JP2013017150A - カナル型受話器用イヤーピース及びそれを利用したカナル型受話器、並びにカナル型受話器を利用した聴診器及び補聴器 - Google Patents

カナル型受話器用イヤーピース及びそれを利用したカナル型受話器、並びにカナル型受話器を利用した聴診器及び補聴器 Download PDF

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Abstract

【課題】前後音の識別を可能とし、かつ明瞭で自然な聴音ができ、同時に両耳聴音においては頭内定位を解決したインナー型受話器と片耳聞音のみでも前後音の識別、上下前後にわたる音場が再生可能な受話器を提供する。
【解決手段】発音体の音波放射方向を示す音波放射軸51、52を外耳道の一部側壁に向けて音波を放射する手段を用いた受話器とすることにより頭外定位と高音質な受話器が実現した。更に片耳用に複数の発音体56、57を備えて複数の音波放射軸51、52をそれぞれ外耳道壁の異なる所定部位に向けて音波を放射することにより片耳聴音でも前方音と後方音の識別が可能となり、インナー型サラウンドヘッドホンや聞きたい音が聞きやすい補聴器や聴診器等が可能となった。
【選択図】図5b

Description

発明の詳細な説明
本発明はインナー型受話器のイヤーピース及びインナー型受話器に関し、例えばイヤホン、ヘッドホン、サラウンドヘッドホン、ノイズキャンセリングヘッドホン、携帯型ゲーム機、3Dゲーム機用受話器、3Dテレビ用受話器、移動通信機器、航空機シュミレーターや戦闘機の戦闘シュミレーター、補聴器、電子聴診器を含む聴診器、航空機内で使用する音響機器、携帯型音響機器などに好適なものである。
受話器は音を聴くための多くの聴音機器に使用されている。耳に被すようにつくられた覆いの中に受話器を組み込んだものがヘッドホンであり、受話器自体を耳穴に直接差しこむ栓状のものがイヤホンやインナー型受話器である。携帯電話などの電話機器、マイクから集音した音を電気的に増幅した後に受話器によって集音した音情報を鼓膜つたへる補聴器などにも使用されている。受話器はスピーカーなどの発音体をハウジングに収め、耳介や外耳道口や外耳道内へ発音体の音波を放射して使用する。インナー型受話器使用においてはイヤーピースが必要となる。ヘッドホンにおいては耳介機能を活用した文献が散見されている。
特開2010−287927 特開2010−268038 特開2006−222962 特開2005−117594 (特許公開2006−246415)
従来のインナー型受話器での片耳聴音(片方の耳だけで聞く聴音、単耳聴音とも言う)は不明瞭かつ不自然であり、ヘッドホンやイヤホン、イヤホン使用の電話(携帯電話も含む)、ことに補聴器においては不自然な聴音のため使用困難な人も存在している。両耳聴音においても音が頭の中で鳴ってしまう頭内定位の問題がいまだ解決されたとは言えない。また上方向からの音と下方向からの音の識別可能な受話器も提示されていない。
頭内定位解決のため[特許文献3]と[特許文献4]が公開されている。
また従来の補聴器は片耳聴音に関しては聞きたい音と聞きたくない音を聞き分けることが困難となる問題点があった。
本願の目的は片耳聴音のみでも前後にわたる音場を再生可能とするインナー型受話器を使用することで前後音の識別を可能とし、かつ明瞭で自然な聴音ができ、同時に両耳聴音においては頭内定位を解決したインナー型受話器と片耳聞音のみでも前後音の識別、上下前後にわたる音場が再生可能な受話器と該受話器を活用した聴診器や聞きたい音だけが聞きやすい補聴器を提示することにある。
本発明のインナー型受話器に使用する発音体とはスピーカーまたはその他の電気音響変換素子または聴診器においてはチェストピースの振動膜あるいはドーム型の閉塞された収音部を形成するキャビティから突設した先端から音を放出する略筒状の音導管に接続した音導チューブの他端の音波放射口をもチェストピース型発音体としてこれをも含むこととする。
発音体を収めたハウジングに設けられた音波放射用の略筒状の音導管をハウジング音導管と称し、ハウジング音導管を有するハウジングに収めた発音体を発音体ユニットと称することとする。以下で述べるイヤーピースとは、このハウジング音導管に嵌合する管あるいは音導管を埋設した筒状部を有するイヤーピースのことであり、筒状部の一端側に連結し筒状部の外側にそれを覆うように傘状に延在する傘状部を有しても良い。特に指定のない場合は本願イヤーピースや受話器の横断面図は全て上から見た横断面図であり正面図とは鼓膜側から見た正面図を示す。
音波放射軸について図1(a)で発音体としてスピーカーを用いた例で示すと音電気信号を音波に変換する発音体10の中心と発生音波の進行方向での音波の中心とを結ぶ軸を音波放射軸11と称し、矢印は音波の進む方向を示す。また発音体ユニットに音導管を接続する場合、発音体と接続する音導管の他端の音波を放射する音導管の断面を音波放射断面(b)12と称し、1つの音導管を1つの発音体ユニットに接続した複合体を以後音導管発音体と称する。図1(b)の13は音導管を曲げた場合の音導管発音体の音波放射軸を示し音波放射断面の中心から音波放射断面に対して垂直な軸となる。解りやすくするためハウジング音導管と接続した管状部外周のイヤーピースの傘状部部位を除去した図である。14は発音体ユニット、17はハウジング音導管と接続した音導管、19はハウジング音導管を示す。
図1(c)は本願発明の一部であるインナー型受話器の一例の概略横断面図である。インナー型受話器においてハウジング音導管と嵌合接続する(以後単に接続と称する)イヤーピース筒状部内の音導管図1(c)16を備えるインナー型受話器においては、ハウジング音導管15とイヤーピース筒状部内の音導管、あるいはハウジング音導管に接続された音導管は機能として同じであるため以後これらを共に管内音導管と総称することとする。管内音導管の音波放射断面12の中心から発生音波の進行方向での音波の中心とを結ぶ軸を音導管音波放射軸13と称し図1(c)において18で示す。矢印は音波の進む方向を示す。以後音波放射軸と音導管音波放射軸との両方は共に音波放射方向を示すためこの両方を方向音波放射軸と総称することとする。
図2は外耳道面での頭部横断面図を示す。図2(a)はイヤーピースの先端が挿入された外耳道部位23の外耳道の中心軸21あるいは従来のインナー型受話器26の外耳道に挿入するイヤーピースの中心軸22(b)を示し24は耳珠、25は耳介である。本願発明の中心事項はインナー型受話器が外耳道に挿入されている部位での外耳道の中心軸とこのインナー型受話器の発音体ユニットの方向音波放射軸とが平行とならないように図3(a)の301、図3(b)の302で示す発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁の一部に向けて音波を放射する構造とする。306は管内音導管である。
発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁の一部に向けて音波を放射すると放射された外耳道壁の部位の違いによって鼓膜への音波の伝達の仕方に違いが生じ、この違いが音情報の1つである音の到来方向の情報となることが判明した。即ち外耳道壁の異なる部位へ方向音波放射軸を向けて音波を放射すると異なる方向からの到来音波として知覚することが出来き、かつ音質の向上も達成されていることが判明した。これは新たな外耳道機能の発見である。音波を一旦外耳道壁に反射させると音波が効率よく鼓膜へ到達され音質の向上が生じたと想定される。
図3は外耳道における頭部横断面図である。(a)に示す様にインナー型受話器においてイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で発音体ユニットの方向音波放射軸301を外耳道の前頭部側の側壁303に向けて音波を放射すると前方音として、図3(b)に示す様に発音体ユニットの方向音波放射軸302を外耳道の後頭部側の側壁304に向けて音波を放射すると後方音として知覚できる。図3の305は外耳道中心軸である。図4は頭部の外耳道部での縦断面図であり、(a)の様に方向音波放射軸402を外耳道の上面404に向けて音波を放射すると上方向からの音として、図4(b)の様に方向音波放射軸401を外耳道の下面403に向けて音波を放射すると下方向からの音として知覚されることが判明した。405と406は管内音導管、400は耳介を示す。
ここで言う外耳道の前頭部側の側壁とは外耳道の鼻側がわの側壁のことであり外耳道の後頭部側の側壁とは外耳道の後頭部がわの側壁のことである。
従って発音体ユニットの方向音波放射軸を所定の外耳道壁部位へ向けて音波を放射させるように管内音導管を配設したイヤーピースを使用したインナー型受話器の構造であれば所望の方向から到来した音として聴取できるインナー型受話器が提供可能となる。従って外耳道に音導管を挿入して音波を鼓膜へ伝達する聴音装置において管内音導管の方向音波放射軸を所定の外耳道壁に向けて音波を放射すれば所望の方向から到来した音として聴取できる聴音装置や受話器を提供できる。
このように発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁の一部に放射することにより到来音の方向が認知されかつ頭外定位し、しかも立ち上がりの良い高音質な聴音が可能となる効果が得られ、更に頭内定位よりも前方定位させる方が広い空間の音場で聴けるため定位分解能が高まる効果も得られる。
イヤーピース内の音導管の方向音波放射軸がイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に音導管を配設したイヤーピースを前方音イヤーピースと称することとする。
前方音イヤーピースに発音体ユニットを接続した受話器を以後前方定位受話器と称し、これを左右一組使用すれば前方定位したステレオ用インナー型受話器となる。イヤーピース内の音導管ではなくてハウジング音導管を延長して前方音イヤーピース内の音導管の代用としても同様な効果が得られる。またヤーピース内の音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内の音導管を配設したイヤーピースを後方音イヤーピースと称し、後方音イヤーピースに発音体ユニットを接続した受話器を以後後方定位受話器と称する。前方定位受話器と後方定位受話器を備えた受話器とすれば前後の音場が再生可能となる。
イヤーピースを使用する受話器においてイヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を備え、第1音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設し、第2音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設したイヤーピースを前後音イヤーピースと称し、第1発音体を収めた発音体ユニットを第1発音体ユニットとし、第1発音体ユニットのハウジング音導管と第1音導管を接続し、第2発音体を収めた発音体ユニットを第2発音体ユニットとし、第2発音体ユニットのハウジング音導管と第2音導管を接続した受話器とすれば前後の識別が可能な前後の音場再生受話器となる。これを以後前後音場受話器と称する。この場合第1発音体ユニットは前方音担当用発音体ユニットであり第2発音体ユニットは後方音担当用発音体ユニットとなる。以後前方音を担当する発音体ユニットを前方発音体ユニットと称し、後方音を担当する発音体ユニットを後方発音体ユニットと称することとする。
上記イヤーピース内の第1音導管と第2音導管ではなくて発音体ユニットのハウジング音導管を延長してイヤーピース内の第1音導管あるいは第2音導管の代用としても同様な効果が得られる。イヤーピース内の第2音導管を第1音導管より長くし、第2音導管に接続した発音体ユニットからの音波を遅延させて鼓膜へ到達させれば第2音導管から放射される音波で間接音効果が得られ、前方定位がより明確となり分解能が向上する。
例えば第2音導管の一部をコイル状とするのも遅延時間を確保するのに有効である。
この前後音場受話器を使用すれば片側の耳のみ受話器を使用して音を聞く片耳聞音においても前後の音場が再生可能な受話器となる。図5(a)は右耳用の前後音場受話器の正面図で58は前方音の音波放射口、59は後方音の音波放射口を示す。図5(b)は右耳用の前後音場受話器の横断面図である。54は前方音用管内音導管、55は後方音用管内音導管、56は前方発音体ユニット、57は後方発音体ユニットである。図5(a)は前後音場受話器の外耳道における装着横断面図である。506は外耳道中心軸、507は耳珠、508は対輪、504は前方音用管内音導管、505は後方音用管内音導管である。
この前後にわたる音場を再生できる前後音場受話器を左右一対備えればサラウンド再生が可能なインナー型受話器となる。
図4の外耳道での縦断面で示す様に図4(a)の発音体の方向音波放射軸402をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の上壁404に向けて音波を放射する発音体ユニットを使用した方式の受話器を以後上方定位受話器と称し図4(b)の様に発音体の方向音波放射軸401をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の下壁403に向けて音波を放射する発音体ユニットを使用した方式の受話器を以後下方定位受話器と称することとする。
前後音場受話器にこの上方定位受話器と下方定位受話器を構成する2種類の発音体ユニットを加えれば上下前後音場を聞き分けることが可能となる。
図8に示すイヤーピースはイヤーピース筒状部806内に第1音導管85と第2音導管86と第3音導管87と第4音導管88の4本の音導管を配置した右耳用イヤーピースと該4本の音導管に4個の発音体ユニットを接続した概略図であって第1音導管の音導管音波放射軸を外耳道の上壁へ向け、第2音導管の音導管音波放射軸を外耳道の前頭部側の側壁へ向け、第3音導管の音導管音波放射軸を外耳道の下壁へ向け、第4音導管の音導管音波放射軸を外耳道の後頭部側の側壁へ向けて該4本の音導管を配置した筒状部の構成を有するイヤーピースを示し、このイヤーピースを以後上下前後音イヤーピースと称することとし、第1音導管に上方音用発音体を納めた第1発音体ユニット84に接続し、第2音導管に前方発音体を収めた第2発音体ユニット81を接続し第3音導管に下方音用発音体を収めた第3発音体ユニット83を接続し第4音導管に後方発音体を収めた第4発音体ユニット82を接続した受話器とすれば上下前後方向からの到来音の方向を識別可能な受話器となる。以後この受話器を上下前後音場受話器と称する。
またイヤーピース筒状部内の音導管ではなくて発音体ユニットのハウジング音導管を延長して第1音導管あるいは第2音導管あるいは第3音導管あるいは第4音導管の代用としても同様な効果が得られる。
上下前後音イヤーピースの第4音導管とこれに接続する後音用発音体ユニットを省略して簡素化したイヤーピースを上下前音イヤーピースと称し図25(a)に右耳用の上下前音イヤーピースの概略斜視図を示す。イヤーピース筒状部内に第1音導管2501と第2音導管2502と第3音導管2503の3本の音導管を配置し第1音導管の音導管音波放射軸を外耳道の上壁へ、第2音導管の音導管音波放射軸を外耳道の前頭部側の側へ、第3音導管の音導管音波放射軸を外耳道の下壁へ向けて3本の音導管をイヤーピース筒状部に配置したイヤーピースとし第1音導管に上方音用発音体を納めた発音体ユニット2504を接続し第2音導管に前方発音体を納めた発音体ユニット2505を接続し第3音導管に下方音用発音体を納めた発音体ユニット2506を接続した受話器とすれば上下前方向からの到来音の方向を識別可能な右耳用上下前音受話器となる。(b)は左耳用上下前音受話器を示す。これらの受話器を以後上下前音場受話器と称する。またイヤーピース筒状部内の音導管ではなくてそれぞれの発音体ユニットのハウジング音導管を延長してイヤーピースの第1音導管あるいは第2音導管あるいは第3音導管の代用としても同様な効果が得られる。以後前方発音体を収めた発音体ユニットを前方発音体ユニットと称し、後方発音体を収めた発音体ユニットを後方発音体ユニットと称することとする。
以下で述べる直接音とは聞きたい音の音波発生源から最短時間で耳に入力される音のことであり間接音音とは音波発生源からの音波が周囲の環境物体で一旦反射した後に直接音より長い時間を経過して耳に入力される音のことである。
インナー型受話器において1つのイヤーピースの筒状部内にN本(Nは2以上の整数)の音導管を備えこのイヤーピース内のN本の音導管の有する方向音波放射軸の外耳道側壁に対する入射角度をそれぞれ変えてそれぞれの音導管に対応したN個の発音体ユニットを接続することによりイヤーピース筒状部内の音導管数と同数の異なる方向からの音源方向情報を鼓膜に入力させることが可能となる。即ちN方向の識別可能なNチャンネル受話器となる。図6にN=3の場合の右耳用前方3チャンネル受話器の一例の概略横断面を示す。601は第1チャンネル用発音体ユニットを示し、602は第2チャンネル用発音体ユニットと603は第3チャンネル用発音体ユニットであり、604と605と606は方向音波放射軸を示し、607はイヤーピース傘状部、611はN1の音導管、612はN2の音導管、613はN3の音導管を示す。
このN本の音導管の内の最短の音導管に接続した発音体ユニットを直接音用とし他の発音体ユニットを間接音用とすれば前方定位した高音質な臨場感に富む音が受聴できる。直接音担当の発音体ユニットの音導管放射軸はイヤーピースが外耳道に前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設する。自然な聴音においては聞きたい直接音とその他の無数の間接音が上下左右前後の多数の方向から到来してその音が鼓膜に入力されているのでNの数を増加させればより自然な聴音に近づけることが可能となる。
この複数発音体ユニットのうちイヤーピース内の最短の音導管と接続した発音体ユニットを直接音担当の発音体ユニットとし、最短の音導管以外の音導管と接続した発音体ユニットを間接音担当の発音体ユニットとする。間接音担当発音体ユニットは直接音用発音体ユニットを駆動する音声信号を所定の時間遅延させた音声信号で駆動すればより高音質な受話器となる。遅延時間の生成には間接音担当発音体ユニットと接続する音導管の長さを種々の長さとするかまたは遅延時間生成装置付きアンプで所定の遅延時間を生成して間接音用発音体ユニットを駆動すれば良い。以下で述べる遅延処理装置とは電気信号の信号レベルを調節した後に所定時間遅延させる装置のことである。また受話装置とは受話器とこれを駆動するアンプを含めた装置のこととする。
1例を図9のブロック図で示すとステレオ構成において右あるいは左チャンネルの音声信号を直接音として音声信号1とすると図9(a)は間接音用のN個の異なる遅延処理装置付きアンプの入力信号を音声信号1とした場合を示し、図9(b)は右チャンネルが直接音の音声信号1とした場合は左チャンネルを音声信号2とし、左チャンネルを音声信号1とした場合は右チャンネルを音声信号2としてN個の間接音用の異なる遅延処理装置付きアンプの入力信号を音声信号2とした場合を示す。この様な構成アンプによってより自然な聴音が可能なステレオヘッドホンとなる。人は聴音において環境状況により反射された間接音が時間差を持って左右両耳にも入力しているはずであるからである。Nは自然数である。
前方発音体とは聴音時に前方から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のこととし、後方発音体とは聴音時に後方から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のこととする。
同様に上方発音体とは聴音時に上方向から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のこととし、下方発音体とは聴音時に下方向から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のこととする。
1つの発音体ユニットに複数の音導管を接続して複数の音導管の音波放射軸を形成するか又は図10に示す様に1つの発音体ユニットに1本の音導管を接続しこれを主音導管101と称し、この主音導管を更に複数に分岐し、この分岐した音導管を分枝音導管102と称すると分枝音導管も音導管であるため、それぞれの分枝音導管の音波放射軸はそれぞれ独立した1つの音波放射軸としての機能を有することが判明した。104は発音体ユニット、105はハウジング音導管を示す。図10で示す様に複数の分枝音導管の方向音波放射軸は交差させた後に標的とする外耳道壁へ音波を放射させるように配設しても良い。
以後この分枝音導管の音波放射軸を分枝音導管音波放射軸103と称し、主音導管と分枝音導管とを含めて多分岐音導管と称することとし、この多分岐音導管をイヤーピース筒状部内に備えたイヤーピースを分枝音導管イヤーピースと称することとする。イヤーピース筒状部内の音導管ではなくてハウジング音導管105を延長して多分岐音導管の代用としても同様な効果が得られる。
分枝音導管の長さを同じ長さとしても明瞭な聴音が出来るが分枝音導管の長さをそれぞれ異なる長さとした場合、分枝音導管のうち最短の分枝音導管は直接音用として分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて配置させ、その他の分枝音導管音波放射軸を間接音用としてそれぞれ異なる外耳道壁に向けるよう配置すればより自然な音の前方音として聴音が可能となる。該分枝音導管と主音導管を含めて前方音用分枝音導管イヤーピースと称することとする。
分枝音導管イヤーピースを使用することで1つの発音体ユニットからでも分枝音導管の長さを変えることで1つの直接音と多数方向からの間接音を鼓膜へ入力させることが可能となる。以後複数の分枝音導管を持つ主音導管に接続した発音体ユニットを多音波放射軸発音体ユニットと称する。図7(a)に3本の分枝音導管の例の概略図を示す。(a)は横断面図で(b)は鼓膜側から見た正面図である。71は主音導管、73と74は72の直接音用分枝音導管に対して遅延時間を持たせた間接音効果を有する分枝音導管である。従って1つの多音波放射軸発音体ユニットを受話器として使用することであたかも分枝音導管と同数の発音体ユニットで構成された音波放射軸を有する受話器と同様に多方向から到来する多数の音波情報を鼓膜へ入力伝達が可能となる。
分枝音導管の長さを同じ長さとしても明瞭な聴音が出来るが分枝音導管の長さをそれぞれ異なる長さとした場合、分枝音導管のうち最短の分枝音導管は直接音用として分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて配置させ、その他の分枝音導管音波放射軸を間接音用としてそれぞれ異なる外耳道壁に向けるよう配置、該分枝音導管とこれに接続した主音導管を含めて後方音用分枝音導管イヤーピースと称することとする。
またこの分枝音導管のそれぞれの長さを変えることにより分枝音導管を有しない発音体ユニットと比べて多方向から、かつ多数の遅延時間を経て放音する音波放射軸が生成されるためこの多音波放射軸発音体ユニットを使用した受話器とすれば多数の間接音をも含めて聴音できる結果として立体的で立ち上がりの良い高音質な音を受聴出来る効果が生じる。
以後長さの異なる分枝音導管を持つイヤーピースを遅延分枝音導管付きイヤーピースと称し図31(a)に右耳用で分枝音導管の一部をコイル状としたより長い遅延時間を生成する遅延分枝音導管付きイヤーピースの概略図を示す。3101は発音体ユニットとの接続口を示し、3103は直接音音波放射口、3104は間接音音波放射口を示す。
イヤーピース内の最短の音導管を第1音導管とし、該第1音導管より長いN本(Nは自然数)の長さの異なる遅延時間生成用の音導管を有するイヤーピースをDN音導管付きイヤーピース(DNのDは遅延用を意味しNは音導管数を示す)と称し最短の音導管を第1音導管と称し直接音用音導管とする。その他の遅延用音導管をD管と総称し、1本以上のD管を有する場合D管を識別するために個々の遅延用音導管をDN音導管(Nは自然数)とし、例えばD1とは1本の遅延用音導管を有していることを示しD2とは2本目の遅延用音導管を示している。
図31(b)は1本の遅延時間生成用の音導管の一部をコイル状としたD1音導管付きイヤーピースを示し、3102は第1音導管、3105はD1音導管で間接音用発音体ユニットとの接続口を示し、3103は直接音音波放射口、3104はD1音導管の音波放射口を示す。
(a)、(b)ともに解りやすくするためイヤーピース内の音導管の形状のみを示す。3100の破線はイヤーピース傘状部を示す。
図13(a)は外耳道の一部134の模式概略図である。発音体ユニットの方向音波放射軸が外耳道壁と交わる点を通る矢状面135に対する方向音波放射軸137の矢状面に対する入射角を矢状面軸入射角131とし、図13(b)も同様に外耳道134の一部の模式概略図であり方向音波放射軸が外耳道壁と交わる点を通る横断面136に対する方向音波放射軸137の入射角を横断面軸入射角132とすると1つのハウジング内に複数の発音体ユニットを収め、複数の発音体ユニットと接続する複数の音導管を有するイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で複数の発音体ユニットの方向音波放射軸あるいは多音波放射軸発音体ユニットの分枝音導管音波放射軸をそれぞれ異なる外耳道壁部位へ向けるか、あるいは同じ外耳道壁部位であっても矢状面軸入射角あるいは横断面軸入射角が異なる角度となるようにイヤーピース内に配設することによって多数の方向からの到来音波情報を鼓膜へ伝達させることができる。多音波放射軸発音体あるいは矢状面軸入射角あるいは横断面軸入射角あるいはその両方の異なる複数の発音体ユニットで受話器を構成すればより多方向からの音情報を鼓膜へ入力できる。
1つのイヤーピース内に第1多分岐音導管と第2多分岐音導管を配設し第1多分岐音導管の最短の分枝音導管の分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて配置させ第2多分岐音導管の最短の分枝音導管の分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて配置させ、第1多分岐音導管の主音導管を第1主音導管、第2多分岐音導管の主音導管を第2主音導管と称し、該イヤーピースを前後多分岐音導管イヤーピースと称することとする。前後多分岐音導管イヤーピースの第1主音導管に直接音担当発音体ユニットを接続し第2主音導管に間接音担当発音体ユニットを接続したインナー型受話器とすればより自然な聴音が可能となる。
前後多分岐音導管イヤーピースはサラウンド再生も可能での第1主音導管に前音用発音体ユニットを接続し、第2主音導管に後音用発音体ユニットを接続すればより自然なサラウンド聴音が可能となる。
インナー型受話器においてイヤーピース筒状部内の音導管の音波放射端面(図1の12)から該音導管と接続する発音体ユニットのハウジング音導管までの間、あるいはハウジング音導管内に凸物を配置すればこれを音波拡散器または音波反射器あるいはその両方の機能を持つ音波反射拡散器として機能させることが出来る。図12(a)はハウジング音導管内に備えた音波反射拡散器123の概略横断面図であり図12(b)はイヤーピース筒状部の音導管に備えた音波反射拡散器124の概略横断面図を示す。(c)は右耳用の音波反射拡散器付きイヤーピースを鼓膜側から見た図12(b)の正面図で125は音波反射拡散器断端であり126は音波放射口で、120はイヤーピースの傘状部である。
この音波拡散器または音波反射器あるいはその両方の機能を持つ音波反射拡散器の形状は、図12(a)で示す様に発音体から放射された音波122がこの音波拡散器または音波反射器に反射して標的とする所定の外耳道壁へ一様に反射、拡散して放射される形状であれば良い。拡散された音波は無数の音波放射軸121と同等の機能を有しより自然な聴音となる効果が出現する。
この音波拡散器及び音波反射器の効果は聴音した音が刺激的な音とならず、自然で柔らかい音が聴取可能となる。自然に到来する音は間接音も含めて多数の方向から外耳道壁へ伝達されているはずであり音波拡散器及び音波反射器を配置すれば音波が標的とする外耳道壁へ拡散されて放射されるためより自然な音へ近づけるのに有効である。特に高音において効果が著明である。この音波拡散器または音波反射器はイヤーピース筒状部の音導管の内側面の一部分あるいはハウジング音導管内の一部に突物を構成すれば良い。材質や形状は音波を反射出来ればよい。音導管の音波放射端面から延出した支持片部を形成し該支持片部に音波拡散器または音波反射器をイヤーピース音波放射端面から離して鼓膜よりに配置しても良い。また音波反射拡散器の代わりとして図5(c)のごとく音導管の内腔形状をホーン型形状として音波を標的とする外耳道壁へ拡散されて放射しても良い。510はハウジング音導管と接続する内腔に形状を示し、509は音波放射口の内腔形状を示す。図5(d)は鼓膜側から見た内腔形状をホーン形状とした前後音場受話器の音波放射口を示し514は前方音用の音波放射口、515は後方音用の音波放射口を示す。
航空機の客席で使用されるチューブ式(音導管式)ステレオイヤーホンにおいても頭内定位した不自然な音でしか聴音できない欠点があった。航空機の客席で使用されるチューブ式ステレオイヤーホンにおいても本発明の前方定位受話器の原理を活用して外耳道に挿入するイヤーピース内のチューブの音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース筒状部内に音導チューブを配設すれば前方定位した聴音が可能となる。このようにイヤーピース筒状部内に配設された音導チューブを前方定位チューブと称し、これを使用した受話器を前方定位チューブ受話器と称することとする。これを左右1組で使用すれば前方定位するチューブ式のステレオイヤーホンとなる。
本発明の後方定位受話器の原理を活用して外耳道に挿入するチューブの音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース筒状部内に音導チューブを配設すれば後方定位した聴音が可能となる。前方定位チューブと後方定位チューブの両チューブを1つのイヤーピース筒状部内に配したイヤーピースを前後音場チューブイヤーピースと称しこの前後音場チューブイヤーピースを使用した受話器を前後音場チューブ受話器と称する。前後音場チューブ受話器を使用すれば前後音を聞き分けることが出来る。左右一対で使用すればサラウンド再生が可能となる。
またサラウンド再生において前後音イヤーピースを用い前方発音体ユニットからの音を導音する前方音用チューブを前後音イヤーピースの第1音導管と接続し、後方発音体からの音を導音する後方音用チューブを前後音イヤーピースの第2音導管と接続しても良い。
聴診器への応用も可能でイヤーピースを備える聴診器において聴診器のステート部と該ステート部に接続した音導チューブと、該音導チューブを左耳用音導チューブと右耳用音導チューブとの2本に分岐し、分岐した2本のチューブの先喘部分をそれぞれ本願発明の前方音イヤーピース、あるいは遅延分枝音導管付きイヤーピース図31(a)3101に接続すれば前方定位した高音質な聴診が可能な聴診器を構成できる。
上記聴診器において両耳用として2本に分岐したチューブのうち左耳用音導チューブを更に左前用音導チューブと左後用音導チューブの2本に分岐し同様に右耳用音導チューブを更に右前用音導チューブと右後用音導チューブの2本に分岐し、分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左前用音導チューブは左前後音イヤーピースの第1音導管あるいは左のD1音導管付きイヤーピース第1音導管と接続し、右前用音導チューブは右前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右のD1音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左後用音導チューブは左前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、右後用音導チューブは右前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左後用音導チューブが左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、また左後用音導チューブが右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続すればより明瞭な聴診音が聴取可能となる。
図34に示す様にD1音導管の代わりにより長い遅延時間を確保するには前後音イヤーピースを使用し、左後用音導チューブ3408と右後用音導チューブ4309の一部をコイル状としても良い。3406は左前用音導チューブ、 3407は右前用音導チューブである。
ステレオ聴診器についてもチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左右2つのキャビティそれぞれから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備えたチェストピースとし、以後このチェストピースをステレオチェストピースと称することとし左キャビティの音導管に左用音導チューブを接続し、左用音導チューブの他端を左の前方音イヤーピースと接続し、右キャビティの音導管に右用音導チューブを接続し、右用音導チューブの他端を右の前方音イヤーピースと接続すれば前方定位したステレオ聴診が可能な聴診器となる。
上記ステレオ聴診器において左耳用音導チューブを更に左前用音導チューブと左後用音導チューブの2本に分岐し同様に右耳用音導チューブを右前用音導チューブと右後用音導チューブの2本に分岐して分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左前用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは左の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管に接続し右前用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左後用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し右後用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左後用音導チューブが左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続している場合は右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続し、左後用音導チューブが右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続している場合は左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続する。
遅延音導管付きイヤーピースD1音導管の代わりにより長い遅延時間を得るには左右の後方音用音導チューブの一部をコイル状とする。図29に概略外観図を示す。遅延効果を持たせた左方音後用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管に接続し、右後方音用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管に接続すればより前方定位が明確となりかつ左右の音像定位がより明確となる効果が得られる。
上下前音イヤーピースあるいは上下前後音イヤーピースを活用した聴診器として振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央から上下左右に4分割する仕切り部材により仕切り、各仕切られた4つのキャビティからそれぞれ突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備えたチェストピース全体を4分割チェストピースと称し、図27(b)は被検生体側から振動膜を見た図で右上から時計周りに第1キャビティの振動膜2701、第2キャビティの振動膜2702、第3キャビティの振動膜2703、第4キャビティの振動膜2704と称し、図27(c)のごとく上記4分割チェストピースのチェストピース中心を軸に右、あるいは左に45度右回転させても良い。この場合被検生体側から振動膜を見て上から時計周りに第1キャビティ2701、第2キャビティ2702、第3キャビティ2703、第4キャビティ2704としてこれを4分割45チェストピースと称する。
図33(a)は振動膜の反対側の上から見た4分割45チェストピースの概略図で3301は第1キャビティの音導管で第1音導管、3302は第2キャビティの音導管で第2音導管、3303は第3キャビティの音導管で第3音導管、3304は第4キャビティの音導管で第4音導管と称することとする。図33(b)は振動膜をはずして左下より見たキャビティを示し3305が第1キャビティ、3309は第1キャビティの音導管口、3306は第2キャビティ、3307第3キャビティ、3308は第4キャビティ、3310は第4キャビティの音導管口、3311は仕切り部材である。
上下前音イヤーピースと4分割45チェストピースを使用すれば明確な前方定位と上下左右の聴診音の移動の判別が可能となる。4分割45チェストピースの第1キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第1音導管に接続し、第2キャビティの音導管と左の上下前音イヤーピースの第2音導管に接続し、第3キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第3音導管に接続し、第4キャビティの音導管と右の上下前音イヤーピースの第2音導管に接続する。
図8に示す上下前後音イヤーピースを活用すれば上下と左右の音場の定位がより明確な聴診が可能となるため聴診音の上下左右定位の識別や聴診音の移動方向の識別も可能となる。即ち上下前後音イヤーピースを使用しかつ4分割45チェストピースを使用した聴診器において第1キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐しそれぞれを左右の上下前後音イヤーピース第1音導管に接続し、第3キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐しそれぞれを左右の上下前後音イヤーピース3音導管に接続し、第4キャビティの音導管に接続した音導チューブは右分枝音導チューブ1と右分枝音導チューブ1と同長かより長い右分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、同様に第2キャビティの音導管に接続した音導チューブも左分枝音導チューブ1と左分枝音導チューブ1と同長かより長い左分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、それぞれ右分枝音導チューブ1は右の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、左分枝音導チューブ1は左の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、右分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続する。または右分枝音導チューブ2を右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続しても良い。
イヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を配置しイヤーピースが外耳道に挿入される部位において第1音導管の音波放射軸は外耳道前頭部側壁に向けてかつ横断面と矢状面と冠状面に対して略45度で斜め上側面に向け、第2音導管の音波放射軸は外耳道前頭部側壁に向けてかつ横断面と矢状面と冠状面に対して略45度で斜め下側面に向けて配置したイヤーピースを上下45イヤーピースと称する。図35の(a)は鼓膜側から見た右耳用の上下45イヤーピースの正面図で3501は第1音導管の音波放射口、3502は第2音導管の音波放射口を示し(b)は鼓膜側から見た左耳用の上下45イヤーピース正面図で3503は第1音導管の音波放射口、3504は第2音導管の音波放射口を示し、(c)は左耳用の上下45イヤーピース正面図から見た第1音導管の音波放射軸3505と第2音導管の音波放射軸3506の方向を示す。
両方向音波放射軸とも横断面、矢状面、冠状面に対して略45度の角度で第1音導管と第2音導管を配設する。
図36に上下45イヤーピースの第1音導管に第1発音体ユニットを接続し、第2音導管に第2発音体ユニットを接続した上下45受話器の概略斜視図を示す。(a)は右耳用上下45受話器で3601Rは上下45イヤーピースの第1音導管、3603Rは第1発音体ユニット、3602Rは上下45イヤーピースの第2音導管、3604Rは第2発音体ユニット、(b)は左耳用上下45受話器で3601Lは上下45イヤーピースの第1音導管、3603Lは第1発音体ユニット、3602Lは上下45イヤーピースの第2音導管、3604Lは第2発音体ユニット、3600は上下45イヤーピースの筒状部、3605は上下45イヤーピースの傘状部。
4分割チェストピースの第1音導管と左の上下45イヤーピースの第1音導音管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第2音導管と左の上下45イヤーピースの第2音導管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第3音導管と右の上下45イヤーピースの第2音導管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第4音導管と右の上下45イヤーピースの第1音導とを導音チューブで接続すれば上下左右の音場が聴診可能な聴診器を構成でき、その効果は上下左右の聴診音の定位や聴診音の移動の識別が可能となることである。
電子聴診器用のチェストピースとしては突出した音導管を持たない4分割チェストピースを密閉4分割チェストピースと称し同様に音導管を持たない4分割45チェストピースを密閉4分割45チェストピースと称してこれを用いることとする。
電子聴診器であって聴診器のステート部に配置にされた集音マイクからの電気信号をアンプで増幅して左右の前方定位受話器を駆動すれば前方定位した聴診音が聴取可能となる。
また電子聴診器であって前後音場受話器を使用し聴診器のステート部に配置にされた集音マイクからの電気信号をアンプで増幅して左右の前方発音体ユニットを駆動し、同時に集音マイクからの出力を所定時間遅延生成装置付きアンプに入力しその出力で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動すればより明確な前方定位した聴診音が聴取可能となる。
ステレオ電子聴診器とする場合はチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた右キャビティ内に右マイクを配置し、左キャビティ内に左マイクを配置して左のマイクからの電気信号を増幅器1で増幅して左の前方定位受話器を駆動し、右のマイクからの電気信号を増幅器2で増幅して右の前方定位受話器を駆動すれば前方定位した高音質な聴診音が聞けるステレオ電子聴診器となる。
ステレオ電子聴診器であって前後音場受話器を使用し、チェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左キャビティ内に左用マイクを配置して該左マイクからの電気信号をアンプ1で増幅して左の前方発音体ユニットを駆動し、右キャビティ内に右用マイクを配置し該右マイクからの電気信号をアンプ2で増幅して右の前方定位受話器を駆動し、同時に左用マイクからの電気信号を所定の遅延処理装置付きアンプ1に入力し、右マイクからの電気信号を所定の遅延処理装置付きアンプ2へ入力し、遅延処理装置付きアンプ1の出力を右後方発音体ユニットあるいは左後方発音体ユニットへ出力し、遅延処理装置付きアンプ2の出力を遅延処理装置付きアンプ1が右後方発音体ユニットへ出力している場合は左後方発音体ユニットへ出力し、遅延処理装置付きアンプ1が左後方発音体ユニットへ出力している場合は右後方発音体ユニットへ出力すればより前方定位が明確なステレオ電子聴診器となる。
密閉4分割チェストピースと上下45受話器を使用した電子聴診器とすれば更に明確な音場再生により音源定位の優れた高音質な電子聴診器を提供することが出来る。
密閉4分割チェストピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して上下45受話器図36(b)の発音体ユニット3603Lを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して発音体ユニット3604Lを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して図36(a)の発音体ユニット3604Rを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して図36(a)の発音体ユニット3603Rを駆動する。
同様に密閉4分割45チェストピースと上下前イヤーピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して図25(a)の発音体ユニット2504及び(b)の発音体ユニット2510を駆動し第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して図25(b)の発音体ユニット2511を駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して図25(a)の発音体ユニット2506及び(b)の発音体ユニット2512を駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して(右)図25(a)の発音体ユニット2505を駆動しても同様な効果がえられる。
本願発明の上下前後音場受話器を電子聴診器の受話器として使用すれば上下左右の音場が聞ける聴診器となる。
電子聴診器においても図28に示した右用上下前後音場受話器(a)と左用上下前後音場受話器(b)を使用すればさらに高音質な電子聴診器を提供することが出来る。密閉4分割45チェストピースにおいて各仕切られた4つのキャビティの中にそれぞれ1個ずつ計4個マイクを配設し被検生体側から振動膜を見て時計まわりに上から第1キャビティに第1マイク、第2キャビティに第2マイク、第3キャビティに第3マイク、第4キャビティに第4マイクを配設する。
第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して発音体駆動装置1により左右の上下前後音場受話器の発音体ユニット284Rと284Lを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して発音体駆動装置3により左右の上下前後音場受話器の発音体ユニット283Rと283Lを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して発音体駆動装置2で左の発音体281Lユニットを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して発音体駆動装置4で発音体ユニット281Rを駆動する。
また図37のブロック図のように密閉4分割45チェストピースと上下前後音場受話器を使用しかつ遅延装置を使用すればより前方定位が明確となる。第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して発音体駆動装置1により左右の上下前後音場受話器の第1発音体ユニット(図28の284Rと284L)を駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して発音体駆動装置3により左右の上下前後音場受話器の(図28の283Rと283L)を駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して左発音体駆動装置2で左第2発音体ユニット(図28の281L)を駆動し、同時に第2増幅器の出力信号を左遅延処理装置にも入力して左遅延処理装置からの出力信号を右発音体駆動装置4に入力して右発音体駆動装置4で右第4発音体ユニット(図28の282R)を駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して右発音体駆動装置2にて右第2発音体(図28の281R)を駆動し、同時に第4増幅器の出力信号を右遅延処理装置にも入力して右遅延処理装置からの出力信号を左発音体駆動装置4で左第4発音体ユニット(図28の282L)を駆動する。
更に図38のブロック図に示す様に第1増幅器の信号を遅延処理装置1に入力し該出力信号を第3増幅器からの信号とともに混合器3で混合して発音体駆動装置3へ入力して左右の上下前後音場受話器の第3発音体ユニットを駆動し、第3増幅器の信号を遅延処理装置3に入力し該出力信号を第1増幅器からの信号とともに混合器1で混合して発音体駆動装置1へ入力して左右の上下前後音場受話器の第1発音体ユニットを駆動することを追加することでより前方定位と上下方向の定位の聴音がより明確となる。
図32に上下前後音場受話器を使用した電子聴診器の概略外観図を示す。3201Lは左の上下前後音場受話器、3201Rは右の上下前後音場受話器、3202は電子聴診器全体を保持する首掛けストラップ、3203Lは左上下前後音場受話器駆動信号線を埋設した可撓性チューブ、3203Rは右上下前後音場受話器駆動信号線を埋設した可撓性チューブ、3204は電源スイッチ付き音量調節ツマミ、3205は遅延時間調節ツマミ 3206は内部に電池、及びマイクからの電気信号を増幅する増幅回路、遅延時間生成増幅器等の電子装置が収納された本体部、3207は4本のマイクコードを埋設した可撓性チューブ、3209は第1キャビティ3210は第2キャビティ、3211は第3キャビティ、3212は第4キャビティ、3218はキャビティ仕切り部材、3213は第1マイクに接続した信号線、3214は第2マイクに接続した信号線、3215は第3マイクに接続した信号線、3216は第4マイクに接続した信号線である。
次に本願受話器の補聴器への応用を述べる。
片耳用補聴器においては1つのマイクで環境音を集音し補聴処理後1つの発音体で音波を生成し環境情報音を鼓膜へ伝達する方式が一般的である。
従来の補聴器では聞きたい音と聞きたくない音とを聞き分けることが困難となる問題点があった。この原因はマイクから集音された環境音情報を前後の音場で聞かせるのではなく1つの発音体で全てを同一方向からの到来音として聴取させているためと考えられる。
また片耳聴音用補聴器を2個使用し、左右ステレオ再生させて到来音の左右の方向感を改善した補聴器も存在しているが前後音の識別が不可能であり頭内定位の問題も解決されていない。片耳聴音で前後からの到来音の方向が識別聴音可能でかつ聞きたい音だけが聞き取りやすい補聴器は存在していなかった。
以後で述べる耳甲介の中央とは図11(a)で示す耳珠114の最も後頭部よりの稜線を通る冠状面111と対輪115の最も後頭部よりの稜線を通る冠状面113との中間の冠状面112が通る耳甲介部位を言う。冠状面とは生物の体を腹側(前)と背側(後)に分割する任意の平面のことである。図11(b)は耳甲介の中央の冠状面の斜視図を示す。また図22(a)で示す耳珠対対珠対輪稜線面224(斜線の部分)とは耳珠221の稜線と対珠222及び対輪223の稜線とで囲まれた面を示す。図22(b)は外耳道225部位での頭部横断面での耳珠対対珠対輪稜線面224を示す。
以後前方向から到来する環境音情報を電気変換するマイクロホンを前方マイク、後方向から到来する環境音情報を電気変換するマイクロホンを後方マイクと単に称する。また図16で示すマイク受音面161の中心からマイク受音面に対して垂直に集音対象音源方向に伸ばした軸をマイク集音軸162と称する。
本願で提供する補聴器は少なくとも前方マイクからの音信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクからの音信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池を備えて補聴処理手段1と補聴処理手段2の出力信号を音響信号に変換する受話器として本願発明の前後音場受話器を備えた構造の補聴器とする。前方マイクからの到来音は補聴処理手段1を経て前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動して、前方に定位させて聴音させ、後方マイクからの到来音は補聴処理手段2を経て前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動し、後方に定位させて聴音すると前方マイクと後方マイクで捉えた到来音を前後に広がった音場として聞ける。この前後に広がった音場の中から聞きたい音の到来方向に意識を集中させれば聞きたい音だけが聞き取りやすくなる効果が得られる。
上記で述べた補聴処理手段とはマイクからの音声信号を増幅し発音体を駆動させる手段であって聴音に役立つバンドパスフイルターや雑音抑制、ハウリング抑制処理などをも含めた手段のことである。補聴器の説明図においては解りやすくするため補聴処理手段と電池は省略している。
耳掛式補聴器への応用においては左装着用の耳掛式補聴器の概略斜視図を図17(a)に示す様に耳輪後方に装着する筐体内7112あるいはその上部あるいはその近傍に前方マイクの集音軸172を矢状面170に対して0度より大きくかつ90度より小さい範囲内の角度174で配設し、後方マイクの集音軸173を矢状面に対して90度より多くかつ180度より小さい角度175で配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと電池を該筐体内に備え、補聴処理手段1の出力で前方発音体ユニットを駆動し補聴処理手段2の出力で後方発音体ユニットを駆動し前方発音体ユニット及び後方発音体ユニットにそれぞれ接続した音導管にて音波を筐体より導出し該音導管の先端部にイヤーピースを装着し該イヤーピースの先端が挿入される外耳道において前方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸176を外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸177を外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するよう配設すれば前後の音場を聞くことが可能となる。また前後音イヤーピースを使用して前方発音体ユニットに接続された音導管を前後音イヤーピースの第1音導管へ接続し、後方発音体ユニットに接続された音導管を前後音イヤーピースの第2音導管に接続しても良い。
図17(b)も同じ左装着用耳掛式補聴器であり178は前方マイク、179は後方マイク、1710は前方音波放射口、1711は後方音波放射口、1712は筐体、7113は前後音イヤーピースの第1音導管へ接続した音導管、7114は前後音イヤーピースの第2音導管へ接続した音導管である。
上記耳掛式補聴器において筐体内に発音体ユニットを配置せずに前後音場受話器を使用し補聴処理手段1と補聴処理手段2からの出力信号を信号線にて筐体から導出し前方向の環境音出力信号は補聴処理手段1で前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動し、後方向の環境音出力信号は補聴処理手段2で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動する構成としても良い。
耳穴式補聴器への応用においては図18で耳穴式補聴器装着時の外耳道での頭部横断面を示すとケース1812内に前方発音体ユニット1802と後方発音体ユニット1804と電気回路装置である補聴処理手段1と補聴処理手段2と電池を備え、外耳道での右耳装着横断面図18(a)に示す様にケースの一部から耳甲介中央あるいは対輪方向へ延出した支片部181を形成し、これに前方マイク189のマイク集音軸182を矢状面180に対して0度より大きくから90度より小さな角度183の範囲内で配設し、後方マイク1811の後方マイク集音軸185を耳珠対対珠対輪稜線面184を通過するよう該支片部に配置しても良いが本図では本体ケースに配置1811し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2を備え補聴処理手段1の出力信号は前方発音体ユニットを駆動し補聴処理手段2の出力信号は後方発音体ユニットを駆動し、外耳道内に挿入されるケースの先端の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸1801を前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設し、後方発音体ユニットの方向音波放射軸1803は外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設すればよい。1824は補聴処理手段1、1825は補聴処理手段2、1814は電池を示す。
前方マイクのマイク集音軸を図18(b)1810に示す様に耳甲介中央近傍から対輪方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面184を通過しないようにケース本体に配置しても良い。
図19に実際の装着図を示す。191は前方マイク、192は後方マイク、193は支片部である。
以下で述べる耳珠基底部とは図23で示す耳珠内側面の斜線領域232よりも下部位で耳珠を支えている部位から外耳道口へ連なる部位で図24斜線領域233を示す。230は外耳道口、231の耳珠である。
外耳道内で収まるサイズであるディープカナル型補聴器への応用において外耳道での装着時の横断面を図21に示す。前方マイクと後方マイクと前方発音体ユニットと後方発音体ユニットの位置関係を示し、ケース内に前方発音体ユニット2101と後方発音体ユニット2102とを備え、前方マイク2106は前方マイク集音軸2103を図23の斜線部232で示す耳珠内側面または耳甲介中央近傍から対輪までの領域方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面2100即ち図22(a)及び(b)の224を通過しないようにケースに配置し、後方マイク2107は後方マイク集音軸2104が耳珠対対珠対輪稜線面2100を通過する方向か、あるいは後方マイク集音軸2104を図24の斜線部233で示す耳珠基底部(耳珠を支えている部位)から外耳道口周囲に連なる部位に向けてケースに配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池をケース内に収め、補聴処理手段1で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2で後方発音体ユニットを駆動し、外耳道挿入部の音波放射口から前方音用方向音波放射軸2111を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射し、外耳道挿入部の音波放射口から後方音用方向音波放射軸2112を外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射するよう配設すればよい。
(第1の実施形態)
以下図5を参照して本発明を実施するための最良の形態のひとつとしてインナー型の前後音場受話器を説明する。
図5(b)は右耳用インナー型前後受話器の概略横断面図を示し、1つのイヤーピース筒状部503内に第1音導管54と第2音導管55の2本の音導管を配し第1音導管を前方音用音導管として前方発音体ユニット56のハウジング音導管501に接続し該前方音用音導管の音波放射端面における方向音波放射軸51をイヤーピースが外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース内に配設し、第2音導管を後方音用音導管として後方発音体ユニット57のハウジング音導管502に接続し該後方音用音導管の音波放射端面における方向音波放射軸52をイヤーピースが外耳道に挿入されている状態で外耳道の後頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース筒状部内に配設する。図5(a)は右耳用で外耳道へ挿入するイヤーピースを鼓膜側から見た正面図であり58は前方音用音波放射口、59は後方音用音波放射口、53はイヤーピースの傘状部を示す。ハウジング音導管を延長して第1音導管と第2音導管の代用兼用としても良い。
管内音導管の内腔の形状が音波放射端面において開くホーン型形状としても良い。図5(c)にホーン型形状の管内音導管の内腔の1例の斜視図を示す。509は音波放射端面、510は発音体ユニットとの接続端腔を示す。図5(d)は右耳用で管内音導管の内腔形状をホーン型とした場合の鼓膜側から見たイヤーピースの正面図で514は前方音用音波放射端面、515は後方音用音波放射端面、513はイヤーピースの傘状部を示す。
この前後音場受話器を左右一対で使用すればインナー型受話器によるサラウンド再生用ヘッドホンとなる。
(第2の実施形態)
図8(a)に右耳用の上下前後音場受話器の概略斜視図を示し、図8(b)には解りやすくするため前音導管と後音導管は省略した上下音導管のみの縦断面の概略図を示す。前方発音体である第2発音体ユニット81と後方発音体である第4発音体ユニット82と上方音用発音体である第1発音体ユニット84と下方音用発音体である第3発音体ユニット83の4個の発音体ユニットで構成し図5で示した前後音場受話器に更に上下に垂直に並べられた上位音導管85と下位音導管86の2本の音導管をイヤーピース内に追加し、上位音導管85を上方音用音導管として上方音用発音体ユニット84を接続し、上方音用発音体の方向音波放射軸806図8(b)はイヤーピースが外耳道に挿入される外耳道の上部壁に向け、追加したもう1本の下位音導管86を下方音用音導管として下方音用発音体ユニット83を接続し、下方音用発音体の方向音波放射軸807図8(b)はイヤーピースが外耳道に挿入される外耳道の下部壁に向けイヤーピース筒状部内に配置する。図8(c)は鼓膜側から見た右の上下前後音場受話器正面図を示す。801は前方音放射口、802は後方音放射口、803は下方音放射口、804は上方音放射口、805はイヤーピースの傘状部である。
(第3の実施形態)
図7(a)は右耳用のイヤーピース筒状部内に3本の分枝音導管を配置した多音波放射軸発音体ユニットを使用した受話器の概略横断面図を示す。主音管71から分岐した3本の分枝音導管の音波放射軸はそれぞれ矢状面にたいして異なる入射角をなすよう配置する。最短の音導管72は前方定位に寄与する直接音用でありその方向音波放射軸はイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース筒状部内に配設し、その他の音導管は間接音用の音導管としてその音波放射軸を最短の分枝音導管と同側73と反対側74の外耳道壁へ向けて配置した例を示す。70は発音体ユニットである。図7(b)は(a)で示したイヤーピースの正面図で3本の分枝音導管の音波放射口を示す。直接音の音波放射口75、直接音と同側の間接音音波放射口76、直接音と反対側の後頭部側の間接音音波放射口77を示す。
(第4の実施形態)
図12に音波反射拡散器を持つ受話器の形態を示す。外耳道内に挿入する音導管(管状部)を有するインナー型受話器においてイヤーピース筒状部内の音導管の音波放射端面(図1の12)から該音導管と接続する発音体ユニットのハウジング音導管までの間の内腔に音波拡散作用と音波反射作用を持つ表面が滑らかな音波反射拡散器を備えた右耳用の実施形態を図12に示す。(a)と(b)は横断図で(c)は鼓膜側から見た正面図を示す。(a)は音波反射拡散器123をハウジング音導管内に備えた例を示し、その形状は発音体から放射された音波122がこの音波反射拡散器に反射してイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に拡散して音波が放射される形状とする。図12(b)では音波反射拡散器はイヤーピースで構成する部材のイヤーピース筒状部内の音導管の内側面の一部分をなだらかな曲面を持つ突状に盛り上げた構造124とした例を示す。図12(c)はイヤーピース内の音導管内側面に音波反射拡散器を有する(b)の鼓膜側から見た図で125は音波反射拡散器断端面、126は音波放射口、120はイヤーピースの傘状部である。
(第5の実施形態)
図14(a)はチューブ式ヘッドホンの概略図であっての右耳挿入用イヤーピースとチューブの概略斜視図を示す。主に航空機の客席で使用されるチューブ式(音導管式)のステレオイヤーホンである。イヤーピース筒状部145内のチューブ音導管の音波放射端面でのチューブの音導管音波放射軸をイヤーピース140の先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側側壁に向けて音波をイヤーピースの音波放射口からチューブ内に備えた反射拡散器を用いて前頭部側の外耳道壁に向けて放射させる。図14(c)は反射拡散器142を使用した形態の1例である横断面を示す。140は傘状部である。図14(b)は右耳挿入イヤーピースを外耳道口側から見た正面図であり音波放射口143と反射拡散器断端面142を示す。
(第6の実施形態)
このチューブ音導管を左右一対使用すれば前方に頭外定位したチューブ式ステレオイヤーホーンとなる。
サラウンド装置として前後音イヤーピースを使用し図15に示す様に図14で示した右耳挿入用イヤーピース筒状部内に前方用チューブ音導管151と後方音用チューブ音導管152を配設する。後方音用チューブ音導管の音波放射先端部位での音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側壁に向けてサラウンドの後方音音波をイヤーピースの音波放射口からチューブ内に備えた反射拡散器を用いて放射させるよう備えたサラウンド装置の形態を示す。
図15は前方音用反射拡散器156と後方音用反射拡散器157を使用した右耳用のチューブ式前後イヤーホーンの形態を示す。15図(a)に前後音場再生可能なチューブ式ヘッドホンの右耳挿入イヤーピースとチューブの概略斜視図を示す。前方音用チューブ音導管と後方音用チューブ音導管を1つのイヤーピース筒状部内に配置する。これを左右一対備えればサラウンド再生可能なチューブ式のサラウンド受話器となる。図15(b)は右耳挿入イヤーピースの外耳道口側から見たイヤーピースの正面図であり前方音用音波放射口153と後方音用音波放射口154であり155は前後の反射拡散器の断端面を示す。図15(c)はイヤーピースの横断面図における前方用反射拡散器156、後方用反射拡散器157の形状の1例を示す。158は前方音用チューブ音導管、159は後方音用チューブ音導管である。
(第7の実施形態)
図17(b)に左耳装着用耳掛式補聴器の実施形態の概略斜視図を示す。耳輪後方に装着する筐体7112の上部に前方マイク178と後方マイク179の2つを備え、前方マイクの集音軸を矢状面に対して0度より大きくかつ90度より小さい範囲内の角度図17(a)174で配設し、後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より多くかつ180度より小さい角度図17(a)175に配設する。前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理手段2と前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと電池を該筐体内に備え、前方マイクの出力信号は補聴処理手段1を経て前方発音体ユニットへ出力し、後方マイクからの出力信号は補聴処理手段2を経て後方発音体ユニットへ出力する。前方発音体ユニットに接続した音導管7113及び後方発音体ユニットに接続した音導管7114にて音波を導出し該前方発音体ユニットに接続した音導管7113を前後音イヤーピースの第1音導管に接続し該後方発音体ユニットに接続した音導管7114を前後音イヤーピースの第2音導管に接続する。前方発音体ユニットに接続した音導管の音波放射軸を前方音放射口1710から外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸を後方音放射口1711から外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射する。
(第8の実施形態)
図18(a)、(b)に右耳用耳穴式補聴器の外耳道での横断面図を示す。右耳用耳穴式補聴器の概略装着図を図19に示す。本体ケース1812内に前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと前方マイクと前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクと後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池1814を備え、ケースの一部より耳甲介中央近傍から対輪方向へ延出した管状の支片部181を備えてこれに前方向の環境音情報を電気変換する前方マイク189を配設し、この前方マイク集音軸図18(a)の182を矢状面に対して0度より大きくから90度より小さな角度183の範囲内の角度で配設し、後方向の環境音情報を電気変換する後方マイク1811はケース面に配置し後方マイク集音軸図18(a)の185は矢状面に対して90度より大きく180度より小さな角度1805でかつ後方向用マイク集音軸185が耳珠対対珠対輪稜線面184(図22で示す224)を通過するよう本体ケースに配設する。前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1の出力を前方発音体ユニット1802を駆動し、後方マイクの出力信号は補聴処理する補聴処理手段2へ入力し補聴処理手段2の出力で後方発音体ユニット1804を駆動する。1824は補聴処理手段1、1825は補聴処理手段2を示し、管状の支片部に配設した前方マイクからの電気コードは支片部管内を通して補聴処理手段1に接続する。
図20で右耳用耳穴式補聴器の鼓膜側から見た正面図を示す。ケース本体2000と外耳道内に挿入される先端部の外耳道挿入部2001を示す。外耳道挿入部位において前方音放射口2002から前方発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方音放射口2003から、後方発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射するよう音導管発音体を配設する。
(第9の実施形態)
耳穴式補聴器において図18(b)は前方マイク189をケースの一部より耳甲介中央近傍から対輪方向へ延出した支片部に配置せずにケース面に配設し、前方マイクのマイク集音軸1810を耳甲介中央近傍から対輪方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面184を通過しないようにケースに配置した場合の形態を示す。
(第10の実施形態)
図21に右耳用のディープカナル型補聴器の外耳道装着時の概略横断面図に示す。ケース内に前方発音体ユニット2101と後方発音体ユニット2102と前方マイク2106の出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイク2107の出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池を備え、前方マイク集音軸2103を耳甲介の中央から対輪方向に向けかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過しないように配置し、後方マイク集音軸2104は耳珠対対珠対輪稜線面を通過する図21(a)かあるいは後方マイク集音軸2104図21(b)が耳珠対対珠対輪稜線面を通過せずに図24の233の斜線領域で示す耳珠基底部(耳珠を支えている部位)から外耳道口に連なる部位に向けて本体ケースに配置図し21(b)、前方マイク2106の出力信号を補聴処理手段1で補聴処理して前方発音体ユニット2101を駆動し後方マイク2107の出力信号を補聴処理手段2で補聴処理して後方発音体ユニット2102を駆動し外耳道挿入部の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸2111を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射し、外耳道挿入部の音波放射口から後方発音体ユニットの方向音波放射軸2112を外耳道の後頭部側の側壁へ向けて音波を放射するよう発音体ユニットを配設する。2113は電池を含む補聴処理手段1と補聴処理手段2の配置を示す。
(第11の実施形態)
図29にステレオ聴診器の概略斜視図を示す。
チェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で仕切り部材2900により左キャビティ2902と右キャビティ2903の2分割に仕切り、各仕切られたそれぞれ2つのキャビティから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備え、左キャビティの音導管2904に左用音導チューブ2905を接続し、右キャビティの音導管2906に右用音導チューブ2907を接続し、更に左用音導チューブを左第1音導チューブ2908と左第2音導チューブ2909の2本に分岐し、同様に右耳用音導チューブを右第1音導チューブ2910と右第2音導チューブ2911の2本に分岐して分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左第1音導チューブは左の前後音イヤーピース2912の第1音導管2914と接続し右第1音導チューブは右の前後音イヤーピース2913の第1音導管2915と接続し、左第2音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管2917とに接続し右第2音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管2916と接続する。左第2音導チューブを左第1音導チューブより長くするため一部をコイルの形状とし、同様に右第2音導チューブを右第1音導チューブより長くするため一部をコイルの形状としている。
(第12の実施形態)
図30に上下左右聴診器の概略斜視図を示す。
上下前後音イヤーピースを使用しかつ4分割45チェストピースを使用し第1キャビティ3071の音導管3061に接続した音導チューブ3041を左上方音分枝音導チューブ3031と右上方音分枝音導チューブ3021の2つに分岐させ左上方音分枝音導チューブは左上下前後音イヤーピースの第1音導管3011と接続し、右上方音分枝音導チューブは右上下前後音イヤーピースの第1音導管3001と接続し、第3キャビティ3073の音導管3063に接続した音導チューブ3043を左下方音分枝音導チューブ3033と右下方音分枝音導チューブ3023の2つに分岐させ左下方音分枝音導チューブは左上下前後音イヤーピースの第3音導管3013と接続し、右下方音分枝音導チューブは右上下前後音イヤーピースの第3音導管3003と接続し、第4キャビティ3077の音導管3067に接続した音導チューブ3057は右分枝音導チューブ1の3022と右分枝音導チューブ2の3034の2本に分岐させ、同様に第2キャビティ3076の音導管3066に接続した音導チューブ3056も左分枝音導チューブ1の3032と左分枝音導チューブ2の3024の2本に分岐させ、それぞれ右分枝音導チューブ1は右の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、左分枝音導チューブ1は左の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、右分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続する。
更に右分枝音導チューブ2を右分枝音導チューブ1より長く、左分枝音導チューブ2を左分枝音導チューブ1よりも長くするため右分枝音導チューブ2と左分枝音導チューブ2一部をコイル形状として音の遅延効果を持たせている。
発明の効果
以上説明したように、本発明の前後音イヤーピースとこれを使用した受話器とすれば片耳聴音であっても前後にわたる音場が聞けるため前後音の到来方向を識別することが出来き、かつ頭外定位した自然な音で聞ける。上下前後音イヤーピース及びこれを使用した受話器とすれば上下前後音の到来方向が識別可能となる。更に補聴器の構成要素の1つである受話器として本発明の前後音場受話器を使用すれば聞きたい音の到来方向に意識を集中することで聞きたい音のみが聞き取れやすい補聴器となる。
聴診器への応用については収音部と音導管とイヤーピースの基本要素から構成されているがこのイヤーピースに前方定位イヤーピースあるいは前後音イヤーピースを使用することで頭外定位した高音質な聴診が得られ更に上下前音イヤーピースあるいは上下前後音イヤーピースと4分割チェストピースあるいは4分割45チェストピースの使用により上下左右からの聴診音の方向と移動が識別可能となった。
(a)音波放射軸と(b)音波放射断面 (c)本発明の一部のインナー型受話器横断面図の一例 外耳道面での横断面図 (a)外耳道中心軸 (b)イヤーピースの中心軸 (a)前方定位受話器 (b)後方定位受話器 (a)上方定位受話器 (b)下方定位受話器 右耳用前後音場受話器 (a)鼓膜側から見た正面図 (b)前後音場受話器の横断面 (c)ホーン形をした音導管内腔形状の概略図 (d)は(c)のホーン形状の音導管音波放射口を鼓膜側から見た正面図 (e)右の前後音場受話器の外耳道での装着断面図 右耳用多チャンネル受話器 右耳用多音波放射軸発音体の3分枝音導管例の概略横断面図(a)と正面図(b) 上下前後音場受話器 (a)右耳用の上下前後音場受話器の概略斜視図 (b)上下音導管の縦断面の概略図 (c)鼓膜側から見た右耳用の上下前後音場受話器正面図 遅延時間処理装置付き駆動アンプ 主音導管と分枝音導管 (a)頭頂部から見た耳甲介中央部を通る冠状面 (b)耳甲介中央部を通る冠状面の斜視図 音波拡散器および音波反射器 (a)矢状面軸入射角 (b)横断面軸入射角 右耳用チューブ式ヘッドホン 右耳用チューブ式サラウンドヘッドホン マイク集音軸 耳掛式補聴器 外耳道に装着した耳穴式補聴器横断面図 右耳用耳穴式補聴器の概略装着図 右耳用のディープカナル型(CIC)補聴器の鼓膜側から見た正面図 右耳用のディープカナル型(CIC)補聴器外耳道装着時の概略横断面図 耳珠対対珠対輪稜線面 耳珠内側面 耳珠基部 上下前音イヤーピース 上下前音イヤーピース縦断面 4分割チェストピース 電子聴診器上下前後音イヤーピース ステレオ聴診器 上下左右聴診器 遅延分枝音導管付きイヤーピースとD1音導管付きイヤーピース 電子聴診器概略外観図 4分割チェストピースと音導管 コイル状遅延音導管を用いた聴診器 上下45イヤーピース 上下45受話器 電子聴診器ブロック図左右遅延装置付き 電子聴診器ブロック図上下左右遅延装置付き
本発明はカナル型受話器のイヤーピース及びそれを利用したカナル型受話器に関し、例えばイヤホン、ヘッドホン、サラウンドヘッドホン、ノイズキャンセリングヘッドホン、携帯型ゲーム機用受話器、3Dゲーム機用受話器、3Dテレビ用受話器、移動通信機器、航空機シミュレータや戦闘機の戦闘シミュレータ、補聴器、電子聴診器を含む聴診器、航空機内で使用する音響機器、携帯型音響機器などに好適なものである。
受話器は音を聴くための多くの聴音機器に使用されている。耳に被すようにつくられた覆いの中に受話器を組み込んだものがヘッドホンであり、受話器を耳甲介に挿入して使用するイントラコンカ型(インナーイヤー型ともいう。)や、受話器のイヤーピースを外耳道に直接差し込んで使用するカナル型(カナルとは外耳道を意味する。)と呼ばれるものも知られているイントラコンカ型やカナル型のように、耳に差し込んで使用するタイプの受話器を総称してインナー型受話器という。これらは携帯電話などの電話機器、マイクから音した音情報を電気的に増幅した後に受話器によって鼓膜に伝える補聴器などにも使用されている。受話器はスピーカーなどの発音体をハウジングに収め、耳介や外耳道口や外耳道内へ発音体の音波を放射して使用する。カナル型受話器使用においてはイヤーピースが必要となる。ヘッドホンにおいては耳介機能を活用した文献が散見されている。
特開2010−287927 特開2010−268038 特開2006−222962 特開2005−117594 特開2006−246415
従来のカナル型受話器での片耳聴音(片方の耳だけで聞く聴音、単耳聴音とも言う)は不明瞭かつ不自然であり、ヘッドホンやイヤホン、イヤホン使用の電話(携帯電話も含む)、ことに補聴器においては不自然な聴音のため使用困難な人も存在している。両耳聴音においても音が頭の中で鳴ってしまう頭内定位の問題がいまだ解決されたとは言えない。また上方向からの音と下方向からの音の識別可能な受話器も提されていない。
頭内定位問題の解決のため特許文献3と特許文献4が開示されている。
また従来の補聴器は片耳聴音に関しては聞きたい音と聞きたくない音を聞き分けることが困難となる問題点があった。
本願の目的は、片耳聴音のみでも前後にる音場を再生可能とするカナル型受話器を使用することで前後音の識別を可能とし、かつ明瞭で自然な聴音ができ、また、両耳聴音においては、頭内定位問題を解決したカナル型受話器片耳音のみでも前後音の識別、上下前後にわたる音場が再生可能な受話器と該受話器を用した聴診器や聞きたい音だけが聞きやすい補聴器を提することにある。
本発明のカナル型受話器に使用する発音体とは、スピーカーまたはその他の電気音響変換素子または聴診器においてはチェストピースの振動膜あるいはドーム型の閉塞された収音部を形成するキャビティから突設した先端から音を放出する略筒状の音導管に接続した音導チューブの他端の音波放射口をもチェストピース型発音体としてこれをも含むこととする。
発音体を収めたハウジングに設けられた音波放射用の略筒状の音導管をハウジング音導管と称し、ハウジング音導管を有するハウジングに収めた発音体を発音体ユニットと称することとする。以下で述べるイヤーピースとは、このハウジング音導管に嵌合する管あるいは音導管を埋設した筒状部を有するイヤーピースのことであり、筒状部の一端側に連結し筒状部の外側にそれを覆うように傘状に延在する傘状部を有しても良い。特に指定のない場合は本願イヤーピースや受話器の横断面図は全て上から見た横断面図であり正面図とは鼓膜側から見た正面図を示す。
音波放射軸について図1(a)で発音体としてスピーカーを用いた例で示すと音電気信号を音波に変換する発音体10の中心と発生音波の進行方向での音波の中心とを結ぶ軸を音波放射軸11と称し、矢印は音波の進む方向を示す。また発音体ユニット14に音導管を接続する場合、発音体と接続する音導管の他端の音波を放射する音導管の断面を音波放射断面12と称し、1つの音導管を1つの発音体ユニットに接続した複合体を以後音導管発音体と称する。図1(b)の13は音導管を曲げた場合の音導管発音体の音波放射軸を示し音波放射断面の中心から音波放射断面に対して垂直な軸となる。(b)は解りやすくするためハウジング音導管と接続した管状部外周のイヤーピースの傘状部部位を除去した図である。14は発音体ユニット、17はハウジング音導管と接続した音導管、19はハウジング音導管を示す。
図1(c)は本願発明の一部であるカナル型受話器の一例の概略横断面図である。カナル型受話器においてハウジング音導管15と嵌合接続する(以後単に接続という。)イヤーピース筒状部内の音導管16を備えるカナル型受話器においては、ハウジング音導管15とイヤーピース筒状部内の音導管16、あるいはハウジング音導管15に接続された音導管16は機能として同じであるため以後これらを共に管内音導管と総称することとする。管内音導管の音波放射断面12の中心から発生音波の進行方向での音波の中心とを結ぶ軸を音導管音波放射軸と称し図1(c)において18で示す。
矢印は音波の進む方向を示す。以後音波放射軸と音導管音波放射軸との両方は共に音波放射方向を示すためこの両方を方向音波放射軸と総称することとする。
図2は外耳道面での頭部横断面図を示す。図2(a)はイヤーピースの先端が挿入され外耳道部位23の外耳道の中心軸21あるいは従来のカナル型受話器26の外耳道に挿入するイヤーピースの中心軸22(b)を示し24は耳珠、25は耳介である。
本願発明の中心事項はカナル型受話器が外耳道に挿入されている部位での外耳道の中心軸とこのカナル型受話器の発音体ユニットの方向音波放射軸とが平行とならないように図3(a)の301、図3(b)の302で示す発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道管の一部に向けて音波を放射する構造とする。306は管内音導管である。
発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁の一部に向けて音波を放射すると放射された外耳道壁の部位の違いによって鼓膜への音波の伝達の仕方に違いが生じ、この違いが音情報の1つである音の到来方向の情報となることが判明した。即ち外耳道壁の異なる部位ヘ方向音波放射軸を向けて音波を放射すると異なる方向からの到来音波として知覚することがき、その結果として、音質の向上も達成されていることが判明した。これは新たな外耳道機能の発見である。音波を一旦外耳道壁に反射させると音波が効率よく鼓膜へ到達され音質の向上が生じたと思われる
図3は外耳道における頭部横断面図である。(a)に示す様にカナル型受話器においてイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で発音体ユニットの方向音波放射軸301を外耳道の前頭部側の側壁303に向けて音波を放射すると前方音として図3(b)に示す様に発音体ユニットの方向音波放射軸302を外耳道の後頭部側の側壁304に向けて音波を放射すると後方音として、それぞれ知覚できる。図3の305は外耳道中心軸である。図4は頭部の外耳道部での縦断面図であり、(a)の様に方向音波放射軸402を外耳道の上面404に向けて音波を放射すると上方向からの音として、図4(b)の様に方向音波放射軸401を外耳道の下面403に向けて音波を放射すると下方向からの音として、それぞれ知覚されることが判明した。405と406は管内音導管、400は耳介を示す。ここで言う外耳道の前頭部側の側壁とは外耳道の鼻側の側壁のことであり外耳道の後頭部側の側壁とは外耳道の後頭部の側壁のことである。
従って発音体ユニットの方向音波放射軸を所定の外耳道壁部位へ向けて音波を放射させるように管内音導管を配設したイヤーピースを使用したカナル型受話器の構造であれば所望の方向から到来した音として聴取できるカナル型受話器が提供可能となる。従って外耳道に音導管を挿入して音波を鼓膜へ伝達する聴音装置において管内音導管の方向音波放射軸を所定の外耳道壁に向けて音波を放射すれば所望の方向から到来した音として聴取できる聴音装置や受話器を提供できる。
このように発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁の一部に放射することにより到来音の方向が認知されかつ頭外定位し、しかも立ち上がりの良い高音質な聴音が可能となる効果が得られ、更に頭内定位よりも前方定位させる方が広い空間の音場で聴けるため定位分解能が高まる効果も得られる。
イヤーピース内の音導管の方向音波放射軸がイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に音導管を配設したイヤーピースを前方音イヤーピースと称することとする。
前方音イヤーピースに発音体ユニットを接続した受話器を以後前方定位受話器と称し、これを左右一組使用すれば前方定位したステレオ用カナル型受話器となる。イヤーピース内の音導管ではなくてハウジング音導管を延長して前方音イヤーピース内の音導管の代用としても同様な効果が得られる。またヤーピース内の音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内の音導管を配設したイヤーピースを後方音イヤーピースと称し、後方音イヤーピースに発音体ユニットを接続した受話器を以後後方定位受話器と称する。前方定位受話器と後方定位受話器を備えた受話器とすれば前後の音場が再生可能となる。
イヤーピースを使用する受話器においてイヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を備え、第1音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設し、第2音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設したイヤーピースを前後音イヤーピースと称し、第1発音体を収めた発音体ユニットを第1発音体ユニットとし、第1発音体ユニットのハウジング音導管と第1音導管を接続し、第2発音体を収めた発音体ユニットを第2発音体ユニットとし、第2発音体ユニットのハウジング音導管と第2音導管を接続し、これらを組み合わせた受話器とすれば前後の識別が可能な前後の音場再生受話器となる。これを以後前後音場受話器と称する。この場合第1発音体ユニットは前方音担当発音体ユニットであり第2発音体ユニットは後方音担当発音体ユニットとなる。以後前方音担当発音体ユニットを前方発音体ユニットと称し、後方音担当発音体ユニットを後方発音体ユニットと称することとする。
上記イヤーピース内の第1音導管と第2音導管の代わりに、発音体ユニットのハウジング音導管を延長してイヤーピース内の第1音導管あるいは第2音導管の代用としても同様な効果が得られる。イヤーピース内の第2音導管を第1音導管より長くし、第2音導管に接続した発音体ユニットからの音波を遅延させて鼓膜へ到達させれば第2音導管から放射される音波で間接音効果が得られ、前方定位がより明確となり分解能が向上する。
例えば第2音導管の一部をコイル状として管路を長くするのも遅延時間を確保するのに有効である。
この前後音場受話器を使用すれば片側の耳のみ受話器を使用して音を聞く片耳音においても前後の音場が再生可能な受話器となる。図5(a)は右耳用の前後音場受話器の正面図であり、58は前方音の音波放射口、59は後方音の音波放射口を示す。図5(b)は右耳用の前後音場受話器の横断面図である。54は前方音用管内音導管、55は後方音用管内音導管、56は前方発音体ユニット、57は後方発音体ユニットである。図5(e)は前後音場受話器の外耳道における装着横断面図である。506は外耳道中心軸、507は耳珠、508は対輪、504は前方音用管内音導管、505は後方音用管内音導管である。
この前後にわたる音場を再生できる前後音場受話器を左右一対備えればサラウンド再生が可能なカナル型受話器となる。
図4の外耳道での縦断面で示す様に図4(a)の発音体の方向音波放射軸402をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の上壁404に向けて音波を放射する発音体ユニットを使用した方式の受話器を以後上方定位受話器と称し図4(b)の様に発音体の方向音波放射軸401をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の下壁403に向けて音波を放射する発音体ユニットを使用した方式の受話器を以後下方定位受話器と称することとする。
前後音場受話器にこの上方定位受話器と下方定位受話器を構成する2種類の発音体ユニットを加えれば上下前後音場を聞き分けることが可能となる。
図8(a)に示すイヤーピースはイヤーピース筒状部806内に第1音導管85と第2音導管86と第3音導管87と第4音導管88の4本の音導管を配置した右耳用イヤーピースと該4本の音導管に4個の発音体ユニット(81〜84)を接続した概略図であって第1音導管の音導管音波放射軸を外耳道の上壁へ向け、第2音導管の音導管音波放射軸を外耳道の前頭部側の側壁へ向け、第3音導管の音導管音波放射軸を外耳道の下壁へ向け、第4音導管の音導管音波放射軸を外耳道の後頭部側の側壁へ向けて該4本の音導管を配置した筒状部の構成を有するイヤーピースを示し、このイヤーピースを以後上下前後音イヤーピースと称することとし、第1音導管上方音用発音体をめた第1発音体ユニット84に接続し、第2音導管前方発音体を収めた第2発音体ユニット81接続し第3音導管下方音用発音体を収めた第3発音体ユニット83接続し第4音導管後方発音体を収めた第4発音体ユニット82接続した受話器とすれば上下前後方向からの到来音の方向を識別可能な受話器となる。以後この受話器を上下前後音場受話器と称する。
またイヤーピース筒状部内の管内音導管の代わりに発音体ユニットのハウジング音導管を延長して第1音導管あるいは第2音導管あるいは第3音導管あるいは第4音導管の代用としても同様な効果が得られる。
上下前後音イヤーピースの第4音導管とこれに接続する後音用発音体ユニットを省略して簡素化したイヤーピースを上下前音イヤーピースと称し図25(a)に右耳用の上下前音イヤーピースの概略斜視図を示す。イヤーピース筒状部内に第1音導管2501と第2音導管2502と第3音導管2503の3本の音導管を配置し第1音導管の音導管音波放射軸を外耳道の上壁へ、第2音導管の音導管音波放射軸を外耳道の前頭部側の側へ、第3音導管の音導管音波放射軸を外耳道の下壁へ向けて3本の音導管をイヤーピース筒状部に配置したイヤーピースとし第1音導管上方音用発音体を収めた発音体ユニット2504接続し第2音導管前方発音体をめた発音体ユニット2505接続し第3音導管下方音用発音体をめた発音体ユニット2506接続した受話器とすれば上下前方向からの到来音の方向を識別可能な右耳用上下前音受話器となる。(b)は左耳用上下前音受話器を示す。これらの受話器を以後上下前音場受話器と称する。またイヤーピース筒状部内の音導管の代わりにそれぞれの発音体ユニットのハウジング音導管を延長してイヤーピースの第1音導管あるいは第2音導管あるいは第3音導管の代用としても同様な効果が得られる。上述のとおり、前方発音体を収めた発音体ユニット前方発音体ユニットであり、後方発音体を収めた発音体ユニット後方発音体ユニットである。
以下で述べる直接音とは聞きたい音の音波発生源から最短時間で耳に入力される音のことであり間接音とは音波発生源からの音波が周囲の環境物体で一旦反射した後に直接音より遅れて耳に入力される音のことである。
カナル型受話器において1つのイヤーピースの筒状部内にN本(Nは2以上の整数)の音導管を備えこのイヤーピース内のN本の音導管の有する方向音波放射軸の外耳道側壁に対する入射角度をそれぞれ変えてそれぞれの音導管に対応したN個の発音体ユニットを接続することによりイヤーピース筒状部内の音導管数と同数の異なる方向からの音源方向情報を鼓膜に入力させることが可能となる。即ちN方向の識別可能なNチャンネル受話器となる。図6にN=3の場合の右耳用前方3チャンネル受話器の一例の概略横断面を示す。601は第1チャンネル用発音体ユニットを示し、602は第2チャンネル用発音体ユニット603は第3チャンネル用発音体ユニットであり、604と605と606は方向音波放射軸を示し、607はイヤーピース傘状部、611は第1チャンネルの音導管、612は第2チャンネルの音導管、613は第3チャンネルの音導管を示す。
このN本の音導管のうちの最短の音導管に接続した発音体ユニットを直接音用とし他の発音体ユニットを間接音用とすれば前方定位した高音質な臨場感に富む音が受聴できる。直接音の発音体ユニットの音導管音波放射軸はイヤーピースが外耳道前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設する。自然な聴音においては聞きたい直接音とその他の無数の間接音が上下左右前後の多数の方向から到来してその音が鼓膜に入力されているのでNの数を増加させればより自然な聴音に近づけることが可能となる。
この複数発音体ユニットのうちイヤーピース内の最短の音導管と接続した発音体ユニットを直接音の発音体ユニットとし、最短の音導管以外の音導管と接続した発音体ユニットを間接音担当の発音体ユニットとする。間接音発音体ユニット直接音用発音体ユニットを駆動する音声信号を所定の時間遅延させた音声信号で駆動すればより高音質な受話器となる。音声信号を遅延させるには、間接音発音体ユニットと接続する音導管の長さを種々の長さとするかまたは遅延時間生成装置付きアンプで所定の遅延時間を生成して間接音用発音体ユニットを駆動すれば良い。以下で述べる遅延処理装置とは電気信号の信号レベルを調節した後に所定時間遅延させる装置のことである。また受話装置とは受話器とこれを駆動するアンプを含めた装置のこととする。
遅延処理装置の一例を図9のブロック図で示すとステレオ構成において右あるいは左チャンネルの音声信号を直接音として音声信号1とすると図9(a)は間接音用のN個の異なる遅延処理装置付きアンプの入力信号を音声信号1とした場合を示し、図9(b)右チャンネルが直接音の音声信号1とした場合は左チャンネルを音声信号2とし、左チャンネルを音声信号1とした場合は右チャンネルを音声信号2としてN個の間接音用の異なる遅延処理装置付きアンプの入力信号を音声信号2とした場合を示す。この様な構成アンプによってより自然な聴音が可能なステレオヘッドホンとなる。人は聴音において環境状況により反射された間接音が時間差を持って左右両耳にも入力しているはずであるからである。Nは自然数である。
上述のとおり、前方発音体とは聴音時に前方から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体であり、後方発音体とは聴音時に後方から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のことである
同様に上方発音体とは聴音時に上方向から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のことであり、下方発音体とは聴音時に下方向から到来する音源の聴音用音波放射を担当する発音体のことである
1つの発音体ユニットに複数の音導管を接続して複数の音導管の音波放射軸を形成するか又は図10に示す様に1つの発音体ユニットに1本の音導管を接続しこれを主音導管101と称し、この主音導管を更に複数に分岐し、この分岐した音導管を分枝音導管102と称すると分枝音導管も音導管であるため、それぞれの分枝音導管の音波放射軸はそれぞれ独立した1つの音波放射軸としての機能を有することが判明した。104は発音体ユニット、105はハウジング音導管を示す。図10で示す様に複数の分枝音導管102の方向音波放射軸103は交差させた後に標的とする外耳道壁へ音波を放射させるように配設しても良い。
以後、この分枝音導管の音波放射軸103を分枝音導管音波放射軸と称し、主音導管と分枝音導管とを含めて多分岐音導管と称することとし、この多分岐音導管をイヤーピース筒状部内に備えたイヤーピースを分枝音導管イヤーピースと称することとする。イヤーピース筒状部内の管内音導管の代わりに、ハウジング音導管105を延長して多分岐音導管の代用としても同様な効果が得られる。
分枝音導管イヤーピースを使用することで1つの発音体ユニットからでも分枝音導管の長さを変えることで1つの直接音と多数方向からの間接音を鼓膜へ入力させることが可能となる。以後複数の分枝音導管を持つ主音導管に接続した発音体ユニットを多音波放射軸発音体ユニットと称する。図7に3本の分枝音導管を備えたイヤーピースの例の概略図を示す。(a)は横断面図で(b)は鼓膜側から見た正面図である。71は主音導管、73と74は72の直接音用分枝音導管に対して遅延時間を持たせた間接音効果を有する分枝音導管である。従って1つの多音波放射軸発音体ユニットを受話器として使用することであたかも分枝音導管と同数の発音体ユニットで構成された音波放射軸を有する受話器と同様に多方向から到来する多数の音波情報を鼓膜へ入力伝達することが可能となる。
分枝音導管の長さをそれぞれ異なる長さとした場合、分枝音導管のうち最短の分枝音導管直接音用として分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて配置させ、その他の分枝音導管音波放射軸を間接音用としてそれぞれ異なる外耳道壁に向けるよう配置、該分枝音導管とこれに接続した主音導管を含めて方音用分枝音導管イヤーピースと称し、その逆に、直接音用として分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて配置させたものを後方音用分枝音導管イヤーピースと称することとする。
またこの分枝音導管のそれぞれの長さを変えることにより分枝音導管を有しない発音体ユニットと比べて多方向から、かつ多数の遅延時間を経て放音する音波放射軸が生成されるためこの多音波放射軸発音体ユニットを使用した受話器とすれば多数の間接音をも含めて聴音できる結果として立体的で立ち上がりの良い高音質な音を受聴出来る効果が生じる。
以後長さの異なる分枝音導管を持つイヤーピースを遅延分枝音導管付きイヤーピースと称し図31(a)に右耳用で分枝音導管の一部をコイル状としたより長い遅延時間を生成する遅延分枝音導管付きイヤーピースの概略図を示す。3101は発音体ユニットとの接続口を示し、3103は直接音音波放射口、3104は間接音音波放射口を示す。
イヤーピース内の最短の音導管を第1音導管とし、該第1音導管より長いN本(Nは自然数)の長さの異なる遅延時間生成用の音導管を有するイヤーピースをDN音導管付きイヤーピース(DNのDは遅延用を意味しNは音導管数を示す)と称し最短の音導管を直接音用音導管とする。その他の遅延用音導管をD管と総称し、1本以上のD管を有する場合D管を識別するために個々の遅延用音導管をDN音導管(Nは自然数)とし、例えばD1音導管とは1本の遅延用音導管を示しD2音導管とは2本目の遅延用音導管を示している。
図31(b)は1本の遅延時間生成用の音導管の一部をコイル状としたD1音導管付きイヤーピースを示し、3102は第1音導管、3105はD1音導管で間接音用発音体ユニットとの接続口を示し、3103は直接音音波放射口、3104はD1音導管の音波放射口を示す。(a)、(b)ともに解りやすくするためイヤーピース内の音導管の形状のみを示す。3100の破線はイヤーピース傘状部を示す。
図13(a)は外耳道の一部134の模式概略図である。発音体ユニットの方向音波放射軸が外耳道壁と交わる点を通る矢状面135に対する方向音波放射軸137の矢状面に対する入射角131を矢状面軸入射角とし、図13(b)も同様に外耳道134の一部の模式概略図であり方向音波放射軸が外耳道壁と交わる点を通る横断面136に対する方向音波放射軸137の入射角132を横断面軸入射角とすると1つのハウジング内に複数の発音体ユニットを収め、複数の発音体ユニットと接続する複数の音導管を有するイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で複数の発音体ユニットの方向音波放射軸あるいは多音波放射軸発音体ユニットの分枝音導管音波放射軸をそれぞれ異なる外耳道壁部位ヘ向けるか、あるいは同じ外耳道壁部位であっても矢状面軸入射角あるいは横断面軸入射角が異なる角度となるようにイヤーピース内に配設することによって多数の方向からの到来音波情報を鼓膜へ伝達させることができる。多音波放射軸発音体あるいは矢状面軸入射角あるいは横断面軸入射角あるいはその両方の異なる複数の発音体ユニットで受話器を構成すればより多方向からの音情報を鼓膜へ入力できる。
1つのイヤーピース内に第1多分岐音導管と第2多分岐音導管を配設し第1多分岐音導管の最短の分枝音導管の分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて配置させ第2多分岐音導管の最短の分枝音導管の分枝音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて配置させ、第1多分岐音導管の主音導管を第1主音導管、第2多分岐音導管の主音導管を第2主音導管と称し、該イヤーピースを前後多分岐音導管イヤーピースと称することとする。前後多分岐音導管イヤーピースの第1主音導管に直接音発音体ユニットを接続し第2主音導管に間接音発音体ユニットを接続したカナル型受話器とすればより自然な聴音が可能となる。
前後多分岐音導管イヤーピースはサラウンド再生も可能であり、第1主音導管に前音用発音体ユニットを接続し、第2主音導管に後音用発音体ユニットを接続すればより自然なサラウンド聴音が可能となる。
カナル型受話器においてイヤーピース筒状部内の音導管の音波放射端面(図1の12)から該音導管と接続する発音体ユニットのハウジング音導管までの間、あるいはハウジング音導管内に凸物を配置すればこれを音波拡散器または音波反射器あるいはその両方の機能を持つ音波反射拡散器として機能させることが出来る。図12(a)はハウジング音導管内に備えた音波反射拡散器123の概略横断面図であり図12(b)はイヤーピース筒状部の管内音導管に備えた音波反射拡散器124の概略横断面図を示す。(c)は右耳用の音波反射拡散器付きイヤーピースを鼓膜側から見た図12(b)の正面図で125は音波反射拡散器断端であり126は音波放射口で、120はイヤーピースの傘状部である。
この音波拡散器または音波反射器あるいはその両方の機能を持つ音波反射拡散器の形状は、図12(a)で示す様に発音体から放射された音波122がこの音波拡散器または音波反射器に反射して標的とする所定の外耳道壁ヘ一様に反射、拡散して放射される形状であれば良い。拡散された音波は無数の音波放射軸121と同等の機能を有しより自然な聴音となる効果を奏する
この音波拡散器及び音波反射器の効果は聴音した音が刺激的な音とならず、自然で柔らかい音が聴取可能となる。自然に到来する音は間接音も含めて多数の方向から外耳道壁へ伝達されているはずであり音波拡散器及び音波反射器を配置すれば音波が標的とする外耳道壁へ拡散されて放射されるためより自然な音へ近づけるのに有効である。特に高音において効果が著明である。この音波拡散器または音波反射器は、例えば、イヤーピース筒状部の音導管の内側面の一部分あるいはハウジング音導管内の一部に突物を設けることにより実現できる。材質や形状は音波を反射出来るものであればよい。音導管の音波放射端面から延出した支持片部を形成し該支持片部に音波拡散器または音波反射器をイヤーピース音波放射端面から離して鼓膜りに配置してもよい。また音波反射拡散器の代わりとして図5(c)のごとく音導管の内腔形状をホーン型形状として音波を標的とする外耳道壁へ拡散されて放射しても良い。510はハウジング音導管と接続する内腔形状を示し、509は音波放射口の内腔形状を示す。図5(d)は鼓膜側から見た内腔形状をホーン形状とした前後音場受話器の音波放射口を示し514は前方音用の音波放射口、515は後方音用の音波放射口を示す。
航空機の客席で使用されるチューブ式(音導管式)ステレオイヤーホンにおいても頭内定位した不自然な音でしか聴音できない欠点があった。航空機の客席で使用されるチューブ式ステレオイヤーホンにおいても本発明の前方定位受話器の原理を活用して外耳道に挿入するイヤーピース内のチューブの音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース筒状部内に音導チューブを配設すれば前方定位した聴音が可能となる。このようにイヤーピース筒状部内に配設された音導チューブを前方定位チューブと称し、これを使用した受話器を前方定位チューブ受話器と称することとする。これを左右1組で使用すれば前方定位するチューブ式のステレオイヤーホンとなる。
本発明の後方定位受話器の原理を活用して外耳道に挿入するチューブの音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース筒状部内に音導チューブを配設すれば後方定位した聴音が可能となる。前方定位チューブと後方定位チューブの両チューブを1つのイヤーピース筒状部内に配したイヤーピースを前後音場チューブイヤーピースと称しこの前後音場チューブイヤーピースを使用した受話器を前後音場チューブ受話器と称する。前後音場チューブ受話器を使用すれば前後音を聞き分けることが出来る。左右一対で使用すればサラウンド再生が可能となる。
またサラウンド再生において前後音イヤーピースを用い前方発音体ユニットからの音を導音する前方音用チューブを前後音イヤーピースの第1音導管と接続し、後方発音体からの音を導音する後方音用チューブを前後音イヤーピースの第2音導管と接続しても良い。
聴診器への応用も可能でイヤーピースを備える聴診器において聴診器のチェストピース部と該チェストピース部に接続した音導チューブと、該音導チューブを左耳用音導チューブと右耳用音導チューブとの2本に分岐し、分岐した2本のチューブの先端部分をそれぞれ本願発明の前方音イヤーピース、あるいは遅延分枝音導管付きイヤーピース3101(図31(a))に接続すれば前方定位した高音質な聴診が可能な聴診器を構成できる。
上記聴診器において両耳用として2本に分岐したチューブのうち左耳用音導チューブを更に左前用音導チューブと左後用音導チューブの2本に分岐し同様に右耳用音導チューブを更に右前用音導チューブと右後用音導チューブの2本に分岐し、分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左前用音導チューブは左前後音イヤーピース(図5(b))の第1音導管あるいは左のD1音導管付きイヤーピース(図31(b))の第1音導管と接続し、右前用音導チューブは右前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右のD1音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左後用音導チューブは左前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、右後用音導チューブは右前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左後用音導チューブが左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、また左後用音導チューブが右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続すればより明瞭な聴診音が聴取可能となる。
図34に示す様にD1音導管の代わりにより長い遅延時間を確保するには前後音イヤーピースを使用し、左後用音導チューブ3408と右後用音導チューブ4309の一部をコイル状としても良い。3406は左前用音導チューブ、3407は右前用音導チューブである。
ステレオ聴診器についてもチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左右2つのキャビティそれぞれから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備えたチェストピースとし、以後このチェストピースをステレオチェストピースと称することとし左キャビティの音導管に左用音導チューブを接続し、左用音導チューブの他端を左の前方音イヤーピースと接続し、右キャビティの音導管に右用音導チューブを接続し、右用音導チューブの他端を右の前方音イヤーピースと接続すれば前方定位したステレオ聴診が可能な聴診器となる。
上記ステレオ聴診器において左耳用音導チューブを更に左前用音導チューブと左後用音導チューブの2本に分岐し同様に右耳用音導チューブを右前用音導チューブと右後用音導チューブの2本に分岐して分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左前用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは左の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管に接続し右前用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左後用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し右後用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左後用音導チューブが左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続している場合は右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続し、左後用音導チューブが右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続している場合は左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管に接続する。
遅延音導管付きイヤーピースD1音導管の代わりにより長い遅延時間を得るには左右の後方音用音導チューブの一部をコイル状とする。図29に概略外観図を示す。遅延効果を持たせた左後方音用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管に接続し、右後方音用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管に接続すればより前方定位が明確となりかつ左右の音像定位がより明確となる効果が得られる。
上下前音イヤーピースあるいは上下前後音イヤーピースを活用した聴診器として振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央から上下左右に4分割する仕切り部材により仕切り、各仕切られた4つのキャビティからそれぞれ突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備えたチェストピース全体を4分割チェストピースと称し、図27(b)は被検生体側から振動膜を見た図で右上から時計周りに第1キャビティの振動膜2701、第2キャビティの振動膜2702、第3キャビティの振動膜2703、第4キャビティの振動膜2704と称し、図27(c)のごとく上記4分割チェストピースのチェストピース中心を軸に右、あるいは左に45度右回転させても良い。この場合被検生体側から振動膜を見て上から時計周りに第1キャビティ2701、第2キャビティ2702、第3キャビティ2703、第4キャビティ2704としてこれを4分割45チェストピースと称する。
図33(a)は振動膜の反対側の上から見た4分割45チェストピースの概略図で3301は第1キャビティの音導管で第1音導管、3302は第2キャビティの音導管で第2音導管、3303は第3キャビティの音導管で第3音導管、3304は第4キャビティの音導管で第4音導管と称することとする。図33(b)は振動膜をはずして左下より見たキャビティを示し3305が第1キャビティ、3309は第1キャビティの音導管口、3306は第2キャビティ、3307第3キャビティ、3308は第4キャビティ、3310は第4キャビティの音導管口、3311は仕切り部材である。
上下前音イヤーピースと4分割45チェストピースを使用すれば、明確な前方定位と上下左右の聴診音の移動の判別が可能となる。4分割45チェストピースの第1キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第1音導管に接続し、第2キャビティの音導管左の上下前音イヤーピースの第2音導管に接続し、第3キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第3音導管に接続し、第4キャビティの音導管右の上下前音イヤーピースの第2音導管に接続する。
図8に示す上下前後音イヤーピースを活用すれば上下と左右の音場の定位がより明確な聴診が可能となるため聴診音の上下左右定位の識別や聴診音の移動方向の識別も可能となる。即ち上下前後音イヤーピースを使用しかつ4分割45チェストピースを使用した聴診器において第1キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐しそれぞれを左右の上下前後音イヤーピース第1音導管に接続し、第3キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐しそれぞれを左右の上下前後音イヤーピース3音導管に接続し、第4キャビティの音導管に接続した音導チューブは右分枝音導チューブ1と右分枝音導チューブ1と同長かより長い右分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、同様に第2キャビティの音導管に接続した音導チューブも左分枝音導チューブ1と左分枝音導チューブ1と同長かより長い左分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、それぞれ右分枝音導チューブ1は右の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、左分枝音導チューブ1は左の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、右分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続する。または右分枝音導チューブ2を右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続しても良い。
イヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を配置しイヤーピースが外耳道に挿入される部位において第1音導管の音波放射軸は外耳道前頭部側壁に向けてかつ横断面と矢状面と冠状面に対して略45度で斜め上側面に向け、第2音導管の音波放射軸は外耳道前頭部側壁に向けてかつ横断面と矢状面と冠状面に対して略45度で斜め下側面に向けて配置したイヤーピースを上下45イヤーピースと称する。図35の(a)は鼓膜側から見た右耳用の上下45イヤーピースの正面図で3501は第1音導管の音波放射口、3502は第2音導管の音波放射口を示し(b)は鼓膜側から見た左耳用の上下45イヤーピース正面図で3503は第1音導管の音波放射口、3504は第2音導管の音波放射口を示し、(c)は左耳用の上下45イヤーピース正面図から見た第1音導管の音波放射軸3505と第2音導管の音波放射軸3506の方向を示す。両方向音波放射軸とも横断面、矢状面、冠状面に対して略45度の角度で第1音導管と第2音導管を配設する。
図36に上下45イヤーピースの第1音導管に第1発音体ユニットを接続し、第2音導管に第2発音体ユニットを接続した上下45受話器の概略斜視図を示す。(a)は右耳用上下45受話器で3601Rは上下45イヤーピースの第1音導管、3603Rは第1発音体ユニット、3602Rは上下45イヤーピースの第2音導管、3604Rは第2発音体ユニット、(b)は左耳用上下45受話器で3601Lは上下45イヤーピースの第1音導管、3603Lは第1発音体ユニット、3602Lは上下45イヤーピースの第2音導管、3604Lは第2発音体ユニット、3600は上下45イヤーピースの筒状部、3605は上下45イヤーピースの傘状部である
4分割チェストピースの第1音導管と左の上下45イヤーピースの第1音導管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第2音導管と左の上下45イヤーピースの第2音導管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第3音導管と右の上下45イヤーピースの第2音導管とを導音チューブで接続し、4分割チェストピースの第4音導管と右の上下45イヤーピースの第1音導とを導音チューブで接続すれば上下左右の音場が聴診可能な聴診器を構成でき、その効果は上下左右の聴診音の定位や聴診音の移動の識別が可能となることである。
電子聴診器用のチェストピースとしては突出した音導管を持たない4分割チェストピースを密閉4分割チェストピースと称し同様に音導管を持たない4分割45チェストピースを密閉4分割45チェストピースと称してこれを用いることとする。
電子聴診器であって聴診器のチェストピース部に配置にされた音マイクからの電気信号を増幅器で増幅して左右の前方定位受話器を駆動すれば前方定位した聴診音が聴取可能となる。
また電子聴診器であって前後音場受話器を使用し聴診器のチェストピース部に配置にされた音マイクからの電気信号を増幅器で増幅して左右の前方発音体ユニットを駆動し、同時に音マイクからの出力を所定時間遅延生成装置付き増幅器に入力しその出力で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動すればより明確な前方定位した聴診音が聴取可能となる。
ステレオ電子聴診器とする場合はチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた右キャビティ内に右マイクを配置し、左キャビティ内に左マイクを配置して左のマイクからの電気信号を増幅器1で増幅して左の前方定位受話器を駆動し、右のマイクからの電気信号を増幅器2で増幅して右の前方定位受話器を駆動すれば前方定位した高音質な聴診音が聞けるステレオ電子聴診器となる。
ステレオ電子聴診器であって前後音場受話器を使用し、チェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左キャビティ内に左用マイクを配置して該左マイクからの電気信号を増幅器1で増幅して左の前方発音体ユニットを駆動し、右キャビティ内に右用マイクを配置し該右マイクからの電気信号を増幅器2で増幅して右の前方定位受話器を駆動し、同時に左用マイクからの電気信号を所定の遅延処理装置付き増幅器1に入力し、右マイクからの電気信号を所定の遅延処理装置付き増幅器2へ入力し、遅延処理装置付き増幅器1の出力を右後方発音体ユニットあるいは左後方発音体ユニットヘ出力し、遅延処理装置付き増幅器2の出力を遅延処理装置付き増幅器1が右後方発音体ユニットヘ出力している場合は左後方発音体ユニットヘ出力し、遅延処理装置付き増幅器1が左後方発音体ユニットヘ出力している場合は右後方発音体ユニットヘ出力すればより前方定位が明確なステレオ電子聴診器となる。
密閉4分割チェストピースと上下45受話器を使用した電子聴診器とすれば更に明確な音場再生により音源定位の優れた高音質な電子聴診器を提供することが出来る。
密閉4分割チェストピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して図36(b)の上下45受話器の発音体ユニット3603Lを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して発音体ユニット3604Lを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して図36(a)の発音体ユニット3604Rを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して図36(a)の発音体ユニット3603Rを駆動する。
同様に密閉4分割45チェストピースと上下前イヤーピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して図25(a)の発音体ユニット2504及び(b)の発音体ユニット2510を駆動し第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して図25(b)の発音体ユニット2511を駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して図25(a)の発音体ユニット2506及び(b)の発音体ユニット2512を駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して図25(a)の発音体ユニット2505を駆動しても同様な効果がえられる。
本願発明の上下前後音場受話器を電子聴診器の受話器として使用すれば上下左右の音場が聞ける聴診器となる。
電子聴診器においても図28に示した右用上下前後音場受話器(a)と左用上下前後音場受話器(b)を使用すればさらに高音質な電子聴診器を提供することが出来る。密閉4分割45チェストピースにおいて各仕切られた4つのキャビティの中にそれぞれ1個ずつ計4個マイクを配設し被検生体側から振動膜を見て時計まわりに上から第1キャビティに第1マイク、第2キャビティに第2マイク、第3キャビティに第3マイク、第4キャビティに第4マイクを配設する。
第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して発音体駆動装置1により左右の上下前後音場受話器の発音体ユニット284Rと284Lを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して発音体駆動装置3により左右の上下前後音場受話器の発音体ユニット283Rと283Lを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して発音体駆動装置2で左の発音体281Lユニットを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して発音体駆動装置4で右の発音体ユニット281Rを駆動する。
また図37のブロック図のように密閉4分割45チェストピースと上下前後音場受話器を使用しかつ遅延装置を使用すればより前方定位が明確となる。第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して発音体駆動装置1により左右の上下前後音場受話器の第1発音体ユニット(図28の284Rと284L)を駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して発音体駆動装置3により左右の上下前後音場受話器の(図28の283Rと283L)を駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して左発音体駆動装置2で左第2発音体ユニット(図28の281L)を駆動し、同時に第2増幅器の出力信号を左遅延処理装置にも入力して左遅延処理装置からの出力信号を右発音体駆動装置4に入力して右発音体駆動装置4で右第4発音体ユニット(図28の282R)を駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して右発音体駆動装置2にて右第2発音体(図28の281R)を駆動し、同時に第4増幅器の出力信号を右遅延処理装置にも入力して右遅延処理装置からの出力信号を左発音体駆動装置4で左第4発音体ユニット(図28の282L)を駆動する。
更に図38のブロック図に示す様に第1増幅器の信号を遅延処理装置1に入力し該出力信号を第3増幅器からの信号とともに混合器3で混合して発音体駆動装置3へ入力して左右の上下前後音場受話器の第3発音体ユニットを駆動し、第3増幅器の信号を遅延処理装置3に入力し該出力信号を第1増幅器からの信号とともに混合器1で混合して発音体駆動装置1へ入力して左右の上下前後音場受話器の第1発音体ユニットを駆動することを追加することでより前方定位と上下方向の定位の聴音がより明確となる。
図32に上下前後音場受話器を使用した電子聴診器の概略外観図を示す。3201Lは左の上下前後音場受話器、3201Rは右の上下前後音場受話器、3202は電子聴診器全体を保持する首掛けストラップ、3203Lは左上下前後音場受話器駆動信号線を埋設した可撓性チューブ、3203Rは右上下前後音場受話器駆動信号線を埋設した可撓性チューブ、3204は電源スイッチ付き音量調節ツマミ、3205は遅延時間調節ツマミ3206は内部に電池、マイクからの電気信号を増幅する増幅回路及び遅延時間生成増幅器等の電子装置が収納された本体部、3207は4本のマイクコードを埋設した可撓性チューブ、3209は第1キャビティ3210は第2キャビティ、3211は第3キャビティ、3212は第4キャビティ、3218はキャビティ仕切り部材、3213は第1マイクに接続した信号線、3214は第2マイクに接続した信号線、3215は第3マイクに接続した信号線、3216は第4マイクに接続した信号線である。
次に本願受話器の補聴器への応用を述べる。片耳用補聴器においては1つのマイクで環境音を集音し補聴処理後1つの発音体で音波を生成し環境情報音を鼓膜へ伝達する方式が一般的である。
従来の補聴器では聞きたい音と聞きたくない音とを聞き分けることが困難となる問題点があった。この原因はマイクから集音された環境音情報を前後の音場で聞かせるのではなく1つの発音体で全てを同一方向からの到来音として聴取させているためと考えられる。
また片耳聴音用補聴器を2個使用し、左右ステレオ再生させて到来音の左右の方向感を改善した補聴器も存在しているが前後音の識別が不可能であり頭内定位の問題も解決されていない。片耳聴音で前後からの到来音の方向が識別聴音可能でかつ聞きたい音だけが聞き取りやすい補聴器は存在していなかった。
以後で述べる耳甲介の中央とは図11(a)で示す耳珠114の最も後頭部よりの稜線を通る冠状面111と対輪115の最も後頭部よりの稜線を通る冠状面113との中間の冠状面112が通る耳甲介部位を言う。冠状面とは生物の体を腹側(前)と背側(後)に分割する任意の平面のことである。図11(b)は耳甲介の中央の冠状面の斜視図を示す。また図22(a)で示す耳珠対対珠対輪稜線面224(斜線の部分)とは耳珠221の稜線と対珠222及び対輪223の稜線とで囲まれた面を示す。図22(b)は外耳道225部位での頭部横断面での耳珠対対珠対輪稜線面224を示す。
以後前方向から到来する環境音情報を電気変換するマイクロホンを前方マイク、後方向から到来する環境音情報を電気変換するマイクロホンを後方マイクと単に称する。また図16で示すマイク受音面161の中心からマイク受音面に対して垂直に集音対象音源方向に伸ばした軸をマイク集音軸162と称する。
本願で提供する補聴器は少なくとも前方マイクからの音信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクからの音信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池を備えて補聴処理手段1と補聴処理手段2の出力信号を音響信号に変換する受話器として本願発明の前後音場受話器を備えた構造の補聴器とする。前方マイクからの到来音は補聴処理手段1を経て前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動して、前方に定位させて聴音させ、後方マイクからの到来音は補聴処理手段2を経て前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動し、後方に定位させて聴音すると前方マイクと後方マイクで捉えた到来音を前後に広がった音場として聞ける。この前後に広がった音場の中から聞きたい音の到来方向に意識を集中させれば聞きたい音だけが聞き取りやすくなる効果が得られる。
上記で述べた補聴処理手段とはマイクからの音声信号を増幅し発音体を駆動させる手段であって聴音に役立つバンドパスフィルタや雑音抑制、ハウリング抑制処理などをも含めた手段のことである。補聴器の説明図においては解りやすくするため補聴処理手段と電池は省略している。
耳掛式補聴器への応用においては左装着用の耳掛式補聴器の概略斜視図を図17(a)に示す様に耳輪後方に装着する筐体内7112あるいはその上部あるいはその近傍に前方マイクの集音軸172を矢状面170に対して0度より大きくかつ90度より小さい範囲内の角度174で配設し、後方マイクの集音軸173を矢状面に対して90度より大きくかつ180度より小さい角度175で配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと電池を該筐体内に備え、補聴処理手段1の出力で前方発音体ユニットを駆動し補聴処理手段2の出力で後方発音体ユニットを駆動し前方発音体ユニット及び後方発音体ユニットにそれぞれ接続した音導管にて音波を筐体より導出し該音導管の先端部にイヤーピースを装着し該イヤーピースの先端が挿入される外耳道において前方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸176を外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸177を外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するよう配設すれば前後の音場を聞くことが可能となる。また前後音イヤーピースを使用して前方発音体ユニットに接続された音導管を前後音イヤーピースの第1音導管へ接続し、後方発音体ユニットに接続された音導管を前後音イヤーピースの第2音導管に接続しても良い。
図17(b)も同じ左装着用耳掛式補聴器であり178は前方マイク、179は後方マイク、1710は前方音波放射口、1711は後方音波放射口、1712は筐体、7113は前後音イヤーピースの第1音導管へ接続した音導管、7114は前後音イヤーピースの第2音導管へ接続した音導管である。
上記耳掛式補聴器において筐体内に発音体ユニットを配置せずに前後音場受話器を使用し補聴処理手段1と補聴処理手段2からの出力信号を信号線にて筐体から導出し前方向の環境音出力信号は補聴処理手段1で前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動し、後方向の環境音出力信号は補聴処理手段2で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動する構成としても良い。
耳穴式補聴器への応用においては図18で耳穴式補聴器装着時の外耳道での頭部横断面を示すとケース1812内に前方発音体ユニット1802と後方発音体ユニット1804と電気回路装置である補聴処理手段1と補聴処理手段2と電池を備え、外耳道での右耳装着横断面図18(a)に示す様にケースの一部から耳甲介中央あるいは対輪方向へ延出した支片部181を形成し、これに前方マイク189のマイク集音軸182を矢状面180に対して0度より大きくから90度より小さな角度183の範囲内で配設し、後方マイク1811の後方マイク集音軸185を耳珠対対珠対輪稜線面184を通過するよう該支片部に配置しても良いが本図では本体ケース1812に配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2を備え補聴処理手段1の出力信号は前方発音体ユニットを駆動し補聴処理手段2の出力信号は後方発音体ユニットを駆動し、外耳道内に挿入されるケースの先端の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸1801を前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設し、後方発音体ユニットの方向音波放射軸1803は外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設すればよい。1824は補聴処理手段1、1825は補聴処理手段2、1814は電池を示す。
前方マイクのマイク集音軸を図18(b)1810に示す様に耳甲介中央近傍から対輪方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面184を通過しないようにケース本体に配置しても良い。図19に実際の装着図を示す。191は前方マイク、192は後方マイク、193は支片部である。
以下で述べる耳珠基底部とは図23で示す耳珠内側面の斜線領域232よりも下部位で耳珠を支えている部位から外耳道口へ連なる部位で図24斜線領域233を示す。230は外耳道口、231耳珠である。
外耳道内で収まるサイズであるディープカナル型補聴器への応用において外耳道での装着時の横断面を図21に示す。前方マイクと後方マイクと前方発音体ユニットと後方発音体ユニットの位置関係を示し、ケース内に前方発音体ユニット2101と後方発音体ユニット2102とを備え、前方マイク2106は前方マイク集音軸2103を図23の斜線部232で示す耳珠内側面または耳甲介中央近傍から対輪までの領域方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面2100即ち図22(a)及び(b)の224を通過しないようにケースに配置し、後方マイク2107は後方マイク集音軸2104が耳珠対対珠対輪稜線面2100を通過する方向か、あるいは後方マイク集音軸2104を図24の斜線部233で示す耳珠基底部(耳珠を支えている部位)から外耳道口周囲に連なる部位に向けてケースに配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池をケース内に収め、補聴処理手段1で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2で後方発音体ユニットを駆動し、外耳道挿入部の音波放射口から前方音用方向音波放射軸2111を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射し、外耳道挿入部の音波放射口から後方音用方向音波放射軸2112を外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射するよう配設すればよい。
以上説明したように、本発明の前後音イヤーピースとこれを使用した受話器とすれば片耳聴音であっても前後にわたる音場が聞けるため前後音の到来方向を識別することが出来かつ、広がりを持った自然な音で聞ける。上下前後音イヤーピース及びこれを使用した受話器とすれば上下前後音の到来方向が識別可能となる。更に補聴器の構成要素の1つである受話器として本発明の前後音場受話器を使用すれば聞きたい音の到来方向に意識を集中することで聞きたい音のみが聞き取れやすい補聴器となる。
聴診器への応用については収音部と音導管とイヤーピースの基本要素から構成されているがこのイヤーピースに前方定位イヤーピースあるいは前後音イヤーピースを使用することで広がりのある高音質な聴診が得られ更に上下前音イヤーピースあるいは上下前後音イヤーピースと4分割チェストピースの使用により上下左右からの聴診音の方向と移動が識別可能とな
(a)音波放射軸と(b)音波放射断面(c)本発明の一部のカナル型受話器横断面図の一例を示す図である 外耳道面での横断面図であり、(a)外耳道中心軸(b)イヤーピースの中心軸を示す図である (a)前方定位受話器(b)後方定位受話器を示す図である (a)上方定位受話器(b)下方定位受話器を示す図である 右耳用前後音場受話器の、(a)鼓膜側から見た正面図、(b)横断面、であり、(c)はホーン形をした音導管内腔形状の概略図、(d)は(c)のホーン形状の音導管音波放射口を鼓膜側から見た正面図、(e)は右の前後音場受話器の外耳道での装着断面図を示す 右耳用多チャンネル受話器の一例を示す図である 右耳用多音波放射軸発音体の、3分枝音導管例の概略横断面図(a)と正面図(b)を示す図である 右耳用上下前後音場受話器の(a)概略斜視図、(b)上下音導管の縦断面の概略図、(c)鼓膜側から見た正面図を示す図である 遅延時間処理装置付き駆動アンプを用いた信号処理のブロック図である。 主音導管と分枝音導管の関係を示す図である (a)は頭頂部から見た耳甲介中央部を通る冠状面を説明するための図であり、(b)は耳甲介中央部を通る冠状面の斜視図である 音波拡散器又は音波反射器の実施例を示す図である (a)矢状面軸入射角 (b)横断面軸入射角を説明するための図である 右耳用チューブ式ヘッドホンの実施例を示す図である 右耳用チューブ式サラウンドヘッドホンの実施例を示す図である。 マイク集音軸を説明するための図である 耳掛式補聴器の実施例を示す図である 外耳道に装着した耳穴式補聴器の横断面を示す図である 右耳用耳穴式補聴器の概略装着図である 右耳用のディープカナル型(CIC)補聴器の鼓膜側から見た正面図である 右耳用のディープカナル型(CIC)補聴器外耳道装着時の概略横断面図である。 耳珠対対珠対輪稜線面を説明するための図である 耳珠内側面を説明するための図である 耳珠基部を説明するための図である 上下前音イヤーピースの実施例を示す図である 上下前音イヤーピース縦断面を示す図である。 4分割チェストピースの実施例を示す図である。 電子聴診器用上下前後音イヤーピースの実施例を示す図である。 ステレオ聴診器の実施例を示す図である。 4分割チェストピースを用いた上下左右聴診器の実施例を示す図である。 (a)遅延分枝音導管付きイヤーピースと、(b)D1音導管付きイヤーピースの実施例を示す図である。 電子聴診器の概略外観図である。 4分割チェストピースと音導管を示す図である コイル状遅延音導管を用いた聴診器の実施例を示す図である。 上下45イヤーピースを説明するための図である。 上下45受話器の斜視図である 電子聴診器ブロック図の実施例を示す図である。 電子聴診器ブロック図の他の実施例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下図5を参照して本発明を実施するための形態のひとつとして、カナル型の前後音場受話器を説明する。
図5(b)は右耳用カナル型前後受話器の概略横断面図を示し、1つのイヤーピース筒状部503内に第1音導管54と第2音導管55の2本の音導管を配し第1音導管を前方音用音導管として前方発音体ユニット56のハウジング音導管501に接続し該前方音用音導管の音波放射端面における方向音波放射軸51をイヤーピースが外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース内に配設し、第2音導管を後方音用音導管として後方発音体ユニット57のハウジング音導管502に接続し該後方音用音導管の音波放射端面における方向音波放射軸52をイヤーピースが外耳道に挿入されている状態で外耳道の後頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース筒状部内に配設する。図5(a)は右耳用で外耳道へ挿入するイヤーピースを鼓膜側から見た正面図であり58は前方音用音波放射口、59は後方音用音波放射口、53はイヤーピースの傘状部を示す。ハウジング音導管を延長して第1音導管と第2音導管の代用としても良い。
管内音導管の内腔の形状が音波放射端面において開くホーン型形状としても良い。図5(c)にホーン型形状の管内音導管の内腔の一例の斜視図を示す。509は音波放射端面、510は発音体ユニットとの接続端腔を示す。図5(d)は右耳用で管内音導管の内腔形状をホーン型とした場合の鼓膜側から見たイヤーピースの正面図で514は前方音用音波放射端面、515は後方音用音波放射端面、513はイヤーピースの傘状部を示す。
この前後音場受話器を左右一対で使用すれば、カナル型受話器によるサラウンド再生用ヘッドホンとなる。
(第2の実施形態)
図8(a)に右耳用の上下前後音場受話器の概略斜視図を示し、図8(b)には解りやすくするため前音導管と後音導管は省略した上下音導管のみの縦断面の概略図を示す。前方発音体である第2発音体ユニット81と後方発音体である第4発音体ユニット82と上方音用発音体である第1発音体ユニット84と下方音用発音体である第3発音体ユニット83の4個の発音体ユニットで構成し図5で示した前後音場受話器に更に上下に垂直に並べられた上位音導管85と下位音導管86の2本の音導管をイヤーピース内に追加し、上位音導管85を上方音用音導管として上方音用発音体ユニット84を接続し、上方音用発音体の方向音波放射軸806はイヤーピースが外耳道に挿入される外耳道の上部壁に向け、追加したもう1本の下位音導管8を下方音用音導管として下方音用発音体ユニット83を接続し、下方音用発音体の方向音波放射軸807はイヤーピースが外耳道に挿入される外耳道の下部壁に向けイヤーピース筒状部内に配置する。図8(c)は鼓膜側から見た右の上下前後音場受話器正面図を示す。801は前方音放射口、802は後方音放射口、803は下方音放射口、804は上方音放射口、805はイヤーピースの傘状部である。
(第3の実施形態)
図7(a)は右耳用のイヤーピース筒状部内に3本の分枝音導管を配置した多音波放射軸発音体ユニットを使用した受話器の概略横断面図を示す。主音管71から分岐した3本の分枝音導管の音波放射軸はそれぞれ矢状面にして異なる入射角をなすよう配置する。最短の音導管72は前方定位に寄与する直接音用でありその方向音波放射軸はイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に向けてイヤーピース筒状部内に配設し、その他の音導管は間接音用の音導管としてその音波放射軸を最短の分枝音導管と同側73と反対側74の外耳道壁へ向けて配置した例を示す。70は発音体ユニットである。図7(b)は(a)で示したイヤーピースの正面図で3本の分枝音導管の音波放射口を示す。直接音の音波放射口75、直接音と同側の間接音音波放射口76、直接音と反対側の後頭部側の間接音音波放射口77を示す。
(第4の実施形態)
図12に音波反射拡散器を持つ受話器の形態を示す。外耳道内に挿入する音導管(管状部)を有するカナル型受話器においてイヤーピース筒状部内の音導管の音波放射端面(図1の12)から該音導管と接続する発音体ユニットのハウジング音導管までの間の内腔に音波拡散作用と音波反射作用を持つ表面が滑らかな音波反射拡散器を備えた右耳用の実施形態を図12に示す。(a)と(b)は横断図で(c)は鼓膜側から見た正面図を示す。(a)は音波反射拡散器123をハウジング音導管内に備えた例を示し、その形状は発音体から放射された音波122がこの音波反射拡散器に反射してイヤーピースの先端が外耳道に挿入されている状態で外耳道の前頭部側の外耳道壁に拡散して音波が放射される形状とする。図12(b)では音波反射拡散器はイヤーピースで構成する部材のイヤーピース筒状部内の音導管の内側面の一部分をなだらかな曲面を持つ状に盛り上げた構造124とした例を示す。図12(c)はイヤーピース内の音導管内側面に音波反射拡散器を有する(b)の鼓膜側から見た図で125は音波反射拡散器断端面、126は音波放射口、120はイヤーピースの傘状部である。
(第5の実施形態)
図14(a)はチューブ式ヘッドホンの概略図であって右耳挿入用イヤーピースとチューブの概略斜視図を示す。主に航空機の客席で使用されるチューブ式(音導管式)のステレオイヤーホンである。イヤーピース筒状部145内のチューブ音導管の音波放射端面でのチューブの音導管音波放射軸をイヤーピース140の先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側側壁に向けて音波をイヤーピースの音波放射口からチューブ内に備えた反射拡散器を用いて前頭部側の外耳道壁に向けて放射させる。図14(c)は反射拡散器142を使用した形態の例である横断面を示す。140は傘状部である。図14(b)は右耳挿入イヤーピースを外耳道口側から見た正面図であり音波放射口143と反射拡散器断端面142を示す。
(第6の実施形態)
このチューブ音導管を左右一対使用すれば前方定位したチューブ式ステレオイヤーホーンとなる。サラウンド装置として前後音イヤーピースを使用し図15に示す様に図14で示した右耳挿入用イヤーピース筒状部内に前方用チューブ音導管151と後方音用チューブ音導管152を配設する。後方音用チューブ音導管の音波放射先端部位での音導管音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側壁に向けてサラウンドの後方音音波をイヤーピースの音波放射口からチューブ内に備えた反射拡散器を用いて放射させるよう備えたサラウンド装置の形態を示す。
図15は前方音用反射拡散器156と後方音用反射拡散器157を使用した右耳用のチューブ式前後イヤーホーンの形態を示す。15図(a)に前後音場再生可能なチューブ式ヘッドホンの右耳挿入イヤーピースとチューブの概略斜視図を示す。前方音用チューブ音導管と後方音用チューブ音導管を1つのイヤーピース筒状部内に配置する。これを左右一対備えればサラウンド再生可能なチューブ式のサラウンド受話器となる。図15(b)は右耳挿入イヤーピースの外耳道口側から見たイヤーピースの正面図であり前方音用音波放射口153と後方音用音波放射口154であり155は前後の反射拡散器の断端面を示す。図15(c)はイヤーピースの横断面図における前方用反射拡散器156、後方用反射拡散器157の形状の例を示す。158は前方音用チューブ音導管、159は後方音用チューブ音導管である。
(第7の実施形態)
図17(b)に左耳装着用耳掛式補聴器の実施形態の概略斜視図を示す。耳輪後方に装着する筐体7112の上部に前方マイク178と後方マイク179の2つを備え、前方マイクの集音軸を矢状面に対して0度より大きくかつ90度より小さい範囲内の角度174で配設し、後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より大きくかつ180度より小さい角度175に配設する。前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと電池を該筐体内に備え、前方マイクの出力信号は補聴処理手段1を経て前方発音体ユニットヘ出力し、後方マイクからの出力信号は補聴処理手段2を経て後方発音体ユニットヘ出力される。前方発音体ユニットに接続した音導管7113及び後方発音体ユニットに接続した音導管7114にて音波を導出し該前方発音体ユニットに接続した音導管7113を前後音イヤーピースの第1音導管に接続し該後方発音体ユニットに接続した音導管7114を前後音イヤーピースの第2音導管に接続する。前方発音体ユニットに接続した音導管の音波放射軸を前方音放射口1710から外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方発音体ユニットに接続された音導管の音波放射軸を後方音放射口1711から外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射する。
(第8の実施形態)
図18(a)、(b)に右耳用耳穴式補聴器の外耳道での横断面図を示す。右耳用耳穴式補聴器の概略装着図を図19に示す。本体ケース1812内に前方発音体ユニット1802と後方発音体ユニット1804と前方マイク189と前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイク1811と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池1814を備え、ケースの一部より耳甲介中央近傍から対輪方向へ延出した管状の支片部181を備えてこれに前方向の環境音情報を電気変換する前方マイク189を配設し、この前方マイク集音軸182を矢状面に対して0度より大きく90度より小さな角度183の範囲内の角度で配設し、後方向の環境音情報を電気変換する後方マイク1811はケース面に配置し後方マイク集音軸185は矢状面に対して90度より大きく180度より小さな角度1805でかつ後方向用マイク集音軸185が耳珠対対珠対輪稜線面184(図22で示す224)を通過するよう本体ケースに配設する。前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1の出力前方発音体ユニット1802を駆動し、後方マイクの出力信号は補聴処理する補聴処理手段2へ入力し補聴処理手段2の出力で後方発音体ユニット1804を駆動する。1824は補聴処理手段1、1825は補聴処理手段2を示し、管状の支片部に配設した前方マイクからの電気コードは支片部管内を通して補聴処理手段1に接続する。
図20右耳用耳穴式補聴器の鼓膜側から見た正面図を示す。ケース本体2000と外耳道内に挿入される先端部の外耳道挿入部2001を示す。外耳道挿入部位において前方音放射口2002から前方発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方音放射口2003から、後方発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道の後頭部側へ向けて音波を放射するよう音導管発音体を配設する。
(第9の実施形態)
耳穴式補聴器において図18(b)は前方マイク189をケースの一部より耳甲介中央近傍から対輪方向へ延出した支片部に配置せずにケース面に配設し、前方マイクのマイク集音軸1810を耳甲介中央近傍から対輪方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面184を通過しないようにケースに配置した場合の形態を示す。
(第10の実施形態)
図21に右耳用のディープカナル型(Completely In the Cana1、以下CICという。)補聴器の外耳道装着時の概略横断面図示す。ケース内に前方発音体ユニット2101と後方発音体ユニット2102と前方マイク2106の出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイク2107の出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池を備え、前方マイク集音軸2103を耳甲介の中央から対輪方向に向けかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過しないように配置し、後方マイク集音軸2104は耳珠対対珠対輪稜線面を通過するかあるいは耳珠対対珠対輪稜線面を通過せずに図24の233の斜線領域で示す耳珠基底部(耳珠を支えている部位)から外耳道口に連なる部位に向けて本体ケースに配置し(図21(b))、前方マイク2106の出力信号を補聴処理手段1で補聴処理して前方発音体ユニット2101を駆動し後方マイク2107の出力信号を補聴処理手段2で補聴処理して後方発音体ユニット2102を駆動し外耳道挿入部の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸2111を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射し、外耳道挿入部の音波放射口から後方発音体ユニットの方向音波放射軸2112を外耳道の後頭部側の側壁へ向けて音波を放射するよう発音体ユニットを配設する。2113は電池を含む補聴処理手段1と補聴処理手段2の配置を示す。
(第11の実施形態)
図29にステレオ聴診器の概略斜視図を示す。チェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で仕切り部材2900により左キャビティ2902と右キャビティ2903の2分割に仕切り、各仕切られたそれぞれ2つのキャビティから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備え、左キャビティの音導管2904に左用音導チューブ2905を接続し、右キャビティの音導管2906に右用音導チューブ2907を接続し、更に左用音導チューブ2905を左第1音導チューブ2908と左第2音導チューブ2909の2本に分岐し、同様に右耳用音導チューブ2907を右第1音導チューブ2910と右第2音導チューブ2911の2本に分岐して分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左第1音導チューブ2908は左の前後音イヤーピース2912の第1音導管2914と接続し右第1音導チューブ2910は右の前後音イヤーピース2913の第1音導管2915と接続し、左第2音導チューブ2909は右の前後音イヤーピースの第2音導管2917とに接続し右第2音導チューブ2911は左の前後音イヤーピースの第2音導管2916と接続する。左第2音導チューブを左第1音導チューブ2908より長くするため一部をコイルの形状とし、同様に右第2音導チューブ2911を右第1音導チューブ2910より長くするため一部をコイルの形状としている。
(第12の実施形態)
図30に上下左右聴診器の概略斜視図を示す。上下前後音イヤーピースを使用しかつ4分割45チェストピースを使用し第1キャビティ3071の音導管3061に接続した音導チューブ3041を左上方音分枝音導チューブ3031と右上方音分枝音導チューブ3021の2つに分岐させ左上方音分枝音導チューブ3031は左上下前後音イヤーピースの第1音導管3011と接続し、右上方音分枝音導チューブ3021は右上下前後音イヤーピースの第1音導管3001と接続し、第3キャビティ3073の音導管3063に接続した音導チューブ3043を左下方音分枝音導チューブ3033と右下方音分枝音導チューブ3023の2つに分岐させ左下方音分枝音導チューブ3033は左上下前後音イヤーピースの第3音導管3013と接続し、右下方音分枝音導チューブ3023は右上下前後音イヤーピースの第3音導管3003と接続し、第4キャビティ3077の音導管3067に接続した音導チューブ3057は右分枝音導チューブ1の3022と右分枝音導チューブ2の3034の2本に分岐させ、同様に第2キャビティ3076の音導管3066に接続した音導チューブ3056も左分枝音導チューブ1の3032と左分枝音導チューブ2の3024の2本に分岐させ、それぞれ右分枝音導チューブ1は右の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、左分枝音導チューブ1は左の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、右分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管3014に接続し、左分枝音導チューブ2は右の上下前後音イヤーピース第4音導管3004に接続する。
更に右分枝音導チューブ2を右分枝音導チューブ1より長く、左分枝音導チューブ2を左分枝音導チューブ1よりも長くするため右分枝音導チューブ2と左分枝音導チューブ2一部をコイル形状として音の遅延効果を持たせている。

Claims (50)

  1. 外耳道壁の一部に音波を放射して外耳道壁に音波を反射させて鼓膜へ音波を到達させる方式の受話器。
  2. インナー型受話器であって外耳道壁の一部に音波を放射して外耳道壁に音波を反射させて鼓膜へ音波を伝達させることを特長としたインナー型受話器。
  3. インナー型受話器であって発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道壁に向けて音波を放射し外耳道壁に音波を反射させて鼓膜へ音波を到達させる方式の受話器。
  4. インナー型受話器に使用されるイヤーピースであってイヤーピース内の音導管の方向音波放射軸を外耳道壁の一部に向けて音波を放射するように音導管をイヤーピース内に配設したイヤーピース。
  5. 請求項4のイヤーピースであって発音体を納めたハウジングの前面に突設した先端から音を放出する筒状の音導管をイヤーピース内の音導管とした受話器。
  6. インナー型受話器に使用されるイヤーピースであってイヤーピースの中心軸あるいはイヤーピースが挿入される外耳道近傍の外耳道中心線とイヤーピースの方向音波放射軸が平行とならないようにイヤーピース内の音導管を配置したイヤーピース
  7. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位でイヤーピース内の音導管の方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に音導管を配設したイヤーピース。
  8. インナー型受話器であって発音体を納めたハウジングと、該ハウジングの前面に突設した先端から音を放出する筒状の音導管の音波放射軸、あるいは該筒状の音導管に接続するイヤーピース内の音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようハウジング内に配設した方式のインナー型受話器。
  9. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピース内にN本(Nは2以上の自然数)の発音体ユニットに接続する音導管を備えその音導管のうち最短の長さの音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するように配設したイヤーピース。
  10. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を備え、第1音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設し第2音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設したイヤーピース。
  11. インナー型受話器であってイヤーピース内にN本の音導管を備えそれぞれの音導管にN個の発音体ユニットを接続して、N本の音導管の方向音波放射軸をそれぞれ異なる外耳道壁あるいは同一外耳道壁であっても方向音波放射軸の外耳道壁入射角が異なるよう各発音体を配設することを特長としたインナー型受話器。
  12. インナー型受話器であってハウジング内に複数の音導管発音体を有し最短の音導管を有する音導管発音体を直接音用としてイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で該直接音用音導管発音体の方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようにハウジング内に配設し、直接音用音導管以上の長さでかつそれぞれ異なる長さの音導管の音導管発音体を間接音用とし、最短の音導管を有する音導管発音体以外の音導管発音体の方向音波放射軸をそれぞれ異なる外耳道壁部位へ向けることを特長としたインナー型受話器。
  13. 請求項12のインナー型受話器を左右一組使用してステレオ用受話器とし、直接音用音導管発音体以外の音導管音発音体を直接音用音導管発音体と同側あるいは反対側の音声信号あるいは左右混合した音声信号で駆動することを特長としたインナー型受話装置。
  14. インナー型受話器であってハウジング内に複数の音導管発音体を有し少なくとも1つの音導管発音体を直接音用音導管発音体としてイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で直接音用音導管発音体の方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようにハウジング内に配設し、残りの音導管発音体を間接音用音導管発音体とし該間接音担当発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道のそれぞれ異なる外耳道壁部位の側壁に向けて音波を放射しかつ直接音用発音体ユニットより所定の遅延時間生成装置付きアンプで駆動することを特長としたインナー型受話装置。
  15. 請求項14のインナー型受話装置を左右一組使用してステレオ用受話装置とし直接音用音導管発音体以外の音導管音発音体を直接音用音導管発音体と同側あるいは反対側の音声信号あるいは左右混合した音声信号で所定の遅延時間処理装置付きアンプにより駆動することを特長としたインナー型受話装置。
  16. インナー型受話器であってイヤーピース内に第1音導管と第2音導管の2本の音導管を備え、第1音導管の方向音波放射軸はイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設し第2音導管の方向音波放射軸はイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の後頭部側の側壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に配設し、イヤーピースの第1音導管に第1発音体ユニットのハウジング音導管を接続しイヤーピースの第2音導管に第2発音体ユニットのハウジング音導管を接続した受話器。
  17. 請求項16のインナー型受話器であって第1発音体をサラウンド信号の前方信号で駆動し第2発音体をサラウンド信号の後方音信号で駆動する前後音場受話器。
  18. 請求項16のインナー型受話器左右一対そろえた4chインナー型サラウンドイヤーホン。
  19. 請求項16のインナー型受話器であって第1発音体を収めた発音体ユニットのハウジング音導管を延長してイヤーピースの第1音導管の代用とし第2発音体を収めた発音体ユニットのハウジング音導管を延長して第2音導管の代用としたインナー型受話器。
  20. インナー型受話器に使用するイヤーピースであって発音体のハウジング音導管と接続するイヤーピース内の音導管を主音導管としこの主音導管のハウジング音導管と接続していない他端をイヤーピース内で複数の分枝音導管に分岐しこの全ての分枝音導管の方向音波放射軸をイヤーピースの先端から外耳道壁に向けて音波を放射するようイヤーピース内に分枝音導管を配設したイヤーピース。
  21. 分枝音導管イヤーピースであって複数の分枝音導管音波放射軸が外耳道の異なる部位に音波を放射できるように配置するかあるいは各分枝音導管音波放射軸が同一外耳道壁部位であっても異なる方向音波放射軸の外耳道壁入射角で音波を放射するよう分枝音導管を配したことを特長とした分枝音導管イヤーピース。
  22. 分枝音導管イヤーピースであって最短の分枝音導管の音波放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するようハウジング内に配設した分枝音導管イヤーピース。
  23. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピース筒状部内の音導管の内側面の一部分あるいはハウジング音導管の内側面の一部に音波拡散器または音波反射器またはその両方の機能を持つ音波反射拡散器として突物を備えたイヤーピース。
  24. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピース筒状部内の音導管がハウジング音導管と接続する管状の内腔形状からイヤーピース先端の音波放射口に向かって音導管の内腔形状をホーン形状としたイヤーピース。
  25. インナー型受話器に使用するイヤーピースであって外耳道に挿入する管状部の音波を放射する先端の音波放射端面の管状部の一部を鼓膜側へ延出させた支片部を音波放射端面の前方(鼓膜側)に形成して備え、この部位に音波拡散器または音波反射器あるいはその両方の機能を備えた音波反射拡散器を備えることを特長としたイヤーピース。
  26. インナー型ステレオヘッドホンであって左右のイヤーピース内に複数の長さの異なる音導管を備え、この複数の音導管とそれぞれ接続する複数の発音体ユニットのハウジング音導管のうち最短のイヤーピース内の音導管と接続したハウジング音導管の発音体ユニットを直接音用音導管としてイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するよう配設し、それ以外のイヤーピース内の音導管と接続したハウジング音導管音の発音体ユニットを間接音用とし、直接音用音導管と接続した発音体ユニットを駆動する音声信号と同側あるいは反対側の音声信号あるいは左右混合した音声信号で駆動することを特長としたインナー型受話器
  27. インナー型ステレオヘッドホンであって左右それぞれのイヤーピース内に複数の音導管を配設し、該複数の音導管の内で1本の音導管の音導管放射軸をイヤーピースの先端が挿入される外耳道部位で外耳道の前頭部側の側壁に向けて音波を放射するよう配設し、該音導管と接続した発音体ユニットを直接音用とし残りのイヤーピース内の音導管と接続した発音体ユニットを間接音用発音体ユニットとし、それぞれの間接音用発音体ユニットに対応した異なる遅延時間処理回路を有するアンプで間接音用発音体ユニット駆動することを特長としたインナー型ステレオヘッドホン装置。
  28. インナー型受話器に使用するイヤーピースであってイヤーピース筒状部内に第1多分岐音導管と第2多分岐音導管の2つの多分岐音導管を備え、第1多分岐音導管の内最短の分枝音導管の音波放射軸をイヤーピースが挿入される外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波が放射されるようイヤーピース内に配置し、第2多分岐音導管の内最短の分枝音導管の音波放射軸をイヤーピースが挿入される外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波が放射されるようイヤーピース内に配置することを特徴としたイヤーピース。
  29. インナー型受話器の1つのハウジング内に第1多音波放射軸発音体ユニットと第2多音波放射軸発音体ユニットを配設し第1多音波放射軸発音体ユニットの内最短の分枝音導管の音波放射軸をイヤーピースが挿入される外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波が放射されるようイヤーピース内に配置し、第2多音波放射軸発音体の内最短の分枝音導管の音波放射軸をイヤーピースが挿入される外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波が放射されるようイヤーピース内に配置したインナー型受話器。
  30. 聴診器であって聴診器のステート部と、これに接続した音導チューブと、該音導チューブを左耳用音導チューブと右耳用音導チューブとの2本に分岐し分岐された2本のチューブの先端部分にそれぞれ前方音イヤーピース、あるいは遅延分枝音導管付きイヤーピースを接続した聴診器。
  31. 聴診器であって聴診器のステート部と、これに接続した音導チューブと、該音導チューブを左耳用音導チューブと右耳用音導チューブとの2本に分岐し、更に左耳用音導チューブを左耳用音導チューブ1と左耳用音導チューブ2の2本に分岐し、右耳用音導チューブを更に右耳用音導チューブ1、右耳用音導チューブ2の2本に分岐し、左耳用音導チューブ1は左の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは左の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、右耳用音導チューブ1は右の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左耳用音導チューブ2は左の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、右耳用音導チューブ2は右前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左耳用音導チューブ2が左遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続している場合は右遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し左耳用音導チューブ2が右遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続している場合は左遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した聴診器。
  32. ステレオ聴診器であってチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られたそれぞれ2つのキャビティから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備え、左キャビティの音導管に音導チューブを接続して左用音導チューブとして左の前方音イヤーピースの音導管と接続し、右キャビティの音導管に音導チューブを接続して右用音導チューブとして右の前方音イヤーピースの音導管と接続したステレオ聴診。
  33. ステレオ聴診器であってチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られたそれぞれ2つのキャビティから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備え、左キャビティの音導管に左用音導チューブを接続し、右キャビティの音導管に右用音導チューブを接続し、左用音導チューブを更に左前用音導チューブと左後用音導チューブの2本に分岐し同様に右耳用音導チューブを右前用音導チューブと右後用音導チューブの2本に分岐して分岐されたそれぞれの音導チューブの先端部分を左前用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは左の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管に接続し右前用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第1音導管あるいは右の遅延音導管付きイヤーピースの第1音導管と接続し、左後用音導チューブは左の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左または右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し右後用音導チューブは右の前後音イヤーピースの第2音導管あるいは左後用音導チューブが左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続し、左後用音導チューブが右の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続した場合は左の遅延音導管付きイヤーピースのD1音導管と接続したステレオ聴診。
  34. ステレオ聴診器であってチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られたそれぞれ2つのキャビティから突設した先端から音を放出する筒状の音導管を備え、左キャビティの音導管に音導チューブを接続して左用音導チューブとし、該左用音導チューブを更に左用音導チューブ1と左用音導チューブ1より長い左用音導チューブ2とに分岐し、左用音導チューブ1は左の前後音イヤーピースの第1音導管に接続し、左用音導チューブ2は右の前後音イヤーピースの第2音導管に接続するかあるいは左の前後音イヤーピースの第2音導管に接続し、右キャビティの音導管に音導チューブを接続して右用音導チューブとし、該右用音導チューブを更に右用音導チューブ1と右用音導チューブ1より長い右用音導チューブ2とに分岐し右用音導チューブ1は右の前後音イヤーピースの第1音導管に接続し右用音導チューブ2は、左用音導チューブ2が右の前後音イヤーピースの第2音導管に接続している場合は左の前後音イヤーピースの第2音導管に接続し、左用音導チューブ2が左の前後音イヤーピースの第2音導管に接続している場合は、右の前後音イヤーピースの第2音導管に接続した聴診器
  35. 聴診器であって4分割チェストピースと上下45イヤーピースを使用し、4分割チェストピースの第1音導管を音導チューブで左上下45イヤーピースの第1音導管に接続し、4分割チェストピースの第2音導管を音導チューブで左上下45イヤーピースの第2音導管に接続し、4分割チェストピースの第3音導管を音導チューブで右上下45イヤーピースの第2音導管に接続し、4分割チェストピースの第4音導管を音導チューブで右上下45イヤーピースの第1音導管に接続した聴診器。
  36. 聴診器であって4分割45チェストピースと上下前音イヤーピースを用い4分割45チェストピースの第1キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第1音導管に接続し、第2キャビテの音導管と左の上下前音イヤーピースの第2音導管を音導管で接続し、第3キャビティの音導管に音導チューブを接続しこの音導チューブを2本に分岐させそれぞれを左耳用と右耳用の上下前音イヤーピースの第3音導管に接続し、第4キャビティの音導管と右の上下前音イヤーピースの第2音導管を音導管で接続した聴診器。
  37. 聴診器であって上下前後音イヤーピースを使用しかつ4分割45チェストピースを使用して第1キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐しそれぞれを左右の上下前後音イヤーピース第1音導管に接続し、第3キャビティの音導管に接続した音導チューブを2つに分岐し、分岐した音導管をそれぞれを左と右の上下前後音イヤーピース3音導管に接続し、第4キャビティの音導管に接続した音導チューブは右分枝音導チューブ1と右分枝音導チューブ1と同長あるいはより長い右分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、同様に第2キャビティの音導管に接続した音導チューブも左分枝音導チューブ1と左分枝音導チューブ1と同長、あるいはより長い左分枝音導チューブ2の2本に分岐させ、それぞれ右分枝音導チューブ1は右の上下前後音イヤーピース第2音導管に接続し、左分枝音導チューブ1は左の上下第2音導管に接続し、右分枝音導チューブ2は左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2は右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続するか、あるいは右分枝音導チューブ2を右の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続し、左分枝音導チューブ2を左の上下前後音イヤーピース第4音導管に接続した聴診器。
  38. 電子聴診器であって聴診器のステート部に配置にされた集音マイクからの電気信号をアンプで増幅して左右の前方定位受話器を駆動することを特徴とする電子聴診器。
  39. 電子聴診器であって前後音場受話器を使用し聴診器のステート部に配置にされた集音マイクからの電気信号をアンプで増幅して左右の前方発音体ユニットを駆動し、同時に集音マイクからの出力を所定の遅延時間処理装置付きアンプに入力しその出力で右と左の前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動することを特徴とする電子聴診器。
  40. ステレオ電子聴診器であってチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左キャビティ内に左用マイクを配置して該左マイクからの電気信号をアンプで増幅して左の前方定位受話器を駆動し、右キャビティ内に右用マイクを配置し該右マイクからの電気信号をアンプで増幅して右の前方定位受話器を駆動することを特徴とするステレオ電子聴診器。
  41. ステレオ電子聴診器であって前後音場受話器を使用しチェストピースにおいて振動膜によって閉塞された収音部を形成するキャビティを中央で左右2分割に仕切り、各仕切られた左キャビティ内に左用マイクを配置して該左マイクからの電気信号をアンプ1で増幅して左の前方発音体ユニットを駆動し、右キャビティ内に右用マイクを配置し該右マイクからの電気信号をアンプ2で増幅して右の前方定位受話器を駆動し、同時に左用マイクからの電気信号を所定の遅延時間処理装置付きアンプ1に入力し、右マイクからの電気信号を所定の遅延時間処理装置付きアンプ2へ入力し、遅延時間処理装置付きアンプ1の出力を右後方発音体ユニットあるいは左後方発音体ユニットへ出力し、遅延時間処理装置付きアンプ2の出力を遅延時間処理装置付きアンプ1が右後方発音体ユニットへ出力している場合は左後方発音体ユニットへ出力し、遅延時間処理装置付きアンプ1が左後方発音体ユニットへ出力している場合は右後方発音体ユニットへ出力することを特徴とするステレオ電子聴診器。
  42. 電子聴診器であって上下45受話器と密閉4分割チェストピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して左用上下45受話器の第1発音体ユニットを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して左用上下45受話器の第2発音体ユニットを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して右用上下45受話器の第2発音体ユニットを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して右用上下45受話器の第1発音体ユニットを駆動することを特長とした電子聴診器。
  43. 電子聴診器であって上下前音場受話器と密閉4分割45チェストピースを使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して右用上下前音場受話器の第1発音体ユニットと左用上下前音場受話器の第1発音体ユニットを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して左用上下前音場受話器の第2発音体ユニットを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して右用上下前音場受話器の第3発音体ユニットと左用上下前音場受話器の第3発音体ユニットを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して右用上下前音場受話器の第2発音体ユニットを駆動することを特長とした電子聴診器。
  44. 電子聴診器であって上下前後音場受話器と密閉4分割45チェストピースを使用しかつ遅延装置を使用し第1キャビティ内に第1マイク、第2キャビティ内に第2マイク、第3キャビティ内に第3マイク、第4キャビティ内に第4マイクを配置し第1マイクからの電気信号を第1増幅器で増幅して発音体駆動装置1により左右の上下前後音場受話器の第1発音体ユニットを駆動し、第3マイクからの電気信号を第3増幅器で増幅して発音体駆動装置3により左右の上下前音場受話器の第3発音体ユニットを駆動し、第2マイクからの電気信号を第2増幅器で増幅して左発音体駆動装置2で左第2発音体ユニットを駆動し、同時に第2増幅器の出力信号を所定の遅延時間処理装置付きアンプ1にも入力し、遅延時間処理装置付きアンプ1の出力信号を右発音体駆動装置4に入力して右発音体駆動装置4で右第4発音体ユニットを駆動し、第4マイクからの電気信号を第4増幅器で増幅して右発音体駆動装置2にて右第2発音体を駆動し、同時に第4増幅器の出力信号を所定の遅延時間処理装置付きアンプ2にも入力し、遅延時間処理装置付きアンプ2の出力信号を左発音体駆動装置4へ入力して左発音体駆動装置4で左第4発音体ユニットを駆動する。
  45. 補聴器であって前方マイクと後方マイクと前後音場受話器を備え、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池とを備え、補聴処理手段1の出力信号で前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動し補聴処理手段2の出力信号で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動することを特長とした補聴器。
  46. 耳掛式補聴器であって耳輪後方に装着する筐体内あるいはその上部あるいはその近傍に前方マイクの集音軸を矢状面に対して0度より大きくかつ90度より小さな角度で配設し、後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より多くかつ180度より小さい角度で配設し、筐体内に前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と前方発音体ユニットと後方発音体ユニットと電池を備え、補聴処理手段1の出力信号で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2の出力信号で後方発音体ユニットを駆動し、前方発音体ユニット及び後方発音体ユニットにそれぞれ接続した音導管にて音波を筐体より導出し該音導管の先端部に前後音イヤーピースを装着し該前後音イヤーピースの先端が挿入される外耳道において前方発音体に接続された音導管の方向音波放射軸を外耳道の前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射し、後方発音体に接続された音導管の方向音波放射軸を外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するよう配設することを特長とした耳掛式補聴器。
  47. 耳掛式補聴器であって耳輪後方に装着する筐体内あるいはその上部あるいはその近傍に前方マイクの集音軸を矢状面に対して0度より大きくかつ90度より小さな角度の範囲内の角度で配設し、後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より多くかつ180度より小さい角度で配設し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池とを備え、補聴処理手段1と補聴処理手段2の出力信号を信号線で前後音場受話器に接続し、該出力信号のうち補聴処理手段1の出力信号で前後音場受話器の前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2の出力信号で前後音場受話器の後方発音体ユニットを駆動する耳掛式補聴器。
  48. 耳穴式補聴器であって前方発音体ユニットと後方発音体ユニットとをケース内に備え、ケ−スより耳甲介中央から対輪方向へ延出した支片部を形成し、該支片部に前方マイクのマイク集音軸を矢状面に対して0度より大きく90度より小さい範囲内の角度で配設し、後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より大きく180度より小さい範囲内の角度で配設しかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過するよう該支片部に配置するかあるいは本体ケースに配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池とを備え、補聴処理手段1の出力信号で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2の出力信号で後方発音体ユニットを駆動し、外耳道内に挿入されるケースの先端の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸を外耳道側壁の前頭部側に向けて音波を放射するように配設し、後方発音体ユニットの方向音波放射軸は外耳道の外耳道側壁の後頭部側に向けて音波を放射するように配設した耳穴式補聴器。
  49. 耳穴式補聴器であって前方発音体ユニットと後方発音体ユニットとをケース内に備え、前方マイクのマイク集音軸を耳甲介中央近傍から対輪方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過しないようにケース本体に配置し、後方マイクはマイクの集音軸が矢状面に対して90度より大きく180度より小さい角度でかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過するようケースに配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池とをケース内に備え、補聴処理手段1の出力信号で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2の出力信号で後方発音体ユニットを駆動し、外耳道内に挿入されるケースの先端の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸を前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設し、後方発音体ユニットの方向音波放射軸は外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設した耳穴式補聴器。
  50. ディープカナル(completely−in−the−canal略してCIC)型補聴器であって前方発音体ユニットと後方発音体ユニットとをケース内に備え、前方マイクは前方マイク集音軸を耳珠内側面または耳甲介中央近傍から対輪までの耳甲介の領域方向に向けてかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過しないようにケースに配置し、後方マイクは後方マイクの集音軸を矢状面に対して90度より大きく180度より小さい範囲内の角度でかつ耳珠対対珠対輪稜線面を通過する方向に配置するかあるいは後方マイク集音軸を耳珠基底部から外耳道口周囲に連なる部位に向けてケースに配置し、前方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段1と後方マイクの出力信号を補聴処理する補聴処理手段2と電池とを備え、補聴処理手段1の出力信号で前方発音体ユニットを駆動し、補聴処理手段2の出力信号で後方発音体ユニットを駆動し、外耳道内に挿入されるケースの先端の音波放射口から前方発音体ユニットの方向音波放射軸を前頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設し、後方発音体ユニットの方向音波放射軸は外耳道の後頭部側の外耳道側壁に向けて音波を放射するように配設したCIC型補聴器。
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