JP2012513666A - 芳香族リン化合物を含む電池用電解質溶液 - Google Patents

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Abstract

電池用電解質溶液は、0.01から80重量%の芳香族リン化合物を含む。芳香族リン化合物は、向上した熱安定性を電解質に付与し、熱劣化、熱暴走反応、および燃焼の可能性を低減する助けとなる。芳香族リン化合物は、電池の電気的特性に殆ど悪影響を及ぼさず、ある場合には実際に電池の性能を向上させる。

Description

本出願は、2008年12月23日に出願された米国特許仮出願第61/140579号による優先権を主張する。
本発明は、芳香族リン添加剤を含む非水電解質溶液に関する。
リチウム電池は、自動車および多くのタイプの電子機器に1次および2次電池として広く用いられている。これらの電池は、大きなエネルギー密度およびパワー密度を有する傾向があり、その理由で、多くの用途に好んで用いられる。リチウム電池の電解質溶液は必然的に非水タイプである。非水電解質溶液は、通常、有機溶媒中または有機溶媒の混合物中のリチウム塩の、大きな誘電体含量の溶液である。様々な線状および環状カーボネートが一般に用いられるが、特定のエステル、アルキルエーテル、ニトリル、スルホン、スルホラン、スルトンおよびシロキサンもまた溶媒として役立ち得る。多くの場合、溶媒はこれらの材料の2種以上を含み得る。ポリマーゲル電解質溶液もまた知られている。
それらは、高濃度の有機材料を含むので、これらの電解質溶液は、高い温度に影響を受け易い。それらは、分解し得る、暴走発熱反応に関わり得る、または悪条件に曝されると燃焼さえし得る。リチウム電池は、過充電、過放電、短絡状態、および機械的または熱的酷使に起因して燃え出すことが知られている。燃えることは別にして、電池寿命の著しい低下を含めて、他の問題が起こり得る。したがって、電解質を安定化させる助けとなるように、添加剤が、リチウム電池の電解質溶液に組み入れられている。
かなりの数のリン化合物が、電池用電解質溶液のための難燃剤または「熱暴走防止剤」として示唆されている。これらには、様々なホスフィンオキシド(O:PR)、ホスフィナイト(P(OR)R)、ホスホナイト(P(OR)R)、ホスファイト(P(OR))、ホスフィネート(O:P(OR)R)、ホスホネート(O:P(OR)R)、ホスフェート(O:P(OR))、およびホスファゼン(−N=PR−)化合物が含まれる。
これらのリン化合物は、完全に満足のいくものではない。あるものは、有効であるためには非常に大量に添加されなければならない。別のものは、電解質溶液中の非水溶媒、リチウム塩または他の添加剤と、あるいはアノードまたはカソード材料と相互作用する。さらに別のものは、電池の性能に悪影響を及ぼす。
妥当なレベルの良好な安定化をもたらし、電解質溶液中の他の成分またはアノードもしくはカソードと不都合に相互作用せず、また、電池の性能に、殆どまたは全く悪影響を及ぼさない、電池用非水電解質溶液のための添加剤を提供することは望ましいであろう。
本発明は、一態様において、少なくとも1種のリチウム塩、およびリチウム塩が溶ける非水溶媒を含む電池用電解質溶液であり、ここで、電池用電解質溶液の重量の0.01から80%は、構造Iによって表される少なくとも1種の芳香族リン化合物である。
式中、Aは、1つまたは複数の芳香族環を含む基であり;各Rは、独立に、1、2もしくは3個の炭素原子を含むことができ、A基の芳香族環の炭素原子に直接結合した2価アルキレン基であり;各Rは、独立に、水素、ハロゲン、OH、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、または12個までの炭素原子を有するアルコキシル基であるか;あるいは、同じリン原子に結合した2つのR基は一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成していてもよく;xは、少なくとも2の整数である。
本発明はまた、アノード、カソード、アノードとカソードの間に配置されたセパレータ、ならびにアノードおよびカソードに接触している電池用非水電解質溶液を含む電池であり、ここで、電池用電解質溶液は、少なくとも1種のリチウム塩、リチウム塩が溶ける非水溶媒を含み、電池用電解質溶液の重量の約0.01から80重量%が、構造Iによって表される少なくとも1種の芳香族リン化合物である。
本明細書において記載されている芳香族リン化合物は、電池用電解質溶液に良好な熱安定化を付与する。この電池用電解質溶液は、熱劣化に抵抗する傾向があり、熱暴走反応に関わる可能性が低く、燃焼に対する抵抗力がある。驚くべきことに、これらの芳香族リン化合物は、時に、電池容量利用率、電池の放電出力特性(rate capability)および/またはサイクル安定性を実際に向上させる。
本発明による2つの電池および3つの比較電池についての4C放電曲線のグラフである。 本発明による3つの電池および3つの比較電池についての4C放電曲線のグラフである。 本発明による2つの電池および2つの比較電池についての4C放電曲線のグラフである。 本発明による3つの電池および比較電池についての4C放電曲線のグラフである。
特定の好ましい実施形態において、電池用電解質溶液は、(a)下でさらに説明される1種または複数のリン−硫黄化合物、(b)少なくとも1つの脂肪族炭素−炭素2重結合を含む1種または複数のカーボネート化合物、(c)少なくとも1種のスルトン化合物、または(d)上記のいずれかの2種以上の混合物をさらに含む。このような好ましい電解質溶液を含む電池は、特に良好なサイクル安定性を有する傾向があり、この電解質溶液の熱安定性は、これらの場合、サイクルを繰り返した後でさえ、非常に良好なままである傾向がある。
構造Iにおける各R基は、独立に、違っていてもよく、好ましくは8個までの炭素原子、より好ましくは4個までの炭素原子、より一層好ましくは1から3個の炭素原子を有するアルコキシル基である。アルコキシルR基は、線状もしくは分岐状であってよく、ハロゲン(特に、フッ素、塩素もしくは臭素)またはアルコキシルのような置換基を含んでいてもよい。1つのリン原子に結合した2つのアルコキシル基Rは一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成していてもよい。このような環構造は、構造IIによって表すことができる。
式中、Rは、エーテル結合、ハロゲンまたはアルコキシル基により置換されていてもよい2価アルキレン基である。構造Iにおける特に好ましいR基は、メトキシル、エトキシル、イソプロポキシルおよびn−プロポキシルである。
構造Iにおける各R基は、好ましくは、メチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)またはイソプロピレン(−CH−CH(CH)−)であり、メチレンが最も好ましい。構造Iにおける各R基は、A基の芳香族環の炭素原子に直接結合している。
構造IのA基は、少なくとも1つの芳香族環を含む。それは、2つ以上の芳香族環を含み得る。複数の芳香族環が存在する場合、これらの環は、縮合環構造として接合されていても(ナフタレンにおけるように)、共有結合によって連結されていても(ビフェニル化合物におけるように)、1つまたは複数の脂肪族または脂環式基を介して連結されていても、あるいは、ヘテロ原子含有基(例えば、エーテル、エステル、アミノ、アミド、カーボネート、または−SO−結合)を介して連結されていてもよい。
基に含まれる芳香族環は、−R−P(O)−(R基以外の置換および他の環への任意の結合を含み得る。このような置換基の例には、ハロゲン、ヒドロキシル、線状もしくは分岐状鎖のアルキル(好ましくは、4個までの炭素原子を含む)、アルコキシル(好ましくは、4個までの炭素原子を含む)、または線状もしくは分岐状鎖のアルケニル(好ましくは4個までの炭素原子を含む)が含まれる。
好ましい芳香族リン化合物は、構造IIIを有する。
式中、各Rは、独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜3アルキル、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、R、R、およびxは、構造Iに関して定義された通りである。R基は、最も好ましくは、水素またはC1〜3アルキルである。
xの値は、好ましくは2から4であり、より好ましくは2から3である。
有用な芳香族ホスホネート化合物類の中には、構造IVまたはVを有するものがある。
式中、それぞれの場合において、各Rは、独立に、1から8個、好ましくは1から4個、より好ましくは1から3個の炭素原子を有するアルキルであり、Rは、構造IIIに関して定義された通りである。好ましくは、構造IVおよびVにおける各Rは、独立に、メチル、エチル、またはイソプロピルであり、各Rは、好ましくは、水素またはC1〜3アルキルである。構造IVにおいて、ホスホネート基は、それらの1つを1位に置いた場合、ベンゼン環の1,2,3−、1,2,4−、または1,3,5−位にあり得る。構造Vにおいて、ホスホネート基は、ベンゼン環上で互いの関係が、オルト、メタまたはパラ位にあり得る。
本明細書において有用である具体的な芳香族リン化合物には、以下が含まれる。
構造VIおよびXの芳香族リン化合物が特に好ましい。
芳香族リン化合物の2種以上の混合物が使用され得る。特に重要な混合物は、xの値が少なくとも3で、好ましくは3または4である構造IIIの芳香族リン化合物が10から95重量%、および、xの値が2である構造IIIの第2芳香族リン化合物が5から90重量%の混合物である。2つの芳香族リン化合物の重量比は、好ましくは、重量で、30:70から70:30、または40:60から60:40である。このような混合物の存在は、存在する構造IIIの化合物の全てが、xが3以上であるものである場合に比べて、電池用電解質を、より貯蔵安定性にすることが見出された。
(1種または複数の)芳香族リン化合物は、電池用電解質溶液の全重量の約0.01から80%のように多くまでを占め得る。しかし、本発明の利点は、芳香族リン化合物が、通常、低レベルの添加で効果的であるということである。したがって、芳香族リン化合物は、好ましくは、電池用電解質溶液の全重量の15%超を、より好ましくは10%を占めない。特に好ましい量は、電池用電解質溶液の全重量の5%までである。好ましい下限の量は、電解質溶液の全重量の少なくとも0.1%である。
電池用電解質溶液の他の主な成分は、リチウム塩、およびリチウム塩のための非水溶媒である。
リチウム塩は、電池用途に適するどのようなものであってもよく、それらには、無機リチウム塩、例えば、LiAsF、LiPF、LiB(C、LiBF、LiBF、LiClO、LiBrO、およびLiIO、ならびに有機リチウム塩、例えば、LiB(C、LiCHSO、LiN(SO、およびLiCFSOが含まれる。LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、およびLiN(SOCFが好ましいタイプであり、LiPFが、特に好ましいリチウム塩である。
リチウム塩は、適切には、少なくとも0.5モル/(1リットルの電解質溶液)、好ましくは少なくとも0.75モル/リットルで、3モル/リットルまで、より好ましくは1.5モル/リットルまでの濃度で存在する。
非水溶媒は、例えば、1種または複数の線状アルキルカーボネート、環状カーボネート、環状エステル、線状エステル、環状エーテル、アルキルエーテル、ニトリル、スルホン、スルホラン、シロキサンおよびスルトンを含み得る。上記のタイプのいずれかの2種以上の混合物が使用され得る。環状エステル、線状アルキルカーボネート、および環状カーボネートが、好ましいタイプの非水溶媒である。
適切な線状アルキルカーボネートには、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどが含まれる。適切な環状カーボネートには、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンなどが含まれる。適切な環状エステルには、例えば、γ−ブチロラクトン、およびγ−バレロラクトンが含まれる。環状エーテルには、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが含まれる。アルキルエーテルには、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンなどが含まれる。ニトリルには、モノニトリル、例えば、アセトニトリルおよびプロピオニトリル、ジニトリル、例えばグルタロニトリル、ならびにこれらの誘導体が含まれる。スルホンには、対称スルホン、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなど、非対称スルホン、例えば、エチルメチルスルホン、プロピルメチルスルホンなど、ならびにこれらの誘導体が含まれる。スルホランには、テトラメチレンスルホランなどが含まれる。
好ましい溶媒混合物のいくつかには、15:85から40:60の重量比の環状カーボネートと線状アルキルカーボネートの混合物;20:80から60:40の重量比の環状カーボネート/環状エステルの混合物;20〜48:50〜78:2〜20の重量比の環状カーボネート/環状エステル/線状アルキルカーボネートの混合物;70:30から98:2の重量比の環状エステル/線状アルキルカーボネートの混合物;が含まれる。
特に重要な溶媒混合物は、15:85から40:60の重量比の炭酸エチレンと炭酸プロピレンの混合物;15:85から40:60の重量比の炭酸エチレンと炭酸ジメチルの混合物;20〜48:50〜78:2〜20の重量比の炭酸エチレン、炭酸プロピレンおよび炭酸ジメチルの混合物;ならびに、15:85から40:60の重量比の炭酸プロピレンと炭酸ジメチルの混合物;である。
電池用電解質溶液には、すでに挙げた成分以外に、様々な他の添加剤が存在し得る。これらには、例えば、グラファイト電極表面で固体電解質界面の形成を促進する添加剤;様々なカソード保護剤;リチウム塩安定化剤;リチウム堆積向上剤;イオン溶媒和向上剤;腐食防止剤;湿潤剤;難燃剤;および粘度低下剤が含まれ得る。これらのタイプの多くの添加剤が、Zhang、「A review on electrolyte additives for lithium−ion batteries」、J. Power Sources 162(2006)1379〜1394に記載されている。
固体電解質界面(SEI)形成を促進する作用剤には、様々な重合性のエチレン性不飽和化合物、様々な硫黄化合物、ならびに他の材料が含まれる。適切なカソード保護剤には、N,N−ジエチルアミノトリメチルシランおよびLiB(Cのような材料が含まれる。リチウム塩安定化剤には、LiF、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイト、1−メチル−2−ピロリジノン、フッ素化カルバメート、およびヘキサメチルホスホラミドが含まれる。リチウム堆積向上剤の例には、二酸化硫黄、ポリスルフィド、二酸化炭素、界面活性剤(例えばテトラアルキルアンモニウムクロリド)、パーフルオロオクタンスルホン酸のリチウム塩およびテトラエチルアンモニウム塩、様々なパーフルオロポリエーテルなどが含まれる。クラウンエーテルは、適切なイオン溶媒和向上剤であり得るし、様々なボレート化合物、ホウ素化合物およびボロール化合物もそうである。LiB(C、およびLiFは、アルミニウム腐食防止剤の例である。シクロヘキサン、トリアルキルホスフェートおよび特定のカルボン酸エステルは、湿潤剤および粘度低下剤として有用である。ある材料、例えば、LiB(Cは、電解質溶液において複数の機能を果たし得る。
上記の様々な他の添加剤は、合わせて、電池用電解質溶液の全重量の20%まで、好ましくは10%までを占め得る。
構造IIIの化合物を含む電池用電解質は、構造XIIに対応する芳香族モノホスフェート化合物も含み得る。
式中、各R、RおよびRは、構造IおよびIIIに関して定義された通りである。構造XIIの化合物の存在は、構造IIIの化合物におけるxが3以上である場合に好ましい。構造IIIの化合物と構造XIIの化合物の重量比は、10:90から95:5であり得るが、好ましくは、30:70から70:30、または40:60から60:40である。構造XIIの化合物の存在は、xが3以上である構造IIIの化合物と併せて、構造III(式中、xは3以上である)の化合物だけが存在する場合に比べて、電池用電解質を、より貯蔵安定性にすることが見出された。構造XIIの適切な化合物の例は、以下である。
好ましい電池用電解質は、(a)少なくとも1種のリン−硫黄化合物、(b)脂肪族炭素−炭素不飽和を含む少なくとも1種のカーボネート、(c)少なくとも1種のスルトン化合物、または(d)これらのいずれかの2種以上の混合物を含む。これらの化合物の1種または複数の存在は、これらの電解質溶液を含む電池のサイクル安定性を、さらには、サイクル繰返し後の溶液の熱安定性を、かなり向上させることが見出された。これらの化合物は、個々に、または集合として、電池用電解質溶液の全重量の0.001から20パーセントを占め得る。好ましい下限は、同じく電池用電解質溶液の全重量に対して、少なくとも0.01重量パーセントであり、好ましい上限量は10重量パーセントである。
適切なリン−硫黄化合物は、WO 08/88487に記載されており、その開示は、参照として本明細書に組み込まれる。このようなリン−硫黄化合物は、構造XIXによって表される。
式中、Xは、酸素または硫黄であり、Tは、共有結合、酸素または硫黄であるが、但し、XおよびTの少なくとも一方は硫黄であり、各X’は、独立に、酸素または硫黄であり、各mは、独立に、X’が酸素である場合、ゼロまたは1であり、X’が硫黄である場合、ゼロ、1または2であり、nは、少なくとも1であり、好ましくは少なくとも2であり、各Rは、独立に、非置換であるか、または不活性置換されたヒドロカルビル基であるか、あるいは、R基は一緒になって、非置換であるか、または不活性置換された2価の有機基を形成しており、Aは、有機連結基である。
適切なリン−硫黄添加剤の特定の有用なタイプは、構造XX、XXI、およびXXIIによって表すことができる。
式中、R、X、T、Aおよびnは、構造XIXに関して記載された通りであり、XおよびTの少なくとも一方は硫黄である。構造XIX、XX、XXIおよびXXIIにおいて、Tは、好ましくは、酸素または硫黄であり、最も好ましくは硫黄である。Xは、好ましくは硫黄であり、nは好ましくは少なくとも2である。構造XIX、XX、XXIまたはXXIIにおいて、R基は、例えば、非置換であるか、もしくは不活性置換された脂肪族基、脂環式基または芳香族基であり得る。「不活性」置換基は、添加剤のSEI形成特性をそれ程妨げないものである。不活性置換基は、例えば、エーテル、エステル、カルボニルまたはオキシラン基などのような酸素含有基であり得る。不活性置換基は、第1級、第2級または第3級アミノ基、イミノ基、アミド基またはニトロ基のような窒素含有基であり得る。不活性置換基は、硫黄、リンなどのような他のヘテロ原子を含み得る。
ヒドロカルビル基は、本発明の目的では、水素および炭素原子だけを含む基である。ヒドロカルビル基は、脂肪族、脂環式、芳香族またはこれらのタイプの2つ以上の何らかの組合せであり得る。
構造XIX、XX、XXI、またはXXIIにおけるR基は、好ましくは、非置換であるか、または不活性置換された低級アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなど)である。別の好ましい実施形態において、例えば、下の構造XXIIIに示されるように、2つのR基は一緒になって、それぞれ、−(X’)−P−(X’)−、−O−P−O−、−S−P−O−、または−S−P−S−の結合と共に環構造を完成する2価の有機基を形成している。
特に好ましいリン−硫黄添加剤は、構造XXIIIによって表される化合物である。
式中、X、n、およびAは、構造XIXに関して記載された通りであり(Xは好ましくは硫黄である)、各Rは、独立に、水素、アルキル、または不活性置換されたアルキルであり、Rは、共有結合または2価の連結基である。構造XXIIIにおいて、R基は、好ましくは、水素または低級アルキルであり、より好ましくは水素である。Rは、好ましくは、直鎖もしくは分岐状ヒドロカルビル基、−O−、または共有結合である。より好ましいR基は、R C基に直接結合した1個または複数の炭素原子でgem−2置換されたヒドロカルビル基である。R基は、最も好ましくは、R基が(ジメチル)メチレンである場合のように、ジアルキル置換されたメチレンである。
特に好ましいタイプのリン−硫黄添加剤は、構造XXIVによって表される。
ここで、X、nおよびAは、構造XIXに関して記載された通りである。Xは、好ましくは、硫黄である。
構造XIX〜XXIVにおけるA基は、有機連結基である。有機連結基は、様々な可能な構造を有し得る。有機連結基は、−T−結合(構造XIX〜XXIIにおいて)、または−S−原子(構造XXIIIおよびXXIVにおいて)に共有結合している。−T−または−S−結合は、有機連結基Aの炭素原子に結合していても有機連結基Aのヘテロ原子に結合していてもよいが、好ましくは、炭素原子に結合している。その炭素原子は、好ましくは、第1級または第2級炭素原子(すなわち、1または2個の別の炭素原子に結合している)であるが、第3級炭素原子(すなわち、3個の別の炭素原子に結合しているもの)は好ましさが劣る。
有機連結基Aの1つのタイプは、非置換であるか、または不活性置換されたヒドロカルビル基である。有機連結基Aは、任意の数の炭素原子を含み得るが、1個のリン原子当たりの分子量が、約1000ダルトンを超えず、より好ましくは約750ダルトンを超えず、特に500ダルトン未満であることが好ましい。リン−硫黄添加剤は、5から50重量%、またはこれを超える硫黄を含み得る。有機連結基Aは、脂肪族(線状または分岐状)、脂環式、芳香族、またはこれらの何らかの組合せであり得る。有機連結基Aの価数は、nに等しい。
構造XIX〜XXIVでの連結基Aの好ましい1つのタイプは、ベンジル炭素原子を通して、−T−または−S−結合に(場合に応じて)結合している。このタイプのA基を含むリン−硫黄添加剤の具体例は、次のように、構造XXV〜XXXIVに示される。
リン−硫黄基が、A基の芳香族環に直接結合していることもまた可能である。
脂肪族炭素−炭素不飽和を有する適切なカーボネート化合物には、炭酸ビニリジン、炭酸ビニルエチル、炭酸アリルエチルなどが含まれる。
スルトン化合物は、ヒドロキシルスルホン酸の環状スルホン酸エステルである。それらは、次のように、構造XXXVによって表すことができる。
式中、Rは、環構造が5から7個の原子を含むようなアルキレン基である。R基は、アルキル基により置換されていてもよい。適切なスルトン化合物の例は、1,3−プロパンスルトンである。
電池用電解質溶液は、リチウム塩、芳香族リン化合物、および使用され得る他の任意の添加剤を、非水溶媒に溶かすこと、または分散させることによって、都合よく調製される。混合の順序は、通常、決定的に重要ではない。得られる電池用電解質溶液の水含量は、できるだけ少なくすべきである。50ppm以下の水含量が望ましく、より好ましい水含量は30ppm以下である。様々な成分が、電解質溶液を生成する前に、個別に乾燥されてもよい、および/または、配合された電解質溶液が、残留水を除去するために乾燥されてもよい。選択される乾燥方法は、電解質溶液の様々な成分を劣化または分解させるべきではなく、それらの間の望ましくない反応を促進すべきではない。熱による方法を用いることができ、モレキュラーシーブのような乾燥剤を用いることもできる。
本発明の電池用電解質溶液を含む電池は、いずれの有用な構成のものであってよい。典型的な電池の構成は、アノードおよびカソードを、イオンがアノードとカソードの間の電解質溶液を通って移動できるように、アノードとカソードの間に置かれるセパレータおよび電解質溶液と共に、含む。組立品は、通常、ケースにパッケージ化される。電池の形状は限定されない。電池は、らせん状に巻かれたシート電極およびセパレータを含むシリンダー型であり得る。電池は、ペレット電極およびセパレータの組合せを含む、インサイドアウト構造を有するシリンダー型であってもよい。電池は、重ね合わされた電極およびセパレータを含むプレート型であってもよい。
適切なアノード材料には、例えば、天然または人工グラファイト、炭化ピッチ、炭素繊維、グラファイト化中間相マイクロスフィア、ファーネスブラック、アセチレンブラック、および様々な他のグラファイト化材料のような炭素質材料が含まれる。炭素質材料は、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、イソプレンゴム、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリエチレンまたはニトロセルロースのようなバインダーを用い、一体に固められていてもよい。適切な炭素質アノード、およびそれらの製造方法は、例えば、米国特許第7169511号に記載されている。
他の適切なアノード材料には、リチウム金属、リチウム合金、および他のリチウム化合物、例えばチタン酸リチウムアノードが含まれる。
適切なカソード材料には、無機化合物、例えば、遷移金属酸化物、遷移金属/リチウム複合酸化物、リチウム/遷移金属複合ホスフェート、遷移金属硫化物、金属酸化物、および遷移金属シリケートが含まれる。遷移金属酸化物の例には、MnO、V、V13、およびTiOが含まれる。遷移金属/リチウム複合酸化物には、リチウム/コバルト複合酸化物(その基本組成は、ほぼLiCoOである)、リチウム/ニッケル複合酸化物(その基本組成は、ほぼLiNiOである)、およびリチウム/マンガン複合酸化物(その基本組成は、ほぼLiMn、またはLiMnOである)が含まれる。これらの場合のそれぞれにおいて、コバルト、ニッケルまたはマンガンの部分は、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、またはZrのような1種または2種の金属と置き換えられていてもよい。リチウム/遷移金属複合ホスフェートには、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウム、リン酸コバルトリチウム、リン酸マンガン鉄リチウムなどが含まれる。有用な金属酸化物の例には、SnOおよびSiOが含まれる。有用な金属シリケートの例には、オルトケイ酸鉄リチウムが含まれる。
電極は、それぞれ、通常、集電体と電気的に接触している、または集電体上に形成されている。アノードに適する集電体は、金属または金属合金、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などからなる。カソードに適する集電体には、アルミニウム、チタン、タンタル、これらの2種以上の合金などからなるものが含まれる。
セパレータは、アノードとカソードが互いに接触し、短絡するに至ることを防ぐために、アノードとカソードの間に置かれる。セパレータは、都合よくは、非導電性材料から製造される。それは、動作条件下に、電解質溶液、または電解質溶液の成分のいずれかと反応性である、またはそれらに溶けるべきではない。ポリマーセパレータが、通常、適切である。セパレータを形成するのに適するポリマーの例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホンなどが含まれる。
電解質溶液は、セパレータを通して透過できなければならない。この理由で、セパレータは、通常、多孔質であり、多孔質シート、不織布または織布などの形態である。セパレータの多孔度は、通常、20%以上で、90%のような大きさに達する。好ましい多孔度は30から75%である。細孔は、それらの最長寸法が、通常、0.5ミクロン以下であり、好ましくは、0.05ミクロンまでである。セパレータは、通常、少なくとも1ミクロンの厚さであり、50ミクロンの厚さまで達し得る。好ましい厚さは5から30ミクロンである。
電池は、好ましくは、リチウム2次(再充電可能)電池である。このような電池では、放電反応は、アノードから電解質溶液へのリチウムイオンの溶解またはリチウム離脱(delithiation)、および同時に起こるカソードへのリチウムイオンの組入れを含む。充電反応は、逆に、電解質溶液からアノードへのリチウムイオンの組入れを含む。充電時に、リチウムイオンはアノード側で減少し、同時に、カソード材料中のリチウムイオンが電解質溶液に溶ける。
本明細書に記載されている芳香族リン化合物の存在は、熱劣化および暴走反応に対して電解質溶液を安定化すること、および/または、さもなければ電解質が燃え出す能力を低下させること、によって電池の安全性および電池の寿命を向上させる。熱劣化および暴走反応は、(1)電池への機械的損傷、これは、電池構造内部に短絡を生じさせ得る;(2)電池の熱的酷使、これは、主に、高温条件下での電池の保管および/または作動に起因する;および(3)過充電または電気的短絡の生成のような電気的条件;を含めて、いくつかの事情に起因して起こり得る。
過充電の状況は、リチウムに樹枝状構造を生成させ得る。樹枝状構造は、電解質溶液を通して、またカソードとアノードの間のセパレータを貫いて延び、短絡を引き起こし得る。短絡は、非常に短い時間に渡って、電解質溶液を通して非常に大きな電流が流れることを許し、熱を放出し得るので、この熱が、電解質溶液の劣化を、または暴走反応の発生をさえも引き起こし得る。暴走反応は、難燃剤または熱暴走防止剤が存在しなければ、電解質溶液の発火さえも引き起こし得る。たとえ電解質溶液が燃え出さないとしても、暴走反応によって放出される熱は、電池の寿命をひどく短くし得る。
非常に驚くべきことに、芳香族リン化合物の存在は、悪影響を及ぼすよりはむしろ、ある場合には、電池容量利用率、放電出力特性および/またはサイクル安定性を向上させ得ることが見出された。
サイクル安定性は、所与の充電/放電速度で、一定の回数の充電/放電サイクルを通して電池を作動させ、評価の開始時および終了時に電池の容量を測定することによって、評価できる。容量は、電池が充電され放電され続けるにつれて、低下する傾向がある。例えば、100回の1C充電/放電サイクルの後、電池の容量は、しばしば、開始時の容量の60〜70%に低下する。しかし、電池の電解質溶液が、芳香族リン化合物に加えて、上に記載された、1種または複数のリン−硫黄化合物、炭素−炭素不飽和を含むカーボネート、および/またはスルトン化合物を含む場合、サイクル安定性は、かなりより良好である傾向があり、100回の1C充電/放電サイクルの後、しばしば、80%以上の容量保持に近づく。
本発明の電池は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグ−インハイブリッド電気自動車、航空宇宙産業、e−バイクなどのような産業用途に使用され得る。本発明の電池はまた、多数の電気および電子デバイス、例えば、とりわけ、コンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA、MP3および他の音楽プレイヤー、テレビ、玩具、ビデオゲームプレイヤー、家庭電気器具、動力工具、医療デバイス(例えば、ペースメーカーおよび除細動器)を作動させるのにも有用である。
以下の実施例は、本発明を例示するために記載されるが、本発明の範囲を限定しようとするものではない。全ての部およびパーセンテージは、特に断らなければ、重量に基づく。
次の芳香族リン化合物が、以下の実施例において、添加剤として評価される。
(実施例1〜5および比較電池A〜F)
炭酸エチレンおよび炭酸ジエチルの50/50(体積による)混合物中、1.0MのLiPF溶液からなる対照電池用電解質溶液を、LiCoOのカソード、メソカーボンマイクロビーズ(Mesocarbon Microbead(MCMB))グラファイトのアノード、およびポリオレフィンセパレータを有する2025ボタン電池に導入する。ボタン電池は比較電池Aと呼ばれる。比較電池Aについての4C放電曲線を、Maccor 4000電池試験機を用い、周囲温度で、2回のC/10サイクルと、その後の5回の4Cサイクルを用いて作成する。その試験による代表的放電曲線を、図1〜4のそれぞれにおいて、曲線「A」として示す。
電池実施例1を、電解質溶液が5重量パーセントのAPC1を含むことを除いて、同様に製造する。電池実施例1を、比較電池Aにおけると同様に試験する。その試験による代表的放電曲線を、図1〜3のそれぞれにおいて、曲線1として示す。
電池実施例2は、電解質溶液がAPC1の代わりに5重量パーセントのAPC2を含むことを除いて、電池実施例1と同様に製造し、試験する。代表的放電曲線を、図1〜3のそれぞれにおいて、曲線2として示す。
電池実施例3は、電解質溶液がAPC1の代わりに5重量パーセントのAPC3を含むことを除いて、電池実施例1と同様に製造し、試験する。代表的放電曲線を、図2において、曲線3として示す。
比較電池B〜Fは、電解質溶液がAPC1の代わりに、5重量パーセントのAPC4、APC5、APC6、APC7およびAPC8をそれぞれ含むことを除いて、電池実施例1と同様に製造し、試験する。これらの各々に対する代表的放電曲線を、図1において曲線BおよびCとして、図2において曲線DおよびFとして、また図3において曲線Fとして示す。
図1〜4における放電曲線は、電池が、送り出される充電容量に関して、費やされる際に、電池によって生成される電圧の変化を、電極材料(この場合、LiCoOカソード)の全量によって規格化して示す(いわゆる、「比容量」)。望まれる性能は、電池が特定の電圧ウィンドウ内(これは、この場合、2.5から4.2ボルトである)で費やされる間に、電池が可能な限り多くの比容量を送り出すことである。図1〜3において、曲線Aは、比較電池A(これは、APC添加剤なしの対照電解質溶液を含む)によって生成される電圧が、約75〜80mAh/gの比容量が送り出された後で、2.5ボルトに下がることを示す。
電池実施例1は、5wt%のAPC1の存在にもかかわらず、この放電試験において、はるかに良好な性能を示す。4C放電速度で、100mAh/gを超える比容量が、上記の電圧ウィンドウ内で、電池によって送り出される。
電池実施例2もまた、この放電試験で、電池実施例2と同じほど良好ではないが、対照より良好な性能を示す。図1〜3における曲線2は、電池実施例2が、指定の電圧ウィンドウ内で、85〜90mAh/gの比容量を送り出すことを示す。電池実施例1と同じく、芳香族リン化合物の存在は、この放電試験で、対照(比較電池A)に比べて、電池性能を向上させている。
電池実施例3は、この放電試験で、比較試料Aより、ほんの僅かに悪い性能を示す。電池実施例3は、上記の電圧ウィンドウ内で、72〜75mAh/gの比容量を送り出す。
電池実施例3は、この試験で、比較電池B〜Fの各々より優れた性能を示す。比較電池B、CおよびEの場合には、放電試験での性能は、電池実施例3のそれより、はるかに悪いが、比較電池Fの場合には、その性能は、電池実施例3の性能にいくぶん近いが、それでもやはりそれより劣っている。
上記の様々な実施例および比較試料は、電池用電解質溶液におけるリン系添加剤の存在が、電池の電気的特性に、如何に予測できない仕方で影響を及ぼし得るかを例示する。通常、リン含有化合物の添加は、いくらか悪い影響を及ぼすが、その影響の大きさは、かなり異なり得る(例えば、比較電池B、C、およびDの性能を、比較電池DおよびFならびに電池実施例1の性能と比較)。しかし、本発明による芳香族リン化合物の存在は、電池実施例1および2におけるように、比容量に、有益な影響を及ぼし得る、あるいは、せいぜい、僅かな有害な影響だけを及ぼし得る(電池実施例3におけるように)。さらに、電池実施例2での結果を電池実施例3での結果と、また比較電池Eの結果を比較電池Fと比較することによって分かるように、様々なリン含有化合物の間の僅かな構造上の相違が、放電曲線に非常に顕著な影響を及ぼすことがある。
電池実施例1の再現物(duplicate)を調製する。電池試料1の再現物について、4C放電曲線を、今回は2回のC/10サイクルと、その後の5回のサイクル(それぞれ、C/2、1C、2Cおよび4C)を用いること以外は、前と同様に求める。その試験による代表的放電曲線を、図4に曲線「1」として示す。
電池実施例4は、僅か1重量%のAPC1が存在すること以外は、電池実施例1と同じである。電池実施例4を、電池実施例1の再現物と同様に試験する。その試験による代表的放電曲線を、図4に曲線「4」として示す。
電池実施例5は、10重量%のAPC1が存在すること以外は、電池実施例1と同じである。電池実施例5を、電池実施例1の再現物および電池実施例4と同様に試験する。その試験による代表的放電曲線を、図4に曲線「5」として示す。
比較のために、比較試料A(リン含有添加剤を含まない対照)の再現物を、同様に評価する。その試験による代表的放電曲線を、図4に曲線「A」として示す。
図4に見られるように、電池実施例1、4および5のそれぞれは、リン含有添加剤の存在にもかかわらず、放電試験で、比較試料Aが示す性能より、はるかに良好な性能を示す。
比較試料Aおよび電池実施例1の電解質溶液の熱安定性を、充電したLiCoOカソード材料の存在下に、示差走査熱量測定(DSC)を用い試験する。比較試料Aの電解質溶液は、約220℃で始まる大きな発熱を生じさせ、その温度で大量の熱分解が始まることを示す。電池実施例1の電解質溶液は、約250℃の温度に達するまで、如何なる発熱も生じさせず、放出される熱量は、対照によって放出される熱量よりはるかに少ない。したがって、5%の量のAPC1の添加は、熱分解の開始温度をかなり上昇させ、さらには、熱分解での熱の放出速度を低下させる。
(実施例6〜9)
電池実施例1の再現物に、100回の1C充電/放電サイクルにかける。電池の比容量を各サイクルで測定する。100回の充電/放電サイクルの終了時に、電池実施例1の比容量は、開始時の容量の約58%に低下した。
電池実施例6を、この場合、電池用電解質溶液が、構造XXVIのリン−硫黄化合物もまた0.2重量パーセント含むこと以外は、電池実施例1と同様に製造し、試験する。100回の1C充電/放電サイクルの後、この電池は、その開始時の容量の約75%を保持する。したがって、ほんの少量のこのリン−硫黄化合物の添加は、容量保持にかなりの利益をもたらすことが分かる。
電池実施例7を、この場合、電池用電解質溶液が、構造XXXIVのリン−硫黄化合物もまた0.2重量パーセント含むこと以外は、電池実施例1と同様に製造し、試験する。100回の1C充電/放電サイクルの後、この電池は、その開始時の容量の約81%を保持する。やはり、リン−硫黄化合物が、容量保持にかなりの利益をもたらす。
電池実施例8を、この場合、電池用電解質溶液が、2.0重量パーセントの炭酸ビニリデンもまた含むこと以外は、電池実施例1と同様に製造し、試験する。100回の1C充電/放電サイクルの後、この電池は、その開始時の容量の約78%を保持する。
電池実施例9を、この場合、電池用電解質溶液が、2.0重量パーセントの1,3−プロパンスルトンもまた含むこと以外は、電池実施例1と同様に製造し、試験する。100回の1C充電/放電サイクルの後、この電池は、その開始時の容量の約76%を保持する。
電池実施例1および6の再現物試料に、200回の1C充電/放電サイクルを繰り返す。次いで、それぞれの電解質溶液の熱安定性を、前述のようにして評価する。電池実施例1からの電解質溶液は、約235から260℃の範囲の温度で発熱を示すが、電池実施例6の電解質溶液は、約280℃で発熱を示す。このデータは、芳香族リン化合物に加えてのリン−硫黄化合物の存在が、サイクル後の電解質の熱安定性をかなり向上させることを示す。これらの結果は、最適な電極構造または容量バランスの選択を通じて電池の全体としての性能を最適化しようとする試みをたとえ行わなかったとしても、得られる。
(実施例10〜12)
電池用電解質溶液が6重量%のAPC1を含むこと以外は、電池実施例1に関して記載したものと同じである電池(実施例10)を製造し、形成サイクル(formation cycle)にかける。次いで、電池を、1Cの速度で4.2Vまで定電流で充電し、その後、4.2Vの定電位で放電し、その間に、電流はC/10未満に低下する。電池を、短絡を生じない様に、アルゴン雰囲気下で分解する。電極を、炭酸ジエチル溶媒で洗って、残留する塩および電解質溶液を除去し、真空下に乾燥させる。ほぼ等しい重量の電極および回収した電解質溶液を、アルゴンの下で、DSCパンに充填し、密封する。この試料をDSCにかける。実施例1と同様に、材料は、約250℃まで発熱を示さず、主な発熱ピークは、約290℃に現れる。
電池実施例11を、電池用電解質溶液が、APC1を3%だけ含み、また、次の構造を有する化合物も3%含むこと以外は、実施例10と同じに製造し、試験する。
DSC試験で、この材料は、約240℃で中程度の発熱を、300℃近くで、より急激な発熱を示す。
電池実施例12を、電池用電解質溶液が、APC1を3%だけ含み、また、次の構造を有する化合物も3%含むこと以外は、実施例10と同じに製造し、試験する。
DSC試験で、この材料は、約240℃で中程度の発熱を、300℃近くで、より急激な発熱を示し、実施例11のそれに非常に似ている。
実施例10〜12は、全て、出力特性性能試験で非常に似た性能を示す。
実施例10〜12での新鮮な電池用電解質溶液を、室温で9週間、密封したボトルに保存する。実施例10の溶液は、保存の間に、非常に濁ったが、実施例11および12のものは透明なままである。芳香族リン化合物の混合物の存在は、電解質溶液の貯蔵安定性を向上させることが分かる。

Claims (22)

  1. 少なくとも1種のリチウム塩、およびリチウム塩が溶ける非水溶媒を含む電池用電解質溶液であって、該電池用電解質溶液の0.01から80重量%が、構造:
    [式中、Aは、1つまたは複数の芳香族環を含む基であり;各Rは、独立に、1、2もしくは3個の炭素原子を含むことができ、かつA基の芳香族環の炭素原子に直接結合した2価アルキレン基であり、各Rは、独立に、水素、ハロゲン、OH、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、または12個までの炭素原子を有するアルコキシル基であるか、あるいは、同じリン原子に結合した2つのR基は一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成しており;xは、少なくとも2の整数である]
    によって表される少なくとも1種の芳香族リン化合物である電池用電解質溶液。
  2. 各Rが、1から4個の炭素原子を含むアルコキシル基である、請求項1に記載の電池用電解質溶液。
  3. 各Rが、メチレン、エチレンまたはイソプロピレンである、請求項1または2に記載の電池用電解質溶液。
  4. 前記芳香族リン化合物が、構造:
    [式中、各Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、各Rは、独立に、1、2もしくは3個の炭素原子を含み得る2価アルキレン基であり、各Rは、独立に、水素、ハロゲン、OH、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、または12個までの炭素原子を有するアルコキシル基であるか、あるいは、同じリン原子に結合した2つのR基は一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成しており;xは、少なくとも2の整数である]
    を有する、請求項1、2または3に記載の電池用電解質溶液。
  5. 前記芳香族リン化合物が、構造:
    [式中、Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、各Rは、独立に、1から8個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキレンである]
    を有する、請求項4に記載の電池用電解質溶液。
  6. 各Rが、独立に、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、各Rが、独立に、水素またはC1〜3アルキルである、請求項5に記載の電池用電解質溶液。
  7. 前記芳香族リン化合物が、構造:
    [式中、Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、各Rは、独立に、1から8個の炭素原子を有するアルキルである]
    を有する、請求項4に記載の電池用電解質溶液。
  8. 各Rが、独立に、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、各Rが、独立に、水素またはC1〜3アルキルである、請求項7に記載の電池用電解質溶液。
  9. 前記芳香族リン化合物が、構造:
    を有する、請求項1に記載の電池用電解質溶液。
  10. 前記芳香族リン化合物が、構造:
    を有する、請求項1に記載の電池用電解質溶液。
  11. 次の構造を有する少なくとも2種の芳香族リン化合物:
    [式中、各Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、各Rは、独立に、1、2もしくは3個の炭素原子を含むことができ、かつA基の芳香族環の炭素原子に直接結合した2価アルキレン基であり、各Rは、独立に、水素、ハロゲン、OH、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、または12個までの炭素原子を有するアルコキシル基であるか、あるいは、同じリン原子に結合した2つのR基は一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成しており;少なくとも1種の前記芳香族リン化合物では、xは少なくとも3であり、別の少なくとも1種の前記芳香族リン化合物では、xは2である]
    を含む、請求項1、2または3に記載の電池用電解質溶液。
  12. 前記溶媒が、線状アルキルカーボネート、環状カーボネート、エステル、アルキルエーテル、ニトリル、スルホン、スルホラン、シロキサン、およびスルトンから選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項1から11のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  13. 前記溶媒が、少なくとも1種の線状アルキルカーボネート、少なくとも1種の環状カーボネート、またはこれらの混合物を含む、請求項12に記載の電池用電解質溶液。
  14. 前記リチウム塩が、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、およびLi[(CFSON]の少なくとも1種である、請求項1から13のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  15. 固体電解質界面形成促進剤、カソード保護剤、リチウム塩安定化剤、リチウム堆積向上剤、イオン溶媒和向上剤、腐食防止剤、湿潤剤、および粘度低下剤から選択される少なくとも1種の他の添加剤をさらに含む、請求項1から14のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  16. 構造:
    [式中、各Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、1から3個の炭素原子を含むアルコキシル、またはC2〜3アルキレンであり、Rは、1、2もしくは3個の炭素原子を含むことができ、かつA基の芳香族環の炭素原子に直接結合した2価アルキレン基であり、各Rは、独立に、水素、ハロゲン、OH、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、または12個までの炭素原子を有するアルコキシル基であるか、あるいは、同じリン原子に結合した2つのR基は一緒になって、そのリン原子を含む環構造を形成している]
    を有する少なくとも1種の化合物をさらに含む、請求項1から15のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  17. 構造:
    [式中、Xは、酸素または硫黄であり、Tは、共有結合、酸素または硫黄であるが、但し、XおよびTの少なくとも一方は硫黄であり、各X’は、独立に、酸素または硫黄であり、各mは、独立に、X’が酸素である場合、ゼロまたは1であり、X’が硫黄である場合、ゼロ、1または2であり、nは、少なくとも1であり、好ましくは少なくとも2であり、各Rは、独立に、非置換であるか、または不活性置換されたヒドロカルビル基であるか、あるいは、R基は一緒になって、非置換であるか、または不活性置換された2価の有機基を形成しており、Aは、有機連結基である]
    によって表される少なくとも1種のリン−硫黄化合物をさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  18. 脂肪族炭素−炭素不飽和を有する少なくとも1種のカーボネート化合物をさらに含む、請求項1から17のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  19. 少なくとも1種のスルトン化合物をさらに含む、請求項1から17のいずれかに記載の電池用電解質溶液。
  20. アノード、カソード、該アノードとカソードの間に配置されたセパレータ、ならびに該アノードおよびカソードに接触している電解質溶液を含む電池であって、該電解質溶液が請求項1から19のいずれかに記載の電池用電解質溶液である、電池。
  21. 2次電池である、請求項20に記載の電池。
  22. リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウム金属電池、またはリチウムポリマー電池である、請求項20または21に記載の電池。
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