JP6447336B2 - 制御器パラメータ導出方法、制御器パラメータ導出装置、およびプログラム - Google Patents

制御器パラメータ導出方法、制御器パラメータ導出装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、制御器パラメータ導出方法、制御器パラメータ導出装置、およびプログラムに関し、特に、連続鋳造機における鋳型内の金属溶湯の湯面レベルを制御するために用いて好適なものである。
鋼等の連続鋳造機においては、金属溶湯は、取鍋からタンディッシュに供給・貯留されたうえで、浸漬ノズルを介してモールド(鋳型)内に連続的に供給される。金属溶湯のモールド内への供給と並行して、モールド内の金属溶湯は、水冷されたモールドで表面から冷却されて凝固殻を形成しながら、複数対のピンチロールによってモールド下部から連続的に引き出される。さらに、モールド下部から引き出された凝固核に対し、冷却スプレーにより水を吹き付けることにより、凝固核の冷却を進めることで、凝固核の内部まで凝固させる。このようにして、スラブ、ブルーム、ビレット等の鋳片が形成される。
このとき、金属溶湯の温度や組成によっては非定常バルジングや浸漬ノズルの詰り・剥離等の外乱が発生することで、モールド内の湯面レベル(金属溶湯の表面の高さ位置)が変動する。湯面レベルの変動量が大きいと、凝固開始点である湯面における凝固殻の成長が不安定化する。これにより、モールドからの金属溶湯の溢れ出しやブレークアウトが生じ、安定操業を阻害する場合がある。また、湯面レベルの変動量が大きいと、湯面上に散布されている潤滑材であるパウダーが金属溶湯の内部へ巻き込まれ、鋼片の品質低下を起こす場合がある。
そのため、連続鋳造機では、モールド内の湯面の上方に配置されたレベル計で湯面レベルを常時検出し、その検出の結果に基づいてタンディッシュからモールド内への金属溶湯の注入量を、スライディングノズル或いはストッパーの開度のフィードバック制御により調整することで、湯面レベルを一定の目標レベルに保持する自動制御を実施する。このような自動制御を、連続鋳造機のモールド湯面レベル制御と呼ぶ。
連続鋳造機のモールド湯面レベル制御においては、一般にPI制御が多く用いられる。しかしながら、PI制御はプロセス(プラント)の特性変化に弱く、制御ゲインを高めることが困難である。このため、連続鋳造機のモールド湯面レベル制御にPI制御を用いると、湯面レベルの変動が発生しやすく、鋼片の品質向上の妨げとなる虞がある。
こうしたプロセスの特性変化に対する湯面レベル制御の脆弱性は、高度制御理論の適用により対策されてきた。かかる対策を施す技術として、特許文献1、特許文献2に開示された技術がある。
特許文献1では、連続鋳造機のモールド湯面レベル制御にSAC(Simple Adaptive Control:単純適応制御)を適用することで、湯面レベルの偏差から計算される適応ゲインに基づいて高速にストッパー開度を調整する。
特許文献2では、フィードバック制御だけでは除去困難な外乱による湯面レベルの変動を高速に除去するため、外乱オブザーバを構成し、外乱オブザーバにより推定外乱を演算し、演算した推定外乱をSAC制御出力に加算する。
特開平9−174215号公報 特開平10−328801号公報
特許文献1および特許文献2に記載されている単純適応制御(SAC:(Simple Adaptive Control)では、アルゴリズムが簡単であり、任意のゲインの出力フィードバックに対して入出力伝達関数が概強正実、すなわちASPR(Almost Strictly Positive Real)を満たす条件下で制御の安定性が保証される。本発明者らは、特許文献1および特許文献2に記載の制御方法を複数の連続鋳造機に適用した。その結果、本発明者らは、これらの制御方法では、制御パラメータの現場における再調整やプロセスの特性変化に合わせた自動調整が容易であり、且つ、高ゲインでロバストな湯面レベル制御を実現することを確認した。
単純適応制御(SAC)は、プロセスを安定化するゲインの存在を確認さえできれば、制御の安定性が保証されるという大きな特徴を持つ。これは、適応ゲインが大きくなってもプロセスが安定することを表す。しかしながら、本発明者らは、実際には、適応ゲインが過大になると湯面レベルがハンチングし、プロセスが不安定化する場合があることを見出した。特に、スライディングノズルよりも操作変化量に厳しい制限があるストッパー注入系においてその傾向が顕著であることを見出した。
ストッパーの形状は、浸漬ノズルの詰り・溶損により変化する。このため、モールド内への金属溶湯の流入量を調節するストッパーの開度を直接に制御する位置信号ではなく、ストッパーの開度の変更分を表すパルス信号によりストッパーを開閉することが好まれる。また、操作量に対する流量の変化率がスライディングノズルに比べてストッパーの方が大きいため、ストッパーに対しては繊細な操作が要求されることになる。尚、以下の説明では、単位操作量に対する流量の変化率を必要に応じて流量係数と称する。
ストッパーに対する繊細な操作を実現するためには、ストッパーの移動速度を小さく設定する必要がある。したがって、ストッパーの操作変化量に厳しい制約が生じることとなる。これは、単純適応制御(SAC)の適応ゲインが過大になって操作変化量が飽和すれば、フィードバック制御が正常に機能せず、単純適応制御(SAC)が不安定化することを意味する。特に、鋳造速度が高速になるほど湯面の波立ち現象が顕在化し、適応ゲインが過大になるため、単純適応制御(SAC)が不安定化しやすい。したがって、ストッパー注入系の連続鋳造機に単純適応制御(SAC)を適用し、連続鋳造機のモールド湯面レベル制御を安定化するには、適応ゲインが過大にならないための対策が必要となる。
また、従来の単純適応制御(SAC)の制御器の設計は経験的なものであり、試行錯誤的な設計・調整が実施されてきた。したがって、例えば、注入装置をスライディングノズルからストッパーへ変更した場合のプロセス特性の変化に対して、どのように制御器を設計すればよいのか指針が不明確であった。これまでのスライディングノズルにおける設計・調整の経験から類推するにも限界があり、見通しの良い制御器の設計方法が必要となる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、ストッパーを用いた連続鋳造機における湯面レベルの制御を単純適応制御により高精度に実現するための制御器の設計を系統立てて行えるようにすることを目的とする。
本発明の制御器パラメータ設定方法は、連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出方法であって、前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性をPI制御器設計手段により導出するPI制御器設計工程と、前記適応ゲインの仮の上限値を適応ゲイン上限仮決定手段により決定する適応ゲイン上限仮決定工程と、前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定工程により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、前記ストッパーに対する開度に関する指令に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとしてPFCパラメータ決定手段により決定するPFCパラメータ決定工程と、前記前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定工程により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして適応ゲイン上限決定手段により決定する適応ゲイン上限決定工程と、を有し、前記PFCパラメータ決定工程は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定工程で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、前記適応ゲイン上限決定工程は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定工程で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする。
本発明の制御器パラメータ設定装置は、連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出装置であって、前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性を導出するPI制御器設計手段と、前記適応ゲインの仮の上限値を決定する適応ゲイン上限仮決定手段と、前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定手段により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、前記ストッパーに対する開度に関する指令に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとして決定するPFCパラメータ決定手段と、前記前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定手段により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして決定する適応ゲイン上限決定手段と、を有し、前記PFCパラメータ決定手段は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定手段で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、前記適応ゲイン上限決定手段は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定手段で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記制御器パラメータ設定方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、湯面レベルの制御をPI制御・単純適応制御により行う場合の所定の周波数範囲における感度関数の振幅の差が所定の条件下で最小になるように並列前進補償器の伝達関数のパラメータを導出する。そして、並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記導出したパラメータであるものとして、湯面レベルの制御をPI制御・単純適応制御により行う場合の感度関数の振幅の所定の周波数範囲の上限と下限における値が一致するように適応ゲインを導出し、導出した適応ゲインを、適応ゲインの上限値とする。したがって、ストッパーを用いた連続鋳造機における湯面レベルの制御を単純適応制御により高精度に実現するための制御器の設計を系統立てて行うことができる。
連続鋳造機の構成の一例を示す図である。 湯面レベル制御装置の構成の一例を示す図である。 図2の湯面レベル制御装置の構成を書き換えて示す図である。 制御器パラメータ導出装置の機能的な構成の一例を示す図である。 プロセスモデルの構成の一例を示す図である。 PI制御器を用いた場合の感度関数を導出するためのブロック線図の一例を示す図である。 PI制御器を用いた場合の感度関数のボード線図の一例を示す図である。 図3の湯面レベル制御装置の構成を書き換えて示す図である。 SAC制御器を用いた場合の感度関数を導出するためのブロック線図の一例を示す図である。 PFC極を導出する際の処理の一例を概念的に説明する図である。 評価関数の値が最小となるときの感度関数のボード線図の一例を示す図である。 PFC極が異なる複数の感度関数のボード線図の一例を示す図である。 適応ゲインの上限値を導出する際の処理の一例を概念的に示す図である。 適応ゲインが異なる複数の感度関数のボード線図の第1の例を示す図である。 適応ゲインが異なる複数の感度関数のボード線図の第2の例を示す図である。 外乱から開度指令への伝達関数のボード線図の一例を示す図である。 湯面レベルと時間との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、連続鋳造機の構成の一例を示す図である。
図1において、連続鋳造機は、タンディッシュ11と、浸漬ノズル12と、ストッパー13と、モールド(鋳型)14と、ピンチロール15と、冷却スプレー16とを有する。
タンディッシュ11は、不図示の取鍋から供給された金属溶湯(溶鋼)17を一時的に貯留する。
モールド14は、タンディッシュ11と間隔を有して、タンディッシュ11の下方に配置される。モールド14は、例えば筒形状を有する。また、モールド14は水冷される。
浸漬ノズル12は、タンディッシュ11に貯留されている金属溶湯17をモールド14の内部に注入する。浸漬ノズル12は、その基端がタンディッシュ11の底面に位置するとともに、先端側の所定の領域がモールド14の内部に位置するように配置される。また、浸漬ノズル12の内部とタンディッシュ11の内部は連通している。
ストッパー13は、タンディッシュ11から浸漬ノズル12に供給される金属溶湯17の供給量を制御するためのものであり、タンディッシュ11と浸漬ノズル12との接続部分に配置される。ストッパー13は、高さ方向(図1の上下方向)に移動する。ストッパー13が最も低い位置にあるときに、タンディッシュ11と浸漬ノズル12との接続部分は全閉する。ストッパー13が当該位置よりも高い位置に位置するほど、タンディッシュ11と浸漬ノズル12との接続部分の開口面積が増加する。ストッパー13が所定の上限位置まで上昇すると、タンディッシュ11から浸漬ノズル12に供給される金属溶湯17の供給量は最大となる。
モールド14から下方に引き出された鋼(の相互に対向する端部)の搬送経路に沿うように、複数対のピンチロール15が配置される。ピンチロール15の外側には、モールド14から下方に引き出された鋼を冷却するための冷却水を当該鋼に対して噴射する複数の冷却スプレー16が配置される。
このように、モールド14の内部の注入された溶鋼は、モールド14で冷却され、その表面から凝固殻18が形成されて凝固する。表面は凝固殻18となっているが内部は凝固していない鋼が、ピンチロール15によって挟まれながらモールド14の下端部から連続的に引き出される。このようにしてモールド14から引き出される過程で、冷却スプレー16から噴射される冷却水によって鋼の冷却を進めることで、内部まで鋼を凝固させる。凝固した鋼は、図示しない連続鋳造機の下流側で所定の大きさに切断され、スラブ、ブルーム、ビレッド等、断面の形状が異なる鋳片が製造される。
以上のような連続鋳造機のモールド14の内部に滞留する溶鋼の表面を臨むように、モールド14の上方に、レベル計19が配置される。レベル計19は、モールド14の内部に滞留する金属溶湯17の表面の高さ位置(湯面レベル)を検出する。
湯面レベル制御装置100は、レベル計19で検出された溶鋼の高さ位置を湯面レベルとして入力し、湯面レベルの目標値と実績値との偏差に基づいて、ストッパー13の開度の変更分を表すパルス信号である開閉パルス信号を出力する。本実施形態では、湯面レベル制御装置100は、単純適応制御(SAC)により、湯面レベルをフィードバック制御するSAC制御器として動作する。湯面レベル制御装置100の詳細については後述する。
ST制御装置200は、油圧シリンダー300を動作させるためのパルスモータの駆動回路を備える。ST制御装置200は、湯面レベル制御装置100から出力された開閉パルス信号を入力して、当該駆動回路等による処理を行った後の開閉パルス信号を、油圧シリンダー300に出力する。尚、湯面レベル制御装置100は、開閉パルス信号の代わりに、当該開閉パルス信号に含まれる情報を表すアナログ信号をST制御装置200に出力することができる。この場合、ST制御装置200は、湯面レベル制御装置100から出力されたアナログ信号に基づいて開閉パルス信号を生成して油圧シリンダー300に出力する。ST制御装置200は、公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
油圧シリンダー300は、パルスモータを備える。パルスモータは、ST制御装置200から送信される開閉パルス信号に基づいて回転し、この回転により、油圧シリンダー300のロッドの位置が変更され、ストッパー13の高さ位置が変更される。油圧シリンダー300は、公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
以上の構成を有する連続鋳造機で連続鋳造している際に、モールド14内の湯面レベルは、浸漬ノズル12の詰り・剥離(溶損)等の外乱によって変動する場合がある。湯面レベル制御装置100では、並列前進補償器(PFC:Parallel Feedforward Compensator)を、プロセスモデル(プラントモデル)に並列に付加した拡張プロセスモデルに対して単純適応制御(SAC)を適用し、湯面レベルの検出値が規範モデルの出力に追従するような制御入力をプロセスモデルに与える。このようにすることにより、高ゲイン且つロバストなフィードバック制御演算を実行することができ、湯面レベルの検出値が目標値と一致するようにストッパー13の開度指令値(開閉パルス信号)が計算される。
このようにして計算されたストッパー13の開度指令値に基づいてストッパー13の開度量を調節する。このようにすることで、プロセスの特性が変化しても湯面レベルが最短時間で目標値になるように、タンディッシュ11内の金属溶湯17のモールド14への供給量を制御することができる。したがって、浸漬ノズル12の詰り・剥離(溶損)等の外乱によって生じる湯面レベルの変動にも素早く応答することができる。その結果、変動が少ない安定した湯面レベルが維持される。よって、湯面レベルの変動に起因するブレークアウトが生じにくいうえに、パウダーが金属溶湯の内部に侵入しにくくなるので高品質の鋼片を鋳造することが可能となる。
図2は、湯面レベル制御装置100の構成の一例を示すブロック線図である。
図2において、湯面レベル制御装置100は、規範モデル201と、減算器202、203と、乗算器204a、204b、204cと、並列前進補償器205と、加算器206とを有する。
以下、湯面レベル制御装置100に含まれるこれらの構成要素201〜206とプロセスモデル207の一例について説明する。
前述したように、本実施形態では、湯面レベルのフィードバック制御に、単純適応制御(SAC)を適用する。単純適応制御(SAC)は、モデル規範制御(MRACS:Model Reference Control System)や自己チューニング適応制御法(STR:Self-Tuning Adaptive Regulator)等と同じ適応制御の一種である。
単純適応制御(SAC)は、「プロセスモデルの伝達関数に出力フィードバックゲインを施した場合に得られる閉ループ伝達関数が強正実(Strictly Positive Real)になる」という条件の下で、構造の簡単な適応制御系が構成できるというものである。かかる条件を、ASPR(Almost Strictly Positive Real)条件という。単純適応制御(SAC)は、モデル規範制御(MRACS)や自己チューニング適応制御法(STR)のように、適用する上での必要条件が厳格ではなく、且つ、アルゴリズムが単純であることから実プロセス設備への適用が容易である。
しかしながら、実プロセス設備(制御対象のプロセスモデルの伝達関数)の多くはASPR条件を満足しないため、そのままでは単純適応制御(SAC)を適用できない。そこで、プロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器を導入し、単純適応制御(SAC)から見た見かけ上のプロセス(拡張系プロセス)がASPR条件を満足するようにすることで、単純適応制御(SAC)の実プロセス設備への適用を可能とする。
単純適応制御(SAC)では、湯面レベルの目標値rを入力として、規範モデル201の出力ymを、以下の(1)式及び(2)式(状態空間表現の一般形)により計算する。
Figure 0006447336
(1)式においてAmは状態行列であり、Bmは入力行列である。(2)式において、Cmは出力行列であり、Dmは直達行列である。
本実施形態では、前記状態空間表現に対応する伝達関数を以下の(3)式のように定める。
Figure 0006447336
(3)式において、sはラプラス演算子であり、Gm(s)は規範モデル201の伝達関数であり、Tmは規範モデル201の時定数[sec]である。
規範モデル201の出力ymから、拡張系プロセスの出力yaを減算した値、すなわち、湯面レベルの偏差Eyを、以下の(4)式により計算する。ここで、湯面レベルの偏差Eyは、湯面レベルの検出値yと、並列前進補償器(PFC)205により算出された並列前進補償量(補償値)yhとを加算した値である。
y=ym−ya=ym−(yh+y) ・・・(4)
そして、以下の(5)式〜(12)式により、ストッパー13に対する開度指令としてのSAC制御出力u0を計算する。
Figure 0006447336
ただし、通常、一回の制御周期において湯面レベルの目標値rを変更することはなく、また、湯面レベルの目標値rを変えたとしても、湯面レベルの検出値yを湯面レベルの目標値rに急激に追従させる必要はない(緩やかに追従させればよい)。そこで、本実施形態では、簡単のため、乗算器204bにおける制御ゲイン(湯面レベルの目標値rに対する適応ゲインKx(t))と、乗算器204cにおける制御ゲイン(規範モデル201の状態量Xmに対する適応ゲインKu(t))を0(ゼロ、Kx(t)=Ku(t)=0)とする。したがって、(5)式〜(12)式は、以下の(13)式〜(18)式のように簡素化される。尚、(t)は、時間の関数であることを表す。すなわち、適応ゲインKx(t)、Ku(t)、Ke(t)は可変である。
Figure 0006447336
(14)式において、Kemaxは、乗算器204aにおける制御ゲインの上限値である。乗算器204aにおける制御ゲインは、規範モデル201の出力ymと、プロセスモデル207の出力である湯面レベルの検出値y(の帰還値)との偏差に対する適応ゲインKe(t)である。
(15)式において、Kp(t)は、適応ゲインKe(t)の偏差比例項であり、Ki(t)は、適応ゲインKe(t)の偏差積分項である。
(16)式において、γpは、適応ゲインKe(t)における偏差比例係数である。
(17)式において、γiは、適応ゲインKe(t)における偏差積分係数であり、α(t)は、適応ゲインKe(t)における積分修正項である。尚、(17)式の右辺第2項は、発散防止項である。
(18)式において、σは、適応ゲインKe(t)における積分修正係数である。
したがって、図2に示した湯面レベル制御装置100のブロック線図は、図3に示すブロック線図のように書き換えることができる。
以上の(13)式〜(18)式で求めたSAC制御出力u0を、並列前進補償器(PFC)205の入力として与え、並列前進補償量yhを、以下の(19)式及び(20)式(状態空間表現の一般形)により計算する。
Figure 0006447336
(19)式においてAhは状態行列であり、Bhは入力行列である。(20)式において、Chは出力行列であり、Dhは直達行列である。
本実施形態では、前記状態空間表現に対応する伝達関数を以下の(21)式のように定める。
Figure 0006447336
(21)式において、PFC(s)は、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数であり、βは、並列前進補償器(PFC)205のゲイン(分子の最高次数のラプラス演算子に乗算される係数)であり、α1は、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)の第1の極であり、α2は、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)の第2の極である。ただし、α1>0、α2>0、β>0である。
尚、以下の説明では、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)の第1の極α1および第2の極α2を、必要に応じてPFC極α1、α2と称する。また、並列前進補償器(PFC)205のゲインβを必要に応じてPFCゲインβと称する。
湯面レベル制御装置100は、以上に示した(3)式、(4)式、(13)式〜(18)式、および(21)式の算出式に基づいて演算を繰り返し実行することで、ストッパー13に対する開度指令値としてのSAC制御出力u0を求める。
尚、プロセスモデル207と減算器202との間にローパスフィルタを設け、湯面レベルの検出値yを、ローパスフィルタに通したうえで減算器202に出力する構成にしてもよい。
本実施形態では、操作変化量に厳しい制限があるストッパー注入系(ストッパー13によりモールド14内への金属溶湯17の流入量を調整する系)に対しても、ロバストで安定な湯面レベル制御を行うことを目的とする。このため、単純適応制御(SAC)を構成する、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)および適応ゲインKeの上限値Kemaxを以下のようにして設定する。
図4は、制御器パラメータ導出装置400の機能的な構成の一例を示す図である。制御器パラメータ導出装置400は、SAC制御器のパラメータ(並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)および適応ゲインKeの上限値Kemax)を導出する装置である。制御器パラメータ導出装置400は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDDおよび各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
以下に、制御器パラメータ導出装置400の各部が有する機能の一例を説明する。
(プロセスモデル取得部401)
プロセスモデル取得部401は、プロセスモデル207を特定するための情報を取得する。プロセスモデル207の取得形態としては、例えば、ユーザインターフェースの操作、外部装置との通信、または、可搬型記憶媒体からの読み出しが挙げられる。
本実施形態では、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を以下の(22)式で表す。
Figure 0006447336
(22)式において、KKは、ストッパー13の流量係数[m2/sec]である。Aは、モールド14の空洞部分の水平方向の断面積[m2]である。TCYLは、開閉用アクチュエータ(油圧シリンダー300)の時定数[sec]である。TSは、レベル計19の時定数[sec]である。TNは、浸漬ノズル12の内部での湯落ちに要するむだ時間[sec]である。
(22)式の(2/TN−s)/(2/TN+s)は、むだ時間TNに基づくむだ時間要素の伝達関数の一次のパデ近似である。
したがって、本実施形態では、プロセスモデル207は、図5に示すブロック線図で表される。尚、図5に示すy´は、湯面レベルの生値である。また、実際の制御においては、プロセスモデル207は、実プラント(連続鋳造機)に置き換えられる。
本実施形態では、プロセスモデル取得部401は、(22)式の形と、(22)式における各パラメータの値を取得する。
(PI制御器設計部402:STEP0)
PI制御器設計部402は、SAC制御器の代わりにPI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)を導出する。
図6は、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)を導出するためのブロック線図の一例を示す図である。
PI制御器601の伝達関数CPI(s)は、以下の(23)式で表される。
Figure 0006447336
(23)式において、KPは比例ゲインであり、TIは積分時間[sec]である。
PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)は、以下の(24)式で表される。
Figure 0006447336
感度関数SPI(s)は、外乱dから湯面レベルの検出値y´に一致する。したがって、感度関数SPI(s)は、外乱dが湯面レベルの検出値y´にどのように増幅されて表れるのかを意味する。
(22)式と(23)式との積であるP(s)・CPI(s)の伝達関数に対して、開ループ設計を行う。経験的に、位相余裕は50[°]程度、ゲイン余裕は10[dB]以上とするような比例ゲインKPおよび積分時間TIを設計する。尚、比例ゲインKPおよび積分時間TIの設計手法は、公知の技術で実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
図7は、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例を示す図である。尚、図7では、位相の周波数特性の図示を省略する(このことは、その他の図のボード線図においても同じである)。
図7において、感度関数SPI(s)の振幅(ゲイン)が0[dB]を上回る範囲の周波数で、外乱dが増幅されて湯面レベルの検出値y´に表れる。図7に示す例では、0.08[Hz]〜0.7[Hz]程度の周波数範囲で感度関数SPI(s)の振幅が0[dB]を上回る。
(ASPR条件)
図3に示す並列前進補償器205の局所フィードバックは、図8に示すように、プロセスモデル207に対する並列前進加算の形に書き換えることができる。すなわち、図8に示すブロック線図では、プロセスモデル207の出力と並列前進補償器205の出力とを加算器208で加算した値をフィードバックする構成になる。
図3に示すブロック線図と図8に示すブロック線図は等価である。そうすると、以下の(25)式のように、拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)が定義される。
a(s)=P(s)+PFC(s) ・・・(25)
このように、適応ゲインKe(t)を制御器と見立てて、プロセスモデルが並列前進補償器205により拡大されたと解釈することができる。
(25)式に、(21)式と(22)式を代入すると、拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)は、以下の(26)式で表される。
Figure 0006447336
図3および図8から明らかなように、本実施形態では、湯面レベル制御装置100は、1入力1出力系である。したがって、以下の(A)〜(C)の条件を満足することで、拡張プロセスモデルはASPR条件を満足する。
(A)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)は最小位相系
(B)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)の相対次数は0または1
(C)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)のゲインは正
条件(B)については、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)を、(21)式のようにすることで自動的に満足する。また、条件(C)については、PFCゲインβが0を上回る(β>0)ようにすれば満足する。条件(A)については、PFC極α1、α2が共に0を上回る(α1>0、α2>0)ようにすることが必要条件である。また、PFC極α1、α2とPFCゲインβが条件(A)を満足するためには、拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)が不安定零点を持たないことが必要である。
並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)の設計を行う際には、以上のASPR条件による制約がある。したがって、従来は、条件(A)を満足するような、PFC極α1、α2とPFCゲインβとの組み合わせを試行錯誤的に設計していた。これに対し、本実施形態では、以下の手順に沿って、条件(A)〜(C)を満足するような、PFC極α1、α2とPFCゲインβとの組み合わせを導出する。
(第1のPFCパラメータ決定部403:STEP1)
第1のPFCパラメータ決定部403は、(21)式に示したPFCゲインβを導出する。
以下に、PFCゲインβを導出する方法の一例を説明する。
(26)式を以下の(27)式のように表現する。
Figure 0006447336
(27)式の分子、分母は互いに既約なs多項式である。(27)式の分子のs多項式Panum(s)を以下の(28)式に示す。
Figure 0006447336
(28)式を展開すると、(27)式の分子のs多項式Panum(s)を以下の(29)式のように表すことができ、s多項式の係数Niを求めることができる。
Figure 0006447336
前記条件(A)から、(29)式に対して、「Panum(s)=0の根の全て実部が負であること」が要求される。(29)式に対してフルビッツの安定判定法をあてはめれば、「s多項式の係数Niの全てが正であること」が必要条件となる(ただし、必要十分条件ではない)。したがって、N3>0から、PFCゲインβに対する以下の(30)式の制約式を得ることができる。
Figure 0006447336
制御設計としては、センサーであるレベル計19と、油圧シリンダー300の応答性が変化した場合においても安定動作とするのが好ましい。そこで、本実施形態では、レベル計19の時定数TSと油圧シリンダー300の時定数TCYLとを共に0(TS=0、TCYL=0)とする。したがって、(30)式は以下の(31)式のように変形される。(31)式は、PFCゲインβの下限値を最大化することになり、保守的な設計になることに対応する。このように、ASPR条件を理論的に満足するようにPFCゲインβの下限値が定められる。
Figure 0006447336
そして、本実施形態では、ストッパー13の流量係数KKが、浸漬ノズル12の溶損により大きくなることを考慮して、PFCゲインβに対して余裕代を与える。
以上のことから、第1のPFCパラメータ決定部403は、以下の(32)式により、PFCゲインβを導出する。
Figure 0006447336
(32)式において、KKMAXは、ストッパー13の流量係数の最大値[m2/sec]であり、以下の(33)式を満足するものである。
KKMAX=D1×KK>KK ・・・(33)
(33)式から明らかなように、D1は1を上回る実数(D>1)である。この係数D1、すなわちストッパー13の流量係数の最大値KKMAXは、例えば、操業実績等に基づいて予め設定される。
(適応ゲイン上限仮決定部404:STEP2)
適応ゲイン上限仮決定部404は、SAC制御器の代わりにP制御器を用いた場合の比例ゲインであって、プロセスモデル207の伝達関数P(s)に対して発振限界(ゲイン余裕=0、位相余裕=0)となる比例ゲインを、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとして導出する。
実際には、SAC制御器では、並列前進補償器205により拡張プロセスモデルがASPR化されるため、通常のPI制御に比較してゲイン余裕は大きくなる。
しかしながら、適応ゲインKe(t)の上限値を仮決めすることで、試行錯誤的に設計を進めなければならないSAC制御器の設計に道筋をつけることが可能となる。
(第2のPFCパラメータ決定部405:STEP3)
本発明者らは、PFC極α1、α2の探索範囲に対して制約を設ける必要があるか否かを検討した。第2のPFCパラメータ決定部405の機能の一例を説明する前に、その結果を説明する。
前述したように、(29)式に対してフルビッツの安定判定法をあてはめれば、「s多項式の係数Niの全てが正であること」が必要条件となる(ただし、必要十分条件ではない)。したがって、N1>0、N2>0から、PFC極α1、α2に対する以下の制約式を得ることができる。
まず、N1>0から、以下の(34)式の制約式を得ることができる。
Figure 0006447336
(34)式を変形すると、以下の(35)式のようになる。
Figure 0006447336
次に、N2>0から、以下の(36)式の制約式を得ることができる。
Figure 0006447336
(36)式を変形すると、以下の(37)式のようになり、(38)式を得ることができる。
Figure 0006447336
(34)式〜(38)式の制約条件から、PFC極α1、α2の上限値が与えられる。しかしながら、かかる上限値は、後述する感度関数の最適化により得られるPFC極α1、α2の最適値に比べて非常に大きい値になる。また、そもそも、ASPR条件は制御の安定性を保障するためのものであって、制御性能の指標とはならない。以上のことから、PFC極α1、α2の探索範囲に対して制約を設ける必要はないと考えられる。
そこで、本実施形態では、第2のPFCパラメータ決定部405は、以下のようにしてPFC極α1、α2を導出する。
第2のPFCパラメータ決定部405は、第1のPFCパラメータ決定部403で導出された、PFCゲインβと、適応ゲイン上限仮決定部404で導出された、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとを用いて、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を導出する。そして、第2のPFCパラメータ決定部405は、PI制御器設計部402で導出された、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)と、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)との所定の周波数範囲での差が最小になるときのPFC極α1、α2を探索する。
ここで、前記所定の周波数範囲は、湯面レベルの変動周波数として想定される周波数の少なくとも一部が含まれるように、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)の振幅が0[dB]以下になる周波数範囲の中から設定される。かかる周波数範囲として、さらに、ボード線図(振幅の周波数特性)における傾きが所定の範囲内であるという制約を加えることができる。
PFC極α1、α2の具体的な探索方法の一例を説明すると、まず、PFC極α1、α2が以下の(39)式の関係を満足するものとする。
α2=D2×α1 ・・・(39)
D2は、0(ゼロ)を上回る実数(D2>0)である。係数D2は、例えば、操業実績等に基づいて予め設定される。
図9は、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を導出するためのブロック線図の一例を示す図である。
適応ゲインKe(t)を、その仮の上限値Kemax_tempで固定することで、SAC制御器を、並列前進補償器205の局所的なフィードバック機構を含めて1つの制御器として扱うことが可能である。このように並列前進補償器205を含めたSAC制御器の伝達関数CSAC(s)は、以下の(40)式で表される。
Figure 0006447336
ただし、前述したように、α1>0、α2>0、β>0である。
また、(並列前進補償器205を含めた)SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)は、以下の(41)式で表される。
Figure 0006447336
第2のPFCパラメータ決定部405は、PFC極α1の初期値を0(ゼロ)とし、PFC極α1の値を0(ゼロ)から徐々に大きくしていき、それぞれのPFC極α1における、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を、(39)式〜(41)式等により導出する。
次に、第2のPFCパラメータ決定部405は、前記所定の周波数範囲として0.005[Hz]〜0.04[Hz]の周波数範囲において、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)とPI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)との差が最小となるときのPFC極α1、α2を導出する。このように、本実施形態では、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)は最適設計されているものとして、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)とPI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)とを比較する。
図10は、PFC極α1、α2を導出する際の処理の一例を概念的に説明する図である。
図10において、振幅は、感度関数の振幅である。また、グラフ1001は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1002は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
本実施形態では、第2のPFCパラメータ決定部405は、PFC極α1を異ならせた複数の感度関数SSAC(s)の中から、0.005[Hz]〜0.04[Hz]の周波数において、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|に対する、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の誤差の積分値が最小になる感度関数SSAC(s)を求める。尚、かかる積分値は、図10でハッチングされている領域の面積に対応する。そして、第2のPFCパラメータ決定部405は、当該求めた感度関数SSAC(s)を導出した際に用いたPFC極α1を特定する。
具体的に、例えば、s=jω(j:虚数単位、ω:角周波数[rad/sec])として得られる感度関数の振幅をそれぞれ|SPI(jω)|、|SSAC(jω)|と表記すると、第2のPFCパラメータ決定部405は、以下の(42)式に示す評価関数Jを最小化するPFC極α1を求める。
Figure 0006447336
ただし、ω2、ω1は、それぞれ、前述した周波数範囲(0.005[Hz]〜0.04[Hz])の上限、下限に対応する角周波数[rad/sec]であり、以下の(43)式、(44)式で表される。
ω2=2π×0.040 ・・・(43)
ω1=2π×0.005 ・・・(44)
また、前述したように、PFC極α1は0(ゼロ)を上回る値(α1>0)である。
以上のように第2のPFCパラメータ決定部405は、PFC極α1の初期値を0(ゼロ)とした場合の評価関数Jと、PFC極α1を徐々に大きくした場合のそれぞれの評価関数Jを導出し、評価関数Jを最小化するPFC極α1を探索する。
図11は、評価関数Jの値が最小となるときの感度関数SPI(s)、SSAC(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例を示す図である。
図11において、グラフ1101は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1102は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
図12は、PFC極α1、α2が異なる複数の感度関数SSAC(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例を、感度関数SPI(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例と共に示す図である。
図12において、グラフ1201は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図11に示したグラフ1101と同じである。
グラフ1202〜1204は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。グラフ1203は、図11に示したグラフ1102と同じである。グラフ1202、1204は、グラフ1203を得たときと、PFC極α1、α2の値のみを異ならせることにより得られたものである。具体的に、グラフ1202は、PFC極α1、α2が、グラフ1201を得た際のPFC極α1、α2よりも小さいときの感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性である。また、グラフ1204は、PFC極α1、α2が、グラフ1201を得た際のPFC極α1、α2の大きさよりも大きいときの感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性である。
グラフ1202のように、PFC極α1、α2を小さくしすぎると、低周波領域における振幅が小さくなり、湯面レベルの変動を十分に抑制することができなくなる。一方、グラフ1204のように、PFC極α1、α2を大きくしすぎると、低周波領域における振幅が大きくなり、湯面レベルの変動を十分に抑制できるが、0.1[Hz]以上の周波数で振幅が0[dB]を上回る。したがって、湯面レベルの変動周波数として多くみられる0.03[Hz]〜0.3[Hz]の多くの領域で、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|を十分に低下させることができない。したがって、外乱dが増幅されて湯面レベルに表れやすくなる。これに対し、グラフ1203のように、PFC極α1、α2を適切に設定することにより、低周波領域における湯面レベルの変動と、外乱が増幅されて湯面レベルに表れることとの双方を抑制することができる。
(適応ゲイン上限決定部406:STEP4)
適応ゲイン上限決定部406は、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを導出する。
以下に、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを導出する方法の具体例を説明する。
まず、適応ゲイン上限決定部406は、第1のPFCパラメータ決定部403で導出されたPFCゲインβと、第2のPFCパラメータ決定部405で導出されたPFC極α1、α2とを用いて、前述した(41)式の計算を行うことにより、(並列前進補償器205を含めた)SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を導出する。この際、適応ゲイン上限決定部406は、適応ゲイン上限仮決定部404で導出された、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempを、(41)式におけるKemax_tempに与える適応ゲインの初期値とする。そして、適応ゲイン上限決定部406は、(41)式におけるKemax_tempに与える適応ゲインを徐々に大きくしていき、それぞれの適応ゲインにおける、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を、(39)式〜(41)式等により導出する。
そして、適応ゲイン上限決定部406は、所定の周波数範囲において感度関数SPI(s)の振幅以下になる感度関数SSAC(s)の振幅の周波数特性であって、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインが最小となる感度関数SSAC(s)の振幅の周波数特性を導出し、当該最小となる適応ゲインを、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとする。すなわち、適応ゲイン上限決定部406は、所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、感度関数SPI(s)の振幅の周波数特性と一致する感度関数SSAC(s)の振幅の周波数特性を特定し、当該特定した感度関数SSAC(s)の振幅の周波数特性を得た際に用いた適応ゲイン((41)式のKemax_tempに与えた適応ゲイン)を、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとする。
ここで、前記所定の周波数範囲は、湯面レベルの変動周波数として想定される周波数の少なくとも一部が含まれるように、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)の振幅が0[dB]以下になる周波数範囲の中から設定される。かかる周波数範囲として、さらに、ボード線図(振幅の周波数特性)における傾きが所定の範囲内であるという制約を加えることができる。本実施形態では、前記所定の周波数範囲として、0.001[Hz]〜0.04[Hz]を採用する。尚、前記所定の周波数範囲として、第2のPFCパラメータ決定部405でPFC極α1、α2を導出した際に用いた周波数範囲と同じ周波数範囲(前述した例では0.005[Hz]〜0.04[Hz])を採用してもよい。
このようにすることにより、SAC制御器がPI制御器の性能を上回るようにするにあたって、必要以上に適応ゲインKe(t)を上げ過ぎないようにすることができる。
図13は、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを導出する際の処理の一例を概念的に示す図である。
図13において、振幅は、感度関数の振幅である。また、グラフ1301は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1302は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
本実施形態では、適応ゲイン上限決定部406は、前記所定の周波数範囲の下限(=0.001[Hz])と上限(=0.04[Hz])のそれぞれにおいて、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|と感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|とが一致するような((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインを、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして探索する。
図14は、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインが異なる複数の感度関数SSAC(s)のボード線図(周波数応答線図)の第1の例を、感度関数SPI(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例と共に示す図である。
図14において、グラフ1401は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図11に示したグラフ1101および図12に示したグラフ1201と同じである。
グラフ1402、1403は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
グラフ1402を得た際に使用した、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxは、グラフ1403を得た際に使用した、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxよりも大きい。グラフ1402、1403を得た際のその他の条件は同じである。
0.001[Hz]〜0.04[Hz]程度の周波数範囲において、グラフ1403の値はグラフ1401の値以下になっていない。したがって、グラフ1403を得た際に用いた適用ゲイン((41)式のKemax_tempに与えた適応ゲイン)は、適用ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして採用されない。一方、0.005[Hz]〜0.04[Hz]の周波数範囲において、グラフ1402の値はグラフ1401の値以下になっており、且つ、0.005[Hz]、0.04[Hz]の双方においてグラフ1401の値とグラフ1402の値は一致する。したがって、グラフ1401を得た際に用いた適応ゲイン((41)式のKemax_tempに与えた適応ゲイン)は、適用ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして採用される。
図15は、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインが異なる複数の感度関数SSAC(s)のボード線図(周波数応答線図)の第2の例を、感度関数SPI(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例と共に示す図である。
図15において、グラフ1501は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図14に示したグラフ1401と同じである。
グラフ1502、1503は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。グラフ1502は、図14に示したグラフ1402と同じである。グラフ1503は、グラフ1502を得たときと、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxの値のみを異ならせることにより得られたものである。具体的に、グラフ1503を得た際に用いた適応ゲインは、グラフ1502を得た際に用いた適応ゲインよりも大きい。
図16は、外乱dから開度指令u0、u0´への伝達関数TSAC(s)、TPI(s)のボード線図(周波数応答線図)の一例を示す図である。外乱dから開度指令u0、u0´への伝達関数TSAC(s)、TPI(s)は、外乱dが開度指令u0、u0´にどのように増幅されて表れるのかを意味する。
伝達関数TSAC(s)、TPI(s)は、それぞれ以下の(45)式、(46)式で表される。
Figure 0006447336
図16において、グラフ1601は、図6に示したブロック線図における伝達関数TPI(s)の振幅の周波数特性を示す。
グラフ1602、1603は、図9に示したブロック線図における伝達関数TSAC(s)の振幅の周波数特性を示す。グラフ1602は、グラフ1503を得たときと、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインの値のみを異ならせている。具体的に、グラフ1602を得た際に用いた適応ゲインは、グラフ1603を得た際に用いた適応ゲインよりも小さい。
図15に示すグラフ1502、1503を比較すると、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを大きくすればするほど、低周波領域での湯面レベルの変動が改善されるように見える。しかしながら、図16に示すグラフ1602、1603に示すように、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを大きくしすぎると、高周波領域でストッパー13の開度の変動が増大し、湯面の波立ちに対してストッパー13が過剰に反応する虞がある。例えば、開閉パルス信号(ストッパー13の開度の変更分を表すパルス信号)の飽和が発生すると、制御を安定化させることができず、発散的な挙動となることが予測される。
以上のことから、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxは大きすぎても小さすぎても好ましくなく、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを適切に設定することにより、低周波領域における湯面レベルの変動と、外乱が増幅されてストッパー13の開度指令に表れることとの双方を抑制することができる。
図17は、湯面レベルと時間との関係の一例を示す図である。図17(a)は、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定せずに、図3に示すブロック線図に従って湯面レベルの制御をシミュレーションした結果を示す。図17(b)は、前述したようにして適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定して、図3に示すブロック線図に従って湯面レベルの制御をシミュレーションした結果を示す。図17(a)に示す結果を得る際の条件と、図17(b)に示す結果を得る際の条件の違いは、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxの設定の有無のみである。
図17(a)および図17(b)において、レベル目標値は、湯面レベルの目標値を示し、レベル実績値は、シミュレーションの結果を示す。
図17(a)に示す例では、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定していないため、湯面レベルが大きくハンチングし、鋳造の継続が不可能な状態になる。例えば、ストッパー13の移動速度に制約がある場合、単純適応制御(SAC)の持つ高い制御能力を発揮できない場合がある。
一方、図17(b)に示す例では、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定し、適応ゲインKe(t)が過大になることを回避するため、湯面レベルのハンチングが抑制され、単純適応制御(SAC)を安定して実行することができる。
適応ゲイン上限決定部406は、以上のようにして得られた、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxと、第1のPFCパラメータ決定部403で導出されたPFCゲインβと、第2のPFCパラメータ決定部405で導出されたPFC極α1、α2とを出力する。出力形態としては、例えば、湯面レベル制御装置100への送信、可搬型記憶媒体への記憶、コンピュータディスプレイへの表示の少なくとも何れか1つが挙げられる。すなわち、適応ゲイン上限決定部406は、SAC制御器として動作する湯面レベル制御装置100のパラメータ(α1、α2、β、Kemax)を、湯面レベル制御装置100に直接設定する構成としてもよいし、間接的に(例えばオペレータによる操作等を介して)設定する構成としてもよい。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、理論的にASPR条件を満足することを示す制約要件を満たすようにPFCゲインβを導出する。また、プロセスモデル207の伝達関数P(s)に対して発振限界(ゲイン余裕=0、位相余裕=0)となる比例ゲインを、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとして導出する。そして、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempと、PFCゲインβとを前記導出した値で固定した上で、PFC極α1、α2を変更し、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|が0[dB]を上回る領域よりも低周波側の所定の周波数範囲において、感度関数SPI(s)、SSAC(s)の振幅|SPI(s)|、|SSAC(s)|の差が最小になるときのPFC極α1、α2を導出する。次に、PFC極α1、α2およびPFCゲインβを前記導出した値で固定した上で適応ゲインを変更し、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|が0[dB]を上回る領域よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限において、感度関数SPI(s)、SSAC(s)の振幅|SPI(s)|、|SSAC(s)|が一致するときの適応ゲインを適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして導出する。
したがって、試行錯誤的に設計することが殆どであったSAC制御器を系統立てて設計することが可能となる。その結果、PI制御器を上回る制御性能を実現するために必要となる、PFC極α1、α2、PFCゲインβ、および適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを試行錯誤することなく求めることができる。このように、ストッパー13を用いた連続鋳造機における湯面レベルの制御を単純適応制御(SAC)により高精度に実現するためのSAC制御器の設計を系統立てて行うことができる。
(変形例)
<変形例1>
本実施形態では、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を(21)式で表現する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)は、(21)式に限定されない。並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)は、例えば、分母の次数が分子の次数よりも1大きく、且つ、分子の次数が1次以上である伝達関数とすることができる。さらに、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を直達項がない形で表現することもできる。
<変形例2>
本実施形態では、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を(22)式で表現する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、プロセスモデル207の伝達関数P(s)は(22)式に限定されない。例えば、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を以下の(47)式または(48)式で表現してもよい。
Figure 0006447336
<変形例3>
本実施形態では、(42)式に示す評価関数Jを最小にするPFC極α1を求める場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、(42)式に示す評価関数Jが最小になるように、SAC制御器の全てのパラメータを導出してもよい。このようにする場合の具体例を説明すると、ASPR条件を満足することを示す制約条件(例えば(29)式のただし書きに示すN0〜N5の全てが0(ゼロ)を上回るという制約条件)を満たす範囲で、(42)式に示す評価関数Jを最小にするPFC極α1、α2およびPFCゲインβを導出してもよい。尚、かかる導出は、例えば、公知の数理計画法における最適化計算の手法を用いることにより実現できる。また、このようにする場合、制御器パラメータ導出装置400は、第1のPFCパラメータ決定部403の機能を持たなくてもよい。また、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を(21)式で表現しない場合においても、このようにしてSAC制御器の全てのパラメータを導出することができる。さらに、本実施形態で説明したように、湯面レベルを制御するための設備(油圧シリンダー300、レベル計19)の時定数TCYL、TSを0(ゼロ)にして、前記制約条件を定めることができる。
<その他の変形例>
以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11:タンディッシュ、12:浸漬ノズル、13:ストッパー、14:モールド、15:ピンチロール、16:冷却スプレー、17:金属溶湯、18:凝固殻、19:レベル計、100:レベル制御装置、200:ST制御装置、300:油圧シリンダー、400:制御器パラメータ導出装置、401:プロセスモデル取得部、402:PI制御器設計部、403:第1のPFCパラメータ決定部、404:適応ゲイン上限仮決定部、405:第2のPFCパラメータ決定部、406:適応ゲイン上限決定部

Claims (8)

  1. 連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、
    前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、
    前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、
    を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出方法であって、
    前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性をPI制御器設計手段により導出するPI制御器設計工程と、
    前記適応ゲインの仮の上限値を適応ゲイン上限仮決定手段により決定する適応ゲイン上限仮決定工程と、
    前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定工程により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、初期値をゼロとした場合の前記ストッパーに対する開度に関する指令をラプラス変換した値に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量をラプラス変換した値の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとしてPFCパラメータ決定手段により決定するPFCパラメータ決定工程と、
    前記前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定工程により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして適応ゲイン上限決定手段により決定する適応ゲイン上限決定工程と、を有し、
    前記PFCパラメータ決定工程は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定工程で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、
    前記適応ゲイン上限決定工程は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定工程で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする制御器パラメータ導出方法。
  2. 前記PFCパラメータ決定工程は、
    前記プロセスモデルの伝達関数と前記並列前進補償器の伝達関数との和がASPR(Almost Strictly Positive Real)条件を満足することを示す制約条件であって、前記プロセスモデルの伝達関数における設備の時定数を0(ゼロ)とした場合の制約条件を満たすように、前記並列前進補償器の伝達関数の分子の最高次数のラプラス演算子に乗算される係数を、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとして特定する第1のPFCパラメータ決定工程と、
    前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定工程で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であり、且つ、前記係数が第1のPFCパラメータ決定工程で決定された前記係数であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の極を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数の極を、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとして特定する第2のPFCパラメータ決定工程と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の制御器パラメータ導出方法。
  3. 前記並列前進補償器の伝達関数は、以下の(A)式であり、
    前記第2のPFCパラメータ決定工程は、前記(A)式における極α1、α2を導出し、
    前記第1のPFCパラメータ決定工程は、前記(A)式における係数βを、以下の(B)式を満足するように導出することを特徴とする請求項1または2に記載の制御器パラメータ導出方法。
    前記(A)式において、sはラプラス演算子であり、前記(B)式において、KKは、前記ストッパーの流量係数[m2/sec]であり、Aは、前記モールドの空洞部分の水平方向の断面積[m2]である。
    Figure 0006447336
  4. 前記第1のPFCパラメータ決定工程は、以下の(C)式により係数βを導出することを特徴とする請求項3に記載の制御器パラメータ導出方法。
    Figure 0006447336
  5. 前記適応ゲイン上限仮決定工程は、前記湯面レベルの制御をP制御により行う場合の比例ゲインであって、前記プロセスモデルの伝達関数に対して発振限界となる比例ゲインを、前記適応ゲインの仮の上限値として導出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法。
  6. 前記適応ゲイン上限決定工程は、前記適応ゲイン上限仮決定工程により導出された、前記適応ゲインの仮の上限値を初期値として、前記適応ゲインの値を異ならせて、前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性を導出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法。
  7. 連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、
    前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、
    前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、
    を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出装置であって、
    前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性を導出するPI制御器設計手段と、
    前記適応ゲインの仮の上限値を決定する適応ゲイン上限仮決定手段と、
    前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定手段により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、初期値をゼロとした場合の前記ストッパーに対する開度に関する指令をラプラス変換した値に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量をラプラス変換した値の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとして決定するPFCパラメータ決定手段と、
    前記前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定手段により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして決定する適応ゲイン上限決定手段と、を有し、
    前記PFCパラメータ決定手段は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定手段で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、
    前記適応ゲイン上限決定手段は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定手段で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする制御器パラメータ導出装置。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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