JP2014214132A - ニコチン依存症の予防・治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有する、ニコチン依存症の予防または治療薬の開発。【解決手段】式(I):[式中、R1又はR2は、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R1及びR2は隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有するニコチン依存症の予防・治療剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ニコチン依存症の予防薬または治療薬に関する。
喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは広く知られており、世界保健機関の報告では年間およそ600万人が喫煙関連疾患で死亡し、その数は2030年には800万人以上に増加すると予測されている。現在、禁煙治療に際してはニコチンパッチ、ニコチンガム等の煙を介さないニコチン置換療法の他、非ニコチンの補助療法薬として抗うつ薬であるブプロピオン、αβニコチン受容体部分作動薬であるバレニクリンの二剤が米国食品医薬品局により承認されているが、これら二剤には悪心や精神疾患に関する副作用のあることも知られている(非特許文献1)。近年、セロトニン5−HT2C受容体を活性化する物質の薬物依存症治療薬としての可能性が動物実験において示唆されている。セロトニン5−HT2C受容体を活性化する特定の物質がラットにおいてコカインの自己投与を抑制し、また退薬後に環境あるいは薬物刺激を与えた際のコカイン探索行動を抑制することが示されている(非特許文献2)。同様にニコチンに対する依存症の治療の可能性についても研究され、セロトニン5−HT2C受容体を活性化する特定の物質がラットにおいて自発運動量や摂食行動に影響を及ぼさない投与量でニコチンの自己投与回数を減少させたことも示されている(非特許文献3)。セロトニン5−HT2C受容体を活性化する特定の物質がラットにおいてニコチン探索行動を減少させたことも研究されている(非特許文献4)。また、異なる化学構造を有しセロトニン5−HT2C受容体を活性化する計3物質がラットにおいてニコチンの自己投与回数を減少させたことが研究されている(非特許文献5)。これらのことから、セロトニン5−HT2C受容体を活性化する特定の物質がヒトにおいてもニコチンを含む薬物依存症の予防・治療・補助療法薬となる可能性が示唆されている。
一方で、優れたセロトニン5−HT2C受容体活性化化合物がこれまでに知られており(特許文献1)、より毒性が低く、より効果を有するニコチン依存症の予防薬または治療薬が求められている。
国際公開第2010/147226号パンフレット
Nature Reviews Drug Discovery,2013年,第12巻,p.97−98 Neuropsychopharmacology,2008年,第33巻,p.1402−1412 The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,2011年,第338巻,p.890−896 Neuropsychopharmacology,2012年,第37巻,p.1177−1191 Psychopharmacology,2012年,DOI 10.1007/s00213−012−2919−2
薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有する、ニコチン依存症の予防または治療薬の開発が望まれている。
本発明は、上記優れた性質を有するニコチン依存症の予防または治療薬等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記式(I)で表される化合物が、優れたニコチン依存症の予防または治療薬であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1] 式(I):
[式中、
又はRは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、
及びRは隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有するニコチン依存症の予防・治療剤;
[2]R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、
及びRが隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環を形成していてもよい、前記[1]記載の剤;
などに関する。
本発明は、薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有するニコチン依存症の予防または治療薬等を提供することができる。
(発明の詳細な説明)
以下に本発明についてさらに詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。
本明細書中、「C1−6アルキル基」とは、炭素数1から6個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基が挙げられる。
本明細書中、「C1−4アルキル基」とは、炭素数1から4個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
本明細書中、「C1−3アルキル基」とは、炭素数1から3個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
本明細書中、「C4−8シクロアルキル基」とは、炭素数4から8個を有するシクロアルキル基を示し、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。
本明細書中、「隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環」とは、1乃至3個の「C1−6アルキル基」で置換されていてもよい、環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の芳香族複素環および非芳香族複素環を示す。
ここで「環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の芳香族複素環」としては例えばピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンが挙げられ、「環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」としては例えばアゼチジン、1,3−オキサゼチジン、ジヒドロオキサゾリン、ジヒドロイミダゾリン、ジヒドロチアゾリン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、1,4−オキサゼパン、1,4−ジアゼパン、1,4−チアゼパン、アゾカン、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカンが挙げられる。
「隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環」としては、例えば、2−メチルピロリジン、2−(メトキシメチル)ピロリジン、2−メチルピペリジン、モルホリン、(3R)−3−メチルモルホリン、(3R)−3−エチルモルホリン、2,5−ジメチル−1H−ピロール、2−メチル−1H−イミダゾールが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環」とは、「C1−6アルキル基」で置換されていてもよい、(1)原子数が4乃至8個のシクロアルカン、及び/又は(2)原子数が4乃至8個の非芳香族複素環を示す。
前記(1)「原子数が4乃至8個のシクロアルカン」とは、炭素数4から8個を有するシクロアルカンを示し、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタンが挙げられる。
前記(2)「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する原子数が4ないし8個の非芳香族複素環を示し、例えば、アゼチジン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン、オキソカン、チオカンが挙げられる。
が、水素原子又はC1−6アルキル基を示す場合、好ましくはC1−6アルキル基を示し、より好ましくはC1−4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
が、水素原子又はC1−6アルキル基を示す場合、好ましくはC1−6アルキル基を示し、より好ましくはC1−4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
式(I)における好ましい態様としては、R及びRが共にC1−6アルキル基であり、より好ましくは、R及びRが共にC1−4アルキル基である。
式(I)における別の態様では、R及びRは、隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環(「複素環」としては非芳香族複素環が好ましい。)を形成していてもよく、この場合の「C1−6アルキル基」の好ましい範囲としては、C1−3アルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基であり、その置換基の数は1乃至3、好ましくは1であり、R及びRとしては、好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環であり、さらに好ましくはピロリジン、ピペリジン、モルホリンであり、特に好ましくは、モルホリンである。
式(I)における好ましい態様としては、R及びRは、隣接する窒素原子と一緒になって、1乃至3個のC1−3アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環を形成し、より好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、1個のC1−3アルキル基で置換されており、さらに酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環であり、特に好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、1個のC1−3アルキル基で置換されたモルホリンであり、中でもエチル基で置換されたモルホリンが好ましい。
及びRが共にC1−4アルキル基である式(I)の化合物が最も好ましい。
さらに、本願の別の態様としては、
式(II):

[式中、
、R又はRは、同一又は異なって、水素原子又は(1)ヒドロキシ基、(2)アミノ基、及び(3)スルファニル基(−SH)から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R及びR又はR及びRは結合して、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環を形成していてもよい]で示される化合物またはその塩を含有するニコチン依存症の予防・治療剤が挙げられる。
、R又はRとしては、例えば、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、スルホニルメチル基が挙げられる。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、
(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC4−8シクロアルカン、
又は
(2)C1−6アルキル基で置換されていてもよい、原子数が4乃至8個の非芳香族複素環
が挙げられる。
及びRによって形成される「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する原子数が4ないし8個の非芳香族複素環を指し、前記例示のうち、例えばアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン、オキソカン、チオカンが挙げられる。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、C1−6アルキル基で置換されていてもよい原子数が4乃至8個の非芳香族複素環が挙げられ、R及びRによって形成される「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」としては、前記例示のうち、例えばアゼチジン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)が挙げられる。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基である。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、ピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子とが一緒になって形成する、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環が好ましく、より好ましくは無置換のモルホリン環が挙げられる。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、好ましくはC4−6シクロアルカンが挙げられる。
式(II)における好ましい態様としては、R、R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基である態様が挙げられ、さらに好ましくは、R、R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−3アルキル基である態様が挙げられ、特に好ましくはRが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子又はC1−3アルキル基である態様が挙げられる。
式(II)における別の好ましい態様としては、Rが、水素原子又はC1−6アルキル基を示し、R及びRが隣接する炭素原子と一緒になって、C4−6シクロアルカンを形成している態様が挙げられ、さらに好ましくは、Rが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRが隣接する炭素原子と一緒になって、C4−6シクロアルカンを形成している態様が挙げられる。
また、式(II)における別の好ましい態様としては、Rが、水素原子又はC1−6アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよい、モルホリン環を形成している態様が挙げられ、さらに好ましくは、Rが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよい、モルホリン環を形成している態様が挙げられ、特に好ましくはRが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、無置換のモルホリン環を形成している態様が挙げられる。
が水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子又はC1−3アルキル基である式(II)の化合物が最も好ましい。
より具体的な本願発明化合物(I)又は(II)としては、
3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−((1R)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、及び
N−メチル−N−((1S)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩が挙げられ、好ましくは、
3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩、
3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−((1R)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、及び
N−メチル−N−((1S)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩が挙げられる。
次に化合物(I)又は(II)の製造法について述べる。
化合物(I)又は(II)は、国際公開WO2010/147226に記載の自体公知の方法またはそれに準ずる方法、あるいは、国際公開WO2010/132015に記載の自体公知の方法に準ずる方法によって得ることができる。
化合物(I)又は(II)が塩である場合、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
化合物(I)又は(II)は、水和物、非水和物、溶媒和物、無溶媒和物のいずれでもよい。
同位元素(例、3H, 11C,14C, 18F 35S,125I等)等で標識された化合物も、化合物(I)又は(II)に包含される。
また、化合物(I)又は(II)のHをH(D)に変換した重水素変換体も化合物(I)又は(II)に包含される。
化合物(I)又は(II)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)又は(II)として包含されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法(例えば、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)又は(II)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)又は(II)に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)と塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(東ソー社製)あるいは、CHIRALシリーズ(ダイセル化学工業社製)等のキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液等)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン等)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えばガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)等を経て単一物質とした後、加水分解反応等の化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)又は(II)が分子内にヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)等とを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)又は(II)がカルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
化合物(I)又は(II)は、結晶であってもよい。化合物(I)又は(II)は単一の結晶形を有していてもよく、また複数の結晶形の混合物であってもよく、いずれも化合物(I)又は(II)に包含される。
化合物(I)又は(II)の結晶は、化合物(I)又は(II)に自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
ここで、結晶化法としては、例えば、溶液からの結晶化法、蒸気からの結晶化法、溶融体からの結晶化法等が挙げられる。
該「溶液からの結晶化法」としては、化合物の溶解度に関係する因子(溶媒組成、pH、温度、イオン強度、酸化還元状態等)または溶媒の量を変化させることによって、飽和していない状態から過飽和状態に移行させる方法が一般的であり、具体的には、例えば濃縮法、徐冷法、反応法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法等が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ケトン類(例、アセトン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは二種以上を適当な割合(例、1:1ないし1:100(容積比))で混合して用いられる。必要に応じて種晶を使用することもできる。
該「蒸気からの結晶化法」としては、例えば気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法等が挙げられる。
該「溶融体からの結晶化法」としては、例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相エピタキシー法)等が挙げられる。
結晶化法の好適な例としては、化合物(I)又は(II)を20〜120℃の温度下で、適当な溶媒(例、メタノール、エタノール等のアルコール類、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等)に溶解し、得られる溶液を溶解時の温度以下(例、0〜50℃、好ましくは0〜20℃)に冷却する方法等が挙げられる。その際、窒素ガス等を気流させ、溶媒を蒸発させてもよい。
このようにして得られる本発明の化合物(I)又は(II)の結晶は、例えばろ過等によって単離することができる。
得られた結晶の解析方法としては、粉末X線回折による結晶解析の方法が一般的である。さらに、結晶の方位を決定する方法としては、機械的な方法または光学的な方法等も挙げられる。
化合物(I)又は(II)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
上記の製造法で得られる化合物(I)又は(II)の結晶は、高純度、高品質であり、吸湿性が低く、通常条件下で長期間保存しても変質せず、安定性に極めて優れている。また、生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現等)にも優れ、医薬として極めて有用である。
化合物(I)又は(II)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)又は(II)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)又は(II)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)又は(II)に変化する化合物をいう。化合物(I)又は(II)のプロドラッグとしては、化合物(I)又は(II)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物[例、化合物(I)又は(II)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など];化合物(I)又は(II)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(I)又は(II)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)又は(II)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物[例、化合物(I)又は(II)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など]などが挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)又は(II)から製造することができる。
また、化合物(I)又は(II)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)又は(II)に変化するものであってもよい。
化合物(I)又は(II)は、前記化合物(I)又は(II)のプロドラッグをも包含する。
化合物(I)又は(II)またはそのプロドラッグ(以下、「本発明の化合物」と略記する場合がある)は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対する、ニコチン依存症の予防または治療のために有用である。
本発明の化合物は特に優れたニコチン依存症の予防・治療の効果を有する。対応する症状としては、例えば、禁煙に付随する症状、禁煙に伴う症状、ニコチン依存及びニコチン中毒などの障害、症状及び状態を示す。
さらに、本発明の化合物は、優れた吸収性を有し、毒性が低く、かつ安全であることから、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対するニコチン依存症の予防または治療のために有用である。
ここで、本願発明の効果としては、ニコチン中毒の低減又は喫煙者(ニコチン依存症者、非依存常習者及び非常習者等を含む)に対する禁煙や節煙の補助も挙げられ、禁煙を助ける効果をも含み、病的症状や症状の進行を治療、緩和、軽減、改善、休止、抑制、遅延、逆転、及び予防も挙げられる。さらに、ニコチンへの依存、嗜好、及び離脱症状などの障害、症状及び状態を処置する効果も本願発明の効果に含まれる。
また、ニコチンとは、タバコ製品に含まれるニコチンをも含有する。本願発明の効果としては、喫煙やタバコ製品の使用に対する衝動の低減も含む。
化合物(I)又は(II)を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、または薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠、発泡錠、分散錠、溶解 錠、膣錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤(発泡顆粒剤等を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤(チュアブル剤等を含む)、ガム剤、シロップ剤(シロップ用剤等を含む)、経口ゼリー剤、半固形剤、合嗽剤、液剤(エリキシル剤、リモナーデ剤等を含む)、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、注腸剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤(パッチ剤を含む)、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、スプレー剤、クリーム剤、ゲル剤、ペレット、経鼻剤、点耳剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的または非経口的(例、皮膚、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。徐放性製剤の調製は、特開平9−263545号公報に記載の方法に準ずることができる。
本発明の医薬において、本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤全体に対して0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%程度である。
投与量は化合物(I)又は(II)の種類、投与ルート、症状、患者の年令などによっても異なるが、成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kgあたり化合物(I)又は(II)として約0.005〜50mg、好ましくは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回程度に分割投与できる。
本発明の医薬組成物が徐放性製剤である場合の投与量は、化合物(I)又は(II)の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ブタ等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1〜約100mgの化合物(I)又は(II)が投与製剤から放出されるようにすればよい。
本発明の医薬は、本発明の化合物を、そのまま、或いは適宜の薬理学的に許容され得る担体、例えば、賦形剤(例、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(例、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等)、希釈剤(例、注射用水、生理食塩水等)、必要に応じて添加剤(例、安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、緩衝剤、等張化剤等)等と常法により混合し、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。本発明の医薬は局所投与製剤に成形して直接投与することもできる。この場合は、注射剤とするのが好ましい。
例えば、注射剤とするには、本発明の化合物を分散剤(例、Tween80、HCO−60等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシウム等)、pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)等と共に水性懸濁剤とすることにより、実用的な注射用製剤が得られる。また、本発明の化合物を、ゴマ油、コーン油等の植物油若しくはこれにレシチン等のリン脂質を混合したもの、又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812等)と共に分散して油性懸濁剤とすることにより、実際に使用できる注射剤とすることができる。
本発明の予防・治療薬においては、他の薬剤と共に用いることもできる。
本願発明において配合又は併用し得る薬剤(以下、併用薬物と略記する)としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
(1)抗うつ薬
例えば、ノルアドレナリンおよびセロトニン取り込み阻害物質(デュロキセチン、ミルナシプランなど)、セロトニン取り込み阻害物質(フルボキサミンなど)、三環系抗うつ薬(アミノトリプチンなど)。
(2)睡眠導入・睡眠改善薬
例えば、ベンゾジアゼピン系薬剤(フルパゼパムなど)、メラトニン系薬剤(メラトニン、ラメルテオンなど)、ナトリウムオキシベート。
(3)抗痙攣薬
例えば、ガバペンチン、プレガバリン。
(4)鎮痛薬
例えば、オピオイド(モルヒネ、トラマドールなど)、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカムなど)、アセトアミノフェン。
(5)筋弛緩薬
例えば、シクロベンザプリン、チザニジン。
(6)ニコチン依存症治療薬
例えば、ブプロピオン、バレニクリン及び一般用禁煙補助剤(ニコチンパッチ、ニコチンガム、禁煙飴、禁煙パイプなど)。
併用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
併用の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明の化合物を投与した後の併用薬物の投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
本発明の化合物と併用薬物とを併用する際の医薬(以下、「本発明の併用剤」と略記する)において、本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
投与量は本発明の化合物または薬学上許容可能なその塩の種類、投与ルート、症状、患者の年令等によっても異なるが、例えば、成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kg当たり本発明の化合物として約0.005〜50mg、好ましくは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回程度に分割投与できる。
本発明の併用剤が徐放性製剤である場合の投与量は、本発明の化合物の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウサギ、牛、豚等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1〜約100mgの本発明の化合物が投与製剤から放出されるようにすればよい。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明の化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
本発明の医薬は低毒性であり、安全に使用することができる。特に以下に示す実施例化合物は、経口投与されたときの吸収性において優れているので、経口用製剤として有利に使用できる。
本発明は、更に以下の参考例、実施例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
参考例1
3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩


8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(124mg)、20%Pd(OH)/C(60mg)およびメタノール(3mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.28mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(62.6mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.15(d,3H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.39−3.55(m,3H),3.56−3.65(m,1H),3.67−3.76(m,1H),3.82−3.99(m,2H),4.24−4.35(m,3H),4.38(dt,J=4.43,2.50Hz,2H),7.98(s,1H),9.59(brs,2H)
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(733mg)、20%Pd(OH)/C(300mg)およびメタノール(5mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(3mL)溶液に1N塩酸(1.8mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物の結晶(418mg,68%)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=5.14、9.76、10.36、12.24、15.62、16.14、16.96、18.98、20.66、20.90、22.68、23.74、24.86
参考例2
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(79mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(2mL)溶液に1N塩酸(0.19mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(37.3mg,57%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.12(d,6H),2.85(s,3H),3.49(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.30(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.66(quintet,J=6.69Hz,1H),7.85(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 223(M+H)
上記で得られた無色結晶(300mg)をメタノール(約6mL)に溶解し、ろ過した。ろ液を5℃で撹拌しながら、窒素気流下溶媒を蒸発させ、析出した結晶をろ取することにより、標題化合物の結晶(280mg)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=8.10、10.26、12.90、16.28、16.70、19.98、23.02、24.14、24.60、26.04
参考例3
3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩


8−ベンジル−3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(130mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.27mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(66.7mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.84(t,J=4.90Hz,3H),1.46−1.86(m,2H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.37−3.56(m,4H),3.75−4.02(m,3H),4.05−4.18(m,1H),4.31(s,2H),4.38(d,J=4.14Hz,2H),7.99(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 265(M+H)
参考例4
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(0.64g)のメタノール溶液(20mL)に20%Pd(OH)/C(0.13g)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル溶液(20mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(540μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.44g,82%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.38Hz,3H),1.09(d,J=6.82Hz,3H),1.53(tq,J=13.68,6.78Hz,2H),2.82(s,3H),3.49(br.s,2H),4.30(brs,2H),4.33−4.41(m,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.58(br.s,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
参考例5
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


(工程1)
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩(0.38g)のテトラヒドロフラン−酢酸エチル(1:1、20mL)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(8.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をダイセル化学工業(株)製CHIRALPAKAD JG0001、50mmID×500mmL(溶媒:80%エタノール/ヘキサン)により光学分割し、保持時間12.1分の化合物A(147mg,>99.9%ee)と保持時間15分の化合物B(146mg,99.8%ee)をそれぞれ無色油状物として得た。
(工程2)
上記工程1で得られた化合物A(147mg,>99.9%ee)の酢酸エチル溶液(6mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.11g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.40Hz,3H),1.53(dq,J=13.70,6.99Hz,2H),2.82(s,3H),3.47(dt,J=4.62,2.40Hz,2H),4.28(s,2H),4.37(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.86(s,1H),9.73(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
参考例6
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


参考例5の工程1で得られた化合物B(146mg,99.8%ee)の酢酸エチル溶液(6mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.10g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.75(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.78Hz,3H),1.45−1.62(m,2H),2.82(s,3H),3.48(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.29(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.54(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例1
例えば非特許文献(Higginsら、Neuropsychopharmacology 2012、37、1177-1191)に記載の方法に準じて、ニコチンに対する依存性を形成した、あるいは同弁別能を獲得したラットを用いて、それぞれニコチンの自己投与回数あるいはニコチンと関連づけたレバーを押す回数の低下を指標として代表化合物の効果を測定する。
具体的には、ニコチン依存性に関する効果の確認として、Sprague Dawley系ラット(チャールズリバーまたは日本エスエルシー)に対して、定法に基づきニコチンを安定的に自己投与(レバー押し操作による自己摂取)する訓練を施した後、代表化合物等を1日1回皮下投与し、自己投与回数に対する影響を溶媒投与時と比較する。また、ニコチン弁別能への影響に対しては以下のように評価する。同ラットを用い、定法に基づいて例えばニコチン投与時には右側のレバーを押す、溶媒投与時には左側のレバーを押させる訓練を施す。レバー押しの正答率が高い、すなわちニコチンと溶媒それぞれを摂取したときの感覚効果を明瞭に弁別している個体に対して、代表化合物等を1日1回単独投与またはニコチンとともに併用投与したとき、右もしくは左側のレバーを押す回数をニコチン単独投与時と比較する等して代表化合物がニコチン摂取感覚効果に対してどのような影響を及ぼしているかを調べる。
製剤例1
(1)本願化合物 10mg
(2)乳糖 60mg
(3)コーンスターチ 35mg
(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2mg
本願化合物10mg、乳糖60mgおよびコーンスターチ35mgの混合物を、10重量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液0.03mL(ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして3mg)を用いて顆粒化した後、40℃で乾燥し、篩過する。得られる顆粒をステアリン酸マグネシウム2mgと混合し、圧縮する。得られる素錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラビアゴムの水懸濁液による糖衣でコーティングする。コーティングが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得る。
製剤例2
(1)本願化合物 10mg
(2)乳糖 70mg
(3)コーンスターチ 50mg
(4)可溶性デンプン 7mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3mg
本願化合物10mgおよびステアリン酸マグネシウム3mgを可溶性デンプンの水溶液0.07mL(可溶性デンプンとして7mg)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70mgおよびコーンスターチ50mgと混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
本発明は、薬効、作用時間、低毒性等の点で優れたニコチン依存症の予防または治療薬を提供できる。

Claims (2)

  1. 式(I):

    [式中、
    又はRは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRは隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有するニコチン依存症の予防・治療剤。
  2. 又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRが隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環を形成していてもよい、請求項1記載の剤。
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