JPH10161706A - 単純適応制御装置 - Google Patents

単純適応制御装置

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JPH10161706A
JPH10161706A JP33486196A JP33486196A JPH10161706A JP H10161706 A JPH10161706 A JP H10161706A JP 33486196 A JP33486196 A JP 33486196A JP 33486196 A JP33486196 A JP 33486196A JP H10161706 A JPH10161706 A JP H10161706A
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JP33486196A
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Kozo Kyoizumi
宏三 京和泉
Yukishige Fujita
行茂 藤田
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SAN TESUTO KK
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SAN TESUTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御対象に外乱が作用しても、定常偏差の生じ
ない単純適応制御装置を提供する。 【解決手段】制御対象1、規範モデル2及び並列フィー
ドフォワード手段3を備え、規範モデル2の出力Ym と
制御対象1の出力Yp を並列フィードフォワード手段3
の出力に加算した値Ya との偏差eに応じて適応的に変
化するゲインKe,Kx ,Ku で目標値Um と規範モデ
ル2の状態変数Xm をフィードフォワードするととも
に、偏差eを偏差に応じて適応的に変化するゲインで負
帰還する。制御対象1の前に積分要素7をカスケード接
続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御対象の位置、速
度、推力、トルクなどをサーボ機構を用いて制御するサ
ーボシステムにおける単純適応制御装置に関するもの
で、本発明は流体圧アクチュエータ、ACあるいはDC
サーボモータ、さらには化学プラントを含む一般的な制
御対象に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、流体圧シリンダは非常に大きな
質量負荷あるいはバネ負荷を容易に操作でき、サーボ
弁、フィードバックセンサ及び制御装置で閉ループ回路
を構成すれば、少なくともフィードバックセンサの持つ
精度に応じた位置、速度あるいは力の制御が容易に行え
る。しかしながら、閉ループ回路を構成した場合、制御
装置の設計が適当でなければ、システムが不安定になる
場合があり、時には装置を破壊することさえありうる。
このような意味において、いかに上手く制御装置を設計
するかが重要となる。
【0003】従来から、サーボシステムにおける制御方
法としてPID制御方法が多く用いられている。この場
合には、次の何れかの方法を用いる必要があった。 (1)制御対象(上記した例であればサーボ弁、アクチ
ュエータ、負荷及びフィードバックセンサから構成され
るもの)の運動方程式を可能な限り正確に同定し、この
同定された結果から制御装置の設計を行う。 (2)PID制御装置にゲイン定数を小さくして試行錯
誤で徐々にゲインを大きくし、最適な応答が得られるよ
う調整する。
【0004】(1)の方法の場合、制御対象の同定にあ
る程度の時間を必要とし、制御対象が一定であれば、初
期の段階で時間をかけ、正確な同定を行い、最適な制御
装置を設計すればよいのであるが、制御対象はアプリケ
ーションによって、その都度変化するのが一般的であ
る。また、同一の制御対象であっても、周囲条件などが
変化して、その度に同定をやり直すことは経済的ではな
い。この為に、現実には(2)の方法、即ち実際の制御
対象に応じて現場で制御装置のゲインを調整することが
行われている。この現場で行われる調整は、装置の製作
費以外に、ゲイン調整のための人件費を必要とするが、
このことよりも将来の安全を考慮して調整が極めて保守
的(換言すれば将来制御対象のパラメータ変動があって
も安定なものを得ること)にならざるを得ないことの方
が問題である。つまり、本来高性能が期待されるサーボ
システムの能力を最大限利用していないことを意味す
る。
【0005】上述のサーボシステムは優れた制御能力を
有するが、(A)制御装置あるいはシステム全体の設計
を行うには、ある程度の制御理論と経験を要求される、
(B)最適な制御装置を設計するためには、制御対象の
運動方程式をできるだけ正確に知らねばならないし、ま
た知るだけでなく制御理論に基づいたその活用方法にも
精通しなければならない、といった条件が少なくとも必
要となり、優れたシステムであっても敬遠されがちであ
るといった欠点がある。このような背景から、制御対象
の運動方程式を厳密に知らなくても、最適な制御装置を
設計でき、また同時にその制御対象のパラメータが変動
しても、安全な制御性能を期待できる制御方法が望まれ
る。
【0006】既に述べたPID制御方法は、ほぼ既に確
立された制御方法で、いわゆる古典制御と呼ばれてい
る。このような古典制御に対し、制御性能を向上させう
る現代制御理論が展開されている。上記の(B)で述べ
た問題を少なくとも解決しうる制御理論として適応制御
を挙げることができる。
【0007】適応制御は制御方法(制御アルゴリズム)
を固定した他の多くの現代制御と比較して、制御対象に
適応的に動作することから、サーボシステムに最も適し
た制御方法であるということができる。しかしながら、
適応制御の代表的な方式であるモデル規範適応制御(M
RACと称する)には(I)実際の制御対象の次数より
低次のモデル次数が適用制御系の発散現象の原因とな
る、(II)n次系の制御対象について標準的なMRAC
を構成するためには、たとえ不確かな物理パラメータが
2,3個しかない場合でも、2n個の可調整パラメータ
が必要となる場合がある、などの問題がある。これに対
し、本発明の基本的構成である単純適応制御方法は、制
御対象がASPR条件(殆ど強正実化可能条件)を満足
しさえすれば容易に構成することができる。
【0008】従来技術による単純適応制御としては、特
開平4−34601号公報、サーボシステムに適用され
た事例としては、日本機械学会論文集(C編)61巻5
90号論文No.95−0150、又単純適応制御の最
新の動向を述べたものとしては、岩井善太;単純適応制
御,計測と制御学会誌,第35巻第6号1996年など
を挙げることができる。単純適応制御方法の理論的背景
は上記した文献を参照されたい。これら文献および本発
明者自らの実験によって、単純適応制御方法を用いれ
ば、制御対象の運動方程式を厳密に知らなくても、最適
な制御装置が設計でき、また同時にその制御対象のパラ
メータが変動しても安全な制御性能を得ることができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術による単純適応制御では、制御対象に外乱(例えば流
体圧サーボシステムではサーボ弁の中立点の変動、アク
チュエータの摩擦の作用など)が生じた場合、目標値に
対する定常偏差が残る欠点がある。
【0010】本発明はかかる欠点を除去するため、制御
対象に外乱が作用しても、定常偏差の生じない単純適応
制御装置を提供するものである。また、他の目的は、積
分要素の追加による遅れの影響を最小限にしうる単純適
応制御装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、制御対象、規範モデル及
び並列フィードフォワード手段を備え、規範モデルの出
力Ym と制御対象の出力Yp を並列フィードフォワード
手段の出力に加算した値Ya との偏差eに応じて適応的
に変化するゲインKe ,Kx ,Ku で目標値Um と規範
モデルの状態変数Xm をフィードフォワードするととも
に、当該偏差eを偏差に応じて適応的に変化するゲイン
で負帰還する単純適応制御装置において、上記制御対象
の前に積分要素をカスケード接続したものである。
【0012】本発明によれば、制御対象の運動方程式を
厳密に知らなくても制御対象がASPR条件を満足しさ
えすれば容易に構成することができるという単純適応制
御の特性を生かしながら、積分要素を追加することによ
り、外乱による定常偏差を有効に低減できる。
【0013】また、積分要素に比例要素を並列に組み合
わせた場合、速応性に関しては比例項が有効に作用し、
素早く目標値へ到達できる。さらに、積分要素の前後の
少なくとも一方にリミターを設けた場合には、更にオー
バーシュートが抑えられる。
【0014】ところで、積分要素は常時積分を行う必要
はなく、一定の条件を満足した場合のみ行うようにして
もよい。そのため、積分を開始する条件として、偏差に
応じて適応的に変化するゲインKx と規範モデルの状態
変数Xm の全てあるいは一部とを乗算した値が一定範囲
内にあることを条件としてもよい。つまり、制御対象が
動的にどのような状態にあるかを判断し、制御対象が定
常状態または目標値に近づいている場合などに積分を開
始するものである。このようにすれば、オーバーシュー
トが極めて少なくなり、追従性が向上するとともに、定
常偏差も零にすることができる。
【0015】さらに、上記の積分を開始する条件に、目
標値Um 又は規範モデルの出力Ymと制御対象の出力Yp
の偏差ep 、あるいは目標値Um 又は規範モデルの出
力Ym と制御対象の出力Yp を並列フィードフォワード
手段の出力に加算した値Yaとの偏差eが、所定の範囲
内にあることを加えてもよい。この場合には、規範モデ
ルに対する追従性は更に良くなり、非常に優れた応答性
を示す。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の基本を示す制御シ
ステムのブロック図である。1は制御対象(図ではPL
ANTと称する)、2は制御対象1の出力Yp が追従す
べき規範モデル(図ではMODELと称する)、3は並
列フィードフォワード補償器(図ではPFCと称す
る)、4,5及び6は規範モデル2の出力Ym とフィー
ドバック信号Ya の偏差eに応じて適応的にゲインが変
化する可変要素で、ゲインはそれぞれKe ,Kx 及びK
u で表される。なお、フィードバック信号Ya はフィー
ドフォワード補償器3の出力と制御対象1の出力とを加
算したものである。7は既に述べた目標値に対する定常
偏差を零とするための積分要素で、積分定数はKiであ
る。以下、他の実施例を図4,図7,図10,図13に
示すが、同一の機能を有するものには図1と同一の符号
を付した。
【0017】さて、可変要素4,5および6について、
ここで詳しく説明する。 U=K・Z ・・・(1) Z=[ eT ,Xm T ,Um T ] T ・・・(2) e=Ya −Ym ・・・(3) K=〔Ke ,Kx ,Ku 〕=Ks +Kp ・・・(4) dKs /dt=−e・ZT ・Γs −σKs ・・・(5) Γs >0,σ>0 Kp =−e・ZT ・Γp ・・・(6) Γp ≧0
【0018】上記(1)〜(6)式は本発明で用いる単
純適応制御方法の適応制御則であり、詳細な理論的裏付
けは、前述の文献(岩井善太;単純適応制御,計測と制
御学会誌,第35巻第6号1996年)に依る。
【0019】なお、Xm は規範モデル2の状態変数(ベ
クトル)で、流体圧サーボシステムに例をとった場合、
変位,速度および加速度などが含まれる。これら3つの
状態変数をXm として図1のUにフィードフォワードす
る場合は、規範モデル2の運動方程式は3次とするのが
よい。
【0020】図1に示す制御方法による応答性を図2に
示す。図の破線が規範モデル2の出力Ym 、実線が制御
対象1の出力Yp を示す。なお、目標値Um は高さ1の
ステップ状信号とし、積分定数Ki =1とした。図2は
コンピュータによるシュミレーション結果で、規範モデ
ル2の運動方程式を伝達関数で表すと、(7)式のよう
な3次とした。
【0021】
【数1】 但し、sはラプラス演算子である。また、制御対象1の
伝達関数は(8)式のようにした。これをプラントAと
しておく。
【0022】
【数2】 但し、ζ=0.4、ωn =250rad/secであ
る。
【0023】図2のシュミレーション結果であるが、制
御対象1の出力Yp は規範モデル2の出力Ym に沿って
応答しているが、少し振動的である。図3は図2の場合
の制御方法及び制御パラメータと同じで、制御対象1の
パラメータをζ=0.22、ωn =20rad/sec
に変更した場合の応答を示す。この制御対象1をプラン
トBとしておく。この場合、制御対象1の出力Yp は発
散してしまった。
【0024】なお、図2,図3は本発明の概念を分かり
やすくするために(5),(6)式のΓs ,Γp を大き
目にとったためで、これを小さくすれば、応答性は劣化
するが、振動的ではなくなってくる。
【0025】以上のように、定常偏差を零とするために
積分要素7を制御対象1の直前に設けたが、応答性を高
めると振動的応答となり、更に制御対象1のパラメータ
変動によっては不安定になる場合がある。
【0026】図4は積分要素7の挿入場所を変え、制御
対象1と積分要素7の間にフィードフォワードであるK
u ・Um とKx ・Xm を印加したものである。換言する
と、積分要素7をフィードフォワードKu ・Um とKx
・Xm の印加点より前に設けたものである。
【0027】この場合の結果を図5(プラントAの場
合)、図6(プラントBの場合)に示す。図4の制御方
法の場合、フィードフォワードが直接制御対象1に作用
するので、若干のオーバーシュートを生じるが、プラン
トA,Bともに安定を維持している。
【0028】図7は図1の積分要素7に比例要素を並列
に接続し、比例+積分要素8を制御対象1の直前、つま
りフィードフォワードKu ・Um とKx ・Xm の印加点
より後に設けたものである。その結果を図8(プラント
Aの場合)、図9(プラントBの場合)に示す。図1,
図4の場合と異なり、積分定数Ki=5とし、他の制御
パラメータは同じである。
【0029】速応性に関しては比例項が有効に作用し、
また定常値に落ち着くことに関しても積分定数がKi=
5と大きくなったため改善されている。なお、図7では
比例+積分要素8を制御対象1の直前に設けたが、図4
のように比例+積分要素8をフィードフォワードKu ・
Um とKx ・Xm の印加点より前に設ければ、速応性お
よび安定性がさらに向上する。
【0030】図10は図7の積分要素7の前後にリミタ
ー9,10を設けたものである。リミター9,10を設
けた以外は図7と制御パラメータは同じである。なお、
実験ではリミターの制限値はいずれも±0.5とした。
その結果を図11(プラントAの場合)、図12(プラ
ントBの場合)に示す。結果をみても明らかなように、
図7の場合に比べて更にオーバーシュートが抑えられ
た。
【0031】なお、図10では、比例+積分要素におけ
る積分要素7の前後にリミター9,10を設けたもので
あるが、積分要素7の前後一方にのみリミターを設けて
もよいし、図4における積分要素7の前後少なくとも一
方にリミターを設けても同様な効果がある。
【0032】図13は目標値Um と制御対象1の出力Y
p との偏差ep を算出し、この偏差ep を積分要素7で
積分した結果を制御対象1に加える方法を示す。但し、
偏差ep と積分要素7の間に非線型回路11(図ではN
LC:Non-Linear-Circuitと表示する)を設ける。この
非線型回路11は図13に示す制御システムの状態が後
述する条件を満足するときのみ働き、この条件が満足さ
れたとき、偏差ep が積分要素7で積分される。
【0033】さて、上記の条件であるが、次の2つを提
案する。 条件1: |Kx ・Xm |n <α0 ・・・(9) 但し、Kx :(4)式で示される可変ゲイン、Xm :規
範モデル2の状態変数、n:任意の数、α0 :任意の数
である。 条件2: |Kx ・Xm |n <α0 ・・・(10) α1 <ep <α2 ・・・(11) 但し、ep =Um −Yp ,α1 ,α2 :任意の数であ
る。
【0034】条件2は(10)及び(11)式の両方が
満足されることを条件とする。条件1または条件2を判
定する場合、状態変数Xm を構成する成分である変位、
速度、加速度のうちどれか1つあるいは複数の成分を用
いてもよい。例えば速度成分Xm を用いた場合には、こ
の速度成分Xm と乗算される可変ゲインKx も、可変ゲ
インKx の中のXm に関する可変ゲインを用いることに
なる。
【0035】α0 の値は制御対象1の伝達関数に応じて
決定される。例えば、制御対象1が動的にどのような状
態にあるかを判断し、速度,加速度に関連した変数を見
て、制御対象1が定常状態に近づいている場合などに積
分を開始するよう、適当な値に設定される。
【0036】一方、ep の範囲を規定するためのα1
α2 は、制御対象1の出力(油圧サーボ系をシリンダ制
御する場合には変位)が所定の範囲、例えば目標値の±
5%などの範囲に入れば、積分を開始するように設定さ
れる。
【0037】なお、(9),(10)式では絶対値を用
いたが、例えばn=2とした場合には、Kx ,Xm が正
負いずれの値でもとり得るので、絶対値を用いる必要は
ない。n=2の場合には、乗算値Kx ・Xm を2乗する
ことにより、(Kx ・Xm )2 <α0 だけを判断すれ
ば、Kx ・Xm の大きさを判断できるという利点があ
る。なお、n=2に限るものではなく、計算上便利な値
を選択すればよい。整数に限ることもない。
【0038】上記のように条件1または条件2が満足さ
れれば、偏差ep が積分要素7で積分されるが、これら
条件が満足されない場合は、(9)式の規範モデル2の
状態変数Xm のうち、速度に関する状態変数をXm で表
すと、 |Kx Xm n >α3 ・・・(12) 但し、Kx :(4)式で示される可変ゲインKx の中の
Xm に関する可変ゲイン、n:任意の数、α3 :任意の
数となり、(12)式を満足したときに、それまで積分
されていた積分要素7の出力を零にリセットしてもよ
い。この場合には、例えばα3 としてα0 以上の値を設
定するのが望ましい。換言すれば、ある程度制御対象の
速度が大きくなってから(適当に動いたことを確認して
から)積分要素7の出力をリセットすることを意味す
る。
【0039】条件1の場合の試験結果を図14(プラン
トAの場合)、図15(プラントBの場合)に示す。但
し、状態変数Xm としては、速度及び加速度成分を用い
た。図14に見るように、オーバーシュートは極めて少
なく、制御対象1の出力Yp は規範モデル2の出力Ym
によく追従している。追従性がよいだけでなく、定常偏
差も零になっている。図15はプラントBの場合である
が、僅かな振動モードが残るが、規範モデル2によく追
従している。
【0040】条件2の場合の試験結果を図16(プラン
トAの場合)、図17(プラントBの場合)に示す。但
し、状態変数Xm としては、速度及び加速度成分を用い
た。図16に見るように、規範モデル2に対する追従性
は更に良くなり、図17は振動モードが更に小さくなっ
て、非常に優れた応答性を示している。
【0041】図13では、目標値Um と制御対象1の出
力Yp との偏差ep を積分要素7で積分し、その結果を
制御対象1に加えたが、規範モデルの出力Ym と制御対
象の出力Yp との偏差ep を積分してもよく、さらには
目標値Um 又は規範モデルの出力Ym と制御対象の出力
Yp を並列フィードフォワード手段の出力に加算した値
Ya との偏差eを積分してもよい。
【0042】図14〜図17では、状態変数Xm として
速度と加速度に相当する成分を用いたが、これらに加え
て変位の成分(Ym と等価な成分)を含めてもよい。ま
た、積分要素7で積分されるべき信号としてep (=U
m −Yp )を用いたが、e(=Ya −Ym )を用いても
よい。ただ、今回の実験では、ep を用いた方が整定時
間が短かった。
【0043】また、(9)〜(12)式では条件1,2
で、速度,加速度成分として簡単に入手できる規範モデ
ルの状態変数Xm を利用したが、もし制御対象の出力
(この場合、変位)を検出する変位センサだけでなく、
速度センサ、加速度センサがあって、それぞれの出力が
利用できるのであれば、制御対象1の状態変数(変位,
速度,加速度)を条件に使ってもよい。
【0044】この場合、制御対象1の状態変数をZm と
すると、次の条件を満足した時点で積分を開始すればよ
い。 |Zm |n <α4 ・・・(13) この場合も状態変数Zm の全てあるいは一部が上記条件
を満足すればよい。なお、n=2の場合には絶対値を用
いる必要はない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、単純適応制御装置における制御対象の前に積分
要素をカスケード接続したので、単純適応制御の特性を
生かしながら、外乱による定常偏差を有効に低減でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる単純適応制御装置の第1実施例
のブロック図である。
【図2】図1の制御装置を用いてプラントAを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図3】図1の制御装置を用いてプラントBを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図4】本発明にかかる単純適応制御装置の第2実施例
のブロック図である。
【図5】図4の制御装置を用いてプラントAを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図6】図4の制御装置を用いてプラントBを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図7】本発明にかかる単純適応制御装置の第3実施例
のブロック図である。
【図8】図7の制御装置を用いてプラントAを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図9】図7の制御装置を用いてプラントBを制御した
場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図であ
る。
【図10】本発明にかかる単純適応制御装置の第4実施
例のブロック図である。
【図11】図10の制御装置を用いてプラントAを制御
した場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図で
ある。
【図12】図10の制御装置を用いてプラントBを制御
した場合の、規範モデルおよび制御対象の出力波形図で
ある。
【図13】本発明にかかる単純適応制御装置の第5実施
例のブロック図である。
【図14】図13の制御装置を用いてプラントAを制御
した場合の、条件1における規範モデルおよび制御対象
の出力波形図である。
【図15】図13の制御装置を用いてプラントBを制御
した場合の、条件1における規範モデルおよび制御対象
の出力波形図である。
【図16】図13の制御装置を用いてプラントAを制御
した場合の、条件2における規範モデルおよび制御対象
の出力波形図である。
【図17】図13の制御装置を用いてプラントBを制御
した場合の、条件2における規範モデルおよび制御対象
の出力波形図である。
【符号の説明】
1 制御対象 2 規範モデル 3 並列フィードフォワード補償器 4,5,6 可変要素 7 積分要素 8 比例+積分要素 9,10 リミター 11 非線型回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象、規範モデル及び並列フィードフ
    ォワード手段を備え、規範モデルの出力Ym と制御対象
    の出力Yp を並列フィードフォワード手段の出力に加算
    した値Ya との偏差eに応じて適応的に変化するゲイン
    Ke ,Kx ,Ku で目標値Um と規範モデルの状態変数
    Xm をフィードフォワードするとともに、当該偏差eを
    偏差に応じて適応的に変化するゲインで負帰還する単純
    適応制御装置において、 上記制御対象の前に積分要素をカスケード接続したこと
    を特徴とする単純適応制御装置。
  2. 【請求項2】上記積分要素に比例要素を並列に接続した
    ことを特徴とする請求項1に記載の単純適応制御装置。
  3. 【請求項3】上記積分要素の入力および出力の少なくと
    も一方に制限を設けるリミターを接続したことを特徴と
    する請求項1または2に記載の単純適応制御装置。
  4. 【請求項4】上記積分要素は、偏差に応じて適応的に変
    化するゲインKx と規範モデルの状態変数Xm の全てあ
    るいは一部とを乗算した値が一定範囲内にあるときの
    み、目標値Um 又は規範モデルの出力Ym と制御対象の
    出力Yp との偏差ep 、あるいは目標値Um 又は規範モ
    デルの出力Ym と制御対象の出力Yp を並列フィードフ
    ォワード手段の出力に加算した値Ya との偏差eを積分
    し、その出力を制御対象に加えることを特徴とする請求
    項1に記載の単純適応制御装置。
  5. 【請求項5】上記積分要素が作用する時の条件に、目標
    値Um 又は規範モデルの出力Ym と制御対象の出力Yp
    の偏差ep 、あるいは目標値Um 又は規範モデルの出力
    Ym と制御対象の出力Yp を並列フィードフォワード手
    段の出力に加算した値Ya との偏差eが、所定の範囲内
    にあることを加えたことを特徴とする請求項4に記載の
    単純適応制御装置。
  6. 【請求項6】上記積分要素は、制御対象の状態変数の全
    てあるいは一部が一定範囲内にあるときのみ、目標値U
    m 又は規範モデルの出力Ym と制御対象の出力Yp との
    偏差ep 、あるいは目標値Um 又は規範モデルの出力Y
    m と制御対象の出力Yp を並列フィードフォワード手段
    の出力に加算した値Ya との偏差eを積分し、その出力
    を制御対象に加えることを特徴とする請求項1に記載の
    単純適応制御装置。
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