JP2012530051A - ピラジノオキサゼピン誘導体 - Google Patents

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Abstract

セロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有する化合物の提供。
式(I):

[式中の各記号は、明細書に記載の通りである。]
で表される化合物またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有し、下部尿路症状、肥満および/または臓器脱などの予防または治療剤等として有用なピラジノオキサゼピン誘導体に関する。
(発明の背景)
セロトニン5−HT2C受容体は、生体内伝達物質セロトニンの受容体の一つであり、主に中枢神経系に分布し、生体内の多くの生理機能を制御している。代表的な例として食欲の制御があり、中枢セロトニン5−HT2C受容体を刺激すると摂食行動が低下して体重が減少することがげっ歯類の研究で明らかにされている。また、ヒトにおいてもセロトニン5−HT2C受容体活性化剤を投与すると、食欲が抑制されて体重が減少することが報告されている(非特許文献1参照)。その他、中枢セロトニン5−HT2C受容体刺激は、うつ関連行動を抑制することがセロトニン5−HT2C受容体活性化剤を用いたラット試験で示されている(非特許文献2参照)ほか、不安など多くの中枢神経疾患にも有効であると報告されている(非特許文献3参照)。セロトニン5−HT2C受容体は、仙髄における副交感神経核および運動神経細胞体にも高発現部位があり、末梢神経機能を制御していると考えられている(非特許文献4参照)。ラットにセロトニン5−HT2C受容体活性化剤を投与すると、陰茎勃起が誘発される(非特許文献5参照)ほか、尿道抵抗が高まることが報告されており(特許文献1参照)、これらの作用はいずれも仙髄セロトニン5−HT2C受容体を刺激した作用であるとされている。セロトニン5−HT2C受容体活性化剤には多くの臨床応用が考えられ、特に、抗肥満薬、抗うつ薬、抗不安薬、男性勃起不全治療薬および腹圧性尿失禁治療薬などとして期待される。
また、セロトニン5−HT2C受容体活性化剤は、骨盤底筋群の脆弱化により臓器が正常位置から脱出することが原因で起こる疾患、例えば、臓器脱(例えば、骨盤臓器脱、性器脱、子宮脱、膀胱脱、直腸脱、尿道脱、尿道過可動、小腸瘤、直腸瘤、膀胱瘤、会陰体損傷、骨盤底ヘルニア等)の予防または治療薬として有用である(例えば特許文献2参照)。
骨盤臓器脱とは、膣前壁、膣後壁、子宮、子宮摘出後の膣断端または膀胱が下垂して膣出口部より突出する疾患を指し、更に、直腸脱とは、同じく直腸が下垂して肛門部より突出する症状を特徴とする。また、膀胱瘤および小腸瘤とは、それぞれ膀胱または小腸が下垂して膣出口部より突出する疾患を指す(例えば、非特許文献6および非特許文献7参照)。これら下垂は、いきみ、あるいは重い荷物を持つ等により腹圧が一過性に上昇した時により顕著になる。これらの疾患は、女性に多く、出産、加齢、肥満が危険因子として知られており、膀胱を含めた骨盤内臓器などを支持する骨盤底筋群、筋膜および臓器周囲の結合組織が弱体化することがその一因とされている。骨盤底筋群は、ハンモック状に骨盤に附着する骨格筋であり、常時、収縮をある程度維持し、骨盤内の臓器を下から支える役割を果たしている。骨盤臓器脱、直腸脱、膀胱瘤および小腸瘤では、この骨盤底筋群が弱体化することにより臓器重量を支えきれずに骨盤内臓器および直腸が下垂するとされ(例えば、非特許文献6および非特許文献7参照)、特に腹圧が上昇した場合には高まった圧に対抗できず、突出がより顕著になると考えられる。一方、腹圧が上昇した際には膀胱が圧迫され、膀胱−脊髄−骨盤底筋群および尿道を経由する反射により骨盤底筋群および尿道括約筋が収縮して尿道内圧を高め、尿失禁を防ぐことが報告されている(例えば、非特許文献8参照)。同様に、腹圧上昇時には、反射性に骨盤底筋群が収縮し、尿失禁のみならず膀胱、小腸を含む骨盤内臓器の下垂も防ぐ(例えば、特許文献2参照)。この反射経路または骨盤底筋群に障害があると、骨盤底筋群の十分な収縮が得られず、膀胱、小腸を含む骨盤内臓器の支持が不十分になる。臓器脱は、骨盤底筋群の収縮力が不十分であるために、骨盤底臓器(尿道、膀胱、子宮、小腸、直腸など)などが膣出口部や直腸出口部から外部に突出する疾患である。臓器脱には、突出する臓器の種類によって、直腸脱、子宮脱、尿道脱、膀胱瘤および小腸瘤等の形態がある。
セロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有する縮合複素環化合物は公知である(例えば、特許文献3および4参照)。また、セロトニン5−HT2C受容体に結合する化合物が腹圧性尿失禁等の治療に有用であることも公知である(例えば、特許文献5〜9参照)。
また、ベンゾジアゼピン系、ピリドオキサゼピン系等の縮合複素環化合物も公知である(例えば、特許文献10および11参照)。
国際公開第04/096196号パンフレット 国際公開第07/132841号パンフレット 国際公開第02/040457号パンフレット 国際公開第08/108445号パンフレット 国際公開第02/083863号パンフレット 国際公開第03/097636号パンフレット 国際公開第04/000829号パンフレット 国際公開第04/000830号パンフレット 国際公開第02/008178号パンフレット 国際公開第04/067008号パンフレット 特開2006−056881号
Expert Opinion on Investigational Drugs、2006年、第15巻、p.257−266 J.Pharmacol.Exp.Ther.、1998年、第286巻、p.913−924 Pharmacology Biochemistry Behavior、2002年、第71巻、p.533−554 Neuroscience、1999年、第92巻、p.1523−1537 Eur.J.Pharmacol.、2004年、第483巻、p.37−43 Lancet、2007年、第369巻、p.1027−38 Europian Urology、2007年、第51巻、p.884−886 American Journal of Physiology Renal Physiology、2004年、第287巻、p.F434−441
セロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有し、下部尿路症状、肥満および/または臓器脱等の予防または治療剤等として有用であり、かつ、受容体選択性、薬効、作用時間、特異性、低毒性等の点で優れた性質を有する化合物の開発が望まれている。
本発明は、公知化合物(前記の化合物を含む)とは化学構造が異なる、セロトニン5−HT2C受容体活性化作用等を有するピラジノオキサゼピン誘導体、および当該ピラジノオキサゼピン誘導体を含む下部尿路症状、肥満および/または臓器脱等の疾患の予防または治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、以下の式(I)で表される化合物またはその塩が、優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有することを見出し、さらなる研究により、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]式(I
[式中、
’は、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基
を示し;
’は、水素原子、またはC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し;
’は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)と称する場合がある。];
[2]R’が、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または、
(10)C3−6シクロアルケニル基
である、上記[1]記載の化合物;
[3]式(I)
[式中、
は、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基を示し;
は、水素原子またはC1−6アルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)と称する場合がある。];
[4]Rが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基である、上記[3]記載の化合物またはその塩;
[5]Rが、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、イソプロポキシ基およびシクロプロピル基であり;かつ
が、水素原子またはメチル基である、上記[3]記載の化合物またはその塩;
[6]3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[7]3-(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[8]6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[9]6−メチル−3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[10]N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩;
[11]3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[12]3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[13]3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[14]3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[15]上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物またはその塩のプロドラッグ;
[16]上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグを含有する医薬;
[17]セロトニン5−HT2C受容体活性化剤である、上記[16]記載の医薬;
[18]下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療薬である、上記[16]記載の医薬;
[19]哺乳動物に対して、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療方法;
[20]下部尿路症状、肥満および/または臓器脱の予防または治療薬を製造するための、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの使用;
等に関する。
化合物(I)またはそのプロドラッグは、優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有するため、総てのセロトニン5−HT2C関連疾患、例えば、下部尿路症状、肥満および/または臓器脱等の安全な予防または治療薬として有用である。
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
本明細書中の「C1−6アルキル基」は、特に断りのない限り、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等を意味する。
本明細書中の「C1−6アルコキシ基」は、特に断りのない限り、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基等を意味する。
本明細書中の「C3−6シクロアルキル基」は、特に断りのない限り、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を意味する。
’で示される「C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基」の「モルホリニル基」は、上記「C1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)で置換されていてもよいモルホリニル基(好ましくは、モルホリノ基)がより好ましく、モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、エチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)がさらに好ましい。
別の態様において、該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基」としては、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基が好ましい。
’で示される「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基」の「ピペリジル基」は、上記「C1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)がより好ましく、メチルピペリジノ(好ましくは、2−メチルピペリジノ)がさらに好ましい。
別の態様において、該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基」としては、C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基が好ましく、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたピペリジル基がより好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)がさらに好ましい。
’で示される「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基」の「ピロリジニル基」は、「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。ここで、「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」とは、上記「C1−6アルコキシ基」から選択される任意の数(好ましくは、1〜3個、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよい上記「C1−6アルキル基」をいう。該「C1−6アルコキシ基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「ピロリジニル基」が有していてもよい「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されていてもよいピロリジニル基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されていてもよいピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)がより好ましく、メチルピロリジニル(好ましくは、2−メチルピロリジン−1−イル)、(メトキシメチル)ピロリジニル(好ましくは、2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)がさらに好ましい。
別の態様において、該「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基」としては、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基が好ましく、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されたピロリジニル基がより好ましく、1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されたピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)がさらに好ましい。
’で示される「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基」の「ピロリル基」は、上記「C1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個)である。該「C1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基が好ましく、1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)がより好ましく、ジメチルピロリル(好ましくは、2,5−ジメチルピロール−1−イル)がさらに好ましい。
別の態様において、該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基」としては、C1−6アルキル基で置換されたピロリル基が好ましく、1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されたピロリル基がより好ましく、1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)がさらに好ましい。
’で示される「C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基」の「イミダゾリル基」は、上記「C1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)がより好ましく、メチルイミダゾリル(好ましくは、2−メチルイミダゾール−1−イル)がさらに好ましい。
別の態様において、該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基」としては、C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基が好ましく、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基がより好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)がさらに好ましい。
’で示される
「(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基」の「アミノ基」は、(a)上記「C3−6シクロアルキル基」およびフェニル基から選択される任意の数(好ましくは、1〜3個、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよい上記「C1−6アルキル基」、並びに(b)上記「C3−6シクロアルキル基」から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい。該置換基が2個存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基」としては、
(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基が好ましく、
(a)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基)、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基)
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基がより好ましく、
アミノ基、N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−シクロプロピルメチル−N−メチルアミノ基、N−(1−メチルエチル)−N−(フェニルメチル)アミノ基、N−シクロブチル−N−メチルアミノ基がさらに好ましい。
別の態様において、該「(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基」としては、「ジ(C1−6アルキル)アミノ基」が好ましい。
’で示される「C1−6アルキルスルファニル基」としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、イソブチルスルファニル基、sec−ブチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基、イソペンチルスルファニル基、ネオペンチルスルファニル基、1−エチルプロピルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、イソヘキシルスルファニル基、1,1−ジメチルブチルスルファニル基、2,2−ジメチルブチルスルファニル基、3,3−ジメチルブチルスルファニル基、2−エチルブチルスルファニル基等が挙げられる。
該「C1−6アルキルスルファニル基」としては、C1−4アルキルスルファニル基が好ましく、イソプロピルスルファニル基がより好ましい。
’で示される「C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」の「C1−6アルコキシ基」は、上記「C3−6シクロアルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C3−6シクロアルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C3−6シクロアルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」としては、1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基)がより好ましく、シクロプロピルエトキシ基(好ましくは、1−シクロプロピルエトキシ基)、イソプロポキシ基がさらに好ましい。
’で示される「C3−6シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基が好ましい。
’で示される「C3−6シクロアルケニル基」としては、シクロプロペニル基(例、1−シクロプロペン−1−イル基、2−シクロプロペン−1−イル基)、シクロブテニル基(例、1−シクロブテン−1−イル基、2−シクロブテン−1−イル基)、シクロペンテニル基(例、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、3−シクロペンテン−1−イル基)、シクロへキセニル基(例、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基)等が挙げられる。
該「C3−6シクロアルケニル基」としては、シクロペンテニル基が好ましく、1−シクロペンテン−1−イル基がより好ましい。
’は好ましくは、
(1)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、
(3)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されていてもよいピロリジニル基、
(4)1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基、
(5)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基であり、
より好ましくは、
(1)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)で置換されていてもよいモルホリニル基(好ましくは、モルホリノ基)、
(2)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)、
(3)1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されていてもよいピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)、
(4)1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)、
(5)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)およびフェニル基から選択される1または2個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基)、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基)
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−4アルキルスルファニル基、
(8)1または2個(好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基)、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基であり、
さらに好ましくは、
(1)モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、もしくはエチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)、
(2)メチルピペリジノ(好ましくは、2−メチルピペリジノ)、
(3)メチルピロリジニル(好ましくは、2−メチルピロリジン−1−イル)、もしくは(メトキシメチル)ピロリジニル(好ましくは、2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)、
(4)ジメチルピロリル(好ましくは、2,5−ジメチルピロール−1−イル)、
(5)メチルイミダゾリル(好ましくは、2−メチルイミダゾール−1−イル)、
(6)アミノ基、N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−シクロプロピルメチル−N−メチルアミノ基、N−(1−メチルエチル)−N−(フェニルメチル)アミノ基、もしくはN−シクロブチル−N−メチルアミノ基、
(7)イソプロピルスルファニル基、
(8)シクロプロピルエトキシ基(好ましくは、1−シクロプロピルエトキシ基)、もしくはイソプロポキシ基、
(9)シクロプロピル基、もしくはシクロペンチル基、または
(10)シクロペンテニル基(好ましくは、1−シクロペンテン−1−イル基)である。
別の態様として、R’は、好ましくは、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または、
(10)C3−6シクロアルケニル基であり、
より好ましくは、
(1)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されたピロリジニル基、
(4)1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基であり、
より好ましくは、
(1)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)、
(3)1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されたピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)、
(4)1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)、
(5)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)およびフェニル基から選択される1または2個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基)、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基)
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−4アルキルスルファニル基、
(8)1または2個(好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基)、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基である。
また別の態様として、R’は、好ましくは、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基である。
’で示される「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」の「C1−6アルキル基」は、上記「C1−6アルコキシ基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルコキシ基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルコキシ基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」としては、1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基が好ましく、1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)がより好ましく、メチル基、メトキシメチル基がさらに好ましい。
’は、好ましくは、水素原子、または1〜3個(好ましくは1もしくは2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、または1もしくは2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、メトキシメチル基である。
別の態様として、R’は、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基である。
’は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)またはC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)であり、より好ましくは水素原子である。
化合物(I)としては、
’が、
(1)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、
(3)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されていてもよいピロリジニル基、
(4)1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基、
(5)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基
{好ましくは、
(1)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)で置換されていてもよいモルホリニル基(好ましくは、モルホリノ基)、
(2)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)、
(3)1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されていてもよいピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)、
(4)1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)、
(5)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されていてもよいイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)およびフェニル基から選択される1または2個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基)、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基)
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−4アルキルスルファニル基、
(8)1または2個(好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基)、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基
[より好ましくは、
(1)モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、もしくはエチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)、
(2)メチルピペリジノ(好ましくは、2−メチルピペリジノ)、
(3)メチルピロリジニル(好ましくは、2−メチルピロリジン−1−イル)、もしくは(メトキシメチル)ピロリジニル(好ましくは、2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)、
(4)ジメチルピロリル(好ましくは、2,5−ジメチルピロール−1−イル)、
(5)メチルイミダゾリル(好ましくは、2−メチルイミダゾール−1−イル)、
(6)アミノ基、N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−メチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、N−シクロプロピルメチル−N−メチルアミノ基、N−(1−メチルエチル)−N−(フェニルメチル)アミノ基、もしくはN−シクロブチル−N−メチルアミノ基、
(7)イソプロピルスルファニル基、
(8)シクロプロピルエトキシ基(好ましくは、1−シクロプロピルエトキシ基)、もしくはイソプロポキシ基、
(9)シクロプロピル基、もしくはシクロペンチル基、または
(10)シクロペンテニル基(好ましくは、1−シクロペンテン−1−イル基)]}であり、
’が、水素原子、または1〜3個(好ましくは1もしくは2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基{好ましくは、水素原子、または1もしくは2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)[より好ましくは、水素原子、メチル基、メトキシメチル基]}であり、
’が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基[好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)またはC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)]である化合物、またはその塩が好ましい。
別の態様において、化合物(I)としては、
’が、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または、
(10)C3−6シクロアルケニル基
{好ましくは、
(1)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の「1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」で置換されたピロリジニル基、
(4)1〜3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)1〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基
[より好ましくは、
(1)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピペリジル基(好ましくは、ピペリジノ基)、
(3)1または2個(好ましくは1個)の「1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)」で置換されたピロリジニル基(好ましくは、1−ピロリジニル基)、
(4)1または2個のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたピロリル基(好ましくは、1−ピロリル基)、
(5)1または2個(好ましくは1個)のC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)で置換されたイミダゾリル基(好ましくは、1−イミダゾリル基)、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)およびフェニル基から選択される1または2個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基)、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基)
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−4アルキルスルファニル基、
(8)1または2個(好ましくは1個)のC3−6シクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)で置換されていてもよいC1−4アルコキシ基(好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基)、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基]}であり、
’が、水素原子、または1〜3個(好ましくは1もしくは2個、より好ましくは1個)のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基{好ましくは、水素原子、または1もしくは2個(好ましくは1個)のC1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)[より好ましくは、水素原子、メチル基、メトキシメチル基]}であり、
’が、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基[好ましくは、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子、臭素原子)またはC1−4アルキル基(好ましくは、メチル基)]である化合物、またはその塩が好ましい。
化合物(I)としては、下記の実施例1〜35に記載の化合物またはその塩が好ましく、特に、
3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例2)、
3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例5)、
6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、(6S)−6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例6)、
6−メチル−3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、(6S)−6−メチル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例7)、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩(実施例8)、
3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例9)、
3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例10)、
3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例12)、および
3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例13)
が好ましい。
また別の態様において、化合物(I)としては、化合物(I)が好ましい。
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
で示される「C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基」の「モルホリノ基」は、上記「C1−6アルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C1−6アルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C1−6アルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
該「C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基」としては、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基が好ましく、モルホリノ基、メチルモルホリノ基(例、3−メチルモルホリノ基)、エチルモルホリノ基(例、3−エチルモルホリノ基)がより好ましい。
で示される「ジ(C1−6アルキル)アミノ基」としては、上記「C1−6アルキル基」から選択される置換基でジ置換されたアミノ基が挙げられる。2つの「C1−6アルキル基」は、同一でも異なっていてもよい。
該「ジ(C1−6アルキル)アミノ基」としては、同一または異なったC1−3アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)でジ置換されたアミノ基が好ましく、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基がより好ましい。
で示される「C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」の「C1−6アルコキシ基」としては、好ましくは、エトキシ基、イソプロポキシ基等である。
該「C1−6アルコキシ基」は、上記「C3−6シクロアルキル基」から選択される任意の数の置換基で置換されていてもよい。該「C3−6シクロアルキル基」の数は、置換可能な限り制限はなく、好ましくは1〜3個(より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個)である。該「C3−6シクロアルキル基」が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
で示される「C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」としては、それぞれシクロプロピル基で置換されていてもよい、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、1−シクロプロピルエトキシ基、イソプロポキシ基がより好ましい。
で示される「C3−6シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基が好ましい。
で示される「C3−6シクロアルケニル基」としては、シクロプロペニル基(例、1−シクロプロペン−1−イル基、2−シクロプロペン−1−イル基)、シクロブテニル基(例、1−シクロブテン−1−イル基、2−シクロブテン−1−イル基)、シクロペンテニル基(例、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、3−シクロペンテン−1−イル基)、シクロへキセニル基(例、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基)等が挙げられる。シクロペンテニル基が好ましく、1−シクロペンテン−1−イル基がより好ましい。
は、好ましくは、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基;C1−3アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)から選択される置換基でジ置換されたアミノ基;それぞれシクロプロピル基で置換されていてもよい、エトキシ基、イソプロポキシ基;シクロプロピル基;シクロペンチル基;シクロペンテニル基である。
は、より好ましくは、モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、エチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、1−シクロプロピルエトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基(好ましくは、1−シクロペンテン−1−イル基)である。
別の態様として、Rは、好ましくは、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基である。
は、より好ましくは、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、イソプロポキシ基またはシクロプロピル基である。
で示される「C1−6アルキル基」としては、メチル基が好ましい。
は、好ましくは、水素原子、メチル基である。
化合物(I)としては、
が、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基;C1−3アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)から選択される置換基でジ置換されたアミノ基;それぞれシクロプロピル基で置換されていてもよい、エトキシ基、イソプロポキシ基;シクロプロピル基;シクロペンチル基;シクロペンテニル基[好ましくは、モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、エチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、1−シクロプロピルエトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基(好ましくは、1−シクロペンテン−1−イル)であり;かつ
が、水素原子またはメチル基である化合物、またはその塩が好ましい。
別の態様として、化合物(I)としては、
が、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基[好ましくは、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、イソプロポキシ基またはシクロプロピル基]であり;かつ
が、水素原子またはメチル基である化合物、またはその塩が好ましい。
化合物(I)としては、下記の実施例1〜11に記載の化合物またはその塩が好ましく、特に、
3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例2)、
3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例5)、
6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、(6S)−6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例6)、
6−メチル−3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、(6S)−6−メチル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例7)、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩(実施例8)、
3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩(実施例9)、および
3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩(実施例10)
が好ましい。
化合物(I)および(I)が塩である場合、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
化合物(I)および(I)は、水和物、非水和物、溶媒和物、無溶媒和物のいずれでもよい。
同位元素(例、H、H、14C、35S、125I等)等で標識された化合物も、化合物(I)および(I)に包含される。
また、化合物(I)および(I)のHをH(D)に変換した重水素変換体も化合物(I)および(I)に包含される。
以下に、本発明の化合物(I)および(I)の製造法を説明する。
なお、以下の各製造法において、原料化合物および製造中間体は、塩として用いてもよく、このような塩としては、例えば、前述の化合物(I)および(I)の塩と同様のもの等が挙げられる。
また、各製造法で得られる製造中間体は、反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、液性変換、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の手段により単離、精製して用いてもよい。
また、各式の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることもできる。
本発明の化合物(I)は、例えば下記A法、B法、C法、D法、あるいはこれらに準ずる方法を用いて製造することができる。
化合物(I)中、RがC3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基である式(Ia)で表される化合物またはその塩(以下、化合物(Ia)と称する場合があり、他の式においても同様である。)は、例えば以下に示すA法、またはこれに準ずる方法により製造することができる。
〔A法〕
〔式中、Pgは保護基を示し;R1aはC3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基を示し;R1bはC3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基を示し;Rは上記と同意義を示す。〕
Pgで示される「保護基」としては、一般にペプチド合成等に使用されるアミノ基の保護基であって、以下に説明する各工程における反応の進行に悪影響を及ぼさない基(例、ベンジル基、p−メトキシベンジル基)等が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
工程1
本工程では、化合物(II)と化合物(III)とを還元的アミノ化反応に付すことにより、化合物(IV)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、第4版実験化学講座、14巻、370頁に記載の方法など]により行うことができるが、通常、還元剤の存在下、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。化合物(II)は自体公知の方法[Journal of Organometallic Chemistry、1991年、412巻(3号)、301頁に記載の方法]またはそれに準ずる方法で製造することができる。化合物(III)は自体公知の方法[Synthetic Communications、1994年、24巻(10号)、1415頁に記載の方法]、またはそれに準ずる方法で製造することができる。
化合物(III)の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(II)1モルに対して、通常約1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
還元剤としては、例えば、アルミニウム試薬(例、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(Red−Al)、アラン(AlH)等)、ホウ素試薬(例、ボラン(BH)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))等)等が挙げられる。なかでも水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが好適である。
還元剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(II)1モルに対して、通常約1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等)、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、カルボン酸(例、酢酸、トリフルオロ酢酸等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−80℃〜約200℃、好ましくは約−80℃〜約100℃である。
反応時間は、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
こうして得られる化合物(IV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(IV)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(IV)を分子内閉環反応に付すことにより、化合物(V)を製造する。本反応は、自体公知の方法により行うことができるが、通常、塩基の存在下、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
塩基としては、例えば、金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられ、なかでも、水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの金属水素化物;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが好適である。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(IV)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約200℃、好ましくは約−20℃〜約100℃である。
反応時間は、化合物(IV)の種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
こうして得られる化合物(V)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程3
本工程では、化合物(V)を、式:R1a−B(OH)〔式中、R1aは上記と同意義を示す。〕で表される化合物またはその塩(以下、R1a−B(OH)と略記する場合がある)とカップリング反応させることにより、化合物(VI)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、ケミカル レビューズ(Chemical Reviews)、1995年、95巻、2457頁に記載の方法等]に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒および塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
1a−B(OH)の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等)、ニッケル触媒(例、塩化ニッケル等)等が用いられ、必要に応じて、リガンド(例、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロプロピルホスフィン等)を添加したり、金属酸化物(例、酸化銅、酸化銀等)等を共触媒として用いても良い。
遷移金属触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約1モル、好ましくは約0.01モル〜約0.5モル、リガンドの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約2モル、共触媒の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約2モルである。
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。なかでも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類等が好適である。
塩基の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキエタン、テトラヒドロフラン等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−10℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約16時間である。
こうして得られる化合物(VI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(VI)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程4
本工程では、化合物(VI)の保護基を除去して化合物(Ia)を得る。
本工程での保護基の除去は、保護基の除去方法として自体公知の反応あるいはそれに準ずる反応により行うことができる。
例えば、Pgがベンジル基の場合、該保護基の除去は、接触水素添加反応により行うことができる。接触水素添加反応は、通常、水素雰囲気中、触媒存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行うことができる。なお、R1aがC3−6シクロアルケニル基の場合には、接触水素添加反応により、C3−6シクロアルキル基に還元される。
触媒としては、例えば、パラジウム類(例、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、酸化パラジウム等)、ニッケル類(例、展開ニッケル触媒等)、白金類(例、酸化白金、白金炭素等)、ロジウム類(例、ロジウム炭素等)などが挙げられる。
触媒の使用量は、化合物(VI)1モルに対して、通常約0.001〜約1モル、好ましくは約0.01〜約0.5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、カルボン酸類(例、酢酸等)、水などが挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応が行われる水素圧は、通常約1〜約50気圧、好ましくは約1〜約10気圧である。
反応温度は、通常約0℃〜約150℃、好ましくは約20℃〜約100℃である。
反応時間は、通常約5分間〜約72時間、好ましくは約0.5時間〜約40時間である。
こうして得られる化合物(Ia)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)中、RがC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である化合物(Ib)は、例えば以下に示すB法、またはこれに準ずる方法により製造することができる。
〔B法〕
〔式中、R1cはC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。〕
工程1
本工程では、上述のA法工程1および2で得られた化合物(V)を式:R1cOH〔式中、R1cは上記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、R1cOHと略記する場合がある)による置換反応に付し、化合物(VII)へ変換する。
本工程は、自体公知の方法[例、J.Am.Soc.Chem.、1997年、119巻、3395頁に記載の方法など]に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒および塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
1cOHの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)などが用いられ、必要に応じてリガンド(例、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンなど)を添加してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001〜約1モル、好ましくは約0.01〜約0.5モル、リガンドの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001〜約4モル、好ましくは約0.01〜約0.2モルである。
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)などが挙げられる。なかでも、水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの金属水素化物;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが好適である。
塩基の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.1〜約10モル、好ましくは約1〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等)、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−10〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5〜約48時間、好ましくは約0.5〜約16時間である。
こうして得られる化合物(VII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(VII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(VII)の保護基を除去して化合物(Ib)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ib)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)中、RがC1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、またはジ(C1−6アルキル)アミノ基である化合物(Ic)は、例えば以下に示すC法、またはこれに準ずる方法により製造することができる。
〔C法〕
〔式中、R1dおよびR1eは、同一または異なって、それぞれC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R1dとR1eは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基を形成してもよく;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、上述のA法工程1および2で得られた化合物(V)を式:R1d1eNH〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化合物またはその塩(以下、R1d1eNHと略記する場合がある)と反応させることにより、化合物(VIII)を製造する。本反応は、自体公知の方法[例、J.Am.Chem.Soc.、2003年、125巻、6653頁あるいはJ.Org.Chem.、2000年、65巻、1174頁等に記載の方法]に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒および塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
1d1eNHの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約1モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約3モルである。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)、ニッケル触媒(例、塩化ニッケル等)等が挙げられ、必要に応じて、リガンド(例、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、トリ tert−ブチルホスフィン等)を添加してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、その種類により異なるが、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約1モル、好ましくは約0.01モル〜約0.5モル、リガンドの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約0.2モルである。
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。なかでも、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類等が好適である。
塩基の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等)、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−10℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約16時間である。
こうして得られる化合物(VIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(VIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(VIII)の保護基を除去して化合物(Ic)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ic)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)は、例えば以下に示すD法、またはこれに準ずる方法により製造することができる。
〔D法〕
〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕
本法では、化合物(IX)の保護基を除去して化合物(I)を得る。
本法での保護基の除去は、保護基の除去方法として自体公知の反応あるいはそれに準ずる反応により行うことができる。
Pgがベンジル基の場合、該保護基を除去する方法としては、酸ハロゲン化物などで処理する方法が挙げられる。酸ハロゲン化物としては、例えば、クロロギ酸1−クロロエチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチル、クロロギ酸β−トリメチルシリルエチルなどが用いられ、なかでもクロロギ酸1−クロロエチルが好適に用いられる。RがC3−6シクロアルケニル基の場合、当該方法により、シクロアルケニルを還元することなく、脱保護することができる。
クロロギ酸1−クロロエチルを用いる場合、その使用量は、化合物(IX)1モルに対して、通常約1〜約10モル、好ましくは約1〜約2モルである。該反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行うことができる。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル類(例えば、酢酸エチルなど)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−80℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約100℃である。
反応時間は、通常約5分間〜約72時間、好ましくは約0.5時間〜約20時間である。
クロロギ酸1−クロロエチルを用いる場合、化合物(IX)とクロロギ酸1−クロロエチルを反応させた後、アルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)、水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液など)または水で処理することにより化合物(I)を得ることができる。
反応温度は、通常約0℃〜約150℃、好ましくは約5℃〜約100℃である。
反応時間は、通常約5分間〜約24時間、好ましくは約0.5時間〜約5時間である。
こうして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
C法における化合物(VIII)は、下記E法、あるいはこれに準ずる方法を用いても製造することができる。
〔E法〕
〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(X)をR1d1eNHと反応させることにより、化合物(XI)を製造する。本反応は、通常、塩基の存在下、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
1d1eNHの使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常約1モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約3モルである。
塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)等が挙げられ、なかでも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩が好適である。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(X)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃である。
反応時間は、化合物(X)の種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XI)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(XI)をホルミル化反応に付すことにより、化合物(XII)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、第4版実験化学講座、21巻、110頁に記載の方法など]により行うことができ、通常、ホルムアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド等)と、ハロゲン化試剤(例えば、塩化ホスホリル、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン臭素錯体等)等から調製できるVilsmeier錯体を用い、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
ホルムアミドの使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XI)1モルに対して、通常約1モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。あるいは、ホルムアミドを溶媒として使用してもよい。
ハロゲン化試剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XI)1モルに対して、通常約1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ホルムアミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド等)等が挙げられる。
Vilsmeier錯体の調製において、反応温度は、通常約−50℃〜約50℃、好ましくは約−20℃〜約10℃である。
反応時間は、通常約0.1時間〜約10時間、好ましくは約0.2時間〜約1時間である。
Vilsmeier錯体と化合物(XI)との反応において、反応温度は、通常約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃である。
反応時間は、化合物(XI)の種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程3
本工程では、化合物(XII)から化合物(XIII)を製造する。本反応は、前述のA法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程4
本工程では、化合物(XIII)から化合物(VIII)を製造する。本反応は、前述のA法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(VIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(VIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
以下に、本発明の化合物(I)の製造法を説明する。
本発明の化合物(I)は、例えば下記F法、G法、H法、I法、J法、K法、L法、M法、N法あるいはこれらに準ずる方法を用いて製造することができる。各製造法により得られる化合物(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)および(Ik)は、化合物(I)に包含される。
〔F法〕
〔式中、R1fおよびR1gは、同一または異なって、それぞれ(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または(b)C3−6シクロアルキル基を示すか、あるいは、R1fとR1gは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されてもよいモルホリニル基、C1−6アルキル基で置換されてもよいピペリジル基、またはC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基を形成し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(X)を式:R1f1gNHで表される化合物またはその塩(以下、R1f1gNHと略記する場合がある)と反応させることにより、化合物(XIV)を製造する。本反応は、通常、塩基の存在下、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
1f1gNHは、市販品を使用してもよく、あるいは自体公知の手段を適用して対応する原料化合物から製造することもできる。
1f1gNHの使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常約0.5モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。
塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)等が挙げられ、なかでも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩が好適である。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(X)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃である。
反応時間は、R1f1gNHの種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XIV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XIV)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(XIV)をホルミル化反応に付すことにより、化合物(XV)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、第4版実験化学講座、21巻、110頁に記載の方法など]により行うことができ、通常、ホルムアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド等)と、ハロゲン化試剤(例えば、塩化ホスホリル、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン臭素錯体等)等から調製できるVilsmeier錯体を用い、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
ホルムアミドの使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XIV)1モルに対して、通常約0.5モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。あるいは、ホルムアミドを溶媒として使用してもよい。
ハロゲン化試剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XIV)1モルに対して、通常約0.5モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ホルムアミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド等)等が挙げられる。
Vilsmeier錯体の調製において、反応温度は、通常約−50℃〜約50℃、好ましくは約−20℃〜約10℃である。
反応時間は、通常約0.1時間〜約10時間、好ましくは約0.2時間〜約1時間である。
Vilsmeier錯体と化合物(XIV)との反応において、反応温度は、通常約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃である。
反応時間は、化合物(XIV)の種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XV)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程3
本工程では、化合物(XV)と化合物(XVI)から化合物(XVII)を製造する。本反応は、前述のA法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XVII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XVII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程4
本工程では、化合物(XVII)から化合物(XVIII)を製造する。本反応は、前述のA法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XVIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XVIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程5
本工程では、化合物(XVIII)の保護基を除去して化合物(Ia)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ia)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔G法〕
〔式中、R1hは、(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または(b)C3−6シクロアルキル基を示し;R1iは、C1−6アルキル基を示し;Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(X)を式:R1hNHで表される化合物またはその塩と反応させることにより、化合物(XIX)を製造する。本工程は上述F法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XIX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XIX)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
本工程では、化合物(XIX)をアルキル化反応に付し、化合物(XX)を製造する。アルキル化反応は、常法に従い、塩基および式:R1i−Xで表されるアルキルハライド(以下、R1i−Xと略記する)の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行うことができる。
塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)、有機リチウム試剤(例、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。
1i−Xは、市販品を使用してもよく、あるいは自体公知の手段を適用して対応する原料化合物から製造することもできる。
塩基およびR1i−Xの使用量は、それぞれ化合物(XIX)1モルに対して、約0.5〜約20モル、好ましくは約1〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ヘキサン等などが挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−78℃〜約250℃、好ましくは−78℃〜120℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約24時間である。
こうして得られる化合物(XX)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより、単離精製することができる。また、化合物(XX)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程3
本工程では、化合物(XX)をホルミル化に付すことにより、化合物(XXI)を製造する。本工程は前述のF法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。こうして得られる化合物(XXI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XXI)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程4
本工程では、化合物(XXI)と化合物(XVI)とを還元的アミノ化反応に付すことにより、化合物(XXII)を製造する。本工程は前述のA法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。こうして得られる化合物(XXII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XXII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程5
本工程では、化合物(XXII)から化合物(XXIII)を製造する。本工程は、前述のA法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。こうして得られる化合物(XXIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XXIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程6
本工程では、化合物(XXIII)の保護基を除去して化合物(Ib)を得る。本工程は、上述のA法工程4に準じて行うことができる。
こうして得られる化合物(Ib)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔H法〕
〔式中、R1jは、C1−6アルキル基を示し;Pg’は保護基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
Pg’で示される「保護基」としては、一般にペプチド合成等に使用されるアミノ基の保護基であって、以下に説明する各工程における反応の進行に悪影響を及ぼさない基(例、ベンジル基、p−メトキシベンジル基)等が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
工程1
本工程では、化合物(X)を式:R1jPgNHで表される化合物またはその塩と反応させることにより、化合物(XXIV)を製造する。本工程は上述のF法工程1と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(XXIV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XXIV)をホルミル化反応に付すことにより、化合物(XXV)を製造する。本工程は上述のF法工程2と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(XXV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程3
本工程では、化合物(XXV)と化合物(XVI)から化合物(XXVI)を製造する。本反応は、前述のA法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XXVI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程4
本工程では、化合物(XXVI)から化合物(XXVII)を製造する。本反応は、前述のA法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XXVII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程5
本工程では、化合物(XXVII)の保護基(Pg)を除去した後、tert−ブトキシカルボニル基を導入し化合物(XXVIII)を得る。本工程では、上述のA法工程4と同様の方法により、保護基(Pg)を除去した後、公知の方法でtert−ブトキシカルボニル基の導入を行うことができる。
tert−ブトキシカルボニル化反応は、常法に従い、ジ炭酸−ジ−tert−ブチルを用い、塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(XXVII)1モルに対して、約0.5モル〜約20モル、好ましくは、約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約250℃、好ましくは0℃〜120℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約24時間である。
こうして得られる化合物(XXVIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クラマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程6
本工程では、化合物(XXVIII)の保護基(Pg’)を除去して化合物(XXIX)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(XXIX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程7
本工程では、化合物(XXIX)をアルキル化反応に付し、化合物(XXX)へと変換する。本工程は、上述のG法工程2と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(XXX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程8
本工程では、化合物(XXX)のtert−ブトキシカルボニル基を除去して、化合物(Ic)を製造する。本反応は、自体公知の方法により行うことができるが、通常、反応に悪影響をおよぼさない溶媒中で酸を作用させることにより行われる。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(XXX)1モルに対して、約0.5〜約200モル、好ましくは、約1〜約100モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、アルコール類(例、メタノール等)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム等)、芳香族炭化水素類(例、トルエン等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、エステル類(例、酢酸エチル等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約250℃、好ましくは約0℃〜約120℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約24時間である。
こうして得られる化合物(Ic)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クラマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔I法〕
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(XXIX)のtert−ブトキシカルボニル基を除去して化合物(Id)を得る。本工程は、上述のH法工程8と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Id)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔J法〕
〔式中、R4aおよびR4bは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(II)と化合物(XVI)から化合物(XXXI)を製造する。本反応は、前述のA法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XXXI)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XXXI)から化合物(XXXII)を製造する。本反応は、前述のA法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XXXII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程3
本工程では、化合物(XXXII)をアンモニア等価体と反応させた後に、酸またはフッ素試剤を作用させることにより、化合物(XXXIII)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、Organic Letters、2001年、3巻、3417頁等に記載の方法]に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒および塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で化合物(XXXII)をアンモニア等価体と反応させた後に、酸またはフッ素試剤を作用させることにより、実施できる。
アンモニア等価体としては、例えば、ベンゾフェノンイミン、アミノトリフェニルシラン、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。
アンモニア等価体の使用量は、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.5〜約20モル、好ましくは、約1〜約5モルである。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)、ニッケル触媒(例、塩化ニッケル等)等が挙げられ、必要に応じて、リガンド(例、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等)を添加してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約1モル、好ましくは約0.01モル〜約0.5モル、リガンドの使用量は、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約0.2モルである。
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。なかでも、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類等が好適である。
塩基の使用量は、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等)、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−10℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約16時間である。
アンモニア等価体との反応後、反応混合物に酸またはフッ素試剤を反応させることにより化合物(XXXIII)を得ることができる。
酸としては、塩酸、リン酸、硫酸などの鉱酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。なかでも塩酸が好適である。
酸の使用量は、化合物(XXXII)1モルに対し、約0.1モル〜約100モル、好ましくは約1モル〜約50モルである。
アンモニア等価体としてアルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)を用いた場合、フッ素試剤(例、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ピリジン−フッ化水素錯体、リチウムテトラフルオロボラート)を用いてもよい。中でもテトラブチルアンモニウムフルオリドが好適である。
フッ素試剤の使用量は、化合物(XXXII)1モルに対し、約0.5モル〜約100モル、好ましくは約1〜約10モルである。
反応温度は、通常約−10℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約16時間である。
こうして得られる化合物(XXXIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(XXXIII)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程4
本工程では、化合物(XXXIII)の保護基を除去して、化合物(Ie)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ie)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程5
本工程では、化合物(XXXIII)を、ジケトン体(XLI)と反応させて化合物(XXXIV)を製造する。必要に応じて、酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸などの鉱酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸などの有機酸)を化合物(XXXIII)1モルに対し、約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.5モル〜約10モル添加してもよい。
ジケトン体(XLI)の使用量は、化合物(XXXIII)1モルに対し、約0.5モル〜約20モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。
本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒中で行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘキサンなどの飽和炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミド類;ギ酸、酢酸、プロパン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸類など)、もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。
反応時間は用いる試薬や溶媒により異なるが、通常約10分間〜約100時間、好ましくは約30分間〜約50時間である。
反応温度は、通常約−20℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約100℃である。
こうして得られる化合物(XXXIV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程6
本工程では、化合物(XXXIV)の保護基を除去して、化合物(If)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(If)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔K法〕
〔式中、Rは、C1−6アルキル基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(XXXV)を化合物(XXXVI)と反応させることにより、化合物(XXXVII)を製造する。
本反応は、塩基の存在下、必要に応じて銅塩存在下で、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
化合物(XXXVI)の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XXXV)1モルに対して、通常約0.5モル〜約50モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。
塩基としては、例えば、金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられ、なかでも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩などが好適である。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XXXV)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.1モル〜約5モルである。
銅塩としては、例えば、ハロゲン化銅類(例、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等)、酸化銅、硫酸銅、酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅等が挙げられ、なかでも、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等のハロゲン化銅が好適である。
銅塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XXXV)1モルに対して、通常約0.01モル〜約50モル、好ましくは約0.1モル〜約10モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−50℃〜約300℃、好ましくは約−20℃〜約150℃である。
反応時間は、化合物(XXXV)の種類、反応温度等によって異なり、通常約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
こうして得られる化合物(XXXVII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XXXVII)の保護基を除去して化合物(Ig)を得る。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ig)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔L法〕
〔式中、R3aは、ハロゲン原子を示し;R3bは、C1−6アルキル基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(XVIII)をハロゲン化して化合物(XXXVIII)を得る。
本反応は、ハロゲン試剤(例えば塩素、臭素、ヨウ素)、N−ハロゲン化スクシンイミド(例えば、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド)を用いて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
ハロゲン試剤またはハロゲン化スクシンイミドの使用量は、化合物(XVIII)1モルに対して、通常約0.5モル〜10モル、好ましくは約1モル〜約3モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、有機酸類(例、蟻酸、酢酸、プロピオン酸)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃の範囲であり、反応時間は、化合物(XVIII)の種類、反応温度等によって異なり、通常、約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XXXVIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クラマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XXXVIII)の保護基を除去して化合物(Ih)を得る。本工程は、上述のD法と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ih)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程3
本工程では、化合物(XXXVIII)を、式:R3b−B(OR)で表される化合物(以下、R3b−B(OR)と略記する)とカップリング反応させることにより、化合物(XXXIX)を製造する。
本反応は、自体公知の方法[例、ケミカル レビューズ(Chemical Reviews)、1995年、95巻、2457頁に記載の方法等]に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒および塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
3b−B(OR)の使用量は、化合物(XXXVIII)1モルに対して、通常約0.5モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)、ニッケル触媒(例、塩化ニッケル等)等が用いられ、必要に応じて、リガンド(例、トリフェニルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(シクロプロピル)ホスフィン等)を添加したり、金属酸化物(例、酸化銅、酸化銀等)等を共触媒として用いても良い。
遷移金属触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、化合物(XXXVIII)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約1モル、好ましくは約0.01モル〜約0.5モル、リガンドの使用量は、化合物(XXXVIII)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約2モル、共触媒の使用量は、化合物(XXXVIII)1モルに対して、通常約0.0001モル〜約4モル、好ましくは約0.01モル〜約2モルである。
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等)等が挙げられる。なかでも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類等が好適である。
塩基の使用量は、化合物(XXXVIII)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モル、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキエタン、テトラヒドロフラン等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常約−10℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約150℃である。
反応時間は、通常約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約16時間である。
こうして得られる化合物(XXXIX)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程4
本工程では、化合物(XXXIX)の保護基を除去して化合物(Ii)を得る。本工程は、上述のH法工程8と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ii)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔M法〕
〔式中、Rは、C1−6アルキル基を示し;その他の記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(XXXII)にR−SHで表される化合物(以下、R−SHと略記する)を作用させ、スルファニル化反応に付すことにより、化合物(XL)を製造する。本反応は、自体公知の方法により行うことができるが、通常、塩基の存在下、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
−SHの使用量は、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.5モル〜約100モルであり、好ましくは約1モル〜約3モルである。
塩基としては、例えば、金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、無機塩基(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルコキシド等)、有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピリダジン、4−ジメチルアミノピリジン等)等が挙げられ、なかでも水素化ナトリウム等の金属水素化物が好適である。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(XXXII)1モルに対して、通常約0.1モル〜約10モルであり、好ましくは約1モル〜約5モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、約−50℃〜約300℃、好ましくは約0℃〜約200℃である。
反応時間は、R−SHの種類、反応温度等によって異なり、通常、約0.1時間〜約100時間、好ましくは約0.5時間〜約36時間である。
こうして得られる化合物(XL)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クラマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XL)の保護基を除去して化合物(Ij)を得る。本工程は、上述のD法と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(Ij)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
〔N法〕
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕
工程1
本工程では、化合物(XXXII)を式:R1jNHで表される化合物またはその塩と反応させることにより、化合物(XLII)を製造する工程である。本工程は上述のC法工程1、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XLII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程2
本工程では、化合物(XLII)を式:R1i−Xで表される化合物と反応させることにより、化合物(XLIII)を製造する工程である。本工程は上述のG法工程2、または、それに準じた方法で行うことができる。
こうして得られる化合物(XLIII)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
工程3
本工程では、化合物(XLIII)の保護基を除去して化合物(Ik)を得る工程である。本工程は、上述のA法工程4と同様の方法により行うことができる。
こうして得られる化合物(I0k)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)および化合物(I)は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、液性変換、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等によって単離、精製することができる。化合物(I)または化合物(I)が遊離化合物として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
化合物(I)および化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を含有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)および化合物(I)に包含される。また、コンホメーションによる異性体が生成する場合があるが、このような異性体もその混合物も化合物(I)および化合物(I)に含まれる。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)および化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)および化合物(I)に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いるか、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)とで塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(東ソー社製)、CHIRALシリーズ(ダイセル化学工業社製)等のキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液等)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン等)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えばガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を、光学活性な試薬との化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例、分別再結晶法、クロマトグラフィー法等)等を経て単一物質とした後、加水分解反応等の化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)または化合物(I)が分子内に水酸基または1級もしくは2級アミノ基を有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)等とを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)または化合物(I)がカルボキシル基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたは光学活性アルコールとを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解または塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
化合物(I)および化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)および化合物(I)に包含される。
化合物(I)および化合物(I)の結晶は、化合物(I)または化合物(I)に自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
ここで、結晶化法としては、例えば、溶液からの結晶化法、蒸気からの結晶化法、溶融体からの結晶化法等が挙げられる。
該「溶液からの結晶化法」としては、化合物の溶解度に関係する因子(溶媒組成、pH、温度、イオン強度、酸化還元状態等)または溶媒の量を変化させることによって、飽和していない状態から過飽和状態に移行させる方法が一般的であり、具体的には、例えば濃縮法、徐冷法、反応法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法等が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ケトン類(例、アセトン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは二種以上を適当な割合(例、1:1〜1:100(容積比))で混合して用いられる。必要に応じて種晶を使用することもできる。
該「蒸気からの結晶化法」としては、例えば気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法等が挙げられる。
該「溶融体からの結晶化法」としては、例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相エピタキシー法)等が挙げられる。
結晶化法の好適な例としては、化合物(I)または化合物(I)を20〜120℃の温度下で、適当な溶媒(例、メタノール、エタノール等のアルコール類、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等)に溶解し、得られる溶液を溶解時の温度以下(例、0〜50℃、好ましくは0〜20℃)に冷却する方法等が挙げられる。その際、窒素ガス等を気流させ、溶媒を蒸発させてもよい。
このようにして得られる本発明の化合物(I)および化合物(I)の結晶は、例えばろ過等によって単離することができる。
得られた結晶の解析方法としては、粉末X線回折による結晶解析の方法が一般的である。さらに、結晶の方位を決定する方法としては、機械的な方法または光学的な方法等も挙げられる。
上記の製造法で得られる化合物(I)および化合物(I)の結晶(以下、「本発明の結晶」と略記する)は、高純度、高品質であり、吸湿性が低く、通常条件下で長期間保存しても変質せず、安定性に極めて優れている。また、生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現等)にも優れ、医薬として極めて有用である。
本明細書中、融点は、例えば微量融点測定器(ヤナコ、MP−500D型)またはDSC(示差走査熱量分析)装置(SEIKO、EXSTAR6000)等を用いて測定される融点を意味する。
化合物(I)および化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性、安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)および化合物(I)はプロドラッグとして用いてもよい。化合物(I)または化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)または化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)または化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)または化合物(I)に変化する化合物をいう。
化合物(I)および化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)および化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化またはリン酸化された化合物[例、化合物(I)および化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等];化合物(I)および化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化またはホウ酸化された化合物(例、化合物(I)および化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)および化合物(I)のカルボキシル基がエステル化またはアミド化された化合物[例、化合物(I)および化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等]等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)または化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)および化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)または化合物(I)に変化するものであってもよい。
化合物(I)および化合物(I)またはそのプロドラッグ(以下、本明細書において、「本発明の化合物」と略記する場合がある)は優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有する。
さらに、本発明の化合物は、優れた経口吸収性を有し、毒性が低く、かつ安全であることから、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対する総てのセロトニン5−HT2C関連疾患、例えば、以下(1)〜(19)に記載の疾患の改善、予防または治療薬として有用である。
(1)下部尿路症状:
[例えば、過活動膀胱、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎、蓄尿症状(例、昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、遺尿、夜間遺尿、持続性尿失禁、その他の尿失禁、膀胱知覚亢進、膀胱知覚低下及び膀胱知覚の欠如等)、排尿症状(例、尿勢低下、尿線分割、尿線散乱、尿線途絶、排尿遅延、腹圧排尿、終末滴下等)、排尿後症状(例、残尿感、排尿後尿滴下等)、性交に伴う症状(例、性交痛、膣乾燥、尿失禁等)、骨盤臓器脱に伴う症状(例、異物感、腰痛等)、生殖器痛・下部尿路痛(例、膀胱痛、尿道痛、外陰部痛、膣痛、陰嚢痛、会陰痛、骨盤痛等)、生殖器・尿路痛症候群(例、膀胱痛症候群、尿道痛症候群、外陰痛症候群、膣症候群、陰嚢痛症候群、会陰痛症候群、骨盤痛症候群等)、下部尿路機能障害を示唆する症状症候群(例、過活動膀胱症候群、膀胱出口部閉塞を示唆する下部尿路症状等)、多尿、尿路結石(例、尿管結石、尿道結石)];
(2)代謝性疾患:
[例えば、糖尿病(例、インスリン依存性糖尿病、糖尿病性合併症、糖尿病性網膜症、糖尿病性細小血管症、糖尿病性神経障害等)、耐糖能異常、肥満[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、外因性肥満(exogenous obesity)、過インシュリン性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperplasmic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic obesity)、小児肥満(infantile obesity)、上半身肥満(upper body obesity)、食事性肥満症(alimentary obesity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(simple obesity)、中心性肥満(central obesity))、前立腺肥大症、性的機能不全];
(3)中枢神経疾患:
[例えば、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症(ALS)、ハンチントン舞踏病、糖尿病性ニューロパシー、多発性硬化症等)、精神疾患(例、統合失調症(精神分裂病)、うつ病、躁病、不安神経症、脅迫神経症、恐慌性障害、てんかん、アルコール依存症、薬物依存症、不安症状、不快精神状態、情緒異常、感情循環気質、神経過敏症、自閉症、失神、耽溺、性欲低下等)、中枢および末梢神経障害(例、頭部外傷、脊髄損傷、脳浮腫、知覚機能障害、知覚機能異常、自律神経機能障害、自律神経機能異常、むち打ち症等)、記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症、脳血管痴呆等)、脳血管障害(例、脳出血、脳梗塞等及びその後遺症・合併症、無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、高血圧性脳症、脳血液関門の障害等)、脳血管障害の再発および後遺症(例、神経症候、精神症候、自覚症状、日常生活動作障害等)、脳血管閉塞後の中枢機能低下症、脳循環・腎循環自動調節能の障害または異常、睡眠障害];
(4)性機能不全疾患:
[例えば、男性勃起不全、射精障害、女性性機能不全];
(5)消化器疾患:
[例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ウレアーゼ陽性のラセン状グラム陰性菌(例、ヘリコバクター・ピロリ等)に起因する異常(例、胃炎、胃潰瘍等)、胃癌、胃手術後障害、消化不良、食道潰瘍、膵炎、大腸ポリープ、胆石症、痔疾患、消化性潰瘍、時局性回腸炎、大食、便秘、下痢、腹鳴等];
(6)炎症性もしくはアレルギー性疾患:
[例えば、アレルギー性鼻炎、結膜炎、消化管アレルギー、花粉症、アナフィラキシー、皮膚炎、ヘルペス、乾癬、気管支炎、喀痰、網膜症、手術・外傷後の炎症、腫脹の緩解、咽頭炎、膀胱炎、髄膜炎、炎症性眼疾患];
(7)骨・関節疾患:
[例えば、関節リウマチ(例、慢性関節リウマチ)、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、骨粗鬆症、細胞等の異常増殖、骨折、再骨折、骨軟化症、骨減少症、骨ページェット病、硬直性脊髄炎、変形性膝関節炎及びそれらの類似疾患における関節組織の破壊];
(8)呼吸器疾患:
[例えば、かぜ症候群、肺炎、喘息、肺高血圧症、肺血栓・肺塞栓、肺サルコイドーシス、肺結核、間質性肺炎、珪肺、成人呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、咳];
(9)感染症:
[例えば、HIV感染症、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染症、リケッチア感染症、細菌感染症、性感染症、カリニ肺炎、ヘリコバクターピロリ感染症、全身性真菌感染症、結核、侵襲性ブドウ状球菌感染症、急性ウイルス脳炎、急性バクテリア髄膜炎、エイズ脳症、敗血症、セプシス、重症セプシス、敗血症性ショック、内毒素性ショック、トキシンショック症候群];
(10)癌:
[例えば、原発性、転移性または再発性の、乳癌、前立腺癌、膵癌、胃癌、肺癌、大腸癌(例、結腸癌、直腸癌、肛門癌)、食道癌、十二指腸癌、頭頚部癌(例、舌癌、咽頭癌、喉頭癌)、脳腫瘍、神経鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、子宮癌(例、子宮体癌、子宮頸癌)、卵巣癌、膀胱癌、皮膚癌、血管腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、甲状腺癌、骨腫瘍、血管線維腫、網膜肉腫、陰茎癌、小児固形癌、カポジ肉腫、AIDSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、子宮筋腫、骨芽細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、癌性の中皮腫瘍、白血病等の腫瘍、ホジキン病];
(11)循環器疾患:
[例えば、急性冠動脈症候群(例、急性心筋梗塞、不安定狭心症等)、末梢動脈閉塞症、レイノー病、バージャー病、冠動脈インターベンション(例、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、方向性冠動脈アテレクトミー(DCA)、ステント留置等)後の再狭窄、冠動脈バイパス手術後の再狭窄、その他の末梢動脈におけるインターベンション(例、血管形成術、アテレクトミー、ステント留置等)又はバイパス手術後の再狭窄、虚血性心疾患(例、心筋梗塞、狭心症等)、心筋炎、間歇性跛行、ラクネ梗塞、動脈硬化症(例、アテローム性動脈硬化症等)、心不全(例、急性心不全、うっ血性を含む慢性心不全)、不整脈、動脈硬化巣の進展、血栓症、高血圧症、高血圧性耳鳴り、低血圧症];
(12)疼痛:
[例えば、頭痛、偏頭痛、神経痛、膀胱痛を含む骨盤内臓痛];
(13)自己免疫疾患:
[例えば、膠原病、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発動脈炎、重症筋無力症、多発性硬化症、シェーグレン症候群、ベーチェット病];
(14)肝疾患:
[例えば、慢性を含む肝炎、肝硬変、間質性肝疾患];
(15)膵疾患:
[例えば、慢性を含む膵炎];
(16)腎疾患:
[例えば、腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬化症、腎不全、血栓性微小血管症、透析の合併症、放射線照射による腎症を含む臓器障害、糖尿病性腎症];
(17)内分泌疾患:
[例えば、アジソン病、クッシング症候群、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症等];
(18)婦人科疾患:
[例えば、臓器脱(例えば、骨盤臓器脱、性器脱、膀胱脱、直腸脱、尿道脱、尿道過可動、小腸瘤、直腸瘤、膀胱瘤、会陰体損傷、骨盤底ヘルニア等)、更年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳腺疾患、月経前期症候群等];
(19)その他の疾患:
[例えば、
(a)移植片拒絶反応(例えば、移植後の拒絶反応、移植後の赤血球増加症・高血圧・臓器障害・血管肥厚、移植片対宿主疾患)、
(b)血液・血球成分の性状異常(例えば、血小板凝集能亢進、赤血球変形能の異常、白血球粘着能の亢進、血液粘度上昇、赤血球増加症、血管性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多発性骨髄症)、
(c)皮膚疾患(例えば、ケロイド、血管腫、乾癬、掻痒)、
(d)眼疾患(例えば、緑内障、高眼圧症)、
(e)耳鼻咽喉疾患(例えば、メヌエル症候群、耳鳴り、味覚障害、めまい、平衡障害、嚥下障害)、
(f)環境・職業性因子による疾患(例えば、放射線障害、紫外線・赤外線・レーザー光線による障害、高山病)、
(g)運動失調、硬直、振せん、運動障害、無動症、
(h)慢性疲労症候群、
(i)乳児突然死症候群、
(j)吃逆(しゃっくり)、
(k)動悸、眩暈、胸やけ等を起こす疾患。
本発明の化合物は、特に、セロトニン5−HT2C受容体活性化剤、下部尿路症状の改善、予防または治療薬、肥満の予防または治療薬、臓器脱の予防または治療薬として有用である。下部尿路症状が対象疾患である場合、本発明の化合物は、特に腹圧性尿失禁の改善、予防または治療薬として有用である。
本発明の化合物を含有する医薬(以下、「本発明の医薬」と略記する)は、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等のいずれの形態の製剤であってもよい。
本発明の医薬は、製剤の形態に応じて、例えば、混和、混練、造粒、打錠、コーティング、滅菌処理、乳化等の慣用の方法で製造できる。なお、製剤の製造に関して、例えば日本薬局方製剤総則の各項等を参照できる。また本発明の製剤は、有効成分と生体内分解性高分子化合物とを含む徐放剤に成形してもよい。該徐放剤の調製は、特開平9−263545号公報に記載の方法に準ずることができる。
本発明の医薬において、本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤全体に対して0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%程度である。
本発明の医薬は、本発明の化合物を、そのまま、或いは適宜の薬理学的に許容され得る担体、例えば、賦形剤(例、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(例、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等)、希釈剤(例、注射用水、生理食塩水等)、必要に応じて添加剤(例、安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、緩衝剤、等張化剤等)等と常法により混合し、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。本発明の医薬は局所投与製剤に成形して関節疾患の患部に直接投与することもできる。この場合は、注射剤とするのが好ましい。
例えば、注射剤とするには、本発明の化合物を分散剤(例、Tween80、HCO−60等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシウム等)、pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)等と共に水性懸濁剤とすることにより、実用的な注射用製剤が得られる。また、本発明の化合物を、ゴマ油、コーン油等の植物油若しくはこれにレシチン等のリン脂質を混合したもの、又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812等)と共に分散して油性懸濁剤とすることにより、実際に使用できる注射剤とすることができる。
本発明の化合物は、他の薬剤と共に用いることもできる。
本発明の化合物と配合又は併用し得る薬物(以下、併用薬物と略記する)としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)他の腹圧性尿失禁治療薬
アドレナリンα1受容体アゴニスト(例、塩酸エフェドリン、塩酸ミドドリン)、アドレナリンβ2受容体アゴニスト(例、クレンブテロール(Clenbuterol))、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、ノルアドレナリンおよびセロトニン再取り込み阻害薬(例、デュロキセチン)、3環性抗うつ薬(例、塩酸イミプラミン)、抗コリン薬又は平滑筋刺激薬(例、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン、塩酸セリメベリン)、女性ホルモン薬(例、結合型エストロゲン(プレマリン)、エストリオール)等。
(2)糖尿病治療剤
インスリン製剤〔例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメント又は誘導体(例、INS−1等)等〕、インスリン感受性増強剤(例、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン又はそのマレイン酸塩、JTT−501、MCC−555、YM−440、GI−262570、KRP−297、FK−614、CS−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン等)、スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等)、或いはその他のインスリン分泌促進剤(例、レパグリニド、セナグリニド、ミチグリニド又はそのカルシウム塩水和物、GLP−1、ナテグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、ビルダグリプチン、シタグリプチン、サクサグリプチン、アログリプチン、NVP−DPP−728、PT−100、P32/98等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド等)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)、SGLT(sodium−glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095等)等。
(3)糖尿病性合併症治療剤
アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット(SNK−860)、ミナルレスタット(ARI−509)、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3等)、AGE阻害剤(例、ALT−945、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウムブロミド(ALT−766)、EXO−226等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド等)等。
(4)抗高脂血剤
コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン又はそれらの塩(例、ナトリウム塩等)等)、スクアレン合成酵素阻害剤、トリグリセリド低下作用を有するフィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート等)等。
(5)降圧剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル等)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン等)、クロニジン等。
(6)抗肥満剤
中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等。
(7)利尿剤
キサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等。
(8)化学療法剤
アルキル化剤(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオロウラシル等)、抗癌性抗生物質(例、マイトマイシン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(例、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド等。なかでも、フルツロン、ネオフルツロンのような5−フルオロウラシル誘導体が好ましい。
(9)免疫療法剤
微生物又は細菌成分(例、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のある多糖類(例、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、インターフェロン、インターロイキン(IL)等)、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)等。なかでも、IL−1、IL−2、IL−12が好ましい。
(10)動物モデルや臨床で悪液質改善作用が認められている治療剤
プロゲステロン誘導体(例、メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)、第12巻、213〜225頁、1994年〕、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤(文献はいずれも上記と同様)、脂肪代謝改善薬(例、エイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)、第68巻、314〜318頁、1993年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オンコスタチンMに対する抗体。
(11)消炎剤
ステロイド剤(例、デキサメサゾン等)、ヒアルロン酸ナトリウム、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例、インドメタシン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メロキシカム、アムピロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ等)等。
(12)その他
例えば、糖化阻害剤(例、ALT−711等)、神経再生促進薬(例、Y−128、VX853、プロサプチド(prosaptide)等)、中枢神経系作用薬(例、デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン、フロキセチン、パロキセチン、ドキセピン等の抗うつ薬)、抗てんかん薬(例、ラモトリジン、カルバマゼピン)、抗不整脈薬(例、メキシレチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例、ABT−594)、エンドセリン受容体拮抗薬(例、ABT−627)、モノアミン取り込み阻害薬(例、トラマドル)、インドールアミン取り込み阻害薬(例、フロキセチン、パロキセチン)、麻薬性鎮痛薬(例、モルヒネ)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン)、GABA取り込み阻害薬(例、チアガビン)、α受容体作動薬(例、クロニジン)、局所鎮痛薬(例、カプサイシン)、プロテインキナーゼC阻害剤(例、LY−333531)、抗不安薬(例、ベンゾジアゼピン類)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、シルデナフィル)、ドーパミン受容体作動薬(例、アポモルフィン)、ドーパミン受容体拮抗薬(例、ハロペリドール)、セロトニン受容体作動薬(例、クエン酸タンドスピロン、スマトリプタン(sumatryptan))、セロトニン受容体拮抗薬(例、塩酸シプロヘプタジン、オンダンセトロン)、セロトニン取り込み阻害薬(例、マレイン酸フルボキサミン、フロキセチン、パロキセチン)、睡眠導入剤(例、トリアゾラム、ゾルピデム)、抗コリン剤、α受容体遮断薬(例、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル)、筋弛緩薬(例、バクロフェン)、カリウムチャンネル開口薬(例、ニコランジル)、カルシウムチャンネル遮断薬(例、ニフェジピン)、アルツハイマー病予防・治療薬(例、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)、パーキンソン病治療薬(例、L−ドーパ)、多発性硬化症予防・治療薬(例、インターフェロンβ−1a)、ヒスタミンH受容体阻害薬(例、塩酸プロメタジン)、プロトンポンプ阻害薬(例、ランソプラゾール、オメプラゾール)、抗血栓薬(例、アスピリン、シロスタゾール)、NK−2受容体アンタゴニスト(例、ピペリジン誘導体(GR159897、GR149861、SR48968(サレデュータント(saredutant))、SR144190、YM35375、YM38336、ZD7944、L−743986、MDL105212A、ZD6021、MDL105172A、SCH205528、SCH62373、R−113281等)、ペルヒドロイソインドール誘導体(例、RPR−106145等)、キノリン誘導体(例、SB−414240等)、ピロロピリミジン誘導体(例、ZM−253270等)、プソイドペプチド誘導体(例、MEN11420(ネパデュタント(nepadetant))、SCH217048、L−659877、PD−147714(CAM−2291)、MEN10376、S16474等)、その他(GR100679、DNK333、GR94800、UK−224671、MEN10376、MEN10627)、又はそれらの塩等)、HIV感染症治療薬(例、サキナビル、ジドブジン、ラミブジン、ネビラピン)、慢性閉塞性肺疾患治療薬(例、サルメテロール、チオトロピウムブロミド、シロミラスト)等。
抗コリン剤としては、例えば、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、トロピカミド、シクロペントラート、臭化ブチルスコポラミン、臭化プロパンテリン、臭化メチルベナクチジウム、臭化メペンゾラート、フラボキサート、ピレンゼピン、臭化イプラトピウム、トリヘキシフェニジル、オキシブチニン、プロピベリン、ダリフェナシン、トルテロジン、テミベリン、塩化トロスピウム又はその塩(例、硫酸アトロピン、臭化水素酸スコポラミン、臭化水素酸ホマトロピン、塩酸シクロペントラート、塩酸フラボキサート、塩酸ピレンゼピン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸オキシブチニン、酒石酸トルテロジン等)等が用いられ、なかでも、オキシブチニン、プロピベリン、ダリフェナシン、トルテロジン、テミベリン、塩化トロスピウム又はその塩(例、塩酸オキシブチニン、酒石酸トルテロジン等)が好適である。また、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例、ジスチグミン等)等も使用することができる。
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬としては、例えば、ベタニジン(Betanidine)、テソフェンシン(Tesofensine)、トロダスケミン(Trodusquemine)、PSN−602等が用いられる。また、ノルアドレナリンおよびセロトニン再取り込み阻害薬としては、例えば、デュロキセチン、ベンラファキシン(Venlafaxine)等が用いられる。
本発明の化合物と併用薬物の併用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
併用の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、以下の様式:
(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)
が挙げられる。
本発明の化合物と併用薬物とを併用する際の医薬(以下、「本発明の併用剤」と略記する)において、本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜約100重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%、さらに好ましくは約0.5〜約20重量%である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜約99.99重量%、好ましくは約10〜約90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
投与量は本発明の化合物または薬学上許容可能なその塩の種類、投与ルート、症状、患者の年令等によっても異なるが、例えば、腹圧性尿失禁、肥満および/または骨盤臓器脱の成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kg当たり約0.005〜50mg、好ましくは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回程度に分割投与できる。
本発明の併用剤が徐放性製剤である場合の投与量は、本発明の化合物の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ブタ等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1〜約100mgの本発明の化合物が投与製剤から放出されるようにすればよい。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1回、あるいは1日2〜4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明の化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与経路により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与し得る。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜1時間以内に併用薬物を投与し得る。
本発明の医薬は低毒性であり、安全に使用することができる。特に以下に示す実施例化合物は、経口投与されたときの吸収性において優れているので、経口用製剤のために有利に使用できる。
以下に、参考例、実施例、製剤例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
参考例、実施例のカラムクロマトグラフィーは、MORITEX社製Purif−8もしくはPurif−α2を用い、UV検出器による観察下に行った。カラムクロマトグラフィー用のシリカゲルとしては、MORITEX社Purif−Packを用いた。室温とあるのは通常約10℃〜30℃の温度を意味する。
実施例、参考例における略号の意味は以下の通りである。
LC:液体クロマトグラフィー
MS:質量分析スペクトル
ESI:エレクトロスプレーイオン化法
m/z:分子イオンピーク
NMR:核磁気共鳴スペクトル
Hz:ヘルツ
J:カップリング定数
m:マルチプレット
q:クワルテット
t:トリプレット
d:ダブレット
dd:ダブルダブレット
s:シングレット
br:ブロード
dt:ダブルトリプレット
dq:ダブルクワルテット
td:トリプルダブレット
brs:ブロードシングレット
Ac:アセチル基
Bu:tert−ブチル基
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル基
Et:エチル基
Ph:フェニル基
N:規定濃度
CDCl:重クロロホルム
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
DME:ジメトキシエタン
TFA:トリフルオロ酢酸
BocO:二炭酸ジ−tert−ブチル
XPhos:ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン
Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
10%Pd/C:10%パラジウム/炭素
20%Pd(OH)/C:20%水酸化パラジウム/炭素
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
実施例、参考例におけるLC−MSは以下の条件により測定した。
LC−MSによる分析
測定機器:ウォーターズ社 LC−MSシステム
HPLC:アジレント社 HP1100
MS:マイクロマス社 ZQ
HPLC条件
カラム:CAPCELL PAK C18UG120、S−3μM、1.5×35mm(資生堂)
溶媒:A液;0.05%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.05%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=90/10)、2.00分(A液/B液=5/95)、2.75分(A液/B液=5/95)、2.76分(A液/B液=90/10)、3.60分(A液/B液=90/10)
注入量:2μL、流速:0.5mL/min、検出法:UV220nm
MS条件
イオン化法:ESI
実施例、参考例における分取HPLCによる精製は以下の条件により行った。
機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:CombiPrep ODS−A S−5μm、50×20mm(YMC)
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=95/5)、1.00分(A液/B液=95/5)、5.20分(A液/B液=5/95)、6.40分(A液/B液=5/95)、6.50分(A液/B液=95/5)、6.60分(A液/B液=95/5)
流速:25mL/min、検出法:UV220nm
下記実施例における高極性分取HPLC精製は以下の条件により行った。
機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:Combiprep Hydrosphere C18、50×20mm(YMC)
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=98/2)、1.00分(A液/B液=98/2)、5.20分(A液/B液=60/40)、5.40分(A液/B液=5/95)、6.40分(A液/B液=5/95)、6.50分(A液/B液=98/2)、6.60分(A液/B液=98/2)
流速:20mL/min、検出法:UV220nm
実施例における粉末X線結晶回折は以下の条件により行った。
測定機器:理学電気(株)RINT Ultima 2100型
線源:Cu−Kα線(λ=1.5418Å)
管電圧:40kV
管電流:50mA
走査速度:6°/min
回折角(2θ):2〜35°
参考例1
2−{ベンジル[(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}エタノール
3,5−ジクロロピラジン−2−カルバルデヒド(1.194g)、N−ベンジルエタノールアミン(1.02g)および酢酸(2.0mL)のTHF(50mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.87g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水を塩基性になるまで加えた。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(1.47g,70%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.77−2.89(m,2H),3.42(brs,1H),3.63(t,J=4.90Hz,2H),3.80(s,2H),3.95(s,2H),7.17−7.36(m,5H),8.46(s,1H)
ESI−MS:m/z 312(M+H)
参考例2
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
2−{ベンジル[(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}エタノール(3.425g)のTHF(100mL)溶液に氷冷下でカリウムtert−ブトキシド(1.48g)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(2.59g,86%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ3.00−3.17(m,2H),3.75(s,2H),4.01(s,2H),4.25−4.35(m,2H),7.27−7.39(m,5H),8.23(s,1H)
ESI−MS:m/z 276(M+H)
参考例3
(2S)−1−{ベンジル[(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}プロパン−2−オール
3,5−ジクロロピラジン−2−カルバルデヒド(3.0g)、(2S)−1−(ベンジルアミノ)プロパン−2−オール(3.36g)および酢酸(4.9mL)のTHF(50mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(7.18g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水を塩基性になるまで加えた。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(3.48g,63%)を淡黄色油状物として得た。
ESI−MS:m/z 326(M+H)
参考例4
(6S)−8−ベンジル−3−クロロ−6−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(2S)−1−{ベンジル[(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}プロパン−2−オール(3.48g)のTHF(50mL)溶液に氷冷下で水素化ナトリウム(513mg)を加え、氷冷下で2時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(1.60g,52%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.40(d,J=6.44Hz,3H),2.86−3.03(m,2H),3.74(s,2H),3.84−3.95(m,1H),4.04−4.13(m,1H),4.28−4.52(m,1H),7.03−7.46(m,5H),8.21(s,1H)
ESI−MS:m/z 290(M+H)
参考例5
8−ベンジル−3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(493mg)、シクロプロピルボロン酸(280mg)、酢酸パラジウム(20mg)、トリシクロプロピルホスフィン(51mg)およびカリウムtert−ブトキシド(663mg)のトルエン(8mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(79.9mg,16%)を無色油状物として得た。
ESI−MS:m/z 282(M+H)
参考例6
8−ベンジル−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(559mg)、シクロペンタ−1−エン−1−イルボロン酸(273mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(118mg)および炭酸ナトリウム水溶液(2M、2mL)のDME(10mL)溶液をアルゴン雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(424mg,68%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.05(quintet,2H),2.50−2.69(m,2H),2.70−2.88(m,2H),3.00−3.15(m,2H),3.74(s,2H),4.02(s,2H),4.20−4.39(m,2H),6.61−6.78(m,1H),7.12−7.47(m,5H),8.28(s,1H)
ESI−MS:m/z 308(M+H)
参考例7
8−ベンジル−3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
イソプロパノール(83μL)のトルエン(2mL)溶液に室温で水素化ナトリウム(87mg)を加え、15分間撹拌した。8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(297mg)およびBINAP(30mg)のトルエン(2mL)溶液を反応液に加え、アルゴンガスで置換した後、Pd(dba)(20mg)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応溶液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより標題化合物(137mg,42%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.35(d,J=6.06Hz,6H),2.91−3.11(m,2H),3.73(s,2H),3.96(s,2H),4.19−4.35(m,2H),5.26(septet,J=6.18Hz,1H),7.12−7.45(m,5H),7.82(s,1H)
ESI−MS:m/z 300(M+H)
参考例8
8−ベンジル−3−[(1R)−1−シクロプロピルエトキシ]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(1R)−1−シクロプロピルエタノール(130mg)のトルエン(3mL)溶液に、水素化ナトリウム(120mg)を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(415mg)、BINAP(41mg)、Pd(dba)(28mg)およびトルエン(3mL)の混合物を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。反応溶液に水を加えた後、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(329mg,67%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.25−0.35(m,1H),0.36−0.48(m,1H),0.48−0.60(m,2H),1.02−1.20(m,1H),1.39(d,J=6.06Hz,3H),2.91−3.13(m,2H),3.73(s,2H),3.96(s,2H),4.19−4.30(m,2H),4.59(dq,J=8.52,6.25Hz,1H),7.09−7.43(m,5H),7.86(s,1H)
ESI−MS:m/z 326(M+H)
参考例9
8−ベンジル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(322mg)、モルホリン(0.13mL)、Pd(dba)(22mg)、XPhos(45mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(282mg)のトルエン(10mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で3時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:16→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(259mg,68%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.97−3.08(m,2H),3.47−3.58(m,4H),3.72(s,2H),3.77−3.87(m,4H),3.93(s,2H),4.17−4.32(m,2H),7.17−7.41(m,5H),7.74(s,1H)
ESI−MS:m/z 327(M+H)
参考例10
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(208mg)、(3R)−3−メチルモルホリン(115mg)、Pd(dba)(21mg)、XPhos(44mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(145mg)のトルエン(5mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で3時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:9→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(126mg,60%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.28(d,J=6.82Hz,3H),2.97−3.05(m,2H),3.25(td,J=12.49,3.79Hz,1H),3.60(td,J=11.74,3.03Hz,1H),3.73(s,2H),3.74−3.86(m,3H),3.92(s,2H),4.00(dd,J=11.36,3.79Hz,1H),4.20−4.34(m,3H),7.27−7.37(m,5H),7.69(s,1H)
ESI−MS:m/z 341(M+H)
参考例11
(6S)−8−ベンジル−6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(6S)−8−ベンジル−3−クロロ−6−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(301mg)、モルホリン(0.11mL)、Pd(dba)(19mg)、XPhos(40mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(250mg)のトルエン(5mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:9→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(70mg,20%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.37(d,J=6.06Hz,3H),2.77−3.00(m,2H),3.48−3.58(m,4H),3.71(s,2H),3.78−3.89(m,5H),3.96−4.05(m,1H),4.27−4.42(m,1H),7.27−7.36(m,5H),7.72(s,1H)
ESI−MS:m/z 341(M+H)
参考例12
(6S)−8−ベンジル−6−メチル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(6S)−8−ベンジル−3−クロロ−6−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(313mg)、(3R)−3−メチルモルホリン(164mg)、Pd(dba)(30mg)、XPhos(62mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(208mg)のトルエン(5mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で3時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:9→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(233mg,61%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.27(d,J=6.78Hz,3H),1.37(d,J=6.78Hz,3H),2.78−2.98(m,2H),3.25(td,J=12.43,3.77Hz,1H),3.59(td,J=11.68,3.01Hz,1H),3.69−3.79(m,4H),3.83(d,J=14.69Hz,2H),3.93−4.04(m,2H),4.21−4.40(m,2H),7.28−7.35(m,5H),7.66(s,1H)
ESI−MS:m/z 355(M+H)
参考例13
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(498mg)、N−メチルプロパン−2−アミン(0.29mL)、Pd(dba)(50mg)、XPhos(104mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(348mg)のトルエン(5mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で3時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:9→50%酢酸エチル/ヘキサン)、さらに、分取HPLCで精製することにより、標題化合物(79mg,14%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.18(d,J=6.78Hz,6H),2.87(s,3H),2.95−3.12(m,2H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.18−4.30(m,2H),4.76(quintet,J=6.78Hz,1H),7.15−7.42(m,5H),7.63(s,1H)
ESI−MS:m/z 313(M+H)
参考例14
8−ベンジル−3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(308mg)、(3R)−3−エチルモルホリン(193mg)、Pd(dba)(31mg)、XPhos(64mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(216mg)のトルエン(6mL)懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(132mg,33%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.93(t,J=7.54Hz,3H),1.56−1.77(m,1H),1.80−2.00(m,1H),3.01(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),3.24(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.51−3.69(m,2H),3.72(s,2H),3.87−4.02(m,6H),4.23(dd,J=4.90,3.01Hz,2H),7.21−7.36(m,5H),7.67(s,1H)
ESI−MS:m/z 355(M+H)
参考例15
3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド
(工程1)
2,6−ジクロロピラジン(10g)、N−メチルプロパン−2−アミン(10.5mL)、炭酸カリウム(13.9g)およびDMA(40mL)の混合物を80℃で5時間撹拌した。水(80mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを精製せず、次の反応に用いた。
(工程2)
塩化ホスホリル(12.3mL)を、DMF(40mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、工程1で得られた残渣のDMF(10mL)溶液を滴下した。混合物を80℃で5時間撹拌した後、0℃において水(100mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(11.9g,2段階83%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.27(d,J=6.59Hz,6H),3.06(s,3H),4.96(brs,1H),8.05(s,1H),10.15(s,1H)
ESI−MS:m/z 214(M+H)
参考例16
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(12.8g)を、3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(8.6g)、N−ベンジルエタノールアミン(7.3g)および酢酸(6.9mL)のアセトニトリル(86mL)溶液に加え、室温で5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルおよび2M炭酸カリウム水溶液(86mL)を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(15.1g,定量的)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.19(d,J=6.59Hz,6H),2.69−2.79(m,2H),2.88(s,3H),3.52−3.64(m,2H),3.66−3.74(m,1H),3.75(s,2H),3.81(s,2H),4.59−4.78(m,1H),7.14−7.38(m,5H),7.85(s,1H)
ESI−MS:m/z 349(M+H)
参考例17
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
カリウムtert−ブトキシド(5.8g)のDMF(45mL)溶液に、2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(15.1g)のDMF(30mL)溶液を0℃で滴下し、1.5時間撹拌した。水(150ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(11g,87%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17(d,J=6.59Hz,6H),2.87(s,3H),2.99−3.02(m,2H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.18−4.30(m,2H),4.70−4.80(m,1H),7.15−7.42(m,5H),7.63(s,1H)
ESI−MS:m/z 313(M+H)
参考例18
3−クロロ−5−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピラジン−2−カルバルデヒド
(工程1)
2,6−ジクロロピラジン(40g)、(3R)−3−メチルモルホリン p−トシル酸塩(91g)、炭酸カリウム(112g)およびDMSO(300mL)の混合物を80℃で終夜撹拌した。酢酸エチルで希釈し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを精製せず、次の反応に用いた。
(工程2)
塩化ホスホリル(64mL)を、DMF(200mL)に−10〜0℃で滴下した。混合物を10分間撹拌した後、工程1で得られた残渣のDMF(100mL)溶液を滴下した。混合物を60℃で終夜撹拌した後、0℃において水(300mL)を加え、室温で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(26.7g,2段階41%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.41(d,J=6.40Hz,3H),3.31−3.52(m,1H),3.61(td,J=11.96,2.83Hz,1H),3.71−3.80(m,1H),3.79−3.90(m,1H),4.07(dd,J=11.68,3.77Hz,1H),4.15(d,J=12.06Hz,1H),4.38−4.55(m,1H),8.09(s,1H),10.15(s,1H).
参考例19
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.37g)を、3−クロロ−5−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピラジン−2−カルバルデヒド(1.04g)、N−ベンジルエタノールアミン(0.78g)および酢酸(0.74mL)のアセトニトリル(20mL)溶液に加え、室温で終夜撹拌した。飽和重曹水を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.65g,定量的)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.27(d,J=7.2Hz,3H),2.69−2.81(m,2H),3.26(td,J=12.7,3.8Hz,1H),3.50−3.66(m,3H),3.68−3.92(m,7H),4.01(dd,J=11.5,4.0Hz,1H),4.17−4.27(m,1H),7.16−7.36(m,5H),7.90(s,1H).
ESI−MS:m/z 377(M+H)
参考例20
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(1.65g)のDMF(50mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(0.59g)を0℃で加えて、1時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.32g,89%)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.28(d,J=6.8Hz,3H),2.98−3.06(m,2H),3.25(td,J=12.5,4.0Hz,1H),3.60(td,J=11.7,3.0Hz,1H),3.68−3.86(m,5H),3.92(s,2H),4.00(dd,J=11.3,3.4Hz,1H),4.18−4.34(m,3H),7.16−7.42(m,5H),7.69(s,1H).
ESI−MS:m/z 341(M+H)
参考例21
2−クロロ−6−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン
2,6−ジクロロピラジン(1.49g)、2−メチルピペリジン(1.76mL)、炭酸カリウム(2.07g)およびDMA(10mL)の混合物を80℃で22時間撹拌した。水(10mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.85g,87%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.20(d,J=6.8Hz,3H),1.45−1.58(m,1H),1.61−1.87(m,5H),2.98(td,J=12.9,3.0Hz,1H),4.06−4.25(m,1H),4.51−4.67(m,1H),7.72(s,1H),7.92(s,1H).
ESI−MS:m/z 213(M+H)
参考例22
3−クロロ−5−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(1.62mL)を、DMF(5mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、2−クロロ−6−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン(1.85g)のDMF(1mL)溶液を滴下した。混合物を80℃で16時間撹拌した後、0℃において水(5mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)により精製し標題化合物(1.18g,57%)を無色粉末として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.30(d,J=6.8Hz,3H),1.46−1.65(m,1H),1.65−1.92(m,5H),3.13(td,J=13.3,3.2Hz,1H),4.40(d,J=13.2Hz,1H),4.80(brs,1H),8.10(s,1H),10.13(s,1H).
ESI−MS:m/z 240(M+H)
参考例23
2−(ベンジル{[3−クロロ−5−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン−2−イル]メチル}アミノ)エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.56g)を、3−クロロ−5−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン−2−カルバルデヒド(1.18g)、N−ベンジルエタノールアミン(0.83g)および酢酸(0.84mL)のアセトニトリル(8mL)溶液に加え、室温で21時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.63g,89%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.19(d,J=6.8Hz,3H),1.43−1.83(m,7H),2.71−2.77(m,2H),2.96(td,J=13.0,3.0Hz,1H),3.60(t,J=4.9Hz,2H),3.72(brs,1H),3.75(s,2H),3.80(s,2H),4.49−4.59(m,1H),7.17−7.35(m,5H),7.91(s,1H).
ESI−MS:m/z 375(M+H)
参考例24
8−ベンジル−3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
カリウムtert−ブトキシド(0.65g)のDMF(4mL)溶液に、2−(ベンジル{[3−クロロ−5−(2−メチルピペリジン−1−イル)ピラジン−2−イル]メチル}アミノ)エタノール(1.63g)のDMF(4mL)溶液を0℃で滴下し、2時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.27g,78%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17(d,J=6.8Hz,3H),1.43−1.84(m,6H),2.88−3.03(m,3H),3.72(s,2H),3.90(s,2H),4.04−4.14(m,1H),4.18−4.24(m,2H),4.53−4.65(m,1H),7.21−7.36(m,5H),7.71(s,1H).
ESI−MS:m/z 339(M+H)
参考例25
3−クロロ−5−(2−メチルピロリジン−1−イル)ピラジン−2−カルバルデヒド
(工程1)
2,6−ジクロロピラジン(1.12g)、2−メチルピロリジン(1.14mL)、炭酸カリウム(1.55g)およびDMA(7.5mL)の混合物を80℃で18時間撹拌した。水(10mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを精製せず、次の反応に用いた。
(工程2)
塩化ホスホリル(1.39mL)を、DMF(6mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、工程1で得られた残渣のDMF(1mL)溶液を滴下した。混合物を50℃で20時間撹拌した後、0℃において水(5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.49g,2段階88%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.30(d,J=6.40Hz,3H),1.83(brs,1H),2.12(brs,4H),3.54(brs,1H),3.72(brs,1H),7.91(brs,1H),10.15(s,1H).
ESI−MS:m/z 226(M+H)
参考例26
2−(ベンジル{[3−クロロ−5−(2−メチルピロリジン−1−イル)ピラジン−2−イル]メチル}アミノ)エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.09g)を、3−クロロ−5−(2−メチルピロリジン−1−イル)ピラジン−2−カルバルデヒド(1.49g)、N−ベンジルエタノールアミン(1.19g)および酢酸(1.13mL)のアセトニトリル(12mL)溶液に加え、室温で16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.82g,76%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.22(d,J=6.44Hz,3H),1.74(dt,J=5.02,2.60Hz,1H),1.95−2.17(m,3H),2.71−2.77(m,2H),3.31−3.44(m,1H),3.51−3.63(m,3H),3.63−3.73(m,1H),3.75(s,2H),3.81(s,2H),4.10−4.20(m,1H),7.17−7.35(m,5H),7.72(s,1H).
ESI−MS:m/z 361(M+H)
参考例27
8−ベンジル−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
カリウムtert−ブトキシド(0.68g)のDMF(5mL)溶液に、2−(ベンジル{[3−クロロ−5−(2−メチルピロリジン−1−イル)ピラジン−2−イル]メチル}アミノ)エタノール(1.82g)のDMF(5mL)溶液を0℃で滴下し、1.5時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.38g,85%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.22(d,J=6.40Hz,3H),1.73(dt,J=4.71,2.54Hz,1H),1.91−2.17(m,3H),2.97−3.02(m,2H),3.32−3.44(m,1H),3.53−3.62(m,1H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.13−4.24(m,3H),7.21−7.36(m,5H),7.51(s,1H).
ESI−MS:m/z 325(M+H)
参考例28
6−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)ピラジン−2−アミン
2,6−ジクロロピラジン(1.49g)、N−メチルブタン−2−アミン(1.31mL)、炭酸カリウム(2.07g)およびDMA(10mL)の混合物を80℃で40時間撹拌した。水(10mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.43g,72%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.85(t,J=7.38Hz,3H),1.17(d,J=6.82Hz,3H),1.49−1.66(m,2H),2.87(s,3H),4.44−4.58(m,1H),7.73(s,1H),7.86(s,1H).
ESI−MS:m/z 200(M)
参考例29
3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(1.33mL)を、DMF(5mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、6−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)ピラジン−2−アミン(1.43g)のDMF(1mL)溶液を滴下した。混合物を80℃で18時間撹拌した後、0℃において水(5mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.43g,88%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.88(t,J=7.35Hz,3H),1.15−1.32(m,3H),1.59−1.70(m,2H),3.02(s,3H),7.26(s,1H),8.06(brs,1H),10.14(s,1H).
ESI−MS:m/z 228(M+H)
参考例30
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.0g)を、3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(1.43g)、N−ベンジルエタノールアミン(1.14g)および酢酸(1.08mL)のアセトニトリル(10mL)溶液に加え、室温で5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→80%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(2.07g,91%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.85(t,J=7.38Hz,3H),1.16(d,J=6.82Hz,3H),1.48−1.65(m,3H),2.72−2.77(m,2H),2.85(s,3H),3.60(t,J=4.92Hz,2H),3.76(s,2H),3.81(s,2H),4.45(sxt,J=6.97Hz,1H),7.17−7.35(m,5H),7.85(s,1H).
ESI−MS:m/z 363(M+H)
参考例31
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
カリウムtert−ブトキシド(0.77g)のDMF(5mL)溶液に、2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(2.07g)のDMF(5mL)溶液を0℃で滴下し、2.5時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→80%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.44g,77%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.80−0.89(m,3H),1.14(d,J=6.44Hz,3H),1.46−1.62(m,2H),2.84(s,3H),2.97−3.02(m,2H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.19−4.24(m,2H),4.45−4.59(m,1H),7.21−7.36(m,5H),7.64(s,1H).
ESI−MS:m/z 327(M+H)
参考例32
6−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)ピラジン−2−アミン
2,6−ジクロロピラジン(2.99g)、1−シクロプロピルメタンアミン(2.14g)、炭酸カリウム(4.14g)およびDMA(20mL)の混合物を80℃で23時間撹拌した。水(15mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。これを精製せず、次の反応に用いた。
ESI−MS:m/z 184(M+H)
参考例33
6−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチルピラジン−2−アミン
6−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)ピラジン−2−アミン(0.60g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、n−ブチルリチウム(3.06mL、1.6Mヘキサン溶液)を−78℃で滴下した。混合物を−78℃で5分間撹拌した後、ヨードメタン(1.02mL)を滴下した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、さらに0℃で1時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.46g,70%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.25−0.32(m,2H),0.51−0.59(m,2H),0.93−1.11(m,1H),3.14(s,3H),3.43(d,J=6.78Hz,2H),7.75(s,1H),7.88(s,1H).
ESI−MS:m/z 198(M+H)
参考例34
3−クロロ−5−[(シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(0.43mL)を、DMF(1mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、6−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチルピラジン−2−アミン(0.46g)のDMF(1mL)溶液を滴下した。混合物を50℃で16時間撹拌した後、0℃において水(5mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.37g,71%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.34(q,J=4.92Hz,2H),0.55−0.68(m,2H),1.01−1.16(m,1H),1.57(d,J=4.54Hz,1H),3.29(s,3H),3.55(d,J=6.82Hz,1H),8.07(s,1H),10.15(s,1H).
ESI−MS:m/z 226(M+H)
参考例35
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[(シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.51g)を、3−クロロ−5−[(シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(0.37g)、N−ベンジルエタノールアミン(0.29g)および酢酸(0.28mL)のアセトニトリル(5mL)溶液に加え、室温で24時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.5g,86%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.27(q,J=4.92Hz,2H),0.49−0.59(m,2H),0.96−1.12(m,1H),2.71−2.79(m,2H),3.12(s,3H),3.40(d,J=6.82Hz,2H),3.59(t,J=4.92Hz,2H),3.65−3.73(m,1H),3.75(s,2H),3.81(s,2H),7.17−7.37(m,5H),7.88(s,1H).
ESI−MS:m/z 361(M+H)
参考例36
8−ベンジル−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[(シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(0.50g)のDMF(3mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(0.19g)を0℃で加え、2.5時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.36g,79%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.26(q,J=4.90Hz,2H),0.44−0.60(m,2H),0.95−1.13(m,1H),2.96−3.03(m,2H),3.11(s,3H),3.40(s,1H),3.42(s,1H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.19−4.24(m,2H),7.27−7.35(m,5H),7.67(s,1H).
ESI−MS:m/z 325(M+H)
参考例37
6−クロロ−N−シクロブチルピラジン−2−アミン
2,6−ジクロロピラジン(4.47g)、シクロブタンアミン(3.8mL)および炭酸カリウム(6.20g)のDMA(30mL)溶液を80℃で14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(4.42g,80%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.70−1.99(m,4H),2.39−2.53(m,2H),4.16−4.31(m,1H),4.91(brs,1H),7.68(s,1H),7.79(s,1H).
ESI−MS:m/z 184(M+H)
参考例38
6−クロロ−N−シクロブチル−N−メチルピラジン−2−アミン
6−クロロ−N−シクロブチルピラジン−2−アミン(535mg)のTHF(30mL)溶液にアルゴン気流下−78℃でn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、2.4mL)を滴下し、30分間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(542μL)のTHF(1mL)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(492mg,85%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.67−1.82(m,2H),2.10−2.35(m,4H),3.04(s,3H),4.58−4.73(m,1H),7.76(s,1H),7.84(s,1H).
ESI−MS:m/z 198(M+H)
参考例39
3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(4.3mL)をDMF(20mL)に0℃で滴下し、20分間撹拌した。この反応混合物に、6−クロロ−N−シクロブチル−N−メチルピラジン−2−アミン(4.61g)のDMF(5mL)溶液を加え、50℃で15時間撹拌した。反応混合物に水を加え2時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ヘキサン−ジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物(3.46g,66%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.73−1.90(m,2H),2.16−2.42(m,4H),3.19(s,3H),4.79(brs,1H),8.03(s,1H),10.15(s,1H).
ESI−MS:m/z 226(M+H)
参考例40
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.71g)を、3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(0.50g)、N−ベンジルエタノールアミン(0.40g)および酢酸(0.38mL)のアセトニトリル(8mL)溶液に加え、室温で2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.74g,92%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.66−1.81(m,2H),2.09−2.34(m,4H),2.70−2.77(m,2H),3.02(s,3H),3.59(t,J=5.09Hz,2H),3.68(brs,1H),3.74(s,2H),3.81(s,2H),4.55−4.71(m,1H),7.17−7.35(m,5H),7.83(s,1H).
ESI−MS:m/z 361(M+H)
参考例41
8−ベンジル−N−シクロブチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(0.74g)のDMF(4mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(0.28g)を0℃で加え、2時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.48g,71%)を淡黄色油状物として得た。
ESI−MS:m/z 325(M+H)
参考例42
N−ベンジル−6−クロロ−N−(1−メチルエチル)ピラジン−2−アミン
2,6−ジクロロピラジン(7.45g)、N−ベンジルプロパン−2−アミン(12.5mL)、炭酸カリウム(10.4g)およびDMA(50mL)の混合物を80℃で15時間撹拌した。水(100mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:2→10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(1.55g,12%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.23(d,J=6.78Hz,6H),4.58(s,2H),4.96(quin,J=6.78Hz,1H),7.18−7.36(m,5H),7.64(s,1H),7.75(s,1H).
ESI−MS:m/z 262(M+H)
参考例43
5−[ベンジル(1−メチルエチル)アミノ]−3−クロロピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(5.6mL)を、DMF(12mL)に0℃で滴下した。混合物を15分間撹拌した後、N−ベンジル−6−クロロ−N−(1−メチルエチル)ピラジン−2−アミン(3.40g)のDMF(3mL)溶液を滴下した。混合物を100℃で13時間撹拌した後、0℃において水(50mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(2.42g,70%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.29(d,J=6.78Hz,6H),4.73(s,2H),4.94−5.26(m,1H),7.16−7.38(m,5H),7.85(brs,1H),10.12(s,1H).
ESI−MS:m/z 290(M+H)
参考例44
2−[ベンジル({5−[ベンジル(1−メチルエチル)アミノ]−3−クロロピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.65g)を、5−[ベンジル(1−メチルエチル)アミノ]−3−クロロピラジン−2−カルバルデヒド(2.42g)、N−ベンジルエタノールアミン(1.42g)および酢酸(1.43mL)のアセトニトリル(14mL)溶液に加え、室温で16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(3.32g,94%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17−1.24(m,6H),2.69−2.77(m,2H),3.59(t,J=5.27Hz,2H),3.73(s,2H),3.79(s,2H),4.56(s,2H),4.80−4.99(m,1H),7.14−7.39(m,10H),7.63(s,1H).
ESI−MS:m/z 425(M+H)
参考例45
N,8−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
2−[ベンジル({5−[ベンジル(1−メチルエチル)アミノ]−3−クロロピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(3.32g)のDMF(12mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(1.05g)を0℃で加え、2時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(2.55g,84%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.20(d,J=6.78Hz,6H),2.96−3.01(m,2H),3.71(s,2H),3.86(s,2H),4.20−4.25(m,2H),4.54(s,2H),5.02(dt,J=13.28,6.73Hz,1H),7.19−7.35(m,10H),7.41(s,1H).
ESI−MS:m/z 389(M+H)
参考例46
N−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
N,8−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(2.55g)のメタノール(20mL)溶液に20%Pd(OH)/C(260mg)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。さらに20%Pd(OH)/C(500mg)を加え、水素雰囲気下50℃で4時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、標題化合物(1.95g,定量的)を無色油状物として得た。
ESI−MS:m/z 299(M+H)
参考例47
3−[(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
BocO(1.56g)を、N−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(1.15g)およびトリエチルアミン(1.10mL)の酢酸エチル(15mL)溶液に加え、室温で16時間撹拌した。1N塩酸で反応液を中和し、テトラヒドロフランで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、無色粉末を得た。このメタノール(20mL)溶液に20%Pd(OH)/C(400mg)を加え、水素雰囲気下50℃で3時間撹拌した。さらに20%Pd(OH)/C(400mg)を加え、水素雰囲気下50℃で17時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、標題化合物(1.24g,79%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.23(d,J=6.40Hz,6H),1.43(s,9H),3.79−3.88(m,2H),3.91−4.03(m,1H),4.26−4.32(m,2H),4.39(d,J=7.91Hz,1H),4.60(brs,2H),7.49(s,1H).
ESI−MS:m/z 309(M+H)
参考例48
3−[(D)メチル−(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
3−[(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(150mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、n−ブチルリチウム(0.37mL、1.6Mヘキサン溶液)を0℃で滴下した。混合物を0℃で15分間撹拌した後、ヨウ化メチル−D(90μL)を滴下した。混合物を0℃で2時間撹拌し、さらに室温で3時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(66mg,42%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17(d,J=6.78Hz,6H),1.43(s,9H),3.79−3.86(m,2H),4.28−4.34(m,2H),4.56−4.80(m,3H),7.62(s,1H).
ESI−MS:m/z 326(M+H)
参考例49
3−[エチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
3−[(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(137mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、カリウムヘキサメチルジシラジド(1.06mL、0.5Mトルエン溶液)を0℃で滴下した。混合物を0℃で15分間撹拌した後、ヨードエタン(105μL)を滴下した。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、さらに室温で終夜撹拌した。水(5mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(10mg,7%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.12−1.28(m,9H),1.43(s,9H),3.37(q,J=7.16Hz,2H),3.83(d,J=4.52Hz,2H),4.26−4.36(m,2H),4.61(brs,2H),4.74(dt,J=13.56,6.78Hz,1H),7.59(s,1H).
ESI−MS:m/z 337(M+H)
参考例50
3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド
2,6−ジクロロピラジン(4.47g)、N−メチルプロパン−1−アミン(4.6mL)および炭酸カリウム(6.20g)のDMA(30mL)溶液を80℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して粗生成物を得た。塩化ホスホリル(5.5mL)をDMF(30mL)に0℃で滴下し、30分間撹拌した。この反応混合物に、得られた粗生成物のDMF(10mL)溶液を加え、50℃で14時間撹拌した。反応混合物に水を加え1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物(4.76g,74%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.98(t,J=7.3Hz,3H),1.63−1.79(m,2H),3.23(s,3H),3.51−3.69(m,2H),8.04(s,1H),10.14(s,1H).
ESI−MS:m/z 214(M+H)
参考例51
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.74g)を、3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(0.50g)、N−ベンジルエタノールアミン(0.42g)および酢酸(0.40mL)のアセトニトリル(8mL)溶液に加え、室温で6時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(0.75g,91%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.94(t,J=7.54Hz,3H),1.63(d,J=7.54Hz,2H),2.71−2.77(m,2H),3.07(s,3H),3.40−3.49(m,2H),3.56−3.64(m,2H),3.75(s,2H),3.81(s,2H),7.15−7.36(m,5H),7.83(s,1H).
ESI−MS:m/z 349(M+H)
参考例52
8−ベンジル−N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(0.75g)のDMF(4mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(0.29g)を0℃で加え、6時間撹拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(50mg,8%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ0.93(t,J=7.38Hz,3H),1.61−1.70(m,2H),2.97−3.03(m,2H),3.03−3.09(m,3H),3.41−3.50(m,2H),3.72(s,2H),3.90(s,2H),4.19−4.25(m,2H),7.20−7.38(m,5H),7.62(s,1H).
ESI−MS:m/z 313(M+H)
参考例53
8−ベンジル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(213mg)のTHF(5mL)溶液に2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(19mg)、Pd(dba)(21mg)およびリチウムヘキサメチルジシラジド(1M THF溶液、1.16mL)をアルゴン気流下、室温で加えた。反応混合物を60〜70℃で1.5時間撹拌した。室温に戻した後、1N塩酸(10mL)を加え、室温で10分間撹拌した。飽和重曹水を加えて水層を塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(97mg,49%)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.93−3.08(m,2H),3.72(s,2H),3.92(s,2H),4.15−4.29(m,2H),4.43(brs,2H),7.00−7.45(m,5H),7.64(s,1H).
ESI−MS:m/z 257(M+H)
参考例54
8−ベンジル−3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(100mg)、2,5−ヘキサンジオン(50μL)、酢酸(164μL)およびトルエン(3mL)の混合物を80℃で24時間撹拌した。室温において酢酸エチルで希釈し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(60mg,46%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.17(s,6H),3.05−3.13(m,2H),3.80(s,2H),4.08(s,2H),4.29−4.36(m,2H),5.91(s,2H),7.28−7.38(m,5H),8.19(s,1H).
ESI−MS:m/z 335(M+H)
参考例55
8−ベンジル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(100mg)、2−メチル−1H−イミダゾール(42mg)、ヨウ化銅(14mg)および炭酸セシウム(236mg)のDMF(2mL)溶液を、100℃で終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液に水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:50→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(18mg,15%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ2.63(s,3H),3.07−3.16(m,2H),3.79(s,2H),4.07(s,2H),4.30−4.43(m,2H),7.04(s,1H),7.28−7.40(m,6H),8.32(s,1H).
ESI−MS:m/z 322(M+H)
参考例56
8−ベンジル−2−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(500mg)、N−クロロスクシンイミド(257mg)およびアセトニトリル(10mL)の混合物を室温で16時間および50℃で24時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:0→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(437mg,79%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.20(d,J=6.78Hz,6H),2.85(s,3H),2.93−3.05(m,2H),3.73(s,2H),3.90(s,2H),4.18−4.27(m,2H),4.38(quin,J=6.59Hz,1H),7.27−7.36(m,5H).
ESI−MS:m/z 347(M+H)
参考例57
8−ベンジル−2−ブロモ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(500mg)、N−ブロモスクシンイミド(342mg)およびアセトニトリル(10mL)の混合物を室温で16時間および50℃で24時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:0→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(122mg,20%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.13−1.24(m,6H),2.83(s,3H),2.93−3.06(m,2H),3.74(s,2H),3.91(s,2H),4.19−4.28(m,2H),4.28−4.44(m,1H),7.26−7.38(m,5H).
ESI−MS:m/z 391(M+H)
参考例58
3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(2.0g)、20%Pd(OH)/C(200mg)およびメタノール(20mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。BocO(2.1g)、1N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)およびTHF(20mL)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:3→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(2.2g,定量的)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17(d,J=6.78Hz,6H),1.43(s,9H),2.87(s,3H),3.79−3.92(m,2H),4.26−4.38(m,2H),4.57−4.81(m,3H),7.62(s,1H).
ESI−MS:m/z 323(M+H)
参考例59
2−ブロモ−3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(1.0g)、N−ブロモスクシンイミド(608mg)およびアセトニトリル(20mL)の混合物を室温で16時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:3→30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(915mg,74%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.20(d,J=6.78Hz,6H),1.43(s,9H),2.82(s,3H),3.77−3.92(m,2H),4.25−4.41(m,3H),4.60(brs,2H).
ESI−MS:m/z 401(M+H)
参考例60
2−メチル−3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル
2−ブロモ−3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(200mg)、メチルボロン酸(119mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg)、リン酸3カリウム(423mg)およびDME(3mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、90℃で16時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:3→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、標題化合物(109mg,65%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.16(d,J=6.82Hz,6H),1.42(s,9H),2.43(s,3H),2.73(s,3H),3.79−3.95(m,3H),4.25−4.38(m,2H),4.63(brs,2H).
ESI−MS:m/z 337(M+H)
参考例61
8−ベンジル−3−[(1−メチルエチル)スルファニル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(300mg)、イソプロピルチオール(0.121mL)および炭酸カリウム(451mg)のDMF(5mL)懸濁液を100℃で16時間加熱撹拌した。反応混合液に水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:3→40%酢酸エチル/ヘキサン)、さらに、分取HPLCで精製することにより、標題化合物(111mg,32%)を黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.40(d,J=6.8Hz,6H),2.98-3.12(m,2H),3.7(s,2H),3.93−4.03(m,1H),3.97(s,2H),4.21−4.32(m,2H),7.28-7.43(m,5H),8.07(s,1H).
ESI−MS:m/z 316(M+H)
参考例62
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール
3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(321mg)、(2R)−1−(ベンジルアミノ)−3−メトキシプロパン−2−オール(351mg)および酢酸(258μL)のアセトニトリル(5mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(477mg)を加え、室温で5.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(370mg,70%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.19(d,J=6.4Hz,6H),2.54−2.72(m,2H),2.88(s,3H),3.28−3.40(m,5H),3.60−3.98(m,5H),4.33(brs,1H),4.61−4.76(m,1H),7.15−7.36(m,5H),7.84(s,1H).
ESI−MS:m/z 393(M+H)
参考例63
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール(363mg)のDMF(5mL)溶液に0℃でカリウムtert−ブトキシド(124mg)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(270mg,82%)を得た。
ESI−MS:m/z 357(M+H)
H−NMR(CDCl):δ1.17(dd,J=7.9,6.8Hz,6H),2.87(3H,s),2.88−3.10(2H,m),3.38(3H,s),3.46−3.55(1H,m),3.61−3.87(4H,m),3.91−4.01(1H,m),4.27−4.37(1H,m,J=9.3,5.4,5.4,2.1Hz),4.69−4.84(1H,m),7.21−7.36(5H,m),7.61(1H,s).
参考例64
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール
3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(342mg)、(2R)−1−(ベンジルアミノ)−3−メトキシプロパン−2−オール(351mg)および酢酸(258μL)のアセトニトリル(5mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(477mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(389mg,64%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.85(t,J=7.3Hz,3H),1.15(d,J=6.8Hz,3H),1.48−1.69(m,3H),2.54−2.72(m,2H),2.85(s,3H),3.29−3.40(m,5H),3.61−3.79(m,2H),3.83−3.97(m,3H),4.35−4.52(m,1H),7.16−7.36(m,5H),7.85(s,1H).
ESI−MS:m/z 407(M+H)
参考例65
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルプロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール(385mg)のDMF(10mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(126mg)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:20→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(300mg,86%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.78−0.91(m,3H),1.08−1.19(m,3H),1.47−1.59(m,2H),2.84(s,3H),2.87−2.98(m,1H),3.00−3.09(m,1H),3.38(s,3H),3.46−3.55(m,1H),3.61−3.87(m,4H),3.90−4.00(m,1H),4.26−4.38(m,1H),4.44−4.59(m,1H),7.20−7.36(m,5H),7.62(s,1H).
ESI−MS:m/z 371(M+H)
参考例66
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール
3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(427mg)、(2R)−1−(ベンジルアミノ)−3−メトキシプロパン−2−オール(469mg)および酢酸(343μL)のアセトニトリル(10mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(636mg)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(579mg,74%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.93(t,J=7.3Hz,3H),1.53−1.71(m,3H),2.54−2.72(m,2H),3.06(s,3H),3.28−3.38(m,5H),3.39−3.48(m,2H),3.60−3.79(m,2H),3.82−3.96(m,3H),7.17−7.35(m,5H),7.83(s,1H).
ESI−MS:m/z 393(M+H)
参考例67
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(プロピル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール(574mg)のDMF(15mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(197mg)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→33%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(468mg,90%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ0.92(t,J=7.3Hz,3H),1.55−1.70(m,2H),2.87−2.97(m,1H),3.00−3.09(m,4H),3.38(s,3H),3.40−3.55(m,3H),3.61−3.87(m,4H),3.91−4.00(m,1H),4.26−4.36(m,1H),7.21−7.36(m,5H),7.60(s,1H).
ESI−MS:m/z 357(M+H)
参考例68
2−クロロ−6−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン
2,6−ジクロロピラジン(1.18g)、2−(メトキシメチル)ピロリジン(1.0g)および炭酸カリウム(1.64g)のDMA(15mL)溶液を80℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.45g,80%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.93−2.19(m,4H),3.33−3.45(m,5H),3.48−3.61(m,2H),4.19−4.29(m,1H),7.76(s,1H),7.81(s,1H).
ESI−MS:m/z 228(M+H)
参考例69
3−クロロ−5−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−カルバルデヒド
塩化ホスホリル(1.2mL)をDMF(10mL)に0℃で滴下し、20分間撹拌した。この反応混合物に、2−クロロ−6−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン(1.45g)のDMF(3mL)溶液を加え、50℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、2時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:5→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.04g,64%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.94−2.33(m,4H),3.35(s,3H),3.38−3.82(m,4H),4.23−4.60(m,1H),8.02(brs,1H),10.15(s,1H).
ESI−MS:m/z 256(M+H)
参考例70
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール
3−クロロ−5−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−カルバルデヒド(511mg)、(2R)−1−(ベンジルアミノ)−3−メトキシプロパン−2−オール(469mg)および酢酸(343μL)のアセトニトリル(10mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(636mg)を加え、室温で14.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(583mg,67%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.91−2.17(m,4H),2.54−2.72(m,2H),3.27−3.43(m,10H),3.46−3.79(m,4H),3.82−3.96(m,3H),4.13−4.34(m,2H),7.16−7.36(m,5H),7.80(s,1H).
ESI−MS:m/z 435(M+H)
参考例71
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−3−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール(578mg)のDMF(10mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(179mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(467mg,88%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.93−2.14(m,4H),2.88−3.10(m,2H),3.28−3.43(m,8H),3.47−4.01(m,8H),4.16−4.35(m,2H),7.21−7.35(m,5H),7.58(s,1H).
ESI−MS:m/z 399(M+H)
参考例72
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール
3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−カルバルデヒド(451mg)、(2R)−1−(ベンジルアミノ)−3−メトキシプロパン−2−オール(469mg)および酢酸(343μL)のアセトニトリル(10mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(636mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(674mg,83%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.65−1.81(m,2H),2.09−2.33(m,4H),2.53−2.72(m,2H),3.02(s,3H),3.27−3.39(m,5H),3.59−3.79(m,2H),3.81−3.96(m,3H),4.30(brs,1H),4.54−4.69(m,1H),7.16−7.34(m,5H),7.83(s,1H).
ESI−MS:m/z 405(M+H)
参考例73
(6R)−8−ベンジル−N−シクロブチル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
(2R)−1−[ベンジル({3−クロロ−5−[シクロブチル(メチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]−3−メトキシプロパン−2−オール(670mg)のDMF(10mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(223mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配:10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(530mg,87%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ1.61−1.79(m,2H),2.08−2.32(m,4H),2.88−3.10(m,5H),3.39(s,3H),3.50(dd,J=10.2,5.3Hz,1H),3.60−3.88(m,4H),3.91−4.02(m,1H),4.27−4.37(m,1H),4.65−4.80(m,1H),7.21−7.35(m,5H),7.60(s,1H).
ESI−MS:m/z 369(M+H)
実施例1
3−シクロペンチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(290mg)、10%Pd/C(150mg)およびメタノール(3mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で4時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(2mL)溶液に1N塩酸(0.75mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(165mg,68%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.44−1.86(m,6H),1.87−2.13(m,2H),3.07−3.28(m,1H),3.46−3.64(m,2H),4.36−4.63(m,4H),8.33(s,1H),9.87(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 220(M+H)
実施例2
3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(137mg)、20%Pd(OH)/C(100mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.42mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(83.7mg,74%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.31(d,J=6.03Hz,6H),3.55(dt,J=4.57,2.52Hz,2H),4.43(s,2H),4.49(dt,J=4.52,2.45Hz,2H),5.13(quintet,J=6.17Hz,1H),7.99(s,1H),9.64(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 210(M+H)
実施例3
3−[(1R)−1−シクロプロピルエトキシ]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−[(1R)−1−シクロプロピルエトキシ]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(32.9mg)のトルエン(3mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.11mL)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣にメタノール(3mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、濃縮した。酢酸エチルで希釈後、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.45mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(8.6mg,3%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.35(d,2H),0.42−0.60(m,2H),1.01−1.25(m,1H),1.33(d,J=6.03Hz,3H),3.45−3.64(m,2H),4.29−4.67(m,5H),8.01(s,1H),9.55(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 236(M+H)
実施例4
3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
8−ベンジル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(259mg)、20%Pd(OH)/C(300mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;0→10%メタノール/酢酸エチル)で精製し、再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)することにより標題化合物(54.1mg,29%)を無色結晶として得た。
H−NMR(CDCl):δ3.11−3.35(m,2H),3.45−3.65(m,4H),3.73−3.88(m,4H),4.08(s,2H),4.17−4.34(m,2H),7.71(s,1H)
実施例5
3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(124mg)、20%Pd(OH)/C(60mg)およびメタノール(3mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.28mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(62.6mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.15(d,3H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.39−3.55(m,3H),3.56−3.65(m,1H),3.67−3.76(m,1H),3.82−3.99(m,2H),4.24−4.35(m,3H),4.38(dt,J=4.43,2.50Hz,2H),7.98(s,1H),9.59(brs,2H)
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(733mg)、20%Pd(OH)/C(300mg)およびメタノール(5mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(3mL)溶液に1N塩酸(1.8mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物の結晶(418mg,68%)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=5.14、9.76、10.36、12.24、15.62、16.14、16.96、18.98、20.66、20.90、22.68、23.74、24.86
実施例6
(6S)−6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン
(6S)−8−ベンジル−6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(70mg)、20%Pd(OH)/C(70mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;20→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)することにより標題化合物(11.1mg,21%)を無色結晶として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.40(d,3H),3.00(dd,J=14.20,9.66Hz,1H),3.13−3.27(m,1H),3.41−3.57(m,4H),3.71−3.85(m,4H),3.90−4.04(m,1H),4.06−4.19(m,1H),4.19−4.33(m,1H),7.69(s,1H)
ESI−MS:m/z 251(M+H)
実施例7
(6S)−6−メチル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
(6S)−8−ベンジル−6−メチル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(233mg)、20%Pd(OH)/C(200mg)およびメタノール(4mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(2mL)溶液に1N塩酸(0.42mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(94.7mg,48%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.14(d,J=6.78Hz,3H),1.37(d,J=6.40Hz,3H),3.13(td,J=12.62,3.77Hz,1H),3.38−3.56(m,2H),3.56−3.67(m,1H),3.67−3.77(m,1H),3.77−4.02(m,3H),4.18(d,J=15.07Hz,1H),4.26−4.37(m,1H),4.43(d,J=14.69Hz,1H),4.49−4.65(m,1H),7.97(s,1H),9.79(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 265(M+H)
実施例8
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(79mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(2mL)溶液に1N塩酸(0.19mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(37.3mg,57%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.12(d,6H),2.85(s,3H),3.49(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.30(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.66(quintet,J=6.69Hz,1H),7.85(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 223(M+H)
標題化合物(300mg)をメタノール(約6mL)に溶解し、ろ過した。ろ液を5℃で撹拌しながら、窒素気流下溶媒を蒸発させ、析出した結晶をろ取することにより、標題化合物の結晶(280mg)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=8.10、10.26、12.90、16.28、16.70、19.98、23.02、24.14、24.60、26.04
実施例9
3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(130mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.27mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(66.7mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.84(t,J=4.90Hz,3H),1.46−1.86(m,2H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.37−3.56(m,4H),3.75−4.02(m,3H),4.05−4.18(m,1H),4.31(s,2H),4.38(d,J=4.14Hz,2H),7.99(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 265(M+H)
実施例10
3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(79.9mg)のトルエン(3mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.033mL)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣にメタノール(3mL)を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、濃縮した。酢酸エチルで希釈後、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に0.1N塩酸(0.6mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(10.2mg,16%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.81−0.94(m,2H),0.98−1.16(m,2H),1.95−2.26(m,1H),3.53(dt,J=4.43,2.50Hz,2H),4.29−4.61(m,4H),8.39(s,1H),9.72(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 192(M+H)
実施例11
3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(99mg)のトルエン(1mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.038mL)を加え、90℃で4時間撹拌した。さらにクロロギ酸1−クロロエチル(0.038mL)を加え、90℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣にメタノール(1mL)を加え、60℃で0.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、濃縮した。酢酸エチルで希釈後、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.18mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(41.1mg,50%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.98(quintet,2H),2.53−2.61(m,2H),2.63−2.79(m,2H),3.56(dt,J=4.71,2.54Hz,2H),4.36−4.61(m,4H),6.83(s,1H),8.59(s,1H),9.70(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 218(M+H)
実施例12
3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(0.65g)のメタノール(20mL)溶液に20%Pd(OH)/C(0.13g)を加え、水素雰囲気下50℃で2.5時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(20mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(628μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.40g,73%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.11(d,J=6.8Hz,3H),1.39(d,J=4.1Hz,1H),1.50−1.80(m,5H),2.85−3.00(m,1H),3.43−3.55(m,2H),4.12(dd,J=13.2,2.6Hz,1H),4.28(s,2H),4.37(dt,J=4.5,2.3Hz,2H),4.60(d,J=6.4Hz,1H),7.97(s,1H),9.66(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 249(M+H)
実施例13
3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(0.51g)のメタノール(15mL)溶液に20%Pd(OH)/C(0.08g)を加え、水素雰囲気下50℃で1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(15mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(430μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.30g,71%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.10−1.20(m,3H),1.62−1.76(m,1H),1.88−2.12(m,3H),3.23−3.29(m,1H),3.44−3.57(m,3H),4.12(quin,J=5.77Hz,1H),4.25−4.31(m,2H),4.31−4.45(m,2H),7.67(s,1H),9.68(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 235(M+H)
実施例14
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(0.64g)のメタノール(20mL)溶液に20%Pd(OH)/C(0.13g)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(20mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(540μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.44g,82%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.38Hz,3H),1.09(d,J=6.82Hz,3H),1.53(tq,J=13.68,6.78Hz,2H),2.82(s,3H),3.49(br.s,2H),4.30(brs,2H),4.33−4.41(m,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.58(br.s,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例15
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
(工程1)
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩(0.38g)のテトラヒドロフラン−酢酸エチル(1:1、20mL)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(8.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をダイセル化学工業(株)製CHIRALPAKAD JG0001、50mmID×500mmL(溶媒:80%エタノール/ヘキサン)により光学分割し、保持時間12.1分の化合物A(147mg,>99.9%ee)と保持時間15分の化合物B(146mg,99.8%ee)をそれぞれ無色油状物として得た。
(工程2)
上記工程1で得られた化合物A(147mg,>99.9%ee)の酢酸エチル(6mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.11g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.40Hz,3H),1.53(dq,J=13.70,6.99Hz,2H),2.82(s,3H),3.47(dt,J=4.62,2.40Hz,2H),4.28(s,2H),4.37(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.86(s,1H),9.73(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例16
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
実施例15の工程1で得られた化合物B(146mg,99.8%ee)の酢酸エチル(6mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.10g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.75(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.78Hz,3H),1.45−1.62(m,2H),2.82(s,3H),3.48(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.29(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.54(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例17
N−(シクロプロピルメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(0.36g)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(70mg)を加え、水素雰囲気下50℃で2.5時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(300μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し標題化合物(197mg、67%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.23−0.32(m,2H),0.40−0.50(m,2H),0.94−1.08(m,1H),3.08(s,3H),3.41(d,J=6.82Hz,2H),3.48(dt,J=4.73,2.18Hz,2H),4.29(s,2H),4.37(dt,4.54,2.27Hz,2H),7.87(s,1H),9.70(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 235(M+H)
実施例18
N−シクロブチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−N−シクロブチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(0.48g)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(90mg)を加え、水素雰囲気下50℃で3時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(400μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し標題化合物(257mg,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.56−1.75(m,2H),2.09−2.24(m,4H),2.96−3.03(m,3H),3.47(dt,J=4.54,2.27Hz,2H),4.25−4.32(m,2H),4.38(dt,J=4.54,2.27Hz,2H),4.71(t,J=8.52Hz,1H),7.83(s,1H),9.87(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 235(M+H)
実施例19
N−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
N,8−ベンジル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(2.55g)のメタノール(20mL)溶液に20%Pd(OH)/C(260mg)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。さらに20%Pd(OH)/C(500mg)を加え、水素雰囲気下50℃で4時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、無色油状物(1.95g)を得た。この油状物の53mgを酢酸エチル(1mL)に溶解し、4N塩化水素−酢酸エチル溶液(49μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)により精製し標題化合物(47mg,79%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.15(d,J=6.40Hz,6H),3.47(brs,2H),4.28(brs,2H),4.35−4.41(m,2H),4.66(s,2H),4.82(quin,J=6.59Hz,1H),7.18−7.36(m,5H),7.60(s,1H),9.67(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 299(M+H)
実施例20
N−(D)メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
3−[(D)メチル−(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(66mg)の酢酸エチル(0.5mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(0.5mL)を加え、1.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物のメタノール(1mL)溶液に1.0N塩酸(156μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し標題化合物(6mg,61%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.12(d,J=6.78Hz,6H),3.48(dt,J=4.80,2.31Hz,2H),4.29(s,2H),4.35(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.66(quin,J=6.69Hz,1H),7.84(s,1H),9.48(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 226(M+H)
実施例21
N−エチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
3−[エチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(10mg)の酢酸エチル(0.1mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(0.5mL)を加え、30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基性になるまで反応液に加えた後、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物のメタノール(0.5mL)溶液に1.0N塩酸(33μL)を加え、5分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)により精製し標題化合物(10mg,100%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.06−1.22(m,9H),3.40(q,J=7.03Hz,2H),3.45−3.54(m,2H),4.30(s,2H),4.33−4.40(m,2H),4.61(dt,J=13.28,6.73Hz,1H),7.82(s,1H),9.47(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例22
N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(50mg)のメタノール(4mL)溶液に20%Pd(OH)/C(10mg)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(2mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(44μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(27mg,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.86(t,J=7.16Hz,3H),1.54(dq,J=14.18,6.83Hz,2H),3.02(s,3H),3.47(d,J=6.03Hz,4H),4.22−4.44(m,4H),7.85(s,1H),9.68(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 223(M+H)
実施例23
N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
3−[(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(72mg)およびTFA(2mL)を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチル−THF混合溶液(1:1)で抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノールに溶解し、イオン交換樹脂(Argonaut社、SPEカラム MP−TsOH)(溶出液:2Mアンモニア/メタノール)を用いて精製し、得られた残渣に1N塩酸(0.184mL)を加え、エタノール−ジエチルエーテル−ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合物(27mg,48%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.14(d,J=6.4Hz,6H),3.45(brs,2H),3.79−3.98(m,1H),4.25(brs,2H),4.31−4.38(m,2H),7.28(d,J=6.8Hz,1H),7.61(s,1H),9.50(brs,2H).
実施例24
6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
8−ベンジル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(87mg)、20%Pd(OH)/C(150mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を再結晶(エタノール−ヘキサン)で精製することにより標題化合物(19.7mg,35%)を無色結晶として得た。
H−NMR(CDCl):δ3.08−3.43(m,2H),4.07(s,2H),4.22(d,J=9.42Hz,2H),4.44(brs,2H),7.61(s,1H).
実施例25
3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(60mg)のメタノール(4mL)溶液に20%Pd(OH)/C(10mg)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(4mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(50μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し標題化合物(28mg,56%)を褐色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ2.11(s,6H),3.30−3.90(m,2H),4.53−4.73(m,4H),5.88(s,2H),8.53(s,1H),10.10(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 245(M+H)
実施例26
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(18mg)のメタノール(2.5mL)溶液に20%Pd(OH)/C(10mg)を加え、水素雰囲気下50℃で5時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物のメタノール(0.3mL)溶液に0.1N塩酸(410μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し標題化合物(6mg、61%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ2.59(s,3H),3.58−3.65(m,2H),4.59(s,2H),4.62−4.70(m,2H),7.17(s,1H),7.81(d,J=1.88Hz,1H),8.77(s,1H),10.27(brs,2H).
実施例27
2−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−2−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(200mg)のトルエン(3mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.075mL)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣にメタノール(3mL)を加え、80℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣を再結晶(メタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(102mg,60%)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.16(d,J=6.44Hz,6H),2.82(s,3H),3.48−3.61(m,2H),4.30−4.40(m,3H),4.43(dt,J=4.54,2.27Hz,2H),9.63(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 257(M+H)
実施例28
2−ブロモ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
8−ベンジル−2−ブロモ−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(122mg)のトルエン(2mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.040mL)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣にメタノール(2mL)を加え、80℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣を再結晶(メタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(59mg,56%)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.16(d,J=6.82Hz,6H),2.80(s,3H),3.53(brs,2H),4.22−4.38(m,3H),4.42−4.50(m,2H),9.61(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 301(M+H)
実施例29
N,2−ジメチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
2−メチル−3−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]−6,7−ジヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−8(9H)−カルボン酸tert−ブチル(109mg)および2N塩化水素−酢酸エチル(4mL)の混合物を、室温で4時間撹拌した。液性が塩基性になるまで1N水酸化ナトリウムを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にメタノール(5mL)および1N塩酸(0.325mL)を加えた後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(67mg,76%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.13(d,J=6.44Hz,6H),2.41(s,3H),2.71(s,3H),3.49(brs,2H),3.99(dt,J=13.16,6.48Hz,1H),4.23−4.41(m,4H),9.66(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例30
3−[(1−メチルエチル)スルファニル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
8−ベンジル−3−[(1−メチルエチル)スルファニル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(111mg)のトルエン(3mL)溶液にクロロギ酸1−クロロエチル(0.042mL)を加え、80℃で4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;3→40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物にメタノール(3mL)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、濃縮した。得られた残渣を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(19.2mg,21%)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.36(d,J=6.8Hz,6H),3.50−3.62(m,2H),3.89(quin,J=6.8Hz,1H),4.46(s,2H),4.49−4.57(m,2H),8.30(s,1H),9.65(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 226(M+H)
実施例31
(6R)−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(261mg)のメタノール(7mL)溶液に20%Pd(OH)/C(40mg)を加え、水素雰囲気下50℃で7時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(200μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(136mg,61%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.12(dd,J=10.0,6.6Hz,6H),2.85(s,3H),3.24−3.43(m,4H),3.45−3.70(m,3H),4.17(d,J=15.1Hz,1H),4.38−4.75(m,3H),7.84(s,1H),9.66(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 267(M+H)
実施例32
(6R)−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(297mg)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(40mg)を加え、水素雰囲気下50℃で4時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(220μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(141mg,55%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.69−0.81(m,3H),1.04−1.14(m,3H),1.45−1.63(m,2H),2.82(s,3H),3.34−3.42(m,4H),3.46−3.69(m,3H),4.17(d,J=15.1Hz,1H),4.38−4.63(m,3H),7.80−7.95(m,1H),9.64(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 282(M+H)
実施例33
(6R)−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−N−プロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(465mg)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(50mg)を加え、水素雰囲気下50℃で3時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(359μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(223mg,56%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.86(t,J=7.4Hz,3H),1.47−1.63(m,2H),3.02(s,3H),3.23−3.69(m,9H),4.16(d,J=14.8Hz,1H),4.43(d,J=15.1Hz,1H),4.52−4.62(m,1H),7.84(s,1H),9.78(brs,2H).
実施例34
(6R)−6−(メトキシメチル)−3−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩
(6R)−8−ベンジル−6−(メトキシメチル)−3−[2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(329mg)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(40mg)を加え、水素雰囲気下50℃で3時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(227μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(155mg,54%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.85−2.08(m,4H),3.21−3.45(m,10H),3.45−3.69(m,4H),4.12−4.25(m,2H),4.43(d,J=15.1Hz,1H),4.51−4.61(m,1H),7.74(s,1H),9.81(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 309(M+H)
実施例35
(6R)−N−シクロブチル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩
(6R)−8−ベンジル−N−シクロブチル−6−(メトキシメチル)−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(390mg)のメタノール(10mL)溶液に20%Pd(OH)/C(50mg)を加え、水素雰囲気下50℃で6時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル(10mL)溶液に4N塩化水素−酢酸エチル溶液(291μL)を加え、5.5時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(206mg,62%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.58−1.73(m,2H),2.07−2.27(m,4H),2.99(s,3H),3.28−3.42(m,8H),3.46−3.68(m,3H),4.17(d,J=15.1Hz,1H),4.44(d,J=15.1Hz,1H),4.53−4.63(m,1H),4.65−4.80(m,1H),7.83(s,1H),9.82(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 279(M+H)
製剤例1
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)乳糖 60mg
(3)コーンスターチ 35mg
(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2mg
実施例1で得られた化合物10mg、乳糖60mgおよびコーンスターチ35mgの混合物を、10重量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液0.03mL(ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして3mg)を用いて顆粒化した後、40℃で乾燥し、篩過する。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム2mgと混合し、圧縮する。得られる素錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラビアゴムの水懸濁液による糖衣でコーティングする。コーティングが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得る。
製剤例2
(1)実施例1の化合物 10mg
(2)乳糖 70mg
(3)コーンスターチ 50mg
(4)可溶性デンプン 7mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3mg
実施例1で得られた化合物10mgおよびステアリン酸マグネシウム3mgを可溶性デンプンの水溶液0.07mL(可溶性デンプンとして7mg)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70mgおよびコーンスターチ50mgと混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
参考製剤例1
(1)ロフェコキシブ(rofecoxib) 5.0mg
(2)食塩 20.0mg
(3)蒸留水 全量を2.0mLとする量
ロフェコキシブ5.0mgおよび食塩20.0mgを蒸留水に溶解させ、水を加えて全量2.0mLとする。溶液をろ過し、無菌条件下に2mLのアンプルに充填する。アンプルを滅菌した後、密封し、注射用溶液を得る。
参考製剤例2
(1)ロフェコキシブ 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を得る。
製剤例3
製剤例1または2で製造された製剤と、参考製剤例1または2で製造された製剤とを組み合わせる。
試験例1
本発明の化合物のセロトニン5−HT2C受容体アゴニスト活性は下記の方法による細胞内カルシウム濃度変化によって評価した。5−HT2Cは転写後、2番目の細胞内ループにRNAエディッティングを受けて、3個のアミノ酸に違いが生じ、14個の受容体アイソフォームができる。このアイソフォームのVSV型を安定に発現する5−HT2C安定発現CHO細胞をユーロスクリーン社から購入し、1%透析牛血清および400μg/mL G418を含むUltraCHO(バイオウィッティッカー社)培地で培養した。この細胞を384穴黒色透明底プレート(PE バイオシステムズ社)に5000細胞/ウェルで播種し、COインキュベーターで24時間培養した後、Calcium Kit−Fluo3(同仁化学研究所)を用いて、5−HT2C受容体を介した細胞内カルシウム濃度変化の評価を行った。2.5mM プロベネシド、0.04%プルロニックF−127および2.5μg Fluo−3 AM(カルシウム指示蛍光色素)を含むカルシウムキット・バッファーを調製し、Fluo−3 ローディング液として用いた(同仁化学研究所 カルシウムキット添付品)。このローディング液を37℃に保温後、細胞播種プレートのウェル内の培地を除き、各ウェルに40μLずつ添加し、37℃で1時間反応させ、Fluo−3 AMを細胞内へ取り込ませた後、洗浄を行った。
本発明の化合物はカルシウムキット・バッファーで希釈し、384穴プレート(レンプ社)の各ウェルに40μLずつ分注して、試験化合物のプレートとした。蛍光測定画像解析プレートリーダー(FLIPR、モレキュラー デバイス社)に、細胞播種プレートおよび試験化合物のプレートをセットし、細胞内カルシウム濃度変化を測定した。Fluo−3の蛍光強度上昇は受容体を介した細胞内カルシウム濃度上昇に一致する。細胞内蛍光強度変化の測定は、FLIPRのCCDカメラで1秒毎に取得し、化合物添加前に5秒間測定後、FLIPR内の自動分注機を用いて、希釈した本発明の化合物の溶液を細胞播種プレートの各ウェルに20μLずつ添加した。
アゴニスト活性は、化合物添加後の最大の蛍光強度から添加前の蛍光強度を減じた蛍光変化量で評価した。結果を表1に示す。試験化合物の活性は5−HTによる最大反応に対する比率(%)で表した。
試験例2
本発明の化合物の経口吸収性は、以下のように経口投与後の生物学的利用能により評価することができる。
本発明の化合物をIGSラットに静脈内および経口投与する。ラットから経時的に採血し、ラット血漿サンプルを調製する。析計(LC/MS/MS)を用いて血漿中濃度を測定し、それぞれの濃度曲線下面積の比から経口投与の生物学的利用能を算出する。
試験例3
本発明の化合物の光毒性は、以下に示す方法、あるいはOECD Guideline for testing of chemicals:432 in vitro 3T3 NRU phototoxicity test (April 13、2004)に記載の方法またはこれに準ずる方法により、光照射、非照射間での細胞の生存率を測定することで評価する。
マウス胎児由来細胞株BALB/3T3 clone A31細胞を10%仔牛血清含有DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地を用いて384ウェルプレートに2.5×10細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COインキュベータ内で1日間培養する。培養液を除去し、10mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)緩衝液を含むEBSS(Earle’s Balanced Salt Solution)に溶解した本発明の化合物を加え、37℃、5%COインキュベータ内で1時間培養後、太陽光照射装置(SXL−2500V2形、Seric)を用いた光照射処理を行い、対照として非照射処理群を用意する。化合物を除去し、10%仔牛血清含有DMEM培地を加えて、37℃、5%COインキュベータ内で1日間培養する。細胞内のATP含量をATPLiteTM−M(PerkinElmer)を用いて定量し、非照射群と照射群との生存率を比較する。
試験例4
本発明の化合物の光毒性は、U.S.Dept of Health and Human Services Food and Drug Administration、(CDER)のGuidance for Industry:photosafety testing;May 2003.Rockville(MD).に準拠して、以下に示す方法、あるいは引用文献(例えば、(1)Forbes,P.D.,Urbach,F. and Davies,R.E.(1977).Phototoxicity Testing of Fragrance Raw Materials.Fd.Cosmet.Toxicol.,Vol.15,pp.55−60、(2)Sambuco,C.P. and Forbes,P.D.(1984).Quantitative Assessment of Phototoxicity in the Skin of Hairless Mice.Fd.Chem.Toxic.,Vol.22,no.3,pp.233−236等)に示される方法により、光照射時の皮膚反応の有無を判定することで測定する。
2000mg/kgを最高用量として、本発明の化合物をメチルセルロース溶液に懸濁させた投与液を、体重10〜30gの雌性へアレスマウス(Hos:HR−1、約8週齢)に経口投与する。投与後、抱水クロラール水溶液(60mg/mL、約0.15mL/匹)を腹腔内投与して麻酔し、マウスを腹臥位で固定して直径約1.3cmの穴の開いたアルミ箔で全身を覆う。本発明の化合物のTmaxに相当する時間から、直径約1.3cmの穴を通し背部中央に太陽光照射システム(SXL−5009V1形、Seric)により発生させた0.5 MED(最小紅斑量)に相当する紫外線を0.5時間照射する。照射3日後までマウスの照射部位の皮膚反応の有無を観察し、本発明の化合物の光毒性を判定する。判定には、陰性対照として、0.5w/v%メチルセルロース溶液経口投与群の、また陽性対照としてロメフロキサシン一塩酸塩の100mg/kg経口投与群のそれぞれの皮膚反応観察結果を用いる。
試験例5
本発明の化合物の腹圧性尿失禁に対する効果は、以下のように、化合物投与前後での漏出時圧を比較することにより測定することができる。
体重180〜350gのSD系雌性ラットをウレタン(和光純薬)で麻酔し、排尿反射を消失させる目的で脊髄をT8〜9レベルで切断する。なお、手術中は必要に応じてハロセン(武田薬品工業)麻酔を追加する。ラットを仰臥位で固定し、カテーテル(PE−100;Clay Adams)を膀胱内に2本留置する。一本のカテーテルは、エバンスブルー色素(Merck)で着色させた生理食塩水で満たし、三方活栓を介してインフュージョンポンプ(KD Scientific)に固定した50mLシリンジ(テルモ)を連結する。もう一本のカテーテルは圧トランスデューサー(DX−100;日本光電)に接続し、トランスデューサーの信号をアンプ(血圧用増幅ユニットAP−641G;日本光電)、データ解析装置(BIOPAC;MP100)を介してコンピュータへ送り、ハードディスク上に記録する。また、データはソフトウェア(BIOPAC;AcqKnowledge)を用いてコンピュータ上で解析する。インフュージョンポンプを用いて膀胱内に生理食塩水を時速360mlの速度で注入し、尿道口からの尿失禁が観察された瞬間にインフュージョンを停止し、三方活栓を開くことにより膀胱内の溶液を排出させる。インフュージョンを行った際の最大膀胱内圧を漏出時圧とし、安定するまで繰り返し測定し、最後3回の平均値をデータとする。本発明の化合物をDMA/PEG400(1:1)に溶解し、0.5mL/kgの割合で静脈内投与して、その前後で漏出時圧を比較する。
試験例5a
本発明の化合物の腹圧性尿失禁に対する効果を、以下のように、本発明化合物の投与前後での漏出時圧を比較することにより測定した。
体重200〜270gのSD系雌性ラットをウレタン(和光純薬)で麻酔し、排尿反射を消失させる目的で脊髄をT8〜9レベルで切断した。手術中はイソフルラン麻酔を必要に応じて追加した。ラットを仰臥位で固定し、カテーテル(PE−100;Clay Adams)を膀胱内に2本留置した。一本のカテーテルは、エバンスブルー色素(Merck)で着色させた生理食塩水で満たし、三方活栓を介してインフュージョンポンプ(KD Scientific)に固定した50mlシリンジ(テルモ)を連結した。もう一本のカテーテルは圧トランスデューサー(DX−100;日本光電)に接続し、トランスデューサーの信号をアンプ(血圧用増幅ユニットAP−641G;日本光電)、データ解析装置(BIOPAC;MP100)を介してコンピュータへ送り、ハードディスク上に記録した。また、データはソフトウェア(BIOPAC;AcqKnowledge)を用いてコンピュータ上で解析した。
ラットにDMA/PEG400(1:1)溶液を0.5mL/kgの割合で静脈内投与した。10分後から、インフュージョンポンプを用いて膀胱内に生理食塩水を時速360mlの速度で注入し、尿道口からの尿失禁が観察された瞬間にインフュージョンを停止し、三方活栓を開くことにより膀胱内の溶液を排出させた。インフュージョンを行った際の最大膀胱内圧を漏出時圧とし、安定するまで繰り返し測定し、最後3回の平均値をデータとした。実施例5および8の化合物をDMA/PEG400(1:1)に溶解し、0.5mL/kgの割合で静脈内投与して、その前後で漏出時圧を比較した。統計計算にはWilliams検定を用いた。結果を表2および3に示す。
試験例6
本発明の化合物の肥満に対する効果は、以下のように算出する摂餌量を指標に測定することができる。
雄性F344ラット(日本クレア)は5週齢で入荷後、脂質含有量45kcal%の固形高脂肪食(D12451,リサーチダイエット)で群飼育して、十分肥満になった状態(40〜60週齢)で単飼にし、脂質含有量45kcal%の粉末高脂肪食(D12451M,リサーチダイエット)を餌瓶に入れて与える。投与前日の体重および摂餌量(18:00〜8:00)を指標に群分けを行う。本発明の化合物を0.5%メチルセルロース溶液に溶解し、2mL/kgの用量で18:00に強制経口投与する。対照群には0.5%メチルセルロース溶液を投与する。薬物の投与後、予め秤量した餌瓶を飼育ケージに投入する。投与3、14、24時間後に餌瓶を秤量し、摂餌量を算出する(Williams testあるいはt−test)。
試験例6a
本発明化合物の肥満に対する効果を、以下のように算出する摂餌量を指標に測定した。
雄性F344ラット(日本クレア)は5週齢で入荷後、脂質含有量45kcal%の固形高脂肪食(D12451,リサーチダイエット)で群飼育して、十分肥満になった状態(40〜60週齢)で単飼にし、脂質含有量45kcal%の粉末高脂肪食(D12451M,リサーチダイエット)を餌瓶に入れて与えた。投与前日の体重および摂餌量(18:00〜8:00)を指標に群分けを行った。実施例5の化合物を0.5%メチルセルロース溶液に0.5mg/mLの濃度で溶解し、2mL/kgの用量で18:00に強制経口投与した。対照群には0.5%メチルセルロース溶液を投与した。投与後、予め秤量した餌瓶を飼育ケージに投入した。投与24時間後に餌瓶を秤量し、摂餌量を算出した。実施例5の化合物は対照群に対して、21.8%の摂餌量を抑制した。
試験例6b
本発明化合物の肥満に対する効果を、高脂肪食負荷のラットを用いて体重および摂餌量に対する効果により測定した。
7週齢より42kcal%脂質の高脂肪食(D12451,リサーチダイエット)にて飼育した38〜60週齢の雄性F344ラット(DIO−F344ラット)を用いた。手術前日の体重をもとに群分けを行った。実施例8の化合物を生理食塩水に溶解し、浸透圧ポンプ(Alzet浸透圧ポンプ2ML2型)に充填し、イソフルラン麻酔下にてラットの皮下に埋め込んだ。手術終了時に体重を測定し、術後14日後の時点で再び体重測定した。また、餌の残量を測定し、14日間の摂餌量を測定した。統計計算はWilliams検定を用いた。結果を表4に示す。
試験例7
本発明の化合物の臓器脱に対する効果は、以下のように、膀胱内圧上昇により誘導される骨盤底筋群(腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋等)による尿道閉鎖反応の、化合物投与による増強を調べることにより測定することができる。
体重200〜310gのSD系雌性ラットをウレタン(和光純薬)で麻酔し、排尿反射を消失させる目的で脊髄をT8〜9レベルで切断する。なお、手術中は必要に応じてハロセン(武田薬品工業)麻酔を追加する。開腹後、縫合糸を用いて膀胱頚部を結さつし、その後、下腹神経および陰部神経を両側切断する。カテーテル(PE−90、Clay Adams)を膀胱内に留置し、この膀胱カテーテルの他方の端を、三方活栓を介して圧トランスデューサー及び生理食塩水の貯水槽(60mlシリンジ)に接続する。マイクロチップ・トランスデューサー・カテーテル(SPR−524,Millar Instruments Inc.)を尿道口より膀胱に向かって挿入し、カテーテル表面に記載した目盛りを用いて、トランスデューサー部分が尿道口から10.0〜15.0mmの尿道部位に位置するように調整する。
マイクロチップ・トランスデューサーで測定される尿道内の局所的圧変化(以後、便宜上尿道内圧と表記)をアンプ(血圧用増幅ユニットAP−641G;日本光電)、データ解析装置(MP−100;biopack;500Hzでサンプリング)を介してコンピュータへ送り、ハードディスク上に記録する。生理食塩水の貯水槽の位置を50cm高めることで膀胱内圧を急激に50cmHOに30秒間上昇させ、尿道内圧の変化を観察する。膀胱内圧上昇に誘発される尿道の反応を3回測定し、最後の2回の平均値を薬物投与前の値とする。評価項目は反射性尿道閉鎖反応とし、記録された値を500ポイントでスムージング処理することにより1秒間あたりの平均尿道内圧を算出した後、膀胱内圧上昇時の最大値から膀胱内圧を上昇させる直前の値を差し引き、尿道閉鎖反応とする。薬物投与前の値を測定した後、本発明の化合物をN,N−ジメチルホルムアミド/ポリエチレングリコール400(1:1)に溶解し、0.5mL/kgの割合で静脈内投与し、その10分後に尿道閉鎖反応を再び評価する。
試験例7a
本発明の化合物の臓器脱に対する効果を、以下のように、膀胱内圧上昇により誘導される骨盤底筋群(腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋等)による尿道閉鎖反応の、本発明化合物投与による増強を調べることにより測定した。
化合物の膀胱内圧上昇に誘発される尿道閉鎖反応の増強作用は、下腹神経および陰部神経を両側切断した雌性脊髄離断ラットを用いて測定した。
体重246〜298gのSD系雌性ラットをウレタンで麻酔し、排尿反射を消失させる目的で脊髄をT8〜9レベルで切断した。なお、手術中は必要に応じてイソフルラン麻酔を追加した。開腹後、縫合糸を用いて膀胱頚部を結さつし、その後、下腹神経および陰部神経を両側切断した。カテーテルを膀胱内に留置し、この膀胱カテーテルの他方の端を、三方活栓を介して圧トランスデューサー及び生理食塩水の貯水槽(60mlシリンジ)に接続した。マイクロチップ・トランスデューサー・カテーテル(SPR−524,Millar Instruments Inc.)を尿道口より膀胱に向かって挿入し、カテーテル表面に記載した目盛りを用いて、トランスデューサー部分が尿道口から10.0〜15.0mmの尿道部位に位置するように調整した。マイクロチップ・トランスデューサーで測定される尿道内の局所的圧変化(以後、便宜上尿道内圧と表記)をアンプ、データ取り込み装置を介してコンピュータへ送り、ハードディスク上に記録した。
生理食塩水の貯水槽の位置を50cm高めることで膀胱内圧を急激に50cmHOに30秒間上昇させ、尿道内圧の変化を観察した。膀胱内圧上昇に誘発される尿道の反応を繰り返し測定し、安定した後、最後の2回の平均値を薬物投与前の値とした。評価項目は反射性尿道閉鎖反応とし、膀胱内圧上昇時の平均尿道内圧を算出した後に膀胱内圧を上昇させる直前の値を差し引き、尿道閉鎖反応とした。
薬物投与前の値を測定した後、実施例5または8の化合物を生理食塩水に溶解し、1.0mL/kgの割合で静脈内投与し、その10分後に尿道閉鎖反応を再び評価した。本発明の化合物投与群および生理食塩水投与群の、尿道閉鎖反応における薬物投与前値に対する変化率を表5に示す。
本発明の化合物は、優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化作用を有するため、総てのセロトニン5−HT2C関連疾患、例えば、下部尿路症状、肥満および/または臓器脱の予防または治療薬等として有用である。
本出願は、日本で出願された特願2009−142673を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
[式中、
’は、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または
(10)C3−6シクロアルケニル基
を示し;
’は、水素原子、またはC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し;
’は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)と称する場合がある。];
[2]R’が、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
(2)C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
(3)C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基、
(4)C1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
(5)C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
(6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
(b)C3−6シクロアルキル基
から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)C1−6アルキルスルファニル基、
(8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(9)C3−6シクロアルキル基、または、
(10)C3−6シクロアルケニル基
である、上記[1]記載の化合物またはその塩
[3]式(I)
【0012】
[式中、
は、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基を示し;
は、水素原子またはC1−6アルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)と称する場合がある。];
[4]Rが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基である、上記[3]記載の化合物またはその塩;
[5]Rが、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、イソプロポキシ基またはシクロプロピル基であり;かつ
が、水素原子またはメチル基である、上記[3]記載の化合物またはその塩;
[6]3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[7]3-(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[8]6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[9]6−メチル−3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[10]N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩;
[11]3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[12]3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[13]3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[14]3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩;
[15]上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物またはその塩のプロドラッグ;
[16]上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグを含有する医薬;
[17]セロトニン5−HT2C受容体活性化剤である、上記[16]記載の医薬;
[18]下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療薬である、上記[16]記載の医薬;
[19]哺乳動物に対して、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療方法;
[20]下部尿路症状、肥満および/または臓器脱の予防または治療薬を製造するための、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの使用;
等に関する。
【発明の効果】
化合物(I)としては、
が、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基;C1−3アルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)から選択される置換基でジ置換されたアミノ基;それぞれシクロプロピル基で置換されていてもよい、エトキシ基、イソプロポキシ基;シクロプロピル基;シクロペンチル基;シクロペンテニル基[好ましくは、モルホリノ基、メチルモルホリノ基(好ましくは、3−メチルモルホリノ基)、エチルモルホリノ基(好ましくは、3−エチルモルホリノ基)、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、1−シクロプロピルエトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基(好ましくは、1−シクロペンテン−1−イル)であり;かつ
が、水素原子またはメチル基である化合物、またはその塩が好ましい。
工程5
本工程では、化合物(XXXIII)を、ジケトン体(XLI)と反応させて化合物(XXXIV)を製造する。必要に応じて、酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸などの鉱酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸などの有機酸)を化合物(XXXIII)1モルに対し、約0.1モル〜約10モル、好ましくは約0.5モル〜約10モル添加してもよい。
ジケトン体(XLI)の使用量は、化合物(XXXIII)1モルに対し、約0.5モル〜約20モル、好ましくは約1モル〜約10モルである。
本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒中で行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘキサンなどの飽和炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミド類;ギ酸、酢酸、プロパン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸類など、もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。
反応時間は用いる試薬や溶媒により異なるが、通常約10分間〜約100時間、好ましくは約30分間〜約50時間である。
反応温度は、通常約−20℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約100℃である。
こうして得られる化合物(XXXIV)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
(12)その他
例えば、糖化阻害剤(例、ALT−711等)、神経再生促進薬(例、Y−128、VX853、プロサプチド(prosaptide)等)、中枢神経系作用薬(例、デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン、フロキセチン、パロキセチン、ドキセピン等の抗うつ薬)、抗てんかん薬(例、ラモトリジン、カルバマゼピン)、抗不整脈薬(例、メキシレチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例、ABT−594)、エンドセリン受容体拮抗薬(例、ABT−627)、モノアミン取り込み阻害薬(例、トラマドル)、インドールアミン取り込み阻害薬(例、フロキセチン、パロキセチン)、麻薬性鎮痛薬(例、モルヒネ)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン)、GABA取り込み阻害薬(例、チアガビン)、α受容体作動薬(例、クロニジン)、局所鎮痛薬(例、カプサイシン)、プロテインキナーゼC阻害剤(例、LY−333531)、抗不安薬(例、ベンゾジアゼピン類)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、シルデナフィル)、ドーパミン受容体作動薬(例、アポモルフィン)、ドーパミン受容体拮抗薬(例、ハロペリドール)、セロトニン受容体作動薬(例、クエン酸タンドスピロン、スマトリプタン(sumatriptan))、セロトニン受容体拮抗薬(例、塩酸シプロヘプタジン、オンダンセトロン)、セロトニン取り込み阻害薬(例、マレイン酸フルボキサミン、フロキセチン、パロキセチン)、睡眠導入剤(例、トリアゾラム、ゾルピデム)、抗コリン剤、α受容体遮断薬(例、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル)、筋弛緩薬(例、バクロフェン)、カリウムチャンネル開口薬(例、ニコランジル)、カルシウムチャンネル遮断薬(例、ニフェジピン)、アルツハイマー病予防・治療薬(例、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)、パーキンソン病治療薬(例、L−ドーパ)、多発性硬化症予防・治療薬(例、インターフェロンβ−1a)、ヒスタミンH受容体阻害薬(例、塩酸プロメタジン)、プロトンポンプ阻害薬(例、ランソプラゾール、オメプラゾール)、抗血栓薬(例、アスピリン、シロスタゾール)、NK−2受容体アンタゴニスト(例、ピペリジン誘導体(GR159897、GR149861、SR48968(サレデュータント(saredutant))、SR144190、YM35375、YM38336、ZD7944、L−743986、MDL105212A、ZD6021、MDL105172A、SCH205528、SCH62373、R−113281等)、ペルヒドロイソインドール誘導体(例、RPR−106145等)、キノリン誘導体(例、SB−414240等)、ピロロピリミジン誘導体(例、ZM−253270等)、プソイドペプチド誘導体(例、MEN11420(ネパデュタント(nepadetant))、SCH217048、L−659877、PD−147714(CAM−2291)、MEN10376、S16474等)、その他(GR100679、DNK333、GR94800、UK−224671、MEN10376、MEN10627)、又はそれらの塩等)、HIV感染症治療薬(例、サキナビル、ジドブジン、ラミブジン、ネビラピン)、慢性閉塞性肺疾患治療薬(例、サルメテロール、チオトロピウムブロミド、シロミラスト)等。
実施例、参考例におけるLC−MSは以下の条件により測定した。
LC−MSによる分析
測定機器:ウォーターズ社 LC−MSシステム
HPLC:アジレント社 HP1100
MS:マイクロマス社 ZQ
HPLC条件
カラム:CAPCELL PAK C18UG120、S−3μ、1.5×35mm(資生堂)
溶媒:A液;0.05%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.05%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=90/10)、2.00分(A液/B液=5/95)、2.75分(A液/B液=5/95)、2.76分(A液/B液=90/10)、3.60分(A液/B液=90/10)
注入量:2μL、流速:0.5mL/min、検出法:UV220nm
MS条件
イオン化法:ESI
参考例17
8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン
カリウムtert−ブトキシド(5.8g)のDMF(45mL)溶液に、2−[ベンジル({3−クロロ−5−[メチル(1−メチルエチル)アミノ]ピラジン−2−イル}メチル)アミノ]エタノール(15.1g)のDMF(30mL)溶液を0℃で滴下し、1.5時間撹拌した。水(150ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し標題化合物(11g,87%)を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl):δ1.17(d,J=6.59Hz,6H),2.87(s,3H),2.99−3.02(m,2H),3.72(s,2H),3.91(s,2H),4.18−4.30(m,2H),4.70−4.80(m,1H),7.15−7.42(m,5H),7.63(s,1H)
ESI−MS:m/z 313(M+H)

Claims (20)

  1. 式(I
    [式中、
    ’は、
    (1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
    (2)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基、
    (3)C1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリジニル基、
    (4)C1−6アルキル基で置換されていてもよいピロリル基、
    (5)C1−6アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、
    (6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
    (b)C3−6シクロアルキル基
    から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
    (7)C1−6アルキルスルファニル基、
    (8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
    (9)C3−6シクロアルキル基、または
    (10)C3−6シクロアルケニル基
    を示し;
    ’は、水素原子、またはC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し;
    ’は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  2. ’が、
    (1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリニル基、
    (2)C1−6アルキル基で置換されたピペリジル基、
    (3)C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基で置換されたピロリジニル基、
    (4)C1−6アルキル基で置換されたピロリル基、
    (5)C1−6アルキル基で置換されたイミダゾリル基、
    (6)(a)C3−6シクロアルキル基およびフェニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、並びに
    (b)C3−6シクロアルキル基
    から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、
    (7)C1−6アルキルスルファニル基、
    (8)C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
    (9)C3−6シクロアルキル基、または、
    (10)C3−6シクロアルケニル基
    である、請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. 式(I)
    [式中、
    は、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C3−6シクロアルキル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基を示し;
    は、水素原子またはC1−6アルキル基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  4. が、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基である、請求項3記載の化合物、またはその塩。
  5. が、メチル基およびエチル基から選択される置換基で置換されていてもよいモルホリノ基、N−メチル−N−(1−メチルエチル)アミノ基、イソプロポキシ基およびシクロプロピル基であり;かつ
    が、水素原子またはメチル基である、請求項3記載の化合物、またはその塩。
  6. 3−(1−メチルエトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  7. 3-(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  8. 6−メチル−3−(モルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  9. 6−メチル−3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  10. N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩。
  11. 3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  12. 3−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  13. 3−(2−メチルピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  14. 3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物またはその塩のプロドラッグ。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグを含有する医薬。
  17. セロトニン5−HT2C受容体活性化剤である、請求項16記載の医薬。
  18. 下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療薬である、請求項16記載の医薬。
  19. 哺乳動物に対して、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における下部尿路症状、肥満、および/または臓器脱の予防または治療方法。
  20. 下部尿路症状、肥満および/または臓器脱の予防または治療薬を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物もしくはその塩、またはそのプロドラッグの使用。
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