JP2013050589A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、保存安定性、耐高温オフセット性に優れ、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】少なくとも、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を含む静電潜像現像用トナーにおいて、離型剤に、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含有させ、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定において、再昇温時に観測される、融解開始温度TB、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度T3を、それぞれ特定の温度とする。
【選択図】図1

Description

本発明は静電潜像現像用トナーに関する。
一般に電子写真法においては、まず、静電潜像担持体(感光体)の表面をコロナ放電等により一様に帯電させた後、レーザー等により一様に帯電した静電潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する。次に、静電潜像をトナーで現像して静電潜像担持体の表面にトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性材料等を混合した後、混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電量の制御を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末等がトナーに外添されている。
かかるトナーに関して、省エネルギー化、装置の小型等の観点から、定着ローラーを極力加熱することなく良好に定着可能な、低温定着性に優れるトナーが望まれている。しかし、低温定着性に優れるトナーは、融点やガラス転移点の低い結着樹脂や、低融点の離型剤を使用していることが多く、一般的に、高温で保存する場合に凝集しやすいことや、加熱された定着ローラーにトナーが融着することによる高温オフセットが生じやすい問題がある。
かかる、課題を解決するために種々の検討が行われており、例えば、低融点ワックスと高融点ワックスとを主成分とし、示差走査熱量計(DSC)による2回目昇温時の測定において、低融点ワックス成分が60〜90℃に最大級熱ピークP1を有し、高融点ワックス成分が100〜150℃に最大吸熱ピークP2を有し、P2のピーク温度とP1のピーク温度との差が20℃以上である、トナーの離型剤として使用されるワックス組成物が提案されている(特許文献1)。
特開平08−278657号公報
特許文献1に記載のワックス組成物を用いて得られるトナーによれば、確かに、低温定着性と、耐高温オフセット性とに優れたトナーを得やすい。しかし、特許文献1に記載のワックス組成物を用いて得られるトナーでは、低融点ワックス成分の影響により、高温での保存時にトナーが凝集しやすく、耐熱保存性が低下しやすい。また、特許文献1に記載のワックス組成物を用いて得られるトナーでは、低融点ワックスと高融点ワックスとの組合せによっては、結着樹脂中にワックスを良好に分散させにくく、形成画像の光沢度が低下しやすい問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、低温定着性、保存安定性、及び耐高温オフセット性に優れ、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、結着樹脂中に、少なくとも着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を含み、離型剤は、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含有し、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定において、再昇温時に観測される、融解開始温度TB、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度T3が、それぞれ特定の温度である、静電潜像現像用トナーにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 少なくとも、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を含み、
前記離型剤は、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含有し、
トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、前記トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、前記トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定において、再昇温時に観測される、融解開始温度TBが60℃以上であり、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1が63〜73℃であり、中間吸熱ピーク温度T2が73〜80℃であり、他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度T3が80〜87℃である、静電潜像現像用トナー。
(2) 前記離型剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部である、(1)記載の静電潜像現像用トナー。
(3) 前記天然エステルワックスが、カルナバワックス、又はライスワックスである、(1)、又は(2)記載の静電潜像現像用トナー。
(4) 前記離型剤における、前記合成エステルワックスと前記天然エステルワックスの含有量の質量比率が、天然エステルワックス/合成エステルワックスとして、3/7〜7/3である、(1)〜(3)何れか記載の静電潜像現像用トナー。
本発明によれば、低温定着性、保存安定性、耐高温オフセット性に優れ、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供することができる。
実施例1のトナーの示走査熱量分析のチャートである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、トナーともいう)は、結着樹脂中に、少なくとも、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を含み、離型剤は、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含有し、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、前記トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定において、再昇温時に観測される、融解開始温度、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度が、それぞれ特定の温度である、静電潜像現像用トナーである。
静電潜像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤の他に、磁性粉等を含んでいてもよい。また、静電潜像現像用トナーは、結着樹脂と種々の成分とを溶融混練した後に粉砕して得たトナー母粒子の表面に、外添剤を付着させることもできる。また、本発明のトナーは、所望により、キャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。以下、本発明の静電潜像現像用トナーについて、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉、外添剤、及び本発明のトナーを2成分現像剤として使用する場合に用いるキャリアと、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法とについて順に説明する。
〔結着樹脂〕
トナーに含まれる結着樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂から、融点、ガラス転移点、軟化点等を勘案して適宜選択される。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナー中の着色剤に対する分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、100〜130℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。ポリエステル樹脂の軟化点がかかる範囲である場合、低温定着性に優れるトナーを得やすい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部(像担持体:感光体)にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計(DSC−6200(セイコーインスツル株式会社製))を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
〔着色剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは結着樹脂中に着色剤を含有する。トナーに含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料から適宜選択される。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。
〔離型剤〕
離型剤は、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で使用される成分である。本発明の静電潜像現像用トナーは、離型剤を必須に含有する。本発明の静電潜像現像用トナーに含まれる離型剤は、合成エステルワックスと天然エステルワックスとを含む。離型剤における合成エステルワックスと、天然エステルワックスとの含有量の合計量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、典型的には、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーは、離型剤として合成エステルワックスと天然エステルワックスとを含むため、後述する所定の方法により、トナーを示差走査熱量計(DSC)によって分析する場合に、低融点のワックスに起因する低温側吸熱ピーク、高融点のワックスに起因する高温側吸熱ピークと、低温側吸熱ピークと高温側吸熱ピークとの中間に位置する中間吸熱ピークとが観測される。本発明のトナーは、かかる吸熱特性を有するために、低温定着性、保存安定性、耐高温オフセット性に優れ、光沢度に優れた画像を形成できるものとなる。
離型剤に含まれる低融点のワックスの融点は、60〜75℃が好ましく、65〜75℃がより好ましい。また、離型剤に含まれる高融点のワックスの融点は、75〜95℃が好ましく、80〜90℃がより好ましい。かかる融点のワックスを組合せて用いる場合、DSC測定において、所望の吸熱パターンを有するトナーを調製しやすい。
合成エステルワックスと天然エステルワックスとは、共にエステル系ワックスであるために親和性が高いことと、天然エステルワックスに含まれる、脂肪酸、脂肪族アルコール、構造未知成分等の微量の不純物の影響とによって、これらのワックスを混合する場合に、低温側吸熱ピークと高温側吸熱ピークとが保持されたまま、中間吸熱ピークが生成すると考えられる。合成エステルワックスと天然エステルワックスとでは、何れの融点が高融点であってもよい。これらのワックスの組合せの中では、合成エステルワックスが天然エステルワックスよりも融点の調整が容易であり、低融点の合成エステルワックスを入手しやすいことから、合成エステルワックスを低融点のワックスとして使用し、天然エステルワックスを高融点のワックスとして使用するのが好ましい。
ワックスの組合せが、天然エステルワックス同士、又は合成エステルワックス同士の組合せの場合には、低温側吸熱ピークと高温側吸熱ピークとが消失し、中間吸熱ピークしか観測されない。また、合成エスエテルワックスを、エステル基を持たないパラフィンワックスに変更する場合、低温側吸熱ピークと高温側吸熱ピークとが観測されるのみであり、中間吸熱ピークは観測されない。
本発明のトナーは、下記方法により示差走査熱量計による測定を行う場合に、再昇温時に観測される、融解開始温度TBが60℃以上であり、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1が63〜73℃であり、中間吸熱ピーク温度T2が73〜80℃であり、他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度T3が80〜87℃である。以下、示差走査熱量計による、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度T3の測定方法について説明する。
<示差走査熱量計測定方法>
示差走査熱量計(DSC)として、DSC6200(セイコーインスツル株式会社製)を用いる。トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定を行う。なお、トナー試料の量は10mgとする。再昇温時の測定により得られたDSC曲線から、TB、T1、T2、及びT3を求める。まず、高温側吸熱ピーク温度T3より高温側に観測されるベースラインと、低温側吸熱ピーク温度T1より低温側に観察される下降曲線との交点の温度をTB(℃)とする。次いで、測定開始後に連続して観測される3つのピークの温度について、低温側のピーク温度よりT1(℃)、T2(℃)、T3(℃)とする。
融解開始温度TB、及び低温側吸熱ピーク温度T1は、2種のワックスのうち低融点のワックスの融点を調整することによって調整できる。また、高温側吸熱ピーク温度T3は、2種のワックスのうち高融点のワックスの融点を調整することによって調整できる。さらに、中間吸熱ピーク温度T2は、2種のワックスの融点をそれぞれ調整することにより調整することができる。つまり、2種のワックスのうち低融点のワックスの融点を下げればT2は低下し、低融点のワックスの融点を上げればT2は上昇する。また、2種のワックスのうち高融点のワックスの融点を下げればT2は低下し、高融点のワックスの融点を上げればT2は上昇する。
(天然エステルワックス)
本発明において用いる天然エステルワックスは、植物材料より得られるエステルワックスである。天然エステルワックスの具体例としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバワックス等が挙げられる。これらの天然エステルワックスの中では、カルナバワックス、又はライスワックスがより好ましい。天然エステルワックスの融点は、合成エステルワックスの融点と、得られるトナーのDSC測定における吸熱パターンとを考慮して適宜選択される。
(合成エステルワックス)
本発明において用いる合成エステルワックスは、合成品として市販されているものを用いてもよく、所望の原料(例えば、脂肪酸、及び脂肪族アルコール)から合成したものを用いてもよい。好適に使用できる合成エステルワックスの具体例としては、WEP−4(融点71℃、日油株式会社製)、WEP−2(融点71℃、日油株式会社製)、WPP−6(融点80℃、日油株式会社製)、及びWEP−8(融点79℃、日油株式会社製)等の市販品が挙げられる。合成エステルワックスの融点は、天然エステルワックスの融点と、得られるトナーのDSC測定における吸熱パターンとを考慮して適宜選択される。
離型剤における、天然エステルワックスと合成エステルワックスとの含有量の比は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。天然エステルワックスと合成エステルワックスとの含有量の比は、天然エステルワックス/合成エステルワックスとして、3/7〜7/3が好ましく、4/6〜6/4がより好ましい。
天然エステルワックス/合成エステルワックスの値が、過大であるか過小である場合、低融点ワックスの含有量が過少であるか、高融点ワックスの含有量が過少である。低融点ワックスの含有量が過少である場合、トナーの低温定着性が損なわれやすい。また、高融点ワックスの含有量が過少である場合、低融点ワックスの含有量が多いため、トナーの耐熱保存性が損なわれやすい。さらに、低融点ワックスは、溶融混練して結着樹脂中に離型剤を分散させる際に、ワックスの粘度が低くなりすぎ、ワックスにせん断力がかかりにくい。このため、高融点ワックスの含有量が過少である場合、低融点ワックスの含有量が多いため、結着樹脂中にワックスを良好に分散させにくく、形成画像の光沢度が低いトナーとなりやすい。さらに、高融点ワックスの含有量が過少である場合、トナーの耐熱保存性が損なわれやすい。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によって保存安定性が低下する場合がある。
〔電荷制御剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、電荷制御剤を含有する。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディーブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物等が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナート等のアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等のサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなったり、形成画像の画像濃度を長期にわたって維持することが困難になったりする場合がある。また、かかる場合、電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすかったり、潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿環境下での帯電不良に起因する画像不良が形成画像に生じやすくなったり、トナー成分による潜像担持部の汚染等が起こりやすくなる。
〔磁性粉〕
静電潜像現像用トナーは、所望により、結着樹脂中に磁性粉を配合することができる。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。かかる範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜60質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、長期間にわたり印刷する場合に形成画像の画像濃度が所望する値より低くなったり、定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、形成画像にかぶりが発生しやすかったり、長期間にわたり印刷する場合に画像濃度が所望値より低くなったりする場合がある。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
〔外添剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で、外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよい。なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲において、外点剤を付着させる処理が施される粒子を「トナー母粒子」という。
外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤の体積固有の抵抗値は、外添剤の表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。
外添剤のトナー母粒子に対する使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、トナー母粒子100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。かかる範囲の量で外添剤を使用する場合、流動性、保存安定性、クリーニング性に優れるトナーを得やすい。
〔キャリア〕
静電潜像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂により被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等が挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20〜120μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの見掛け密度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。見掛け密度は、キャリアの組成や表面構造によって異なるが、典型的には、2.0〜2.5g/cmが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をかかる範囲とすることにより、適度な画像濃度を維持し、現像装置からのトナー飛散の抑制によって画像形成装置内部の汚染や転写紙等へのトナーの付着を抑制できる。
〔静電潜像現像用トナーの製造方法〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂に対して、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤と、必要に応じて、磁性粉等の任意の成分とを配合した後に、所望の粒子径のトナー母粒子を調製し、所望により、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることにより製造できる。
結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤と、必要に応じて、磁性粉等の成分とを配合してトナー母粒子を製造する方法は、結着樹脂中にこれらの成分を良好に分散できる限り特に限定されない。トナー母粒子の好適な製造方法の具体例としては、結着樹脂と、着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉等の成分とを混合機等により混合した後、一軸、又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナー母粒子の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
このようにして得られたトナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法は特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機により、外添剤がトナー母粒子に埋め込まれないように混合条件を調整して、トナー母粒子と外添剤と混合する方法が挙げられる。
以上説明した、本発明の静電潜像現像用トナーは、低温定着性、保存安定性、耐高温オフセット性に優れ、光沢度に優れた画像を形成できる。このため、本発明の静電荷像現像用トナーは、種々の画像形成装置において好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
結着樹脂(ポリエステル樹脂、HP−313(日本合成化学工業株式会社)87質量%、着色剤(カーボンブラック、MA−100(三菱化学株式会社製))3質量%、電荷制御剤(N−01(オリヱント化学工業株式会社製))2質量%、電荷制御剤(FCA−201−PS(藤倉化成株式会社製))4質量%、天然エステルワックス(高融点ワックス(融点80℃)、カルナバワックス(東亜化成株式会社製))2質量%、及び合成エステルワックス(低融点ワックス(融点71℃)、WEP−4(日油株式会社製)2質量%となる様に、ヘンシェルミキサー(FM−10型(三井鉱山株式会社製))により各材料を混合し、得られた混合物を、二軸押出機(TEM−26SS(東芝機械株式会社製))により溶融混練して溶融混練物を得た。冷却された溶融混練物を、ロートプレックス粉砕機(株式会社東亜機械製作所製)により、平均径2mm程度まで粗粉砕し、次いでターボミル(RSタイプ(ターボ工業株式会社製))により微粉砕を行った。微粉砕品を、風力分級機(EJ−L−3(LABO)型(日鉄鉱業株式会社製))により分級して、体積平均粒子径7.0μmのトナー母粒子を得た。トナー母粒子の体積平均粒子径の測定は、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)により行った。
得られたトナー母粒子100質量部に対して、正帯電性シリカ微粒子(RA200(日本アエロジル株式会社製))1.5質量部と、酸化チタン(MT−500B(テイカ株式会社製))1.0質量部とを加え、ヘンシェルミキサー(FM−10型(三井鉱山株式会社製))によって、回転数3500mmで5分間混合して外添処理を行い、実施例1のトナーを得た。
実施例1のトナーについて、以下の方法に従って、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。実施例1のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、実施例1のトナーのDSC測定により得られたチャートを、図1に示す。
<示差走査熱量計測定方法>
示差走査熱量計(DSC)として、DSC6200(セイコーインスツル株式会社製)を用いた。トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定を行った。なお、トナー試料の量は10mgとした。再昇温時の測定により得られたDSC曲線から、TB、T1、T2、及びT3を求めた。まず、高温側吸熱ピーク温度T3より高温側に観測されるベースラインと、低温側吸熱ピーク温度T1より低温側に観察される下降曲線との交点の温度をTB(℃)とした。次いで、測定開始後に連続して観測される3つのピークの温度について、低温側のピーク温度よりT1(℃)、T2(℃)、T3(℃)とした。
また、実施例1のトナーについて、以下の方法に従って、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。
<低温定着性評価方法>
(二成分現像剤の調製)
カラープリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))に使用されているキャリア100質量部に対して実施例1のトナー10質量部を配合してプラスチックボトルに封入し、ボールミル(京セラミタ株式会社製)にてプラスチックボトルを100rpmの回転数で30分間回転させて、プラスチックボトル内のキャリアとトナーを均一に攪拌混合して、実施例1の2成分現像剤を得た。
カラープリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))のブラックの現像装置に、得られた二成分現像剤を充填し、ブラックのトナーコンテナに得られたトナーを充填し、定着装置を取り外した前記カラープリンターを使用して、トナー載せ量1.8mg/cmとなるように、評価用紙(Color Copy 90(ノイシドラー社製))に、2cm×3cmのトナー画像(パッチサンプル)を未定着画像として出力した。次に、定着温度150℃で、前記カラープリンターの定着装置を定着治具として用い、パッチサンプルの未定着画像を、線速100mm/秒で定着させた。次いで、得られた定着画像の画像部を一旦二つ折にしてから開いた後に、布帛により覆われた質量1kgの分銅を折り目上で5往復させて、折り目を摩擦した。摩擦後に、サンプル画像の折り目を観察し、折り目上の画像の剥離長を計測して、低温定着性を評価した、低温定着性の判定基準は以下の通りである。
○:画像の剥離長1mm未満。
×:画像の剥離長1mm以上。
<耐高温オフセット性>
低温定着性評価方法の測定で用いたのと同じ現像装置とトナーコンテナを用いて、定着装置を取り外した前記カラープリンターを使用して、トナー載せ量1.8mg/cmとなるように、評価用紙(Color Copy 90(ノイシドラー社製))に、2cm×3cmのトナー画像(パッチサンプル)を未定着画像として出力した。次に、定着温度200℃で前記カラープリンターの定着装置を定着治具として用い、パッチサンプルの未定着画像を、線速100mm/秒で定着させた。定着された画像を用い、目視にて、高温オフセットの発生の有無を判断した。耐高温オフセット性の判定基準は以下の通りである。
○:高温オフセットの発生無し。
×:高温オフセットの発生有り。
<耐熱保存性評価方法>
トナー10gをガラス製サンプル瓶に秤量し、トナーの入ったサンプル瓶を、栓がされていない状態で、50℃の恒温槽(Constant Temperature Oven DKN602(ヤマト科学株式会社製))に100時間静置した。次いで、質量既知の26メッシュの篩を、パウダーテスター(TYPE PT−E 84810(ホソカワミクロン株式会社製))に取り付け、篩に高温静置後のトナーを載せ、篩前のトナーの質量を測定した。そして、レオスタット2.5の条件で20秒間トナーを篩った。次いで、篩上に残ったトナーの質量を測定し、篩い前のトナー質量に対する、篩い後の篩上のトナーの質量により、耐熱保存性を評価した。耐熱保存性の判定基準は以下の通りである。
○:メッシュ上残存トナー0.2g以下。
×:メッシュ上残存トナー0.2g超。
<画像光沢度評価方法>
耐高温オフセット性の評価と同じ条件で未定着画像を出力した。次に、定着温度190℃で、定着治具により、未定着画像を、線速100mm/秒で定着させた。定着後の形成画像の光沢度を、グロスチェッカー(IG−331(株式会社堀場製作所製))により測定した。画像光沢度の判定基準は以下の通りである。
○:光沢値10以上15以下。
×:光沢値10未満。
<離型剤の分散性評価方法>
トナー5gを、20MPaの圧力で圧縮し、直径4cm、厚さ3mmの円柱型のペレットを作成した。得られたペレットから、ミクロトーム(REM710リトラーム(大和光機工業株式会社製))を用いて厚さ100μmの薄片を切り出し、これを観察用試料とした。得られた観察用試料を、透過型電子顕微鏡(HF−3300(日立ハイテクノロジーズ株式会社製))により、倍率3000倍で観察し、目視観察により、トナー中での離型剤の分散性を評価した。離型剤の分散性の判定基準は以下の通りである。
○:離型剤の塊が殆ど見えない。
△:離型剤の塊がわずかに見える。
×:離型剤の塊が多数見える。
〔実施例2〕
高融点ワックスとして用いた天然エステルワックスを、カルナバワックスから、ライスワックス(融点82℃、東亜化成株式会社製)に変更することの他は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。実施例2のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。実施例2のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、実施例2のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、実施例2のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。実施例2のトナーの評価結果を表1に記す。
〔比較例1〕
高融点ワックスであるカルナバワックスを用いないことと、低融点ワックスである合成エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製))のトナー母粒子における含有量を2質量%から4質量%に変えることとの他は、実施例1と同様に比較例1のトナーを得た。比較例1のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。比較例1のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、比較例1のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、比較例1のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。比較例1のトナーの評価結果を表1に記す。
〔比較例2〕
低融点ワックスである合成エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製))を用いないことと、高融点ワックスであるカルナバワックスのトナー母粒子における含有量を2質量%から4質量%に変えることとの他は、実施例1と同様に比較例2のトナーを得た。比較例2のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。比較例2のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、比較例2のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、比較例2のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。比較例2のトナーの評価結果を表1に記す。
〔比較例3〕
低融点ワックスである合成エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製))に変えて、パラフィン系ワックス(融点81℃、HNP−11(日本精蝋株式会社製))を用いることの他は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーを得た。比較例3のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。比較例3のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、比較例3のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、比較例3のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。比較例3のトナーの評価結果を表1に記す。
〔比較例4〕
高融点ワックスであるカルナバワックスを、合成エステルワックス(融点82℃、WEP−5(日油株式会社製))に変えることの他は、実施例1と同様にして、比較例4のトナーを得た。比較例4のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。比較例4のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、比較例4のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、比較例4のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。比較例4のトナーの評価結果を表1に記す。
〔比較例5〕
低融点ワックスである合成エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製))に変えて、合成エステルワックス(融点71℃、WEP−2(日油株式会社製))を用いることの他は、実施例1と同様にして、比較例5のトナーを得た。比較例5のトナーについて、実施例1と同様に、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、融解開始温度TB、低温側吸熱ピーク温度T1、中間吸熱ピーク温度T2、及び高温側吸熱ピーク温度を測定した。比較例5のトナーの、TB、T1、T2、及びT3を表1に記す。また、比較例5のトナーを用い、実施例1と同様にして二成分現像剤を作成した。次に、比較例5のトナーについて、実施例1のトナーと同様にして低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、画像光沢、及び離型剤(ワックス)の分散性について評価した。比較例5のトナーの評価結果を表1に記す。
Figure 2013050589
実施例1、及び2によれば、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、離型剤は、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含有し、融解開始温度TBが60℃以上であり、低温側吸熱ピーク温度T1が63〜73℃であり、中間吸熱ピーク温度T2が73〜80℃であり、高温側吸熱ピーク温度T3が80〜87℃である、静電潜像現像用トナーであれば、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性に優れ、光沢の優れた画像を形成できることが分かる。
比較例1のトナーは、低融点ワックスとして合成エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製))のみを使用しており、高融点ワックスを含まない。このため、比較例1のトナーは、低融点ワックスの含有量が多いため、耐熱保存性に劣る。また、このため、比較例1のトナーは、高温において、定着ローラーと画像との間で、良好な離型作用を得にくく、耐高温オフセット性に劣る。さらに、低融点ワックスは、トナー調製時の溶融混練の際に、粘度が極めて低くなるためにワックスにせん断力が働きにくく、ワックスの高分散化が難しい。このため、比較例1のトナーはワックスが良好に分散しておらず、形成画像の光沢度が低い。
比較例2のトナーは、高融点ワックスとしてカルナバワックスのみを使用しており、低融点ワックスを含まない。このため、比較例2のトナーは低温定着性に劣る。
比較例3のトナーは、高融点ワックスが天然エステルワックスであるが、低融点ワックスとして、合成エステルワックスではなく、パラフィンワックスを用いている。かかるワックスの組合せであるため、比較例3のトナーでは、2種のワックスが良好に混合されず、ワックスが良好に分散していない。このため、比較例3のトナーは、形成画像の光沢度が低い。なお、比較例3のトナーでは、2種のワックスが良好に混合されていないため、中間吸熱ピークが形成されていない。
比較例4のトナーは、高融点ワックスと低融点ワックスとして、合成エステルワックス同士を組み合わせている。かかるワックスの組合せであるため、比較例4のトナーでは、ワックスが良好に分散していない。このため、比較例4のトナーは、形成画像の光沢度が低い。また、比較例4のトナーでは、低温側吸熱ピークと、高温側吸熱ピークとが消失している。比較例4のトナーは、低温側吸熱ピークが消失していることから分かるように、低融点ワックスが低温で溶解しにくく、低温定着性に劣る。また、高温側吸熱ピークが消失していることから分かるように、比較例4のトナーは、高温でワックスが溶解しにくい。このため、比較例4のトナーは、高温において、定着ローラーと画像との間で、良好な離型作用を得にくく、耐高温オフセット性に劣る。
比較例5のトナーは、天然エステルワックスであるカルナバワックスと、合成エステルワックスとを組み合わせているため、低温側吸熱ピーク、中間吸熱ピーク、及び高温側吸熱ピークが観測されている。しかし、比較例5のトナーは、TBが60℃未満となり、耐熱保存性が著しく低い。また、比較例5のワックスの組合せでは、ワックスがやや分散しにくい。このため、比較例5のトナーでは形成画像の光沢度が低い。

Claims (4)

  1. 少なくとも、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を含み、
    前記離型剤は、合成エステルワックスと、天然エステルワックスとを含み、
    トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで、前記トナー試料を10℃/分の速度で30℃まで冷却し、さらに、前記トナー試料を30℃から170℃まで10℃/分の速度で再昇温して行う示差走査熱量計による測定において、再昇温時に観測される、融解開始温度TBが60℃以上であり、一方のエステルワックス由来の低温側吸熱ピーク温度T1が63〜73℃であり、中間吸熱ピーク温度T2が73〜80℃であり、他方のエステルワックス由来の高温側吸熱ピーク温度T3が80〜87℃である、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記離型剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部である、請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記天然エステルワックスが、カルナバワックス、又はライスワックスである、請求項1、又は2記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記離型剤における、前記合成エステルワックスと前記天然エステルワックスの含有量の質量比率が、天然エステルワックス/合成エステルワックスとして、3/7〜7/3である、請求項1〜3何れか記載の静電潜像現像用トナー。
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