JP2019109601A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
て、この場合、前記予測モデルは、前記所定の制御対象に関連する状態変数と前記フィルタ部に関連する状態変数と前記積分器に関連する状態変数とを含む前記所定の拡大状態変数と、前記ジャーク入力との相関を画定し、前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数のうち前記所定のフィルタ状態変数を除く状態変数に関する前記状態量コストと、前記ジャーク入力に関連する前記制御入力コストとを算出するように構成されてもよい。
前記予測モデルは、前記所定の制御対象に関連する状態変数と前記積分器に関連する状態変数を含む前記所定の拡大状態変数と前記ジャーク入力との相関を画定し、前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数に関するステージコストである状態量コストと、前記ジャーク入力に関連するステージコストである制御入力コストとを算出するように構成されてもよい。
図1は、第1の実施例に係る制御システムの概略構成図である。当該制御システムは、ネットワーク1と、サーボドライバ4と、標準PLC(Programmable Logic Controller)
5とを備える。サーボドライバ4は、モータ2と負荷装置3とを含んでなる、実際のプラント(以下、単に「実プラント」と称する)6をサーボ制御するための制御装置である。当該制御システムでは、標準PLC5から送られてくる目標指令に、実プラント6の出力を追従させるように、サーボドライバ4が実プラント6をフィードバック制御する。サーボドライバ4は、標準PLC5から受けた目標指令に基づき、実プラント6の追従制御を行うための制御入力を生成する。サーボドライバ4による制御入力の生成については、後述する。ここで、実プラント6を構成する負荷装置3としては、各種の機械装置(例えば、産業用ロボットのアームや搬送装置)が例示でき、モータ2はその負荷装置3を駆動するアクチュエータとして負荷装置3内に組み込まれている。例えば、モータ2は、ACサーボモータである。なお、モータ2には図示しないエンコーダが取り付けられており、当該エンコーダによりモータ2の動作に関するパラメータ信号(位置信号、速度信号等)がサーボドライバ4にフィードバック送信されている。
制御時に、実プラント6での振動抑制が見込まれ、且つ所望の時間内に実プラント6の出力を目標に近付けることができる。
ただし、xref(k)は時刻kにおける目標状態量を、x(k)は時刻kにおける計算上の状態量を表し、uref(k)は時刻kにおける、定常状態での目標制御入力を、u(k)は時刻kにおける計算上の制御入力を表している。また、Q及びRは、それぞれ
ステージコストにおける状態量の重みを表す係数(重み係数)、制御入力の重みを表す係数(重み係数)である。したがって、式3の右辺の第1項が、状態量に関するステージコストを意味し「状態量コスト」と称し、右辺の第2項が、制御入力に関するステージコストを意味し「制御入力コスト」と称する。
〜574, 2004. }に詳細が開示されている。
を数値積分して、入力U(t)を更新していく。このように連続変形法では、反復計算を行わないため、各時刻での入力U(t)を算出するための演算負荷を可及的に抑制することができる。
ただし、F、U(t)は、以下の式5で表される。
ただし、Hはハミルトニアン、λは共状態、μは拘束条件C=0のラグランジュ乗数である。
入力uがフィルタ部7に入力されたときの出力がνと表され、当該出力νは、実プラント6への入力とされる。なお、本実施例の実プラント6への入力νは、トルク入力τとなる。
ただし、dはノッチの深さに関するパラメータ、ζはノッチの幅に関するパラメータ、ωはノッチの中心周波数である。
ラント6の慣性である。
Q = diag(C1,C2,0,0)
R = diag(C3)
ただし、diagは対角行列を意味し、また、C1〜C3は、任意の正数である。
このように状態量コストの算出に関し、フィルタ状態変数に関連する重み係数を0とす
ることで、モデル予測制御でのステージコストの算出においてフィルタ状態変数の関与を排除することができる。この結果、実プラント6の動作中における目標指令rの変化にかかわらず、フィルタ部7による減衰処理を反映させた好適な制御入力uを実時間で生成し拡大プラント60に供給でき、結果として、振動を抑制しながら実プラント6の出力を目標指令rに対して好適に追従させることができる。
上述までの実施例では、実プラント6に1つの制御軸が含まれている形態に対応しているが、更に他の制御軸を加えサーボドライバ4がそれら複数の制御軸を含む実プラント6をサーボ制御の対象とするように構成された場合のシミュレーション結果を図5に示す。このような場合、拡大状態変数は下記の式15で表すことができ、モデル予測制御部43が有する予測モデルP2は、下記の式16で表すことができる。なお、当該ケースは、実プラント6に2つの制御軸が含まれる場合に対応する。
ただし、式15における添え字の「1」、「2」は、サーボドライバ4で制御される制御軸の番号を表している。なお、添え字の表記については、下記の式16についても同様である。
また、当該ケースにおける重み係数Q、Rは、それぞれ下記のとおり設定する。
Q = diag(20,20,5,5,0,0,0,0)
R = diag(1,1)
ている。当該シミュレーションでは、制御入力に対して所定の外乱振動(上記所定周波数ωを主成分とする振動)を印加している。そして、図5においては、第1の制御軸の出力を横軸とし第2の制御軸の出力を縦軸として設定される作業座標系において、目標指令の軌跡を線L1、L3で表し、サーボドライバ4によるサーボ制御の結果の実プラント6の出力の軌跡を線L2、L4で表している。図5の上段(a)と下段(b)を比較すると明らかなように、式16に示す予測モデル及び上記重み係数Q、Rをモデル予測制御部43に採用することで、実プラント6の出力の振動を効果的に抑制しながら、目標指令への好適な追従を実現している。
第2の実施例に係るサーボドライバ40によるサーボ制御について、図6及び図7に基づいて説明する。本実施例では、上記第1の実施例の実プラント6に積分器61を加えて仮想的な実プラント6’を新たに定義するとともに、その実プラント6’と上記フィルタ部7とによって拡大プラント62を形成する。そして、図6は、フィルタ部7と実プラント6’のそれぞれの伝達関数を示し、図7は、フィルタ部7及び実プラント6’を含む拡大プラント62の制御構造を示す。
上記式18の予測モデルP3では、拡大状態変数と制御入力であるジャーク入力uとの相関が画定されている。この結果、モデル予測制御部43は、フィルタ部7による減衰処理を反映させた制御入力であるジャーク入力uを実時間で生成し、拡大プラント62に対して出力することができる。
記第1の実施例と同様に、フィルタ状態変数の影響を排除するために、拡大状態変数のうちフィルタ状態変数を除く状態変数に関する状態量コストと、ジャーク入力uに関連する制御入力コストとを算出して、その算出結果に基づいてモデル予測制御を実行する。具体的には、重み係数Q、Rをそれぞれ下記のように設定し、特に重み係数Qにおいては、フィルタ状態変数に関連する重み係数を0とする。
Q = diag(C11,C12,C13,0,0)
R = diag(C14)
ただし、C11〜C14は、任意の正数である。
第1の実施例で示したように2つの制御軸を含む実プラント6をサーボ制御の対象とするように構成されたサーボドライバ4の制御構造が、図6及び図7のように構成された場合のシミュレーション結果を図8に示す。シミュレーション条件については、図5に示すシミュレーション結果の場合と同様である。図8においては、第1の制御軸の出力を横軸とし第2の制御軸の出力を縦軸として設定される作業座標系において、目標指令の軌跡を線L5で表し、サーボドライバ4によるサーボ制御の結果の実プラント6の出力の軌跡を線L6で表している。図8から明らかなように、式18に示す予測モデル及び上記重み係数Q、Rをモデル予測制御部43に採用することで、実プラント6の出力の振動を効果的に抑制しながら、目標指令への好適な追従を実現している。
本実施例の変形例について、図9及び図10に基づいて説明する。本変形例では、上記第1の実施例の実プラント6はそのままに、フィルタ部7の前段部に積分器65を加え、積分器65、フィルタ部7、実プラント6によって拡大プラント66を形成する。そして、図9は、積分器65、フィルタ部7、実プラント6それぞれの伝達関数を示し、図10は、積分器65、フィルタ部7、実プラント6を含む拡大プラント66の制御構造を示す。
以上を踏まえると、拡大プラント66に関連する拡大状態変数を下記の式21で表し、モデル予測制御部43が有する予測モデルP4を下記の式22のように表すことができる。
は、重み係数Q、Rをそれぞれ下記のように設定し、特に重み係数Qにおいては、フィルタ状態変数に関連する重み係数を0とする。
Q = diag(C21,C22,0,0,C23)
R = diag(C24)
ただし、C21〜C24は、任意の正数である。
このような構成によっても、実プラント6の振動に関与するジャーク入力の影響を、制御入力コストを介して最適化(最小化)しやすくなり、効果的に振動を抑制しながら実プラント6の出力を目標指令rに対して好適に追従させることができる。
第3の実施例に係るサーボドライバ4によるサーボ制御について、図11に基づいて説明する。本実施例のサーボドライバ4では、上記第1の実施例と同様に実プラント6とフィルタ部7とによって拡大プラント60が形成されてモデル予測制御部43によるモデル予測制御が行われるが、その際にサーボ積分器41の出力zが状態取得部42によって取得され、当該モデル予測制御に供される。
を調整しやすくなり、従来のように外乱モデルの拡張やオブザーバゲインの設計等、容易ではない調整が必要な外乱オブザーバを利用することなく、オーバーシュートを抑制したサーボ制御の実現が容易となる。
第1の実施例で示したように2つの制御軸を含む実プラント6をサーボ制御の対象とするように構成されたサーボドライバ4の制御構造が、図11のように構成された場合のシミュレーション結果を図13に示す。シミュレーション条件については、図5に示すシミュレーション結果の場合と同様である。図13においては、第1の制御軸の出力を横軸とし第2の制御軸の出力を縦軸として設定される作業座標系において、目標指令の軌跡を線L7で表し、サーボドライバ4によるサーボ制御の結果の実プラント6の出力の軌跡を線L8で表している。図13から明らかなように、式24に示す予測モデルをモデル予測制御部43に採用することで、実プラント6の出力の振動抑制とオーバーシュート量の抑制を両立しながら、目標指令rへの好適な追従を実現している。
第4の実施例に係るサーボドライバ40によるサーボ制御について、図14及び図15に基づいて説明する。本実施例では、図14に示すようにサーボドライバ4にはフィルタ部7は備えられていない。そのため、状態取得部42は、実プラント6を含んで形成される拡大プラント68に関連する拡大状態変数を取得するように構成される。
上記式26の予測モデルP6では、拡大状態変数と制御入力であるジャーク入力uとの相関が画定されている。この結果、モデル予測制御部43は、サーボ制御のためのジャーク入力uを実時間で生成し、拡大プラント68に対して出力することができる。
Q = diag(C31,C32,C33)
R = diag(C34)
ただし、C31〜C34は、任意の正数である。
Q = diag(C41,C42,C43)
R = diag(C44)
ただし、C41〜C44は、任意の正数である。
このような構成によっても、実プラント6の振動に関与するジャーク入力の影響を、制御入力コストを介して最適化(最小化)しやすくなり、効果的に振動を抑制しながら実プラント6の出力を目標指令rに対して好適に追従させることができる。
第1の実施例で示したように2つの制御軸を含む実プラント6をサーボ制御の対象とするように構成されたサーボドライバ4が、図15に示す拡大プラントに対応するように構成された場合のシミュレーション結果を図16に示す。シミュレーション条件については、図5に示すシミュレーション結果の場合と同様である。図16においては、第1の制御軸の出力を横軸とし第2の制御軸の出力を縦軸として設定される作業座標系において、目標指令の軌跡を線L9で表し、サーボドライバ4によるサーボ制御の結果の実プラント6の出力の軌跡を線L10で表している。図16から明らかなように、式26又は式28に示す予測モデル及び上記重み係数Q、Rをモデル予測制御部43に採用することで、実プラント6の出力の振動を効果的に抑制しながら、目標指令への好適な追従を実現している。
本実施例のサーボドライバ4に、上記第3の実施例で示したサーボ積分器を適用し、拡大状態変数に目標指令rと実プラント6の出力θとの偏差e(r−θ)を加えるとともに、モデル予測制御部43が有する予測モデルに、偏差e(r−θ)と、所定の積分ゲインKiとの積で表される積分項を含ませてもよい。そのような構成により、図13に示すように実プラント6の出力の振動抑制とオーバーシュート量の抑制を両立しながら、目標指令rへの好適な追従を実現することが可能となる。
2・・・・モータ
3・・・・負荷装置
4・・・・サーボドライバ
4’・・・・制御装置
5・・・・標準PLC
6・・・・プラント
7・・・・フィルタ部
41・・・・サーボ積分器
42・・・・状態取得部
43・・・・モデル予測制御部
60、62、66、68・・・・拡大プラント
61、65・・・・積分器
Claims (6)
- 所定の制御対象の出力を所定の目標指令に対して追従させる制御装置であって、
前記所定の目標指令に基づく制御入力に対して、所定周波数における減衰処理を行うとともに、該所定の制御対象とともに拡大された制御対象を形成するフィルタ部と、
前記拡大された制御対象に関する所定の拡大状態変数と該拡大された制御対象への前記制御入力との相関を所定の状態方程式の形式で画定した予測モデルを有し、前記所定の目標指令に対して、所定時間幅の予測区間において所定の評価関数に従って該予測モデルに基づいたモデル予測制御を行い、少なくとも該予測区間の初期時刻での前記制御入力の値を出力するモデル予測制御部と、
を備え、
前記予測モデルは、前記所定の制御対象に関連する状態変数と前記フィルタ部に関連する所定のフィルタ状態変数を含む前記所定の拡大状態変数と前記制御入力との相関を画定し、
前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数のうち前記所定のフィルタ状態変数を除く状態変数に関するステージコストである状態量コストと、前記制御入力に関連するステージコストである制御入力コストとを算出するように構成される、
制御装置。 - 前記フィルタ部は、前記所定周波数を前記減衰処理の中心周波数とするノッチフィルタ、又は前記所定周波数を前記減衰処理における遮断周波数とするローパスフィルタとして構成される、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記制御入力は、前記所定の制御対象に対するジャーク入力であって、
前記拡大された制御対象は、前記所定の制御対象及び前記フィルタ部に加えて、前記ジャーク入力に対して所定の積分処理を行う積分器を含み、
前記予測モデルは、前記所定の制御対象に関連する状態変数と前記フィルタ部に関連する状態変数と前記積分器に関連する状態変数とを含む前記所定の拡大状態変数と、前記ジャーク入力との相関を画定し、
前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数のうち前記所定のフィルタ状態変数を除く状態変数に関する前記状態量コストと、前記ジャーク入力に関連する前記制御入力コストとを算出するように構成される、
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。 - 前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数にかかわらず前記状態量コストを零と算出するように構成される、
請求項3に記載の制御装置。 - 前記所定の目標指令と、前記所定の制御対象の出力との偏差が入力されるサーボ用積分器を、更に備え、
前記所定の制御対象に関連する状態変数に、前記偏差と所定の積分ゲインとの積で表される所定の積分項が含まれ、
前記予測モデルは、前記所定の積分項を含む前記所定の拡大状態変数と前記制御入力との相関を画定する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御装置。 - 所定の制御対象の出力を所定の目標指令に対して追従させる制御装置であって、
前記所定の目標指令に基づく制御入力であるジャーク入力に対して、所定の積分処理を行うとともに、該所定の制御対象とともに拡大された制御対象を形成する積分器と、
前記拡大された制御対象に関する所定の拡大状態変数と該拡大された制御対象への前記ジャーク入力との相関を所定の状態方程式の形式で画定した予測モデルを有し、前記所定の目標指令が入力されて、所定時間幅の予測区間において所定の評価関数に従って該予測モデルに基づいたモデル予測制御を行い、少なくとも該予測区間の初期時刻での前記ジャーク入力の値を出力するモデル予測制御部と、
を備え、
前記予測モデルは、前記所定の制御対象に関連する状態変数と前記積分器に関連する状態変数を含む前記所定の拡大状態変数と前記ジャーク入力との相関を画定し、
前記所定の評価関数は、前記所定の拡大状態変数に関するステージコストである状態量コストと、前記ジャーク入力に関連するステージコストである制御入力コストとを算出するように構成される、
制御装置。
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櫻井 優太 ほか: "外乱推定による連続時間モデル予測制御のオフセット補償", システム制御情報学会論文誌, vol. 第25巻, 第7号, JPN6019008728, 2012, pages 172 - 180, ISSN: 0004423001 * |
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