JP2014201578A - 線維筋痛症治療剤 - Google Patents

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博信 前▲崎▼
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博司 永田
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Abstract

【課題】
薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有する、線維筋痛症の予防または治療薬の開発。
【解決手段】
式(I):

[式中、
又はRは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRは隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有する線維筋痛症の予防・治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、線維筋痛症の治療または予防薬に関する。
線維筋痛症は関節、筋肉、腱など全身の筋・骨格系を中心とする結合性組織の疼痛を主症状としてうつ状態や不眠、疲労感・倦怠感、眼や口の乾燥感など多彩な症状を呈する疾患である。中高年の女性を中心に好発し、過敏性大腸症候群や膀胱炎などとの併発率が高い。1990年、アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology, ACR)による疾患概念の定義、分類・診断基準が提案され、線維筋痛症あるいは線維筋痛症候群という疾患名が一般的となったものの、線維筋痛症の病因・病態は複雑で、治療法の確立は困難を極めている。
アメリカでは一般人口の約2%(女性3.4%、男性0.5%)に線維筋痛症がみられるとされており、他の欧米の報告でもこの数値に近い有病患者率を示している(非特許文献1)。日本における線維筋痛症患者数は欧米と同様、一般人口の1.7%すなわち200万人と推計されている(厚生労働省研究班疫学調査)。これは関節リウマチが本邦ではおおよそ70万人であることに比して、明らかに頻度の高い疾患である。
線維筋痛症の原因は現在のところ不明である。疼痛を訴える部位には明らかな異常が見いだせず、したがって、疼痛部位の局所の異常でなく、痛みの情報伝達経路に一義的な原因があると考えられている。病因として知覚伝達路(疼痛知覚神経)の脊髄あるいは脳レベルでの中枢性感作の成立が考えられている。また、線維筋痛症は家族内発症することは古くから知られており、ストレスなどの環境要因に加え遺伝的要因の関与も示唆されている(非特許文献2)。
線維筋痛症は、身体の各部位に圧痛点を認める以外、診察所見や各種検査異常を認めない機能性のリウマチ性疾患(関節性のリウマチとは異なる)であることから、ACRが1990年に診断・分類基準を提案した。全身的な慢性(3ヶ月以上)疼痛に加えて、少なくとも特徴的身体の部位18ヶ所のうち11ヶ所以上に圧痛点を確認することが日本を含め国際的な診断基準となっている。ACRは2010年に診断基準を改定し、より簡素な問診と検診および症状スコアにより高い精度で線維筋痛症を診断できるようになった(非特許文献3)。
治療法としては薬物療法が最も一般的で、抗うつ薬として広く使用されているセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬のデュロキセチンや抗けいれん薬として見いだされ神経因性疼痛の治療薬としてもしばしば用いられるプレガバリンなどが使用される(非特許文献4)。しかしながら、これらの薬剤の効果に対する患者の満足度は依然として低く、より治療効果が高くまた安全な新規薬剤の創製が望まれている。
セロトニン(5-HT)は、主要な神経伝達物質のひとつであり、多種多様にわたる生理機能に携わっている。5-HTの受容体としてこれまで14のサブタイプが同定されており、これら受容体の作動薬や拮抗薬は様々な疾患の治療薬として臨床応用されている。5-HT2C作動薬は、そのひとつであり、現在、抗肥満薬として広く使用されている。他にもうつ病や統合失調症などの中枢性疾患、代謝性疾患、尿失禁などが可能性のある適用症として示唆されている(非特許文献5)。鎮痛薬としての可能性も多く報告されており、最近になって線維筋痛症適用の可能性が示された(特許文献1)。この報告では、新規の線維筋痛症モデル動物において、複数の5-HT2C作動薬の有効性を見出している。本発明者らは、これらの報告に注目し高活性かつ高い選択性を有する化合物群に、線維筋痛症の治療における高い有効性を示す可能性がある着想に至った(特許文献2)。
国際公開W2011-071136 号パンフレット 国際公開W2010-147226 号パンフレット
Arthritis Rheum,1995 Jan,38(1) 19-28 Am J Med, 2009 Dec, 122(12 Suppl), S22-30 Arthritis Care Res (Hoboken), 2010 May,62(5) 600-10 Best Pract Res Clin Rheumatol, 2011 Apr,25(2) 285-97 Expert Opin Ther Pat, 2010 Nov,20(11) 1429-55
薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有する、線維筋痛症の予防または治療薬の開発が望まれている。
本発明は、上記優れた性質を有する線維筋痛症の予防または治療薬等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記式(I)で表される化合物が、優れた線維筋痛症の予防または治療薬であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1] 式(I):
[式中、
又はRは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRは隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有する線維筋痛症の予防・治療剤;
[2]R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRが隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環を形成していてもよい、前記[1]記載の予防・治療剤;
などに関する。
本発明は、薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた性質を有する線維筋痛症の予防または治療薬等を提供することができる。
(発明の詳細な説明)
以下に本発明についてさらに詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。
本明細書中、「C1−6アルキル基」とは、炭素数1から6個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基が挙げられる。
本明細書中、「C1−4アルキル基」とは、炭素数1から4個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
本明細書中、「C1−3アルキル基」とは、炭素数1から3個を有する直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
本明細書中、「C4−8シクロアルキル基」とは、炭素数4から8個を有するシクロアルキル基を示し、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。
本明細書中、「隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環」とは、1乃至3個の「C1−6アルキル基」で置換されていてもよい、環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の芳香族複素環および非芳香族複素環を示す。
ここで「環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の芳香族複素環」としては例えばピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、フラザン、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンが挙げられ、「環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、当該窒素原子以外にさらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」としては例えばアゼチジン、1,3−オキサゼチジン、ジヒドロオキサゾリン、ジヒドロイミダゾリン、ジヒドロチアゾリン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、1,4−オキサゼパン、1,4−ジアゼパン、1,4−チアゼパン、アゾカン、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカンが挙げられる。
「隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環」としては、例えば、2−メチルピロリジン、2−(メトキシメチル)ピロリジン、2−メチルピペリジン、モルホリン、(3R)−3−メチルモルホリン、(3R)−3−エチルモルホリン、2,5−ジメチル−1H−ピロール、2−メチル−1H−イミダゾールが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環」とは、「C1−6アルキル基」で置換されていてもよい、(1)原子数が4乃至8個のシクロアルカン、及び/又は(2)原子数が4乃至8個の非芳香族複素環を示す。
前記(1)「原子数が4乃至8個のシクロアルカン」とは、炭素数4から8個を有するシクロアルカンを示し、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタンが挙げられる。
前記(2)「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する原子数が4ないし8個の非芳香族複素環を示し、例えば、アゼチジン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン、オキソカン、チオカンが挙げられる。
が、水素原子又はC1−6アルキル基を示す場合、好ましくはC1−6アルキル基を示し、より好ましくはC1−4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
が、水素原子又はC1−6アルキル基を示す場合、好ましくはC1−6アルキル基を示し、より好ましくはC1−4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基が挙げられる。
式(I)における好ましい態様としては、R及びRが共にC1−6アルキル基であり、より好ましくは、R及びRが共にC1−4アルキル基である。
式(I)における別の態様では、R及びRは、隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環(「複素環」としては非芳香族複素環が好ましい。)を形成していてもよく、この場合の「C1−6アルキル基」の好ましい範囲としては、C1−3アルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基であり、その置換基の数は1乃至3、好ましくは1であり、R及びRとしては、好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環であり、さらに好ましくはピロリジン、ピペリジン、モルホリン、であり、特に好ましくは、モルホリンである。
式(I)における好ましい態様としては、R及びRは、隣接する窒素原子と一緒になって、1乃至3個のC1−3アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環を形成し、より好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、1個のC1−3アルキル基で置換されており、さらに酸素原子を1乃至3個含んでいてもよい4乃至8員非芳香族複素環であり、特に好ましくは隣接する窒素原子と一緒になって、1個のC1−3アルキル基で置換されたモルホリンであり、中でもエチル基で置換されたモルホリンが好ましい。
及びRが共にC1−4アルキル基である式(I)の化合物が最も好ましい。
さらに、本願の別の態様としては、
式(II):

[式中、
、R又はRは、同一又は異なって、水素原子又は(1)ヒドロキシ基、(2)アミノ基、及び(3)スルファニル基から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R及びR又はR及びRは結合して、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環を形成していてもよい]で示される化合物またはその塩を含有する線維筋痛症の予防・治療剤が挙げられる。
、R又はRとしては、例えば、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、スルホニルメチル基が挙げられる。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、(1)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC4−8シクロアルカン、又は(2)C1−6アルキル基で置換されていてもよい、原子数が4乃至8個の非芳香族複素環が挙げられる。
及びRによって形成される「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する原子数が4ないし8個の非芳香族複素環を指し、前記例示のうち、例えばアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン、オキソカン、チオカンが挙げられる。
及びRが結合して、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環と形成していてもよいとは、C1−6アルキル基で置換されていてもよい原子数が4乃至8個の非芳香族複素環を形成していてもよいことを指し、R及びRによって形成される「原子数が4乃至8個の非芳香族複素環」としては、前記例示のうち、例えばアゼチジン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキサゼパン(例、1,3−オキサゼパン、1,4−オキサゼパン)、ジアゼパン(例、1,3−ジアゼパン、1,4−ジアゼパン)、チアゼパン(例、1,3−チアゼパン、1,4−チアゼパン)、アゾカン、オキサゾカン(例、1,4−オキサゾカン、1,5−オキサゾカン)、ジアゾカン(例、1,4−ジアゾカン、1,5−ジアゾカン)、チアゾカン(例、1,4−チアゾカン、1,5−チアゾカン)、が挙げられる。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
は好ましくは、水素原子又はC1−3アルキル基である。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、ピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子とが一緒になって形成する、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環が好ましく、より好ましくは無置換のモルホリン環が挙げられる。
及びRが結合して形成してもよい、C1−6アルキル基で置換されていてもよい4乃至8員環としては、好ましくはC4−6シクロアルカンが挙げられる。
式(II)における好ましい態様としては、R、R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基である態様が挙げられ、さらに好ましくは、R、R又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−3アルキル基である態様が挙げられ、特に好ましくはRが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子又はC1−3アルキル基である態様が挙げられる。
式(II)における別の好ましい態様としては、Rが、水素原子又はC1−6アルキル基を示し、R及びRが隣接する炭素原子と一緒になって、C4−6シクロアルカンを形成している態様が挙げられ、さらに好ましくは、Rが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRが隣接する炭素原子と一緒になって、C4−6シクロアルカンを形成している態様が挙げられる。
また、式(II)における別の好ましい態様としては、Rが、水素原子又はC1−6アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよい、モルホリン環を形成している態様が挙げられ、さらに好ましくは、Rが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよい、モルホリン環を形成している態様が挙げられ、特に好ましくはRが、水素原子又はC1−3アルキル基を示し、R及びRがピラジン環に結合する窒素原子及びその隣接する炭素原子と一緒になって、モルホリン環を形成している態様が挙げられる。
が水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子又はC1−3アルキル基である式(II)の化合物が最も好ましい。
より具体的な本願発明化合物(I)又は(II)としては、
3−(3−メチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
3−(3−エチルモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(好ましくは、3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン)またはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−((1R)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、及び
N−メチル−N−((1S)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩が挙げられ、好ましくは、
3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩、
3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピンまたはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、
N−メチル−N−((1R)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩、及び
N−メチル−N−((1S)−1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミンまたはその塩が挙げられる。
次に化合物(I)又は(II)の製造法について述べる。
化合物(I)又は(II)は、国際公開WO2010/147226に記載の自体公知の方法またはそれに準ずる方法、あるいは、国際公開WO2010/132015に記載の自体公知の方法に準ずる方法によって得ることができる。
化合物(I)又は(II)が塩である場合、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
化合物(I)又は(II)は、水和物、非水和物、溶媒和物、無溶媒和物のいずれでもよい。
同位元素(例、3H, 11C,14C, 18F 35S,125I等)等で標識された化合物も、化合物(I)又は(II)に包含される。
また、化合物(I)又は(II)のHをH(D)に変換した重水素変換体も化合物(I)又は(II)に包含される。
化合物(I)又は(II)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)又は(II)として包含されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法(例えば、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)又は(II)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)又は(II)に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)と塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(東ソー社製)あるいは、CHIRALシリーズ(ダイセル化学工業社製)等のキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液等)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン等)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えばガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)等を経て単一物質とした後、加水分解反応等の化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)又は(II)が分子内にヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)等とを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)又は(II)がカルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
化合物(I)又は(II)は、結晶であってもよい。化合物(I)又は(II)は単一の結晶形を有していてもよく、また複数の結晶形の混合物であってもよく、いずれも化合物(I)又は(II)に包含される。
化合物(I)又は(II)の結晶は、化合物(I)又は(II)に自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
ここで、結晶化法としては、例えば、溶液からの結晶化法、蒸気からの結晶化法、溶融体からの結晶化法等が挙げられる。
該「溶液からの結晶化法」としては、化合物の溶解度に関係する因子(溶媒組成、pH、温度、イオン強度、酸化還元状態等)または溶媒の量を変化させることによって、飽和していない状態から過飽和状態に移行させる方法が一般的であり、具体的には、例えば濃縮法、徐冷法、反応法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法等が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ケトン類(例、アセトン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは二種以上を適当な割合(例、1:1ないし1:100(容積比))で混合して用いられる。必要に応じて種晶を使用することもできる。
該「蒸気からの結晶化法」としては、例えば気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法等が挙げられる。
該「溶融体からの結晶化法」としては、例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相エピタキシー法)等が挙げられる。
結晶化法の好適な例としては、化合物(I)又は(II)を20〜120℃の温度下で、適当な溶媒(例、メタノール、エタノール等のアルコール類、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等)に溶解し、得られる溶液を溶解時の温度以下(例、0〜50℃、好ましくは0〜20℃)に冷却する方法等が挙げられる。その際、窒素ガス等を気流させ、溶媒を蒸発させてもよい。
このようにして得られる本発明の化合物(I)又は(II)の結晶は、例えばろ過等によって単離することができる。
得られた結晶の解析方法としては、粉末X線回折による結晶解析の方法が一般的である。さらに、結晶の方位を決定する方法としては、機械的な方法または光学的な方法等も挙げられる。
化合物(I)又は(II)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
上記の製造法で得られる化合物(I)又は(II)の結晶は、高純度、高品質であり、吸湿性が低く、通常条件下で長期間保存しても変質せず、安定性に極めて優れている。また、生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現等)にも優れ、医薬として極めて有用である。
化合物(I)又は(II)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)又は(II)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)又は(II)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)又は(II)に変化する化合物をいう。化合物(I)又は(II)のプロドラッグとしては、化合物(I)又は(II)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物[例、化合物(I)又は(II)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など];化合物(I)又は(II)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(I)又は(II)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)又は(II)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物[例、化合物(I)又は(II)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など]などが挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)又は(II)から製造することができる。
また、化合物(I)又は(II)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)又は(II)に変化するものであってもよい。
化合物(I)又は(II)は、前記化合物(I)又は(II)のプロドラッグをも包含する。
化合物(I)又は(II)またはそのプロドラッグ(以下、「本発明の化合物」と略記する場合がある)は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対する、以下に記載する疾患の予防または治療のために有用である。
(1)線維筋痛症
(2)その他の疼痛:例えば、神経障害性の疼痛及び術後疼痛、慢性腰痛、ヘルペス神経痛、幻肢痛、中枢痛、歯痛、オピオイドに抵抗する痛み、内臓痛、手術痛、骨損傷の痛み、陣痛、日焼けを含む火傷による疼痛、分娩後痛及び狭心痛に関連する疼痛をいう。この用語はまた、侵害受容性疼痛又は痛覚を含む。
本発明の化合物は特に優れた線維筋痛症の予防・治療の効果を有する。
さらに、本発明の化合物は、優れた吸収性を有し、毒性が低く、かつ安全であることから、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対する線維筋痛症の予防または治療のために有用である。
化合物(I)又は(II)を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、または薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。徐放性製剤の調製は、特開平9−263545号公報に記載の方法に準ずることができる。
本発明の医薬において、本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤全体に対して0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%程度である。
投与量は化合物(I)又は(II)の種類、投与ルート、症状、患者の年令などによっても異なるが、成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kgあたり化合物(I)又は(II)として約0.005〜50mg、好ましくは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回程度に分割投与できる。
本発明の医薬組成物が徐放性製剤である場合の投与量は、化合物(I)又は(II)の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、ブタ等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1〜約100mgの化合物(I)又は(II)が投与製剤から放出されるようにすればよい。
本発明の医薬は、本発明の化合物を、そのまま、或いは適宜の薬理学的に許容され得る担体、例えば、賦形剤(例、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(例、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等)、希釈剤(例、注射用水、生理食塩水等)、必要に応じて添加剤(例、安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、緩衝剤、等張化剤等)等と常法により混合し、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位等への投与および直接的な病巣への投与)に安全に投与することができる。本発明の医薬は局所投与製剤に成形して関節疾患の患部に直接投与することもできる。この場合は、注射剤とするのが好ましい。
例えば、注射剤とするには、本発明の化合物を分散剤(例、Tween80、HCO−60等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシウム等)、pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)等と共に水性懸濁剤とすることにより、実用的な注射用製剤が得られる。また、本発明の化合物を、ゴマ油、コーン油等の植物油若しくはこれにレシチン等のリン脂質を混合したもの、又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812等)と共に分散して油性懸濁剤とすることにより、実際に使用できる注射剤とすることができる。
本発明の予防・治療薬においては、他の薬剤と共に用いることもできる。
本願発明において配合又は併用し得る薬剤(以下、併用薬物と略記する)としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
(1)抗うつ薬
例えば、ノルアドレナリンおよびセロトニン取り込み阻害物質(デュロキセチン、ミルナシプランなど)、セロトニン取り込み阻害物質(フルボキサミンなど)、三環系抗うつ薬(アミノトリプチンなど)。
(2)睡眠導入・睡眠改善薬
例えば、ベンゾジアゼピン系薬剤(フルパゼパムなど)、メラトニン系薬剤(メラトニン、ラメルテオンなど)、ナトリウムオキシベート。
(3)抗痙攣薬
例えば、ガバペンチン、プレガバリン。
(4)鎮痛薬
例えば、オピオイド(モルヒネ、トラマドールなど)、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカムなど)、アセトアミノフェン。
(5)筋弛緩薬
例えば、シクロベンザプリン、チザニジン。
併用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
併用の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明の化合物を投与した後の併用薬物の投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
本発明の化合物と併用薬物とを併用する際の医薬(以下、「本発明の併用剤」と略記する)において、本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
投与量は本発明の化合物または薬学上許容可能なその塩の種類、投与ルート、症状、患者の年令等によっても異なるが、例えば、腹圧性尿失禁、肥満および/または骨盤臓器脱の成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kg当たり本発明の化合物として約0.005〜50mg、好ましくは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回程度に分割投与できる。
本発明の併用剤が徐放性製剤である場合の投与量は、本発明の化合物の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウサギ、牛、豚等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1〜約100mgの本発明の化合物が投与製剤から放出されるようにすればよい。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明の化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
本発明の医薬は低毒性であり、安全に使用することができる。特に以下に示す実施例化合物は、経口投与されたときの吸収性において優れているので、経口用製剤として有利に使用できる。
本発明は、更に以下の参考例、実施例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
参考例1
3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩


8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(124mg)、20%Pd(OH)/C(60mg)およびメタノール(3mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.28mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(62.6mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.15(d,3H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.39−3.55(m,3H),3.56−3.65(m,1H),3.67−3.76(m,1H),3.82−3.99(m,2H),4.24−4.35(m,3H),4.38(dt,J=4.43,2.50Hz,2H),7.98(s,1H),9.59(brs,2H)
8−ベンジル−3−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(733mg)、20%Pd(OH)/C(300mg)およびメタノール(5mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(3mL)溶液に1N塩酸(1.8mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物の結晶(418mg,68%)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=5.14、9.76、10.36、12.24、15.62、16.14、16.96、18.98、20.66、20.90、22.68、23.74、24.86
参考例2
N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルエチル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(79mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(2mL)溶液に1N塩酸(0.19mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(37.3mg,57%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.12(d,6H),2.85(s,3H),3.49(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.30(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.66(quintet,J=6.69Hz,1H),7.85(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 223(M+H)
上記で得られた無色結晶(300mg)をメタノール(約6mL)に溶解し、ろ過した。ろ液を5℃で撹拌しながら、窒素気流下溶媒を蒸発させ、析出した結晶をろ取することにより、標題化合物の結晶(280mg)を得た。
粉末X線結晶回折:2θ(°)=8.10、10.26、12.90、16.28、16.70、19.98、23.02、24.14、24.60、26.04
参考例3
3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン 塩酸塩


8−ベンジル−3−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン(130mg)、20%Pd(OH)/C(80mg)およびメタノール(2mL)の混合物を、水素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。不溶物をろ過にて除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた油状物のメタノール(1mL)溶液に1N塩酸(0.27mL)を加え、減圧下で濃縮した。得られた粗結晶を再結晶(エタノール−ジイソプロピルエーテル)で精製することにより標題化合物(66.7mg,60%)を無色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.84(t,J=4.90Hz,3H),1.46−1.86(m,2H),3.12(td,J=12.72,3.96Hz,1H),3.37−3.56(m,4H),3.75−4.02(m,3H),4.05−4.18(m,1H),4.31(s,2H),4.38(d,J=4.14Hz,2H),7.99(s,1H),9.53(brs,2H)
ESI−MS(free base):m/z 265(M+H)
参考例4
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


8−ベンジル−N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン(0.64g)のメタノール溶液(20mL)に20%Pd(OH)/C(0.13g)を加え、水素雰囲気下50℃で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物の酢酸エチル溶液(20mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(540μL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.44g,82%)を淡黄色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.38Hz,3H),1.09(d,J=6.82Hz,3H),1.53(tq,J=13.68,6.78Hz,2H),2.82(s,3H),3.49(br.s,2H),4.30(brs,2H),4.33−4.41(m,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.58(br.s,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
参考例5
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


(工程1)
N−メチル−N−(1−メチルプロピル)−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩(0.38g)のテトラヒドロフラン−酢酸エチル(1:1、20mL)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(8.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を再度酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をダイセル化学工業(株)製CHIRALPAKAD JG0001、50mmID×500mmL(溶媒:80%エタノール/ヘキサン)により光学分割し、保持時間12.1分の化合物A(147mg,>99.9%ee)と保持時間15分の化合物B(146mg,99.8%ee)をそれぞれ無色油状物として得た。
(工程2)
上記工程1で得られた化合物A(147mg,>99.9%ee)の酢酸エチル溶液(6mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.11g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.76(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.40Hz,3H),1.53(dq,J=13.70,6.99Hz,2H),2.82(s,3H),3.47(dt,J=4.62,2.40Hz,2H),4.28(s,2H),4.37(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.86(s,1H),9.73(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
参考例6
N−メチル−N−[(1RまたはS)−1−メチルプロピル]−6,7,8,9−テトラヒドロピラジノ[2,3−f][1,4]オキサゼピン−3−アミン 塩酸塩


参考例5の工程1で得られた化合物B(146mg,99.8%ee)の酢酸エチル溶液(6mL)に4N塩酸−酢酸エチル溶液(170μL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、得られた結晶を再結晶(メタノール−酢酸エチル)により精製し、標題化合物(0.10g,65%)を無色粉末として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ0.75(t,J=7.35Hz,3H),1.09(d,J=6.78Hz,3H),1.45−1.62(m,2H),2.82(s,3H),3.48(dt,J=4.33,2.35Hz,2H),4.29(s,2H),4.36(dt,J=4.52,2.26Hz,2H),4.41−4.54(m,1H),7.87(s,1H),9.54(brs,2H).
ESI−MS(free base):m/z 237(M+H)
実施例1
例えば非特許文献(Nagakuraら、Pain 2009、146、26-33)に記載の方法に準じて、ラットを用いてレセルピンの反復投与によるモノアミンの枯渇によって誘発される筋圧痛閾値や皮膚痛覚閾値の低下を指標として代表化合物の効果を測定する。
具体的には、Sprague Dawleyラット(チャールズリバーまたは日本エスエルシー)に対してレセルピン1 mg/kgを1日1回、3日間皮下投与し(レセルピン(シグマアルドリッチ)は、氷酢酸にて溶解し、最終濃度0.5%となるよう蒸留水にて希釈する。投与容量は1 mL/kgとする。)、3-8日後に疼痛試験をRandall-Selitto法あるいはvon-Frey hair testにて実施する。Randall-Selitto法の場合、ラット保定後、ラット後肢にAnalgesy meter(Ugo Basile、Milan、Italy)を用いて機械的に加圧刺激を加え、仮性逃避反応を示した時の測定値を評価する。 von-Frey hair testの場合、ラットを金網観察ケージに移動させた後、von Frey Filament (Electronic von Frey、IITC Inc. Life Science、CA、USA等)をラット後肢足蹠部に当て、回避反応を示す閾値を測定する。化合物投与前値を測定した後、化合物を投与して一定時間後にそれぞれ逃避閾値を測定し、鎮痛効果を判定する。
製剤例1(経口投与の場合)
試験化合物を、0.5%メチルセルロースに溶解しまたは懸濁させ、経口投与剤とする。投与容量は5 mL/kgとする。
製剤例2(皮下投与の場合)
生理食塩水またはジメチルアセトアミドとポリエチレングリコール400の1:1混合液を調整し、試験化合物を、当該混合液に溶解させ、皮下投与剤とする。投与容量は、1-2.5 mL/kgとする。
本発明は、薬効、作用時間、低毒性等の点で優れた線維筋痛症の予防または治療薬を提供できる。

Claims (2)

  1. 式(I):

    [式中、
    又はRは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRは隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよく、さらに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員複素環を形成していてもよい。]で示される化合物またはその塩を含有する線維筋痛症の予防・治療剤。
  2. 又はRが、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基を示すか、あるいは、R及びRが隣接する窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基で置換されていてもよいモルホリン環を形成していてもよい、請求項1記載の予防・治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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