。
【図7】SCARA型ロボットの概念の説明図である。
【図8】シミュレーションにおけるパラメータの数値を
示す図である。
【図9】適応的ロバスト制御装置が発生するアクチュエ
ータへの入力電圧を示す図(H 2 /H*∞部分入力)で
ある。
【図10】図9に対する各関節角度の軌道(実線)と目
標軌道(点線)とを示す図である。
【図11】図9に対する各関節角度の軌道誤差を示す図
である。
【図12】図9に対するパラメータの推定結果を示す図
である。
【図13】従来例の適応的制御装置が発生するアクチュ
エータへの入力電圧を示す図である。
【図14】図13に対する各関節角度の軌道(実線)と
目標軌道(点線)とを示す図である。
【図15】図13に対する軌道誤差を示す図である。
【図16】図13に対するパラメータの推定結果を示す
図である。
【図17】適応的ロバスト制御装置が発生するアクチュ
エータへの入力電圧を示す図(H 2 部分入力)である。
【図18】図17に対する各関節角度の軌道(実線)と
目標軌道(点線)とを示す図である。
【図19】図17に対する各関節角度の軌道誤差を示す
図である。
【図20】図17に対するパラメータ推定結果を示す図
である。
【図21】適応的ロバスト制御装置が発生するアクチュ
エータへの入力電圧を示す図(H*∞部分入力)であ
る。
【図22】図21に対する各関節角度の軌道(実線)と
目標軌道(点線)とを示す図である。
【図23】図21に対する各関節角度の軌道誤差を示す
図である。
【図24】図21に対するパラメータ推定結果を示す図
である。
【図25】適応制御装置の従来例の構成ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 パラメータ推定手段 2 適応的線形化入力生成手段 3 ロバスト化部分入力生成手段 10 ロボット 11 ロバスト化補償器 12 適応的線形化補償器 13 線形化されたシステム 15 軌道誤差演算部 16 パラメータ推定値更新部 17 適応的線形化入力生成部 18 ロバスト化部分入力生成部 19 加算器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動特性を特徴づけるシステムの物理パラ
    メータが未知であり、かつランダムな外乱が加わる条件
    下におかれたシステムに目標軌道を追従させるための制
    御装置であって、 前記システムの物理パラメータの推定を行うパラメータ
    推定手段と、 該パラメータ推定手段の推定結果に基づいて、システム
    に対して適応的線形化補償を行うための部分入力を生成
    する適応的線形化入力生成手段と、 該適応的線形化入力生成手段によって線形化されるシス
    テムのロバスト性を向上させるための部分入力を生成す
    るロバスト化部分入力生成手段とを備えたことを特徴と
    する適応的ロバスト制御装置。
  2. 【請求項2】 前記向上させるべきシステムのロバスト
    性の仕様が、システムのモデル化誤差の影響の低減と、
    ランダムな外乱の影響の最小化とであることを特徴とす
    る請求項1記載の適応的ロバスト制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ロバスト性の仕様を実現するため
    に、前記ロバスト化部分入力生成手段が 外1 (以
    下、H2 /H*∞で表現する)混合制御理論に基 【外1】 づいて前記部分入力を生成することを特徴とする請求項
    2記載の適応的ロバスト制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロバスト化部分入力生成手段が前記
    2 /H*∞混合制御理論における連立行列方程式の数
    値解を近似的に求める連立行列方程式求解手段を更に備
    えることを特徴とする請求項3記載の適応的ロバスト制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記向上させるべきシステムのロバスト
    性の仕様が、システムのモデル化誤差の影響の低減であ
    ることを特徴とする請求項1記載の適応的ロバスト制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ロバスト性の仕様を実現するため
    に、前記ロバスト化部分入力生成手段がH*∞制御理論
    に基づいて前記部分入力を生成することを特徴とする請
    求項5記載の適応的ロバスト制御装置。
  7. 【請求項7】 前記向上させるべきシステムのロバスト
    性の仕様が、ランダムな外乱の影響の最小化であること
    を特徴とする請求項1記載の適応的ロバスト制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ロバスト性の仕様を実現するため
    に、前記ロバスト化部分入力生成手段がH2 制御理論に
    基づいて前記部分入力を生成することを特徴とする請求
    項7記載の適応的ロバスト制御装置。
  9. 【請求項9】 動特性を特徴づけるシステムの物理パラ
    メータが未知であり、かつランダムな外乱が加わる条件
    下におかれたシステムに目標軌道を追従させるための制
    御装置であって、 前記システムの目標軌道と実際の軌道とに基づいて、ロ
    バスト化補償のための出力を与えるロバスト化補償器
    と、 該システムの目標軌道と実際の軌道、およびロバスト化
    補償器の出力に基づいて、システムに対する適応的線形
    化補償を行う適応的線形化補償器とを備えることを特徴
    とする適応的ロバスト制御装置。
  10. 【請求項10】 前記適応的線形化補償器が、 前記システムの目標軌道と実際の軌道とに基づいて、軌
    道誤差を求める軌道誤差演算部と、 該軌道誤差演算部の出力に基づいて、システムの物理パ
    ラメータの推定値を更新するパラメータ推定値更新部
    と、 該パラメータ推定値更新部および前記ロバスト化補償器
    の出力と、システムの実際の軌道とに基づいて、システ
    ムに対するロバスト化部分入力を生成するロバスト化部
    分入力生成部と、 該パラメータ推定値更新部および軌道誤差演算部の出力
    と、システムの実際の軌道とに基づいて、システムに対
    する適応的線形化部分入力を生成する適応的線形化入力
    生成部と、 該ロバスト化部分入力生成部と適応的線形化入力生成部
    との出力を加算して、システムに対する入力として出力
    する加算器とを備えることを特徴とする請求項9記載の
    適応的ロバスト制御装置。
  11. 【請求項11】 動特性を特徴づけるシステムの物理パ
    ラメータが未知であり、かつランダムな外乱が加わる条
    件下におかれたシステムに目標軌道を追従させるための
    適応的ロバスト制御装置における制御処理方法であっ
    て、 ユーザの指定に従ってシステムの目標軌道を決定する目
    標軌道生成処理と、ユーザの指定に従って制御仕様を決
    定する制御仕様決定処理と、該制御仕様決定処理の結果
    に基づいてロバスト化補償器を設計するロバスト化補償
    器の設計処理とからなるオフライン処理と、 該オフライン処理の結果に基づいて、システムの実際の
    制御を行うためのオンライン処理とを含むことを特徴と
    する適応的ロバスト制御装置における制御処理方法。
  12. 【請求項12】 前記オンライン処理が、 前記目標軌道生成処理の結果とシステムの実際の軌道と
    に基づいて、システムの物理パラメータを推定するパラ
    メータ推定処理と、 前記目的軌道生成処理およびロバスト化補償器の設計処
    理の結果と、システムの実際の軌道とに基づいて、ロバ
    スト化補償のための補償成分を生成するロバスト化補償
    処理と、 該パラメータ推定処理の結果とシステムの実際の軌道と
    に基づいて、適応的ゲインを更新する適応的ゲイン更新
    処理と、 該パラメータ推定処理の結果とシステムの実際の軌道と
    に基づいて、システムの適応的線形化のための部分入力
    を生成する適応的線形化入力生成処理と、 該ロバスト化補償処理および適応的ゲイン更新処理の結
    果に基づいて、システムのロバスト化のための部分入力
    を生成するロバスト化部分入力生成処理と、 該適応的線形化入力生成処理の結果とロバスト化部分入
    力生成処理の結果とを加算して、ロボットアクチュエー
    タに対する入力電圧を生成する入力電圧生成処理と、 システムの実際の軌道を出力する軌道出力処理とを含む
    ことを特徴とする請求項11記載の適応的ロバスト制御
    装置における制御処理方法。
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