JPH10177402A - 単純適応制御装置 - Google Patents

単純適応制御装置

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JPH10177402A
JPH10177402A JP35349596A JP35349596A JPH10177402A JP H10177402 A JPH10177402 A JP H10177402A JP 35349596 A JP35349596 A JP 35349596A JP 35349596 A JP35349596 A JP 35349596A JP H10177402 A JPH10177402 A JP H10177402A
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uep
ymdd
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Kozo Kyoizumi
宏三 京和泉
Yukishige Fujita
行茂 藤田
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SAN TESUTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】応答性を速くするとともに、操作入力や制御対
象の出力の不安定な動きを抑制できる単純適応制御装置
を提供する。 【解決手段】制御対象1、規範モデル2及び並列フィー
ドフォワード手段3を備え、規範モデル2の出力Ym と
制御対象1の出力Yp を並列フィードフォワード手段3
の出力に加算した値Ya との偏差eに応じて適応的に変
化するゲインKe,Kx ,Ku で目標値Um と規範モデ
ル2の状態変数Xm をフィードフォワードするととも
に、偏差eを偏差に応じて適応的に変化するゲインで負
帰還する。規範モデル2の次数を3次とし、制御対象1
への操作入力Uの方向が目標値Um の方向と逆の場合、
操作入力Uから規範モデル2の状態変数Xm のうち加速
度成分Ymdd に相当する要素を除外する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御対象の位置、速
度、推力、トルクなどをサーボ機構を用いて制御するサ
ーボシステムにおける単純適応制御装置に関するもの
で、本発明は流体圧アクチュエータ、ACあるいはDC
サーボモータ、さらには化学プラントを含む一般的な制
御対象に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、流体圧シリンダは非常に大きな
質量負荷あるいはバネ負荷を容易に操作でき、サーボ
弁、フィードバックセンサ及び制御装置で閉ループ回路
を構成すれば、少なくともフィードバックセンサの持つ
精度に応じた位置、速度あるいは力の制御が容易に行え
る。しかしながら、閉ループ回路を構成した場合、制御
装置の設計が適当でなければ、システムが不安定になる
場合があり、時には装置を破壊することさえありうる。
このような意味において、いかに上手く制御装置を設計
するかが重要となる。
【0003】従来から、サーボシステムにおける制御方
法としてPID制御方法が多く用いられている。この場
合には、次の何れかの方法を用いる必要があった。 (1)制御対象(上記した例であればサーボ弁、アクチ
ュエータ、負荷及びフィードバックセンサから構成され
るもの)の運動方程式を可能な限り正確に同定し、この
同定された結果から制御装置の設計を行う。 (2)PID制御装置のゲイン定数を小さくして試行錯
誤で徐々にゲインを大きくし、最適な応答が得られるよ
う調整する。
【0004】(1)の方法の場合、制御対象の同定にあ
る程度の時間を必要とし、制御対象が一定であれば、初
期の段階で時間をかけ、正確な同定を行い、最適な制御
装置を設計すればよいのであるが、制御対象はアプリケ
ーションによって、その都度変化するのが一般的であ
る。また、同一の制御対象であっても、周囲条件などが
変化して、その度に同定をやり直すことは経済的ではな
い。この為に、現実には(2)の方法、即ち実際の制御
対象に応じて現場で制御装置のゲインを調整することが
行われている。この現場で行われる調整は、装置の製作
費以外に、ゲイン調整のための人件費を必要とするが、
このことよりも将来の安全を考慮して調整が極めて保守
的(換言すれば将来制御対象のパラメータ変動があって
も安定なものを得ること)にならざるを得ないことの方
が問題である。つまり、本来高性能が期待されるサーボ
システムの能力を最大限利用していないことを意味す
る。
【0005】上述のサーボシステムは優れた制御能力を
有するが、(A)制御装置あるいはシステム全体の設計
を行うには、ある程度の制御理論と経験を要求される、
(B)最適な制御装置を設計するためには、制御対象の
運動方程式をできるだけ正確に知らねばならないし、ま
た知るだけでなく制御理論に基づいたその活用方法にも
精通しなければならない、といった条件が少なくとも必
要となり、優れたシステムであっても敬遠されがちであ
るといった欠点がある。このような背景から、制御対象
の運動方程式を厳密に知らなくても、最適な制御装置を
設計でき、また同時にその制御対象のパラメータが変動
しても、安全な制御性能を期待できる制御方法が望まれ
る。
【0006】既に述べたPID制御方法は、ほぼ既に確
立された制御方法で、いわゆる古典制御と呼ばれてい
る。このような古典制御に対し、制御性能を向上させう
る現代制御理論が展開されている。上記の(B)で述べ
た問題を少なくとも解決しうる制御理論として適応制御
を挙げることができる。
【0007】適応制御は制御方法(制御アルゴリズム)
を固定した他の多くの現代制御と比較して、制御対象に
適応的に動作することから、サーボシステムに最も適し
た制御方法であるということができる。しかしながら、
適応制御の代表的な方式であるモデル規範適応制御(M
RACと称する)には(I)実際の制御対象の次数より
低次のモデル次数が適用制御系の発散現象の原因とな
る、(II)n次系の制御対象について標準的なMRAC
を構成するためには、たとえ不確かな物理パラメータが
2,3個しかない場合でも、2n個の可調整パラメータ
が必要となる場合がある、などの問題がある。これに対
し、本発明の基本的構成である単純適応制御方法は、制
御対象がASPR条件(殆ど強正実化可能条件)を満足
しさえすれば容易に構成することができる。
【0008】従来技術による単純適応制御としては、特
開平4−34601号公報、サーボシステムに適用され
た事例としては、日本機械学会論文集(C編)61巻5
90号論文No.95−0150、又単純適応制御の最
新の動向を述べたものとしては、岩井善太;単純適応制
御,計測と制御学会誌,第35巻第6号1996年など
を挙げることができる。単純適応制御方法の理論的背景
は上記した文献を参照されたい。これら文献および本発
明者自らの実験によって、単純適応制御方法を用いれ
ば、制御対象の運動方程式を厳密に知らなくても、最適
な制御装置が設計でき、また同時にその制御対象のパラ
メータが変動しても安全な制御性能を得ることができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術による単純適応制御では、高い応答性と安定性とが得
にくいという欠点がある。ここで、その問題点について
詳述する。図1は一般的に知られた単純適応制御システ
ムのブロック図である。1は制御対象(図ではPLAN
Tと称する)、2は制御対象1の出力Yp が追従すべき
規範モデル(図ではMODELと称する)、3は並列フ
ィードフォワード補償器(図ではPFCと称する)、
4,5及び6は規範モデル2の出力Ym とフィードバッ
ク信号Ya の偏差eに応じて適応的にゲインが変化する
可変要素で、ゲインはそれぞれKe ,Kx 及びKu で表
される。なお、フィードバック信号Ya はフィードフォ
ワード補償器3の出力と制御対象1の出力とを加算した
ものである。
【0010】さて、可変要素4,5および6について、
ここで詳しく説明する。以下の(1)〜(6)式は本発
明で用いる単純適応制御方法の適応制御則であり、詳細
な理論的裏付けは、前述の文献(岩井善太;単純適応制
御,計測と制御学会誌,第35巻第6号1996年)に
依る。 U=K・Z ・・・(1) Z=[ eT ,Xm T ,Um T ] T ・・・(2) e=Ya −Ym ・・・(3) K=〔Ke ,Kx ,Ku 〕=Ks +Kp ・・・(4) dKs /dt=−e・ZT ・Γs −σKs ・・・(5) Γs >0,σ>0 Kp =−e・ZT ・Γp ・・・(6) Γp ≧0
【0011】なお、Xm は規範モデル2の状態変数(ベ
クトル)で、流体圧サーボシステムに例をとった場合、
変位,速度および加速度などが含まれる。これら3つの
状態変数をXm として図1のUにフィードフォワードす
る場合は、規範モデル2の運動方程式は3次とするのが
よい。応答性を向上させるためには、一般的に加速度成
分を用いることが有効であると言われている。理解を容
易にするために、規範モデル2の運動方程式(あるいは
伝達関数)を次式のような3次式とした時の状態変数X
m の変位成分をYm 、速度成分をYmd、加速度成分をY
mdd とすると、その変化を図2に示す。なお、規範モデ
ル2の伝達関数のゲインが1の場合は、状態変数Xm の
変位成分は規範モデル2の出力Ym に等しい。
【0012】 1/(0.1s+1)3 ・・・(7) 但し、sはラプラス演算子である。
【0013】図2を見ても明らかなように、加速度成分
であるYmdd の変化が変位成分Ymおよび速度成分Ymd
に比べて非常に大きい。このことが、応答性を高めるこ
とに作用するのであるが、単純適応制御においては、逆
に害をなす場合がある。
【0014】ここで、実験例を示す。図3は(5)式,
(6)式のΓs ,Γp の値を比較的大きな値にして加速
度成分Ymdd の効果を大きくした場合のデータである。
Umをステップ状の命令としたときの応答波形をビジグ
ラフで測定したもので、図3の上は操作入力Uの波形、
下は制御対象1の出力Yp の波形である。
【0015】出力Yp は全体としてよく規範モデル2に
追従しているが、立ち上がり時に逆方向へ少し応答し、
かつ凹凸のある波形となり、実用上望ましくない。ま
た、操作入力Uも不必要に大きく負に振れている。
【0016】次に、図4は(5)式,(6)式のΓs
Γp の値を図3の場合より小さくした時のデータであ
る。図4の上はUの波形、下は制御対象1の出力Yp の
波形であり、図3のときと同様にいずれも不必要に逆方
向へ変動している。図4の場合は、既に述べたようにΓ
s ,Γp を小さく取ったので、図3に見られるような立
ち上がり時の凹凸はない。しかし、制御対象1の出力Y
p の立ち上がり時の逆動作は実用上許容できない。
【0017】そこで、本発明の目的は、応答性を速くす
るとともに、操作入力や制御対象の出力の不安定な動き
を抑制できる単純適応制御装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、制御対象、規範モデル及
び並列フィードフォワード手段を備え、規範モデルの出
力Ym と制御対象の出力Yp を並列フィードフォワード
手段の出力に加算した値Ya との偏差eに応じて適応的
に変化するゲインKe ,Kx ,Ku で目標値Um と規範
モデルの状態変数Xm をフィードフォワードするととも
に、当該偏差eを偏差に応じて適応的に変化するゲイン
で負帰還する単純適応制御装置において、上記規範モデ
ルの次数を3次とし、制御対象への操作入力Uの方向が
目標値Um の方向と逆の場合、操作入力Uから規範モデ
ルの状態変数Xm のうち加速度成分Ymdd に相当する要
素を除外するものである。
【0019】本発明では、規範モデルの次数を3次と
し、その状態変数Xm のうち加速度成分Ymdd を利用す
るので、応答性を速くすることが可能である。また、制
御対象への操作入力Uの方向が目標値Um の方向と逆の
場合に、状態変数Xm のうち加速度成分Ymdd を除外す
るようにしたので、命令Um の方向とは逆方向の操作入
力Uが一瞬でも作用した時には、加速度成分Ymdd を考
慮しない操作入力Uを制御対象に加えることができ、制
御対象の出力が命令と逆方向に動く現象を防ぐことがで
きる。
【0020】なお、制御対象への操作入力Uの方向と目
標値Um の方向との正逆を判断するため、次のような式
で与えられるUep値の正負によって判断するのが望まし
い。即ち、Uep=U(Um −Yp ),Uep=U(Ym −
Ya ),Uep=U(Um −Ya ),Uep=U(Ym −Y
p ),Uep=U・Um ,Uep=U・Ym 。
【0021】また、制御対象の出力が命令と逆方向に動
く現象は加速時に限られるので、加速時を次式のUep値
の正負によって判定してもよい。即ち、Uep=−Ymdd
(Um −Yp ),Uep=−Ymdd (Ym −Ya ),Uep
=−Ymdd (Um −Ya ),Uep=−Ymdd (Ym −Y
p ),Uep=−Ymdd ・Um ,Uep=−Ymdd ・Ym,
Uep=−Ymdd ・Ymd。
【0022】具体的な操作入力Uとしては、状態変数X
m の変位成分をYm 、速度成分をYmd、加速度成分をY
mdd 、ゲインKx の変位成分をKym、速度成分をKymd
、加速度成分をKymddとした場合に、Uep<0のとき
には、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Ku ・Um とし、Uep≧0のときには、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Kymdd・Y
mdd +Ku ・Um とすればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、本発明の原理を説明するた
め、従来における単純適応制御装置における立ち上がり
時の逆動作の原因について説明する。(1)〜(6)式
からも明らかなように、加速度成分を示すYmdd は
(4)式のゲインで増幅され、(1)式に見るようにU
に加算される。このYmdd に乗算されるゲインは(5)
式に見るように過去の偏差eの履歴を反映したものであ
って、そのゲインの符号は正負のどちらも取りうること
になる。例えば、このゲインが負であった場合、図2に
見るようにステップ状の命令Um が印加された時、Ymd
d が他の状態変数Ym ,Ymdに比べて大きな値を有し、
これが負のゲインに乗算されて負の操作入力Uが制御対
象1に印加され、制御対象1の出力Yp が一瞬負の方向
へ動作するといった望ましくない現象を生じるのであ
る。
【0024】上記のことを数式で説明すると以下のよう
になる。(1)式はベクトル表現であるため、乗算の形
式となっている。これをスカラで表現すると、 U=Ke ・e+Kx ・Xm +Ku ・Um ・・・(8) (8)式のXm は既に述べたように規範モデル2の状態
変数であるから、 Kx ・Xm =Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Kymdd・Ymdd ・・・(9) となる。既に述べた負のゲインとは(9)式のKymddが
負になることを意味している。
【0025】次に、本発明の一例である制御システムを
図5に示す。なお、図5において、図1と同一要素には
同一符号を付して説明を省略する。図1では、偏差eに
応じて適応的にゲインKx が変化する可変要素5を1個
の要素で表したが、図5では3個の要素5a,5b,5
cに分解して表してある。即ち、要素5aは状態変数X
m の変位成分Ym に対してゲインKx の変位成分Kymを
乗算し、要素5bは状態変数Xm の速度成分Ymdに対し
てゲインKx の速度成分Kymd を乗算し、要素5cは状
態変数Xm の加速度成分Ymdd に対してゲインKx の加
速度成分Kymddを乗算する。
【0026】また、目標値Um と制御対象1の出力Yp
との偏差ep を算出し、この偏差ep と操作入力Uとに
応じて可変要素5cの出力を制御対象1に加えている。
そのため、可変要素5cの出力部には、偏差ep と操作
入力Uとに応じて作動する非線形回路7(図ではNL
C:Non-Linear-Circuitと表示する)が設けられてい
る。この非線形回路7は後述する条件を満足したとき、
可変要素5cの出力を操作入力Uに加算し、この条件を
満足しないときには加算しない。
【0027】ここで、非線形回路7の動作条件について
説明する。まず、次のように定義する。 ep =Um −Yp ・・・(10) Uep=U・ep ・・・(11) もし、Uep<0であるならば、制御対象1の操作入力U
を、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Ku ・Um ・・・(12) として与える。一方、Uep≧0であるならば、制御対象
への操作入力Uを、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Kymdd・Ymdd +Ku ・Um ・・・(13) として与える。
【0028】即ち、ステップ状の命令Um が正の方向に
与えられたとすると、(10)式のep は正となり、制
御対象1への操作入力Uも正であれば、(11)式のU
epは正となり、加速度成分Ymdd が考慮された操作入力
Uが制御対象1に与えられることになる。また、ステッ
プ状の命令Um が負の方向に与えられたとすると、(1
0)式のep は負となり、制御対象1への操作入力Uも
負であれば、(11)式のUepは上記と同様に正とな
り、加速度成分Ymdd が考慮された操作入力Uが制御対
象1に与えられる。つまり、制御対象1への操作入力U
の方向が目標値Um の方向と同方向の場合、操作入力U
に加速度成分Ymdd が加えられる。
【0029】一方、命令Um の方向とは逆の方向に操作
入力Uが一瞬でも作用すれば、(11)式のUepは負に
なるので、加速度成分Ymdd が考慮されない操作入力U
が制御対象1に与えられ、図3,図4に見られるような
命令と逆方向に動く現象を防ぐことができる。
【0030】図6は上述の方法を適用した場合の実験結
果である。図6から明らかなように、命令方向に対し立
ち上がり時に逆方向へ動くこともなく、応答正も非常に
よい結果が得られた。
【0031】なお、図6の結果は、(10)式〜(1
3)式の論理判断を加えることによって得られたもので
あるが、命令Um の方向と符号が反対になるような制御
対象1への操作入力Uに対して、加速度成分Ymdd に相
当する制限を加える方法であれば、他の如何なる方法で
もよい。例えば、Kymdd・Ymdd を操作入力Uに加算す
る時の条件として、Uep=U(Um −Yp )が正か負か
を判断したが、Um に代えてこれと相関関係にある変数
(例えばYm など)を用いてもよいし、Yp に代えてこ
れと相関関係にある変数(例えばYa など)を用いても
よい。さらに、ep (=Um −Yp )に代えて命令Um
そのもの、または命令Um に相関するYm を用いること
もできる。これをまとめると、次のようになる。 Uep=U(Ym −Ya ) Uep=U(Um −Ya ) Uep=U(Ym −Yp ) Uep=U・Um Uep=U・Ym
【0032】また、図3,図4で示した問題点は立ち上
がり時に限られている。即ち、加速時に問題を生じてい
るので、減速時にのみ(13)式で示されるKymdd・Y
mddを操作入力Uに加算する方法をとってもよい。加,
減速時を判断するため、加速度成分と命令との積の正負
を判断すればよい。このときは、論理判断の条件とし
て、次のようなUepを用いればよい。 Uep=−Ymdd (Um −Yp ) Uep=−Ymdd (Ym −Ya ) Uep=−Ymdd (Um −Ya ) Uep=−Ymdd (Ym −Yp ) Uep=−Ymdd ・Um Uep=−Ymdd ・Ymこの場合には、Uep<0であれば
加速時であるから(12)式を、Uep≧0であれば減速
時であるから(13)式を適用すればよい。
【0033】さらに、論理判断の条件として、次のよう
なUepを用いてもよい。 Uep=−Ymdd ・Ymd この論理判断は加速度成分と速度成分との積を用いたも
のであり、Uep<0であれば加速時であるから(12)
式を、Uep≧0であれば減速時であるから(13)式を
適用すればよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、規範モデルの3次の状態変数Xm のうち加速度
成分Ymdd を利用したので、応答性を速くすることがで
きるとともに、制御対象への操作入力Uの方向が目標値
Um の方向と逆の場合に、操作入力Uから規範モデルの
状態変数Xm のうち加速度成分Ymdd に相当する要素を
除外するようにしたので、命令Um の方向とは逆方向の
操作入力Uが一瞬でも作用した時には、加速度成分Ymd
d を考慮しない操作入力Uを制御対象に加えることがで
き、制御対象の出力が命令と逆方向に動く現象を防ぐこ
とができる。したがって、応答性と安定性に優れた単純
適応制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単純適応制御装置のブロック図である。
【図2】図1の単純適応制御装置における状態変数の変
化を示す波形図である。
【図3】図1の単純適応制御装置を用いて実験した一例
の操作入力と制御対象の出力の波形図である。
【図4】図1の単純適応制御装置を用いて実験した他の
例の操作入力と制御対象の出力の波形図である。
【図5】本発明にかかる単純適応制御装置の一例のブロ
ック図である。
【図6】図5の単純適応制御装置を用いて実験した一例
の操作入力と制御対象の出力の波形図である。
【符号の説明】
1 制御対象 2 規範モデル 3 並列フィードフォワード補償器 4,6 可変要素 5a,5b,5c 可変要素 7 非線形回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象、規範モデル及び並列フィードフ
    ォワード手段を備え、規範モデルの出力Ym と制御対象
    の出力Yp を並列フィードフォワード手段の出力に加算
    した値Ya との偏差eに応じて適応的に変化するゲイン
    Ke ,Kx ,Ku で目標値Um と規範モデルの状態変数
    Xm をフィードフォワードするとともに、当該偏差eを
    偏差に応じて適応的に変化するゲインで負帰還する単純
    適応制御装置において、 上記規範モデルの次数を3次とし、制御対象への操作入
    力Uの方向が目標値Um の方向と逆の場合、操作入力U
    から規範モデルの状態変数Xm のうち加速度成分Ymdd
    に相当する要素を除外することを特徴とする単純適応制
    御装置。
  2. 【請求項2】制御対象への操作入力Uの方向と目標値U
    m の方向との正逆を、次のいずれかの式で与えられるU
    ep値の正負によって判断することを特徴とする請求項1
    に記載の単純適応制御装置。 Uep=U(Um −Yp ) Uep=U(Ym −Ya ) Uep=U(Um −Ya ) Uep=U(Ym −Yp ) Uep=U・Um Uep=U・Ym Uep=−Ymdd (Um −Yp ) Uep=−Ymdd (Ym −Ya ) Uep=−Ymdd (Um −Ya ) Uep=−Ymdd (Ym −Yp ) Uep=−Ymdd ・Um Uep=−Ymdd ・Ym Uep=−Ymdd ・Ymd
  3. 【請求項3】状態変数Xm の変位成分をYm 、速度成分
    をYmd、加速度成分をYmdd 、ゲインKx の変位成分を
    Kym、速度成分をKymd 、加速度成分をKymddとする
    と、制御対象への操作入力Uを、Uep<0のときには、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Ku ・Um とし、Uep≧0のときには、 U=Ke ・e+Kym・Ym +Kymd ・Ymd+Kymdd・Y
    mdd +Ku ・Um としたことを特徴とする請求項2に記載の単純適応制御
    装置。
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