JP7310179B2 - 制御装置の設計装置及び設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、制御装置を設計する技術に関する。
制御装置として、例えば、目標値に対する追従性の向上を保証するフィードバック制御器と、外乱及びモデル誤差を補償するロバスト外乱フィードバック制御器とを備えるものがある。
関連する技術として、例えば、特許文献1~4がある。
Kiyoshi OHISHI and Kouhei OHNISHI and Kunio MIYACHI, TORQUE - SPEED REGULATION OF DC MOTOR BASED ON LOAD TORQUE ESTIMATION METHOD, Proc. INTERNATIONAL POWER ELECTRONICS CONFERENCE (IPEC), TOKYO, Mar., pp. 1209-1218, (1983) Kawai, Fukiko and Nakazawa, Chikashi and Vinther, Kasper and Rasmussen, Henrik, and Andersen, Palle and Stoustrup, Jakob, An Industrial Model Based Disturbance Feedback Control Scheme, Proc. The 19th World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC 2014), Cape Town, August., pp. 804-809, (2014) Unggul Wasiwitono and Masami Saeki, Fixed-Order Output Feedback Control and Anti-Windup Compensation for Active Suspension Systems, Vol. 5, No. 2, pp. 264-278, Journal of System Design and Dynamics, (2011) Fukiko Kawai and Kasper Vinther and Palle Andersen and Jan Dimon Bendtsen, MIMO Robust Disturbance Feedback Control for Refrigeration Systems via an LMI Approach, The 20th World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC), Toulouse, Jul., (2017)
本発明の一側面に係る目的は、制御装置の制御性能及び安定性を向上させることである。
本発明に係る一つの形態である設計装置は、パラメトリックな不確かさを含む制御対象の出力値と目標値との差が入力される、一つまたは複数の既存制御器と、ロバスト外乱フィードバック制御器とを備え、前記ロバスト外乱フィードバック制御器と拡大系プラントとからなる閉ループシステムを表現する状態方程式を設定し、前記状態方程式に基づき線形行列不等式による最適化問題を定式化し、最適解を算出する。
本発明によれば、制御装置の制御性能及び安定性を向上させることができる。
実施形態の制御装置の一例を示す図である。 目標値rを構成するデータの一例を示す図である。 図1に示す制御装置に対応する閉ループシステムのブロック線図である。 拡大系プラントPとロバスト外乱フィードバック制御器Lとからなる閉ループシステムのブロック線図である。 実施例1における設計装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図3に示す閉ループシステムに重み関数Wを導入したブロック線図である。 感度関数Tuuと重み関数Wの周波数応答を示すボード線図である。 重み関数Wと感度関数Tuuとの乗算値の周波数応答を示すボード線図である。 図3に示す閉ループシステムに外乱推定機能Hを導入した閉ループシステムのブロック線図である。 実施例2における設計装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図4の拡大系プラントPに外乱推定機能Hを加えた拡大系プラントP’とロバスト外乱フィードバック制御器Lとからなる閉ループシステムのブロック線図である。 設計装置のハードウェア構成を示す図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
<実施例1>
図1は、実施形態の制御装置の一例を示す図である。
図1に示す制御装置1は、例えば、ガントリークレーンのトロリー2をレール上で移動させる移動装置3の動作を制御するものであって、フィードフォワード制御器11と、状態フィードバック制御器12と、ロバスト外乱フィードバック制御器13とを備える。なお、本実施形態の制御対象としてガントリークレーンを採用しているが、制御対象は特に限定されない。
フィードフォワード制御器11は、目標値rに基づく出力値を出力する。
状態フィードバック制御器12は、計測装置4から出力される計測値xが目標値rに追従するように、操作量を出力する。
ロバスト外乱フィードバック制御器13は、ノミナル値xpnと計測値xとの差がゼロに追従するように操作量uを出力する。
フィードフォワード制御器11の操作量と状態フィードバック制御器12の操作量との加算値uと、ロバスト外乱フィードバック制御器13から出力される操作量uとが加算された値により移動装置3の動作が制御されることでトロリー2がx軸方向に移動するものとする。また、ロープ5を介してトロリー2と吊荷6とが互いに接続され、トロリー2がx軸方向に移動することなどに伴って吊荷6がx軸上を移動するものとする。また、x軸上の点p1を基準とするトロリー2の移動距離をトロリー2の位置xとする。また、トロリー2とロープ5との接続点p2から下方に垂直に延びる垂線7とロープ5とがなす角度θとロープ5の長さl(ロープ長とも呼ぶ)との乗算値θlを、垂線7を基準とする吊荷6の位置xとする。また、トロリー2の移動速度をx とし、吊荷6の位置xの時間微分をxとする。また、「x 」は、下記記号1と同じものとし、「x」は、下記記号2と同じものとする。
図2は、目標値rを構成するデータの一例を示す図である。
図2に示す目標値rは、トロリー2の移動速度x 、吊荷6の位置xの時間微分x、トロリー2の位置x、及び吊荷6の位置xから構成されており、トロリー2の移動速度x が、フィードフォワード制御の操作量として用いられる。
図3は、図1に示す制御装置1に対応する閉ループシステムのブロック線図である。なお、wは外乱であり、外乱の原因としては吊荷6に当たる風や衝撃、トロリーが走るレーンの傾きや乗員の動きなどがある。
フィードフォワード制御器KFFは、フィードフォワード制御器11を表現する伝達関数である。
状態フィードバック制御器KFBは、状態フィードバック制御器12を表現する伝達関数であって、目標値rと制御対象Gの出力値xとの差が入力される。
ここで、フィードフォワード制御器KFF及び状態フィードバック制御器KFBは、既存制御器の一例である。既存制御はフィードフォワード制御や状態フィードバック制御に限られず、例えば、P制御、PI制御、PID制御などであっても構わない。
制御対象Gは、ガントリークレーンを表現する伝達関数であって、フィードフォワード制御器11の出力値と状態フィードバック制御器12の出力値との加算値uと、ロバスト外乱フィードバック制御器Lから出力される操作量uとが加算された値が入力され、計測値xを出力する。
ノミナルプラントモデルGは、制御対象Gから出力される計測値xのノミナル値xpn(不確かさをもたない制御対象Gの出力値)を出力する伝達関数であって、操作量uが入力される。
ロバスト外乱フィードバック制御器Lは、ロバスト外乱フィードバック制御器13を表現する伝達関数であって、ノミナル値xpnと計測値xとの差εが入力され、操作量uを出力する。
図4は、状態フィードバック制御器KFB、制御対象G、及びノミナルプラントモデルGを含む拡大系プラントPと、ロバスト外乱フィードバック制御器Lとからなる閉ループシステムのブロック線図である。
拡大系プラントPは、外乱wと操作量uが入力され、評価値zを出力する。
ロバスト外乱フィードバック制御器Lは、ノミナル値xpnと計測値xとの差εが入力され、操作量uを出力する。
図5は、実施例1における設計装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図5に示すステップS1~S5では、ロバスト外乱フィードバック制御器Lの設計が行われ、ステップS6~S9では、制御対象Gの周波数領域の不確かさが追加された閉ループシステムのロバスト安定性の評価が行われる。周波数領域の不確かさを考慮しない設計の場合、ステップS6~S9の処理を省略してもよい。
まず、ステップS1において、設計装置は、制御対象Gを設定する。
例えば、制御対象Gの状態方程式を下記式1とする。
ここで、xを下記式2とし、Aを下記式3とし、Bを下記式4とする。
なお、GASRはASR(Automatic Speed Regulator)ゲインとし、mはトロリー2の質量とし、mは吊荷6の質量とし、gは重力加速度とする。
制御対象Gのモデル変動やパラメトリックな不確かさがA行列にあると仮定した場合、Aを下記式5とする。
ここで、δを下記式6とする。また、AをノミナルプラントGに対応するA行列とし、Aとδによってパラメトリックな不確かさを表現する。なお、パラメトリックな不確かさとは、制御対象を構成する要素のパラメータ変動を指し、本実施例では吊荷の重さ、ロープ長、ASRゲインのパラメータ変動が考えられる。
次に、図5のフローチャートのステップS2において、設計装置は、状態フィードバック制御器KFBを設定する。
状態フィードバック制御器KFBを下記式7とする。
また、ロバスト外乱フィードバック制御器Lを下記式8とする。
また、拡大系プラントPの状態方程式を下記式9とする。
ここで、xppを下記式10とし、Appを下記式11とし、Bpp1を下記式12とし、Bpp2を下記式13とし、Cを下記式14とし、Dを下記式15とする。
次に、図5のフローチャートのステップS3において、設計装置は、B行列を設定する。
行列は、想定される外乱の種類などに基づき設定する。
また、B行列を重み関数に置き換えることで、制御性能を向上させたい周波数領域を指定した設計にしても良い。B行列を重み関数に置き換える場合は、重み関数を定義した上で、上記式9~式15を再設計する。
次に、ステップS4において、設計装置は、ロバスト外乱フィードバック制御器Lを求めるための最適化問題の演算処理を行う。
拡大系プラントPに外乱wが入力され、拡大系プラントPから評価値zが出力される閉ループシステムの状態方程式を下記式16とする。
上記式16の状態方程式に基づき、線形行列不等式(LMI: Linear Matrix Inequality)による最適化問題を定式化すると、下記式17及び式18が得られる。
γは最小化したい目的関数である。
ここで、Xはリアプノフ行列であり、X、Xはリアプノフ行列Xの要素となる行列である。また、Y:=LX、W:=LXとする。μは、制御信号(トロリー2の速度指令値)の上限値である。
最適化問題の決定変数は、X、X、Y、Wである。この4つの決定変数の最適解が得られれば、最適なロバスト外乱フィードバック制御器Lを求めることができる。
すなわち、ステップS5において、設計装置は、上記式17及び式18に示す線形行列不等式を満たす上記4つの決定変数の解があると(ステップS5:Yes)、最適なロバスト外乱フィードバック制御器Lが求められたと判断して、ステップS6に進む。
一方、設計装置は、上記式17及び式18に示す線形行列不等式を満たす上記4つの決定変数の解がない場合(ステップS5:No)、ステップS1に戻り、拡大系プラントP及びロバスト外乱フィードバック制御器Lからなる閉ループシステムの再設計を行う。
また、ステップS6において、設計装置は、制御対象Gの周波数領域の不確かさとして重み関数Wを追加する。すなわち、ステップS1~S5において設計した閉ループシステムに重み関数Wを追加する際に、ロバスト安定性を確保できるか否かを評価するために、重み関数Wを設定する。
重み関数Wの一例として、一次遅れ系のシステムを下記式19とする。
ここで、α、β、κは調整パラメータであり、制御対象Gに応じて、α、β、κを設定する。例えば、高周波領域ではノイズの影響が大きく出る事を想定して、上記3つの調整パラメータ値を決める。例えば、α=1000、β=0.0001、κ=2.2721を与える。
次に、ステップS7において、設計装置は、重み関数Wに対するロバスト性を考慮するために、感度関数Tuuを演算する。
図6は、図3に示す閉ループシステムに重み関数Wを導入したブロック線図である。なお、フィードフォワード制御器KFFを省略している。
uが入力されuを出力するまでの伝達関数を感度関数Tu~uとして導出し、下記式20を得る。なお、「u」は、下記記号3と同じものとする。
通常、制御対象Gの周波数領域の不確かさを検討する際、ノミナルモデルGを基準に不確かさを検討するが、本実施形態ではノミナルモデルGもステップS1で設定したパラメトリックなモデル変動要素があると想定する。つまり、上記式20においてはG=Gと定義して、パラメトリックな不確かさと周波数領域の不確かさに対する、提案する制御装置のロバスト性を検討する。
図7は、感度関数Tu~uと重み関数Wの周波数応答を示す図である。なお、α=1000、β=0.0001、κ=2.2721とする。
制御対象Gのモデル変動は、ロープ5の長さlに依存しており、図7では、3つのパターンにおける感度関数Tu~uの周波数応答を示している。すなわち、図7に示す実線はロープ5の長さlを45mとする場合の感度関数Tu~uの周波数応答を示し、破線はロープ5の長さlを30mとする場合の感度関数Tu~uの周波数応答を示し、一点鎖線はロープ5の長さlを15mとする場合の感度関数Tu~uの周波数応答を示し、二点鎖線は重み関数Wの周波数応答を示している。
次に、図5のフローチャートのステップS8において、設計装置は、周波数領域の不確かさを含めた閉ループシステムのロバスト安定性を評価するために、重み関数Wと感度関数Tu~uとを乗算した値の絶対値(|Wu~u|)を演算する。
次に、ステップ9において、設計装置は、重み関数Wと感度関数Tu~uとを乗算した値の絶対値が1よりも小さいか否かを判断する。
設計装置は、重み関数Wと感度関数Tu~uとを乗算した値の絶対値が1以上であると判断すると(ステップS9:No)、周波数領域の不確かさを含めた閉ループシステムがロバスト安定性を有していないと評価し、ステップS1に戻り、閉ループシステムを再設計する。
一方、設計装置は、重み関数Wと感度関数Tu~uとを乗算した値の絶対値が1よりも小さいと判断すると(ステップS9:Yes)、周波数領域の不確かさを含めた閉ループシステムがロバスト安定性を有していると評価し、制御装置1の設計を終了する。
図8は、重み関数Wと感度関数Tu~uとの乗算値の周波数応答を示す図である。なお、図8に示す実線はロープ5の長さlを45mとする場合のW・Tu~uの周波数応答を示し、破線はロープ5の長さlを30mとする場合のW・Tu~uの周波数応答を示し、一点鎖線はロープ5の長さlを15mとする場合のW・Tu~uの周波数応答を示すものとする。また、α=1000、β=0.0001、κ=2.2721とする。
図8に示すW・Tu~uの振幅(Magnitude(dB))は、全ての周波数領域において0dBであるため、周波数領域の不確かさ(α=1000、β=0.0001、κ=2.2721)を含めた閉ループシステムがロバスト安定性を有していると評価することができる。
なお、ステップS6~ステップS9では、ステップS1~S5で設計された閉ループシステムに不確かさを導入し、その不確かさが導入された閉ループシステムのロバスト安定性について評価しているが、ステップS1~S5で設計された閉ループシステムのロバスト安定性を示す評価値が所定の評価値になるときの不確かさ(α、β、κ)を求めるように構成してもよい。
このように、本実施形態の設計装置は、状態フィードバック制御器KFBと、パラメトリックな不確かさを含む制御対象Gと、ノミナルプラントモデルGとを含む拡大系プラントPと、ロバスト外乱フィードバック制御器Lとからなる閉ループシステムを表現する状態方程式を設定し、その状態方程式に基づき、線形行列不等式による最適化問題を定式化し、最適解を算出する。
また、本実施形態の設計装置は、さらに、制御対象Gの周波数領域の不確かさを示す重み関数Wを追加し、前記重み関数を含めたシステムの操作量出力から入力までの感度関数Tu~uを演算し、周波数領域の不確かさに対してもロバスト安定性を満たすロバスト外乱フィードバック制御器を算出する。
これにより、本実施形態の設計装置により設計された制御装置1は、外乱wや制御対象Gの不確かさに対してロバスト性を向上させることができるため、制御装置1の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態の設計装置により設計された制御装置1は、状態フィードバック制御器KFBを拡大系プラントPの一部として扱うため、状態フィードバック制御器KFBの構造や伝達関数のプラントパラメータを維持させることができる。このため、従来のロバスト制御の弱点である保守性、つまり不確かさを含む閉ループシステムの安定性を向上させるために状態フィードバック制御器12が保守的に設計され、その結果、制御性能が低下してしまうという問題を解決できる。すなわち、本実施形態の設計装置によれば、既存制御構造を活かすことができるため、設計の負担を軽減しつつ、制御装置1の制御性能を向上させることができる。
<実施例2>
上記実施例1では、様々な外乱wに対してロバスト性が向上するようにロバスト外乱フィードバック制御器Lを設計する構成である。外乱wとしては、例えば、吊荷6に当たる風または吊荷6への衝撃による振れ角センサ(図1に示す角度θを計測するセンサ)の計測誤差など時定数が比較的小さい外乱やトロリー2の移動でレーンがしなることによる振れ角センサの位置ずれなど時定数が比較的大きい外乱などが考えられる。
実施例2では、センサの位置ずれ等の外乱を推定(推定外乱w^)し、この推定量をオフセットとしてεから差し引くことで、センサ誤差外乱を取り除いた、推定誤差(ε^=ε-w^)を求めることができる。このように、センサ誤差等を取り除く外乱推定機能Hを導入することにより、精度の高い制御を実現することができる。実施例2では、外乱w^を求めるための外乱推定機能H(外乱オブザーバ)を含めた閉ループシステムを設計する。なお、「w^」は、下記記号4と同じものとする。
図9は、図3に示す閉ループシステムに外乱推定機能Hを導入した閉ループシステムのブロック線図である。なお、図9に示すフィードフォワード制御器KFF、状態フィードバック制御器KFB、制御対象G、及びノミナルプラントモデルGは、図3に示すフィードフォワード制御器KFF、状態フィードバック制御器KFB、制御対象G、及びノミナルプラントモデルGと同様であるため、その説明を省略する。また、実施例2における制御装置は、図1に示す制御装置1と同様であるため、その説明を省略する。
外乱推定機能Hは、ノミナル値xpnと計測値xとの差εが入力され、外乱w^を出力する。外乱推定機能Hから出力される外乱w^が積分されることで外乱w^が求められ、差εから外乱w^が減算されることで差ε^が求められる。そして、差ε^がロバスト外乱フィードバック制御器Lに入力され、ロバスト外乱フィードバック制御器Lから操作量uが出力される。なお、「w^」は、下記記号5と同じものとする。
図10は、実施例2における設計装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示すステップS1~S5は、図5に示すステップS1~S5と同様であるため、その説明を省略する。
図11は、図4の拡大系プラントPに外乱推定機能Hを加えた拡大系プラントP’とロバスト外乱フィードバック制御器Lとからなる閉ループシステムのブロック線図である。
設計装置は、ロバスト外乱フィードバック制御器Lを求めた後(ステップS5:Yes)、外乱推定機能Hを求めるための演算処理を行う(ステップS10)。
例えば、制御対象Gの動特性を下記式21とする。
次に、ステップS11において、設計装置は、式25に示す線形行列不等式を満たす解があると(ステップS11:Yes)、外乱推定機能Hが求められたと判断して、処理を終了する。
一方、設計装置は、式25に示す線形行列不等式を満たす解がない場合(ステップS11:No)、ステップS1に戻り、図4に示す拡大系プラントP及びロバスト外乱フィードバック制御器Lからなる閉ループシステムの再設計を行う。
ここで、外乱wの動特性は制御対象Gの制御周期よりも十分遅いと想定する。例えば、制御対象Gの制御周期を2ms~10ms程度とし、外乱wとしての振れ角センサの位置ずれの時定数を数秒~数十秒とする。このように、制御対象Gと、外乱wとの間に100倍以上の動特性の差がある場合、w=0の近似が十分に成り立つ。
また、ノミナルモデルGnと外乱推定機能Hの動特性を下記式22とする。
また、外乱wを状態変数とみなし、図11に示すように、状態フィードバック制御器KFB、制御対象G、ノミナルプラントモデルG、及び外乱推定機能Hからなる拡大系プラントP’を構築する。
図11に示す拡大系プラントP’は、外乱wと操作量uが入力され、評価値zを出力する。
また、図11に示すロバスト外乱フィードバック制御器Lは、差ε^が入力され、操作量uを出力する。
すなわち、上記式21と上記式22をまとめることで、図11に示す拡大系プラントP’としての下記式23を求める。このとき、A ̄及びX ̄を下記式24とする。なお、「A ̄」は、下記記号6とし、「X ̄」は、下記記号7とする。
また、図11に示す拡大系プラントP’が安定となる制約条件を線形行列不等式で表現すると、下記式25になる。なお、「P」は、下記記号8とする。Pはリアプノフ行列であり、下記式25はリアプノフ不等式と呼ばれる。
そして、設計装置により、上記式25が成立する外乱推定機能Hが求められる。上記式25が成立すれば拡大系プラントP’が安定となる。
このようにステップS1~S5、S10、S11により設計された閉ループシステムでは、センサの位置ずれ等の外乱を推定(推定外乱w^)し、この推定量をオフセットとしてεから差し引くことで、センサ誤差外乱を取り除いた推定誤差(ε^=ε-w^)を求めることができる。このため、精度の高い制御を実現することができる。 なお、設計装置は、外乱推定機能Hを求めるための演算処理を行った後、図5に示すステップS6~S9を実行してもよい。
図12は、本実施形態の設計装置のハードウェア構成を示す図である。
図12に示すように、設計装置は、プロセッサ1501と、主記憶装置1502と、補助記憶装置1503と、入力装置1504と、出力装置1505と、入出力インタフェース1506と、通信制御装置1507と、媒体駆動装置1508と、を備える。要素1501~1508は、バス1510により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
プロセッサ1501は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ1501は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、設計装置の全体の動作を制御する。また、プロセッサ1501は、例えば、図5または図10に示した各処理を行う。
主記憶装置1502は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置1502のROMには、例えば、設計装置の起動時にプロセッサ1501が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。また、主記憶装置1502のRAMは、プロセッサ1501が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。
補助記憶装置1503は、例えば、Hard Disk Drive(HDD)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)等、主記憶装置1502のRAMと比べて容量の大きい記憶装置である。補助記憶装置1503は、プロセッサ1501によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。
入力装置1504は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。設計装置のユーザが入力装置1504に対して所定の操作を行うと、入力装置1504は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ1501に送信する。入力装置1504は、例えば、閉ループシステムを表現する状態方程式の係数行列などの各種設定値の入力等に利用可能である。
出力装置1505は、例えば、液晶表示装置等の装置、スピーカ等の音声再生装置を含む。
入出力インタフェース1506は、設計装置と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース1506は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタ等を備える。
通信制御装置1507は、設計装置をインターネット等のネットワークに接続し、ネットワークを介した設計装置と他の電子機器との各種通信を制御する装置である。
媒体駆動装置1508は、可搬型記憶媒体16に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置1503に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体16への書き込みを行う。媒体駆動装置1508には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置1508としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体16としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体16としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリが利用可能である。更に、設計装置が媒体駆動装置1508として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体16として利用可能である。可搬型記録媒体16として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等がある。例えば、可搬型記録媒体16は、図5または図10に示した処理を含むプログラム等の記憶に利用可能である。
なお、設計装置は、図12に示した全ての要素1501~1508を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。
なお、上記の実施の形態では、制御対象として、ガントリークレーンの制御を挙げているが、これに限定されない。本発明は、例えば、電力システムの蓄電池制御、鉄鋼プラントの圧延制御など、外乱を含む制御系を設計する際に広く適用することができる。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 制御装置
2 トロリー
3 移動装置
4 計測装置
5 ロープ
6 吊荷
7 垂線
11 フィードフォワード制御器
12 状態フィードバック制御器
13 ロバスト外乱フィードバック制御器

Claims (10)

  1. パラメトリックな不確かさを含む制御対象の出力値と目標値との差が入力される、一つまたは複数の既存制御器と、ロバスト外乱フィードバック制御器とを備える制御装置を設計する設計装置であって、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器と拡大系プラントとからなる閉ループシステムを表現する状態方程式を設定し、
    前記状態方程式に基づき線形行列不等式による最適化問題を定式化し、最適解を算出することを特徴とする設計装置。
  2. 請求項1に記載の設計装置であって、
    前記拡大系プラントは、前記既存制御器と、前記既存制御器の操作量と前記ロバスト外乱フィードバック制御器の操作量との加算値が入力される前記制御対象と、前記制御対象の出力値に対応するノミナル値を出力するノミナルプラントモデルとを含み、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器は、前記制御対象の出力値と前記ノミナル値との差が入力され前記操作量を出力することを特徴とする設計装置。
  3. 請求項2に記載の設計装置であって、
    前記制御対象に対して、周波数領域の不確かさとなる重み関数を追加し、
    前記重み関数を含めたシステムの操作量出力から入力までの感度関数を演算し、
    周波数領域の不確かさに対してもロバスト安定性を満たすかどうかを評価する
    ことを特徴とする設計装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の設計装置であって、
    前記拡大系プラントは、外乱を推定する外乱推定機能を含み、
    前記拡大系プラントが安定となる制約条件を線形行列不等式で表現し、その線形行列不等式が成立する前記外乱推定機能を求める
    ことを特徴とする設計装置。
  5. パラメトリックな不確かさを含む制御対象の出力値と目標値との差が入力される、一つまたは複数の既存制御器と、ロバスト外乱フィードバック制御器とを備える制御装置を設計する設計方法であって、
    拡大系プラントと、前記ロバスト外乱フィードバック制御器とからなる閉ループシステムを表現する状態方程式を設定し、
    前記状態方程式に基づき、線形行列不等式による最適化問題を定式化し、最適解を算出する
    ことを特徴とする設計方法。
  6. 請求項5に記載の設計方法であって、
    前記拡大系プラントは、前記既存制御器と、前記既存制御器の操作量と前記ロバスト外乱フィードバック制御器の操作量との加算値が入力される前記制御対象と、前記制御対象の出力値に対応するノミナル値を出力するノミナルプラントモデルとを含み、
    前記ロバスト外乱フィードバック制御器は、前記制御対象の出力値と前記ノミナル値との差が入力され、前記操作量を出力する
    ことを特徴とする設計方法。
  7. 請求項6に記載の設計方法であって、
    前記制御対象に対して、周波数領域の不確かさとなる重み関数を追加し、
    前記重み関数を含めたシステムの操作量出力から入力までの感度関数を演算し、
    周波数領域の不確かさに対してもロバスト安定性を満たすかどうかを評価する
    ことを特徴とする設計方法。
  8. 請求項5~7のいずれか1項に記載の設計方法であって、
    前記拡大系プラントは、外乱を推定する外乱推定機能を含み、
    前記拡大系プラントが安定となる制約条件を線形行列不等式で表現し、その線形行列不等式が成立する前記外乱推定機能を求める
    ことを特徴とする設計方法。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載の設計装置で設計されたことを特徴とする制御装置。
  10. 請求項~8のいずれか1項に記載の設計方法で設計されたことを特徴とする制御装置。
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