JP4867105B2 - 数値制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、数値制御装置に関わり、特に、負荷を高速に駆動する際に生じる弾性変形誤差を高度に補正することができる数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
NC加工システム、NCロボットシステム、NC搬送システムなどには、数値制御装置が使われている。例えばNC加工システムでは、被加工対象物(ワーク等)をテーブル上に固定し、このテーブルと加工工具との相対的な位置関係を数値制御(座標制御)することで、被加工対象物を複雑な形状に加工する。NC加工システムでは一般的に、X、Y、Zの3つの互いに直交する軸方向に、独立に、3つのサーボモータを設け、この3つのサーボモータの回転駆動力をテーブルや加工工具の支持部材に伝達することで、テーブルと加工工具との相対運動を制御している。
【0003】
このようなNC加工システムに使用される数値制御装置は、駆動力伝達機構(駆動源であるサーボモータ、モータの回転運動を直線運動に変換するボールネジ、モータとボールネジを連結するカップリング、運動方向を規定する直線ガイド、ワークや工具が保持されるテーブル等)に弾性要素を多く含む。これらの弾性要素は、テーブル等が高速円運動などを行う際、モータの駆動トルクに比例する弾性変位を生じる。その結果、数値制御に基づく目標移動量と、テーブルやワークの相対的な移動量が一致しなくなり、弾性変形誤差を生じた。
【0004】
特開平4−271290号公報に開示された駆動制御装置は、このような弾性変形誤差を補正することを目的とした数値制御装置の例である。図14に示されたブロック図で、1は負荷、2はモータ、3は位置検出部、4は位置指令値生成部、5はフィードバック補償部、6はフィードフォワード補償部、7は負荷端補正部、8は電流補償部である。また、θrは位置指令部生成部4にて生成されるモータ2の回転位置を指定する位置指令値、θlは負荷1の(実際の)位置、θmは位置検出部3で検出されるモータ2の位置検出値である。
【0005】
負荷1とモータ2は、慣性モーメントとその間に介在するバネを使って、力学的にモデル化されており、Jlは負荷1の慣性モーメント、Jmはモータ2の慣性モーメント、Kは負荷1の剛性を表すバネ定数を表す。また、J0lは負荷1の慣性モーメントJlの推定値、J0mはモータ2の慣性モーメントJmの推定値、α、βはそれぞれ負荷端補正部7のパラメータ、sは微分を表すラプラス演算子である。
【0006】
フィードバック補償部5において、Kpは位置ループ比例ゲイン、Kvは速度ループ比例ゲイン、KjはKvと速度ループ積分ゲインKviの積、23は速度指令値、25はフィードバック指令値を表す。またフィードフォワード補償部6において、22はフィードフォワード指令値であり、31は慣性トルク補償成分を表す。また、11と24は加算器、29は駆動トルク指令値である。
【0007】
次に動作について説明する。フィードバック補償部5は、位置指令値生成部4で生成される位置指令値θrと、位置検出部3より出力されるモータ2の位置検出値θmとの差に基づいてPID(比例・積分・微分)制御を行う。但し、図示されたフィードバック補償部5では、位置指令値θrと位置検出値θmのそれぞれの微分値を利用した構成となっているが、PID制御の構成に等価変換できる。
【0008】
負荷1およびモータ2を、フィードバック補償部5のみで制御した場合、応答の遅れのために位置指令値θrへの追従精度は良好ではないが、負荷1とモータ2の剛性が十分高い(バネ定数Kが十分大きい)場合には、フィードフォワード補償部6で、J0l=Jl、J0m=Jmとすることにより、応答の遅れをなくすことができる。
【0009】
しかしながら、負荷1とモータ2の剛性が十分高いと見なすことができない場合には、負荷1の位置θlとモータ2の位置検出値θmとの間にずれが生じ、フィードフォワード補償部6の補正だけでは十分な精度が得られない。そこで負荷端補正部7において、α=Jl/(K(Jl+Jm))、β=Jmとすることにより、負荷1とモータ2に対応する2つの慣性モーメントJl、Jmとその間に介在するバネで表現される制御対象モデルの特性を完全に補償することができる。こうすることによって、位置指令値θrと負荷1の位置θlを完全に一致させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の数値制御装置は以上のように構成されており、弾性変形誤差を補正するために、負荷端補正部7で位置指令値θrの4階微分あるいは3階微分が必要とされる。すなわち、位置指令値θrはラプラス演算子sによる処理を、フィードフォワード補償部6で2回、負荷端補正部7で2回受ける。このため、位置指令値θrが高次微分可能でない場合や量子化誤差の影響を受ける場合には、数値制御装置は振動を励起することがあった。また、負荷1とモータ2の剛性を表すバネ定数Kの値が、負荷1の位置に依存して変化する現象に対応することが出来ないという課題もあった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、位置指令値が高次微分可能でない場合でも振動を励起することなく、高精度で位置制御を行うことができる数値制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷と前記モータの慣性モーメントの和と前記位置指令値の2階微分値から求まる慣性トルク補償成分と、前記負荷と前記モータの粘性摩擦係数の和と前記位置指令値の1階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる数値制御装置が適用可能なテーブル駆動系の構成を示している。ワークや工具が保持されるテーブルが負荷1に相当し、所定の軌跡に従って移動する。モータ2は負荷1を駆動するサーボモータで、位置検出部3(エンコーダ等)が取り付けられている。負荷1とモータ2は、モータの回転運動を直線運動に変換するボールネジ、モータとボールネジを連結するカップリング、運動方向を規定する直線ガイドなどで連結されており、モータ2の回転に伴い、わずかではあるが弾性変形が生じる。
【0038】
本発明にかかる数値制御装置は、生じる弾性変形の大きさを力学的モデルに基づいて推定し、高精度に負荷1の速度や位置を制御する。本発明にかかる数値制御装置には様々な形態が考えられ、以下に図に基づいて説明する。図中、同一番号は、同一部品あるいはそれに相当する部品を表す。
【0039】
実施の形態1.
図2は実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。負荷1とモータ2は、慣性モーメントとその間に介在するバネを使って、力学的にモデル化されている。Jlは負荷1の慣性モーメント、Jmはモータ2の慣性モーメント、Kは負荷1の剛性を表すバネ定数、Cはバネに作用する粘性摩擦係数、Clは負荷1の粘性摩擦係数、Cmはモータ2の粘性摩擦係数、sは微分を表すラプラス演算子である。
【0040】
また、J0lは負荷1の慣性モーメントJlの推定値、J0mはモータ2の慣性モーメントJmの推定値、K0はバネ定数Kの推定値、C0lは負荷1の粘性摩擦係数Clの推定値、C0mはモータ2の粘性摩擦係数Cmの推定値、Kpは位置ループ比例ゲイン、Kvは速度ループ比例ゲイン、Kjは速度ループ積分ゲインKviと速度ループ比例ゲインKvの積を表す。
【0041】
次に動作について説明する。モータ2に取り付けられている位置検出部3はモータ2の回転位置を検出し、検出した値を位置検出値θmとして出力する。位置指令値生成部4は負荷1に所定の軌跡上を移動させるための位置指令値θrを生成する。
【0042】
フィードバック補償部5は、位置指令値生成部4で生成される位置指令値θrとモータ2に取り付けられた位置検出部3より出力されるモータ2の位置検出値θmとの差をもとにPID(比例・積分・微分)制御を行う。また速度指令値23とフィードバックトルク指令値25を生成する。なお、図1に示されたフィードバック補償部5では、位置指令値θrと位置検出値θmのそれぞれの微分値を利用した構成となっているが、これは等価変換することにより上記PID制御の構成となる。
【0043】
フィードフォワード補償部6は、負荷1およびモータ2を表す力学的特性値と位置指令値生成部4で生成された位置指令値θrから、フィードフォワードトルク指令値22を生成し、フィードバック補償部5のみで制御したときのような、応答遅れによる位置指令値θrへの追従精度の低下を抑制する。
【0044】
なお、実施の形態1にかかるフィードフォワード補償部6は、負荷1とモータ2の慣性モーメントに関わる慣性トルク補償成分31(位置指令値θrの2階微分値に、負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの和を乗算したもの)の他に、負荷1とモータ2の粘性摩擦も考慮して、粘性摩擦トルク補償成分32(位置指令値θrの一階微分値に、負荷1の推定粘性摩擦係数C0lとモータ2の推定粘性摩擦係数C0mの和を乗算したもの)を含んでいる。このため、より高度な制御が行われる。
【0045】
電流補償部8は、フィードバック補償部5で生成されたフィードバックトルク指令値25と、フィードフォワード補償部6で生成されたフィードフォワードトルク指令値22を加算する加算器24が生成する駆動トルク指令値29(負荷の駆動に必要なトルクの指令値)をもとに、モータ2に適切な電流を流す。
【0046】
モータ2は駆動トルク指令値29に対応するトルクを発生するが、実際には、電流センサ(図示せず)に基づく電流フィードバックを行って電流を制御し、その電流に比例したトルクをモータ2は発生している。従って、駆動トルク指令値29はトルク相当の電流指令値とみることもできる。電流補償部8は、駆動トルク指令値29に相当する目標電流値をもとに、モータ2に適切な電流を流すようにしてもよい。
【0047】
負荷補正部9は、負荷補正定数A{J0l/K0(J0l+J0m)}を、フィードフォワード補償部6が生成するフィードフォワードトルク指令値22に乗算し、その演算結果(負荷トルク補正値27)を位置補正部10に送出する。定性的には、フィードフォワードトルク指令値22にJ0l/(J0l+J0m)を乗じることでバネに作用するトルクを、1/K0を乗じることでバネの伸縮量を計算している。
【0048】
位置補正部10は、負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に対して式1の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って位置補正値26を算出して加算器11に出力する。
(1+s/Kp)/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)・・・式1
ここで、分子のs/Kpは位置ループにおける応答遅れを補償するための項(フィードフォワード成分)であり、分母は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するための項(ローパスフィルタ)である。なお、ρとζはローパスフィルタの時定数である。
【0049】
位置補正部10の効果をシュミレーション結果を元に説明する。図3(a)〜(c)は、テーブルが反時計方向に円軌道を描いて2周するように位置指令値θrを与えた場合の、各部における信号の形状を表している(速度4400mm/min、半径2.5mm)。
【0050】
図3(a)は、位置指令値θrに対応し、実線はX軸、破線はY軸を表している。図3(b)、(c)は位置補正値26のシュミレーション結果を表している。図3(b)は位置補正部10にローパスフィルタ(ρs+1)2がない場合の信号を、図3(c)はローパスフィルタ(ρs+1)2を付加した場合の信号を表している。ローパスフィルタの効果により、高周波成分が信号から効率よく除去されていることがわかる。
【0051】
加算器11では位置指令値生成部4の出力する位置指令値θrに、位置補正部10が出力する位置補正値26を加算し、負荷1の位置θlが位置指令値生成部4からの位置指令値θrに追従するように補正する。すなわち、位置補正値26で位置指令値θrを補正して、負荷lの位置θlを位置指令値生成部4からの位置指令値θrに追従させる。
【0052】
実施の形態1によれば、フィードフォワードトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍することで算出した負荷トルク補正値27に、位置ループの応答遅れを補償すると共に高周波成分を除去するフィルタ処理を施しているため、位置指令値θrを微分することにより生じる高周波成分が励起する振動を防止でき、負荷1の位置θlを位置指令値θrに精度良く追従させることができる。
【0053】
なお、バネ定数Kが十分大きく、負荷1とモータ2の剛性が十分高い場合には、位置指令値θrに負荷1の位置θlおよびモータ2の位置検出値θmは一致する。また、フィードフォワード補償部6に設定された力学的特性値の推定値J0l、J0m、C0l、C0mが力学的特性値の実際値Jl、Jm、Cl、Cmに十分等しいと見なせるならば、フィードフォワード補償部6から出力されるフィードフォワードトルク指令値22はモータ2の出力トルクにほぼ等しいとみなすことができる。
【0054】
実施の形態2.
負荷1には粘性摩擦(速度に比例する摩擦)の他にクーロン摩擦(速度がゼロでないとき、反運動方向に作用する、速度に依存しない摩擦)が作用する場合がある。図4は実施の形態2にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図で、クーロン摩擦トルクFの影響を考慮してある。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
実施の形態2におけるフィードフォワード補償部6は、慣性トルク補償成分31に、粘性摩擦トルク補償成分32と、クーロン摩擦トルク補償成分33(力学的特性値の一つであるクーロン摩擦補償トルクF0と符号関数sign()を用いて算出したもの)を加算してフィードフォワードトルク指令値22を生成し、負荷補正部9に出力する。ここで、符号関数sign()は、括弧内の引数が正の場合は1を、負の場合は−1、0の場合は0を出力する。
【0056】
負荷補正部9は、クーロン摩擦トルク補償成分33を含むフィードフォワードトルク指令値22に負荷補正定数Aを乗じて位置補正部10に出力する。位置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処理を施して加算器11に出力し、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正する。
【0057】
従って、実施の形態2によれば、位置指令値θrの速度符号の反転時に、フィードフォワードトルク指令値22にステップ状の変化が生じるため、位置指令値θrの補正値もステップ状に変化する。これは、負荷1の剛性とクーロン摩擦によって生じるロストモーションの補正をおこなっていることになる。
【0058】
実施の形態2によれば、フィードフォワード補償部6がクーロン摩擦トルク補償成分33を生成するため、クーロン摩擦トルクFの影響でモータ2の位置検出値θmに生じる誤差を抑制することができる。また、負荷補正部9が、クーロン摩擦トルク補償成分33を含むフィードフォワードトルク指令値22に負荷補正定数を乗算して負荷トルク補正値27を算出するため、クーロン摩擦トルクFによって生じる負荷1のバネKの弾性変位による誤差、すなわちロストモーションを補償することができる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態2では、フィードフォワード補償部6はクーロン摩擦トルク補償成分33を含むフィードフォワードトルク指令値22を負荷補正部9に出力していたが、慣性トルク補償成分と粘性摩擦トルク補償成分からなるフィードフォワードトルク補償値を負荷補正部9に出力する数値制御装置を構成することも可能である。図5は実施の形態3にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図で、各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
実施の形態3におけるフィードフォワード補償部6は、慣性トルク補償成分31と粘性摩擦トルク補償成分32を加算し、フィードフォワードトルク補償値21を生成する。フィードフォワードトルク補償値21は負荷補正部9に出力される。フィードフォワード補償部6は引き続き、慣性トルク補償成分31と粘性摩擦トルク補償成分32の和に、クーロン摩擦トルク補償成分33を加算してフィードフォワードトルク指令値22を生成する。
【0061】
電流補償部8は、加算器24で求められる、フィードフォワードトルク指令値22とフィードバックトルク指令値25の和(駆動トルク指令値29)に基づいてモータ2に駆動電流を供給する。負荷補正部9は、クーロン摩擦補償トルクを含まないフィードフォワードトルク補償値21に負荷補正定数Aを乗じて、負荷トルク補正値27を生成し、位置補正部10に出力する。
【0062】
位置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処理を施して加算器11に出力し、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正する。負荷1の剛性とクーロン摩擦によって生じるロストモーションの補正は、位置指令値生成部4において、位置指令値θrに指令値の速度の符号に所定の補正値を乗算した、いわゆるバックラッシ補正値を加算することにより実施する。
【0063】
実施の形態3によれば、負荷1にクーロン摩擦トルクFが作用する場合でも、フィードフォワード補償部6がクーロン摩擦トルク補償成分33を生成するため、クーロン摩擦トルクFの影響でモータ2の位置検出値θmに生じる誤差を抑制することができる。なお、クーロン摩擦トルクFによる負荷1の弾性変形誤差は位置指令値生成部4の内部でバックラッシ補正を実施することで補正される。
【0064】
また、ステップ状に変化するクーロン摩擦トルク補償成分を含まないフィードフォワードトルク補償値21から負荷トルク補正値27を生成しているため、位置補正部10の分子に含まれる微分項(s/Kp)により振動が励起されることを防止することが出来る。
【0065】
実施の形態4.
実施の形態2では、負荷補正部9において、フィードフォワードトルク指令値22に負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの比である、J0l/(J0l+J0m)を乗算することにより、負荷1のバネに作用する駆動トルクを計算していたが、フィードフォワード補償部6において負荷1に作用するトルクとモータ2に作用するトルクに分けて計算する数値制御装置を構成することも可能である。図6は実施の形態4にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
実施の形態4におけるフィードフォワード補償部6は、位置指令値θrの2階微分値に負荷1の推定慣性モーメントJ0lを乗算した負荷周りの慣性トルク補償成分(J0ls2)と、位置指令値θrの一階微分値に負荷1の推定粘性摩擦係数C0lを乗算した負荷周りの粘性摩擦補償成分(C0ls)から、負荷周りのトルク補償成分34を生成し、さらにクーロン摩擦トルク補償成分33を加算して、フィードフォワードトルク補償値21として負荷補正部9に出力する。
【0067】
フィードフォワード補償部6は引き続き、フィードフォワードトルク補償値21に、位置指令値θrの2階微分値にモータ2の推定慣性モーメントJ0mを乗算したモータ周りの慣性トルク補償成分(J0ms2)と、位置指令値θrの一階微分値にモータ2の推定粘性摩擦係数C0mを乗算したモータ周りの粘性摩擦トルク補償成分(C0ms)から生成されるモータ周りのトルク補償成分35を加算して、フィードフォワードトルク指令値22として加算器24に出力する。
【0068】
負荷補正部9は、クーロン摩擦補償トルクを含む、フィードフォワードトルク補償値21に負荷補正定数B(1/KO)を乗じて位置補正部10に出力する。位置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処理を施して加算器11に出力して、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正する。
【0069】
実施の形態4によれば、フィードフォワード補償部6が、負荷周りのフィードフォワードトルク補償値21を負荷補正部9に出力するため、負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの比を乗ずる場合に比べて、精度良く負荷1のバネに作用するトルクを計算することが可能となり、結果的には負荷1の位置θlを位置指令値生成部4が生成する位置指令値θrに精度良く追従させることができる。
【0070】
また、負荷補正部9が、クーロン摩擦トルク補償成分33を含むフィードフォワードトルク補償値21に負荷補正定数Bを乗算して負荷トルク補正値27を算出するため、クーロン摩擦トルクFによって生じる負荷1のバネKの弾性変位による誤差、すなわちロストモーションを補償することができる。
【0071】
実施の形態5.
実施の形態3では、負荷補正部9において、クーロン摩擦補償トルクを含まないフィードフォワードトルク補償値21に、負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの比であるJ0l/(J0l+J0m)を乗算することにより、負荷1のバネに作用する駆動トルクを計算していたが、フィードフォワード補償部6において負荷1に作用するトルクとモータ2に作用するトルクに分けて計算する数値制御装置を構成することができる。図7は実施の形態5にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
実施の形態5におけるフィードフォワード補償部6は、負荷周りのトルク補償成分34を、フィードフォワードトルク補償値21として負荷補正部9に出力する。
【0073】
フィードフォワード補償部6は引き続き、フィードフォワードトルク補償値21に、モータ周りのトルク補償成分35とクーロン摩擦トルク補償成分33とを加算してフィードフォワードトルク指令値22を生成する。
【0074】
負荷補正部9は、クーロン摩擦補償トルク33を含まないフィードフォワードトルク補償値21に負荷補正定数Bを乗じて位置補正部10に出力する。位置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処理を施して加算器11に出力して、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正する。
【0075】
実施の形態5によれば、フィードフォワード補償部6が負荷周りのフィードフォワードトルク補償値21を負荷補正部9に出力するため、フィードフォワードトルク指令値22に負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの比を乗ずる場合に比べて、精度良く負荷1のバネに作用する駆動トルクを計算することが可能となり、結果的に負荷1の位置θlを位置指令値生成部4が生成する位置指令値θrに精度良く追従させることができる。
【0076】
なお、クーロン摩擦トルクFに基づく負荷1の弾性変形誤差は位置指令値生成部4の内部でバックラッシ補正を実施することで補正可能である。またステップ状に変化するクーロン摩擦トルク補償成分を含まないフィードフォワードトルク補償値21から負荷トルク補正値27を生成しているため、位置補正部10の分子に含まれる微分項(s/Kp)により振動が励起されることを防止できる。
【0077】
実施の形態6.
実施の形態1では、負荷補正部9において、フィードフォワード補償部6で生成されたフィードフォワードトルク指令値22に所定の定数(負荷補正定数A)を乗算することにより負荷トルク補正値27を算出していたが、電流補償部8に入力される、フィードフォワード補償部6で生成されたフィードフォワードトルク指令値22とフィードバック補償部5で生成されたフィードバックトルク指令値25の和である駆動トルク指令値29に、所定の定数を乗じて負荷トルク補正値27を算出する数値制御装置を構成することができる。図8は実施の形態6による数値制御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
実施の形態6にかかる負荷補正部9は、フィードフォワードトルク指令値22とフィードバックトルク指令値25の和である駆動トルク指令値29に負荷補正定数Aを乗じて負荷トルク補正値27を算出する。クーロン摩擦が問題にならない場合は、クーロン摩擦トルク補償成分33は省略してもよい。
【0079】
位置補正部10は、負荷トルク補正値27にフィードバック補償部5に含まれる位置ループの応答遅れを補償するためのフィードフォワード成分を付加すると共に、駆動トルク指令値29に含まれる高周波成分を除去するためのフィルタ処理を施して加算器11に出力し、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正する。
【0080】
実施の形態6では、負荷補正部9が、駆動トルク指令値29に所定の定数を乗じて負荷トルク補正値27を算出して、位置補正部10に出力しているため、フィードフォワード補償部6でフィードフォワードトルク指令値22の算出に用いられる力学的特性値(J0l、J0m、C0l、C0m)に誤差がある場合でも、精度の高い負荷トルク補正値27を算出することができる。
【0081】
また、位置補正部10は負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するフィルタ処理を施すため、フィードフォワードトルク指令値22とフィードバック補償部5で生成されたフィードバックトルク指令値25の和である駆動トルク指令値29に高周波成分が含まれていても、位置補正部10から加算器11に出力される位置補正値26には高周波成分は含まれず、その結果、振動の励起を防止できる。
【0082】
なお、実施の形態1から6では、位置補正部10は、負荷トルク補正値27に対して式1の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って位置補正値26を算出して加算器11に出力しているが、式2の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
(1+s/Kp)/(ρ・s+1)・・・式2
【0083】
分子のs/Kpはフィードバック補償部5に含まれる位置ループの応答遅れを補正する項であり、分母は負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去する項である。
【0084】
式2の伝達関数と等価なフィルタリング処理は、式1の伝達関数と等価なフィルタリング処理に比べると、簡単な計算で負荷1の弾性変形誤差を、応答遅れなく、かつ振動を励起することなく補正することができる。
【0085】
また、式3の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
{(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{ρ・Kp・Kv・s2+Kp・Kv(1+ρKvi)s+Kp・Kv・Kvi}・・・式3
【0086】
式3を補足する。図9は、負荷1とモータ2を単純な積分器(1/s)に置き換えた場合のフィードバック補償部5のブロック線図である。このとき、入力Xから出力Yまでの伝達関数は式4で表される。
{Kp・Kv・s+Kp・Kv・Kvi}/{(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}・・・式4
【0087】
したがって、ある信号に遅れなく出力Yを追従させるためには、式5で表される伝達関数を入力Xに掛ければよい。
{(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{Kp・Kv・s+Kp・Kv・Kvi}・・・式5
【0088】
式5に、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するローパス特性を持たせるように、1/(ρs+1)を掛けることにより、式3が得られる。
【0089】
また、式6の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
{(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{ρ2・Kp・Kv・s3+(ρ2・Kp・Kv・Kvi+ρ・ζ・Kp・Kv)s2+(ρ・ζ・Kp・Kv・Kvi+Kp・Kv)s+Kp・Kv・Kvi}・・・式6
【0090】
式6は、フィードバック補償部5の応答遅れを補償する伝達関数である式5に、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するための2次のローパスフィルタ、1/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)を掛けることにより得られる。
【0091】
式3、式6の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って位置補正値26を算出して加算器11に出力すると、フィードバック補償部5の応答遅れの影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能である。また、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を効率良く除去するため、振動の励起を防止できる。
【0092】
実施の形態7.
実施の形態1では、負荷トルク補正値27を位置補正部10に入力し、フィードバック補償部5に含まれる位置ループの応答遅れの補償と高周波成分を除去した位置補正値26を加算器11に出力して位置指令値生成手段4の出力する位置指令値θrを補正していたが、負荷トルク補正値27を加算器11に直接入力すると共に、負荷トルク補正値27を速度補正部12に入力し、高周波成分を除去してから速度指令値23に加算する数値制御装置を構成することができる。図10は実施の形態7にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0093】
実施の形態7にかかる負荷補正部9は、フィードフォワード補償部6が出力するフィードフォワードトルク指令値22に負荷補正定数Aを乗じて負荷トルク補正値27を算出して、加算器11と速度補正部12に出力する。加算器11は負荷トルク補正値27を、位置指令値生成手段4が出力する位置指令値θrに加算してフィードバック補償部5に出力する。なお、フィードフォワード補償部6はクーロン摩擦トルク補償成分33を含んでいてもよい。
【0094】
速度補正部12は、負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に式7の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って速度補正値28を算出し、フィードバック補償部5に含まれる速度指令値23に加算する。
s/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)・・・式7
【0095】
ここで、分子のsは負荷トルク補正値27を速度補正値28に変換するための微分項であり、分母は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分、並びに微分で生じる高周波成分を除去するための項である。
【0096】
実施の形態7によれば、フィードフォワードトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍することで算出した負荷トルク補正値27を位置指令値θrに加算すると共に、負荷トルク補正値27を微分して高周波成分を除去するフィルタ処理を施してから速度指令値23に加算しているため、フィードバック補償部5の応答遅れの影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能となる。また、速度補正部12は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分および微分により生じる高周波成分を除去するため、振動の励起を防止できる。
【0097】
なお、実施の形態7では、速度補正部12は、負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に対して式7の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って速度補正値28を算出してフィードバック補償部5に出力しているが、式8の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
s/(ρ・s+1)・・・式8
【0098】
ここで、分子(s)は負荷トルク補正値27を速度補正値に変換するための微分項であり、分母は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分、並びに微分で生じる高周波成分を除去するための項である。
【0099】
式8の伝達関数と等価なフィルタリング処理は、式7の伝達関数と等価なフィルタリング処理に比べると、簡単な計算で負荷1の弾性変形誤差を、応答遅れなく、かつ振動を励起することなく補正することができる。
【0100】
また、式9の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
{(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/{ρ・Kv・s2+(ρ・Kv・Kvi+Kv)s+Kv・Kvi}・・・式9
【0101】
式9を補足する。図11は、負荷1とモータ2を単純な積分器(1/s)に置き換えた場合のフィードバック補償部5に含まれる速度ループのブロック線図である。このとき、入力Xから出力Yまでの伝達関数は下記の式10で表される。
(Kv・s+Kv・Kvi)/{(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}・・・式10
【0102】
したがって、ある信号に遅れなく出力Yを追従させるためには、式11で表される伝達関数を入力Xに掛ければよい。
{(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/(Kv・s+Kv・Kvi)・・・式11
【0103】
式11に、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するローパス特性を持たせるように、1/(ρs+1)を掛けることにより、式9が得られる。
【0104】
また、式12の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構成することも可能である。
{(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/{ρ2・Kv・s3+(ρ2・Kv・Kvi+ρ・ζ・Kv)s2+(ρ・ζ・Kv・Kvi+Kv)s+Kv・Kvi}・・・式12
【0105】
式12は、フィードバック補償部5の応答遅れを補償する伝達関数である式11に、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除去するための2次のローパスフィルタ、1/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)を掛けることにより得られる。
【0106】
式9、式12の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行って位置補正値26を算出して加算器11に出力すると、フィードバック補償部5の応答遅れの影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能である。また、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を効率良く除去するため、振動の励起を防止できる。
【0107】
実施の形態8.
実施の形態7では、負荷トルク補正値27を加算器11に直接入力すると共に、負荷トルク補正値27を速度補正部12に入力し、高周波成分を除去して速度補正値28を算出してフィードバック補償部5における速度指令値23に加算しているが、更に速度補正値28を微分し、かつ、所定の定数を乗じてトルク補正値にして、電流補償部8に入力されるトルク指令値に加算する数値制御装置を構築することも可能である。
【0108】
実施の形態8における速度補正部12は、図12に示されているように、負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27を微分し、かつ、高周波成分を除去して速度補正値28を生成して、フィードバック補償部5に含まれる速度指令値23に加算すると共に、速度補正値28を微分部13に出力する。微分部13は速度補正値28を微分し、かつ、所定の定数(η)を乗じてトルク補正値30を算出して、フィードバック補償部5が生成するフィードバックトルク指令値25と、フィードフォワード補償部6が算出するフィードフォワードトルク指令値22の和に加算し、駆動トルク指令値29を算出して電流補償部8に入力している。
【0109】
実施の形態8によれば、フィードフォワードトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍することで算出した負荷トルク補正値27を位置指令値θrに加算すると共に、負荷トルク補正値27を微分して高周波成分を除去するフィルタ処理を施して速度補正値28を算出し、速度指令値23に加算する。更に速度補正値28を微分して所定定数を乗じてトルク補正値30を算出し、駆動トルク指令値29を生成しているため、フィードバック補償部5の応答遅れの影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能となる。
なお、実施の形態8においても、式7の伝達関数の他に、式8、9、12の伝達関数を用いることができる。
【0110】
実施の形態9.
実施の形態1から8では、負荷補正部9はバネ定数(剛性)を固定値K0としていたが、バネ定数が負荷1の位置θlに依存して変動する場合には、負荷補正部9がバネ定数を変数として負荷トルク補正値27を算出する数値制御装置を構成することも可能である。図13は実施の形態9にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0111】
負荷補正部9bは、フィードフォワード補償部6が出力するフィードフォワードトルク指令値22に、位置指令値生成部4が出力する位置指令値θrに対応して変化する推定剛性K0(θr)を含む負荷補正係数J0l/{K0(θr)・(J0l+J0m)}を乗じて負荷トルク補正値27を算出し、位置補正部10に出力する。推定剛性K0(θr)は、予め負荷補正部9bに設定しておく。
【0112】
実施の形態9によれば、負荷補正部9bが、フィードフォワード補償部6が出力するフィードフォワードトルク指令値22に、位置指令値生成部4が出力する位置指令値θrに対応して変化する推定剛性K0(θr)を含む負荷補正係数を乗じて負荷トルク補正値27を算出するため、負荷1の剛性が負荷1の位置θlに依存して変化する場合でも、負荷1の剛性の変化に応じた負荷補正が実施され、高精度に負荷1を制御することができる。
【0113】
なお、実施の形態9では、実施の形態1にかかる負荷補正部9の代わりに、位置指令値θrに対応して変化する推定剛性K0(θr)を含む負荷補正係数を乗じて負荷トルク補正値27を算出する負荷補正部9bを設けているが、実施の形態2から実施の形態8にかかる負荷補正部9を負荷補正部9bに変更することにより、同様な効果を奏することができる。
【0114】
【発明の効果】
本発明にかかる数値制御装置は、負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、フィードフォワードトルク指令値と所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えていることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0118】
また、負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部と、フィードフォワードトルク補償値と所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えていることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0122】
また、本発明にかかる数値制御装置は、負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、駆動トルク指令値と所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えていることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0126】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0127】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0128】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0129】
また、本発明にかかる数値制御装置は、負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、フィードフォワードトルク指令値と所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、速度補正値を生成する速度補正部と、位置指令値と負荷トルク補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算値を位置指令値と速度補正値とモータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えていることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0133】
また、速度補正部が生成した速度補正値の一次微分値を生成する微分部を備え、第2の加算手段はこの一次微分値から求まるトルク補正値をさらに加算してモータの駆動トルクの指令値を生成することにより、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0134】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0135】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0136】
また、負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能である。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
(a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0138】
また、所定の結合特性は、位置指令値に依存する変数として表されることにより、負荷とモータの剛性を表すバネ定数Kの値が、負荷の位置に依存して変化する現象に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる数値制御装置が適用可能なテーブル駆動系を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】位置補正部の効果を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態5にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態6にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】伝達関数を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態7にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】伝達関数を説明するためのブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態9にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図14】従来の数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 負荷、2 モータ、3 位置検出部、4 位置指令値生成部、5 フィードバック補償部、6 フィードフォワード補償部、8 電流補償部、9 負荷補正部、10 位置補正部、11 加算器、12 速度補正部、13 微分部、
21 フィードフォワードトルク補償値、22 フィードフォワードトルク指令値、23 速度指令値、24 加算器、25 フィードバックトルク指令値、26 位置補正値、27 負荷トルク補正値、28 速度補正値、29 駆動トルク指令値、30 トルク補正値、
31 慣性トルク補償成分、32 粘性摩擦トルク補償成分、33 クーロン摩擦トルク補償成分、34 負荷周りのトルク補償成分、35 モータ周りのトルク補償成分、
θr 位置指令値、θm 位置検出値、θl 負荷の位置、Jl 負荷の慣性モーメント、Jm モータの慣性モーメント、Cl 負荷の粘性摩擦係数、Cmモータの粘性摩擦係数、F0 クーロン摩擦補償トルク、K バネ定数。

Claims (12)

  1. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷と前記モータの慣性モーメントの和と前記位置指令値の2階微分値から求まる慣性トルク補償成分と、前記負荷と前記モータの粘性摩擦係数の和と前記位置指令値の1階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  2. フィードフォワードトルク指令値に、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるクーロン摩擦トルク補償成分を加算することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク補償値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷と前記モータの慣性モーメントの和と前記位置指令値の2階微分値から求まる慣性トルク補償成分と、前記負荷と前記モータの粘性摩擦係数の和と前記位置指令値の1階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分と、クーロン摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるクーロン摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成され、
    前記フィードフォワードトルク補償値は、前記慣性トルク補償成分と、前記粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  4. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク補償値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷の慣性モーメントと前記位置指令値の2階微分値から求まる負荷周りの慣性トルク補償成分と、前記負荷の粘性摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まる負荷周りの粘性摩擦トルク補償成分と、クーロン摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるクーロン摩擦トルク補償成分と、前記モータの慣性モーメントと前記位置指令値の2階微分値から求まるモータ周りの慣性トルク補償成分と、前記モータの粘性摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるモータ周りの粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成され、
    前記フィードフォワードトルク補償値は、前記負荷周りの慣性トルク補償成分と、負荷周りの粘性摩擦トルク補償成分と、前記クーロン摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  5. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク補償値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷の慣性モーメントと前記位置指令値の2階微分値から求まる負荷周りの慣性トルク補償成分と、前記負荷の粘性摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まる負荷周りの粘性摩擦トルク補償成分と、クーロン摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるクーロン摩擦トルク補償成分と、前記モータの慣性モーメントと前記位置指令値の2階微分値から求まるモータ周りの慣性トルク補償成分と、前記モータの粘性摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるモータ周りの粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成され、
    前記フィードフォワードトルク補償値は、前記負荷周りの慣性トルク補償成分と、負荷周りの粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  6. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、前記駆動トルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷と前記モータの慣性モーメントの和と前記位置指令値の2階微分値から求まる慣性トルク補償成分と、前記負荷と前記モータの粘性摩擦係数の和と前記位置指令値の1階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分と、クーロン摩擦係数と前記位置指令値の1階微分値から求まるクーロン摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  7. 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理することによりフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、速度補正値を生成する速度補正部と、前記位置指令値と前記負荷トルク補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記速度補正値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数値制御装置であり、
    前記フィードフォワードトルク指令値は、前記負荷と前記モータの慣性モーメントの和と前記位置指令値の2階微分値から求まる慣性トルク補償成分と、前記負荷と前記モータの粘性摩擦係数の和と前記位置指令値の1階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分と、を加算することから生成されることを特徴とする数値制御装置。
  8. 速度補正部が生成した速度補正値の一次微分値を生成する微分部を備え、第2の加算手段はこの一次微分値から求まるトルク補正値をさらに加算してモータの駆動トルク指令値を生成することを特徴とする請求項7記載の数値制御装置。
  9. 負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の数値制御装置。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
    (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
  10. 負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の数値制御装置。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
    (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
  11. 負荷トルク補正値を処理する所定の伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の数値制御装置。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。
    (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
  12. 所定の結合特性は、位置指令値に依存する変数として表されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の数値制御装置。
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