JPWO2019004476A1 - 制御装置及び制御装置の設計方法 - Google Patents

制御装置及び制御装置の設計方法 Download PDF

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Abstract

出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列、ノミナルプラントモデルGn(s)を表現する状態方程式の係数行列、外乱wを表現する状態方程式の係数行列、及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列に基づいて、拡大系プラントP(s)とロバスト外乱フィードバック制御器L(s)とからなる第1の閉ループシステムを表現する第1の状態方程式を設定し、第1の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、第1の線形行列不等式を満たすロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を求める。

Description

本発明は、制御装置及び制御装置の設計方法に関する。
制御装置として、例えば、目標値に対する追従性の向上を保証する出力フィードバック制御器の他に、外乱などにより出力フィードバック制御器の閉ループシステムが安定になることを保証するロバスト外乱フィードバック制御器を備えるものがある。例えば、特許文献1、非特許文献1、または、非特許文献2参照。
しかしながら、上記制御装置では、制御性能の向上と閉ループシステムの安定性の向上とがトレードオフの関係にあるため、閉ループシステムの安定性を向上させると、制御性能が低下してしまうという懸念がある。
また、制御性能や安定性を向上させるために既存制御を再設計し直すと、設計工数がかかり、その上、システムの特性が大きく変動するリスクもある。このため、既存制御の特性を活かしつつ、制御性能や安定性を向上する技術が望まれる。
なお、他の制御装置として、出力フィードバック制御器の出力値が飽和することにより制御性能が低下するワインドアップ現象の発生を抑制するためのアンチワインドアップ制御器を備えるものもある。例えば、特許文献2参照。
特許文献1では、動特性を特徴づけるシステムの物理パラメータが未知であり、かつランダムな外乱が加わる条件下におかれたシステムに目標軌道を追従させるための制御装置及び制御方法を提供している。しかしながら上記制御は、制御出力が飽和状態になっても、閉ループシステムの安定性を保証するアンチワインドアップ制御器を備えていない。このため、机上ではロバスト性が保証できても、実装上で安定性と制御性能を保証できないという問題がある。
実装上の問題に対しては、特許文献2では、ロバスト制御に外乱オブザーバを導入した制御方式に加え、制御入力が飽和した際、アンチワインドアップ制御モードに切り替わる機能を提供している。しかしながら、このアンチワインドアップ制御モードに切り替わる機能は、ルールベースによるロジック制御であるため、これによる制御方式切替によって、制御システム全体の安定性や制御性能を、制御理論的に保証できないという問題がある。
特開平10−133703号公報 特開2004−240516号公報
Kiyoshi OHISHI and Kouhei OHNISHI and Kunio MIYACHI, TORQUE - SPEED REGULATION OF DC MOTOR BASED ON LOAD TORQUE ESTIMATION METHOD, Proc. INTERNATIONAL POWER ELECTRONICS CONFERENCE (IPEC), TOKYO, Mar., pp. 1209-1218, (1983) Kawai, Fukiko and Nakazawa, Chikashi and Vinther, Kasper and Rasmussen, Henrik, and Andersen, Palle and Stoustrup, Jakob, An Industrial Model Based Disturbance Feedback Control Scheme, Proc. The 19th World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC 2014), Cape Town, August., pp. 804-809, (2014) Unggul Wasiwitono and Masami Saeki, Fixed-Order Output Feedback Control and Anti-Windup Compensation for Active Suspension Systems, Vol. 5, No. 2, pp. 264-278, Journal of System Design and Dynamics, (2011) Fukiko Kawai and Kasper Vinther and Palle Andersen and Jan Dimon Bendtsen, MIMO Robust Disturbance Feedback Control for Refrigeration Systems via an LMI Approach, The 20th World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC), Toulouse, Jul., (2017) Carsten Scherer, Pascal Gahinet and Mahmoud Chilali, Multiobjective Output-Feedback Control via LMI Optimization, Vol. 42, No. 7, pp. 896-91, Journal of IEEE Transactions on Automatic Control, (1997) Nobutaka Wada and Masami Saeki, Synthesis of a Static Anti-Windup Compensator via Linear Matrix Inequalities, the 3rd IFAC Symposium on Robust Control Design, in Prague, June, (2000) H.H. Rosenbrock, D.J. Bell, Ed., Multivariable circle criterion in recent Mathematical Development in Control, (1973) Stephen Boyd, Laurent El Ghaoui, E. Feron and V. Balakrishnan, Society for Industrial and Applied Mathematics (SIAM), Linear Matrix Inequalities in System and Control Theory, (1994) Izadi-Zamanabadi, Roozbeh and Vinther, Kasper and Mojallali, Hamed and Rasmussen, Henrik and Stoustrup, Jakob, Evaporator unit as a benchmark for plug and play and fault tolerant control, Proc. 8th IFAC Symposium on Fault Detection, Supervision and Safety of Technical Processes, Mexico City, Mexico, August, 2012, pp. 701-706 A. Syaichu-Rohman and R.H. Middleton, Anti-windup schemes for discrete time systems: an LMI-based design, Proc. 5th Asian Control Conference, Melbourne, July, 2004, pp. 554-561 Alan V. Oppenheim and Ronald W. Schafer, Englewood Cliffs, N.J. : Prentice Hall, Discrete-time signal processingl, (1989) Izadi-Zamanabadi, Roozbeh and Vinther, Kasper and Mojallali, Hamed and Rasmussen, Henrik and Stoustrup, Jakob, Evaporator unit as a benchmark for plug and play and fault tolerant control, Proc. 8th IFAC Symposium on Fault Detection, Supervision and Safety of Technical Processes, Mexico City, Mexico, August, 2012, pp. 701-706
本発明の一側面に係る目的は、制御装置において、制御性能を維持しつつ、閉ループシステムの安定性を向上させることである。
本発明に係る一つの形態である制御装置の制御パラメータ演算装置は、第1の操作量と第2の操作量との加算値が入力される制御対象の出力値が目標値に追従するように第1の操作量を出力する出力フィードバック制御器と、閉ループシステムの制御性能及び安定性が向上するように第2の操作量を出力するロバスト外乱フィードバック制御器とを備える。
また、制御パラメータ演算装置は、第1の拡大系プラントと、ロバスト外乱フィードバック制御器とからなる第1の閉ループシステムを表現する第1の状態方程式が第1の所定のパラメータに基づいて設定され、第1の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、第1の線形行列不等式を満たすロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列を求める。
本発明によれば、制御装置において、制御性能を維持しつつ、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
第1実施形態の制御装置の一例を示す図である。 出力フィードバック制御器、制御対象、ノミナルプラントモデル、重み関数、及びロバスト外乱フィードバック制御器のブロック線図である。 第1の拡大系プラント及びロバスト外乱フィードバック制御器からなる第1の閉ループシステムのブロック線図である。 第1実施形態の制御装置の設計方法を示すフローチャートである。 第2実施形態の制御装置の一例を示す図である。 出力フィードバック制御器、制御対象、ノミナルプラントモデル、重み関数、ロバスト外乱フィードバック制御器、並びに第1及び第2のアンチワインドアップ制御器のブロック線図である。 不感帯関数と、第2の拡大プラントからなる第2の閉ループシステムのブロック線図である。 第2実施形態の制御装置の設計方法を示すフローチャートである。 飽和関数を示す図である。 不感帯関数を示す図である。 出力フィードバック制御器、制御対象、ノミナルプラントモデル、重み関数、ロバスト外乱フィードバック制御器、並びに第1及び第2のアンチワインドアップ制御器のより詳細なブロック線図である。 第3実施形態の制御装置の設計方法を示すフローチャートである。 低次元化処理の前後の第2のロバスト外乱フィードバック制御器のボード線図である。 PI制御+ロバスト外乱フィードバック制御によるシミュレーション結果を示す図である。 PI制御のみによるシミュレーション結果を示す図である。 制御対象の出力値の絶対値誤差の概念図である。 第4実施形態の制御装置の一例を示す図である。 出力フィードバック制御器、制御対象、ノミナルプラントモデル、ロバスト外乱フィードバック制御器、並びに第1及び第2の離散型アンチワインドアップ制御器のブロック線図である。 第4実施形態の制御装置の設計方法を示すフローチャートである。 不感帯関数と、第3の拡大プラントからなる第3の閉ループシステムのブロック線図である。 第5実施形態の制御装置の設計方法を示すフローチャートである。 低次元化処理の前後のロバスト外乱フィードバック制御器のボード線図である。 PI制御+ロバスト外乱フィードバック制御によるシミュレーション結果を示す図である。 PI制御のみによるシミュレーション結果を示す図である。 制御装置または設計装置のハードウェア構成を示す図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の制御装置の一例を示す図である。
図1に示す制御装置1は、圧縮器2、凝縮器3、膨張弁4、及び蒸発器5により構成される冷凍システムにおいて、温度センサ6により検出される冷媒の過熱度Tsh(制御対象の出力値)が目標値Tshtに追従するように膨張弁4の開度(制御対象)を制御するとともに、圧力センサ7により検出される冷媒の吸入圧力P(制御対象の出力値)が目標値Petに追従するように圧縮器2のモータの回転速度(制御対象)を制御する。
制御装置1は、出力フィードバック制御器11と、ロバスト外乱フィードバック制御器12とを備える。
出力フィードバック制御器11は、例えば、PI(Proportional Integral)制御器またはPID(Proportional Integral Differential)制御器であって、過熱度Tshが目標値Tshtに追従するように第1の操作量ukaを出力するとともに、吸入圧力Pが目標値Petに追従するように第1の操作量ukbを出力する。
ロバスト外乱フィードバック制御部12は、膨張弁4と出力フィードバック制御器11とからなる閉ループシステムの制御性能及び安定性が向上するように第2の操作量ulaを出力するとともに、圧縮器2と出力フィードバック制御器11とからなる閉ループシステムの制御性能及び安定性が向上するように第2の操作量ulbを出力する。
膨張弁4は、第1の操作量ukaと第2の操作量ulaとの加算値に基づいて駆動される。
圧縮器2のモータは、第1の操作量ukbと第2の操作量ulbとの加算値に基づいて駆動される。
一般に、冷凍システムで設定されるモデルは、比較的遅い時定数とむだ時間(数十秒)という特徴をモデルが持つため、冷凍システムでは、モデル誤差が発生し易い。特に、過熱度Tshの制御を表現する制御装置1の設計が難しい。その理由としては、冷媒には蒸発器5内の気液二相に由来する非線形性があるからである。この非線形性は、モデルの不確かさとして表現することができる。また、実験結果により、支配的な不確かさは過熱度モデルのプラントゲインであることが明らかになっている(非特許文献4参照)。
図2は、図1に示す制御装置1の二入力二出力の閉ループシステムのブロック線図である。
出力フィードバック制御器K(s)は、出力フィードバック制御器11を表現する伝達関数であって、制御対象G(s)の出力値yと重み関数W(s)の出力値yとの加算値である出力値y(過熱度Tsh、吸入圧力P)と目標値r(目標値Tsht、目標値Pet)との差eが入力され、第1の操作量u(第1の操作量uka、第1の操作量ukb)を出力する。
重み関数W(s)は、外乱wが入力され、出力値yを出力する。
制御対象G(s)は、膨張弁4及び圧縮器2を表現する伝達関数であって、第1の操作量uと第2の操作量u(第2の操作量ula、第2の操作量ulb)との加算値uが入力され、出力値yを出力する。
ノミナルプラントモデルG(s)は、制御対象Gの出力値yのノミナル値(不確かさをもたない制御対象G(s)の出力値)を出力する伝達関数であって、第1の操作量uが入力され出力値yを出力する。
ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、ロバスト外乱フィードバック制御器12を表現する伝達関数であって、出力値yと出力値yとの差εが入力され第2の操作量uを出力する。なお、「ε」は、下記記号1と同じものとする。
図3は、第1の拡大系プラントP(s)及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)からなる第1の閉ループシステムのブロック線図である。
第1の拡大系プラントP(s)は、出力フィードバック制御器K(s)、重み関数W(s)、制御対象G(s)、及びノミナルプラントモデルG(s)を含む。なお、出力フィードバック制御器K(s)、重み関数W(s)、制御対象G(s)、及びノミナルプラントモデルG(s)をそれぞれ線形要素とする。
第1の閉ループシステムにおけるロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、出力値yと出力値yとの差εが入力され第2の操作量uを出力する。
なお、出力値yと出力値yとの差εは、外乱wや制御対象G(s)の不確かさが存在する場合、信号が発生するものとする。
図4は、第1実施形態の制御装置1の設計方法の一例を示すフローチャートである。
まず、制御装置1を設計する設計装置は、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列を設定する(S11)。
制御対象G(s)の状態方程式を下記式1とする。
また、ノミナルプラントモデルG(s)の状態方程式を下記式2とする。
また、A、B、Cを下記式3及び下記式4とする。
なお、上記式4において、δ=(δa,i,・・・,δa,p)、δb=(δb,i,・・・,δb,q)、δc=(δc,i,・・・,δc,r)は、与えられたダイナミクスにおける全ての不確かさ量の組合せを表現する未知ベクトルとする。また、A、B、Cは制御対象G(s)の不確かさとする。また、p、q、rは、任意の値とする。dは外乱信号である。
すなわち、設計装置は、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列として、A、B、C、A、B、及びCを設定する。なお、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列は、ユーザにより設定されてもよい。
次に、設計装置は、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列を設定する(S12)。
出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式を下記式5とする。
なお、A、B、C、Dを下記式6とする。
すなわち、設計装置は、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列として、A、B、C、及びDを設定する。なお、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列は、ユーザにより設定されてもよい。
次に、設計装置は、重み関数W(s)を表現する状態方程式の係数行列を設定する(S13)。
重み関数W(s)の状態方程式を下記式7とする。
なお、A、B、C、Dを下記式8とする。
すなわち、設計装置は、重み関数W(s)を表現する状態方程式の係数行列として、A、B、C、及びDを設定する。なお、重み関数W(s)を表現する状態方程式の係数行列は、ユーザにより設定されてもよい。
次に、設計装置は、第1の拡大系プラントP(s)及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)からなる第1の閉ループシステムにおけるロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の設計を最適化するための演算処理を行う(S14)。
例えば、二つの制約条件を線形行列不等式(LMI: Linear Matrix Inequality)による制御設計に導入する。ここでは、有界実補題(Bounded Real Lemma)と領域的極配置(Regional Pole Placement)の二つの制約条件を導入する(非特許文献5参照)。制御対象G(s)のHノルムが1未満であるとき、制御対象G(s)は有界実である。すなわち、有界実補題は、ロバスト性能(robust performance)を保証する。また、領域的極配置は、制御性能(極の領域)を特定するために導入する。ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、出力フィードバック制御に属する。このため、線形行列不等式による最適問題を定式化するために線形変数変換(linearizing change of variable)を実施する。
第1の外乱フィードバック制御器L(s)の状態方程式を下記式9とする。
なお、A、B、C、Dを下記式10とする。
また、第1の拡大系プラントP(s)及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)からなる第1の閉ループシステムの状態方程式を下記式11とする。
なお、x、A、BPW、B、C、C、D、DPWを下記式12とする。
ここで、ρとρは、微小な値であり、Iは単位行列である。ρとρについては、もし、DとDpwがゼロ行列である場合、フルランクを維持して数値計算上の問題を避けるために導入されている。すなわち、DとDpwをフルランクにする必要があるため微小な値(ρ、ρ)が導入されている。
このとき、zは、εとDを制御性能として定め、下記式13のとおり其々を独立させたベクトルで定義する。なお、「ε」は、下記記号2と同じものとする。
ここで、下記式14とする。εは、外乱のDw(ダイレクトスルー)を除いたベクトルである。
このような条件の基で、外乱w-が入力され性能評価出力z-を出力する第1の閉ループシステムの伝達関数T(s)を表現する第1の状態方程式を下記式15に示すように設定する。
なお、下記式16に示すように定義する。
また、上記式14に示す第1の状態方程式の係数行列を用いて制御性能や安定性を保証する制約条件を第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化する(式17)。
なお、下記式18のように定義される。
ここで、下記式19に示すNとRcを、第1の閉ループシステムを表現する伝達関数T(s)の入力・出力チャネルとする。
次に、設計装置は、上記式17に示す第1の線形行列不等式を満たす解があるか否かを判断する(S15)。
設計装置は、上記式17に示す第1の線形行列不等式を満たす解がないと判断すると(S15:No)、再度、重み関数W(s)を表現する状態方程式の係数行列を設定した後(S13)、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を設計するための最適化問題の演算処理を行い(S14)、上記式17に示す第1の線形行列不等式を満たす解があるか否かを判断する(S15)。
一方、設計装置は、上記式17に示す第1の線形行列不等式を満たす解があると判断すると(S15:Yes)、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を低次元化し(S16)、制御装置1を設計する。なお、設計装置は、上記式17に示す第1の線形行列不等式を満たす解があると判断すると(S15:Yes)、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を低次元化せずに、制御装置1を設計するように構成してもよい。
すなわち、設計装置は、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、ノミナルプラントモデルG(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、及び外乱wを表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)に基づいて、第1の拡大系プラントP(s)とロバスト外乱フィードバック制御器L(s)とからなる第1の閉ループシステムを表現する第1の状態方程式を設定し、第1の状態方程式を第1の線形行列不等式に変換し、第1の線形行列不等式を満たす解があるまで、外乱wを表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)を調整する。
そして、設計装置は、S12において設定される出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列と、S16において設定される外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列とにより、制御装置1を設計する。
言い換えると、制御装置1の制御パラメータ演算装置は、第1の拡大系プラントP(s)とロバスト外乱フィードバック制御器L(s)とからなる第1の閉ループシステムを表現する第1の状態方程式を第1の所定のパラメータに基づいて設定する。そして、制御装置の制御パラメータ演算装置は、第1の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、第1の線形行列不等式を満たすロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を求める。
第1の所定のパラメータは、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、制御対象G(s)の出力値のノミナル値を出力するノミナルプラントモデルG(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、外乱wへの重み関数を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)、及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列である。
第1の拡大系プラントP(s)は、出力フィードバック制御器K(s)と、制御対象G(s)と、ノミナルプラントモデルG(s)と、重み関数とを含む。
ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、制御対象G(s)の出力値とノミナル値との差が入力される。
このように設計された制御装置1によれば、外乱wや制御対象G(s)(圧縮器2、膨張弁4)の不確かさに対してロバスト性を向上させることができるため、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
また、出力フィードバック制御器K(s)を第1の拡大系プラントP(s)の一部として扱うため、出力フィードバック制御器11の構造や出力フィードバック制御器11を表現する伝達関数のプラントパラメータを維持させることができる。このため、従来のロバスト制御の弱点である保守性、つまり不確かさを含む閉ループシステムの安定性を向上させるために出力フィードバック制御装置11は保守的に設計され、その結果、制御性能が低下してしまうという問題を解決できる。
すなわち、第1の実施形態の制御装置1によれば、既存制御構造を活かすことができるため、設計の負担を軽減しつつ、閉ループシステムの制御性能および安定性を向上させることができる。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態の制御装置の一例を示す図である。なお、図5において、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
図5に示す制御装置1において、図1に示す制御装置1と異なる点は、出力フィードバック制御器11に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第1のアンチワインドアップ制御器13と、ロバスト外乱フィードバック制御器12に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第2のアンチワインドアップ制御器14とを備えている点である。
例えば、PID制御器の上下限値に達した状態(飽和)で、操作量と目標値の誤差があった場合、PID制御のI項目(積分器)は、その誤差を加算していく(積分器)。そのため、PID制御器の制御出力は飽和していても、計算上の積分器の出力が増える。飽和による制御の劣化(オーバーシュート等)を、ワインドアップ現象と呼ぶ。
図6は、図5に示す制御装置1の二入力二出力の閉ループシステムが伝達関数で表現される場合のブロック線図である。なお、図6において、図2に示す構成と同じ構成の説明は省略する。
飽和関数Φ(u)は、出力フィードバック制御器K(s)の出力値と、アンチワインドアップ制御器Λk2の出力値との加算値である操作量u が入力され、第1の操作量u(第1の操作量uka、第1の操作量ukb)を出力する。なお、「u 」は、下記記号3と同じものとする。
飽和関数Φ(u)は、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の出力値と、アンチワインドアップ制御器Λl2の出力値との加算値である操作量u が入力され、第2の操作量u(第2の操作量ula、第2の操作量ulb)を出力する。なお、「u 」は、下記記号4と同じものとする。
アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2は、操作量u と第1の操作量uとの差が入力される。
アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2は、操作量u と第2の操作量ulとの差が入力される。
図7は、不感帯関数Ψ(u)及び第2の拡大系プラントTu〜dからなる第2の閉ループシステム(連続システム)のブロック線図である。なお、「Ψ(u)」は、下記記号5と同じものとし、「Tu〜d」は、下記記号6と同じものとする。
第2の拡大系プラントTu〜dは、出力フィードバック制御器K(s)と、制御対象G(s)と、ノミナルプラントモデルG(s)と、第1の拡大系プラントP(s)において設計されたロバスト外乱フィードバック制御器L(s)と、出力フィードバック制御器K(s)のためのアンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2と、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)のためのアンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2とを含む。
また、出力フィードバック制御器K(s)は、図1の出力フィードバック制御器11に対応し、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、図1のロバスト外乱フィードバック制御器12に対応し、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2は、図1の第1のアンチワインドアップ制御器13に対応し、アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2は、図1の第2のアンチワインドアップ制御器14を表現する。
図8は、第2実施形態の制御装置1の設計方法の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すS11〜S16は、図4に示すS11〜S16と同様であるため、その説明を省略する。また、第2実施形態では、不感帯特性を示す不感帯関数Ψ(u)を用いて、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計するものとする(非特許文献3参照)。
設計装置は、制御対象G(s)(圧縮器2、膨張弁4)の上下限制約条件、セクターパラメータκ ̄を設定する(S17)。なお、「κ ̄」は、下記記号7と同じものとする。また、制御対象G(s)の上下限制約条件、セクターパラメータκ ̄は、ユーザにより設定されてもよい。
図7に示す第2の閉ループシステムの非線形性は、制御対象G(s)の上下限制約条件(最大値及び最小値)によって導入される。
図9は、制御対象G(s)の入力飽和を示す飽和関数Φ(u)を示す図である。なお、「Φ(u)」は、下記記号8と同じものとする。
図9に示す飽和関数Φ(u)(実線)のように、設計装置により計算される操作量u は、実際の操作量uの最大値及び最小値で頭打ちとなる。
図10は不感帯関数Ψ(u)を示す図である。
図10に示す不感帯関数Ψ(u)(実線)のように、実際の操作量Ψ(u )は、−u <設計装置により計算される操作量u〜<u において、ゼロになる。なお、「Ψ(u )」は、下記記号9と同じものとし、「−u 」は、下記記号10と同じものとし、「u 」は、下記記号11と同じものとする。
また、図10に示すセクターパラメータκ ̄∈[0,1]は、不感帯関数Ψ(u)の非線形要素を線形要素とみなすセクター領域(セクター非線形要素)(斜線部分)を設定するための一次関数(破線)の傾きである(非特許文献6参照)。すなわち、不感帯関数Ψ(u)はセクター非線形要素を含むものとする。
不感帯関数Ψ(u )、Ψ(u )を下記式20とする。なお、u は、飽和関数Φ(u )を通る前の操作量とし、u は、飽和関数Φ(u)を通る前の操作量とする。
次に、設計装置は、不感帯関数Ψ(u)及び第2の拡大系プラントTu〜dからなる第2の閉ループシステムの安定性と制御性能を保証する、アンチワインドアップ制御器を設計するための最適化問題の演算処理を行う(S18)。
アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2の状態方程式を下記式21とする。図11に示すA、B、C、Dは、出力フィードバック制御器K(s)の状態方程式の係数行列(A、B、C、D)を示している。
アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2の状態方程式を下記式22とする。図11に示すブロック線図のA、B、C、Dは、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の状態方程式の係数行列(A、B、C、D)を示している。
ここで、上記式20及び上記式21の最後の項(u−u )及び(u−ul )を外乱d(不感帯関数Ψ(u))と仮定して、内部安定性を考慮する。
図7に示す不感帯関数Ψ(u)及び第2の拡大系プラントTu〜dからなる第2の閉ループシステムを表現する第2の状態方程式を下記式23に示すように設定する。なお、添え字δは、不確かさ(δ,δ,δ)∈[−1,1]p+q+rにおける各端点分の数の線形行列不等式を意味しており、その端点全ての線形行列不等式(式17)を満たす、ただ一つの共通する行列P^を求める最適化問題である。
なお、下記式24のように定義する。
ここで、正実補題(positive-real lemma)について考える(非特許文献8参照)。この補題は、第2の状態方程式から第2の線形行列不等式への変換のために周波数領域に変換した条件を導出する。
(正実補題)伝達関数G(s):=C(sI−A)−1B+Dは、正実である。つまり下記式25になる。
もし、下記式26に示す線形行列不等式を満たす解Pがある場合、線形システムG(jω)は正実である。
この正実性(positive real)は、消散性(passivity)と等価である。そして、もし線形システムG(jω)が消散性を持つ場合のみ、この線形行列不等式は実行可能解をもつ(passive)。
次に、円板定理(非特許文献7参照)を上記式25に適用すると下記式27を得る。
ここで、上記式27における、不感帯関数Ψ(u)及び第2の拡大系プラントTu〜dついて考える。下記式28に示す第2の拡大系プラントTu〜dの安定条件は、下記式29によって得られる。
もし、下記式30に示す第2の線形行列不等式を満たす解Pがある場合、第2の拡大系プラントTu〜dは安定(正実)である。なお、「P」は、下記記号12と同じものとする。
次に、設計装置は、上記式30に示す第2の線形行列不等式を満たす解Pがあるか否かを判断する(S19)。
設計装置は、上記式30に示す第2の線形行列不等式を満たす解Pがないと判断すると(S19:No)、再度、制御対象G(s)の上下限制約条件、セクターパラメータκ ̄を設定する(S17)。
その後、設計装置は、不感帯関数Ψ(u)及び第2の拡大プラントTu〜dからなる第2の閉ループシステムの安定性と制御性能を保証するアンチワインドアップ制御器を設計するための最適化問題の演算処理を行い(S18)、上記式30に示す第2の線形行列不等式を満たす解Pがあるか否かを判断する(S19)。
一方、設計装置は、上記式30に示す第2の線形行列不等式を満たす解Pがあると判断すると(S19:Yes)、S12において設定される出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列と、S16において設定される外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列と、S18において設定されるアンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2により、制御装置1を設計する。
すなわち、設計装置は、セクターパラメータκ ̄により求められる不感帯関数Ψ(u)、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、ノミナルプラントモデルG(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)に基づいて、第2の拡大系プラントTu〜dを表現する第2の状態方程式を設定し、第2の状態方程式を第2の線形行列不等式に変換し、第2の線形行列不等式を満たす解Pがあるまで、セクターパラメータκ ̄を調整する。
言い換えると、制御装置1の制御パラメータ演算装置は、第2の拡大系プラントTu〜dと不感帯関数Ψ(u)とからなる第2の閉ループシステムを表現する第2の状態方程式を第2の所定のパラメータに基づいて設定する。そして、制御装置1の制御パラメータ演算装置は、第2の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第2の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、第2の線形行列不等式を満たすアンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2の制御パラメータを求める。
第2の所定のパラメータは、第1の所定のパラメータとセクターパラメータκ ̄により求められる不感帯関数Ψ(u)とロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)である。
第2の拡大系プラントTu〜dは、出力フィードバック制御器K(s)と、制御対象G(s)と、ノミナルプラントモデルG(s)と、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)と、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2とを含む。
このように設計された制御装置1によれば、外乱wや制御対象G(s)(圧縮器2、膨張弁4)の不確かさに対してロバスト性を向上させることができるため、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
また、出力フィードバック制御器K(s)を第1の拡大系プラントP(s)の一部として扱うため、出力フィードバック制御器11の構造や出力フィードバック制御器11を表現する伝達関数のプラントパラメータを維持させることができる。このため、従来のロバスト制御の弱点である保守性、つまり、不確かさを含む閉ループシステムの安定性を向上させるために、出力フィードバック制御装置11は保守的に設計され、その結果、制御性能が低下してしまうという問題を解決することができる。
また、制御装置1にアンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を備えているため、出力フィードバック制御器K(s)やロバスト外乱フィードバック制御器L(s)に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防止することができる。
すなわち、本実施形態の制御装置1によれば、第1実施形態の効果である既存制御の特長を活かしつつ、さらに、制御出力が飽和しても積分要素を含む制御器のワインドアップ現象を防ぎ、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態における制御装置1の設計方法の一例を示すフローチャートである。なお、図12に示すS11〜S19は、図8に示すS11〜S19と同様であるため、その説明を省略する。また、第3実施形態における制御装置1は、図5に示す制御装置1と同様である。
図12に示すフローチャートにおいて、図8に示すフローチャートと異なる点は、設計装置が、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を低次元化した後(S16)、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計するか否かを判断する(S17α)点である。
設計装置は、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計すると判断した場合(S17α:Yes)、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2の設計処理を行った後(S17〜S19)、制御装置1を設計し、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計しないと判断した場合(S17α:No)、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2の設計処理を行わずに、制御装置1を設計する。
第3実施形態によれば、第2実施形態に比べて、制御装置1の設計方法の自由度を向上させることができる。また実装先の制御システムを第1実施形態から第2実施形態へ、或いはその逆の形態に変更したい場合、第3実施形態は両方の実施形態を実現可能であるため、変更に必要なコストがかからないメリットもある。
<第1実施形態〜第3実施形態に対応する実施例>
図1または図5に示す膨張弁4に対応する伝達関数(モデル)や圧縮器2に対応する伝達関数(モデル)は、一次遅れ+むだ時間で記載することができる(非特許文献9参照)。そして、これらの伝達関数は、異なる運転条件においてステップ応答試験により得られる。
例えば、膨張弁4に入力される操作量をu、過熱度Tshをy、圧縮器2に入力される操作量をu、吸入圧力Pをy、サブシステムをg11、g12、g21、g22とするときの不確かさを含む制御対象gを下記式31及び式32とする。なお、kをゲイン、τを時定数、θをむだ時間とする。また、「g」は、下記記号13と同じものとする。
次に、下記式33及び式34に示すノミナルモデルG(t)はサブシステムgijの平均値により求める。
ここで、より簡略な制御設計のために、むだ時間を一次遅れ系に近似する。さらに簡略な設計にするために、制御対象Gの一部のゲインパラメータを不確かさを含むゲインパラメータk11に設定し、モデルの残りのゲインパラメータをノミナルプラントモデルのゲインパラメータk12、k21、k22に設定する。ゲインパラメータk11は、過熱度Tshに対応し、最も支配的な不確かさ)を示すものとする。
従って、サブシステムg11を、下記式35のように近似する。なお、「g11」は、下記記号14と同じものとする。
また、残りのサブシステムgijを、下記式36とする。なお、「gij」は、下記記号15と同じものとする。
そして、出力フィードバック制御器K(s)と重み関数W(s)を、例えば、下記表1及び下記表2に基づいて設計する。
次に、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を設計する。
最適計算の結果、次元がフルオーダー(dim(A)=2(n+m),n=8,m=2)のロバスト外乱フィードバックL(s)のH性能の値として、γ=0.8255を得たものとする。なお、出力フィードバック制御器K(s)、制御対象G(s)、ノミナルプラントモデルG(s)、及び重み関数W(s)を含む拡大系プラントP(s)の次元がフルオーダーとなる。産業界のシステムに適用させるためには、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の低次元化が必要である。そこで、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の低次元化を行う。例えば、二次遅れ系のロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式に低次元化する。
なお、低次元化後のロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の行列係数(A、B、C、D)を下記式37とする。
二次遅れ系のロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、元の(フルオーダーの)ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の主な特徴を維持するものとする(図13参照)。
次に、アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計する。なお、セクターパラメータκ ̄を0.9Iとする。Iは単位行列である。
計算の結果、Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を下記式38とする。
出力フィードバック制御器+ロバスト外乱フィードバック制御器の有り無し、さらに第1及び第2のアンチワインドアップ制御器の有り無しの条件において、ステップ応答と外乱応答のシミュレーションを下記表3に示すシミュレーション条件の下で実施した(図14及び図15参照)。サブシステムg11の3つのケース(case1:kmin=-10.0,case2:kmax=-9.0,case3:k=-9.5)をシミュレートした。
下記表4に、其々の設計手法の評価結果を示す。5つの設計手法を評価対象とし、6つの項目について評価した。なお、評価項目1、2は、制御対象G(s)の不確かさに対する制御装置1a、1bのロバスト性を評価する値であり、例えば、制御対象G(s)の出力値yの絶対値誤差|ycasei(t)−ycasei(t)|の最大値とする(図16参照)。なお、i=1,2,3,t=[0,T]とする。また、評価項目1、2は、それぞれ、値が小さい程、ロバスト性が高いものとする。加えて、評価項目3、4はIntegral Absolute Error (IAE) の平均値を其々のケースで計算する。さらに、評価項目5は、uの上下限制約に逸脱の有無を確認する。さらに、評価項目6は、目標値rへ追従しているか否かを確認する。設計番号1:PI + robust DFC with anti-windup controller は、全ての評価項目について最良値(最小値)を得た。一方で設計番号2:PI + robust DFC without anti-windup は、積分項のワインドアップ減少により評価項目の制御性能が劣化した(図14参照)。設計番号3、4、5は、評価項目5と6をクリアできていない。設計番号3と5は出力値yが目標値rに追従できているものの、制御出力uの制約を逸脱している。一方、設計番号4は、制御出力uが飽和しているため出力値yが目標値rに追従できなかった(図15参照)。従って、設計番号3、4、5は実際のシステムで機能しないことが確認できる。
すなわち、第1の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合では、下記表4に示すように、評価項目1が0.1677となり、評価項目2が0.0201となり、出力値yが目標値rに追従した。
第2の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合では、評価項目1が0.1677となり、評価項目2が0.0193となり、出力値yが目標値rに追従した。
出力フィードバック制御器11のみを備える制御装置1を設計した場合では、評価項目1が0.5455となり、評価項目2が0.0172となったが、操作量uが飽和し、出力値yが目標値rに追従しなかった。
このように、第1の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合や第2の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合は、出力フィードバック制御器11のみを備える制御装置1を設計した場合に比べて、制御性能を維持しつつ、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合は、第2の実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合に比べて、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
<第4実施形態>
図17は、第4実施形態の制御装置の一例を示す図である。なお、図17において、図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
図17に示す制御装置1において、図5に示す制御装置1と異なる点は、第1のアンチワインドアップ制御器13の代わりに第1の離散型アンチワインドアップ制御器15を備えているとともに、第2のアンチワインドアップ制御器14の代わりに第2の離散型アンチワインドアップ制御器16を備えている点である。
また、図17に示す制御装置1において、図5に示す制御装置1と異なる点は、出力フィードバック制御器11の代わりに離散型出力フィードバック制御器11´を備えているとともに、ロバスト外乱フィードバック制御器12の代わりに離散型ロバスト外乱フィードバック制御器12´を備えている点である。
図18は、図17に示す制御装置1の二入力二出力の閉ループシステムが伝達関数で表現される場合のブロック線図である。なお、図18において、図11に示す構成と同じ構成の説明は省略する。
出力フィードバック制御器K(s)は、図17の離散型出力フィードバック制御器11´に対応する。
ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、図17の離散型ロバスト外乱フィードバック制御器12´に対応する。
離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2及び第1の1サンプリング遅延器z−1は、図1の第1の離散型アンチワインドアップ制御器15に対応する。なお、第1の1サンプリング遅延器z−1は、離散化による代数ループの問題を回避するため、離散型アンチワインドアップ制御器Λk2の出力値を1サンプリング分遅延させる。
離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2及び第2の1サンプリング遅延器z−1は、図17の第2の離散型アンチワインドアップ制御器16に対応する。なお、第2の1サンプリング遅延器z−1は、離散化による代数ループの問題を回避するため、離散型アンチワインドアップ制御器Λl2の出力値を1サンプリング分遅延させる。
飽和関数Φk(u)は、出力フィードバック制御器K(s)の出力値と、第1の1サンプリング遅延器z−1の出力値との加算値である操作量u が入力され、第1の操作量uk(第1の操作量uka、第1の操作量ukb)を出力する。
飽和関数Φl(u)は、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の出力値と、第2の1サンプリング遅延器z−1の出力値との加算値である操作量u が入力され、第2の操作量u(第2の操作量ula、第2の操作量ulb)を出力する。
離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2は、操作量u と第1の操作量uとの差vが入力される。
離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2は、操作量u と第2の操作量ulとの差vが入力される。
図19は、第4実施形態の制御装置1の設計方法の一例を示すフローチャートである。なお、図19に示すS11〜S16は、図8に示すS11〜S16と同様であるため、その説明を省略する。
設計装置は、システム全体を離散化する(S21)。
離散化アンチワインドアップ制御設計は、A. Syaichu-RohmanとR.H. Middletonらによって提案され、その設計方法は一自由度制御向けに作成されている(非特許文献10参照)。第4実施形態におけるシステムは、二自由度制御に分類される。従って、A. Syaichu-RohmanとR.H. Middletonらによって提案される離散化アンチワインドアップ制御設計を二自由度型に再設計する。
はじめに、図11に示す連続システム(制御対象G(s)、ノミナルプラントモデルG(s)、重み関数W(s)、外乱フィードバック制御器L(s))の離散化を、bilinear method に基づき実施する(非特許文献11参照)。
例えば、一般的な連続システムをHc(s)と定義し、離散化システムをH(z)と定義した場合、bilinear method によるsからzへの変換を下記式39のように記述する。
つまり、下記式40となる。
なお、Tはサンプリング周期とする。また、tはサンプリング離散時間とする。
上記bilinear method によるsからzへの変換方法を用いて、図11に示す連続システムを表現する上記式1、式2、式4、式5、式7、及び式9を、図18に示す離散システムを表現する後述の式45、式46、式47、式48に変換することができる。
図18に示される離散システムにおいて、ベクトルv(t)、不感帯関数Ψ(u(t))、飽和関数Φ(u(t))を下記式41〜式44のように記述する。
ここで、uは飽和関数の入力(制御出力)であり、Φ:R→Rは飽和関数であり、Ψ:R→Rは不感帯関数であり、Iは単位行列である。なお、飽和関数Φは図9に示し、不感帯関数Ψは図10に示す。また、「R」は、下記記号16と同じものとする。
また、図18に示す離散システムにおいて、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2を含む出力フィードバック制御器K(s)の差分方程式を下記式45のように記述する。
また、図18に示す離散システムにおいて、離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2の差分方程式を下記式46のように記述する。
そして、上記式45の(u (t)−u(t))と上記式46の(u (t)−u(t))を外乱v(t)(ベクトルv(t))とみなし、上記式41〜式46をまとめると、下記式47が得られる。すなわち、図20に示す不感帯関数Ψ(u(t))及び第3の拡大系プラントTu〜dからなる第3の閉ループシステム(離散システム)を表現する差分方程式を下記式47とする。
図20は、不感帯関数Ψ(u(t))及び第3の拡大系プラントTu〜dからなる第3の閉ループシステムのブロック線図である。
図20に示すシステムは、図18に示すシステムを簡略化したものである。
すなわち、第3の拡大系プラントTu〜dは、離散化された出力フィードバック制御器Kと、離散化された制御対象Gと、離散化されたノミナルプラントモデルGと、離散化されたロバスト外乱フィードバック制御器Lと、第1の1サンプリング遅延器z−1と、第2の1サンプリング遅延器z−1と、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2と、離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2とを含む。
なお、下記式48のように定義される。
次に、設計装置は、不感帯関数Ψ(u〜)及び第3の拡大系プラントTu〜dからなる第3の閉ループシステムの安定性と制御性能を保証する、アンチワインドアップ制御器を設計するための最適化問題の演算処理を行う(S22)。
A. Syaichu-RohmanとR.H. Middletonらにより提案された離散型アンチワインドアップ制御器を、上記式47及び式48を用いて第3の線形行列不等式を含む最適化問題を定式化すると、下記式49が得られる。
ここで、M>0∈R2m×2mは対角行列であり、V:=ΛM∈R2m×2mは任意の行列であり、γとηはスカラーである。なお、添え字δは、不確かさ(δ,δ,δ)∈[−1,1]p+q+rにおける各端点分の数の線形行列不等式を意味しており、その端点全ての線形行列不等式を満たす、ただ一つの共通する行列Qを求める最適化問題である。「R2m×2m」は、下記記号17と同じものとし、「Q」は、下記記号18と同じものとする。
次に、設計装置は、上記式47に示す第3の線形行列不等式を満たす解Qがあるか否かを判断する(S23)。
設計装置は、上記式47に示す第3の線形行列不等式を満たす解Qがないと判断すると(S23:No)、再度システム全体を離散化し(S21)、アンチワインドアップ制御器を求めるための最適化問題の演算処理を行い(S22)、第3の線形行列不等式を満たす解Qがあるか否かを判断する(S23)。
一方、設計装置は、第3の線形行列不等式を満たす解Qがあると判断すると(S23:Yes)、S12において設定される出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列と、S16において設定される外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列と、S21において設定される離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2及び離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2とにより、制御装置1を設計する。
すなわち、設計装置は、不感帯関数Ψ(u)、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、ノミナルプラントモデルG(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C)、及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列(A、B、C、D)に基づいて、第3の不感帯関数Ψ(u(t))及び第3のロバスト外乱フィードバック制御器Tu〜dからなる第3の閉ループシステムを表現する差分方程式を設定し、その差分方程式を第3の線形行列不等式に変換し、第3の線形行列不等式を満たす解Qを求める。
言い換えると、設計装置は、不感帯関数Ψ(u(t))、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列、制御対象G(s)を表現する状態方程式の係数行列、ノミナルプラントモデルG(s)を表現する状態方程式の係数行列、及びロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列に基づいて、第3の閉ループシステムを表現する差分方程式を設定する。また、設計装置は、その差分方程式第の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第3の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、第3線形行列不等式を満たす行列Q、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2及び離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2のパラメータを求める。
このように設計された制御装置1によれば、外乱wや制御対象G(s)(圧縮器2、膨張弁4)の不確かさに対してロバスト性を向上させることができるため、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
また、出力フィードバック制御器K(s)を第3の拡大系プラントTu〜dの一部として扱うため、離散型出力フィードバック制御器11´の構造や離散型出力フィードバック制御器11´を表現する伝達関数のプラントパラメータを維持させることができる。このため、従来のロバスト制御の弱点である保守性、つまり、不確かさを含む閉ループシステムの安定性を向上させるために、離散型出力フィードバック制御装置11´は保守的に設計され、その結果、制御性能が低下してしまうという問題を解決することができる。
また、制御装置1に離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2及び離散型アンチワインドアップ制御Λl1、Λl2を備えているため、出力フィードバック制御器K(s)やロバスト外乱フィードバック制御器L(s)に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防止することができる。
また、閉ループシステムを離散化した上で、第3の線形行列不等式を満たす第3の拡大系プラントTu〜dを表現する差分方程式の係数行列、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2及び離散型アンチワインドアップ制御器Λl1、Λl2のパラメータを求めているため、離散型の閉ループシステムに対して安定性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態の制御装置1によれば、第1実施形態の効果である既存制御の特長を活かしつつ、さらに、制御出力が飽和しても積分要素を含む制御器のワインドアップ現象を防ぎ、離散型の閉ループシステム、すなわち、実システムの安定性を向上させることができる。
<第5実施形態>
図21は、第5実施形態における制御装置1の設計方法の一例を示すフローチャートである。なお、図21に示すS11〜S16及びS21〜S23は、図19に示すS11〜S16及びS21〜S23と同様であるため、その説明を省略する。また、第5実施形態における制御装置1は、図17に示す第4実施形態における制御装置1と同様である。
図21に示すフローチャートにおいて、図19に示すフローチャートと異なる点は、設計装置が、ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の係数行列を低次元化した後(S16)、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計するか否かを判断する(S17β)点である。
設計装置は、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計すると判断した場合(S17β:Yes)、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2の設計処理を行った後(S21〜S23)、制御装置1を設計し、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を設計しないと判断した場合(S17β:No)、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2の設計処理を行わずに、制御装置1を設計する。
第5実施形態によれば、第4実施形態に比べて、制御装置1の設計方法の自由度を向上させることができる。また実装先の制御システムを第1実施形態から第4実施形態へ、或いはその逆の形態に変更したい場合、第5実施形態は両方の実施形態を実現可能であるため、変更に必要なコストがかからないメリットもある。
<第4実施形態及び第5実施形態に対応する実施例>
第4実施形態及び第5実施形態に対応する実施例は、上記表1及び上記表2に基づいて、出力フィードバック制御器K(s)と重み関数W(s)を設計するところまでは、第1〜第3実施形態に対応する実施例と同様であるため、その説明を省略する。
ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の低次元化を行う。
なお、低次元化後のロバスト外乱フィードバック制御器L(s)を表現する状態方程式の行列係数(A、B、C、D)のうちのゲイン行列係数Dを下記50とする。
低次元後のロバスト外乱フィードバック制御器L(s)は、元の(フルオーダーの)ロバスト外乱フィードバック制御器L(s)の主な特徴を維持するものとする(図22参照)。
次に、離散型アンチワインドアップ制御器Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を上記式48及び式49を用いて設計する。
計算の結果、Λk1、Λk2、Λl1、Λl2を下記式51とする。
出力フィードバック制御器+ロバスト外乱フィードバック制御器の有り無し、さらに第1及び第2の離散型アンチワインドアップ制御器の有り無しの条件において、ステップ応答と外乱応答のシミュレーションを下記表5に示すシミュレーション条件の下で実施した(図23及び図24参照)。サブシステムg11の3つのケース(case1:kmin=-10.0,case2:kmax=-9.0,case3:k=-9.5)をシミュレートした。
下記表6に、其々の設計手法の評価結果を示す。5つの設計手法を評価対象とし、5つの項目について評価した。なお、評価項目1、2は、制御対象G(s)の不確かさに対する制御装置1a、1bのロバスト性を評価する値であり、例えば、制御対象G(s)の出力値yの絶対値誤差|ycasei(t)−ycasei(t)|の最大値とする(図16参照)。なお、i=1,2,3,t=[0,T]とする。また、評価項目1、2は、それぞれ、値が小さい程、ロバスト性が高いものとする。加えて、評価項目3、4はyとyの最大値を算出している。さらに、評価項目5は、uの上下限制約に逸脱の有無を確認する。設計番号1:PI + robust DFC with anti-windup controller は、全ての評価項目について最良値(最小値)を得ている。一方で設計番号2:PI + robust DFC without anti-windup は、積分項のワインドアップ減少により評価項目の制御性能が劣化している(表6、図23参照)。設計番号3:PI + robust DFC with no saturationは、設計番号1よりも小さい値を得ている評価項目もあるが、設計番号3はリミッタを考慮していないため実システムには実装できない。
設計番号4及び設計番号5は、共にPI制御のみの設計であり、ロバスト外乱フィードバック制御と比較すると性能が劣っている(図24参照)。
これらの結果より、第4実施形態及び第5実施形態に対応する設計番号1は、入力制約を考慮した上で最も良い制御性能を示すことが確認できた。
このように、第4実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合や第5実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合は、出力フィードバック制御器11のみを備える制御装置1を設計した場合に比べて、制御性能を維持しつつ、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
また、第4実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合は、第1実施形態の設計方法により制御装置1を設計した場合に比べて、閉ループシステムの安定性を向上させることができる。
<制御装置1または設計装置のハードウェア構成>
図25は、制御装置1または設計装置のハードウェア構成を示す図である。
図25に示すように、制御装置1または設計装置は、プロセッサ1501と、主記憶装置1502と、補助記憶装置1503と、入力装置1504と、出力装置1505と、入出力インタフェース1506と、通信制御装置1507と、媒体駆動装置1508と、を備える。制御装置1または設計装置におけるこれらの要素1501〜1508は、バス1510により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
プロセッサ1501は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ1501は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、制御装置1または設計装置の全体の動作を制御する。また、プロセッサ1501は、例えば、図4、図8、図12、図19、または図21に示した各処理を行う。
主記憶装置1502は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置1502のROMには、例えば、制御装置1または設計装置の起動時にプロセッサ1501が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。また、主記憶装置1502のRAMは、プロセッサ1501が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。
補助記憶装置1503は、例えば、Hard Disk Drive(HDD)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)等、主記憶装置1502のRAMと比べて容量の大きい記憶装置である。補助記憶装置1503は、プロセッサ1501によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。
入力装置1504は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。制御装置1または設計装置のユーザが入力装置1504に対して所定の操作を行うと、入力装置1504は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ1501に送信する。入力装置1504は、例えば、出力フィードバック制御器K(s)を表現する状態方程式の係数行列などの各種設定値の入力等に利用可能である。
出力装置1505は、例えば、液晶表示装置等の装置、スピーカ等の音声再生装置を含む。
入出力インタフェース1506は、制御装置1または設計装置と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース1506は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタ等を備える。
通信制御装置1507は、制御装置1または設計装置をインターネット等のネットワークに接続し、ネットワークを介した制御装置1または設計装置と他の電子機器との各種通信を制御する装置である。
媒体駆動装置1508は、可搬型記憶媒体16に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置1503に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体16への書き込みを行う。媒体駆動装置1508には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置1508としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体16としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体16としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリが利用可能である。更に、制御装置1または設計装置が媒体駆動装置1508として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体16として利用可能である。可搬型記録媒体16として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等がある。例えば、可搬型記録媒体16は、図4、図8、図12、図19、または図21に示した処理を含むプログラム等の記憶に利用可能である。
なお、制御装置1または設計装置は、図25に示した全ての要素1501〜1508を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 制御装置
2 圧縮器
3 凝縮器
4 膨張弁
5 蒸発器
6 温度センサ
7 圧力センサ
11 出力フィードバック制御器
12 ロバスト外乱フィードバック制御器
13 第1のアンチワインドアップ制御器
14 第2のアンチワインドアップ制御器
15 第1の離散型アンチワインドアップ制御器
16 第2の離散型アンチワインドアップ制御器

Claims (12)

  1. 第1の操作量と第2の操作量との加算値が入力される制御対象の出力値が目標値に追従するように前記第1の操作量を出力する出力フィードバック制御器と、閉ループシステムの制御性能及び安定性が向上するように前記第2の操作量を出力するロバスト外乱フィードバック制御器とを備える制御装置の制御パラメータを演算する装置において、
    第1の拡大系プラントと、前記ロバスト外乱フィードバック制御器とからなる第1の閉ループシステムを表現する第1の状態方程式が第1の所定のパラメータに基づいて設定され、
    前記第1の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、
    前記第1の線形行列不等式を満たす前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列を求める
    ことを特徴とする制御装置の制御パラメータ演算装置。
  2. 前記第1の所定のパラメータは、前記出力フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列、前記制御対象を表現する状態方程式の係数行列、前記制御対象の出力値のノミナル値を出力するノミナルプラントモデルを表現する状態方程式の係数行列、外乱への重み関数を表現する状態方程式の係数行列、及び前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列であり、
    前記第1の拡大系プラントは、前記出力フィードバック制御器と、前記制御対象と、前記ノミナルプラントモデルと、重み関数とを含み、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器は、前記制御対象の出力値と前記ノミナル値との差が入力される
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御系の制御パラメータ演算装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記出力フィードバック制御器に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第1のアンチワインドアップ制御器と、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第2のアンチワインドアップ制御器と、
    をさらに備え、
    第2の拡大系プラントと、不感帯関数とからなる第2の閉ループシステムを表現する第2の状態方程式が第2の所定のパラメータに基づいて設定され、
    前記第2の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第2の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、
    前記第2の線形行列不等式を満たす、前記第1及び第2のアンチワインドアップ制御器の制御パラメータを求める
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置の制御パラメータ演算装置。
  4. 前記第2の所定のパラメータは、前記第1の所定のパラメータとセクターパラメータにより求められる不感帯関数と前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列であり、
    前記第2の拡大系プラントは、前記出力フィードバック制御器と、前記制御対象と、前記ノミナルプラントモデルと、前記ロバスト外乱フィードバック制御器と、前記第1のアンチワインドアップ制御器と前記第2のアンチワインドアップ制御器とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御系の制御パラメータ演算装置。
  5. 前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列の次数は、低次元化される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置の制御パラメータ演算装置。
  6. 前記制御対象のプラントパラメータは、一部のプラントパラメータが不確かさを示すプラントパラメータに設定され、残りのプラントパラメータは前記ノミナルプラントモデルのプラントパラメータに設定される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置の制御パラメータ演算装置。
  7. 第1の操作量と第2の操作量との加算値が入力される制御対象の出力値が目標値に追従するように前記第1の操作量を出力する出力フィードバック制御器と、閉ループシステムの制御性能及び安定性が向上するように前記第2の操作量を出力するロバスト外乱フィードバック制御器とを備える制御装置の設計方法であって、
    前記制御装置を設計する設計装置は、
    第1の拡大系プラントと、前記ロバスト外乱フィードバック制御器とからなる第1の閉ループシステムに対応する第1の状態方程式を第1の所定のパラメータに基づいて設定し、
    前記第1の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第1の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、
    前記第1の線形行列不等式を満たす前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列を求める
    ことを特徴とする制御装置の設計方法。
  8. 前記第1の所定のパラメータは、前記出力フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列、前記制御対象を表現する状態方程式の係数行列、前記制御対象の出力値のノミナル値を出力するノミナルプラントモデルを表現する状態方程式の係数行列、外乱への重み関数を表現する状態方程式の係数行列、及び前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列であり、
    前記第1の拡大系プラントは、前記出力フィードバック制御器と、前記制御対象と、前記ノミナルプラントモデルと、重み関数とを含み、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器は、前記制御対象の出力値と前記ノミナル値との差が入力される
    ことを特徴とする請求項7に記載の制御装置の設計方法。
  9. 前記制御装置は、
    前記出力フィードバック制御器に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第1のアンチワインドアップ制御器と、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器に含まれる積分器の出力飽和による制御性能の劣化を防ぐ第2のアンチワインドアップ制御器と、
    をさらに備え、
    第2の拡大系プラントと、不感帯関数からなる第2の閉ループシステムを表現する第2の状態方程式を第2の所定のパラメータに基づいて設定し、
    前記第2の状態方程式の係数行列を用いて、制御性能や安定性を保証する制約条件を、第2の線形行列不等式で表現した最適化問題へと定式化し、
    前記第2の線形行列不等式を満たす、前記第1及び第2のアンチワインドアップ制御器の制御パラメータを求める
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置の設計方法。
  10. 前記第2の所定のパラメータは、前記1の所定のパラメータとセクターパラメータにより求められる不感帯関数と前記ロバスト外乱フィードバック制御器を表現する状態方程式の係数行列であり、
    前記第2の拡大系プラントは、前記出力フィードバック制御器と、前記制御対象と、前記ノミナルプラントモデルと、前記ロバスト外乱フィードバック制御器と、前記第1のアンチワインドアップ制御器と前記第2のアンチワインドアップ制御器とを含む
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の制御装置の設計方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御パラメータ演算装置で演算された制御パラメータで設定されたことを特徴とする制御装置。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の制御装置の設計方法によって設計されたことを特徴とする制御装置。
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