JP3621278B2 - サーボ制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば工作機械のような、電動機で機械を動作させてその機械の軌跡を高精度に動作させるサーボ制御装置に関するものであり、特に、高速な動作が要求されるサーボ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サーボ制御装置は、機械を指令値に追従させて正確に動作させることが目的であり、通常は電動機などのアクチュエータに取り付けられたエンコーダなどの位置センサの出力を指令値に追従させることを目標とすることにより、機械側まで制御していると見なすことが多かった。しかしながら、高速動作が要求されるにともない、機械の剛性が不十分なことに起因して、実際の目標である機械側とアクチュエータの位置とにズレが生じることがある。
【0003】
図11は、たとえば特開平4−271290に示された、従来のサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。、図において、1は機械、2は電動機で、それぞれ内部にその特性を表すブロックが示されており、これらは機械1と電動機2を2つのイナーシャとそのバネでモデル化した場合の表現である。また、3は位置センサ、4は位置指令値生成部、5はフィードバック補償部、6はフィードフォワード補償部であり、7は機械端補正部である。
【0004】
また、θは位置指令値生成部4にて生成された位置指令値、θは機械1の位置、θは電動機2の位置、Jは機械1のイナーシャ、Jは電動機2のイナーシャ、Kは機械1の剛性を表すバネ定数、cは機械1の粘性抵抗を表す定数、Kは速度ループ比例ゲイン、Kviは速度ループ積分ゲイン、Kは位置ループ比例ゲイン、J0lは機械1のイナーシャJの推定値、J0mは電動機2のイナーシャJの推定値、α、βはそれぞれ機械端補正部7のパラメータ、sはラプラス演算子である。
【0005】
次に、動作について説明する。
機械1と電動機2からなる制御対象は、電動機2の出力トルクの指令値を入力とし、電動機2に取り付けられた位置センサ3の検出した検出値を出力とするものである。フィードバック補償部5は、位置指令値生成部4で生成された位置指令値θと、位置センサ3より出力される電動機2の位置θとの差をもとにPID(比例・積分・微分)制御を行う。ただし、図に示されたフィードバック補償部5では、位置指令値θと電動機2の位置θのそれぞれの微分値を利用した構成となっているが、これは等価変換することにより上記PID制御の構成となる。
【0006】
このように、制御対象である機械1および電動機2をフィードバック補償部5のみにて制御した場合には、応答の遅れのために位置指令値θへの追従精度は良好ではない。そこで、フィードフォワード補償部6を追加して、J0l=J、J0m=Jとすることにより、電動機2と機械1の剛性が十分高い(バネ定数Kが十分大きい)とした場合に、応答の遅れをなくすことができ、高精度な動作を実現できる。
【0007】
しかしながら、機械1と電動機2の剛性が十分高いと見なすことができない場合には、電動機2の位置θと機械1の位置θにずれが生じ、このフィードフォワード補償器5の追加では十分な精度が得られない。そこで機械端補正部7においてα=J/(K(J+J))、β=Jとし、c=0と仮定することにより、機械1と動機2のモデルである、2つのイナーシャJ,Jとそのバネのモデルの特性を完全に補償することができる。すなわち位置指令値θと機械1の位置θを完全に一致させることができ、高精度な機械1の位置制御が実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサーボ制御装置は以上のように構成されているので、2つのイナーシャJ、Jおよび機械1の剛性のバネ定数Kのそれぞれの値を正確に知る必要があり、もしそれらの値の正確さが不十分であった場合には制御系の特性が大きく変動して、精度の高い位置制御が実現できないという課題があった。また、補正が複雑であり、計算時間も多く、高次の微分を必要とするため量子化誤差などの影響を受けやすいという課題もあった。
【0009】
さらに、2つのイナーシャJ、J、および機械1の剛性のバネ定数Kのそれぞれの値ではなく、機械端補正部7のパラメータα、βの値を入力する必要があり、また、それらはすべて人手によって設定する必要があるとった課題があった。
【0010】
また、機械1の剛性を表すバネ定数Kの値が、機械1の位置に依存して変化する現象に対応することができないという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高精度で位置制御を行うことができ、かつ簡単な構成で計算時間も少なく、さらにパラメータの変動や推定誤差があった場合でも特性が大きく変動しないロバストなサーボ制御装置を得ることを目的とする。
【0012】
また、この発明は、パラメータとして理解しやすいものを入力することによって、高精度の位置制御が実現でき、初期設定時やパラメータ変動時には、自動的にパラメータのチューニングを行うことができるサーボ制御装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
の発明に係るサーボ制御装置は、電動機が発生するトルクに相当する信号として、フィードバック補償部の生成するフィードバックトルク指令値と、フィードフォワード補償部の生成するフィードフォワードトルク指令値とを加算したトルクあるいはそれに相当する目標値を用いたものである。
【0015】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、電動機が発生するトルクに相当する信号として、電動機に流れる電流の測定を行う電流センサの測定値を用いたものである。
【0018】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、電動機が発生するトルクに相当する信号に、摩擦のモデルから生成されたトルク指令値を含めないようにしたものである。
【0019】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、電動機と機械を、機械と電動機それぞれのイナーシャと、その間のバネによってモデル化した場合の機械のバネ定数の値を示すパラメータと、機械のイナーシャと上記2つのイナーシャの和との比を算出するためのパラメータとをパラメータ入力部より入力し、機械端補正定数乗算部にて電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算される定数の値を、定数計算部においてパラメータ入力部より入力されたパラメータに基づいて決定するようにしたものである。
【0020】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、イナーシャ同定部を設けて、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と、位置フィードバック値とをもとに、機械と電動機の2つのイナーシャの和を同定し、機械端補正定数乗算部において電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算される定数の値を、その同定結果をもとに定数計算部で決定するようにしたものである。
【0021】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、機械モデルで同定部を設けて、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と、位置フィードバック値とをもとに機械モデルを同定し、機械のバネ定数の値を示すパラメータと、機械のイナーシャと機械および電動機の両イナーシャの和との比を算出するためのパラメータを求め、機械端補正定数乗算部において電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算される定数の値を、そのパラメータをもとに定数計算部で決定するようにしたものである。
【0022】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、M系列信号発生部より共振周波数以上の高周波成分を含む信号を生成して、機械モデルの同定を行う場合にのみ、それを機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号に加算し、当該加算結果と位置フィードバック値をもとに、機械モデル同定部が機械モデルを同定して、共振周波数と反共振周波数、および機械および電動機の両イナーシャの和を求めて、定数計算部に送るようにしたものである。
【0023】
また、この発明に係るサーボ制御装置は、定数計算部に入力する機械の剛性を表すバネ定数に相当するパラメータを、バネ定数設定部にて機械の位置に応じて変化させて設定するようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。図において、1は所定の軌跡にしたがって動作する機械であり、内部にはその特性を表すブロックが示されている。2はこの機械1を動作させるアクチュエータとして当該機械1に取り付けられた電動機であり、内部にはその特性を表すブロックが示されている。なお、これら電動機2と機械1は2つのイナーシャとそのバネでモデル化した場合の表現である。3はこの電動機2に取り付けられて当該電動機2の位置検出を行う、たとえばエンコーダなどによる位置センサである。なお、これらは図11に同一符号を付して示した従来のそれらに相当する部分である。
【0025】
また、4は機械1を所定の軌跡上を動作させるための位置指令値を生成する位置指令値生成部である。5は少なくとも位置指令値生成部4で生成された位置指令値と、位置センサ3からの位置フィードバック値をもとに、トルクあるいはそれに相当するフィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部である。6は機械1および電動機2のモデルをもとに、位置指令値生成部4で生成された位置指令値から、トルクあるいはそれに相当するフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部である。なお、これらも、図11に同一符号を付して示した従来のそれらに相当する部分である。
【0026】
8はフィードバック補償部5で生成されたフィードバックトルク指令値と、フィードフォワード補償部6で生成されたフィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値をもとに、電動機2に適切な電流を流す電流補償部である。9は電動機2が発生するトルクあるいはそれに相当する信号を定数(以下、機械端補正定数という)倍する乗算する機械端補正定数乗算部である。10はこの機械端補正定数乗算部9にて機械端補正定数倍された、電動機2が発生するトルクあるいはそれに相当する信号を、位置指令値生成部4の生成した位置指令値に加算する加算器である。
【0027】
また、θは位置指令値生成部4の出力する位置指令値であり、θは機械1の位置、θは位置センサ3にて検出された電動機2の位置である。τはフィードバック補償部5の出力するフィードバックトルク指令値、τはフィードフォワード補償部6の出力するフィードフォワードトルク指令値であり、τはこれらフィードバックトルク指令値τとフィードフォワードトルク指令値τとを加算した全トルク指令値である。Jは機械1のイナーシャ、Jは電動機2のイナーシャであり、Kは機械1の剛性を表すバネ定数、cは機械1の粘性抵抗を表す定数である。Kはフィードバック補償部5における速度ループ比例ゲインであり、Kviは同じく速度ループ積分ゲイン、Kは同じく位置ループ比例ゲインである。J0lは機械1のイナーシャJの推定値、J0mは電動機2のイナーシャJの推定値であり、Kは機械1のバネ定数Kの推定値、cは機械1の粘性摩擦の推定値である。なお、sはラプラス演算子である。
【0028】
ここで、図1のブロック図に示した実施の形態1のサーボ制御装置では、電動機2は全トルク指令値τ通りのトルクを発生するものとしている。ただし、実際には、電流センサ(図示省略)に基づく電流フィードバックを行って電流を制御し、その電流に比例したトルクを電動機1は発生している。したがって、上記全トルク指令値τはトルク相当の電流指令値とみることもできる。
【0029】
次に動作について説明する。
この実施の形態1によるサーボ制御装置においても、図11に示した従来のサーボ制御装置と基本的には同様の動作を行う。すなわち、機械1と電動機2からなる制御対象は、電動機2の発生するトルクの指令値である全トルク指令値τを入力とし、電動機2に取り付けらている位置センサ3にて検出された、当該電動機2の位置値θを出力とするものである。その際、電流補償部8は、フィードバック補償部5にて生成されたフィードバックトルク指令値τと、フィードフォワード補償部6にて生成されたフィードフォワードトルク指令値τを加算した全トルク指令値τをもとに、適切な電流を電動機2に流す。なお、電流補償部8は、上記全トルク指令値τに相当する目標値をもとに、電動機2に適切な電流を流すようにしてもよい。
【0030】
ここで、フィードバック補償部5は、位置指令値生成部4で生成された位置指令値θと、電動機2に取り付けられた位置センサ3より出力される電動機2の位置θとの差をもとに、PID(比例・積分・微分)制御を行い、位置センサ3からフィードバックされた電動機2の位置θをもとに、トルクあるいはそれに相当するフィードバックトルク指令値τを生成する。なお、この場合も、この図1に示されたフィードバック補償部5では、位置指令値θと電動機2の位置θのそれぞれの微分値を利用した構成となっているが、これは等価変換することにより上記のPID制御の構成となる。
【0031】
一方、フィードフォワード補償部6では、J0l=J、J0m=Jとすることによって、機械1および電動機2のモデルをもとに、位置指令値生成部4で生成された位置指令値θから、トルクあるいはそれに相当するフィードフォワードトルク指令値τを生成する。したがって、フィードバック補償部5のみで制御したときのような、応答の遅れによる位置指令値θへの追従精度の低下を抑制することができ、バネ定数Kが十分大きく、機械1と電動機2の剛性が十分高い場合には、位置指令値θと、機械側の位置θおよび電動機2の位置θとを一致させることができる。なお、この実施の形態1では、フィードフォワード補償部6において、制御対象の粘性摩擦も考慮して機械1の粘性摩擦の推定値cの項をフィードフォワード補償部6に追加しているため、より高精度な制御が可能となる。
【0032】
また、機械端補正定数乗算部9は、所定の機械端補正定数J0l/(K(J0l+J0m))を、電動機2が発生するトルクに相当する信号としての全トルク指令値τに乗算し、その演算結果を加算器10に送出する。加算器10では位置指令値生成部4の出力する位置指令値θに、この機械端補正定数乗算部9によって機械端補正定数J0l/(K(J0l+J0m))倍された全トルク指令値τを加算し、機械1の位置θが位置指令値生成部4からの位置指令値θに追従するように補正する。定性的には、全トルク指令値τにJ0l/(J0l+J0m)を乗じることでバネ部に加わっているトルクを計算するとともに、1/Kを乗じることでバネの伸縮量を計算し、その計算結果に応じて位置指令値θを補正して、機械1の位置θを位置指令値生成部4からの位置指令値θに追従させている。
【0033】
このように、この実施の形態1によれば、トルクの定数(機械端補正定数)倍という単純な操作によって位置指令の補正を実現しているため、電動機2の発生するトルクによって機械1の剛性に相当するバネが伸縮する量だけ、電動機2への位置指令値を補正することができ、高精度で機械1の位置を制御することが可能となり、かつ、その構成が簡単で計算時間も少なくなる。また、たとえ制御対象パラメータの推定値K、J0l、J0mが、実際の値K、J、Jの値と異なった場合でも、単に補正量が比例倍で変化するのみの影響しか現れず、パラメータに変動や推定誤差があっても特性が大きく変動することはなく、パラメータの変動や推定誤差にロバストなサーボ制御装置を実現することができるという効果が得られる。
【0034】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、電動機2が発生するトルクに相当する信号として、フィードバックトルク指令値τとフィードフォワードトルク指令値τを加算した全トルク指令値τを用い、それを定数(機械端補正定数)倍して位置指令値θに加算する場合について説明したが、当該電動機2が発生するトルクに相当する信号を、電動機2の電流を検出する電流センサの電流測定値としてもよい。すなわち、電流センサを設けて電動機2を流れる電流を測定し、当該電流センサによって検出された電流測定値から求めた電動機2の出力するトルクに比例する値に、機械端補正定数乗算部9で機械端補正定数を乗算して、位置指令値生成部4の出力する位置指令値θに加算する。このようにすることで、上記実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
【0035】
実施の形態3.
また、上記実施の形態1においては、フィードバック補償部5の生成するフィードバックトルク指令値τと、フィードフォワード補償部6の生成するフィードフォワードトルク指令値τとを加算した全トルク指令値τを、電動機2が発生するトルクに相当する信号としたものについて説明したが、フィードフォワード補償部6の生成するフィードフォワードトルク指令値をτ、その電動機2が発生するトルクに相当する信号としてもよい。図2はそのようなこの発明の実施の形態3によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、各部には、図1の相当部分と同一記号を付してその説明を省略する。
【0036】
この実施の形態3では、フィードバックトルク指令値τとフィードフォワードトルク指令値τを加算した全トルク指令値τの代わりに、フィードフォワード補償部6より出力されるフィードフォワードトルク指令値τのみが機械端補正値乗算部9に送られている。機械端補正値乗算部9ではこのフィードフォワードトルク指令値τに機械端補正定数を乗算して加算器10に送り、位置指令値生成部4からの位置指令値θにそれを加算することにより、位置指令値θの補正を行っている。フィードフォワード補償器6のパラメータを調整し、フィードフォワードが良好に行われている場合、フィードバックトルク指令値τはほぼ0と見なすことができる。
【0037】
したがって、この実施の形態3においても、フィードフォワード補償器6のパラメータがほぼ正確な場合には、電動機2が発生するトルクに相当する信号としてフィードフォワードトルク指令値τを用いても、全トルク指令値τを用いた場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0038】
次に、この実施の形態3を用いて、従来のサーボ制御装置と比較したこの発明のロバスト性を、図3および図4に示すボード線図を用いて確認する。簡単のため、ここでは、c=c=Kvi=0とする。ここで、図2に示すサーボ制御装置において、フィードフォワード補償器5および機械端補正定数乗算部9を用いないとすると、位置指令値θから機械1の位置θまでの伝達関数は、次に示す式(1)で表される。
【0039】
【数1】
Figure 0003621278
【0040】
これに加えて、フィードフォワード補償器5を用いると、位置指令値θから機械1の位置θまでの伝達関数は、次の式(2)に示すものとなる。
【0041】
【数2】
Figure 0003621278
【0042】
さらに、機械端補正定数乗算部9を用いると、位置指令値θから機械1の位置θまでの伝達関数は、次の式(3)に示すものとなる。
【0043】
【数3】
Figure 0003621278
【0044】
また、図11に示す従来のサーボ制御装置における機械端補正部7(ただし、α=J/(K(J+J))、β=J)を用いた場合、位置指令値θから機械1の位置θまでの伝達関数は、次に示す式(4)で表される。
【0045】
【数4】
Figure 0003621278
【0046】
ここで、図3は、J=0.5、J=0.5、K=30、K=200、K=600*600*J*J/(J+J)、J0l=J、J0m=Jとし、K=Kの場合とK=1.5Kの場合の両方について、上記式(3)に基づいて描いたボード線図である。図において、21はK=Kの場合のゲイン線図、22はK=1.5Kの場合のゲイン線図、23はK=Kの場合の位相線図、24はK=1.5Kの場合の位相線図であり、図示のように、各ゲイン線図21と22、および各位相線図23と24はそれぞれ重なっている。このように、パラメータKが1.5倍ずれた正確な値でなくても、補正の正確さはズレの分だけ劣化するが、周波数応答としてはほとんど特性が変わらないといえる。
【0047】
図4は、図3と同一の条件で式(4)に基づいて描いたボード線図である。図において、25はK=Kの場合のゲイン線図、26はK=1.5Kの場合のゲイン線図、27はK=Kの場合の位相線図、28はK=1.5Kの場合の位相線図である。図からわかるように、パラメータKが1.5倍ずれることにより、周波数特性が大きく変動していることがわかる。これら図3と図4とを比較することにより、パラメータ変動によるロバスト性としては、この発明の方式が優位であるといえる。
【0048】
実施の形態4.
また、上記実施の形態3においては、機械1および電動機2のモデルとして、摩擦のモデルを含まないものを示したが、摩擦のモデルを含む機械1および電動機2のモデルに適用することも可能である。図5はそのようなこの発明の実施の形態4によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、各部には、図2の相当部分と同一記号を付してその説明を省略する。なお、Fは機械1に加わるクーロン摩擦値であり、フィードフォワード補償部6内のFは、当該フィードフォワード補償部6にてその機械1に加わるクーロン摩擦値Fを補償するための摩擦補償パラメータである。また、sgn(・)は引数が正の時は1、負の時は−1、0の時は0となる符号関数を示している。
【0049】
この実施の形態4におけるフィードフォワード補償部6は、上記摩擦補償パラメータFと符号関数sgn(・)を用いて、機械1に加わるクーロン摩擦値Fを補償し、得られたトルク指令値を、機械1の粘性摩擦の推定値cの項を用いて制御対象の粘性摩擦も考慮して求めたトルク指令値にさらに加算して、フィードフォワードトルク指令値τを生成している。このようにして摩擦補償されたフィードフォワードトルク指令値τを加算器10に送り、位置指令値生成部4の生成した位置指令値θの補正を行っている。したがって、この実施の形態4によれば、指令値の速度の符号反転時においてフィードフォワードトルク指令値τにステップ状の変化が生じるため、位置指令値θの補正もステップ状の補正となる。これは、すなわち機械1の剛性と摩擦の大きさによって生じるバックラッシの補正を行っていることになる。
【0050】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4では、摩擦のモデルから生成されたトルク指令を、電動機2が発生するトルクに相当する信号に含めたものについて説明したが、電動機2が発生するトルクに相当する信号が、摩擦のモデルから生成されたトルク指令を含まないようにしてもよい。図6はそのようなこの発明の実施の形態5によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、相当部分には図5と同一記号を付してその説明を省略する。
【0051】
図6に示すように、この実施の形態5においては、フィードフォワード補償部6の出力するフィードフォワードトルク指令値τには、摩擦のモデルからの摩擦補償パラメータFと符号関数sgn(・)を用いた摩擦補償を含めているが、機械端補正定数乗算部9に送る電動機2が発生するトルクに相当する信号としては、その摩擦のモデルからのトルク指令値を含まない、粘性摩擦を考慮して求めたトルク指令値のみとしている。位置指令値生成部4からの位置指令値θの補正は、この摩擦のモデルからのトルク指令値を含まない電動機2が発生するトルクに相当する信号を、機械端補正定数倍したものを加算することによって行われる。機械1にがたつきが存在する場合などのように、バックラッシの補正を別途設定する必要がある場合には、このように、摩擦補償の項を含めずに位置指令値θの補正を行うことが有効となる。
【0052】
実施の形態6.
なお、上記各実施の形態においては、電動機2が発生するトルクに相当する信号に乗算する機械端補正定数が固定的であったが、当該機械端補正定数を変更可能とすることもできる。図7はそのようなこの発明の実施の形態6によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図において、11は機械1のイナーシャおよび電動機2のイナーシャと、その間のバネとによって、機械1と電動機2をモデル化した場合の、機械1のバネ定数Kの値を示すパラメータ、および機械1のイナーシャJ0lと、機械1のイナーシャJ0lと電動機2のイナーシャJ0mの和である全イナーシャJ0l+J0mとの比を算出するためのパラメータを入力するパラメータ入力部である。12はこのパラメータ入力部11から入力されるパラメータに基づいて、電動機1の発生するトルクに相当する信号に乗算する機械端補正定数の値を求め、それを機械端補正定数乗算部9に設定する定数計算部である。
【0054】
この実施の形態6においては、図7に示すように、パラメータ入力部11からは機械1の剛性を示すバネ定数Kとともに、機械1のイナーシャJ0lと全イナーシャJ0l+J0mとの比を算出するためのパラメータとして、全イナーシャJ0l+J0mと電動機のイナーシャJ0mとが入力される。定数計算部12はこれら全イナーシャJ0l+J0m、電動機のイナーシャJ0mおよび機械1のバネ定数Kを受け取ると、それらの値を用いて、電動機1の発生するトルクに相当する信号(この実施の形態6においては全トルク指令値τ)に乗算される機械端補正定数の値J0l/(K(J0l+J0m))を計算し、それを機械端補正定数乗算部9に設定する。
【0055】
以下、実施の形態1の場合と同様に動作して、機械端補正定数乗算部9は、フィードバックトルク指令値τとフィードフォワードトルク指令値τを加算した全トルク指令値τに、この定数計算部12より設定された機械端補正定数を乗算して加算器10に送り、位置指令値生成部4の生成した位置指令値θの補正を行う。
【0056】
このように、この実施の形態6によれば、機械1の設計時においても大まかなパラメータの値が推測でき、また明らかに特定のパラメータのみが変化した場合でも、ユーザは電動機2が発生するトルクに相当する信号に乗算する機械端補正定数の値を意識することなく、当該機械端補正定数の変更を容易に行うことができるという効果が得られる。
【0057】
実施の形態7.
図8はこの発明の実施の形態7によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、相当部分には図7と同一符号を付してその説明を省略する。ここで、この実施の形態7は機械1のイナーシャのみが変化するような制御対象の制御に適用して有効なサーボ制御装置を想定している。
【0058】
図において、13は機械1が動作中であるときに電動機2が発生するトルクに相当する信号(全トルク指令値τ)と、位置センサ3より出力される位置フィードバック値(電動機2の位置θ)をもとに、機械1のイナーシャJ0lと電動機2のイナーシャJ0mとの和である全イナーシャJ0l+J0mを同定するイナーシャ同定部である。また、パラメータ入力部11はパラメータとして、機械1のバネ定数Kと電動機2のイナーシャJ0mの入力を行っている点で、図7に同一符号を付したものとは異なっている。また、定数計算部12は、機械端補正定数乗算部9が全トルク指令値τに乗算するための機械端補正定数の値を、イナーシャ同定部13において同定された全イナーシャJ0l+J0mと、パラメータ入力部11から入力された機械1のバネ定数K、および電動機2のイナーシャJ0mとに基づいて求めるものである点で、図7に同一符号を付したものとは異なっている。
【0059】
この実施の形態7においては、図8に示すように、パラメータ入力部11からは機械1の剛性を示すバネ定数Kと、電動機2のイナーシャJ0mの2種類のパラメータが入力される。一方、機械1のイナーシャJ0lと電動機2のイナーシャJ0mの和である全イナーシャJ0l+J0mを示すパラメータは、制御対象である機械1および電動機2の入出力である全トルク指令値τと電動機1の位置θのデータをもとに、イナーシャ同定部13において同定され、同定された全イナーシャJ0l+J0mは定数計算部12に入力される。定数計算部12ではこのイナーシャ同定部13からの全イナーシャJ0l 0mと、パラメータ入力部11からの電動機2のイナーシャJ0mおよびバネ定数Kを受け取ると、それらをもとに全トルク指令値τに乗算するための機械端補正定数を計算して機械端補正定数乗算部9に設定する。機械端補正定数乗算部9はその機械端補正定数を、位置指令値生成部4の生成した位置指令値θに乗算してそれを補正する。
【0060】
ここで、たとえば、工作機械に質量の大きなワークが搭載される場合など、機械のイナーシャJ0lのみが変化して、パラメータの中のイナーシャ同定部13にて同定された全イナーシャJ0l+J0mが変化することは頻繁に起こりうる。この実施の形態7は、このような機械のイナーシャJ0lのみが変化するような制御対象の制御を行う場合に有効である。また、イナーシャ同定部13で同定を行う場合、全イナーシャJ0l+J0mは全トルク指令値τの周波数成分が比較的低周波の場合でも、たとえば通常の加減速動作中のデータからでも同定が容易なパラメータとなっており、比較的単純な同定アルゴリズムを用いても、実用的に十分なパラメータの同定を行うことができる。
【0061】
実施の形態8.
なお、上記実施の形態6においては、パラメータ入力部11より入力されたパラメータを用いて、機械端補正定数の計算を行うものについて示したが、機械モデルの同定によって得られたパラメータを用いて、機械端補正定数の計算を行うようにしてもよい。図9はそのようなこの発明の実施の形態8によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、相当部分には図7と同一符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図において、14は機械1が動作中であるときに、電動機2が発生するトルクに相当する信号と位置センサ3からの位置フィードバック値をもとに、機械モデルの同定を行い、機械1のバネ定数Kの値を示すパラメータ、および機械1のイナーシャJ0lと全イナーシャJ0l+J0mとの比を算出するためのパラメータを求める機械モデル同定部である。また、ωは反共振周波数、ωは共振周波数であり、この機械モデル同定部14からは上記パラメータとして、当該反共振周波数ωおよび共振周波数ωと、全イナーシャJ0l+J0mとが出力される。15は共振周波数ω以上の高周波成分を含むM系列信号を生成するM系列信号発生部であり、16は機械モデル同定部14にて機械モデルの同定を行う場合にのみ、このM系列信号発生部15の生成したM系列信号を、機械1が動作中であるときに電動機2が発生するトルクに相当する信号に加算するためのスイッチである。
【0063】
なお、定数計算部12は機械モデル同定部14による機械モデルの同定によって得られた反共振周波数ω、共振周波数ω、および全イナーシャJ0l+J0mに基づいて、電動機2の発生するトルクに相当する信号に乗算する機械端補正定数を求めて機械端補正定数乗算部9に設定するものである点で、図7に同一符号を付して示したものとは異なっている。
【0064】
この実施の形態8においては、機械モデル同定部14にて、機械1が動作中の電動機2が発生するトルクに相当する信号(全トルク指令値τ)と、位置センサ3からの位置フィードバック値(電動機2の位置θ)をもとに、機械1のバネ定数Kの値を示すパラメータ、および機械1のイナーシャJ0lと全イナーシャJ0l+J0mとの比を算出するためのパラメータとしての、反共振周波数ω、共振周波数ω、および全イナーシャJ0l+J0mの値を同定する。この機械モデル同定部14における機械モデルの同定のためには、共振周波数ω以上の周波数成分を持つ信号を電動機2(制御対象)に入力する必要がある。M系列信号発生部15はその高周波成分を含んだM系列信号を生成し、スイッチ16はこのM系列信号発生部15の出力するM系列信号を、機械モデルの同定を行う場合にのみ全トルク指令値τに加算する。
【0065】
なお、これら反共振周波数ω、共振周波数ω、全イナーシャJ0l+J0mの値の同定は、具体的にはこれまでに提案されている公知の手法を用いて行うことが可能である。たとえば、反共振周波数ωおよび共振周波数ωについては、ボード線図を制御対象への入出力から求め、カーブフィッテングを行うことによって、その値を求めることが可能である。また、全イナーシャJ0l+J0mの値は実施の形態7の場合と同様に求めることができる。
【0066】
ここで、反共振周波数ω、共振周波数ωと、機械のイナーシャJ0l、電動機のイナーシャJ0m、バネ定数Kとの関係は、次の式(5)および式(6)で与えられる。
【0067】
【数5】
Figure 0003621278
【0068】
したがって、全イナーシャJ0l+J0mの値も同定できれば、定数計算部12はそれらの値を用いて、機械端補正定数の値J0l/(K(J0l+J0m))を計算し、それを機械端補正定数乗算部9に設定する。機械端補正定数乗算部9は、フィードバックトルク指令値τとフィードフォワードトルク指令値τを加算した全トルク指令値τに、この定数計算部12より設定された機械端補正定数を乗算して加算器10に送り、位置指令値生成部4の生成した位置指令値θの補正を行う。これにより、初期設定時、あるいはパラメータ変動時において、補正パラメータを自動的にチューニングすることができる。
【0069】
実施の形態9.
図10はこの発明の実施の形態9によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図であり、相当部分には図7と同一符号を付してその説明を省略する。ここで、この実施の形態9ではボールネジを伝達機構とするような、機械1の位置に応じて、パラメータ、特に機械1の剛性を表すバネ定数Kの値が変化する機械1の制御に用いられるサーボ制御装置を想定している。図において、17は機械1の位置(図示の例では、位置センサ3の出力する電動機2の位置θである位置フィードバック値)に応じて、機械1の剛性を表すバネ定数Kの値のパラメータを生成し、それを定数計算部12に設定するバネ定数設定部であり、この場合、その内容がパラメータ入力部11から設定される表によって形成されている。
【0070】
次に動作について説明する。
あらかじめパラメータ入力部11より、機械1の各位置毎に、それに対応する機械1のバネ定数Kの値が、バネ定数設定部17に表の形式で設定される。機械1が実際に動作する場合には、位置センサ3の出力する電動機2の位置θがこのバネ定数設定部17に入力され、バネ定数設定部17からはそれに対応したバネ定数Kが定数計算部12に送られる。たとえば、機械1がボールネジを用いたものである場合には、単純な例としては、機械1のバネ定数は、機械1の可動部が電動機2から離れるほど小さくなり、近付くほど大きくなる。このような機械1においては、この実施の形態9によるサーボ制御装置を用いることにより、機械1の実際の特性にあった機械端補正が実現でき、機械1の位置制御の精度向上がはかれる。
【0071】
なお、上記説明では、機械1の位置のとして電動機2に取り付けられた位置センサ3の出力(位置フィードバック値)を用いたものを示したが、機械1の位置と電動機2の位置は、機械1のバネ定数Kの変化という意味では、ほぼ同一の値と見なすことができるため、位置センサ3の出力を用いても、特に問題は生じない。また、その意味では、位置指令値生成部4の出力する位置指令値を用いても同様の効果が得られる。
【0072】
さらに、上記説明では、バネ定数設定部17として、パラメータ入力部11よりその内容が設定される表を用いてバネ定数Kを設定するものについて説明したが、所定の式、たとえば機械1の位置の一次関数として機械1のバネ定数Kを計算する式を用いてバネ定数Kを設定するものであってもよい。なお、この式としては、機械1の構造に応じて、二次式、三角関数を用いた式等、いろいろなものが考えられる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、位置指令値生成部から出力された位置指令値をもとに、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を行うことによって電動機の発生するトルクを制御する制御系において、電動機の発生するトルクあるいは当該トルクに相当する信号に所定の定数を乗算して位置指令値に加算するように構成したので、トルクの定数倍という単純な操作によって、電動機の発生するトルクによって機械の剛性に相当するバネが伸縮する量だけ電動機への位置指令を補正することができ、機械の位置を高い精度で制御することが可能となって、構成が簡単で計算時間も少なく、パラメータに変動や推定誤差があった場合でも特性が大きく変動することのない、ロバストなサーボ制御装置が得られるという効果がある。
【0074】
また、この発明によれば、フィードバックトルク指令値とフィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値を、電動機が発生するトルクに相当する信号として用いるように構成したので、それに機械端補正定数を乗算することで計算した、バネ部に加わっているトルクとバネの伸縮量に応じて補正した位置指令値に追従させることで、機械の位置をその位置指令値に容易に追従させることが可能になるという効果がある。
【0075】
また、この発明によれば、電流センサの測定値を電動機が発生するトルクに相当する信号として用いることによっても、機械の位置を高精度に制御でき、ロバスト性の高いサーボ制御装置が得られるという効果がある。
【0076】
また、この発明によれば、フィードフォワードトルク指令値を電動機が発生するトルクに相当する信号として用いることによっても、フィードフォワードが良好に行われていれば、フィードバックトルク指令値とフィードフォワードトルク指令値の和を用いた場合と同等の効果を得ることができる。
【0077】
また、この発明によれば、摩擦のモデルを含むように構成したので、機械の剛性と摩擦の大きさによるバックラッシュを補正することが可能になるという効果がある。
【0078】
また、この発明によれば、摩擦のモデルから生成されたトルク指令値を、電動機が発生するトルクに相当する信号に含めないように構成したので、機械にがたつきがある場合など、バックラッシの補正を別途設定する必要がある場合に適用して有効なサーボ制御装置が得られるという効果がある。
【0079】
また、この発明によれば、電動機と機械をそれぞれのイナーシャとバネにてモデル化した場合の、バネ定数の値と、機械のイナーシャと電動機、機械双方のイナーシャの和との比を算出するためのパラメータを入力し、電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算される定数の値を決定するように構成したので、機械設計時においても大まかなパラメータの値が推測でき、また明らかに特定のパラメータのみが変化した場合でも、電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算される定数の値を意識することなく、その値の変更を容易に行うことができるという効果がある。
【0080】
また、この発明によれば、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と位置フィードバック値とをもとに、機械と電動機の双方のイナーシャの和を同定し、その同定結果から、電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を決定するように構成したので、機械のイナーシャのみが変化するような制御対象の制御を行う場合に適用して有効なサーボ制御装置が得られるという効果がある。
【0081】
また、この発明によれば、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と位置フィードバック値をもとに、機械のバネ定数を示すパラメータと、機械のイナーシャと機械および電動機双方のイナーシャの和との比を算出するためのパラメータを同定し、その同定結果から、電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を決定するように構成したので、初期設定時やパラメータ変動時に、自動的に補正パラメータを適切な値にチューニングすることのできるサーボ制御装置が得られるという効果がある。
【0082】
また、この発明によれば、機械モデルの同定を行う場合にのみ、共振周波数以上の高周波成分を含むM系列信号を、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号に加算し、その加算結果と位置フィードバック値をもとに、機械モデル同定部が機械モデルの同定を行い、共振周波数、反共振周波数、および機械と電動機の双方のイナーシャの和をパラメータとして、電動機が発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を決定するように構成したので、初期設定時やパラメータ変動時はに、適切な補正パラメータの値を自動的に設定することが可能になるという効果がある。
【0083】
また、この発明によれば、機械の剛性を表すバネ定数の値に相当するパラメータを、機械の位置に応じて変化させて設定できるため、ボールネジの剛性などの機械の位置によるパラメータの変化に対しても、精度を劣化させることなく対応することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態3によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明によるサーボ制御装置のロバスト性を示すためのボード線図である。
【図4】従来のサーボ制御装置のロバスト性のなさを示すためのボード線図である。
【図5】この発明の実施の形態4によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態5によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態6によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態7によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態8によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態9によるサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来のサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 機械、2 電動機、3 位置センサ、4 位置指令値生成部、5 フィードバック補償部、6 フィードフォワード補償部、8 電流補償部、9 機械端補正定数乗算部、10 加算器、11 パラメータ入力部、12 定数計算部、13 イナーシャ同定部、14 機械モデル同定部、15 M系列信号発生部、16 スイッチ、17 バネ定数設定部。

Claims (8)

  1. 所定の軌跡上を動作する機械に取り付けられ、位置指令値に追従して当該機械を動作させる電動機と、
    前記電動機に取り付けられて当該電動機の位置検出を行う位置センサと、
    前記機械を所定の軌跡上を動作させるための前記位置指令値を生成する位置指令値生成部と、
    前記位置指令値生成部で生成された位置指令値と、前記位置センサからの位置フィードバック値をもとに、トルクあるいはそれに相当するフィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、
    前記機械および前記電動機のモデルをもとに、前記位置指令値からトルクあるいはそれに相当するフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードバックトルク指令値と前記フィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値をもとに前記電動機に適切な電流を流す電流補償部と、
    前記フィードバックトルク指令値と前記フィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値を、前記トルクから前記機械の剛性に相当するバネの伸縮量に換算する定数により定数倍する機械端補正定数乗算部と、
    前記機械端補正定数乗算部にて定数倍された信号を、前記位置指令値生成部の生成した位置指令値に加算する加算器とを備えたサーボ制御装置。
  2. 所定の軌跡上を動作する機械に取り付けられ、位置指令値に追従して当該機械を動作させる電動機と、
    前記電動機に取り付けられて当該電動機の位置検出を行う位置センサと、
    前記機械を所定の軌跡上を動作させるための前記位置指令値を生成する位置指令値生成部と、
    前記位置指令値生成部で生成された位置指令値と、前記位置センサからの位置フィードバック値をもとに、トルクあるいはそれに相当するフィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、
    前記機械および前記電動機のモデルをもとに、前記位置指令値からトルクあるいはそれに相当するフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードバックトルク指令値と前記フィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値をもとに前記電動機に適切な電流を流す電流補償部と、
    前記電動機に流れる電流を測定する電流センサと、
    当該電流センサによる電流測定値を、前記電流値から前記機械の剛性に相当するバネの伸縮量に換算する定数により定数倍する機械端補正定数乗算部と、
    前記機械端補正定数乗算部にて定数倍された信号を、前記位置指令値生成部の生成した位置指令値に加算する加算器とを備えたサーボ制御装置。
  3. 所定の軌跡上を動作する機械に取り付けられ、位置指令値に追従して当該機械を動作させる電動機と、
    前記電動機に取り付けられて当該電動機の位置検出を行う位置センサと、
    前記機械を所定の軌跡上を動作させるための前記位置指令値を生成する位置指令値生成部と、
    前記位置指令値生成部で生成された位置指令値と、前記位置センサからの位置フィードバック値をもとに、トルクあるいはそれに相当するフィードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償部と、
    摩擦のモデルを含む前記機械および前記電動機のモデルをもとに、前記位置指令値からトルクあるいはそれに相当するフィードフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードバックトルク指令値と前記フィードフォワードトルク指令値を加算したトルクあるいはそれに相当する目標値をもとに前記電動機に適切な電流を流す電流補償部と、
    前記フィードフォワードトルク指令値より前記摩擦のモデルから生成されたトルク指令値を除いたものを、前記トルクから前記機械の剛性に相当するバネの伸縮量に換算する定数により定数倍する機械端補正定数乗算部と、
    前記機械端補正定数乗算部にて定数倍された信号を、前記位置指令値生成部の生成した位置指令値に加算する加算器とを備えたサーボ制御装置。
  4. 機械と電動機を、前記機械のイナーシャおよび前記電動機のイナーシャと、その間のバネによってモデル化した場合の、前記機械のバネ定数の値を示すパラメータと、前記機械のイナーシャと前記2つのイナーシャの和との比を算出するためのパラメータとを入力するパラメータ入力部と、
    前記パラメータ入力部より入力された、前記各パラメータに基づいて、前記電動機の発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を求めて機械端補正定数乗算部に設定する定数計算部とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のサーボ制御装置。
  5. 機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と、位置センサからの位置フィードバック値をもとに、前記電動機のイナーシャと機械のイナーシャとの和を同定するイナーシャ同定部を設け、
    パラメータ入力部が、パラメータとして、前記機械のバネ定数の値と、前記電動機のイナーシャとを入力するものであり、
    定数計算部が、前記イナーシャ同定部にて同定された前記電動機のイナーシャと機械のイナーシャとの和と、前記パラメータ入力部から入力されたパラメータに基づいて、前記電動機の発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を求めるものであることを特徴とする請求項4記載のサーボ制御装置。
  6. 機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号と、位置センサからの位置フィードバック値をもとに、機械モデルの同定を行い、前記機械のバネ定数の値を示すパラメータと、前記機械のイナーシャと前記機械および前記電動機それぞれのイナーシャの和の比とを算出するためのパラメータを求める機械モデル同定部と、
    前記機械モデル同定部の求めたパラメータに基づいて、前記電動機の発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を求めて機械端補正定数乗算部に設定する定数計算部とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のサーボ制御装置。
  7. 共振周波数以上の高周波成分を含む信号を生成するM系列信号発生部と、
    機械モデルの同定を行う場合にのみ、機械が動作中の電動機が発生するトルクに相当する信号に前記M系列信号発生部の生成した信号を加算するためのスイッチとを設け、
    機械モデル同定部が、前記M系列信号発生部の生成した信号が加算された前記電動機が発生するトルクに相当する信号と、位置センサからの位置フィードバック値をもとに、前記機械モデルの同定を行い、パラメータとして前記共振周波数および反共振周波と、機械のイナーシャと電動機のイナーシャとの和を求めるものであることを特徴とする請求項6記載のサーボ制御装置。
  8. 機械と電動機を、前記機械のイナーシャおよび前記電動機のイナーシャと、前記機械のイナーシャと前記2つのイナーシャの和との比を算出するためのパラメータとを入力するパラメータ入力部と、
    前記機械のバネ定数の値を示すパラメータを、位置指令値あるいは位置フィードバック値に応じて設定するバネ定数設定部と、
    前記パラメータ入力部およびバネ定数設定部より入力された、前記各パラメータに基づいて、前記電動機の発生するトルクに相当する信号に乗算する定数の値を求めて機械端補正定数乗算部に設定する定数計算部とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のサーボ制御装置。
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