JP2013039847A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート本体1は、車室の側面側に配設される第1スライド機構150側にはシート本体1を車室側面方向に跳ね上げる付勢手段4sを備えた回転ヒンジ機構4が設定されており、車室の内方側に配設される第2スライド機構250側には第2スライド機構250とシート本体1との連結を分離可能とする連結分離切替機構260、270が備えられており、連結分離切替機構260、270の分離状態で付勢手段によりシート本体1の跳ね上げ作動が行われる構成となっており、スライド機構によるシート本体1のスライド範囲における予め定められたシート本体1の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備え、跳ね上げ位置検知手段による跳ね上げ位置の検知に基づいて連結分離切替機構260、270を分離状態に切替える。
【選択図】図2
Description
ところで、車両用シートのシート本体を跳ね上げて格納する位置(跳ね上げ位置)は、シート本体がスライド移動する範囲のうち所定の箇所においてのみ可能とする構成が一般的である。これは任意の位置で跳ね上げて格納しようとしても車両の構造部材や他の装備品との干渉等が生じてシート本体が格納できないことを防ぐためである。そこで、シート本体を跳ね上げ位置に移動させる際は、スライド機構を作動させてシート本体をスライド移動させて、シート本体側のシールドに設けられたマークと車体トリム側に設けられたマークを目視によって位置合わせを行っていた。
更に、上述した車両用シートの構成においては、スライド機構のほかにシート本体を跳ね上げて格納する機構を備えている。この機構は、フラット状態のシート本体を車室側面方向に跳ね上げる付勢手段を備えた機構である。上述する車両用シートは、これら二つの機構を作動させてシート本体の格納をしなければならないことから複数の操作を要するといった煩わしさも有していた。
先ず、第1の発明は、シートクッションとシートバックとを有するシート本体は車両の床面等の車体構成部材との間に設けられたスライド機構によりスライド移動可能に車体構成部材に設置されており、該シート本体はシートバックがシートクッションに対して起立した起立状態と前倒れした前倒れ状態の2位置を設定することができ、前倒れ状態では車室内側面方向に跳ね上げて格納することのできる車両用シートであって、前記スライド機構は第1スライド機構と第2スライド機構がシート本体の両側に位置して車両前後方向に平行に配設されており、車室の側面側に配設される第1スライド機構側にはシート本体を車室側面方向に跳ね上げる付勢手段を備えた回転ヒンジ機構が設定されており、車室の内方側に配設される第2スライド機構側には該第2スライド機構とシート本体との連結を分離可能とする連結分離切替機構が備えられており、該連結分離切替機構の分離状態で前記付勢手段によりシート本体の跳ね上げ作動が行われる構成となっており、前記スライド機構によるシート本体のスライド範囲における予め定められたシート本体の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備え、該跳ね上げ位置検知手段によるシート本体の予め定められた跳ね上げ位置の検知に基づいて前記連結分離切替機構を分離状態に切替える構成となっていることを特徴とする。
先ず、本実施形態における車両用シートの作動内容の概略を説明する。この車両用シートは、図1に図示されるように車両の後部側座席として配設されており、シート本体1を構成する背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3を有する。シート本体1は、シートバック2の幅方向の両サイド下部に設けられたリクライニング装置6,6によって、シートクッション3と連結されている。これにより、シートバック2は、シートクッション3に対する背凭れ角度の調整を行ったり、シートクッション3の上側に前倒し可能な構成である。これにより、シート本体1は、シートバック2がシートクッション3に対して起立した起立状態1Aと、シートクッション3の上側に前倒しされた前倒れ状態1Bの2位置を設定することができる。
各リクライニング装置6,6は、ロッド部品6xによって互いのロック機構の操作部品が連結されており、そのロック及びロック解除の切換えが左右で同期して行われる。したがって、シートバック2は、操作レバーLを後方側に引くことにより、各リクライニング装置6,6のロック状態が一斉に解除されてシートバック2の背凭れ角度の固定状態が解かれシートクッション3に対して前倒れして倒しこまれた前倒れ状態1B(図1参照)とされる。
第2スライド機構250は、車室の内方側に配設される。第2スライド機構250側には、第2スライド機構250と、シート本体1を支持する支持機構5と、シート本体1との連結を分離可能とするロック装置260、270が備えられている。なお、ロック装置260、270が本発明における「連結分離切替機構」に相当する。
第1スライド機構150は、ロアレール151と、アッパレール152と、第1スライドロック装置153を有する。第2スライド機構250は、ロアレール251と、アッパレール252と、第2スライドロック装置253を有する。ロアレール151,251は、車両前後方向に延びる形状に形成されており、フロア面F等の車体構成部材の上に配設されている。アッパレール152,252は、シート本体1側の構成部材に配設されており、ロアレール151,251に対してそれらのレール長手方向にスライド移動可能となるようにそれぞれ嵌め込まれている。これにより、アッパレール152,252は、そのスライド移動に伴ってシート本体1の着座位置を車両前後方向に移動させるようになっている。第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253は、共に連動する構成とされており、両アッパレール152,252のスライド移動を規制したり解除したりすることのできるものである。なお、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253が本発明における「スライドロック機構」に相当する。
一つ目の操作形態は、シート本体1に設けられたスライドレバーS1,S2のレバー操作を行ってスライド移動させる形態である。これは、シート本体1の通常使用時にスライド移動させる場合(起立状態1Aの状態でスライド移動)の操作形態である。スライドレバーS1,S2のレバー操作を行うと、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253が作動され、各アッパレール152,252のスライドロック状態を一斉に解除してスライド移動可能な状態に切換えられる。このスライドレバーS1,S2のレバー操作を行った状態で、各アッパレール152,252を車両前後方向にスライド移動させることにより、シート本体1の着座位置を調整する。そして、その後にスライドレバーS1,S2のレバー操作をやめれば、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253は再びスライドロック状態に戻ってシート本体1をその調整した着座位置に保持することができる。
二つ目の操作形態は、シート本体1に設けられた操作レバー機構50の操作レバーLの操作を行ってスライド移動させる形態である。これは、シート本体1を車室内側面方向に格納する場合(前倒れ状態1Bの状態でスライド移動)の操作形態である。上述のように、操作レバーLのレバー操作を行うとシートバック2がシートクッション3に対して前倒れして倒しこまれた前倒れ状態1B(図1参照)となる。これとともに第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライドロック状態が一斉に解除されてスライド移動可能な状態に切換えられる。
この操作レバーLのレバー操作を行った状態のまま各アッパレール152,252を車両前後方向にスライド移動させて、シート本体1を車室側面方向に跳ね上げる跳ね上げ位置100A(図1参照)の方向に移動する。この跳ね上げ位置100A(図1参照)とは、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライド範囲において、シート本体1を車室側面方向に跳ね上げるために予め定められた所定位置である。ここで、第2スライド機構250には、跳ね上げ位置100A(図1参照)を検知する跳ね上げ位置検知手段が構成されている。そのため、跳ね上げ位置100A(図1参照)に移動すると、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253は、再びスライドロック状態となる。なお、第1スライド機構150と第2スライド機構250及び跳ね上げ位置検知手段の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
ロック装置260、270と第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253は、跳ね上げ位置検知手段によるシート本体の跳ね上げ位置100A(図1参照)を検知すると、各操作機構280、190、290が連動して作動することでロック装置260、270が分離状態となると共に、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253はスライドロック状態となる連動操作が行われ、シート本体が跳ね上げ位置100A(図1参照)に位置すると自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われる。また、操作レバーLが配設される操作レバー機構50は、シート本体が前倒れ状態1Bの姿勢状態であることを検知する。この操作レバー機構50により、シートバック2の前倒れ状態1Bの検知をすることでロック装置操作機構280と、第1スライドロック装置操作機構190と、第2スライドロック装置操作機構290の作動が開始される。なお、操作レバー機構50が本発明の「前倒れ状態検知手段」に相当する。
これにより、シート本体1は、常時はシートクッション3がフロア面F上に倒伏した姿勢状態に係合されて保持されている。そして、シート本体1は、操作レバー機構50の操作レバーLを後方側に引く操作を行うと、シートバック2が前倒しされて折畳みの姿勢状態である前倒れ状態1Bに切換えられる。このとき、操作レバー機構50(前倒れ状態検知手段)により、シートバック2の前倒れ状態1Bの検知をする。そして、ロック装置操作機構280と第1スライドロック装置操作機構190と第2スライドロック装置操作機構290の作動が開始して、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライドロック状態が一斉に解除されてスライド移動可能な状態に切換えられる。そして、シート本体1を跳ね上げ位置100A(図1参照)までスライド移動させる。そして、跳ね上げ位置検知手段によって跳ね上げ位置100A(図1参照)が検知されると、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253が再びスライドロック状態に切替えられるとともに、第2スライド機構250側に構成されるロック装置260、270は、この第2スライド機構250とシート本体1との連結が分離可能な状態に切替えられる。こうして、ロック装置260、270が分離可能な状態において、回転ヒンジ機構4の巻きバネ4s(付勢手段)によりシート本体1の跳ね上げ作動が行われ車室内側面方向に格納される格納状態1Cとなる。これにより、シート本体1が設置されていたフロア面F上のスペースが空けられるため、この設置スペースを荷室スペース等の他の目的スペースとして利用することが可能となる。
次に、操作レバー機構50の構成について説明する。この操作レバー機構50は、図4に示されるように、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fに対して組み付けられている。そして、この操作レバー機構50は、操作レバーLを後方側に引く操作を行うことにより、図示された一方側のリクライニング装置6から突設された切換軸6rを軸回動操作して、両リクライニング装置6,6のロック状態を一斉に解除するようになっている。
そして、切換アーム6aは、図12に示されるように操作レバーLの回動操作によって図示上、時計回り方向に回動操作されることにより、切換軸6rを軸回動させて各リクライニング装置6,6のロック状態を解除する。詳しくは、各リクライニング装置6,6のロック状態が解除される切換アーム6aの回動操作位置は、操作レバーLが図12で示された回動位置まで回動操作されたときの操作位置となっている。なお、各リクライニング装置6,6は、前述したようにそのロック状態が解除されてシートバック2が前倒しされていく段階では、前述したフリーゾーンの状態となる。したがって、切換アーム6aは、図14に示されるように、その回動操作をやめても元の初期位置には戻されずに図示された回動操作された位置状態に保持される。
また、切換軸6rの突出した先には、この切替軸6rに対し回動可能な回動ブラケット30が軸支されている。この回動ブラケット30は、帯板状に形成されており、略中央の部位が切替軸6rと回動可能に軸支されており、切替軸6rの位置から径方向に向かって延在する2つの端部を有する。一方の端部は、シートバック2が前倒しされた際に、バックフレーム2fに一体的に設けられたL字板状のバネ掛けブラケット2bと係合する係合部32が構成されている。他方の端部は、ピン結合部34が構成されている。このピン結合部34は、帯板状に形成された伝達リンク40の一端と回転可能に連結ピン38が装着されている。この伝達リンク40は、回動ブラケット30の係合部32がバネ掛けブラケット2bと係合することでシートバック2の前倒れ状態1Bを検知し、これを後述する第2ブラケット20に伝達するための部材である。なお、伝達リンク40の他端(図11の図示上下端側)には板厚方向に突出するスライドピン42が形成されている。また、回動ブラケット30の係合部32と切替軸6rの間、ピン結合部34と切替軸6rの間には、長手方向に直交する方向に突出した係止部36が二つ形成されている。回動ブラケット30は、この係止部36、36が切替軸6rに固着されたストッパー6bsと当接することで所定の回動角度に規制されている。
具体的には、先ず、クッションフレーム3fとバックフレーム2fの連結部位には、シートバック2の前倒れ移動を規制するための前倒れストッパ3sが形成されている。この前倒れストッパ3sは、図13に示されるように、シートバック2が前倒しされた際に、バックフレーム2fに一体的に設けられたL字板状のバネ掛けブラケット2bが押し当てられてシートバック2の動きを規制するようになっている。
また、クッションフレーム3fには、組み付けの土台となる平板状のベース板7が一体的に取り付けられている。このベース板7は、クッションフレーム3fに締結されて固定されている。そして、ベース板7の図示左下側の端部には、後述する第1ケーブル9のアウター部材9bの端部を掛着させるためのケーブル掛部7wが形成されている。このケーブル掛部7wは、ベース板7の板形状が部分的に折り曲げられて形成されている。
そして、図4、11に示されるように、この第1ブラケット10とベース板7との間には、第1ブラケット10を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ8bが掛着されている。この巻きバネ8bは、その一端が前述したベース板7と一体的となっている支軸8の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1ブラケット10に掛着されて取り付けられている。これにより、第1ブラケット10は、ベース板7に対して図示時計回り方向に回動付勢されており、図示を省略したストッパに当接することで操作レバーLが垂下した姿勢状態に保持されている。
これにより、図12、13に図示されるように、第1ブラケット10の第1長孔15と第2ブラケット20の第2長孔25が一致しない状態の場合、伝達リンク40のスライドピン42が摺動移動することに伴い、第1ブラケット10と第2ブラケット20は、第1長孔15と第2長孔25が一致するように第2ブラケット20が追従して回動する。また、第2ブラケット20には、板厚方向に張り出す係止片22が設けられている。これにより、第2ブラケット20は、図13に図示されるように、第1ブラケット10の回動に追従して反時計回り方向に回動された際に、第1ブラケット10の縁部と当接することで所定の回動角度に規制されている。
また、第2ブラケット20の他端側には、第1ケーブル9のインナー部材9aの端部を掛着させるためのケーブル掛部21が形成されている。このケーブル掛部21は、第2ブラケット20の板形状が部分的に折り曲げられて形成されている。
これにより、図13に示されるように、第2ブラケット20は、操作レバーLの回動操作によって、第1ブラケット10に追従して第1ブラケット10の回動方向に回動する。これにより、第2ブラケット20は、その下端部に掛着されたインナー部材9aの端部を牽引し、これをアウター部材9bの端部から引き出す格好で第1ケーブル9を牽引操作するようになっている。
また、図14に図示されるように、第1ブラケット10の第1長孔15と第2ブラケット20の第2長孔25が一致した状態(重なり合う状態)で伝達リンク40のスライドピン42が摺動移動することに伴い、第2ブラケット20は、第1ブラケット10に同期して支軸8を中心に回動し、初期位置(図11に示す位置と同様)に戻る。
ここで、上述した各ロック装置260、270を備えた第2スライド機構250の構成について具体的に説明する。この第2スライド機構250は、図8に示されるように、U字の囲い形状の横断面をもつロアレール251に対して、アッパレール252が前後方向にスライド移動可能に案内される構成となっている。
詳しくは、ロアレール251は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるような一定の横断面形状に形成されている。具体的には、ロアレール251の横断面形状は、図9に示されるように平板形状の下面部251uと、その両サイドから立ち上がる平板形状の右側面部251x1及び左側面部251y1と、これらの上端から内側に折り返されて垂下する平板形状の右返し面部251x2及び左返し面部251y2と、から成る横断面形状に形成されている。
そして、図8に図示されるように、上記した左返し面部251y2には、その長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の貫通孔251h・・が等間隔に配置形成されている。そして、ロアレール251の前後方向の2箇所の部位には、右返し面部251x2の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部251s1,251s2が形成されている。これら凹部251s1,251s2は、それぞれ、後述するロック装置260、270の各保持部材262,272が蹴り動かされた際に、これらの脚部262d,272dを受入れることのできる形状に形成されている。
そして、アッパレール252の前後方向の2箇所の部位には、右側面部252a1の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部252s1,252s2が形成されている。これら凹部252s1,252s2は、それぞれ、前述したロアレール251に形成された凹部251s1,251s2の形状にそれぞれ対応して形成されており、ロック装置260、270の各保持部材262,272が蹴り動かされた際に、これらの脚部262d,272dを受入れ可能な形状に形成されている。
そして、上記した左側面部252b1の前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した3個の貫通孔252h・・が長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。この貫通孔252h・・の配置間隔は、前述したロアレール251に形成された貫通孔251h・・の配置間隔と同じ間隔となっている。なお、この貫通孔252h・・の形成されたアッパレール252の中央付近の形状は、右ひれ面部252a2や左ひれ面部252b2のない形状に形成されている。
この規制ブラケット254の配設位置は、後述するロック装置260の保持部材262と、ロック爪253cの間である。そして、規制ブラケット254は、ロック爪253cが貫通孔252h・・,251h・・に貫通して挿通された状態においては、板面部が保持部材262と略平行した姿勢状態で収納される(図5、8参照)。しかし、ロック爪253cが解除方向に回動すると、図17に図示されるように保持部材262の頭部262cの回動軌跡内に進入する。これにより、規制ブラケット254は、保持部材262の回動を規制する機能部位として設けられている。
すなわち、規制ブラケット254は、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了するまでロック装置260、270(連結分離切替機構)をロック状態が解除(分離状態)とする作動を規制する規制機構として構成されている。なお、この規制ブラケット254が、本発明の「規制機構」に相当する。
しかし、図15,16に示されるように、アッパレール252のスライド位置がアッパレール252の凹部252s1,252s2とロアレール251の凹部251s1,251s2とが互いにずれた位置関係となる場合には、各ロック装置260、270の保持部材262,272の解除動作方向への回動が規制される。すなわち、この凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2とがずれた位置関係にある場合には、保持部材262,272が図示時計回り方向や反時計回り方向に押し動かされることにより、それらの脚部262d,272dがロアレール251の凹部251s1,251s2には受け入れられずに、それぞれ右返し面部251x2の底面と当接してその回動が規制されるからである。したがって、この場合には、第1ケーブル9の牽引操作を行っても各ロック装置260、270の解除操作は行えないようになっている。
なお、この凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2とが合致した位置が、本発明の「跳ね上げ位置」に相当する。
また、跳ね上げ位置100Aにおいて、ロック装置操作機構280の操作によって、ロック装置260、270の保持部材262、272が押し動かされてフック261、271を作動させロック解除に移行させる。更に、ロック装置操作機構280と第2スライドロック装置操作機構290の連動操作によって、第2スライド機構250がスライドロック状態に移行する。これらの一連の作動構成が本発明の「跳ね上げ位置検知手段」に相当する。
次に、第1スライド機構150の構成について説明する。
ここで、第1スライド機構150の基本的な構成は、第2スライド機構250と同様である。そのため、第1スライド機構150のうち第2スライド機構250と同様の構成のものについては、詳細な説明は省略する。
第1スライド機構150は、図6、7に示されるように、ロアレール151と、アッパレール152を有している。ロアレール151の横断面形状は、ロアレール251と同様U字の囲い形状の横断面に形成され、長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の貫通孔151h・・が等間隔に配置形成されている。ここで、ロアレール151においては、第2スライド機構250に構成される凹部251s1,251s2と同様の構成はない。
アッパレール152の横断面形状は、図7に示されるように、互いに板面を向かい合わせるかたちで真っ直ぐに垂下する平板形状の右側面部152a1及び左側面部152b1を有する。これにより、アッパレール152は、ロアレール151にが前後方向にスライド移動可能に案内される構成となっている。また、左側面部152b1の前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した3個の貫通孔152h・・が長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。なお、アッパレール152には、第2スライド機構250に構成される凹部252s1,252s2と同様の構成はない。
ここで、各ロック装置260、270の具体的な構成について説明する。なお、各ロック装置260、270は、互いに前後で異なる方向を向いて配設されているが、それらの基本的構成は同じものとなっている。したがって、以下の説明では、図8の図示向かって右側に示されている車両前方側に配設されたロック装置260についてのみ具体的な構成を説明し、後方側のロック装置270についてはその構成を列挙するに留めて具体的な説明は省略する。なお、この車両前方側に配設されたロック装置260は、図15〜18においては図示向かって左側の位置に配設されている。
このロック装置260は、鉄鋼板によって形成されたフック261と、保持部材262と、これらの間に掛着された引張バネ263と、を有する。これらフック261や保持部材262は、アッパレール252の右側面部252a1と左側面部252b1との間に挟み込まれた位置に配設されている。そして、フック261は、支軸261aによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されており、保持部材262も支軸262aによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されている。そして、これらフック261と保持部材262とは、常時はこれらの間に掛着された引張バネ263の付勢力によって、互いが引き寄せられる方向に回動付勢されている。ここで、引張バネ263は、その一端がフック261の頭部261cに掛着されており、他端が保持部材262の頭部262cに掛着されている。
このフック261と保持部材262とのロック状態の解除は、図17,18に示されるように、保持部材262の頭部262cがフック261の頭部261cから引き離される方向に回動操作されて、上述した係止凸部261bと係止凹部262bとの嵌合が外されることによってなされる。
ここで、同図に示されるように、フック261には、そのストライカ5sを受け入れる開口部の下面部に受部261dが形成されている。この受部261dは、シート本体1がフロア面F上に落とし込まれる動きによってストライカ5sと当接し、このストライカ5sによって図示下方に押し込まれるようになっている。そして、この押し込みにより、ストライカ5sがフック261の開口形状に入り込むと共に、フック261が図示上、反時計回り方向に押し回されて係止凸部261bが保持部材262の係止凹部262bに入り込んで両者がロックした状態となる。このとき、フック261の回動に伴って、その開口部の上面部に形成された押さえ部261eが、ストライカ5sの背部に回り込んだ状態となる。これにより、ストライカ5sがフック261に引っ掛け構成(掛着した状態)として、フック261によって抜け止めされた状態に保持される。
次に、操作機構の一構成であるロック装置操作機構280の構成について、図10及び図15〜18を用いて説明する。なお、図10は、図2に示されているレバー操作機構50、第1スライド機構150、第2スライド機構250、ロック装置操作機構280、第1スライドロック装置操作機構190、第2スライドロック装置操作機構290等のケーブル配索構成を概略的に示したものであり、シート本体1の構成は省略されている。このロック装置操作機構280は、上記ロック装置260、270のロック状態の解除操作を行う機構である。
すなわち、ロック装置操作機構280は、図10、15に示されるように、前述した支持機構5の支持板5tに組み付けられており、第1ケーブル9が牽引操作される動きによって、図示された第1回動部材281と第2回動部材282とが連結リンク283によって連動して回動操作されるようになっている。そして、第2スライド機構250に設けられた各ロック装置260、270の保持部材262,272がそれぞれ蹴り動かされて操作される。これにより、各ロック装置260、270のロック状態が一斉に解除されるようになっている。
この第1ケーブル9の牽引操作による各ロック装置260、270の解除操作は、図17、18に示されるように、第2スライド機構250のアッパレール252に形成された凹部252s1,252s2と、ロアレール251に形成された凹部251s1,251s2が互いに合致する位置関係(跳ね上げ位置100A)となっているときに行えるようになっている。しかし、図15,16に示されるように、アッパレール252のスライド移動により、上述した凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2との位置関係が互いにずれた関係となっている場合には、上記第1ケーブル9の牽引操作を行っても各ロック装置260、270の解除操作は行えないようになっている。
ロック装置操作機構280は、第1回動部材281と、第2回動部材282と、連結リンク283と、を有する。この第1回動部材281は、第1操作部281aと第1押動部281bとが分割されて構成されており、これらが支軸281cによって支持機構5の支持板5tにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。上記の支軸281cは、第1操作部281aに対しては一体的に結合されており、第1押動部281bに対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。これにより、第1押動部281bは、第1操作部281aの回動方向と同じように図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
ここで、この第1操作部281aには、第1押動部281bに対する図示時計回り方向への回動を途中位置で規制するストッパ281auが形成されている。このストッパ281auは、第1操作部281aの板面部の一部が長手方向に対し直交する方向に突出した角形状に形成されている。一方、第1押動部281bは、板面部が部分的に板厚方向に折り曲げられて形成されたストッパ281buが、第1操作部281aのストッパ281auと係合する位置に形成されている。これらストッパ281au、281buの当接によって第1操作部281aが回動を規制されるようになっている。また第1操作部281aには、板厚方向に貫通した長孔281ahが形成されている。この長孔281ah内に第1ケーブル9のインナー部材9aの端部が掛着されている。ここで、第1ケーブル9のアウター部材9bの端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部5tbに掛着されている。これにより、第1操作部281aは、インナー部材9aが図示上方側に牽引操作される動きに伴って、図示反時計回り方向に回動操作されるようになっている。
第1押動部281bは、帯板状に形成されており略中央の部位が支軸281cに軸支されている。この第1押動部281bの車両前方側の端部には、バネ掛部281bnが形成されている。バネ掛部281bnに引張バネ281eの一端が掛着され、他端が支持板5tに一体的に形成されたバネ掛部5teに掛着されている。これにより第1押動部281bは、図示上、時計回り方向に回動付勢されている。また、第1押動部281bの車両前方側の端部には、板面部が部分的に板厚方向に折り曲げられて形成された第1係合片281bpと第2係合片281brが形成されている。この第1係合片281bpと第2係合片281brは、図16〜18に示されるように、第1ケーブル9の牽引操作によって第1押動部281bが第1操作部281aと一体的となって図示反時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置260の保持部材262の頭部262cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部位として設けられている。ここで、第1操作部281aと第1押動部281bとの間に設けられた巻きバネ281dの弾性力は、ロック装置260のフック261と保持部材262との間に設けられた引張バネ263及び、第1押動部281bに掛着された引張バネ281eの弾性力よりも強く設定されている。したがって、上記のように第1操作部281aと第1押動部281bとの一体的な状態を維持したままで、保持部材262を図示時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
また、第1押動部281bの車両後方側の端部には、押圧部281bsが延出形成されている。この押圧部281bsは、第1押動部281bから見て車両後方側に配置構成される第2L字リンク292に構成される係合ピン294bと係合する部位である。この押圧部281bsは、かかる第2L字リンク292の係合ピン294bと係合することで、第2L字リンク292を蹴り動かしてこれを回動操作する機能部位として設けられている。具体的には、図16に示されるように、第1ケーブル9の牽引操作によって第1押動部281bが第1操作部281aと共に図示上、反時計回り方向に回動操作された際に、押圧部281bsは第2L字リンク292の係合ピン294bと係合する。ここで、第1操作部281aと第1押動部281bとの間に設けられた巻きバネ281dの弾性力は、後述する第2L字リンク292の引張バネ293よりも強く設定されている。したがって、上記のように第1押動部281bが第1操作部281aと共に回動操作された際に、第2L字リンク292を図示時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
ここで、第2押動部282bの図示上方側には、支持板5tに一体的に形成されたストッパ5tgが構成されている。これにより、第2回動部材282は、図示上、反時計回り方向の回動が規制されている。なお、第2押動部282bがストッパ5tgに当接している位置が初期位置として構成されている。
そして、上述した第2押動部282bの端部には、係合ピン282bgが装着されている。この係合ピン282bgは、第1ケーブル9の牽引操作によって第2押動部282bが第2操作部282aと一体的となって図示時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置270の保持部材272の頭部272cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部品して設けられている。
この連結リンク283は、図16〜18に示されるように、第1操作部281aの回動に伴って第1ケーブル9が牽引操作された際に、第1押動部281bとの連結部である支軸283aが図示斜め下方に引き下げられるように作動し、第2操作部282aとの連結部である支軸283bを図示上、斜め上方に引き上げる動きとして伝達する。そして、第2回動部材282が支軸282cを中心に図示上、時計回り方向に回動する。これにより、第1ケーブル9の操作力が第1操作部281aから第2操作部282aへと効率的に伝達されるようになっている。
次に、操作機構の一構成である第2スライドロック装置操作機構290の構成について説明する。スライドロック装置操作機構290は、第2スライドロック装置253のスライドロック解除の操作を行う機構である。スライドロック装置操作機構290は、図15に図示されるように第2L字リンク292と、引張バネ293と、首振ブラケット294と、引張バネ295と、第2ケーブル291と、第3ケーブル296から構成されている。
第2L字リンク292は、第1腕部292aと第2腕部292bが、略L字状に一体的に形成されている。第2L字リンク292は、第1腕部292aと第2腕部292bの接合部位において支軸292dによって支持板5tに回動可能に軸支されている。第2L字リンク292は、その図示上方に延びる第1腕部292a側の先端部に板厚方向に貫通する長孔292ahを有する。この長孔292ah内に第2ケーブル291のインナー部材291aと第3ケーブル296ののインナー部材296aの端部が掛着されている。また、第2L字リンク292は、図示右方に延びる第2腕部292b側の先端部に、前述した第2スライドロック装置253の操作腕253aの受部253axを押し操作する押部292cが形成されている。この第2L字リンク292は、第2腕部292bの中間に形成されたバネ掛部292kと支持板5tに形成された掛部5teとの間に引張バネ293が掛着されている。第2腕部292bの図示上方側には、支持板5tに一体的に形成されたストッパ5tfが構成されている。これにより、第2L字リンク292は、図示上、反時計回り方向の回動が規制されている。この第2腕部292bがストッパ5tfに当接している位置が初期位置として構成されている。これにより、第2L字リンク292は常時は図示反時計回り方向に回動付勢されるとともに、ストッパ5tfによって回動が規制された状態で第2ケーブル291及び第3ケーブル296が牽引操作される前の初期位置の姿勢状態に保持されている。
首振ブラケット294は、図16に図示されるように、ロック装置操作機構280の第1回動部材281と係合することで、第2L字リンク292を回動させる機能部品である。
首振ブラケット294は、帯板状に形成されている。この首振ブラケット294一端は、第1腕部292aの中間に形成された支軸292fによって回動可能に軸支されている。
また、首振ブラケット294の他端(先端)側には、板厚方向に張り出した係合ピン294bが構成される。この係合ピン294bは、ロック装置操作機構280の第1回動部材281のうち、第1押動部281bの押圧部281bsに押圧される部位である。この首振ブラケット294には、第2L字リンク292の第1腕部292aに対する図示時計回り方向への回動を途中位置で規制するストッパ294aが形成されている。このストッパ294aは、首振ブラケット294の板面部の一部が長手方向に対し直交する方向に突出した角形状に形成されている。一方、第1腕部292aは、板面部が部分的に板厚方向に折り曲げられて形成されたストッパ292gが、首振ブラケット294のストッパ294aと係合する位置に形成されている。これらストッパ294a、292gの当接によって首振ブラケット294は、図示上、時計回り方向の回動が規制されている。この回動規制によって、第1押動部281bの押圧部281bsに押圧され係合ピン294bを介して第2L字リンク292が図示上、時計回り方向に回動する作動となる。
詳しくは、第1ケーブル9の牽引操作に伴って第1押動部281b(ロック装置操作機構280)が図示上、反時計回り方向に回動操作されて押圧部281bsが係合ピン284bを下方から押圧する。そして、首振ブラケット294を介して第2L字リンク292が図示上、時計回り方向に回動する。そして、第2L字リンク292の第2腕部292bの押部292cが第2スライドロック装置253の操作腕253aの受部253axを押し操作することで、スライドロックが解除される。
一方、第1ケーブル9の牽引操作が解除されて、第1押動部281b(ロック装置操作機構280)が引張バネ281eの付勢によって図示上時計回り方向に回動したときには、第1押動部281bが、係合ピン294bの上方から当接することになる。ここで、首振ブラケット294の回動規制は、図示上、時計回り方向のみである。そのため、首振ブラケット294は、第1押動部281bの押圧によって反時計回り方向に回動することで係合ピン294bを退避させる。これにより、第1押動部281bは初期位置(図15の位置)に復帰する。
また、首振ブラケット294は、首振ブラケット294の中間に形成されたバネ掛部294cと、第2腕部292bの中間に形成されたバネ掛部292eとの間に引張バネ295が掛着されており、常時は図示反時計回り方向に回動付勢されている。
これにより、第1押動部281bが初期位置(図15の位置)に復帰した後、首振ブラケット294も初期位置に復帰する。
そして、ロック装置操作機構280の第1回動部材281からの操作に伴って、第2L字リンク292が回動することで、第2スライドロック装置253のスライドロックが解除される。それと共に、第2ケーブル291が牽引操作されることで第1L字リンク192に伝達され、この第1L字リンク192が回動することで第1スライドロック装置153のスライドロックが解除される。
次に、操作機構の一構成である第1スライドロック装置操作機構190の構成について説明する。スライドロック装置操作機構190は、第1スライドロック装置153のスライドロック解除の操作を行う機構である。第1スライドロック装置操作機構190は、図19、20に図示されるように第1L字リンク192、ベース板194が構成されている。ベース板194は、第1L字リンク192を支持するために構成されておりクッションフレーム3fに固定されている。このベース板194の下端には、第2ケーブル291のアウター部材291bの端部を掛着させるためのケーブル掛部194aが形成されている。第1L字リンク192は、図19に図示されるように第1腕部192aと第2腕部192bが、略L字状に一体的に形成されている。第1L字リンク192は、支軸192eによってベース板194に回動可能に軸支されている。同図において上方側に延びる第1腕部192a側の先端部には、板厚方向に張り出した係合ピン192cが構成される。この係合ピン192cは、第1スライドロック装置153に構成される操作腕153aの受部153axを押し操作するものである。また同図における右方に延びる第2腕部192b側の端部には、第2ケーブル291のインナー部材191aの端部を掛着させるためのケーブル掛部192dが形成されている。第2ケーブル291は、第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク292から配索されている。同図に図示されている側のインナー部材291aの端部は、第1L字リンク192の第2腕部192bのケーブル掛部192dに掛着されており、アウター部材291bの端部は、上述のベース板194のケーブル掛部194aに掛着されている。第1L字リンク192は、常時は、第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク292を回動付勢する引張バネ293の付勢が働く。よって、第1L字リンク192は、図示反時計回り方向に回動付勢されて同図の初期位置に保持される。これにより、係合ピン192cが操作腕153aの受部153axに当接しない姿勢状態に保持されている。一方、図20に図示されるように、第2スライドロック装置操作機構290の作動に伴って第2ケーブル291が牽引操作されると第1L字リンク192に伝達され、この第1L字リンク192が図示上、時計回り方向に回動して、係合ピン192cが第1スライドロック装置153の操作腕153aの受部153axを押し操作してスライドロックが解除される。
図1に図示されるように、シート本体1が通常の着座使用される状態においては、シート本体1のシートクッション3は、支持機構5のストライカ5sが各ロック装置260、270のフック261、271に引っ掛けられて(掛着した状態)、抜け止めされた状態に保持されている。またシートバック2はシートクッション3に対して起立した起立状態1Aとされている。
また、第1押動部281bの第1係合片281bpがロック装置260の保持部材262の頭部262cを蹴り動かしてこれを回動操作する。しかし、アッパレール252のスライド位置がアッパレール252の凹部252s1,252s2とロアレール251の凹部251s1,251s2とが互いにずれた位置関係となる場合には、各ロック装置260、270の保持部材262,272の解除動作方向へ回動しようとしても、それらの脚部262d,272dがロアレール251の凹部251s1,251s2には受け入れられずに、それぞれ右返し面部251x2の底面と当接してその回動が規制される。
そのため、シート本体1は、各ロック装置260、270のロック状態が保持された状態で、スライド移動が可能な状態となる。
このとき、第1押動部281bの第2係合片281brは、ロック装置260の保持部材262の頭部262cを蹴り動かす。また、第1押動部281bと連結リンク283によって連動する第2回動部材282の第2押動部282bに構成される係合ピン282bgがロック装置270の保持部材272の頭部272cを蹴り動かす。
これにより、各ロック装置260、270のロック状態は、一斉に解除される。すなわち、跳ね上げ位置検知手段が作動する。
これにより、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了するまでロック装置260、270(連結分離切替機構)をロック状態が解除(分離状態)とする作動を規制する規制機構として構成されている。
跳ね上げ位置検知手段は、シート本体1の跳ね上げ位置100Aを検知すると、ロック装置260、270(連結分離切替機構)はロック状態が解除(分離状態)となる。それと共に第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)はスライドロック状態となる操作が行われる。これによりシート本体1は、跳ね上げ位置100Aにきたときに自動的にシート本体1の跳ね上げ作動が行われる。上記操作機構280、190、290が、ロック装置260、270(連結分離切替機構)と第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)の両機構を連動させることで、跳ね上げ位置100Aに位置するシート本体1を自動的に跳ね上げ作動に移行させることができる。これにより、スライド機構100とシート本体1を跳ね上げて格納する機構の二つの機構について、複数の操作をすることが無くなり更なる操作性の向上を図ることができる。
例えば、本実施形態においては、操作レバー機構50は、シートバック2の前倒れ状態1Bの検知に基づいて操作機構280、190、290の作動を開始する構成を備えている。しかしながら、シートバック2の前倒れ状態1Bの検知する構成を備えない構成であってもよい。
すなわち、本発明の車両用シートは、操作レバー機構の操作によって、シート本体のシートバックは前倒れ状態とならずにロック装置操作機構と第2スライドロック装置操作機構の連動操作によって、第2スライド機構がスライドロック状態に移行する跳ね上げ位置検知手段の構成のみを備えるものでもよい。この場合、シート本体が跳ね上げ位置に位置したときは、別途シートバックを前倒れ状態とする構成が必要となる。
1A 起立状態
1B 前倒れ状態
1C 格納状態
2 シートバック
2f バックフレーム
2b バネ掛けブラケット
2s バネ部材
3 シートクッション
3f クッションフレーム
3b 底面部
3d 収納凹部
3s 前倒れストッパ
4 回転ヒンジ機構(回転ヒンジ機構)
4s 巻きバネ(付勢手段)
5 支持機構
5t 支持板
5ta ケーブル掛部
5tb ケーブル掛部
5tc ケーブル掛部
5td バネ掛部
5te バネ掛部
5tf ストッパ
5tg ストッパ
5s ストライカ
6 リクライニング装置
6r 切換軸
6a 切換アーム
6t 固定リング
6bs ストッパ
6c 係合ピン
6e ころ
6x ロッド部品
7 ベース板
7w ケーブル掛部
8 支軸
8b 巻きバネ
9 第1ケーブル
9a インナー部材
9b アウター部材
10 第1ブラケット
11 操作部
15 第1長孔
20 第2ブラケット
21 ケーブル掛部
22 係止片
25 第2長孔
30 回動ブラケット
32 係合部
34 ピン結合部
36 係止部
38 連結ピン
40 伝達リンク
42 スライドピン
50 操作レバー機構(前倒れ状態検知手段)
100 スライド機構
150 第1スライド機構
151 ロアレール
151h 貫通孔
152 アッパレール
152a1 右側面部
152b1 左側面部
152h 貫通孔
153 第1スライドロック装置(スライドロック機構)
153a 操作腕
153ax 受部
153ay 押部
153b 支軸
153c ロック爪
153ct 突板
154 バネ部材
190 第1スライドロック装置操作機構(操作機構)
192 第1L字リンク
192a 第1腕部
192b 第2腕部
192c 係合ピン
192d ケーブル掛部
192e 支軸
194 ベース板
194a ケーブル掛部
250 第2スライド機構(跳ね上げ位置検知手段)
251 ロアレール
251u 下面部
251x1 右側面部
251x2 右返し面部
251y1 左側面部
251y2 左返し面部
251h 貫通孔
251s1,251s2 凹部
252 アッパレール
252a1 右側面部
252a2 右ひれ面部
252b1 左側面部
252b2 左ひれ面部
252h 貫通孔
252s1,252s2 凹部
253 第2スライドロック装置(スライドロック機構)
253a 操作腕
253ax 受部
253ay 押部
253b 支軸
253c ロック爪
253ct 突板
253d 支軸
254 規制ブラケット(規制機構)
260、270 ロック装置(連結分離切替機構)
261,271 フック
261a,271a 支軸
261b,271b 係止凸部
261c,271c 頭部
261d,271d 受部
261e,271e 押さえ部
262,272 保持部材
262a,272a 支軸
262b,272b 係止凹部
262c,272c 頭部
262d,272d 脚部
263,273 引張バネ
280 ロック装置操作機構(操作機構)(跳ね上げ位置検知手段)
281 第1回動部材
281a 第1操作部
281ah 長孔
281au ストッパ
281b 第1押動部
281bm バネ掛部
281bn バネ掛部
281bp 第1係合片
281br 第2係合片
281bs 押圧部
281bu ストッパ
281c 支軸
281d 巻きバネ
281e 引張バネ
282 第2回動部材
282a 第2操作部
282b 第2押動部
282bg 係合ピン
282c 支軸
283 連結リンク
283a 支軸
283b 支軸
290 第2スライドロック装置操作機構(操作機構)(跳ね上げ位置検知手段)
291 第2ケーブル
291a インナー部材
291b アウター部材
292 第2L字リンク
292a 第1腕部
292ah 長孔
292b 第2腕部
292c 押部
292d 支軸
292e バネ掛部
292f 支軸
292g ストッパ
292k バネ掛部
293 引張バネ
294 首振ブラケット
294a ストッパ
294b 係合ピン
294c バネ掛部
295 引張バネ
296 第3ケーブル
296a インナー部材
296b アウター部材
L 操作レバー
B 車体壁部
F フロア面(車体構成部材)
R リクライニングレバー
S1,S2 スライドレバー
Claims (4)
- シートクッションとシートバックとを有するシート本体は車両の床面等の車体構成部材との間に設けられたスライド機構によりスライド移動可能に車体構成部材に設置されており、該シート本体はシートバックがシートクッションに対して起立した起立状態と前倒れした前倒れ状態の2位置を設定することができ、前倒れ状態では車室内側面方向に跳ね上げて格納することのできる車両用シートであって、
前記スライド機構は第1スライド機構と第2スライド機構がシート本体の両側に位置して車両前後方向に平行に配設されており、
車室の側面側に配設される第1スライド機構側にはシート本体を車室側面方向に跳ね上げる付勢手段を備えた回転ヒンジ機構が設定されており、車室の内方側に配設される第2スライド機構側には該第2スライド機構とシート本体との連結を分離可能とする連結分離切替機構が備えられており、該連結分離切替機構の分離状態で前記付勢手段によりシート本体の跳ね上げ作動が行われる構成となっており、
前記スライド機構によるシート本体のスライド範囲における予め定められたシート本体の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備え、該跳ね上げ位置検知手段によるシート本体の予め定められた跳ね上げ位置の検知に基づいて前記連結分離切替機構を分離状態に切替える構成となっていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記スライド機構は、車体構成部材側に配設されるロアレールとシート本体側に配設されるアッパレールとが摺動移動可能に係合して構成されていると共に、該ロアレールとアッパレール間には該両者のスライド方向の任意の位置でスライドロックして位置決めを行うスライドロック機構が設けられており、
前記連結分離切替機構は前記第2スライド機構のアッパレールとシート本体の下部との間をフックとストライカによる引っ掛け構成により連結及び分離可能とする構成とされており、
前記連結分離切替機構と前記スライドロック機構とは該両機構を連動して操作することのできる操作機構により操作される構成とされており、
該操作機構による前記両機構の連動操作は前記跳ね上げ位置検知手段によってシート本体の跳ね上げ位置を検知すると前記連結分離切替機構は分離状態となると共に前記スライドロック機構はスライドロック状態となる操作が行われ、シート本体が跳ね上げ位置にきたときに自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われることを特徴とする車両用シート。 - 請求項2に記載の車両用シートであって、
更に前記シート本体の前倒れ状態の姿勢状態であることを検知する前倒れ状態検知手段を備えており、
前記前倒れ状態検知手段によりシートバックの前倒れ状態の検知に基づいて前記操作機構の作動が開始されることを特徴とする車両用シート。 - 請求項2又は請求項3に記載の車両用シートであって、
前記操作機構によるスライドロック機構と連結分離切替機構との連係作動において、前記シート本体の跳ね上げ時において前記スライドロック機構のスライドロック状態が完了するまで前記連結分離切替機構を分離状態とする作動を規制する規制機構によりその作動が規制される構成となっていることを特徴とする車両用シート。
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