JP5678839B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに関する。
従来、いわゆるスペースアップシートと呼ばれる跳ね上げ格納式の車両用シートとして、例えば特許文献1が知られている。この特許文献1における車両用シートは、後部座席のシート本体を車室側面方向に跳ね上げて格納することで車内の荷室領域を広げることができ、車内空間の有効利用を図ることができる。この車両用シートは、シートクッションとシートバックとを有するシート本体が、車両の床面等の車体構成部材との間に設けられたスライド機構によりスライド移動可能に車体構成部材に設置されている。このシート本体は、シートバックがシートクッションに対して起立した起立状態と、前方や後方に倒しこんだフラット状態の2位置を設定することができ、フラット状態において車室内側面方向に跳ね上げて格納することができるものである。
ところで、車両用シートのシート本体を跳ね上げて格納する位置(跳ね上げ位置)は、シート本体がスライド移動する範囲のうち所定の箇所においてのみ可能とする構成が一般的である。これは任意の位置で跳ね上げて格納しようとしても車両の構造部材や他の装備品との干渉等が生じてシート本体が格納できないことを防ぐためである。そこで、シート本体を跳ね上げ位置に移動させる際は、スライド機構を作動させてシート本体をスライド移動させて、シート本体側のシールドに設けられたマークと車体トリム側に設けられたマークを目視によって位置合わせを行っていた。
特開2004−8334号公報
しかしながら、上述した車両用シートにおいて跳ね上げ位置を示すマークがバラつきによってずれてしまうと、正規の跳ね上げ位置に移動できないという問題を有していた。また、正規の跳ね上げ位置と異なった位置では、回転ヒンジ機構を作動させても円滑にシート本体を跳ね上げることができない。ここで、車両用シートを跳ね上げ位置に位置合わせする操作は、明るい場所で行うのであれば正規の跳ね上げ位置であるか否かの判断が容易である。しかし暗い場所においては、シート本体側と車体トリム側のマークの目視が困難であり、正規の跳ね上げ位置への位置合わせがしにくいといった操作性の改善点を有していた。
更に、上述した車両用シートの構成においては、スライド機構のほかにシート本体を跳ね上げて格納する機構を備えている。この機構は、フラット状態のシート本体を車室側面方向に跳ね上げる付勢手段を備えた機構である。上述する車両用シートは、これら二つの機構を作動させてシート本体の格納をしなければならないことから複数の操作を要するといった煩わしさも有していた。
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シート本体を跳ね上げて格納可能な跳ね上げ位置を容易に判別できる車両用シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、シートクッションとシートバックとを有するシート本体は車両の床面等の車体構成部材との間に設けられたスライド機構によりスライド移動可能に車体構成部材に設置されており、該シート本体はシートバックがシートクッションに対して起立した起立状態、前倒れした前倒れ状態、及び前記起立状態と前倒れ状態との中間に位置する前傾状態の3位置を設定することができ、前倒れ状態では車室内側面方向に跳ね上げて格納することのできる車両用シートであって、前記スライド機構は第1スライド機構と第2スライド機構がシート本体の両側に位置して車両前後方向に平行に配設され、スライド方向の任意の位置でスライドロックして位置決めを行うスライドロック機構が設けられており、車室の側面側に配設される第1スライド機構側にはシート本体を車室側面方向に跳ね上げる跳ね上げ付勢手段を備えた回転ヒンジ機構が設定されており、車室の内方側に配設される第2スライド機構側には該第2スライド機構とシート本体との連結を分離可能とする連結分離切替機構が備えられており、該連結分離切替機構の分離状態で前記跳ね上げ付勢手段によりシート本体の跳ね上げ作動が行われる構成となっており、前記シート本体にはシートバックを前記起立状態から前傾状態、更には前倒れ状態方向へ傾動付勢する傾動付勢手段が設けられており、該傾動付勢手段は前記シートバックの起立状態において起動操作レバーにより起動操作されてシートバックの傾動がなされる構成となっており、前記傾動付勢手段によるシートバックの傾動は前記前傾状態の位置で一端係止させる係止手段が設けられており、該係止手段の係止の解除によりシートバックは前記前倒れ状態まで傾動される構成となっており、そして、前記シート本体の前傾状態を検知する傾動検知手段を備えており、前記傾動検知手段による検知に基づいて、前記スライドロック機構が解除されてシート本体がスライド移動可能となる構成とされており、前記スライド機構によるシート本体のスライド範囲における予め定められたシート本体の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備えており、前記連結分離切替機構と前記スライドロック機構とは該両機構を連動して操作することのできる操作機構により操作される構成とされており、該操作機構による前記両機構の連動操作は、前記跳ね上げ位置検知手段による跳ね上げ位置の検知に基づいて前記係止手段によるシートバックの傾動係止が解除されてシートバックが前傾状態から前倒れ状態とされて、前記スライドロック機構はスライドロック状態となる操作が行われると共に、前記連結分離切替機構は分離状態となり、シート本体が跳ね上げ位置で自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われることを特徴とする。
この第1の発明によれば、上記構成の車両用シートは、スライド機構によるシート本体のスライド範囲における予め定められたシート本体の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備えている。これにより、シート本体の跳ね上げ位置への位置合わせは、目視によって操作する必要が無くなり、跳ね上げ位置検知手段によって容易に判別することができる。また、跳ね上げ位置検知手段の跳ね上げ位置の検知に基づいてシート本体の分離状態に切替える構成とされており、操作性の向上を図ることができる。
また、シート本体は、跳ね上げ位置までスライド移動する際は前傾状態とされ、跳ね上げ位置に位置すると前傾状態から前倒れ状態となって車室内側面方向に跳ね上げて格納される。そのため、シートバックの姿勢によって、シート本体が跳ね上げ位置に位置するか否かを視覚的に把握することができるため操作性の向上が図られる。
次に、第2の発明は、第1の発明において、前記操作機構によるスライドロック機構と連結分離切替機構との連係作動において、前記シート本体の跳ね上げ時において前記スライドロック機構のスライドロック状態が完了するまで前記連結分離切替機構を分離状態とする作動を規制する規制機構によりその作動が規制される構成となっていることを特徴とする。
この第2の発明によれば、スライドロック機構と連結分離切替機構との間には、規制機構が構成されている。このスライドロック機構のスライドロック状態が完了するまで連結分離切替機構を分離状態とする作動を規制するものである。ここで、跳ね上げ位置に位置するシート本体がスライドロックされない状態のまま、連結分離切替機構によって分離状態とされて跳ね上げ作動が行われた場合には、再度シート本体と第2スライド機構を跳ね上げ位置において連結することが困難になるおそれがある。かかる状態を防ぐために、規制機構によって連結分離切替機構とスライド機構の作動を規制し信頼性の向上を図ることができる。
次に、第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記係止手段の係止の解除を行うことのできる解除レバーが別途備えられており、該解除レバーは前記スライドロック機構も連動操作する構成とされており、前記係止手段の係止の解除操作の際には、スライドロック機構をスライドロック状態に作動させて、シート本体をテーブル状態として利用できることを特徴とする。
この第3の発明によれば、シート本体を前倒れ状態とした状態で解除レバーの操作によって係止手段の係止が解除されると共に、スライドロック機構がスライドロック状態とされる。これにより、シートバックの背面をテーブルとして活用することができる。これにより、車両用シートは、座席としての本来的に備える機能以外に活用することができ、利便性が向上する。
次に、第4の発明は、第3の発明において、シート本体がテーブル状態において、起動操作レバーによる起動操作がなされると、前記傾動検知手段による検知に基づいて、前記スライドロック機構が解除されてシート本体がスライド移動可能となり、該操作機構による前記連結分離切替機構と前記スライドロック機構の連動操作により、前記跳ね上げ位置の検知に基づいて、前記スライドロック機構はスライドロック状態となる操作が行われると共に、前記連結分離切替機構は分離状態となり、シート本体が跳ね上げ位置で自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われることを特徴とする。
この第4の発明によれば、シート本体がテーブル状態において、起動操作レバーによる起動操作がなされると、跳ね上げ位置までシート本体がスライド移動可能となる。
シート本体は跳ね上げ位置まで移動すると、スライドロック機構がスライドロック状態となり、連結分離切替機構が分離状態となってシート本体の跳ね上げ作動が行われる。そのため、シート本体は、テーブル状態からでも起動操作レバーによる起動操作によって、格納状態までの連動操作が可能となる。そのため格納状態にするために、わざわざシートバックを起立状態とする必要がなくなり、より一層操作性の向上が図られている。
本発明は上記各発明の手段をとることにより、シート本体の跳ね上げ収納可能な跳ね上げ位置を容易に判別できる車両用シートを提供することができる。
本実施形態に係る車両用シートの概略構成を示した斜視図である。 本実施形態に係る車両用シートの骨格構造を中心に示した分解斜視図である。 本実施形態に係る車両用シートの作動状態の概略を示した模式図である。(a)図は、シート本体の着座状態を示した模式図である。(b)図は、操作レバー機構を操作してシートバックの前傾状態を示した模式図である。(c)図は、シート本体を跳ね上げ位置に移動されて、シートバックが前倒れした前倒れ状態となる状態を示した模式図である。(d)図は、リクライニングレバーを操作してシートバックの前倒れ状態を示した模式図である。(e)図は、スライドレバーを操作して前倒れ状態のシート本体を跳ね上げ位置に移動する状態を示した模式図である。(f)図は、跳ね上げ位置におけるシート本体を前倒れ状態から格納状態へ移行する状態を示した模式図である。 本実施形態に係る車両用シートの第2スライド機構の詳細を示した部分斜視図である。 図4のV−V線断面図である。 本実施形態に係る車両用シートの各機構の初期位置状態を表した作動図である。 本実施形態に係る車両用シートの操作レバー機構を操作してシート本体が前傾状態となるときの各機構の作動状態を表した作動図である。 本実施形態に係る車両用シートのシート本体が跳ね上げ位置において前傾状態から前倒れ状態となるときの各機構の作動状態を表した作動図である。 本実施形態に係る車両用シートのシート本体が跳ね上げ位置において前倒れ状態から格納状態になるときの各機構の作動状態を表した作動図である。 本実施形態に係る車両用シートのシート本体が跳ね上げ位置において格納状態から前倒れ状態に戻したときの各機構の作動状態を表した作動図である。 図6における操作レバー機構の初期位置状態を表した側面図である。 図7における操作レバー機構の作動状態を表した側面図である。 図8における操作レバー機構の作動状態を表した側面図である。 図10における操作レバー機構の作動状態を表した側面図である。 図6における第2スライドロック装置及びロック装置及び操作機構の初期状態を表した側面図である。 図7における第2スライドロック装置及びロック装置及び操作機構の作動状態を表した側面図である。 図8における第2スライドロック装置及びロック装置及び操作機構の作動状態を表した側面図である。 図9における第2スライドロック装置及びロック装置及び操作機構の作動状態を表した側面図である。 図10における第2スライドロック装置及びロック装置及び操作機構の作動状態を表した側面図である。 図6における第1スライドロック装置操作機構の初期状態を表した側面図である。 図7における第1スライドロック装置操作機構の作動状態を表した側面図である。 図8における第1スライドロック装置操作機構の作動状態を表した側面図である。 (a)図は、本実施形態に係る車両用シートにおけるリクライニングレバーの操作前の状態を表した側面図である。(b)図は、本実施形態に係る車両用シートにおけるリクライニングレバーの操作後の状態を表した側面図である。 (a)図は、本実施形態に係る車両用シートのシート本体が前倒れ状態において操作レバー機構を操作する前の状態を表した側面図である。(b)図は、本実施形態に係る車両用シートのシート本体が前倒れ状態において操作レバー機構を操作した後の状態を表した側面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図1〜24を用いて説明する。なお、各図に適宜矢印で示す方向は、車両用シートを適用する車両の前方、後方、上方、下方、内方、外方とそれぞれ一致する方向である。なお、各図は、本発明の実施形態の構成を分かり易く説明するために、適宜、内部の構造を主体として図示している。そのため、シートバック2やシートクッション3については、骨格を成すバックフレーム2fやクッションフレーム3fなどの内部の骨組み構造を主体とする図示とし、外部に装着される表皮やシートパッド等の装備品を省略している。また、クッションフレーム3fの側部の各部位に配置される第1スライド機構150と第2スライド機構250等の各種装備品は、各リンク、バネ部材、フック、ストライカ等を主体として図示し、外部に装着されるシールド等の装備品を省略している。また、各機構間の作動関係を明確とするために、図6から図10は、各機構の主要部とそのケーブルの配索関係を模式的に示し、シート本体1等の詳細な図示を省略している。一方、図11から図24においては、各機構の作動内容を明確にするためケーブルの配索状態の詳細な図示を省略している。
[車両用シートの作動内容の概略:図1〜3]
先ず、本実施形態における車両用シートの作動内容の概略を説明する。この車両用シートは、図1に図示されるように車両の後部側座席として配設されており、シート本体1を構成する背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3を有する。シート本体1は、シートバック2の幅方向の両サイド下部に設けられたリクライニング装置6,6によって、シートクッション3と連結されている。これにより、シートバック2は、シートクッション3に対する背凭れ角度の調整を行ったり、シートクッション3の上側に前倒し可能に構成される。これにより、シート本体1は、シートバック2がシートクッション3に対して起立した起立状態1Aと、シートクッション3の上側に前倒しされた前倒れ状態1Cを設定することができる。
更に、シート本体1は、シートバック2の傾動を一端係止させる係止ブラケット60(係止手段)(図11参照)を備えており、起立状態1Aと前倒れ状態1Cとの中間に位置する前傾状態1Bに設定することができる。以上、シート本体1は、起立状態1Aと、前傾状態1Bと、前倒れ状態1Cの3位置に設定することができる。
これらリクライニング装置6,6は、図1、2に図示されるように常時はシートバック2の背凭れ角度を固定したロック状態とされて保持されている。各リクライニング装置6,6は、シートクッション3の右サイド(図示外方側)に配設されたリクライニングレバーR(解除レバー)を回動操作することにより、上記のロック状態が解除されてシートバック2の背凭れ角度の調整移動が行えるようになっている。更に、各リクライニング装置6,6は、シートクッション3の左サイド(図示内方側)の下部位置に配設された操作レバー機構70の起動操作レバーLを後方側に引く操作(起動操作)を行うことにより、上記のロック状態が一斉に解除操作される。
各リクライニング装置6,6は、ロッド部品6xによって互いのロック機構の操作部品が連結されており、そのロック及びロック解除の切換えが左右で同期して行われる。したがって、シートバック2は、起動操作レバーLを後方側に引くことにより、各リクライニング装置6,6のロック状態が一斉に解除されてシートバック2の背凭れ角度の固定状態が解かれると共に、係止ブラケット60(図11参照)によって一端係止されてシートクッション3に対して前方に傾いた前傾状態1Bとされる。
ここで、シートバック2は、図2に図示されるように、シートクッション3との間にバネ部材2s(傾動付勢手段)が掛け着けられている。このバネ部材2sは、常時は前倒しの傾動方向に付勢されている。したがって、シート本体1に乗員が着座していない状態で起動操作レバーLを後方側に引くことにより、シートバック2は、バネ部材2sによって自動的に前倒し方向に付勢される。前述した各リクライニング装置6,6は、常時はロック状態となる作動方向に付勢されており、起動操作レバーLの起動操作をやめることによって自動的にロック状態に戻されるようになっている。しかし、リクライニング装置6,6には、更に、起動操作レバーLの起動操作をやめることでロック状態に戻されるロックゾーンと、起動操作レバーLの起動操作をやめてもロック状態に戻されないフリーゾーンとが設定されている。
前者のロックゾーンは、図1に図示されるように通常、シート本体1に着座した乗員が背凭れとして使用する角度領域に設定されている。すなわち、シートバック2がシートクッション3に対して起立した起立状態1Aの姿勢となる傾動位置とシートバック2が目一杯後方側に倒し込まれた傾動位置との間の領域に設定されている。そして、後者のフリーゾーンは、乗員が着座使用することのない角度領域に設定されている。すなわち、シートバック2が起立状態1Aの姿勢となる傾動位置とシートバック2が目一杯前方側に倒し込まれた前倒れ状態1Cの姿勢となる傾動位置との間の領域に設定されている。したがって、シートバック2を前倒しするに際して、起動操作レバーLを後方側に引くことで、シートバック2が起立状態1Aの姿勢から前方に傾けば、あとは起動操作レバーLの操作をやめても、バネ部材2sの付勢状態が持続されてロック状態に戻されないフリーゾーンとなる。そのため、係止ブラケット60(図11参照)に一端係止された前傾状態1Bにおいては、フリーゾーンとされている。この係止ブラケット60の係止状態が解除されると、シートバック2はシートクッション3の上側に畳み込まれる位置まで自動的に倒し込まれて前倒れ状態1Cの姿勢となる。
図1、2に図示されるように、上述したシート本体1とフロア面F等の車体構成部材との間には、シート本体1のフロア面Fに対する車両前後方向の着座位置を調整可能にするスライド機構100が配設されている。このスライド機構100は、シートクッション3とフロア面F(車体構成部材)との間に左右一対で設けられている。スライド機構100は、第1スライド機構150と第2スライド機構250がシート本体1の両側に位置して車両前後方向に平行に配設されている。
第1スライド機構150は、車室の側面側に配設される。第1スライド機構150側には、シート本体1を車室側面方向に跳ね上げる巻きバネ4s(跳ね上げ付勢手段)を備えた回転ヒンジ機構4が設定されている。
第2スライド機構250は、車室の内方側に配設される。第2スライド機構250側には、シート本体1を支持する支持機構5とシート本体1との連結を分離可能とするロック装置260、270が備えられている。なお、ロック装置260、270が本発明における「連結分離切替機構」に相当する。
第1スライド機構150は、ロアレール151と、アッパレール152と、第1スライドロック装置153を有する。
第2スライド機構250は、ロアレール251と、アッパレール252と、第2スライドロック装置253を有する。
ロアレール151,251は、車両前後方向に延びる形状に形成されており、フロア面F等の車体構成部材の上に配設されている。アッパレール152,252は、シート本体1側の構成部材に配設されており、ロアレール151,251に対してそれらのレール長手方向にスライド移動可能となるようにそれぞれ嵌め込まれている。これにより、アッパレール152,252は、そのスライド移動に伴ってシート本体1の着座位置を車両前後方向に移動させるようになっている。これら第1スライドロック装置153と第2スライドロック装置253は、共に連動する構成とされており、両アッパレール152,252のスライド移動を規制したり解除したりすることができる。なお、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253が本発明における「スライドロック機構」に相当する。
図2に図示されるように、これらアッパレール152,252は、常時は第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253の作動によってそのスライド移動が規制されたスライドロック状態に保持されている。
ここで、図1、図3(a)〜(f)に図示されるようにシート本体1のスライド移動の操作方法は二形態ある。
一つ目の操作形態は、図1及び図3(d)(e)に図示されるように、シート本体1に設けられたスライドレバーSのレバー操作を行ってスライド移動させる形態である。これは、シート本体1を起立状態1Aとして通常使用する時にスライド移動させる場合や、シート本体1を前倒れ状態1Cのままフロア面F上にとどめてシートバック2の背面(シート本体1の上面)をテーブル面として利用する場合における操作形態である。かかる場合、スライドレバーSのレバー操作を行うと、第1スライドロック装置153と第2スライドロック装置253(図2参照)が作動され、各アッパレール152,252のスライドロック状態を一斉に解除してスライド移動可能な状態に切換えられる。このスライドレバーSのレバー操作を行った状態で、各アッパレール152,252を車両前後方向にスライド移動させることによりシート本体1の前後方向の位置を調整する。そして、その後にスライドレバーSのレバー操作をやめれば第1スライドロック装置153及び第2スライドロック装置253は再びスライドロック状態に戻ってシート本体1をその調整した前後方向の位置に保持することができる。
二つ目の操作形態は、図3(a)(b)(c)(f)に図示されるように、シート本体1に設けられた操作レバー機構70の起動操作レバーLの起動操作を行ってスライド移動させる形態である。これは、シート本体1を車室内側面方向(車体壁部B)に格納する場合(前傾状態1Bの状態でスライド移動)の操作形態である。
図1及び図3(b)に図示されるように、起動操作レバーLの起動操作を行うとシートバック2がシートクッション3に対して前方に傾いた前傾状態1Bとなる。これとともに第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライドロック状態が一斉に解除されてスライド移動可能な状態に切換えられる。
図1及び図3(c)に図示されるように、起動操作レバーLの起動操作を行って各アッパレール152,252を車両前後方向にスライド移動させ、シート本体1を車室側面方向に跳ね上げる跳ね上げ位置100Aの方向に移動する。この跳ね上げ位置100Aとは、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライド範囲において、シート本体1を車室側面方向に跳ね上げるために予め定められた所定位置である。ここで、第2スライド機構250には、跳ね上げ位置100Aを検知する跳ね上げ位置検知手段が構成されている。
図1及び図3(f)に図示されるように、前傾状態1Bのシート本体1は、跳ね上げ位置100Aに移動すると、第1スライドロック装置153及び第2スライドロック装置253が再びスライドロック状態となる。なお、第1スライド機構150と第2スライド機構250及び跳ね上げ位置検知手段の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
図2に図示されるように、上記したロック装置260、270(連結分離切替機構)と第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253に対し、両機構を連動して操作することのできる操作機構が構成されている。具体的には、ロック装置260、270を操作するのがロック装置操作機構280である。また、第1スライドロック装置153を操作するのが、第1スライドロック装置操作機構190である。また、第2スライドロック装置253を操作するのが、第2スライドロック装置操作機構290である。これらロック装置操作機構280と、第1スライドロック装置操作機構190と、第2スライドロック装置操作機構290が本発明の「操作機構」に相当する。
ロック装置260、270と第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253は、跳ね上げ位置検知手段によるシート本体の跳ね上げ位置100A(図1、図3(c)(e)参照)を検知すると、各操作機構280、190、290が連動して作動する。この連動操作は、係止ブラケット60(図11参照)によるシートバック2の傾動係止が解除されてシートバック2が前傾状態1Bから前倒れ状態1Cとされ、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253はスライドロック状態となると共に、ロック装置260、270が分離状態となる連動操作が行われる。そして、シート本体が跳ね上げ位置100Aに位置すると自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われる。
また、起動操作レバーLが配設される操作レバー機構70は、シート本体が前傾状態1B及び前倒れ状態1Cの姿勢状態であることを検知する。この操作レバー機構70により、シートバック2の前傾状態1B及び前倒れ状態1Cの検知をすることでロック装置操作機構280と、第1スライドロック装置操作機構190と、第2スライドロック装置操作機構290の作動が開始される。なお、操作レバー機構70が本発明の「傾動検知手段」に相当する。
このように、本実施形態では、図1に示すようにシート本体1が第1スライド機構150と第2スライド機構250を介してフロア面Fに対して起倒回動可能に支持されている。具体的には、シート本体1は、シートクッション3の図示左側の側部が、回転ヒンジ機構4によってアッパレール152に起倒回動可能にヒンジ連結されている。そして、シート本体1は、シートクッション3の図示右側の側部が、平板状の支持板5tを有した支持機構5によってアッパレール252に対して係合したり係合を解除したりすることのできる状態として支持されている。
図3(a)に図示されるように、シート本体1は、常時はシートクッション3がフロア面F上に倒伏した姿勢状態に係合されて保持されている。
図2、図3(b)に図示されるように、シート本体1は、操作レバー機構70の起動操作レバーLを後方側に引く操作(起動操作)を行うと、シートバック2がシートクッション3に対して前方に傾いた前傾状態1Bに切換えられる。このとき、操作レバー機構70(傾動検知手段)は、シートバック2の前傾状態1Bの検知をする。そして、ロック装置操作機構280と第1スライドロック装置操作機構190と第2スライドロック装置操作機構290の作動が開始して、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253によるスライドロック状態が一斉に解除されてスライド移動可能な状態に切換えられる。
図2、図3(c)に図示されるように、シート本体1を跳ね上げ位置100Aまでスライド移動させる。そして、跳ね上げ位置検知手段によって跳ね上げ位置100Aが検知されると、係止ブラケット60(図11参照)によるシートバック2の傾動係止が解除されてシートバック2が前傾状態1Bから前倒れ状態1Cとされ、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253が再びスライドロック状態に切替えられるとともに、第2スライド機構250側に構成されるロック装置260、270は、この第2スライド機構250とシート本体1との連結が分離可能な状態に切替えられる。
こうして、図2、図3(f)に図示されるように、ロック装置260、270が分離可能な状態において、回転ヒンジ機構4の巻きバネ4s(跳ね上げ付勢手段)によりシート本体1の跳ね上げ作動が行われ車室内側面方向に格納される格納状態1Dとなる。これにより、シート本体1が設置されていたフロア面F上のスペースが空けられるため、この設置スペースを荷室スペース等の他の目的スペースとして利用することが可能となる。
一方、図2、図3(d)に図示されるように、シートバック2が前傾状態1Bの状態でスライド移動可能な状態の際に、リクライニングレバーR(解除レバー)を回動操作すると係止ブラケット60(図11参照)の係止の解除がなされてシート本体1はバネ部材2sの付勢によって前倒れ状態1Cとなる。これと共に、リクライニングレバーR(解除レバー)は、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253も連動操作してスライドロック状態に作動させてシート本体1を前倒れ状態1Cのままフロア面F上にとどめる。これにより、上記した前倒しされたシートバック2の背面(シート本体1の上面)をテーブル面として利用することが可能となる。
図2、図3(e)(f)に図示されるように、かかるテーブル状態のシート本体1に対し、起動操作レバーLによる起動操作がなされると、跳ね上げ位置100Aまでシート本体1がスライド移動可能となる。シート本体1は跳ね上げ位置100Aまで移動すると、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253がスライドロック状態となり、ロック装置260、270が分離状態となってシート本体1の跳ね上げ作動が行われる。
このように、シート本体1を格納状態としたり、折畳んだ姿勢でフロア面F上にとどめてテーブル面として利用したりする使い分けの操作が行えるようになっている。
図1に図示されるように、シート本体1は、その図示左側の側部が、前述したシートクッション3とアッパレール152とをヒンジ連結するヒンジ機構4によってフロア面Fに対して起倒回動可能に支持されている。このヒンジ機構4には、シート本体1をフロア面Fから起こし上げる方向に付勢する巻きバネ4sが組み付けられている。したがって、シート本体1は、前述した図示右側の側部の支持機構5とアッパレール252とのロック状態が解除されることにより、巻きバネ4sの付勢力によってフロア面Fから起こし上げられて、車体壁部Bの位置で起立した姿勢状態で保持される。
図1に図示されるように、支持機構5は、シートクッション3の底面部3bに収納及び展開が可能に設けられており、シート本体1のフロア面Fへの倒伏時に起立状態となって、シート本体1をフロア面Fに対して支持するようになっている。具体的には、支持機構5は、シートクッション3の底面部3bにおいて、平板状の支持板5tが起倒回動可能にヒンジ連結された構成となっている。この支持板5tは、常時は底面部3bに対して垂直に起立する方向に展開付勢されている。したがって、支持板5tは、シート本体1がフロア面F上に倒伏した状態時には、上記の付勢力によってシートクッション3の底面部3bに対して真っ直ぐに垂下した展開状態となり、シート本体1をフロア面Fに対して下方側から支持するようになっている。しかし、支持板5tは、シート本体1がフロア面Fから起こし上げられる際には、この動きに連動して車体側から配索されたワイヤー等の牽引部材(図示省略)に牽引されることにより、シートクッション3の底面部3bに畳み込まれて収納凹部3dに収納されるようになっている。
図1に図示されるように、ここで、支持板5tの前後側の各先端部(下端部)には、アッパレール252上に設置された各ロック装置260、270のフック261,271と係合可能なストライカ5s,5sがそれぞれ配設されている。これらストライカ5s,5sは、シート本体1をフロア面F上に落とし込む動きによって、各フック261,271と当接し、そこから更にこれらを掛着させる方向に押し動かしてロック状態となる。したがって、シート本体1は、これらストライカ5s,5sとフック261,271との掛着により、フロア面Fから起こし上げられないようにロックされた状態として保持される。これらフック261,271のストライカ5s,5sとの掛着状態(ロック状態)は、前述した起動操作レバーLを後方側に引く操作によって解除することができる。これにより、シート本体1が、上述したヒンジ機構4に設けられた巻きバネ4sの付勢力によって、フロア面Fから起こし上げられて車体壁部Bの位置で起立した格納状態1Dとなる。
[操作レバー機構70(傾動検知手段)の構成:図11〜14]
次に、操作レバー機構70の構成について説明する。この操作レバー機構70は、図2に示されるように、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fに対して組み付けられている。この操作レバー機構70は、図11〜14に図示されるように起動操作レバーLを後方側に引く操作を行うことにより、図示された一方側のリクライニング装置6から突設された切換軸6rを軸回動操作して、両リクライニング装置6,6のロック状態を一斉に解除するようになっている。また、操作レバー機構70は、シートバック2の前傾状態1Bの検知をすることで、後述するロック装置操作機構280、第1スライドロック装置操作機構190、第2スライドロック装置操作機構290の作動を開始させる機構である。
ここで、図11〜14に図示された内方側のリクライニング装置6は、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fと前述したクッションフレーム3fとの間の板面間に挟まれて配設されており、この両者を互いに連結している。このリクライニング装置6には、前述したロック機構の作動状態を切換えるための切換軸6rが、クッションフレーム3fの外側に突出するかたちで板厚方向に貫通して挿通されている。そして、この切換軸6rの突出した先には、切換アーム6aが回動方向に一体的に嵌合されて装着されている。この切換アーム6aは、帯板状の板部材が車両下方側に向かって垂下した状態で切換軸6rに挿通されて、その幅方向外方側から固定リング6tが装着されることにより、切換軸6rに対して抜け止めされている。これにより、切換軸6rは、切換アーム6aの回動操作によって回動し、両リクライニング装置6,6の作動状態を切換えられる。
具体的には、切換アーム6aは、図11に示されるように常時はリクライニング装置6,6に組み付けられた図示しないバネ部材の付勢力によって、各リクライニング装置6,6がロック状態となる初期位置の状態に保持されている。
そして、切換アーム6aは、図12に示されるように起動操作レバーLの回動操作によって図示上、時計回り方向に回動操作されることにより、切換軸6rを軸回動させて各リクライニング装置6,6のロック状態を解除する。詳しくは、各リクライニング装置6,6のロック状態が解除される切換アーム6aの回動操作位置は、起動操作レバーLが図12で示された回動位置まで回動操作されたときの操作位置となっている。なお、各リクライニング装置6,6は、前述したようにそのロック状態が解除されてシートバック2が前倒しされていく段階では、前述したフリーゾーンの状態となる。したがって、切換アーム6aは、その回動操作をやめても元の初期位置には戻されずに図示された回動操作された位置状態に保持される。
切換アーム6aの下端部には、図11〜14に図示されるように、係合ピン6cが装着されている。この係合ピン6cは、切替アーム6aに板厚方向に挿通されて取り付けられており、その挿通された先で円筒形状のころ6eが差し込まれると共に固定リング(図示省略)に固定されて抜け止めされている。これにより、係合ピン6cに差し込まれたころ6eが係合ピン6cに対して空転可能な状態に取り付けられている。この係合ピン6cに装着されたころ6eは、後述する起動操作レバーLの回動操作時に操作力の伝達を受ける機能部品として設けられている。
図11〜14に示されるように、クッションフレーム3fには、上記した切換アーム6aの回動操作を行うための機能部品が組み付けられている。具体的には、先ず、クッションフレーム3fとバックフレーム2fの連結部位には、シートバック2の前倒れ移動を規制するための前倒れストッパ3sが形成されている。この前倒れストッパ3sは、図13に示されるように、シートバック2が前倒しされた際に、バックフレーム2fに一体的に設けられたL字板状のバネ掛けブラケット2bが押し当てられてシートバック2の動きを規制するようになっている。
図11〜14に示されるように、このクッションフレーム3fに対しては、アーム状の板部材より成る第1ブラケット10が支軸8によって回動可能に軸支連結されている。この支軸8は、クッションフレーム3fに対しては一体的に結合されており、第1ブラケット10に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。そして、この第1ブラケット10には、前述したアーム状の起動操作レバーLの端部が一体的に取り付けられて固定されている。これにより、第1ブラケット10が、起動操作レバーLと一体的に回動操作されるようになっている。この第1ブラケット10とクッションフレーム3fとの間には、第1ブラケット10を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ8bが掛着されている。この巻きバネ8bは、その一端が前述したクッションフレーム3fと一体的となっている支軸8の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1ブラケット10に掛着されて取り付けられている。これにより、第1ブラケット10は、クッションフレーム3fに対して図示時計回り方向に回動付勢されており、図示を省略したストッパに当接することで起動操作レバーLが垂下した姿勢状態に保持されている。
第1ブラケット10には、図11〜14に示されるように、そのアーム形状の先端部に、前述した切替アーム6aの係合ピン6cに装着されたころ6eを押し操作することのできる操作部11が形成されている。この操作部11は、図12に示されるように、起動操作レバーLを図示反時計回り方向に回動操作した際に、ころ6eを押圧して切替アーム6aを一体的に押し動かす。これにより、切換アーム6aを図示時計回り方向に回動操作して、各リクライニング装置6,6のロック状態を解除することができる。
また、第1ブラケット10には、後述する伝達リンク40の回動に伴って作動する従動リンク50の回動を規制する第2ブラケット20が配設されている。この第2ブラケット20は、帯板状に形成されている。この第2ブラケット20の先端側には、従動リンク50と係合する係合ピン20aが板面から直交方向に突出形成されている。また、他端側は、第1ブラケット10の支軸8よりも車両後方側に配設された支軸12によって回動可能に軸支連結されている。この支軸12は、第1ブラケット10に対しては一体的に結合されており、第2ブラケット20に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。
第1ブラケット10と第2ブラケット20との間には、第2ブラケット20を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ12bが掛着されている。この巻きバネ12bは、その一端が前述した第1ブラケット10と一体的となっている支軸12の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第2ブラケット20に掛着されて取り付けられている。これにより、第2ブラケット20は、第1ブラケット10に対して図示時計回り方向に回動付勢されている。また、第1ブラケット10には、第2ブラケット20の図示時計回り方向における回動軌道上に、かかる回動を規制する回動ストッパー22が設けられている。これにより、第2ブラケット20は、巻きバネ12bの付勢に抗して図示反時計回り方向への回動は許容されているが、図示時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、第2部ブラケット20は、常時は回動ストッパー22に当接した位置に保持されている。
また、図11〜14に示されるように、更に切換軸6rの突出した先には、回動ブラケット30が装着されている。この回動ブラケット30は、切換軸6rに挿通されており、シートバック2の傾動と一体となって回動することで後述する伝達リンク40を回動させると共に、シートバック2を前傾状態1Bに一端係止させる係止ブラケット60(図11参照)と係り合う部材である。
この回動ブラケット30は、帯板状の板部材が屈曲した略L字状に形成されており、屈曲した部分を中心として切替軸6rに挿通され、係る切替軸6rの位置から径方向に向かって延在する2つの端部を有する。この2つの端部の先端近傍には、それぞれ板面から直交方向に突出形成されたスライドピン32と係合ピン34が構成される。
回動ブラケット30の一方の端部は、図11〜14に示されるように伝達リンク40の長孔42内で摺動するスライドピン32が構成されている。
伝達リンク40は、帯板状の板状部材で形成されており、一端側に長手方向に開口された長孔42が形成されている。他端側は、従動リンク50と回動可能に軸支連結されている。従動リンク50は、帯板状の板状部材で形成されている。従動リンク50の一端側は、伝達リンク40が軸支連結される支軸52が従動リンク50と一体的に結合されている。この支軸52は、従動リンク50と伝達リンク40が軸支連結されると共に、クッションフレーム3fと幅方向に略平行に隣接するフレーム部材(図示省略)に回動可能に軸支されている。また、従動リンク50の他端側には、板面から直交方向に突き出した係合ピン54が延出している。この係合ピン54は、第2ブラケット20の係合ピン20aと係合するピンである。
伝達リンク40と従動リンク50との間には、従動リンク50を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ52bが掛着されている。この巻きバネ52bは、その一端が前述した従動リンク50と一体的となっている支軸52の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が伝達リンク40に掛着されて取り付けられている。これにより、従動リンク50は、伝達リンク40に対して図示時計回り方向に回動付勢されている。また、従動リンク50の一端側には、伝達リンク40に対し図示時計回り方向における回動を規制する回動ストッパー53が設けられている。これにより、従動リンク50は、巻きバネ52bの付勢に抗して図示反時計回り方向への回動は許容されているが、図示時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、従動リンク50は、常時は回動ストッパー53に当接した位置に保持されている。
また、従動リンク50の支軸52と係合ピン54の間には、各ケーブルが連結されるケーブル連結部55、56、57、58が形成されている。
一方、回動ブラケット30の他方の端部は、図11〜14に示されるようにシートバック2が前方に傾動した際に、係止ブラケット60と係合する係合ピン34が構成されている。係止ブラケット60は、帯板状に形成されており、その一端側が回動ブラケット30の係合ピン34の回動軌道上を遮るように係合することで、シートバック2を前傾状態1Bに一端係止させるものである。係止ブラケット60の他端側は、第1ブラケット10の支軸8よりも車両後方側に配設された支軸62によって回動可能に軸支連結されている。
この支軸62は、係止ブラケット60の回動を規制する回動ストッパー64に一体的に結合されており、係止ブラケット60に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。
回動ストッパー64と係止ブラケット60との間には、係止ブラケット60を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ62bが掛着されている。この巻きバネ62bは、その一端が前述した回動ストッパー64と一体的となっている支軸62の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が係止ブラケット60に掛着されて取り付けられている。これにより、係止ブラケット60は、回動ストッパー64に対して図示時計回り方向に回動付勢されている。また、回動ストッパー64は、係止ブラケット60の図示時計回り方向における回動上に延出されており、かかる係止ブラケット60の回動を規制する。これにより、係止ブラケット60は、巻きバネ62bの付勢に抗して図示反時計回り方向への回動は許容されているが、図示時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、係止ブラケット60は、常時は回動ストッパー64に当接した位置に保持されている。
また、回動ストッパー64と係止ブラケット60は、第5ケーブルC5の牽引操作によって車両斜め下方にスライド移動可能に構成されている。これにより、係止ブラケット60の一端側は、常時は回動ブラケット30の係合ピン34の回動軌道上に位置して、シートバック2を前傾状態1Bに一端係止させる。一方、第5ケーブルC5の牽引操作がなされると、係合ピン34の回動軌道上から退避した位置にスライド移動する。これにより、シートバック2は、バネ部材2sの付勢によってシートクッション3の上側に畳み込まれる位置まで自動的に倒し込まれて前倒れ状態1Cの姿勢となる。
図11には、操作レバー機構70の初期状態が図示されている。同図に示されるように、シート本体1は、シートバック2が起立した起立状態1Aに保持されている。
ここで、図12に図示されるように、起動操作レバーLを車両後方に回動する起動操作を行うと、第1ブラケット10は巻きバネ8bの付勢に抗して支軸8を中心に図示上反時計回り方向に回動する。第1ブラケット10の操作部11は、切替アーム6aの係合ピン6cに装着されたころ6eを押圧して切替アーム6aを図示時計回り方向に回動させる。切替アーム6aの回動中心に構成される切換軸6rは、この切替アーム6aの回動に伴って回動し、両リクライニング装置6,6の作動状態を切換える。そして、シートバック2は、バネ部材2sの付勢によって前方に傾き、これと一体に回動する回動ブラケット30が図示反時計回り方向へ回動する。回動ブラケット30の係合ピン34は、係止ブラケット60と係合する。ここで、係止ブラケット60は、回動ストッパー64によって図示時計回り方向の回動が規制されている。これにより、シートバック2は、シートクッション3に対して前方に傾いた前傾状態1Bに一端係止される。
一方、伝達リンク40は、シートバック2の傾動に伴って回動ブラケット30が回動するとスライドピン32が長孔42内を摺動移動することで図示時計回り方向に回動する。これに伴い、従動リンク50は、伝達リンク40との間に介される巻きバネ52bの付勢によって、図示時計回り方向に回動する。これにより、従動リンク50に連結された第1ケーブルC1、第2ケーブルC2、第9ケーブルC9、第4ケーブルC4が一斉に牽引操作されてロック装置操作機構280、第2スライドロック装置操作機構290、第1スライドロック装置操作機構190の各機構が作動する。
図13に図示されるように、ロック装置操作機構280から配策された第5ケーブルC5の牽引操作によって、係止ブラケット60が車両斜め下方にスライド移動する。これにより、係合ピン34と係止ブラケット60の係止が解除される。よって、シートバック2は、バネ部材2sの付勢によってシートクッション3の上側に畳み込まれる位置まで自動的に倒し込まれて前倒れ状態1Cの姿勢となる。これに伴い、伝達リンク40が図示時計回り方向に更に回動し、これに伴って従動リンク50も回動することで第1ケーブルC1、第2ケーブルC2、第9ケーブルC9、第4ケーブルC4が更に牽引操作される。
このシートバック2の回動に伴って、操作レバー機構70における伝達リンク40及び従動リンク50が回動することで第1ケーブルC1、第2ケーブルC2、第9ケーブルC9、第4ケーブルC4が牽引操作されてロック装置操作機構280、第2スライドロック装置操作機構290、第1スライドロック装置操作機構190の各機構が作動が開始される構成が本発明の「傾動検知手段」の詳細な構成に相当する。
一方、図14に図示されるように、支持機構5のストライカ5s,5s(図2参照)が、シート本体1をフロア面F上に落とし込まれて各フック261,271と当接して掛してロック状態となると、ロック装置270(図2参照)から配索された第4ケーブルC4の牽引操作によって従動リンク50が図示反時計回り方向に回動し、第2ブラケット20を図示反時計回り方向に回動させて押し広げて初期の位置に復帰する。
この状態で、シートバック2を図示時計回り方向に回動させると回動ブラケット30も一体に回動し、伝達リンク40は初期の位置に復帰する。また、係合ピン34は、巻きバネ62bの付勢に抗して係止ブラケット60を図示反時計回り方向に回動させることで通過して初期の位置に復帰する。これにより、シート本体1は、起立状態1A(図11)の初期位置に戻る。
ロック装置操作機構280、第2スライドロック装置操作機構290、第1スライドロック装置操作機構190の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
[第2スライド機構250及び第2スライドロック装置253の構成:図4、5、15〜19]
ここで、上述した各ロック装置260、270を備えた第2スライド機構250の構成について具体的に説明する。この第2スライド機構250は、図4に示されるように、U字の囲い形状の横断面をもつロアレール251に対して、アッパレール252が前後方向にスライド移動可能に案内される構成となっている。
詳しくは、ロアレール251は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げて、同図に示されるような一定の横断面形状に形成されている。具体的には、ロアレール251の横断面形状は、図5に示されるように平板形状の下面部251uと、その両サイドから立ち上がる平板形状の右側面部251x1及び左側面部251y1と、これらの上端から内側に折り返されて垂下する平板形状の右返し面部251x2及び左返し面部251y2と、から成る横断面形状に形成されている。また、下面部251uの長手方向の一部は、開口形成されるスライド孔251wを有する。このスライド孔251wは、後述するアッパレール252に構成される支持面部252b3(図4参照)をスライド移動可能とするために設けられている。
図4に図示されるように、上記した左返し面部251y2には、その長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の貫通孔251h・・が等間隔に配置形成されている。そして、ロアレール251の前後方向の2箇所の部位には、右返し面部251x2の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部251s1,251s2が形成されている。これら凹部251s1,251s2は、それぞれ、後述するロック装置260、270の各保持部材262,272が蹴り動かされた際に、これらの脚部262d,272dを受入れることのできる形状に形成されている。
一方、アッパレール252は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるような横断面形状に形成されている。具体的には、アッパレール252の横断面形状は、図5に示されるように、互いの板面が対向するかたちで真っ直ぐに垂下する平板形状の右側面部252a1及び左側面部252b1を有する。また図4に図示されるように、右側面部252a1及び左側面部252b1の下端から外方に跳ね上げられる右ひれ面部252a2及び左ひれ面部252b2と、から成る横断面形状に形成されている。
そして、アッパレール252の前後方向の2箇所の部位には、右側面部252a1の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部252s1,252s2が形成されている。これら凹部252s1,252s2は、それぞれ、前述したロアレール251に形成された凹部251s1,251s2の形状にそれぞれ対応して形成されており、ロック装置260、270の各保持部材262,272が蹴り動かされた際に、これらの脚部262d,272dを受入れ可能な形状に形成されている。
上記した左側面部252b1の前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した3個の貫通孔252h・・が長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。この貫通孔252h・・の配置間隔は、前述したロアレール251に形成された貫通孔251h・・の配置間隔と同じ間隔となっている。なお、この貫通孔252h・・の形成されたアッパレール252の中央付近の形状は、右ひれ面部252a2や左ひれ面部252b2のない形状に形成されている。
また、左側面部252b1の長手方向のうち保持部材272が配設される部位には、下方に垂下した支持面部252b3が延出形成されている。
そして、この貫通孔252h・・が配置形成されたアッパレール252の中央部には、各貫通孔252h・・の内部に挿通可能なロック爪253cを有した第2スライドロック装置253が配設されている。ここで、ロック爪253cは、各貫通孔252h・・の内部に挿通可能な3つの爪形状を備えており、図5に示されるように支軸253dによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されている。そして、このロック爪253cは、常時はバネ部材(図示省略)の付勢力によって、その先端の爪形状が各貫通孔252h・・内に挿通される方向に付勢された状態とされている。したがって、図5に示されるようにアッパレール252のスライド位置がこのアッパレール252に形成された貫通孔252h・・とロアレール251に形成された貫通孔251h・・とが合致する位置状態となることにより、第2スライドロック装置253のロック爪253cが、その付勢によって両貫通孔252h・・,251h・・に貫通して挿通された状態となる。これにより、第2スライド機構250は、アッパレール252のスライド移動が規制されたスライドロック状態として保持される。
この第2スライド機構250のスライドロック状態は、図4に示されるようにロック爪253cに隣接して設けられた操作腕253aが揺動操作されることによって解除されるようになっている。この操作腕253aは、図16に示されるように、支軸253bによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されており、その一方の腕の先端にロック爪253cを押し操作するための押部253ayが形成されている。そして、操作腕253aの他方の腕の先端には、後述する第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク292から押し操作を受ける受部253axが形成されている。そして、この操作腕253aは、常時は図示しないバネ部材の付勢力によって、ロック爪253cを押し操作する方向とは逆の方向に付勢されてロック爪253cから離間した位置状態に保持されている。一方、ロック爪253cには、操作腕253aに形成された押部253ayによって押し操作される板状の突板253ctが一体的に設けられている。これにより、ロック爪253cは、図5に示されるように、操作腕253aが揺動操作される動きに伴って、その押部253ayによって突板253ctが押し上げられる格好でロック状態から外されるようになっている。
また、ロック爪253cは、図4、5に図示されるように爪部位が延出形成される側とは反対側の背面側において、断面略L字状の規制ブラケット254が一体に形成されている。この規制ブラケット254は、ロック爪253cと共に一体に回動される。
この規制ブラケット254の配設位置は、後述するロック装置260の保持部材262と、ロック爪253cの間である。そして、規制ブラケット254は、ロック爪253cが貫通孔252h・・,251h・・に貫通して挿通された状態においては、板面部が保持部材262と略平行した姿勢状態で収納される(図4参照)。しかし、ロック爪253cが解除方向に回動すると、図5、17に図示されるように保持部材262の頭部262cの回動軌跡内に進入する。これにより、規制ブラケット254は、保持部材262の回動を規制する機能部位として設けられている。
すなわち、規制ブラケット254は、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了するまでロック装置260、270(連結分離切替機構)をロック状態が解除(分離状態)とする作動を規制する規制機構として構成されている。なお、この規制ブラケット254が、本発明の「規制機構」に相当する。
上記構成の第2スライド機構250は、図18,19に示されるように、アッパレール252のスライド位置がアッパレール252に形成された凹部252s1,252s2とロアレール251に形成された凹部251s1,251s2とが互いに合致する位置関係となる場合には、各ロック装置260、270の保持部材262,272の解除動作方向への回動運動を許容する。すなわち、この凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2とが合致した状態では、保持部材262が図示上、時計回り方向に押し動かされ、保持部材272が図示上、反時計回り方向に押し動かされて、それらの脚部262d,272dが凹部252s1,252s2や凹部251s1,251s2にそれぞれ受け入れられるからである。
しかし、図16,17に示されるように、アッパレール252のスライド位置がアッパレール252の凹部252s1,252s2とロアレール251の凹部251s1,251s2とが互いにずれた位置関係となる場合には、各ロック装置260、270の保持部材262,272の解除動作方向への回動が規制される。すなわち、この凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2とがずれた位置関係にある場合には、保持部材262,272が図示時計回り方向や反時計回り方向に押し動かされても、それらの脚部262d,272dがロアレール251の凹部251s1,251s2には受け入れられず、それぞれ右返し面部251x2の底面と当接してその回動が規制されるからである。したがって、この場合には、ケーブルの牽引操作を行っても各ロック装置260、270の解除操作は行えないようになっている。
なお、この凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2とが合致した位置が、本発明の「跳ね上げ位置」に相当する。
また、跳ね上げ位置100Aにおいて、ロック装置操作機構280の操作によって、ロック装置260、270の保持部材262、272が押し動かされてフック261、271を作動させロック解除に移行させる。更に、ロック装置操作機構280と第2スライドロック装置操作機構290の連動操作によって、第2スライド機構250がスライドロック状態に移行する。これらの一連の作動構成が本発明の「跳ね上げ位置検知手段」に相当する。
[第1スライド機構150及び第1スライドロック装置153の構成:図2、20〜22]
次に、第1スライド機構150の構成について説明する。ここで、第1スライド機構150の基本的な構成は、第2スライド機構250と同様である。そのため、第1スライド機構150のうち第2スライド機構250と同様の構成のものについては、詳細な説明は省略する。
第1スライド機構150は、図2に示されるように、ロアレール151と、アッパレール152を有している。ロアレール151の横断面形状は、ロアレール251と同様U字の囲い形状の横断面に形成され、長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の貫通孔が等間隔に配置形成されている。ここで、ロアレール151においては、第2スライド機構250に構成される凹部251s1,251s2と同様の構成はない。
アッパレール152の横断面形状は、252と同様に互いの板面が対向するかたちで長手方向に延びた帯板部材とこの帯板部材の下端から外方に跳ね上げられるひれ状部材が一体に形成されている。これにより、アッパレール152は、ロアレール151にが前後方向にスライド移動可能に案内される構成となっている。上記した一方の帯板部材の前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した3個の貫通孔が長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。なお、アッパレール152には、第2スライド機構250に構成される凹部252s1,252s2と同様の構成はない。
そして、この貫通孔が配置形成されたアッパレール152の中央部には、各貫通孔の内部に挿通可能なロック爪を有した第1スライドロック装置153が配設されている。ロック爪は、第2スライドロック装置253のロック爪253と実質的な構成である。これにより、第2スライド機構150が、アッパレール152のスライド移動が規制されたスライドロック状態として保持される。
この第1スライド機構150のスライドロック状態は、ロック爪に隣接して設けられた操作腕153aが揺動操作されることによって解除されるようになっている。この操作腕153aは、図20〜22に示されるようにアッパレール152に回動可能に軸支連結されている。この操作腕153aの先端は、板面部が部分的に車両幅方向(板厚方向)に折り曲げられて形成された部位を有している。係る先端部位の下面側には、ロック爪を押し操作するための押部153ayとして構成されている。そして、操作腕153aの先端部位の上面側には、後述する第1スライドロック装置操作機構190の第1L字リンク192から押し操作を受ける受部153axが構成されている。そして、この操作腕153aは、常時は図示を省略したバネ部材の付勢力によって、ロック爪を押し操作する方向と逆の方向(図20の図示上、反時計回り方向)に付勢されてロック爪から離間した位置状態に保持されている。一方、ロック爪には、操作腕153aに形成された押部153ayによって押し操作される板状の突板(図示省略)が一体的に設けられている。これにより、ロック爪は、図21に示されるように、操作腕153aが揺動操作される動きに伴って、その押部153ayによって突板(図示省略)が押し下げられてロック状態から外されるようになっている。
[ロック装置260、270(連結分離切替機構)の構成:図4、15〜19]
ここで、各ロック装置260、270の具体的な構成について説明する。なお、各ロック装置260、270は、互いに前後で異なる方向を向いて配設されているが、それらの基本的構成は実質的に同じである。したがって、以下の説明では、図4の図示向かって右側に示されている車両前方側に配設されたロック装置260についてのみ具体的な構成を説明し、後方側のロック装置270についてはその構成を列挙するに留めて具体的な説明は省略する。なお、この車両前方側に配設されたロック装置260は、図15〜19においては図示向かって左側の位置に配設されている。
このロック装置260は、鉄鋼板によって形成されたフック261と、保持部材262と、これらの間に掛着された引張バネ263と、を有する。これらフック261や保持部材262は、アッパレール252の右側面部252a1と左側面部252b1との間に挟み込まれた位置に配設されている。そして、フック261は、支軸261aによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されており、保持部材262も支軸262aによってアッパレール252に回動可能に軸支連結されている。そして、これらフック261と保持部材262とは、常時はこれらの間に掛着された引張バネ263の付勢力によって、互いが引き寄せられる方向に回動付勢されている。ここで、引張バネ263は、その一端がフック261の頭部261cに掛着されており、他端が保持部材262の頭部262cに掛着されている。
上記したフック261には、その周縁部において形状が部分的に突出した係止凸部261bが形成されている。これに対し、保持部材262には、その周縁部において形状が部分的に凹んだ係止凹部262bが形成されている。これら係止凸部261bと係止凹部262bとは、フック261と保持部材262とが上記した付勢力によって互いに引き寄せられて、それらの凹凸形状が互いに嵌合することにより、係止し合う状態となる。これにより、フック261と保持部材262とが互いの回動運動を規制し合ったロック状態として保持される。
このフック261と保持部材262とのロック状態の解除は、図17、18に示されるように、保持部材262の頭部262cがフック261の頭部261cから引き離される方向に回動操作されて、上述した係止凸部261bと係止凹部262bとの嵌合が外されることによってなされる。
ここで、同図に示されるように、フック261には、そのストライカ5sを受け入れる開口部の下面部に受部261dが形成されている。この受部261dは、シート本体1がフロア面F上に落とし込まれる動きによってストライカ5sと当接し、このストライカ5sによって図示下方に押し込まれるようになっている。そして、この押し込みにより、ストライカ5sがフック261の開口形状に入り込むと共に、フック261が図示上、反時計回り方向に押し回されて係止凸部261bが保持部材262の係止凹部262bに入り込んで両者がロックした状態となる。このとき、フック261の回動に伴って、その開口部の上面部に形成された押さえ部261eが、ストライカ5sの背部に回り込んだ状態となる。これにより、ストライカ5sがフック261に引っ掛け構成(掛着した状態)として、フック261によって抜け止めされた状態に保持される。
なお、他方側のロック装置270も、上述したロック装置260と同様の構成を備えている。すなわち、ロック装置270は、フック271と、保持部材272と、引張バネ273と、を備えている。そして、このフック271は、支軸271aによって軸支されており、係止凸部271bと、頭部271cと、受部271dと、押さえ部271eと、を有して形成されている。また、保持部材272は、支軸272aによって軸支されており、係止凹部272bと、頭部272cと、脚部272dと、を有した形状に形成されている。
また、図15〜19に図示されるように、ロック装置260、270には、ストライカ5sとの係合状態を検知する係合検知手段を備える。具体的には、ロック装置270においてフック271に係り合う保持部材272の作動を第4ケーブルC4の牽引操作によって操作レバー機構70の従動リンク50に伝達するものである。
保持部材272には、板部材より成る第3ブラケット274が支軸272aによって回動可能に軸支連結されている。この支軸272aは、保持部材272に対して一体的に結合されており、第3ブラケット274に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。この第3ブラケット274と保持部材272との間には、第3ブラケット274を図示反時計回り方向に回動付勢する巻きバネ276が掛着されている。この巻きバネ276は、その一端が前述した保持部材272と一体的となっている支軸272aの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第3ブラケット274に掛着されて取り付けられている。これにより、第3ブラケット274は、保持部材272に対して図示反時計回り方向に回動付勢されている。
保持部材272には、第3ブラケット274に対し図示反時計回り方向における回動を規制する回動ストッパー275が設けられている。これにより、第3ブラケット274は、巻きバネ276の付勢に抗して図示時計回り方向への回動は許容されているが、図示反時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、第3ブラケット274は、常時は回動ストッパー275に当接することで垂下した姿勢状態に保持されている。この第3ブラケット274の下方側には、切替ブラケット277が構成されている。この切替ブラケット277は、帯板状部材からなり、その下端が支持面部252b3の下方側に構成される支軸277cによって回動可能に軸支連結されている。切替ブラケット277の上端は、支軸277cから上方に向かって延在しており、先端部には、第3ブラケット274の下端と係合する係合ピン277aが板面から略垂直状に突出形成されている。係合ピン277aと支軸277c間には、ケーブル連結部277bが形成されており第4ケーブルC4のインナー部材の一端が掛着されている。
これにより、ロック装置270における保持部材272の作動を第4ケーブルC4の牽引操作によって操作レバー機構70の従動リンク50に伝達可能な構成とされている。
[ロック装置操作機構280(操作機構)の構成:図15〜19]
次に、操作機構の一構成であるロック装置操作機構280の構成について、図15〜19を用いて説明する。このロック装置操作機構280は、上記ロック装置260、270のロック状態の解除操作を行う機構である。
すなわち、ロック装置操作機構280は、図15に示されるように、前述した支持機構5の支持板5tに組み付けられており、第1ケーブルC1が牽引操作される動きによって、図示された第1回動部材281と第2回動部材282とが連結リンク283によって連動して回動操作されるようになっている。そして、第2スライド機構250に設けられた各ロック装置260、270の保持部材262,272がそれぞれ蹴り動かされて操作される。これにより、各ロック装置260、270のロック状態が一斉に解除されるようになっている。
この第1ケーブルC1の牽引操作による各ロック装置260、270の解除操作は、図17、18に示されるように、第2スライド機構250のアッパレール252に形成された凹部252s1,252s2と、ロアレール251に形成された凹部251s1,251s2が互いに合致する位置関係(跳ね上げ位置100A)となっているときに行えるようになっている。しかし、図15、16に示されるように、アッパレール252のスライド移動により、上述した凹部252s1,252s2と凹部251s1,251s2との位置関係が互いにずれた関係となっている場合には、上記第1ケーブルC1の牽引操作を行っても各ロック装置260、270の解除操作は行えないようになっている。
ロック装置操作機構280は、第1回動部材281と、第2回動部材282と、連結リンク283と、を有する。
この第1回動部材281は、第1操作部281aと第1押動部281bとが分割されて構成されており、これらが支軸281cによって支持機構5の支持板5tにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。上記の支軸281cは、第1押動部281bに対しては一体的に結合されており、第1操作部281aに対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。これにより、第1押動部281bは、第1操作部281aの回動方向と同じように図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
第1操作部281aは、帯板状に形成されており、一端が支軸281cに軸支されており、他端に設けられたケーブル連結部281ahに第1ケーブルC1のインナー部材の端部が掛着されている。また、第1ケーブルC1のアウター部材の端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部5taに掛着されている。これにより、第1操作部281aは、第1ケーブルC1の牽引操作に伴って、図示反時計回り方向に回動操作されるようになっている。
第1押動部281bは、帯板状に形成されており略中央の部位が支軸281cとして構成され支持板5tに軸支されている。第1押動部281bは、支軸281cから見て車両前方側に延在し、先端部近傍には板面から直交方向に突き出した係合ピン281bgが形成されている。
また、支軸281cと係合ピン281bgの間には、バネ掛部281bnが形成されている。第1押動部281bは、このバネ掛部281bnに引張バネ281eの一端が掛着され、他端が支持板5tに一体的に形成されたバネ掛部5tdに掛着されることにより第1押動部281bは、図示上、時計回り方向に回動付勢されている。
ここで、第1押動部281bの図示上方側には、支持板5tに一体的に形成されたストッパ5tfが構成されている。これにより、第1回動部材281は、図示時計回り方向の回動が規制されている。なお、第1押動部281bがストッパ5tfに当接している位置が第1回動部材281の初期位置として構成されている。
また、第1押動部281bは、支軸281cから見て車両後方側に延在した端部には、第1カム孔281bsと第2カム孔281btが一体に開口形成されている。第1カム孔281bsは、後述する第2L字リンク292に構成される係合ピン292agが支軸281cを中心として同一距離を保って周回移動可能な円弧状に開口形成されている。また第2カム孔281btは、支軸281cから見て第1カム孔281bsよりさらに径方向外方側に一部拡開されて開口形成されている。
また、第1押動部281bは、支軸281cから車両下方に延在した端部を有しており、かかる端部に連結リンク283と相対回動可能に軸支連結される支軸283aが設けられている。支軸281cと支軸283aの間には、板面から直交方向に突き出したストッパ281buが形成されている。
第1操作部281aと第1押動部281bとの間には、第1操作部281aを第1押動部281bに対して図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ281dが掛着されている。この巻きバネ281dは、その一端が前述した第1押動部281bと一体的となっている支軸281cの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1操作部281aに掛着されて取り付けられている。これにより、第1操作部281aは、第1押動部281bに対して図示時計回り方向に回動付勢された状態とされてストッパ281buに当接する回動位置状態に保持されている。この状態では、第1操作部281aは、巻きバネ281dの付勢力によって、第1押動部281bと回動方向に一体的な状態とされている。
この係合ピン281bgは、図16〜18に示されるように、第1ケーブルC1の牽引操作によって第1押動部281bが第1操作部281aと一体的となって図示反時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置260の保持部材262の頭部262cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部位として設けられている。ここで、第1操作部281aと第1押動部281bとの間に設けられた巻きバネ281dの弾性力は、ロック装置260のフック261と保持部材262との間に設けられた引張バネ263及び、第1押動部281bに掛着された引張バネ281eの弾性力よりも強く設定されている。したがって、上記のように第1操作部281aと第1押動部281bとの一体的な状態を維持したままで、保持部材262を図示時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
また、第1押動部281bの車両後方側の端部には、第1カム孔281bsと第2カム孔281btが形成されている。この第1カム孔281bsと第2カム孔281btは、第1押動部281bから見て車両後方側に配置構成される第2L字リンク292に構成される係合ピン292agと係合する部位である。この第1カム孔281bsと第2カム孔281btは、かかる第2L字リンク292の係合ピン292agと係合することで、第2L字リンク292の回動を規制する機能部位として設けられている。
具体的には、図15、16に図示されるように、第1押動部281bの係合ピン281bgがストッパ5tfと、保持部材262の頭部262c(保持部材262がストライカ5sと係合状態の位置)の間に位置する場合には、第2L字リンク292の係合ピン292agが第2カム孔281btに進入することで、第2L字リンク292の図示時計回り方向の回動を許容する。
一方、図17、18に図示されるように、第1ケーブルC1の牽引操作によって第1押動部281bが第1操作部281aと共に図示上、反時計回り方向に回動操作された際に、第2L字リンク292の係合ピン292agを強制的に第1カム孔281bs内に進入させることで第2L字リンク292が図示反時計回り方向に回動付勢される。
ここで、第1操作部281aと第1押動部281bとの間に設けられた巻きバネ281dの弾性力は、後述する第2L字リンク292の巻きバネ295よりも強く設定されている。したがって、上記のように第1押動部281bが第1操作部281aと共に回動操作された際に、第2L字リンク292を図示反時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
次いで、図15に図示されるように、第2回動部材282は、上述した第1回動部材281とは異なり、第2操作部282aと第2押動部282bが、一直線状に一体形成されている。この第2回動部材282は、支軸282cによって支持板5tに回動可能に軸支連結されている。
そして、上述した第2押動部282bの端部には、係合ピン282bgが装着されている。この係合ピン282bgは、第1ケーブルC1の牽引操作によって第2押動部282bが第2操作部282aと一体的となって図示時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置270の保持部材272の頭部272cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部品して設けられている。
第2押動部282bにおける支軸282cと282bgの間には、ケーブル連結部282bhが設けられており、第5ケーブルC5のインナー部材の端部が掛着されている。また、第5ケーブルC5のアウター部材の端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部5thに掛着されている。これにより、第2回動部材282の回動に伴って第5ケーブルC5が牽引操作されて、操作レバー機構70の係止ブラケット60が車両斜め下方にスライド移動する作動となる。
ここで、この第2操作部282aと、第1押動部281bとの間に連結リンク283がリンク連結されている。この連結リンク283は、図示左側の端部が支軸283aによって第1押動部281bに回動可能に軸支連結されており、図示右側の端部が支軸283bによって第2操作部282aに回動可能に軸支連結されている。
この連結リンク283は、図16〜18に示されるように、第1操作部281aの回動に伴って第1ケーブルC1が牽引操作された際に、第1押動部281bとの連結部である支軸283aが車両後方且つ上方に引き上げられるように作動し、第2操作部282aとの連結部である支軸283bを車両後方且つ上方に引き上げられる動きとして伝達する。そして、第2回動部材282が支軸282cを中心に図示上、時計回り方向に回動する。これにより、第1ケーブルC1の操作力が第1操作部281aから第2操作部282aへと効率的に伝達されるようになっている。
[第2スライドロック装置操作機構290(操作機構)の構成:図15〜19]
次に、操作機構の一構成である第2スライドロック装置操作機構290の構成について説明する。第2スライドロック装置操作機構290は、第2スライドロック装置253のスライドロック解除の操作を行う機構である。第2スライドロック装置操作機構290は、図15〜19に図示されるように第2L字リンク292と、引張バネ293と、第2L字リンク操作部材294と、巻きバネ295から構成されている。
第2L字リンク292は、第1腕部292aと第2腕部292bが、略L字状に一体的に形成されている。第2L字リンク292は、第1腕部292aと第2腕部292bの接合部位において支軸292dによって支持板5tに回動可能に軸支されている。また、支軸292dは、支持板5tを貫通されている。この支軸292dの車両内方側の端部に第2L字リンク292が配設されており、車両外方側(支持板5tの背面側)の端部に第3腕部292mが配設されている。この第3腕部292mは、支軸292dから径方向外方に向かって帯板状の部材が延在しており、先端部にケーブル連結部292mhが設けられている。このケーブル連結部292mhには、第3ケーブルC3のインナー部材の端部が掛着されている。また、第3ケーブルC3のアウター部材の端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部5tcに掛着されている。
第2L字リンク292は、その図示上方に延びる第1腕部292a側の先端部に板面から直交方向に突き出した係合ピン292agが形成されている。この係合ピン292agは、第1押動部281bの第1カム孔281bsと第2カム孔281btの内方に挿通されている。
また、第2L字リンク292は、車両後方側に延びる第2腕部292b側の先端部に、前述した第2スライドロック装置253の操作腕253aの受部253axを押し操作する押部292cが形成されている。この第2L字リンク292は、第2腕部292bの中間に形成されたバネ掛部292kと支持板5tに形成された掛部5teとの間に引張バネ293が掛着されている。第2腕部292bの図示上方側には、支持板5tに一体的に形成されたストッパ5tgが構成されている。これにより、第2L字リンク292は、図示上、反時計回り方向の回動が規制されている。この第2腕部292bがストッパ5tgに当接している位置が初期位置として構成されている。これにより、第2L字リンク292は常時は図示反時計回り方向に回動付勢されるとともに、ストッパ5tgによって回動が規制された状態に保持されている。
第2L字リンク操作部材294は、帯板状の板部材が支軸292dから上方に延在している。第2L字リンク操作部材294の上端側には、ケーブル連結部294b、294cが設けられており、このケーブル連結部294bには、第7ケーブルC7のインナー部材の端部が掛着されている。ケーブル連結部294cには、第11ケーブルC11のインナー部材の端部が掛着されている。また、第7ケーブルC7、第11ケーブルC11のアウター部材の端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部5tbに掛着されている。
この支軸292dは、第2L字リンク292に対して一体的に結合されており、第2L字リンク操作部材294に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。この第2L字リンク操作部材294と第2L字リンク292との間には、第2L字リンク操作部材294を図示反時計回り方向に回動付勢する巻きバネ295が掛着されている。この巻きバネ295は、その一端が前述した第2L字リンク292と一体的となっている支軸292dの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第2L字リンク操作部材294に掛着されて取り付けられている。これにより、第2L字リンク操作部材294は、第2L字リンク292に対して図示反時計回り方向に回動付勢されている。
また、第2L字リンク操作部材294には、第2L字リンク292に対し図示反時計回り方向における回動を規制する回動ストッパー294aが設けられている。これにより、第2L字リンク操作部材294は、巻きバネ295の付勢に抗して図示時計回り方向への回動は許容されているが、図示反時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、第2L字リンク操作部材294は、常時は回動ストッパー294aに当接する姿勢状態に保持されている。
第7ケーブルC7は、操作レバー機構70と連結されている。そのため、操作レバー機構70からの牽引操作によって、第2L字リンク操作部材294が図示時計回り方向に回動されることで、巻きバネ295の付勢によって第2L字リンク292が回動され、第2スライドロック装置253のスライドロックが解除される。
また、第11ケーブルC11は、他端側がスライドレバーSと連結されている。そのため、スライドレバーSからの牽引操作によって、第2L字リンク操作部材294が図示時計回り方向に回動されることで、巻きバネ295の付勢によって第2L字リンク292が回動され、第2スライドロック装置253のスライドロックが解除される。
[第1スライドロック装置操作機構190(操作機構)の構成:図20〜22]
次に、操作機構の一構成である第1スライドロック装置操作機構190の構成について説明する。第1スライドロック装置操作機構190は、第1スライドロック装置153のスライドロック解除の操作を行う機構である。第1スライドロック装置操作機構190は、図20〜22に図示されるように、ベース板191、第1L字リンク192、第1L字リンク操作部材194、引張バネ193、巻きバネ195が構成されている。
ベース板191は、第1L字リンク192、第1L字リンク操作部材194を回動可能に支持するための板状部材であり、クッションフレーム3fに固定されている。
第1L字リンク192は、第1腕部192aと第2腕部192bが、略L字状に一体的に形成されている。第1L字リンク192は、第1腕部192aと第2腕部192bの接合部位において支軸194eによってベース板191に回動可能に軸支されている。この第1腕部192aは、支軸194eから図示車両前方側に向かって帯板状の部材が延在しており、先端部にケーブル連結部192ahが設けられている。このケーブル連結部192ahには、第3ケーブルC3のインナー部材の端部が掛着されている。第1L字リンク192の第2腕部192bは、その図示車両後方且つ上方に向かって帯板状の部材が延在しており、先端部に板面から直交方向に突き出した係合ピン192bgが形成されている。この係合ピン192bgは、第1L字リンク192が図示時計回り方向に回動することで第1スライド機構150のロック爪に隣接する操作腕153aの受部153axを押し操作する。この第1L字リンク192は、第2腕部192bの中間に形成されたバネ掛部192kとベース板191との間に引張バネ193が掛着されている。これにより、第1L字リンク192は、常時は図示反時計回り方向に回動付勢されると共に、図示を省略したストッパによって回動が規制された状態に保持され、かかるストッパに当接している位置(図20参照)が初期位置として構成されている。
第1L字リンク操作部材194は、帯板状の板部材が支軸194eから図示車両後方且つ下方に向かって帯板状の端部194aが延在している。下端側には、ケーブル連結部194b、194cが設けられており、このケーブル連結部194bには、第6ケーブルC6のインナー部材の端部が掛着されている。ケーブル連結部194cには、第10ケーブルC10のインナー部材の端部が掛着されている。
この支軸194eは、第1L字リンク操作部材194に対して一体的に結合されており、第1L字リンク192に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。この第1L字リンク192と第1L字リンク操作部材194との間には、第1L字リンク192を図示時計回り方向に回動付勢する巻きバネ195が掛着されている。この巻きバネ195は、その一端が前述した第1L字リンク操作部材194と一体的となっている支軸194eの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1L字リンク192に掛着されて取り付けられている。これにより、第1L字リンク192は、第1L字リンク操作部材194に対して図示時計回り方向に回動付勢されている。
第1L字リンク操作部材194には、ケーブル連結部194b、194cが延在する方向とは逆の径方向(支軸194eから図示車両前方且つ上方)に回動ストッパー194dが設けられている。回動ストッパー194dは、第1L字リンク192の第1腕部192aと係合する。
これにより、第1L字リンク操作部材194は、巻きバネ195の付勢に抗して図示時計回り方向への回動は許容されているが、図示反時計回り方向の回動範囲の一部が規制されている。よって、第1L字リンク操作部材194は、常時において回動ストッパー194dと第1L字リンク192の第1腕部192aとが当接することで垂下した姿勢状態に保持されている。
第6ケーブルC6は、操作レバー機構70と連結されている。そのため、操作レバー機構70からの牽引操作によって、第1L字リンク操作部材194が図示時計回り方向に回動されることで、巻きバネ195の付勢によって第1L字リンク192が図示時計回り方向に回動されて係合ピン192bgが操作腕153aの受部153axを押し操作することで第1スライドロック装置153のスライドロックが解除される。
また、第10ケーブルC10は、他端側がスライドレバーSと連結されている。そのため、スライドレバーSからの牽引操作によって、第1L字リンク操作部材194が図示時計回り方向に回動されることで、巻きバネ195の付勢によって第1L字リンク192が図示時計回り方向に回動されて係合ピン192bgが操作腕153aの受部153axを押し操作することで第1スライドロック装置153のスライドロックが解除される。
また、第3ケーブルC3は、第2L字リンク292の第3腕部292mと連結されている。そのため、第2L字リンク292が図17の図示反時計回り方向に回動することで、第2スライドロック装置253のスライドロックがなされる。このとき、第2L字リンク292の回動に伴い、第3腕部292mも図示反時計回り方向に回動して、第3ケーブルC3が牽引操作される。そうすると、かかる牽引操作によって、第1L字リンク192が図示反時計回り方向に回動されることで、第1スライドロック装置153のスライドロックがなされる。
次に、各機構間のケーブル配索関係を示す。各ケーブルは、線状のインナー部材が管状のアウター部材の管内に挿通された2重構造となっている。そして、各ケーブルのインナー部材の両端は、各機構における可動する可動部材に線状のインナー部材が連結されている。また、アウター部材の両端は、可動しない固定部材に固定されている。なお、第1ケーブルC1〜第11ケーブルC11の配索構成を中心に説明し連結の詳細構成及び図示は上述したとおりである。
図6に図示されるように、ケーブルは、第1ケーブルC1〜第11ケーブルC11が構成されている。
第1ケーブルC1は、一端が操作レバー機構70の従動リンク50に連結され、他端がロック装置操作機構280の第1操作部281aに連結されている。
第2ケーブルC2は、一端が操作レバー機構70の従動リンク50に連結されている。他端は、第6ケーブルC6と第7ケーブルC7に分岐され、第6ケーブルC6が第1スライドロック装置操作機構190の第1L字リンク操作部材194に連結され、第7ケーブルC7が第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク操作部材294に連結される。
第3ケーブルC3は、一端が第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク292のうち第3腕部292mに連結されており、他端が第1スライドロック装置操作機構190の第1L字リンク192に連結されている。
第4ケーブルC4は、一端が操作レバー機構70の従動リンク50に連結され、他端がロック装置270の切替ブラケット277に連結されている。
第5ケーブルC5は、一端が操作レバー機構70の係止ブラケット60に連結され、他端がロック装置操作機構280の第2回動部材282に連結されている。
第8ケーブルC8は、一端が操作レバー機構70の係止ブラケット60に連結され、他端がリクライニングレバーRに連結されている。
第9ケーブルC9は、一端が操作レバー機構70の従動リンク50に連結され、他端がリクライニングレバーRに連結されている。
第10ケーブルC10は、一端が第1スライドロック装置操作機構190の第1L字リンク操作部材194に連結され、他端がスライドレバーSに連結されている。
第11ケーブルC11は、一端が第2スライドロック装置操作機構290の第2L字リンク操作部材294に連結され、他端がスライドレバーSに連結されている。
次に実施形態の使用方法について説明する。
図1に図示されるように、シート本体1が通常の着座使用される状態においては、シート本体1のシートクッション3は、支持機構5のストライカ5sが各ロック装置260、270のフック261、271に引っ掛けられて(掛着した状態)、抜け止めされた状態に保持されている。またシートバック2はシートクッション3に対して起立した起立状態1Aとされている。
ここで、このシート本体をフロア面Fから起こし上げられて車体壁部Bの位置で起立した格納状態1Dとするために、シート本体1に設けられた操作レバー機構70の起動操作レバーLを後方側に引き操作を行う。具体的には、図6に示す初期位置から、図7に示す回動位置まで移動させる。これにより、切替アーム6aが図示時計回り方向に回動操作され、各リクライニング装置6、6のロック状態が解除されてシートバック2がシートクッション3に対して前方に傾いた前傾状態1Bに切換えられる。
図7に図示されるように、操作レバー機構70(傾動検知手段)の回動ブラケット30がシートバック2と共に図示反時計回り方向に回動することで伝達リンク40と従動リンク50が図示時計回り方向に回動してシートバック2の前傾状態1Bの検知をする。
この従動リンク50の回動に伴って、第1ケーブルC1、第2ケーブルC2、第6ケーブルC6、第7ケーブルC7、第4ケーブルC4が牽引操作される。
第2ケーブルC2、第7ケーブルC7の牽引操作が行われると、第2L字リンク操作部材294と第2L字リンク292の間に介装される巻きバネ295の付勢によって、第2L字リンク292が第2L字リンク操作部材294と共に図示時計回り方向に回動操作される。これにより、第2L字リンク292の第2腕部292bの押部292cが第2スライドロック装置253の操作腕253aの受部253axを押し操作することで、第2スライドロック装置253のスライドロックが解除される。
また、第2ケーブルC2、第6ケーブルC6の牽引操作が行われると、第1L字リンク操作部材194と第1L字リンク192の間に介装される巻きバネ195の付勢によって、第1L字リンク192が第1L字リンク操作部材194と共に図示時計回り方向に回動操作される。これにより、第1L字リンク192の係合ピン192bgが操作腕153aの受部153axを押し操作することで、第1スライドロック装置153のスライドロックが解除される。
また、第4ケーブルC4の牽引操作が行われると、ロック装置270の切替ブラケット277が図示時計回り方向に回動する。
一方、第1ケーブルC1の牽引操作が行われると、支持機構5の支持板5tに構成されるロック装置操作機構280の第1操作部281aが図6に示す初期位置から図7に示す位置に回動する。そうすると、第1操作部281aと第1押動部281bの間に介装される巻きバネ281dの付勢によって、第1押動部281bが第1操作部281aと共に図示上、反時計回り方向に回動操作される。そして、第1押動部281bの係合ピン281bgが、ロック装置260の保持部材262の頭部262cを蹴り動かしてこれを回動操作する。これと共に、連結リンク283、第2回動部材282が連動することで、ロック装置270の保持部材272の頭部272cを蹴り動かしてこれを回動操作する。
しかし、図16に図示されるように、アッパレール252のスライド位置がアッパレール252の凹部252s1,252s2とロアレール251の凹部251s1,251s2とが互いにずれた位置関係となる場合には、各ロック装置260、270の保持部材262,272の解除動作方向へ回動しようとしても、それらの脚部262d,272dがロアレール251の凹部251s1,251s2には受け入れられずに、それぞれ右返し面部251x2の底面と当接してその回動が規制される。
そのため、シート本体1は、各ロック装置260、270のロック状態が保持された状態で、スライド移動が可能な状態となる。
そして、図8に図示されるようにシート本体1を跳ね上げ位置100A(図1参照)までスライド移動させる。すなわち、図17に図示されるように、第2スライド機構250のアッパレール252に形成された凹部252s1,252s2と、ロアレール251に形成された凹部251s1,251s2が互いに合致する位置跳ね上げ位置100Aまで移動する。跳ね上げ位置100Aに移動すると、脚部262d,272dがロアレール251の凹部251s1,251s2には受け入れ可能となり、保持部材262,272は解除動作方向へ回動する。
そして、図8、13、17、22に図示されるように第1操作部281aと第1押動部281bは、反時計回り方向に回動する。このとき、第2L字リンク292の係合ピン292agが第1押動部281bの第2カム孔281btから第1カム孔281bs内に強制的に進入されることで第2L字リンク292が図示反時計回り方向に回動付勢される。そして、第2L字リンク292の引張バネ293の付勢が働くため、第2スライドロック装置253は再びスライドロック状態となる。
そうすると、第3腕部292mが図示反時計回り方向することで第3ケーブルC3が牽引操作されて第1L字リンク192が図示反時計方向に回動して第1スライドロック装置153もスライドロック状態となる。
一方、図8、13、17、22に図示されるように第2回動部材282が図示時計回り方向に回動することで、第5ケーブルC5が牽引操作される。この第5ケーブルC5の牽引操作がなされると、シートバック2と一体に回動する回動ブラケット30の係合ピン34の回動軌道上から退避した位置にスライド移動する。これにより、シートバック2は、バネ部材2sの付勢によってシートクッション3の上側に畳み込まれる位置まで自動的に倒し込まれて前倒れ状態1Cの姿勢となる。
ここで、保持部材262とロック爪253cの間には、規制ブラケット254が構成されている。この規制ブラケット254は、規制ブラケット254は、第2スライドロック装置253のロック爪253cが貫通孔252h・・,251h・・に貫通して挿通されるスライドロック状態が完了するまで、保持部材262の頭部262cの回動軌跡内に進入して保持部材262の回動を規制する。
これにより、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了するまでロック装置260、270(連結分離切替機構)をロック状態が解除(分離状態)とする作動を規制する規制機構として構成されている。
図9、13、18、22に図示されるように、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了すると、規制ブラケット254による保持部材262の回動規制が解除される。そのため、図9に図示されるように、第1押動部281bの係合ピン281bgは、ロック装置260の保持部材262の頭部262cを更に蹴り動かす。また、第1押動部281bと連結リンク283によって連動する第2回動部材282の第2押動部282bに構成される係合ピン282bgがロック装置270の保持部材272の頭部272cを更に蹴り動かす。これにより、各ロック装置260、270のロック状態は、一斉に解除される。すなわち、跳ね上げ位置検知手段が作動する。
そして、図1に図示されるようにロック装置260、270が分離可能な状態において、回転ヒンジ機構4の巻きバネ4s(跳ね上げ付勢手段)によりシート本体1の跳ね上げ作動が行われる。また、支持板5tは、シート本体1がフロア面Fから起こし上げられる際に、この動きに連動して車体側から配索されたワイヤー等の牽引部材(図示省略)に牽引されて、シートクッション3の底面部3bに畳み込まれて収納凹部3dに収納される。こうして、シート本体1は、車体壁部Bに格納されて格納状態1Dとなる。これにより、シート本体1が設置されていたフロア面F上のスペースが空けられるため、この設置スペースを荷室スペース等の他の目的スペースとして利用することが可能となる。
また、図10に図示されるように、格納状態1Dから、シート本体1がフロア面F上に落とし込まれる動きによって前倒れ状態1Cに戻すと、ストライカ5sがフック261、フック271と当接し、このストライカ5sによって図示下方に押し込まれるようになっている。そして、この押し込みにより、ストライカ5sがフック261、271の開口形状に入り込んで両者がロックした状態となる。このとき、フック271の図示時計回り方向の回動に伴って、切替ブラケット277が反時計回り方向に回動することで第4ケーブルC4が牽引操作される。これにより、従動リンク50が巻きバネ52bの付勢に抗して図示反時計回り方向に回動し第2ブラケット20を図示反時計回り方向に押し動かして初期位置(図6参照)に復帰する。
一方、図23に図示されるように、シートバック2が起立状態1Aの状態でスライド移動可能な状態の際に、リクライニングレバーR(解除レバー)を回動操作すると係止ブラケット60の係止の解除がなされてシート本体1はバネ部材2sの付勢によって前倒れ状態1Cとなる。
このとき、リクライニングレバーR(解除レバー)は、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253も連動操作してスライドロック状態に作動させる。
すなわち、リクライニングレバーRの操作によって第9ケーブルC9が牽引操作されて従動リンク50は、反時計回り方向に付勢される。また、従動リンク50の係合ピン54との回動軌跡上に第2ブラケット20の係合ピン20aが位置している。これにより、従動リンク50は、回動しないため、ロック装置操作機構280、第1スライドロック装置操作機構190、第2スライドロック装置操作機構290の作動はしない。そのため、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253はスライドロックが解除せずシート本体1を前倒れ状態1Cのままフロア面F上にとどめる。これにより、上記した前倒しされたシートバック2の背面(シート本体1の上面)をテーブル面として利用することが可能となる。
また、図24に図示されるように、かかるテーブル状態のシート本体1に対し、起動操作レバーLによる起動操作がなされると、第1ブラケット10の図示反時計回り方向の回動に伴って、第2ブラケット20の係合ピン20aが従動リンク50の係合ピン54との回動軌跡上から退避する。これにより、従動リンク50が巻きバネ52bの付勢によって、図示時計回り方向に回動する。これにより、ロック装置操作機構280、第1スライドロック装置操作機構190、第2スライドロック装置操作機構290の作動する。そして、跳ね上げ位置100Aまでシート本体1がスライド移動可能となる。シート本体1は跳ね上げ位置100Aまで移動すると、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253がスライドロック状態となり、ロック装置260、270が分離状態となってシート本体1の跳ね上げ作動が行われる。このように、シート本体1を格納状態1Dとしたり、折畳んだ姿勢でフロア面F上にとどめてテーブル面として利用したりする使い分けの操作が行えるようになっている。
このように、本実施形態の車両用シートによれば、スライド機構100によるシート本体1のスライド範囲における予め定められたシート本体1の跳ね上げ位置100Aを検知する跳ね上げ位置検知手段を備えている。これにより、シート本体1の跳ね上げ位置100Aへの位置合わせは、目視によって操作する必要が無くなり、跳ね上げ位置検知手段によって容易に判別することができる。また、シート本体1は、跳ね上げ位置検知手段の跳ね上げ位置100Aの検知に基づいてロック装置260、270(連結分離切替機構)のロック状態が解除状態(分離状態)に切替える構成とされており、操作性の向上を図ることができる。
また、シート本体1は、跳ね上げ位置100Aまでスライド移動する際は前傾状態1Bとされ、跳ね上げ位置100Aに位置すると前傾状態1Bから前倒れ状態1Cとなって車室内側面方向に跳ね上げて格納される。そのため、シートバック2の姿勢によって、シート本体1が跳ね上げ位置100Aに位置するか否かを視覚的に把握することができるため操作性の向上が図られる。
また、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)とロック装置260、270(連結分離切替機構)との間には、規制機構が構成されている。この第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)のスライドロック状態が完了するまでロック装置260、270(連結分離切替機構)のロック状態が解除(分離状態)とする作動を規制するものである。ここで、跳ね上げ位置100Aに位置するシート本体1がスライドロックされない状態のまま、ロック装置260、270(連結分離切替機構)によってロック状態が解除(分離状態)とされて跳ね上げ作動が行われた場合には、再度シート本体1と第2スライド機構100を跳ね上げ位置100Aにおいて連結することが困難になるおそれがある。かかる状態を防ぐために、規制機構によってロック装置260、270(連結分離切替機構)とスライド機構100の作動を規制し信頼性の向上を図ることができる。
また、シート本体1を前倒れ状態1Cとした状態でリクライニングレバーR(解除レバー)の操作によって係止ブラケット60(係止手段)の係止が解除されると共に、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)がスライドロック状態とされる。これにより、シートバック2の背面をテーブルとして活用することができる。これにより、車両用シートは、座席としての本来的に備える機能以外に活用することができ、利便性が向上する。
また、シート本体1がテーブル状態において、起動操作レバーLによる起動操作がなされると、跳ね上げ位置100Aまでシート本体1がスライド移動可能となる。
シート本体1は跳ね上げ位置まで移動すると、第1スライドロック装置153、第2スライドロック装置253(スライドロック機構)がスライドロック状態となり、ロック装置260、270(連結分離切替機構)が分離状態となってシート本体1の跳ね上げ作動が行われる。そのため、シート本体1は、テーブル状態からでも起動操作レバーLによる起動操作によって、格納状態1Dまでの連動操作が可能となる。そのため格納状態1Dにするために、わざわざシートバック2を起立状態1Aとする必要がなくなり、より一層操作性の向上が図られている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の車両用シートは、本実施形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。
1 シート本体
1A 起立状態
1B 前傾状態
1C 前倒れ状態
1D 格納状態
2 シートバック
2f バックフレーム
2b バネ掛けブラケット
2s バネ部材(傾動付勢手段)
3 シートクッション
3f クッションフレーム
3b 底面部
3d 収納凹部
3s 前倒れストッパ
4 回転ヒンジ機構(回転ヒンジ機構)
4s 巻きバネ(跳ね上げ付勢手段)
5 支持機構
5s ストライカ
5t 支持板
5ta ケーブル掛部
5tb ケーブル掛部
5tc ケーブル掛部
5td バネ掛部
5te バネ掛部
5tf ストッパ
5tg ストッパ
6 リクライニング装置
6a 切換アーム
6c 係合ピン
6e ころ
6r 切換軸
6t 固定リング
6xロッド部品
8 支軸
8b 巻きバネ
10 第1ブラケット
11 操作部
12 支軸
12b 巻きバネ
20 第2ブラケット
20a 係合ピン
22 回動ストッパー
30 回動ブラケット
32 スライドピン
34 係合ピン
40 伝達リンク
42 長孔
50 従動リンク
52 支軸
53 回動ストッパー
54 係合ピン
55 ケーブル連結部
56 ケーブル連結部
57 ケーブル連結部
58 ケーブル連結部
60 係止ブラケット(係止手段)
62 支軸
62b 巻きバネ
64 回動ストッパー
70 操作レバー機構(傾動検知手段)
100 スライド機構
150 第1スライド機構
151 ロアレール
152 アッパレール
153 第1スライドロック装置(スライドロック機構)
153a 操作腕
153ax 受部
153ay 押部
190 第1スライドロック装置操作機構(操作機構)
191 ベース板
192 第1L字リンク
192a 第1腕部
192ah ケーブル連結部
192b 第2腕部
192bg 係合ピン
192k バネ掛部
193 引張バネ
194 第1L字リンク操作部材
194a 端部
194b ケーブル連結部
194c ケーブル連結部
194d 回動ストッパー
194e 支軸
195 巻きバネ
250 第2スライド機構(跳ね上げ位置検知手段)
251 ロアレール
251h 貫通孔
251s1,251s2 凹部
251u 下面部
251w スライド孔
251x1 右側面部
251x2 右返し面部
251y1 左側面部
251y2 左返し面部
252 アッパレール
252a1 右側面部
252a2 右ひれ面部
252b1 左側面部
252b2 左ひれ面部
252b3 支持面部
252h 貫通孔
252s1,252s2 凹部
253 第2スライドロック装置(スライドロック機構)
253a 操作腕
253ax 受部
253ay 押部
253b 支軸
253c ロック爪
253ct 突板
253d 支軸
254 規制ブラケット(規制機構)
260、270 ロック装置(連結分離切替機構)
261,271 フック
261a,271a 支軸
261b,271b 係止凸部
261c,271c 頭部
261d,271d 受部
261e,271e 押さえ部
262,272 保持部材
262a,272a 支軸
262b,272b 係止凹部
262c,272c 頭部
262d,272d 脚部
263,273 引張バネ
274 第3ブラケット
275 回動ストッパー
276 巻きバネ
277 切替ブラケット
277a 係合ピン
277b ケーブル連結部
277c 支軸
280 ロック装置操作機構(操作機構)(跳ね上げ位置検知手段)
281 第1回動部材
281a 第1操作部
281ah ケーブル連結部
281b 第1押動部
281bg 係合ピン
281bn バネ掛部
281bs 第1カム孔
281bt 第2カム孔
281bu ストッパ
281c 支軸
281d 巻きバネ
281e 引張バネ
282 第2回動部材
282a 第2操作部
282b 第2押動部
282bg 係合ピン
282bh ケーブル連結部
282c 支軸
283 連結リンク
283a 支軸
283b 支軸
290 第2スライドロック装置操作機構(操作機構)(跳ね上げ位置検知手段)
292 第2L字リンク
292a 第1腕部
292ag 係合ピン
292b 第2腕部
292c 押部
292d 支軸
292k バネ掛部
292m 第3腕部
292mh ケーブル連結部
293 引張バネ
294 第2L字リンク操作部材
294a 回動ストッパー
294b ケーブル連結部
294c ケーブル連結部
295 巻きバネ
C1 第1ケーブル
C2 第2ケーブル
C3 第3ケーブル
C4 第4ケーブル
C5 第5ケーブル
C6 第6ケーブル
C7 第7ケーブル
C8 第8ケーブル
C9 第9ケーブル
C10 第10ケーブル
C11 第11ケーブル
L 起動操作レバー
B 車体壁部
F フロア面(車体構成部材)
R リクライニングレバー(解除レバー)
S スライドレバー

Claims (4)

  1. シートクッションとシートバックとを有するシート本体は車両の床面等の車体構成部材との間に設けられたスライド機構によりスライド移動可能に車体構成部材に設置されており、該シート本体はシートバックがシートクッションに対して起立した起立状態、前倒れした前倒れ状態、及び前記起立状態と前倒れ状態との中間に位置する前傾状態の3位置を設定することができ、前倒れ状態では車室内側面方向に跳ね上げて格納することのできる車両用シートであって、
    前記スライド機構は第1スライド機構と第2スライド機構がシート本体の両側に位置して車両前後方向に平行に配設され、スライド方向の任意の位置でスライドロックして位置決めを行うスライドロック機構が設けられており、
    車室の側面側に配設される第1スライド機構側にはシート本体を車室側面方向に跳ね上げる跳ね上げ付勢手段を備えた回転ヒンジ機構が設定されており、
    車室の内方側に配設される第2スライド機構側には該第2スライド機構とシート本体との連結を分離可能とする連結分離切替機構が備えられており、該連結分離切替機構の分離状態で前記跳ね上げ付勢手段によりシート本体の跳ね上げ作動が行われる構成となっており、
    前記シート本体にはシートバックを前記起立状態から前傾状態、更には前倒れ状態方向へ傾動付勢する傾動付勢手段が設けられており、該傾動付勢手段は前記シートバックの起立状態において起動操作レバーにより起動操作されてシートバックの傾動がなされる構成となっており、
    前記傾動付勢手段によるシートバックの傾動は前記前傾状態の位置で一端係止させる係止手段が設けられており、該係止手段の係止の解除によりシートバックは前記前倒れ状態まで傾動される構成となっており、
    そして、前記シート本体の前傾状態を検知する傾動検知手段を備えており、前記傾動検知手段による検知に基づいて、前記スライドロック機構が解除されてシート本体がスライド移動可能となる構成とされており、
    前記スライド機構によるシート本体のスライド範囲における予め定められたシート本体の跳ね上げ位置を検知する跳ね上げ位置検知手段を備えており、
    前記連結分離切替機構と前記スライドロック機構とは該両機構を連動して操作することのできる操作機構により操作される構成とされており、
    該操作機構による前記両機構の連動操作は、前記跳ね上げ位置検知手段による跳ね上げ位置の検知に基づいて
    前記係止手段によるシートバックの傾動係止が解除されてシートバックが前傾状態から前倒れ状態とされて、前記スライドロック機構はスライドロック状態となる操作が行われると共に、前記連結分離切替機構は分離状態となり、シート本体が跳ね上げ位置で自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記操作機構によるスライドロック機構と連結分離切替機構との連係作動において、前記シート本体の跳ね上げ時において前記スライドロック機構のスライドロック状態が完了するまで前記連結分離切替機構を分離状態とする作動を規制する規制機構によりその作動が規制される構成となっていることを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートであって、
    前記係止手段の係止の解除を行うことのできる解除レバーが別途備えられており、該解除レバーは前記スライドロック機構も連動操作する構成とされており、前記係止手段の係止の解除操作の際には、スライドロック機構をスライドロック状態に作動させて、シート本体をテーブル状態として利用できることを特徴とする車両用シート。
  4. 請求項3に記載の車両用シートであって、
    シート本体がテーブル状態において、起動操作レバーによる起動操作がなされると、
    前記傾動検知手段による検知に基づいて、前記スライドロック機構が解除されてシート本体がスライド移動可能となり、
    該操作機構による前記連結分離切替機構と前記スライドロック機構の連動操作により、前記跳ね上げ位置の検知に基づいて、前記スライドロック機構はスライドロック状態となる操作が行われると共に、前記連結分離切替機構は分離状態となり、シート本体が跳ね上げ位置で自動的にシート本体の跳ね上げ作動が行われることを特徴とする車両用シート。
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