JP2013004765A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂モールド成形時におけるパイプの変形を抑制できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体モジュール2と、上面に半導体モジュール2が接合され側面20,22に冷媒流通用のパイプ14,15が固定された冷却器3と、半導体モジュール2と冷却器3の外周を覆う樹脂モールド層4と、を備え、冷却器3の側面20,22に、側面20,22から突出しパイプ14,15を囲む凸部25,26を設けた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
従来の半導体装置としては、半導体モジュールと冷却器とを樹脂モールド成形により一体化したものが知られている。冷却器の側面には、内部のヒートシンクに冷媒を流通させるパイプが突設されている。この記載に関係する技術の一例は、特許文献1に開示されている。
特開2010-62511号公報
上記従来技術において、半導体モジュールと冷却器とを樹脂モールド成形する際、金型の型割面はパイプの外形に沿って形成する必要がある。このため、樹脂モールド成形時に半導体モジュールと冷却器を金型でクランプ(型締め)したとき、パイプにクランプ力が作用してパイプが変形するおそれがある。パイプの変形は、流路抵抗の増大による冷却効率の低下を招く。
本発明の目的は、樹脂モールド成形時におけるパイプの変形を抑制できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、冷却器側面に当該側面から突出しパイプを囲む凸部を設けたことを特徴とする。
よって、本発明にあっては、樹脂モールド成形時、凸部の側面に沿う型割面を有する金型により半導体モジュールと冷却器とをクランプして両者を樹脂モールドできるため、パイプに作用するクランプ力を低減でき、パイプの変形を抑制できる。
実施例1の半導体装置を示す斜視図である。 図1のS2-S2断面図である。 図1のS3-S3断面図である。 実施例1の冷却器の正面図である。 実施例1の半導体装置の製造方法を示す斜視図である。 実施例2の冷却器の正面図である。 図6のS7-S7断面図である。 他の実施例の凸部形状を示す冷却器の正面図である。 他の実施例の凸部形状を示す冷却器の正面図である。
以下、本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
まず、構成を説明する。
[半導体装置の構成]
図1は実施例1の半導体装置を示す斜視図、図2は図1のS2-S2断面図、図3は図1のS3-S3断面図、図4は実施例1の冷却器の正面図、図5は実施例1の半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
半導体装置1は、パワー半導体モジュール(以下、半導体モジュール)2と冷却器3と樹脂モールド層4とを備える。
半導体モジュール2は、車両走行用の三相交流モータをPWM駆動制御するインバータの各相(U相、V相およびW相)に対応する上アームまたは下アームを構成する。一対の半導体モジュール2によりインバータ回路の上下アーム直列回路を形成でき、一対の半導体モジュール2を3つ組み合わせることで、三相インバータ回路を形成できる。
半導体モジュール2は、図5に示すように、金属パターンを有する基板5と、パワー半導体デバイスであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)チップ6と、ダイオードチップ7と、ゲート端子8と、2つのリード端子9,10とを主要な構成とする。
IGBTチップ6およびダイオードチップ7は、基板5上に接合されている。
ゲート端子8は、IGBTチップ6にゲート電圧を供給する端子であり、IGBTチップ6と図外のボンディングワイヤにより接合されている。
リード端子9,10は、基板5上に接合されている。
なお、ゲート端子8、2つのリード端子9,10は、樹脂モールド層4よりも外側に突出している。
冷却器3は、発熱する導体モジュール2から熱を吸収して冷却するためのもので、ヒートシンク12と、ジャケット13とパイプ14,15とを備える。
ヒートシンク12は、放熱性の高い素材、例えばアルミニウム合金で形成され、ベース部16と放熱フィン17とを有する。ベース部16は、長方形の板状に形成され、下面側に放熱フィン17が突設されている。ベース部16の上面は平坦であり、半導体モジュール2と直接接合される。
ジャケット13は、放熱性の高い素材、例えばアルミニウム合金で形成され、上方が開口した矩形の箱状に形成されている。ジャケット13の内部には、ヒートシンク12の放熱フィン17を収容する収容部18が形成されている。収容部18の上端には、収容部18に放熱フィン17を収容したときベース部16の外周縁が着座する段部19が設けられている。
パイプ14,15は、ヒートシンク12の収容部18に冷媒を流通させて放熱フィン17を冷却するためのもので、ジャケット13の4つの側面20,21,22,23のうち、短辺側の側面20,22に形成された開口部20a,22aに圧入固定または、ろう付け等の溶接により接合されている。開口部20a,22aは、収容部18と連通している。パイプ14,15は、例えば、アルミニウム、ステンレス合金等で形成されている。
ジャケット13の側面20,22には、冷却器3の外方に突出しパイプ14,15の外周を覆う凸部25,26が設けられている。
凸部26は、図4に示すように、上面29が下面30よりも長い等脚台形状に形成されている。上面29および下面30は、冷却器3の上面27および底面28と平行に配置されている。凸部26の2つの側面31,32は、冷却器3の上面27側から底面28側に向かって徐々に幅が狭くなるように設定されている。なお、凸部25の形状は凸部26と同様である。
樹脂モールド層4は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、エポキシ樹脂等からなり、半導体モジュール2と冷却器3を覆う箱状に形成されている。なお、半導体モジュール2の基板5の外周縁部および各端子8,9,10と、冷却器3のパイプ14,15および凸部25,26は樹脂モールド層4から露出している。
[半導体装置の製造方法]
次に、図5を用いて実施例1の半導体装置1の製造方法を説明する。
まず、冷却器3のジャケット13にヒートシンク12を収容してろう付け等の溶接あるいは、摩擦撹拌接合(FSW)等により固定し、パイプ14,15を開口部20a,22aに圧入固定または、ろう付け等の接合法により固定する(図5(a))。
続いて、ヒートシンク12のベース部16に半導体モジュール2を高温はんだで接合する(図5(b))。
次に、半導体モジュール2と冷却器3を上下金型33,34でクランプ(型締め)し、両金型33,34のキャビティ(内部空間)内にゲート33a,34aからPPS(ポリフェニレンサルファイド)、エポキシ樹脂等の樹脂を注入して硬化させることで、樹脂モールド層4を形成する(図5(c),(d))。
最後に、上下金型33,34を取り外すことで、実施例1の半導体装置1が得られる。
なお、上下金型33,34から取り出された半導体装置1は、基板5の外周枠部からゲート端子8、リード端子9,10がそれぞれ個別に独立するようにトリミングされる(図示せず)。
ここで、図5(c)に示すように、上金型33の型割面35は、半導体モジュール2の上面形状に沿って略平坦に形成されている。一方、下金型34の型割面36は、ジャケット13の側面21,23に対応する部分では、半導体モジュール2の下面形状に沿って略平坦に形成され、ジャケット13の側面20,22に対応する部分では、半導体モジュール2の下面形状と、側面20,22の凸部25,26の形状に沿って形成されている。すなわち、下金型34の型割面36には、凸部25,26の両側面31,32と下面30に沿った凹部37,38が設けられている。凹部37,38の形状は、凸部25,26よりも若干小さく設定されている。言い換えると、凸部25,26は、凹部37,38よりも僅かに大きく形成されている。
次に、作用を説明する。
[パイプの変形抑制]
従来の半導体装置において、冷却器の側面に冷媒流通用のパイプを設けた場合、半導体モジュールと冷却器とを樹脂モールド成形する際、金型の型割面はパイプの外形に沿って形成される。このため、上下金型によるクランプ力がパイプに直接作用してパイプが変形するおそれがある。パイプの変形は、流路抵抗の増大による冷却性能の低下につながるため好ましくない。一方、パイプが変形しない程度までクランプ力を小さくした場合、シール性が低下して樹脂漏れや樹脂の回り込みが生じ、成形性が悪化する。
これに対し、実施例1では、冷却器3のジャケット13の側面20,22に凸部25,26を設け、下金型34の凹部37,38に凸部25,26を嵌めて樹脂モールド成形を行う。すなわち、上下金型33,34によるクランプ力を凸部25,26に作用させることで、パイプ14,15に上下金型33,34から直接クランプ力が作用するのを防ぐことができ、パイプ14,15の変形を抑制できる。
[シール性向上]
実施例1では、凸部25,26の外形を下金型34の凹部37,38の形状よりも大きくしているため、上下金型33,34で半導体モジュール2と冷却器3とをクランプしたとき、型割面36の凹部37,38が凸部25,26の下面30および両側面31,32と密着し、樹脂漏れや樹脂の回り込みを抑制できる。
また、凸部25,26の2つの側面31,32を、冷却器3の上面27側から底面28側に向かって徐々に幅が狭くなるように設定したため、上下金型33,34のクランプ力の一部を分力して左右方向に作用させることでき、凹部37,38と凸部25,26の両側面31,32との密着性をより高めることができる。
[レイアウト自由度向上]
従来の半導体装置では、金型の型割面にパイプおよび半導体モジュールの各端子を配置する必要があった。つまり、上下金型の型割面の高さにパイプと各端子の位置を合わせる必要があるため、レイアウト上の制約が多かった。
これに対し、実施例1では、冷却器3のジャケット13の側面20,22に凸部25,26を設けたことで、パイプ14,15を各端子8,9,10の位置に対してオフセット配置できるため、パイプ14,15および各端子8,9,10のレイアウト自由度を高めることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の半導体装置1および半導体装置1の製造方法にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 半導体モジュール2と、上面に半導体モジュール2が接合され側面20,22に冷媒流通用のパイプ14,15が固定された冷却器3と、半導体モジュール2と冷却器3の外周を覆う樹脂モールド層4と、を備え、冷却器3の側面20,22に、側面20,22から突出しパイプ14,15を囲む凸部25,26を設けた。
これにより、樹脂モールド成形時におけるパイプ14,15の変形を抑制できる。また、パイプ14,15および各端子8,9,10のレイアウト自由度を高めることができる。
(2) 凸部25,26の外形を、冷却器3の上面27側から底面28側へ向かって徐々に幅が狭くなる形状に設定した。
これにより、凹部37,38と凸部25,26の両側面31,32との密着性をより高めてシール性の向上を図ることができる。
(3) 半導体モジュール2と、上面に半導体モジュール2が接合され側面20,22に冷媒流通用のパイプ14,15が固定された冷却器3とを樹脂モールドした半導体装置1の製造方法であって、冷却器3の側面20,22に、側面20,22から突出しパイプ14,15を囲む凸部25,26を設け、凸部25,26の形状に沿う型割面36を有する下金型34と上金型33とにより半導体モジュール2と冷却器3とをクランプし、樹脂モールド成形を行う。
これにより、樹脂モールド成形時におけるパイプ14,15の変形を抑制できる。また、パイプ14,15および各端子8,9,10のレイアウト自由度の高い半導体装置1を製造できる。
(4) 凸部25,26を、凸部25,26と対応する下金型34の型割面36の形状よりも大きく設定した。
これにより、型割面36の凹部37,38を凸部25,26の下面30および両側面31,32と密着させることができ、樹脂漏れや樹脂の回り込みを抑制できる。
〔実施例2〕
次に、実施例2を図6,7に基づいて説明する。図6は実施例2の冷却器の正面図、図7は図6のS7-S7断面図である。なお、実施例1と共通する部位については、同一呼称、同一の符号で表す。
凸部26は、上面29がジャケット13の上面27と同じ位置に設けられ、下面30がジャケット13の底面28と同じ位置に設けられている。
実施例2では、凸部26の外周縁付近にパイプ15を囲む溝41を形成し、溝41の外側を弾性リブ(凸条)42としている。弾性リブ42を含む凸部26の外形は、下金型34の凹部37,38の形状よりも大きく設定されている。
溝41の底面41aは、上下金型33,34の内壁面33b,34bよりも冷却器内方の位置に設定されている。なお、凸部25の形状は凸部26と同様である。
実施例2では、パワー半導体モジュール2の基板5の面積を、ベース部16の面積とほぼ同一に設定しているため、基板5は樹脂モールド層4から露出していない。
その他の部分は、実施例1と同様である。
次に、作用を説明する。
[シール性向上]
実施例2では、下金型33,34で半導体モジュール2と冷却器3とをクランプしたとき、弾性リブ42が弾性域内で弾性変形することで、上下金型33,34の型割面35,36に密着する。つまり、弾性リブ42の弾性力によって弾性リブ42と型割面35,36とがより確実に面当たり(面接触)するため、樹脂漏れや樹脂の回り込みをより確実に抑制できる。
また、溝41の底面41aを、上下金型33,34の内壁面33b,34bよりも冷却器内方の位置に設定したため、弾性リブ42を全長にわたって弾性変形させることができ、上下金型33,34の型割面35,36により密着させることができる。
[寸法公差の緩和]
一般的に、樹脂モールド成形は、金型と製品間で樹脂漏れの原因となる隙間が発生しないよう、高い寸法精度が要求されるため、金型との合わせ面の寸法公差の管理を厳密に行う必要があり、製造コストがかさむという問題があった。
これに対し、実施例2の半導体装置1では、上下金型33,34によるクランプ時に弾性リブ42が弾性変形し、上下金型33,34と半導体モジュール2および冷却器3との合わせ面の隙間(ガタ)を吸収するため、上下金型33,34との合わせ面の寸法公差の緩和を許容できる。よって、製造コストの抑制を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の半導体装置1および半導体装置1の製造方法にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下に列挙する効果を奏する。
(5) 凸部25,26の外周縁付近に溝41を形成して溝41の外側を弾性リブ42とした。
このため、樹脂漏れや樹脂の回り込みを抑制でき、シール性を高めることができる。
(6) 溝41の底面41aを、上下金型33,34の内壁面33b,34bよりも冷却器内方の位置に設定した。
このため、弾性リブ42を全長にわたって弾性変形させることができ、型割面35,36との密着性をより高めることができる。
(他の実施例)
以上、本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法を実施例に基づいて説明したが、具体的な構成については、実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加は許容される。
例えば、凸部の形状は、冷却器の外方に突出しパイプの外周を覆う形状であればよい。例えば、図8に示すように、パイプ14を囲む弾性リブ(凸条)43のみとしてもよい。
実施例2では、溝の底面を、金型の内壁面よりも冷却器内方の位置に設定した例を示したが、内壁面と一致させてもよい。
実施例2では、凸部の全周にわたって溝および弾性リブ(凸条)を設けた例を示したが、凸部の左右または上下にのみ溝および弾性リブを設けてもよい。図9は、凸部25の側面31,32にのみ溝44,45および弾性リブ46,47を設けた例である。
1 半導体装置
2 パワー半導体モジュール
3 冷却器
4 樹脂モールド層
14,15 パイプ
20,22 側面
25,26 凸部
33 上金型
34 下金型
35,36 型割面

Claims (6)

  1. 半導体モジュールと、
    上面に前記半導体モジュールが接合され側面に冷媒流通用のパイプが固定された冷却器と、
    前記半導体モジュールと前記冷却器の外周を覆う樹脂モールド層と、
    を備え、
    前記冷却器側面に、当該側面から突出し前記パイプを囲む凸部を設けたことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記凸部の外周縁付近に溝を形成して当該溝の外側を凸条としたことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、
    前記凸部の外形を、前記冷却器の上面側から底面側へ向かって徐々に幅が狭くなるまたは広くなる形状に設定したことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体モジュールと、上面に前記半導体モジュールが接合され側面に冷媒流通用のパイプが固定された冷却器とを樹脂モールドした半導体装置の製造方法であって、
    前記冷却器側面に、当該側面から突出し前記パイプを囲む凸部を設け、
    前記凸部の形状に沿う型割面を有する金型により前記半導体モジュールと前記冷却器とをクランプし、樹脂モールド成形を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記凸部を、当該凸部と対応する前記金型の型割面の形状よりも大きく設定したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項4または5請求項に記載の半導体の製造方法において、
    前記凸部の外周縁付近に溝を形成して当該溝の外側を凸条とし、
    前記溝の底面を、前記金型の内壁面と同一位置または当該内壁面よりも冷却器内方の位置に設定したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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